2021年03月
2021年03月30日
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クリーブランド RTX DEEP FORGED ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Cleveland RTX DEEP FORGED ウエッジ


シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は95g、キックポイントは手元調子、トルクは1.7,クラブ総重量は455g です。

とてもカッコいいクリーブランドのウェッジです。
軟鉄の質感がとてもいい雰囲気を醸し出していて、柔らかそうな印象を与えてくれます。
私は昔からクリーブランドのウェッジにはとてもお世話になっていて、いまだに『ノーメッキ』のイメージが強いのですが、このウェッジはオーソドックスなメッキタイプです。
しかし、ピカピカ光るタイプではないので、好感が持てます。
メッキタイプのウェッジでも、仕上げが雑でチープなウェッジもありますが、このウェッジはすごく綺麗で見ていて楽しくなります。
打つ前に、まず目で楽しめるウェッジです。
さすがダンロップだな・・・。と思いました。
ダンロップのクラブにチープなものは似合いません。
クラブ業界を引っ張ってきた、老舗メーカーとしてのプライドが感じられます。

オーソドックスなタイプのウェッジです。
フラットバックタイプではなく、いろいろな工夫が見られますが、シンプルな形状で親近感が湧きます。
これならば、感覚を邪魔されず『クリア』な感じで打っていけそうです。



フラットバック構造といっていいと思いますが、厳密にいえば、キャビティタイプといえるでしょうか?
しかし普通のキャビティはフラットバックを削るといいますか、『くり抜く』感じで、『マイナス』タイプの形状ですが、このウェッジは反対の『プラス』タイプです。
クリーブランドはいち早くウェッジに『キャビティ構造』を採用したメーカーというイメージがあるのですが、それは『凹型』でした。
しかし、このウェッジは真逆の『凸型』です。
ウェッジに限らずアイアンでもキャビティタイプはたくさんありますが、私はこのような『凸型』のほうが好きです。
『寛容さ』ということを考えれば『凹型』のほうが有利なのかもしれませんが、それだと大切な打感が犠牲になることもあり、残念に思うことがあります。
元々、ロフトが寝ているウェッジは『凹型キャビティ』にしなくても、すごく曲がるということもなりにくいですし、方向性を出しやすいです。
大切なのはバックフェースをキャビティにすることよりも、『構えやすさ』と『ソールのタッチ』です。

トップラインも、いい感じです。
クリーブランドなので、この形状・厚さは最初から予想していました。
このトップラインひとつで、構えやすさが大きく変わってくるので大切な部分ですが、このウェッジは好感が持てます。

ソール幅はSWという点で考えると、やや狭いです。
バンカーが苦手な方は安心感が得られないソールかもしれないですし、こうして見ても、それほど砂を弾くイメージは湧いてきません。
トゥからヒールにかけて、ストレートに近いものもあれば、テーパーになっているものもありますが、このウェッジは微妙なカーブを描いていて、中央付近が一番広くなっています。
見るからにマニュアルチックなソール形状です。
プレイヤーの好みによって、いかようにも対応してくれそうです。
平らではなく、かなり丸みがあって、特にトレーリングエッジ側が目立っています。
ヒール側の削り込みが大きいので、開きやすいだろうな・・・。と思いながら見ていました。

角度を変えて見ると、かなり丸っこいです。
バンスは結構あるように見えましたが、かなり削り込まれていて、工夫されているのが分かります。
見るからに柔らかそうなタッチが出せそうなソールです。
ウェッジはソールを見ているだけで、球を拾うときやソールを滑らせるときのタッチやスピード感をイメージするのですが、このウェッジは柔らかそうで、早く打ってみたくなりました。
こういった細かいところまで、こだわって作られているのが日本メーカーらしい特徴で、大雑把なところは見られません。
むしろ『繊細さ』を感じます。
大雑把なウェッジを『1メートル刻みのタッチ』だとすれば、このウェッジは『10センチ刻みのタッチ』といったところでしょうか?
このソールを見ながら、そのようなことを考えていました。

ネックは適度な長さがあります。
最近のウェッジでは長めだと思いますが、昔のモデルと比べると、それほどロングというほどでもありません。
ホーゼルはストレートなタイプではなく、微妙にテーパーになっていて、絶妙な重心バランスが保たれているのではないでしょうか?
ウェッジ好きの私はいつもウェッジを試打するときは、いろいろな場所を細かく見ているのですが、今日は特に見るところが多いような気がします。

フェース面にミーリングがあり、クリーブランドのウェッジなので予想していました。
ウェッジにミーリングがあるのはよく見かけるのですが、メーカーによっては雑に見えたり、あまり効果がないだろう・・・。と思えるものもあります。
そして、そのミーリングにどのような意味があるのか、メーカーも不明なのではないか?と思えるものもあるのですが、このクリーブランドのウェッジは深い研究と何度も繰り返されてきた実験によって、理由が明確な気がします。
すごく綺麗で整っているのもクリーブランドウェッジの特徴です。
スコアラインと平行で均一に刻まれていて、こういったところを見ると、『機械的』といいますか、『コンピュータ制御』されているように感じます。
人間と機械の混合といったところでしょうか?
これもクリーブランドウェッジの特長のひとつであり、これまでたくさん試打して好感をもっているので、信頼感があります。
SWのスコアラインは、だいたい『16本以上』が多いと思うのですが、このウェッジは19本あって、やや多めです。
なので必然的にスコアラインの間隔が狭くなりますが、その狭い中にミーリングがしっかりと刻まれています。
これはコンピュータ制御されているのではないでしょうか?
スコアラインとスコアラインの間に、ミーリングが4本ずつ等間隔に刻まれていました。
フェース面を指で触ってみても、結構ザラザラした感じがします。

スコアラインだけでなく、トゥ側にも綺麗なミーリングがありましたが、これは過去に試打したモデルにも見られました。
こちらはスコアラインと平行ではなく、波打つような曲線です。
以前試打したテーラーメイドのウェッジは、フェース面のほぼ全面にスコアラインがあり、トゥで打ってもいいような設計になっていましたが、このウェッジもスコアラインは無いものの、このミーリングを見ると、結構いけるんじゃないか?と思えてきます。

装着されているグリップは『王道』といってもいい、ツアーベルベットでした。
最近、ダンロップはこのグリップを採用していることが多く、このウェッジもそうでした。
もちろん、ツアーベルベット以外にも素晴らしいグリップはたくさんありますが、私はこのグリップが一番好きで、マイクラブにもずっと挿し続けています。
このグリップのおかげで、微妙な距離感や『押し引き』ができるので手放せません。
ソフトというだけでなく、しっとりしているので、手の感覚が敏感になります。
バックラインが入っていないのもいいです。
フェースを回して(開閉して)使うことが多いウェッジは、バックライン無しのほうが同じように握れるので有利な気がします。(とはいっても、私は全ての番手のクラブでグリップはバックライン無しを愛用しています。)
ただ、ウェッジでもバックライン有りを挿しておられる方もたくさんいらっしゃるので、こういったところは人それぞれの好みなのかもしれません。

ボールを前にして構えてみても、さすがクリーブランドです。
安心感をもてる構えやすさで、目尻が下がりました。
ヒール側がボテッとしていなくて、キュッと絞り込まれている、絶妙なティアドロップ型です。
クリーブランドファンとしては、テンションがあがる美顔で、いいイメージがバンバン湧いてきました。
スコアラインのミーリングはほとんど目立たず、スコアラインではないトゥ側のミーリングが少し見えましたが、全く問題はありません。
トップラインの厚みも、いい感じで隠れています。
ほんの少し『出っ歯』になっているので、少々薄めでも球を拾いやすそうです。
グースタイプを好まれる方は構えづらいかもしれません。
『出っ歯』になっているので球を拾いやすそうですが、それがあまり強調されすぎてしまうと、私は構えづらく感じてしまいます。
このウェッジはちょうどいい塩梅(あんばい)です。
リーディングエッジが真っ直ぐに近いウェッジも多いですが、このウェッジは丸みがあるので、フェースの開閉を使って、柔らかいタッチを出していけそうに感じられ、このマニュアル感がたまりません。
今はドライバーやFW・UT・アイアン・パターに限らず、ウェッジもオートマチックタイプの人気が高まっているようですが、私は断然マニュアルタイプが好きです。
そして、クリーブランドのウェッジではいつも書きますが、この『据わりの良さ』がたまりません。
何とも言えない据わりの良さで、ここまでのものは他のウェッジではなかなか出会えません。
他にもたくさん素晴らしいウェッジメーカーがありますが、クリーブランドが頭一つ抜け出ているような気がします。
据わりがいいので、アドレスが一瞬で決まります。
『アドレスの決まりの早さ』というものを競ったら、私の中ではクリーブランドがダントツです。
ソール全体で据わるのではなく、ヒール側のある一部分に集中して据わる感覚・・・。といったらいいでしょうか?
それですぐに準備OKとなります。
野球で言えば、キャッチボールを繰り返して、肩が充分温まったような状態です。
いつでもスタートできます。
あくまでも私の感じ方なので、上手く表現できないのですが、クリーブランドのウェッジには昔からこのように感じることが多いです。
昔からたくさん接してきたという安心感もあると思いますし、言葉では言い表せない親近感のようなものもあるのかもしれません。

フェースを開いて構えてみたのですが、予想通り、かなり構えやすいです。
開いても邪魔するものがありません。
最近は開きやすいウェッジが多くなりました。
それだけ、ソールの形状が進化しているのだと思います。
ウェッジでのアプローチが苦手だという方の多くが、フェースを開いて使えていないので、一度開いて使う易しさを覚えてしまうと、嘘のように易しくなり、アプローチが得意になるのではないでしょうか?
いろいろな使い方ができますが、ウェッジは『開いて使ってナンボ』といったところがあります。
前に進む力を上に逃して微妙な距離感を出したり、当たりを弱くすることで、足(ラン)を抑えたりすることもできます。
このように無段階でプレイヤーのイメージを細かく受け取ってくれるクラブはウェッジしか無いのではないでしょうか?
あげようとしなくても、フェースを斜めに使うだけで、簡単にフワッとした球が打てるようになります。
私もビギナーの頃は、こうして開いて構えることに不安をもっていたのですが、一度コツをつかんでしまうと、すごく易しく感じますし、アプローチにのめり込んでいった理由のひとつでもあります。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、好感が持てました。
予想通りのグッド・フィーリングです。
柔らかくて、『ガツン』という感じではありません。
優しくスーッと乗せて運んでいける感じ・・・。といったらいいでしょうか?
『乗せること』を楽しめるウェッジといっても過言ではありません。
フェース面のミーリングがよく効いているのだと思います。
ボールの『乗っかり』がすごくいいです。

『スピン性能』は、かなり高いです。
『密度の高いスピン性能』といっていいように思います。
ボールの『乗り』がいいので、必然的にスピンも多くなる感じです。
こちらに特別な技術は要りません。
普通に球を拾っていくだけで、自然とスピンが掛かります。
『オートマチックなスピン性能』といっていいと思います。
タイプ的にはマニュアルタイプのウェッジですが、スピン性能に関しては『オートマチックタイプ』といっていいかもしれません。
高いスピンが安定して掛かります。
スピンが掛かりすぎたり、掛からず滑ってしまう・・・。といったことにもなりにくいです。
ボールがよく止まってくれました。

球も拾いやすく、出球の高さのイメージも合いやすいです。
低く抑えて打つこともできますが、優しくフワッとした球を打ちやすいところに好感が持てます。
SWのロフトといえば、だいたい『58度』か『56度』が主流だと思いますが、58度よりも56度のほうが出球のイメージがしやすく、距離感が合いやすいという方も多いのではないでしょうか?
私はアプローチ練習が好きで、SWを使うことが多いですが、アプローチの基準はSWではなくPWにおいています。
ピッチエンドランで距離感をつかんでいますし、その日の調子やグリーンの状態を測っています。
それはキャリーとランの割合が5:5になるからです。
私はPWのロフトは『48度』という認識を昔からもっていて、番手の間を『4度ピッチ』とすると、SWは56度のほうがマッチしやすいと思いますし、そういった点でも、このウェッジは理にかなっているような気がします。
SWは56度にして、60度のLWを入れるという選択肢もアリだと思います。

『安定性』という点では、普通ですが、特別シビアな感じはしません。
構えやすいのでラインをイメージしやすく、そのラインに乗せやすいのが特長です。
できればもう少し重量感があったほうが、『一定感』が増して、さらにいいと思うのですが、試打したモデルはこの軽量スチールしか無かったので仕方ありません。
店員さんに聞くと、このウェッジはDGもラインアップに加えられているということなので、ぜひそちらも試してみたいですし、モーダスはもっと重量のあるウェッジ用もあるので、そちらも試してみたいです。
重力は常に一定なので、ある程度の重さを利用したほうが、安定性が増します。

『操作性』は最高レベルです。
最初見たときから、そして構えてみてもそのように感じていましたが、実際に打ってみても、抜群の扱いやすさがありました。
『ソールを楽しめるウェッジ』といったらいいでしょうか?
フェースをいろいろ回して楽しむことができました。
ロフトは58度ではなく56度ですが、ロブ系のショットも簡単です。
今はドライバーをはじめ、マニュアルタイプのクラブが激減してきましたが、ウェッジとパターは今でも健在です。
それはオートマチックタイプには出せない、マニュアルタイプの味があるからではないでしょうか?
フェースのタッチと、ソールのタッチが上手く合致して、いろいろな球を『表現』できるウェッジといってもいいかもしれません。
こうしてウェッジで遊んでいると、ゴルファーはただ単にスコアを競うだけでなく、いろいろな球を駆使する『表現者』なのかもしれない・・・。と、このウェッジを試打しながら感じていました。
そう感じるほど、このウェッジの操作性は高く、ウェッジ好きな私は夢中になって楽しんでいました。

構えやすく、出球のイメージが合いやすいので、距離感も出しやすいです。
少々薄めに拾っても突っかかることなく、自然にあがってくれました。
かなりソールが仕事をしてくれているのだと思います。
こういうウェッジは逆目のライやベアグランドでも大活躍してくれそうです。
ボールの乗っかりが良く、『接触時間』が長いので、その分ボールをコントロールしやすくなります。
試打後の感想

久しぶりのクリーブランドウェッジだったのですが、やはりいいな・・・。と思いました。
絶妙なフィーリングは健在でありながら常に進化しているようです。

ゴルフクラブはハイテク化すればするほど、逆にそれが邪魔に感じられることもありますが、このウェッジはそのマイナスがありませんでした。
ベーシックなところと、最新の技術が上手く融合しているウェッジです。

先ほども書きましたが、『凹型』ではなく、『凸型』なのがすごくいいです。
打感を犠牲にしないハイテク感に好感度が爆上がりしました。

私が初めてノーメッキのウェッジを使いだしたのがクリーブランドで、その後もいろいろなものを使い続けてきました。
その頃もすごくいい印象をもっていましたが、最近はその進化がとどまるところを知らず、かなり高性能になっています。
一見、難しそうで『技』を要求されそうでも、実際はすごく楽で、ウェッジが仕事をしてくれるようになりました。

このウェッジのもつスピン性能がすごく高いので、プレイヤーはスピンを掛けることに意識を集中しなくても、『落とし所』さえ間違えなければ自然に寄っていく、あるいはそのままチップインということも充分考えられます。
スピン性能が高く、かなり『止まり感』があるので、人によってはもう少し転がってくれたほうが距離が合いやすい・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。

どの番手のクラブでも試打は楽しいものですが、ウェッジは特別で、完全に試打を忘れて『お楽しみモード』になってしまうことも少なくありません。
今日もまさにそんな状態で、気がつけば実戦感覚で、いろいろなシチュエーションをイメージしながら楽しんでいました。
あっという間に時間が過ぎて、このウェッジをすぐにでもコースで使いたくなるほどでした。
購買意欲が強く刺激され、今日はなかなか寝付けないだろうな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。