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2015年04月11日
A DESIGN GOLF A GRIND CB

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは A DESIGN GOLF A GRIND CB の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200 です。

初めて出会った、A GRINDのアイアンです。
初めて手にするメーカーのクラブは、どういった傾向があるのか探りながら見ることもあるのですが、このアイアンはとてもいい雰囲気があります。
惚れ惚れするほど美しいアイアンです。
アイアン好きの私は思わず見とれてしまいました。

オーソドックスなキャビティアイアンといった感じがします。
この艶消し仕上げが、質感をさらに高めています。
落ち着いた感じがします。
色々なアイアンを試打していると、時にはチープに感じたり、雑な感じのするアイアンに出会うこともあるのですが、このアイアンは全く違っていました。
すごく丁寧に造られている感じが伝わってきました。
こうして見ていると、やはり『今風』な感じもします。
昔は『フェース高』の高いアイアンが多かったですが、今は低めが多いです。
このアイアンもそれほど高い感じはしませんでした。
むしろ、低めな感じがします。

彫りの深さは、結構あります。
オーソドックスなフルキャビティといったところでしょうか?

トップラインは少し厚めでしたが、今はこれくらいが標準的なのかもしれません。
ここの部分が厚すぎたり、丸みがありすぎたりすると、いいイメージが出にくいこともあるのですが、このアイアンはそんなことはないだろうな・・・。と思いました。

ソール幅はノーマルな感じです。
このソールを見ていても、このアイアンの美しさを感じとることができました。
打つ前から、どんどん気持ちが高まってきます。

リーディングエッジには削りが入っていて、抜けも良さそうです。

ネックの長さも、しっかりとキープされています。
このちょうど良いバランスに、改めて美しさを感じました。
今は『頭でっかち』なタイプのアイアンも多いですが、私はこのようなオーソドックスなタイプが好きです。

ホーゼルには『KOBE JAPAN』と記されていました。
アイアンの聖地ともいえる兵庫県のメーカーだということが解ります。
兵庫県には素晴らしいメーカーがたくさんあります。
とてもレベルの高い県です。

フェース面にミーリングは無く、美しい仕上がりになっています。
こうしてフェース面を間近で見ていても、こちらのイメージを伝えやすそうな感じがしてきます。
いい雰囲気があります。

ボールを前にして構えてみても、好感がもてました。
とても構えやすいです。
クセの無い、『万能型』といった感じがしました。
強いグースタイプのアイアンを好まれる方は構えづらいかもしれませんが、私はこのアイアンの構え感は気に入りました。
大きさや形状も上手くまとまっているのですが、シャープ過ぎず、どこか寛容さを感じさせる顔をしています。
大らかな印象もありながら、しっかりとイメージを出していくことができました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
適度な柔らかさと、球の乗っかり感を楽しむことができました。
第一印象からプンプン匂っていたフィーリングの良さを実際に感じとることができました。

『球のあがりやすさ』という点では、ノーマルといいますか、自然な感じがしました。
今はロフトを立てながらも、球があがりやすくなるような工夫が施されているアイアンがたくさんありますが、このアイアンはそれらとは違うナチュラルな昔ながらのアイアンといった印象をもちました。
ベーシックであり、純度の高いアイアンだと思いました。

『安定性』という点では普通だと思いました。
キャビティアイアンですが、『易しさ重視』という感じはしませんでした。
勿論、シビアな感じは全くしませんが、今多く見られるハイテクアイアンのような寛容さは持ち合わせていないと思いました。
シビア過ぎず、かといって鈍感なタイプのアイアンは使いたくない・・・。という方は試してみられる価値があるのではないでしょうか?

『飛距離性能』は標準的で、7番アイアン本来の飛びだと思いましたが、今のアイアンの中では、明らかに飛ばないほうだと思います。
アイアンの飛距離性能をアドバンテージに感じておられる方には、やや物足りないところがあるかもしれません。
1センチでも、1ミリでも遠くに飛ばすのではなく、やはり『距離感』『狙ったところに落とす』ということをアイアンに求めておられる方には、かなり魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
ゴルフには、ボールを『遠くに飛ばす楽しみ』もあれば、『コントロールする楽しみ』もあると思います。
このアイアンは『コントロールする楽しみ』が味わえるタイプだと思いました。

『操作性」という点では、いい感じでした。
左右どちらにも曲げやすいアイアンです。
今は曲げにくいと感じるアイアンも多くなってきましたが、このアイアンは昔ながらの扱いやすいタイプです。
マッスルバックのような敏感さは無いものの、反応が鈍い感じは全くなかったので、自分自身の持ち球で勝負できると思いました。

率直に、いいアイアンだな・・・。と思いました。
様々なハイテクがたくさん組み込まれている・・・。という感じは全くしませんでした。
むしろ、とてもシンプルなアイアンだと思いました。
しかし、このシンプルさがプレイヤーの感覚を高めてくれると思いますし、余計な雑味が無いところが、プレイヤーとクラブとの意思の疎通が図りやすいような気がしました。

このような素晴らしいアイアンに出会うことができる日本に住んでいて、本当に幸せだな・・・。と思います。
初めて手にするメーカーのクラブは、まだ様子が分からないこともあり、必ずしも好感がもてるとは限らないのですが、このアイアンはすごく気に入りました。
初めて目にしたときから返却するまで、ずっと興味津々でしたし、しばらくはこのアイアンのことが頭から離れないだろう・・・。と思いました。

今はアイアンも色々な素材が使われていますし、ハイテク化が進んでいます。
しかし、やはり『軟鉄こそ最強』だな・・・。と、改めて思いました。
フィーリングもそうですし、ロフトやライなどを調整しやすいということもあります。
そして、この軟鉄の風合いがとても美しいです。
今日は打つ前から、ずっと目の保養ができていました。

試打しているのがとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
早く帰って録画しておいたマスターズを観よう・・・。と最初は思っていたのですが、楽しくてなかなか止める踏ん切りがつきませんでした。
あと10球打ったら帰ろう・・・。いやもうちょっと打とう・・・。などと、自分の中で気持ちが揺れ動いていました。

飛距離の出るアイアンも素晴らしいですが、やはりこのように距離感で勝負できるアイアンには頼もしいです。
自分のフィーリングを伝えやすいアイアンが易しく感じます。
オーガスタはTVで見ていても、その傾斜のキツさがよく解ります。
フェアウェイからでも、平らなライがとても少なく、多くがつま先上がりやつま先下がりなどになっています。

そういったときに、このアイアンのようにベーシックなタイプだと、対応しやすいだろうな・・・。と思います。
オートマチックタイプは易しい反面、融通が利きづらいところもありますが、このアイアンはそれぞれの場面で対応してくれそうです。
日本のメーカーのクラブは海外でも人気が高いですが、大手有名メーカーだけでなく、地クラブメーカーのクラブがオーガスタを制してくれたら、すごく嬉しいです。
このA DESIGN GOLFというメーカーが地クラブメーカーなのか、私には分かりませんが、まだ歴史は浅いようです。
しかし、歴史は浅くても、このように素晴らしいクラブを作るメーカーには魅力を感じます。

購買意欲が強く刺激されました。
今日は練習場でしたが、これがもしコースだったとしたら、とても楽しいラウンドになっていただろうな・・・。と思いました。
爽やかな気分のまま、練習場を後にしました。
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