Post
≪ロイヤルコレクション SFD X7 フォージドアイアン | HOME | アストロツアーⅤⅢ ドライバー≫
2015年06月16日
マルマン Conductor PRO-X ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは マルマン Conductor PRO-X ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は467gです。

マルマンのとてもカッコいいウェッジです。
コンダクターシリーズのイメージにピッタリな正統派のデザインになっています。
マルマンのウェッジに出会う機会は他のメーカーに比べそれほど多くないので、今日はとても嬉しく思いました。

シンプルでオーソドックスな形状です。
ウェッジはドライバーやFWなどのように『ハイテク』が組み込まれにくいところもありますが、このシンプルなところがまたいいのだと思います。
シンプルだからこそ、プレイヤーの感覚を活かしやすい部分はあると思います。
このウェッジから、とてもいい雰囲気が伝わってきました。

ソール幅はノーマルだと思いました。
SWとして、標準的です。
奇をてらった感じがなく、王道をいっている感じがします。

かなりのロングネックです。
ウェッジには、これくらいのネックの長さが欲しいところです。
見慣れた長さではありますが、いいウェッジの匂いがプンプンしているな・・・。と思いました。
とても美しい形状で、いい目の保養ができました。

リーディングエッジは削られていました。
全体的な形状は『昔ながら』といったところですが、こういった細かいところは今のクラブの特徴だと思います。
抜けの良さにもこだわって作られているのだと思います。

フェース面には、はっきりとしたミーリングがありました。
すぐに分かりました。
最近は近くでよく見ないと解りづらいほどの細かなミーリングも増えてきましたが、このウェッジのミーリングは、はっきりしています。
指で触れてみても、強いザラザラ感がありました。
Zodiaのウェッジを思い出しました。

バックフェースにも、ミーリングのような工夫がされています。
以前試打した、ロッディオのマッスルバックアイアンを思い出しました。
クラブとしての性能とは直接関係ないような気もするのですが、細部にまでこだわって作られているということが、すごく伝わってきます。
こういった繊細さといいますか、細かなところまでこだわりが感じられるのは、日本メーカー特有です。
海外メーカーの中には、いい意味でいうと『合理的』で、逆の意味でいうと『大雑把』に感じられることもあります。
『物理』を最優先して、フィーリングが置き去りになったクラブにもたくさん出会ってきました。
物理的な性能は勿論大切ですが、私は作り手のこだわりが感じられるクラブをいつもそばに置いておきたいと思っています。
いいクラブだから自分もそれに負けないよう練習を積んで、いいゴルフをしよう・・・。という気になれます。
クラブ単体としての性能が高いだけでなく、プレイヤーのモチベーションを上げてくれたり、技術や感性を引き出してくれたりするクラブが『いいクラブ』といえるのではないでしょうか?
科学だけでは説明のつかない部分かもしれません。
そういった意味でも、このウェッジはいい印象をもちました。

このオリジナルグリップも、なかなかいい感じです。
私が好きなベルベットタイプとは異なりますが、このグリップが好きだという方も多いのではないでしょうか?
ただ、もし私がこのウェッジを購入したら、すぐにツアーベルベットに交換すると思います。
あの独特なしっとり感が、微妙なフィーリングを出してくれるので、ウェッジはもちろん、アイアンにも欠かせません。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
とても構えやすいです。
『全くの王道』といいますか、変なところとか、余計なものが全く見られません。
感覚を邪魔しない、構えやすさをもったウェッジだと思いました。
いいイメージがたくさん湧いてきました。
今のウェッジは少しずつ大きくなってきているようにも思うのですが、このウェッジは昔ながらの大きさです。
小顔なほうだと思います。
適度な大きさなので、ボールとのバランスもちょうどいいです。
ボールがニッコリと微笑んでいるように見えました。
集中力が高まっていきました。

フェースも開きやすいです。
私はウェッジを開いて使うことが多いので、開きやすさはとても重要なポイントです。
ソール形状もいいのか、丸く使っていくことができました。
ソールを丸く回して開いていく感じです。
かなりのマニュアルタイプのウェッジだと思いました。
開き具合を細かく調整できるタイプです。
最初は普通に打つか、それともロブ的に柔らかくいこうか・・・。などと考えていました。
私はウェッジの練習が大好きなので、今日は楽しい試打になるな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトですが、ガツンとしっかりと食い付いてくれるのが、よく解りました。
滑るのではなく、しっかりと乗せて運んでいけるフィーリングです。
『面の角度』を意識できる打感です。
心地いいフィーリングです。

スピン性能はかなり高いです。
食いつきがとてもいいので、かなりスピンも掛かっているのが伝わってきましたが、ボールもよく止まりました。
キュキュッという感じで、急ブレーキが掛かって止まりました。
フェース面が、かなり仕事をしてくれていたのだと思います。
スピンが掛かったり掛からなかったり・・・。といったことにはなりにくいと思いました。
なので計算もしやすく、アグレッシブなゴルフが出来そうです。
守りに入ったり、保険をかけてしまったりすることもゴルフにはありますが、やはり攻めているときは楽しいですし、ワクワクします。
ドライバーを攻めと考えておられる方もいらっしゃると思いますが、私はドライバーよりもウェッジのようにグリーンに近くなればなるほど攻めの色合いが強まるように思います。
ドライバーは、いい意味で『置きにいく』ことも多いです。
ライなど条件にもよりますが、アプローチはできるだけ攻めていきたいと考えています。
このウェッジだと、安心して攻めていけそうだな・・・。と思いました。
計算しやすいからこそ、アグレッシブになれるような気がします。

球も拾いやすく、出球の高さのイメージも合いやすいです。
グースの利きが弱いので、いつも通りの感覚で球を運ぶことができました。
余計な気を遣うこともなく、『普段着感覚』で打っていくことができました。
私はこの形状が好きですが、グースタイプを好まれる方は、やや合いづらいところがあるかもしれません。

『安定性』という点では、正直なタイプですが、特に難しく感じることはありませんでした。
これまでたくさん出会ってきた、一線級のウェッジと同等です。
ラインも出しやすく、予想もしていなかったような変な球がでることはありませんでした。
イメージさえ頭にしっかり描くことができれば、あとはクラブが仕事をしてくれる感じです。

『操作性』は、かなり高いです。
先ほども書きましたが、フェースの開閉を使いやすいので、微妙なニュアンスが出せます。
上げて良し、転がして良し。
アプローチで『業(ワザ)』を使いたい方にはピッタリのウェッジといえるのではないでしょうか?
『業師(ワザシ)の為のウェッジ』といえるのかもしれません。

オーソドックスなタイプなので、距離感も合いやすいです。
球も拾いやすいですし、出球のイメージをしっかりと出すことができました。
初対面ではあっても、もう何十年の付き合いのような親しみやすさです。
微妙なニュアンスを出していけるので、オートマチックタイプというよりは、完全にマニュアルタイプだと思いますが、こういったところもウェッジの魅力といえるのかもしれません。

『カツフワ』といったらいいでしょうか?
『カツン』という打感で、球は『フワッ』と上がってくれます。
スピンがしっかり掛かってくれているので、安心感があります。
難しい状況でも、しっかりと対応してくれそうです。

先日も書きましたが、マルマンにはあまりウェッジの印象はありません。
やはり、ドライバーのイメージが強いです。
特にチタンが出始めの時のマジェスティドライバーが、一本20万円だったことが今でも頭から離れません。
このクラブのブランドはコンダクターなので、マジェスティとは違いますが、やはりマルマンは『手が届かない』というイメージが昔からありました。
手は届かなくても、しっかりとしたクラブ作りをしているメーカーであることは、昔から変わりません。

先日試打した『ゼロバンスウェッジ』もいいウェッジだと思いましたが、私はこちらのほうが気に入りました。
どちらかを購入するとなれば、迷わずこのコンダクターを選びます。

やはりマットの上だと、ウェッジ本来の魅力が出し切れないな・・・。と思いました。
次にまた試打する機会があれば、ぜひ実際の芝やラフの上で試してみたいと思いました。
そのほうが、このウェッジのもつポテンシャルの高さをもっと感じとることができたのは間違いないと思いました。
これからはマルマンも、ウェッジのイメージがつきそうです。
コメント