ヤマハ
2023年11月02日
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YAMAHA RMX VD/X Driver

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD/X Driver です。

シャフトは TENSEI TR です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は49.5g、キックポイントは中調子、バランスはD3、クラブ総重量は297gです。

ヤマハのニューモデルです。
三兄弟の三番目をようやく試打することができました。

これまで通り、ラージサイズのシャロー系ですが、形が崩れていないのがヤマハらしいところです。
ヘッド後方にウェイトが配置されていて、移動できるようになっていました。
これまでR・Mと試打してきて、どちらもウェイトを移動できるシステムになっていますが、このウェイトの配置を見て、それぞれの性格が分かったような気がします。
つまり、このXが一番重心が深く、易しい設計になっているようです。

これだけ大きなウェイトをトゥ側やヒール側に移動させれば必然的に芯も変わってしまうだろうな・・・。と思いながら見ていました。

ネックの長さは標準的で、2つの『兄弟』と同じような気がします。

ネックには調整システムが搭載されていました。

試打するのはUPRTポジションで、アップライトということでいいのだと思います。

ヤマハらしい、美しいシャロー形状です。

顔も整っていて、Mとほぼ同じように見えました。
易しさを醸し出しながら、形が崩れていないのがさすがです。

フェース面のデザインも同じです。
ウェイトの位置を3種類にすることで、幅広い層に対応できるようにしているのだと思います。

シャフトはかなり軟らかくて、これまでとはちょっと違いますが、フレックスがRなので仕方ありません。

装着されているグリップはこれまでと同じで変わりません。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
フェースが少し被っていて、つかまりやすそうな雰囲気を醸し出しながらも、それが極端ではありません。
少し洋梨顔っぽいところもあり、ヒール側よりもトゥ側に少しボリュームをもたせているところがいいです。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じです。
先日試打したM同様、ややしっかりめの打感です。

音も少し大きめではありますが、それほど気になりません。

球はとてもあがりやすく、イージーです。
ロフト10.5度のドライバーでも、結構タフなものがありますが、このドライバーはあがりやすくて親しみやすい性格をしています。
球があがりやすいドライバーが好きだけど、構えづらいドライバーは嫌だ・・・。という方には、合いやすいのではないでしょうか?

『安定性』も高く、かなり球がつかまりやすいです。
UPRTというポジションもあると思いますが、これがもしSTDであっても、球はつかまりやすいような気がします。
シャフトは軟らかめではありますが、球に当たり負けすることなく、グッとつかまえてくれるような感じです。
構えたときにつかまりやすそうな印象を受けましたが、実際に打ってみると、さらにつかまりやすさを感じました。

フェースの弾きとつかまりの良さがあり、飛距離性能も高いです。
弾道も高めでしっかりとキャリーを稼いでいけるタイプです。
深重心タイプだからでしょうか?
見た目以上にスイートエリアも広く感じ、明らかにオートマチックタイプのドライバーだということが分かりました。

球のつかまりがいいので、フェードヒッターの方にも合いやすいと思います。
一応左右にも曲げるようトライしてみましたが、ヘッドの大らかさに加え、シャフトが意図的に曲げることを拒否しているかのような動きをしたので、普通に打ちました。
昔のオートマチック系のドライバーは、確かにスイートエリアは広いけど、そのヘッドの大きさからか、球がつかまりづらく、プッシュしてしまうことも多かったように思いますが、最近はそれがすごく改善されています。
ネックの調整システムも関係していると思いますし、ヘッドやシャフトにかなりたくさんの研究がされているのではないでしょうか?
試打後の感想

大らかで美しいドライバーだな・・・。と思いました。
性格的にも丸く、尖ったところが見られません。

三兄弟を試打しましたが、このドライバーはMに近い印象をもち、Rだけが少しかけ離れているように感じました。
しかしMも、フェース寄りにウェイトを移動させれば、Rに近い性能になるのかもしれません。
人それぞれ好みが分かれると思いますが、私は最初に試打したRが一番好きですし、購買意欲が刺激されています。

易しくて親しみやすいけど、形を崩さず美も追究している・・・。
そこがヤマハらしいですし、だから多くのゴルファーから支持されているのではないでしょうか?
ヤマハを海外メーカーに例えると、タイトリストに近い感じがします。

三兄弟ドライバーを試打しましたが、アイアンをもっとたくさん試打したいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023年10月27日
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YAMAHA RMX VD/M Driver

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD/M Driver です。

シャフトは TENSEI TR です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は52g、キックポイントは中調子、バランスはD3、クラブ総重量は300gです。

YAMAHAの新しいドライバーです。
先日姉妹モデルのVD/Rを試打しましたが、今日はMです。
RやMには、どのような意味が込められているのでしょうか?

Rはウェイトが縦に移動できるタイプでしたが、このMは横です。
縦に移動させると『重心距離』。
横に移動させると『重心深度』が変えられるというのは、これまで同様のクラブを試打してきて、学んできました。
既にテーラーメイドがやっていることではありますが、それを踏襲しているのでしょうか?
最近はこのようにウェイトを移動させたり、調整システムが搭載されていたりすることで鉛を貼る機会が減りましたが、昔から意識的に重心距離や重心深度を変化させる為に、鉛を一枚ではなく何枚か重ね貼りすることもありました。
あくまでも私の経験ですが、重心距離を変えるよりも、重心深度を変えるほうが鉛を貼る枚数が多かったように思います。
昔は今よりも小顔が多かったので、重心距離を変えることはあまりしませんでしたが、鉛をソールのフェース寄りに貼ることが多かったので、感覚的に重心深度が浅いドライバーを好んでいたのかもしれません。

こうして見ても、かなり目立っていますし、大きな変化が期待できそうです。
いろいろなポジションで試してみたいですが、今回はこのセンターの状態で試打することにしました。
重心深度を変える場合はそうでもないと思いますが、重心距離をウェイトで変えてしまうと、『芯』も当然ながらズレてしまいます。
実際、フェースのセンターが芯ではないドライバーが結構あるものです。

ネックの長さは標準的です。

ネックには調整システムが搭載されています。
最近はこういうタイプが再び多くなったような気がしますし、このシステムの有無で購入するかしないか判断材料にしておられる方も多いのではないでしょうか?

試打するのは、この『STD』ポジションです。

トゥ側にある、このヤマハのマークの存在感もバッチリです。
最近のヤマハクラブは、このマークが目立っているように思います。
以前も書きましたが、同じヤマハでも、楽器とは異なる、ゴルフブランドだけのマークがあってもいいのではないでしょうか?
しかし、このマークが採用され続けているということは、それだけ『音』にこだわっているという証なのかもしれません。

フェース面はとてもシンプルで綺麗です。
チープさは全くありません。
いかにも弾きが良さそうですし、『球の重さ』をイメージさせました。

見慣れたシャロー形状です。
シャローバックで『ハイクラウン(ディープフェース)』。
ヤマハシャローといっていいのかもしれません。
私はディープバックもシャローバックもどちらもあっていいと思いますが、フェース高はある程度欲しいので、このドライバーは好感が持てました。
先日も書きましたが、シャローフェースは意外と難しいですし、弾きを良くするのはディープフェースのほうが有利だと思います。

顔は、なかなかいい感じです。
ややトライアングルタイプに近いですが、形は崩れていません。
できるだけ形を崩さず、それでいて易しさを醸し出すにはどうしたらいいか・・・?ということを綿密に考えて設計されているのではないでしょうか?
こういったところはきめ細かな製品作りが得意な日本メーカーの良いところだと思います。

装着されているグリップはこれまで出会ってきたものと同じタイプです。

素振りをしてみると、今のクラブの平均的なスペックという印象をもちました。
軽量感があり、シャフトも軟らかく、よく動きますが、今はこういうタイプが多いです。
このシャフトがヘッドとベストマッチということなのでしょうか?
最近はTENSEIをよく見かけますし、今年のトレンドなのかもしれません。
こうして、いろいろなクラブを試打していると、シャフトの流行は各メーカー『持ち回り』のような気がしてきます。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じです。
整った顔をしていながら、気難しさのようなものは無く、親しみやすい顔をしています。
日本メーカーらしい、美しさと親しみやすさのバランスがとれた顔です。
ヘッド後方が少し膨らんで見えますが、これくらいは今の『スタンダード』といっていいような気もします。
バルジの見せ方もいいですし、ロフトが10.5度の割に、フェース面が見えすぎないのがいいな・・・。と思いました。
ヘッド後方のヒール側が膨らんでいたらフックのイメージが出やすいですが、このドライバーは違っていて、ややトゥ側に膨らみがあるので、逃がすイメージが出せたのも良いポイントで、方向性への不安は全く感じません。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じではありますが、やや硬めです。
先日試打したVD/Rとは明らかに違う打感で、直接打ち比べなくても分かるほど違います。
私はVD/Rの打感のほうが好きですが、このやや硬めの打感のほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ぼやけていなくて、球の重さをしっかりと味わえる、手応えのある打感です。

『音』も違いました。
こちらのほうが高音で大きいです。
少し左耳に響いてきました。
叩きたい私には、やや合いづらい音ではありますが、だからといって大きな不満は無く、このような音はたくさん経験していますし、『音作り』において世界のトップメーカーでもあるヤマハがあえてこのような音にしたのかもしれません。
打感だけでなく音も、私はVD/Rのほうが好きです。

『球のあがりやすさ』という点では、やや高めの強い弾道です。
打つ前はもっと高くあがって弱い感じの弾道かな・・・。と思っていたのですが、違いました。
打ち出しもしっかり出せていましたが、途中から少し浮き上がるような感じです。
弾き感もありますし、力強く、これまでたくさん出会ってきた10.5度の『高すぎる』『あがりすぎる』弾道とはちょっと違う印象をもちました。

試打しているのは、この真ん中のポジションですが、これをフェース寄りにしたら、低スピン性能が発揮され、VD/Rのような強い球が出るような気がします。

『安定性』は高く、顔の印象のまま大らかなタイプではありますが、今のドライバーはこういうタイプが多いので、そういう意味では普通といったところでしょうか?
普通というのは秀でていないということではなく、最新の優れた物のなかでの普通なので、優れているということです。
大らかでシビアさは全く感じません。
昔のオートマチック系は顔が良くなくて構えづらいものが多かったのですが、最近は整った顔が多くなり、精神的な不安も消え、さらに安定感が増しているような気がします。

『飛距離性能』も高く、かなり期待できるドライバーです。
VD/Rほど性格は尖った感じはしませんが、このドライバーも、いわゆる『アスリートモデル』ということになるのでしょうか?
叩いていってもしっかりと応えてくれ、ポテンシャルの高さを感じました。
ウェイトを前(フェース寄り)に移動させたら、さらに強い弾道が打てるような気がしたので、今度機会があれば試してみたいと思います。

『操作性』はまずまずです。
クセは小さく、親しみやすい顔をしていますが、どちらかといえば真っ直ぐ細工をせずに打っていきたいドライバーです。
一応左右に曲げることもトライしてみたのですが、私はフッカーだからなのか、右よりは左へ曲げるほうが易しく感じられました。
どちらにせよ、大きく曲げるタイプのドライバーではありません。
男前の曲がりにくいドライバーです。
試打後の感想

ヤマハらしい整った顔をしているところに好感が持てましたが、素振りをして少し頼りなさを感じていました。
しかし実際に打ってみると、強い球を打つことができ、いい意味で予想を裏切られました。

ウェイトを移動させたり、ネックに調整システムが搭載されていて、機能性を感じさせますが、必要以上にゴチャゴチャしていないのがいいです。
これがヤマハクラブのいいところだと思いますし、見えないところに、この弾道の強さの答えが隠されているのでしょうか?
試打しながら、かなり研究されているな・・・。と思いました。

このドライバーもいい感じではありますが、顔や打感・音・飛距離など総合して、私は先日試打したVD/Rのほうが好きです。
ただそれは、どちらが優れているかということではなく、あくまでもユーザーが好みのものを選べばいいのであって、メーカーの私たちユーザーの特性や好みに合わせて違うタイプのモデルを同時発売しているのだと思います。

このドライバーは『三兄弟』ということで、まだ試打していない、もうひとつのモデルも機会があれば試打してみたいと思います。
まだ2つしか試打していませんが、今年のヤマハのニュードライバーは『豊作』だな・・・。と、たくさん実がなっている柿の木を思い出しながら感じました。
2023年10月24日
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YAMAHA RMX VD UT

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD UT のU5 です。

シャフトは TENSEI TR h です。
ロフトは25度、クラブ長さは39インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は58.5g、キックポイントは中調子、バランスはD2、クラブ総重量は350gです。

シンプルで美しいヤマハのユーティリティです。
ヤマハのクラブには美しい・カッコいいというイメージがあるので、このクラブはピッタリです。
先日フェアウェイウッドを試打しましたが、今日はユーティリティで、形がよく似ています。

オーソドックスなタイプで、特別変わった工夫は見られません。
ソールが綺麗な形をしているな・・・。と思いながら見ていました。

先日試打したフェアウェイウッドもそうですが、この赤い部分が目立っていて、どういう意味があるんだろう?と思いました。
単なるデザインかもしれないですし、ヘッドの内部に何か組み込まれていて、その目印になっているのかもしれません。

ソールには溝といいますか、切れ目のようなものがあります。
これにも大きな意味があるのではないでしょうか?

ネックの長さは適度にあります。
一時期、ショートネックばかりが目立っていて、なかなかこういうタイプに出会えなかったのですが、最近は適度な長さがあるものが増えてきました。
これも流行りのようなもので、いずれまたショートネックやスルーボアが流行るのではないでしょうか?
ネックに調整システムは搭載されていません。

シンプルなフェース面がとても美しく、ミーリングのようなものは見られません。
せっかく全体的な質感がいいのに、フェース面がチープで残念に思ったクラブはたくさんありますが、このクラブは違っていて、ヤマハクラブらしい美しさと高級感をもっています。

見慣れたシャローです。
ヘッド体積が大きくないユーティリティは、ドライバーほど、いろいろな形状にはしづらいのだと思います。

標準的なクセのない顔です。
ヤマハらしい美顔といったところでしょうか?
逃がすというよりはつかまえるタイプの顔ですが、苦手意識は芽生えません。

軽量タイプでシャフトもかなり大きく動くので、タイミング重視で、あまり振り込まないよう、まずはシャフトにお伺いをたてるような感じで素振りを繰り返しました。
ヘッドはそうでもないですが、シャフトのアンダースペック化が止まりません。
それくらい、今は軽量&軟らかいが求められているのでしょうか?

装着されているグリップは今年よく見かけます。
私にとって、『可もなく不可も無く』というグリップです。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
左へ引っかけるイメージも湧かず、ラインをイメージしやすかったからです。
最近はクラウンではスクエアに見せても、肝心のフェース面が左を向いているクラブが多く、このクラブも若干そのように見えるのですが、極端ではありません。
大顔タイプでFWに近いタイプのUTだと、上から打ち込むイメージが出しづらいですが、このクラブは適度な大きさなので、上から打ち込むイメージが出しやすいです。
ティアップしているならともかく、地面にあるボールはアイアンであろうがFWであろうが、UTであろうが『上から』が基本で、これは昔から変わりません。
綺麗に水平で拾っていこうとか、下からしゃくりあげてあげようとするから難しいのです。
アイアンと同じように、地面にあるボールは『上から潰す』・・・。というシンプルな発想が一番自分には合っていると、キャロウェイのフェアウェイウッドに教えてもらいました。
そのクラブは今ではもったいなくて使うことが無いのですが、今でも私の大切な宝物です。
私はこれまで、たくさんのクラブからいろいろなことを教わってきました。
クラブやボールは私の相棒でもあり、コーチや師匠といった存在です。
上から打つので、シャローフェースよりは、ある程度ディープなほうが、私は易しく感じますし、安心感があります。
シャローフェースは確かに球があがりやすいですが、意外とシビアで難しいものです。
試打を開始しました

『打感』はなかなかいい感じです。
しっかりとした手応えがありながら、硬くなく嫌な衝撃が残りません。

『音』も予想していたよりも良くて、まずまずです。
先日試打したFWの音がどうしても合わず、その印象が強く残っていて、同じような耳にキンキン響いてくるような音だろうと思っていましたが、違いました。
聞き惚れるような音ではないのですが、無難な音です。

球はあがりやすくタフな感じはしませんが、今のユーティリティの中では、普通といったところでしょうか?
特別大きく変わったところは見られませんが、どちらかといえばアスリート仕様っぽくなっているのかな・・・。と思いました。

『安定性』も普通で、特別曲がりにくいとか、シビアという感じはしません。
ラインが出しやすく、普通に打っている限り、暴れる感じがしないので、そういう意味では高い安定感があるといっていいような気もします。

『飛距離性能』は優れていて、強い球を打たせてくれました。
適度にスピンも入っている感じで、低スピン系のライナー系という弾道ではなく、比較的穏やかな中弾道といったところでしょうか?
どちらかといえば、アスリート向けのクラブだと思いますが、そのハードルは決して高くありません。
普通に打っていけば、自然な高さでボールをあげてくれるクラブだと思います。

『操作性』はまずまずです。
クセの無い顔をしていますが、どちらかといえば曲げるというよりも直線に近いイメージが浮かんできましたし、そのように打つほうが簡単に感じました。
一応左右にも曲げてみたのですが、見た目よりも直進性が高く、曲がり幅は抑えられていました。
ドローヒッターの方にも、フェードヒッターの方にも扱いやすいユーティリティだと思います。
試打後の感想

ヤマハらしく、美しくて高性能なクラブです。

不自然さが無く、シンプルな外見で、ここまで高性能なのは、メーカーの深い研究と高い技術力。
そしてプライドが感じられました。

外見はゴチャゴチャしていなくてシンプルですが、見えないところにたくさんの工夫がされているのだと思います。

性格的に丸く尖ったところがないので、使っていて飽きが来ないだろうな・・・。と打ちながら感じていました。
私は今、UTを買い替える予定は無いので、このクラブを購入することはないと思いますが、もし今良いものを探している時期だったら、このクラブは間違いなく候補に入っていたと思います。
ロフトが25度ということで、アイアンに換算すると私の感覚では『4番アイアン』に近いのですが、比べものにならないくらい球があがりやすく楽に打っていけるので、4番が苦手ならバッグに入れておくべきだな・・・。と思いました。
『十字で合わせやすい』といったら伝わりやすいでしょうか?
縦(高さ)と横(方向性)を十字のカーソルをイメージして運んでいけるクラブです。(ライフルの照準を合わせるような感覚です。)
ユーティリティはアイアンほどの『狙いやすさ』『ターゲットの絞り込みやすさ』が無いので、私はアイアン好きということもあり、アイアンをコースで多用することが多いのですが、このクラブはラインも出しやすいですし、高さもイメージと合致していたので、もし相棒に迎え入れれば使う頻度は高くなると思います。

ヤマハのイメージに合う美しさがあり、実戦的で使い勝手の良い、高性能なユーティリティです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023年10月05日
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ヤマハ RMX VD/X アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD/X アイアン の7番 です。

シャフトは TENSEI TR i です。
ロフトは28度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は71g、キックポイントは中調子、バランスはD1、クラブ総重量は388gです。

とても個性的なヤマハのアイアンです。
どこが個性的かと言いますと、その形と大きさで、バリエーションが豊富なヤマハアイアンの特徴といっていいと思います。
あらゆるユーザーに対して、対応していくという姿勢なのかもしれません。

ラージサイズのアイアンです。
この大きさに安心感や親近感をもたれる方は多いのではないでしょうか?

トゥ側に大きなウェイトが配置されています。
これだけラージサイズだと、それでなくてもトゥ側に重心が集まってしまいそうですが、それがさらに顕著になった形です。
一般的にアマチュアはトゥ側に打点が集まりやすいという、昔『タラコ』のCMで見たことがあるのですが、それが今も続いているのでしょうか?
人にもよるかもしれないですが、たとえ最初はトゥ側でヒットしていても、練習を積んで技術が上がっていたら、いずれセンターや、ややヒール寄りでヒットすることになりやすいように思うのですが・・・。
そういった意味では、このアイアンはビギナーの方を対象としているのかもしれません。

彫りの深さは普通ですが、こうして見ても『はめ込み型』なのが分かります。

トップラインは、やや厚めです。

ワイドソールですが、広すぎるという感じはしません。
こういったところが、数年前のラージサイズアイアンとの違いだと思います。

ネックの長さは標準的です。
ここの部分も昔のラージサイズと違うところで、短くすればいいというものでも無いのかもしれません。
ある程度ネックの長さがあることにより、操作性が高まって、扱いやすくなった・・・。と感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ヒール側にある、このフィンのようなものが、このアイアン最大の特徴で、これは過去のモデルでも見られました。
この効果は、ある程度ヒール側にも重心をもってくるためだとか、スイング中の『トゥダウン』を抑制するものなのかと思いましたが、実際のところは分かりません。
メーカーによる深い研究によって生み出されたもので、大きな意味があるのだと思います。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通の『スタンプタイプ』です。
フェース面にはあまり力を入れていないのかもしれません。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、『可もなく不可も無く』といった感じです。
グリップひとつとってもテンションが上下しますが、今日はどちらにも動かず淡々と見ていました。

素振りをしてみると、これだけの大顔アイアンでありながら、軽量感があるのが凄いといいますか、ちょっと違和感があります。
全然重く感じないですし、スイング中ブレーキが掛かることもありません。
この『大きくて軽い』というところも、メーカーが力を入れているところなのではないか?と思いました。
昔のような『無垢』といいますか、ワンピースタイプのアイアンで育った者からすると、かなりの重量をイメージしますが、実際はそうでもなく、むしろ軽いので、ヘッドの中にいろいろ工夫されているのが分かります。

ボールを前にして構えてみると、予想していたよりもクセがきつくなく、いい意味で意外でした。
おそらく、前に試打したVD40と同じような顔だろうと思っていたからです。
しかし実際は全く違っていて、この VD/X アイアンのほうが『面長感』が緩和され、すっきりしています。
VD40は扱いづらそうだな・・・。と構えたときに感じたのを覚えていますが、このアイアンはそれほどではありません。
とはいっても、見とれるようなこともないですし、できればもっとコンパクト感が欲しいです。
ラージサイズアイアンの中では構えやすいということであり、通常のアイアンとはやはり『別枠』で考えたほうがいいというところは変わりません。
大顔でグースの利きもはっきりしていますし、トップラインの厚みも目立っています。
頭の中がモヤモヤしていますが、これはもう仕方ないことなのだと自分自身に言い聞かせました。
試打を開始しました

『打感』はまずまず・・・。といいますか、予想通りでした。
柔らかいということはなく、やや薄めで大味な打感です。
使い慣れたタイプのアイアンだと、インパクトのときに、フェース面のどこに当たったか、打感だけで大体分かりますが、このアイアンだとそれができません。
しかしそれは私の感性の鈍さと、こういうタイプに不慣れで経験値が不足しているということは間違いありません。
こういうタイプもどんどん球数を増やしていかなければ・・・。という思いもありますが、どうしても普段は好きなタイプに偏ってしまいます。

球はあがりやすく、タフなアイアンではありません。
このようなタイプなので、上から打つというよりは、ソールを利用して打っていくほうがいいような気がします。
ヘッドをなるべく水平にしてボールを拾っていくイメージがいいように感じました。

『安定性』も高く、ラージサイズの長所が感じられます。
実際に打ち比べていないので、はっきりとしたことは言えませんが、おそらく以前試打したVD40よりも、こちらのほうがいい結果が得られるのではないでしょうか?
スイートエリアの広さは大差なくても、こちらのほうがブレにくい感じがしました。
大らかさを利用して、いい意味でアバウトに打っていけるアイアンです。

『飛距離性能』も高く、軽く振ってキャリーを稼げるタイプですが、この飛びの凄さは過去にも経験したことがあります。
『番手無視』タイプのアイアンで、どこまで飛ぶのか、そしてそれをどうしたら制御していけるのか分かりません。
この飛びは確かに凄いですが、人によって好みが分かれるところだと思います。

『操作性』という点では、このような大顔タイプなので、反応速度は多少劣ってしまいますし、自在に操ることは難しく感じました。
私としては結構極端にして曲げてみようと思って打ったのですが、なかなか曲げることができません。
打った方向に、そのまま曲がらず、『ズドン』と飛んでいくような感じです。
操るタイプではないですが、この安定感は多くの支持を集めるのではないでしょうか?
試打後の感想

斬新なアイデアとメーカーの高い技術が結集されたアイアンという印象をもちました。

『ニューフィーリング』といったらいいでしょうか?
これまでの感覚を大切にするのではなく、新たな時代に入ったのかもしれません。

このアイアンも含め、そのように感じさせるアイアンが多くなってきました。

そういった打感を好まれる方が、このアイアンのもつ高い機能性を上手く生かしていかれるのだと思います。

クラブがイージーになれば、そして飛ぶようになればスコアが良くなるかは別問題ですが、クラブのハイテク化が止まりません。

これからもヤマハがどのようなハイテクアイアンを生み出すか、とても楽しみです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023年09月26日
PR
YAMAHA RMX VD FW

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD FW の3番 です。

シャフトは TENSEI TR f です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は55.5g、キックポイントは中調子、バランスはD2、クラブ総重量は312gです。

ヤマハのニューモデルです。
ヤマハはアイアンやドライバーの凄さが目立ちますが、実はフェアウェイウッドもすごく高性能で、よく飛ぶという印象があります。
そして、今回のニューモデルもそうですが、とてもカッコいいデザインに仕上がっていて、ヤマハのイメージにピッタリ合致しています。

こうして見ると、かなりシャローな感じがします。
しかも『円盤タイプ』の薄さです。

ソールには大きなウェイトが配置されています。
フェース寄りにあるということは、かなり浅重心になっているのでしょうか?
これは先日試打したドライバーと同じです。

ヒール側にある、この赤いパーツのようなものが気になりました。
単なるデザインなのでしょうか?
それともウェイトのような役目があるのでしょうか?

ネックの長さは標準的で、調整システムは搭載されていません。

フェース面のデザインはとてもシンプルで綺麗です。
こうして見ているだけで、柔らかい打感と弾きの良さがイメージできます。

かなり薄い、『円盤』のようなシャローですが、これくらいの薄さはたくさん見てきました。
むしろ主流といったほうがいいかもしれません。

ヤマハらしい、いい顔をしています。
バルジも綺麗ですし、トゥ側の何ともいえない感じがたまりません。
一瞬『逃がし顔』のように見せておきながら、よく見ると『つかまえ顔』になっています。
私はつかまえ系の顔は苦手に感じることが多いのですが、この顔は好きです。
スプーンなので、もうちょっと大きくてもいいのかな?と思いましたが、この大きさでも問題ありません。

装着されているグリップは、これまで同様、無難なタイプです。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
シャフトは結構軟らかめで、スイング中『折れる』といいますか、かなり『たわむ』感じがしたので、何度か素振りを繰り返して、タイミングを整えることにしました。

とても構えやすいです。
ニューモデルではあっても、顔の良さは変わりません。
この顔の良さはヤマハのこだわっているところではないでしょうか?
メーカーによっては、ニューモデルを発売すると、これまでの顔を変えてしまうところもありますが、それだと、これまでのファンを手放してしまうこともあります。
この顔が好きだから、ずっと使っている・・・。というユーザーも多いですが、そのメーカーにとって、そんなことは関係ないのかもしれません。
クラブは常に『進化』していくべきものだと思いますが、全てを変えればいいというのではなく、変えてはいけないところもあると思います。
そういう意味でも、このFWの構え感は好感が持てました。
スプーンではありますが、かなりシャロー感があるので、球があがりそうです。
試打を開始しました

まずは、この高い音が耳に響いてきました。
この高音は予想していなかったので、ちょっと意外です。
もちろん過去に、これくらいの音を耳にしたこともありますが、もう少し落ち着いた感じの音を予想していました。
『異音』というほどではないですが、私の中で、この音は『ギリギリアウト』です。
この音だと、使えません。
左耳にどんどん響いてきて、疲れそうです。
一球で止めてしまうほどの異音ではないですが、この音だと、周りが気になってしまいますし、打っていて楽しくありません。
元々私は強く打つタイプで、どうしても音が大きくなりがちなので、この音が気になったのかもしれません。
この高い音が好きだ・・・。という方はたくさんいらっしゃると思います。

『打感』は、なかなかいい感じです。
打つ前は、もっと柔らかくて心地良い打感を予想していましたが、違いました。
すごく硬いというよりは、ややしっかりめな打感で、『ガツン』とくる感じです。
この打感も過去に経験していますし、主に『浅重心系』のクラブに多かったような気がします。
ウェイトが後ろにあって深重心タイプだと、フェースを含め、ヘッドのほとんどの部分の『たわみ』といいますか、柔らかさを感じやすいのですが、このクラブはウェイトが、かなり幅を利かせているような感じです。
すごくソフトということはないですが、この打感もアリだと私は思います。

『球の上がりやすさ』という点では、外観からくるイメージよりも、タフな印象をもちました。
クリークではなくスプーンなのでロフトが立っているということもあると思うのですが、ソールのウェイトもよく利いているのでしょうか?
スピンはやや少なめです。
これくらいタフな設計にしているのであれば、もうちょっとディープフェース(フェース高を高く)して欲しかったな・・・。というのが率直な感想です。
そのほうがフェース面を縦に使え、難易度が下がるからです。
シャローフェースだと、打点の幅が一カ所に限られてしまいます。
シャローフェースのほうが球があがりやすくて好きだ・・・。という方はたくさんいらっしゃると思いますが、私はシャロー過ぎると『達磨落とし』のイメージもありますし、ビギナー時代、何度もクラウンでヒットしてテンプラを打ってしまったので、その失敗イメージが蘇ってきます。
ある程度フェース高があると、フェースの縦を使えるので、上から打ち込むことができ、結果的に球にスピンが掛かってよくあがってくれますし、ティアップして打つティショットでも安心感があるので好きです。

『安定性』という点では、普通といったところでしょうか?
特別シビアだとは思わないですし、だからといってオートマチックタイプでもありません。
ヘッド自体にシビアさは感じなかったのですが、シャフトがよく動くタイプなので、ヘッドには気を遣いませんでしたが、シャフトには気を遣いました。
もう少ししっかりしたシャフトだと、もっと扱いやすかったと思います。

『飛距離性能』は、かなり優れています。
強いライナー性の打球で推進力が強いです。
『効率の良い飛び』といったらいいでしょうか?
高く上がりすぎることなく、確実に前に進んでくれるので頼もしいです。
FWに飛距離性能を求めておられる方には、魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?
ただ、この飛びにも好みが分かれるところで、ある程度のHSが無いと球が浮ききらないと思います。
キャリー不足で逆に距離が伸ばせないかもしれません。
一応の目安としてはHSが40後半くらいから使えるFWなのだと思います。

『操作性』は、まずまずです。
左右にも曲げることはできましたが、どちらかといえば『セミオートマチックタイプ』のように感じました。
試打後の感想

ヤマハのFWは飛ぶというイメージがありますが、今回もその流れにあるようです。

ただ、先ほども書きましたが、幅広い層を狙った物ではないので、人によって好み分かれると思います。

ただ私は、飛距離よりも『音』のほうが気になってしまい、今ひとつ楽しめませんでした。
せっかく『叩ける』モデルになっているのだから、もう少し音を低くしてもいいのではないか?と思いました。

ヤマハらしい美顔と、高性能でありながら、すっきりしたシンプルなデザインで好感が持てます。

これからもヤマハのクラブには期待してきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023年09月22日
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ヤマハ RMX VD/R ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD/R Driver です。

シャフトは TENSEI Pro Blue 1K 50 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、キックポイントは中調子、バランスはD3、クラブ総重量は306gです。

ヤマハのニュードライバーです。
ヤマハらしい質感の良さと、黒を基調としたデザインでカッコいいな・・・。と思いながら見ていました。
ヘッド体積は460よりも小さいということですが、こうして見る限り、それほど小ぶり感はありません。

シャロー形状でありながら、円盤のような平らさが強調されたシャローではなく、ソールもクラウンも『こんもり』盛り上がっている『塊感』のあるヘッドです。
ヤマハのドライバーはどちらかといえば、比較的シンプルな印象がありますが、このドライバーはいろいろな工夫が見られ、高い機能性を感じさせます。

ソールには大きなウェイトが配置されています。
移動できるということや、この位置にあるということで、以前試打したテーラーメイドのSLDRドライバーを思い出しました。
とても印象深いドライバーでしたが、初めて試打してもう10年が経ったのかと思うと、時の経つのが早く感じられます。
まさに『光陰矢のごとし』といったところでしょうか?
ヘッド後方やヒール側にウェイトが配置されているドライバーは多いですが、このドライバーはフェース寄りのこの部分だけで、しかもかなり大きいので重心深度が浅いのかもしれません。
しかし見えないようにヘッド内部にウェイトが組み込まれている可能性もあります。
アイアンなどに比べ、設計自由度の高いドライバーは、外見だけでは性能を把握できません。

ネックには調整システムが搭載されています。
多くのメーカーに採用されている技術ですが、ヤマハのドライバーでいえば、かなり前に試打した インプレスX RMX ドライバー を思い出しました。
かなり年月が経っていますが、未だに忘れることができない、印象深いドライバーです。

試打するのは、この『STD』ポジションです。
おそらくスタンダードという意味だと思いますが、メーカーによって『N(ニュートラル)』であったり、表記が異なります。
いろいろなポジションで試してみたいですが、やはりこのSTDポジションが一番、クラブのポテンシャルを発揮できるような気がします。

フェース面のデザインはとてもシンプルです。
先日試打したブリヂストンのドライバーのミーリングがとても印象深いのですが、このドライバーにミーリングは見られません。
食いつきの良さではなく、違う部分で飛びを求めているのではないでしょうか?
いろいろなメーカーの長所をひとつにまとめると、どんな素晴らしいドライバーができるのかと想像力を働かせますが、いろいろなものが足されすぎてしまうと、却ってマイナスになってしまうのではないか?と、これまでの経験上感じます。
いろいろなパーツが組み合わさった、いかにも高機能なドライバーは飛びそうではありますが、実際はそうでもなく、シンプルで美しいドライバーのほうが高いパフォーマンスを発揮するということを、これまで何度も経験しています。
以前も書きましたが、EPON AF-101というシンプルで美しいドライバーと、他のメーカーの最新高機能ドライバー(いわゆるゴチャゴチャ系)を打ち比べてみたら、AF-101の圧勝でした。

シャローバックタイプではありますが、こうして見ても、かなりクラウンが盛り上がっているのが分かります。

装着されているグリップはとてもシンプルで、よく見かけるタイプです。
ネックに調整システムが搭載されているので、バックライン無しになっていると思うのですが、それ以外にもこのような比較的シンプルで無難なタイプが装着されていることが多いような気がします。
グリップにはこれといった短所は無く、いい感じではありますが、ヘッドやシャフトをずっと見回して、ふとこのグリップを見ると、急に『シンプル感』といいますか、力を注いでいない感じがしてしまいます。
もちろんメーカーも力を入れていないことは無いと思いますが、もうちょっと『凝った』グリップでもいいのではないかな?と思いました。
せめて『YAMAHA』のロゴが入って欲しかったのですが、無くて残念です。

素振りをしてみると、全体的に軽量感があるものの、シャフトはしっかりしていて、頼りなさは感じません。
『ヨレる』感じもないですし、タイミングが取りやすいです。

いろいろなシャフトを試していると、『骨』を感じさせるものと、そうでないものがありますが、このTENSEI Pro Blue 1K 50は前者です。
かなり軟らかくてグニャグニャしているシャフトは軟体動物のようですが、このTENSEI Pro Blue 1K 50は脊椎動物のように感じられました。
スピード感のあるシャフトにも『走りすぎてコントロールが難しいタイプ』と、走るけど挙動が安定していてしっかりついてきてくれるタイプ』があるように思うのですが、このシャフトは後者です。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
一番気にするのは『フェースアングル』で、強いフックフェースだったら難しいだろうな・・・。と思っていたのですが、このドライバーはそんなことはなく、自然と言いますか、ニュートラルな感じです。
バルジの見せ方も良く、綺麗なカーブを描いています。
こういったところが日本メーカーらしい特徴のひとつで、すごく丁寧に造られている感じがします。
こうして構えていると、ディープ感&塊感はそれほどなく、ヘッド後方が少し伸びているようで、シャローな印象をもちました。
それと、最近の『流行り』でもある、カーボンクラウンです。
フルチタンではなく、カーボンにすることで、どれだけ低重心化され、飛距離が伸びるのか興味があります。
カーボンクラウンにも素晴らしいものがたくさんありますが、フルチタンでも名器と呼べるドライバーがたくさんあるので、比べてみたいです。
球筋のイメージはほぼ中立で、左右どちらかに偏った感じはしません。
私は左へ行くイメージが湧いてしまうと、苦手意識が芽生え、緊張するのですが、このドライバーはとてもリラックスして構えることができました。
カッコいい顔をしていますが、気難しさのようなものを感じさせず、むしろ大らかさがあります。
試打を開始しました

『打感』は最高です。
ヤマハのクラブなので、フィーリング性能も高いだろうとは思っていたものの、あまり予想はしておらず、特別大きな期待もしていませんでした。
しかし、いい意味で裏切ってきました。
テーラーメイドのSLDRは、やや『しっかりめ』といいますか、硬めの打感だったように記憶しているのですが、このヤマハのドライバーは似たような特徴がありながら、打感は全く異なります。
そして質感もこのドライバーのほうが良く、高級感があります。
すごくソフトで心地良い。
『打っていて疲れない打感』といったらいいでしょうか?
このサクサクした感じの打感は、疲労を残さず、次から次へと打ちたくさせてくれました。
これまでたくさんのドライバーを試打してきて、一球で打つのを辞めてしまったり、何球か打って違和感があったり、疲労が出て予定よりも少ない球数で終えたドライバーはたくさんあり、それが残念です。
しかし、このドライバーは違います。
この心地良い感触のおかげで、何球でも打っていたくなります。
昔からありますが、特に最近のドライバーは重心の位置がバラバラです。
フェース中央が必ずしも、スイートスポットだとは限りません。
ちょっと前まではヒール側に集まっている物も多かったように思うのですが、最近はトゥ側が多くなったような気がします。
しかし、このドライバーはこうして打っている限り、ほぼフェース中央ではないか?と感じました。
もちろん、ウェイトを移動させれば、また変わってくるとは思うのですが・・・。

『音』も、とても良いです。
こもっていなくて、はっきりしていますが、高すぎず大きすぎず、ちょうどいい塩梅です。
打感とマッチした音だな・・・。と思いながら聞き惚れていました。
久しぶりに鼓膜が喜んでくれているような気がします。
いろいろなドライバーを試打していると、打感と音のバランスが合っていないな・・・。と思えるものが少なくないですが、このドライバーはバランスがとれていて、お互いを引き立て合っているようです。
『クラブの音』といえば、昔からダンロップが第一人者だと私は思っていたのですが、ヤマハは元々楽器メーカーで音にはこだわりがあるはずです。
このドライバーは音にもこだわって造っているのでしょうか?(とはいっても、実際に造っているのは全く別のメーカーだと思うのですが・・・。)
球を打つのにプレイヤーを消耗させない打感と音といったらいいでしょうか?
球を打つ度に疲れてしまって、消耗してしまうこともありますが、このドライバーは違います。
球を打つのが楽しくて疲れません。
ヤマハのドライバーで、これだけ球を打つのが楽しく感じたのは、インプレスX V203 ツアーモデル ドライバー以来です。

『球の上がりやすさ』という点では、かなりタフなドライバーで好みが分かれると思います。
HSは40後半(できれば47以上)は必要になってくるのではないでしょうか?
見た目はそれほどハードそうには感じなかったのですが、打ち出しも抑えられていて、かなりスピンも少なめです。
私は油断するとスピン過多になりやすいので、このようにスピンを『削ってくれる(抑えてくれる)』ドライバーは魅力的に感じますが、これは人によって好みが分かれるところだと思います。
HS50以上ある方には、とても魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
ウェイトの位置を見ても、やはりSLDRに似ているのかな・・・。と思いました。
明らかにメーカーがターゲットを絞って開発したドライバーです。
このドライバーのロフトは9.5度ということですが、10.5度もラインアップされているそうで、おそらく多くの方には10.5度のほうが合いやすいのではないでしょうか?
ちょっとタイプは違うのですが、以前試打したEPON ZERO ドライバーを思い出しました。

『安定性』はなかなかいい感じです。

ヘッド自体の直進性はまずまずですが、装着されている、このTENSEI Pro Blue 1K 50シャフトがとてもいい。
軽量タイプでありながら、頼りなさは無く、タイミングが取りやすいです。
これまでの軽量シャフトにありがちな、『遅れ感』もなく、『隙間無く振っていける』シャフトといったらいいでしょうか?
ヘッドとの相性もバッチリです。
挙動も安定していて、打点も一カ所に集まっていました。
ヘッド自体のスイートエリアの広さは普通で、特別ワイドだとは感じませんでした。
構えたときはニュートラルな印象でしたが、球がつかまりやすいタイプではないので、スライサーの方には合いづらいところがあるような気がします。
しかし、ハイロフトタイプに変えたり、ネックの調整システムを使えば、少しは修正できるかもしれません。
ヘッドだけを見たときはどちらかというと、オートマ系かと思っていたのですが、マニュアル系といったほうがいいように思います。

『飛距離性能』は、かなり優れていて、高いポテンシャルを持っています。
完全に『叩ける』タイプに仕上がっていて、ヘッドスピードが速めな方には、心強い相棒になってくれるのは間違いありません。
以前流行っていた『低スピン競争』がだいぶ落ち着いてきて、どちらかといえば今は『ミドルスピン』タイプが多くなったように感じていたのですが、このドライバーは明らかに『ロースピンタイプ』です。
ライナー系で強い球が打て、性格は丸くなく、尖っています。
ミスを受け入れてくれる寛容さはそれほど大きくはないですが、ナイスショットしたときのご褒美はとても大きいです。
オートマチック的にハイアベレージで安心して飛ばしていけるタイプではなく、気難しさもあるので、一球一球魂を込めて打つタイプのドライバーという印象をもちました。
馬に例えると、完全に『暴れ馬タイプ』といったところでしょうか?
最近はイージー系が多いので、このドライバーがかなり異質に感じ、かなり前の時代に戻ったような気がします。

『操作性』は高いです。
浅重心≒前輪駆動の扱いやすさ・反応の良さといったらいいでしょうか?
マニュアルタイプのドライバーですが、球のつかまりはそれほど強くないので、スライサーの方には厳しいかもしれません。
スライスを抑制してくれるドライバーではなく、スイングの中でしっかりとつかまえていく必要があると思います。
こういった特徴も、一昔前のドライバーを見ているようです。
最近は球をつかまえ過ぎないように試打することが多かったのですが、久しぶりに『普通に』といいますか、自然な感じで打つことができました。
ドローヒッターの方との相性はとても良く、飛距離を伸ばしていけるドライバーだと思います。
試打後の感想

かなりタフなドライバーで、ロースピンタイプなのは間違いないですが、私が一番印象に強く残ったのが、『打感』と『音』です。
この打感と音にしびれました。
何球か続けて打ってみたのですが、ずっと安定してこの打感と音を楽しむことができ大満足です。
先ほども書きましたが、やはりシャフトの力が大きかったのは間違いありません。
これがもし、挙動が不安定な軽量軟らかシャフトだったら、かなり難易度が上がっていたような気がします。

1.日頃からスピン過多に悩んでおられる方。
2.球のつかまりが強すぎないといいますか、むしろ『やや弱め』なドライバーを好まれる方。
3.しっかりと叩いて距離を伸ばしていきたい方。
4.顔や打感・音にこだわりのある方。
そういった方に是非試していただきたいドライバーです。
逆に相性が良くないと思われるのは、
1.オートマチックタイプが好きで、広いスイートエリアがあって、寛容さのあるドライバーを好まれる方。
2.HSが40前半以下の方。
3.球のつかまりがいいドライバーを好まれる方。
4.球を自分で操作するのではなく、ヘッドの性能によって、ほぼ真っ直ぐなパターン化された球を打っていきたいという方です。
最近は美形でもかなり大らかな性格をしているドライバーが多かったように思うのですが、このドライバーはかなり尖った性格をしていて、幅広い層に対応しているとは思えません。
逆に言えば、このドライバーのターゲット層に入っておられる方には、たまらない魅力があるドライバーといっていいと思います。
久しぶりに硬派で『骨のある』ドライバーに出会いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023年09月13日
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YAMAHA RMX VD/M アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD/M アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは31度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、クラブ総重量は417g です。

待望のヤマハニューアイアンです。
ヤマハのアイアンにはこれまで、たくさんお世話になっていて、いい印象しか無く、こうして新しいモデルに出会うと嬉しくてたまりません。

ヤマハらしく、オーソドックスで質感の良いアイアンです。
アイアンには2種類あって、ひとつは『浸透型』。
そしてもうひとつは『跳ね返し型』、といいますか、『浸透しない』タイプです。
どういうことかといいますと、浸透型というのは、こちらのイメージや感情などがクラブに浸透するといいますか、伝わりやすいタイプで、反対に『跳ね返し型』はこちらのイメージや感情を一切受け付けず、跳ね返すようなタイプです。
これはあくまでも私のイメージのことではあるのですが、当然私は『浸透型』のほうが好きで、跳ね返し型には親近感はもてません。
そういった意味でいうと、このアイアンは『浸透型』で好感が持てます。

これまでたくさん出会ってきた、通常のキャビティタイプかと思っていたのですが、近くでよく見ると、『はめ込みタイプ』といいますか、ワンピースタイプではないことが分かりました。
あえて、このようにしているということは、ヘッドの中に新たな技術が組み込まれているのではないでしょうか?
ヤマハのクラブはただ美しいというだけでなく、常に新しく効果的な技術を搭載してくるので楽しみです。

トップラインの厚みは標準的で、ヤマハらしさがあります。

ソール幅は標準的で、ヤマハらしい独特な形状だな・・・。と思いました。
このソール形状で柔らかさを感じさせるのはさすがです。

ネックは少し短く見えますが、今はこれくらいが標準的といえるでしょうか?
チープさは無く、高級感があります。
ネックだけ見ても、『品のあるもの』と『そうでないもの』に分かれますが、このアイアンは前者で品があって魅力的です。

FORGED

VD
ホーゼルにはFORGEDとVDという二種類の文字が刻まれていました。
フォージドは分かるのですが、VDとはどういう意味があるのでしょうか?

リーディングエッジに大きな工夫は見られません。
最近は『抜けの良さ』をイメージさせるリーディングエッジが多いですが、このアイアンの場合は『抜けの良さ』というよりは『キレの良さ』をイメージさせます。

リーディングエッジに比べ、トレーリングエッジの削りは少し大きめではありますが、それほど極端ではありません。
この程よいさじ加減の出来るところが、ヤマハの良さといえるでしょうか?

ヤマハらしく、ちょっと密で綺麗なフェース面です。
このフェース面を見て、
「あぁ、ヤマハだな・・・。」と思いました。
私は7番アイアンだと、スコアラインの数は『13本』が一番好きなのですが、このアイアンは15ありました。
ちょっと数は多いですが、特に不満はありません。
またスコアラインの数が多ければ多いほどハイスピンということでも無いようで、クラブは本当に奥が深いです。
以前も書きましたが、ヤマハのアイアンといえば、『ミーリング』のイメージが今も抜けないのですが、このアイアンには見られませんでした。
もう辞めてしまったのでしょうか?

装着されているグリップはよく見かけるタイプで、『可もなく不可も無く』といった感じです。
大きな不満は無いですが、今回ヤマハはグリップには力を入れていないんだな・・・。と思いました。
しかしだからといって、このグリップが良くないということではありません。
あくまでも『無難』なタイプということであり、アイアンには適したグリップだと思います。
私はグリップひとつとっても、テンションがあがったり下がったりするのですが、今日はあがることもなく、下がることもなく、ちょっと虚しい感じです。
ヤマハのアイアンはツアーベルベットが挿してあるイメージが強いのですが、ユーザーの好みも様々なので、このグリップが高い支持を集めているのかもしれません。
私にとって最高のグリップとはいえませんが、バックラインが入っていないのでポイントが高いです。

素振りをしてみると、やや軽量感はあるものの、最近このシャフトが多くなったせいか、特に難しく感じることはありません。
軽めではあるものの、頼りない感じはあまりなく、しっかりと振っていけます。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
ヤマハのアイアンなので、もうちょっと男前を予想していたのですが、違いました。
もちろん異型ということではなく、『普通の範囲内』ではあるのですが、私の好みの顔とはちょっと離れています。
だからといって違和感があったり、苦手意識が芽生えるということではありません。
大らかで包み込むような穏やかな顔・・・。といったらいいでしょうか?
セミグースといっていいと思います。
スライサーの方にはとてもイメージが出しやすいのではないでしょうか?
試打を開始しました

『打感』はなかなかいい感じです。
適度に柔らかく『球当たり』もきつくありません。
予想していたよりも、少し『ライト』であり、『密着感』も少なかったような気がしたのですが、マイルドな打感で好感が持てます。
この打感で、やはりヘッドの中に特殊な工夫がされているんだろうな・・・。という予測が立ちました。
外見はオーソドックスでも、中身はハイテクタイプのアイアンなのだと思います。

『球のあがりやすさ』は普通といったところでしょうか?
しかしできればHSは43以上くらいはあったほうがいいのかな?と思いました。
ロフトがかなり立っているように感じましたし、それによって球が浮きづらいという方もいらっしゃるような気がします。
もし私がこのアイアンを購入したら、フォージドということもあり、ロフト調整は必ずすると思います。
もちろん、『寝かせる方向』で変えていきます。

『安定性』も普通で、特別イージーというタイプではないと感じました。
マッスルバックのような『緻密さ』『気難しさ』のようなものはありませんが、イージー系で寛容さをウリにしているアイアンではないと思います。
ただ、見た目よりは親しみやすく、マッスルバックだとインパクトが点だとすると、このアイアンは『面』を意識できるように感じました。
この見た目との若干のギャップのために、かなりの労力と研究がなされているような気がします。

『操作性』は高く、左右どちらにもいい感じで反応してくれました。
私は『逃がし感』のあるアイアンが好きですが、このアイアンはつかまりがいいので、フェード系の方に、特に合いやすいのではないでしょうか?

『飛距離性能』も高いですが、最近のディスタンス系アイアンの中では『普通の立ち位置』といった印象を受けました。
このアイアンはいわゆる『アスリート系』だと思うのですが、最近はどんどんこのように飛ぶタイプが多くなってきました。
飛ぶのは今のニーズに合っていると思いますが、ロフトを立てれば立てるほど、縦の距離感が狂いやすくなりますし、感覚が届きにくくなります。
いくら短く持って弧を小さくしても、『飛んじゃう』のが今のアイアンです。
そういった『スタンディングロフト化』したアイアンで微妙に距離を打ち分けるのは至難の業だと思います。
飛びと距離感は相反するもので、クラブがプレイヤーに求めるものが変わってきたような気がします。
試打後の感想

見た目は本格的なアスリート向けのアイアンといった感じがしますが、中身はいろいろと工夫されていて、親しみがもてるところもあるアイアンだな・・・。と思いました。
そういったところが昔のアイアンと今のアイアンの違いです。
見た目だけが必ず全て結果に直結していないということです。

顔や打感は正直、少し物足りなさがありました。
しかし、これはあくまでも私の好みということであり、このアイアンの顔や打感に好感を持たれる方はたくさんいらっしゃると思います。
そして、これまで極上のアイアンを生み出してきたヤマハだから他の多くのメーカーよりも多少ハードルが高くなっているのかもしれません。
『ヤマハだから、これくらいは当然』という枠組みのようなものが私の中でできあがっているような気もします。
このアイアンに大きな不満はありませんが、これまでヤマハのアイアンで胸をときめかせてきた私からすると、今日はそれほど胸がときめかず、淡々としていました。

それは何故だか分かりません。
先ほども書いた通り、私がハードルを上げすぎてしまっているのかもしれません。
メーカーの深い研究や高い技術を私の鈍い感性が深く感じ取れなかったように思います。

最近は海外メーカーだけでなく、国内メーカーも殆どが外国製(特に中国)だと聞いたことがありますが、店員さんによると、このアイアンは日本製ということで好感度があがりました。
もちろん品質や性能が高いレベルで維持できていれば、どの国で作られても問題はありません。
ただ以前、他のメーカー(国内メーカーで海外製)のクラブを試打したときに、考えられないような製造上の欠陥を見てしまったので、そういった国で作られたクラブはどうなっているのかな?と思ったのも事実です。
設計は?製造工程は?検品は?
疑問がいくつも浮かんできます。
練習場だけでなく、コースで使用中、ヘッドのパーツが飛んでしまっては、テンションが駄々下がりですし、気持ちも落ち込み、良いスコアが出るはずもありません。
円安が長く続いていますし、これからは海外で生産するほうがコストも掛かってきて、日本で作ったほうが安価で、しかも高品質ということになり、『国内回帰』もあり得るのではないでしょうか?
他の分野の製品はどんどん国内回帰現象が進んでいますね。

質感やところどころの形状など、これまでのヤマハらしい特徴は残しつつも、常に新たな技術を注ぎ込むメーカーの熱意が感じられました。
姉妹モデルも発表されているようなので、また機会があれば、そちらも試打してみたいと思いますし、試打できれば記事に書かせていただきたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年11月18日
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YAMAHA inpres DRIVESTAR フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA inpres DRIVESTAR フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは M423f です。
ロフトは17度、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は59g、バランスはD2 、クラブ総重量は311g です。

ヤマハインプレスの新しいフェアウェイウッドです。
先日ドライバーを試打しましたが、今日はフェアウェイウッドを試打する機会に恵まれました。
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すごくシンプルなデザインです。
ヤマハはこれまでもシンプルなものが多かったように思いますが、他のメーカーでは『ゴチャゴチャ系』も多かったので、新鮮な感じがします。
表面の『突起物(ウェイトなどの外付けのパーツ)』があったほうが高性能なのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとはいいきれません。
無いほうがいい・・・。というパーツも、これまでたくさんありましたし、見た目ほど性能アップには貢献していないものもありました。
ただ、『見た目のインパクト』はありますが・・・。

ネックの長さは標準的です。
この角度から見ても、すごく美しいので、さすがはヤマハだな・・・。と思いました。
クラブの『輪郭』だけで美しいと思えるクラブは、なかなか出会えるものではありません。

超シャローです。
最近は主流となった薄さですが、私は少し苦手意識があります。
ある程度『フェース高』が保たれていればいいのですが、シャローフェースだと上手く当てる自信がありません。
ビギナーの頃、よく『テンプラ』を打っていて、その多くがクラウンでヒットしていました。
クラウンに大きな打痕が残り、それを毎回消すということをしていました。
ドライバーでもダウンブローの意識が強すぎたのかもしれません。
パーシモンの頃は、ドライバーもダウンブローが一般的でしたが、レベルあるいはアッパーの意識をもつことが大切だということを、練習を積んで学びました。
上手な人のクラブはとてもカッコいいものです。
それは使う人がいつも同じところでヒットして、ソールの傷にも『説得力』があるからです。
しかし私の使うクラブはそうではありませんでした。
それはクラブが良くないのではなく、クラブは最高なのですが、私のスイングが未熟でいろいろなところでヒットしてしまい、クラブに余計な負担をかけていたからです。
ベテランのキャディさんは、その人のバッグの中身を見て、だいたいのHDCPを把握できるそうで、そういった意味でも私の場合は最初から大変だったと思われていたのは間違いありません。
事実、ボールはよく曲がり、とても迷惑をかけてしまいました。

フェース面のデザインはシンプルで美しいです。
ヒッティングエリアにスコアラインが無いので、ギリギリまで薄くしているのでしょうか?

素振りをしてみると、かなり軟らかく軽量感も強いです。
振っていて、『弱い』といいますか、『線の細い』シャフトだという印象をもちました。
『弱い』といっても、品質が劣るとか、耐久性が劣るというのではなく、ボールをヒットしたときの印象で、『当たり負け』しちゃうんじゃないか?ということです。
当たり負けせずに、ボールをしっかりと後ろから押せるシャフトが理想的ですが、そうすると結構しっかりしたスペックになるので、あまり一般受けはしないのかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、好感を持ちました。
いい顔をしています。
ヘッド後方も伸びていないせいか、少し面長に見えましたし、大きなクセは見られません。
ほんの少しだけフェースが左を向いているようにも見えたのですが、それはわずかですし、これまでの経験上、あまり気にする必要はないのかもしれません。
あからさまではなく、この『微妙な被せ具合』がヤマハらしい、細かな配慮なのかな・・・。と思いました。
メーカーによっては、『大雑把』に感じられるところもありますが、ヤマハはとても繊細で綺麗という印象があります。
それと顔を見たときに、カーボンコンポジットなのが分かりました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、いい感じです。
見た目の美しさと合致したグッドフィーリングといったらいいでしょうか?
シャローフェースな分、フェースのほとんどがスイートエリアではないか?と思えるほど、柔らかい打感を生み出すエリアが広く感じられました。

『音』は、おとなしめの音で、いい感じです。
外観からくるイメージに合致した音で、気持ちよく打っていくことができました。
ちょっと『石』っぽい音だな・・・。と思いました。
実際に石というのではないのですが、石を連想させる、やや硬い感じの音です。
それは金属的な硬さというよりは、石のような自然物の硬さのほうが近いかもしれません。

球はあがりやすい・・・。といいますか、どのように打ってもあがっちゃうクラブといっていいと思います。
つまりヒットさえすれば、あとは自動的にボールが高くあがっていく感じです。
構えたときはあまり感じなかったのですが、こうして見ると、結構重心が後ろにある(深重心)なのではないでしょうか?
重心が前にあるクラブはインパクトの後も、フェース面を水平か下に向けやすいですが、後ろにあるクラブはどうしても上へ向きやすくなる感覚があり、このクラブもそういうタイプではないか?と思いました。
とてもオシャレでカッコいいクラブですが、ハードルは全く高くありません。
美しくて上質なクラブを幅広い層に使ってもらいたい・・・。というメーカーの意図を感じとることができました。

『安定性』も高く、暴れる感じはしません。
ただ、シャフトが軟らかいせいなのか、私がフッカーだからなのか、少し左に巻き込む球が出てしまいました。
普通に打つよりも、少し右から回す感じでラインを描いていくほうが私は易しいです。
全くサイドスピンが掛からず、純粋なバックスピンというのは難しいですが、それも今のクラブの特徴といえるのかもしれません。

『飛距離性能』は高く、安定して飛ばしていけるFWです。
球の高さとつかまりの良さが感じられます。
どのように打っても(手前をダフっても)、球があがっちゃうクラブでアバウトに飛ばしていけるのも、このクラブの特長といえるのではないでしょうか?
『最大の飛び』ではなく、『安定した飛び』で、平均点を高めてくれるクラブだと思います。

オートマチック的な雰囲気もありますが、私はどちらかというとフック系のほうが出やすかったです。
少しつかまえ顔というのもありますが、それよりもシャフトがいわゆる『巻き込みやすい』タイプで、フッカーの私はちょっと注意がしなければ・・・。と思いました。
右にも曲げてみましたが、つかまりがいいので、大きく右には曲がりにくいクラブです。
試打後の感想

ヤマハらしい美しさと美顔のクラブです。

ドライバーには力を入れているけど、フェアウェイウッドはもうひとつだな・・・。と思えるメーカーが今もあります。
しかしヤマハは違っていて、このクラブにもかなり深い研究がされているようです。
以前から、ヤマハのFWは飛ぶと評判でしたが、このクラブは飛ぶというよりは『安定性(つまり最低限の底上げ)』があり、あがりやすさがウリです。
練習場はいくらミスショットをしても関係ないので、かなり下で打ってドロップ気味の球を打ってやろうとしたのですが、上手くいかず全て高くあがっていきました。
試合で使えそうな球ばかりです。

ミスしようとしてミスしていないのだから、これも一種のミスなのかな・・・?と、高~くあがっていくボールを見ながら思いました。
安定性はありますが、『真っ直ぐ』というよりも、『つかまり』がいいので、中立タイプではなく、少し左に偏ったところがあると思います。
しかし、それが今のニーズに合致していて、多くの支持を集めるのではないでしょうか?

シャローフェース、そして軽量&軟らかい。
私にとって、少し気を遣うクラブだったのは事実です。
しかし今は、ディープは『流行らない』ですし、低スピン系のボールが幅を利かせている限り、見かけることは少なくなるかもしれません。
クリークは元々ロフトがかなり寝ているのだから、もう少しディープフェースでも良かったな・・・。と思いましたが、それはまた別のモデルで見られるような気がします。

美しさと質感の良さ。
そして実際に打ってみてのハードルの低さが魅力のフェアウェイウッドです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年09月27日
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YAMAHA inpres DRIVESTAR アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA inpres DRIVESTAR アイアン


シャフトは N.S.PRO 850GH neo です。
ロフトは25度、クラブ長さは38インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は88g、バランスはD2 、クラブ総重量は387g です。

とても美しくて、しばらく見とれていました。
美しさも『性能のひとつ』です。
この美しさは、さすがヤマハといったところでしょうか?
YAMAHAのクラブは美しいというイメージをもっているのですが、このアイアンもまさにそんなタイプで、ブランドイメージが保たれたことに満足感があります。

エッジがシャープで美しいのが、これまでのラージ系&イージー系アイアンとの大きな違いです。
イージー系アイアンといえば、これまで輪郭が丸くぼやけていたり、ボテッとしたものが圧倒的に多かったのですが、このアイアンは違います。
大きさはあるもののシャープでカッコいいです。

彫りは浅く、ハーフキャビティのようにも見えますが、バックフェースに厚みがあるので、おそらく中空タイプなのだと思います。

トゥ側

ヒール側
トゥとヒールに三角形のような凹みといいますか、穴のようなものがあります。
これはどういう意味があるのでしょうか?
易しくするための工夫かもしれませんが、それがとてもスタイリッシュでカッコいいです。
こういったところにも、クラブ設計家のセンスが出ます。

トップラインは、少し厚めです。

ソールには大きなウェイトのようなものがあります。
もしこれがウェイトなら、かなり重心が低くて深そうです。

ソール幅はワイドですが、イージー系アイアンの中ではもっと広いものがたくさんあるので、『ノーマルワイド』といったところでしょうか?
どことなくですが、過去に試打したBSアイアンを思い出しました。

ソール全体が微妙に丸みを帯びていますが、それほど丸くはありません。
平らに近い丸さといったところでしょうか?

ネックは短めですが、太すぎないのがいいです。
特に変わった工夫は見られません。

フェース面にミーリングは無く、ノーマルです。

素振りをしてみると、かなり軽いですが、メーカーがターゲットにしているゴルファーにはちょうどいい重さなのかもしれません。
カーボンだから難しい、スチールだから易しいということは無いですが、軽量タイプではあっても、スチールシャフトが挿してあるので、何とかなりそうな気がします。

ボールを前にして構えてみると、いい感じです。
もっとクセがきつくて構えづらいのかと思っていましたが、そんなことはなく、さすがヤマハだ・・・。と思いました。
先ほども書きましたが、『美しさ』も性能のひとつですし、当然『構えやすさ』も欠かせない要素です。
大顔タイプでありながら、少しグースが利いていて、トップラインが少し丸みを帯びているので、つかまるイメージを出しやすい・・・。という方は多いのではないでしょうか?
ただ、かなりロフトが立っているように見えて、私は4番アイアンを構えているような錯覚を覚えました。
完全に7番アイアンの顔ではありません。
方向性への不安はほとんど無いですが、高さについてはどうなるのかな・・・?という疑問は残りました。
ただ、こういったことはもう常態化しているといいますか、ロフトがバラバラなのは今のアイアンの特徴なので、あまり気にせず、7番アイアンだとは思わないよう、意識せずに打っていくことにしました。
試打を開始しました

打感はまずまずでした。
ソフトで球が乗っかるというタイプではなく、弾き感があって、球離れが早いアイアンです。
このような打感は打つ前から予想していました。
ディスタンス系特有の球離れの速さです。

構えたときに、少し低めのライナー系で飛んでいくのかな?と思いましたが、最近のイージー系アイアンはロフトが立っていても、かなり高く飛んでいくことが多いので、予想できませんでした。
まずは『出たとこ勝負』といった感じで打っていったのですが、やはりやや低めのライナー系でした。
これまでのイージー系アイアンとはちょっと違います。
とはいっても、ロフトが立っていることによるタフさは感じず、少し振っていくと、もっと高さが出ました。
ヘッドの『超スタンディングロフト』をシャフトがカバーしている感じ・・・。といったらいいでしょうか?
あくまでもショットはヘッドとシャフトの共同作業なのだと実感しました。

『安定性』は高く、イージーです。
これまでのイージー系アイアンよりも構えやすいので、ラインもイメージしやすかったですし、それにこのアイアンのもつ寛容さがプラスされた感じ・・・。といったらいいでしょうか?
スイートエリアも広く、シビアさは全く感じません。
スイートエリアが広い・慣性モーメントが高い・・・。といった物理的要素に加え、『構えやすさ』という心理的な要素も加わったのが、この安定感につながったのかもしれません。
かなりの『大船タイプ』で、少々の時化(この場合は打点のブレ)には動じない、いい意味での鈍感さをもっているように感じました。
型は新しく、時化にも強いアイアンです。

『飛距離性能』は凄まじいの一語に尽きます。
これはいったい何なのでしょうか?
明らかに『刻印ミス』といえるほどの飛距離性能です。
これがもし5番だったら、『飛び系の5番』という認識をもつのですが、このアイアンは7番にしては明らかに『飛びすぎ』です。
ディスタンス系アイアンをこれまでたくさん試打してきましたが、おそらくこのアイアンが飛びに関して『史上最強』といえるのではないでしょうか?
明らかに新たなカテゴリーに入るアイアンといっていいように思います。
アイアンは『距離を刻む』ためのクラブですが、それとは別ジャンルの『飛ばすため』のアイアンが市民権を得たのではないでしょうか?
7番アイアンの弾道ではありません。
高くめくれ上がって、グリーン手前でパラシュートが急降下するように落下して、グリーンをキャッチする・・・。というイメージとは大きくかけ離れています。
すごくよく飛ぶけど、グリーンに着地して止まってくれるのかな?と思いました。

オートマ性が秀でていて、操作するタイプではありません。
かなり真っ直ぐ飛ぶアイアンで、左右へ曲げるのは難しいです。
試打後の感想

アイアンの飛びも、ここまできたか・・・。という感じがしました。
番手によってロフトの範囲がルールによって定められているわけではないので、これまでの概念が大きく崩れそうです。
もう『何でもあり』なのでしょうか?

すごく攻めた設計になっていますが、クラブが美しいのが何よりの救いです。

美しいデザインで目を喜ばせ、圧倒的な飛距離で目を点にさせる・・・。
そんなアイアンだと思いました。

ラージサイズではありますが、大きすぎず、またグースもきつすぎないので、構えやすくてラインも出しやすいのも、このアイアンの特長です。

ヤマハが満を持して発表したアイアンといっていいのではないでしょうか?
クラブから伝わってくる独特の雰囲気がそう感じさせました。

これからのヤマハに期待です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年09月22日
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ヤマハ inpres DRIVESTAR ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA inpres DRIVESTAR ドライバー


シャフトは M423d です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は45.5g、バランスはD5 、クラブ総重量は279g です。

ヤマハの新しいドライバーです。
9月も後半になり、10月にかけて、各メーカーニューモデルのラインアップが充実する季節となりました。
ゴルファーとしてワクワクする季節でもあります。
ヤマハもこうしてニューモデルを発表してくれました。
ヤマハには『アスリート仕様』のクラブと『イージー系』クラブがあり、その特徴は極端に離れていることもありますが、今回のモデルはイージー系のようです。

『DRIVE STAR』というのはとてもいいネーミングだな・・・。と思いました。
クラブのネーミングはもう出尽くしちゃった感があったのですが、まだこの言葉が残っていたのかと思いましたし、ネーミングも奥が深いです。

ヘッドがかなり大きく見えましたが、落ち着いたデザインでヤマハらしいセンスの良さを感じました。
ヘッドはゴチャゴチャしていませんが、ところどころ工夫が見られます。

『カウンターウェイトシステム』という文字があり、対の位置にウェイトが配置されているということなのでしょうか?

トゥ側には大きなウェイトがあります。
最近はヒール側にあるものが多いので、少し珍しいですが、昔からよく見られます。
ヘッドのつかまりを良くするには、一般的にはヒール側にウェイトをもってきたほうがいい・・・。というのが定説のようになっていますが、それは絶対ではありません。
人によってはトゥ側が重くなっていたほうが、扱いやすいということもあります。
これだけ大きなヘッドにウェイトがトゥ側にあるということは、どれだけ重心距離が長くなるんだろう?と思いました。

バックフェースにも大きなウェイトがあります。
この位置にあるということは、重心深度を深くする狙いがあるのでしょうか?

『INNER WEIGHT』という文字があり、これ以外にもまだヘッド内部にウェイトが組み込まれているようです。

ネックの長さは標準的で、調整システムは搭載されていません。
ラージサイズでシャロー感たっぷりのヘッドですが、こうして見ると適度な厚みもあり、打ちやすそうです。

トゥ側にある『ヤマハマーク』が輝きを放っています。

ラージサイズの見慣れたシャローです。
この角度から見ても、バックフェースにあるウェイトがよく目立っていました。

顔はちょっと驚きです。
これまでの『ヤマハ顔』とは明らかに違います。
『テーラーメイド顔』に近づいた感じがしました。
顔全体もそうですが、カーボンクラウンになっていて、その形もそっくりです。
ヤマハもついに、カーボンクラウンに突入といったところでしょうか?
テーラーメイドが火付け役となりましたが、各メーカーが、このカーボンクラウンを続々と採用しはじめているようです。
第二のカーボンコンポジットブームといったところでしょうか?
とはいっても、『実際に作る工場』が同じだったりすると、製造ラインやコストなどの面から考えても、似たようなクラブを作ったほうが合理的で、『メーカー側』の都合もあるのかもしれません。

フェース面はとてもシンプルで、これまでもたくさん目にしてきました。
特に変わった工夫は見られません。

装着されているグリップはちょっと変わったパターンをしていますが、ソフトなフィーリングで好感が持てます。
先日、ゴルフは『打感を楽しむスポーツ』と書きましたが、もうひとつの触感として、グリップの感触を楽しむということもあるな・・・。と思いました。
打感とは違う、直接的な感触です。

ボールを前にして構えてみると、まずまずでした。
全体的に整った顔をしていますが、フェースが左を向いているのが残念でした。
ただ、これはもうある意味常識のようになっていて、こうしないとボールは真っ直ぐ飛ばせないのかもしれないですし、この『つかまえ顔』を好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
こうして見ても、やはり『テーラー顔』だな・・・。と思いました。
何も知らされていなければ、テーラーメイドの新製品と勘違いするかもしれません。
しかし、クラブとしての『質感』が全く違うので、もしテーラーだったとしても、少し違和感はあったと思います。
クラウンマークは控えめな感じです。

素振りをしてみると、かなり軽く、そして軟らかいです。
一瞬レディスモデルなのか?と思いましたが、メンズモデルということです。
一時期、かなり『ソフトスペック化』が進んでいって、どうなるんだろう?と思っていたのですが、時々ちょっとしっかりめのスペックにも出会うようになり、歯止めが掛かったのだと思っていました。
しかし、またソフトスペック化が加速してきているようです。
シャフトの大きなしなりと、軽量化によるHSアップで飛距離を出すタイプなのでしょうか?
試打を開始しました

まずは、この『音』にやられてしまいました。
かなりの高音です。
最近はこのような高い音を発するドライバーに出会っていなかったので、ちょっと油断していたのかもしれません。
少し驚きました。
ただ、高音といっても、それが『異音』に感じられるほどの低音質なのか、それともそこまでひどくない高音なのかに分かれるのですが、このドライバーの場合は後者です。
高い音ではありますが、『品(ひん)の悪い』音だとは思いませんでした。
しかし、私にはあまりにも高すぎて、そしてやや大きめの音で、全く合いません。
インパクトが緩んでしまいます。
打席の周りも気になってしまい、集中できませんでした。
ただ、私は強く叩くタイプのゴルファーなので、どうしても音が大きくなることがあり、それがこのドライバーの音にも影響したのかもしれません。
私は静かでおとなしめの音が好きですが、人によっては高めの音が好きで、そういう音のほうが飛ばしている感じがする・・・。ということもあると思います。
メーカーもそのような方々の為に開発したのは明らかで、あえてこのような高音にしたのではないでしょうか?
ユーザーからのリクエストがあったのかもしれません。

『打感』はソフトで好感が持てました。
弾き感が強く、フェース面の『揺らぎ』といいますか、水面に水を一滴垂らしたどきにおきる『波紋』をイメージしました。
もちろん実際はフェース面には金属の硬さがあり、そのようなことは無いのですが、そう印象づけるほどの柔らかさを感じました。
水を一滴落として、そこから波紋が広がっていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
完全に『点』ではなく、『面』でとらえるタイプのドライバーです。

球はとてもあがりやすいです。
シャフトの動きも関係していると思うのですが、インパクト前後で、かなりフェースが上を向いてしまうような感覚がありました。
私がよく感じる、『シャフトの挙動不審』です。
よく動くシャフトなので、気を遣う必要があります。
ヘッド自体は大らかなのですが、シャフトは少し『暴れ馬』的なタイプです。
球を打ちながら、『ロデオマシン』を連想していました。
落とされずに乗りこなすのは至難の業です。

スイートエリアは広く、寛容性の高いドライバーです。
ただ先ほども書きました通り、シャフトには気を遣うところがあったので、そこが難しく親近感がもてません。
オートマチック系なのは明らかですが、球は散らばってしまいました。
球のつかまりは良く、スライサーの方には特に易しいドライバーといえるのではないでしょうか?

このスペックのドライバーのなかで、『飛距離性能』は高いと思います。
叩きにいってはダメなドライバーで、ゆっくりと味わうように打つ・・・。というイメージで打っていきました。
いつもは駅の立ち食いうどんをパパッとかきこむのに、今日はうどんを一本一本ゆっくり味わう感じ・・・。といったらいいでしょうか?
それくらい、ゆっくり落ち着いて試打するのがちょうどいいようです。
初速も出ていますし、シャフトのビュッという『しなり感』と、ヘッドの『たわみ感』のコンビネーションで飛ばしていくタイプなのではないでしょうか?

『操作性』という点では難しいです。
元々はオートマチック系のドライバーでありながら、シャフトの挙動が安定せず、ばらついてしまいました。
シャフトには『無脊椎動物』のように感じられるものと、『脊椎動物』のように感じられるものに分けられ、ほとんどが脊椎動物なのですが、このドライバーに挿してあるシャフトは前者のほうです。
メーカーも操るように作ってはいないのは明らかで、いかに軽く振って距離を出すかに意識が集中しているように感じられました。
試打後の感想

最初から最後まで、苦手意識をもって試打しました。
ヤマハのクラブは好きですし、このドライバーのデザインも好感がもてましたが、球を打つことに関して不満が残りました。
しかし先ほども書きました通り、最初から私のようなタイプに合うように作っていないので、これは仕方ありません。
このスペックが最高だという方もたくさんいらっしゃると思います。

やはり音は大切だな・・・。と再認識しました。
最近はこのような音に出会わなかったので、今日は少し驚きましたし、周りの打席の方の視線が気になってしまい、集中できませんでした。

なかなか上手く打てず、馴染めませんでしたが、このドライバーはテーラーメイドとゼクシオを意識して開発されているのではないか?と思いました。

苦手に感じる部分はありましたが、もっと練習を積んで打ちこなせるようになりたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年05月06日
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ヤマハ RMX VD TOURMODEL アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD TOUR MODEL アイアン の7番 です。

シャフトは Dynamic Gold EX TOUR ISSUE です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は131g、キックポイントは元調子、クラブ総重量は443g です。

ヤマハのとてもカッコいいキャビティアイアンです。
ヤマハのアイアンはバリエーションが豊富でいろいろなものがありますが、やはり軟鉄のイメージが強いですし、私もこれまでお世話になってきました。
今はメインではないのですが、前のメインがヤマハでした。
ヤマハのアイアンにはいいイメージがたくさんあるので、こうしてニューモデルに出会うとテンションもあがります。
先日、VDアイアンを試打しましたが、その姉妹モデルだということは想像に難くありません。

比較的小ぶりでオーソドックスなタイプです。
この軟鉄の質感がたまりません。
軟鉄好きといいますか、軟鉄アイアンしか使ってこなかった私は親近感が湧きますし、目尻も下がります。
一口に軟鉄といってもいろいろなものがありますが、ヤマハのアイアンはとても質感が良く美しいのが特徴です。
つまり『見た目がいい』ということです。
目で楽しめるというのはとても大切だと私は思っていて、質感の良くないクラブを購入したいとは思いません。
見た目まずそうなものを、お金を払って食べたくないのと同じで、チープで雑なクラブを使いたくないです。
そういった意味でも、このアイアンはとても魅力的で、見るだけでテンションがあがってきました。

トゥ側にある、このヤマハのマークもお馴染みです。
以前も書きましたが、ヤマハといえば楽器などが有名で、どちらかといえばそちらのイメージのほうが強いと思います。
楽器にもゴルフクラブにも共通して言えることは、ヤマハは『高品質』ということですが、できればゴルフにはゴルフ専用のブランドマークやブランド名があってもいいのではないでしょうか?
同じメーカーでも差別化するのもアリだと思っています。

彫りの深さは標準的です。
深くはないですが、かといって浅いタイプでもありません。

トップラインの厚みは標準的で、ヤマハアイアンらしく、シャープでカッコいいです。

ツアーモデルという名前ではありますが、ハーフキャビティではなく、ノーマルキャビティといっていいように思います。
これまでヤマハのツアーモデルアイアンはマッスルバックかハーフキャビティでしたが、このモデルは違います。
契約プロからの要望なのでしょうか?

ソール幅は標準的で、リーディングエッジとトレーリングエッジが微妙に削られているのが分かります。
こうして見ても、やはり綺麗だな・・・。と思いました。
この質感の良さはたまりません。

角度を変えてみても、リーディングエッジとトレーリングエッジの削りが見られ、抜けが良さそうです。
ソール全体は微妙に丸みを帯びているのが分かりました。

ネックの長さは標準的です。
ショートでもロングでもありません。
このネックの形状ひとつ見ても、丁寧に作られていて、曲線が絶妙だな・・・。と思いました。
ぶっきらぼうにズドンと真っ直ぐになっているのでもなく、かなり綺麗な形になっていて、メーカーのこだわりが感じられます。
今は何もかもがオートメーション化され、クラブの設計にもAIが使われるようになりました。
それでも最終的に『人間の目』によって、検品されているようなクラブは魅力的です。
昔から、数え切れないほどたくさんのクラブに出会ってきて、「こんなレベルで流通させていいの?」と思えるクラブもありましたが、このアイアンは違います。
リーディングエッジ側は真っ直ぐで、トレーリングエッジ側は微妙に丸みがあって、滑らかな印象を醸し出しています。

ホーゼルにはVDの刻印があります。
『FORGED』の刻印はありませんが、おそらく鍛造ではないでしょうか?

フェース面にミーリングはなく、普通です。
特にこだわりのようなものは感じられません。

素振りをしてみると、最近では珍しく適度な重量感があって、タイミングが整いやすいです。
最近は軽量タイプが圧倒的に多いので、何度も素振りを繰り返して、その『軽さ』『軟らかさ』に慣れる必要性が出てくるのですが、今日はそれがありません。
テークバックのタイミング。
トップからの切り返しのタイミング。
ヘッドを落とし込む感覚。
全てが普段通りといった感じです。
一時は、かなりツアーイシューの人気が高まりましたが、私はずっと通常のダイナミックゴールドを愛用しています。
それはツアーイシューにするメリットが無いと、私がいつもお世話になっているクラフトマンが言っているからです。
軽量タイプのアイアンが増えたのは、高性能でバリエーション豊富なモーダスシャフトの人気が高まっていることも関係しているのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、さすがとしか言い様がありません。
とても洗練された『ヤマハ顔』のアイアンで見とれていました。
『洋食のタイトリスト』、『和食のヤマハ』といったところでしょうか?
パンとコーヒーは大好きですが、ご飯と味噌汁も欠かせません。
顔つきは少し違いますが、どちらも似たところがいくつかあります。
それは美しさ(質感の良さ)と顔の良さ、そして『和の雰囲気』があるところです。
ヤマハのフォージドアイアン(特にツアーモデル)は『逃がすイメージ』が出しやすい印象があるのですが、このアイアンもまさにそういうタイプです。
私はフッカーなので、右に逃がすイメージが出しやすいのはとても頼りになるといいますか、安心できます。
トップラインに丸みをもたせて、包み込んでつかまえて飛ばすイメージが欲しいという方もいらっしゃると思いますが、元々適度な大きさで自然とフェースがターンしてつかまえてくれるので、慣れればすごくいい武器になると思うのですが・・・。
ラージサイズや強いグースネックを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
整った形状で大きさも程よく、スコアラインも綺麗だな・・・。と思いながら見ていました。
とてもリラックスして、集中力が高まり、既に『準備万端』です。
試打を開始しました

『打感』はとてもソフトで見た目通りでした。
すごく柔らかくて、衝撃を緩和してくれるようなフィーリングです。
まさに『心地いい』がピッタリ合います。
一時期は軟鉄といえば『S25』がほとんどでしたが、10年くらい前からでしょうか?
『S20』も増えていて、その質感が似ているので、後で聞いてみるとやはり『S20』ということでした。
たしかS20を流行らせたのもヤマハではなかったでしょうか?
キャビティなので、マッスルバックほどの『厚み感』は少し劣りますが、それでもじゅうぶんなフィーリング性能です。
最近は『バチン』という感じの球離れの速いアイアンや、見た目とギャップの大きいアイアンが多くなったので、この『見た目通りの打感』をもつアイアンは好感を持ちました。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といいますか、本来の7番アイアンらしさがありますが、重量も適度にありますし、あがりやすくなっている工夫も見られないので、ヒッター向けであることは間違いありません。
今は『スタンディングロフト』アイアンが圧倒的に多いので、久しぶりにフェース面を見たときに浮かんだ『出球のイメージ(高さ)』と実際の弾道が一致したような気がします。
最近のアイアンは高機能過ぎて、なかなか感覚が追いつきません。
打感もそうですが、その『ギャップ』こそが、メーカーの技術や工夫だと思うのですが、私はハイテク過ぎるものよりも、『ローテク』なものに魅力を感じます。
私はいわゆる『撮り鉄』ではないですが、普段は新幹線を使いながらも、もし列車の写真を撮るなら、SLを撮る・・・。という感じでしょうか?
いくらスピードが遅くても、快適さでは敵わなくても、昔の物も捨てたものではありません。

今は駅にコンビニがあるのが普通ですが、昔はホームにお弁当屋さんが弁当(駅弁)を売りに来ていて、列車の窓越しに駅弁とお茶を買うのが好きでした。
あの時間との戦いがスリル満点でたまりませんでした。
長距離の移動では新幹線よりも夜行列車を使っていたのですが、今はほとんど無くなってしまったので、残念です。
今は時間があれば船(フェリー)を使っています。
船の中を自由に移動でき、食事はもちろんお風呂にも入れるフェリーは最高です。
夜に出港すれば朝に着いて、時間を有効に使うことができます。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、そのようなことを考えながら試打していました。
もっと試打に集中しなければ・・・。と思いましたが、いいクラブというのはゴルフ以外のいい思い出も蘇らせてくれます。

『安定性』という点では、キャビティらしい寛容さもあって、気難しさは全くありません。
『ツアーモデル』ということになっていますが、それは後からメーカーがつけただけで、普通の軟鉄フォージドキャビティアイアンだと思えばいいのではないでしょうか?
ヒッター向けなのは確かですが、気難しさはなく、ハードルが高いアイアンだとは思いません。
構えやすくて打感が良く、おまけにある程度の寛容さもあるアイアンです。

『飛距離性能』も、今のアイアンでは飛ばないほうになりますが、この飛びすぎないところが魅力的です。
今のアイアンはとにかくよく飛んで、試打していても、いったいどこまで飛んで行ってしまうんだよ・・・。と思うことがこれまでもよくあります。
7番アイアンでありながら、200Yの看板をキャリーで軽く越えちゃうから、アイアンの本数が減るのは必然だな・・・。と思いました。
確かによく飛びますが、ロフトピッチが広がってしまうことや、軽すぎて距離のコントロールがすごく難しいです。
今までは飛びすぎるのであれば、普段よりも短くもって『弧』を小さくして距離をコントロールできましたが、今のアイアンは違います。
飛びに特化しすぎたせいか、短く持っても普通に持っても距離がほとんど変わりません。
これがメリットだと受け止める方もいらっしゃると思いますが、私はそうは思いません。
明らかにデメリットです。
しかし、このアイアンは違います。
適正な距離な距離で飛んでいき、『縦の枠』を維持できるアイアンです。
余計な動きをしないよう、『たこ糸』を張った状態にして、それ以上飛びすぎないようにする感覚と似ているでしょうか?
飛びすぎないので、ライン出しに集中できます。
ドライバーなどでもそうですが、アイアンショットでもライン出しは必須です。
特に初めてラウンドするコースで分からないことが多いホールや、風の強いとき、狭いホールだけでなく、アップダウンがきついブラインドホールなどでは、終始ライン出しを徹底し、18ホールをフルスイングできないこともあります。
そういったときに、このアイアンのように飛びすぎないでライン出しに集中させてくれるアイアンには頼もしさを感じます。

『操作性』はとても高く、左右どちらにも敏感に反応してくれました。
マッスルバックのような『ハンドルの遊びの小ささ』ではなく、キャビティらしい大らかさがありながらも、クセがなく扱いやすいのが魅力的です。
構えたときにいいイメージが浮かんできたからなのか、かなりラインに乗せやすいところも気に入りました。
人によって違うと思いますが、多くの方は『直線』でラインをイメージしておられるのではないでしょうか?
もちろん、それが一番いいのかもしれませんが、私はひねくれているのか、『曲線』のほうがイメージが強く出ますし、楽に構えられます。
ボールに全くサイドスピンを掛けずに完全なストレートボールはとても難しく、フック回転にしろスライス回転にしろ、自分の持ち球で運んでいったほうが簡単だということを実感しているからだと思います。
初期のファミコンのゴルフゲームをやったことがある方なら、理解していただけるのではないでしょうか?
だから、このように構えやすくて、大きすぎないアイアンが易しいと感じるのかもしれません。
試打後の感想

ヤマハらしい美しく質感の良さがまず目に入りました。
見るからに柔らかそうな質感で、実際に打ってもその通りでした。
見た目とおりのフィーリングを出してくれるクラブというのは凄いですし、今では希少な感じもします。
それくらい、今は『ギャップ』が大きなテーマになっているのかもしれません。

先ほども書きましたが、『ツアーモデル』という名前がついていますが、実際はノーマルサイズのキャビティアイアンといっていいと思います。
マッスルバックやハーフキャビティのようなシビアさはありません。

キャビティの大らかさがあり、構えやすくて打感もいいのだから、プレイヤーのもつ感性も伝わりやすいアイアンといっていいのではないでしょうか?

ゴルフクラブも『食(料理)』も、まずは見た目が大事。
いくらリーズナブルでボリューム満点でも、見た目が良くなければ手にしたいとは思わないですし、料理なら口にしたいとは思いません。
もちろん見た目はグロテスクでも、実際は美味しい料理や食材はあります。

その代表格が『ナマコ』ですが、これを人類初食べた人はすごく勇気があったし、お腹が空いていたんだろうね・・・。と家族と話したことがあります。

今は『イージー系』アイアンが主流で、マッスルバックやディスタンス系でないものはあまり売れないのだそうです。
なので、このアイアンも限定モデルなのだと聞きました。
それは仕方ないことなのかな・・・。と思いましたが、全てのプレイヤーがイージー系を求めているわけではないと思いますし、このような男前でグッドフィーリングなクラブがもっと日の目を見てもいいのではないかな・・・。と思っています。

このアイアンのおかげで楽しい試打ができましたし、改めてヤマハのアイアンはいいな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年02月02日
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ヤマハ RMX VD ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana YR h です。
ロフトは25度、クラブ長さは39インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は64.5g、トルクは3.8、キックポイントは中調子、バランスはD2、クラブ総重量は357g です。

赤いデザインが印象的な、ヤマハのユーティリティです。
昨年ドライバーを試打したときにも感じていましたが、今回は『赤』がイメージカラーなのでしょうか?
赤はある意味難しい色で、それが目立ちすぎてしまうと下品になってしまうこともありますが、このクラブにはそういったことがなく、ギリギリ抑えられています。
これまでのヤマハから、デザインが大きく変わったように感じるのは私だけでしょうか?

大きさは標準的で、ソールの丸みが印象的なユーティリティです。
ソールを平らに近い形にするメーカーもあれば、ヤマハのように丸みを強調しているメーカーもあります。
今はどちらかというと、丸いものが多いような気がします。
芝やラフ・ベアグランドの質は変わらないのに、ボールがどんどん進化しているからでしょうか?
クラブはボールに合わせて進化しています。
よく『鶏が先か卵が先か?』といいますが、ゴルフにおいて、『ボールが先』です。
しかし、かなり昔のクラブでも普通に打てちゃうのが、面白いところでもあります。

ネックの長さは標準的です。
調整システムは搭載されていません。
一時期、ユーティリティにも調整システムが搭載されているものが見られましたが、今はほとんど見られません。
私は調整システム付きのユーティリティを所有したことが無いのですが、所有している友人によると、ドライバーはともかく、ユーティリティには『要らない』ということでした。
それよりも、バランスが狂って振りにくいと感じることのほうが多かったと言っていました。

赤い部分の凹みが目立ちますが、これはどういう意味があるのでしょうか?
おそらく、単なるデザインで大きな意味は無いと思うのですが、これにも科学的な裏付けがあるのかもしれません。
全体的にシンプルな設計になっていて、好感が持てます。

フェース面のデザインもシンプルです。
今はいろいろなデザインが採用されていますが、いわゆる『アスリートモデル』と呼ばれるクラブは、このようなデザインが多いように感じます。
アスリートモデルであれ、アベレージモデル・ビギナーモデルであれ、『常に最高』のものを、各メーカーが競っていると思うので、結局はこれでいいのかもしれません。

薄っぺらいタイプではありませんが、こうして見てもそれほど厚みはありません。
どちらかといえば『シャロー』に近いと思うのですが、今のユーティリティの中では標準的といったところでしょうか?

顔はまずまずです。
私の好みの顔ではないですが、今はこのような顔が一番多いので、ある程度予想していました。
今主流の顔だよな・・・。と思いながら、ちょっとガッカリしています。
以前も別のサイトで書きましたが、私の理想の顔はロイコレのTRCです。
未だにあれを超えるUTに出会っていません。

装着されているグリップは、他のメーカーでもよく見かけるタイプです。
特に不満は無いですが、もう少し差別化してもいいのかな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、最近のクラブ(ユーティリティ)には無い『適度な重量感』があって、いい感じです。
フレックスがSRということで、硬さは無いですが、軽さによるブレといいますか、タイミングのとりづらさは無く、素振りを繰り返してタイミングをつかみました。

ボールを前にして構えてみても、普通・・・。といったところで、特に変わったところはありません。
見とれてしまうような美顔でもない代わりに、構えづらさのようなものもなく、感情の起伏が無いまま、淡々と構えていました。
小ぶりなタイプなので、大顔タイプを好まれる方は多少の不安感があるかもしれません。
よく見かける顔だな・・・。と思いながら見ていたのですが、欲しいのはこの顔じゃないんだよな・・・。と思っていました。
クラウンは左に向いていないようにデザインされていますが、ソールそして、フェース面全体が明らかに左を向いているように見えます。
いわゆる『顎が張った状態』です。
『受け口タイプ』といったらいいでしょうか?
ヤマハに限らず、この顔が今は多くのメーカーで見られますが、それだけ結果を出しているということなのかもしれません。
ロフトが25度という、ユーティリティとしては『ハイロフト』な番手になるので、フェース面もよく見え、そのせいで被っているのが、さらに強調されています。
まだまだ最高の顔をしたユーティリティ探しは終わらないな・・・。と思ったのですが、私は既にTRCを愛用しているので、特に問題は無いのですが・・・。
惚れ惚れするような、いい顔をしたUTが登場するまで、TRCには壊れず頑張ってもらわなければなりません。
元々『異型』や、いびつな顔をメインに発売するメーカーのクラブであれば、この顔でも充分なのですが、美顔のイメージが強いヤマハだからなのか、少し不満のほうが感じられました。
とはいっても、この顔でじゅうぶん打っていけるということを、これまでもたくさん経験しています。
試打を開始しました

まず感じたのが、この高くて大きい音です。
ゆっくりめで打つとそうでもないのですが、強くヘッドが入ると、高さが増して大きくなります。
程よい感じの金属音で、これまでもたくさん耳にしてきました。
もっと小さい音でもいいですが、この音でも全く不満はありません。

『打感』は柔らかくて好感が持てました。
フェース面を見ていたときから、この打感はある程度予想していました。
球持ち感はそれほどなく、弾き感のほうが強いですが、ガツンとくることなく、『球当たり』が優しいです。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、幅広い層に対応しているタイプではないことが分かりました。
このロフト(25度)にしては、打ち出しが抑えられていて、ライナー系に近い球がでました。
しかし、タフで球があがらないというほどではありません。
スピンが結構利いているようで、少し叩いていくと吹き上がる感じがしました。
『二段ロケット』とまではいきませんが、グーンと高く上に伸びていくような弾道です。
ロフトが25度ということは、アイアンでいえば、だいたい4番に近いので、4番でこの高さを出すことを考えると、すごく簡単になったな・・・。と感じずにはいられません。
ヒッター向けなのは間違いないですが、最高到達地点もそこそこ出ているので、それがグリーンとピッタリ合致すると、いい感じで止めてくれるのではないかな?と思いました。
いわゆる『アゴが出ている』タイプなので、球を拾いやすいという性質があります。
直接『ガツン』といってもいいですし、手前からソールを滑らせてもいい感じで打てるクラブです。

『安定性』は普通で、特別寛容さが目立つタイプだとは思いません。
不必要なスイートエリアを取り除いて、その分『良い当たり面』をギュッと凝縮させた感じ・・・。といったらいいでしょうか?
このコンパクトさがもつ、『ラインの出しやすさ』があります。
以前、かなり大顔のユーティリティが発売されて、私もそれを試打したことがあり、これはあまり良くないな・・・。と思ったのですが、やはりそれほど売れなかったようです。
FWに近い感じではありながらもFWではないし、ユーティリティにしては大きすぎて中途半端でした。
ユーティリティなので、いろいろなタイプが出てきてもいいと思いますし、使い方も様々ですが、そのクラブは中途半端さが目立ったのか、あまり受け入れられなかったようです。
しかし、時代が変われば受け入れられるかもしれません。
時代が変われば受け入れられるクラブも変わってくることはよくあることです。
このクラブを試打しながら、そんなちょっと昔のことを思い出していました。

『飛距離性能』は普通で、特別飛ぶタイプだとは思いません。
しかし、それがメーカーの狙いなのかもしれません。
飛びを目指すのではなく、スピンを利かせて『止めやすさ』を重視しているのではないでしょうか?
ゴルファーには『ウッド好き』と『アイアン好き』に分かれると思いますが、アイアン好きにとって、ユーティリティはちょっと変わった存在で、なかなか馴染めないこともあります。
しかし、このような小ぶりでウッド色を薄くしたようなクラブは扱いやすいものが多いです。
そういったアイアンが好きなゴルファーに使ってもらいたい・・・。とメーカーが思っているのではないでしょうか?
不必要なほどのワイドスイートエリア。
高くあがり過ぎて距離をロスしてしまう。
低スピン性能が強すぎて、ショット毎の高さが不安定になる・・・。
そんなデメリットを解消する為に開発された、実戦向きなクラブだと思いました。

『操作性』はなかなかいい感じで、左右どちらにも対応してくれました。
私にとっては『ニュートラル』ではなく、明らかに『つかまえ顔』ではあるのですが、引っかかりすぎず、つかまりの良い球が打てます。
改めてユーティリティというクラブの特殊性といいますか、他の番手のクラブにはない特徴を感じました。
形状はウッドに近いのですが、性質はアイアンに近いところも多分にあって、上から潰すこともできますし、アイアンほどではないけど、操作性の高さがあります。
それはやはり、形状が大きすぎないとか、重心が後ろにいきすぎていないからなのかもしれません。
『小顔の易しさ』を感じました。
試打後の感想

最新モデルでありながら、過去のモデルとの共通点をたくさんもっているクラブです。
見た目はともかく、いい意味で目新しさを感じませんでした。
それは親しみやすいクラブを踏襲しているということになります。

構えたときのイメージよりも、左へ行かないところに好感が持てました。
こういったところが『小顔の良さ』で、アジャストさせてくれる懐の深さのようなものがあります。
これがもし大顔だったら、かなり左へ巻いちゃうかもしれません。
しかも一方的で、オートマチックに・・・。

今風の顔で、かなりスタンダードな性格に戻ってきた・・・。といいますか、飛距離よりもスコアメイクに重きを置いて開発されているように感じます。
これからは『飛距離偏重』ではなく、『止めやすさ』とか『適度なスピン』による、合理的なクラブが主流になってくるかもしれません。

試打していて、真新しさのようなものはあまり感じず、どちらかといえば、昔の懐かしさを感じることができ、好感が持てました。
ヤマハは飛距離に特化したクラブや、かなり大きなオートマチックタイプのクラブも発表してきますが、このようにフィーリングを大切にするクラブも発表してきて、クラブのバリエーションが豊富です。

シンプルで好感がもてました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年01月30日
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ヤマハ RMX VD アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX VD アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは32度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、キックポイントは元調子、クラブ総重量は421g です。

ヤマハの新しいアイアンです。
先日、VD40というアイアンを試打しましたが、このアイアンは外見こそ大きな違いがあるものの、名前からして姉妹モデルのようです。
質感の良さと、見るからに易しそうな雰囲気が伝わってきます。
トゥ側にあるヤマハのマークが大きく存在感を示していますが、これはドライバーなど、他の番手のクラブにも見られるところです。
以前も書きましたが、このヤマハのマークもカッコいいですが、できればゴルフブランドオリジナルのロゴといいますか、マークがあってもいいような気がします。
総合メーカーではなく、『ゴルフに特化したメーカー』に魅力を感じるからです。
そういった意味でも、私は昔から本間には好感を持っていました。
その頃もブリヂストンやダンロップなども人気がありましたが、どちらも元々はタイヤメーカーだし、本間は『ゴルフ一本』で勝負しているところに魅力を感じていました。
ミズノはスポーツメーカーですが、ゴルフ以外のスポーツ用品も手がけていて、『総合スポーツメーカー』という位置づけです。
とはいっても、どのメーカーも高性能で高品質なクラブを発表しているので、全く問題はないのですが・・・。

フルキャビティ+ポケキャビタイプのアイアンではありますが、コンパクトな形状で好感が持てます。
VD40は、かなりのラージサイズでしたが、このアイアンは違っていて、真逆なタイプです。
こういったターゲットにするユーザーをはっきりさせることはメーカーとしても、とてもいいことだと思います。
曖昧さがないのが、ヤマハのいいところです。
おかげで、私たちユーザーはクラブ選びに迷いが生じません。

コンパクトサイズのアイアンにしては、彫りの深さは結構あります。
最近はポケキャビが少なくなってきたように思っていたのですが、まだまだニーズはあるんだな・・・。と思いました。
ポケキャビも中空も、外見は大きな違いがありながら、共通点もあります。
それが『易しさに特化して設計されている』ということです。
見た目はマッスルバックのようでもフルキャビティのような易しさがある中空と、ポケットにすることで、重心を深くすることができるポケキャビは多くの支持を集めています。
ポケットが大きく膨らみすぎていると、構えたときにそれが見えて構えづらくなってしまいますが、このアイアンは大丈夫そうです。

トップラインは厚くなく、ちょうどいい感じです。
輪郭がシャープで丸っこくないところに好感が持てます。
ここの部分が丸すぎてしまうと、私はイメージが曖昧になってしまうことがあるのですが、このアイアンにはそういったマイナス面はありません。

ソール幅は標準的といったところでしょうか?
ワイド化が進んでいる今のアイアンの中では、少し狭い方かもしれませんが、元々はこれくらいが標準です。

ソール幅よりも、リーディングエッジとトレーリングエッジの大きな削りに目が行きました。
かなり大きく削られていて、これだと逆目のライなどでも、しっかりと抜けてくれそうです。
昔はリーディングエッジが尖っていて、いかに『草を切るか』ということが求められていましたが、今はいかに『滑ってくれるか』『抜けてくれるか』が求められているのかもしれません。
ボールが浮いていてライの良いときであれば、どのような形状でもいいのかもしれませんが、そうでない難しいライのほうが多いので、このような工夫は大歓迎です。
やっぱりヤマハは私たちゴルファーのことをよく考えてくれているな・・・。と思いました。
私はヤマハのクラブにはたくさんお世話になってきているので、メーカーに対しての信頼感をもっています。

ネックの長さも、そして太さも標準的です。
短めでドテッとしていないので好感が持てます。
アイアンに対して、人によって様々なイメージがあると思いますが、私は常に横ではなく、『上』から捉えていきたい・・・。という思いがあるので、できれば少し長めのほうがそのイメージが出しやすいので安心感が得られ、必然的に目尻も下がります。
このアイアンはロングネックではなく、ノーマルネックです。
ロングタイプは苦手だけど、かといってショートタイプやスルーボアタイプは嫌だ・・・。という方にとって、ちょうどいい長さなのではないでしょうか?

ホーゼルにはVDの文字が刻まれています。
VDとはどういう意味でしょうか?

フェース面にミーリングはありません。
ごく普通の『スタンプタイプ』のミーリングです。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
これまでもよく見られた、普通のグリップで、特に変わった工夫は見られません。

素振りをしてみると、やや軽量感があるものの、頼りなさはなくしっかり振っていけました。
『軽硬』といったらいいでしょうか?
軽さに対して、結構しっかりしているな・・・。と振りながら感じていました。
すごく硬いというシャフトではないですが、変な動きをすることもなく、しっかりついてきてくれます。

ボールを前にして構えてみると、さすがヤマハです。
すごくいい顔をしています。
先ほども書きましたが、私はヤマハのクラブ(特にアイアン)には大きな信頼を寄せているので、この顔の良さは期待といいますか、予想していました。
リーディングエッジの見え方、均整のとれたスコアライン・・・。
これまで通りの『ヤマハ顔』です。
やや小顔でシャープな顔つきでありながら、尖ったところは感じられず、どことなく『まろやか』といいますか、とっつきやすそうな雰囲気があります。
完全なストレートには見えませんでしたが、トップラインも真っ直ぐに近いのがいいです。
最近は『収縮したように』丸くなったトップラインが多くなったので、このような少数派でありながらオーソドックスなトップラインを見ると何故か安心します。
必要以上に『つかまる』イメージが欲しくないからかもしれません。
グースタイプではないので、イメージしたラインにスッとヘッドを置くことができます。
頭の中がぐちゃぐちゃにならず、クリアなままです。
小顔タイプなので、ボールが大きく際立って見えるところも好感が持てます。
終始ニコニコしっぱなしでした。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じです。
ある程度予想していた打感で、好感が持てました。
厚みで押していくタイプではないですが、『球当たり』が優しく、マイルドな打感です。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けだと思いますが、タフ過ぎてあがりにくいとは感じません。
特別あがりやすくなるような工夫がされていないようですが、振っただけの高さはじゅうぶん得られるアイアンだと思います。
位置的には、『ヒッター向けのイージー版』といったところでしょうか?

小ぶりでありながら、安定性は充分保たれています。
フルキャビティ&ポケキャビの易しさをもったアイアンです。
これまで、このようなアイアンはラージサイズに多かったのですが、どうしても大顔になると、構えづらくなったり、イメージが湧かない・・・。といったことも起きてきますが、このアイアンにはそういったことを感じません。
小ぶりで構えやすさからくる易しさと、バックフェース形状の易しさが融合されたアイアンといっていいのではないでしょうか?
構えたときは気難しそうに感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際に打ってみると寛容さもあり、いい意味でのギャップを感じられる方もいらっしゃると思います。

『飛距離性能』という点では、私の中では『やや飛び』といったところで、特別飛ぶとは思いません。
今のアイアンの中でも普通といっていいと思いますが、このようなタイプのアイアンでは、それが正解なのだと思います。
『番手ずらし』が今のアイアンの主流となっていますが、それだとどうしても番手間の距離感の出しづらさが出てしまいます。
ロフトが立てば立つほど距離のばらつきがでるのは当然で、距離が出ることに対する弊害です。
極端にいえば、5番アイアンと7番アイアンで、どちらが縦の距離感を出しやすいかといえば、おそらく100人が100人、7番と答えるのではないでしょうか?
今は多くの方が、その難しい距離感を強いられているのです。
それは『スタンディングロフト化』したアイアンを使っているからです。
練習場ではまだいいですが、飛びすぎるアイアンはコースではとても怖く感じるので私は魅力を感じていません。

『操作性』は高く、左右どちらにも反応してくれました。
逃がすイメージが出しやすいので、私のようなフッカーには安心感がありますが、小顔なので球を捕まえやすいという特長ももっています。
これがもし、グースがきついタイプだと、かなり左へのプレッシャーが大きくなるかもしれません。
小顔タイプがもつ、『ハンドルの遊びの小ささ』といったらいいでしょうか?
そのダイレクトな反応の良さを味わえるアイアンです。
試打後の感想

見た目の良さがまずは目に入りましたが、試打してみて『安定性』と『操作性』のバランスがとれていると感じました。
寛容なタイプでありながら、反応が鈍くないのがいいです。

構えたところにしっかりとラインを出していけますし、小ぶりなのでいわゆる『逆球』も出づらいです。
逃がすときは逃がす。
つかまえるときはつかまえる。
そういったプレイヤーのイメージをしっかりとボールに伝えてくれる『メリハリ』の利いたアイアンです。

いろいろなパーツが組み合わさった、ハイテクタイプのアイアンもたくさんありますが、私はやはりこのようなシンプルなタイプが好きです。
ゴチャゴチャしていないので、『目が散らない』といいますか、落ち着いて見ることができますし、こちらの思いが伝わりやすいように感じます。

このアイアンはポケキャビですが、普通のキャビティも見てみたいと思いました。
私はポケキャビを使うことはおそらく、ずっと無いと思います。
それはポケキャビがダメだというのではなく、あの形状だと、どうしても重心が深くなるイメージをもってしまうからです。
アイアンは重心が浅く、前にあればあるほどいいと私は思っています。
そのほうが操作性が高まりますし、上から潰すイメージも出しやすくなります。
しかし、今はいろいろなタイプのアイアンがあるので試打していても楽しいです。

いかに易しく、そしてプレイヤーの感覚を大切にしながら、ゴルフをエンジョイできるか・・・。
そういったことを常に考えているメーカーがヤマハだと思います。
ゴルフクラブはボールを打つ道具ではありますが、打つ前にまず目で見ます。
なので、美しくなければいけません。
目で充分楽しんだ後に、実際に球を打って違う楽しさを味わうことができるのです。
そういった意味でも、このアイアンは『合格』です。

今日はヤマハのアイアンでたっぷりと楽しませてもらいました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年12月08日
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ヤマハ RMX VD40 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana YR i です。
ロフトは30度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は59.5g、キックポイントは中調子、クラブ総重量は375g です。

ヤマハの新しいアイアンです。
この巨大さに目が行きがちですが、これまでも出会っているので、特に驚くことはありません。
ヤマハはフォージドアイアンから、このような超ラージサイズのアイアンまで、幅広いモデルをラインアップしています。

こうして見ても、かなり大顔でシャロー感があります。
マッコウクジラを連想しました。
アイアンというカテゴリーを維持しながらも、限りなくUTやFWに近づけているのではないでしょうか?

彫りの深さもたっぷりあり、ヘッドのほぼ全ての部分においてくり抜かれています。
バックフェースには、黒いパーツのようなものがありました。
これはどういう意味があるのでしょうか?

トップラインは、やや厚めではありますが、ヘッド全体の大きさからすると、それほどでもありません。

ワイドソールですが、ヘッドの大きさからするとバランスがとれています。
ワイドソールを好まれる方は、ちょっと物足りなく感じられるかもしれません。

それよりも、この形状に目が行きます。
『奇異』といいますか、かなり独特な形状です。
ダンロップのアイアンのように、『二分割』されたかのようなソール形状で、特にトレーリングエッジ側が大きく削られています。
ヤマハのアイアンなので、この形状にも大きな意味があるのだと思いました。

ネックの長さは適度にあり、ちょっと意外でした。
とはいっても、最近はこのようにネックの長さがしっかりとキープされているアイアンのほうが多くなりました。
ラージサイズ・低重心タイプのアイアンでも、ネックの長さが適度にあり、それで適正な重心高さが維持されているのではないでしょうか?
今はクラブ設計もCADが主流となっていて、重量配分なども計算されているので、このようになっているのだと思います。
重心は低ければ低いほどボールがあがりやすくて易しい・・・。と思っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうではなく、『適正な高さ』があるのは間違いありません。
むしろ、ある程度高さがあったほうが、『その下』を使うことができるので、用途が広がるということもあります。



そして何と言っても、ネックにはこの大きな突起物があり、このアイアン最大の特徴です。
過去にもこのようなモデルは出会ったことがありますが、これにはどういう理由によるものなのでしょうか?
かなりの大顔なので、重心距離がトゥ側に行き過ぎないよう、ウェイトの役目をしているのかな?とか、スイング中の遠心力による『トゥダウン』を抑えるものなのかな?と思いましたが、真偽のほどは分かりません。
ピンのアイアンは逆にネック付近が凹んでいますし、メーカーの考え方で、真逆ともいえるようないろいろなアイアンに出会えるのが楽しいです。
まさに『逆もまた真なり』といったところでしょうか?
メーカーの、このような柔軟な発想により、様々なクラブが登場するのはゴルファーとして、とてもありがたいことだと思っています。

フェース面にミーリングは無く、シンプルです。
スコアラインもキレイに整っていて、さすがヤマハだな・・・。と思いました。
メーカーによっては、雑に見えたり、チープに見えたりすることもありますが、ヤマハらしく丁寧に仕上げられています。
ヤマハは機能性だけでなく、『美』にも力を入れているのではないか?と、これまでヤマハのクラブにたくさん接してきて強く感じます。

装着されているグリップはとてもシンプルなものです。
海外メーカーにも数多く採用されているような、よく見かけるタイプで、今回はグリップにあまり力を入れていないのかもしれません。
いい意味で特徴が無く、グリップが摩耗しても、何の気兼ねも無くすぐに交換することができるグリップです。
フィット感・弾力感・しっとり感など、私が好むグリップとは大きな違いがありますが、フィーリング重視のアイアンではないので、ちょうどいいのかな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、結構違和感がありました。
全体的な軽さや軟らかさなどもあるのですが、ヘッドが大きくどうしても目に入ってくるので、自分が7番アイアンを振っているという感覚になれませんでした。
今日は練習場ですが、これがもしコースだったら、感覚が合わないので、不安になっていたかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、強めのグースネックとトップラインもカーブを描いていて、『つかまえる気満々』といったところです。
ラージサイズではありますが、想像していたよりも顔が崩れていません。
ある意味、『いい落としどころ』で収まっている感じです。
私が好むタイプの構え感ではないのですが、苦手意識が芽生えることはありませんでした。
かなりロフトが立って見えますが、フェース面自体の見え方はいい感じです。
ベーシックなタイプのアイアンだと、ロフトが適正なので、『出球のイメージ』をしっかり出してからスイングを開始するのですが、今はこのようなディスタンス系が多いので、そこは省いて打つことが多くなりました。
イメージが出てこないこともありますし、仮にイメージが出たとしても、実際の弾道と乖離が大きいことがあるので、あえて省くことにしました。
『出たとこ勝負』といいますか、まずは『打ってから』というようにしています。
試打を開始しました

『打感』は好きになれませんでした。
この打感は予想通りで、薄めでバチンと弾く感じの打感です。
打感や音というのは、プレイヤーのスイング・あるいはインパクトの状況について、『クラブからの返答』だと思っているのですが、その返答内容が薄い感じがします。
レスポンスが薄い・・・。といいますか、あまり『意思の疎通』はできない打感です。
ただ、ラージ系&ディスタンス系では、このような打感が主流なので、特別変わった打感だとは思いません。
フォージドタイプのアイアンと、完全に『住み分け』できているのだと思います。

球はとてもよくあがってくれました。
強くヒットしなくても、ボールが自然とあがってくれる感じです。
上からでなく、ボールの手前からソールを滑らせるようなイメージのほうが、ボールを上手く運べました。
フォージドタイプのように『熱意』とか『気持ち』を込めるのではなく、いい意味で『あっさりと』といいますか、ライトな感覚で打っていけるアイアンです。
気合いを込めすぎないほうがいいアイアンもあるんだな・・・。と、このようなアイアンを試打すると感じます。

『安定性』は最高レベルといっていいほど高く、球がブレません。
このようなタイプのアイアンでラインを出していける方は、『最強の相棒』となってくれるかもしれません。
打点のブレには、かなり寛容で、ボールが影響せず、打っていてどこが『芯』だか分かりませんでした。
先日試打したブリヂストンのアイアンも、かなり寛容なタイプだと思いましたが、このアイアンはそのさらに上を行く感じです。
船に例えると、ブリヂストンのアイアンは『大型フェリー』で、このヤマハのアイアンは『超大型豪華客船』といったところでしょうか?
このアイアンの巨大さ・大らかさを感じながら、そのようなことを考えていました。
これまで出会ってきたラージ系のアイアンは、確かにスイートエリアは広いけど、結構『当たり負け』するな・・・。と感じることもあったのですが、このアイアンにはそういったことをあまり感じませんでした。
それよりも『反発の強さ』を感じます。

『飛距離性能』も優れていますが、完全に飛びに特化しているというよりは、易しく楽に飛ばしていけるアイアンだという認識をもちました。
メーカーがターゲットにしているゴルファーを徹底的に研究して、そのゴルファーに対して高いパフォーマンスを発揮できるよう計算されているのではないでしょうか?
フェースが食いつく感じはなく、『乗り』も良くないですし、ボールがめくれあがるようなこともないので、スピンは『7番アイアン』としては少なめな感じがしますが、それもメーカーの狙いなのではないでしょうか?
低スピンだけど、しっかりとキャリーも出せるので、飛距離性能は長けているアイアンです。
今のアイアンは飛距離性能を求められているものが多くなりましたが、私はアイアンには飛距離よりも距離感を求めたく、グリーンを上から攻めたいですし、しっかりと止めたい・・・。という思いがあるのですが、このようなタイプのアイアンではグリーンに止めるイメージが出てきません。
ただ、それはこのアイアンが良くないのではなく、あくまでも私の経験不足によるものです。
私がこのようなタイプのアイアンでコースをラウンドすることがないから、イメージできないのだと思います。

操作性という点では、かなり難しく感じました。
安定性が高すぎて、フェースをコントロールする感覚が出せません。
元々、このようなタイプはフェースローテーションをするのではなく、フェース面を動かさずに打つように作られているのだと思います。
そういった点では、今のラージサイズドライバーとの相性もいいのではないでしょうか?
試打後の感想

普段、ラージサイズのドライバーを使っているけど、アイアンが小さすぎて、どうしても違和感があって馴染めない、セッティングとしての統一感が出せない・・・。という方は、このような超ラージサイズのアイアンを試してみられるのもいいのかもしれません。
ドライバーばかり大きくなって、アイアンはないがしろにされていた部分はあったと思います。
それは地面から直接打つクラブであるアイアンは、大きくなりすぎてしまうと、違う難しさが出てくるということもあるからです。
しかし、そういったことが全く無いのであれば、試してみる価値は充分あると思います。

私が好むタイプのアイアンではなく、最初見たときから、「うわぁ・・・、凄い大きさだな・・・。」と思っていたのですが、世の中にはいろいろなタイプのクラブがあるべきだと思いますし、そういったたくさんの種類のクラブを開発してくれているメーカーには感謝しかありません。

クラブの好みは人によって様々で、どれが正解か?とはいえないところがあります。
つまり結局はその人の『好み』によるところが大きいのだと思いますが、このようなタイプのアイアンも高いニーズがあるのは間違いありません。
どのメーカー、どのモデルを見ても、同じようなタイプで、『既視感』いっぱいで試打するよりも、一風変わった発想で開発されたクラブに出会えるのはとても嬉しいことです。
そうか、そう来たか・・・。ということや、これはどういう意味があるんだろう?などと、自分なりの仮説を立てたり、疑問をもちながら試打するのも刺激があって楽しいです。

先ほども書きましたが、ヤマハのクラブは『本格的』『美』というイメージがありますが、このような革新性をもったクラブもたくさん開発しています。
私もヤマハのクラブにはとてもお世話になってきましたが、昔も今も、その好感度は変わっていません。

これからも柔軟な発想で、私たちゴルファーを楽しませてもらいたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年11月01日
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ヤマハ RMX VD ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD ドライバー です。

シャフトは MITSUBISHI CHEMICAL Diamana YR です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS です。

ヤマハのニュードライバーです。
先日フェアウェイウッドを試打しましたが、今日はドライバ-を試打する機会に恵まれました。
フェアウェイウッド同様、かなり赤が強調されたデザインです。
今年のモデルは全て赤を基調としているのでしょうか?
赤という色は難しい色で、カッコ良くなることもあれば、逆にケバケバしくなってしまうこともあります。
このドライバーは前者で、さすがヤマハ、デザインにも気を遣っているな・・・。と思いました。
VDとは、どういう意味なのでしょうか?

シャロー&ディープ形状のドライバーです。
ソールにはかなり丸みがあります。
ちょっとした『突起』といっていいかもしれません。
この形状にも大きな意味があるのではないでしょうか?
このような形状は多数派ではないものの、これまでもいくつか見てきました。

ソールにはウェイトが配置されていて、移動できるようになっています。
このシステムはミズノやキャロウェイを真っ先に思い浮かべますが、ついにヤマハのクラブでも見られるようになりました。
ウェイトを移動させることで、重心距離を移動させ球筋を調整できるということです。
とても画期的なシステムですが、当然ながら打感が変わっていきますし、特に必要が無いのであれば、『ノーマル』で使い続けるのが一番いいような気もします。
以前はテーラーメイドのように、複数のウェイトを移動できるモデルがありましたが、今はこのように『ひとつだけ』が多くなりました。

ネックには調整システムが搭載されています。

ネックは見慣れた長さで標準的です。
昔のクラブと比べると、かなり短い部類に入りますが、研究が進んで、それほどロングにする必要がないと分かったからではないでしょうか?
こうして見ても、シャローバックではあるものの、全体的に見れば『ディープタイプ』ということが分かります。

トゥ側にあるヤマハのマークが大きくて存在感を示しています。
これは過去のモデルにも見られました。
以前も書きましたが、楽器にも使われているマークなので、ゴルフ専用のマークがあってもいいのではないでしょうか?
同じヤマハでも、『楽器からの卒業』といったらいいでしょうか?
そういったことがあってもいいと思っています。
性能や品質などが良ければ特に関係は無いのですが、『ゴルフだけ』に特化したメーカーに私は昔から好感を持っていました。
だからビギナー時代も、ブリヂストンやダンロップなどの優れたライバルメーカーがありながらも、『ホンマ』に魅力を感じていたのだと思います。
総合メーカーではなく、『専門メーカー』が好きです。
また、機械で大量生産よりも、ハンドメイドで少数生産に憧れていました。

フェース面はとてもシンプルです。
凹凸が無く、フラットフェースになっています。
IPっぽくて、弾きが良さそうです。

シャローバックですが、クラウンが盛り上がっていて、フェース高も充分確保されています。
今主流の『ディープフェース&シャローバック』タイプです。
シャローフェースはあまり好きではないので、これだけフェース高がキープされていると安心感があります。
フェース面を『横』でなく、『縦』で使えるからです。
フェース面の縦を使うのであれば、これまでの経験上、ある程度の『ディープバック』であったほうが合理的な気もするのですが、今はディープバックを見かけることが無くなり、『お尻』の重たいドライバーが多くなりました。

顔はちょっと独特といいますか、ヤマハにしては珍しいです。
これまでの『ヤマハ顔』とは違います。
『ドローバイアス』が掛かった顔といったらいいでしょうか?
これはフェースアングルというよりは、ヘッド後方の膨らみによるところが大きいです。
トゥ側が大きく膨らんでいればフェード系のイメージが出しやすいですし、このドライバーのようにヒール側が膨らんでいれば、ドローのイメージを出しやすくなります。
どちらがいいか、これは人によって好みの分かれるところだと思いますが、今は『つかまりやすそうなイメージ』を与えてくれるドライバーのほうが圧倒的に多いです。
バルジは真っ直ぐというよりも微妙にカーブを描いていて自然な感じがするので好感が持てます。
バルジが真っ直ぐなほうが好きだという方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は昔からいい感じでカーブを描いているバルジのほうが好きで、パーシモンの名残なのかもしれません。
『直球』を強くイメージしたいのであれば、ストレートなバルジのほうがいいのかもしれないですが、『曲球』といいますか、『曲げるor曲がるもの』という意識があるので、微妙にカーブを描いているバルジのほうがイメージを出しやすいです。
最初見たときは、今時のフックフェースだろうと予想していたのですが、トゥ側が主張していなくて好感が持てます。
顔全体で見ると、『丸顔』と『トライアングル(三角)顔』を足して2で割った感じといったらいいでしょうか?

クラウンがカーボンコンポジットであることが分かりました。
とてもはっきりしているので、わかりやすいです。
今はこのようなタイプが多くなり、まさに『右へならえ』といったところでしょうか?
クラウンだけで見ても、ワンピースタイプよりもツーピース以上のものが多くなりました。
複合素材で後から付け足していく『足し算タイプ』のクラブです。

素振りをしてみた感じはまずまずでした。
この赤いディアマナは軽量で硬さはないですが、それと同時に『細さ』を感じさせるシャフトだな・・・。と思いました。
シャフトは、振ってみて硬いとか軟らかいというのとはちょっと違い、『太さ』をイメージすることがあります。
あくまでもこれは私の感覚的なものなので、上手く表現できないのですが・・・。
太さを感じることができるのは、私が愛用しているCB-50Wというシャフトが真っ先に浮かびますが、細さを感じさせるシャフトも今はたくさんあります。
『骨太』とは違う、魚でいうところの『小骨感』といったらいいでしょうか?
太いからいい、細いからダメというのではなく、その人にあった太さ(実際の太さではなく、『振り感の太さ』)のシャフトがあると思います。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
シャロー感があって今時だな・・・。と思うところもありますが、いい感じでまとまっていて、『膨張感』がありません。
キュッとしている・・・。といったらいいでしょうか?
ボヤけた顔ではないのでイメージが強く出てきます。
フェースアングルを見ると、緩やかなフェード系のイメージも出せるのですが、ヘッド後方の膨らみを見るとドローのイメージも湧いてきて、ひとつのヘッドで相反する見え方がするのが面白いです。
ロフトが10.5度ということもあり、フェース面がよく見えて、高弾道イメージが自然と浮かんできました。
今はこれくらいの(フェース面の)見え方が支持されているのだと思いますが、私はどちらかというと『低いライナー』をイメージしたいので、もっと『絶壁感』があったほうが好きです。
このドライバーは10.5だけど、9,5は無いのかな?と探してみたのですが、このドライバーしか見当たらなかったので、このまま試打をすることにしました。
試打を開始しました

『打感』はソフトというよりはどちらかといえば『しっかり系』ですが、硬くて嫌な衝撃が残ることもなく、好感が持てます。
『一瞬の当たり』を味わえる打感・・・。といったらいいでしょうか?
インパクトから少し押せる感じで、球の質感をはっきりと感じ取ることができました。
これまでのヤマハドライバーで経験した打感です。

『音』は爽快感があって、とても良いです。
さすが楽器メーカーでもあるヤマハだな・・・。と思いました。
しっかりとチューニングができています。
打つ前は、少し甲高い金属音が出そうだな・・・。と予想していたのですが違っていて、やや抑えられた小気味よい音です。
この音だと、サクサク打てちゃいます。
当然、インパクトが緩むこともなく一球一球楽しみながら打つことができました。

球はあがりやすいですが、明らかにヒッター向けのドライバーだと思います。
ロフトが10.5度ということもあり、しっかりあがってくれますが、結構『振っていく』といいますか、『叩いていく』感じがちょうどいいように感じられました。
一時期のように『低スピン』を謳っているモデルではないようで、結構スピンも効いていて、ドロップすることはありません。
私的には10.5よりも9.5のほうが、いい感じの弾道が描けたんじゃないかな・・・。と思いました。
やや高めの『ドッカーン』という弾道・・・。といったら伝わりやすいでしょうか?

『安定性』はかなり高いです。
構えやすいというのも大きいですし、ヘッド自体が大らかさをもったタイプだということが分かります。
今はといいますか、もうずっと『つかまえ系』のドライバーが多くて、それがトレンドなんだろう・・・。と思っていました。
しかし、このドライバーは限りなくストレートなイメージを頭に描いたまま打つことができ、実際に球も曲がらず綺麗なストレートボールで飛んでいきました。
顔のクセの無さが、ボールに乗り移った感じ・・・。といったらいいでしょうか?
最近、このように感じられるドライバーはほとんどありません。
スイートエリアも広そうですが、これまでのモデルも同様のものがたくさんあったので、特別感はありませんが、高いレベルで安定していて曲がりにくいドライバーだな・・・。と思いました。
ヘッド内部に、いろいろな工夫がされているのではないでしょうか?

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
質の良いスピンと力強い弾道で飛んでいきますが、驚くようなところは正直ありませんでした。
『最大の飛び』というよりは『まとまり感』といいますか、『平均的な飛び』を高めていくタイプのドライバーで、実戦向きなドライバーといっていいのではないでしょうか?
『当たり外れ(ナイスショットとミスショット)』が小さいドライバーといっていいかもしれません。
高い性能をもっていますが、これまでのモデルを凌駕するほど飛距離性能をもったドライバーではないと思います。
ただ単に飛距離だけでいえば、これまで試打したモデルのほうが勝っているといえます。

『操作性』という点では、まずまずです。
顔がいいので、インテンショナルな球を打ちやすそうな印象をもっていたのですが、実際に打ってみると、このドライバーがもつ高安定性が、それをかき消しているような印象をもちました。
先日FWを試打したときに、店員さんから『曲げられるものなら曲げてみろ』というコンセプトだと聞いたので、曲げてみたのですが、今回もトライしました。
大きく曲げることは難しいと感じましたが、小さく右にも左にも曲げることができ、特にいい感じで逃がしていくフェード系が印象的でした。
一応、私的にはメーカーの挑発ともとれる宣伝文句に打ち勝ったのではないか?と思えたのですが、曲がりにくいドライバーであることは間違いありません。
『微カーブ』あるいは『美カーブ』といったほうがいいかもしれません。
ほぼストレートですが、微妙に曲がる美しい球筋を打たせてくれるドライバーといっていいように思います。
ゴルフとは、クラブそのものの美しさを楽しむだけでなく、クラブが放つ球筋の美しさを楽しむことができるスポーツなのだと再認識しました。
試打後の感想

ヤマハのイメージに合う美しさ・打感の良さ・音の良さ・顔の良さがあり、おそらく契約プロが使うモデルだと思います。
それでいながら、ハードルの高さを感じさせないように研究して作られているのではないでしょうか?

外見は本格的でカッコ良く、中身は大らかさがあって親しみやすい・・・。
そんな印象をもちました。

バルジの美しさも記憶に残り、最近では珍しいタイプのドライバーだな・・・。と思いました。
『つかまえ顔』のドライバーが苦手だ・・・。という方には是非試していただきたいです。
性能的にも尖ったところはなく、バランスがとれていて、ヘッドの形状のように『丸みのある性能』といったらいいでしょうか?
最高点と最低点の乖離が小さく、まとめやすいドライバーです。

『つかまえ顔』が苦手な、ヒッタータイプのドライバーが安定した飛距離と曲がりにくさを求めていくとき、候補に挙げていくべきドライバーといっていいのではないでしょうか?
性格的にも尖ったところはなく、親しみやすさが印象に残りました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました
2021年10月18日
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ヤマハ RMX VD フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは YAMAHA RMX VD FAIRWAYWOOD


シャフトは Diamana YR f です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は55g、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は320g です。

ヤマハの新シリーズがついに登場しました。
ヤマハのニューモデルは、ずいぶんご無沙汰な感じがしていたのですが、ようやく会うことができ、とても嬉しいです。
ピアノやギターなどの楽器同様、ヤマハのクラブにはいい印象しかありません。
このソールのデザインを見て、すぐにヤマハのクラブだということが分かりました。
多少デザインは変わっても、デザインの『根幹』といったらちょっと大げさかもしれませんが、これまでのモデルとの共通点があります。
『VD』とは、どういう意味でしょうか?
『ヴィクトリーディスタンス』かな?と思ったのですが、おそらくそうではないはずです。

かなりのシャロー感があり、ソール全体の丸みも目立っていて、抜けが良さそうに見えました。
ドライバーと違い、フェアウェイウッドは直打ちすることが多いので、『抜けの良さ』が重要になってきます。
目立つデザインで見た目のインパクトはありますが、色々なパーツが組み合わさったゴチャゴチャしたタイプではなく、比較的シンプルです。

ネックの長さは、今のクラブの中では標準的です。
調整機能は搭載されていません。

シンプルな美しいフェース面で、ヤマハらしい特長が見られます。
ミーリングなども見られないですが、弾きが良さそうな独特な質感です。
キャピキャピしていなくて、いい意味で『枯れた感じ』といったらいいでしょうか?
これまで出会った、弾きが良くて初速が出ているクラブに共通しています。

今の主流ともいえる、シャロータイプです。
『ヤマハシャロー』といったところでしょうか?
ヤマハのFWで見慣れた形状です。

顔の印象はずいぶん変わりましたが、それはクラウンのデザインによるものです。
『化粧』をした感じ・・・。といったらいいでしょうか?
輪郭や骨格を変えずにメイクをして、見た目の印象を変えたような感じです。
ヤマハのクラブは正統派の美顔という印象がありますが、今回はかなり変えてきました。
とはいっても、全体的なシルエットは変わらず、コンパクトで形も乱れていません。
こういったところにメーカーはこだわっているのではないでしょうか?
いわゆる『異型』にすれば、もっと物理的に易しく作ることができると思いますが、そうすると構えづらくなって、逆に難しいクラブになってしまいます。
実際にクラブを打つのはマシンではなく人間なので、そういったことを重視しているのではないかと思いました。

クラウンはカーボンコンポジットになっています。
今は多くのメーカーが採用していますが、ついにヤマハもやるようになったのか・・・。と思いました。
もちろん、とても理にかなった素晴らしい技術だと思いますし、流行のようなものもあるのだと思います。
ヤマハが採用したということで、これからますます採用率が高まるのではないでしょうか?
実際はカーボンクラウンだけど、カーボンに見せない技術というものがあってもいいのかな・・・。と思いました。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでもよく出会ったタイプです。
今回はあまりグリップには力を注いでいないのかもしれません。
それはこのグリップが良くないというのではなく、ヘッドやシャフトの存在感にグリップが負けているというだけです。
私的には『可も無く不可も無い』グリップです。

素振りをしてみると『標準的』といいますか、全て予想通りで、特に変わったところはありませんでした。
一時期、ヤマハのクラブに装着されているシャフトが『乱れている』といいますか、アンダースペック過ぎてヘッドのポテンシャルとの乖離が大きすぎると感じていたこともあったのですが、今回はそれほど大きくはありません。
軽量タイプではありますが、これが今の『スタンダードな重さ』なんだろうな・・・。と思いながら素振りを繰り返してタイミングを整えました。
メーカー側も、本当はもっとしっかりしていて『ハリのある』シャフトを装着したかったけど、そうすると売れなくなるので、仕方なく『カルヤワ(軽軟)』のシャフトにしているんじゃないかと、このクラブだけでなく、多くのクラブで感じます。
もちろん、クラブの重さやシャフトの軟らかさなどは人によって好みが大きく違うので、どれがベストということはないですが、昔と比べるとずいぶんと軽量化・軟化してきたように感じることが多いです。

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じで、さすがヤマハだな・・・。と思いました。
クラウンのカーボン模様が目立ちますが、構え感を損なっていません。
ラインのイメージを出すことも邪魔せず、比較的おとなしい印象です。
フェース全体は少し左を向いているように見えたので、『つかまえ系』のクラブだな・・・。と思ったのですが、特に構えづらいとか、方向性に不安があるということはありませんでした。
試打を開始しました

『打感』は良いです。
ソフトではありますが、ボヤけた感じはなく、しっかりと芯があって、球の重さを充分感じ取ることができました。
イメージしていたよりも球離れが速い感じで、『まったり』ということはありませんでした。
ただ全体的に見れば、ヤマハらしいといいますか、『想像の範疇』にある打感です。
ヤマハファンにも納得してもらえる打感といっていいのではないでしょうか?

『音』もいい感じです。
予想していたよりも抑えられた音で、気持ちよく振り抜けました。
小気味良い金属音ですが、その波長が長くはなく、短くてすぐに消える感じがいいです。

球はよくあがってくれました。
クリークなので、元々あがりやすいクラブではあるのですが、このシャローすぎない形状でありながら、『超シャロー』並のあがりやすさがあります。
ソールにウェイトなどは見られませんが、かなり重心を低くしているのでしょうか?
構えたときの感覚などから、あまり『上から』打つ(V字)タイプではなく、ボールの『横っ面』を平行移動させるタイプのように感じていたのですが、やはりそのイメージがいいようです。
ソールの丸さもすごくいい感じで、『接地面積の少なさ』で勝負していけるクラブといえるのではないでしょうか?
適度に小顔ということもあり、これならラフでも大活躍してくれそうだな・・・。と思いました。
クリークは『飛ばす』ということと、『狙う』といいますか、グリーンを上から攻めていきたいクラブですが、これくらい高くあがると、それが高確率でできそうです。
直打ちでも充分あげてくれますし、ドロップしてキャリー不足ということにはなりにくいように感じました。

『安定性』も高く、球筋が安定しやすいクラブです。
カッコいいクラブですが、シビアさは感じず、むしろ大らかさがあります。
この大きさでは『最大級』といっていいほどのスイートエリアの広さがあるのかもしれません。
フェース中央付近で打っても、トゥ寄り・ヒール寄りに少しずらしても弾き感はそれほど変わらず、球筋が乱れず安定していました。
ただ『小顔の良さ』といったらいいでしょうか?
曲げたいときには曲げられるクラブです。

『飛距離性能』は予想よりも高く、キャリーをしっかりと稼ぎながら、『スピン過多』で急に勢いが衰えることもありませんでした。
しっかりと押していける強い球の打てるクラブです。
球はあがりやすく弾道も高いですが、バックスピンが抑えられていて、逆に『フォロースピン』が掛かっているのではないか?と思えるほどの『上へ上へ』ではなく、『前へ前へ』という弾道でした。
軽量感もあり、シャフトも軟らかめなので、このスペックにハマる方は大きなパフォーマンスが期待できるのではないでしょうか?
ただどちらかといえば、ヒッター向けのクラブといった印象があります。

『操作性』は普通です。
大らかで直進性が高いクラブですが、曲げにくいタイプのクラブではなく、私がフッカーだからなのか、一球目からドロー系の球が出ました。
店員さんから、このクラブは曲がりにくくなっていて、「曲げられるものなら曲げてみろ」ということのようですよ・・・。と言われたので、私はそれなら曲げてみようじゃないか・・・。と奮起し、曲げてみました。
見た目よりも寛容なクラブですが、『曲げにくい』という印象はなく、普通に曲げることができるクラブです。
構えたときに『つかまえ顔』に見えたせいか、フック系のほうが自然な感じがしました。
右に曲げることもできましたが、つかまりの弱い球ではないので、いわゆる『コスり系』の球は出にくい印象です。
フェード系の方にも合いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想

ヤマハのクラブは美しいものが多いですが、全体的な質感がいいな・・・。と思っていたら、店員さんから、このモデルはチタンですよ・・・。と教えてもらいました。
ドライバーはチタンだけど、フェアウェイウッドはメタル。という時代が長く続き、そういうものだと思っておられた方も多いのではないでしょうか?
もちろんこれまでも、フェアウェイウッドでチタンのクラブはありましたし、『フェアウェイチタン』という言葉も使われてきました。
しかしドライバーと違い、ヘッドをそれほど大きくする必要のないフェアウェイウッドはチタンにするメリットがドライバーほど大きくないといわれ、メタルが採用され続けてきたという歴史があります。
それでもだんだんと『チタン化』の波が押し寄せてきたようで、フェアウェイウッドにもチタンを採用するメーカーが増えてきました。
チタンなので、おそらく高価だろうと思い、値段を尋ねてみたら、やはり税込で6万円近くするということで、ドライバーに近い値段でした。
フェアウェイウッドの値段といえば、だいたい『2~3万円くらい』というイメージがあったのですが、これからは高価格帯と低価格帯の二分化がされるかもしれません。

このクラブを試打しながら、テーラーメイドのFWをすごく意識して作られたんだろうな・・・。と思いました。
それくらい、球を打っていて共通する部分が多かったからです。
見た目以上にあがりやすくて、スピンが抑えられ高弾道&強弾道。
そして打感や音もいい・・・。というヤマハのブランドイメージに合う高いフィーリング性能。
まさにいいとこ取りのフェアウェイウッドです。

ネックといえば、先ほども書きましたが、やはり値段でしょうか?
チタンということで、高額になっています。
ドライバーでは『普通』といえる値段ですが、FWに5万円以上出すのは抵抗感がある・・・。という方も少なからずいらっしゃるかもしれません。
距離の稼げるFWなので、スプーンはブラッシーくらいに。
そして、このクリークはバフィかスプーンの代わりを充分役目を果たしてくれるので、コスパが悪いとは思いませんでした。
しばらくヤマハのクラブに出会えていなかったのは、このクラブの研究開発に時間が掛かったのは想像に難くありません。

カッコ良さ・飛距離やあがりやすさ、そして安定性などの物理的性能。
そして打感や音といったフィーリング性能も高く、バランスのとれたフェアウェイウッドです。
私的には、もう少し『つかまえ顔』が抑えられていると、さらに好感度があがったと思いますが、それは私がこれまでチーピンにさんざん悩まされてきた過去があるからであり、むしろこれくらいのつかまりの良さが多くの方から支持されるのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました
2020年11月24日
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ヤマハ インプレス UD+2 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレス UD+2 ドライバー


シャフトは Fujikura Air Speeder for Yamaha M421d です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は48g、バランスはD4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は279g です。

ヤマハインプレスUD+2シリーズの新しいドライバーです。
ヤマハらしく、とても美しくて高級感があります。
『質感がいい』ということも、ヤマハクラブの特徴です。

UD+2シリーズらしく、かなり大きく見えます。
ヘッド体積の上限は460ccですが、シャローにすることで、これだけ大きくできるということを再確認しました。
シャロー感が強く、いわゆる『円盤型』のドライバーです。

ヒール側には『UD+2』という表示がされています。
たしか『2番手上の飛距離』という意味だったと思うのですが、ドライバーの2番手上って、何だろう?と思いました。

ネックは短く、これ以上無いというほどシンプルです。
かなり『頭でっかち』に見えます。
ネックに調整システムは搭載されていません。

ソールのフェース寄りにある、この工夫にはどのような意味があるのでしょうか?
最近は溝であることが多いですが、これはまた新たな技術かもしれません。

ヒール側にはウェイトがひとつだけ配置されています。
ヘッドの大きさの割には、ウェイトは大きくありません。

トゥにある、ヤマハのマークがよく目立っています。
このマークは世界で認識されていて、それくらいヤマハは世界的な楽器メーカーです。
しかし、ゴルフブランド専用のマークがあってもいいのかな・・・。と、いつも思っています。
ピアノは海外メーカーが多いですが日本のメーカーも優秀で、私はヤマハと河合楽器のピアノが世界最高だと思っています。
私は小さい頃、ピアノを少しだけ習ったことがあり、どうも性に合わなくてすぐに辞めてしまったのですが、もしピアノが弾けたらどんなに素晴らしいことかと後悔しています。
ショパンの英雄ポロネーズや、リストのラ・カンパネラ、リチャードクレイダーマンのレディーディーが弾ければ、どんなに幸せなことか・・・。
ピアニストの方が羨ましいです。
その教室にあったのが、YAMAHAとKAWAIピアノで、上手く弾くことができなくても、その鍵盤が紡ぎ出す心地よい音に、いつも耳を傾けていました。
ピアノを弾くことは性に合わなかったのですが、ギターは多少たしなんでいて、ヤマハの黒いストラトタイプのギターを一本所有していました。
ネック部分がとても握りやすく、指板とフレットが、かなり凹むまで、弾き込みました。

超シャローヘッドです。
これはもうお馴染みで、かなり『後ろ』が長く見えます。

独特な顔です。
正直、好みではありませんでしたが、これだけの大きさやシャローにするには、理にかなった顔なのだと思います。

装着されているグリップは好感が持てます。
以前アイアンを試打したときにも経験しました。
ソフトさとしっかり感の共存したグリップです。

素振りをしてみると、かなり軽くてシャフトの動きも大きいので、タイミング重視でコンパクトに振っていくことを心掛けました。

ボールを前にして構えてみても、あまりいい感じはしませんでした。
しかし、これはあくまでも私の好みによるもので、このドライバーの構え感が良くないということではありません。
フェースが左を向いているように見えましたし、オフセットに見える工夫も要らないな・・・。と思いました。
クラウンにも、ソールと同じように□の凹みがあります。
やはり、これは何か意味があるのだろうと思いました。
試打を開始しました

『打感』は少し堅い感じがしましたが、特に問題はありません。
好感が持てる打感です。

音も好感が持てました。
やや乾いた感じの音で、心地よく打っていくことができました。

球はあがりやすくて、かなり打ち出しが高いです。
ロフト(10.5度)もあると思いますが、ドロップした球が打てないと感じるほど、自然にあげてくれます。
こういったところは、シャロー系ドライバーの特徴といっていいかもしれません。
後ろ(ヘッド後方)が重いドライバーの特徴で、スイング中、常に上を向くような感じです。
それを嫌って、少し上から打とうとすると、逆にスピンが増えそうに感じました。

『安定性』は高く、オートマチックなドライバーです。
スイートエリアも、かなり広いのではないでしょうか?
フェース面のほぼ80%以上は『曲がらないエリア』と感じるくらいの大らかさがありました。
私がフッカーだからかもしれませんが、球のつかまりが良くて、少しドローめな球が出やすいです。
ただ、このドライバーの場合は『ヘッドを操作する』というよりも、『シャフトを操作する』といったほうがいいくらい、シャフトに気を遣いました。

『飛距離性能』は、このスペックのドライバーとしては、高いレベルにあると思います。
叩きにいかないほうがいいドライバーです。
少しパンチが入ると、途端にスピンが増して高~くあがって、急速に落ちる感じがしました。
フェースの弾きがすごくいいので、高反発モデルなのかと店員さんに尋ねたのですが、ルール適合モデルだということでした。
最近は高反発と思わせるような弾きの良い適合モデルが多くなりました。
弾きはいいですが、反発係数の上限が定められているので、もうとっくに限界値までいっていると思うのですが・・・。

『操作性』という点では、このようなタイプなので、あまりいいとは思いませんでした。
『直進性』『曲がりにくさ』のほうが、どうしても勝ってしまいます。
球のつかまりがいいので、フェードヒッターの方には、特に合いやすいかもしれませんが、つかまり過ぎる感じもしないので、ドローヒッターの方に難しいというタイプでもありません。
試打後の感想

ヤマハらしく、美しいデザインが目を引き、新たな技術が加わっていました。

ヘッド全体の質感も良く、さすがヤマハだな・・・。と思いました。

フェースの弾きがいいので、少し振ってみたくなったのですが、抑え気味のほうがいい球が出ました。

見た目通りの性能で、かなりターゲットを絞っているのが解りました。

HS40以下の方で、この顔を好まれる方であれば、かなり相性がいいのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年11月02日
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ヤマハ インプレス UD+2 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレス UD+2 アイアン


シャフトは Fujikura Air Speeder です。
ロフトは25度、クラブ長さは38インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は49g、バランスはC9、キックポイントは中調子、クラブ総重量は352g です。

ヤマハインプレスの新しいアイアンです。
ヤマハも毎年NEWモデルを発表してくれますが、ずいぶん久しぶりな感じがします。
ヤマハは惚れ惚れするような美しいアイアンもあれば、このように極限まで機能性を高めたモデルも発表していて、幅広い層から人気があります。
軟鉄の質感は無く、おそらくステンレスだと思うのですが、ヤマハらしくとても綺麗に仕上がっていて高級感があります。
チープさは全く見られません。
軟鉄の質感が苦手で、ステンレスの質感が好きだという方には、とても魅力的に見えるのではないでしょうか?
私はヤマハのクラブは美しくなければならないと勝手に思っているのですが、このアイアンも美しく仕上がっているので好感が持てます。
どのような形状のクラブが出てもいいですが、ブランドイメージだけは絶対に崩して欲しくありません。

大きいというよりは『巨大』という言葉がふさわしいアイアンです。
前のモデルも大きかった印象がありますが、今回はさらに大きくなったような気がします。
機会があれば、見比べてみたいです。


彫りの深さもたっぷりあります。
おそらく、今出回っているアイアンの中でも最大級ではないでしょうか?
これに匹敵するアイアンといえば、プロギアのeggくらいかもしれません。
重心の深さにもこだわっているようです。

トップラインは、やや厚めではありますが、このヘッドの巨大さからいったら標準といえるような気もします。
厚みがありますが、丸みが強調されていないのがいいです。

かなりソール幅が広いです。
こうして見ると、普通のアイアンというよりは、完全に『ユーティリティアイアン』といえます。
これだけソールが広いと、ダウンブローのイメージは湧かず、ソールを滑らせるほうが自然な感じがします。

ソールのポケットの部分には『ERIC OFF』の文字があり、前にも見たことがあります。
どういう意味なのでしょうか?

そのヒール側には3つの凹みがありますが、これも少し気になりました。
おそらく大きな意味は無いと思うのですが、わざわざこのような工夫がされているということは、それだけの理由があるのかもしれません。
実際に球を打つ前にクラブを見て、このように色々と想像力を働かせるのも試打する楽しみのひとつです。

ソール形状は丸いというよりは、かなり平らに近い形状です。
リーディングエッジが少し削られています。
抜けも結構良さそうですし、ソールを丸くして『接地面積』を小さくして滑らせるのではなく、ソール全体で均一に滑らせるようなイメージです。
マニュアルタイプのアイアンだと、色々な遊び方(使い方)ができるのが大きなメリットですが、このような『大船タイプ』といいますか、オートマチックタイプは一通りの打ち方しかできないようです。
応用は利かなさそうですが、その一通りの打ち方を高確率で出来るように作られているように見えます。
小回りが利くタイプを選ぶか、それとも小回りは利きにくいがひたすら真っ直ぐに運んでいけるタイプを選ぶかは、プレイヤーの好みによるところが大きいのではないでしょうか?

ネックは短めではありますが、今のアイアンの中では標準といっていいようです。
ヘッドが大きいので、かなり『頭でっかち』に見えます。
こうして見てもグースが利いているのが分かりますが、それほどきつくはありません。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通のフェース面です。
このような質感のフェース面は、これまでもよく目にしてきました。

スコアラインの下二本が白です。
下一本は白というのはよく見ますが、二本というのは少ないです。
それだけ、ターゲット方向に向きやすくなるようにこだわって作られているのでしょうか?
私はスコアラインの白は要りませんが、このような工夫があったほうがいいという方もたくさんいらっしゃると思います。

装着されているグリップはソフトさとしっかり感の両方が味わえるタイプです。
このグリップは以前も目にしてきました。
シンプルさの中にも、色々な工夫がされているようです。
バックラインがありました。
私は無いほうが好きですが、スコアラインの白といい、グリップのバックラインといい、かなり構え方を限定しているようです。

素振りをしてみても、なかなかイメージが湧いてこないのですが、何とかタイミングだけでも合わせるように心掛けました。
こういったときは片手素振り(右打ち・左打ち)が有効で何度か繰り返し、ややコンパクトに振っていくようにしました。

ボールを前にして構えた感じは、予想していたよりもいいです。
ラージサイズではありますが、グースもキツすぎず、苦手意識は芽生えません。
トップラインの厚みが目立ちましたが、このようなタイプでは普通ですし、それほど気になりません。
いつも使い慣れているタイプのアイアンとは『全くの別物』だと思っていますが、遠くかけ離れた感じはしませんでした。
このようなラージサイズの『ユーティリティっぽい』アイアンの中では、かなり構えやすいです。
実際に見比べたわけではないので、はっきりとしたことはいえませんが、おそらく前に試打したモデルよりは、こちらのほうがいい顔をしていると思います。
このようなタイプは大顔ということもありますし、『フェース高』が低くてシャロー感がはっきりしたものが多いのですが、このアイアンは少しフェース高があって、弾道の強さをイメージさせてくれます。
トップラインが真っ直ぐではなく丸みを帯びているのでグースがきつくないものの、包み込むイメージを出しやすいという方も多いのではないでしょうか?
今回は、かなり顔にもこだわったような気がします。
試打を開始しました

最初の2球ほど、ダフってしまいました。
ダウンブローでやや薄めに拾って、そこから潰していく感じ・・・。というのではなく、最初から滑らせる感じでいいと思ったのですが、それでもダフりが強めに出てしまいました。
これはクラブのせいではなく、完全に私の未熟さによるものです。
軽量感とイメージの薄さが要因のような気もしたのですが、いったん打席を外し、もう一度素振りを繰り返してタイミングを整えることにしました。
どうも私は軽量級のクラブだとミスが出やすくなってしまい、これはなかなか治りません。
いくら練習しても、課題が無くなることは決して無くならないのが、ゴルフの奥深いところでもあり、楽しいところでもあります。
気持ちを落ち着かせて、再び試打を開始しました。

『打感』は馴染めませんでした。
薄い打感で、バチーンと弾く感じです。
打感から伝わってくる情報量も少なく、なかなか感覚が合いません。
しかし、このような打感は想定済みでしたし、驚くようなこともありませんでした。
フィーリングを度外視して作られているのかもしれません。
でも、この打感はいわゆる『ユーティリティアイアン』だけではなく、ノーマルタイプのディスタンス系アイアンでも経験してきました。
『球の乗り』や『くっつき感』ではなく、ひたすら『弾き』を重視しているのではないでしょうか?
この打感が好きだという方もたくさんいらっしゃると思いますが、正直私は好みません。

球はすごくあがりやすいです。
浮きやすいということもあるのですが、最高到達点がとても高く、『大きな山』のようです。
このようなタイプのアイアンだと、球はあがりやすくても『山の高さ』は少し抑えられているものが多かったように思うのですが、このアイアンはその山の高さもしっかり出せます。
構えたときにイメージした高さと、実際の弾道が完全に合っていません。
この合わないところに、今のハイテクがあるような気もします。
感覚的なことよりも、より機械的に(オートマチック的に)球を打つ(運ぶ)機能を重視して作られているのではないでしょうか?
かなりゆっくりめで打ってみたのですが、それでもボールは高~くあがっていきました。
こんなにゆっくり振っているのに、これだけの高さを出してくれているのは見事だな・・・。と思いました。

『安定性』はかなり高く、今のイージー系アイアンの中でも、トップクラスといって間違いないと思います。
スイートエリアが、かなり広めで『曲げにくい』アイアンです。
『大船の中の大船』といったらいいでしょうか?
キング・オブ・オートマチックといっていいかもしれません。
フェースターンやフォローのことを考えず、極端にいえば、フェースをボールにぶつける感じでストレートに近い球が打てるアイアンです。
同じストレート系の球筋でも、『弓で射るような』球筋もあれば、『ミサイルの発射台から放たれるような』球筋もあります。
このアイアンの場合は完全に後者でした。

『飛距離性能』はかなり高いです。
これまでのモデルもそうですが、この飛距離性能の高さが最大のウリといっても過言ではありません。
私の感覚では完全に『5番アイアン』ではなく、その先の『4番アイアン』といった感じです。
その4番アイアンの飛距離をすごく易しく高確率で打たせてくれるアイアンです。
ゆっくりめのHSでも充分あげてくれますし、飛距離も稼げます。
球のあがりやすさ・弾きの良さ・直進性の高さが、この飛距離を生んでいるのでしょうか?
前のモデルも凄い飛びだな・・・。と思いましたが、今回のモデルもかなり『エグい』です。
ドライバーのように飛距離を求めるクラブは『落ち際の緩やかさ』といいますか、緩めの落下角度が求められ、逆に距離感を大切にしたいアイアンは早く落ちて欲しいといいますか、必要以上に浮いて欲しくないというところがあります。
早く落ちて止まって欲しいということがよくありますが、このアイアンは弾きが強く、球の落ち際がゆっくりなので、ウッド系のような弾道に見えました。
アイアンにもし『飛距離選手権』があるとするならば、このアイアンは間違いなく『メダル候補』といえるのではないでしょうか?
ディスタンス系のアイアンはどうしても『止め』に不安が生じ、せっかくグリーンをとらえても止まってくれるか不安になりますが、これだけの高さがあれば、結構止まってくれるかもしれません。

『操作性』という点では、秀でていません。
曲げにくく、いい意味で『オートマ性』が邪魔しています。
インテンショナルなショットを打つために作られたアイアンでないことは打つ前から分かっていましたが、実際に曲げようと思っても、なかなか上手くいきませんでした。
ただ、球のつかまりはそれほど極端ではありませんでした。
それは『きつすぎないグース』にあるのかもしれません。
ラージサイズ独特の『ターンの遅さ』といいますか、『プッシュ感』が少し感じられました。
強いグースを好むスライサーの方は少し右に出てしまうかもしれませんが、大きなミスにはつながりにくいような気がします。
このような大顔のアイアンはどうしても『ヘッドをぶつける』というイメージになってしまい、そういったときはミスも出てしまうのですが、このアイアンは『アイアンライク』で構えられたからでしょうか?
大きなミスは出にくいです。
あとは、このアイアンに感覚を合わせていけると、もっと『お近づき』になれそうな気がしました。
試打後の感想

予想していた通り、かなり飛距離性能が高く、高機能なアイアンでした。
さすがはヤマハです。
アイアンのように構えられるようになっているのが大きな魅力です。
これは私の感覚といいますか、好みなのですが、ウッド系のクラブよりも、アイアン系のクラブのほうがラインを出しやすいです。
距離感も合わせやすく、いわゆる『保険』をかけやすいというのもアイアン系クラブの特長です。
このクラブはそのアイアンの構えやすさをもっていたので、そこが前のモデルよりも良かったように思います。
かなり飛んでしまうので、距離感はどうしても合いづらいですが・・・。

ラージサイズで飛距離の出るアイアンを使いたいけど、あの独特のボテッとした顔は苦手だ、アイアンのように構えられるディスタンス系アイアンを使いたいという方にはピッタリといえるのではないでしょうか?
強いグースが苦手な方にも合いやすいと思います。
ヘッドをガツンとボールにぶつけるのではなく、優しく『頬(ボールの横っ面)をなでる感じ』といったらいいでしょうか?
それでボールは高~くあがって飛んでいきます。
『番手感覚』を無くさせるアイアンです。

かなり機能的で、様々なハイテクが搭載されているのは間違いありません。
それでいて、美しさにも気を配っているのが魅力です。
飛ばすことだけに気を取られて、肝心のデザインがもうひとつだったり、質感が良くなくてチープに見えてしまったアイアンもありましたが、このアイアンはとても美しく落ち着いたデザインで高級感があるところがヤマハらしいです。

以前、前のモデルを試打したときに、『UD+2』の意味を店員さんに教えてもらったのですが、『二番手以上の飛び』を意味しているのだということでした。
今日試打してみて、完全に二番手以上で、私の感覚では三番手くらい上の飛距離を感じました。
その三番手上(4番アイアン)の飛距離が、高確率で易しく打てるアイアンです。
アイアンはその高さで、距離感をつかんでいくものですが、今日はそれができませんでした。
構えたときのイメージと、実際の弾道(高さ)が全く合いませんでした。
これからは『新しい高さ感覚』が求められるのかもしれない・・・。と、高い弾道を目で追いながら思いました。

今はアイアンにも飛距離性能が求められている時代だと思います。
なので、このモデルも大ヒットするのではないでしょうか?
これだけひとつの機能(飛距離)にこだわって作られているアイアンは潔いです。
私がアイアンに求めたい機能が、このアイアンには無いので、正直コースで使いたいとは思いませんでしたが、全く違うジャンルのクラブとして大活躍してくれそうです。
多くのゴルファーのニーズに応えた、高い機能性がありながら、構え感を改善するなどの工夫が見られるアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年02月21日
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ヤマハ RMX 220 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 220 ドライバー です。

シャフトは TMX-420D です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は46g、トルクは7.1、バランスはD2、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は290gです。

ヤマハの新しいドライバーです。
ひと目でヤマハと分かるデザインで、美しく個性があるので好感が持てます。
オリジナリティのあるデザインは、その価値を高めます。
RMXが登場してから試打していて、最初は調整機能の印象が強かったのですが、飛距離も魅力的なブランドです。
初期モデルでは不具合があって、回収騒動もありましたが、そのときのメーカーとしての対応が素晴らしかったと私は思います。

ラージサイズで扁平といいますか、かなり平べったくて薄い感じがします。
最近は厚みのあるヘッドも見られるようになりましたが、まだまだこのようなタイプも多く見られます。
クラブの性能が大きく分かれてきているような気がします。

ソールには二本の赤い溝があります。
これは以前試打したFWにも見られました。
大きさが違うだけで、瓜二つなデザインです。

ネックは、やや短めですが、今では標準といえるでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されていました。
調整システムというよりは、手軽にシャフトを交換するためのものかもしれませんが、詳しいことは分かりません。

シャロータイプですが、普通のシャローというよりは、『大型シャロー』といったほうがいいかもしれません。
シャロータイプは珍しくないですが、ここまで大きさを感じたのは久しぶりのような気がします。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
これまでも出会ってきました。
場所によってパターンが違います。
ソフトさはあまりありませんが、グリップ力は適度にあります。
しかし、これまでの経験上、このタイプはすぐに『使い減り』するタイプで、滑るようになると思います。
もっと『しっとり感』があれば、カバーできるところもありますが、このグリップはそういうタイプではないので、グリップ交換の時期は早いような気がします。
調整システムが搭載されているからでしょうか?
バックラインはありませんでした。
私はバックライン無しが好きなのですが、有りを好まれる方はとても多いと思いますし、そういった点では不満に感じる方がいらっしゃるかもしれません。
『調整システムの弊害』といったら大げさかもしれませんが、プラスがあれば、必ずマイナスもあるということです。

顔を見て、ギョッとしてしまいました。
ラージサイズなのは想定済みでしたが、かなりのフックフェースです。
今はフックフェースのドライバーが多いですが、ここまでのものはなかなか見られません。
昔試打した、テーラーメイドのバーナードローというドライバーを思い出しました。
このフックフェースは今では珍しいですし、しかもヤマハから発売されているのが意外でなりません。
しかし、こういう形へのニーズもあるのだと思いますし、ヘッドを大きくすれば、こうしないとつかまりきらないというメーカーの『ファイナルアンサー』なのでしょうか?
ウェイトを増やしたり移動させたりするだけでは解決できず、フェースアングルを『いじる』しか、解決法はないのかもしれません。
大きくすることへの弊害といっていいような気もしますが、人によって『大きさの基準』や『フェースの向きの基準』も違ってくるので、これくらいがちょうどいいという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
『ニュートラル』というのは、言い換えれば『スクエア』になるのかもしれませんが、それを数値で表すとすると、必ずしも万人が『90度』ではないと思います。
人間には数値では表しきれない感覚というものがあり、経験を積んで磨かれるということがあるからです。
フェースアングルも極端ですし、ヘッド後方の伸びもスゴいです。
一時期はよく見られましたが、今では珍しいです。
私はポカンと口を開けてしまいました。
気持ちの整理がつかず、ずっと「意外だ」ということばかりが脳裏をよぎっていました。
かなりのラージサイズですが、これがもし白や黄色だったら、もっと大きく見えたと思います。

素振りをしてみると軽量感があって、シャフトも大きく動きますが、これくらいが今の『軽量スタンダードスペック』といえるのかもしれません。
290gということですが、もう少し軽く感じました。
振りにいっちゃうとヘッドの挙動が安定せず、コントロールしきれない感じがしたので、今日は振らずに合わせていくしかないように感じました。

ボールを前にして構えてみても、やはり苦手意識ばかりが先行してしまいます。
ボールが左へ行くイメージしか湧いてこないですし、『左回りのぐるぐる』といったら伝わるでしょうか?
トンボをつかまえるときに目の前で指をグルグル回す感じで、目が回ってしまいそうです。

余談ですが、トンボの前で指をグルグル回してもトンボは捕まえられないと思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、結論からいいますと捕まえられます。
しかも、かなり簡単に捕まえられます。
最近はトンボを見なくなりましたが、私は子供の頃、夏はよくセミやトンボ・カブトムシなどを捕まえに行っていて、トンボが止まっている目の前で指を回すとトンボは指の動きに合わせて頭をくるくる回します。
その瞬間につかまえるのですが、これが意外なほど簡単です。
トンボが実際に目を回しているとは思えず、指の動きを注視するあまり警戒心は薄れてしまうのではないかと思うのですが、私はこのドライバーの顔を見て、左回りに目が回りそうな感覚がありました。
久しぶりに強い苦手意識が芽生えました。
スライサーの方には心強い構え感かもしれませんが、フッカーで、これまでたくさんチーピンを打ってきて苦い経験をしている私にはどうしても馴染めない構え感でした。
『ヤマハ顔』ではなくて、『未知の顔』といったほうが近いです。
頭の中がモヤモヤして、呼吸が浅くなりました。
「難しいクラブだな・・・。」と思いました。
どういうことかといいますと、『イメージできない』ということです。
打つ前に、いいイメージが出せないクラブというのは、どのように球が飛び出していくかも分からず、『行き当たりばったり』になってしまい、確実性が落ちるので、ミスショットの確率が高まってしまいます。
正直、いいショットを打つ自信は全くありませんでした。
苦手意識が芽生えましたが、こうして出会うことができたのも何かの縁なので、試打を続行することにしました。
ただ、このままだとおそらく左へ巻いてしまうと思ったので、オープンスタンス気味でカット目に打っていくことにしました。
試打を開始しました

『打感』は適度にしっかりとして芯がありながらも、決して硬くなく心地よい感じで好感が持てました。
フェースに乗る感じはなく、かなり球離れが速いです。
まったり感ではなく、弾き感があります。

『音』も、いい感じです。
はっきりした音ですが、大きすぎず高すぎず、インパクトの邪魔をしません。
気持ちよく振らせてくれる音です。

『球のあがりやすさ』は、まずまずです。
これまでの経験から、9.5度ではあっても、かなり球が浮いちゃうんじゃないか?と思っていたのですが結構抑えられていて、いい意味で意外でした。
ラージサイズのシャローヘッドで、かなりの『大船タイプ』ですが、かなり低スピン性能が高いです。
これまでだと、高~く吹き上がって急に失速していく・・・。という感じが多かったのですが、このドライバーは違います。
結構ライナー系に近い感じで、強く飛んでいきました。
スピンが少なすぎてタフだとは思いませんが、ヘッドの印象以上にしっかりしていて、ギャップがありました。
ただ装着されているシャフトとの相性はちょっと微妙でした。

『安定性』は、かなり高いです。
ヘッドがかなり大きく見えましたし、見た目通りの『大船感』『寛容さ』をもっています。
自分では、「あっ、打ち損じてしまった、少しコスった・・・。と思っても、ボールはほぼ真っ直ぐ飛んでいきました。
イメージにはない直進性があって、打っていて不思議な感覚でした。
オープンスタンスでカット目に打っていったからでしょうか?
左へ引っかけることもなく、真っ直ぐかややフェード気味の球も出ました。
これだけフェースが被っているのに、右に逃がしていけるのは、やはりそれだけ重心距離が長いのと、インパクトの時に『逃がしやすい』ようになっているのかな?と思いました。
ただ、おそらく私が普段通りに打っていけば、フック系がでるだろうな・・・。と思いました。
完全なる『オートマチックタイプ』で、打ち出し方向さえ間違わなければ、そこから大きく曲がりにくいので、実戦でも大きなミスにはなりづらいような気がします。

『飛距離性能』はかなり高く、これも意外でした。
フェースがよく弾いてくれていて、初速も出ています。
オートマ系でありながら、完全な『高速系』ドライバーです。
『スピード系』といっていいかもしれません。
初速が出ていながら、先ほども書きましたが、低スピン性能が高くて吹き上がることなく、力強く飛んでいきました。
ラージサイズで軽量感もありますが、この顔が気にならないというのであれば、ヒッタータイプの方にも充分使っていけるのではないでしょうか?
290gという重さに対して、人それぞれ感じ方はあると思いますが、私は300gを切ると軽量系というようにしていて、実際このドライバーは280g台に感じるほど軽く感じたのですが、軽量級としてはかなりポテンシャルが高く、高い飛距離性能をもっています。
ボクシングは体重によって階級が分けられていますが、ボクシングでいえば、ライト級かフェザー級のチャンピオンクラスといったところでしょうか?
外見からは分かりませんが、おそらくかなりの工夫はされているような気がします。
これまでの『顔の良さ』を捨てた何かがあるのかもしれません。

『操作性』という点では、得意なドライバーではないと思います。
構えたときのイメージもそうですし、実際に打ってみても、大らかすぎて曲げることは難しく感じました。
シャフトには『押していける』タイプと、逆に『押されてしまう』タイプがあって、このドライバーに装着されているシャフトは後者な感じで、マイナスに感じるところもありますが、だからこそ逃がしていけるのかな?と思いました。
大きく右に曲げるのは難しいですが、かなりカット目に打って、少しだけ右に曲げることはできました。
フック系も打てたのですが、コースで使えそうな球は打てませんでした。
これはこのドライバーがどうこうではなく、単純に私の技量不足です。
私のようにフェースローテーションを多く使っていくタイプには合いづらいドライバーなのは間違いありません。
フェースを回さないイメージのほうが、合いやすいドライバーだと思います。
ラージサイズでスライサーがちょうどいい角度になるように、重心角や重心深度など計算され尽くしているのではないでしょうか?
試打後の感想

これまでのイージー系で、ポテンシャルがもうひとつのドライバーなのかな?と、打つ前は思っていたのですが、そうではありませんでした。
イージー系なのは間違いないですが、持っているポテンシャルはとても高いです。
フェースの弾きがいいですし、球のつかまりも良くて、その相乗効果が期待できます。

顔の好みもそうですし、シャフトがRということで、グラつく感じがして、叩きにいけなかったのですが、違うシャフトだと、また面白い結果がでたのではないかと思います。
球の弾きが良くて初速が出ているのが印象に残りました。
そして、意外なほど弾道が抑えられていて、効率のいい飛びも、このドライバーの特長です。
顔は明らかに好みではありませんが、打感や音・飛距離は好感が持てました。
私は『ヤマハハンサム』ということを、これまで感じていたのですが、これからのヤマハは違う顔でも勝負していくのでしょうか?

私は昔からヤマハのクラブが大好きで、『惚れた』クラブがたくさんあります。
ドライバーやFW・UT・アイアン・ウェッジ。
どれも魅力的です。
しかし今回は凄いドライバーだな・・・。と思いましたが、もう試打することは無いですし、違うモデルに心が動いています。
私には魅力的ではないのですが、それはこのドライバーが劣っているということではなく、あくまでも私の好みから外れていると言うことに過ぎません。
軽量タイプで、ここまで仕上げてくるのはさすがヤマハだなと思いました。
☆
構えやすさ・・・☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年12月18日
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ヤマハ RMX 120 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 120 アイアン の7番です。
写真を撮り忘れてしまったのですが、
シャフトは N.S.PRO RMX 95 です。
ロフトは31度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は417gです。

YAMAHAのポケキャビです。
ヤマハはクラブのバリエーションが豊富で、色々なタイプが揃っています。
マッスルバックやハーフキャビティのイメージが強いですが、このようなポケキャビタイプも充実していて、選択の幅が広がるところがいいです。
先日、220というアイアンを試打したのですが、また違った雰囲気があります。

まずは、この独特なソール(トゥ寄りの)形状に目が行きました。
なかなか見ない形状で、珍しいです。
ヤマハのアイアンらしくない感じもしますが、これにもきっと理由があるのだと思います。

オーソドックスな感じのポケキャビです。
色々な工夫がされているようですが、特に変わったところはなく、比較的シンプルです。
質感がとてもいいです。
柔らかそうな雰囲気があります。
ヤマハのアイアンには、この何とも言えない雰囲気があるので親近感がもてます。

彫りの深さはたっぷりありますが、バックフェースがボテッと膨れていないのがいいです。
これならば構えたときにも邪魔にならないだろうな・・・。と思いました。
こうして見ていると、普通のフルキャビティに少しポケットを足したようにも見えます。
私はアイアンにポケット構造を求めていませんが、今はポケキャビへのニーズが高まり、ポケットがないと買わないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それくらい、今はポケキャビをたくさん見かけるようになりました。

トップラインは少し厚めですが、これくらいであれば気にならないような気がします。
このようなタイプ(ポケキャビ)のアイアンであれば、これくらいの幅が標準といえるのかもしれません。

ソール幅は少し広めですが、今はこれくらいが標準的です。
もっと広いソールも見かけますが、このアイアンは適正な幅で収まっています。
こうして見るまでは、もっとワイドなソールを予想していましたが違いました。
この広すぎないソールを見て、ヤマハらしい感じがします。
ヤマハは『感覚』を大切にしているメーカーだと、昔から思っているからです。

ソール全体の形状としては、微妙に丸みがあって滑りやすそうです。
平らなタイプでもなければ、丸みが強調されているタイプでもありません。

リーディングエッジも微妙に削られていて、抜けが良さそうです。
芝に『刺さる』イメージは湧いてきません。
トレーリングエッジも適度な丸みがありました。

ネックの長さも適度にあります。
これまで、このようなタイプのアイアンは、もっとネックは短くて太いものが多く、『頭でっかち』タイプが多かったのですが、このニューアイアンは違いました。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
これまで通り、ノーマルなフェース面です。
指で触れてみると、少しザラザラした感じがしました。
ヤマハのアイアンは未だにミーリングのイメージがあるのですが、もうやめてしまったのでしょうか?
これからの新しいミーリングに期待したいです。

装着されているグリップは、よく見られるタイプです。
グリップにも流行のようなものがあるのでしょうか?
最近よく見かけます。
私はアイアンとウェッジのグリップはツアーベルベット一択なのですが、今はグリップの種類も豊富になりました。
このグリップはツアーベルベットのような『しっとり感』はないですが、大きな不満はありません。
ある程度使っていると、つるつると滑ってくるのが早いだろうな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
やや軽量タイプではありますが、頼りなさはなく、タイミングも取りやすいです。
今はアイアンにもカーボンシャフトを装着される方が増えてきましたが、スチールもまだまだ健在です。
N.S.PROのように高品質で高精度なシャフトを使い続けることによって、感性が磨かれることもあるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
好みの顔ではなかったのですが、構えづらいということはなかったですし、苦手意識も芽生えません。
少し大顔に見えましたが、大きすぎないのがいいです。
グースが抑えられているので、強いグースが苦手な私は安心感をもって構えることができました。
気持ちが盛り上がってきて、グッと集中していく・・・。というよりは、ややドライで淡々とした感じで見つめていました。
こういうアイアンも『アリ』だな・・・。という感じで構えていました。
試打を開始しました

『打感』は不満が残りました。
一球目を打って、
あれっ変な打感だな、おかしいぞ・・・。ミスヒットしちゃったのかな・・・。と思い、打ち直してみたのですが、やはり同じような打感が続きました。
打つ前はもっとソフトな打感を予想していたのですが、全く違いました。
『ゴツン』という感じの、馴染めない打感です。
手にちょっと衝撃が残ってしまいました。
全体的な質感がとても良く、打感も期待していましたが違いました。
私が元々大好きで、フィーリングにおいても信頼を寄せているヤマハということで、最初から期待値が高すぎたのかもしれません。
しかし、それを差し引いたとしても、この打感は馴染めなく、一気にふくらみかけた風船がしぼんでいきました。
期待していただけに、残念です。

球はとてもあがりやすいです。
重心も低そうで、タフなアイアンではありません。
『横からはらう』打ち方が最適なアイアンだと思います。
ソールが広すぎたり、グースがキツすぎたりすると、私はダフってしまうこともあるのですが、今日は最初からきっちりとヘッドを入れていくことができました。
重心の低いアイアンの長所といっていいと思います。
少し薄めでヒットしても、しっかりとあげてくれるところがいいです。

『安定性』は高く、完全なオートマチックタイプのアイアンです。
少々の打点のブレにも強く、乱れる感じがしません。
慣性モーメントの大きいアイアンならではの長所が強く感じられます。
シビアさは全くないので、親しみやすいという方も多いのではないでしょうか?

『飛距離性能』も高く、完全なる『番手ずらし』のアイアンですが、今のイージー系アイアンはこれくらいが普通なので、そういった意味では驚くこともないですし、特別飛ぶという感じはしません。
ディスタンス系アイアンによくある、『弾き感』のある打感です。
球がしっかりと乗って、『くっつき感』を味わいながら運ぶタイプのアイアンではなく、『瞬時に』離れていって、ゴルファーの干渉を嫌うタイプ・・・。といったらいいでしょうか?
私には物足りない感じがしますが、これが今のニーズなのでしょうか?
『ゴツイ』感じの打感ですが、弾道もゴツイということはなく、普通でした。
キャリーもしっかり稼げますし、易しく飛ばしていけるアイアンです。

『操作性』という点では、どちらかというと『安定性』が勝ってしまい、あまり大きくは曲げられなかったのですが、左右に曲げることもできました。
構えたときに『クセ』が大きくなかったのが良かったと思いますし、軽量ではありますが、挿してあるシャフトもしっかりと応えてくれたのが良かったと思います。
『オートマ性』が強く、ほぼ中立に感じられましたが、どちらかといえば、フェード系に合いやすいアイアンのように感じました。
安定性が高く大らかでありながら、球がつかまり過ぎないところがいいです。
試打後の感想

ヤマハらしく、美しいアイアンだな・・・。と、打つ前は思っていました。
私は今のところ、ポケキャビを購入する予定は無いのですが、もし購入することになれば、ヤマハも候補のひとつにあげていました。

しかし今回試打した、このアイアンは正直、あまり好きになれませんでした。
先ほども書きましたが、打感が物足りないです。
アイアンに欲しいフィーリングではありません。
何故だろう?大きくミスヒットしたのかな?と思い、フェース面を見てみたのですが、ほぼ中央に集まっていました。

他のメーカーも含め、今は数え切れないほどたくさんのアイアンがあるので、それらの中でも大きく劣るフィーリングではないのですが、物足りなさ・不満だけが残ってしまいました。
私のヤマハに対する要求が最初から高すぎるのかもしれません。
ヤマハの打感はこうでないといけない・・・。と決めつけすぎているのかな・・・。と思いましたが、それを差し引いても不満だけが残りました。
ヤマハのアイアンを試打していると、『後ろ髪を引かれる思い』で練習場を後にすることが多いのですが、今日は予定の球数と時間できっちりと試打を終えました。

しかし、見た目といいますか、質感はとてもいいです。
さすがヤマハといったところです。
ポケットタイプにすると、全体の形や雰囲気などが崩れてしまっているアイアンもありますが、このアイアンはそういったところがないのがすごくいいです。
打つ前に、目で楽しむことはできました。

打感以外の項目では、平均点以上のものを感じました。
私はこのアイアンの打感に物足りなさを強く感じましたが、しかしこれはあくまでも私の好みによるものなので、このアイアンの打感が好きだという方もたくさんいらっしゃると思います。
メーカーもあえて、この打感で勝負しているのは間違いないです。
これが最新の『アイアンフィーリング』なのでしょうか?
今の『トレンド』なのかもしれません。
もしそうだったとしたら、私は最新を求めないですし、『クラシック』でいきたいと思います。

ヤマハのアイアンは昔から馴染みがありますし、ヤマハファンでもある私は、ちょっと馴染めない部分はありましたが、これからもヤマハには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年11月27日
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ヤマハ RMX 220 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 220 アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO RMX 95 です。
ロフトは29度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は406gです。

ヤマハの美しいポケキャビです。
ヤマハのアイアンはフォージドタイプもあれば、このように機能的なタイプのアイアンもあって、その住み分けがしっかりできています。
それぞれクラブの性能などが違いますが、共通していえるのは『見た目が良い』ということです。
美しいクラブが多いです。
打つ前に、まず目で楽しませてくれます。
今日手にしたアイアンも、そんなタイプです。

やや大型ではありますが、それほど極端ではありません。
セミラージといっていいように思います。
見慣れたポケキャビではありますが、すごく丁寧に造られている感じがして、チープさは全く見られません。

トゥ側にある、このパーツが目立っていました。
これにはどんな意味があるのでしょうか?
重量調整の為かな?と思いましたが、詳しいことは分かりません。

彫りの深さはたっぷりあります。
これまでのモデルと変わらないようです。
何といいますか、この機械的なところに魅力を感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

トップラインは少し厚みがありますが、極端ではありません。

ソール幅はワイドですが、このようなタイプでは普通です。
ワイドソールを好まれる方には、親しみやすいソール幅といえるのではないでしょうか?
アイアンの形状にはあまりこだわらないという方も、ソール幅だけは何故か気になるという方は多いかもしれません。
アイアンの性能における大きな部分を本能的に感じ取っておられるのだと思います。

ソールの形状はフラットというよりは、微妙な丸みがあります。
リーディングエッジもトレーリングエッジも丸みがありますが、極端に大きく削られてはいません。

ネックの長さは標準的です。
これまでは、こういうタイプのアイアンはショートタイプが多かったように思いますが、このアイアンは適度な長さが維持されています。
太さも極端ではないので、美しいなぁ・・・。と思いながら見ていました。
こうして見ても、グースが利いているのが分かります。
このような大きいタイプのアイアンにグースは必須といえるのかもしれません。

フェース面にミーリングはありませんでした。
光沢感のあるツルツルしたフェース面ではなく、少しザラザラしています。
このフェース面も、これまでたくさん出会ってきました。

装着されているグリップは、これまで試打したモデルに採用されているものと同じです。
私が好むタイプとはちょっと違うのですが、大きな不満はありません。

素振りをしてみると、やや軽量感があるものの、頼りない感じはなく、しっかり振っていくことができました。
しっかり振ってタイミングを整えたい私は、いい感じで素振りを繰り返しました。
普段手にしているクラブもそうですが、軽いクラブだからこそ、手だけで振らず、からだ全体で振るよう心がけています。
試打クラブにはカーボンシャフト装着モデルもあったのですが、スチールのほうが私には合いやすいと思い、このアイアンを手にしました。

ボールを前にして構えてみると、予想以上にいい顔をしていて構えやすかったので、ちょっと意外でした。
これまでの経験から、もう少しクセのあるタイプだろうと思っていましたが、違いました。
明らかに前のモデルよりも良くなっています。
やや大顔タイプではありますが、違和感や苦手意識なども芽生えませんでした。
何といいますか、気品があります。
グースが利いているタイプではありますが、いい感じでヒール側がギュッと絞り込まれているので、ボテッとした感じがしません。
いつも通り、リラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトではなく、ややしっかりとした感じですが、これは最初から予想していました。
心地良い感触が残るということはなかったのですが、大きな不満はありません。
ボールがフェースに乗って、そこからグッと押せるタイプではなく、バーンと強く弾くようなフィーリングです。
いわゆる『球離れ』が速いタイプです。
ドライバーに限らず、アイアンでも球離れの速さが求められる時代になったのかもしれません。
それが飛距離につながっているような気もします。

球はあがりやすくて、イージーです。
見た目通り、かなり親しみやすくなっているアイアンです。
タフさとは全く無縁といっていいように思います。
これだけ重心が低いと、ボールがフェースに触れるだけで自然とあがっていくような感じです。

『安定性』は高く優れています。
シビアさは無く、大らかさをもったアイアンです。
打点がブレてしまう方にも、心強いアイアンといえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』も優れていて、易しく飛ばしていけるハイテクアイアンです。
ロフトが立っている『スタンディングロフト』ということもありますし、フェースの弾きもかなりいいので、それが飛距離に直結しているように思います。
球があがりやすくて、安定性が優れていて、尚且つ飛距離も出る・・・。という、今のニーズにピッタリとマッチしたアイアンです。
ロフトが立っていますが、充分すぎるほど球はよくあがりましたし、キャリーもしっかり稼ぐことができました。
しっかり振って『強いインパクト』で飛ばしていくというのではなく、ゆったりとした感じで『優しいインパクト』でボールを遠くに飛ばせるイメージです。

『操作性』という点では、まずまずでした。
大らかな性格が勝っていて、あまり細工をするタイプではないと思うのですが、マッスルバックやハーフキャビティのように大きくではないですが、左右にも曲げることができました。
構えやすくて違和感がほとんど無かったからなのかもしれません。
左右どちらかにクセが偏っているというよりは、ほぼ『中立的』な印象をもちました。
ただ、やはりこのようなアイアンは細工をするというよりは、『大らかさ』を活かしていったほうが自然な感じがします。
私はどちらかというと細工をしたいタイプなので、このようなアイアンは少し退屈に感じることもあるのですが、大らかさを求める方には、かなり親近感を持たれやすいのではないでしょうか?

予想していたよりも構えやすかったのが、強く印象に残りました。
これまでのモデルとあまり変わらないだろうと思っていたのですが、違いました。
これはいい意味での『意外』です。

打感は『乗っかる』タイプではなく、『弾く』タイプですが、このようなアイアンではそれが当たり前といっていいのかもしれません。
バーンと弾く感じがするのですが、硬すぎないのがいいです。

ヤマハらしく、丁寧で美しい仕上がりになっているのがさすがです。
ヤマハのアイアンには昔からいい印象をもっているのですが、それが今でも続いています。
違うメーカーのこのようなタイプのアイアンでは、仕上げが雑であったり、くすんで見えたりすることもあったのですが、このアイアンは違います。
見ていて楽しいですし、所有感を満たしてくれるアイアンです。

『易しさ』と『飛距離』も優れているので、今の『トレンド』に充分乗っています。
なので、このようなアイアンのことを『トレンディアイアン』といったらいいでしょうか?
そのようなことを考えながら試打を楽しみました。

軟鉄アイアンが好きな私は、このようなアイアンを使うことはないのですが、それでもこのアイアンは好感を持ちました。

やっぱりヤマハのアイアンはいいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年09月05日
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ヤマハ RMX FW

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX FW の5番です。

シャフトは TMX-420F です。
ロフトは17度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は50g、バランスはD2、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は313g です。

ヤマハリミックスの新しいフェアウェイウッドです。
ずいぶん久しぶりな感じもしますが、カッコ良さは相変わらずです。

シャロー感の強いFWです。
ゴチャゴチャしたところがなく、シンプルなところが魅力的です。
ヤマハのFWはソール中央が凹んでいる印象があるのですが、このクラブも少し凹んでいるように見えました。
芝の抵抗を減らす効果が期待できるのでしょうか?

このクラブの特徴は何といっても、このソールにある『線』といいますか『溝』のようなものです。
溝というのは細くて浅い感じもしますが、これにはどのような意味があるのでしょうか?
高性能なヤマハのクラブなので、おそらく大きな意味があるのだと思います。

ヒール側

トゥ側
ヒール側とトゥ側に凹みがありましたが、わざわざこのような形状にするということは、それなりの理由があるのかもしれません。

ヒール寄りにある、このヤマハのマークも存在感を示しています。
この位置にあるということで、ウェイトなのかな?と思いましたが、実際のところはどうなのでしょうか?

ネックの長さは適度にありました。
最近はシャローでも、ある程度長さのあるものが多くなってきているようです。
シャローだから、必ずしもショートネックということではないのかもしれません。
ネックに調整機能は搭載されていませんでした。
ヤマハのRMXは調整機能ありのイメージもあるのですが、最近のモデルには採用されていないようです。
私は調整機能を重要視していませんが、この機能を求めておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
何か理由があるのでしょうか?

ヤマハらしい、シンプルで綺麗なフェース面です。
フェース面にミーリングなどの工夫がされているFWもありますが、このヤマハのニューモデルはそういうタイプではありません。
シンプルイズベストということでしょうか?

かなりのシャローヘッドです。
最近の流れとはいいながら、ヤマハがここまでシャローにするには大きな狙いがあるのだろうと思います。
前のモデルよりもシャロー化が進んでいるようです。

装着されているグリップは、最近よく見られます。
適度なグリップ力があるのが魅力です。

ヤマハらしい、いい顔をしています。
ヘッド後方が少し伸びていますが、違和感をおぼえるほどではありません。
『ヤマハ顔』といっていいと思います。

素振りをしてみると、かなりの軽量感と軟らかさを感じたのですが、これまでのモデルでも同じように経験しているので、想定済みでした。
ヘッドは本格派な感じがしますが、スペック的にはかなり親しみやすくなっているようです。

ボールを前にして構えてみても、さすがの構え感です。
ヤマハらしい『美』と『構えやすさ』の両立ができています。
クセのない顔をしているので方向性への不安はないですし、球がよくあがりそうです。
やや小振りなヘッドですが、この適度な大きさが直打ちでの曖昧さを消してくれているように感じられます。
試打を開始しました。

『打感』は、とても良いです。
ヤマハのFWなので、この打感の良さは予想していましたが、その通りでした。
これまでのモデルと変わらないような気がします。
フェースに乗るというよりは、弾き感が強いです。

『音』も小気味よく、いい感じです。
澄んだ感じの金属音です。

球はあがりやすくて、イージーです。
カッコいいクラブですが、ハードルの高さは感じさせません。
クリークということもあると思いますが、打ち出しが高く、しっかりとキャリーを出していけました。

『安定性』も高く、シビアさは感じません。
大味な感じのクラブではないですが、直進性の高さがあります。
ほぼストレートな球を『量産』することができました。
打点のブレにも寛容なのが魅力のひとつです。

ヤマハRMXは、フェアウェイウッドはもちろん、ドライバーも『飛距離性能』のイメージが強いので、このモデルにも期待していましたが、その期待通りでした。
打ち出しの高さと弾きの良さが印象的です。
直打ちでも充分あげてくれましたし、キャリーが稼げるので、パー5のセカンドで使う場面が多くなりそうです。

『操作性』という点では、まずまずでした。
左右に曲げることもできましたが、どちらかというと大らかさが勝っている印象をもちました。
セミオートマチックタイプといっていいように思います。

前のモデルから2年の月日が流れましたが、フルモデルチェンジというよりは、マイナーチェンジという印象をもちました。
いいところはしっかりと継承されていますが、それほど大幅な性能アップという印象はもちませんでした。

しかし、それはこのクラブの性能が良くなっていない・・・。というのではなく、あくまでも、これまでのモデルが優れていて、それに少しの『味付け』をしている・・・。という感じです。

ヤマハらしいカッコいいクラブですが、ハードルの高さが少し低くなっているのも魅力です。
これまでヤマハのFWはカッコいいな・・・。と思っていても、難しそうと敬遠してこられた方にも、是非試していただきたいと思いました。

調整機能が無いとイヤだ・・・。という方には物足りないかもしれませんが、無くても構わない・・・。という方には、魅力的なFWといえるのではないでしょうか?
2019年08月27日
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ヤマハ RMX 020 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 020 アイアン の7番です。

シャフトは DynamicGold TOUR ISSUE です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は441gです。

久しぶりに出会った、ヤマハの軟鉄アイアンです。
昨年は出会うことができなかったので、物足りなさが残りました。
おそらく、かなりの時間をかけて、目の覚めるようなニューモデルを開発しているのだろう・・・。と期待しながら待っていました。
秋にはニューモデルに出会えるかな・・・。と思っていましたが、まさか8月に出会えるとは思っていませんでした。

トゥ側には『020』の文字がありました。
これは2020年モデルということでしょうか?

2020年といえば東京オリンピックが開催されますし、東京オリンピックモデルのゴルククラブが発売されてもいいのではないでしょうか?
前回は1964年で、56年ぶりということもありますし、そうする価値は充分あると思います。
数量限定で、ビンテージモデルになるかもしれないですし、発売を計画しているメーカーもあるのではないでしょうか?
前回の東京オリンピックは10月に開催されましたが、来年の東京オリンピックは例年通り7月開幕と決まっています。
今更日程を動かすことはできないと思いますが、もっと涼しくてコンディションのいい時期に開催できないのかと、いつも思います。
真夏の日本の暑さは尋常ではありません。
特にマラソンや競歩など、炎天下の中で行われる競技は大変です。
涼しい早朝に時間をずらしてスタートするということだそうですが、何とか無事に全ての競技が開催され終了できることを祈ります。

ヤマハの軟鉄アイアンらしい、オーソドックスな形状で、大きさも標準的です。
バックフェースのデザインは少し変えてきていますが、全体的に見ても大きな変化は見られません。

彫りの深さは標準的です。
深くもなく、浅くもないので、『ノーマルキャビティ』といっていいように思います。
ポケットタイプではないですし、アンダーカットも見られません。

トップラインの厚さも標準的です。
この厚さは、これまでのモデルと共通しているように見えます。

ソール幅も標準的ですが、今はワイド化が進んでいるので、そういうことでいうと、やや狭い部類に入ります。
トゥ側が広くなっている、いわゆる『テーパーソール』ではなく、ストレートに近いタイプです。
ワイドソールを好まれる方は、このソール幅はあまり親近感が湧かないかもしれません。
こうして見ても、ソールが平らではなく、丸みを帯びているのが分かります。

角度を変えてみても、リーディングエッジとトレーリングエッジが小さく削られているのが分かります。
抜けの良さにもこだわっているようです。
メーカーによっては、ここの部分がかなり大きく削られていることもありますが、ヤマハは控えめといいますか、これくらいがちょうどいいような気がします。

ネックの長さは標準的で、見慣れた長さです。
この角度から見ても、やはり美しいな・・・。と思いました。
『凜としている』といったらいいでしょうか?
背筋を伸ばして、きちんと立っているように見えます。

ホーゼルには『FORGED』と刻印されています。
ヤマハのフォージドということで、胸がときめくのは私だけでしょうか?
ヤマハアイアンのグッドフィーリングをたくさん経験している私はテンションが一気にあがりました。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ヤマハのアイアンはミーリングのイメージが未だに強いですが、数年前から採用されていないようです。
もうミーリングはしないのでしょうか?
スリクソンなど、他のメーカーでは採用しているところもまだまだあるので、効果があるのであれば、また新たなミーリングを研究して欲しいです。

素振りをしても、いい感じです。
タイミングが取りやすいので、安心感があります。
『大暴れ』しない安心感といったらいいでしょうか?
適度な重量ではありますが、今はもっと軽いものが多くなってきているので、重いほうに入るのは間違いありません。
人によって好みが分かれるところだと思いますが、私はこれくらいの重さが好きです。

装着されているグリップは、なかなかいい感じです。
ツアーベルベットを期待していたのですが、違いました。
しかし、このグリップにも特に不満はありません。
適度にグリップ力があり、滑りにくくなっています。
グリップの場所によって、『パターン』が違うのも特徴的です。

ボールを前にして構えてみると、かなり好感が持てました。
ヤマハ顔の男前です。
ストレートネックで、逃がすイメージが出しやすいのも、ヤマハフォージドアイアンの特徴です。
ヤマハアイアンには、この顔の良さと絶妙な打感の良さがあるので、一度使うとなかなか変えられません。
今はどちらかというと『つかまえ顔』のアイアンが多いような気がするのですが、このような『逃がし顔』のアイアンだと、私たちフッカーは安心できます。
大顔タイプではないですし、つかまえるイメージが欲しい方には、合いづらいところがあるかもしれません。
また、グースタイプを好まれる方にも、そしてセミグースタイプを好まれる方にも、この『ストレート顔』は、ちょっと構えづらいところがあるような気もします。
しかし、私は大好きな構え感なので、いいイメージが湧いてきましたし、リラックスできました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とても良いです。
期待通りのグッドフィーリングです。
『球当たりの柔らかさ』といったらいいでしょうか?
独特のマイルド感が味わえます。
ヤマハのアイアンには、これまでもたくさん打感を楽しませてもらいましたが、このニューモデルも、その期待に応えてくれました。
球を打ちながら、ちょうどいい『振動数』だな・・・。と感じていました。
どういうことかといいますと、インパクトしたときのフェースの振動がちょうど感じで、ボールに力が伝わり、また反対方向というべき、私の手にも、その微妙な振動が伝わってくるという感じです。
『振動数』というと、普段はシャフトの硬さを示す値をいいますが、このアイアンを試打しながら、『フェースの振動』をイメージしていました。
波立っていない静かな池の水面に石を投げ入れて、その波紋が広がるような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
それくらい心地良いといいますか、穏やかなフィーリングを全体で感じさせてくれるアイアンです。
見るからに柔らかそうな感じが伝わってくるアイアンですが、実際に打ってみても、その通りでした。
一球打つ度に私のテンションはどんどんあがっていきます。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といった感じがしますが、今のアイアンの中ではタフなほうかもしれません。
今のアイアンの多くが、様々な工夫によって自然に球があがるように工夫されていますが、このアイアンにはそういった工夫は感じられませんでした。
全ては自分のヘッドスピードと適正な入射角であげていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
誰にでもあがりやすいタイプではないですし、ヒッター向けなのは明らかですが、ナチュラルな打ち出しで、『7番アイアンらしい』打ち出しの高さと弾道を打たせてくれるアイアンです。
7番アイアンからは、グリーンを横(手前)からではなく、『真上から攻めるイメージ』が欲しいのですが、このアイアンはその条件にピッタリと合致していました。

『安定性』という点では普通といいますか、標準的な印象をもちました。
キャビティらしい寛容なところもありましたし、気難しいタイプだとは思いませんでしたが、『易しさ機能』といいますか、易しさを最優先して作られていないので、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし昔から、こういうタイプのアイアンはたくさんありますし、特別変わったとか珍しい感じはしません。
よくあるアイアンのひとつといったところでしょうか?

『飛距離性能』は標準的で、特別よく飛ぶというタイプではありません。
最新モデルではありますが、だからといってその全てが飛距離にこだわって作られていないというのが面白いといいますか、クラブ開発の奥深さのような気がします。
ユーザーによってニーズが分かれるからだと思います。
『距離』ということにおいて、『飛ばす』ということよりも『正確に刻む』ということを重視しておられる方に使って頂きたいアイアンです。
なので、アイアンにも飛びを求めておられる方には、あまり適さないかもしれません。

『操作性』は抜群です。
『端正な顔』と『適度な大きさ』から、この扱いやすさは予想できていましたが、その予想通りの『手の延長』として働いてくれるアイアンです。
操作性は高いですが、キャビティらしい易しさも持ち合わせているので、そのバランスの良さに魅力を感じる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
左右へ曲げるのも易しいですし、フェードヒッターにもドローヒッターにも同じように対応してくれるアイアンです。
変なクセのようなものは全く感じませんでした。

久しぶりに出会った、ヤマハの軟鉄アイアンですが、いい意味で『変わっていない』という印象をもちました。
もちろん、見えないところにいろいろな工夫がされていると思うのですが、それをあまり感じさせないほどの圧倒的な『美』と『フィーリグの良さ』があり、ヤマハファンを裏切らないアイアンに仕上がっています。

このキャビティアイアンもいいですが、ヤマハのアイアンといえば、マッスルバックのイメージもあるので、ラインアップされているのであれば、是非そちらも試してみたいです。

ドライバーの素材はパーシモンからメタルやカーボン・アルミなどが使われ、今はチタンが主流ですが、アイアンは今でも『鉄(軟鉄)』が主流です。
チタンのアイアンもありますが、私は軟鉄のほうが圧倒的に好きです。
ステンレスのアイアンも昔からありますが、私はこれからも軟鉄しか使わないと思います。

今日、偶然このアイアンに出会い、とても楽しい時間を過ごすことができました。
ヤマハには、これからも素晴らしいクラブを世に送り出して欲しいです。
2018年10月03日
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ヤマハ インプレス UD+2 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレス UD+2 ドライバー です。

シャフトは TMX-419D です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は53g、バランスはD3、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は286g です。

ヤマハインプレスの新しいドライバーです。
ヤマハらしい落ち着いた感じのセンスあふれるデザインです。
前のモデルとデザインがよく似ているので、それだけ好評だったということではないでしょうか?

今の主流ともいうべき、シャロー&ラージサイズのドライバーです。
ラージサイズではありますが、ゴチャゴチャしたところはなく、すっきりしています。
ちょっと前までは、このようなラージサイズには色々な物が組み合わさったり、ソール形状に工夫があったりと、機能的なところがありましたが、このドライバーはそれらとはちょっと違います。
シンプルですが、それだけ基本性能に自信をもっているということではないでしょうか?

ソールには『UD+2』の文字があります。
ウルトラディスタンスで、プラス2番手の距離が出せるということなのだと聞いたのですが、ドライバーの2番手上って・・・?と思いました。
しかし、それくらいよく飛ぶということだと思います。

予想はしていましたが、かなりのシャローヘッドです。
前のモデルもシャローでしたが、さらにシャロー化が進んでいるように見えます。
デザインは似ていても、機能が大きく違うのかもしれません。

顔はちょっとクセがありました。
フェースが被っているというのではなく、オフセットが利いている感じです。
あまり見ない顔ですが、これまでも出会ってきているので、驚くようなことはありませんでした。
正直、私はあまり好きな顔ではないのですが、この顔を見てつかまりそうだと感じる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

フェース面のデザインはとてもシンプルです。
ヤマハらしい美しいフェース面で、いかにも弾きが良さそうです。
フェース面には、『球の重さ』を感じさせるデザインがあれば、逆に『軽さ』を感じさせるものもあります。
このドライバーのフェース面は後者のほうで、球質が軽そうな印象を受けました。

装着されているグリップはシンプルなタイプで好感が持てます。
よく見られるグリップです。

素振りをしてみると、かなり軽量で、シャフトもビュンビュンしなり、先が動きます。
かなり走るタイプのシャフトです。
フレックスは『S』ですが、あまり考えないほうがいいほどの軟らかさがあります。

ボールを前にして構えてみると、正直違和感があったのですが、これまでの経験を活かして打っていくことにしました。
オフセット感があるので、どうしても遅れてしまいそうな感覚があるのですが、あまり気にしないようにしようと心がけました。
私が好む構え感ではないですが、大型ヘッドで球をつかまえたいけど、フェースが被って見えるのは嫌だ・・・。という方には、好感を持ちやすいのではないでしょうか?
フェース面がよく見えて、球もあがりやすそうです。
試打を開始しました。

『打感』は、程よい手応えがありながらも、硬くなく好感が持てました。
フェースに乗るというよりは、明らかに球離れが早くバーンと弾く感じがしますが、これは今の多くのドライバーに共通するところです。

『音』も、はっきりしていて心地いいです。
インパクトが緩むこともなく、気持ちよく振ることができました。

球はとてもあがりやすくて、高弾道でした。
一時期、スピンレスドライバーが流行りましたが、このドライバーは真逆といった感じで、スピンもしっかり感じられました。
ちょっと強く振ると吹き上がる感じがしました。
タフさは全く感じられない、ハードルの低いタイプです。

『安定性』は高いです。
構えてみると、ちょっとクセのある感じがしますが、かなり寛大でオートマチック性があります。
スイートエリアも、かなり広そうです。
このようなラージサイズだと、私はトゥ寄りに外して打ってしまうこともあるのですが、それでもこのドライバーは右にフケることなく、しっかりとつかまりラインを出してくれました。
このドライバーの顔が気にならないという方には、かなり心強い相棒となってくれるのではないでしょうか?

『飛距離性能』という点では、メーカーがかなりユーザー層を限定してきているように感じます、
そのHSに入る方には、高いパフォーマンスを期待できます。
私にはちょっと合いづらいところもあったのですが、このドライバーのポテンシャルが低いとは全く思いませんでした。
『速い』とは違うヘッドスピードでも、弾きが良くなるようメーカーが、かなり研究しているようです。

『操作性』という点では、完全に『オートマ系』で操るタイプではないのですが、曲げてみることにも挑戦してみました。
なかなか思うようにはいきませんでしたが、球のつかまりがいいので、私はフック系のほうが易しく感じました。
ヘッドもそうですしシャフトも、操るにはあまり適してはいないような気がします。

誰もが飛ばしていけるというタイプではなく、ある一定のHSをもった方にとって、高い飛距離が望めるように開発されたドライバーといっていいように思います。

ヤマハらしい美しさと易しい飛びが、このドライバーの魅力です。
2018年09月11日
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ヤマハ インプレス UD+2 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレス UD+2 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO ZELOS 7 です。
ロフトは26度、クラブ長さは37.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77.5g、バランスはD0、キックポイントは先調子、クラブ総重量は379g です。

ヤマハ インプレス UD シリーズのニューアイアンです。
とはいっても、2年前に試打したモデルと瓜二つで、どこが変わっているのだろう?と思いました。
新たな工夫がされているのは間違いないですが、『マイナーチェンジ』であることに変わりありません。

ラージサイズのアイアンです。
UDシリーズらしい特徴です。
こうして見ていても、大きさがあるからなのか、重量感があります。
私はもっと小ぶりなほうが好きですが、この大きさが安心感をもたらしてくれる・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一口にアイアンといっても、今は昔よりもはるかに多様性があります。
このクラブは昔ながらのオーソドックスなアイアンというよりは、ユーティリティに近いタイプです。

彫りの深さも、かなりあります。
この角度から見ても、やはり前のモデルとの違いが分かりませんでした。
今度機会があれば、見比べてみたいです。
そうすると、細かな違いが見られるような気がします。

トップラインは、やや厚めですが、極端ではありません。

ソールの幅も、たっぷりあります。

ソールには『FRIC OFF SOLE』と表示されていました。
これは前のモデルにもありました。
やはり同じコンセプトで開発されている、『姉妹モデル』といった感じがします。
もちろん、今年のモデルが2歳下の『妹』です。
姉妹モデルは普通、同時期に発売されたものをいうのだと思いますが、このアイアンに関しては2年違いの、まさに姉妹という感じがします。
しかも、時期はずれていながら、『一卵性双生児』といえるほど、そっくりです。

ネックは短めです。
ネックが太く、頭でっかちな『寸胴タイプ』です。
こうして見ていても、グースがよく効いているのが分かります。
このようなタイプでストレートにするのは得策ではないということでしょうか?

ホーゼルには『FORGED』のモデルがあり、意外でした。
このようなタイプのクラブがフォージドというのは珍しいように思います。
易しさだけでなく、フィーリングや調整機能にもこだわっているのでしょうか?
何となくではあるのですが、2年前のモデルよりも仕上がりが美しいような気がします。
ラージサイズのイージー系ですが、チープさは感じられませんでした。

フェース面にはミーリングは見られず、ごく普通でした。
下のスコアラインが白く塗られているのが一本ではなく、二本なのも珍しくなくなりました。
この目的は明らかにターゲットに対して構えやすくすることですが、私にはこの白い線は不要ですし、そもそもこのような形状では構え感が違うので、白い線が無い方がいいような気もします。

装着されているグリップは、これまでも何度も試打してきた標準的なタイプです。
適度なソフトさとグリップ力があり、滑りにくくなっています。

素振りをしてみると、やや軽量タイプではありますが、このようなタイプでは普通だと思います。
小さくて鋭く振るというよりは、ゆったりめで大きく振っていく感じがちょうどいいような気がします。

ボールを前にして構えてみると、かなり面長感がありました。
このようなタイプでは普通ですが、この面長が抑えられていると、もっと構えやすくなるのにな・・・。と思ってしまいます。
そして、グースがもっと抑えられているといいのですが、大型にするにはグースは必要ということなのだと思います。
トップラインも真っ直ぐではなく、カーブを描いているので、包み込むイメージを出しやすい・・・。という方も多いのではないでしょうか?
このクラブは『7番アイアン』ということですが、私は『ユーティリティアイアン』という認識をもって構えていました。
こうして見ても、『フェース高』が低いのが分かります。
上から潰して打っていくタイプではなく、横からはらって打つタイプのクラブに見られる特徴です。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりめでした。
ソフトということはありませんでした。
フォージドタイプですが、期待していた柔らかさはあまり感じませんでした。
乗っかり感も無く、ガツンと強く弾く感じです。
『バネ』を感じさせる打感といったらいいでしょうか?

球はよくあがりました。
普通に打っている限り、あがらないということにはならないのではないか?と思えるほど、ほぼ自動的にあげてくれました。
このようなワイドソールなタイプは、やはりソールを使って、多少ダフらせて打っていく感じがちょうどいいような気がします。
グースタイプではありますが、きつすぎないので、球を拾いづらい・・・。ということはありませんでした。

『安定性』は高いです。
かなりスイートエリアが広くて、『面』を最大限活用して打っていけるタイプです。
どこに芯があるのだろう?と探りながら打っていたのですが、なかなかそれを把握することができませんでした。
フィーリングをつかみづらいところはありますが、かなり大らかなタイプです。

『飛距離性能』は、かなり優れていました。
前のモデル同様、よく飛ぶ7番アイアンです。
UD+2シリーズは、その名の通り『2番手上の飛び』を目指して開発されていると思うのですが、今日の感じでは、それ以上の飛びがあるように感じました。
26度というロフトは7番アイアンでは考えられません。
4番と5番の間くらいです。
ちょっと前まで、7番アイアンはだいたい『36度前後』が主流だったので、それより10度も立っているということになります。
『番手感覚』は完全に無くなった感じもしますが、ロフトを立てた分、あがりやすさをかなり追及していて、タフな感じがしないのが、このアイアンの長所だと思います。
かなりゆっくり振っていく感じがちょうどいいように感じました。

『操作性』という点では、難しく感じました。
得意ではないタイプだと思います。
『オートマ性』が高いので、なかなか思うように細工はできませんでした。
このアイアンのもつ、いい意味での鈍感さを利用したほうがいいのかもしれません。
細工するかしないかは、構えたときの感覚で決まることが多いのですが、今日は細工をしたいとは全く思いませんでした。

かなり性格がはっきりしているので、ユーザーも決めやすいと思います。
こういうタイプが苦手だという方もいらっしゃると思いますし、逆にこういうタイプを好んで使っておられる方も多いと思います。

ゆっくり振って最大限の飛距離が稼げるように、メーカーも色々な工夫を取り入れているのではないでしょうか?
前のモデルとよく似ているな・・・。と思いましたし、飛距離性能も健在でした。

『飛距離』『安定性』『あがりやすさ』の3点が非常に優れているアイアンですが、特に飛距離性能が高いです。
強くではなく、優しく振って距離を稼いでいきたい方には、ピッタリのアイアンといえるのではないでしょうか?

このアイアンは『UD+2』という名前がついていますが、私は『UD+2.5』くらいがちょうどいいんじゃないか?と思いました。
小数点が付いて少し中途半端な感じもしますが、それくらいの飛距離性能をもっています。
2018年09月07日
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ヤマハ インプレス UD+2 FW

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレス UD+2 FW の5番 です。

シャフトは TMX-419F です。
ロフトは17度、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は50g、バランスはD0、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は301g です。

ヤマハインプレスシリーズの新しいフェアウェイウッドです。
先日試打したBSやスリクソンなどをはじめ、ヤマハのニューモデルに出会うことができるようになって、夏が終わったんだな・・・。と思います。
クラブのニューモデルは秋に出ることが一番多いです。

ヤマハらしい、落ち着いた感じのデザインです。
派手さはないですが、目を引きます。
前のモデルも試打していて、このモデルがニューモデルだとは最初気づきませんでした。
それくらいデザインがよく似ています。

ネックは、やや短めですが、今では平均的な長さといっていいと思います。
調整機能は搭載されていませんでした。

フェース面のデザインはシンプルです。
仕上げも綺麗で、ヤマハらしいです。
ヤマハのクラブは美しくなければなりません。

顔はちょっとクセがあって、意外でした。
オフセットがよく効いているのと、フェースが左を向いているように見えました。

かなりのシャローヘッドですが、今は多くがこのような形状なので見慣れました。
最新モデルではありますが、こうして見る限り、大きな変化は見られません。
見えないところに工夫がされているのかもしれません。

装着されているグリップは、ラバータイプで適度なソフトさがあり、好感が持てます。
滑りにくいタイプで、場所によってグリップのパターンが違います。
このグリップは、これまでも出会ったことがあります。

素振りをしてみると、軽量感がありましたが、それよりもシャフトがかなり軟らかくて、タイミングを合わせるのが少し難しく感じました。
シャフト全体が大きくしなるというよりは、『動く』感じでした。
全体的な線が細い印象です。

ボールを前にして構えてみると、正直あまり好感を持つことができなかったのですが、これまでも同じようなタイプを試打したことがあるので、その経験を活かしていくことにしました。
球はよくあがりそうに感じたのですが、方向性に対する不安がありました。
頭の中が少しモヤモヤしてしまいました。
試打を開始しました。

『打感』は好感が持てました。
ややしっかりとした打感ですが、硬すぎず適度なソフトさもありました。
この打感は、これまでもヤマハのクラブで経験しています。

『音』は、はっきりとした金属音ですが、大きすぎずいい感じでした。
インパクトは緩むこともなく、しっかりと振っていくことができました。

球はあがりやすいです。
見た目(シャロー)通りのあがりやすさです。
タフなタイプではありません。
直打ちで試してみたのですが、充分あがっていきました。

『安定性』は、まずまずでした。
ヘッド自体はイージーなタイプだと思うのですが、シャフトが合いづらく、少し散らばってしまいました。
球は逃げることなく、つかまりやすいです。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
前のモデルを試打しているので、ある程度の飛距離性能を期待していたのですが、その期待通りでした。
大きく飛距離が伸びたとは思いませんでした。
あくまでも『マイナーチェンジ』といった感じです。

『操作性』という点では、普通だと思いました。
それほど長けているようには感じませんが、今はこういったタイプが多いので、珍しさはありません。

イージー系のFWです。
ヤマハらしいセンスあふれるデザインも魅力です。

顔に特徴があり、それが一番印象的でした。
2018年04月03日
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ヤマハ RMX FW FOCUS

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX FW FOCUS の5番です。

シャフトは Speeder Evolution IV 70 FW です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスは70-S、シャフト重量は76g、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は341g です。

ヤマハのとてもカッコいいFWです。
カッコいいですが、これは以前試打したことがあるな・・・。と思っていました。

しかし、ヒール側に『FOCUS』の文字がありました。
前のモデルにはありませんでした。
これが一番の違いだと思いますし、名前の由来になっています。
何をフォーカスしているのだろう?
打感かな?飛距離かな?などと考えていたのですが、こうして見ている限り、特に違いは無いような感じがします。

シャロータイプのFWです。
これは前に試打したモデルと同じです。


ネックの長さも適度にあり、シャローバックタイプであることも同じです。
外見ではなく、ヘッド内部の見えないところに新たな工夫がされているのでしょうか?
シャフト以外、特に違いは見られませんでした。

フェース面のデザインが違っていることに気づきました。
前のモデルよりもオーソドックスで、シンプルになっています。
これには何やら秘密がありそうです。

ヤマハらしい、いい顔をしています。
男前なFWです。
前のモデルも男前でしたし、同じような顔の印象があります。
見比べてみると違いが分かるのかもしれませんが、今の段階では顔の違いがよく分かりませんでした。
今度機会があったら、見比べてみたいと思います。

装着されているグリップは、場所によってパターンの異なる、機能的なタイプです。
最近よく見かけます。
メーカーが違っても、このグリップが採用されているということは、それだけ人気があるということなのだと思います。

素振りをしてみると、いい感じです。
元々、ヤマハのFWは軽量感があって、少し物足りないと感じることがありました。
ヘッドはいいのに、シャフトが軽すぎなのと軟らかすぎで、ヘッドのポテンシャルを活かしきれていないと感じていました。
バランスが取れていなくて、物足りなさがありました。
しかし、このヘッドには相性の良さそうなシャフトが挿してあります。
タイミングも取りやすいです。

ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
いい顔をしていますが、決して『寄せ付けない』とか『ハードルが高い』という印象を与えない親しみやすさがあります。
シャロー感があるので、球があがりやすそうです。
クリークということもあると思うのですが、小顔感があって、ボールとのバランスもいいです。
ティアップして打つクラブならば、多少『大顔』であっても打っていけそうですが、直打ちするクラブはそういうわけにはいきません。
ヘッドの大きさが、そのまま『難しさ』へと繋がってしまうこともあります。
その点、このクラブはちょうどいい大きさですが、コンパクトなタイプなので、小さく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
ソフトですが、ボヤけた感じはなく、球の質感をはっきりと感じとることができました。
程良い感触が残りました。

『音』は、高めの金属音でした。
やや大きめで高い音ですが、この音はよく耳にしていましたし、ヤマハらしい音で馴染みがあります。
高いですが、甲高い感じではなく、インパクトが緩むこともありませんでした。
打つ前から予想していた打感と音でした。

『球のあがりやすさ』という点でも、いい感じです。
クリークらしい打ち出しの高さとビッグキャリーが魅力です。
シャフトは結構しっかりしていますが、タフな感じはしませんでした。
直打ちでも充分あげてくれました。

『安定性』という点では、それほど『寛容さ』のあるタイプではないかもしれません。
易しすぎない、普通のタイプといっていいような気もします。
ある程度の正直さをもっていると思いますが、構えやすいのでラインも出しやすく、実戦向けな感じがしました。

『飛距離性能』は優れていました。
今のクリークの中でも、確実に飛ぶ部類に入ると思います。
出だしが速く力強いです。
球の弾きの強さも魅力的です。

『操作性』という点では、なかなかいい感じで、左右へも素直に反応してくれました。
ほぼ真っ直ぐに近いバルジが『中立性』を感じさせてくれますが、実際に打ってみても、その通りでした。
クセが無いので、自然に自分の球筋で勝負していけるように感じました。
今のFWはつかまりのいいものが多いですが、このFWもどちらかといえば、そのようなタイプに入るのかもしれません。

ヤマハの高性能なFWです。
シンプルですが、ポテンシャルの高い、ハイレベルなFWです。

タフなタイプではないと思いますが、明らかにヒッタータイプの方に合いやすいFWといえるような気がします。
見た目の良さと基本性能の確かさが印象に残りました。

装着されているシャフトやフェース面のデザインの違いは分かりましたが、それ以外は正直よく分かりませんでした。
今度、前のモデルと打ち比べてみたいと思います。
2017年11月09日
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ヤマハ RMX ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX ユーティリティ です。

シャフトは Speeder Evolution IV 70 FW です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は76g、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は361gです。

ヤマハRMXシリーズのユーティリティです。
ヤマハらしい、男前なデザインが特徴的です。

形状的にはオーソドックスなタイプです。
ソールにあるヤマハのマークが目立ちますが、とてもシンプルなデザインです。
ゴチャゴチャした感じはなく、すっきりしています。

ネックの長さは適度にありました。
調整機能は搭載されていませんでした。

ノーマルな厚さです。
シャローでもなく、かといってディープなタイプでもありませんでした。
今はシャロータイプが圧倒的に多いせいか、このように適度な厚みがあると、逆に新鮮に感じられます。

フェース面の仕上げも美しいです。
ヤマハらしい特徴です。
打感が柔らかそうな印象を受けました。

顔は、なかなかいい感じでした。
私の中でのストライクゾーンのど真ん中ではなかったのですが、見慣れた感じがしますし、苦手意識などは芽生えてきませんでした。
可も無く不可も無くといった感じでした。
小顔タイプではなく、少し大きめでした。
面長なのではなく、全体的に大きく見えました。
出っ歯なところが目立っていました。

装着されているグリップは、これまで試打したモデルと同じです。
ソフトなフィーリングで好感がもてます。

素振りをしてみると、いい感じでした。
最近のクラブにしては、しっかりしたスペックだな・・・。と思いました。
装着されているシャフトは純正なのでしょうか?
それともカスタムなのでしょうか?
結構骨太な感じがしました。

ボールを前にして構えてみると、まずまずでした。
特に気持ちが入り込むことも、逆に逃げてしまうこともなく、淡々として構えていました。
出っ歯タイプなので球を拾いやすそうですが、できればもう少し出っ歯が抑えられていればいいな・・・。と思いました。
変なクセは見られなかったので、方向性に対する不安はありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は、ややしっかりめでした。
打つ前は、もうちょっとソフトな打感を予想していたのですが、実際はもっとしっかりしていて、球の質感を感じとることができました。

『音』は、はっきりした金属音です。
それほど多く耳にする音ではないのですが、大きすぎず高すぎず、なかなかいい感じでした。

球のあがりやすさという点では、普通だと思いました。
最近はとてもあがりやすいUTがたくさんありますが、このUTにはそれほどお助け機能は付いていないように感じました。
どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいUTだな・・・。と思いました。
あがりやすさ最優先で作られた感じはしませんでした。

『安定性』は、まずまずでした。
ラインも出しやすいですし、難しく感じることはなかったのですが、ヘッドの大きさからくる大らかさといいますか、寛容さはあまり感じませんでした。
球はよくつかまってくれましたが、正直なところがあるな・・・。と思いました。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じでした。
フェースの弾きも良く、ボールが勢いよく飛び出していきました。
キャリーも稼げましたし、途中からおじぎすることなく、気持ち良くスーッと伸びてくれました。

『操作性』は、普通でした。
左右に曲げることは難しくなかったですが、あまり操作したい感じはしませんでした。
細工をせずに、自然に振り抜いていきたいUTです。
こういったところは、今のクラブの共通した特徴のように思います。

シンプルでカッコいい、ヤマハの硬派なユーティリティです。
2017年10月27日
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ヤマハ RMX 218 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 218 アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO RMX95 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は408gです。

ヤマハRMXシリーズのアイアンです。
見た目のインパクトはありますが、派手すぎず落ち着いたデザインで好感がもてます。
ヤマハらしいセンスの良さが感じられます。

ラージサイズのポケキャビです。
これまでたくさん見てきた形です。
ヤマハのアイアンは、軟鉄のイメージが強いのですが、このようなイージータイプのアイアンの人気も高いです。
多くのゴルファーに対応できるよう、上手く住み分けができているように思います。

彫りの深さはたっぷりとありました。
最近は浅めの物も目にするようになりましたが、このような深いタイプを好まれる方も多いのではないでしょうか?
重心も深そうですし、極端にいえば『当てるだけ』で球があがっていきそうです。
こういうタイプを初めて見たときは、かなり驚きましたが、今は見慣れましたし、一般化してきました。
ポケットタイプのアイアンのほうが、今は多いように思います。

トップラインは、やや厚めでしたが、輪郭が丸すぎず、適度にシャープなところに好感がもてました。

ソール幅はワイドでした。
ワイドではありますが、ワイド過ぎないところがいいな・・・。と思いました。

ソールの丸さが目立っていました。
これまで試打してきた、今年のモデルに共通する部分です。
かなり抜けが良さそうな感じがします。
今は、アイアンのソール形状もバリエーションが富んできました。
リーディングエッジの削りも大きいです。
この削りを見ていたら、ダウンブローではなく、レベルブローに近い感じをメーカーが推奨しているのかな?と思えてきました。
低重心系のアイアンにはマッチしているのかもしれません。

ネックは短めです。
太くて、いわゆる『寸胴タイプ』です。
これも、今のアイアンの特徴といえるでしょうか?
徹底的に低重心にこだわっているように見えます。

フェース面にミーリングはありませんでした。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで好感がもてます。
今はかなり機能的なグリップが多くなりましたが、このグリップは比較的シンプルなタイプです。
バックラインがありました。
調整機能の付いていないドライバーなども含め、どの番手のクラブを試打していても、バックライン有りが殆どです。
それだけニーズが高いのだと思います。

ボールを前にして構えてみると、予想していたよりもクセが強くなく好感がもてました。
私がアイアンに求めたい構え感とは違う部分もあるのですが、無難な感じで構えづらさはありませんでした。
ラージサイズですし、ラージサイズには『付きもの』といっていい、グースも利いていますが、それが強調されすぎていないのがいいな・・・。と思いました。
程良い『さじ加減』が出来ているといったらいいでしょうか?
ヤマハらしい特徴のように思いました。
試打を開始しました。

『打感』は厚みがあるというよりは、完全に薄い感じでしたが予想通りでした。
フェースに乗るというよりは、弾く感じの打感ですが、今はこのような打感が増えてきました。
このフィーリングを好まれる方も多いのではないでしょうか?

球はとてもあがりやすくて、弾道も高めです。
最近のイージー系アイアンの中では、弾道が高めなほうだと思いました。
しっかりとキャリーを稼ぐことができました。
見た目通り、タフなタイプのアイアンではありません。

『安定性』も高く、完全にオートマチック系のアイアンでした。
少々のブレには動じない、大らかさがこのアイアンにはありました。
ヘッドの大きさとバックフェースやソールなどの工夫が、よく効いているのだと思います。
球もプッシュする感じはなく、しっかりとつかまる感じです。

『飛距離性能』も優れていました。
『ファー&イージー』タイプのアイアンといっていいでしょうか?
今のニーズに合ったアイアンだと思います。
よく飛びますが、他の『飛びすぎる』アイアンとは少し違うように思いました。
今のアイアンの中では、『やや飛び』といえるでしょうか?
飛びは重視しているけど、距離感も無視できない・・・。という方には親しみやすいアイアンといえるのかもしれません。
とはいっても、私の中での『7番アイアンの飛びの感覚』からは大きく離れているので、やはりディスタンス系だという認識をもちました。

『操作性』という点では、オートマチック性が強くて敏感に反応する感じはあまりなかったのですが、何とか左右に曲げることもできました。
あまり操作するタイプではないので、極端なことをし過ぎると大きなミスにつながりそうだったので、自重しました。
大まかな感じといいますか、あまり細かいことを考えずにドーンと打つ感じがちょうどいいのかもしれません。
先ほども書きましたが、ラージサイズでありながら球のつかまりもいいので、易しく感じられる方も多いのではないでしょうか?

バランスの取れたイージー系アイアンという印象をもちました。
寛容さ・飛距離が優れていますが、構えやすさや打感など、フィーリングが極端に落ちていないところがいいですし、ヤマハらしいと思いました。

これまでのモデルから大きく変わったという感じはしなかったのですが、それがまたいいのかもしれません。
これまでもヤマハユーザーの方はもちろん、初めてヤマハのアイアンを使ってみようかな?と思っておられる方にも、是非試していただきたいと思いました。
2017年10月20日
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ヤマハ RMX 118 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 118 ドライバー です。

シャフトは Diamana RF 60 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は65g、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は313g です。

ヤマハRMXシリーズの新しいドライバーです。
RMXドライバーといえば、初期モデルの印象がやはり強いです。
効果的に配置されたウェイトが印象的でしたし、飛距離性能が抜群でした。
このニューモデルは、さらにすっきりしたデザインですが、きっとたくさんのハイテクが搭載されているのだと思います。

ヤマハらしい、センス溢れるデザインです。
シンプルでとても美しいです。
最近では珍しい、シャロー感をあまり感じさせない形状です。
『叩けそうな』雰囲気があります。

ネックの高さは適度にありました。

ネックには調整システムが搭載されていました。
最近は少しずつ減ってきているように思いますし、最盛期はかなり複雑化していったように思いますが、今はシンプルなものが多くなりました。
微妙に調整しすぎることへのデメリットがあるのかもしれないですし、色々と調整してみたところで大きく変わらないと感じておられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
このドライバーは調整というよりは、簡単にシャフトを交換できるシステムのように見えます。

フェース面のデザインはオーソドックスです。
最近は色々なデザインが見られるようになってきましたが、このドライバーはシンプルで美しいです。
最新モデルで、このシンプルなデザインが採用されているということは、これで充分といえるのかもしれません。
外よりも中に、色々な工夫がされているのかもしれません。
フェース面の仕上げが雑に見えるドライバーにもたくさん出会ってきましたが、このドライバーは丁寧で美しいです。
ヤマハのいいところです。
この丁寧さ・美しさが、ブランドイメージを高めます。

ディープタイプのヘッドです。
最近では珍しいです。
シャロー系が圧倒的に多いので、ディープに見えますが、昔のドライバーからすればシャローな感じもあります。
昔だと、セミディープというカテゴリーに入ると思います。

ヤマハらしい、いい顔をしています。
最近はクラウンに工夫がされているドライバーを見かけるようになりましたが、このドライバーにはありませんでした。
クラウンマークも無いですし、とてもシンプルです。
必要最低限のものだけ搭載して、あとはプレイヤーに委ねるといったところでしょうか?

オリジナルグリップはラバーのソフトさと、適度なしっかり感があって、好感がもてました。
場所によってグリップのパターンが違うので、機能的な感じもします。
最近はこのようなグリップが増えてきました。
素手で握る右手と、グローブをはめて握る左手で、グリップのパターンを変えてきているのでしょうか?
それとも違う狙いがあるのでしょうか?
効果があるのであれば、こういった工夫はどんどん取り入れて欲しいです。

素振りをしてみても、いい感じでした。
タイミングも取りやすいです。
シャフトは頼りない感じはしませんが、結構先が走る感じがしました。
中調子ということですが、私は先中調子くらいに感じられました。
ただ、このキックポイントもかなり『幅』があるところなので、それほど気にしなくてもいいのかな?と思いました。
粘るタイプではなく、『先走り系』に感じられました。
シャフトも一時期に比べ、今は粘るタイプよりも走るタイプのほうが多くなったように思います。
ヘッドだけでなく、シャフトもつかまりが求められているのかもしれません。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
オーソドックスな顔が安心感を与えてくれます。
左右へのクセは感じられず、中立的な印象をもちました。
フェース面がよく見えました。
ロフトが10.5度ということもあると思うのですが、よく見えるし球があがりそうだな・・・。と思いました。
おそらく『リアル』ではもっと寝ているだろう・・・。12度に近いのではないかな?と思いました。
私はもっとフェース面が立って見えるほうが好きで、このようなディープ系のドライバーだとライナー系をイメージしていきたいのですが、ライナー系というよりは、やや高めの弾道のイメージが浮かびました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
ボヤけた感じはなく、適度に手応えがあるのがいいです。

『音』は比較的おとなしめな感じですが、小気味いい音で好感がもてます。
叩きにいっても、インパクトが緩むことはありませんでした。
気持ち良く振っていけます。

『球のあがりやすさ』という点では、しっかりしていて、明らかにヒッター向けのドライバーだと思いました。
構えたときにフェース面がよく見えたので、弾道が高そうな印象だったのですが、実際に打ってみると、結構しっかりしていました。
幅広い層を狙ったモデルではなく、明らかにターゲットを絞り込んでいる感じがします。
ヤマハはツアーモデルが毎回登場しますが、このドライバーは名前に付いていませんが、ツアーモデルということでいいのでしょうか?

『安定性』という点では、シビアさは感じませんが、今の寛容なドライバーとは明らかに一線を画す感じがします。
オートマチックタイプではありませんでした。
ミスヒットにも正直に反応するので、難しく感じられる方はいらっしゃるかもしれません。

『飛距離性能』は高いです。
明らかにヒッター向けですが、弾道が力強く初速がとても速いです。
中弾道系といっていいと思います。
10.5度のロフトでも頼りない感じはせずに、しっかりしたものを感じました。
幅広い層に対応したモデルではありませんが、このモデルがピッタリと合う方には、たまらない魅力があるのではないでしょうか?
初期モデルからの高性能をしっかりと継承している感じがしますが、初期モデルよりはハードルは低いような気もします。

『操作性』は、いい感じです。
左右へもしっかりと反応してくれました。
シャフトがすごく主張している感じで、私はフック系のほうが易しいと思いました。
中立的な顔をしていますが、球のつかまりはとてもいいです。
いわゆる『スライス抑制ドライバー』ではありませんが、クセのなく大きすぎない顔が好きで、シャフトの性能でつかまえて飛ばしていきたい方には合いやすいのではないでしょうか?

今はオートマチック系のドライバーが主流なので、このようなマニュアルタイプは珍しいですが、全く無くなったわけではなく、いくつかのメーカーが発表してくれています。
アイアンはマッスルバックやハーフキャビティを使っていても、ドライバーはオートマチック系を使っておられる方はとても多いように思います。
私の周りでもよく見かけます。

それだけ、ドライバーには曲がりにくさ・直進性が求められているのだと思います。
なので、こういうマニュアル系は珍しいと思いますが、魅力を感じておられる方も多いのではないでしょうか?
昔のドライバーほどシビアでもないですし、大らかさもあるので、神経質になることもありません。

ドライバーショットを絶対に曲げたくない方や、操作するよりも、できるだけ真っ直ぐに飛ばしていって方向を気にしたくない方には合いづらいところがあるかもしれません。
真っ直ぐよりも、自分の持ち球で勝負していきたい方や、真っ直ぐではなくて、持ち球を打っていったほうが狙いも定めやすいし、いいところに運んでいけるという方には親しみやすいのではないでしょうか?

使い手を選ぶドライバーといえるのかもしれませんが、高いポテンシャルをもったドライバーだな・・・。と思いました。