2023年09月28日 - ゴルフクラブ試打日記。

その練習に目的を ローンチモニターの可能性

2023年09月28日

      
2023年09月28日
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テーラーメイド NEW P790 ('23) アイアン

                 



テーラーメイド NEW P790 ('23) アイアン
今日は、このゴルフクラブ試打しました。

試打クラブ
テーラーメイド NEW P790 ('23) アイアン の7番です。



N.S.PRO® MODUS3 TOUR 105
シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。

ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、バランスはD2、キックポイントは元調子 です。



正面
テーラーメイドの新しいアイアンです。

モデルチェンジしても名前を変えないということは、この『790』という数字に、何か特別な意味があるのではないでしょうか?

過去のモデルから、このクラブもおそらく中空なのだろうという予測が立ちました。

P770、P790の『P』とは、どういう意味があるのでしょうか?



TUNGSTEN
トゥ側に『TUNGSTEN』の文字があります。

タングステンは今でこそポピュラーになりましたが、登場したての頃は、ヘッドに比重の異なる素材を組み込むということがとても画期的なことで、これによりクラブの設計自由度があがり、プレイヤー側も鉛を貼ることが少なくなりました。

ソールの一部分に使われることもありますし、全体的に大きく使われることもあり、同じメーカーでも大きく変わってきます。

あまり多く使うとヘッドが重くなってしまいますが、このクラブの場合はどうでしょうか?



側面
中空らしく、少し膨らんだ感じがするので、やはり中空なんだな・・・。と思いました。

最近は中空に力を入れているメーカーが多くなりましたが、テーラーメイドはその代表格といっていいように思います。



彫りの深さ
見た目マッスルバックやハーフキャビティのようにすっきりとシンプルでありながら、キャビティ並の易しさがあるところが、中空最大のメリットです。

『見た目とのギャップ』こそが、技術革新といっていいのかもしれません。



トップライン
トップラインはやや厚めで、もう少し薄いほうが私は好きですが、低重心系のアイアンは、これくらいが多いように思います。



ソール幅
ソール幅は普通で、過去のモデルと変わらないのではないでしょうか?

ソールにある、この黒い溝のようなものもすっかり定着してきました。

他のメーカーが採用していないので、これを見るだけで、テーラーメイドのアイアンだと分かります。



FORGED
ホーゼルには『FORGED』の文字がありました。

フォージドというと『柔らかい』というだけでなく、それ以外にも『密』というイメージがあります。

空洞だらけの打感ではなく、鉄を極限まで叩きあげて素材を密にし、空洞を無くして不純物を取り除く・・・。といった感じでしょうか?

今回のニューモデルは打感にも力を入れているんじゃないか?と期待感がこみあげてきます。



ソール形状
ソール形状も普通で、特に変わったところは見られません。

ヘッド内部に力を入れて、ソールには力を入れなかったのか、それともこの形がベストというように結論づけられているのか、どちらかだと思います。

このアイアンは軟鉄鍛造ということのようですが、こうして見ていると『ステンレスのような冷たさ』を感じました。

軟鉄特有の、あの独特な柔らかくて温かい雰囲気は伝わってこず、質感もあまり好きではありません。



リーディングエッジ
リーディングエッジの削りに大きな工夫は見られません。



トレーリングエッジ
トレーリングエッジも同様です。



ミーリング無し
フェース面にミーリングは無く、シンプルです。

スコアラインにも、特に工夫は見られず、いわゆる『スタンプ式』の機械的なタイプです。

人ではなく、機械がクラブを作っているのがわかります。

いろいろなクラブを見ていると、そのクラブの生産されている工程をイメージし、『早く作られるタイプ』と、『じっくり手間を掛けてこだわって作られるタイプ』があり、このアイアンは前者です。

じっくり時間を掛ければ掛けるほどいいというわけではありませんが、プレイヤーは『使い勝手』を大切にするのと同時に、作り手が『手間を惜しまずこだわり』をもって大切に作られているクラブは魅力を感じます。

目の前のクラブに興味をもち、もっと知ってやろう・・・。と思えるクラブか、それとも興味をもてず、TVで言えば『ワンクール』でOKという付き合いになるか・・・。

そんなことを考えていました。

メーカーによって、フェース面に力を入れているところもあれば、全く変えず工夫が見られないところもあり、テーラーメイドは後者です。

フェース面はいろいろな規制があり、メーカーとしても、あまり手を加えたくはないのかもしれません。

私が設計家なら、いろいろなアイデアがあり、やってみたい工夫もいくつかあるのですが・・・。



装着されているグリップ
装着されているグリップはこれまでも見てきた、タイプです。

ソフトなフィーリングで好感が持てます。

グリップがグレーというのは珍しい感じもしますが、晴れの日のラウンドや練習で、黒よりも日光を吸収しないので熱くなりにくいですし、白よりも汚れが目立たないという利点もあります。

私はオーソドックスな黒が好きですが、今はカラフルなグリップもたくさんありますし、自分のラッキーカラーなどで選ぶのもいいのではないでしょうか?



振り感
素振りをしてみると、なかなかいい感じで好感が持てました。

やや軽量ではありますが、頼りない感じはなく、タイミングも整えやすいです。

今はスチールシャフトではモーダスの採用率が最も高いように感じますし、それだけ品質や精度の高さでユーザーからの信頼を得ているのだと思います。



構え感
ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じです。

一番目に付いたのは、やはり『トップラインの厚さ』で、このせいで少しイメージが出づらいといいますか、ボヤけた感じがしました。

クリアなイメージは浮かんできません。

グースは弱く、大きさも適正で方向性は出しやすそうです。



試打を開始しました


フェース面
一球目から、この中空独特の『ペチャッ』という打感にテンションが下がってしまいました。

最新モデルであっても、打感は改善されていないんだな・・・。と思いましたし、メーカーもあえて、この打感にこだわっているのかもしれません。

中空アイアンをもっと幅広い層に認識してもらって、アイアンの中でのひとつのカテゴリーにしたいという思惑があるのかな・・・。と思いました。

マッスルバック・ハーフキャビティ・ノーマルキャビティ・フルキャビティ・ポケットキャビティと同等の中空というカテゴリーの中で勝負していくのかもしれません。

中空なので、端からマッスルバックやハーフキャビティなどと打感で争わない・・・。と決めているのかもしれません。

テーラーメイドは毎回斬新なアイデアからクラブを作り続け、時には『革新的』といえるような歴史に残るクラブを世に送り出してきました。

なので、このアイアンにもかなり工夫がされていて、打感が良くなるように設計されているのかもしれませんが、私の鈍い感性ではそれを敏感に感じ取ることができませんでした。

最新モデルであっても、打感はこれまでの中空と一緒。

『ペチャッ』という薄くて物足りない打感です。



トゥ側
『球のあがりやすさ』は普通ですが、どちらかというと、アスリート向けのアイアンといっていいのではないでしょうか?

ロフトが立っていますが、他のモデルだとそのロフトが立ったデメリットを他の技術で上手くカバーしているようなところがありますが、このアイアンはそれほどお助け機能は感じません。

人によっては、球があがりづらい・・・。と感じられるのではないでしょうか?

アイアン(特に7番から下の番手)は、インパクトからフォローにかけて、ボールがグッとフェースに乗って、フェースを駆け上がっていくようなイメージが欲しいですが、中空アイアンにはそれが無く、弾き感があって、そのまま前に進むような感じです。

ヘッドの厚みで押していく・・・。というよりは、少し『当たり負け』しているような打感で、プレイヤーの意志がボールに乗っていきません。



バックフェース
『安定性』は、いい感じで、ノーマルキャビティと変わらない感じがします。

見た目はマッスルバックのようでも、実際はキャビティのような大らかさがあるのが中空の良いところで、おそらく見えないところ(ヘッド内部)にたくさんの工夫がされているのではないでしょうか?



飛距離性能
『飛距離性能』も優れていて、よく飛びますが、今のディスタンス系アイアンの中では平均的』といっていいような気がします。

バチンと弾く感じで、『クール』といいますか、『無機質』な弾道で飛んでいきました。

このようなタイプのアイアンで、プレイヤー自身のイメージや感情・距離感をボールに乗せていくことができたら、かなりのアドバンテージになるだろうな・・・。と思いましたが、私は長く打ちたいとは思わないので、そのアドバンテージを得られることは無いかもしれません。



操作性
無難な顔と大きさなので、操作性はなかなかいい感じでした。

見た目よりも大らかな性能をもっているので、自在に操るというよりは、『自然な流れ』で使っていくべきアイアンなのかな・・・。と思いました。

ドローヒッターの方にも、フェードヒッターの方にも扱いやすいアイアンだと思います。



試打後の感想


ヒール側
中空アイアンが多くなり、テーラーメイドは今や、そのトップメーカーといっていい存在です。

なので、おそらく今回も様々な技術が投入されていると思います。



TaylorMade NEW P790 ('23) アイアン
ヘッド内部のパーツの形状や素材の変更。

空洞部分の面積の増減。

いろいろあると思いますし、どの形状が最適な、CADなどを使って綿密に設計されているのだと思います。



TaylorMade NEW P790 ('23) アイアン
しかし私の雑な感性はそういった繊細なところを感じることができず、『いつもの中空』という印象しかありませんでした。

もっと中空に興味をもって、たくさん接していれば、また違った発見があったのかもしれません。

中空を長く使っておられる方は、過去のモデルとの大きな違いを敏感に感じ取られたかもしれません。



テーラーメイド NEW P790 ('23) アイアン
これから中空アイアンが益々進化していくことを期待します。


構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆

※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P

最後までお読みいただき、ありがとうございました。