2013年07月
2013年07月29日
ロイヤルコレクション PRO ZX FORGED アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロイヤルコレクション PRO ZX FORGED アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは元調子、クラブ総重量は442gです。

ロイヤルコレクションの、とてもカッコいいマッスルバックアイアンです。
今は色々なメーカーからマッスルバックアイアンが発売されていますが、ロイヤルコレクションはとても珍しいと思います。
ロイヤルコレクションのマッスルバックは、あまり見かけませんが、数年前に『RC Forged アイアン』という素晴らしいアイアンに出会ったことがあり、私はとてもよく憶えています。
友人から借りたクラブだったのですが、その他を寄せ付けない圧倒的な美しさは忘れることができません。

全体がミラー仕上げになっています。
名前の通り、鏡のようにピカピカ光っています。
この光り具合が、このアイアンのシャープさを、より際立たせているようです。
私はどちらかというとサテン仕上げのほうが好きですが、ミラー仕上げが好きだという方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方々にはとても美しくて魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
最近のマッスルバックで、ミラー仕上げということで考えてみると、SRIXON Z925 アイアンを思い出します。

ソール幅は狭いです。
こういったところを見ても、このアイアンの性格が解るような気がします。
最近はマッスルバックでも、結構ソール幅の広いモデルが増えてきました。

ネックの長さは、やや長めかな?と思いました。
特にロングネックだとは思いませんでした。
こういったところは、今時のアイアンのような気もします。

素振りをしてみても、適度な重量感があり、振りやすく感じます。
これがもし軽すぎるスペックであれば、難しく感じただろうと思います。
シビアなアイアンだからこそ、適度な重量感が欲しいところです。
そういった点で、このアイアンには親しみやすさを感じました。

ボールを前にして構えて、このあまりの美しさに思わず見入ってしまいました。
ロイコレマッスルバックらしい構え感です。
『シャープさ』がハンパではありません。
すごく尖っています。
丸っこさなど、感じられません。
しかし、それがまた魅力的でした。
数年前に試打した『RC Forged』も、こんな顔をしていたな・・・。と思いました。
構えてみて、余計なところが全く見られませんでした。
『必要最小限』の物しか、存在していないように見えました。
かなりの小顔です。
小顔好きの私には、たまらない構え感でした。
思わず目尻が下がってしまい、心地いい時間が続きました。
試打を開始しました。

『打感』は、マッスルバックらしい何ともいえないグッドフィーリングでした。
この柔らかい打感がたまりません。
装着されているシャフトのおかげで1球目から、いいところで捉えることができ、極上の打感を味わうことができました。
この打感はたまりません。
1球で終えることができません。
また味わいたくて、すぐに次の球を打っていたくなります。

『安定性』という点では、かなりシビアです。
これはもう打つ前から解っていたことではありますが、最近のマッスルバックの中でも、難しさという点で『ピカイチ』のような気がします。
他のマッスルバックアイアンが、かなり易しく感じます。
マイアイアンはマッスルバックなのですが、このアイアンと比べると、すごく易しく感じます。
このロイコレのアイアンのほうが、すごく敏感に反応します。
敏感過ぎるほどです。
スイートエリアは、かなり狭いと思います。
打点のブレには、かなりシビアですし、寛容さを求めていくタイプのアイアンではありません。

『球のあがりやすさ』という点でも、ある程度のヘッドスピードを要するように思います。
これまでの多くのアイアンに見られた、『お助け機能』は全く感じられません。
『単一構造』といいますか、プレーンな感じがします。
ヘッドの機能性や大きさで飛ばしていけるタイプのアイアンではなく、あくまでもプレイヤーのスイングスピードで飛ばしていくタイプのアイアンだと思います。
こういったところは、前のモデルと共通しているような気がしました。

『飛距離性能』という点でも、今のアイアンの中で、飛ばないほうだと思います。
私はこれくらいが7番アイアンの標準だと思うのですが、今はかなりの少数派といえるような気がします。
易しさ重視・飛距離重視のアイアンでは、色々な『付属品』が付いていたりして、たくさんの工夫がされている物が多いです。
なのでロフトを立ててもあがりやすくなっていて、それが飛距離性能に大きく関わっていますが、このようなマッスルバックでは、ロフトを立てれば立てるだけ、難しくなってしまうので、メリットは無いように思います。
『純アイアン』といっていいでしょうか?
クラブでボールを飛ばす為に『最低限』の物しか組み込まれていないと思います。
最近はアスリート仕様のアイアンでも、ロフトが立っている傾向にありますが、このアイアンはその流れとは逆行しているように思います。
『昔ながらのノーマルアイアン』といった感じです。
誰にでも距離を稼がせてくれるタイプのアイアンではないので、距離を重視しておられる方には、不満が残ってしまうかもしれません。

『操作性』という点では、かなり敏感に反応してくれました。
自分の意思がすごく伝わりやすいです。
クセが全くないので、左右どちらにも同等に反応してくれました。
球がつかまりやすいタイプではないように感じました。
なので、スライスに悩んでおられる方には難しく感じられるかもしれません。
ボールを真っ直ぐ飛ばしていきたい・・・。という方には、合いづらい部分もあるように思いますが、自分の持ち球で曲げて攻めていきたい・・・。という方には、魅力的に感じられるのではないでしょうか?

最近のマッスルバックの中でも、トップクラスに難しいタイプだと思います。
かなり『頑固』な感じがしました。
敷居の高いアイアンであることに変わりはないのですが、この頑固さがまた魅力的だと思いました。
変なところでヒットすると、それがすぐに手に伝わりますし、弾道にも表れます。
ごまかしの利かないアイアンです。

球数をこなしながら、この抜群の打感と、ミスを正直に伝えてくれる正直さをずっと楽しんでいました。
球を打っていて、その打感から、今のはちょっとミスしたな・・・。コスリ気味だな・・・。と思って、打球を目で追っていると、その通りの球になっているのに好感がもてましたし、面白いと思いました。
今はなかなか伝わりづらい物が多いです。
どこでヒットしたのか?球はどのように飛んでいるのか?が、つかみづらいアイアンが多いです。
そういった意味では、このアイアンはストレートに伝えてくれました。
ミスはミスとはっきりと伝えてくる代わりに、いいスイングができた時の喜びも大きいアイアンです。

私はこういった正直なアイアンが大好きなので、ついつい球数を多く打ってしまいました。
なかなか止めることができませんでした。
このアイアンに比べると、私が今愛用しているアイアンのほうが、敷居の低さを感じました。
一口にマッスルバックといっても、奥が深いものだと思いました。

今は易しいクラブのほうが受け入れられやすいのは間違いないと思います。
マッスルバックもたくさん見かけるようになりましたが、昔ほどハードな感じはしません。
しかし、このアイアンは違うように感じました。
昔ながらのマッスルバックの匂いがプンプンしていました。

これだけシビアなアイアンなので、あまり多くのゴルファーには受け入れられないような気もします。
易しくて高機能なアイアンが増えてきました。
その易しさがフィーリングを邪魔しなくなりました。
このアイアンはフィーリングがすごくいいですが、『物理的に有利』といえるところが殆ど感じられませんでした。
その代わり、ショットの成否を正直に伝えてくれると思います。
そういった点でいえば、『クリアな回答』が得られやすいといえるのかもしれません。
クラブは難しければいいというものでもないですし、ある程度の易しさがあったほうがいいのかもしれません。
しかし、それでも時には、こういったクラブを振ってみたくなります。
ごまかしの利かないアイアンで、今の自分のスイングの精度を計ってみたくなります。

久しぶりに、このような『骨太』のアイアンに出会いました。
易しさは全く感じられないアイアンではありますが、難しいアイアンに挑戦してみたい・・・。という方には、お勧めしたいと思いました。
今は易しめのアイアンで上達を目指すのが、合理的なような気もするのですが、昔はこういったタイプのアイアンで上達を目指していた方も多いと思います。
難しめのクラブでスイングを磨いていくには、ピッタリのアイアンだと思いました。
また機会があれば、試打を楽しみたいと思わせてくれるアイアンでした。