2023年06月13日
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2023年06月13日
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MUQU Indutry Design アイアン S25C

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは MUQU Indutry Design アイアン の7番 です。

シャフトは Dynamic Gold120 です。
ロフトは32度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは中調子、バランスはD4、クラブ総重量は439g です。

見ているだけで幸せになれるほど美しいアイアンです。
美しさだけで、ここまで心を揺さぶられるクラブはなかなかありません。
以前、このアイアンは試打したことがあったのですが、それはステンレス(SUS303)で、今回は軟鉄モデルです。
ヘッドの材質は『S25C』ということで、昔からある軟鉄の『定番』といえます。
S25Cよりも打感が柔らかいと評判の『S20C』や『SS400』でも作って欲しいです。
今はS20Cを多くのメーカーが採用していますし、その打感の良さは折り紙付きですが、私は特にSS400に期待しています。
それは10年前に『あのアイアン』を試打してから、ずっと気になっているからです。
同じ軟鉄で、しかもキャビティなのに、ここまで打感が良くなるのか・・・。と心が揺さぶられ、その記憶は今も消えていません。
なかなかSS400が採用されていないようですが、もっと増えてくると嬉しいですし、購買意欲が刺激されます。

<上>軟鉄モデル
<下>ステンレスモデル

<左>ステンレスモデル <右>軟鉄モデル

<左>ステンレスモデル <右>軟鉄モデル
今回の軟鉄モデルと、前回のステンレスモデルを見比べてみたのですが、全くといっていいほど違いは見られません。
どちらも仕上げが綺麗ですが、あえて言うなら、最終的な仕上げは少しステンレスのほうが好みです。
ゴルフクラブはボールを打つための道具ではありますが、その役目を変えて、部屋で飾って『目の保養』用にしておくのもいいな・・・。と思えるほどの存在感があります。
疲れて帰ってきて、部屋でこのアイアンを見るだけで、疲れやストレスが一気に吹き飛んでいきそうです。
もし、このアイアンを購入したら、ずっと枕元に置いておくだろうな・・・。と思いながら見ていました。
工具無しで簡単にシャフトを替えられるというのも画期的ですし、同じモデルの素材違いがあるというのも素晴らしいです。
こういうメーカーは他に無いのではないでしょうか?
他のメーカーがやっていないことをやるのが、まさに『個性』ですし、開発において小回りが利くのは、大規模メーカーよりも地クラブメーカーのほうが有利だと思います。
多少値段が張っても、アイアンは長く使うクラブなので、精度や品質にこだわって選ぶべきではないでしょうか?
私の知人の中に、番手を変えても、距離が変わらない・・・。という人がいました。
彼は必死にスイングを変えようとしていましたが、私はそれを見ていて、ひょっとしたらロフトピッチがバラバラなのではないか?と思い、私が日頃からお世話になっているクラフトマンの居る工房に行って計測してみたら、その通りでした。
各番手、ロフトがバラバラでカタログ通りではないですし、長さやバランスなどもそうでした。
私はそのメーカーに対して『メーカーとしての誠実さ』に欠けるな・・・。と残念に思ったのですが、大量生産で設計・製造・検査など全て下請けに丸投げして、ひたすらコストカットしているメーカーなので、仕方ないのかな・・・。と思いました。
そういうクラブはいくら安くても買いたくないですね。
不誠実なクラブのせいで、私の知人は悩まなくてもいいことにずっと悩んでいたのです。
彼はその後、クラフトマンの助言を受けて、アイアンを買い替えて微調整し、これまでの悩みが消え、好調を維持しています。
なので、調子が悪いな・・・距離の打ち分けが難しい・方向性が出せない・・・。と悩んでおられる方は、一度信頼できる工房を訪ねてみられてはいかがでしょうか?
これまでの悩みが一気に解決するかもしれません。

『I 00』というのは、試作時の製品名ということのようです。
プロトタイプっぽくて、カッコいいですね。
こういうクラブを試せるのは『プロの特権』のようなところが昔からありましたが、今は少しずつ変わっているのかもしれません。
プロの意見も大事ですが、実際にクラブを買うのはほとんど、私たちアマチュアゴルファーです。
なので、アマチュアゴルファーの意見をもっと大切することが重要になってくるのではないでしょうか?
同じプロでも契約プロの『公な意見』は参考にできないかもしれません。
本当は悪く思っていても、それを口に出して言えないからです。
ただし、契約外のプロがわざわざ使っているというのはそれだけ魅力があるということになります。
今も勿論、プロの影響はありますが、昔ほど大きくはありません。
プロが使ってアマチュアにも人気が出るというのは、ごくわずかというのが現状ではないでしょうか?
それよりも今の多くのアマチュアがプロモデルよりも、『自分に合ったクラブ』を選ぶ傾向が強く、そして目も肥えているように感じます。
私も昔はプロの(しかも契約プロ)の意見を参考に、クラブやボールを購入してきましたが、自分の感覚のほうが大切だということを実感しています。
昔、あるメーカー(日本一契約プロが多い)の契約プロたちが、
「このボールを使って飛距離が5ヤード伸びた」とか、「このドライバーに替えてから飛距離が10ヤード伸びた」などのコメントがカタログやゴルフ雑誌などに掲載されていて、私はそれを鵜呑みにして購入し続けていました。
しかし、それは今となってはどうかな?と思っています。
もちろん、そのプロが嘘を言っているとは思っていませんが、疑問は残りました。
そのプロが毎年『飛距離が伸びた』と言っていたので、そろそろ平均飛距離が300ヤードを超えるのでは?超えなければおかしい・・・。と思っていました。
しかし実際は270ヤードのままで、どうなのかな?と疑問をもつようになり、契約プロの意見を参考にしなくなりました。
もちろん、今はそういう広告の仕方は制限されているようで、どのメーカーもやっていないですが・・・。

シンプルでカッコいいアイアンです。
先日試打したステンレスと、この軟鉄はカッコ良さという点で変わらないですし、見分けもつかないほど仕上げが似ています。
これまで『メッキのムラ』や『接着部分のムラ』が見えたり、『塗膜の濃淡』が見て取れるクラブに出会ったことがありますが、このアイアンにそれはありません。
すごく綺麗で、あまりの美しさに『目がしびれる』ような感覚・・・。といったらいいでしょうか?。
私の目が喜んでいるのが分かります。
ゴルフクラブに限らず、自然風景などもそうですが、生きている間に、なるべく多く美しいものを目にしていたいと思っているのですが、今日はそれが叶いました。









彫りの深さやソール形状・ネックの長さなど、ステンレスタイプと同じです。


この綺麗なミーリングも同じです。
見ているだけで、心が和む『極上ミーリング』です。
これまで、アイアンのミーリングをたくさん見てきましたが、『極上』という言葉が浮かんだのは今回が初めてです。

フェース面だけでなく、ネック周りなど、様々な部分に綺麗な凹凸があります。
ここまで綺麗に仕上げるには、かなりの時間と労力が掛かっているのではないでしょうか?
通常のクラブメーカーではなく、『金属を専門』にしてきたからこそ、ここまで『美』というものにこだわれるのだと思います。
クラブという『製品の美』という以前に、『金属の美』『素材の美』を追求しているように見えました。
素材だけでなく、その製法にもかなりこだわりがあるようです。
質感の良くないクラブだと思わないですが、このように綺麗なクラブはどのように製造されたんだろう?と、その製造工程まで想像することがあります。
私はクラブ製作者ではなく、どこにでもいる、ごく普通のゴルファーに過ぎませんが、もしクラブを作るなら、このような美しいクラブを作りたいと思います。
『売れる』ことに超したことは無いですが、『美しいものを残したい』という思いがあるからです。
ちょっと大げさかもしれませんが、それこそが『作り手としての生き様』といえるのではないでしょうか?

この『7』の見せ方も同じで、とても美しいです。
ただ、もし私が使うのであれば、アイアン用マニキュアを買って、黒く塗りつぶしてしまうかもしれません。
このままでも充分ですが、もしコースで見分けがつかず、思っていたのと違う番手を手にしたら・・・。と思うと、色を塗りたくなります。

惚れ惚れするほど、いい顔をしています。

ただ、やはり前回同様、このネックにあるスプリングワッシャーが全てをぶち壊している・・・。といいますか、大きな『残念ポイント』です。
まさに『ネック』となっています。
ここの部分が目立ちすぎ、『ボテッ』としていて、顔の良さをかき消しています。

ただ、後から知ったのですが、このスプリングワッシャーは無くても、球を打つことができるのだそうです。
緩むことが無いよう、スプリングワッシャーが組み込まれているというのは、工業関係者なら誰もが理解できると思います。
私は先日のステンレスモデルを試打したときに、このスプリングワッシャーが無いほうがいいな・・・。と思いながら試打していたのですが、人からお借りしているものですし、私が勝手に変えてはいけないので、このまま試打したのですが、外して試打できるのであれば、そうしたかったです。
『通常の』といいますか、『平ワッシャー』でもじゅうぶん目立つのに、厚みのあるスプリングワッシャーなので、尚更目立ってしまいます。
しかし『締結力(緩みづらさ)』は断然、スプリングワッシャーのほうが上です。
もし、また試打する機会に恵まれれば、今度はワッシャーを外して試打してみたいですし、そもそもワッシャー無しで充分な強度が保たれるよう改良してもらいたいです。
そうでないと、せっかく優れた交換システムなのに、日の目を見ないかもしれません。
ワッシャーを外したほうが、見た目が良くなり構えやすくなるのは勿論ですが、ワッシャーが組み込まれているだけでそれがウェイトになり、バランスが崩れてしまっているので、ワッシャー無しで問題無いように斬新なアイデアで立ち向かって欲しいです。
こういうところにもメーカーの積極性・消極性が垣間見られ、一見積極的に見えても、実は消極的だった・・・。というメーカーのほうが多いのではないでしょうか?
ネック側に重量が集まりすぎな感じがして、それを嫌いトゥ側に鉛を貼れば、さらに重くなりすぎて、ますます振りにくくなるような気がします。
やはり、何事も一長一短あるものですね。

シャフト自体は使い慣れているものなので、タイミングもとりやすく、問題ありません。

ボールを前にして構えてみると、いい感じではありますが、やはりネックのスプリングワッシャーが気になってしまい、残念でなりません。

スプリングワッシャーを外して試打したかったな・・・。と思いましたが、後の祭りです。
私は試打する前に、そのクラブについて全く調べないのですが、今回はそれが裏目に出てしまいました。
もし、事前に知っていれば、スプリングワッシャーを外して、もっと構えやすく、そしてもっと振りやすくなっていたのは間違いありません。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
先日試打したステンレスモデルと外見は全く同じでも、打感は違います。
ステンレスモデルには『ズシリ』感がありましたが、このアイアンは『まったり感』があり、ソフトでフェースに乗っている感覚がありました。
ステンレスモデルは『ズシリ』とか『重い』ということばかり感じましたが、このアイアンは違っていて、軟鉄独特の良いフィーリングを味わうことができました。
軟鉄がもつ『飄々(ひょうひょう)とした感じ・・・。』といったら伝わりやすいでしょうか?
外見は同じでも、全く違うことに気づかされました。
ステンレスモデルの打感も好感が持てましたが、私は断然こちらのほうが好きです。
このアイアンはキャビティですが、これがマッスルバックになったら、ここまで素材の違いは出ないような気がします。
『厚み』でカバーできるからです。
それはこれまでの私の経験によるもので、科学的根拠は一切ありません。
ただそう感じるということです。
厚みが薄いからこそ、素材の味が顕著に出るような気がしました。
また、それは『製法』による違いもあるのかもしれません。

『球のあがりやすさ』はステンレスモデルと同じで、差は見られません。

『安定性』も同様です。

『飛距離性能』も同様で、ステンレスだから飛ぶとか、逆に軟鉄だから飛ぶということになりにくいのが、今回の大きな収穫だったような気がします。
全く同じ形状や大きさで、素材の違うモデルを試打するというチャンスはそうそうあるものではありません。
これまでの私の長いキャリアの中でも、初めてですし、そのように作ってくれるメーカーは他に無いからです。
経済、そして商売なので仕方ありませんが、通常のメーカーは『商売気』といいますか、様々な戦略が感じられますが、このクラブはそういったことよりも、まずは『いいものを作る』ということを主眼に置いて製作されたように感じられます。
私はこれまで、たくさんのメーカーのクラブを試打してきて、中にはそのメーカーが誕生して間もない『ファーストモデル』を試打したこともあります。
最初はとても基本に忠実に作っていたメーカーが、だんだんと質が落ちてきて、見る影も無くなった・・・。ということを何度か見てきました。
それは様々な事情があるのだと推察しますが、一(いち)ユーザーとしては残念なことです。

『操作性』もステンレスモデルと大差ないですが、打感がいい分、こちらのほうが扱いやすい感じがします。
ノーマルキャビティの易しさを享受しながら、いざというときはインテンショナルなショットで攻めと守りの両方をしながらスコアメイクをしていけるアイアンといっていいのではないでしょうか?
左右にもいい感じで曲げることができました。
打感がいいので、試打していても楽しさが違いますし、やはり私はステンレスよりも軟鉄のほうが肌に合っているような気がします。
試打後の感想

外見は全くといっていいほど同じでも、素材が違うので、当然中身も違います。
先日のステンレスモデルも、いい目の保養ができましたし、とても魅力的ですが、もし私が相棒に迎えるのであれば、この『軟鉄モデル一択』です。

それは『打感が良い』ということもありますが、軟鉄最大の利点でもある、『微調整のしやすさ』があるからです。
これがあるから、軟鉄は手放せません。
私はゴルフを始めたときから、ずっと軟鉄アイアンばかり購入してきました。
ビギナーの頃は『フィッティング』とか、『微調整』ということは全く頭になく、ただカッコ良くて先輩がいいといっていたPP-727というホンマのアイアンを購入して10年以上使い続けました。
結果的にそれがすごく良かったと今になって思います。
誤解を恐れず書かせていただくと、本人にその気があれば、初心者であっても、マッスルバックを使っていいのです。
クラブ選びに『絶対』とか、『決まり』のようなものはありません。
ゴルファーの中には、初心者がマッスルバックを使ってはいけないという『呪い』のようなものに掛かってしまったり、余計な先入観をもってしまっておられる方が少なからずいらっしゃいます。
しかしそれは必ずしも正解とはいえず、ご自身の感覚や好み、そして先を見据えて選択するということも大切になってくるのではないでしょうか?

『耐久性』という点では、ステンレスのほうが圧倒していて、それがステンレス人気最大の要因といえるのかもしれません。

『見た目は似て非なるもの』といっていいでしょうか?
ステンレスも軟鉄も、昔から親しまれている素材です。
ステンレスだけでなく、軟鉄でも同じことが言えますが、チープに見えたり、雑に見えたりするアイアンが今もあります。
そういうアイアンに出会ったときは、こちらもテンションがあがらず、淡々と予定の球数を打って終わり、場合によっては、予定よりも早く切り上げてしまうこともあります。
打っていて楽しくないということもりますし、感覚が狂うのを恐れているのかもしれません。

しかし、このアイアンは違います。
目の保養になりますし、打っていて楽しいです。
かなり高価なクラブなので、緊張していましたが、打つ度に楽しくなっていたので、途中から値段のことは忘れて楽しんでいました。

私は以前から、メーカーの規模の大きさと、品質や性能は必ずしも比例しない・・・。と言い続けていますが、このアイアンを試打して、その思いがさらに強くなりました。
このMUQUというメーカーには、このまま素晴らしいクラブを作り続けて欲しいです。
他のメーカーのように、最初は良かったけど、だんだんと質や性能が落ちて人気が無くなり、クラブ業界から撤退したり、買収されたということが無ければいいな・・・。と思います。
昔もそうでしたが、特に今のアマチュアゴルファーはとても敏感です。
試打しているときでも、そのメーカーの動向がうかがえることがあります。
作り手としては大変だと思いますが、私たちユーザーを楽しませて欲しいです。
このアイアンはメーカーの熱意といいますか、プライドのようなものが感じられましたし、そういうクラブを手にするということはゴルファーとして、とても嬉しく名誉なことでもあります。
『真面目な物作り』をしているメーカーだな・・・。と思いましたし、日本人として誇りに思います。
機会があれば、また何度も試打してみたい魅力的なメーカーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離・・・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。