2019年05月
2019年05月29日
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テーラーメイド MILLED GRIND ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MILLED GRIND ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、トルクは1.7、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は478gです。

テーラーメイドのカッコいいニューウェッジです。
先日HI-TOEというウェッジを試打しましたが、このウェッジはまた別のタイプです。
HI-TOEは『カッパー(銅)感』がありましたが、このウェッジは見慣れた感じのメッキタイプです。
テーラーメイドは世界的なゴルフクラブメーカーですが、ウェッジの印象はそれほど強くありません。
もちろん良くないということはないですし、これまでも素晴らしいウェッジにたくさん出会ってきたのですが、クリーブランドやタイトリスト(ボーケイ)・キャロウェイ・ピンなど、海外のライバルメーカーと比べると、ウェッジの存在が薄いような気がします。
しかし、それは逆を言えば、それだけドライバーやFW・UTが充実しているといえるのかもしれません。

シンプルな形状です。
テーラーメイドのアイアンはポケットタイプやラージサイズのイメージが強いですが、ウェッジは、このようなシンプルでオーソドックスなイメージがあります。
こうして見ても、やはり『クール(COOL)』なクラブだな・・・。と思いました。
どういうことかといいますと、クラブのもつ『温度』ということです。
もちろん、実際に触った温度ということではなく、全体的な雰囲気などから感じる温度です。
同じウェッジでも、クリーブランドやボーケイは何となく『あたたかい(WARM)』印象をもつことが多いのですが、テーラーメイドのウェッジは昔からクールといいますか、やや温度が低い印象があります。
それは『善悪』とか、その製品の『優劣』ということではなく、なぜかそう感じることが多いです。
なぜそう感じるのか私もよく分からないのですが、昔からの印象は変わっていません。

シンプルな形状ですが、完全なフラットバック構造ではありません。
中央付近は少し凹んでいます。
以前試打したことのある、キャロウェイのアイアンを思い出しました。
その溝といいますか凹んだ部分にある『MILLED GRIND』の文字が映えています。

トゥ側にはMGというマークがあって、どういう意味なのかな?と思いましたが、これはミルドグラインドのことだと分かりました。
これは以前試打したHI-TOEウェッジにも見られました。
これからテーラーメイドのウェッジは、このMILLED GRINDでいくのでしょうか?

ソール幅は標準的です。
今はワイドなタイプも多いですが、このウェッジはワイドというほどではありませんでした。
かといって、先日試打したウェッジのような『ナロー』でもありません。
こうして見ていても、ソール全体の微妙な丸みが分かりますし、ソールに溝のようなものもあるのが分かります。
これもHI-TOEで見られました。

HI-TOEと同じように、スルーボアのように見えます。
実際のところはどうなっているのか分かりませんが、やはりスルーボアを採用しているのでしょうか?
スルーボアはキャロウェイのビッグバーサの印象がとても強いですが、このウェッジの場合はどうなのでしょうか?

ソール全体の丸みも目立ちますし、このヒール側の削りもよく目立っています。
バンスは多少あってもいいですが、代わりにヒール側が削られていると、構えたときにフェースを回しやすく(開閉しやすく)なります。
それはヒール側(といいますかネック側)を支点にフェースを開閉するからです。
このウェッジはそういったところにも配慮されて作られているのではないでしょうか?
オートマチックタイプのウェッジでは、あまり見られない削りです。

ホーゼルには『CARBON STEEL』の文字があり、軟鉄だということが分かりました。
見た目の印象は違っていてもHI-TOEと同じです。
ヘッド全体の形状もいいですし、カッコいいですが、また違う仕上げがあってもいいのかな?と思いました。
今はメーカーによっては、そのウェッジの材質はもちろん、メッキ仕上げまで、すごくこだわって作られているものがあります。
そういったウェッジを手にすると、すごく贅沢だな・・・。と思うことがあるのですが、このウェッジにはそういったことを感じませんでした。
好感は持てましたが、テンションがすごくあがるということはなく、このウェッジと同じように、こちらも『クール』でいられました。
一口に『軟鉄』といっても、いろいろな質感があるんだな・・・。と思いました。
いかにも繊細で柔らかそうな質感のものもあれば、それとは逆のものもあります。
このウェッジは後者のほうです。
やや大味な感じがします。
ゴルフクラブには昔から『ハンドメイド感』のあるものと、『マシンメイド感』のあるものがあり、今は圧倒的に後者が多いですが、このウェッジもそんなタイプです。
好感の持てる形状だとは思いましたが、思わず近くで見入ってしまう・・・。とか、いい目の保養になる・・・。ということはありませんでした。
しかしそれは、このクラブが優れているとか優れていないということではなく、あくまでも私の好みによるものでしかありません。

ネックの長さは適度にあります。
テーラーメイドのアイアンはショートタイプが多いですし、ウェッジもそのようなタイプを見たことがあります。
そのウェッジを見て、ネックの長さが足りないな・・・。と思ったことを覚えているのですが、このウェッジはちょうどいい感じです。
ショートネックは好きじゃないけど、かといってロングネックは難しそう・・・。と敬遠される方がいらっしゃるかもしれません。
そういった方にも、このウェッジのネックの長さは好感がもたれやすいのではないでしょうか?
私はショートネックタイプのアイアンやウェッジを見ると、ボールがグリーンに着地してスピンがほどけるイメージが浮かぶことがあるのですが、このウェッジにはそんなことはありませんでした。
しっかりと芝をキャッチしてグリーンに止まってくれそうです。

フェース面には細かなミーリングが見られ、指で触れてみるとザラザラ感がありました。
強烈なザラザラ感ではなく、サンドペーパーの目の細かなタイプを触っているような、『微妙なザラザラ感』です。
これもメーカーの計算のうちに入るのではないでしょうか?
先日試打したHI-TOEはフェース面の、ほぼ全てにスコアラインが入っていましたが、このウェッジは違うオーソドックスなタイプです。
人によって好みが分かれるところだと思いますが、私はこちらのほうが好きです。

微妙なフィーリングを出していきたいクラブであるウェッジに最適なグリップが挿してありました。
ツアーベルベットです。
ソフトなフィーリングはもちろんですが、このなんともいえない『しっとり感』がたまりません。
こちらのイメージを最大限にクラブに伝えてくれるグリップといっても過言ではありません。
見慣れた『TaylorMade』のロゴも、いつも以上にカッコ良く見えます。

ボールを前にして構えてみると、すごく好感が持てました。
私好みのストレートタイプです。
この構えやすさは最初から予想していましたが、改めていいな・・・。と思いました。
今はセミグースタイプも多いですが、このウェッジはストレートで大きさもちょうどいいです。
ボールとの『大きさのバランス』がしっかりとれています。
最近ではあまり見ないのですが、『少し逃がすイメージ』が出しやすいのもいいです。
私は『カット』に使っていきたいタイプなので、この顔はすごく好きですが、『つかまえ系』の顔を好まれる方や、グースタイプを好まれる方には、好感が持たれないかもしれません。
ラージサイズを好まれる方にも、あまり好感度が高くないかもしれません。
私は『大好物』なので、すごく安心できましたし、いいイメージが湧いてきました。

フェースも開きやすいです。
こうして開いて構えても、ソールのどこかが当たって不自然だと感じるところがありませんでした。
このウェッジは結構バンスがあるように見えたのですが、それが邪魔に感じることはなく、自然に開いて構えられました。
こういったソール形状の工夫も、今はすごく進歩していっているのは間違いありません。
今はソールの工夫が見られないウェッジを探すほうが難しいです。
各メーカー、それだけソールに力を入れているのではないでしょうか?
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とても良いです。
『球触り』がいい・・・。といったらいいでしょうか?
ソフトタッチを楽しめるウェッジです。
『球の乗っかり』もいいので、乗せて運ぶ感覚がもてました。

『スピン』も安定して、よく掛かっていました。
『激スピンタイプ』ではないですが、この高い安定性は武器になるような気がします。
計算がしやすいので、実戦向きといえるのではないでしょうか?

球も拾いやすくて易しく感じました。
グースタイプを好まれる方は、多少潰し気味に入れて低く出していくイメージを出したい方が多いと思うのですが、私はどちらかというと、『フワッ』というイメージが欲しいですし、多少ボールが沈んでも何とか先で拾っていてピンに絡めていきたいと思っています。
なので、このようなストレートタイプは易しく感じます。
こういったところも、かなり好みが分かれるところだと思いますが、私は大好きです。

『安定性』という点では、ラインも出しやすいですし、特別難しく感じるところはありませんが、今のウェッジでいえば『普通』といえるでしょうか?
『易しさ』。いわゆる『ミスヒットに対しての寛容さ』という点では、キャビティタイプのウェッジには敵わないかもしれません。
そういった意味では『大らか』なタイプとはいえないのかもしれませんが、『昔ながら』といったところもあるので、特別ハードルが高いタイプでもないですし、親近感をもたれやすい方も多いのではないでしょうか?
ソールが跳ねる感じもなく、よく滑ってくれたので、イージーだな・・・。と思いました。
何も細工をすることなく、このまま実戦投入できそうです。

『距離感』はとても出しやすくて、好感が持てました。
構えやすさやタッチの出しやすさはもちろん、ソールがスッと滑ってくれるところもいいです。
出球の高さのイメージがバッチリ合うので、落としどころをかなり絞り込むことができました。
こういうウェッジだと、練習が楽しくなります。

『操作性』もかなり高く、いろいろな球で遊ぶことができました。
転がすのはもちろん、ロブ系のショットも易しいです。
アプローチのときに、その距離や状況によってクラブを変える方もいらっしゃいますし、なるべく一本のクラブで対応するという方もいらっしゃいます。
私は前者のタイプですが、後者の方もたくさんいらっしゃると思います。
そういった方々にも、是非このウェッジを試していただきたいです。
かなり使い勝手がいいので通常のショットはもちろん、グリーン周りでも『手の延長』として機能してくれるのではないでしょうか?

最新のウェッジで、いろいろな工夫がされています。
こういったところはテーラーメイドらしいところですが、その工夫が邪魔になっていないのがいいです。

あくまでも構えた感じやタッチなどは王道をいきながら、その『補助』となる最新の工夫がされています。
クラブの機能といいますか、その工夫が全面に出過ぎてしまうと、逆にデメリットになってしまうこともあります。
まずはフィーリングを最優先すべきであって、それを補う意味で、いろいろな工夫がされて活きてくるのだと思いますが、このウェッジはそのバランスがとれていました。

テーラーメイドのクラブ(特にアイアン)は、機能性ばかりが前に出すぎてしまって、肝心のフィーリングが犠牲になっていると感じることが正直ありました。
しかし、このウェッジはそんなことはなく、フィーリングを出すことができました。
フィーリングの出せないウェッジは実戦で使うのはとても怖いですが、このウェッジだとすごく安心できそうです。

全体的な質感は、正直もうひとつだったのですが、使いづらさは無かったので、好感がもてました。
テーラーメイドのウェッジに、これからも期待していきたいです。