2014年11月
2014年11月30日
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ブリヂストンゴルフ J15MB アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブはブリヂストンゴルフ J15MB アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは35度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは元調子 です。

ブリヂストンゴルフのマッスルバックアイアンです。
マッスルバックが発売されることを私は知らなかったのですが以前、読者の方からマッスルバックが発売されるということを教えていただき、出会えるのをずっと楽しみにしていました。
今日は偶然、このアイアンに出会うことができ、とても嬉しく思いました。
マッスルバックは確かに敷居の低いアイアンではありませんが、思わず引き込まれそうな不思議な魅力があります。
BSのマッスルバックといえば、最近では昨年試打した909の印象がとても強いです。

ニューアイアンではありますが、特にハイテクな感じもしないですし、特別な工夫も施されていないように見えます。
ピュアでプレーンな感じがします。
無刻印のマッスルバックアイアンに『Bのマーク』と『FORGEDの文字』を刻印してあるだけの、シンプルなアイアンに見えます。
全体的にミラー仕上げになっています。
光沢感があります。
私は『艶消しタイプ』のほうが好きですが、この光沢感に魅力を感じられる方も多いのではないでしょうか?
ミズノなどでは、オーダーメイドシステムが充実していて、仕上げの方法なども指定できますが、BSはおそらくできないと思います。

このフラットバック構造が魅力的です。
今は複雑な構造のアイアンも多くなりましたが、このアイアンは至ってシンプルです。
シンプルさが美につながるのだということを、このアイアンを見ながら感じていました。

ソール幅は狭いです。
今の多くのアイアンでは見られない狭さです。
今はアスリートモデルと呼ばれるアイアンでも、ワイドなタイプが増えてきましたが、このアイアンは昔ながらの『ノーマル幅』です。
このソール幅を見ているだけで、クラブがプレイヤーに求めているもが解るような気がします。

ネックの長さもしっかりとありますが、今のアイアンらしい長さだと思いました。
昔のアイアンのようなロングネックではないと思いました。
この角度から見ても、はっきりとグースが利いているのが解るアイアンが多いですが、このアイアンのように『極上のストレート』を見てしまうと、思わず笑みがこぼれてしまいます。
凜とした、『美しい後ろ姿』です。
背筋がピンと伸びているように見えます。
今はなかなか見られない姿です。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
BSのウェッジにはミーリングのイメージが強いですが、アイアンはノーマルです。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
スッと楽に構えることができました。
余計な雑味が感じられません。
マッスルバックは寛容さが小さい分、構えやすさは特に大切になってくると思います。
マッスルバックで構えづらかったり、違和感があったりするとイメージも出せないですし、難易度が上がってしまいます。
構えやすさは絶対に欲しいところです。
そういった意味でも、このアイアンは好感がもてました。
ただ、できればもう少しヒール周りが少し絞られていると、もっといいイメージが出せたような気がします。
あくまでもこれは私の好みに過ぎません。
ツアーステージ909は極上の構え感があり、見とれてしまったことを覚えているのですが、このアイアンはちょっと違うように思いました。
しかし、構えやすいアイアンであることに変わりはないですし、気持ちもどんどん盛り上がってきました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
柔らかくて厚みのある打感が易しく手のひらを包んでくれます。
こういった厚みのある打感だと、フェースに乗せて運ぶイメージを出しやすいので、コントロールもしやすくなります。
今は『反発系』のアイアンもありますが、やはりこの『まったりとした』といいますか、『乗せ感』の出せるアイアンのフィーリングには適わないな・・・。と思いました。
この打感によるコントロールのしやすさが、マッスルバックの易しさといえるのではないでしょうか?

球のあがりやすさは、イメージ通りでした。
今はワイドソールになっていたり、複合素材が組み込まれていたり、ポケット構造によって深い重心深度が確保されていて球があがりやすくなっていますが、それらとは違うあがりやすさです。
シンプルで自然なあがりやすさだと思いました。
構えたときにイメージした高さが、そのまま反映しやすいように感じました。
ソール幅は狭いですが、ノーマルロフトのおかげで球があがりやすくなっているのだと思います。
まさに『ナチュラルアイアン』といったところでしょうか?

『安定性』という点では、マッスルバックらしく、かなりシビアです。
寛容さがあるアイアンとはいえないように思います。
『芯』も小さいですし、ミスヒットが球筋に反映されやすいです。
イージー系のアイアンを求めておられる方には合いづらいところがあるかもしれません。

『飛距離性能』という点では、今のアイアンの中でも、はっきり飛ばないほうだと思います。
『昔ながらの距離』といいますか、『アイアンの番手』を明確にした距離といっていいように思います。
今はロフトが立っていて、ロフトピッチもバラバラなので、残り距離を見てもどの番手で打っていいのかが解りづらいですし、中途半端な距離が残ったときの判断が難しくなるだろうと思います。
その点、このようなノーマルなロフトのアイアンだと、そういった調整もしやすいように思います。
今はアイアンも『飛距離全盛時代』といっていいと思いますし、このアイアンは同じ番手でも『2番手』くらいか、それ以上に飛ばないと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
アイアンでも易しく飛ばしていきたい・・・。という方には合っていないのかもしれません。

『操作性』は最高レベルでした。
球を左右に大きく曲げて楽しむことができました。
今は大きく曲げづらいアイアンが多いので、ある意味新鮮に感じられました。
私は球を曲げる練習が大好きで、練習場でよくやっています。
大きく曲げるのはとても楽しく、その軌道を目で追っているだけで、日頃のストレスも何処かへ飛んでいってしまうような気がします。
今日はとても楽しく曲げることができました。
コースでは、ここまで大きく曲げなければならない場面にはそれほど遭遇しないな・・・。とは思いつつも、ごくたまに曲げなければならないときもあるので、曲げる練習は有効です。
ひたすら真っ直ぐに打つ練習も楽しいですが、曲げて打つ練習は、より自分の気持ちが球に乗っている感じがして楽しくなります。

なかなか手を休めることができませんでした。
休憩を入れず、どんどん打ち込んでしまいました。
アイアン好きの私には、たまらないアイアンです。

ブリヂストンゴルフのニューアイアンをいくつか試打してきて、今回のニューモデルにマッスルバックは入っていないのかと思っていたのですが、こうして手にすることができ、嬉しくなると同時に、やはりBSはマッスルバックアイアンを大切にしてくれているんだな・・・。と思いました。
難易度が低いとはいえないですし、多くの支持が集まるとはいえないのかもしれません。
なので、おそらく『数量限定』なのだろうと思っていたのですが、やはりそのようでした。

今はアイアンも機能性が高いモデルがたくさんあります。
ミスにも寛容で、球があがりやすくて、おまけに構えやすさも向上しているモデルがいくつもあります。
メーカーの深い研究や技術がたくさん組み込まれたアイアンを見かける機会が多くなりました。

そういった意味でいうと、このアイアンは違うタイプだと思いました。
球があがりやすくなるように・・・。とか、ミスヒットしても球がブレないように・・・。とか、少しでも距離を伸ばせるように・・・。などといった工夫は見られません。
いい意味で、メーカーの工夫の跡が見られないアイアンです。

このアイアンを作るために、メーカーがたくさん工夫している・・・。という感じはしませんでした。
必要最小限に抑えて、あとはプレイヤーに委ねる・・・。という感じがしました。
つまり、易しさはそれほど無いけれど、使いこなしていくうちに、どんどん『プレイヤーの色』に染まってくれるタイプのアイアンだと思いました。
機能性はそれほど無い分、『使い減り』しないといいますか、飽きの来ない感じがしました。

マッスルバックを発売しているメーカーはそれほど多くないですが、これからも限定でもいいので、発売して欲しいな・・・。と思いました。
マッスルバックがもつ、ソフトで厚みのある打感や、操作性の高さは、プレイヤーの技術や感性を高めてくれるように思います。
ごまかしや曖昧さが無い分、いいスイングができたときの、何物にも代えがたい満足感は一度味わってしまうと忘れることができません。
今日は、このアイアンのおかげで、とても楽しい時間を過ごすことができました。
また何度でも試打できればいいです。