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2015年09月09日
フォーティーン C-030 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは フォーティーン C-030 ウェッジ のAW です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは51度、クラブ長さは35インチ、シャフト重量は132g、バランスはD2、クラブ総重量は471gです。

フォーティーンのニューウェッジです。
フォーティーンらしい、キャビティタイプです。
以前試打した、DJ-11 を思い出します。
やはり、同じようなコンセプトで設計されているのでしょうか?
私はウェッジにキャビティ構造であることの必要性を殆ど感じていないのですが、このウェッジのように作り続けられているということは、それだけニーズがあるからなのだと思います。

小顔タイプではなく、明らかに大きさを感じさせます。
コンパクト感はありませんが、この大きさも多くの支持を集めているのだと思います。
全体的な質感は、これまでのフォーティーンのウェッジと同じです。

この大きな凹みが、とてもよく目立っています。
こうすることで、かなり慣性モーメントが大きくなっているのでしょうか?
打感が犠牲になってしまわないかな?と思ってしまいますが、それを上回る易しさが得られるのかもしれません。

ソール幅はワイドです。
この広さは予想していました。
SWでも、ここまで広い物はそれほど多くないように思います。
ウェッジのトップメーカーのひとつでもあるフォーティーンのことだから、このワイドソールにも大きな理由があるのだろうと思いました。
ウェッジ好きで、アプローチの練習ばかりやっている私は気持ちが高ぶったり、クラブを隅々まで見回してみたりすることもあるのですが、今日は少し淡々とした感じで見ていました。
外観が、私が好むタイプと違っていたからかもしれません。



ソールが大きく凹んでいました。
これが、以前試打したD-030やDJ-11 と大きく違うところです。
あまり見ない形状です。
キャビティバックに、キャビティソールの『Wキャビティウェッジ』と呼べるのではないかな?と思いましたが、このウェッジのソールはキャニオンソールという名前になっているのだと教えてもらいました。
グランドキャニオンのキャニオンでしょうか?
キャビティ(凹み)ではなく、キャニオン(峡谷)という意味なのでしょうか?
ワイドソールで、全体的に丸みを帯びているので、滑りが良さそうだな・・・。と思いました。
フォーティーンのクラブなので、この凹みも、深い研究によって生み出され、きっと大きな理由があるのだろう・・・。と思いました。
タイプは異なるのですが、ずっと昔にあった、テーラーメイドのゲタ履きソールを思い出しました。

ネックの長さは標準的です。
今はショートタイプのウェッジも見かけるようになりましたが、このウェッジには適度な長さがあり、好感がもてました。
あまり上から潰していくタイプには見えなかったのですが、スピンは掛けやすそうだな・・・。と思いました。
全体的な『艶消し感』もいいな・・・。と思いました。
今日は曇ったり、時折強い雨が降ったりしていましたが、天気が良い日でも、光を反射せずに構えやすそうです。
集中力を維持していけそうです。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ごく普通の、綺麗なフェース面です。
これまでのフォーティーンのウェッジらしく、機械的に丁寧に仕上げられた感じがします。
ウェッジにも『ハンドメイド感』があるタイプと、『マシンメイド感』があるタイプに分けられます。
このウェッジは明らかに後者ですし、マシンメイド感が殆どです。
ハンドメイド感のあるウェッジはあまり多くありません。
マシンメイド感は均一性が保たれていて、製品としての精度も高いと思いますが、どこか冷たそうな印象をもつこともあります。
しかし、このウェッジにはそこまで感じることはありませんでした。
淡々と見ていましたが、気持ちを通わせることはできそうだな・・・。と思いました。
このマシンメイド感も、魅力のひとつと言えるのかもしれません。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
ある程度予想していた顔でした。
セミラージサイズで、グースの利きも目に入りましたが、苦手意識が芽生えるほどではありませんでした。
ただ、気持ちがグーンと盛り上がることなく、ずっと一定のテンションのままでした。
できればもう少しシュッとしたほうが好きですが、このままでも特に問題は無いと思いました。
あくまでも私の好みとしては、もっと小顔でグースの利きが弱いほうが好きなのですが、この大きさやグースの度合いこそが、『今のスタンダード』といえるのかもしれません。
今、もっとも多くの支持を集める大きさ・形状といっていいのではないでしょうか?

こういったタイプは、結構開きづらい物が多いように思いますが、このウェッジは開いて構えることも普通にできました。
特に邪魔するところは無く、イージーな開きやすさだと思いました。
私はウェッジを開いて使いたいので、開きやすさはとても重要な項目です。
そういった点で、このウェッジはそつなくこなしているように見えました。
ただ、マニュアルタイプではなく、あくまでもオートマチック的な印象をもちました。
あまり細工をするタイプではないと思いました。
できるだけ、このウェッジに任せていって、主導権を少しだけ渡してみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はまずまずでした。
予想していた通りでした。
これまでのモデルと同じようなフィーリングです。
見た目のイメージと合致しやすい打感です。
フェースにボールを乗せて『くっつき感』で勝負するタイプではなく、どちらかというと『バン』と弾くタイプだと思いました。
私が求める打感とは少し違いますが、特に大きな不満はありませんでした。
こういった打感も、充分アリなのだと思います。

スピン性能は、なかなかいい感じでした。
激スピンタイプで、ボールがギュッと止まる感じはしませんでしたが、ズルズルと滑ることもなく、上手く芝をキャッチして止まってくれました。
『足(ラン)』を計算しやすいタイプだな・・・。と思いました。
今日は雨が時折激しく降ったりして、あまりいいコンディションではなかったので、少し滑るような印象もありました。
もし天気が良ければ、もっと止まっていたのかもしれません。

アプローチグリーンは雨が降り出すと、それまで混んでいたのがまるで嘘のように空いてしまいます。
みなさん、それぞれの打席に戻られたり、帰宅されたりします。
確かに雨に濡れながらの練習は、あまりいいものではないかもしれません。
やはり、いいコンディションの中での練習のほうが楽しいですし、集中力も散漫になりづらいと思います。
しかし、私は悪いコンディションの中での練習も大好きです。
あまり合羽を着ませんが、どうしても必要になれば着用します。
今日は半袖にして着ながら練習を楽しみました。
試合でも、また普通のラウンドでも雨や強風の中でプレーしなければいけないことは多いので、悪いコンディションに慣れておくのも重要だと思います。

球はあがりやすいと思いました。
少しグースが利いていますが、球の拾いやすさには大きな影響がありませんでした。
出球の高さのイメージも合いました。

『安定性』は高いです。
キャビティタイプの特長といっていいと思います。
普通のフラットバック構造のウェッジには、『小舟のような敏捷性・小回りの良さ』があるとするならば、このウェッジは『大船のような大胆さ』といいますか、『大らかさ』がありました。
進み出すまでに多少時間が掛かるけど、一旦進みだしたらなかなか止まりづらい・・・。そんな印象をもちました。
ヘッドの大きさもありますし、少々のミスヒットには寛容なところがありました。
打点を一点に絞りこんでいくのではなく、あくまでもフェース面を大きく使っていけるようなタイプだと思いました。
私はウェッジには、ここまでの大らかさを求めてはいないのですが、この大らかさが魅力的だという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

距離感という点では、最初の数球は少し合わず、イメージよりも短い球を打ってしまいました。
いいイメージを鮮明に描くことができなかったからかもしれません。
どことなく、心が『よそ行き』といいますか、遠慮していた部分もあったような気もします。
しかし、それから何球が球を運んでいくうちに、落としどころが整うようになりました。
このようなオートマチックタイプは『合うときはすごくいいけど、そうでないときは難しく感じることも多い』と思います。
マニュアルタイプは、そういった点では修正も早くできます。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
操りにくい感じはしなかったのですが、やはりマニュアルタイプではなく、オートマチックタイプだと思いました。
色々なニュアンスを出していくというのではなく、あくまでも『自動的』なほうがいいように感じました。
色々な球を求めていく・・・。というのではなく、『愚直なまでのストレート』を求めていったほうがいいのかな?と思いました。
バリエーションの多さというよりも、少ないバリエーションの中で、より確実性を求めていくタイプだと思いました。

ワイドソールということもありますし、このような形状なので、滑りが良さそうだな・・・。と思っていましたが、実際に球を打ってみても、その通りでした。
前(ボール手前)でのミスにかなり寛容な感じがします。
そのようなところが、このウェッジの一番の長所といえるのではないでしょうか?
元々、ウェッジはダフり気味にアプローチしていくことも多く、クリーンにヒットすることのほうが少ないように思います。
勿論、ライなどの状況によるのですが、ボール手前から滑らせていくほうが、成功率が高まる場面は多いです。
草の抵抗を軽減してくれれば、すごく楽に感じます。
芝(ラフ)とケンカするタイプではなく、上手く折り合いを付けてくれるタイプだと思いました。
今日は試すことができませんでしたが、今度機会があれば、ベアグランドや深いディボット跡で、どのように対応してくれるか試してみたいと思いました。
オートマチック的なところがある分、少し苦戦してしまうかもしれない・・・。と思いました。

バンカーでは、殆どSWを使いますが、状況によってはAWやPW。
場合によっては9Iを使うこともあるので、今日はこのAWをバンカーで試してみたのですが、いい感じで脱出させることができました。
バンカーは水分を多く含んで締まっていましたが、特に問題なく打つことができました。
今度は晴天の日のフカフカの乾いた砂でも試してみたいと思いましたし、そのような砂のほうが、このウェッジの良さが発揮されやすいのではないかな?と思いました。
砂をバチンと弾く感じが出やすいように感じられました。

ちょっとタイプは異なりますが、以前試打したこともある、キャスコのドルフィンウェッジを思い出しました。
ドルフィンウェッジはフィンのような物が付いていて特徴的でしたが、このウェッジはソールの凹みがいい仕事をしてくれているように思いました。
どちらも、アプローチやバンカーが苦手な方の為のお助けウェッジといった特徴があるように思います。
『易しさ』に秀でたウェッジです。

フルショットはともかく、距離を調整しなければならない場面がウェッジでは多く、その時の大きなミスのひとつに『ザックリ』があると思います。
このミスはとても痛いです。
フェースを開いて、ソールを使うことに慣れていれば、かなり防げるミスだと思いますが、なかなか思うようにいかない・・・。という方もいらっしゃると思います。
特に小技の練習があまり好きではない・・・。という方には、心強い存在になってくれそうです。

機能性を重視し過ぎるあまり、構えづらくなって苦手意識ばかりが先行してしまうと、マイナスのほうが大きくなると思います。
しかし、このウェッジはそういったところにも、きちんと配慮されていると思いましたし、ドルフィンウェッジと共通するところだと思います。
一見上級者用っぽいところがありながらも、実際に打ってみるととても易しい・・・。
バンカーでエクスプロージョンが普通に出せるようになってバンカーからの脱出はおろか、ピンに寄るようになった・・・。ということになりやすいのではないでしょうか?

機械的でオートマチック的なところがありながらも、冷たくなく、どこか温かみが感じられるウェッジだな・・・。と思いました。
フォーティーンらしい、『和製ウェッジ』だと思いました。

購買意欲が強く刺激されることは正直無かったのですが、それはあくまでも私の好みであったり、私がウェッジに求めたいものが違っていたりするからであり、このウェッジに魅力が無いわけではありません。
むしろ、このようなイージーでオートマチックタイプが、人気が出やすいのではないでしょうか?
アプローチの練習時間を充分に確保できない方には、とても頼もしい存在になってくれると思います。
かなり機能性が高いウェッジです。
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