Zodia
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2021年06月06日
Zodia Z601

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z601 のU4番 です。

シャフトは グラファイトデザイン UT-85 です。
ロフトは24度、クラブ長さは39.5インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは中調子 です。

初めて出会った、ゾディアのアイアン型ユーティリティです。
ゾディアやウェッジやアイアンのイメージがあまりにも強くて、ユーティリティが発売されていることを知りませんでした。
ゾディアのクラブは好きなので、こうしてニュークラブに出会うことができて、とても嬉しく思っています。

普通の、といいますか、これまでたくさん出会ってきたタイプのユーティリティアイアンです。
プクッと膨れているので、中空タイプであることがすぐに分かりました。
最近はユーティリティアイアンもいろいろなものが出てきましたが、このクラブは初期の頃のモデルに近いです。

バックフェースのデザインがすっきりしていて好感が持てます。

こうしてトゥ側とヒール側に厚みを増すことで、慣性モーメントを高めているのだと思います。
これは以前試打したアイアンにも見られました。
ウェイトが組み込まれているものもありますが、このクラブはこうして凹凸をつけることにより、慣性モーメントを高めているようです。
今は『複合素材』が当たり前となりましたが、このクラブは単一素材にこだわっているのでしょうか?
こうして見る限り、ウェイトなどは見られません。

トップラインは厚めです。
私はもっと薄いほうが好きですが、アイアン型ユーティリティでは、これくらいが普通ですし、これくらい厚みのあるほうが安心感を得られるという方も多いのではないでしょうか?

ソール幅はワイドです。
アイアンとしてはかなりワイドですが、ユーティリティアイアンだとすると、このワイドも普通といえます。
かなり重心が低そうに見えます。

ソールは微妙な丸みがあって、抜けのスピードが早そうです。
トレーリングエッジ側の削りが大きいことに気づきました。
こういった工夫は『顔が重い(重心の浅い)』クラブよりも『お尻が重い(重心が深いクラブ)』に多いような気がします。

ネックの長さは適度にあります。
これまで見てきたアイアン型ユーティリティはもっと短くてネックが太いものが多かったのですが、このアイアンはこうして見ると『アイアンライク』で作られているようです。
グースが少し利いているのが分かりますが、それほど大きくないので好感が持てます。
こういったところも、これまでのユーティリティアイアンとは違う特徴です。

ホーゼルには『CHIBA GRIND』の文字が刻印されています。

フェース面にミーリングは無く、特別な工夫は見られません。

ボールを前にして構えてみると、正直がっかりしました。
もっといい顔を予想していたからです。
ゾディアらしい、ゾクゾクするような美顔を期待していたのですが、違いました。
バックフェースの膨らみが見えるので、アイアンのように構えづらく、頭の中がモヤモヤしますが重心を深くするには仕方ないのかもしれません。
最近のユーティリティアイアンは、アイアンのように構えられるものが多くなってきているので、このような顔を予想していませんでした。
しかしユーティリティアイアンが出始めの頃は、このような顔ばかりだったので特別驚くようなことも無いですし、むしろ懐かしさがこみ上げてきます。
アイアンではなく、やっぱりユーティリティなんだな・・・。と思いましたし、改めてユーティリティというクラブは『守備範囲が広い』と感じますし、どこか中途半端なところも感じます。
私はこのクラブの構え感にはあまり好感が持てないのですが、好きだという方も多くいらっしゃると思いますし、むしろユーティリティアイアンはこうでなくっちゃ・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じでした。
予想していたよりもグッド・フィーリングです。
アイアンのような『乗っかり感』『くっつき感』は無く、弾き感の強い『薄い』打感ですが、硬すぎずボヤケすぎないので好感がもてます。
中空独特の、あの『ペチャッ』とした感じとか、ガツンとくる感じはありません。
中空としてはなかなかいい打感で、この打感はこれまでも経験したことがあります。

『球のあがりやすさ』としてはあがりやすいですが、ユーティリティアイアンとしては普通です。
特別よくあがるとは感じませんが、タフなタイプではありません。
しかしどちらかといえばヒッター向けなのは明らかです。
ある程度HSがあったほうが、合いやすいような気がします。
アイアン型が苦手だという方は、FWやウッド型ユーティリティを使われたほうがいいかもしれません。
ソールを滑らせて使っていけるので、アイアンのように『ダイレクト』に捉えなきゃ・・・。とか、上から潰さなければ・・・。ということは無く、FWのように手前から滑らせる感じで充分あげてくれるクラブです。

『安定性』という点でもシビアさは感じず、寛容なところがありますが、ユーティリティアイアンの中では平均的といっていいように思います。
こういったタイプのクラブはある程度のスイートエリアの広さが確保されているものの、そこから外れると『当たり負け』しやすい傾向がノーマルタイプのアイアンよりは強いような気がします。
きっちりとではなく、いい意味でアバウトに打っていける特長をもったクラブです。

『飛距離性能』という点でも普通で、特別よく飛ぶという印象はありませんが、これがまたいいのかもしれません。
暴れる感じがしないので、安定して球を運んでいけます。
ハイテク感は無いものの、そこがまたいいです。

『操作性』という点では、それほど秀でてはいないと思います。
左右にも曲げることはできましたが、敏感に反応するタイプではありません。
構えたときに、あまりいいイメージが出なかったということもあるのですが、あまり細工をせずに無難に打っていきたいと考えていました。
操るのであれば、やはりもう少しヘッドを小さくしたほうが易しいように感じます。
ユーティリティアイアンらしい、『セミオートマチックタイプ』のクラブといっていいように思います。
試打後の感想

構え感などはあまり好みではなかったのですが、初見で、このクラブのもつ質感の良さに見とれていました。
さすがゾディアだな・・・。と思いながら、目の保養をしていました。
この質感の良さは、他のメーカーでは見られず、ゾディアらしい個性といってもいいです。

小顔で構えやすいクラブはたくさんありますが、質感が良くないクラブは今でもたくさんあります。
くすんだような質感や、『すす』で黒ずんでしまったような感じのクラブも見られます。

そういったクラブはメーカーが決まっているように感じます。
バックフェースやソールに色々な物を付け足すことばかり気を取られ、重量バランスが崩れてしまったり、最終的な仕上げが疎かになっているものも少なくありません。

しかしゾディアは違います。
あらゆる角度から見ても、『雑』とは程遠いメーカーです。
質感だけで、これだけ楽しませてくれるといいますか、目の保養になるのはゾディアだけかもしれません。

視覚的なことを除いた性能としては、標準的でバランスがとれていると感じました。
特別よく飛ぶとか、球があがりやすかったり、曲がりにくいということはありません。
『工夫され過ぎていない』クラブといっていいのではないでしょうか?

これからのゾディアにも期待していきます。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020年05月30日
Zodia TLX-C1 アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia TLX-C1アイアン の7番です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75ンチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

久しぶりに出会った、ゾディアのアイアンです。
ゾディアのクラブに出会う機会はそれほど多くないのですが、こうして再び出会えることがとても嬉しいです。
ウェッジのイメージが強いゾディアですが、アイアンも優れていて、すごく魅了されています。
私は何度も購買意欲を刺激されていますが、ウェッジ好き・アイアン好きの方には、是非試していただきたいメーカーのひとつです。

最近よく見られるようになった、ノーマルキャビティです。
私はゾディアのクラブに接した経験が少ないのですが、ゾディアはポケキャビや中空アイアンもラインアップされているのでしょうか?
ゾディアらしく、バックフェースのデザインもカッコいいです。

大きさも標準的で、輪郭がシャープです。
この輪郭もゾディアらしい特徴です。
全体的な質感もいいです。
光沢感のある仕上げですが、ミラー仕上げのようにピカピカ光るタイプではないので、日差しの強い日のラウンドでも問題なさそうです。

彫りの深さもたっぷりあります。
ノーマル(フル)キャビティです。
ハーフキャビティはハードルが高そうだけど、フルキャビティは好きだという方は、このアイアンの彫りの深さには好感を持たれやすいのではないでしょうか?

トップラインは、かなり薄めです。
昔はよく見られましたが、最近では少ないように思います。

ソール幅は標準的です。
一応テーパーになっていますが、きつくはありません。
このソールの質感もゾディアらしい個性が見られ好感が持てます。
私はアイアンやウェッジのソールを見て、『ソールのタッチ』をイメージするのですが、このアイアンのソールのタッチはとても柔らかいといいますか、優しそうな印象をもち、思わず目尻が下がっていました。

ソール形状は平らというよりは多少丸みがありますが、トゥ側が大きく削り込まれているのが特徴です。
斜めに傾斜している・・・。といったほうがいいかもしれません。
最近はアイアンのソール形状も多様化していますが、このような形状は珍しいです。
かなり抜けが良さそうに見えますが、ここまで大きく削られているのが珍しいといいますか、徹底されているように感じられます。

ネックは、やや短めですが、今のアイアンの中では標準的といっていいように思います。
こうして見ても、少しグースタイプになっているのが分かります。
一度ストレートで作って、後からグイッとネックを曲げているように見えます。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ゾディアはウェッジのイメージが強いので、ミーリングがあるのかな・・・。と思っていましたが、ありませんでした。
ミーリングは無いですが、フェース面を指で触ってみると、ツルツルすることなく、程よいザラザラ感があります。

素振りをしてみると、とてもいいです。
程よい重さと硬さがあって、タイミングが取りやすいです。
今は色々なアイアン用シャフトがありますが、私は今もこのシャフトを愛用していて、信頼しています。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
大きさなどはちょうどいいのですが、トゥ型の『角』といいますか、尖った部分がよく目立ちます。
昔はよく見られたのですが、今は圧倒的に丸くなっているものが多いので、珍しくて懐かしくもあります。
少しグースが利いていますが、苦手に感じるほどではありません。
そして、トップラインの薄さも目立ちました。
厚いほうが好きだという方もいらっしゃると思いますが、私は厚いタイプよりも、このように薄くてシャープなほうが好きなので、好感が持てました。
見とれてしまう・・・。というよりは、懐かしいな・・・。という構え感でした。
試打を開始しました

『打感』はソフトで好感が持てました。
マッスルバックのような厚み感はそれほど無いですが、『球当たりが優しい』といいますか、ガツンという接触感ではなく、ソフトに優しく接してくれるフィーリングです。
インパクトの瞬間を飛行機の着陸に例えると、『ハードランディング』ではなく、『ソフトランディング』といったらいいでしょうか?
手に嫌な衝撃も残らないですし、何球でも打っていたくなります。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といった印象です。
特別あがりやすくなっているということでもなく、昔ながらの『普通の性能』をもったアイアンです。
最近は色々な異材なども組み込まれていて、多機能になっているアイアンが多いですが、このアイアンはそのようなタイプと一線を画すベーシックな性能をもっています。
ヒッター向きだとは思いますが、それほどハードルが高い感じはしません。

フルキャビティらしく、寛容さは充分持ち合わせています。
カッコいいアイアンなので、ついつい気難しいタイプではないかと思いがちになってしまいますが、実際に打ってみても、親しみやすくて易しいアイアンだな・・・。と思いました。
フルキャビティらしい易しさがありますが、これがもし、もっと大顔になったり、グースがきつくなったりすると、そのハードルはグッと上がるような気がします。
ちょうどいい大きさがあるから、ちょうどいい易しさがあり、そのバランスがとれているように感じました。

『飛距離性能』は『チョイ飛び』という感じですが、今のアイアンの中では普通といったところでしょうか?
打ち出しがやや低くて、一番手くらいよく飛ぶ感じがしましたが、今はこれくらいが当たり前といったところなのかもしれません。
ガツンと当てに行くよりも、このアイアンの特長のひとつでもある『ソフトタッチ』を利用して、そのイメージでいったほうが縦の距離感が合いやすいような気がしました。
でもそれは、スイングが緩むということではありません。

キャビティタイプではありますが、ちょうどいい大きさであり、グースもきつくないので、扱いやすく、操作性の高さも感じられました。
左右同じように反応してくれました。
どちらかに偏っていることもなく、ほぼ中立タイプです。
試打後の感想

ゾディアらしい質感の良さと、独特の光沢感。
そして輪郭。
他のメーカーのアイアンでは見られない特徴です。

今は多くのアイアンが似通っていて、メーカーのロゴを見ないと、どこのメーカーなのか分からないことが殆どですが、この質感を見るだけで、すぐにゾディアだと分かりました。
まさに希少といっていいメーカーです。

カッコいいだけでなく、構えやすくて打感がいいのも、このアイアンの大きな特徴です。
ステンレスではなく軟鉄アイアンでも、物によっては『ガツン』という感じの当たり方をする物もあるのですが、このアイアンは優しくヒットできるので、心地よい感触が残ったのも印象深いです。
見たところ、普通のノーマル(フル)キャビティになのですが、何か外からは見えない工夫がされているのでしょうか?

カッコいいけど、気難しさはない・・・。
親しみやすさもあって、いい意味で見た目とのギャップもある・・・。
そんなアイアンです。
今はこのようにカッコ良くても気難しくなく、親しみやすいクラブが多くなってきました。

安定性もありますが、操作性が犠牲になっていないので、自分の球筋を活かして打っていきたい方にも、好感が持たれやすいのではないでしょうか?
無駄な直進性が無い・・・。といいますか、『微妙なカーブ』を描きやすいので、イメージが出しやすかったり、距離感が合いやすくなる・・・。という方も多くなるような気がします。

なかなか出会うことがないのが残念ですが、これからも出会うことがあれば、積極的に試打していきたいです。
いつかはゾディアのアイアンやウェッジを購入したいと考えています。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2018年04月10日
Zodia Z921CC ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z921CC ドライバー です。

シャフトは Fire Express MAX Plus 6 です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は66g、トルクは3.3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は313gです。

久し振りに出会った、ゾディアのドライバーです。
ゾディアはウェッジやアイアンのイメージが強いですが、ドライバーも以前試打したことがあります。
全身が黒で、シブいドライバーです。
一時期は多くのメーカーで、白いヘッドが多く見られ(もちろん今でもありますが)ましたが、最近は黒いヘッドも増えてきたような気がします。
黒という色は重そうな印象を与えるので苦手だ・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は逆にそれがいいです。
ヘッドに適度な重さがあって、放たれるボールも風に強い重たい球を打ちたいと、いつも思っているからだと思います。
風があっても無くてもオートマチック的に、ライナー系の重い球を打ちたいので、このドライバーの見た目は『どストライク』です。

厚みのあるドライバーです。
シャロー系が多い中、このような厚みのあるドライバーも少しずつ増えてきたような気がします。
シャローに物足りなさを感じていて、ディープタイプを使ってみたいという方は、この形状はとても魅力的に見えるのではないでしょうか?
ディープタイプにはシャロータイプには無い、『厚みで飛ばす』というイメージが出しやすいです。
あくまでもイメージですが、フェース全体でボールを包み込んで、そこから一気に放出する感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ボールをスイカに例えると、小さい風呂敷ではスイカは包めませんが、大きな風呂敷は確実にしっかりと包めるので、楽に持ち運びでき、近所にお裾分けできます。
ちょっと例えは違うかもしれませんが、これに近いイメージです。
この立体感と丸みを帯びた形状は懐かしくもあり、頼もしさを感じさせてくれます。
挑戦意欲も掻き立ててくれます。

ネックの長さは、やや短めに見えましたが、今では標準といっていいように思います。
ヘッドも厚みがあるタイプなので、重心の高さが結構あるように見えます。
今は重心の低さをアピールしているといいますか、見た目で分からせているようなデザインのクラブがとても多いですが、このクラブは全く違います。
ちょっと前のクラブのような雰囲気があります。
この角度から見ていると、あの名器中の名器、EPON AF-101を思い出しました。
あのドライバーのヘッド形状に似ているような気がしました。
できることなら、見比べてみたい・・・。
もっといえば打ち比べてみたい・・・。
また出会うことができたら、どんなに幸せなことだろう・・・。
と思ったのですが、AF-101はもう生産されていないので、今では出会う機会がありません。
残念ではありますが、今日はこのドライバーを思いっきり楽しもう・・・。と思いました。

ソケットには『Zodia』の文字がありました。
ゾディアファンの方にはたまらないのではないでしょうか?
ウェッジやアイアンにも、このソケットを使っておられる方もいらっしゃると思います。

ソールにはウェイトがひとつだけ配置されていました。
最近は結構小さめのウェイトが複数配置されていることもありますが、このドライバーの場合は、やや大きめのウェイトがひとつだけです。
六角レンチではなく、専用の工具を使えば簡単に取り外せそうです。
数字は刻印されていないので、重さは分かりませんでした。

フェース寄り

トゥ側

ヒール側
ソールの『フェース寄り』と『トゥ側』と『ヒール側』の3カ所に、ちょっとした凹みが見られました。
これにはどのような意味があるのでしょうか?
単なるデザインではなく、おそらく大きな理由があるのだと思います。

トゥ側にある、この網目のような模様が結構目立っているのですが、これはおそらく特別な意味はなく、単なるデザインなのだと思います。
クラブの性能とは直接関係無いと思います。

フェース面がとても美しいです。
シンプルで、昔からあるオーソドックスなデザインです。
久し振りにフェース面で見とれてしまったような気がします。
今はフェース面のデザインも複雑化していますが、今でもこのようなシンプルなタイプが採用されているということは、それだけ理に適った優れたデザインなのだと思います。
フェース面はクラブの中で『唯一のボールとの接点』なので、このデザインだけで印象が大きく変わってきます。
このドライバーの美しいフェース面は、とても柔らかなフィーリングを想像させてくれました。
チープさや雑さは全くなく、すごく丁寧で美しいです。
こういったところにも、そのメーカーの印象を決定づけるところがあると思います。
雑な仕上げになっているクラブは今でも多く見られますが、そういったクラブは魅力が半減してしまいます。
『美』というのは、物理的な性能とは直接関係無いのかもしれませんが、同じ打つなら、このような美しいクラブで球を打ちたいです。
見た目が雑で製品誤差の大きいクラブだと、それに合うような雑なスイングになってしまうことがあるかもしれませんが、美しいクラブ・見ていて心がときめくクラブで球を打つときは、一球一球大切に打っていきたくなりますし、フィーリングを楽しみたいと思います。
ゴルファーはクラブに影響されることがとても多いと思います。
いい意味で、クラブに引っ張られることもあるのではないでしょうか?
クラブがゴルファーをいい方向へ導いてくれることは多いと思います。
少なくとも、私はそういった経験をたくさんしてきました。
私はたくさんの素晴らしい仲間たちに恵まれた幸せなゴルファーですが、たくさんの素晴らしいクラブに出会い、相棒に迎えることができた幸運なゴルファーでもあります。
その頼もしい相棒たちに私のゴルフライフを支えてもらいました。
その相棒たちのおかげで楽しい思い出がたくさんあり、今は感謝の言葉しかありません。
このドライバーの美しいフェース面を見ていて、そのようなことを考えていました。

セミディープタイプのドライバーといっていいと思います。
シャロー全盛の今では、明らかにディープタイプになるのですが、昔のクラブをたくさん見ている私はディープというよりは、セミディープという言葉のほうが合っているように思います。
この独特の厚み感がたまりません。
ディープタイプを敬遠しておられる方もいらっしゃると思いますが、今は意外と打ちやすいディープタイプもありますし、逆にタフなシャロータイプもあるので、設計自由度の高いドライバーは外観だけでは分からないところがあります。
大切なのは、『手にしたら迷わず打て』です。

とてもいい顔をしています。
クセのない、ビューティフルな顔です。
セミディープタイプのヘッドだと思いますが、こうして顔を見ていると、ディープというよりはシャローな印象のほうが強くなりました。
ヘッド後方が少し膨らんでいて、投影面積も結構あります。
バルジも綺麗です。
私の目尻はずっと下がりっぱなしでした。
易しさと自然な感じが両立できていました。
最近は(特にイージー系ドライバー)は、クセの強いものが多いように思うのですが、このドライバーにはそういったクセは全く感じませんでした。
自然な易しさがありました。
先日、Jean-Carlo JC501というドライバーを試打し、そのドライバーの顔を見たときも『ツアーチャンプクアトロ』を思い出したのですが、今日も思い出しました。
このゾディアのほうが、よりツアーチャンプクアトロに近いように感じました。
今度機会があれば、見比べてみたいと思います。

光に照らすと、クラウンにカーボンのような模様が見られました。
低重心にする為に、カーボンが使われているのかもしれません。
クラウンにカーボンが使われているドライバーは、最近また増え始めました。
テーラーメイドやキャロウェイがすぐに浮かびますし、それだけ効果が高いのだと思います。
テーラーメイドの『ツートンカラー』タイプではなく、『ワンカラータイプ』です。
昔愛用していた、『PRGR TR-DUO』を思い出しました。
クラウンのカーボンコンポジットといえば『PRGR TR-DUO』は外せません。

素振りをしてみると、いい感じです。
タイミングも取りやすく、すぐに馴染むことができました。
今から、この美しくてカッコいいドライバーで球を打つことができるのかと思うと、嬉しくてたまりません。
ワクワクしてきました。
気持ちの昂ぶりを抑えられません。

ボールを前にして構えてみると、いい感じです。
とても構えやすいです。
精悍な顔つきなのですが、尖った感じではなく、親しみやすさのある構え感です。
フェースアングルだけを見ていたら、結構つかまりそうな感じもするのですが、ヘッド後方が少し膨らんでいてシャロー感もあるので、フェード系のイメージも出やすく、それらが上手く相殺されているように感じました。
方向に対する不安も全く無く、落ち着いて構えることができました。
構えづらいと呼吸が浅くなったり、頭の中がモヤモヤしてきたりすることもあるのですが、今日は全く違っていました。
呼吸も深くとれたので肩の力が抜けてリラックスでき、頭の中は今日の天気のように晴れやかでした。
普通に『顔』として見ていたときよりも、こうしてボールを前にして構えて日光に当たったときのほうが、カーボンの模様がくっきりと浮き出てきました。
カーボンの模様が見えましたが、全く邪魔にはなりませんでした。
シャロー感があり、フェースもよく見えたので、球が高くあがりそうに感じました。
少しティを低くしたくなったので、低くしました。
最初見たときは『ディープ』の印象があったのですが、こうして構えてみると『シャロー』の印象のほうが強くなり、珍しいな・・・。と思いました。
ライナー系のイメージは出ず、打ち出しの高いハイボールのイメージが浮かんできました。
まずは細工をせず、このイメージのまま振り切ってみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
しっかりとした感じで、球の質感も感じられたのですが、硬いということはなく、むしろしっとりと馴染んでいく感じです。
ほんの一瞬『乗せる』感覚を味わうことができました。

『音』も、いい感じでした。
はっきりしていて、やや高めの音ですが、とても好感のもてる音です。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振り切ることができました。
当てにいくのではなく、気持ち良く振らせてくれました。
叩きにいってもストレスが残らない、はっきりした音です。

『球のあがりやすさ』という点では、普通だと思いました。
特別あがりやすくなっているとか、すごくタフで『ドロップ球』が出やすいということもありませんでした。
構えたときに感じたままのあがりやすさでした。
フェースが結構上を向いているように見えたのですが、実際に打ってみても、その通りの弾道でした。
スインガータイプ向けではなく、明らかにヒッター向けのドライバーだとは思いますが、それほどタフなタイプではないと思います。
ハードルの高さで寄せ付けないような感じはありませんでした。
低いライナー系というよりは、『中高弾道』といったところでしょうか?

『安定性』も普通です。
シビアさは感じませんでしたが、今のオートマチック系の直進性と比べると、多少正直なところはあるように思います。
構えやすくて暴れる感じはしないので、ラインは出しやすいですし、球筋がブレにくいのがいいです。
いわゆる『易しさ』『曲がりにくさ』を追求して造られたドライバーではないと思いますが、決して気難しいタイプではなく、多くのゴルファーを受け入れる懐の深さのようなものがあるように感じました。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
キャリーもしっかり稼ぐことができましたし、球の勢いもいいです。
ヘッドの外観通りといいますか、予想していた通りのポテンシャルを発揮してくれました。
構えたときにシャロー感を感じましたが、結構振っていって飛ばしていきたいタイプです。
『叩けるシャロー』ドライバーです。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
美顔ではありますが、あまり操作したくないといいますか、自然な感じが合っているような気がしました。
もちろん曲げにくいということはなく、左右にも曲げることはできたのですが、できれば細工をせずに、自分の持ち球で勝負したいドライバーだな・・・。と思いました。
最近はつかまりのいいドライバーが増えてきましたが、このドライバーは逃がしやすくフェード系が打ちやすいです。
つかまり過ぎのドライバーに苦手意識をもっておられる方は、是非試してみられてはいかがでしょうか?

打つ前から、このドライバーのもつカッコ良さ・美しさに惹かれ、心がときめきました。
今ではそれほど多くない、『目で楽しめる』ドライバーです。
ウェイトはひとつだけありますが、調整機能は付いていないですし、とてもシンプルです。
そのシンプルさも、また魅力のひとつでした。

高さは出していけましたし、タフなドライバーではないと思いますが、今のドライバーの特徴でもある『低スピン系』のドライバーだと思います。
スピン過多で飛距離をロスしておられる方は、今でもたくさんいらっしゃると思うので、そういった方々にも是非試していただきたいです。
主に海外メーカーに見られますが、『低スピン系のハードルの高さ』のようなものは感じませんでした。
外国人ゴルファーをターゲットにして開発されたドライバーではなく、あくまでも私たち日本人ゴルファーをターゲットにして開発された親しみやすさのようなものはあると思います。
ゴルフは勿論、スポーツに国境はありませんが、その国や地域によって、好まれるクラブの特性というものがあるような気がします。
私たちが住む日本は、世界で一番たくさんの優れたクラブに出会える恵まれた国だと思います(とはいっても海外のクラブ事情は全く知らないのですが・・・)。
それはたくさんの大手有名メーカーが充実しているということもありますし、地クラブメーカーのレベルの高さが大きな要因です。
メーカーの規模と性能や品質は比例しません。
規模は大手メーカーに敵わなくても、優れたクラブを造るメーカーはたくさんあります。
新興メーカーが多いのも、日本の特徴だと思います。

今はたくさんのクラブに出会えるようになり、私たちゴルファーはその多くの中から、自分に合ったクラブを選べる時代になりました。
私がゴルフを始めたときとは比べものにならないほどの大きな違いがあります。
それはメーカーの数だけでなく、『質』と『性能』の向上もあります。
昔は今よりももっと『アタリハズレ』的なことがありました。
いいクラブとそうでないクラブの差が大きかったです、
でも今は違います。
全体的な底上げができています。
今の時代に、いいクラブを発表できないメーカーは自然に淘汰されていきます。
いいクラブがたくさんあるので、『自分の好きなクラブ』を選べばいいんじゃないかな?と思っています。
フィーリングなど、自分の好みや感覚で選ぶのが大切だと思います。

このドライバーは性能的には特別秀でているという感じはせず、驚くようなことは無かったのですが、上手くバランスが取れているな・・・。と思いました。
まず何より『美』に優れ、目で楽しませてくれ、所有欲を満たしてくれます。
『易しさ最優先』というドライバーではないので、それほど大きな支持は得られないかもしれません。
このような厚みのあるタイプのドライバーを敬遠しておられる方もいらっしゃると思います。
叩くよりも、楽にボールをターゲットまで運んでいきたい・・・。という方もいらっしゃると思います。
しかし、『易しすぎるドライバー』に飽きた、物足りなさを感じる・・・。もっと骨太でカッコいいクラブを使いたい・・・。という方もいらっしゃると思いますし、そういった方には、このドライバーは魅力的に感じられるのではないでしょうか?

久し振りに出会ったゾディアのドライバーですが、私は以前試打したモデルよりも、こちらのほうが気に入りました。
目で楽しめたのがとても大きいです。
私はゾディアのクラブを試打した経験がまだそれほど多くないのですが、カッコいいクラブを造るというイメージがまた強くなりました。
ドライバーはこのようにディープ系ばかりなのでしょうか?
今のニーズに合わせ、シャロータイプも用意されているのでしょうか?
詳しいことは分かりませんが、もしそういったタイプも用意されているのであれば、是非試打してみたいです。
このドライバーはとても気に入ったので、また機会があれば試打したいですし、コースでも試してみたいです。
このドライバーに出会えたおかげで、とても気分良く練習場を後にすることができました。
笑顔にさせてくれるドライバーでした。
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2018年03月28日
Zodia Z803 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z803 フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは RODDIO です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ です。

久し振りに出会った、Zodiaのフェアウェイウッドです。
ゾディアはウェッジやアイアンのイメージが強いですが、以前一度だけフェアウェイウッドを試打したことがあります。
なかなか出会うことが無いですが、今日は試打する機会に恵まれて嬉しくなりました。
ゾディアらしい、派手さが無く落ち着いたデザインです。

シンプルで美しいです。
以前試打したモデルと大きく変わっています。
前のモデルも良かったのですが、私はこのシンプルな形状に惹かれました。
スプーンではありますが、かなりシャロー感があり、今のFWの特徴がでています。
今はこういうタイプが多いです。
最初はクリークかと思っていたのですが、ヒール側に『3』と表示されているので、スプーンなのだと分かりました。
ディープなスプーンは、今はもう見かけることが殆ど無くなりました。

トゥ側

ヒール側

バックフェース側
トゥ側・ヒール側・バックフェース側と、3カ所にスリットのようなものが入っています。
これは空気抵抗を減らす為のものなのでしょうか?
それとも単なる『オシャレ心』なのでしょうか?
それほど深いスリットではないですが、それ以外は特に変わったところが見られないシンプルな形状なので、少し目立ちました。

ネックの長さは、しっかりとありました。
これはちょっと珍しいです。
今はショートタイプが圧倒的に多いです。
ショートネック&シャローヘッドの組み合わせが多いですが、このFWはちょっと違っていました。

かなりシャローな形状です。
見慣れた形状ではありますが、このシャロー形状に好感を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
今はシャローバックタイプでも、ディープフェースのクラブが多いですが、このFWにはそういう感じはありませんでした。
全ての点でシャローです。
昔のシャロータイプは、形が崩れてしまっているようなものもありましたが、最近はとても整っていてすっきりしたものが多いです。
このFWもそんなタイプです。
ちょっと前までは、FWといえば、『このメーカー』というくらいに絞られていましたが、今は多くのメーカーのFWがレベルアップしているので、メーカーだけでは決められません。
優秀なFWがたくさんあります。
全体的な底上げができています。

綺麗なフェース面です。
シンプルさと綺麗さと追求しているように見えます。
フェース面はボールとの唯一の接点ですが、このフェース面のデザインで『ボールとの当たり』が柔らかそうか、それともきつそうか感じられることがあります。
このクラブのフェース面は、見ているだけで柔らかそうな感じが伝わってきます。
今はフェース面もメーカーによって色々な工夫がされていますし凄いな・・・。と思うのですが、それでもやはりこのシンプルで美しいフェース面には魅力を感じます。
見るからに柔らかそうなところと、これまでの経験を活かしていけそうなところがすごくいいです。

顔は、まずまずでした。
もうちょっと好感のもてるすっきりした顔だと思っていたので、ちょっと意外でした。
ヘッド後方の伸びがちょっと目立ちましたし、フェースが少し被っているように見えました。
ラージサイズでロフトが立ったドライバーは球がつかまりにくいのでフェースを被せざるを得ないところもあるような気もするのですが、元々コンパクトでシャローなFWで、ここまでフェースを被せる理由はあるのかな?と、ふと思いました。
しかし、これにもメーカーの狙いがあるのだと思いますし、このつかまえ顔に好感を持たれる方も多くいらっしゃると思います。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
それほどハードなタイプではなく、むしろ易しめのスペックではありますが、タイミングも取りやすいので、気持ち良く振っていくことができました。
余計な動きをしないので、好感がもてます。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
球はあがりやすそうですが、やはりフェースが被っているように見えました。
フックフェースはあまり得意ではないので、私は少し苦手意識が芽生えてしまいましたが、これくらい被っているほうがいい・・・という方もいらっしゃると思います。
フックのイメージが色濃く浮かんできたので、私は一旦アドレスを解いて、少し右に向き直して右から回す感じで打っていくことにしました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とても良いです。
フェース面を見たときに、柔らかそうだな・・・。と思っていたのですが、その通りのソフトなフィーリングでした。
『軽やか~な』打感といったらいいでしょうか?
球の重さもあまり感じなかったですし、弾きも良いです。

『音』も好感がもてました。
はっきりとした金属音ですが、大きすぎず心地いいです。
耳にも優しく、しっかりと振っていくことができました。

球はとてもあがりやすいです。
直打ちでも全く問題ないです。
充分過ぎるほど球を上げてくれました。
最近のスプーンは直打ちでも全く苦にしないといいますか、させない物が多いですが、このクラブのそんなタイプです。
かなりイージーなスプーンです。

『安定性』は、なかなか高いです。
寛容さを感じましたが、私にはつかまり過ぎるので、ちょっと工夫が必要でした。
やはり一旦アドレスを解いて、向きを変えたのは正解だったように思います。
アドレスで違和感をもったままショットすると、ほとんどミスショットにつながってしまいますが、今回もそんなことを実感しました。
逆にアドレスで違和感なく、上手く構えることができると、かなり成功率が高まるということになると思います。
私には『つかまり過ぎ』なところがありましたが、球がつかまりやすくてあがりやすいスプーンを探しておられる方には、魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』は、なかなか良いです。
キャリーもしっかり稼げるタイプですし、球が速いです。
美しくてシンプルなFWなので、飛距離性能も少し控えめな感じかと思っていましたが、そうではありませんでした。
飛びのポテンシャルは結構高い感じがします。
しかも難しくなく、幅広い層に受け入れられやすそうな『易しい飛び』の性能をもっています。
私にはつかまり過ぎる感じがするのですが、これも魅力に感じられる方もいらっしゃると思います。
このつかまりの良さも、飛距離につながっているのかもしれません。

『操作性』は、まずまずでした。
かなりのシャロー感がありますし、それほど細工をするタイプではないと思いますが、左右にも曲げることができました。
つかまりはいいですが、決して右に曲げられないというクラブではありませんでした。
ただ、それほど大きくは曲げづらい感じで、『小さい曲がり幅』で勝負していくタイプのFWだと思います。
私は右に曲げるよりも左に曲げるほうが易しく感じました。

シャロー系の特長のひとつといってもいいと思うのですが、かなり易しいFWです。
タフなところは全く無く、球を充分あげてくれるので、ハードルの高さは全く感じませんでした。
今は大手有名メーカーのFWがすごく易しくなっているように感じますが、このクラブもそれらに負けない易しさをもっているように感じました。

質感がいいのも魅力です。
丁寧に仕上げられていて、チープな感じは全くしません。
この外観ひとつで、やる気スイッチが入るか、それとも入らずテンションもあがらないままになるか、分かれますが、このクラブはやる気スイッチが瞬時に入りました。

易しいとか、飛ぶということも大切ですが、まずは見た目で印象が大きく変わってくるので、このFWの質感は好感がもてました。
ゾディアというメーカーのイメージに合う、派手さは無いけれどシンプルで美しいクラブです。

質感が良くて美しいだけのクラブではなく、『あがりやすさ』と『飛び』が優れています。
キャリーもしっかり稼げますし、弾きの良さとつかまりの良さも、このクラブの特長です。
先ほども書きましたが、私にはちょっとつかまり過ぎる感じがあったので、そこが少し不安材料ではあるのですが、それは私がフッカーだから感じる不安であって、スライサーの方にはちょうどいいのかもしれません。
これくらいのほうが真っ直ぐ打ちやすいという方も多いのではないか?と思いました。

美と高い基本性能を持ち合わせています。
高級感もあり、贅沢なFWだと思いました。
このFWを見ていて、何となくエポンのFWを思い出したので、またエポンのニューFWにも出会えたらいいな・・・。と思いました。
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2016年12月18日
Zodia CG512 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia CG512 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

ゾディアのカッコいいキャビティアイアンです。
なかなか出会うことのないメーカーですが、今日は試打することができて幸運でした。
他のメーカーのアイアンには見られない、独特な質感もゾディアの特徴です。
ヘッドの輪郭が少し不均一なところがあり、ハンドメイドっぽくてオシャレです。

オーソドックスなキャビティアイアンといっていいと思います。
最近は圧倒的にポケキャビが多いので、このような昔ながらのノーマルなキャビティアイアンは新鮮に見えます。
私は試打する前に、まず目で楽しみたいといつも思っているのですが、今日はそれができました。
気持ちの盛り上がり方が違います。
ワクワクしてきました。

彫りの深さはノーマルな感じです。
ハーフキャビティっぽいところもありますが、それほど浅い感じはしません。
バックフェースのデザインに特徴があります。
トゥ側とヒール側がちょっと膨らんでいるので、慣性モーメントが高くなるように設計されているのかな?と思いました。

ソール幅は狭めです。
こういうところを見ると、マッスルバックやハーフキャビティを連想します。
最近のアイアンは打ちやすくなるようにソールにも様々な工夫が施されていますが、このアイアンにはそういったものが見られません。
必要最小限しか手を加えていない感じがします。
こういったところもまた魅力でもあります。
打ちこなしてやろうという気概が生まれます。
それはやはり『美しさ』からくるものがあるのだと思います。
美しさに引っ張られているような感じがしました。
贅沢な気分に浸ることが出来ました。

リーディングエッジは小さく削られていました。
抜けを良くする為でしょうか?
大きく削られているアイアンも多いですが、このアイアンは控えめです。

ネックはやや短めですが、今はこれくらいが標準といえるのかもしれません。

ホーゼルにある、『MADE IN JAPAN』の文字が好感度をさらに高めてくれますし、『高品質感』があります。
どこで作っているか分からないクラブよりも、きちんと生産国が分かり、作り手の見えるクラブは安心できます。
そして何より、『軟鉄』というところがいいです。
打感がいいのはもちろんですが、自分に合うように微調整がしやすいのは本当に大きいです。
どうしても方向性が合わないな・・・。距離感が合わないな・・・。という方は一度、使っておられるアイアンを疑ってみられるのもいいかもしれません。
クラブは買って終わりではなく、自分に合うように微調整して使うものだと私は思います。
そして、それができるのが軟鉄アイアンの『最大の長所』といえます。

このベルベットタイプのオリジナルグリップがとても良いです。
アイアンやウェッジには最適のグリップだと思います。
耐久性はやや劣るところがありますが、フィーリングが最高です。
微妙なニュアンスをつかみやすいです。

フェース面にミーリングはありませんでした。
このフェース面の美しさに、しばらく見とれてしまいました。
ノーマルなフェース面ですが、とても綺麗です。
クラブの中で唯一の『ボールの接点』でもあるフェース面は、このように美しくあって欲しいと思います。
アイアンのフェース面にも、色々なタイプがありますが、このアイアンはとても上質な感じがします。
こういったところにも、メーカーの個性が感じられます。
『角溝』ではありませんが、スコアラインの一本一本のエッジが立っているように見えます。
ボールを上手くキャッチしてくれそうです。
フェース面を見ただけで、『いいインパクト』をイメージさせてくれるアイアンは、とても魅力的です。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
少しグースが利いていて、ヒール付近の膨らみがありました。
ゾディアらしいアイアンだな・・・。と思いました。
私の中での『ど真ん中のストライク』ではないのですが、好感がもてます。
この落ち着いた感じがたまりません。
クラブにも品格というものがあるんだな・・・。と思いました。
一球一球丁寧に打っていこう・・・。と思いました。
大顔タイプではなく、適度に小顔で、ボールとの『大きさのバランス』もちょうどいいです。
イメージがボヤけることはありませんでした。
グースが少し利いていますが、左が気になりすぎることはなく、普通に振っていけそうだな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
軟鉄らしい柔らかな打感です。
適度に厚みがあって押していけるのがいいです。
弾く感じではなく、しっかりと乗ってくれるので、コントロールしやすいです。

『音』も、良いです。
カツーンカツーンというアイアンらしい音を楽しむことができました。
構えたときのイメージと、この音がマッチしていました。
このようなアイアンはラインを出しやすいですし、距離感も合いやすいので、落としどころをかなり限定できる感じがします。
アバウトなタイプではありませんでした。

『安定性』という点では、普通かな?と思いました。
易しさ重視のアイアンではありませんが、易しすぎないところがまたいいのではないかな?と思いました。
しっかりと自分の意思を伝えていきやすいですし、クラブ(ヘッド)からの答えも返ってきやすい感じがします。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けといっていいと思います。
結構しっかりとしたスペックなので、幅広い層に合うようには作られていないと思います。
ターゲットを絞り込んでいる感じがしますが、その中に入る方にとっては、かなり感覚がつかみやすいのではないでしょうか?

『飛距離性能』は今のアイアンの中でも平均的か、少し飛ばないほうといえるかもしれません。
距離最優先のアイアンではありません。
軟鉄の本格的アイアンらしい、飛距離性能といったらいいでしょうか?
もっと距離を望むならば、番手を上げればいい・・・。不自然なことはしない・・・。というメーカーの思いが伝わってくるような気がします。
あくまでも7番アイアンらしい飛距離にこだわっているように感じます。

『操作性』は、いい感じでした。
マッスルバックほどの反応の高さは無いものの、左右にも反応してくれましたし、クセのようなものも感じませんでした。
少しグースが利いていましたが、左が気になることはなく、自然に対応していける範囲でした。
適度に小顔なので、球もつかまりやすく、いい感じのドローボールを打つことができました。
右に曲げるのも易しくできました。

正確に距離を刻むことのできるアイアンだと思いました。
今は様々なパーツが組み合わさったアイアンも珍しくないですが、このアイアンの『ワンピース感』がとてもいいな・・・。と思いました。
異材なども組み込まれていないようです。

あくまでもフィーリングを楽しんで欲しい。
マッスルバックではなくキャビティにして、ある程度の易しさはあるけれど、あくまでも主導権はプレイヤー側にあって、使いこなして欲しい・・・。
という、メーカーの思いがあるように感じました。

易しさが邪魔をして感覚が出しづらいアイアンは嫌だ。
球を打つのが楽しくてたまらないアイアンが欲しい・・・。
という方には、是非試していただきたいと思いました。

これまで易しいアイアンを使ってきたけど、何か物足りないな・・・。退屈に感じるな・・・。という方にも試していただきたいと思いました。
マッスルバックはかなり敷居が高く感じるけど、キャビティなら親近感が湧くという方にも、合いやすいのではないでしょうか?

ヘッドの大きさはちょうどいい感じでした。
できればもっとグースが弱くてネック周りがすっきりしているほうが私は好きなのですが、それはあくまでも私の好みなので、このままで充分だという方も多いと思います。
今はストレートタイプのアイアンよりも、『セミグース』タイプの人気が高いように思います。
メーカーも、そういったところを配慮して作っているのだと思います。

機能性が高く、いわゆる『易しさ』が高いアイアンだとは思いませんが、ゾディアらしいこの圧倒的な質感・存在感は記憶に残りやすいです。
目にしたら手にとって打ちたくなります。
所有感を満たしてくれるアイアンといっていいのかもしれません。
また機会があれば試打してみたいと思いました。
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2016年10月10日
Zodia CG511 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia CG511 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

ゾディアの新しいアイアンです。
ゾディアらしいカッコ良さがあります。
このカッコ良さ・何とも言えない雰囲気は、他のメーカーでは見られない『個性』といっていいと思います。

とてもシャープなマッスルバックアイアンです。
最新モデルなのだそうですが、昔の感じが伝わってきます。
ボテッとしたところはなく、シュッとしているのが、とてもカッコいいです。
『易しい・難しい』はひとまず置いといて、いつかはこのようなアイアンを使ってみたい・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
昔から見慣れた形状ではありますが、見飽きることなく、いつも魅了されてしまいます。
ピカピカ光るミラー仕上げでないのも、好感がもてるところです。
ミラー仕上げで素晴らしいアイアンもたくさんありますが、私はこのように光らないタイプのほうが好きなので、好感度がアップしました。
しかし、これはあくまでもその人の好みの問題なので、クラブそのものの性能とは直接関係ないところです。

マッスルバックアイアンではありますが、完全なフラットバックタイプではなく、バックフェースに工夫が見られます。
最近はこのようなタイプも増えてきているように思います。

キャビティのような形状です。
『易しさ』も取り入れているのでしょうか?
それとも、これまでと違うバックフェースのデザインを採用しているのでしょうか?

ソール幅は狭いです。
今は少し広めのマッスルバックもありますが、このアイアンは狭いです。
こうして見ても、『ハンドメイド感』といいますか『手作業感』があって、とてもカッコいいです。
こういったところは、ゾディアの個性といっていいと思います。
他のメーカーのアイアンでは、このようなアイアンは見られません。
『大量生産』ではなく、『少数生産』の感じがして、プレミア感があります。

ネックは少し短く見えましたが、今のアイアンの中では標準的な長さだと思います。
一番多いと思います。
昔はマッスルバックやハーフキャビティはロングネックが、いわば『セット』のようになっていましたが、今ではあまり見られません。
『ショートネック化』が進んだように思います。
それともうひとつは『ソール形状の工夫』が見られるようになりました。
見た目はそれほど変わっていないように見えても、アイアンは確実に進化しているように思います。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ゾディアはウェッジの印象がとても強いので、ミーリングがあるかな?と思っていたのですが、ありませんでした。
とても綺麗なフェース面です。
スコアラインも丁寧に見えました。
いわゆる『活きているスコアライン』だな・・・。と思いました。
色々なアイアンを試打していると、『死んでいる』とまではいかなくでも、あまり『活力を感じないスコアライン』も少なくありません。
冷たく感じることもあります。
特に、あるメーカーのアイアンでは、そういったことを感じることが多いです。
私はそういったタイプのアイアンを、あまり好きになれませんが、このアイアンはとても好感がもてます。
ゴルフクラブは全ての部分が大切だとは思いますが、フェース面はボールとの『唯一の接点』なので、特にこだわっていきたいです。
いいインパクトをイメージしやすい。とか、スピンの効いた活きた球を連想させてくれるアイアンやウェッジに出会うと、気持ちも盛り上がってきます。

トゥ側の、この尖った部分も、ゾディアらしいところです。
ここの部分は『角を取っている』といいますか、滑らかなアイアンが多いですが、ゾディアはこのようなタイプが多いように思います。
メーカーのこだわりなのかもしれません。

このベルベットタイプのオリジナルグリップが、とてもいいです。
すごく手に馴染みます。
アイアンに最適なグリップだと思います。
好感度があがりました。

リーディングエッジが小さく削られていました。
ここもゾディアらしい感じがします。
均一ではなく、少しムラがある感じで、そこがまたいいのかな?と思いました。
使っていくうちに、どんどん馴染んでいきそうです。
今はリーディングエッジが大きく削られたアイアンも増えてきましたが、このアイアンはとても小さいです。
これくらいで充分だよ・・・。とメーカーが言っているようです。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
ストレートタイプで、イメージラインも出しやすいです。
できれば、もう少しネック周りが細くすっきりしているほうが好きなのですが、特に問題は無いと思いました。
ゾディアらしい構え感です。
『ゾディア顔』といっていいのだと思います。
私はもっとネック周りが絞り込まれているほうが好きです。
そのほうが『フェースターン』をイメージしやすいからなのかもしれません。
しかし、フェースターンを意識されない方は、この形状がフィットしやすいのかもしれません。
こういったところも、好みがはっきりと分かれるところだと思います。
私にとっての『ど真ん中のストライク』ではないのですが、これまでもたくさん経験していますし、易しさを感じるところもありました。
緊張することなく、落ち着いて構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
軟鉄らしい柔らかさと球持ちの良さがありました。
何と言っていいのか分かりませんが、この『至高の打感』に酔いしれてしまいました。

『ボールがフェース面(スコアライン)と戯れる感じ』といったらいいでしょうか?
軟鉄マッスルバックらしい打感です。
こちらのイメージが伝わりやすいですし、一球一球楽しむことができました。
一球毎の密度も濃いです。
『クラブと会話する感覚』といったらいいでしょうか?
あくまでも『ドライ』ではなく『ウェット』な感じで接していける感じ・・・。といったらいいでしょうか?
一球打つ度に、色々なことを感じ、考えることができました。
最初から、とてもいい感じで打つことができました。
こういったことがあるから、軟鉄アイアン、そしてマッスルバックは無くならないのかもしれないな・・・。と思いました。

『球のあがりやすさ』は自然な感じで好感がもてましたが、今のアイアンの中ではあがりやすいほうだとはいえないのかもしれません。
『ハイテクな感じ』『人工的な』あがりやすさではなく、『必要最小限』の手しか加えられていない、より自然な感じのあがりやすさといったらいいでしょうか?
こういうタイプのほうが出球のイメージが合いやすい・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今はかなりあがりやすいアイアンが増えてきているので、そういう意味ではタフなほうといえるような気もします。
あがりやすくなるような工夫はあまり感じませんでした。
しかし、『球の乗り』はとてもいいな・・・。と思いました。
私はこういうアイアンが大好きです。
バーンと弾くタイプのアイアンは少し難しく感じることも多いです。

『安定性』は、マッスルバックらしい正直さがあって、ある程度の敷居の高さがあると思います。
バックフェースの形状による、多少の易しさはあるのかもしれませんが、キャビティタイプというよりは、マッスルバックそのままの認識でいいと思います。
今はマッスルバックも、『易しさ』をどんどん取り入れている時代だと思います。
このアイアンも、そういったところを少し感じましたが、あくまでもマッスルバックに変わりは無いと思いました。

『飛距離性能』はノーマルな感じです。
7番アイアンらしい飛距離性能です。
飛びを最優先にしているアイアンではありません。
『飛ばす』というよりも、『刻む』ことに長けたアイアンだと思います。
アイアンに飛距離性能を求めておられる方には、合いづらいかもしれません。

『操作性』は、かなりいいです。
色々な『曲げ球』を打つことができました。
左右に、大きく曲げて楽しむことができました。
この反応の良さ・速さがあるからこそ、自分の球筋を信じて、コースでもアグレッシブに攻めていけそうだな・・・。と思いました。
左右どちらかに偏っているタイプではなく、中立的な感じがしました。

今はマッスルバックもグースタイプが増えてきて、つかまりやすさが向上しているように思いますが、このアイアンはそういった感じはしませんでした。
私がフッカーだからすごく易しく感じたところはあるのかもしれません。
ヒッタータイプの方でも、スライサーの方にはつかまりづらくて右に逃げやすい・・・。と感じられるかもしれません。

今はなるべくしないようにしているのですが、以前はニューモデルであっても、形状や外観などが苦手なタイプだと手にすることなく、そのままスルーすることもありました。
いわゆる『食わず嫌い』だったのかもしれません。
今はなるべく色々なタイプのクラブを手にしてみて、そこから感じ取れる部分を大切にしていこう・・・。と思っています。

しかしマッスルバックアイアンは違います。
メーカー問わず、目にしたら必ず試打します。
同じ日にハーフキャビティとマッスルバックを目にしたら、殆どマッスルバックを先に試打します。
キャビティは、また次の日にとっておくことが多いです。
『まずはマッスルバック』が私の『信条』といったら少し大袈裟かもしれませんが、マッスルバックには他のアイアンには無い魅力がたくさん詰まっています。

それほどマッスルバックに魅了されているのかもしれません。
それは『アイアンの原型』といっていいと思いますし、その美しさ・カッコ良さが私を魅了してやまないのだと思います。
『挑戦意欲』も掻き立てられるのかもしれません。
とはいっても、昔のマッスルバックよりも今のほうが、格段に易しくて親しみやすくなっているのですが・・・。

色々なメーカーのマッスルバックもいいですし、今日は特にゾディアのマッスルバックということで、気持ちもすごく入っていたように思います。
球を打っているのがとても楽しくて、予定の球数と時間を軽くオーバーしてしまいました。
完全に『私の中の殻』に閉じこもった状態だったと思います。

このようなカッコいいアイアンだと、下手な球は打てないな・・・。と思いましたし、このアイアンがバッグに入っているだけで、何らかの『プラシーボ効果』のようなものが得られるような気がしました。
自分自身を、いい方向へ暗示を掛けることができそうだな・・・。と思いました。
このアイアンで18ホールを回ることができたら、とても楽しいだろうな・・・。と思いました。
なかなか止める踏ん切りがつかずに、ついつい楽しんでしまいましたが、いいアイアンに出会うことができてラッキーだな・・・。と思いました。
清々しい気分で練習場を後にしました。
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2016年02月11日
Zodia V2.0-01 58 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia V2.0-01 58 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

ゾディアの新作ウェッジです。
ようやく出会うことができました。
前のモデルを試打してからずっと、ゾディアのウェッジには興味をもっていました。
購入したいと考えていたのですが生産が終わり、購入することができないと知り、残念に思いました。
しかし、ニューモデルが発売されるという情報を得ていたので、心待ちにしていました。

シンプルで美しいウェッジです。
最近ではウェッジも、色々な形が見られるようになってきましたが、私はこのようにシンプルなタイプが一番好きです。
こちらのイメージを伝えやすそうな感じがします。

前のモデルはフラットでしたが、このモデルには、このような溝といいますか、段差のようなものがあります。
これはどういう意味があるのでしょうか?
性能的にはあまり大きな変化をもたらさないような気もするのですが、前のモデルとの見た目の違いをはっきりさせる為なのかな?と思いました。
この形状もいいですが、私は前のモデルのフラットなほうが好きです。

トップラインの幅はノーマルです。
エッジが利いているのが分かります。
丸みを帯びた物もありますが、このようにシャープだと、構えたときに繊細なイメージを出しやすい印象があります。
こういった輪郭がシャープなところも、ゾディアの個性といっていいと思います。

ソール幅はノーマルです。
こうして見ても、ソール全体が丸くなっているのが分かります。
特にトレーリングエッジの丸みが目立っています。
かなり『削り』を感じさせるウェッジです。

バンスは結構利いていますが、トゥ側とヒール側が大きく削られているのが、このウェッジの特徴だな・・・。と思いました。
トレーリングエッジほどではないですが、リーディングエッジも微妙に丸みがあって、抜けも良さそうです。

ネックの長さも適度にあるので、好感がもてます。
このロングネックを見ているだけで、スピンが掛かりやすそうな印象を受けます。

フェース面にはミーリングがしっかりと入っていました。
目で見てすぐ分かるほど、はっきりとしたミーリングです。
前のモデルもそうだったので、おそらく今回もミーリングがあるだろうな・・・。と思っていました。
指で触ってみても、かなりザラザラ感がありました。
エッジがよく利いているな・・・。と思いました。
このフェース面に擦られたボールは、きっと急ブレーキが掛かって止まるだろう・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみても、かなりいいです。
ヘッドの据わりがとてもいいです。
一瞬でアドレスが決まりました。
いいウェッジの条件といっていいと思います。
モヤモヤした感じが全くありません。
予想通りの構えやすさです。
訊くところによると、グースタイプもラインアップされているそうなのですが、私はこのストレートタイプのほうが好きです。
ストレートタイプのほうが易しく感じるからです。
『出っ歯』具合もきつくなく、ちょうどいい塩梅です。
クセの無いウェッジだと思いました。
いいイメージが出せました。
左が怖くならない、いい感じの逃がし顔だと思いました。
カットに打っていくのも易しそうだな・・・。と思いました。
特にバンカーでは、このように感じられるウェッジは頼もしく感じます。

開きやすくて、いいウェッジだな・・・。と思いました。
ウェッジは開いて使うことが多いので、開きやすさはとても重要です。
トゥ側もそうですが、ヒール側も丸く大きく削られていたからでしょうか?
バンスが結構利いている感じがしたのですが、とても開きやすいです。
ヒール側が邪魔に感じることはありませんでした。
普通に『削りを入れた後のウェッジ』のように、自然に構えることができました。
バンカーショットのイメージもそうですが、ロブ系のイメージも強く出せました。
思わず目尻が下がってしまいました。
試打を開始しました。

まず何といっても、スピンの効きが凄いと思いました。
かなり強いスピンがボールに掛かっているのだと思います。
ボールがよく止まります。
前のモデルを試打したことがあるので、このウェッジのスピン性能に期待していたのですが、期待通りでした。
前のモデルと、どちらが高いか、実際に打ち比べてみないとよく分かりませんが、かなり強いのは確かです。
少なくとも、前のモデルのスピン性能より低いことはないだろう・・・。と思いました。
このスピンは凄いです。
確実に止めてくれるので、実戦でも突っ込んでいけそうだな・・・。と思いました。
『勇気をもらえる』スピン性能といったらいいでしょうか?
フルショットでスピンが掛かるのは当然ですが、このウェッジのように20Yや30Yといった短い距離でもスピンが効いてくれると、とても頼もしく感じます。
勿論、スピンが掛かれば掛かるほどいい・・・。というものでもなく、あくまでも『スピンコントロール』が重要になってくると思います。
実戦ではスピンが掛かりすぎないように打つことも多いです。
なので、このウェッジはスピンを抑えた打ち方も求められるのではないかな?と思いましたが、それくらいスピンの効きが強いです。
ウェッジにスピン性能の高さを求めておられる方はたくさんいらっしゃると思いますが、このウェッジはかなりスピン性能が高いので、多くの方に試していただきたいと思いました。

『打感』はソフトです。
軟鉄ウェッジの長所だと思います。
この独特の柔らかさが、絶妙な距離感を生みます。
今は軟鉄以外のウェッジもたくさん発売されていますが、私はやはり軟鉄が好きです。
耐久性という点では、他の素材に劣るところもありますが、この絶妙なフィーリングは一度手にしたらやめられません。
そして、『球への食いつき』がとても強いです。
前のモデル同様の『食いつきの良さ』です。
かなりフェース面が仕事をしてくれているウェッジだと思いました。

球はとても拾いやすくて、出球の高さのイメージも合いやすいです。
フェースを開きやすく、ボールをフワッと上げるのが簡単でした。
ロブ系のショットにも強いウェッジだと思いました。
私のホームコースは砲台グリーンが多く、手前から転がして寄せる・・・。ということが難しいところもあるので、このようにロブ系が易しいウェッジだと頼もしく感じます。

『安定性』という点では、標準的といった所でしょうか?
ラインも出しやすく、大きくブレることがありません。
適度な重量で粘りのあるシャフトも活躍してくれているのだと思います。

距離感もすごく合いやすいです。
初対面とは思えないほど、息の合いやすいウェッジだと思いました。
出球の高さのイメージが合いやすいので、自然と落としどころも限定できます。
ボールがキュキュッと急ブレーキが掛かって止まるので、ランを少なめに計算してピンに攻めていく感じがちょうどいいのかな?と思いました。

『操作性』もかなり高いです。
完全に『マニュアルタイプ』のウェッジだと思いました。
最近は『オートマチックタイプ』のウェッジも登場してきましたが、このウェッジはそれらとは違うタイプだと思いました。
オートマチックタイプのウェッジも素晴らしいですが、私はこのようなマニュアルタイプのウェッジが好きです。
色々と細工をしてボールと戯れたいと思っています。

ロブ系のショットがとても易しいので、活躍する場面は多くなるような気がしました。
今は冬なので確かめられませんが、夏のあの粘っこいラフに、どのように対応してくれるのかな?と思いました。
『いいライ』のときもそうですが、『逆目』や『ベアグランド』などでも活躍してくれるウェッジはとても頼もしく感じます。

予想通り、かなりいいウェッジだと思いました。
前のモデルが気に入っていたので、このニューモデルにも期待していたのですが、期待通りでした。
私の購買意欲を強く刺激してきました。
すごく欲しくなったので、またしばらくはこのウェッジが私の頭から離れないだろうな・・・。と思いました。

ウェッジの練習が大好きな私は、予定の時間ギリギリまで、このウェッジで楽しんでいました。
一球一球ターゲットを変えて、色々なショットを楽しみました。

今日は練習グリーンとバンカーが修復中ということで、打席からの試打となったのですが、また手にする機会があればバンカーなどでも試してみたいと思いました。
今日は、この58度のモデルを試打しましたが、違うロフトなど様々なバリエーションが用意されているのだと聞きました。
次は、違うモデルでも試してみたいと思いました。
『ノーメッキモデル』もあるのかな?と尋ねてみたのですが、メッキモデルだけとのことでした。
ノーメッキモデルや『黒染め』などの需要もあるのではないでしょうか?

私はまだゾディアのウェッジを購入できていないのですが、とても人気が高いそうで、前のモデルも一時期生産が追いつかないほどだったと聞きました。
そして、このニューモデルも既に大人気なのだそうです。
私はアンテナを張り巡らしていないので、最新のクラブ事情に疎いところがあるのですが、やはり情報通の方はたくさんいらっしゃるのだな・・・。と思いました。

ボーケイなどを筆頭に、素晴らしいウェッジメーカーはたくさんありますが、このゾディアも間違いなく仲間に入ります。
量販店などには並ばないクラブですし、大手有名メーカーとはいえないかもしれませんが、優れたメーカーであることに変わりないです。
このウェッジをバッグに入れてラウンドしたら、すごく楽しいだろうな・・・。と思いました。
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2015年11月01日
Zodia CM-2 Plus アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia CM-2 Plus アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

とてもカッコいいゾディアのアイアンです。
ゾディアのアイアンは、それほど多く出会ってきたわけではないのですが、とても魅力を感じています。
他のメーカーではなかなか見られない、独特の質感があります。
打つ前に、まずは目で楽しめるアイアンです。

形状的には、かなりマッスルバックに近いハーフキャビティといったところでしょうか?
昨年試打した、CM-2 アイアン とすごくよく似ています。
どこが違うのでしょうか?
こうして見ていても、よく解りませんでした。

バックフェースには赤い文字で、『CM-2 Plus』と記されていました。
CM-2に、何かプラスされているのでしょうか?
マイナーチェンジであることは変わりないと思うのですが、どこが変わったのか、よく解りませんでした。
今度機会があれば、CM-2と打ち比べてみたいと思いました。

彫りはかなり浅いです。
最近は少なくなりました。
かなりマッスルバック寄りのキャビティアイアンといったところでしょうか?

ソール幅は、ノーマルです。


リーディングエッジが削られていました。
抜けも良さそうです。
今はリーディングエッジが削られているアイアンがとても多いですが、このような美しい削りは、なかなか見られません。

ネックの長さは、やや短めです。
今、主流の長さといっていいと思います。

輪郭がシャープなのも、ゾディアの特徴です。
何とも言えない雰囲気があります。
『唯一無二』といいますか、このシャープなエッジを見るだけで、ゾディアだと分かります。
他のメーカーのアイアンでは見られません。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
ゾディアのウェッジはミーリングのイメージがとても強いですが、アイアンにはありません。
やはり、アイアンにミーリングはあまり効果が期待できないのでしょうか?

ボールを前にして構えた感じは、なかなか良いと思いました。
私の好みとしては、もう少しヒールがスッキリしていたほうが、フェースターンのイメージが出しやすいのですが、このままでも特に不満はありませんでした。
これくらいでちょうどいい・・・。という方もいらっしゃると思います。
人によって好みが分かれるところだと思います。
ストレートなので、ラインは出しやすそうだな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

まず何といっても、この素晴らしい打感にウットリしてしまいました。
極上の打感です。
何とも言えない柔らかさがあって、手に心地良い感触が残りました。
軟鉄ということもあると思いますが、マッスルバックやハーフキャビティのような『厚み』のある心地良い打感です。
とても贅沢に感じられますし、思わず笑顔になれました。
今は色々なタイプのアイアンがあります。
機能性重視でフィーリングはそれほど重要視されていないような物もあります。
しかし、同じ球を打つのなら、このような極上の打感を味わったほうが得だな・・・。と思いました。
そう思ってしまうくらい、このアイアンの打感はいいです。

『球のあがりやすさ』という点では、ナチュラルな感じでした。
あがりやすくなるように特別な工夫がされているようには思えませんでした。
『ロフト通り』の弾道です。
7番アイアンらしい、打ち出しの高さがありました。

『安定性』という点では、それほど寛容ではなく、マッスルバック並のシビアさはもっていると思います。
しかし、しっかり振り抜いてラインを出していくことができたので、易しく感じられるところもありました。
ラージサイズのアイアンを試打すると、その大きさが関係しているのか、打点がブレてしまうことが多いです。
色々なところに散ってしまうことが多いです。
しかし、このような適度な大きさだと、一点に集中してくれるので、易しく感じます。
ボールとフェースが自然に吸い寄せられるような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
『当たるべき所に当たる』という感じがします。

『飛距離性能』はノーマルな感じです。
とはいっても、今はアスリートモデルといわれるようなアイアンでも距離が出やすくなっているので、そういった意味ではそれほど飛ぶほうとはいえないのかもしれません。
バーンと弾くというよりも、しっかりと乗ってコントロールしやすいので、飛距離よりもコントロール重視タイプのアイアンだと思います。
昔ながらのシンプルでナチュラルなアイアンといっていいように思います。

『操作性』という点では、高いものを感じました。
反応もいいです。
左右に曲げやすいです。
ドローヒッターの方も、フェードヒッターの方も、自分の持ち球を活かしやすいアイアンだと思います。
どちらかといえば、フェードヒッターの方のほうが、易しく感じられるのかな?と思いました。

かなり楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきました。
全体的に見て、とてもカッコいいアイアンなのですが、打感の良さが一番印象に残りました。

この素晴らしいアイアンを明日、友人たちにも紹介したいです。
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2015年06月28日
Zodia FW-Ti フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia FW-Ti フェアウェイウッド です。

シャフトは ATTAS 6☆ です。
ロフトは15度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.3 です。

初めて手にした、ゾディアのフェアウェイウッドです。
これまで、ドライバーやアイアン・ウェッジは試打してきたのですが、フェアウェイウッドは初めてなので、興味津々です。
ゾディアはウェッジやアイアンのイメージが強いですが、フェアウェイウッドはどうなっているんだろう?と思いました。
ロフトが15度なので、スプーンという認識でいいのだと思います。
最近、ロフト表示はされていても、番手表示がされていないクラブも見かけるようになりました。
『番手の固定概念』をもたないようにする為なのかもしれません。
私はいいことだと思います。
今は同じ番手のクラブでも、かなりロフトがバラバラなことが多いです。
特にアイアンはその傾向が顕著です。
以前も書きましたが、いずれアイアンも『ロフト表示だけ』になってもいいのではないかな?と思っています。
『番手の距離』でなく、『ロフトの距離』をつかんでいたほうが、ゴルフはシンプルになるような気もします。
7番アイアンで何ヤード飛ぶのではなく、例えばロフト34度で何ヤード飛ぶ・・・。という認識をもっていたほうが普段のラウンドはもちろん、クラブを買い替えるときなどにも役に立つような気もします。
ただ、やはり『ゴルファー心理』というものがありますし、『メーカーの戦略』などもあるので、すぐには実現しないような気もするのですが・・・。

シャロー感の強いFWです。
最近の流行というよりは、『定番』といったほうがいいのかもしれません。
ディープなタイプのFWのほうが少なくなりました。
球があがりやすくなっていて、それだけ実戦でも使う場面が多くなってきているのだと思います。
昔は15度のFWの『直打ち』は、なかなかハードルが高いイメージがありましたが、今はとてもイージーになっていて、親しみやすくなりました。
メーカーの研究が進み、FWが進化していったのだと思います。
こうして見ても、すごくあがりやすそうな雰囲気が伝わってきました。

ネックの長さもしっかりとあります。
結構上から打っていけそうなタイプだな・・・。と思いました。
適度にネックの長さがあるので、コントロールしやすそうな印象も受けます。



しかし何といっても、この独特なソール形状がよく目立ちます。
かなりキャビティ部分が大きいです。
これも、重量配分が計算され尽くしているのでしょうか?
ソールの中央からバックフェース寄りが大きくえぐられているようになっているので、結構重心深度が浅いのかもしれない・・・。と思いました。

しかし、バックフェース寄りにウェイトがひとつだけありました。
重心を浅くしているけど、もしあがりづらかったら、ウェイトを交換して調整してみてください・・・。ということなのかな?と思いました。
専用の工具があれば、簡単に交換できそうです。
色々な重さが用意されているのでしょうか?
最近はドライバーよりも、FWのハイテク化が進んできているように思います。
『やり尽くした感』のあるドライバーに比べ、FWはまだまだそこまでたどり着いていないように思います。
発展の余地は充分にあると思います。
ドライバーを抜いて、その分FWを一本増やしている方も見かけるようになりました。
今は『飛んで易しいFW』が多くなったので、それも納得といえるのかもしれません。

シャロータイプのFWです。
今は、こういったタイプが多くなりました。
クリークはともかく、昔はスプーンはもうちょっとディープなタイプが多かったのですが、今は全く違います。
この角度から見ると、番手の判断がつきづらいです。
バフィやクリークといわれたら、そのまま信じていたかもしれません。
今はシャロータイプが多いですし、このシャロー感に親近感をもたれる方は多いのではないでしょうか?

とても美しい顔をしています。
少し面長なタイプです。
何となくではあるのですが、『ロイコレ顔』に似ているな・・・。と思いました。
大好きな顔です。
ロイコレのFWには、いい思い出がたくさんあるので、このFWからも親しみやすさのようなものが伝わってきました。

素振りをしてみても、いい感じです。
もうすっかり定番となった感のあるアッタス6です。
ドライバーでも人気ですが、FWに挿しておられる方も見かけるようになりました。
これまでも何度か試打してきているので、少なくともシャフトに気を遣いすぎることはないだろうな・・・。と思いました。
『男前の顔』と、慣れ親しんだシャフトの相乗効果が、かなり期待できそうでした。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
構えやすいです。
全体的な形状もいいのですが、バルジの存在感が際立っていました。
引っ掛かることなく、適度に逃がしていけそうな感じがしました。
左への不安はありませんでした。
気持ちよく振り切っていけそうだな・・・。と思いました。
面長なタイプではあるのですが、適度に小顔なので、ボールとの大きさのバランスもちょうどいいと思いました。
ただ、もうちょっとヘッドが大きいほうが安心感がもてる・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
人によって好みが分かれるところだと思いますが、ティアップではなく『直打ち』するクラブは特に大顔だと難しく感じるので、これくらいの大きさがちょうどいいな・・・。と、私は思いました。
これまでの経験の蓄積が、そのまま活かせそうな構え感でした。
なので、初めてではあっても、すごくリラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
ソフトというよりも、ややしっかりとした手応えがありました。
『芯と芯のぶつかり合い』を、感じとることができました。
インパクトがボヤけず、はっきりとしていました。
好感のもてる打感です。

『音』は高くて、少し大きめでした。
もう少しおとなしくてもいいかな?と思いましたが、気になるほどではありませんでした。
このはっきりとした音に好感をもたれる方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
インパクトを邪魔する音ではありませんでした。

『安定性』は、まずまずでした。
構えやすくて変なクセがない顔ですし、シャフトもいいので、ラインも出しやすく暴れやすい感じはありませんでした。
イメージと実際の球筋が合いやすい印象をもちました。
ただ、高い直進性とか、曲がりにくさ、ミスヒットに対する大きな寛容さという点では、それほど高くはないのかもしれません。
難しいタイプではありませんが、とにかくイージーなFWが欲しいという方には、少し合いづらいところがあるのかもしれません。

『球のあがりやすさ』という点では、普通だと思いました。
シャローなタイプなので、ティアップせずに直打ちのまま試してみたのですが、いい感じで上がってくれました。
イメージしていた高さでした。
今はあがりやすいスプーンも多いので、このクラブが特別あがりやすいタイプだとは思わなかったのですが、タフな印象はありませんでした。
ソールが大きくくり抜かれていて、浅重心独特のあがりにくさがあるのかな?と思っていましたが、そんなこともありませんでした。
シャローな形状もそうですし、ウェイトも効果を発揮しているのかもしれません。
ただ、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいのかな?という思いはありました。
もちろん、装着されるシャフトによるところが大きいのですが・・・。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じでした。
今は飛び系FWがたくさんあるので、このクラブが特別目立つ感じはしませんが、今のFWのハイレベルなところには充分にいるクラブだと思いました。
フェースがボールを押してくれる感じがありましたし、初速も速いです。
振っていって距離を伸ばしていける感じがしました。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
今のFWの中でも、平均的な感じがします。
顔がいいので、色々なイメージを出すことができました。
左右に曲げることも難しくありませんでした。

初めて手にしたゾディアのFWでしたが、いい印象のまま試打を終えることができました。
ソールの形状は独特なものがありましたが、全体的に見て変なクセのようなものは感じませんでした。
顔の良さも際立っていましたし、難しすぎないFWだと思いました。
以前試打したゾディアのドライバーは、正直あまりいい印象が残っていないのですが、このFWは好感がもてました。

ずっとロイコレFWのイメージが被りながら試打していたように思います。
ロイコレは『キャビティソール』が有名ですが言葉的には、この形状もキャビティソールといえるのだと思います。
ドライバーは直打ちするケースが殆ど無いですが、FWはたくさんあるので、ソール形状が問われるクラブなのだと思います。

とてもいいFWだな・・・。と思いましたが、ウェッジの存在感があまりにも大きいので、FWメーカーというイメージはまだもてません。
ウェッジのマスターピースモデルは大人気だったそうで、とてもよく売れたのだそうです。
やはり、いいクラブをご存じの方はたくさんいらっしゃるのだと思いました。
訊くところによると、もう生産はされていないのだそうです。
これまでのモデルの金型がもたなくなってしまって、新たに金型から作り直すのだそうです。
私も試打をしてすごく気に入ったので、購入したいと思っていましたが、それが敵わず残念な思いをしています。

このFWはソールの形状から見ても、やや浅重心タイプなのだと思いますが、性格が尖っている感じはしないので、海外メーカーのような敷居の高さは感じられませんでした。
海外のゴルファーよりも、私たち日本人ゴルファーを意識して作られたFWだと思います。
今日は練習場でしたが、機会があればコースでも試してみたいと思わせてくれる『スグレモノ』でした。
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2014年10月26日
Zodia CM-2 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia CM-2 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

久しぶりに出会った、Zodiaのアイアンです。
あまり出会うことは無いのですが、印象深いです。
特にカイマンというアイアンと、CM-1のことをよく覚えています。
どちらも強烈なインパクトを残しました。
それほど多く接してきているわけではないのですが、ゾディアのアイアンがすごく好きになりました。

名前からして、このアイアンはCM-1の後継モデルだと思うのですが、タイプは異なります。
とてもカッコいいな・・・。と思いました。
ゾディアのアイアンは『仕上げ』も、とても綺麗です。
私はピカピカ光るアイアンよりも、このように『艶消しタイプ』で落ち着いた感じのする物が好きなので、とても惹かれました。
独特の『質感』があります。
他のメーカーでは、なかなか見られません。
かなり高級感が伝わってきました。
色々なアイアンを試打していると、時にはチープに感じたり、外見だけで魅力を感じなかったりすることもありますが、このアイアンは全く逆です。
見ているだけで、心が和みます。
いい目の保養ができました。

形状自体はオーソドックスな感じですが、『輪郭のシャープさ』が凄いな・・・。と思いました。
他のメーカーでは、ここまでの物はなかなか見られません。
今は『易しさ』を演出する為なのか、また他の理由からなのか、丸みを帯びている物が圧倒的に多いですが、このアイアンはとてもシャープです。
このシャープさは『ゾディアの個性』といっていいと思います。
前のモデル(CM-1)や、ウェッジにも共通するところです。
『大量生産』が当たり前のなっているなかで、『ハンドメイド感』があります。
とてもいい雰囲気があります。


彫りもかなり浅く、典型的なハーフキャビティといっていいと思います。
最近は、このように浅いタイプは少なくなってきているように思うのですが、このアイアンは『昔ながら』の感じがして、好感がもてます。
『易しさ』を追求し過ぎていないところも魅力的だな・・・。と思いました。

ソール幅は普通です。
最近はワイドソールが多くなったので、そういった意味では狭いほうなのかもしれませんが、私はこれくらいがノーマルだと思っています。
昔から、これくらいの幅が多く見られました。
ソールを広くすれば必ずしも易しくなるとは限らないと思うのですが、これだけワイドソールが多くなるということは、ニーズが高いからだと思います。

リーディングエッジが微妙に削られているので、『抜け』も良さそうです。
今は多くのメーカーでリーディングエッジが削られていますが、このアイアンの削りはとても『控えめ』な感じがします。
『最小限度』に抑えられているように感じられます。
こういったところも、メーカーのポリシーがあるのでしょうか?
決して『削りすぎ』をすることなく、最小限度に抑えておいて、後は使っていくうちにいい具合に馴染ませていく・・・。という感じなのかな?と思いました。
ゴルフクラブは『新品』のときは最高の状態だと思っておられる方もいらっしゃると思いますが、実際は新品の時よりも、ある程度使い込んでいったほうが、いいパフォーマンスを発揮してくれることを、多くの方が経験しておられるのではないでしょうか?
クラブを購入したら、それを使い込んでいく・・・。という作業がとても大切なのだと思います。
ゴルフクラブにも、すぐ飽きが来てしまうタイプと、じっくりと永くつきあっていけるタイプの2つがあるように思います。
このアイアンは後者だな・・・。と思いました。

ネックの長さも、しっかりキープされていますが、やや短めです。
こういったところは、今のアイアンらしい感じもします。
昔のアイアンと、今のアイアンの違いは色々あると思いますが、『ネックの長さ』がすごく短くなったように思います。

フェース面にはミーリングは無かったのですが、エッジがすごく立っているように感じました。
指で触れてみても、スピンが効きそうな雰囲気があります。
これまで多くのアイアンに出会ってきて、なかにはあまりスコアラインの存在を感じさせないような物もありました。
しかし、このアイアンは明らかに存在感があります。
すごく丁寧に造られているような感じがします。
こうして見ているだけでも、このアイアンを使うことがとても贅沢なことのように感じられました。
前のモデルのCM-1と共通するところです。
『質感』がいいです。

トップラインの厚さは、標準的といったところでしょうか?
それほど薄い感じはしませんでした。
見慣れた厚さでした。

ボールを前にして構えてみても、まずまずだと思いました。
あまり小顔な感じはしませんでした。
『セミラージサイズ』といったところかな?と思いました。
前のモデルよりも、グースが弱くなっているところに好感がもてました。
『クラウンの頂点部分』といったらいいでしょうか?
ここの部分がもう少し丸さがあると、もっといいイメージが出せたのですが、このままでも特に問題ありません。
ヒール側がもう少しすっきりしていたほうが構えやすくて、『フェースターン』のイメージも出しやすいな・・・。と思いました。
思わず見とれてしまうようなことはなかったのですが、いい顔をしているな・・・。と思いました。
エッジのシャープさは感じますが、何となく『まったり感』といいますか、ソフトな感じがしました。
ハードそうな印象はありませんでした。
構えやすい普通のキャビティアイアンといった印象をもちました。
『ハーフキャビティ』がもつ、敷居の高さを感じさせない構え感だと思いました。
あくまでも私の中では『最高の構え感』ではなかったのですが、これが『ゾディアCMシリーズ』の構え感なんだろうな・・・。と思いました。
CM-1も、こんな感じだったな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、いい感じです。
ボヤけた感じがなく、はっきりとしています。
微妙なフィーリングも、感じ取りやすいです。
曖昧さがないので、何といいますか『プレイヤーとクラブとの意思の疎通』が図りやすいクラブだな・・・。と思いました。
使い込んでいけばいくほど輝きを増すアイアンだと思いました。

『球のあがりやすさ』は普通だと思いました。
しかし、今は高機能なアイアンが多いので、そういった意味ではタフなほうかもしれません。
何といいますか『人工的なあがりやすさ』を演出しているようには思えませんでした。
これまでのクラシックなタイプのアイアンらしく、『ナチュラルなあがりやすさ』だと思いました。
『複合素材感』といいますか『コンポジット感』ではなく、『ピュア』な印象をもちました。
『ハイテクアイアン』というよりは、『ベーシックアイアン』といったほうがいいのかもしれません。
『デジタルな感じ』ではなく、あくまでもいい意味での『アナログ的』な感じがしました。

『安定性』という点では、ハーフキャビティらしい、シビアさはあるように感じました。
アイアンにはミスヒットに対する寛容さを求めておられる方もたくさんいらっしゃると思いますが、そういった方々には少し合いづらいところがあるかもしれません。
すごく正直な感じがしました。
打点がブレることによって、打感も大きく変わりましたし、球筋にも正直に反映されていきました。
『ごまかし』は利きづらいタイプのアイアンだと思います。

『飛距離性能』は、まずまずだな・・・。と思ったのですが、今のアイアンの中では明らかに飛ばないほうだと思います。
今はアイアンも『飛距離の時代』に入っていると思うのですが、このアイアンはその流れに乗っているようには思えませんでした。
アイアンに飛距離性能を求めておられる方には、やや物足りないところがあるかもしれません。
このアイアンのように『ナチュラル』なタイプのアイアンは、やはり飛距離よりも『距離感』を重視したい方に合いやすいのかもしれません。
ロフトを立てても上がりやすくなるような工夫がしてあったり、ミスヒットにもある程度寛容だったりしないと、飛距離を出しづらい部分があると思います。
距離を出していくタイプのアイアンは、『イージー』でないと務まらないのかもしれません。
このような『ナチュラル』なタイプのアイアンでロフトを立ててしまえば、ただ難しくなってしまうだけのような気がします。
今の時代の流れには乗っていないような気もするのですが、私はこのようなタイプのアイアンに魅力を感じます。

『操作性』はすごくいいです。
左右にも大きく曲げることができました。
『オートマチックタイプ』ではなく、完全に『マニュアルタイプ』のアイアンです。
直進性よりも球筋を操作したい方にマッチしているアイアンだと思います。
最近はパンチショットの練習も、よくやっているのですが、このアイアンは上手く反応してくれました。
どのように打っても上がってしまう感じのするアイアンも今は多いですが、このアイアンは低く抑えていけるので、コースでも心強い存在になってくれるだろうな・・・。と思いました。

今はアイアンにもドライバーなどのように、高い『飛距離』と『安定性』が求められていると思います。
そういった意味では、このアイアンは『時代の流れ』には乗っていないかもしれません。
しかし、『所有感』を満たしてくれるアイアンであることは間違いないと思いました。
こんなカッコいいアイアンがバッグに入っているだけで、すごくテンションがあがります。

球を打つのが楽しくなるので、練習の機会も増え、必然的にレベルアップにつながるように思います。
練習場に行かなくても、自宅でグリップの感触を確かめたり、眺めたりしているだけでも嬉しくなってきます。
クラブと接する時間が長くなるので、より愛着も湧きますし、大切にしたくなります。

やはり、ゴルフは愛着のもてるクラブでプレーするから楽しいのだと思います。
『借り物のクラブ』や、好きになれないクラブでプレーしても楽しくありません。
このクラブはハイテクさが感じられず、ベーシックな感じがしますが、このベーシック感がいいのかもしれません。
使い込んでいけばいくほど輝きを増すアイアンだと思いました。

一口にキャビティアイアンといっても、このアイアンのようにハーフキャビティタイプもあれば、フルキャビティやポケットキャビティなど、バリエーションが豊富になりました。
このアイアンはハーフキャビティですし、それほど『易しさ』を求めていくべきタイプではないのだと思います。
キャビティ構造になってはいますが、やはりマッスルバックに近い性能をもっていると思います。
シビアなタイプのアイアンであることは間違いありません。
日頃マッスルバックを愛用しておられる方には、普段通り打っていけると思うのですが、イージー系のキャビティアイアンを使っておられる方には、親しみづらいところがあるのかもしれません。

今はアイアンのデザインも、かなりバリエーションが増えてきて、派手なタイプもあります。
カラフルなアイアンも多くなりました。
目を惹くアイアンの割合が増えてきたように思います。
しかし逆に、このアイアンのように、殆ど『無色』とも言えるようなデザインだからこそ、存在感をアピールしているように感じることができました。
たくさんあるクラブの中で、このアイアンがパッと目にとまりました。
美しいアイアンだな・・・。と、一目見て気に入りました。

久しぶりに出会ったゾディアのアイアンでしたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。
このアイアンを初めて見たときから、『プロトタイプ』的な印象をずっともっていました。
『希少価値』を感じさせるアイアンでした。
コストパフォーマンスが高くてリーズナブルなタイプのアイアンとは全く違うオーラがあったように思います。

すごくシンプルで、いいアイアンだな・・・。と思いました。
私は運良く試打することができましたが、試打したくでもできない・・・。という方もいらっしゃると思うので、できれば試打会などが日本全国で開催されたら嬉しいな・・・。と思いました。
一人でも多くの方に、このような素晴らしいアイアンで、楽しい時間を過ごしていただきたいと思いました。
今は『イージー系のアイアン』を使っていて、易しいのはいいけど、何だか飽きちゃった・・・。フィーリングがもっと良くて、少し『手強いタイプ』のアイアンを使ってみたい・・・。という方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方にも、このアイアンをぜひ試していただきたいです。
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2014年03月30日
Zodia Z.T230 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z.T230 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200 です。

久しぶりに出会った、ゾディアのアイアンです。
他のメーカーではなかなか見られない独特な雰囲気があります。
個性的で、とてもカッコいいアイアンです。

ゾディアらしく、輪郭がシャープです。
これも大きな個性です。
大量生産ではなく、『手作り感』があります。
細かすぎて写真では伝わりづらいと思うのですが、輪郭が一定ではなくて微妙に変化しています。
このアイアンはもちろん『完成品』ですが、『試作品』のような雰囲気もあり、そこがまた魅力的です。

彫りはかなり浅く、ハーフキャビティといっていいと思います。
こうして見ても、『ワンピース感』といいますか、『削り出し感』が感じられます。
今はアイアンもタングステンなど、色々な『付属品』が組み込まれていることも多いですが、このアイアンにはそれが見られません。
すごくシンプルに見えます。
パターなどもそうですが、『単一構造』のクラブには、シンプルさ故の魅力があると思います。

ソール幅は今のアイアンのなかでも、はっきりと狭いほうだと思います。
トゥ側からヒール側にかけて『テーパー』があまり効いていなくて、比較的真っ直ぐに近い形状になっています。
リーディングエッジが最初から削られていて、抜けも良さそうです。
この『削り』の部分も『ハンドメイド感』が感じられます。
機械による大量生産品には無い、『人の手による温もり』といったらいいでしょうか?
こういったクラブを手にすると、自然とこちらの背筋も伸びて襟を正したくなります。

ネックの長さはしっかりとキープされています。
今は短めのアイアンが多いので、そういったことで考えてみると、やや長めといったところでしょうか?
こうして見ても、本当に美しいな・・・。と思いました。
いい目の保養ができました。

ミーリングがあるのか確かめてみたのですが、見られませんでした。
ただ、この『フェース面の鋭さ』はゾディア独自のような気がします。
ボールがいったん乗っかると、食いついて離さないような雰囲気が感じられます。
すごく鋭いフェース面だと思いました。
この仕上げ感はさすがです。
他のメーカーのアイアンでは、なかなか見られません。

ボールを前にして構えてみても、すごくいい印象をもちました。
変なクセは全くないですし、ナチュラルな感じです。
『和製アイアン』のいいところがギュッと凝縮されている・・・。といったらいいでしょうか?
思わず心も和みます。
ボールを包み込んでいくイメージをもつことができました。
小顔感もありますし、『ボールとの大きさの相性』もいいと思いました。
ボールが大きく見えました。
思わず頬が緩み、余分な力が抜けていきました。
すごくリラックスすることができました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
適度な柔らかさと、球の乗っかり感がすごくいいです。
これまでのゾディアアイアンのグッドフィーリングそのものです。
なかなか止められません。
打感が良くないアイアンだと、一球一球の間隔がとても長くなってしまいますし、予定の球数にいかないまま返却することも多いです。
しかし、このアイアンは違います。
『後を引く楽しさ』といったらいいでしょうか?
この感触を楽しむことができました。
『一球のボールの価値』がとても高いと感じさせてくれました。

『球のあがりやすさ』という点では、今の多くのアイアンの中では、結構タフなほうかもしれません。
誰にでもあがりやすくなっているようには感じませんでした。
ある程度のHSがあったほうがいいのかもしれません。
『高~い弾道』というよりは、ややライナー系に近い球を打つことができました。
こういった球はとてもコントロールがしやすいです。

『安定性』という点では、結構シビアだと思います。
今のアイアンの中でも、はっきりとしているといいますか『正直』なアイアンだと思います。
バックフェースは一応キャビティ構造になっていますが、殆ど『マッスルバック』といえるようなシビアさはもっていると思いました。
ミスヒットに対する寛容さは、あまり感じませんでした。

『飛距離性能』という点では普通かな?と思いました。
今のアイアンの中では、それほど秀でているとは思わなかったですが、あくまでも私の感覚では少し飛ぶような気もします。
しかし、やはり『縦の距離感』で勝負していけるアイアンだと思います。

『操作性』はすごくいいと思いました。
構えたときに好感がもてたというのもありますし、『直線』ではなく『曲線』でイメージできたのも良かったのかもしれません。
左右どちらにも敏感に反応してくれました。
大きく曲げることも易しくできました。
今はドライバーに限らずアイアンでも、なかなか大きく曲げづらいタイプの物も増えてきましたが、このアイアンは違います。
昔ながらの『反応のいい』アイアンです。

ゾディアらしい、『食いつき感』『乗っかり感』が印象的でした。
一球打つ度に、私の脳を揺さぶってきました。
とても楽しむことができました。

なかなか出会う機会が無い・・・。ということもありますが、今日はいつもよりも多く球数を消費しました。
楽しい時間が少しでも長くなればいいな・・・。と思いました。

グッドフィーリングなアイアンですが、正直それほど機能的だとは思いませんでした。
今のアイアンは機能的で、比較的安価なアイアンがたくさんあります。
色々と研究されて、様々な工夫が見られるものが多いです。
『ワンピース感』ではなく、『ツーピース』『スリーピース』。
それ以上の物もあるのかもしれません。

そういったアイアンの多くは、ミスにも寛容で球があがりやすく、おまけに距離がでます。
今は多くの方がアイアンにも距離を求めておられるので、そういった方々のリクエストにメーカーが応えているのだと思います。
メーカーの努力にはいつも頭が下がります。

しかし、このアイアンにはそういった感じは全くしません。
ユーザーに歩みよっていく雰囲気は感じられません。
すごくシンプルで、高い機能性は見られません。
比較的安価で高い機能性をもっている今の多くのアイアンはコストパフォーマンスが高いといえるのだとしたら、このゾディアのアイアンはあまり高くはないのかもしれません。
かなり好みが分かれるところだと思います。

すごくいいアイアンだとは思いましたが、人気が爆発して品薄状態が続くようなタイプとはまたちょっと違うような気もしました。
今の多くのゴルファーのニーズとは、ちょっとかけ離れているところがあるように感じたからです。
しかし、『昔ながらのいいアイアン』を経験しておられる方には魅力的な存在といえるのではないでしょうか?
機能性も大切ですが、まずは『感性』を磨いていきたい・・・。という方にも、試していただきたいと思いました。
イージー系のアイアンではありませんが、私はこういった『孤高』といいますか、存在感のあるクラブには魅了されます。

輪郭がシャープなアイアンには惹かれます。
一球でも多く、このアイアンを楽しもう・・・。と思いました。
また何度でも試打したいな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
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2014年02月02日
Zodia WMF 58 02 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia WMF 58 02 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は464gです。

久しぶりにゾディアのウェッジに出会うことができました。
以前は52度の物を試打したのですが、今日は58度のモデルです。
ロフトからいって、サンドウェッジという認識でいいのだと思います。

この何の無駄も無い形状がとてもカッコいいです。
ウェッジ好きの私にはたまりません。
私はまだゾディアのクラブを購入できていないのですが、すっかり魅了されています。
とても贅沢なクラブだと思います。

ネックの長さも、じゅうぶんにあります。
しっかりとスピンを掛けられそうです。

ソール幅は、サンドウェッジとしてはノーマルな感じに見えました。

ソールがラウンド形状になっていますし、いかにも抜けが良さそうです。
バンカーはもちろんですが、ラフなどにも大活躍してくれそうです。


以前試打したモデル同様、フェース面にはミーリングがあります。
指で触ってみても、『ザラザラ感』『凹凸感』がハンパじゃありません。

ボールを前にして構えてみても、惚れ惚れするくらい美しい形状だと思いました。
ほんの少しだけグースが効いていますが、全く問題ないと思いました。
ヘッドの据わりもいいです。
すごくいいイメージが次から次へと出てきました。
ワクワクしてきました。
気持ちの昂ぶりを抑えることができませんでした。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
適度な柔らかさがありながらも、食いつきがすごくいいです。
『摩擦感』といったらいいでしょうか?
ボールがフェース面に強くこすられているのが、よく解りました。

グースがきつくないので、球もとても拾いやすいです。
『フワッ』とした球も打ちやすいです。
フェース面もいい感じなのですが、ソールがすごく仕事をしてくれているな・・・。と思いました。

『安定性』という点では、サンドウェッジの中でも、標準的な感じでしょうか?
特に難しく感じることもなかったですし、余計な寛容さもありませんでした。
構えやすいので、ラインも出しやすいです。

スピン性能は、かなり高いです。
以前試打したモデル同様、ボールがピタピタ止まります。
ミーリングの効果であることは間違いないと思います。
食いつきがとてもいいです。
ボールがフェースに乗る感じを楽しむことができました。
今は多くのメーカーがウェッジにミーリング加工をしていて、性能も色々ですが、このウェッジは間違いなくトップクラスのスピン性能といっていい思います。
イメージよりもランが少ないので、かなり突っ込んでいけそうです。
グリーン奥からの難しいアプローチでも大活躍してくれそうです。

距離感も合いやすく、狙ったところに落としていくことができました。
初対面とは思えないほど、心が通じ合っている感じがしました。
『易しいウェッジ』というのは、ミスヒットに寛容なウェッジのことではなく、このウェッジのようにボールを拾いやすくて狙ったところに落としていけるウェッジのことだな・・・。と思いました。

『操作性』も、かなりいいです。
バンスが邪魔をしていないので、フェースも開きやすくて、色々な球で遊ぶことができました。
ワンパターンではなく、バリエーションを増やしていけます。
これだからウェッジの練習は楽しいです。
『手の延長』として使うことができました。

すごく楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきました。
ウェッジなど、小技の練習が私は一番好きですし、時間や空腹を忘れて楽しんでいます。
ふと気づけば、予定の時間をかなりオーバーしていました。
『大ストライク』のウェッジです。

『MADE IN JAPAN』の品質の高さを感じましたし、『ハンドメイド感』が感じられるクラブは少ないので、希少性もあると思います。
ハンドメイドということもあり、価格はやや高めのようですが、それを打ち消す魅力があります。

ウェッジなんて、どれでもいい・・・。
どれを使っても一緒だ・・・。
できるだけ安いほうがいい・・・。
と思っておられる方には、あまりお勧めはできません。

スコアメイクにはショートゲームの重要性を、ゴルファーならば誰もが知るところだと思います。
ティショットなどはある程度アバウトに攻めていけますが、ウェッジではそうはいきません。
より繊細なショットが求められますし、様々な状況での『引き出しの多さ』もスコアに大きく結びついてきます。
なので、日頃の練習が欠かせません。

そういった日頃の練習に、このような極上のウェッジを使うことができると、楽しさも倍増しますし、感性を磨くことにもつながると思います。
『楽しい練習』がレベルアップの大きな条件であると、私は考えています。
このウェッジならばとても楽しい練習ができると思いますし、すごく贅沢なことだと思いました。

ゾディアのウェッジには、すごくいい印象があるのですが、このウェッジもすごく気に入りました。
購買意欲が強く強く刺激されてしまいました。
安価なウェッジの倍以上の値段がするようですが、それでもこのウェッジの魅力はその何倍にもなるように思います。
『費用対効果』はとても大きいと思います。
クラブはどれも一緒だ・・・。
『弘法筆を選ばず』だ・・・。と仰る方もいらっしゃると思います。
しかし、ゴルフに限って言えば、必ずしもそうだとは思っていません。
『クラブを選ぶ必要性』はあると思っています。
いいクラブとの出会いがゴルファーを大きくレベルアップさせてくれますし、愛着が湧き信頼のできるクラブだからこそ、ゴルフの楽しさがアップします。
少しでも長い時間、このクラブを使っていたい・・・。と思ったのですが、そうもいかないので、後ろ髪を引かれる思いで返却しました。
『後に引いてしまう』楽しさでした。
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2013年12月15日
Zodia CM-1 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia CM-1 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは32度、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は432gです。

とても美しいゾディアのキャビティアイアンです。
思わず、ほぉーと感嘆の声が出るほど、この美しさに引き込まれていきました。
ピカピカ光るミラー仕上げよりも、私はこのような『艶消し』タイプのほうが好きなのですが、艶消しでも色々なタイプがあるんだな・・・。と思いました。
すごく上質な感じがします。
ゾディアのアイアンといえば、先日試打した『カイマン』がとても印象深いのですが、このアイアンはまた違う印象をもちました。

バックフェースにある、この赤いアクセサリーのようなものが、とても大きな存在感を放っています。
ヒッティングポイントが肉厚になっているので、打感にも配慮されているようです。
他のクラブにもいえることですが、特にアイアンは『顔』が勝負で、そういった意味でも、このアイアンはとても魅力的です。

ヘッド自体はそれほど小振りでもなく、やや大きめに見えるのですが、それよりも『エッジの効き』がすごいです。
今のアイアンで、ここまでエッジが鋭く立っているものはあるだろうか・・・?と考えました。
該当するアイアンが思い浮かびません。
『削り感』『磨き感』がすごく伝わってきました。

彫りは深めで、易しそうなフルキャビティという感じがします。
高級感・高品質感がありながらも、決して難しすぎないように設計されているのではないかな?と思いました。
キャビティアイアンを好まれる方には、とても魅力的な形状といえるのではないでしょうか?

ソール幅は広いです。
あくまでも私の好みとしては、もう少し狭くてもいいな・・・。と思ったのですが、このくらいのワイドな感じに好感をもたれる方も多いのではないでしょうか?

ネックも短めです。
やや『頭でっかちタイプ』で、低重心を連想させます。
今のニーズに合っているのかもしれません。


ミーリングは彫られていなかったのですが、それをカバーするような『エッジの鋭さ』です。
スコアラインやフェース面の鋭さが半端じゃないな・・・。と思いました。
フェース面自体の『フラット感』といったらいいでしょうか?
すごく磨き込まれているように感じます。
大手メーカーの大量生産されるアイアンとは、趣(おもむき)が全く異なります。
私はどんどん引き込まれていきました。
アイアン好きにはたまらないものがあります。

素振りをしてみても、いい感じです。
タイミングが合いやすいですし、今からこの美しいアイアンを打つことができるのかと思うだけでワクワクしてきます。
外観の美しさは極上ながら、打感はどうなんだろう?と思いました。
色々なアイアンを試打していて、あまり気持ちが盛り上がらないこともありますが、今日は既にマックスに近いくらい上がっていきました。
すごく期待感が膨らんできました。

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じだな・・・。と思いました。
正直、見惚れるほどの構え感ではありませんでした。
少しヒール側の出っ張りが目立つのですが、特に問題はありませんでした。
グースも少し効いていますが、これくらいであれば、難しく感じるほどではありませんでした。
小顔好きの私は、できればもう少し小さくてもいいかな?と思ったのですが、違和感はありませんでした。
セミ・ラージサイズといっていいアイアンだと思います。
ボールを色々と曲げるよりも、真っ直ぐに近い弾道のイメージが頭に浮かんできました。
心が落ち着き、周りの空気がすごく澄んでいるように感じられました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
適度なやわらかさと、この『乾いた感じ』の打感がたまらないな・・・。と思いました。
『木製バットでジャストミートした感じ』を連想しました。
野球経験者の方には理解していただけると思うのですが、乾燥させた木製バットでボールを芯で捉えた感じ・・・。といったらいいでしょうか?
湿った木製バットで打つ感覚とは異なります。
何球でも打っていたくなりますし、このような打感を味わえるアイアンはなかなか見当たりません。
フェース面にミーリングは見られなかったのですが、フェース面の食いつき感がすごく良かったです。
研磨の技術も、かなり高いのだと思いましたし、希少性を感じました。

『音』も、とても良いです。
ずっと耳にしていたくなる音です。
アイアンに限らず、いい音をさせてくれるクラブはナイスショットの確率がどんどん高まっていきますが、そうでないクラブは確率が下がっていき、曖昧さだけが残ることがあります。
そういった意味でも、このアイアンの打球音はとてもいい方向に導いてくれているように感じました。
周りに人がいなかったら腰に手を当てて、スキップでもしたくなるくらい、心が浮き浮きしてきました。

球はとてもあがりやすくて、タフな感じはしませんでした。
見た目通りの低重心系アイアンの球のあがりやすさを感じました。
グースがきつすぎないので、球も拾いやすい感じがしました。
すごく高級感がありながらも、性能的にはとても『庶民的』といいますか、親しみやすい印象をもちました。

『安定性』という点でも、高いと思いました。
フルキャビティアイアンの易しさがすごく感じられました。
見た目の美しさと、適度な重量感のおかげなのか、今日は打点が一カ所にずっと集中してくれていたこともあり、余計に易しく感じられました。
あくまでもシンプルに、フェース面でボールをターゲットまで運んでいく感じで、ボールは嬉しそうに飛んでいきました。
力まずに、乗せたいラインにしっかりと乗せていくことができました。
すごくイージーなアイアンだな・・・。と思いました。

『飛距離性能』という点でも、今の多くのニーズに応えているように思います。
易しく距離を稼いでいけるアイアンだと思います。
球が上がりやすいので、キャリーで攻めていけますし、食いつきもいいので、しっかりとグリーンに止まってくれそうです。
是非コースのグリーンで、この『止め性能』を確かめてみたいと思いました。
私のイメージよりは、飛ぶ感じがするので、できればもう少し落としていきたいと思ったのですが、どうしても、やや先にボールが着地していきました。
私は少しロフト調整を考えますが、今はこれくらいがスタンダードなのかもしれません。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
私がフッカーだからでしょうか?
球のつかまりもいいと思いましたし、フック系の球が出やすい感じがしました。
意識的にカットに打ってみたりもしたのですが、大きく右に曲がる感じはあまりしませんでした。
若干のグースも効いているのかもしれません。
セミ・ラージサイズの球のつかまりにくさを、今日は殆ど感じませんでした。
ただ、もしできるならば、グースを弱めたいと思いましたし、ロフトを寝かせると、もっと気に入るだろう・・・。と思いました。

試打をしながら、とても贅沢なアイアンだな・・・。と思いました。
なかなか出会えない希少性もあるとは思うのですが、それ以上に、このアイアンの美しさやフィーリングの良さをすごく楽しむことができました。
熱い缶コーヒーを飲みながら、すごくまったりとした時間を過ごすことができました。

文句なしに、いいアイアンです。
アイアン好きの私にはたまらない魅力をもったアイアンです。
『MADE IN JAPAN』を使うことこそが、『究極の贅沢』ではないかと、いつも思います。
私が子供の頃は、いわゆる『舶来品』をありがたがっていましたし、今でも海外製の素晴らしい製品はたくさんありますが、それでもやはり『日本製』は特別に感じます。
自国の製品に誇りがもてる国に生まれて、私は幸せ者だと思います。
それはゴルフクラブに限らず、工業製品や食料品・化学製品・・・・・・。など、あらゆる分野の製品にいえることです。
日本で作られて、日本人が、しかも熟練の職人さんの作ったクラブを使うことが『究極の贅沢』だと思いましたし、そういったクラブだからこそ、余計に愛着も湧きやすいのだと思いました。

昨年はグランプリを決めることが出来なかったのですが、今年はなるべく決めようと思っております。
私の中での『アイアン・オブ・ザ・イヤー 2013』は、ある程度、候補が出揃ったように思っていたのですが、また新たな候補の登場です。
ランキング形式にするか、それともひとつだけに絞り込むか、まだ決まってはいないのですが、このアイアンもすごく印象深いことは間違いないです。

試打するのがとても楽しくて楽しくて、なかなか止める踏ん切りがつきませんでした。
この『フェース面の食いつき感』と『心地いい音』を、ずっと楽しんでいたいと思いました。
おかげで、体が内からポカポカと温まりました。
また私の悪い癖が出てしまいました。
『欲しい欲しい病』です。
おそらく、今夜もこのアイアンのことが頭から離れずに、なかなか寝付けないような気がします。
購買意欲が強く刺激されました。
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2013年09月01日
Zodia カイマン アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia カイマン アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は444gです。

見た目にとてもインパクトのある、ゾディアのアイアンです。
どこのメーカーのアイアンなのか、教えてもらうまで全く知りませんでした。
他のメーカーの普通のアイアンは、メーカー名やモデル名などが刻印されていることが多いですが、このアイアンにはそれが見られません。

形状自体はとてもシンプルなマッスルバックアイアンといえますが、何よりこのバックフェース全体の模様が気になります。
私はワニ皮のハンドバッグを連想したのですが、『カイマン』という名前を聞いて納得しました。
カイマンワニを近くで見たことが無いのでよく解らないのですが、カイマンワニの皮は、このようになっているのでしょうか?
今度図鑑などで調べてみたいと思います。

キャビティ構造は全く無く、純粋なマッスルバックといっていいと思います。
このバックフェースのデザインは、はっきりと好き嫌いの好みが分かれるような気がします。
私は特に気にはなりませんが、爬虫類が嫌いな方は、ちょっと馴染みにくいかもしれません。
手で触れてみると、当然ながら金属の『硬さ』『冷たさ』があるのですが、独特な凹凸感が印象的です。
すごくリアルに表現されています。

ソール幅はノーマルな感じです。
ヒール側が絞られていて、結構テーパーが効いているな・・・。と思いました。

ネック部分の長さも、標準的な感じがします。
この位置から見ても、美しさが際立っています。

このゾディアオリジナルグリップも、とてもいいです。
ツアーベルベットタイプで、手に馴染みやすいです。
方向性はもとより、距離感を大切にしたいアイアンやウェッジには、このようなグリップは最適な物のひとつだと私は思っています。
このしっとり感がたまりません。

以前試打したゾディアのウェッジのミーリングが印象的だったので、このアイアンにも刻まれているのかな?と思い、よく見てみたのですが、刻まれていませんでした。

素振りをしてみても、これまでの感覚を活かしていけるので易しく感じます。
外見はとても個性的ですが、アイアン本来の性能は失っていないのだと思いました。

ボールを前にして構えてみると、クラシカルな感じがしました。
適度に小顔なのがちょうどいいです。
ヒール部分に少し特徴があるように見えましたが、これまで何度も目にしてきた顔です。
初めて手にしたアイアンであっても、こういったこれまでの経験が活かせるアイアンだと、すごく楽に構えることができます。
『ワニ皮』のことなど、全く感じさせません。
いいイメージが自然と浮かんできました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
『乾いた打感』といったらいいでしょうか?
手に何ともいえない感触が伝わりました。

『球のあがりやすさ』という点では、ごくノーマルな感じがします。
予想通りでした。
球があがりやすくなるような大きな工夫は施されてはいないようですし、そういった意味ではハイテクアイアンとはいえないのかもしれません。
異材のような物も混入していないようなので、『ピュア』な感じがしました。
タフ過ぎない、ノーマルなアイアンだと思いました。

『安定性』という点では、マッスルバックらしいシビアさは感じられます。
易しさが優先されているアイアンではないと思います。
キャビティに慣れておられる方には難しく感じられるかもしれません。
クラブがプレイヤーに求めるものは結構大きいような気がします。

『飛距離性能』という点では、それほど飛ぶようには感じなかったので、距離を最優先しておられる方には合いづらい部分があるのかもしれません。
アイアン本来の性能である、正確に刻んでいくべきタイプのアイアンだと思います。
距離に特化していないぶん、『縦の誤差』を極力抑えていけそうです。

『操作性』は抜群でした。
かなり敏感に反応してくれました。
『ハンドルさばき』が楽しいので、ついつい球数を打ってしまいました。
左右に大きく曲げたり、曲げ幅を調整していく練習は本当に楽しいものです。
初対面ではあっても、すごく気持ちが伝わりやすいアイアンだと思いました。

まだまだ、私の知らないクラブはとてもたくさんあるんだな・・・。と思いました。
このアイアンは性能的には、ごくノーマルな感じがしますが、外見のインパクトは今年出会ったアイアンの中でもナンバーワンだと思います。
性能やフィーリングなどが重要なのはもちろんですが、私はこういった個性的なデザインのクラブは大好きです。
まずは『第一印象』で決まる部分もあると思います。
他のメーカーには見られないような、個性的なデザインは尊いと感じます。

どういった意図で、メーカーがこのようなデザインにしたのか、私には知る由もありませんが、とても個性的でいいデザインだと思いました。
なかなか出会うことがないメーカーのアイアンですが、もし店頭に並べられていれば、おそらく殆どの方が一度手に取ってみられるのではないでしょうか?
そう思えるほど、このアイアンの見た目は凄いものがありました。

普通の軟鉄アイアンで、DGが挿してあるということは、価格的にもそれほど高くはないんだろう・・・。と思っていました。
しかし、このアイアンの価格を聞いて驚きました。
『セット』ではなく、『ひとつのヘッド』だけで、かなり高価です。
聞き間違えたのかと、一瞬耳を疑いましたが、やはり聞き間違えではありませんでした。

驚くほど高価なアイアンなので、コストパフォーマンスという点で考えてみれば、あまり高いとはいえないのかもしれません。
価格や機能というよりも、『所有感』を満たしてくれるアイアンといえるかもしれません。

『構えやすさ』や『打感』『操作性』など、性能的にはとても親しみやすい部分を感じたのですが、肝心の価格が私にとって、とても敷居の高いものだということが解りました。
試打するのは楽しかったのですが、私がこのアイアンを購入することは無いです。
フィーリングなどではなく『価格』が私にとって、手の届かないアイアンだということです。

どういったところに、このアイアンがそれほどまでに高価なのか私は解らなかったのですが、おそらくかなりのこだわりをもって製作されているのだと思いますし、大手有名メーカーのように機械で『大量生産』されていないのも理由のひとつだと思います。
これほどまでに高価なアイアンを日本中で、一体どれだけの方が所有しておられるのかは解りませんが、私はこのアイアンはコースで使うよりも、部屋で飾って眺めておきたいな・・・。と思いました。
『カイマン』ということは、いずれ『クロコダイル』とか『アリゲーター』なども発売されるのかな?と、ふと思ってしまいました。
ワニとヘビの違いはありますが、『パイソン』なども面白いかな?と思いました。
また機会があれば、是非試打してみたいアイアンでした。
独特な外観や、敷居の高い価格が印象に残りましたが、性能的にはとても親しみやすいアイアンだと思いました。
難し過ぎないので、近寄りがたい感じもしませんでした。
このアイアンのデザインを忘れないよう、目にしっかりと焼きつけて、練習場を後にしました。
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2013年08月19日
Zodia RP T.01 GM アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia RP T.01 GM アイアン の7番 です。

シャフトは NS.PRO MODUS3 です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は424gです。

見惚れてしまうほど美しい、ゾディアのマッスルバックアイアンです。
最近は本当にマッスルバックアイアンを試打する機会が多くなりました。
難しいとは解っていても、この美しさに魅了され、手に取ってみないと気が収まりません。

『マッスルバック』と一口に言っても、今は色々とあるように思います。
私が愛用しているアイアンのようにハーフキャビティに近いタイプの物から、このアイアンのように『フラットバック』の物まで、多様化しています。
このアイアンは必要最小限の物しか搭載されていないように思いますし、大手有名メーカーのアイアンと違い、『手削り感』があります。
エッジが鋭いです。
こういったところに魅力を感じられる方も多いのではないでしょうか?

ソール幅は狭い感じがします。
よく見ると、このエッジの削り感に『一定の幅』が無く、『ムラ』が少し見えました。
『ハンドメイド感』といえるところもあると思うのですが、こういったところには『好き』『嫌い』が大きく分かれるように思います。
大量生産されるアイアンは、機械で行うので、こういった感じにはなりませんが、このアイアンには『不均一感』がありました。
すごく細かなところなので、あまり気にならない・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は少し気になりました。
『クラブの個体差』ということになると思います。
ただ、私は昔からアイアンやウェッジ(特にサンドウェッジ)は自分でグラインダーを使って削っていたこともあるので、親近感が湧くような気もしました。
あとは錆びにくくするように防錆加工がされていれば、あまり気にはならないのかな?という思いもありました。

ネックの長さは、オーソドックスな長さだと思いました。
今のアイアンの中では、比較的ロングな部類かもしれませんが、昔からこれくらいの長さが標準といえるような気がします。
ある程度の長さはキープされていますが、『ロングネック』という印象はもちませんでした。

フェース面にミーリングがあるかな?と思い、よく見てみましたが、このアイアンには刻まれていませんでした。
ただ、『フェース面の粗仕上げ感』といいますか、つるつるした感じがしません。
スコアラインもエッジが効いているように見えましたし、結構喰いつきのいいアイアンなのではないかな?と思いました。

素振りをしてみても、適度な重量感があり、好感がもてます。
軽すぎるアイアンには不安を感じてしまうことが私は多いのですが、これくらいの重量であれば特に不安はありません。
重力に任せて降ろしていけるところが楽だと思いますし、いい感じの安堵感をもたらしてくれます。
モーダスは自分のアイアンに挿したことはないのですが、これまでもたくさん試打してきていますし、とてもいい印象をもっています。
私の周りにもファンがたくさんいます。
今は素晴らしいスチールシャフトがたくさんあり、選択肢が増えてきました。

ボールを前にして構えてみても、いい印象をもちました。
顔で主張してくるアイアンだな・・・。と思いました。
とても構えやすいです。
いい意味で、『予想の範囲内』に収まってくれている構え感です。
『和顔』といっていいのではないでしょうか?
昔ながらの顔をもったアイアンといっていいような気がします。
手にするのは初めてであっても、飛んでいくボールの軌道など、だいたいの予想が立つので、楽な気分になれます。
グースや面長感がきつかったり、厚ぼったいタイプのアイアンは苦手なのですが、このようにスッキリしていると、とても構えやすいです。
頭の中がクリアになっていきました。
試打を開始しました。

『打感』はすごくいいと思いました。
適度な厚み感による『球のくっつき感』がたまりません。
ボールをコントロールしていくうえで、この『くっつき感』は大きなポイントだと思います。
今は『反発力』を高めたアイアンも見かけるようになりましたが、それだと距離は稼げても、なかなかコントロールしづらい部分があると思います。
いい感じで『加減』できるクラブが易しいと、いつも感じます。
そういった意味で、このアイアンは好感がもてました。

『球のあがりやすさ』という点では、マッスルバックタイプのアイアンとしては、普通かな?と思いました。
決して敷居の低いタイプではありません。
今のマッスルバックアイアンは、結構球があがりやすくなっている物が増えてきましたが、このアイアンにはそういった工夫はあまり感じられませんでした。
『無垢(むく)』といいますか、『純』なタイプのアイアンだと思います。
異材などがコンポジットされているようには見えませんでした。

『安定性』という点では、マッスルバックらしく、かなりシビアだと思います。
ミスヒットに対しては、かなり敏感に反応します。
マッスルバックらしい、シビアさがありますが、それがまたいいところなのかもしれません。
インパクトに対しての曖昧さが無いので、正直にショットの成否を伝えてくれるのがいいです。
アイアンに対して易しさを求めておられる方には、合いづらいところもあるかもしれませんが、最近はマッスルバックの人気も復活してきたように思いますし、マッスルバックを愛する方に是非試していただきたいと思いました。

『飛距離性能』という点では、『ノーマル』といいますか、7番アイアンらしい『刻みやすさ』を感じますが、今のアイアンの中では、やはり飛ばないほうだと言わざるを得ません。
こういったマッスルバックアイアンがロフトを立ててしまえば、単に難易度が上がってしまうだけだと思いますし、ソールの刻印を変えたほうがいいのかもしれません。
飛距離を求めるにはロフトを立てることが必須だと思いますし、そうするには色々な方法で易しくする必要があると思います。
マッスルバックアイアンには適さないと思います。
ちょっと極端な言い方かもしれませんが、『飛び過ぎないからマッスルバック』といえるのかもしれません。
『距離を刻む』というアイアン本来の役目を果たしてくれるように感じました。

『操作性』という点では、すごく魅力を感じました。
今はドライバーに限らず、アイアンでもなかなか大きく曲げにくいタイプの物が増えてきましたが、このアイアンは違います。
大きく曲げていくことができました。
小さな弧ではなく、大きな弧を打っていけるアイアンです。
左右どちらにも均等に反応してくれました。
ボールを大きく曲げて楽しみたい私は、すごく遊び心がくすぐられました。
こちらのイメージを、かなり伝えやすいです。

ゾディアのアイアンにはなかなか出会えませんが、今日はとても楽しめました。
『易しさ全開』といったアイアンではありませんが、芯で捉えたときの喜びは大きいものがあります。
一球一球を丁寧に精査しながら打っていけるアイアンだと思いました。

他のメーカーのアイアンにはなかなか見られない『手削り感』のあるアイアンです。
先ほども書きましたが、エッジの削り方が均一ではありませんでした。
少しムラがあるように見えました。

これは欠点のように見えなくもないのですが、私は逆にその部分に『手の温もり』といいますか、『職人さんの熱い心』のようなものを感じました。
機械仕上げが良くないというのではありませんし、均一感があっていいのですが、時には『冷たい』と感じるクラブもあります。
心を通じ合わせにくいクラブにもたくさん出会ってきました。

しかし、このアイアンには心を通わせていけそうな予感がしました。
物理的性能も特に秀でたところはないのかもしれません。
距離を求めていきたい方には、適さないかもしれません。
しかし、このいい意味での『武骨さ』といったらいいでしょうか?
人の手も、人によって手相はもとより、一本一本のしわなどが全て違います。
完全な左右対称でも無いですし、手相などは一生不変ではなく、年月の経過と共に変わっていく・・・。というのを聞いたことがあります。
そんな『人の手』のような感覚を、このアイアンを見ていたら思い出しました。

今はクラブをオーダーメイドするのが流行っていますし、クラブをゴルファーに合わせることはとても重要なことだと思います。
しかし、その多くはシャフトに重点が置かれていて、ヘッドはライ角やロフト角を調整するくらいが殆どだと思います。
『究極のオーダーメイド』というならば、ヘッドからプレイヤーの好みに合わせて製作していくことになるのかもしれません。
ヘッドをCADで設計して作り上げるのではなく、職人さんがひとつひとつを手作業で造り上げていくのが究極の贅沢といえるのかな?と、このアイアンの手削り感を見ていたらすごく感じました。
プレイヤーにとって、ゴルフクラブはとても大切な相棒です。
プレイヤーはクラブに思いを伝えます。
そういったときに、製作者の熱い魂が感じられるクラブだと、より強く思いを伝えられるような気がしてなりません。
このアイアンのおかげで、今日はとても楽しい気分になれましたし、また試打する機会があれば是非試打してみたいと思いました。
もしフルセットを借りることができれば、コースでも試してみたいと思わせてくれるグッドなアイアンでした。
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2013年05月23日
Zodia WMF 52 02 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia WMF 52 02 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは52度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は464gです。

ゾディアのとてもカッコいいウェッジです。
ひと目見て、ホーッとため息が出てしまうほど、このクラブが持つ美しさに魅了されてしまいました。
何と表現したらいいのでしょうか?
『プレーンな美しさ』といったらいいでしょうか?
余計な物は何も足さない、シンプルさに魅了されてしまいました。
シンプルということは『飽きない』ということにつながります。
シンプルであるが故の気持ちの高ぶり・・・。といったらいいでしょうか?
クラブに初めて出会うときの、あの『一瞬のひらめき』がとても大切だと思います。
私はクラブ(特にウェッジ)では、あまりごちゃごちゃしたタイプは好みません。
高機能過ぎずシンプルなウェッジを、自分色に染めていきたい・・・。と思っています。

第一印象が、そのままずっとそのクラブの印象を決定させるものだと私は思っています。
曲でいえば、『イントロ』の部分に当たるでしょうか?
その美しくて、個性あふれるイントロを耳にすると、曲の終わりまで思わず聞き入ってしまうのと似ています。
例えば、
1.クリストファー・クロス ニューヨークシティ・セレナーデ(原題「Arthur's Theme (Best That You Can Do)」
2.ハート ALONE
3.エリック・クラプトン いとしのレイラ
4.シャーリーン 愛はかげろうのように(原題「I've Never Been To Me」)
などのように、そのイントロに魅了されて最後まで聞き入ってしまうところと似ています。
その時代時代のヒット曲には、色々な思い出がリンクしていることもあると思いますが、私たちゴルファーは、やはりいいクラブ、美しいクラブにたくさんの思い出が詰まっているものだと思います。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブに出会うことができたので、ゴルファーとして、とても幸せ者だな・・・。と思っております。
このあまりにも美しいウェッジを見ていたら、そんなことを考えてしまいました。
ここまで美しさで圧倒するウェッジはあるでしょうか?

この顔の美しさに惚れてしまいました。
心を動かされました。
何ともいえない、いい雰囲気をもっています。
思わず見入ってしまいました。
打つ前から、じゅうぶん目で楽しませてくれました。
この形状美は、何なのでしょうか?
ボールを早く打ってみたい・・・。という思いと、もうしばらく、このまま見つめていたい・・・。という思いが私の中でずっと交錯していました。
こういった美しいクラブを目にすると、やはりゴルフクラブは単にボールを打つ道具ではなくて、工芸品としての一面も持ち合わせているのだということを実感させられます。
機能ばかりが前面に押し出されたクラブよりも、私はどうしてもこのようなウェッジに魅力を感じます。
『自分の目線の高さ』よりも低いクラブはあまり興味をもちませんが、このようなちょっと上の位置にあるクラブには憧れに似た感情が湧いてきますし、使ってみたくなります。

このフラットバック構造がたまりません。
打感が弱くなるので、バックフェースにはあまり彫刻しない・・・。というのは、昔からよく耳にしていましたが、このウェッジはまさに、そのことをとても大切にしているように思います。
打感が関係するところは、あくまでもシンプルで余計なことをしないほうがいいのかもしれません。
今はウェッジでも、いわゆる『キャビティ構造』の物も、よく見かけるようになりましたが、私はこういったシンプルな形状の物に憧れを抱きます。
このウェッジを見ているだけで、気持ちが高まってきましたし、私のような未熟者が、このウェッジで球を打ってもいいのだろうか・・・?という思いが頭をよぎりました。

この『ワンピース感』といったらいいでしょうか?
『単体構造』といいますか、異材が組み込まれていない感じがすごくいいです。
私が今愛用しているパターは、いわゆる『削り出しタイプ』なのですが、購入するときは多少高価でした。
しかし、使いだすとやめられません。
極上の打感を楽しむことができますし、そのおかげで距離感(ボールの転がるスピード感)をすごく出しやすいです。
私は日頃、パターにずいぶん助けられているのですが、このウェッジをもし使い始めたら、ずいぶんと助けられるんだろうな・・・。と思いました。

今は美しいウェッジがたくさんありますが、このウェッジはそれらの中でも最たる物といっていいくらい、シャープです。
輪郭が丸みを帯びていなくて、とてもシャープです。
いわゆる『エッジが効いている』といった感じがします。
この角が尖っている感じが、いかにも『ハンドメイド感』がありますし、スキー板のエッジを磨いている感覚を思い出しました。
量販店で購入できる大手有名メーカーのウェッジでは、このように感じられる物はなかなか見当たりません。

ソール幅は、結構ワイドだと思いましたが、今はこれくらいが多くなったように思います。
こうして見ていてもエッジの鋭さと、丸みを帯びている部分の滑らかさの両立が上手くできていると思いました。
そのバランスの良さと、言葉にできないほどの美しさに、気持ちの高揚が抑えきれません。
初めて飛行機に乗って、海外旅行に行ったときのワクワク感と似ているでしょうか?

ネックの長さも、しっかりとあるので安心できます。
程よいネックの長さと、適度なソール幅になっているので、いわゆる『頭でっかち』になっていません。
『至れり尽くせり』だと思いましたし、あらゆる角度から見ても、美しいウェッジだと思いました。
ハァー・・・。とため息ばかりが出てしまいました。
この美しさに圧倒されてしまいました。

トゥ側には、ゾディアのマークと『CHIBA MASTERPIECE JAPAN』と記されていました。
先日試打したアイアン同様、研磨師として有名な千葉文雄さんの作品なのだと解りました。
このようなウェッジが似合うゴルファーになりたい・・・。と思いました。

フェース面にはミーリングが、かなりはっきりと彫られていました。
指で触れてみても、かなりザラつき感があります。
この何ともいえない『凹凸感』がたまりません。
外見はシンプルで美しいウェッジですが、こういった工夫を見ると、やはり『最新のウェッジ』なんだな・・・。と思います。
ミーリングも『あまり目立たないタイプ』と、『よく目立つタイプ』があるのですが、このウェッジは完全に後者です。
すごく主張しているように思えました。
私はウェッジを購入するとき、ミーリング自体がそれほど大きなウェイトを占めているわけではないのですが、このウェッジを手にしただけで、ミーリングもいいな・・・。と思いました。
このウェッジのように、すごく主張しているウェッジもいいものだな・・・。と思うほど、すっかり魅了されてしまいました。

このゾディアオリジナルグリップも、すごくいい感じです。
私が大好きなツアーベルベットタイプです。
とてもソフトで、心地いいフィーリングです。
ウェッジは微妙な距離感を出していきたいクラブなので、やはりこのようなグリップがすごく合うと私は思います。
何から何まで至れり尽くせりだなあ・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみて、改めてその美しさに魅了されてしまいました。
しばらく見入ってしまいました。
形状の美しいクラブでも、時には何となくボールとのバランス感が取れていないと感じるクラブもあるのですが、このウェッジは違います。
すごくピッタリとフィットしています。
『クラブの芯』と『ボールの芯』が、まるで磁石の『N極』と『S極』が引き合うように、一球目からいいインパクトを迎えられるのが強く感じられました。
ナイスショットのイメージしか浮かんできません。
ミスする感じは全くしませんでした。
いいイメージが温泉の源泉のように、次から次へと溢れ出すようでした。
ボールを打つ前から、こんなにテンションがあがることはとても珍しいので、今日はいいクラブに出会うことができたな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいい感じでした。
柔らかさもありますが、ミーリングがよく効いているのが強く感じられました。
ボールへの喰いつきがとてもいいウェッジです。
ボールをホールドしていけるのでインパクトだけでなく、フォローでイメージを出しやすい感じがしました。

球は適度に上がってくれますし、易しく感じました。
ロフトが52度ということで、アプローチウェッジやピッチングサンドという認識でいいのだと思います。
その『A』や『PS』らしい、球のあがりやすさがあります。
ほんの少しグースも効いていると思ったのですが、球を拾いやすいですし、とても好印象です。
見るからに高級感溢れるウェッジではありますが、『球のあがりやすさ』という点では、とても親しみやすい印象をもちました。

抜群の美しさがあるせいか、安定性も高いと思いました。
ボールの落とし場所を決めたら、すぐに構えが決まる感じです。
ボールの位置は・・・?とか、テークバックの大きさは・・・?などといったことは考えなくても良くて、あくまでも感覚的にメカニカルな動きができる・・・。といったらいいでしょうか?
車を運転するときに例えると、シートに腰掛けたら無意識で自然とシートベルトを締める癖がついているのと似たような感覚でしょうか?
乗せたいラインにボールをしっかりと乗せていくことができました。
今はウェッジでもアイアンのように『ミスに寛容』な感じのウェッジも見かけるようになりましたが、そういった意味でいうと、このウェッジはそこまで寛容さはないのかもしれません。
しかし、この『構えやすさ』『全体的な美しさ』などがそれを余るほど補っているように感じます。
物理的な性能を『感覚』や『美』というものが凌駕している・・・。といったところでしょうか?
『易しいクラブ』というのは、確かに『ミスヒットに寛容』というところがあると思うのですが、それと同等か、それ以上に『芯に当たっちゃう』クラブが易しいということにつながるんじゃないかな?と思いました。

『スピン性能』は、とても優れていると思いました。
やはり、ミーリングがよく効いているのでしょうか?
ボールがピタピタ止まりました。
『52度』は、ちょうどいい感じでスピンを掛けていけるロフトです。
やや被せ気味で抑えにいっても、開いて抜きにいっても、ボールにしっかりとスピンを掛けてくれました。
ある程度『ラン』を抑えて打っていけるウェッジだと思いました。
ウェッジには『スピン性能』を求めておられる方はとても多いと思いますが、そういった方々にも、是非このウェッジを試していただきたいと思いました。

『飛距離性能』というよりは、やはり『距離感重視』のクラブです。
落とし場所に集中することができました。
マニュアル感が強く感じられるウェッジではありますが、落とし場所を見ながらアドレスに入っただけで、自然と握る長さやスタンスなども決まりますし、高さもイメージできます。
そういった意味では『オートマチック感』もあります。
アプローチウェッジではピッチショットでも、ピッチエンドランでも、時にはランニングアプローチでも活躍してくれる守備範囲の広いクラブですが、このウェッジは距離感がとても合いやすいと感じました。
実戦でも頼りになるだろうな・・・。と思いました。

『操作性』という点でも、すごく良くて、色々な球で遊ぶことができました。
すごくシンプルな形状ですが、ソールの抜けもいいですし、高い球や低い球も簡単に打たせてくれました。
普段は、52度のウェッジではあまりやらないのですが、ロブショットなども易しく打つことができました。
ボールと戯れるのを楽しませてくれるウェッジです。
最初からテンションが上がりっぱなしだったのですが、球数をこなしていけばいくほど、楽しさが倍増していきました。

とても楽しくて、なかなか止めるきっかけがつかめません。
時間と球数だけがどんどん膨らんできました。
元々、ウェッジの練習が好きな私は、このような極上のウェッジに出会ってしまうと、その楽しみ方がエスカレートしてしまいます。
子供の頃、補助輪のついていない自転車に初めて乗れたときに、自転車に乗るのが楽しくて楽しくて、歩いていける距離でも自転車で行ったり、買い物などにも積極的に行っていたのと似ているかな?と思うほど、このウェッジを楽しむことができました。

すごくいいクラブですし、購買意欲が強く刺激されたので、一応値段を聞いてみたのですが、やはり高価なクラブでした。
有名な研磨師の方が作っておられるということもあると思いますし、シンプルさの中に、すごく丁寧な作業を感じ取ることができました。
機械で大量に生産されるのではなく、人間の手でひとつひとつ丁寧に造られているのだろう・・・。ということが手にしただけで伝わってきます。
スチールシャフトを装着しただけでも、2万数千円以上はするのだそうです。
もちろん、一本の価格です。
やはり高価なクラブだったんだな・・・。とは思いましたが、このクラブに関して言えば、それほど高いとは思いませんでした。
それくらいの価値は十分あるクラブだと思いましたし、このウェッジがキャディバッグの中に入っているだけで、楽しさが倍増します。

今年に入ってから、色々なウェッジに出会うことができ、秀作揃いだと思うのですが、私の中で一番強烈にインパクトを残したウェッジです。
頭の中から離れません。
このウェッジのことが頭から離れず、ずっと思い続けるんだろうな・・・。と思いました。
このウェッジを返却するときも、『後ろ髪が惹かれる思い』でしたし、できれば少しでも時間を共有したいな・・・。と思いました。

今日はあいにく、練習場のマットの上からだけの試打だったのですが、もし機会があれば練習グリーンは勿論、コースでもその性能を確かめてみたいと思いました。
すごく気に入りましたが、このウェッジを私が使うことは、とても贅沢なことのように思えてなりませんでした。
もし、私がこのウェッジを購入することができたら、このウェッジに笑われないよう、もっと小技の練習を重ねるだろう・・・。と思いました。
今はだいたい『8割強くらい』がウェッジなどの小技の練習なのですが、このウェッジを購入することができたら、軽く『9割』はいってしまうんじゃないかな?と思いました。

かなり気に入ったので、明日早速友人たちにも勧めてみようと思いました。
私の友人の中には小技の練習が嫌いで、ドライバーばかり練習する人がいるのですが、彼にも早速このウェッジを勧めてみようと思いました。
やはり、いいクラブに出会うと、そのクラブで練習するのが楽しくなるので、自ずと上達するような気がします。
彼はスコアメイクよりも『一発の飛び』を楽しみにコースに来るような人なのですが、この極上のウェッジを手にすると、ショートゲームの楽しさを知ることができるんじゃないかな?と思いました。
このウェッジのことがなかなか頭から離れずに、今夜も多少寝不足になってしまいそうですが、明日友人たちの喜ぶ顔を想像するだけで嬉しくなってきました。
今日は、いいクラブに出会うことができた素敵な一日でした。
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2013年03月31日
Zodia DIAMOND BRIDGE アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia DIAMOND BRIDGE アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は434gです。

とても個性的でカッコいい、ゾディアのアイアンです。
ゾディアはウェッジというイメージが私にはあるのですが、今日はアイアンを試打する機会に恵まれました。
今の大手有名メーカーのアイアンとは、明らかに一線を画すタイプのアイアンです。
昔の懐かしい味が蘇ってくるようなクラシカルなデザインに、思わず見入ってしまいました。

すごくシャープです。
全てにおいて『エッジ』が効いている・・・。といったらいいのでしょうか?
輪郭がとてもシャープです。
切れ味の鋭いショットを打たせてくれそうな予感がします。
打つ前から既に、いい雰囲気が伝わってきます。
気持ちの高ぶりも最高潮まであがってきました。

彫りも浅く、完全なハーフキャビティといっていいように思います。
彫りが浅い分、それほど易しさはないのかもしれませんが、その『美しさ』に魅了されてしまいます。
クラブは高機能で易しいほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、このような見る者を圧倒するような美しいアイアンを目にすると、手に取らずにはいられません。
早くも『ゾディアワールド』に引き込まれたような気がします。

ホーゼルには『HYOGO JAPAN』と記されていました。
まさにアイアンの聖地といっていい場所だと思います。
私はアイアンの聖地というと、まず『山形県』と『岐阜県』を思い浮かべるのですが、兵庫県にも素晴らしいメーカーがたくさんあります。
OEMで製造しているメーカーもたくさんあると聞いたことがあります。
三浦技研やロイヤルコレクションなどの有名メーカーも兵庫県ですし、藤本技工やバルドもそうだったように思います。
クレイジーのアイアンを作っているのも、兵庫県のメーカーだと聞いたことがあります。
こうして考えてみても、兵庫県というところは本当にクラブ作りの盛んな県だということが解ります。
そして、ただ盛んなだけでなくて、品質もピカイチなところが日本のいいところだと思います。
ただ単に数多く作ればいいというものでもありません。
ゴルフクラブに限ったことではないですが、今は『MADE IN JAPAN』といっても、海外の方が日本に来られて作られた物もたくさんあります。
それも立派な『MADE IN JAPAN』に変わりはないですし、品質などがきちんとクリアされていれば、どの国の方が作られた物でもいいと思っています。
しかし、それでもやはり『MADE IN JAPAN』は『日本人が作った』ものであって欲しいと思っています。
そういったことを含めて『MADE IN JAPAN』といえるのではないでしょうか?
『MADE IN JAPAN』の後に『MADE BY JAPANESE』という言葉あると、なおさら好感度がアップするような気がします。
そういった意味でも、この『HYOGO JAPAN』という文字には魅力を感じました。
兵庫県にたくさんおられる優れた技能をもった職人さんたちが作ったんだろうな・・・。と思いました。
聞くところによると、兵庫県は『日本ゴルフクラブ発祥の地』なのだそうです。

トゥ側のところに『HANDCRAFTED BY CHIBA』と表示されていました。
このアイアンは千葉文雄さんという日本でも指折りの有名な研磨師の方の手によって造られたのだということを聞きました。
私は千葉さんという方を存じ上げなかったのですが、すごく有名な方なのだそうです。
以前試打して、すごく気に入っている『BUCHI』の田淵さん同様、その業界内では知らない人がいない・・・。というくらい有名な方なのだそうです。
BUCHIを試打したときにも思ったのですが、私はこういったことを全くといっていいほど知らずに過ごしていて恥ずかしくなります。
本当に不勉強だと実感します。
ゴルフが好きで好きでたまらない私ですが、こういったクラブ情報について、殆ど『無知』といっていいように思います。
もっと勉強しようと反省しました。

このまるで『眼』にも見えるデザインが特徴的です。
これが、このアイアンの名前の由来なのだと思います。
このダイヤモンドのようなデザインが少し肉厚になっていることもあり、ここでヒットして欲しい・・・。というメーカーの思いなのかな?と思いました。
もし、そうだとすると結構広い感じがしますし、かなり厚めにヒットしても大丈夫だな・・・。と思いました。
私はこのバックフェースのデザインをひと目見て、日本に古くから伝わる妖怪の『一つ目小僧』を連想しました。
とてもインパクトのあるデザインですし、一度見たら忘れないだろうと思います。

リーディングエッジが削られているところが、今のアイアンっぽいところだと思いました。
外観はとてもクラシカルな雰囲気がありますが、ところどころを見ると、今のクラブの流れに沿っているようにも見えます。
昔はリーディングエッジが尖った物ばかりでした。
勿論、今でも尖ったアイアンはありますが、『削り』が入っているほうが多いような気がします。
私がビギナーの頃、アイアンのリーディングエッジが削れるくらい、使い込んでいかなきゃだめだ・・・。リーディングエッジがいい頃合いに削れたときには『一人前のゴルファー』になっているよ・・・。などと先輩から言われたものでした。
私もそうなれるようにたくさん練習しました。
昔はゴルファー自身の成長もそうですが、『クラブを何年かかけて使いこなす』という発想があったように思います。
最初は誰でも上手くいかないし、時間をかけてつくりあげるのだという考え方があったのだと思います。
しかし、今は違います。
『即効性』が求められるようになりました。
『何年かかけて』というよりも、すぐに結果が求められている時代なのだと思います。
今の流行のクラブを見れば、それがよく解ります。
それはアイアンに限らず、ドライバーなどでも同じです。
少ないキャリアの方でも、易しく打てるように設計されたクラブが多くなりました。
合理的な考え方になったのだと思います。

ソール幅は、標準的な感じがしました。
もうちょっと狭い感じを予想していたのですが、それほど狭くはありません。
こうして見ていても、すごく角張っているのがよく解ります。
丸みを帯びているところが少なく、『角(かど)』がくっきり浮かび上がっているようです。
線やカーブもところどころ均一になっていないので、新鮮な感じがします。
こういったところに『手削り感』を感じます。
機械で造られたのではなく、人の手によって造られたということが、すごく伝わってきます。

ネックの長さは、比較的標準タイプといえるような気がしました。
今はショートネックのアイアンも多いので、それらと比べると長く感じますが、本来はこれくらいが『標準』といえるような気がします。
こうして見ていても、このアイアンの『形状美』をすごく感じました。
『艶っぽい』アイアンです。

ボールを前にして構えてみても、懐かしい感じがします。
まさに『和顔』といっていいアイアンだと思います。
適度な『小顔感』と、少しエラを張ったような顔が特徴的です。
こういった顔のアイアンはよく目にしていたな・・・。と思いました。
トップラインも薄くて、すごくシャープに感じられます。
こちらのいうことを何でも聞いてくれそうだな・・・。と思いました。
呼吸も深く、楽な気分で構えることができました。
試打を開始しました。

打感はすごくいいです。
このクリアな打感のおかげで、飛んでいったボールの方向やだいたいの距離をすぐにつかむことができました。
こういったアイアンだと、ボールの行方が気にならないので、初心者の頃からの私の悪い癖である『ヘッドアップ』を防止することができます。
適度な柔らかさと、微妙なニュアンスが伝わりやすいアイアンです。
ミスヒットしたときも、すぐに解るので、私は好感がもてます。
今の易し過ぎるアイアンは、どこでヒットしたかが解りづらいものが多いです。
かなりトゥ寄りに打っても、それを打感で感じにくかったり、ボールが曲がりにくくなっていたりして、少し不安に感じることがあります。
いい意味で『アバウト』なのも時には必要だと思いますが、それが度を越してしまうと、却って難しく感じてしまいます。
ミスに対する寛容さも大事ですが、ゴルファーとクラブとの『心の接点』といいますか、通じ合う部分が大きいほうが球を打っていても楽しいですし、安心感があります。
そういった意味でも、このアイアンにはすごく魅力を感じました。

『球のあがりやすさ』という点では、結構タフなほうかもしれません。
誰にでもあがりやすくなるよう設計されているアイアンだとは思いませんでした。
そういった意味でも、ある程度『敷居の高さ』があるのかもしれません。
人によって、好みが大きく分かれるような気がします。
『ワンピース感』のあるアイアンです。
『削り出し感』のあるアイアンです。
ヘッド全体を見てみたのですが、タングステンなどの、いわゆる『異材』などもコンポジットされていないようでした。

『安定性』という点でも、『易しさ最優先』といった感じはしません。
ハーフキャビティらしい、シビアさが充分に感じられるアイアンです。
スイートエリアも、それほど広いとは思いませんでした。
普段、マッスルバックを愛用しておられる方には、難なく打てると思いますが、ポケキャビなどのミスに対する寛容さの大きいアイアンを使い慣れておられる方には、かなり難しく感じられるかもしれません。
ほぼマッスルバックと同等のシビアさはあるように感じました。
アイアンにまず何を求めるか?というのは、人によって様々だと思いますが、このアイアンは『ミスに対しての寛容さ』を第一に求めておられる方には合いづらいところがあるように思います。

『飛距離性能』という点では、今の色々なアイアンの中でも、はっきりと『飛ばないほう』だと思います。
外見から伝わってくる印象のまま、『飛距離』よりも『縦の距離感』を大切にしておられる方に適したアイアンだと思います。
『飛距離の為』とか『慣性モーメントの為』『あがりやすくする為』・・・。といった、今のアイアンに多く採用されている色々な工夫が敢えて排除されているように感じられます。
そういった意味でも、このアイアンは『使い手を選ぶ』といえるのかもしれないですし、メーカーも幅広い層を意識しているようには思えません。

『操作性』という点では、『GOOD』の一言に尽きます。
すごく敏感に、こちらの意思を感じ取ってくれました。
こういったアイアンは『以心伝心』できるので、試打していても、とても楽しいです。
左右に大きく曲げたり、低く出したり、色々なことができました。
こういった反応の鋭さは、マッスルバックと共通するところだと思いました。
アイアンには操作性よりも安定性を求めていきたい方には、あまり魅力的な感じはしないのかもしれませんが、私はボールを大きく曲げて楽しむタイプなので、魅力的に感じます。
最近はとても構えやすいアイアンでも、思っていたよりも曲がりづらかったりする物もあるのですが、このアイアンはすごく素直に反応してくれました。
外観のイメージと、使ったときのイメージが、ちょうどいい感じで『合致』しているアイアンだと思いました。

あっという間に楽しい時間が過ぎていきました。
大手有名メーカーのアイアンと違い、なかなか出会うことができないので、いつもよりも多く球を打ってしまいました。
もう、こんな時間なのか・・・。と練習場の時計を見て思いました。
こういった打感が良くて、反応の鋭いアイアンは球を打つのが楽しくてたまりません。
初対面でも、すぐに打ち解けあうことができたような気がします。
色々なクラブに接していると、時には、いくら球数をこなしても、なかなか親密感が得られない物もあります。
そういった点で考えてみると、このアイアンはすぐに打ち解けあうことができて、友達になりやすい感じがしました。

いわゆる『易しさ』が全面に感じられるアイアンではありません。
それと、この『削り感』も正直言って、好みが分かれるところだと思います。
大手有名メーカーのアイアンの『ライン』といいますか『縁取り(ふちどり)』のほうが好感をもたれる方も、実際は多いような気もします。
私はこのアイアンの『削り感』にはすごく魅力を感じますが、そうでない方もたくさんいらっしゃるのではないか?と思いました。

品質が優れていることや、『メイドインジャパン』『ゴルフクラブの聖地でもある兵庫県』。
そして有名な研磨師の方が作られている・・・。ということもあり、今のアイアンの中でも、かなり高価だと聞きました。
このアイアンの値段を聞いて驚きましたが、それに見合うだけの高い技術が注ぎ込まれているんだろうな・・・。と思いました。
海外の工場で、機械で大量生産されているアイアンとは、明らかに趣が異なります。

今はミスヒットに対する寛容さがあり、飛距離も出て、球があがりやすいアイアンがたくさん溢れています。
メーカーの個性が感じられなくなったような気がします。
総じて、そのようなアイアンは価格が低く抑えられています。
そういった意味でも、それらはコストパフォーマンスが高いといえるのかもしれません。

しかし、このアイアンは明らかに異なります。
ミスに対してはある程度シビアですし、球もあがりやすくなるように作られていません。
おまけに飛距離もそれほど出るタイプではありません。
それでいながら、この価格設定・・・。
『高慣性モーメント』とか『飛距離性能』『球のあがりやすさ』など、物理的な性能と価格でコストパフォーマンスを決めるのであれば、このアイアンは明らかに低いと言わざるを得ません。
しかし、もっと違うところに観点を置いてみて、例えば『グッドフィーリング』だったり、『操作性の良さ』や『距離感の出しやすさ』『他にあまり使っている人がいない』『名の通った有名な方が削っている』といった『付加価値』を求められるのであれば、このアイアンはすごく魅力的だと思います。

かなり高価なアイアンですし、そこに私は『敷居の高さ』を感じたのですが、それ以外はすごく魅力的でした。
こういった、いい雰囲気を醸し出すアイアンには、それほどたくさん出会うことはありません。
今のアイアンの殆どが、いい意味で『均一化』されているような気がしてなりません。
しかし、このアイアンはたとえ同じシリーズのアイアンでも、一本一本微妙に違うような気がします。
昔でいえば、『パーシモンの木目の柄』が一本一本違っていたように、このアイアンも似たような感じがします。
そういった意味でも、『スペシャル』なアイアンといえるような気がしました。
この『特別感』に加え、試打していてもすごく楽しかったので、もし購入することができれば楽しいだろうな・・・。と思ったのですが、おそらく購入できないと思うので、一球一球をいつも以上に大切にして楽しむことにしました。
日本には、こういった素晴らしいクラブを造るメーカーがまだまだたくさんあるんだな・・・。と思い、嬉しくなりました。
当然のことながら『新溝ルール』に適合しているのだそうですし、『最新』のアイアンといえるのだと思いますが、このクラシカルな雰囲気から、『蒸気機関車SL』を思い出しました。
他のメーカーの高機能で最新式のアイアンが『新幹線N700系』だとすると、このアイアンが『D51』や『C62』のように感じられました。
スピードなどは新幹線に及びませんが、『雰囲気』とか『昔の良かった頃を思い出す』『あの汽笛』『ゆっくりだからこそ車窓を楽しむことができる』・・・。などといったことが、蒸気機関車の良さだと思います。
日頃、色々なメーカーのアイアンを試打していて、一様に同じような感じのするものが増えて、『没個性』を感じることが少なくないのですが、このアイアンには強い個性が光っていました。
私はこのようなアイアンが大好きですし、また何度でも手にしたいと思っています。
今日、たった一度の試打で、私の心に深く刻み込まれたアイアンです。
今日はとてもラッキーな日だったと思いましたし、その楽しい気分のまま練習場を後にしました。
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2012年10月14日
Zodia Z901 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z901 ドライバー です。

シャフトは トライファス バシレウス Z 60S です。
ロフトは9度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは3.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は312gです。

初めて手にした、Zodiaのドライバーです。
Zodiaはウェッジが有名なメーカーで、以前友人が所有していたこともあり、何度か使わせてもらったことがありますが、ドライバーは初めてです。
白いヘッドが流行っている中、このドライバーは『黒一色』で、とてもカッコいいです。

全体的に丸みを帯びていて、とてもオーソドックスな形状です。
奇をてらっていなくて、『本格派』という感じがします。
黒い色は『重量感』を感じさせる色ですが、このドライバーにはあまり重量感は感じませんでした。
独特な光沢感があったからかもしれません。

ヘッド後方にウェイトのような物が組み込まれていました。
とても見慣れた感じがするので、特に驚くようなこともなく、これまでたくさん出会ってきたドライバーと同様の効果が期待できるのだろう・・・。と思いました。
こうして見ていると、交換はできそうにない感じです。

ソールには、細かな溝がありました。
とても小さい溝ですが、これによるメリットもあるのでしょうか?
どれほどのメリットがあるのか、解りませんが、細部にまでこだわった設計になっているようです。

ヒールの部分には『MUSCLE POWER OPTIMIZED WEIGHT BALANCE』と記されていました。
何やら、とてもレベルの高い工夫が施されていそうです。
メーカーの自信が伺えます。

ネックの長さは、しっかりとキープされていて、好感がもてます。
イメージを伝えていけそうな予感がします。

セミシャローバック形状だと思いました。
極端なシャローではありませんが、ディープというよりは、シャローに近い印象を受けます。
今は、これくらいの厚みがとても多くなったように思います。

このオリジナルのグリップもカッコいいです。
ツアーベルベットタイプで、とても握りやすいです。
この何ともいえない柔らかい感触が良いフィーリングと距離感と方向性を生み出してくれます。

顔はとても整っていて、好感がもてました。
光沢感のない、独特な『艶消しブラック』が印象的です。
PINGのドライバーを思い出しました。
私は、これまでのオーソドックスなタイプの光沢感のあるヘッドのほうが、どちらかといえば好きですが、この『艶消し感』にも好感がもてます。
このほうが構えたときに、太陽の光の反射が邪魔になりにくいのかもしれません。
いずれにせよ、このドライバーの顔には、とても好感がもてました。
『やる気スイッチ』が自然と入りました。

素振りをしてみた感じは、予想よりもハードスペックではないように感じました。
見た目の印象から、もう少しハードな設計になっているのかと思ったのですが、実際はそんなことはありませんでした。
重量もそれほど感じなかったですし、このバシレウスの黒いシャフトも、フレックスが『S』ではありますが、軟らかめの『S』に感じられました。
敷居が高すぎないように仕上げられているドライバーのような気がします。
今日は一球目から、強く叩いていこう・・・。と思っていたのですが、この感じだとちょっと自重しよう・・・。と思いました。
振っていくと、少し暴れてしまうかな?と思いました。

ボールを前にして構えてみると、やはりとてもいい感じでした。
形が整っているので、すごく落ち着いて構えることができました。
トゥ側が出っ張っていないので、球を上手くコントロールできそうな予感がしました。
ただ、フェース面が見え過ぎるところに少し疑問を感じました。
このドライバーのロフトは『9度』ということなのですが、どう見ても9度には見えませんでした。
『11度』くらいはありそうなフェース面の見え具合です。
私の目の錯覚だったらいいのですが、やはり何度見ても、ロフトが寝過ぎているように見えました。
このドライバーも『リアルロフト』と『表示ロフト』に開きがあるのでしょうか?
このドライバーが最初から『11度』とか『10.5度』というように表示されていれば、ここまで違和感を感じなかったと思うのですが、最初から『9度』というつもりで構えていたので、少し心が動揺してしまったように感じます。
私は、もう少し低い弾道をイメージしたかったのですが、この構え感だと、どうしても高くなってしまいがちでした。
ただ、方向性はいい感じでイメージできました。
球筋が乱れそうな感じは全くしません。
まずは、このドライバーにお伺いを立ててみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はまずまず・・・。だと思いました。
硬いというよりは柔らかめの打感で、なかなかいい感じでしたが、『極上の打感』だとは正直思いませんでした。
強い不満を感じることはなかったのですが、酔いしれてしまいそうなフィーリングではありませんでした。
しかし、何球打っても、こちらを疲れさせないので、親しみやすさを感じる打感でした。

『音』は静かめで、落ち着いて打っていくことができました。
心に波風を立てない、優しい感じの音です。
叩いていくのに、邪魔にならない『控えめな音』だと思いました。

『球のあがりやすさ』という点では、やはり構えたときの印象通り、かなり高く上がってしまいました。
叩けば叩くほど、その傾向は大きくなっていきました。
バックスピンも、少し多い感じかな?と思いました。
やや吹き上がる感じがしました。
このゾディアのヘッドもそうですが、装着されているバシレウスの黒いシャフトも、予想以上に球を上げてくれる感じがしました。
シャフトにも、ヘッドのフェース面を立てていきやすいタイプと、上を向かせやすいタイプがあるように思うのですが、このシャフトは上を向かせて高弾道を打ちやすいシャフトだと思います。
見た目よりもハードなシャフトではありませんし、ヘッドも外見の印象以上に球があがりやすいタイプなので、このコンビネーションだと結構敷居も低いのかもしれません。
日頃、『ロフト10度』のドライバーを使っておられる方も、まずはこのスペックで試してみられるのがいいのではないでしょうか?
ヒッター向きだとは思いますが、予想以上に球があがりやすいドライバーだと思いました。

『安定性』という点では、高いと思いました。
見た目とてもカッコいいドライバーですが、シビアで難しい感じは全くしませんでした。
フックフェースには見えなかったですが、球がつかまりやすく感じられました。
右へ抜ける感じはしません。
それほど捕まえにいかなくても、自然とつかまりやすい感じがしました。
ヘッド後方に組み込まれているウェイトのような物も威力を発揮しているのでしょうか?
ボールが高く上がり、バックスピンが多めなドライバーは、やはり『余計なサイドスピン』が抑えられやすいのだと思いました。

『飛距離性能』という点でも、まずまずのレベルの高さだな・・・。と思いました。
これまでたくさんの高性能ドライバーに出会っているので、このドライバーがそれらの中でも、かなりのハイレベルな存在・・・。だとは、正直思わなかったのですが、大きく見劣りする感じはしませんでした。
『驚くほどの飛び』だとは思わなかったのですが、あれくらいまでは届いてくれるだろう・・・。という所には確実に届けてくれました。
ラインも出しやすかったですし、この『安定した飛び』は、コースでも武器になってくれるような気がしました。
『最長距離』と『最短距離』の差が比較的小さいドライバーなのではないかな?と思いました。
『激飛びドライバー』というよりも『楽飛びドライバー』といえるのではないでしょうか?
軽く振って、よく飛ぶドライバーだと思いました。

『操作性』という点では、なかなかいい感じでした。
左右どちらにも易しく対応してくれました。
フェースが被っているようには見えなかったのですが、何となくドロー系のほうが打ちやすそうだな・・・。と思っていました。
実際に打ってみても、やはり私にはドロー系のほうが易しく感じられました。
引っ掛かる感じはしませんでしたが、つかまりのいいドライバーだと思いました。
持ち球がフェード系の方にも、易しく感じられるのではないでしょうか?
先ほども書きましたが、右に抜ける感じがしないので、思っていた以上に右に抜ける球は出にくいと思います。
極端なことをしない限り、それほどトラブルには出会いづらい感じがしました。
今日は練習場だったので、結構極端なことをしましたが、コースではある程度抑えて打っていけるように感じました。

初めてのゾディアのドライバーでしたし、そのブランドイメージ通り、とてもカッコいいドライバーでした。
このようなカッコいいドライバーに出会えて、今日はとてもラッキーだと思いました。
ただ、購買意欲が刺激されることはありませんでした。
気持ちもハイテンションになることなく、淡々と試打を繰り返していました。

それは、このドライバーが劣っているとか、性能が良くない・・・。ということではなく、ただ単に私には少し合いづらい部分があるということに過ぎません。
もし私が、これまでドライバーを全く手にしたことのないビギナーだったとしたら、このドライバーにかなり魅力を感じたと思います。
見た目もカッコ良くて、打ちやすくて、飛距離性能もいい・・・。
かなり親しみを感じると思います。

しかし、私は購買意欲が刺激されることはありませんでした。
何故だろう?と考えてみると、やはりこれまで『極み』という言葉が似合うような高性能ドライバーにたくさん出会ってきたのが大きいと思いますし、先ほども書きましたが、構えたときにやや不思議に感じる部分や弾道が高すぎるところを不満に感じたのかもしれません。
打感も、もう少し爽快感があってもいいのかな?と思いました。
少しだけ、こもった感じがしました。
ただ、それらはほんの小さな部分だと思いましたし、大きな不満ではありません。
少しだけ、私の感覚と、このドライバーのフィーリング性能が馴染みづらかっただけなのかもしれません。

聞くところによると、このドライバーはシャフトによっても異なりますが、かなり高価なのだそうです。
カッコいいドライバーだな・・・。とは思ったのですが、正直それほど高級感は感じませんでした。
エポンなど数種類のメーカーのドライバーは、最初から高そうな雰囲気がすごく伝わってきますが、このドライバーにはあまり感じませんでした。
ひょっとしたら、親しみやすい価格設定になっているのではないかな?と期待していたのですが、実際はやや敷居の高い価格設定になっていました。
しかし、このドライバーがチープな感じは全くしなかったですし、この価格設定でも魅力を感じられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ私は、もしその値段であれば、迷わず他のクラブを購入するように思います。
10球ほど、マイドライバーと打ち比べてみたのですが、やはりマイドライバーのほうが距離を出していきやすかったですし、他の面でもいい感じをつかむことができました。
このドライバーも高性能だと思いますが、それ以上に、私にはマイドライバーのほうがマッチしているのだと強く実感しました。
このゾディアのドライバーも、いい印象が残ったので、また試打する機会があれば試打してみたいと思いますし、これからのニューモデルにも期待していきたいです。