カムイ
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2022年02月19日
KAMUI XP-03 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは KAMUI XP-03 ドライバー です。

シャフトは GRAPHITE DESIGN TOUR AD UB-6 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は65g、トルクは3.2、キックポイントは中調子 です。

とてもカッコいいドライバーです。
他にもたくさんのクラブがあったのですが、このクラブの存在感が際立っていました。
シャロータイプが主流ですが、このドライバーは黒を基調とした『塊感(かたまりかん)』のあるヘッドです。

最初は、まだ私の知らない地クラブメーカーなんだろうな・・・。と思っていたのですが、トゥ側に『KAMUI PRO』の文字を見て、カムイのドライバーなのだと知りました。
以前も書きましたが、カムイは昔から私の憧れのメーカーのひとつで『地クラブメーカーの雄』という認識をもっています。
今でこそたくさんの地クラブメーカーがありますが、昔は今ほど多くなく、大手メーカーが優勢を占めていながらも、カムイは一目を置かれる存在で、メタル全盛のときに、既にチタンを発表していました。
価格は確か88,000円だったと思います。
そういった昔のことを思い出しながら、懐かしさと同時に身の引き締まる思いです。
私はゴルフ歴だけは長いので、これまでいろいろな経験をさせてもらい、たくさんの思い出があり、それが私の財産となっています。
クラブ(メーカー)を見るだけで、懐かしい記憶が蘇ってきます。

今は円盤のようなシャローも多いですし、その時代時代に合わせて『スタンダード』も変わってくるので、そういった意味では『ディープ系』といっていいのかもしれません。

ヒール側にはウェイトが2つ配置されています。
この位置にあるということは、重心距離を短くする狙いがあるようです。
刻印が無いので重さは分かりません。
交換するのではなく、固定なのかもしれません。

ネックには調整システムが搭載されています。
カムイでは初めてではないでしょうか?

ソールには溝といいますか、段差のようなものがあります。
こういった構造は、他のメーカーでも見てきました。

深さはそれほどありません。

ネックの長さは、今の主流です。

綺麗で質感の良いフェース面です。
近くで見ると、ミーリングのようなものがあり、指で触れてみたのですが、かなりザラザラしていました。
他のメーカーではつるつるしたものもありますが、私はこのようにザラザラした感じで、あえて綺麗に研磨されていないといいますか、『荒削り感』のあるものに魅力を感じます。
これだけザラザラしていると、ボールにも『ギア効果』が掛かりやすそうだな・・・。と思うほどです。

『セミシャローバック』に見えるのですが、今はかなりシャロー化が進んで、これよりも薄いものが多いので、そういう意味でも『セミディープバック』といえるのかもしれません。
こういったところは『線引き』が曖昧なので、その人によって変わってくるのではないでしょうか?
しかしディープフェースなのは間違いないので、ディープフェースが好きな私は好感が持てましたし、今はシャローフェースのほうが少ないように感じます。

顔は、なかなかいい感じです。
少しだけフェースが左を向いているように見えましたが、今はこれくらいがニュートラルなのかもしれないですし、それほど気になりません。
今はクラウンにもいろいろな工夫がされているドライバーが多いですが、このドライバーにはそれが見られず、シンプルでカッコいいです。
クラウン全体が黒で、クラウンマークが無いのも好感が持てます。
ヒール側を少し落としてあって、『洋なし型』に近い顔ですが、フェード系をイメージさせるほどではありません。
かといって『オートマ顔』でもなく、あまり主張しない印象をもちました。

最近はカーボンコンポジットが多いので、このドライバーはどうなのかな?と思い、近くで見てみたのですが、どうやらカーボンではないようです。

素振りをしてみると、タイミングがとりやすく、フェースの挙動が安定していて好感が持てました。
ちょっと前まで、同じようなシャフトがありましたが、最近では少なくなったような気がします。
いわゆる『先が耐えてくれる』シャフトで、暴れずフェースコントロールしやすそうなシャフトという印象です。
なんとなくですが、メーカーは違うものの、以前試打した『アッタスパンチ』というシャフトを思い出しました。
先走り系のつかまりのいいシャフトを好まれる方は、ちょっと合いづらいところがあるかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
お尻(バックフェース部分)を見ると、ヒール側が削ってあるので、フェード系をイメージしやすくなりますが、フェースが被って見えるので、『前と後ろ』で、お互いの見え方を相殺しているような感じです。
少しつかまりそうな印象をもちましたが、気になるほどではありません。
右から回すことなく、まずは普通に打ってみることにしました。
この顔は、これまでもたくさん経験してきて、最新モデルではあっても、変えなくていいところは変えないという、メーカーの思いが伝わってきます。
ロフトは10.5度ということで、フェース面がよく見えます。
ロフト9度や9.5度と表示されているドライバーでも、これよりフェースが見えるドライバーはたくさんあるな・・・。と思いながら見ていました。
私はドライバーを構えたときに『絶壁感』といいますか、ほぼ『垂直』に見えるようなタイプが好きです。
それは昔から弾道が高すぎることやスピン過多で悩んでいた時期が長かったということもありますし、高~い弾道よりも、やや低めのライナー系の弾道が好きだということもあると思います。
このドライバーは、そういった意味では、少し高めの出球をイメージしましたが、貧弱さは全くありません。
むしろ適度に引き締まって、硬派な感じが伝わってきます。
ドライバーには『マニュアル顔』と『オートマ顔』があるのですが、このドライバーの場合はその『中間』という印象をもちました。
試打を開始しました

『打感』は、ややしっかりめで、球の重さをはっきりと感じ取ることができました。
ボヤけた打感ではなく、クリアに伝わるのがいいです。
ソフトなフィーリングということはないのですが、硬くなく手に嫌な衝撃も残らないので、好感が持てました。

『音』も、小気味いい金属音です。
最近はあまり聞かなくなっていたので、懐かしくもあり、嬉しさがこみ上げてきました。
いつまでも聞いていたい・・・。という『美音』ではないのですが、インパクトの邪魔をしないので、気持ちよく叩いていける音です。
ヒットする場所で音が全然変わってくるので、昔のドライバーを思い出しました。
最近のドライバーは打感や音で、打点を感じにくいものがありますが、このドライバーはいい感じでインパクトを迎えられたときと、そうでないときの差がはっきりしているので好感が持てます。
『五感に訴えかけてくる』ドライバーといっていいでしょうか?

『球の上がりやすさ』という点では、どちらかというとヒッタータイプの方に合いやすいような印象をもちました。
構えたときにフェース面がよく見えたので、出球が高そうな印象をもっていたのですが、実際はそれほどでもなく、標準的です。
カッコいいドライバーで硬派な感じがしますが、尖った印象はありません。
イージー系の中でのタフな部類といった表現がしっくりくるでしょうか?

『安定性』という点では普通で、特別大らかでもなく、かといって気難しさのようなものはありませんでした。
高い直進性を求め、絶対に曲げたくないという方は、合いづらいところがあるかもしれないですし、特にスライサーの方は難しく感じられるところがあるかもしれません。
しかし、これは装着されているシャフトの影響も大きいので、先走り系のつかまりのいいシャフトを挿せば、また変わってくると思います。

『飛距離性能』は強い球が打てて、好感が持てました。
弾きも良くて、弾道も力強く、ポテンシャルの高いドライバーですが、幅広い層に対応しているドライバーではありません。
結構叩いていけるドライバーで、ヒッタータイプの方がポテンシャルを引き出しやすいドライバーといっていいのではないでしょうか?

『操作性』も普通といいますか、『中間型』という印象をもちました。
球を曲げることもできましたが、それほど敏感さは感じません。
この試打クラブのセッティングだと、フッカーのほうが易しいと思います。
ただ、ネックにある調整システムを使えば、いろいろと変えられそうです。
フェース面の『ザラザラ感』のせいでしょうか?
結構『食いつき』が、いいように感じました。
試打後の感想

時間がかなり経っているので当たり前ですが、あの『KAMUI PRO』とは大きく変わっていて、名残のようなものが見当たりません。
しかし高品質であることや、カムイに対しての印象は高いままです。
ただ、昔の『オンリーワン』的な存在感は無く、他のメーカーと被るところもあります。

時間が流れているので研究が進み、高性能&高品質になっているのを強く感じました。
昔と雰囲気が変わりましたが、時代と共に進化していって、いい流れに乗っているようです。

ゴルフクラブが美しいと、やはり気分が違います。
ゴルフクラブはゴルフボールを打つための道具ではありますが、やはり『美しい』『カッコいい』に超したことがないですし、まずは目で楽しみたいです。
そういった意味でも、このドライバーはかなり好感が持てます。

風に負けない、スピンを抑えた強い球を打ちやすいドライバーです。

久しぶりにカムイのドライバーに出会いましたが、やはりいいメーカーだな・・・。と思いました。
カムイに限らず、日本の地クラブメーカーは素晴らしい!!
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
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2017年09月10日
カムイ TP-XF フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは KAMUI TP-XF フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは Tour AD F-75 です。
ロフトは14.5度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77g、トルクは3.2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は340gです。

とてもシブくてカッコいい、カムイのFWです。
カムイのクラブはあまり試打したことがないのですが、FWはおそらく初めてだと思います。
そう思えるくらい、FWの印象がありません。
それくらい、ドライバーの印象が強いともいえるのですが・・・。

シャロー感のあるヘッドです。
それほど立体的な感じはしませんでした。
こういったところは、今のFWの流れのように思います。
ディープタイプのFWを探す方が難しくなりました。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側には、それぞれウェイトが配置されていました。
よく見られる工夫です。
近くでよく見てみたのですが、数字が刻印されていなかったので、何グラムかは分かりませんでした。
専用の工具を使えば簡単に取り外せそうですが、交換式ではないのかもしれません。
このまま『固定』なのかもしれません。

DAT55Gという文字がありました。
これはおそらくフェース面に使われている素材のことだと思います。
これまでもよく出会ってきましたし、何よりマイドライバーと同じなので、すごく期待感が高まってきました。
今は色々な素材が使われるようになりましたが、このDAT55Gはとても優秀だと思います。
フェース面にはとても適していると、実感しています。
フィーリングもそうですし、飛距離性能が高いことを、私は数多く経験しています。
様々な実験による計測データも大切ですが、実際に使ってみて、またそれを長く使い続けたうえでの経験といいますか、それを集約データはとても大切なのではないでしょうか?
短期的データよりも長期的データを、どのメーカーも欲しがっていると思います。
それはゴルフクラブに限らず、様々な分野のメーカーにいえることではないでしょうか?
私の経験上では、DAT55Gはとても優秀だと思っています。
これまで、色々なクラブを手にしてきた私の感想です。
かなり高価になってしまうのが『玉にきず』ですが・・・。

このカムイのマークもオシャレです。
派手さは無いですが、いいインパクトになっています。
全体的な質感も良く、高級感があります。

ネックの長さは、まずまずでした。
3Wということを考えると、昔であればショートになると思うのですが、今はこれくらいの長さは主流だと思います。
ネックに調整システムは搭載されていませんでした。
ドライバーだけでなく、FWにも調整機能を求めておられる方には物足りないところがあるかもしれませんが、私はこのままでいいと思っていますし、今は一時期に比べ、このシステムを重要視しておられる方も少なくなってきているのではないかな?と思っています。
色々と調整できるのは確かに便利ではありますが、便利であるが故に余計な迷いのようなものも出てくるのかもしれません。
FWに調整機能をつけるよりも、私はアイアンやウェッジが、個人個人にピッタリ合うようになればいいな・・・。といつも思っています。
それは軟鉄素材を使えばとても簡単なことですし、昔から行われていますが、ステンレスタイプのアイアンなども昔からあるので、そういった点が難しくなると思います。

いい顔をしていました。
カムイのドライバーの顔は好きなので、おそらくFWもいいだろうと思っていたのですが、その通りでした。
クセのない、シュッとした顔です。
少し面長な感じです。
フェースも被っていなくて、ピュアな感じです。
最近は被っているものが多いので、余計にこのFWが純粋といいますか、自然な感じがしました。

素振りをしてみても、好感がもてました。
タイミングを取りやすく、シャープに振っていけました。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
リラックスして構えることができました。
最新モデルだそうですが、この構え感は昔からありますし、名器と呼ばれるクラブに共通した構えやすさです。
最新モデルではあっても、昔から積み上げてきた経験が活かされるのはとても嬉しいことです。
最初は『手探り』ではなく、最初から『全開』でいけるところがいいです。
ラインもイメージしやすく、頭の中がクリアでした。
イメージしづらいと、頭の中がモヤモヤした感じがすることもあるのですが、このクラブは違いました。
しっかりと目標を定めることができました。
『ラインの幅』に、しっかりと乗せていけそうに感じました。
シャロータイプのスプーンですが、それが強調されすぎていないのがいいな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
ソフトですが、ボヤけた感じはなく、しっかりとインパクトを感じとることができたのがいいです。
球の質感をはっきりと感じとることができたので、方向性への不安は全く無く、ヘッドアップにもつながりにくい感じがします。

『音』も良いです。
大きすぎず高すぎず、心地良い音です。
耳に優しく、気持ち良く振っていくことができました。
顔などもそうですが、音で、そのクラブの『品位』といいますか、『格』のようなものを感じることがあるのですが、このFWはとてもいい感じでした。
私は、いくら飛んでも、また真っ直ぐ行っても、音が良くないクラブは絶対に使いたくないですが、このクラブは使ってみたいな・・・。と思いました。

『球のあがりやすさ』は、まずまずでした。
装着されているシャフトも大きな影響を与えていると思いますが、ヒッター向けのFWだと思いました。
高弾道ではなく、中弾道系といったところでしょうか?
あがりすぎず強い球が打てました。
決してタフなタイプではないですし、直打ちでも充分あげてくれましたが、今のあがりやすいFWと比べると、しっかりとした印象をもちました。
ある程度HSがあったほうがいいように思います。
しかし、今回試打したのはスプーンですし、シャフトもしっかりしています。
クリークなど違う番手ではまた違った印象をもったと思いますし、シャフトを変えれば、まだまだハードルが下がるのは間違いないと思います。

『安定性』は、なかなかいい感じでした。
構えた通り真っ直ぐいきやすいですし、安定していました。
シビアな感じはしませんでした。
ラインも出しやすく、左右にブレる感じはありませんでした。
ヘッドに装着されているウェイトもよく効いているのだと思いますし、シャフトがしっかりして頼れる感じなので、それも良かった要因のような気がします。
合わせにいくのではなく、しっかり振り切ってラインを出していけるタイプのFWだと思いました。

『飛距離性能』は、なかなか優れていました。
これくらいは飛んでくれるだろうな・・・。という目標設定を軽くクリアしていました。
フェースの弾きもいいですし、弾道が力強いです。
とびきりのハイテク感はありませんが、『ツボ』はしっかりとおさえているように思います。
直打ちでもしっかりとした距離が稼げたので、コース(実際の芝の上)でも試してみたいと思いました。

『操作性』は、なかなかいい感じではありましたが、できればこの直進性を活かして自然なまま打っていきたいと思いました。
左右にも曲げることはできましたが、あまり細工をするタイプではないように思いました。
今は球のつかまりがいいFWがたくさんありますが、このクラブはそれらと比べると、球のつかまりは良くないかもしれません。
『極端な易しさ』はもっていないように思いますが、これくらいが『適正』といいますか『クセのない』易しさといえるのかな?と思いました。
使っていけばいくほど、変なクセが修正され、スイングが良くなっていくような気がしました。

気難しいタイプではありませんが、適度に正直さもあって、楽しむことができました。

最近は大手有名メーカーの派手なFWを試打してきたせいか、このFWがいい意味で地味な印象を受けました。
しかし、実際に打ってみるとすごく主張していると思いました。
外見ではなく、性能が主張していました。

いわゆる『易しさ全開』といったクラブではありませんが、このクラブのバランスの良さは強く印象に残りました。
直打ちでもいい感じで球をあげてくれたので、実戦でも使えそうだな・・・。と何度も思いました。

最近の『ゴチャゴチャ系』のFWからすると、かなりシンプルにも見えますが、それが魅力的でした。
とてもすっきりしていて好感がもてました。
使っていけばいくほど、いい味を出してくれそうだな・・・。と思いました。
ちょっと例えは違うかもしれませんが、『肉じゃが』のジャガイモに似たところがあるでしょうか?
作りたても美味しいですが、それよりも一日寝かせたほうが、味がよく染みて、より美味しさが増すのを思い出しました。
ジャガイモも美味しいですが、一緒に入れたタマネギも味が染みて美味しくなるな・・・。と思いました。
このクラブも使っていけばいくほど、いい味を出してくれるような気がしました。
多機能すぎてそれがプレイヤーの個性や感性を邪魔していると感じるクラブもありますし、そういったクラブの多くが飽きの来るのが早いような気がします。
このクラブは全く逆な感じがしました。
今は『味の染みにくい』クラブも多くあるような気がします。

カムイはドライバーの印象があまりにも強かったのですが、これからはFWにも注目していきたいと思いました。
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2016年04月09日
カムイ TP-09D ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは カムイ TP-09D ドライバー です。

シャフトは ATTAS G7 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスは6S、シャフト重量は65g、トルクは3.8、キックポイントは中調子、クラブ総重量は313gです。

とてもカッコ良くて挑戦意欲をかきたてられるカムイのドライバーです。
かなり硬派な感じのドライバーです。
カムイのイメージにピッタリ合います。

以前、『S』を試打したことがあるのですが、今日は『D』を試打する機会に恵まれました。
ドライバーは、メーカーによっては『三兄弟』の場合もありますが、カムイはどうなのでしょうか?
『二兄弟』なのでしょうか?

かなりディープな形状です。
最近はシャローなタイプを見慣れているので、この厚みが新鮮に感じられます。
しかし、少しずつディープなタイプも出てきているので、驚くことはないですし、そういう流れになってきているのかな?と思います。
以前試打したTP-09Sもシャローというよりはディープに近い感じだったという記憶があるのですが、このドライバーは『D』という名前の通り、ディープさが増しているように見えます。
ディープタイプを敬遠される方は多いかもしれませんが、昔はディープなタイプばかりだったですし、懐かしく感じられる方も多いのではないでしょうか?
同じディープタイプでも、昔よりは親しみやすくなっているものが今は多いように思います。
メーカーの技術がどんどん上がってきているのだと思います。
アイアンは『見た目通りの性能』であることが多いですが、設計自由度が高いドライバーは、必ずしも見た目通りでないことも普通にあります。
このドライバーはどうなのかな?と思いました。
少なくとも、こうして見ている限り、かなり硬派で骨太な感じがします。

バックフェースには2つのウェイトが配置されていました。
これまでもよく見られました。
『Sタイプ』と同じです。

ネックは短めです。
こういったところが、昔のディープドライバーとの違うところだと思います。
昔は結構ネックの長さがありましたが、今はディープでも短いものが多いように思います。

このディープバック形状が、力強さを連想させてくれます。
気持ち良く叩いていけそうな雰囲気があります。
今は『ディープフェース&シャローバック』の組み合わせが多いですが、このドライバーは『ディープフェース&ディープバック』という今では少数派といっていい組み合わせです。
こうして見ているだけで、メラメラと燃えてくる感じがします。
昔のハードなドライバーを思い出しました。

とても綺麗なフェース面です。
丁寧に仕上げられているのが伝わってきます。
こういったところにも、メーカーに対する印象といいますか、クラブに対するこだわりが感じられるように思います。
メーカーによっては、とても雑に感じられるフェース面のドライバーもあります。
そういうドライバーを見るとテンションが下がってしまうこともありますが、今日はずっと上がりっぱなしでした。
久しぶりのカムイですが、やはりいいな・・・。と思いました。
大手有名メーカーの『大量生産ドライバー』には無い、地クラブメーカーならではの『少数精鋭』といいますか、『精度の高さ』が感じられます。

クセのない、いい顔をしています。
奇をてらった感じは全く無く、王道を突き進んでいるような、いい顔をしています。
最新モデルですが、クラシカルといいますか、昔のクラブのいいところをきちんと残しているように感じられました。
ディープ系のヘッドはシャロー系のヘッドよりも、明らかにハードな物が多いので、顔が良くないと難易度が極端に上がってしまいます。
いい顔だからこそのディープ系といったらいいでしょうか?
アイアンでいえばマッスルバックに大顔や異型が似合わないのと同じかもしれません。

素振りをしてみても、いい感じです。
タイミングも取りやすく、いいイメージで振っていけました。
ヘッドとシャフトの相性も良さそうだな・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみても、好感がもてました。
構えやすいです。
変なクセや、どちらかに偏った感じもなく、ニュートラルな構え感です。
ラインを出しやすい構え感です。
『つかまえ顔』を好まれる方は、少し難しく感じられるかもしれません。
私はつかまえ顔よりは、逃がし顔か、このような中立的な顔が好きなので、気持ちが楽になりました。
私はフッカーなので、普通に打っていけばつかまりそうだな・・・。と思ったのですが、逃がすイメージも出せました。
どちらかといえば、逃がすイメージのほうが少し強く出ました。
左へのプレッシャーを感じることなく、リラックスして構えることができました。
呼吸も深くなり、集中力が上がってきました。
いいイメージが自然に湧き上がってきました。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
しっかりしているのですが硬くなく、程良い感じでした。
『球の重さ』も伝わってきました。
かなり弾きのいいドライバーですが、ほんの一瞬だけ『乗せる』感覚を味わうことができました。

『音』も、好感がもてました。
大きすぎず、『耳に優しい音』です。
インパクトが緩むことなく、気持ち良く振り抜いていくことができました。

『あがりやすさ』という点では、予想していたよりは少しあがる感じがしましたが、ほぼ『見た目通りの性能』だと思いました。
タフなタイプといっていいです。
ライナー系の球が打ちやすいです。
高弾道タイプではありませんでした。
明らかにヒッター向けです。
ある程度HSが無いと、球が浮ききらないかもしれません。

『安定性』という点では、打つ前はすごくシビアなタイプかな?と思っていましたが、それほどでもありませんでした。
バックフェースにある、2つのウェイトがよく利いているのかもしれません。
ラインが出しやすいです。
イメージしたラインに、そのまま乗せていける感じです。
ただ、スライサーの方には難しく感じられるかもしれません。
球が自然につかまるタイプではありません。
今はつかまりのいいドライバーがたくさんあるので、そういったドライバーを使い慣れておられる方は球がつかまりきらず、右に抜けていきやすいかもしれません。
私はフッカーなので、楽に感じたのですが、人によって好みが分かれるかもしれません。
高い安定性があって、『曲がりにくい』ドライバーが今は多いですが、このドライバーはそれとは真逆といえるような気もします。

『飛距離性能』という点では、タフなドライバーなので、かなり好みが分かれると思いますが、ポテンシャルはかなり高いです。
力強い弾道が失速せず、グーンと伸びていきました。
なかなか勢いが衰えず、パワフルな弾道でした。
車に例えると、積んでるエンジンは大きい・・・。といったところでしょうか?
吹き上がりにくく、確実に前に進んでいくので、気持ち良く叩いていけました。
私は高~い弾道よりも、ライナー系が好きなので、このドライバーの弾道は好感がもてました。
風の強い日でも、頼もしい存在になってくれそうだな・・・。と思いました。

『操作性』は良いです。
私のようなフッカーには易しいドライバーだと思います。
『気持ち』つかまえ気味で、ほぼ真っ直ぐの球を打つことができました。
左へのプレッシャーをあまり感じないドライバーです。
右へ曲げるのはとても簡単でした。
クラブ自体が自然につかまえるのではなく、あくまでもスイングの中でつかまえる動きが必要になってくるのかな?と思いました。
なので、ハードヒッターの方でも、スライスに悩んでおられる方には、少し難しく感じられるかもしれません。

オートマチックタイプではなく、マニュアルタイプといっていいと思います。
高い直進性を感じられるドライバーではないと思います。
今はオートマチック系のドライバーの人気が高いので、このドライバーは限られた層に人気がでるのかもしれません。

幅広い層に対応しているドライバーではないと思いますが、このドライバーがピタリとハマる方にはたまらない魅力があるドライバーといえるのではないでしょうか?
決してイージー系ではないですが、先ほども書きました通り、ポテンシャルはとても高いと思います。
『伸びしろ』が大きい・・・。という印象をもちました。

見た目通りの硬派なドライバーです。
全体的にとても美しいドライバーです。
球のつかまりがいいドライバーとはいえませんが、『先走り系』でつかまりのいいシャフトを装着すると、もっと易しさが増してくるような気もします。

強く振っていきたいけど、つかまり過ぎるドライバーは苦手だ・・・。という方に試していただきたいと思いました。

オートマチックタイプよりも、マニュアルタイプのドライバーを使いたい・・・。という方にも、試していただきたいと思いました。
カムイらしい、カッコ良くて力強さを感じさせるドライバーです。
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2016年01月31日
カムイ TP-09S ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは カムイ TP-09S ドライバー です。

シャフトは FIRE EXPRESS 65 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は69g、トルクは3.7、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は315gです。

久しぶりに出会ったカムイのドライバーです。
いつも気になっていたのですが、なかなか出会うことができなかったので、とても嬉しく思いました。
今は優れた地クラブメーカーがたくさんありますが、私にとってカムイは『地クラブの雄』という印象があります。

とても美しいヘッドです。
機能性と美が上手く組み合わさっています。
重厚感もあり、力強さも感じられます。
チープな感じは全くなく、高級感が漂っています。

ネックは短めです。
見慣れた長さです。

バックフェースには2つのウェイトが配置されていました。
こういった工夫は、これまでもたくさん見てきました。
六角レンチがあると、簡単に取り外せそうです。
色々な重さのウェイトが用意されているのでしょうか?

フェース面のトゥ側にある、この控えめなカムイのマークがオシャレです。

カムイらしく、いい顔に仕上がっています。
やや面長なタイプです。
これまでたくさん出会ってきました。
私はもう少し小顔が好きですが、この顔を好まれる方はとても多いように思われます。
特にフッカーの方には、好感度が高いのではないでしょうか?

セミディープバック形状といっていいと思います。
今はシャロー系のヘッドが全盛なので、少しディープな感じがします。
このドライバーのTP-09Sの『S』は『シャロー』ということなのだそうですが、シャローというよりもセミディープのほうが近いように思いました。
ディープタイプもあるそうなので、今度機会があればそちらも見てみたいと思いました。

素振りをしても、いい感じです。
何かこう、飛びそうだな・・・。という感じがすごく伝わってきました。
高性能なシャフトが挿してあるということもありますし、ヘッドがとてもいい雰囲気を醸し出しています。

ボールを前にして構えてみても、いい印象をもちました。
構えやすいです。
先ほども書きましたが、私はもう少し小振りなほうが好きなのですが、このような面長なタイプは左への不安を和らげてくれる効果があります。
面長でフェースが被っていないので、スライサーの方には構えづらいところがあるかもしれません。
私はフッカーですが、できれば面長なタイプではなく、小顔なタイプがいいな・・・。と思うのですが、それは私の好みですし、このような面長なタイプにもいい思い出がありますし、『易しい』ということが分かっているので、この易しさに任せて打っていこう・・・。と思いました。
叩ける雰囲気が漲ったドライバーだな・・・。と思いながら見ていました。
試打を開始しました。

『打感』は、柔らかいというよりはしっかりめな感じです。
球の重さがしっかりと伝わってきました。
かなり弾きがいいドライバーだな・・・。と思いました。

『音』は高めの金属音でした。
嫌な音ではありませんでした。
むしろ、気持ち良くフィニッシュまで振り切っていける音です。
一球一球が楽しくなってきました。

『球のあがりやすさ』は、まずまずだと思いました。
今のドライバーの中では、結構しっかりしているほうだと思いました。
『シャロー』という位置づけですが、ディープに近い印象をもちました。
決して球があがらないとか、ドロップして失速してしまう・・・。ということはないのですが、ある程度のHSは必要になってくると思います。
『しっかり感』がありました。
ライナー系とまではいかなくても、中弾道といっていいように思いました。
明らかにヒッター向けのドライバーです。

『安定性』は高いと思いました。
予想していたよりも直進性が高くて、余計なサイドスピンは掛かりづらいように感じました。
適度なシャローと2つのウェイトがよく効いているのかもしれません。
ラインも出しやすく、そこから大きく逸れていかないので、安心感があります。

『飛距離性能』は、かなり高いと思いました。
弾きが良くてとても力強い弾道です。
年明け(といっても既に1月末ですが)早々、ヒット作だな・・・。と思いました。
ボールがあっという間に飛び去っていきました。
予想していたよりも遠くに飛んでいたので、ひょっとしたら『高反発モデル』なのかな?と思い、訊いてみたのですが、『適合モデル』ということでした。
ルールギリギリになるように、かなり丁寧に研磨されているのではないでしょうか?
バルドなどのドライバーを思い出しました。
カムイは昔の『カムイプロ300』の頃から、ずっと『飛ぶ』イメージが私にはあるのですが、このドライバーも、その良き伝統を受け継いでいるように感じました。

『操作性』は、なかなか良い感じでした。
直進性が高いな・・・と思ったのですが、曲げることにもトライしてみて、一応曲げることができました。
面長なタイプだったせいか、ドロー系よりもフェード系のほうが打ちやすいと思いました。
かなり極端にカットに打っていったら、大きく右に曲げることができました。
『球持ち』がそれほど長いタイプではないですが、変なクセは感じられなかったので、気を遣いすぎることもありませんでした。

私はフッカーなので、このドライバーを易しく感じましたが、スライサーの方の中にはひょっとしたら球がつかまりきらずに右にプッシュしてしまう・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
そういったときはロフトやシャフトを替えられると、また違う結果も得られるような気がします。
今は大手有名メーカーの『調整機能』が当たり前のようになっているので、このようなシンプルなタイプは購入前に徹底的に試打を繰り返してフィッティングを受けるほうが得策だと思いました。
今日試打したモデルはロフト9度でしたが、10度から11度くらいが一番人気があるのかもしれない・・・。と思いました。

かなりポテンシャルが高いので、とても気に入りました。
あとは強度の問題だけだな・・・。と思いました。
使い続けて割れや凹みなどが出なければいいな・・・。と思いました。
永く使い続けていきたい・・・。と思えるドライバーでした。

見た目のカッコ良さと重厚感にマッチした飛距離性能をもっているドライバーです、
カッコ良くて飛距離も出るので、まさに『硬派』といいますか『骨太』な感じがします。
今は男性用のドライバーでも女性の方が使う機会も増えてきています。
それだけ、クラブの幅広い層に対する対応力も高まっているのかもしれません。
しかし、このドライバーはそういったタイプとはちょっと違うように思いました。
ユーザー層を限定しているように感じられます。

カムイは元々好きなメーカーでしたし、気になっていましたが、ヒット作に出会うことができて嬉しく思いました。
地クラブメーカーの性能の高さを堪能することができました。
予定よりもたくさん球を打ってしまいました。
コースでも、このドライバーの高い実力を試してみたいと思いました。
とても気分良く練習場を後にすることができました。
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2012年04月01日
カムイ TP-07s AERO ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは カムイ TP-07s AERO ドライバー です。

シャフトは QUADRA FIRE EXPRESS 65 です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはX、シャフト重量は69g、トルクは3.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は314gです。

とてもカッコいい、カムイのニュードライバーです。
昨年出会ったKP-Xというドライバーは、とても印象深いドライバーでした。
このドライバーも、どちらかといえば『タフ系』といいますか、しっかりとしたスペックだという感じがします。

黒と白のモノトーンな感じが、とてもオシャレです。
高級感をすごく感じます。
何と言いますか、すごく『静寂感』を感じますし、リラックスできます。

ヘッド後方に2つのウェイトが組み込まれています。
こういったところは、もうすっかりお馴染みになりました。
ソールの中央部分が少し凹んでいるのですが、これは何らかの理由があるのではないでしょうか?

トゥ側も明らかに凹んでいます。
そして、そこには『AERO CAVITY』と記されています。
おそらく空気抵抗を減らすように設計されているのだろう・・・。ということが容易に想像できます。
昔から、空気抵抗を減らす為にヘッドの形状を工夫するということはたくさん実施されてきました。
私が一番先に思い出すのは、ヨネックスの『エアロナ』というドライバーです。

昔はヘッドが小さいほうが、空気抵抗が減るので有利だ・・・。という考えの元に小さめのドライバーがたくさんありましたが、今では全く逆のラージサイズが主流です。
ヘッドを小さくして空気抵抗を減らすことよりも、シャフトを長くしてヘッドスピードが速くなるようにし、その長くすることによって難しくなるところをヘッドのサイズを大きくすることによってカバーすることのほうが理にかなっているのでしょうか?
昔は『200ccクラス』でも、かなり大きく見えていましたが、今ではルールの上限である『460cc』に満たない大きさが『小顔』と呼ばれるようになっていると思います。
アイアンやウェッジはそれほど大きくならないのに、ドライバーだけがどんどん大きくなってしまいました。
ちなみに、このドライバーのヘッド体積は『460cc』ということなのですが、シャロー感があまり強くないぶん、それほど投影面積は大きく見えませんでした。
ヘッドに立体感を求めたい私は、こういったタイプのヘッドにはとても好感がもてます。

ネックの長さは標準的だと思いますが、やはり多少厚みが感じられます。
叩けそうな雰囲気がすごくします。
『ディープフェース&セミディープバック』といったところでしょうか?

素振りをしてみると、適度なしっかり感と走り感が上手く調和がとれている感じでリズムよく振っていくことができました。
このヘッドの独特な形状がどれだけ空気抵抗を減らすのかは、感性の鈍い私には感じ取ることができなかったのですが、振りやすいことは確かでした。

ボールを前にして構えたとき、少し違和感を感じてしまいました。
形状的にはとてもオーソドックスで、どちらかといえば『洋梨型』に見えたのですが、構えづらく感じてしまいました。
それは、このヘッドの形というよりは、フェース面が見え過ぎてしまっているところが原因だと思いました。
ロフト10度のせいかな?と思ったのですが、フェース面が見え過ぎる感じで、ちょっと打ちづらそうだな・・・。と思ってしまいました。
上げようとしないで上がり過ぎてしまう弾道を私は好まないので、このように感じてしまうですが、高い弾道をイメージしたい方には、こういった構え感のほうが安心して構えられるのかもしれません。
左右に曲げるイメージよりも、弾道の高さが気になってしまったので、まずは高さを出し過ぎないように気を付けて振っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は好感がもてました。
このようなディープフェースだと、昔から『トランポリン効果』がより強く期待できそうなイメージがあるのですが、実際に球を打ってみても、よく弾いてくれる感じがしました。
弾きのよいヘッドと、走りやすいシャフトの相性はバッチリだと思いました。

『音』も、いい感じでした。
気持ちよく振り抜いていくことができました。
スイングにブレーキを掛けてしまうところが全くありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、やはり構えたときの印象通り、よくあがる感じがしました。
ロフトが10度ということもあると思いますし、球のあがりやすいファイヤーエクスプレスというシャフトとの相乗効果もあるように思います。
ただタイプ的に見て、やはりスインガータイプの方よりはヒッタータイプの方にマッチしやすいドライバーだと思います。
ある程度叩いていくタイプの方のほうが、合いやすいのではないでしょうか?

『安定性』という点では、まずますだと思いました。
決してシビア過ぎるドライバーだとは思いませんでしたが、構えたときに違和感を感じなかったら、もっとまとめやすかったように思います。
やはりこれは、クラブの性能というよりは、私のメンタル的な部分のほうが大きいように思いました。
球数をこなしていっても、違和感がなかなか薄まっていかないので、どこかノレていない自分がいました。
今度は違うスペックのモデルを試打してみたいと思いました。

『飛距離性能』という点では、なかなかいい感じでした。
ある程度予想していた通りのキャリーを稼いでいくことができました。
高性能ヘッドを作るメーカーのカムイと、飛距離性能に長けたシャフト『ファイヤーエクスプレス』が、その性能の高さを上手く発揮してくれているように思いました。
力強くグーンと伸びる弾道に、頼もしさを感じました。

『操作性』という点では、標準的な感じかな?と思いました。
それほど扱いづらくはなく、むしろ扱いやすい部分も感じましたが、どちらかといえば、あまり意図的に曲げるよりも、できるだけ直線に近いイメージで球を運んでいきたい感じがしました。
変なクセのないヘッドなので、ドロー系の方にもフェード系の方にも扱いやすいのではないでしょうか?
インテンショナルなショットを打つよりも、自分の持ち球で確実にコースを攻めていきたいドライバーだと思いました。

シャローヘッド全盛の今のなかでは、このドライバーはどちらかというとタフな部類に属するのかもしれません。
そういった意味では、このドライバーは幅広い層に対応しているとはいえないような気もします。
ただ、私は昨年試打した『KP-X』のイメージが強く残っていたので、それと比べると、このドライバーがそれほどタフだとは思いませんでした。

このドライバーのシャフトも含めた価格を聞いて、ある程度予想していたとはいえ、やはり驚いてしまいました。
今では10万円を超すドライバーをたくさん目にするようになりました。
大手有名メーカーではシャフトなどにもよりますが、なかなか考えられないことだと思います。
大手有名メーカーのドライバーで、しかも『純正シャフト』装着モデルで価格設定が10万円を超えていた物・・・。というと、私はツアーステージの『X500』というドライバーを思い出します。
このドライバーは『地クラブ』らしい高い精度で作られた、高性能なドライバーではありますが、今は大手有名メーカーで海外生産モデルでもかなり性能が高いので、『コストパフォーマンスの高さ』という点では、そういった海外製に軍配が上がってしまうのかもしれません。
ただ、『所有感』といいますか、他の人があまり持っていない高性能なクラブを持っている喜びのようなものは感じやすいと思います。
カムイは昔から『地クラブメーカーの雄』でしたし、根強いファンの方がたくさんいらっしゃいます。
そういった方々にも、このドライバーはとても受け入れられやすいのではないでしょうか?
正直言って、私は購買意欲はあまり湧かなかったのですが、また出会う機会があれば、是非試打してみたいです。
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2011年08月15日
カムイ KP-X ドライバー

今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは カムイ KP-X ドライバー です。

シャフトは MY ATTAS 7X です。
ロフトは10.5度、シャフトフレックスはX、シャフト重量は79g、トルクは2.7、キックポイントは中調子、クラブ総重量は327gです。

久しぶりに出会った『KAMUI』のドライバーです。
数年前に『TP-03』を試打したことがあるのですが、ずいぶん久しぶりな感じがします。
ヘッド全体的に黒い色がとても印象的です。

普通、この部分にはメーカー名やモデル名などが表示されているものだと思いますが、このドライバーはそのようなものは見えず、すごくシンプルです。
これまでの経験上、こういったタイプのドライバーは、メーカー側の自信が伺える物が多かったり、とてもタフだったり『プロトタイプ』だったりすることが多いです。
今は黒いヘッドがとても多いですが、表示が無い分だけ、よけいにこのドライバーの黒さが際立っていました。
黒い色は『重量感』を感じさせたりする色なので、タフな印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、気分を落ち着かせてくれる色でもあります。
私は黒いヘッドにはいい思い出も多いので、こういったヘッドには魅力を感じます。
叩いていけそうな気もしてきます。

ソール部分の代わりに、トゥ側にモデル名が表示されていて『FULL FORGED』とありました。
とても品質が高そうな感じがします。
日本製ドライバーの持つ、光沢感といったらいいでしょうか?
すごく親しみやすい感じがします。

このドライバーにも、これまでの他のメーカーのドライバー同様、ウェイトのようなものが付いています。
これによって、最適な重心位置が設定されているのでしょうか?
写真では見づらいのですが、このウェイトのような物には『KAMUIPRO.CO.,LTD.』と刻印されていました。
交換できたりするのでしょうか?

かなりディープなヘッドです。
最近は少しずつ、ディープなヘッドが復活してきましたが、やはり見るべきところは『ディープフェース』であることよりも『ディープバック』であるかどうか?ということだと思います。
ディープフェースでもシャローバックだと、それほどタフな感じはしませんが、ディープバックだと、かなり印象が変わってきます。
そういった点でこのドライバーを眺めていたのですが、はっきりとした『ディープバック』だと思いました。
ただ、昔からこういったドライバーはたくさんあったので、特に珍しいとは思いませんでした。

フェース面のX模様がとてもオシャレです。
ヤマハのドライバーを思い出しました。
ヤマハの『X』はインプレスXの『X』だと思うのですが、このドライバーの場合はKP-Xの『X』なのでしょうか?
おそらく性能的な意味はほとんど無いと思うのですが、こういった『オシャレ心』といいますか『美的感覚』のようなものはとても素晴らしいと思います。
より反発力を高めるにはスコアラインを無くしたほうが、フェース面の強度が保たれると思いますが、最近は全面的にスコアラインが刻まれている物のほうが多くなってきたような気がします。

『顔』はとても良くて、思わず見入ってしまいました。
いわゆる『バルジ』が直線に近い感じのヘッドだと思いました。
フェースも被っているようには見えなかったですし、すごくいい『面構え』だと思いました。
私の好みでいえば、少しバルジがあったほうが、曲線をイメージしやすいので、より構えやすく感じるのですが、こういったストレート系も全く苦ではありません。
むしろ、これまで出会ってきた同様のドライバーのいいイメージがしっかりと心に刻まれているので、すごくいい印象を持ちました。

素振りをしてみても、すごく安心することができました。
シャフトも非常にしっかりとしていますし、ヘッドが暴れる感じがしません。
なかなか重量のあるシャフトですが、それほど重い感じはしませんでした。
むしろ、すごくタイミングが取りやすくて、滑らかに振っていける感じがしました。
軟らかいシャフトではありませんが、いい感じで『撓り(しなり)』を感じることのできるシャフトだと思いました。
最近『MY ATTAS』というシャフトに出会う機会が増えてきましたが、とても親しみやすいですし、スイングのイメージをつかみやすいので、振っていても安心できます。
ヘッドの位置やフェースの向きも簡単にチェックできる感じがしました。
『ブレ』や『暴れ』を気にしないでいいので、いわゆる『リミッター』を解除して振っていけそうな予感がしました。

ボールを前にして構えてみても、すごくいい印象を持ちました。
変なクセのないヘッドなので、左右どちらにも対応していけそうです。
ただ、先ほども書きましたが、バルジがそれほど大きくないタイプですし、ヘッド後方が少しだけ膨らんでいるように見えたので、どちらかというと『直進性』が高いドライバーなのかな?と思いました。
それに加え、球がつかまり過ぎなさそうな感じが、私に大きな安心感を与えてくれていました。
スライスに悩んでおられる方には、もう少しフェースが被っていたほうが安心されるかもしれませんが、最近はこういったスクエアなフェースアングルでも球のつかまりがいいドライバーが増えてきたので、見た目だけでは判断しづらいところがあるように思います。
何となくなのですが、このドライバーは『懐(ふところ)』の深いドライバーだな・・・。という感じがしました。
久しぶりのカムイのドライバーということで、こうして構えていても、どんどんテンションが上がってきました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、その『タフさ』です。
はっきり、かなりタフなドライバーだと思いました。
最近は少しずつタフなドライバーも増えてきていますし、今年に入っても印象深いものでいえば、BEAM FX TOUR-425(BLACK) やブリヂストン ツアーステージ X-DRIVE 905、フォーティーンDT111、ヨネックス EZONE タイプ 380、アストロツアー V460 ブラックIPなどがタフなドライバーとしてすぐに思い浮かぶのですが、このドライバーはそれらよりも、もっとタフな印象を持ちました。
もちろんシャフトが違うので、正確な比較はできませんが、こうして打っている限り、とてもハードなドライバーだと思いました。

私は強く叩いていきたいタイプですし、こういったライナー系が出やすいドライバーは大好きなので好感を持ちますが、球が浮きづらく感じたり、ドロップ感を感じられる方がかなり多いのではないでしょうか?
ロフトが『10.5度』ということですが、それによる『球の浮きやすさ』のようなものは殆ど感じられませんでした。
いわゆる『リアルロフト』なのでしょうか?
構えた時に感じていたのですが、フェース面が見え過ぎないのがいい・・・。と思っていました。
最近のドライバーでも『9度』とか『9.5度』の表示があっても、フェース面が見え過ぎたり、球が高く上がり過ぎる物が多いですが、このドライバーはそれらとは、はっきりと性格の異なるドライバーだと思いました。
かなり叩いていかないと球は浮いてくれないタイプのドライバーだと思います。
ハードヒッターの方には、とても扱いやすいドライバーなのではないでしょうか?
『吹き上がり感』も感じませんでした。
いい感じで前へ進んでいってくれるので、気持ちよく叩いていけるドライバーだと思いました。
今も『ツアステ』はカッコいいですが、今よりももっとカッコ良かった時代のツアステのドライバーとイメージがダブりました。
このドライバーは、かなりタフですが、昔のツアステのドライバーを経験しておられる方には、それほどタフ過ぎない印象を持たれるのではないでしょうか?

『打感』は、しっかり目で良いと思いました。
とても柔らかい・・・。という感じではありませんでしたが、打っていても不満を感じることはなかったですし、叩いていくのに躊躇する打感ではありませんでした。
『球の重さ』を充分に感じることができました。
いい意味で『インパクトで押していける』感じがしました。

『音』も、なかなかいい感じだと思いました。
こういった『叩くべきドライバー』では、音がいつも以上に大切になってきますし、一昔前のような『甲高い音』や『抜けた感じの頼りない音』だとインパクトが緩んでしまったり、気持ちがよそへ行ったりしますが、この音だとそういった心配がありません。
気持ちよくインパクトを迎えることができましたし、最後までいい感じで振り抜いていけました。
フィーリング面で不安に感じる部分が無かったので、とても楽しく試打を行うことができました。

『安定性』という点では、決して『易しさ重視』のドライバーだとは思いませんでしたが、それほどシビア過ぎる感じはしませんでした。
いい感じでラインを出していくことができましたし、左右に散りやすい感じはしませんでした。
ただ、ミスを感じさせないドライバーではないですし、むしりはっきりと感じやすいタイプだと思いますが、昔のドライバーのようなシビアな感じはしませんでした。
スイートエリアも、最近のドライバーの中では狭いほうなのかもしれませんが、決して難し過ぎるドライバーだとは思いませんでした。
普通に振っていけば、自然と打点がいい所に集まってくれる感じがしました。
それはやはりヘッドの性能というよりは、シャフトの高性能が上手く後押しをしてくれているのかもしれません。
とてもタフなドライバーなので、かなりシビアなドライバーなのか?と思っていたのですが、意外と親しみやすい部分も感じさせてくれました。
この微妙なアンバランス感がとても面白いな・・・。と思いました。
ただ、ドライバーに『ミスに対する寛容さ』を求めておられる方には合いづらいドライバーだと思います。
『ヘッドスピード』同様、ある程度の『ミート率』は要求してくるドライバーだと思います。

『飛距離性能』という点では、かなり好みが分かれると思います。
スインガータイプの方には合いづらいドライバーだと思いますし、ヒッタータイプの方でも、かなり『振れる』方でないと球が浮きづらくて距離を稼ぎづらく感じられるのではないでしょうか?
『ドロップ感』を感じられる方も多いと思います。
『ビッグキャリー』が出やすいドライバーではないと思います。
先ほども書きましたが、これほどタフさが全面に感じられるドライバーは今年出会ったドライバーの中では、間違いなくトップクラスだと思います。
高いキャリーを易しく打っていきたい方には、かなり合いづらいドライバーだと思いますが、低スピンのライナー系の打球を好まれる方には、とても心強いドライバーといえるのではないでしょうか?
かなり好みが分かれるとは思いますが、このドライバーがピッタリとマッチする方には、かなりの飛距離性能が期待できるのではないでしょうか?
合いづらい方が多い分、合う方には大きなご褒美を与えてくれるドライバーだと思いました。
『メリハリ感』が感じられました。

『操作性』という点では、どちらにも曲げやすくとてもいい感じがしました。
バルジの直線がずっと目に入っていたのですが、思いのほかどちらにも曲げやすいドライバーだと思いました。
やはり『直進性』が強すぎないのが、このドライバーの長所だと思いましたし、最近のドライバーに少しずつ復活してきたところだと思います。
ウェイトのような物が2つありますが、重心もそれほど低すぎない感じがしましたし、『重心深度』も比較的浅めなのではないでしょうか?
私はボールを曲げる練習がとても好きなので、今日はそんな楽しい練習を存分に行うことができました。
『曲がりづらいドライバー』
『ミスを把握しづらいドライバー』
『どこでヒットしたのか解りづらいドライバー』
など、ここ数年は、そんなタイプのドライバーがもてはやされてきた感じがしますが、そういったドライバーに物足りなさを感じておられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった意味でも、多少タフではありますが、こういったドライバーで自分の球筋を磨いていくことも上達過程において、とても有効になってくるのではないでしょうか?

『黒いドライバー』というのは、いかにもタフそうな感じがしますが、実際はそうでもなかった・・・。というドライバーがたくさんあります。
特にここ数年は多いような気がします。
しかし、このドライバーはその『黒』というイメージにピッタリの『タフさ』『重量感』が感じられるドライバーだと思います。
見た目の印象通り、かなり『硬派』なドライバーといっていいのかもしれません。
これまで他のメーカーのドライバーには、そのクラブに搭載されている『工夫』や『メカニズム』などが表示されているものが多く、いかにも高性能な印象を持ちますが、このドライバーにはある意味『無言』といいますか、
「詳しい説明は省くから、とにかく打ってみてくれ・・・。」
と訴えかけているようです。

そこにメーカー側のこのドライバーに対する『自信』や『ポリシー』のようなものを感じました。
前のモデルの『TP-05』も記事には書いていませんが、以前試打したことがありますし、その前のモデルの『TP-03』も試打したことはあります。
もちろんシャフトはどれも異なりますが、今回のこの『KP-X』ほどタフな印象はありません。
『KP-X』と比べると『TP-05』も『TP-03』も、かなり『大衆向け』といった感じがします。
そういった意味でも、この『KP-X』は、とても強く印象に残りました。

最近は『個性』の乏しいクラブが大勢を占める中で、少しずつそのイメージから脱却するかのようなクラブを目にするようになってきましたが、このドライバーはかなり個性がはっきりしていると思いました。
一度試打しただけで、深く心に刻まれました。
ただ、やはりそれほど幅広い層には対応していないと思いますし、敷居もかなり高めといっていいのではないでしょうか?
叩いていきたい方、吹き上がりを嫌う方には、試してみられる価値があると思いますが、実際に打ってみて、思っていた以上にタフに感じられる方が多いと思います。
今、『9度』や『9.5度』のドライバーを使っておられる方も、まずはこの『10.5度』を試してみられるのがいいのではないでしょうか?
それくらい、かなりはっきりしたドライバーだと思います。

私の周りにはハードヒッターの友人がたくさんいるので、早速このドライバーを勧めてみようと思いました。
後輩たちにも、ヘッドスピードの速さなど、そのスキルの高さの割には、ソフト過ぎるドライバーを使っていて飛距離も方向性も損をしている人がいるので、そういった後輩にも勧めてみたいと思いました。
みんなの驚く顔を想像しただけで嬉しくなってきました。
カムイのクラブは、それほど出会う機会が多くありませんが、昔から名の通った有名なメーカーです。
量販店に並ぶような大手有名メーカーのクラブは、なるべく多くの方に合うように『大衆化』されていると思うのですが、そういったクラブが合いづらい方が多いのも、紛れもない事実だと思います。
そういった意味でも、このドライバーはそのような方々にぜひお勧めしたいドライバーです。
久しぶりに出会ったKAMUIのドライバーでしたが、私の中ではKAMUIというメーカーがすごく『イメージアップ』しましたし、また何度もこのドライバーで楽しみたいです。