THREE LUCK
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2013年11月04日
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THREE LUCK D-TOUR Type CFI PRO.SPEC

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは THREE LUCK D-TOUR Type CFI PRO.SPEC の5番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは25度、クラブ長さは37.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は430gです。

初めて手にしたスリーラックのアイアンです。
スリーラックはウェッジのイメージが強いのですが、このアイアンも、なかなかいい雰囲気を醸し出しています。

アイアンでは珍しい褐色系の色がとてもシブいです。
昔は結構あったように思うのですが、最近はあまり見かけなくなりました。
形状的にもシャープで整っています。
正統派の匂いがプンプンしてきました。

かなり彫りの浅い、ポケットキャビティといったところでしょうか?
厚ぼったい感じがしないので、好感が持てます。
ポケキャビとハーフキャビティの性能を持ち合わせているアイアンなのかな?と思いました。

『ソール幅』は、今のアイアンの中でも狭いほうだと思いますが、この角張ったシャープな形状が、いいイメージを与えてくれました。
使っていけばいくほど味の出るアイアンなんだろうな・・・。と思いました。
クラブと永くつきあっていきたい・・・。と、いつも思っている私は、こういった雰囲気のあるクラブには惹かれてしまいます。

ネックの長さは、やや長めです。
とてもクラシカルな感じがします。
スリーラックのアイアンは初めてでしたが、とてもオーソドックスで本格的なアイアンを造るメーカーなんだな・・・。と思いました。
ウェッジ同様、とてもいい印象をもちました。

バックフェースには『CNC FORGED』と記されていました。
ただの鍛造ではないようです。
どんな製法なのでしょうか?

素振りをしてみても、適度な重量があり、振りやすく感じます。
初めて手にしたスリーラックのアイアンではありますが、この振り感はいつも通りの感覚で振っていけるので親しみをもつことができます。

ボールを前にして構えて見ても、とても好感がもてました。
かなりの男前です。
とてもシンプルな形状です。
コーヒーに例えると『余計な雑味のないすっきりとした味わい』といったところかな?と思いました。
最近コンビニに行くと、コーヒーのとてもいい香りがお店の中に充満していて、私もついつい買ってしまうのですが、この褐色のアイアンを見たら、ふとコーヒーに例えてみたくなりました。
適度に小顔で、しかも『濃い色』なので、ボールが余計に大きく、また浮き立って見えます。
こちらのいうことを何でも聞いてくれそうだな・・・。と思いました。
すごくいいイメージが頭の中を駆け巡りました。
試打を開始しました。

『打感』はいい感じでした。
ボールがフェースに乗っかってくれているのがよく解りました。
打感も硬くなく、軟鉄のソフトな打感を楽しむことができました。
ただ、ちょっと『厚み感』が足りないような気もしました。
こういった形状なので、仕方のないところなのかもしれませんが、少し物足りない感じがしました。
普通のアイアンならば、この打感でも充分合格点が出るところなのかもしれないのですが、とても美しくて本格的なアイアンなので、こちらのハードルも上がってしまったようです。
大きな不満はありませんが、もう少し厚みで押していける感じが欲しいな・・・。などと贅沢なことを望んでしまいました。

『球のあがりやすさ』という点では、まずまずだな・・・。と思いました。
ポケットキャビティではありますが、極端ともいえるような加工はされていないようです。
タフな感じはしませんが、不自然に思えるほど、あがりすぎる感じもしませんでした。
最近は色々なアイアンを試打していて、いったい何番のアイアンを打っているんだろう?と、思ってしまうこともあるのですが、このアイアンはきっちりとした『5番アイアン』らしい高さだと思いました。
ロフトは5番アイアンとしては、多少立っているようですが、球があがりにくいとか、弾道が低いという感じはしませんでした。

『安定性』という点では、ポケットタイプのアイアンではありますが易しすぎず、印象的にはノーマルなハーフキャビティといったところだな・・・。と思いました。
しかしシビア過ぎず、ある程度の寛容さも感じられました。
難しすぎず易しすぎず、練習していて楽しいアイアンです。

『飛距離性能』という点では、まずまずだな・・・。と思いました。
多少ロフトが立っているタイプのアイアンではありますが、上がりやすくなるような大きな工夫は施されていないように感じましたし、このアイアンで高さを出しづらい方は、あまり距離のアドバンテージは感じにくいところがあるのかもしれません。
『スタンディングロフト』による飛距離は、あくまでも『球のあがりやすさ』と『寛容さ』に上に成り立っているように思います。

『操作性』という点では、構えたときの印象のまま、とても好印象でした。
左右どちらにもまんべんなく反応してくれました。
意思の疎通がしやすいアイアンです。

初めて出会ったスリーラックのアイアンでしたが、いい印象のまま試打を終えることができました。
いつもは7番アイアンを試打することが多いのですが、今日はこの5番を試打することができて、違う楽しさがありました。

最近の7番アイアンは、まるで5番アイアンか、それ以上・・・。に思えるような『超飛距離系』が多くなりました。
いったい、アイアンの番手の基準って何だろう?と思ってしまうことがあります。
『距離の階段』が大き過ぎるように感じることも多いです。
『アバウト感』を強く感じるようになりました。

そういった意味では、このアイアンは『5番らしい5番』という印象をもつことができました。
形状的にもそうですが、奇をてらったところが全く無いので、すぐに馴染むことが出来ました。
ポケットタイプのアイアンではありますが、それほど『易しさ』に特化している感じはしません。
普通の『ハーフキャビティタイプ』というイメージで打っていったほうがいいように思いました。

大手有名メーカーのアイアンもいいですが、改めて『地クラブメーカー』のアイアンもいいな・・・。と、今年は特に思っています。
スリーラックというメーカーが地クラブメーカーなのか、私にはよく分かりませんが、やはりいいメーカーだな・・・。と思いました。

品質管理などにもすごくこだわっているようですし、とても丁寧に造られているような印象を受けました。
ウェッジ同様、スチールシャフトが装着されていても、かなり高価なアイアンのようですが、一本一本丁寧に製造され、検品などもしっかりとしているのであれば、決して高価とはいえないのかもしれません。
海外の工場で大量生産されたコストパフォーマンスの高いアイアンとは、またちょっと違うタイプのアイアンではありますが、こういったアイアンもいいものです。
改めて、日本メーカーの良さを感じた一日でした。
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2012年10月27日
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THREE LUCK SDJ PRO GROOVE D-TOUR TB WEDGE 51°

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは THREE LUCK SDJ PRO GROOVE D-TOUR TB WEDGE の51度 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは51度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は467gです。

このスリーラックのウェッジは、以前58度のモデルを試打したことがあるのですが、今日は51度のモデルを試打する機会に恵まれました。
ロフトから考えても、『アプローチウェッジ』というカテゴリーに入ると思います。
今日はアプローチグリーンで試すことができたので、練習場のマットで何球か打った後、すぐにトライしてみました。

58度モデル同様、とてもシャープでカッコいい形状です。
キレのあるショットが打てそうな予感がします。

ソール幅は、ノーマルといっていいと思います。
広すぎないので、色々と細工をしていけそうに感じます。
バンスも少し目立ちますが、邪魔になるほどでもなく、活躍してくれそうです。

ネックの長さがしっかりとあって、操作性も良くスピンも効かせていけそうです。

鋭いリーディングエッジです。
芝を刈るイメージを強く出せます。
ターフも綺麗に取れそうな印象を受けます。
カット目にも被せ気味にも、自在に入れやすそうな雰囲気もあります。

ボールを前にして構えた感じも、すごくいいです。
ナチュラルに構えることができます。
先日試打した、58度のモデルはどちらかというと『丸型』に見えたのですが、この51度のモデルは『ティアドロップ型』に近い形状をしています。
同じシリーズのウェッジでも、こうも顔の印象が違うのは珍しいな・・・。と思いました。
ただ、どちらにせよ『ウェッジの構え感』としても、申し分ない極上の構え感です。
いいイメージがすごく出てきます。
グースの効きが弱いので、私は構えやすく感じますが、グースネックを好まれる方には、少し構えづらく感じられるかもしれません。
試打を開始しました。

『打感』は軟鉄鍛造らしい、柔らかい感触で好感がもてました。
やはり、ウェッジでもアイアンでも、軟鉄鍛造が『最強』だと思います。

『球のあがりやすさ』という点でも、58度同様、標準的な感じがします。
この標準的なところがすごくいいです。
自分の予想に反しない高さで飛んでいってくれるので、安心できます。
イメージした高さに上げてくれるクラブというのは、とても実戦的だと思います。

『安定性』とういう点でも、特に変わったところはなく、見た目通りの性能でした。
特別シビアな感じもしないですし、易しさが充分に感じられます。
顔がすごくいいので、ラインも出しやすく、少ない球数ですぐに馴染んでいけました。

ただ、『距離感』が少し合いませんでした。
それは、このクラブだとボールが飛び過ぎる・・・。とか逆に飛ばな過ぎる・・・。というのではなく、『ラン』が合いづらい・・・。ということです。

このウェッジのもつ、優れたスピン性能のおかげで、ボールが思ったよりも、すぐに止まってしまい、ランが短いので、なかなか計算しづらいところがありました。
ドライビングレンジでのフルショットでは、ある程度狙ったところに落としていけて距離が合いやすかったですし、アプローチグリーンのピッチエンドランなどでも、キャリーの感覚はつかめるのですが、ランが短すぎるので、そこに慣れていくのに、しばらく時間がかかると思いましたし、ある程度の球数が必要になってくるように思いました。
ピッチエンドランでは、キャリーとランの比率がだいたい『5:5』になるものですが、今日はどうしても『7:3』くらいに感じられました。
ピッチエンドランをやっているつもりでも、実際は『ピッチショット』に感じられました。
この『止まり性能』に、なかなか馴染むことができませんでした。

しかし裏を返せば、それだけ、このウェッジのスピン性能が高いということなので、この性能を味方につけることができれば、色々なところで活用できるな・・・。と思いました。
特にグリーンを奥にこぼしてしまったときや、バンカー越えにすぐピンが立っているときなど、活躍の場が広そうです。
私のホームコースは砲台グリーンが多いので、是非試してみたいです。
いつもならば、感覚的にもう少しボールが滑っていきそうなところでも、今日は『ギュッ』と止まってしまいました。
できれば、もう少しロフトが立った(だいたい48度くらい)のモデルも試してみたい・・・。と思いました。

『操作性』は抜群で、開いても閉じても素直に対応してくれました。
色々なショットを楽しむことができました。
これだから、グリーン周りの練習は楽しくてたまりません。
ダーツなどのようにゲーム感覚で楽しむことができるので、時間がすぐに経ってしまいます。
頭に描いたイメージにできるだけ近くボールを転がしていくことはとても楽しいです。
ボールが止まるまで、楽しむことができます。
こういった楽しみは、ドライバーなど長いクラブの練習ではなかなか得られないところです。

色々な球を打つのが楽しいウェッジでした。
見た目の美しさが、そのまま性能となって表れているように思います。
『クラブは、まず見た目が大事』だと私はずっと思っているのですが、特にアイアンやウェッジは、見た目で大よその性能がつかめるところがあるので、こういったスタンダードなタイプにはすごく魅力を感じます。

先日試打した、ミズノのウェッジとは異なる打感ではありますが、このスリーラックのスピン性能もすごく優れていると思いました。
ミズノや他のメーカーのウェッジと比べても、このスリーラックのウェッジは、やや高価ではありますが、それだけ手間も掛かっているのだと思いますし、品質や性能に自信があるからなのではないでしょうか?

また何度でも試打したいと思いましたし、購買意欲が強く刺激されたウェッジでした。
スリーラックは歴史のあるメーカーですが、日本には本当に優れたクラブを造るメーカーがたくさんあるのだと、改めて感じました。
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2012年08月13日
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THREE LUCK SDJ PRO GROOVE D-TOUR TB WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは THREE LUCK SDJ PRO GROOVE D-TOUR TB WEDGE です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は470gです。

スリーラックのとてもシブいウェッジです。
何と言いますか、一目で高性能そうな感じが伝わってきます。
写真では小さくてよく見えないのですが、ヒール側には『RULE CONFORM PRODUCT 2010』と記されていました。
つまり、2010年から適用された新溝ルールに適合しているということを示しているのだと思いました。
今、新しく生産されるアイアンやウェッジは全て『新溝ルール適合』だと思うのですが、このようにクラブ自体にそれを記していることは、珍しく感じました。

こうして見ていても、すごくシャープですっきりとした感じがします。
何と言いますか、余計な体脂肪がついていない感じです。
鋭い走りが持ち味のスピードランナーのような体つきだと思いました。
最近は『メタボ』とまではいかなくても、かなり大きさや太さ・膨らみを感じさせるアイアンやウェッジがあるなかで、このウェッジは必要最低限のものしか組み込まれていないように感じます。
私はこういったウェッジが大好きなので、とても好感がもてました。

『CNC PROCESSING』と記されていました。
どういった意味なのでしょうか?
何やら、とても素晴らしい技術が組み込まれていそうです。

ソール幅は、それほど広いとは感じませんでした。
ロフトが58度なので、サンドウェッジというように考えてもいいと思うのですが、最近のワイドソールウェッジとはちょっと一線を画すように感じました。
しかし、今はこのような幅のサンドウェッジもたくさん見かけるようになりました。
バンカーだけに的を絞って、全体的な敷居を低くするのであれば、もう少しソールが広くてもいいと思うのですが、よりアプローチに重点を置くのであれば、これくらいの幅がいいのかもしれません。
ただ、こうして見ていても、バンスはすごく効いていると思いました。
こういったところがサンドウェッジだな・・・。と思いました。

ネックも長めで、すごくいい感じです。
操作性が良さそうですし、スピンもよく効きそうです。
ウェッジやアイアンに限らず、ドライバーなどでもそうなのですが、私はこの角度から見るクラブに、いわゆる『色気』といいますか、『艶っぽさ』を感じるか、感じないか・・・。ということを区別しているのですが、このウェッジにはすごく感じます。
すごくいい雰囲気が伝わってきます。
打つ前から既に、こちらの意思を伝えやすそうな艶っぽさだな・・・。と思いながら見つめていました。

ボールを前にして構えてみても、かなりの『美顔』で、構えやすいと思いました。
『ティアドロップ系』の要素もありますが、どちらかといえば『日本顔』『和顔』といいますか、『丸型ウェッジ』といっていいと思います。
今は『ティアドロップ型』のウェッジが多いように思うのですが、私はこのような丸型のウェッジにもいい思い出がたくさんあるので大好きです。
重心距離も短そうですし小顔なので、すごくいいイメージをたくさん持つことができました。
このいいイメージはコースで緊迫した場面でも、すごく勇気をくれます。
違和感を感じるクラブでは、ミスする確率が高くなってしまいます。
私はグースが効いたウェッジよりも、このようにストレート系が好きなので、とても好印象でした。
最近は本当にいいウェッジがたくさんあるな・・・。と思いました。
ウェッジ(特にサンドウェッジ)が、私のなかで最も消耗が激しいクラブなので、いつも色々なウェッジに興味津々です。
こうして構えただけで、すごくいいインスピレーションが湧いてきました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、その強烈なスピン性能です。
正直、驚きました。
ボールに『緩いスピン』が掛かっているのではなく、鋭くて速いスピンが掛かっている感じです。
これは『新溝ルール適合』ではないのかな?と一瞬思ってしまったのですが、だから敢えてメーカー側としても、先ほどの『RULE CONFORM PRODUCT 2010』という文字を入れて、このウェッジが『新溝ルール適合』であることを知らせてくれていたのだと思いました。
それくらい、スピン性能にはメーカーも自信があるのではないでしょうか?

大手有名メーカーの大量生産されコストパフォーマンスの高いウェッジの殆どが、フェース面のスコアラインは『プレス方式』で行われている・・・。ということを以前聞いたことがあるのですが、このウェッジはとても手間が掛かっているように感じます。
一本一本丁寧に彫られている感じがします。
指で触ってみても、それほどエッジが尖っていなくて、『角溝』のような感じはしなかったのですが、すごくスピンが掛かることに驚きました。
最初は50ヤードの『ピッチショット』から始めたのですが、すぐに20ヤードくらいの『ロブショット』も行ってみました。
普通ロブショットといえば、『高さでボールを止める』ので、キャリーさせた後はコロコロと少しだけボールが前に転がっていく感じですが、今日はバックスピンが効いて、こちら側に戻ってきてしまうことに驚いてしまいました。
『角溝全盛』の頃は、こういったことはよくあったのですが、『新溝規制』がスタートして、こういった感覚を味わったことはありません。
しかし、何度やっても、ボールはキャリーしたところから、こちらに戻ってきました。
厳密にいえば、フェースを開き斜めに使って強くカットしているので、斜め後方に戻ってきている感じです。
勿論、練習場のマットの上からなので、余計な物が間に挟まれずにスピンが掛かりやすい状況にあると思うのですが、それでもこのスピン性能の凄さに驚きました。

フェース面を指でなぞってみたのですが、すごくいい感じで指が引っかかって止まります。
今流行の『ミーリング』は施されていないのですが、何故このようにスピンがよく効くのでしょうか?
溝も丁寧に彫られているようですし、フェース面自体も、何やら工夫が施されているようです。
他のメーカーのウェッジだと、指が滑る感じのするものが圧倒的に多いのですが、このウェッジは明らかに違います。
指が止まります。
その感じがボールに強烈なスピンを掛けているのでしょうか?
原口鉄也選手が使って、ブームに火が付いたフォーティーンの角溝ウェッジ(MT28)は一世を風靡しました。
私もノーメッキタイプを購入しました。
そのウェッジは、かなりエッジが立っていたので、ボールによく傷がついていました。
ボールの立場になって考えてみると、かなり痛そうだし、申し訳ないな・・・。と、思っていました。
しかし、このウェッジで打ったボールにはそんな感じはしません。
スピンはよく効いてくれますが、痛そうだな・・・。という感じはしませんでした。
ボールにも傷がつく感じはしませんでした。

打感も軟鉄らしく、とても柔らかくていい感じでした。
ボールにしっかりと食いついてくれている感じがすごくします。
これまでの多くのウェッジは、何となく滑っていく感じがしないでもなく、またそこが良いところでもあったのですが、このウェッジはしっかりとボールにコンタクトしてくれていました。
『食いつき』がすごくいいですが、それが全く邪魔になっていません。
この打感だけで、ボールを目で追わなくても、だいたいどこに落ちたかが把握しやすいです。
シビアな距離感を求めていきたいウェッジには、是非もっていて欲しい『フィーリング性能』を、このウェッジは持ち合わせていると思いました。

『球のあがりやすさ』という点では、標準的な58度のサンドウェッジというところで、特に変わったところはありませんでした。
普段通りの感覚で打っていくことができました。
58度なので、自然と高さが出てしまいますが、この高さに距離感を出しづらく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は、56度もラインアップされているそうなので、そちらのほうがいい感じをつかみやすいような気がします。
多少のグースでもあまり苦手意識を持ちませんが、かないきついグースが効いているものは難しく感じます。
そういった点で考えてみても、このウェッジは『ストレート系』なので、すごく親しみやすいですし、普段通りの感覚で打っていくことができました。

『安定性』という点でも、すごくいい印象をもちました。
普通に打っている限り、ブレる感じが全くしないので、かなりシビアにラインを絞ってボールを送り出していくことができました。
やはり構えやすくてフィーリングのいいウェッジというのは、自然とラインも出しやすくしてくれるものだな・・・。と思いました。
これまでの『名器』と呼べるウェッジと共通した部分だと思います。
かなり信頼できる感じがしました。

『飛距離性能』という点では、普段慣れ親しんでいる58度のウェッジらしいところだと思うのですが、最初のうちはやや距離感が合いづらい感じがしました。
それは『キャリーの距離感』ではなくて、『ランの距離感』です。
思っていた以上に止まり過ぎてしまいます。
ここまで感じるウェッジはなかなかありません。
いつもよりも、もっと突っ込んでいってもいいな・・・。と思いました。
『ランの計算』が最初のうちはなかなかできませんでした。
しかし、球数をこなしていくうちにだんだんと慣れていくことができました。

『操作性』という点では、かなりの高性能だと思いました。
バンスは効いていますが、フェースを開いても構えやすかったですし、色々な球を打つことができました。
明らかに『マニュアルタイプ』といえるウェッジだと思います。
私は他の、どの番手のクラブよりもウェッジの練習が好きですし、長い時間をかけます。
その殆どは『ゲーム感覚』といいますか、いかにターゲットに自分のイメージした通りにボールを運んでいけるか?という遊びを行っています。
板の上にボールを置いて、ゲームセンターなどでも見られる『ストライクアウト』のようなことをして遊ぶこともあります。
そういったゲーム感覚の練習を、このウェッジだとすごく楽しめそうな予感がしました。

このウェッジの優れているところは、何と言っても、その『スピン性能の凄さ』にあると思います。
新溝ルール非適合の昔のウェッジの感覚が懐かしい方には、是非試していただきたいウェッジです。
このスピン性能の高さでありながら、『ルール適合品』ということであれば、使わない手はないと思っています。
ひとくちに『ルール適合』といっても、その性能には雲泥の差があるのだと思いました。
その『性能の差』や『造るときの手間のかけ方』で値段が決まってくるのだと思います。
特別に素材が大きく変わっているということではないと思いました。
ウェッジの性能は『スピンが全て』だとは思いませんが、少なくとも今お使いのウェッジのスピンに不満を持っておられる方には、このウェッジのスピン性能の高さを実感していただきたいと思いました。

練習場のマットの上からだけでなく、バンカーやアプローチグリーンでも試してみたのですが、そのスピン性能の高さは健在でした。
私はバンカーショットの練習をよくやるので、どうしてもフェース面の摩耗が激しくなり、仕方なくそのまま使っていることも多いのですが、それでも結構スピンを掛けていくことができました。
ボールを直接打たないバンカーショットは、フェース面の性能よりも、いかにボールを鋭く切っていけるか・・・。だと思っていました。
実際、フェース面が『つるつる』のウェッジでも、砂を切っていってボールにスピンを掛けていました。
しかし、このウェッジでバンカーショットをしてみて、改めてフェース面の性能も大きく影響してくるのだと思いました。
強いスピンが掛かって、イメージしたよりもボールが止まります。
バンカーショットでは、私はなるべく『強いエクスプロージョン』よりも、砂を薄くとって『スパッ』と切ってボールを止めていきたいタイプなのですが、このウェッジはそんな私の要求にすごくよく応えてくれました。
勿論、エクスプロージョンも簡単でした。
それは、このウェッジのバンスがよく効いているからだと思いました。
ただ、先ほども書きましたが、このウェッジは明らかに『マニュアルタイプ』といいますか、『操作性』が秀でているタイプだと思います。
使い手のイメージを反映させやすい反面、『オートマチックさ』はあまり感じられません。
バンカーショットが苦手な方は、このウェッジは少し難しく感じられるかもしれません。
バンカーでも色々な細工をするのではなく、まず『脱出』という方には、親しみづらいところがあるかもしれません。
そういった方には、フォーティーンの『D-030』のほうが大きな効果が期待できるように思います。

私にとって、かなり刺激的なウェッジでした。
見た目はとても美しくて、いかにも『標準的』なウェッジに見えていたのですが、こんなにすごい性能を持ち合わせているとは思いませんでした。
まさに『能ある鷹は爪を隠す』といったところでしょうか?
今は個性がなかなか感じられないクラブが多いなかで、このウェッジには強い個性を感じました。
しかも、その強い個性が『クラブの美しさ』を犠牲にしていません。
これまでたくさんのクラブを試打してきて、印象の強いクラブもあれば、そうでないクラブもあります。
そういったなかで、このスリーラックのウェッジは、私の心の中に強烈なインパクトを残しました。

このウェッジが合いにくい方は、
1.今のウェッジのスピンで距離感が出しやすくて、満足しておられる方。
2.スピンが掛かり過ぎるウェッジは苦手だという方。
3.グースネックを好まれる方。
4.プロが使っていて、TVや雑誌でよく見かけるような大手有名メーカーのウェッジを使いたい方。
5.スピン性能などよりも、安価なウェッジを使いたい方(価格重視の方)。
ではないかと思いました。

フェース面に特殊な加工が施されているのでしょうか?
他のメーカーのウェッジと比べても、少し『打球痕』が付きやすい感じがしました。
すごく気になるほどではないのですが、他のウェッジとはちょっと違った感覚でした。
ちょっと表現が合ってはいないのかもしれないですが、感覚的にフェース面に『鳥もち』がついていて、それにインパクトの瞬間、ボールがくっついて、それでしっかりとしたスピンが効いているような感覚を憶えました。
なかなかこういった感じのするウェッジはありません。
まさに新溝ルール適用後において、『最強のスピン性能』をもったウェッジだといってもいいのではないでしょうか?
今流行の『ミーリング』があったほうが、スピン性能が高くなるような気もしていたのですが、このウェッジのようにミーリングがなくても、しっかりとしたスピンを掛けていけるのだから、奥が深いと思いました。
後は、このスピン性能がどれだけ永く持続してくれるかだ・・・。と思いました。
特に私はバンカーやグリーン周りの練習が大好きなので、こういった『耐久性』ということをいつも考えながら練習しています。
相棒が疲弊してしまった姿を見るのが寂しくてたまりません。

このウェッジは、他のメーカーのウェッジと比べても、やや高価ではありますが、その価値は充分に持ち合わせていると思いました。
コストパフォーマンスが低いとは全く思いませんでした。
むしろ、この鋭いスピンを手に入れられるのであれば、『お買い得』といってもいいのではないかな?と思いました。
大量生産され安価なウェッジもいいですが、このような高性能なウェッジには値段では計り知れない魅力があります。

『スピン性能』が、このウェッジの一番大きな特長だと思うのですが、それ以外にも『構えやすさ』や『打感』『操作性』『ラインの出しやすさ』『ボールの拾いやすさ』『フェースの開きやすさ』など、かなりの分野でハイレベルです。
私は数年前から特に大手有名メーカー以外の、いわゆる『地クラブ』と呼ばれるメーカーのクラブに魅了されているのですが、今日もそんな一日でした。
スリーラックは老舗メーカーで昔から有名ですし、『地クラブメーカー』とはいえないのかもしれません。
しかし、今日は大手有名メーカーではなかなか見られない高性能で、造るのに手間のかかったウェッジに出会ったような気がします。
こういったクラブならば、こちらの思いも伝えやすそうです。
今日は、このウェッジに魅了され、ずいぶんと長い時間楽しんでしまいました。
購買意欲もすごく強く刺激されましたし、またこのウェッジに出会いたいです。
そして、このウェッジにはいわゆる『ノーメッキタイプ』もあるそうなので、是非そちらも試してみたいと思いました。
『超極上』のウェッジに出会った一日でした。
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2012年07月15日
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THREE LUCK DOT7 WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは THREE LUCK DOT7 WEDGE です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は472gです。

ブラック仕様がとてもカッコいい、スリーラックのウェッジです。
私はどちらかというと『メッキ仕様』といいますか、シルバーのウェッジを使うことが多いのですが、こういった黒いウェッジも大好きです。
この独特な艶消しな感じと重厚感が、より扱いやすくて、スピンをよく効かせてくれそうです。
今年の1月に試打した THREE LUCK D-TOUR WEDGEも、すごくいい雰囲気がありましたが、このウェッジもすごくカッコいいです。
ただ、大きく違うところは、このウェッジが『新溝ルール適合』ということです。

とてもシャープで切れ味が鋭そうな感じがします。
厚みがあり過ぎるウェッジだと、ショットも曖昧になってしまいそうなのですが、これくらい研ぎ澄まされた感じだと、かなりシリアスに打ち分けられそうです。
トゥ側のところに、『7つのドット』がありました。
名前の通り、ドットが『7』という数字にになっています。
どういった意味があるのでしょうか?
夏の夜空に輝く『北斗七星』にも似ているな・・・。と思いながら見つめていました。

ソール部分が独特な形状でした。
これまでたくさんのウェッジに接してきましたが、こういう形状はちょっと珍しいように思います。
何か特別な意味があるのではないでしょうか?

『CNC PROCESSING』と記されていました。
『PROCESSING』とは、処理という意味なので、何か特別な処理が施されているんだろうな・・・。と思いました。

『ソール幅』は、まずまず・・・。といいますか、それほどワイドだとは思いませんでした。
58度というロフトなので、サンドウェッジというカテゴリーに入れてもいいと思うのですが、最近のサンドウェッジの中では、やや狭いほうに属するのではないかな?と思いました。
ソールも平らに近い形状の物も多い中、このウェッジは微妙に丸みを帯びています。
抜けが良さそうですし、バンカーよりもグリーン周りのアプローチで威力を発揮してくれそうな予感がしました。

『ネックの長さ』も、きちんと保たれていて、操作性が良さそうです。
適度な高重心で、スピンも効かせられそうです。
見るたびにどんどん好感度が増していきます。

ボールを前にして構えてみると、その好感度が更にアップしました。
ネック部分がギュッと絞り込まれていて、フェースがターンしやすそうですし、グースもかなり弱めなので、球も拾いやすそうです。
変なクセのない、スタンダードな顔をしたウェッジだと思いました。
ウェッジは色々な場面で使うことが多いですし、シビアな状況で力を発揮してくれるクラブです。
高性能なウェッジには、『イメージの出しやすさ』が秀でているものですが、このウェッジもまさにそんな感じです。
フェースも開きやすかったですし、色々な球のイメージを出すことができました。
改めて『黒』という色は精悍さがありますし、スピンがよく効きそうで、しかも形がとても美しいので、成功のイメージしか浮かんできませんでした。
肩の力がいい感じで抜けていきました。
試打を開始しました。

『打感』はとても好感がもてました。
軟鉄らしい柔らかさもあるのですが、どちらかというとフェースがボールにしっかりと食らいついてくれている感じがしました。
今の新溝ルール適用ウェッジの中には、インパクトの直後にすぐスピンがほどけてしまいそうに感じる物もあるのですが、このウェッジは全く逆で、しっかりとつかまえてくれる感じがしました。
この感触はかなり心強く感じます。

『球のあがりやすさ』という点では、標準的といった感じで、特に変わったところはありませんでした。
球も拾いやすくて、とても易しく感じました。
強いグースネックを好まれる方には、少し扱いづらいかもしれませんが、私はこのウェッジにはとても好感をもちました。

『スピン性能』も、すごくいい感じで、ボールがギュギュッと急停止していきました。
最近のウェッジの中でも、高性能な部類に属する『ハイスピンウェッジ』といっていいのではないでしょうか?

フェース面を指で触ってみたのですが、エッジも結構効いているようですし、とても丁寧に作られている感じがします。
大手有名メーカーの量産品ウェッジとは、また違った趣(おもむき)のあるウェッジだと思いました。

『安定性』という点でも、いい感じで、ラインを出しやすく感じられました。
高さも揃えていきやすいので、かなり距離感が合いやすいです。
とてもイージーで、難しいウェッジだとは思いませんでした。
感覚の合いやすいクラブというのは、物理的な性能以前に易しいと思います。

『操作性』という点でも、かなりいい感じで、色々なショットを楽しむことができました。
この喰いつき感を感じていると、もっとピンをアグレッシブに攻めていけそうだと思いました。
ぜひコースで使ってみたいウェッジです。

『飛距離性能』という点では、ノーマルな感じで、普段の58度らしいキャリーをしっかりと出していくことができました。
いつもの感じで距離感が出て、初対面とは思えないような親しみやすさです。
親しみづらいと感じるウェッジだと、ボールの落としどころがバラついてしまうことが多いのですが、今日はかなりまとめていくことができました。
どちらかといえば、操作性の良い『マニュアルタイプ』のウェッジだと思ったのですが、どこか『オートマチックタイプ』にも感じられる部分もありました。
私自身がずっと平常心でいられたからなのかもしれません。

『重厚』かつシンプルで、スピンも適度に効き、とても高性能なウェッジだと思いました。
なかなか出会う機会のないウェッジですが、ウェッジに求められている性能が凝縮して詰め込まれているような気がします。

聞くところによると、大手有名メーカーの平均的なウェッジよりも、やや高価なのだそうですが、その価格に見合う性能の高さと『作りの丁寧さ』を感じました。
何と言いますか、『機械的』ではなく、『人のぬくもり』が感じられるウェッジだと思いました。
購買意欲が刺激されましたし、また何度でも試打したいウェッジです。
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2012年01月27日
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THREE LUCK D-TOUR WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは THREE LUCK D-TOUR WEDGE です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は473gです。

久しぶりに出会った、スリーラックのウェッジです。
これまで記事には書いていませんが、このメーカーのウェッジには何度か出会ったことがあります。
大手有名メーカーではないかもしれませんが、このメーカーは老舗メーカーといっていいと思います。
『知る人ぞ知るメーカー』といっていいのではないでしょうか?

『sky dream jump D-TOUR type bite WS BOUNCE 11』と記されています。
バンスが11度であることが窺えるのですが、それ以外にもこのウェッジの性能の高さを物語っているようです。

『ソール幅』は、サンドウェッジにしては、それほど広いとは思いませんでした。
このウェッジの特徴だと思うのですが、バンスに個性が感じられます。
こうして見ていても、開いて構えやすそうな感じがします。

『ネックの長さ』も、しっかりとキープされてはいますが、それほど長すぎず、ごく『ノーマル』な感じです。
扱いやすそうなウェッジだな・・・。という印象をもちました。

この美しくてシャープな形状が『キレの鋭さ』を感じさせます。
ウェッジはアイアンなどと比べて、それほど低重心にする必要のないクラブだと思いますし、逆にある程度重心が高いほうがスピンを効かせやすい・・・。などのメリットがあるように思います。
やはりこれくらいロフトが寝ているクラブである、ウェッジは『ボールのあがりやすさ』などよりも、いかに『ボールに喰いつかせられるか?』『ボールを切っていけるか?』などといったことが求められる部分があると思います。
長い番手のクラブでは、『ある程度の曖昧さ』があったほうが、易しく感じられることもありますが、ウェッジのようにシビアな場面や正確に距離感を出したい場面で使うクラブは、『シャープさ』や、ある程度ヘッドの入れ方などが『限定』できる感じのほうが易しいと私は感じます。
そのほうがイメージを膨らませられますし、頭の中に強くラインを描いていくことができます。
ウェッジの曖昧さは不安を招いてしまいます。
そういった意味でも、このウェッジはとてもいい雰囲気が伝わってきます。
かなり言うことを聞いてくれるんだろうな・・・。と思えてくるので安心できます。

それに加え、やはりこの『黒』という色は『重厚感』を感じさせますし、それにより『スピン』を連想しやすいです。
『クラブの重さ』をイメージしやすいので、『重力任せ』でヘッドを落とすことだけに集中できそうです。
私はウェッジの調子が悪くなるときは大抵、小手先で余計なことをし過ぎる傾向があるのですが、このようなウェッジだと『永久に不変的』である、重力を味方につけられるような気がします。
昨年は白い色のクラブが大流行したので、いずれウェッジでも白いヘッドが登場するのかもしれませんが、あくまでも『色のイメージ』としては、こういった『重さを感じさせてくれる色』であったり、『収縮色』である『黒色』がウェッジやアイアンにはとてもマッチしているように思えます。
しかし、もし白いヘッドのウェッジが登場してきても、それほど違和感を感じることなく、使えるようになるのかもしれないのですが・・・。

ボールを前にして構えてみても、やはりとてもいい印象をもちました。
ややグースネックかな?と思ったのですが、苦手意識は芽生えませんでした。
難しそうに感じることもありませんでした。
ボールの純粋さを感じさせる『純白』と、この深みのある黒さである『艶消し感のある黒』の調和がとてもとれているように思いました。
構えたときにドライバーなどの『光沢感』は、とても美しいと思えるのですが、ウェッジなどスピンを掛けたいクラブには不要だと思っています。
何だかボールが滑ってしまうように感じます。
何と言いますか、いい具合に錆びてくれると、すごくいい風合いもでてきます。
今日は曇り空だったのですが、もし太陽が照りつけていたとしても、眩しく感じることもないだろうな・・・。と思いました。
何の不安材料もありませんでした。
むしろ、いいイメージのほうがどんどん膨らんできました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、その『強烈すぎるスピン性能』です。
軽く『コツン』と打っただけで、ボールがギュっと止まってしまいました。
『激スピンウェッジ』というよりも、その激スピンをさらに通り越して『急ブレーキウェッジ』だな・・・。と思いました。
それくらい、このウェッジのスピン性能といいますか、『ブレーキ性能』は強烈です。
アプローチをするときは、ある程度ランを見越して、落とし場所を決めるものですが、このウェッジはかなりランが短いので、もっと思い切って突っ込んでいけるように思いました。
かなり急激に止まり過ぎてしまうので、なかなかイメージと合わずに距離感も出しづらく感じてしまいました。
『ボールの喰いつき感』が他のウェッジとは、まるで異なります。

『打感』という点でも、『軟鉄鍛造の柔らかさ』と『溝による食いつき感』の両方を強く感じることができました。
この喰いつき感はかなりのものです。
かなりの『出っ歯ウェッジ』だな・・・。と思いました。
普通、『出っ歯ウェッジ』といえば、『リーディングエッジ』の出具合を指すと思うのですが、このウェッジはリーディングエッジではなく、『スコアライン』つまり『溝』がまるで『出っ歯』のようにボールに喰いついてくれるような感じがしました。
この歯がボールを強く咬んで、その結果強烈なスピンが効いているように思えます。
何となくなのですが、古い時計台の中にある、たくさんの歯車を連想しました。

かなり『喰いつき』がいいので、このスコアラインの形状を何とか撮影したかったのですが、これくらいまでが限界でした。
最近は色々なウェッジに出会うことができますし、ハイレベルな物も多いですが、このウェッジはまるで『別次元』といった感じです。
あまりにもスピンが効きすぎてしまうので、店員さんにこのウェッジは『新溝ルール』適合ではないのではないか?と質問をしたのですが、やはり『ルール不適合』なのだそうです。
そのスピンの凄さに納得・・・。といった感じがしました。
プロならば、このウェッジを試合で使うことはできませんが、私たちアマチュアはJGAなどの公式試合では来年いっぱいまで使うことができますし、それ以外の試合では2024年から規制の対象となるので、考えようによっては、それまでこのウェッジの性能を楽しむのは大いにアリなのではないかな?と思いました。
まだ10年以上、こういった性能のウェッジを使うことができるのは、意義深いことだと思いました。

『球のあがりやすさ』という点では、ごくノーマルな感じがしましたが、低く抑えていきやすいところに魅力を感じました。
ある程度ロフトの立っているアイアンでは、いかに『高さを出すか』ということが重要になってくることもあると思うのですが、サンドウェッジのようにロフトの寝ているクラブだと、逆に『いかに引くく抑えていくことができるか?』ということが重要になってくると思います。
それは高くあがればあがるほど風などの影響も受けやすいですし、『ウェッジの生命線』ともいうべき『距離感』を出していくには、あまり高すぎないほうが易しいからだと思います。
必要以上に高さを出さすに、『スピン』でボールを止める・・・。という理想の弾道をこのウェッジは容易にさせてくれるように感じました。
構えたときに、多少グースが効いているかな?と思ったのですが、特にボールを拾いづらく感じることはありませんでした。
普段の感覚でボールを拾っていくことができました。

『安定性』という点でも、このようにロフトが寝ているので、左右にブレることもなく、とてもイージーです。
ラインを出すことも、とても易しく感じられました。
こういったイージーさは、これまで出会ってきた数多くのウェッジと共通する部分だと思います。
ウェッジはアイアンに比べ、『キャビティ構造』になっているものはとても少ないですが、それはやはりキャビティにする必要があまりないからではないでしょうか?
今はアイアンとウェッジは別売りになっていることが多いですが、キャビティアイアンを購入された方でも、ウェッジは、ごくノーマルな形状が殆どではないでしょうか?
クラブの難易度は『ロフト』が大きく関係していると思いますし、それによって『ボールのあがりやすさ』や『安定性』も変わってくるように思います。
このようにロフトが寝ているウェッジだと、なかなかボールが散らばることはありません。
そういった意味からも、このウェッジはそれほど敷居が高いとは思いませんでした。

『飛距離性能』という点では、はっきりと『飛ばない』といいますか、ノーマルなサンドウェッジの距離だと思います。
私はサンドウェッジでは80ヤード以上飛ばさないように気を付けているのですが、今日はそのリミットぎりぎりまでこのウェッジが自動的に揃えてくれているように感じました。
いつものように構えて、いつものようにテークバックを開始して、あとは落とすだけ・・・。
それでいつもの弾道が放たれるように感じました。
こういった距離感がつかみやすく、また強烈にボールを止めてくれるウェッジだと、もっとピンを攻めたくなりますし、難しい局面になればなるほど威力を発揮してくれそうです。
この『着地してからの止まり感』には、多少戸惑うところもありましたが、『キャリー』は、ごく普通の感じがしました。

『操作性』という点でも、かなり好印象でした。
サンドウェッジなので、アイアンのように大きく曲げたりすることは、なかなか難しいですが、ボールも拾いやすかったですし、何より距離感がつかみやすいのが大きな魅力でした。
フェースも開きやすかったので、色々な細工をして遊ぶこともできました。
予想よりも、ボールが強烈に止まってしまうので、その感覚がなかなかつかめないところがあったのですが、その『急ブレーキ感』を見ていたらとても楽しみな感じがしました。
私のホームコースの速い砲台グリーンでも、このウェッジだと、すごく勇気が貰えそうな気がします。
滑る感じがしないので、よりアグレッシブに攻めていけそうな予感がしました。

このウェッジから放たれる『急ブレーキ感』は、例えば電車に乗ってつり革につかまっているときに急ブレーキが掛かって、思わず『つんのめって』しまう感じに似ているな・・・。と思いました。
ボールの立場に立って考えてみると、ボールがまるで『おっとっと』といいながら、急激にストップしていっているのではないかな?と思いました。
ボール自身も、このスピン性能に驚いているのではないかな?と思いました。

このウェッジの鋭い溝によって、強烈にスピンを掛けられ、着地したときに芝に強烈にボールが喰いついていく感じなので、いつもよりも『ボールの温度』も摩擦によって高くなっているのではないかな?と思いました。
今日は寒さも厳しかったですし、実際に一球打っただけでは、ボールの温度は殆ど変らないと思うのですが、ついそう思ってしまうほど、このウェッジのスピン性能は優れていました。

フェース面を手で触ってみたりもしたのですが、かなりザラザラしていました。
やはり、これが強烈なスピン性能を生み出すのだと思いました。
手で優しく触った感じでも、これだけ『ザラザラ感』があるのだから、ボールはたまったものではないな・・・と思いました。
ボールの立場からすると、どのようにヘッドが降りてきても、強制的にスピンを掛けられてしまう・・・。といったところではないでしょうか?
製造工程によるものだと思うのですが、スコアラインがないところにも、きっちりとミーリングが入っているところが面白いと思いました。

いつもの試打ウェッジでは、なかなか『芝(草)』の上から打つことができず、殆どがマットの上からの試打になってしまうのですが、今日は練習場のアプローチグリーンからも、このウェッジの性能を試すことができたので、すぐに試してみました。
やはりいい具合に芝をキャッチしてくれ、スピンがすごく効いているのがよく解りました。
フェース面の鋭い溝がボールにもよく食いついてくれましたが、草をよく切ってくれているようでした。
開いて構えやすかったので、いわゆる『ザックリ』なども防げる感じがしました。
フェース面の『溝の性能』も凄いですが、『ソールの性能』も秀でていると思いました。
やはりこういったところは、練習マットの上ではなかなか感じられないところです。

今は新溝ルールに適合したウェッジやアイアンばかりですが、ちょっと前までいわゆる『角溝ウェッジ』が主流でした。
『激スピンウェッジ』と呼ばれるウェッジが各メーカーから、たくさん発売されていました。
しかし、そんなハイスピンウェッジの中でも、この『スリーラック D-TOUR WEDGE』のスピン性能は群を抜いていると思いました。
ルールが適用されるまでの『期間限定』という感じで、このウェッジを使ってみるのも面白いと思いました。
ルールによって、これまで使えていたクラブが使えなくなる・・・。ということは、これまでも何度もありました。
最近では、この『新溝ルール』ですし、それ以外には主にドライバーなどロフト15度以下のクラブに適用された『反発規制ルール』があります。
『飛び過ぎる』とか『スピンが掛かり過ぎる』ということで、ゴルフが易しくなり過ぎたり、ゴルフ本来の楽しさが失われてしまう・・・。ということもあるのかもしれません。
私はできれば、もうこれ以上規制を強くして欲しくないと思っているのですが、まだ解りません。
そういった中で、このウェッジは一般アマチュアのクラブ競技などでは、まだあと10年以上使えるということなので、やはり試してみる価値はあるのかな?と思いました。

ゴルファーというのは、ルールによってクラブが規制されれば、それに対応できるように打ち方を工夫したり、ルールの範囲内でクラブを調整したりするもので、今ではすっかり『新溝ルール』のアイアンやウェッジに慣れておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
そういった方々が、このウェッジを手にされますと、スピンが効きすぎて却って難しく感じられる可能性が高いように思われます。
キャリーは計算できても、ランが短くて計算しづらく感じられる方もいらっしゃると思います。
サンドウェッジを2本入れられている方もたくさんいらっしゃいますが、このウェッジは特別にスピンを掛けたいとき限定で使われるのもいいのかもしれません。
例えば、グリーン奥の外してしまって、下りの寄せが残ってしまったとき・・・。
またバンカー越えでピンが手前に切ってあるとき・・・。
など、活躍の場面は多いように思います。
このウェッジを手にしてみて、すごく刺激を受けましたが、『新溝ルール』には適合していない・・・。ということで、私は購入はしないように思います。
できれば『ルール適合』で、このウェッジの性能に限りなく近いクラブが登場してくれれば・・・。と思っております。
またスリーラックのウェッジを手にすることができれば、是非試打してみたいです。
今日は、このウェッジのおかげで、いつもと違うフィーリングを楽しむことができましたし、新鮮な気持ちになれました。