2009年06月 - ゴルフクラブ試打日記。
モウダス
スコッティキャメロン専門店【Himawari】

2009/06/30

2009年06月

      
2009年06月30日
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懐かしのパーシモンと最新ドライバーの比較

                 
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今日は、いつもとちょっと趣向を変えまして、ホンマ パーシモンドライバー を試打してみることにしました。


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シャフトは『ホンマのシャフトの代名詞』ともいえる『ボロンシャフト』です。


パーシモンドライバー全盛の頃は、『スチールシャフト』の方が多かったのですが、『カーボン』や『ボロン』が装着されるようになって、とても話題になったのをよく覚えています。


それまで、『パワーヒッター』の方が、かなり有利でしたが、そうでない方にも、かなり親しみやすくなっていきました。


私は予算的にも『優しい』、『スチールシャフト』の方を多く使っていました。


このような『ボロンシャフト』は、かなり高価で、なかなか手が届くものではありませんでしたが、優しい先輩から安く譲って貰ったのを覚えています。



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このドライバーは、私がずっと以前使用していたドライバーのひとつで、自宅倉庫の片付けをしていて久し振りに目にしたので、懐かしさもあってこのドライバーでボールを打ってみることにしました。


ただ、打ってみるのもいいのですが、折角なので『最新ドライバー』と比較してみることにしました。



<ミズノ MP CRAFT S-1 ドライバー のスペック>

シャフトは フジクラ モトーレ F1 65J カーボンシャフト です。

ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は68.5g、トルクは3.5、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は318gです。



こうして構えてみても、当たり前ですが、かなり大きさが異なります。


『S-1』は、最近のドライバーの中では、『小顔』に属するドライバーですが、やはり『パーシモン』と比べてみると、『巨大』な感じがします。


どちらもドライバーなのですが、こうしてみると『ドライバー』と『クリーク』ぐらいの違いがあるように思われます。


これがもし『460㎤』のドライバーでしたら、その差がもっと大きくなると思いました。



<左>ホンマ パーシモン <右>ミズノ S-1

クラブ全体の長さが、かなり長さが違います。


今は『45インチ』が『主流』といいますか『最低ライン』だと思います。


『44インチ台』の新製品のドライバーを目にすることはなくなりました。


対して、『パーシモンドライバー』は『42インチ』や『43インチ』、『43.5インチ』までが主流でした。


『44インチ』のクラブを初めて手にした時は、ずいぶんと長く感じられましたし、うまく当たるだろうか・・・?と不安に感じたのをよく覚えています。



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こうしてみても、やはりとても美しいヘッドだと思います。


この『木目模様』がたまりません。


この模様は、一本一本必ず違っているので、それぞれが『世界に一本だけのドライバー』を手にしてこれたのだと思います。


今は、どのクラブも大量生産され、それにより『価格』が抑えられたり、『製品の均一化』が図れたことは、とても大きなメリットなのですが、その反面、一本一本の個性が無くなり、どことなく寂しい感じもします。


この木目模様には、そうした『希少価値』や『個性の強さ』なども感じられますし、『自然の風合い』や『芸術的な美しさ』があるように思われます。


自然の中で行うスポーツであるゴルフは、やはりこうした『木』を原料とした道具を使うのは、とてもマッチしているのだと思います。



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『パーシモン』=『柿の木』なので、昔、近所にあった柿の木で作れないのかな・・・?と考えていたこともあったのですが、日本の気候は温暖なので、なかなか強度的にもいいものがなく、その殆どが『北米産』だったと思います。


ある程度寒いところの方が、木の『密度』が高く、強度的にも優れているのだそうです。


こうして見ていても、クラブ職人さんの『魂』が込められているような気がします。


このドライバーも、『ホンマクラブの聖地』である、『酒田工場』で生産されたのでしょうか?



素振りをしてみても、やはりかなり懐かしい感じもする反面、今のクラブに慣れた自分としては、かなり『異質』な感じも正直します。


『重い』とか『短い』といった感じはしないのですが、今の『パワーアップ』された、『強度抜群』のクラブに慣れていると、どことなく『繊細』な感じがしましたし、華奢(きゃしゃ)な感じもしました。


今主流の『金属ヘッド』を『鉄鍋』に例えると、この『パーシモンヘッド』は、繊細だが透明感があって美しい『ガラス細工の皿』といったところでしょうか?


取り扱いには充分気をつけなければいけませんが、いつまでも側に置いておきたくなります。



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ボールを前にして構えてみると、

「ああ、懐かしい。これだこれだ・・・。」

と呟いてしまいました。


昔の懐かしい記憶が蘇ってきます。


様々な『ナイスショット』や『ミスショット』が、思い出されます。


その頃どのような気持ちで、またイメージを持ってボールを打っていたのか・・・・。までもが思い出されました。


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ミズノ S-1

『ミズノ S-1』も、最近のドライバーの中でも『秀作』といえるほどの美しさをもっていますが、やはり趣(おもむき)が違うような気がします。


パーシモンドライバーを打ったことがない方でしたら、この『コンパクトヘッド』に不安を感じられるかもしれませんし、ずっと経験されてきた方は、きっと懐かしく感じられると思います。


どちらも、すごく構えやすいドライバーですが、『パーシモンヘッド』とボールの『大きさの相性』は、やはりすごくいい感じだと思いました。


『S-1』もすごくいいイメージができますが、その『イメージラインの太さ』は、ボールが大きく見えるからなのか、『パーシモン』の方が太く、色濃く感じます。


『S-1』も、以前試打したときと同じように『ドロー』『フェード』どちらのイメージもしやすいのですが、こうして『パーシモン』と比べてみると、やや『直線的』な感じがします。


『直進性の高さ』を感じさせます。


対して『パーシモン』は、『曲線的』で、『自由なカーブ』を描いていける感じがしました。


ゴルフはボールを曲げるものだ・・・・・。ということを思い出させてくれます。


野球のピッチャーに例えると、『S-1』はストレート主体の『剛速球投手』で、『パーシモン』は、『変化球主体』で、微妙な変化と緩急を使って打者を打ち取る『ベテラン投手』といった感じかな・・・・?などと考えていました。




試打を開始しました。

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『打感』は、思っていたよりも、かなり『ソフト』な感じがしました。


昔の、あの『パーシモン独特』の『食いつき感』『程良い抵抗感』『球乗せ感』が、あまり感じられませんでした。


やはり今のボールとの相性は、必ずしも良くないようです。


昔のボールだからこそ、あのゴルファーを魅了する打感を得ることができたのだと思います。


今のボールも、かなり高性能ですが、それは『チタンドライバー』に対して開発されているので仕方がないと思いますし、そうすべきなのだと思います。


今はどこを探しても『パーシモンドライバー』は見あたらないのですから・・・・・。


以前も書きましたが、私は昔の『パーシモン』の感触が忘れられず、これまでゴルフを続けてきたところがあると思います。


今のクラブでは決して味わうことのできない感触ですし、その満足できる確率も決して高くはありませんでしたが、それを味わえたからこそ、またそれに出会いたいからこそ、続けてきたようなところがあると思います。


その頃は、練習場に行っても、左右の曲がりなど一切気にせず、ひたすらその感触を求めて、ボールを打ち続けていました。


それが私のゴルフの楽しみでした。



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『球のあがりやすさ』という点では、断然『S-1』だと思いました。


『パーシモン』は、かなり久し振りでしたが、予想通りかなり苦戦してしまいました。


やはり『チタンドライバー』の打ち方に、すっかり慣れてしまったのだと思います。


『メタルドライバー』が出始めた頃、私は『パーシモン』と併用して使っていたので、どちらも使えるようにしていたのですが、やはり年月が経って『パーシモンの打ち方』を忘れてしまったような気がします。


『パーシモン』と『メタル』『チタンドライバー』の打ち方は、はっきりいってかなり違います。


『基本は同じ』とはよく聞きますが、クラブが変わると、打ち方が変わる部分も多いと思います。


今のドライバーは『レベルブロー』や『アッパーブロー』で打つようになっていると思いますが、昔の『パーシモン』は『ダウンブロー』で打っていました。


アイアンならともかく、ドライバーで『ダウンブロー』・・・?と疑問に感じられる方もいらっしゃると思いますが、紛れもなくパーシモンヘッドで上から潰すようにして打っていたのです。


今でこそ、『スピン過多』は嫌われる方も多いと思いますが、『パーシモン』は『スピン』を多く掛けて飛ばしていたのです。


『吹き上がり』という言葉も、『メタルドライバー』が出現した頃から、『マイナス的な要素』として使われてきましたが、『パーシモン』の頃は、ある意味『吹き上がらせて飛ばしていた』のです。


まさに野球の『金属バット』と、プロが使う『木製バット』の違いです。


プロ野球を観戦される方は、よく理解していただけると思いますが、『ホームラン』は一度上がって、それからまたさらに上がって飛んでいき、スタンドに入ります。


それに対して、ただの『外野フライ』は、一度あがって、その後失速して外野手のグラブに収まります。


そういった感じが、このパーシモンドライバーの弾道にはあるのだと思います。


『ギア効果』が、今のクラブよりも、もっと重要視されていたと思います。


なので、このパーシモンは風にとても弱く、『アゲインスト』と『フォロー』の時では、飛距離が大きく違っていました。


その後、登場した『メタルドライバー』を初めて打った時は、この『吹き上がり感』が少ないことに驚きました。


それまでの一度上がって、その後さらに上がる『二段ロケット弾道』ではなく、一度描いた放物線をそのまま描いていく飛び方に驚いたのを覚えています。


風に強く、左右へ曲がりにくいので『平均飛距離』が伸びて、次第に『パーシモン』は、キャディバッグから抜いて、自宅倉庫へと大切に保管するようになりました。


クラブ用品業界での『革命』が、このメタルドライバーによって、もたらされたのだと思います。



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『安定性』という点でも、私はかなり『S-1』の方が大きいと思います。


それは『微妙な違い』というのではなく、『大差』です。


『S-1』は、最近のドライバーの中では、かなり『シビア』な部類だと思うのですが、『パーシモン』と比べてみると、かなり打ちやすく『安定感』を感じます。


ちょっと大袈裟にいうと『数ミリの誤差』と『1センチの誤差』といったところでしょうか?


『S-1』も、決してミスを容認してくれるクラブではありませんが、パーシモンと比べると『懐の広さ』を感じますし、『シビアさ』が影を潜めてしまった感じがします。


『易しすぎないが、楽に打っていけるドライバー』という感じがします。


『慣性モーメント』でも、一体どれくらいの差があるのだろう・・・・?と思っていました。


『S-1』は、決して『慣性モーメント』が大きすぎるドライバーではありませんが、やはりこうしてパーシモンと比べてみると、その大きさを感じずにはいられません。


20年以上前と比べると、今は、クラブの性能の上がり方に、やや『上げ止まり感』を感じてしまうのですが、やはりこの進歩はすごいものだと痛感させられます。


昔は難しいクラブを敢えて使っていったものですが、今はやはりこの大きな技術革新を利用した方が得策なのだと思います。



『飛距離性能』という点でも、はっきり『S-1』の圧勝でした。


それはクラブのスペックなども違いますし、『パーシモン』の打ち方が出来ていない、今の自分のスイングも大きく影響していると思います。


昔、歯を食いしばってパーシモンを振り回していたのは何だったのだろう・・・・?と思います。


パーシモンでも、『ナイスショット』した時は、よく飛んでいましたが、やはり今のクラブはそれを遙かに凌駕しています。


『S-1』や『T-1』のように、微妙な差であるならば、こうした比較も意味があるのでしょうが、今回は予め予想されていたことですし、比べること自体にあまり大きな意味はないのだと思います。


『パーシモン』は『設計自由度』が『メタル』や『チタン』に比べ低く、それによって、次第に生産されなくなりましたが、『ホンマ』が最後まで『パーシモン』にこだわり続け、最後はずいぶんと大きな『パーシモンドライバー BIG-LB』を発売しました。


私はそのホンマの、他のメーカーにはない、『こだわり』と『独自性』『意志の強さ』にすごく敬意をもちましたし、近くの『ホンマショップ』にはよく通っていました。


しかし、時代はもう『パーシモン』を必要としなくなりました。



『操作性』という点でも、やはり私はかなり『S-1』の方に大きく分があると思いました。


このパーシモンも昔使っていたころはすごく良かったのですが、この『S-1』には日頃使い慣れた感覚で操作できる感じに安心感を感じます。


『フック』『スライス』も、かなり楽に打てます。


どちらも極端にやると、かなり大きなミスになってしまいますが、その『キャパシティ』は、『S-1』の方が大きく感じられました。


打ち方が、かなり違うドライバーをこうして比べていて、しかも『パーシモン』の打ち方が、まだ出来ていないので、今日はこのパーシモンには、かなり不利な結果になってしまいましたが、その反面改めて『パーシモンの良さ』も感じることができました。


本当はもっと球数を打っていきたかったのですが、もし万が一ヘッドが壊れてしまったら・・・・・。と思い、10球程度で止めてしまいました。


『メタル』や『チタン』しか打ったことのない方でしたら、『ヘッドが割れる』といった事が想像できないかもしれませんが、パーシモンでは決して珍しいことではありませんでした。



今のクラブと違って、『湿気』にも弱いですし、『ソール』部分にビスで固定されている『バックル』が浮き上がってしまうこともありました。


私もそうでしたし、友人たちも雨の日のラウンドでは、『パーシモン』をなかなか使いたがりませんでしたし、使った後は途中寄り道をせずに真っ直ぐ家に帰り、すぐにクラブを乾かしていたものです。


今のクラブはそれほど神経質にならなくてもいいですが・・・・・・。


今は、ほとんど見かけなくなった『パーシモン』ですし、これからも生産されることはないと思います。


『樹木を大切にする』といった意味ではいいことなのかもしれません。


今日は『自分自身の懐かしさ』と、パーシモンを見たことがない・・・・。という方の為に、このような記事を書いてみました。