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2016年04月07日
フォーティーン TC770 フォージド アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは FOURTEEN TC770 FORGED アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは32度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、バランスはD1.5、クラブ総重量は419gです。

フォーティーンの新しいアイアンです。
フォーティーンらしく、落ち着いたデザインで、上手くまとまっています。
フォーティーンのアイアンといえば、このようなキャビティタイプを連想するのですが、このアイアンはこれまでの物とは違う雰囲気がありました。
大らかさというよりは、研ぎ澄まされている感じがしました。
とても魅力的でした。

シャープな外見でカッコ良くなっていたからなのかもしれません。
フォーティーンのアイアンは『イージー系キャビティ』のイメージが強いですが、このアイアンはキャビティでありながら、アスリート色が感じられました。
いいアイアンだな・・・。と、打つ前から既に魅了されていました。
私はボテッとした分厚くて大きいタイプよりも、このようなシャープなアイアンに魅力を感じます。
まず、目で楽しむことができました。

彫りの深さは、まずまずといったところでしょうか?
シンプルなデザインになっています。
今はアイアンもいろいろなパーツが組み合わさっているものが増えてきていますが、このアイアンはとてもシンプルです。
このシンプルさがフォーティーンらしいといえるように思います。
色々なパーツが組み合わさったアイアンもいいですが、私はこのようにシンプルなアイアンが大好きです。

ソール幅はノーマルな感じですが、今はワイドな物が多いので、今のアイアンの中では少し狭いほうかもしれません。
とても美しいソール形状だな・・・。と、見ていて思いました。
シンプルで、フラットに近いソール面です。

ネックはやや短めですが、これくらいの長さが今の標準といえるのかもしれません。

フェース面にミーリングはありませんでした。
フォーティーンらしく、シンプルで美しいフェース面です。

トップラインの厚さはノーマルな感じです。
厚い印象はありませんでした。
いいイメージを出せそうです。

このオリジナルグリップは、もうお馴染みです。
フォーティーンは全ての番手のクラブにおいて、このグリップが標準装備されているのでしょうか?
番手(ドライバーやFW・UT・アイアン・ウェッジ)によって、グリップが変わってきてもいいのではないかな?と私は思っています。
それはクラブによって、役目が違うからです。
飛ばす為のクラブには飛ばす為のグリップがあると思いますし、狙う為のクラブには狙う為のグリップ。
そして寄せる為・そのまま入れてしまう為のクラブには、それに適したグリップがあると思っているからです。
クラブセットは『統一感』が大切ですが、グリップは変わってもいいような気がします。
とはいっても、全て同じグリップにするということもアリだと思います。
このグリップはいい感じですし、特に不満はなく普通に打っていけます。

ボールを前にして構えてみると、とても好感がもてました。
フォーティーンのアイアンは構えやすい物が多いですが、その中でも、このアイアンはかなり優秀な構え感があります。
最近のフォーティーンのアイアンの中では、ダントツにいいな・・・。と思いました。
すごくいいイメージが出せました。
少しグースが利いていましたが、気になるほどではありませんでした。
左へ巻き込むイメージではなく、回していけそうな感じがしました。
気持ちがどんどん盛り上がってきました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
ソフトなフィーリングで、見た目通りの打感でした。
アイアンには欲しい打感です。
『ザ・アイアン』といった感じがします。

『球の上がりやすさ』という点では、標準という印象をもちました。
特別あがりやすくなっているようには感じなかったのですが、不自然さはなかったので、好感がもてました。
『今の7番アイアン』を打っているんだ・・・。ということを認識しながら打っていくことができました。
高い機能性をもったアイアンでは、なかなか味わえない感覚です。
明らかにヒッター向けのアイアンといっていいと思います。

『安定性』という点では、キャビティらしい易しさも感じられますが、今のアイアンの中では、それほど寛容さがあるとはいえないのかもしれません。
ハーフキャビティに近い印象をもちました。
ミスヒットに反応しやすい面はあると思いました。
マッスルバックのようなシビアさは全く無いですが、アイアンに『易しさ』を求めておられる方には、難しく感じられるところがあるかもしれません。
キャビティタイプのアイアンですが、決して『易しさ最優先』のアイアンではないと思いました。

『飛距離性能』という点では、まずまず・・・。と思いました。
今のディスタンス系アイアンと比べると、明らかに飛ばないほうだと思いますが、飛距離よりも距離感を大切にしていきたい方には親しみやすいところがあるのではないでしょうか?
私はこのアイアンのように『飛びすぎない』アイアンが好きです。
飛びすぎるアイアンにもたくさん出会ってきましたが、コースでは怖くてなかなか使う気になれません。
自分の意識よりも飛ぶ。
狙ったところよりも遙かに先に着地する。ということは、いくらいい当たりをしてもミスショットです。
飛びすぎていいことは殆どありません。
そういったことから、このアイアンの『飛びすぎないところ』に魅力を感じました。

『操作性』という点では、なかなかいい感じでした。
左右にも曲げることは難しくありませんでした。
マニュアルタイプというほどでもないですし、どちらかといえば『セミオートマチックタイプ』に近いかな?と思いました。
操作性の良さと、ブレにくさの、ちょうど中間くらいに位置している感じがしました。

昔からフォーティーンのアイアンはいい物が多いですが、このアイアンはそれらの中でも、かなりいい印象をもちました。
とても品のいいアイアンだな・・・。と思いました。

ここ数年に出会ったフォーティーンのアイアンの中で、かなり好感度が高いです。
今、フォーティーンのアイアンを購入するとしたら、私はこのアイアンを真っ先に選びたいです。

最新モデルではあっても、決して機能性だけが独り歩きするのではなく、プレイヤーのフィーリングを大切にしてくれているように感じました。
自分の感覚を最優先していけるので、コースでも心強いだろうな・・・。と思いました。

フォーティーンのアイアンは『イージー系』のイメージもありますが、このアイアンはちょっと違うように思います。
明らかに『アスリート色』が強いです。
一般的な敷居の低いアイアンとはいえないかもしれません。

なので、使い手を選ぶアイアンといえるような気がします。
『イージー系』『正直系』でいえば、明らかに『正直系』に入ると思います。

普段からハーフキャビティを使い慣れておられる方には、何の問題もなく使っていけると思いますが、イージー系のアイアンを使い慣れておられる方には、少し難しく感じられるかもしれません。
しかし、このような正直なタイプに慣れていって、ショットの精度を高めていくのもアリだと思いますし、イージー系が物足りなくなった・・・。という方には、是非試していただきたいアイアンです。
易しいに越したことはないけど、ミスしたらそれをはっきり伝えてくれるアイアンが好きだ・・・。という方には、とても魅力的な存在になってくれるのではないでしょうか?

これまでのフォーティーンのアイアンは結構軽量タイプが多かったので、このアイアンの重さにとまどっておられる方もいらっしゃるかもしれません。
訊くところによると、このモーダスのシャフトが純正だということなので、どうしても重すぎるというのであれば、リシャフトやバランス調整をするという選択肢もアリなのではないでしょうか?
また何度でも試打したいですし、コースでも使ってみたい、好感のもてるアイアンです。
コメント
ありがとうございます
TC530からTC770に2月から変えました。ハードルが上がることは承知済みでした。しかし、これまでゴルフショップの試打で1発目から芯を食った当たりをしたことがない私が、このクラブでは1発目、2発目と芯を食い、これぞ軟鉄という感触に惚れ込んで即購入してしまいました。
ところが、最近アドレナリンが出始めてきたのでしょうか、飛ばそうと強振になったり、ダウンブローに打とうと早めにコックを入れてみたりとしているうちに、スイングが乱れてしまい、もう一度530に戻そうかと悩んでしまっているところです。
レポートに書かれているように正直系とはさすがの診断だと思いました。良いクラブであることに間違いはなく、悪いのは自分ですので、正直なクラブとともに成長しようと思い直すことができました。
また、タイトリストやPRGRなどのクラブと比較すると、このクラブの美しさに勝るものがありません。1年間頑張って使いこなしてみます。
余談ですが、モーダスシャフトのウェッジがラインナップになく、フォーティーンに相談しても明確な回答が得られず、フォーティーンの戦略に疑問を持っています。
そこで、タイトリストCold Forgedのモーダス120を注文しました。これまで通りウェッジもフォーティーンにしたかったのですが、Cold ForgedとRM21の形状は非常に似ていましたので大丈夫かなと思っています。如何でしょう?
2016-04-08 17:14 Taniguchi URL 編集
フィッティングは大切ですね!
返信が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
TC770はとてもいいアイアンなので、ずっと使い続けていただきたいと思いました。
頂いたコメントを拝読すると、Taniguchi様は行きつけの工房が無いように思えたのですが、いかがでしょうか?
もし、顔なじみの信頼のできるクラフトマンの方の工房があるのであれば、今回の件はすぐに解決できるような気がします。
メーカー(特に大手有名メーカー)では、なかなかこちらの細かな注文には応えてくれないことが多いように思います。
特にOEMに頼っているメーカーはそうなってしまいますね。
ミズノなど『自社生産』しているメーカーでは細かな注文にも応えてくれますが、フォーティーンはそうではないですね。
なので、今回のようなことも普通にあり得ることだと思います。
タイトリストCold Forgedのモーダス120を注文されたようですが、それがとてもフィットしていて気に入っておられるのであれば、私は何も申せません。
RM21と形状が似ているということで注文されたのだと思いますが、それで上手くいっているのであれば、そのままされるのがよろしいかと思われます。
ただ、私ならば間違いなくフィッティングをして、リシャフトなども含めて細部までこだわって調整すると思います。
私はゴルフを始めてからずっとDGを挿しています。
これはずっと変わりません。
ただDGはいわゆる『製品誤差』が大きいことでも有名です。
メイドインUSAも、JAPANのようにはいかないですね。
トゥルーテンパーよりは日本シャフトのほうが遙かに精度が高い物作りをしていると思います。
私がいつもお世話になっているクラフトマンも、DGよりもモーダスのほうが組みやすいと、いつも言っています。
それは精度が高いからだそうです。
私はDGからDGにリシャフトしています。
ヘッドだけをパーツで購入したときは、いいシャフトだけを厳選して組んでいるので余計な費用はかかりませんが、最初からセット販売されているアイアンであれば、ほぼ全てリシャフトする必要性がでてきます。
私が今愛用しているアイアンはセット販売されているものでしたが、全てリシャフトしてバランスや振動数、重量など、細かいところまで調整しています。
もちろん、ライ角やロフトのチェックも完璧に行っています。
よく難しいアイアン・易しいアイアンなどと言われますが、自分自身に合っていないアイアンは、例えキャビティでも難しいものです。
私はずっとMBを愛用していますが、全て私に合うように調整しているので、難しいと感じたことはありません。
これまでも書いてきましたが、いわゆる『既製品』で売られている物は殆どが『バラバラ』の状態です。
どういうことかと申しますと、例え同じセットのヘッドと同じメーカーの同じブランドのシャフトでも、厳密に計測してみればバラバラな数値が出てしまうことのほうが圧倒的に多いです。
見た目は揃っているようでも、実際はバラバラなのです。
大量に販売するメーカーは、細かいところまで合わせることは難しいのだと思います。
もしそれをすれば、価格にまで影響してくると思います。
全てがピッタリと合うということは、まず起こりえません。
真っ直ぐに見えるシャフトでも、ヘッドを抜いて転がしてみれば、すごく曲がっている・・・。ということも普通にあります。
抜かずに目でパッと見て曲がっているのが分かる物も普通に売られているのが現状です。
私はそういうクラブをたくさん見てきました。
それはアイアンセットだけでなく、ウェッジなどでもそうです。
アイアンやウェッジは『ライ角が命』といえるように思います。
ライ角が合っていないと、どんな素晴らしいアイアンやウェッジでも方向性を出していくのは難しくなります。
私はこれまでたくさんの方を見てきて、ライ角にあまり関心を持たれていない方が多いような気がします。
方向性が出しにくいというのはライ角が合っていない確率が高いですし、アイアンセットでも番手によって距離が合わないということはロフトピッチが合っていない確率が高いと思われます。
クラブの難しい・易しいは『自分に合っているかどうか』だと私は思います。
もし、お近くに工房がおありでしたら、一度計測されてみてはいかがでしょうか?
おそらく意外な結果がでるのではないでしょうか?
Taniguchi様は既製品をそのまま使っておられるようなので、『調整』をされるとすごく使いやすくなると思いますし、その結果ゴルフが易しくなると思います。
どのヘッドにするか?ということはとても大切ですが、それと同等かそれ以上に『自分に合うように調整する』ということが重要になってきます。
Taniguchi様は感性の鋭い方だとお見受けしましたし、向上心の高い方だと思います。
なので、是非『フィッティング』ということにも意識を向けていただきたいと思いました。
市場に出回っているシャフトは全く同じように見えて、実はバラバラなものが集まっているのです。
それを厳選して使っていくことが大切なのではないでしょうか?
ヘッドでもライ角やロフトはもちろん、重量バランスが取れていない物もたくさんあります。
なのでシャフトだけでなく、ヘッドにも気をつけないといけません。
そうして完璧に仕上がった世界にひとつだけの『自分の為だけのクラブ』は愛着が湧きますし、信頼もできますね。
フィッティングはとても大切です。
難しいと思っていたクラブも、調整することにより蘇ってきます。
以上が私の考えなのですが、参考にしていただけましたでしょうか?
これからもお互い、ゴルフをエンジョイしていきましょう!
それでは失礼いたします。
2016-04-12 23:11 golfdaisuki URL 編集
ありがとうございます
大変丁寧な解説をしてくださりありがとうございます。拝読して目が覚める思いをしています。ゴルフギアの購入先は工房があるオリジナルブランドを持つ大手量販店ですが、フィッティングはしたことがありません。
と、言いいますのはゴルフのスイングに関して、これが正解というのがわからないのです。きれいなフォームですねとは言われるのですが、ヒット率が低いこと、ダフリ、トップが多いこと、狙ったところに打てないことなどを勘案すると正しいスイングをしているとは思えません。
このような状態の中でライ角を変えてみて何がわかるのだろうかと思っています。むしろ混迷の深みにはまるような気がしています。
したがって、好きなブランドとデザインを優先し、その評判をよりどころに、ご指摘のとおり既製品のままで使っているのが現状です。
若いころ、競技スキーをしていましたので、スキーのチューンナップに関してはエッジの調整やワクシング、さらにブーツの調整など足裏感覚で分かったものです。しかし、ゴルフギアに関しては全くわかりません。その時は良くても、翌日は別物になるような気がするのです。
スキーの場合ですと、テストして合わなければ、その場で再調整できますが、ゴルフの場合はそのようなわけにはいきませんし、私のスイングを見てフィッティングポイントがクラフトマンにわかるのだろうかと思ってしまっています。
フォーティーンの故竹林さんの本も読みクラブを設計する人ならできるのだろうなと思いますが、私のような大手量販店しかないような環境ではどうしたものでしょうか?
たとえば、大手量販店の工房でも、フィッティングの依頼の仕方のアドバイスがあれば教えていただけないでしょうか。
ラウンド回数を増やそうと近くのコースのメンバーになり、月例を含めてゴルフをエンジョイしていますが、スコアもHDも全く上がりません。「お助けクラブ」という評価を目にすると、ついつい難しいクラブをチョイスしているのかなと不安になるのですが、デザインが気に入らないものを使う気にはならないしなあと、上達したい気持ちと相反したギアへの拘りが勝ってしまいます(笑い)。
もし、何かアドバイスがありましたら、お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。
2016-04-17 11:17 Taniguchii URL 編集