2023年05月07日
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2023年05月07日
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キャスコ ドルフィンウェッジ DW-123 Copper

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャスコ ドルフィンウェッジ DW-123 Copper です。

シャフトは N.S.PRO 950GH neoスチール です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、フレックスはWEDGE、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は452g です。

キャスコの新しいウェッジです。
キャスコのウェッジといえば、このドルフィンウェッジです。
初めて見たときは少し驚きましたが、この『フィン』はお馴染みになりました。
ゴルフクラブはメーカーが違っていても、似通ったものが多い中、これは明らかに素晴らしい個性で好感が持てます。
こういう斬新なクラブは年に数本出会うかどうかです。
ドルフィンウェッジの初期モデルは発売当初から大人気で、多くの注文に生産が追いつかないほど売れたと聞きました。
アイデア一つで、クラブはまだまだ売れる時代です。
ドルフィンウェッジが大人気ということはそれだけ、バンカーを苦手にしておられる方が多いということなのだと思います。
バンカーが苦手というのは、練習する機会が多くないというのが一番の要因かもしれません。
私はバンカーやアプローチグリーンで、たくさん練習できる環境にあるので、とても恵まれていると思います。

大きさは標準的です。
名前に『Copper』と付けられているように、銅の質感がたまりません。
今は通常のメッキタイプか黒染めが多く、銅メッキは見かけなくなりましたが、昔はほぼ『三等分』するくらい、よく見られました。
銅メッキの良いところは、使っていけばいくほどカッコ良く変化していくということです。
そして打感もいいという長所もあります。
多くのクラブが『使い減り』するタイプで、新品のときにはカッコいいけど、だんだんとその魅力が衰えてくる・・・。ということがいえます。
しかし、銅は違います。
むしろ、新品のときのほうが、まだ落ち着かない感じで、使い込んで日光をたくさん浴びさせて変色していった感じがちょうどいいと言われていました。
ちょっと例えが違うかもしれませんが、散髪したての、あの独特な髪型と似たようなものでしょうか?
私はPINGのアンサー2というパターを愛用していた時期がありましたが、新品で購入したので、とにかくいつも持ち出しては、『カッコいい色に変色』するまで、じっくりと時間をかけました。
そしてたくさん練習するので、必然的に上達するというメリットもあります。

そしてもうひとついいところがあり、それはいい意味での『ムラ』ができることです。
使い込んで言えばいくほど銅は変色していきますが、全て同じように変色していくのではなく、部分毎にムラがあり、一定ではないところに個性が見られ、それがシブくて魅力的でした。
ゴルフクラブに限らず今は、『大量消費』の時代です。
クラブもすぐに買い替えられる方はたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、昔は多くのゴルファーが今よりもクラブを大切にし、そして『自分色に染め上げる工夫』をしていました。
それはクラブの形であったり、色であったり・・・。
それだけプレイヤーとクラブは長い時間を共に過ごすということだったのだと思います。
なのでプレイヤーにも個性がありましたが、相棒であるクラブにも個性が見られました。
このクラブはニューモデルですが、既に使い込まれた銅の色をしています。
昔はもっと『金ピカ』に近いくらい光っていましたが、ちょうどいいようにくすんでくると、このように変色し、それがいい味を出していました。
メーカーはあえて、このような色で販売しているのでしょうか?

トゥ側にはロフトを表す数字と、ドルフィンマークが刻まれていて、とてもオシャレだな・・・。と思いました。
直接性能とは関係ないですが、こういった工夫は大歓迎です。

トップラインは適度な幅で好感が持てます。
こうして角度を変えて見ても、この『枯れた』感じがたまりません。







『フィン(ひれ)』やソール形状があまりにも独特なので、たくさん写真を撮りました。
『多面型ソール』といったらいいでしょうか?
色々な『面』があり、様々な場面に対応できるように削られているのだと思います。
ヒール側にある『フィン』は変わらないようですが、このソール形状は初期モデルよりも、かなり複雑化していて、これが今回のモデル最大のウリなのかもしれません。

この波打つような形状にも、何か大きな目的があるのではないでしょうか?

ネックの長さは普通です。
私はもう少し長いほうが好きですが、今はこれくらいが一番人気があるのかもしれないですし、逆にロングネックだと難しそう・・・。と敬遠される方がいらっしゃるのかもしれません。

ホーゼルにはKASCOという文字があり、カッコいいです。

ソール幅は標準的です。
ソール形状に工夫が見られますし、フィンも付いているので、必要以上にワイドにする必要は無いのかもしれません。
私はSWのソールを見て、砂に対しての『切り』を連想しやすいか、それとも『弾き・爆発(エクスプロージョン)』を連想しやすいか、二分するのですが、このウェッジは後者の『弾き・エクスプロージョン』タイプです。

リーディングエッジ自体に、それほど大きな削りは見られませんが、ソール全体が見たこと無いような形状なので、リーディングエッジはこれくらいでちょうどいいのかもしれません。

フェース面には細かなミーリングがありました。
このフェース面だけは『銅』ではなく、ノーメッキのような質感です。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラしています。
ノーメッキにはいい意味で『枯れた質感』があり、適度な錆びがスピンを連想させてくれますが、このウェッジにはそれがありました。
結構ザラザラ感が強いので、ひょっとしたら『ルール不適合』モデルなのかと思い、店員さんに確認したのですが、ルール適合ということでした。
私の友人はノーメッキウェッジを使っていて、バケツに水を張って、ウェッジを突っ込み、わざと錆びさせるようにしていましたが、そのウェッジのフェース面の触感とよく似ています。
ノーメッキだからスピンがよく効く、メッキタイプだからスピンが劣るということは無いそうですが、それでもノーメッキは触感がいいです。
私は自分のクラブをわざと濡らして錆びさせることはせず、むしろ使い終わったらすぐにでも清掃して常に最高の状態に保っておかないと落ち着きません。
クラブ磨きは私の日常の一部ですし、大きな楽しみのひとつでもあります。
そしてウェッジは使っていけばどうしても『摩耗』から逃れられず、新品のときと比べてスピン性能は落ちていきますが、長い間使い続けた『信用・信頼』というオプションが付き、それが実戦で役に立っています。
いくら高性能なクラブでも、感覚的に合わなければ『手の延長』として機能してくれません。

装着されているグリップはソフトなフィーリングでウェッジには適しています。
kascoのロゴがいい感じです。

グリップエンドにも、イルカのマークがあって、好感度がさらにあがりました。
グリップエンドにこのような工夫はなかなか見られないからです。
各メーカー、手を抜いているということはないと思いますが、それほど力を入れていない部分なのは確かです。

すごく自然でいい顔をしているので、とても構えやすいです。
これまでは、このような『工夫』が全面に出てきているクラブはクセが強すぎて構えづらいものが多かったのですが、このウェッジは違います。
正統派で男前です。
ストレートなのがいいな・・・。と思っていたら、グースタイプもラインアップされているということです。
今日は、この一本しか無かったですし、私はグースネックよりもストレートネックのほうが好きなので、このウェッジを試打することにしました。
『フィン』が少し邪魔をしているのか、『据わりの良さ』では、クリーブランドなどのウェッジのほうが、私は魅力を感じます。

フェースを開いて構えてみたのですが、まずまずでした。
ソール形状に改善が見られますが、前のモデル同様、やはり私にはフィンは必要ないようです。
こうして開いて構えてみて、少し『ヒールが重たい』感じがしました。
フィンが無いほうが開きやすいな・・・。と思いましたが、強烈に邪魔しているというほどではないですし、開いて構えたくない方には、このフィンが重要な役目を果たすのではないでしょうか?
試打を開始しました

『打感』はソフトで、いい感じです。
フェース面を見たときに予想していましたが、その予想に違わないグッドフィーリングです。
ボールとのコンタクトが『丁寧』といいますか、軽くきめ細かなタッチが味わえる・・・。といったらいいでしょうか?
『雑』ではなく、『密』なフィーリングです。

球は拾いやすく、よくあがってくれました。
ストレートタイプなので、『刃先』で拾っていけるのもいいですし、私がストレートネックを好む大きな要因のひとつです。
悪いライで100点はとれなくても、何とか70点以上のインパクトを迎えることができて、寄せられる確率が高まります。
出球の高さもイメージ通りでした。

『スピン性能』は高く、ボールがよく止まってくれました。
ウェッジでボールを止めるには、食いつかせて球持ちの良さで止める方法と、逆にフェースを食いつかせるというよりは、むしろ滑り気味にして抜いて『圧』をかけない方法があります。
いわゆる『力のベクトル』を『前』でなく、『上』に逃がしていけるタイプです。
このウェッジは前者で、球持ちの良さで止めていけます。
ミーリングがよく利いているのか、球への食いつきが良く、いい感じで押していくことができ、いわゆる『押して止める』ことができるウェッジで、これはフェース面が仕事をしてくれるウェッジでないとできません。
きめ細かなスピンが掛かっている感じで、ボールはよく止まってくれました。

『安定性』も高く、キャビティタイプのウェッジと遜色ないと思います。
ラインも出しやすく、大らかなウェッジです。

『操作性』という点では、いい顔をしていますが、ちょっと私には難しく感じました。
マニュアルタイプの顔をしていながら、実際はオートマチック系のウェッジといっていいと思いますし、それがメーカーの狙いではないでしょうか?
フェースを開閉したり、ソールの接地する場所をコントロールして、いろいろな球で遊ぶタイプのウェッジではないのかもしれません。
試打している間、どうしてもフィンが気になってしまいました。
なかなかフィンには慣れませんが、このフィンのおかげでアプローチやバンカーショットが簡単になり、バツグンの安定感が得られるようになった・・・。という方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

『距離感』は出しやすく、いい感じで刻んでいくことができました。
いいウェッジの特長のひとつとして、『球の勢いを上手く殺せるか?』ということがあるのですが、このウェッジはそれができます。
飛ばす必要が無く、むしろ飛ばしてはいけない、グリーン周りのアプローチの場面において、『ファストボール』ではなく、なるべく『スローボール』を使って確実性を高めたいですが、このウェッジはそれが簡単です。
食いつきのいいウェッジは、その食いつきの良さのせいなのか、このスピードコントロールが難しいタイプもあるのですが、このウェッジは容易でした。
ハイスピンで、ソールにいろいろな工夫が見られながらも、あまり出しゃばらないタイプのウェッジだな・・・。と思いました。
試打後の感想

大人気のキャスコのウェッジで、確実に前のモデルよりも進化しています。

初期のモデルが大ヒットしても、それで満足するのではなく、データを取ったり、ユーザーの意見を大切にしながら、確実に進化したウェッジといって間違いありません。
いろいろなクラブを試打していると、進化していないと感じるクラブは少なくないですが、このキャスコのドルフィンウェッジは確実に前に進んでいます。

ただ残念なのは、このウェッジはバンカーを重視したウェッジだと認識しながら、今日はバンカーで試打できなかったことです。
このウェッジが光り輝くのは練習場の打席よりも、確実にバンカーやグリーン周りの芝の上だと思います。
それが出来なかったのが残念ですが、今度バンカーやアプローチグリーンで試すチャンスがあれば是非試してみたいですし、フィンの威力を体感したいです。

いろいろなクラブがありながら、どれもあまり強い個性を発揮していないな・・・。と思うことはよくあり、なかなか気持ちもノっていかないこともあるのですが、このウェッジはとても個性的で、しかもいい顔をしていて打感もいいので、楽しい試打ができました。

このクラブに対する興味もすごく湧きましたし、これからもキャスコには他のメーカーがやらない、まだやったことがない斬新なアイデアを駆使して、私たちゴルファーをワクワクさせてもらいたいです。
ウェッジでフェースを開いて使うのが苦手な方。
バンカーの練習時間が少なく、苦手意識が強い方。
顔や打感、そしてスピン性能にもこだわりたい方には、とても魅力的なウェッジといえるのではないでしょうか?
ウェッジは『あのメーカー』に決めている・・・。という方は多いと思います。
しかし、『名を取るより実を取る』といいますか、いいスコアを目指していくには、このようないい顔で理にかなった工夫がされているウェッジを選択するということが有効なのではないでしょうか?
このウェッジにハマってしまえば、もう他社のウェッジは使えない・・・。ということになってしまうかもしれません。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

