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2016年08月07日
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Orion HIMEJI x TSUBAME IRON

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Orion HIMEJI x TSUBAME IRON の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は444g です。

とても美しいマッスルバックアイアンです。
『目を見張る美しさ』といったらいいでしょうか?
久し振りに時が止まったような気がしました。
派手なデザインではないですが、とてもよく目立っていました。
周りには他のアイアンもたくさんあったのですが、このアイアンの存在感は際立っていました。
輝きを放っているように見えました。
一目で、ここまで心が揺さぶられたのは久し振りのような気がします。
かなり質感のいいアイアンです。

どこのメーカーなのかな?と思いました。
トゥ側には『HIMEJI x TSUBAME IRON Japan Forged』という文字があったので、HIMEJI x TSUBAMEという兵庫県のメーカーなのかな?と思いました。
日本的な美しさがあるな・・・。と思っていました。

よく見てみると、ヒール寄りに『Orion』の文字があったので、Orionのアイアンなのだということが分かりました。
以前、ウェッジを試打していて、とても好感をもっているのですが、このアイアンにもすっかり魅了されました。
普通、メーカー名はすぐに分かるように名前が刻まれているものですが、このアイアンはとても控えめでした。
このような控えめさは、あまり見られません。
この奥ゆかしいところも魅力的でした。

かなりシャープなアイアンです。
鋭利な刃物のような感じがします。
エッジも効いています。
最近はマッスルバックも各メーカーが発売していますが、ここまでシャープなのはあまり無いように思います。
『有無を言わせない美しさ』といったらいいでしょうか?
美しさと強さを感じました。
ゴルフとは全く関係ないですが、海の生き物でいえば『ホホジロザメ』のような鋭さがあるな・・・。と思いました。
ゴルフクラブにも草食系に感じられる物と、肉食系といいますか、食物連鎖の頂点に位置するような生き物に感じられる物があります。
このアイアンは後者のタイプだと思いました。

とてもシンプルなフラットバック構造です。
無駄の無い、シャープなフォルムです。
マッスルバックは本来、こういう形だと思いますが、今は様々なタイプのマッスルバックも見られるようになりました。
マッスルバックも多様化しているように思います。
トップラインも、かなり薄めです。
このアイアンは最新モデルということですが、とてもクラッシックな感じがします。
こういった雰囲気に魅力を感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ソール幅は狭いです。
最近のマッスルバックは少しワイドな物が多いですが、このアイアンは『昔ながらの狭さ』です。
懐かしい感じがしますが、果たしてこれだけの狭さは、多くの方に受け入れられるかな?と思いました。
このソールの狭さに、敷居の高さを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
ワイドなほうが安心できる・・・。という方も多いかもしれません。

トゥ側が大きく削り込まれていました。
芝の抵抗を軽減して、抜けを良くしているのでしょうか?

ネックの長さは少し短く見えました。
とはいっても、今のアイアンの中では普通の長さだと思います。
もっとロングネックを予想していたので、少し短く感じられました。
こういったところは、今のアイアンの流れに沿っているように思います。
『あがりやすさ』にも気を配って設計されているのかもしれません。

フェース面にはミーリングはありませんでした。
とてもシンプルで美しいフェース面です。

角度を変えて見ても、この美しさに思わずため息が出てしまいました。
これだけのフェース面の美しさを出せるメーカーは、そう多くはないと思います。
ウェッジのときも感じていましたが、かなり『磨き』『仕上げ』にこだわっているように感じます。
スコアラインがまるで生きているように見えました。
フェース面は唯一、ボールとコンタクトする場所です。
このような『美の極み』ともいえるフェース面で打たれたら、ボールもとても心地良い気分で飛んでいくだろう・・・。と思いました。
ラウンドしていると、『キックがいいときとそうでない時』がよくあります。
ボールが心地良く飛んでいるときは、キックが良くてカップに寄っていくけど、そうでないときはたとえラインを出せたとしてもキックが悪くてカップから遠ざかってしまう・・・。と感じることがあります。
もちろんキックは地面の傾斜などで決まるのですが、そう感じさせるほど、ボールが心地良く飛んでいるのか、それとも嫌な気分にさせてしまっているのか・・・。と感じることがあります。
私は技量がまだ未熟なので、なかなか笑顔で飛ばしてあげられていないと思います。
しかし、このような美しいフェース面に接したボールは、笑顔の確率も上がっていくのではないかな?と思いました。
このフェース面を見ているだけで、色々なインスピレーションが湧いてきました。
ここまで心を揺さぶられることはあまりありません。
この圧倒的な存在感は何だろう・・・?と思いました。

ボールを前にして構えてみても、『圧巻』という言葉が浮かぶくらい、すごくいい印象をもつことができました。
この構えやすさ・イメージの出やすさは凄いな・・・。と思いました。
以前、ウェッジを試打したときに、そのあまりの光沢感から、天気のいい日は眩しくて構えづらいのではないか?と思ったことを覚えているのですが、このアイアンにはそのような不安は感じませんでした。
かなり綺麗に仕上がっていますが、どのような天気でも対応できそうだな・・・。と思いました。
小顔タイプで、ボールとの大きさのバランスもちょうどいいです。
ヘッドが大きいタイプではないので、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれないですし、グースの効きが強いほうではないので、グースタイプを好まれる方には合いづらいところがあるかもしれません。
人によって好みが大きく分かれるところだと思います。
私はとても惹かれました。
色々な角度からこのアイアンを見回してみてもいい感じなのですが、こうして構えてみても、いい目の保養ができました。
このアイアンのもつ雰囲気にどっぷりと浸かることができました。
今日もとても暑さが厳しい一日でしたが、私の打席の周りだけ涼しい風が吹いているような感覚になりました。
ちょっと大袈裟な表現かもしれませんが、そう思えてくるくらい、このアイアンの美しさに魅了されてしまいました。
『心躍る』とはこういうことをいうのでしょうか?
このアイアンに出会えた幸運に感謝しました。
試打を開始しました。

『打感』は予想通り、すごくいいです。
柔らかな感触と、ボールの乗っかり感を楽しむことができました。
今はバーンと弾く感じのアイアンも多くなってきましたが、そのようなタイプのアイアンでは、この極上の打感は楽しめません。
心地良い打感の『貯金』ができている・・・。といったらいいでしょうか?
ゴルファーである限り、この貯金をずっと殖やし続けていきたいと思っています。
もしボールに感情あるとするならば、おそらく微笑みながら飛んでいるんだろうな・・・。と思いました。
そう思えるほどの柔らかい打感でした。

『球のあがりやすさ』は自然な感じです。
7番アイアンらしい出球の高さと最高到達点でした。
イメージが合いやすいです。
今はマッスルバックやハーフキャビティも、『異材』がコンポジットされていてあがりやすさを高めている物も少なくないですが、このアイアンにはそういったことは感じませんでした。
勿論、見えないところに色々な工夫がされていると思うのですが、このアイアンは『ワンピース感』を感じました。
自然な感じがしました。
昔のマッスルバックのようなことはなく、とても親しみやすくなっていると思いますが、今のアイアンの中ではそれほどあがりやすくなっているとは思いませんでした。
あくまでも『ナチュラル』な感じがしました。

『安定性』という点では、マッスルバックらしいシビアさがありました。
いいところでヒットできたときには、たまらない強い弾道が打てますが、そこから少し外れると大きく違ってきました。
正直さは充分あります。
しかし、この正直なところ、反応のいいところがまた魅力なのだと思いますし、何球打っても飽きることがありません。
常に、このアイアンの反応を楽しむことができます。
反応を楽しんでいるうちに色々なアイデアが浮かび、それを実践することによって技術の幅も広がっていくような気がします。
高安定性のアイアンでは、なかなか『遊ぶ』ことができませんが、このアイアンは色々と遊ぶことができました。

『飛距離性能』は本来の7番アイアンらしい感じがしますが、今のアイアンの中では、かなり飛ばないほうだと思います。
飛距離を求めておられる方には、物足りないところがあるかもしれません。
しかし、縦の距離感を大切にしておられる方。
アイアンは正確に距離を刻む物だと心得ておられる方。
飛びすぎないのも、また性能のひとつだと考えておられる方には、このアイアンの飛びは『信頼できる飛び』といえるのではないでしょうか?
飛びすぎるアイアンは縦の距離の幅が大きすぎて、なかなかまとめることができない・・・。と感じておられる方には、とても頼もしく感じられるのではないでしょうか?
飛びすぎないので、打った後も余計な不安や心配は少ないように思います。
飛ぶけど、どこまで飛ぶか分からないし、キャリーだけでなくランが多すぎても使いづらいな・・・。と思っておられる方にも、扱いやすく感じられるのではないでしょうか?

『操作性』という点では予想していた通り、最高レベルでした。
とても敏感に反応してくれますし、大きく曲げることも小さく曲げることも易しく出来ました。
『曲げの弧』を調整しやすい・・・。といったらいいでしょうか?
実戦向きのアイアンだと思いました。
クセがなく、左右どちらにも反応してくれました。
私は普段から練習場でも、殆ど曲げて楽しんでいるので、今日はずっと楽しめました。
一球一球違う球を打つのは、とても楽しいです。

アイアンはゴルフボールを打つ為の道具であると思うのですが、ここまで美しいと『工芸品』としての価値があるように思います。
この美しさは他を圧倒します。
所有欲を満たしてくれるアイアンです。
自分のバッグに入れておくだけでも楽しいですし、部屋に飾って毎日磨きながら楽しむのもいいだろうな・・・。と思いました。

このアイアンの全ての部分が美しいのですが、特にフェース面が美しいと思いましたし、その美しさにずっと見とれていました。
先ほども書きましたが、フェース面はボールとの『唯一の接点』なので、こだわるのは当たり前なのかもしれません。
色々なアイアンを試打していると、とてもチープに見えたり、雑に作っているな・・・。と感じたりすることはよくあります。
メーカーの思いが伝わって来ず、『淡々』といいますか、ただ作っているだけ・・・。という印象のアイアンもたくさんあります。
温かみが感じられず、ずっと冷たく感じるアイアンもあります。
そういうタイプのアイアンは、なかなかこちらの思いが伝わらない感じがします。
そこはメーカー毎の方針のようなものがあると思うのですが、私はこのアイアンのようなメーカーのこだわりが感じられる物に惹かれます。

試打しながら、子供の頃に読んだ『金の斧』の話を思い出しました。
もし、このアイアン以外に『金のアイアン』『銀のアイアン』があって、どれを落としたのか尋ねられたとしても、私は迷わず、この『軟鉄のアイアン』を正直に選ぶだろう・・・。と思いました。
もちろん、金額的には金や銀のほうが高価なのは知っていますが、ゴルフクラブとしては軟鉄には敵わないですし、金や銀ではここまでの『造形美』は出せないのではないかな?と思いました。
とはいっても、金や銀のゴルフクラブで球を打ったことはないですし、見たこともないのですが・・・。(ダイヤがたくさん散りばめられたクラブは見たことがあります。)
実際に金や銀でアイアンを作って球を打ってみたら、どのようなフィーリングになるのか、とても興味があります。

ゴルフクラブにも2種類あって、ひとつは『使い減りする』タイプ。
そしてもうひとつは『使い減りしない』タイプ。があります。
前者は購入したての最初のうちだけはいいけど、どんどん魅力が失われてしまうタイプです。
そして後者は新品のときももちろんいいけど、使っていけばいくほど、また新たな魅力が加わっていくタイプです。
『引き算』になってしまうクラブには魅力を感じませんが、『足し算』できるクラブは魅力的ですし、ずっと付き合っていけます。
このアイアンは完全に後者のタイプです。
色々なクラブを試打していると、『何年か先』を想像したくなるクラブに出会うことがあります。
そういうクラブはそれほど多くないのですが、このアイアンはそのごく少数派の中に入っていました。
ずっと使い続けても、きっと輝きを放ち続けてくれるだろう・・・。と思いました。

実際に球を打ってみても、とても良かったですし、最初から最後までこの『美しさ』に魅了されっぱなしでした。
とても贅沢な気分になれました。
チープさは微塵も感じられなかったですし、おそらくかなり高価なんだろう・・・。と思い、値段を尋ねてみたのですが、やはり今のアイアンの中では高価な部類に入ると思いました。
しかし聖地ともいえる『姫路』ということもありますし、これだけのこだわりをもって作られているのだから、コストパフォーマンスは決して悪くないと思いました。
このアイアンを見ているだけで気持ちも高揚してくるのだから、それだけでも価値があるな・・・。と思いました。

マッスルバックなので、いわゆる『易しさ』を目的に作られていません。
今は易しいクラブへのニーズが高い時代なので、それほど多くの支持は集められないかもしれません。
なので、人気沸騰ということにはなりにくいかもしれませんが、シンプルでナチュラルなアイアンで腕を磨いていきたい方。
極上のフィーリングと扱いやすさを味わいたい方には、是非試していただきたいです。
普段からマッスルバックを使っているので、マッスルバックに対する苦手意識は全くないけど、そろそろ買い替えたいな・・・。と思っておられる方にも、このアイアンを試していただきたいと思いました。
ゴルフは『クラブやボールとの対話』だと、以前訊いたことがあるのですが、今日はまさにそのような感じがしました。
楽しくてあっという間に予定の時間が過ぎてしまいました。
また何度でも試打したいと思いました。
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