2015年03月
2015年03月31日
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ホンマ TOUR WORLD TW-W

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW-W です。

シャフトはダイナミックゴールド です。
ロフトは52度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は471gです。

シンプルでとても美しい、ホンマのウェッジです。
軟鉄の風合いも、すごくいいです。
打感が柔らかいだろうな・・・。と、こうして見ているだけで感じられます。

今はアイアンやウェッジも、形状が複雑な物を見かけるようになりましたが、このウェッジはシンプルで、最低限の物しか付いていないように見えます。
ゴルフとは直接関係ないですが、『水泳』を連想しました。
余計な物が付いていないので、身軽に泳げる感じがします。
たくさんの服を着て泳ぐと、いくら泳ぎが得意でも上手く泳ぐことができません。
このウェッジは、とても速く泳げそうな印象をもちました。

トップラインの厚さも、ちょうどいいです。

ロフトが52度ということで、『AW』ということでいいと思うのですが、AWとしては、ソール幅はノーマルな感じがします。
ホンマはPWが『10』、AWが『11』。
というように昔から表示されていました。
つまり『10番アイアン』『11番アイアン』ということになっていたと思うのですが、私は10番をピッチング。
11番をアプローチと呼んでいました。
このウェッジはロフト表示だけだったので、これも時代の流れかな?と思いました。
今はウェッジの『別売り』が当たり前なのだと思います。

適度なネック長さです。
スピンもよく掛けられそうです。
この角度から見ても、美しいな・・・。と思いました。

フェース面には、細かなミーリングがありました。
指で触れてみても、ザラザラ感がありました。

リーディングエッジが大きく緩やかに削られていました。
『抜け』にも配慮されているようです。
『逆目のライ』でも、上手く対応してくれそうだな・・・。と思いました。
FWやUTもそうですが、ウェッジも『滑り性能』が求められます。
いいライは勿論ですが、たとえ難しいライであっても、上手く滑って抜けてくれると、ショットの成功確率が高まります。

ホーゼルには『TW-W』と刻印がありました。
『TW』というと、私はすぐにタイガー・ウッズ選手を思い出すのですが、この場合は『ツアーワールド』という意味なのだと思います。
ツアーワールドのウェッジということでいいのでしょうか?

この『MADE IN JAPAN SAKATA』の文字が、さらにこのクラブのグレードを上げているように思いますし、信頼性も増します。
ゴルフクラブが『きちんと』完成形になるまでには、大きく分けて三段階必要だと私は思っています。
それは『メーカー』『クラフトマン』『プレイヤー』です。
この3つの力が必要で、それが上手く組み合わさって初めて完成すると思います。

最初はメーカーです。
信頼のできる自社生産で誇りをもって、クラブ製作に携わっているメーカーは、意外と少ないように思います。
今はOEMが当たり前ですし、海外生産が殆どです。
しかし、それをやらずに敢えて自社生産で、『目の届くクラブ造り』をしているというところに信頼がおけます。
ホンマは、まさにその数少ないメーカーのひとつだと思っています。
クラブ製作を他社に依頼して販売したほうが、コストもかからず利益を上げやすいのかもしれませんが、『目の届くクラブ造り』をしているメーカーは魅力的です。
『品質』や『精度』の高い製品を造るのは、日本のメーカーが優れています。
それはゴルフクラブに限ったことではありません。

そして2つめは『クラフトマン』の存在です。
信頼のおけるメーカーのクラブを、今度はプレイヤーに合うように組み立ててくれる人の存在が必要不可欠です。
クラブメーカーによっては、このクラフトマンの仕事も担ってくれるところもあるようですが、殆どがそうではありません。
私には信頼のおける、とても頼もしいクラフトマンがいて、いつもお世話になっています。
私のクラブ調整をしているところを何度も見させてもらったことがあるのですが、とても繊細で根気の要る作業ばかりです。
彼の真剣な顔を見ていると、下手な球は一球たりとも打てないな・・・。と思い、気合いが入ります。
そうして組み立てられた、『世界にひとつだけの私の為だけに造られたクラブ』は頼もしい相棒になってくれます。
ゴルフライフを豊かにしてくれます。
愛着が湧かないはずがありません。

そして、3つめは『プレイヤー自身』です。
いくら優れたクラブでも、最高の調整がされていても、プレイヤー自身が使い込んでいかなければならないと思っています。
ある程度使い込んで、様々な場面などで共に時間を過ごして、そのクラブに対する信頼性がさらにアップするように思います。
こちらの意思が伝わりやすくなるまで、使い込んでいく時間が必要だと思います。
そうして、そのクラブが、そのプレイヤーにとっての『最高の相棒』になってくれるのだと、これまでの経験から強く感じます。
つまり、『メーカー』と『クラフトマン』『プレイヤー』による『三位一体』が絶対必要だと思います。
このクラブを見ながら、そんなことを考えていました。
ホンマのクラブを昔から使っていた・・・。というからではありませんが、ホンマには昔から信頼をおいていましたし、『作り手のあたたかみ』のようなものを感じていました。
そのように感じられるメーカーは実は少ないです。
冷たく感じられるクラブは結構あります。
『仏作って魂入れず』という言葉を思い出したこともあります。
これまでたくさんのクラブを試打してきて、そのように感じます。

このオリジナルグリップも何度か経験してきましたが、とてもいい感じです。
滑りにくくなっていて、適度に柔らかさもあります。

オーソドックスで構えやすいです。
見とれるようなことはなかったのですが、リラックスして構えることができました。
『顔』だけでいうと、何年か前に出会ったウェッジのほうが、いい顔をしていたな・・・。と思いましたが、このウェッジにも特に不満はありませんでした。
何となくではあるのですが、『ボーケイウェッジ』を思い出しました。
今度機会があれば、見比べてみたいと思いました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、いい感じでした。
予想通りのフィーリングでした。
『球の食いつき感』がとてもいいな・・・。と思いました。
以前試打したBSのウェッジを思い出しました。
それくらい、食いつきの良さを感じることができました。
食いつきがいいので、面でグッと押していけました。

スピン性能も高いと思いました。
ボールがよく止まってくれました。
『計算しやすいスピン性能』といった感じがしました。
このスピン性能だと、コースでも頼もしく感じるだろうな・・・。と思いました。

球も拾いやすいです。
出球の高さも、イメージにピッタリと合います。
スッと自然な感じでボールにコンタクトできました。
今はグースタイプのウェッジの人気も高いですが、やはり私はこのようにグースが弱いタイプのほうが易しく感じます。

『安定性』という点では、普通だと思いました。
特別ミスに寛容な感じはしませんが、ウェッジはこれくらいがちょうどいいように思います。
ラインも出しやすくて、いい感じでした。

『距離感』も、すぐに合いました。
落としどころをまとめることができました。
『球の拾いやすさ』と、『高さのイメージ』が合いやすかったのが、この距離感の合いやすさにつながったように思います。
装着されているシャフトも慣れ親しんだ物ですし、『余計な動き』をしないのが、すごく良いと思いました。
シビアな場面で使うことの多いウェッジは、予測しない動きをされるとスコアを作っていくことができません。

『操作性』も、いい感じでした。
私はウェッジを開いて使うことも多いのですが、このウェッジはそれが容易に行えました。
色々なフェース面の角度で勝負できるので、一本のクラブにおけるショットのバリエーションも増やしていけます。

ホンマのウェッジは久しぶりでしたが、やはりいいな・・・。と思いました。
かなりシンプルですが、このシンプルさが魅力的でした。
私はコーヒーが大好きでよく飲むのですが、このウェッジは余計な物が混ざっていない、『純度の高いブラックコーヒー』といったところかな?と思いました。

ウェッジを手にしてしまうと、予定通りに終わることができないことが多いのですが、今日もそうなってしまいました。
『球を操作する喜び』を、ずっと体感していました。
このウェッジのおかげで、ボールがまるで生き物のように感じることができました。

残念ながら今日は、アプローチグリーンで試すことができなかったので、また試打する機会があれば試打してみたいと思いました。
楽しい時間を過ごすことができました。