2017年09月
2017年09月28日
キャロウェイ GBB EPIC FORGED ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ GBB EPIC FORGED ドライバー です。

シャフトは Speeder Evolution for GBB です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は53g、トルクは5.6、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は295g です。

キャロウェイGBBシリーズのニューモデルです。
これまで2つのモデルを試打してきたのですが、3つめのモデルに出会うことができました。
三兄弟ということになるのでしょうか?

これまでのGBBシリーズのドライバーと同じようなデザインですが、少しシンプルになったような気がします。
形状もオーソドックスな感じで、少し小振りに見えます。

バックフェースには、小さなウェイトがひとつだけありました。

ヒール側にもひとつだけありました。

ネックは、かなり短めでした。
少し意外でした。
このような小振りな感じのするドライバーには、ある程度のネックの長さがあるのが普通のように思っていたのですが、このドライバーは違いました。
これにも緻密な計算がされているのだと思います。
ネックには調整システムは搭載されていませんでした。
この点は、以前試打した GBB EPIC Sub Zero ドライバー と違うところです。
GBB EPIC STAR ドライバー はウェイトを移動できるタイプでしたが、このドライバーはできません。
これまでのモデルとの大きな違いです。
便利な機能を搭載させる代わりに設計自由度が奪われ、クラブとしての性能アップが邪魔されないようにしているのかな?と思いました。
ここ数年、キャロウェイのドライバーは調整機能のイメージが強かったので、このシンプルな構成は少し意外でしたが、それがまたいいのかもしれません。
他のメーカーでも、最近は調整機能を搭載しないニューモデルがたくさん見られるようになってきました。
調整機能を第一に考えておられる方には、物足りないと感じられるかもしれません。

しかし、フェース寄りにある、この2つの丸は同じでした。
2本のバーになっているのだと以前聞いたことがあるのですが、同じシリーズということで、基本コンセプトは同じなのではないでしょうか?

フェース面のデザインは、これまでと変わりません。
ひと目でキャロウェイと分かるデザインです。

クラウンが、かなり盛り上がっているのが特徴的でした。
時々こういうタイプを見かけますが、こうすることによってフェース高を高くするメリットは大きいのだと思います。
最近はディープフェースタイプのドライバーが多くなりました。
全体的な形状はシャロータイプを好むけど、フェースはディープなほうが好きだ・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
シャロータイプでは難しいですが、ディープタイプだとフェースを縦に使えるので、メリットは大きいと思います。

セミディープバックタイプといっていいでしょうか?
すごくディープというよりは、むしろシャローな感じもするのですが、今はもっとシャローなタイプが圧倒的に多いので、それらと比べるとディープな感じがします。
この角度から見ていても、このドライバーが少し小振りなのが分かります。

顔はとても良いです。
クセの無い顔をしていますし、大きさも程良い感じです。
これまでの2つのモデルと比べても、ダントツにいい顔をしています。

装着されているグリップは、いい感じでした。
ラバータイプらしく、ソフトなフィーリングでした。
手に馴染みやすいグリップです。

素振りをしてみた感じは、ヘッドの印象よりはソフトスペックに仕上がっていますが、特に違和感などはありませんでした。
シャフトはSフレックスでしたが、これが今のジャパニーズスタンダードスペックといえるでしょうか?
シャフト全体が、かなり動く感じがしますが、今はこういうタイプが多くなったように思います。
何度か素振りを繰り返し、タイミングを掴むことができました。
あまり大きく振るよりも、少しコンパクトに振っていく感じがちょうどいいような気がしました。

ボールを前にして構えてみると、好感がもてました。
クセが無く、方向性への不安はありません。
これまで2つのモデルを試打していて、構え感があまり好きになれないところもあったのですが、このドライバーは違いました。
すごくオーソドックスで自然な感じがします。
大きさもちょうどいい感じで、ボールとの対比もいいです。
大味な感じがしないので、イメージも鮮明に浮かんできました。
逃がすというよりは、少しつかまりやすそうな印象を受けました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
ソフトで心地いいです。
ソフトですが、こもった感じはなく、球の重さも充分感じとることができました。
吸い込まれるような打感でした。
フェースの芯にボールの芯が吸い寄せられ、一瞬グッと乗って、そこからいい気に飛び出す感じでした。
『タメ』の利いた飛びといったらいいでしょうか?
このグッドフィーリングは、これまでも経験してきました。

『音』は、はっきりしていますが、大きすぎないのがいいです。
少し耳に響きましたが、全く問題ないです。
インパクトが緩むこともなく、フィニッシュまで一気に振り切ることができました。

『球のあがりやすさ』は、まずまずでした。
ヘッドの印象よりもあがりやすいタイプのドライバーだと思いました。
低スピン系で、球が上がりにくいのかな?と思いましたが、そうではありませんでした。
球は普通にあがっていきましたし、それほど低スピンという感じはしませんでした。
叩いていけば、少し吹く感じがしました。
しかし、ヒッター向けであることは間違いないと思います。
あがりやすさでいえば、GBB EPIC STAR ドライバー のほうが勝っていると思います。

『安定性』は、まずまずでした。
小振りなヘッドらしい正直さはありましたが、適度な大らかさもあって、シビアな印象はありませんでした。
こういったところも、今のドライバーの特徴といっていいように思います。
いわゆる『易しさ』をウリにしたドライバーではないと思いますが、気難しいタイプではないと思いました。
シャフトがよく動く感じがしたので、タイミングを重視して打っていったのですが、もっとマッチしたシャフトで試せば、さらにいい結果につながったような気がします。
この Speeder Evolution for GBB が純正シャフトなのでしょうか?

『飛距離性能』は、とても優れていました。
初速が速く、弾道も力強いです。
これまでのモデルと同じようなハイレベルなドライバーだと思いました。
ただ、構えやすさがあり、気持ち良く振り切ることができたせいか、私はこのモデルが一番合っていると感じました。
ボールがピンポン球のように飛んでいきました。

『操作性』は、いい感じでした。
私はフック系のほうが出やすい感じがしましたが、右に曲げるのも難しくありませんでした。
結構大きく曲げることもできました。
昔のドライバーの特徴を継承しているように感じました。
球はつかまりやすいですが、カット気味に打っても自動的につかまえてくれるドライバーではないので、日頃スライスに悩んでおられる方には少し難しく感じられるかもしれません。
易しすぎないドライバーといえるのかもしれません。

とてもいいドライバーだな・・・。と思いました。
『GBB三兄弟』の中で、一番気に入りました。
僅差ではなく、大差でした。
一番の違いはフィーリング性能の向上です。

前の2つのドライバーも、『物理的性能』はとても優れているな・・・。と思っていたのですが、正直あまり好きにはなれませんでした。
構えづらかったり、打感がもうひとつだったり、音がどうしても馴染めなかったり・・・。
フィーリングよりも、物理的性能を重視しているんだな・・・。と思いながら試打したのを覚えています。
肝心なのはマシンテストではなく、ヒューマンテストです。
マシンには無いフィーリング・感性というものが人間にはあります。
とはいっても、感じ方や好みはひとそれぞれなので、前のモデルでも充分だという方もたくさんいらっしゃるとは思うのですが・・・。
私は前のモデルは高性能だとは思いましたが、正直あまり試打する気になれず、初めて試打した後も、何回か球を打っただけで終わってしまっています。
楽しい気持ちになれませんでしたし、心躍ることもありませんでした。
少し敬遠していました。

しかし、このフォージドモデルはそういったところがすごく改善されているので、好感がもてました。
何度でも試打したいと思いましたし、違うシャフトを挿して、コースでも試してみたいと思いました。
ハイテクさが充分感じられますが、そこにフィーリングが加わった、『強者(つわもの)』ドライバーといっていいと思います。
カッコいいですが、難しすぎないドライバーなので、多くの方に試していただきたいと思いました。