2022年11月13日
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2022年11月13日
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HONMA BERES NX アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA BERES NX アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO 850GH neo です。
ロフトは27度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD1 、クラブ総重量は411g です。

久しぶりに出会った、ホンマのアイアンです。

最初見たときは、マグレガーのアイアンかと思いました。
それくらい、『NX』というと、マグレガーのイメージが強いからです。
NXという文字だけでなく、そのデザインもよく似ているように見えました。
その横に『BERES』という文字があったので、ホンマのクラブだと分かったのですが、なんだか府に落ちません。

バックフェースのデザインにもこだわりがあるようです。
私はシンプルなフラットバックが好きですが、このようにすることで、易しさが向上しているのではないでしょうか?

高い機能性を感じさせ、近未来的なデザインのアイアンです。
ホンマのアイアンといえば軟鉄のイメージが強いですが、今は様々な個性をもったアイアンが見られるようになりました。
このアイアンには軟鉄の質感が無いので、昔からのホンマユーザーとしては少し複雑なところもありますが、これも時代の流れといいますか、『ニーズに合ったデザイン』なので、仕方ありません。
他のメーカーと肩を並べ、ホンマの個性が失われてしまいました。
昔は『ホンマでなければ』というところがありましたが、今は『ホンマでなくても』というのが一般的な見解です。
それはホンマが落ちていったのではなく、他に優れたメーカーがたくさん台頭してきたということになります。
昔はホンマのクラブで揃えていた私も、もう何年もホンマのクラブを購入していません。
だからといってホンマが嫌いなのではなく、いつも気になっているのは事実です。
あの頃、ホンマのクラブに出会えたから、ゴルフが楽しくなり、それが今も続いています。
ゴルフに限ったことではなく、他のスポーツにもいえることですが、最初に出会った道具というのはその人にとって大きな存在であり、その後の流れを左右するようになります。
そういった点で考えてみても、ビギナーのうちにホンマのクラブに出会えた私はラッキーでしたし、ホンマのクラブを勧めてくれた先輩には感謝しかありません。

トゥ側には大きなウェイトが配置されていて、他のメーカーのアイアンで、何度か見たことがあります。
ひとくちにアイアンセットといっても、そのセッティングのバランス(ウェイトフローやヘッドバランス)はバラバラなのが実情です。
それは、大手有名メーカーはもちろん、地クラブメーカーでも変わりません。
全てというわけではないですが、バランスがとれていないのがほとんどです。
なので、購入したらバランスの確認と調整をするべきだと思いますが、このアイアンの場合はどうでしょうか?

こうして見ると、ハーフキャビティのような彫りの浅さですが、中空っぽい雰囲気も醸し出しています。

トップラインの厚みは標準的です。

ソール幅は少し広めですが、今のアイアンの中では標準といったところでしょうか?

ネックの長さも太さも標準的で、変わったところは見られません。

ホーゼルには見慣れたロゴが刻印されています。

フェース面にミーリングがあるか確認してみたのですが、ありませんでした。
他のメーカーのアイアンに見られる、ごく普通のフェース面です。
こうして見ていたとき、これはOEMなのかな?と思いました。
ホンマはヘッドはもちろん、シャフトなど全てのパーツを自社生産しているというのは有名な話ですが、年月が流れればそういった方針も変わっていくかもしれません。
自社(ホンマ)で生産しているのかもしれないけど、このフェース面を見たら違うような気がしてきました。
どこが作ろうと、品質や性能が担保されていれば問題ないのですが、ホンマは昔から自社生産にこだわっていて、『職人気質』を感じさせる数少ないメーカーなので、どうしても気になります。
自社生産するよりも他のメーカーのようにOEMにしたほうがコストを抑えられるというのは百も承知なのですが、それでも『リアルメーカー』のクラブは希少性もあり所有欲も満たされます。
そして、そのクラブに負けないよう練習にも熱が入ります。
球を打ちながら、そのクラブについてもっと知りたい・・・。という欲も出てきますが、興味をもてないクラブではそれはありません。
ゴルファーにとって、機械で大量生産されて誤差もあり精度の低いクラブを使うのではなく、名工と呼ばれるような熟練の職人さんが手作りで仕上げたクラブを使うことは最高の贅沢です。
そんな贅沢さをホンマのクラブを使うことにより、昔から感じていたのですが、今は全く感じなくなりました。
他のメーカーとの差が見いだせないからです。
ゴルフクラブではないのですが、ある工場で最終仕上げをするときに、いくらその製造機械の精度が高くなっても、結局は職人さんの肌で感じる感覚には敵わないのだそうです。
わずか数十分の一ミリの違いを一瞬触っただけで感じ取るのだそうです。
それは鋭い感性と長年の経験による賜物だと思います。
それを聞いて、単純に凄いな・・・。と思いましたし、そういったプロフェッショナルの作ったクラブを長く愛用していきたいとずっと思っていて、それがホンマにはありました。
日本ではほとんど出回りませんが、偽札もベテランの銀行員さんがほんの一瞬触っただけで見破るということも聞いたことがあり、それを銀行に勤めている友人に確かめてみると、それは当然のことだと言われました。
それくらい人間の(日本人の)感性は優れているということです。

ボールを前にして構えてみると、「あぁ、やっぱりホンマのアイアンなんだな・・・。」と思いました。
どこでそう感じたかといいますと、トップラインの見え具合です。
これまでよく見られた『ホンマ顔』のアイアンです。
トゥからヒールにかけて、少しテーパーになっているように見えましたし、少しグースなのも分かりました。
バックフェースのデザインから、もっと『個性的な顔』を予想していたのですが、違っていて、オーソドックスなタイプです。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じではありますが、ホンマのアイアンとしては物足りません。
単一素材でギュッと引き締まった感じのピュアな打感ではなく、やや雑味があって『隙間』を感じさせる打感です。
もちろん、このような打感は過去に経験していますし、特別気にする必要はないと思うのですが、私のホンマに対する要求が高すぎるのかもしれません。

球はあがりやすく、スインガータイプの方に合いやすいアイアンです。
タフさは全く感じません。

『飛距離性能』も優れていて、今風のディスタンス系アイアンです。
私の感覚では確実に2番手以上飛び、弾きも感じられました。
アイアンに欲しい『球持ちの良さ』ではなく、真逆の球離れが早くて余韻を楽しめないタイプのアイアンです。
球離れが早く、スイートエリアも広めで、シビアさは感じませんでした。

『操作性』という点では、まずまずです。
ちょっとグースが利いていますが、大顔というタイプではないので、適度に小回りが利きます。
私はもっと真っ直ぐなほうがラインを出しやすいですが、球のつかまりがいいですし、易しく感じられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
試打後の感想
一時期、ホンマは迷走しているな・・・。と思っていたのですが、それが今も続いていて、少しずつ方向性が定まってきたような気もします。
最初に書きましたが、マグレガーを思い出したので、デザインを変えるべきだと思いました。
ひと目で他のメーカーを連想させるデザインはいかがなものでしょうか?
もちろん、マグレガーを連想されない方のほうが多いかもしれませんが、私はもっとホンマ独自のデザインで勝負して欲しかったです。
デザインも性能の一部です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。