キャロウェイ
2022年08月16日
キャロウェイ ROGUE ST MAX OS アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO ZELOS 7 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77.5g、トルクは2.6、バランスはD1 、クラブ総重量は405g です。

キャロウェイの新しいアイアンです。
過去のモデル同様、デザインが統一されていて、一目でキャロウェイだと分かります。
このようなデザインになったのは、レガシーブラックからでしょうか?

ラージサイズのアイアンです。
キャロウェイではお馴染みといったところでしょうか?
キャロウェイはフィーリングよりも、機能性など、数字に表れやすいところを重視しているメーカーだという認識をもっているのですが、このアイアンもそのような思想のもと、設計されたように見えます。

彫りの深さはたっぷりあります。

トップラインは厚めです。

バックフェースのヒール側には『MAX OS』という文字があります。
『最大のオーバーサイズ』ということなのかな?と思いましたが、真偽のほどは定かではありません。

トゥ側には『TUNGSTEN』の文字があり、かなり大きなウェイトが組み込まれているようです。

ソール幅は少しワイドで、ちょっとだけ意外でした。
これまでの流れだと、かなりのワイドソールということになっていましたが、このアイアンは違います。
最近、このように『広すぎない』ソール幅が増えてきたような気がします。
私はワイドソールは苦手なので、少し親近感をもちました。

ネックは短めです。
このいかにもステンレスといった質感が私のテンションを下げます。
ステンレスでも仕上げ方によっては、好感の持てるものもありますが、このアイアンの質感は正直好きではありません。
これまでもたくさん試打していますが、あまりいい思い出が無いということも大きいのだと思います。

フェース面の仕上げもシンプルで、特に手が込んだ感じはしません。
おそらく、かなりの工夫がされているとは思うのですが、こうして見る限り、少し雑な印象を受けました。

軽量タイプの振り感です。

ボールを前にして構えてみると、あまり好感が持てませんでした。
キャロウェイらしく、『ボテッと』した顔で、グースの利きもかなり強いです。
こういった顔はこれまでも経験していますし、予想はしていましたが、テンションが下がってしまいました。
イメージもなかなか出てきません。
試打を開始しました

『打感』は弾き系で、やや堅めです。

球はとてもあがりやすく、スインガータイプの方に合いやすいアイアンだと思います。
上からではなく、横から拾っていくイメージで打っていきたい方には、かなりイージーなアイアンといえるのではないでしょうか?

スイートエリアは広く、いい意味でアバウトに打っていけるアイアンです。
スイートエリアが広い分、いいところでヒットしたときのよ喜びも小さいですが、これは仕方ありません。

『飛距離性能』は優れていて、今時に『イージー&ディスタンス系』アイアンといっていいと思います。
飛距離に特化して開発されたアイアンといっていいのではないでしょうか?

『操作性』はあまり高いとは思えませんが、大らかなタイプなので、その特長を活かしたほうがいいアイアンだと思います。
試打後の感想

見た目通りの性能で、フィーリングよりも機能性を重視しているアイアンです。
これはキャロウェイらしいといっていいような気がします。

私は正直、あまり好感が持てなかったのですが、こういったアイアンもニーズがありますし、アリなのだと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年06月16日
キャロウェイ ROGUE ST MAX ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは VENTUS 5 for Callaway です。
ロフトは20度、クラブ長さは40インチ、フレックスはS、トルクは4.2、キックポイントは中調子 です。

キャロウェイ ROGUEシリーズのユーティリティです。
キャロウェイらしく、ハイテク感があって、メカニカルなデザインが特徴的です。
今回も様々な技術が搭載されているように見えます。

MAXという名前がついていますが、それほど大顔感はなく普通です。
こうして見ていると、以前試打したことのある、イオンスポーツのユーティリティを思い出しました。

ネックの長さは適度にあります。
最近はショートタイプよりも、これくらいの長さが増えてきたようです。
ネックの長さも流行りのようなものがあるのでしょうか?
キャロウェイは未だにスルーボアやショートネックのイメージが強くて抜けきらないので、この角度から見ているとキャロウェイではないようです。
ネックには調整システムも搭載されていません。
完全に無くなったわけではないですが、もうトレンドではないのかもしれません。

ノーマルシャローバック形状といったらいいでしょうか?
今はシャロー感の強いものが多いので、これくらいの『薄すぎない』形状は少数派であるものの、好感度は高いです。

ちょっとクセのある顔をしています。
美顔ではないですが、科学的な研究ではトップメーカーといえるキャロウェイなので、この顔にもおそらく理由があるのではないでしょうか?
一目でキャロウェイと分かるクラウンマークも健在です。

クラウンが艶消しになっていて好感が持てます。

フェース面は綺麗です。
トゥ側には『FLASH FACE SS22』という文字があり、前も見たことがあります。
何か特別な工夫がフェース面に施されているのではないでしょうか?
ディープフェースというほどではありませんが、適度なフェース高があって好感が持てます。
キャロウェイらしい形状です。
ユーティリティでもフェアウェイウッドでも、シャローフェースを好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
しかし、私は苦手といいますか、プレッシャーを感じることが多いです。
確かにボールをフェースに当てさえすれば自然と浮いてくれるような印象もありますが、実際は難しいです。
ある程度ディープフェースで、フェース高の縦(上中下)を使えるほうが易しいと感じています。
シャローフェースだと、ボールをヒットさせる部分は一点だけしかありませんが、ディープフェースは複数あります。
そして多少下面でヒットしても、今のUTは球を浮かせてくれます。
シャローフェースだとフェース面でなく、クラウンに当たって、クラウンにボールマークがついたことが何度もあります。(ダウンブローがきつすぎるというのもあると思いますが・・・。)
綺麗なレベルブローで完全にボールを横から捉えられる人であれば、すごく易しいのかもしれませんが、私はそれが苦手です。
過去何度も失敗していて、苦手意識だけが強くなってしまいました。
しかし、それを払拭してくれたのが、同じキャロウェイのFWです。
それまでは、ゴルフ雑誌などを読んで水平に打とうとばかりしていて、なかなか上手くいかなかったのですが、アイアンと同じように上から潰すように打ってみたら、すごくいい球が打てて、FWの直打ちが苦にならなくなりました。
それは、このキャロウェイのFWのおかげです。
これがもし今のクラブのように超シャローフェースだと、おそらく無理だったと思います。
適度なフェース高があったから、上から捉えることができたのです。
ゴルフ雑誌に書かれている記事は有効なものも多いですが、全ての人に当てはまるものではなく、ときにはスルーすることも大切なのだということを学びました。
そして、その時は不必要な理論だったけど、キャリアを積んできて初めて使えることもあるということも知りました。
昔のクラブはディープフェースで重心も高めのものが多かったのですが、最近は違います。
高重心なものはほとんど見られなくなりました。
それはアイアンなども一緒です。
今も高重心なものがあるとしたら、ウェッジと一部のパターだけではないでしょうか?

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
ハードなタイプのシャフトではないですが、結構『振れるタイプ』といいますか、タイミング良くブレにくい感じがします。
このVENTUSというシャフトが純正なのでしょうか?
ちょっと前まで純正のシャフトはヘッドとのマッチングが良くなく、『リシャフト前提』といったものが多かったのですが、最近の純正シャフトのレベルはすごくあがっているように感じます。
もちろん、リシャフトするのもいいですが、まずはこのまま使ってみるのがいいと思えるクラブが多くなりました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
特に大きな不満もなく、無難なグリップです。

ボールを前にして構えてみると、私の好みではないのですが、これまでもたくさん経験しているので、特に不安はありません。
見とれることもなく、ちょっとだけテンションが下がりながら淡々と見つめていました。
フェース面がよく見え、球がよくあがりそうです。
私はアイアンやウェッジのような浅い重心のクラブはロフトが寝て見えるものが好きで、逆にドライバーからFW・UTのようなウッド系は『絶壁感』が欲しいです。
高くあがるイメージは不要で、むしろ低いライナー系をイメージさせてくれるクラブに魅力を感じます。
そういった意味でも、このクラブは私の好みからは外れるのですが、このようなタイプが多いということはそれだけ高い支持が得られているのだと思います。
今回もTRCの構えやすさを越えられませんでした。
フェース面が少し左を向いているように見えたのですが、これくらいであれば、特に問題はありません。
試打を開始しました

『打感』はいい感じです。
ソフトというよりは、ややしっかりめの打感ですが、硬くなく普通に打っていくことができました。
球の重さも感じられ、インパクトがぼやけないのがいいです。
『複合タイプ』の打感・・・。といったらいいでしょうか?
ピュアなタイプではなく、様々なものが組み合わさって、それがミックスされたような打感です。
うどんに例えると、ワンピースタイプは『素うどん』で、このクラブのようなタイプは、かまぼこや卵・油揚げなど、様々な具が入っている『鍋焼きうどん』といったところでしょうか?
寒さの厳しい季節に鍋焼きうどんは最高ですが、私はやはり素うどん(の打感)に惹かれます。

キャロウェイらしい、金属音がいいショットをアシストしてくれているようです。
『カチッ』という感じの小気味よい金属音ですが、昔のビッグバーサのような高くて大きい音ではなく、むしろ抑え気味です。
この音であれば、振っていっても気になりません。

『球のあがりやすさ』という点では、ユーティリティの4番でありながら、ヒッター向けだといっていいと思います。
すごくハードな設定で球が浮きづらいというタイプではないですが、ある程度HSが無いと球が浮ききらないかもしれません。
構えたときは、もっと球が高くあがりそうな印象をもっていたのですが、実際は少し抑え気味で、ライナー系の弾道でした。
私は高~くあがって、途中で大きく失速するよりも、ライナー系で安定して強い球で飛んで行ってくれるほうが好きなので、この弾道は好きです。

『安定性』は普通といったところで、特に高い直進性があるというわけでもなく、曲がらないクラブではありません。
構えたときにフェースが左を向いているように見えたので、フックが出やすいのかな?と思いましたが、実際は違っていて、右に抜けやすい性質をもっています。
スライサーの方には、やや難しいクラブといえるかもしれません。
スイートエリアも、それほど広くはなく、寛容さもそれほど高くありません。

『飛距離性能』はなかなかいい感じですが、今のユーティリティ(ハイブリッド)の中では普通といえるでしょうか?
ヒッタータイプの方には飛びを実感しやすいと思いますが、そうでない方には球が浮ききらないまま失速してしまうかもしれません。
幅広い層をターゲットにしたクラブではなく、ある程度絞り込んでいるのではないでしょうか?

『操作性』も、好みがはっきりと分かれると思います。
先ほども書きましたが、それほど球をつかまえてくれるクラブではないので、スライサーの方には厳しいかもしれません。
逆にフッカーの方はいい感じで逃がしていけるので、左へのプレッシャーを軽減できるのではないでしょうか?
左にも曲げることができましたが、右に大きく曲げることもできました。
球を打つ前は今時のオートマチックタイプのユーティリティなのかと思っていましたが、実際はマニュアルタイプの性格をもったクラブといっていいように思います。
試打後の感想

最初から最後までずっと淡々と試打をしていました。
あまり感情が揺れ動くこともなく、特にここがすごくいいな・・・。と思ったところはありません。
しかし、それはこのクラブに良いところがないというのではなく、あくまでも私がこのクラブの良さを感じ取れなかったに過ぎません。

おそらく様々な最新技術が注ぎ込まれていると思いますが、『既視感』といいますか、これまで出会ってきたモデルとあまり変わらないな・・・。という思いが強かったのは事実です。

それと、やはり顔が好みでなかったというのも大きいように思います。
もうちょっとシュッとしていて男前なら、もっと探ってみようとか、試打を楽しめたように思いますが、今日はそういう気分になれませんでした。

いい意味で、『今時のクラブ』。
しかし、魂を揺さぶるものが無かった・・・。というのが私の率直な感想です。
ただ、先ほども書きましたが、私がこのクラブの良さを感じ取れなかっただけで、このクラブの魅力を敏感に感じ取られる方もたくさんいらっしゃるのは間違いありません。

このクラブは姉妹モデルがあるそうなので、今度機会があればそちらも試打してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022年05月13日
キャロウェイ ROGUE ST MAX FAST アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは オリジナルカーボンシャフト です。
ロフトは27度、クラブ長さは37インチ です。

キャロウェイローグシリーズの新しいアイアンです。
このデザインを見て、以前試打したことのある、レガシーブラックというアイアンを思い出しました。
名前は違っても、後継機種という位置づけなのでしょうか?
それとも、たまたまデザインが似ただけなのでしょうか?

やや大顔タイプのアイアンです。
大顔ではありますが、大顔特有のボテッとした感じがありません。
キャロウェイらしい、ハイテクの匂いがプンプンしてきました。
これがキャロウェイの個性であり、主張なのではないでしょうか?
X FORGEDのようなベーシックタイプのアイアンもありながら、基本はこの路線のような気がします。

ソールには『TUNGSTEN』の文字がありました。
見慣れた工夫ですが、これ全部がウェイトなのでしょうか?
だとしたら、かなり重くなってしまうので、おそらくそうではないと思います。
このようにウェイトを組み込むのはもうかなり前から行われていますが、今でも変わりません。
それくらい有効な方法なのだと思いますが、進化しないな・・・。という思いもありました。
見た目は多少変わっても、もうゴルフクラブ(特にアイアン)の開発における進化の足踏み状態がずっと続いています。

彫りの深さは普通で、ノーマルキャビティといったところです。
最近はポケキャビを見なくなりました。
しかし、これも流行のようなものがあると思うので、いずれまた復活してくると思います。

トップラインは厚すぎず薄くもなく・・・。といった感じです。
大顔タイプでありながら、全体的に結構整っているな・・・。と思いました。

ソール幅は標準的です。
ちょっと前まで、ワイドソールをよく見かけましたが、最近はこのようなノーマルなタイプが多くなったように思います。
これも流行なのかもしれません。
私はワイドソールには苦手意識があるのですが、だからといって、このソールの雰囲気やネックの曲がり具合はあまり好きになれません。
やっぱりキャロウェイのアイアンだな・・・。と思いながら見ていました。
このように『クネっと』曲がったソールは好きではなく、むしろできることなら避けたいタイプです。
インパクトに『遅れ(時間差)』を感じさせ、いいイメージも湧いてきません。
魅力的に見えず淡々として、気持ちも盛り上がないまま見ていて、このアイアンとの『距離感』を感じていました。

ネックの長さは標準的です。
光沢感があり、いかにもステンレスっぽい質感です。
同じタイプをかなりたくさん試打しているので、新鮮さはありませんが、これがひとつの答えなのかもしれません。
キャロウェイはかなり科学的なメスを入れてクラブ開発しているので、これが理想的な形と質感といっているような気もしますが、私はあまり好きではありません。
ただ、それはあくまでも私がこのアイアンの良さを理解できていないということであって、このアイアンの形状や質感などが良くないということではありません。

フェース面にミーリングはなく、ごく普通です。
ああ、このアイアンもあまり手を加えられていないな・・・。と思いました。
最新モデルであっても、ここの部分は昔から変わらないものがほとんどです。
『大量生産の限界』といえるのかもしれません。
テンションがあがらず、むしろやや下がり気味になりながらも、試打するための心の準備を始めました。
キャロウェイが言いたいのは、このフェース面ではなく、バックフェースやソールにあるウェイトなどではないでしょうか?

素振りをしてみると、軽量感がありますが、今時のアイアンとしては普通です。
ヘッドが動きすぎないように、ブレないように、タイミング重視で振っていきました。
このような軽量タイプのアイアンを振っていく、私なりのコツは『抑揚をつけない』といいますか、常に一定に振っていき、『メリハリ』をつけないイメージです。
ドライバーなど飛ばしたいクラブのときは『ジェットコースター』をイメージするといいますか、最初はゆっくりめで一気に加速していく感じで振っていますが、軽量タイプでシャフトが軟らかいと遅れたりブレたりしやすいので、なるべく『一定感』をもって振るようにしています。
飛ばそうとしなくても、飛んじゃうアイアン・・・。といったらいいでしょうか?
クラブ任せに振っていく感じです。

ボールを前にして構えてみると、予想していたよりもいい感じで好感が持てました。
もっとクセのきついタイプかと思っていたのですが、そうではありませんでした。
ややラージサイズなのとグースの利きも目に入りますが、昔のモデルほど極端ではありません。
これくらいであれば、『今の標準』といえるのではないでしょうか?
私がアイアンに求めたい顔とはちょっと違うのですが、特に苦手意識は芽生えませんでした。
あくまでも『淡々と』といいますか、『無難な感じ』で打っていけそうです。
試打を開始しました

一球打って、「何だ、これは中空か?」と思ってしまいました。
中空独特の『空洞感』があり、『ペチャ』という打感が残念でした。
もちろん、この打感が今のスタンダードなのかもしれないですし、このようなタイプのアイアンで打感を求めるべきではないのかもしれません。
打感を犠牲にして得られるものは『寛容性&飛距離』でしょうか?
そう考えると、『今のニーズに合った打感』といえるのかもしれません。
私がアイアンに欲しい、『球持ち感』『くっつき感』は無く、パチンと弾くような感じで、インパクトが『点』になる打感です。
正直、物足りません。

球はとてもあがりやすいです。
ソールを見たときに、それほどワイドには見えなかったのですが、かなり重心を低くしているのだと思います。
横からはらって打ちたい方にピッタリなアイアンといっていいのではないでしょうか?
ヘッドの入射角を昔ながらの『V』ではなく『U』。
もっといえば、できるだけ『円』に近くて、ボールの前後を直線的に振っていきたい方のアイアンといっていいのかもしれません。
ソールにあるタングステンが、かなり仕事をしているようです。
それほど速くないHSで、ゆったりと振っていきたいけど、広すぎるソールは嫌だ・・・。という方には、魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

『安定性』も高く、イージーです。
シブいデザインで、昔のような『ゴツさ』はないですが、明らかにオートマ系アイアンといっていいと思います。
ミスヒットを感じさせない寛容さがあり、弾きの良さでカバーしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
見えないところに、メーカーによるたくさんの工夫が施されているのは間違いありません。
ヘッド自体が寛容なタイプでありながら、昔のアイアンのように構えづらさが邪魔をしていないので、その分さらに大らかさが増しているように感じました。

予想通り、よく飛ぶアイアンで『番手感覚』を失わせるアイアンです。
これが今の標準の飛びといえるのだと思います。
明らかに2番手以上は飛ぶアイアンなのですが、こういうタイプが多くなったので、普通になってしまいました。
球があがりやすくてキャリーもかなり稼げますし、軽く振って距離を出したい方にはピッタリではないでしょうか?
よく飛びますが、これまでのアイアン(ディスタンス系)と比べて、特別進化しているとは思いません。
それくらい、今はアイアンの飛びが進化したということです。

オートマチックタイプではありますが、左右へも少し曲げることができました。
こういう『面長感』のあるアイアンで、インテンショナルなショットを打つのは少し勇気がいることなのですが、今日は練習場なので結果を気にする必要はありません。
面長なタイプはどうしてもヘッドの戻りが遅くなり、今日もそんな感じがしたので、なるべく開閉を小さくして打っていきました。
グースタイプで球はつかまりやすいですが、それをラージサイズでカバーしている感じです。
ソールにあるウェイトも大きく見えましたが、打っていて邪魔に感じることはありませんでした。
ただ、ヘッド全体のバランスとしてはどうなのかな?と思うところはありました。
重心がもっと前にきたほうがフェースを立てやすいですが、元々『スタンディングロフト』なので、整合性がとれているのかもしれません。
『前輪駆動』からくる操作性の良さではなく、『後輪駆動』による安定性を感じさせるアイアンだな・・・。と思いました。
試打後の感想

キャロウェイらしい、ハイテクが詰まったアイアンです。
いろいろな最新技術が詰め込んであると思うのですが、試打してみて、あまり変わらないな・・・。というのが率直な感想です。

しかし変わらないというのは、それが既に正解であるという可能性が高いということもいえます。
もう何年も前(おそらく10年以上前)のアイアンを打っているような感覚になりましたが、ゴルフクラブの進化も、そしてプレイヤーのニーズもそれほど大きく変わっていないのかもしれません。

私はこのアイアンの打感を好きになれなかったのですが、このアイアンが好きで距離感を出せるという方には、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

キャロウェイと言えば『ハイテク』。
そのこだわりとメーカーの工夫がたくさん散りばめられたアイアンだと思いますが、試打しながらずっと『既視感』を感じていました。
既に同じようなものはたくさん出回っているからです。

おそらく、これまでにない新しい技術も投入されていると思いますが、感性の鈍い私はそれを感じ取ることができませんでした。
『MAX FAST』という名前がついているので、『最大限に速く』ということでしょうか?
ドライバーにはドライビングコンテストが開催されることがありますが、もし7番アイアンでも開催されると、このアイアンはいいところまでいくのではないかな?と思いました。

キャロウェイには、これまで以上に科学的な視点で、そして他のメーカーでまだやっていない斬新なことをやってもらいたいです。
昔のビッグバーサを経験している者としては、あの頃のような私たちゴルファーをあっと驚かせて欲しいですし、常識を打ち破るようなクラブを作って欲しいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022年04月11日
キャロウェイ APEX UW

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX UW


シャフトは Diamana です。
ロフトは21度、クラブ長さは40.5インチ、シャフトフレックスはS、トルクは4.9、キックポイントは中調子 です。

キャロウェイのUWという変わったクラブです。
デザイン的にレディスモデルのように見えたので、レディスモデルなら試打を諦めようと思っていたのですが、メンズ用のクラブということで試打することにしました。
ユーティリティのようにも見えますし、フェアウェイウッドのような大きさもあるので、ユーティリティウッドという意味なのかな?と思いましたが、実際のところは分かりません。
以前、APEXユーティリティを試打したことがあり、その姉妹モデルなのではないでしょうか?

こうして見ると、ユーティリティというよりはフェアウェイウッドに近い感じがします。
ロフトが21°ということで、ウッドでいえば7番、アイアンでいえば3番です。
ユーティリティが登場したおかげで、クラブのカテゴリー分けが複雑になったといいますか、重複した部分が出てきましたが、それだけ私たちユーザーに選択肢が増えたということなので、いいことだと思います。
いろいろなクラブがあって、その豊富な中から、自分にピッタリのクラブを選ぶというのも、ゴルフの醍醐味のひとつです。
ゴルファーにとって、相棒となる『クラブ選び』という旅は、ゴルフを辞めるまで終わることはありません。

ネックの長さは標準的で、すっきりした印象です。
キャロウェイのクラブというと、どうしてもスルーボアやショートネックを連想しますが、このクラブは違います。
このようなタイプだと何がいいかといえば、まず『上から捉えるイメージが出せる』ということです。
横から拾っていきたい・・・。という方もいらっしゃると思いますが、ティアップしているときはともかく、地面にあるボールは『上からとらえる』が基本だと私は思っています。
そのほうがクラブの構造上、そして物理的にもスピンが効いて浮きやすく易しくて理にかなっていると実感しているからです。
どのクラブにもロフトがありますが、そのロフトを活かすには、フェース面を『下に向ける(つまり立てる)』意識が必要だと思っています。
よく、フェアウェイウッドやユーティリティ、そしてアイアンでも、球があがらない・・・。という方がいらっしゃいますが、その多くがインパクト、そしてその前後でフェースを上(つまりロフトを寝かせて)とらえるイメージをもっておられるのではないでしょうか?
そういう打ち方だと、ボールをあげるのは至難の業となってしまいます。
理にかなっていない打ち方だからです。
もっとフェース面の上を使っていかなければなりません。
『レベル』でイメージしておられる方もいらっしゃると思いますが、それで球が上がらないのであれば、思い切って逆転の発想で、フェースを下に向けて(上から潰すようなイメージで)打ってみられるといいのではないでしょうか?
それで球が上がるようになると、今まで見なかった景色が見えるようになるかもしれません。
こういったことは、昔はクラブが教えてくれていたのですが、今のクラブはとにかく易しくなりすぎてしまって、教えてくれなくなりました。
易しさの弊害といっていいのかもしれません。
そういった意味でも、私は高重心のアイアンを使い続けて良かったな・・・。と思っています。

ソールにはウェイトがひとつだけ組み込まれています。
『7』という数字が見えたので、おそらく7gではないでしょうか?
ソールには『JAILBREAK AI BELOCITY BLADES』という、お馴染みの文字があります。
AIを初めてクラブに採用したのはキャロウェイでしょうか?

フェース面のデザインはシンプルで綺麗です。
弾きが良さそうな印象を受けました。

トゥ側にある、この『FLASH FACE SS21』もお馴染みです。

ノーマルシャローといっていいでしょうか?
シャローバックではあっても、フェース高はじゅうぶんあります。

顔はまずまずです。
整った、いい形ではあるのですが、やはりフェースが左を向いているように見えました。
ソール部分を見ていたときは、どちらかというとFWの傾向が強いのかな?と思っていたのですが、こうして顔を見ると、UTの色が濃いように感じます。
大きくボテッとしていなくて、結構コンパクトにまとまっているのがいいです。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
軽量タイプのシャフトが挿してありますが、それほど頼りなさはありません。
何度か素振りを繰り返してタイミングを整えました。

装着されているグリップは、色的にもちょっと残念なところがあったのですが、触感はまずまずです。
可も無く不可も無く・・・。というところですが、グリップを見たときのテンションは下がり気味でした。
グリップはクラブのパーツの中で、かなり汚れが目立つところなので、このような色は合わないような気がします。

ボールを前にして構えてみると、やはりユーティリティのような印象をもちました。
やはり『ユーティリティウッド』ということなのでしょうか?
今風の顔で、特に変わったところは見られないですが、このオーソドックスなところに、キャロウェイのハイテクがぎっしりと詰まっているんだろうな・・・。と思いました。
コンパクト感はあるものの、少しつかまえ系の顔です。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
ある意味『想像通り』の打感でした。
適度な柔らかさがありながらも、けっしてボヤけていなくて、球の質感も味わえます。
弾き感が強く、球足が速い印象をもちました。

『音』は、はっきりしているのですが、高すぎず大きすぎずで、しっかりと振っていくことができました。
キャロウェイのクラブはどちらかというと『ホット』というよりは『クール』な印象をもっていますが、そのクールなクラブから放たれるグッドサウンドといったところでしょうか?
この音は以前も耳にしたことがあります。

『球の上がりやすさ』という点では、普通といった印象をもちました。
しかし、この普通というのはあがりやすい普通といいますか、あがりすぎない普通といった感じです。
ちょっとややこしい表現になってしまいましたが、必要以上にあがりやすくしているのではなく、プレイヤーの感覚が届きやすくて、扱いやすいあがりやすさということです。
どちらかといえばヒッター向けなクラブだと思いますが、そのハードルは決して高くありません。
シャロー過ぎるクラブが苦手な方や、シャローフェースによる『フェースの高低』が使えないのは嫌だ・・・。という方には是非試していただきたいです。
このクラブはしっかりと上からとらえることができましたが、一時期流行ったシャローフェースだと、それがとてもシビアになって難しいので、私は苦手意識をもっていました。

『安定性』も高く、シビアさはいっさい感じません。
そういった意味ではとても優秀ですが、今はそういったクラブが多いので、それらの中では普通といったところでしょうか?
構えたときに左へ行きそうな印象をもったのですが、実際に打ってみるとそれほどひどく引っかけるということもなく、ドロー系の球が最初から出ました。
もう少し『先』がしっかりしていると、もっとラインが出しやすくなるかな・・・。と思ったのも事実です。

『飛距離性能』は優れていて、高いパフォーマンスを発揮してくれました。
弾きが良くて初速が出ています。
キャリーもしっかり出ていて、滞空時間が長い弾道でした。
ただ、どちらかといえば『ロー』ではなく、『ミドルからハイ』HSの方に合いやすいクラブだと思います。

『操作性』はなかなかいい感じで、構えたときにUTの印象をもったせいか、普段のUTのような扱いやすさを感じました。
イージー系FWがもつ、あの寛容さ・直進性の高さは無いですが、その分コントロールしやすくなっているようです。
最近は曲がりづらい・曲げづらいと感じるクラブが多くなりましたが、このクラブはそこまで極端ではなく、程よい感じで意思を伝えていけます。
普通に打つとつかまりのいいドロー系ですが、少しだけ右にも曲げることができました。
こういったところが『大顔タイプ』ではないクラブの特長といっていいように思います。
『球持ちの良さ』はありませんが、そこそこ扱いやすいクラブだという印象をもちました。
試打後の感想

『UW』とソールに書かれていて、どういう番手のクラブなんだろう?
最初はレディスモデルかな?と思いましたが、試打しながら、やはりユーティリティとフェアウェイウッドの『融合型』といいますか、まさにハイブリッド的なクラブだという印象をもちました。

カテゴリー毎の線引きが曖昧になっているように感じますが、ルールには全く違反していないですし、こういったクラブがどんどん出てきてもいいと思います。
最近はドライバーをバッグに入れず、『飛び系のスプーン』を入れておられる方も多くなりましたし、14本以内という制限の中で、自分が得意とするクラブを使うのは当たり前のことです。
昔は苦手なクラブでもあえてバッグに入れているということが普通でしたが、今はそうではありません。
コースで使わないクラブをバッグに入れておく必要はないですし、そんなのは無駄です。

そういった意味でも、このクラブは実戦向きといいますか、コースでも使う場面が多くなるような気がします。
どちらかといえばウッド系よりもアイアン系クラブが得意な方にメリットが大きいのではないでしょうか?
最近のフェアウェイウッドに難しさを感じておられる方や、ユーティリティのほうが好きだという方に合いやすいクラブだと思います。

UWということで、ユーティリティウッドということなのだと思いますが、総合的に見て、その『中間点』ではなく、『ユーティリティ寄り』のクラブだという印象をもちました。
正直、今の私にはこのクラブを今すぐ導入しなければならない・・・。ということはなかったのですが、とても面白いクラブだと思います。

ハイテクだけでなく、こういった自由な発想で、これからもキャロウェイには私たちゴルファーにとってメリットの大きいクラブを開発していって欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マスターズ限定モデル
2022年03月04日
キャロウェイ ROGUE ST MAX FASTドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ ROGUE ST MAX FAST ドライバー


シャフトは SPEEDER NX 40 for Callaway です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は46g、トルクは5.2、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は278g です。

久しぶりのROGUEニューモデルです。
以前、ROGUEのドライバーを試打してから、ニューモデルが出なかったので、もう廃番になったのかと思っていたのですが、今年になって復活してきました。
キャロウェイはたくさんのブランドがありながら、結構消えていくといいますか、統合されるような形になることが多いので、ROGUEもそうだろうと思っていましたし、裏を返せばそれだけ強力なモデルがたくさんあるということです。
最近は見かけませんが、いずれ『ビッグバーサ』が復活するのではないでしょうか?
ゴルフクラブに革命を起こし、キャロウェイにとって決して外すことができないクラブです。
ゴルフへの入口はビッグバーサだった・・・。という方は多いのではないでしょうか?
それくらい大流行しました。
以前も書きましたが、『ROGUE』という単語の意味があまり良くないので、それを名前にするのはどうかな?と思っています。

これまで通り、ラージ&シャロー形状のヘッドです。
前のモデルよりも、デザインがカッコ良くなったような気がします。
キャロウェイのクラブは合理性・機能性を重視したデザインが多いですが、このクラブもそのようです。

ネックの長さは標準的です。
前のモデルには調整システムが搭載されていましたが、このモデルにはありません。
不要だということでしょうか?
それとも調整システムをつけるよりも、ヘッド自体の性能をあげることに注力したのでしょうか?

バックフェースには大きなウェイトがあります。
ここまで大きいのは最近では珍しいような気もしますが、それだけ重心の深さにこだわっているのかもしれません。

ソールのフェース寄りには『JAIL BREAK AI』の文字があります。
このドライバーもヘッド内部に柱のようなものがあるのでしょうか?

ヒール側にも大きなウェイトがあります。
バックフェースのウェイトで重心深度を保ち、ヒール側にもうウェイトを配置して、重心を短くしているようです。
これまでラージサイズのドライバーでは、重心を長くするために、トゥ側に配置されているものが多かったように思いますが、最近では見られません。
どのメーカーも『球をつかまえて飛ばす』ということに重きを置いているのでしょうか?
重心距離を長くして、少しでもヘッドスピードをあげるよりも、確実につかまえて飛ばしたほうが効率的だということなのかもしれません。

見慣れたシャローです。
この形状は多くのメーカーに共通します。
シャローヘッドではありますが、クラウンが少し盛り上がっていて、『フェース高』が保たれているのが、今のドライバーの特徴です。
以前のように、シャローフェース&シャローバックタイプのドライバーは見られなくなりました。
しかし、こういったことは流行のようにまたやってくるので、いずれ見られるようになるのではないでしょうか?

フェース面のデザインは正直、あまり好きではありません。
少しチープに見えて、フィーリングが伝わって来ず、冷たい印象をもちました。
フェース面には細かなミーリングのようなものがありますが、それほど目立ちません。
弾きが良さそうだな・・・。とは思いつつも、このフェース面を見て、インスピレーションは湧いてきませんでした。
クラブの中でフェース面は私にとって特に興味深いところのひとつで、まじまじと見ることが多いのですが、今日はあまり見ないでさらっと流すような感じです。

トゥ側には『FLASH FACE SS22』の文字があります。
これまでのモデル同様、かなり工夫されたフェース面のようです。

顔は独特でした。
とはいっても、ここ数年よく見るタイプで、フェースが左を向いていますし、ヘッド後方も大きく膨らんでいます。
これが今のキャロウェイ顔ではないでしょうか?
フェースが左を向いているというだけでなく、私には『首が曲がっている』ように見えてしまいましたが、クラウンの質感が良くなっているのが好印象です。
艶消しタイプで、何ともいえない落ち着きがあり、高級感も出ています。
これまで、キャロウェイのクラブでクラウンがチープに見えてしまうものも過去にはあって、あまり好きになれなかったのですが、このクラウンの質感は好きです。

クラウンがカーボンコンポジットであることがすぐに分かりました。
やはり、かなり低重心化しているのだと思います。

装着されているグリップは、キャロウェイらしく機能的なタイプです。
最近はこのようにグリップのデザインが場所によって変わっているものが多くなりました。
今回キャロウェイはグリップにも力を入れているようです。
ただ、右手で握る部分はしっとり感ではなく、グリップ感が強調されていて、滑りにくくしていて、グローブをはめる左手の部分はソフトにしてあるので、逆のほうがいいんじゃないかな?と思いました。
とはいっても、ドライバーはアイアンやウェッジほど精密さは必要ないので、『しっとり感』よりは滑りにくさが優先されているのだと思います。
私はアイアンやウェッジにはツアーベルベットしか挿しませんが、ドライバーやFWにはツアーベルベット以外のグリップを挿すことも多いので違和感などはありません。

ボールを前にして構えてみても、やはり構えづらくて頭の中がモヤモヤしてきました。
しかし、これが今のスタンダードで、多くのモデルに採用されていて何年も経っているということは、それだけ高いニーズがあるからだと思います。
私には苦手な顔なので、あまり見ないようにして、イメージを限定せずに『出たとこ勝負』的に構えることにしました。
普通に打つと大きく左に巻いてしまいそうだったので、右に向き直して構えました。

シャフトはとても軟らかいです。
『舞うような』柔らかさといったらいいでしょうか?
球を打つと『当たり負け』するといいますか、少し押し戻されそうな感覚がありました。
私はボールを後ろから『押せる』シャフトが好きなのですが、このシャフトは違います。
硬い・軟らかい関係なく、シャフトには『骨』を感じていたいのですが、このシャフトには感じられませんでした。
軟らかくても骨が感じられ、しっかりした印象をもつシャフトもありますが、このシャフトはどちらかというと『無脊椎動物』のような印象をもちました。
試打を開始しました

『打感』は予想していたよりも好印象です。
フェース面を見ていたときから、なんとなく硬そうな打感を予想していたのですが、いい意味で違いました。
球の質感も感じやすかったですし、はっきりしているのですが、硬くなく少しソフトでした。
『フェース面全体』で弾き飛ばしているような感覚です。
フェースの厚みも、ルールギリギリまで薄くしているのではないでしょうか?
かなりの反発力があります。

『音』も、いい意味で予想と違いました。
キャロウェイはやはり、あの独特の甲高い音が印象的なので、そういう音を予想していたのですが、実際は違っていて、高すぎずインパクトも緩みません。
音が高すぎると、そのクラブに対する『格』のようなものが下がってしまうこともあるのですが、このドライバーにはそのようなことはありませんでした。

球はとてもあがりやすく、タフさは全くありません。
スインガータイプの方に合いやすいドライバーだと思います。
かなり軽量感があり、シャフトもよくしなるので、シニアゴルファーの方や、女性ゴルファーの支持も集めるのではないでしょうか?
カッコいいデザインで、いかにもアスリートっぽい感じがしますが、とても親しみやすくなっているドライバーです。
『縦のばらつき』にも強いようで、やや下目で打っても、じゅうぶんあげてくれました。
何か特殊な工夫がされているのかもしれません。

『安定性』も高く、オートマチックタイプなドライバーですが、私にはつかまり過ぎて、ややフック系の球が出ました。
しかし、このつかまりといいますか、左方向へ飛ぶのは、構えたときに感じた球筋と完全に一致していたので、そういう意味では正確性があり、凄いな・・・。と思いました。
最近のクラブはヘッド内部にいろいろな工夫がされ過ぎているのか、構えたときの印象と実際の球筋が違うこともありますが、このドライバーは『見た目通り』でした。
フッカーには難しいところもあると思いますが、それだけこのクラブは球のつかまりがいいということなので、スライサーの方に親しみやすい性能といえるのではないでしょうか?

かなりの軽量感があるので、正直飛距離はどうなのかな?と打つ前は思っていたのですが、いい感じでした。
球はよくあがりますし、弾きがとてもいいです。
スピン過多を心配していたのですが、このようなタイプでは、結構抑えられている印象をもちました。
これもキャロウェイのハイテクが活きているのではないでしょうか?
少し叩きに行くと、吹き上がる感じがしましたが、昔ほど高くあがって急激に落ちてくるということがないので、飛距離のロスは抑えられているように感じました。
球も右に逃げることが無いので、『効率がいい』といいますか、『隙間無く飛ばせる』印象です。

『操作性』という点では、あまり高くはないですが、それだけオートマチックな性能が強いということがいえます。
先ほども書きましたが、私が普通に打つならフック系のほうが出やすいです。
右にも曲げてみようと思い、結構カットに打ってみたのですが、なかなか右に曲げることができず、苦戦しました。
『逃がし顔(開き顔)』のドライバーで左へ曲げるのは、それほど難しくありません。
それは構えたときに、予め左を向けることができるからです。
しかし、つかまえ顔のドライバーでは、いくら開こうとしても、その限界がすぐに来てしまうので、応用が利きません。
いわゆる『一方通行』タイプのドライバーといえます。
昔は『スプレータイプ』のドライバーが多く、それなりの支持を集めていましたが、今はそういったタイプよりは一方通行タイプのほうが人気が高いのではないでしょうか?
試打後の感想

一昔前の、ラージサイズは確かにスイートエリアが広くて弾きもいいけど、球がつかまらず右にすっぽ抜ける・・・。という弱点を見事に克服したモデルが多くなりました。
それでラージサイズを敬遠していた方が、ラージサイズを使い出したということもあるのではないでしょうか?

フェース面の質感があまり好きではなかったのですが、打感は良かったですし、構え感以外はフィーリング的に苦手に感じるところはありませんでした。
特にクラウンの質感が良くなっているのが印象的です。

出やすい球筋・高さなどが予想通りで、納得できる部分がありました。

結構クセのあるドライバーですが、このクセが受け入れられているのだと思いますし、世界有数のハイテクゴルフクラブメーカーであるキャロウェイが出した答えなのだと思います。
最終形ではありませんが、今のところ、これがベストということなのかもしれません。

このドライバーは私にはちょっと合いづらいところがありましたが、他にも性格の違うモデルがラインアップされているということなので、今度機会があれば、是非そちらも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
キャロウェイ キャディバッグ グレーズ 22 JM
2021年11月05日
キャロウェイ X FORGED STARアイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ X FORGED STARアイアン


シャフトは N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 です。
ロフトは29度、シャフトフレックスはS、バランスはD1、キックポイントは元調子、クラブ総重量は426g です。

とてもカッコいいキャロウェイのニューアイアンです。
軟鉄の質感が美しく、目の保養になります。
以前も書きましたが、キャロウェイのアイアンは誕生時から苦手にしていました。
PINGとキャロウェイのアイアンは『トップ2』といってもいいほど苦手でした。
それはあの独特な形状にあり、いいイメージが出ず、違和感を覚えることもたくさんあったからです。
構えてみても頭の中がモヤモヤして、いい当たりが出ませんでした。
なんとか打ちこなしてみようと、たくさん球を打ちましたが、どうしても馴染めず苦手意識だけがどんどん膨らんでいき、もうキャロウェイのアイアンを手にするのは止めよう・・・。と思うこともあったほどです。
そんなときに、キャロウェイXフォージドの初代モデルに出会いました。
これまではステンレスだったのが軟鉄に変わり、オーソドックスでシュッとした形状に生まれ変わっていたので少し驚きました。
いい意味で、キャロウェイアイアンらしくなかったからです。
そのアイアンを試打してすごく気に入り、キャロウェイアイアンに親近感をもつようになりました。
あれからかなりの年月が経ちましたが、その後継モデルが、このX FORGED STARアイアンです。

オーソドックスなタイプで、バックフェースの形状がシンプルなところに好感が持てます。
これまで、キャロウェイのアイアンはどちらかというと、『混合型』といいますか、いろいろな素材やパーツを組み合わせて(といいますか貼り付けて)構成されていた印象が強いのですが、このアイアンはこうして見る限り、単一のように見えます。
内部にタングステンなどが組み込まれているのかもしれませんが、外観では分かりません。
大きさも標準的でボテッとしていないところに好感が持てます。
ヒッティングエリアが肉厚になっているのが良く、いわゆる『凸型キャビティ』です。
昔に比べ、かなり低重心化しましたが、それでもアイアンの重心というのは比較的上にあるものなので、最低ここまで肉厚でなければなりません。
もう少し上まで肉厚でもいいですし、もし私がクラブデザイナーなら、そうすると思います。
私は重心の高いアイアンが好きです。

とてもカッコいいアイアンなので、一見ハーフキャビティに見えなくもないですが、こうして見ると彫りの深さもたっぷりあって、ノーマルキャビティ(フルキャビティ)であることが分かります。
易しさと打感の『いいとこ取り』したアイアンのようです。

トップラインの厚みは標準的です。
ヘッド全体がピカピカ光るミラー仕上げではなく、いい感じの『艶消し』になっているのですが、独特な光沢感があるところに、キャロウェイアイアンらしさを感じました。

ソール幅は少し広く見えましたが、今はこれくらいが普通なので、『今時のソール幅』といっていいのではないでしょうか?

ソール形状はちょっと独特といいますか、最近では少なくなったタイプです。
ソールが平らに近いのではなく、微妙に丸みを帯びているのですが、結構バンスが効いている感じがします。
リーディングエッジやトレーリングエッジも微妙に削られていて、『芝に刺さる』イメージは出てきません。
スーッと滑ってくれる・・・。といいますか、抜けてくれる感じです。
最近のアイアンの多くが、全体的に丸みがあって、どちらかというと『水平に近い』イメージが浮かんでくるのですが、このアイアンのようにバンスが効いていると、ダウンブローで入れるイメージが浮かんできます。
ソール形状は、『ヘッドの抜け』や『入れる角度(入射角)』をイメージさせる部分でもあります。
昔から、このようなアイアンはたくさんありましたが、最近は少なくなったような気がしていました。

ネックの長さも標準的です。
キャロウェイのアイアンといえば、『スルーボア』のイメージが今でも強いですし、それ以外にもショートタイプが多くありました。
また昔はホーゼルが太く、『頭でっかち』でボテッとしたものもたくさんあったので、目で楽しむことができなかったのですが、このアイアンはとても良くて気分が和みます。
ホーゼルの独特な丸みがいい雰囲気を醸し出していて、美しいです。
こうして見ると、少しグースが効いているのが分かりますが、極端ではありません。
『セミグース』といっていいように思います。

フェース面にミーリングは無く、よく見られる『スタンプタイプ』の無機質な感じがします。
ここにはあまり手を加えていないようです。
長年、いろいろなアイアンを見てきましたが、このようなフェース面が圧倒的に多く、変わらない感じがします。
バックフェースのデザインやソール形状・ネックの長さ・トップラインなどは、いろいろな工夫がされていますが、フェース面(主にスコアライン)はシンプルな『スタンプタイプ』が圧倒的に多いです。
ここの部分はルールで厳しく制限されていますし、手を加えすぎてしまうと価格にも影響を及ぼすからなのかもしれません。

装着されているグリップはツアーベルベットで、好感が持てます。
微妙なフィーリングを出していくのに最適なグリップで、ロングセラーを維持し続けています。
今はグリップもいろいろなタイプが出てきて、それぞれ工夫が見られますが、私の中ではこれを超えるグリップには出会えていません。
『耐久性』や『滑りにくさ』という点では、もっと高得点のグリップもありますが、ツアーベルベット独特の『しっとり感』が私を魅了し続けています。
キャロウェイのロゴが、とてもカッコいいです。
このグリップが別売りされていると嬉しいのですが・・・。
私は今、キャロウェイのアイアンを使っていませんが、このグリップをまとめ買いしたくなりました。
バックラインが入っていないのもいいです。
ずっと前から、バックライン有りのグリップが圧倒的に多かったように思うのですが、このアイアンにはありません。
バックラインが有るか無いか・・・。これは好みの問題で、どちらがいいというものではないですが、私は無いほうが好きなので、さらに親近感が増しましたが、バックライン有りを好まれる方はとても多いと思うので、不満に感じる方がいらっしゃるかもしれません。

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
最近はこのように『ちょい軽タイプ』といったらいいでしょうか?
DGやモーダスの重量タイプより、少し軽いタイプのシャフトが多くなったような気がします。
これくらいのスペックが『中央値』といっていいのかもしれません。
DGやモーダスの125は重いけど、かといってNSPRO950は軽すぎて合わない・・・。という方には、ジャストフィットするのかもしれないですし、カーボンを愛用しておられる方もすんなりとスイッチしやすい『ちょうどいい重量』なのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
美顔で独特な光沢感もあって、これこそが『Xフォージド顔』だな・・・。と思いながら見ていました。
少しグースが効いているのと、トップラインも微妙に丸みを帯びているので、『包み込む』イメージを出しやすい方も多いのではないでしょうか?
大きさもいい感じで、主張しすぎていません。
小顔タイプではありませんが、かといって『面長』というほどでもなく、ノーマルサイズといっていいように思います。
ボールの存在感が際立つ大きさ・・・。といったらいいでしょうか?
ボールの飛び出す映像(イメージ)が浮かんできます。
今はたくさんのゴルフクラブがあって、メーカーそれぞれがいろいろな主張をしています。
あまりにもたくさんあって私たちユーザーは、どれを選んでいいのか分からなくなりますし、クラブが主役のように思えてきますが、そもそもゴルフというスポーツは『カップインまでの少ない打数』を競うものであり、『ボールの行方』といいますか、いかにボールをイメージ通りコントロールしていくか・・・。が重要で、クラブではなく、ボールが主役なのだということに気づかされます。
強いグースやラージサイズのアイアンを好まれる方には、かなり構えづらいところがあるかもしれません。
今はアイアンのロフトがバラバラなので、『面(ロフト)』の見え方も様々ですが、このアイアンはかなり『立って』見えます。
『スタンディングロフト化』して久しいですが、アイアンの中には、このロフトの見え方がボヤけて見えるものもあるのですが、このアイアンはくっきり見えました。
私の感覚ではやはり5番くらいのイメージをもってしまうのですが、それをあまり感じないように、淡々と打っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、かなりいいです。
軟鉄独特の柔らかさがあり、心地よさが残ります。
『鉄の柔らかさ』といっていいのかもしれません。
中空のような『空洞感』は無いですし、『樹脂をインサート』した、あの『もやっとした』タイプのアイアンとも明らかに違うので、おそらくこのアイアンは軟鉄ワンピースタイプなのだろう・・・。と思いました。
程よい厚みと『まったり感』があり、これだからフォージドアイアンは止められません。

『球のあがりやすさ』は普通・・・。といった感じがしますが、ロフトが立っていることもあり、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいアイアンだと思います。
『やや軽量タイプ』でありながらも、『物理的なあがりやすさ』を求めて作られたアイアンではないような気がします。
今のクラブはアイアンやドライバーなども含め、ウェイトが内部に組み込まれていて、外からでは見えないものが多いですが、おそらくこのアイアンにはウェイトも組み込まれていないだろう・・・。と思いました。
先ほどもソール形状のところで書きましたが、やはりある程度は『ダウンブロー』で上から少し押していく感じのほうが、スピンが効いてあがりやすいように感じます。
それほど重心の高いアイアンではないと思いますが、『横から』というよりは、少し『上から』のイメージで打ったほうが合いやすいのではないでしょうか?

『安定性』という点では、フルキャビティらしい易しさがあり親しみやすいです。
シビアさは感じませんが、バリバリの『オートマタイプ』というよりは、『扱いやすさ』を残した易しさ・・・。といったらいいでしょうか?
マニュアルタイプとオートマチックタイプの中間くらいにあるアイアンといっていいのかもしれません。
構えやすいのでいいイメージが出やすいということもありますし、やや軽量ではあるものの安定性の高いシャフトが挿してあるということもあり、打点がブレにくいです。

『飛距離性能』は優れていて、今時の『飛び系』だな・・・。と思ったのですが、正直それほど尖った感じがしません。
どちらかといえば『飛距離最優先』で開発されたアイアンではないように感じます。
私の感覚では『一番手上』くらいの飛びです。
今は『2番手以上』のアイアンがたくさんあるので、それらと比べると、少し足りないのかな・・・。と思ってしまいますが、私はアイアンに飛距離を求めていないので、これでも『飛びすぎ』なところがあります。
今主流の飛距離最優先のアイアンを『ディスタンス系』と呼ぶならば、このアイアンは『セミディスタンス系』といったところでしょうか?
飛ぶけど飛びすぎない、そしてしっかり高さも出していけるアイアンです。
飛距離最優先のアイアンはどちらかというと、ヒッターをあまり対象にしていない印象がありますが、このアイアンは最初からキャロウェイがヒッター向けに開発したタイプの『やや飛距離重視系』アイアンといっていいように思います。

『操作性』は、いい感じです。
これまでの経験が活かせるタイプといいますか、『雑味の無いクリア感』といいますか、邪魔をするものが無いので、球筋をコントロールしやすいです。
キャビティらしい大らかさがありながら、決して曲がりづらいというタイプではなく、左右どちらにも反応してくれました。
私はフッカーなので、少し球がつかまりやすい印象をもちましたが、左が気になることはありませんでした。
直線というよりは『微妙な曲線』を描いていけるアイアンで、こういうタイプは実戦でもすごく役に立ちます。
ドライバーではオートマチック的に真っ直ぐ打ちたいけど、アイアンは距離もコントロールしていかなければならないので、微妙に曲げるといいますか、自分の持ち球で勝負していきたい・・・。という方は多いのではないでしょうか?
ドローヒッターもいいですが、フェードヒッターで強いグースが苦手だという方には、かなりマッチしやすいのではないでしょうか?
球がよくつかまってくれ、右に抜ける感じはありませんでした。
『つかまったフェード』を打つためのアイアンといって過言では無いかもしれません。
試打後の感想

最近では珍しいといいますか、少数派の『ピュア』なアイアンという印象をもちました。
いい意味でいえば『正統派』。
違う意味でいえば『それほどお助け機能が無い』。

バックフェースのデザインなどはとても美しいけれど、『既視感』があって、特別目新しさは感じなかったのですが、試打しても同じような印象をもちました。

飛びの性能も少し高めているけど、それほど極端にしない。
構えやすさや打感にも配慮して、ちょうどいい『さじ加減』ができているアイアンといっていいように思います。

それほど飛ぶアイアンではないので、カッコいいアイアンを使って、とにかく飛距離も出していきたい・・・。という方には、少し物足りなさが残ってしまうかもしれません。
飛ばないことも性能の一部だと私は思っているのですが、今のニーズはそうではありません。
ドライバーだけでなく、アイアンも飛距離が求められる時代です。
なので、このアイアンはそれほど多くの支持は集められないのかな・・・。と思いました。

軟鉄アイアンは難しい。
ステンレスアイアンは易しい。
というイメージを持っておられる方は少なくないかもしれません。
しかし実際はそうではなくて、軟鉄でも易しいアイアンはたくさんありますし、ステンレスでも難しいアイアンもたくさんあります。
素材による違いもありますし、それぞれ一長一短あるので、どちらがいいというものではなく、好みで選ぶべきです。
私は軟鉄アイアンでゴルフ人生をスタートさせ、それが今も続いていますし、これからも軟鉄アイアンしか使いません。

いい意味で、このアイアンは『見た目通りの性能』だな・・・。と思いました。
ドライバーなどのように設計自由度の高いクラブは見た目と実際の性能が必ずしも一致しないものですが、それほど設計自由度が高くないアイアンは見た目の印象と実際の性能がかなり近くなるものです。
それでも研究が進み、ヘッド内部に異材を組み込んだり、空洞にしたりして、見た目とのギャップのあるアイアンが増えてきました。
しかし、このアイアンはそういったところが感じられず、見た目の印象と合致する性能があり、最近では少なくなっています。
最新モデルでありながら、それほどハイテク感は無いかもしれませんが、そういったベーシックタイプを好まれる方には合いやすいアイアンではないでしょうか?
ただ私には『飛びすぎ』なところがあるので、やはり選択肢には入らないのですが・・・。
これらかもキャロウェイには、このようなカッコいいクラブを発表してもらいたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年09月10日
キャロウェイ EPIC MAX FAST ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC MAX FAST ドライバー


シャフトは Speeder EVOLUTION for Callaway です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は45g、トルクは6.2、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は272g です。

キャロウェイエピックシリーズのドライバーです。
以前、『LS』というドライバーを試打しましたが、今日はFASTです。
文字通り、打球が速いということでしょうか?

ラージサイズでシャロー感のあるヘッドです。

ウェイトが移動できるのはLSと同じです。

このJAIL BREAK AI SPEED FRAMEもお馴染みになりました。

ネックは短めで調整機能は搭載されていません。

シャロータイプですが、クラウンが盛り上がっていて、キャロウェイらしい形状です。

このフェース面も見慣れた感があり、弾きが良さそうな印象を受けます。

独特な顔です。
もっとシュッとしたいい顔を予想していたので、ちょっと残念ではあったのですが、あくまでも私の好みでないということであって、この顔が良くないということではありません。
フェースが左を向いているように見えますし、後方もヒール側が膨らんでボテッとしているので、『ドローバイアス』の掛かった顔といっていいように思います。
この顔なら、テーラーメイドだったら『DRAW』という名前がつくと思いますが、それが無いということは、キャロウェイにとって、この顔がスタンダードなのでしょうか?

装着されているグリップは以前試打したアイアンと同じです。

素振りをしてみると、かなり軽くて見た目とのギャップを感じました。
見た目はアスリート仕様でありながら、かなりのソフトスペックになっているので、シニア層の方をターゲットにしているのかもしれません。

ボールを前にして構えてみても、つかまりそうな顔ではありますが、極端ではありません。
ただ少し右を向いて構えたくなったので、構え直しました。
なかなかテンションがあがりません。
淡々とした気持ちで、足を小刻みに動かしながらテークバックのタイミングをとっていました。
試打を開始しました

弾き感のある打感で、キャロウェイらしいです。
この球離れの速さはトップクラスといっていいように思います。
手応えがありますが、堅いというよりは、『ややソフト』という打感です。

音はやや大きめですが、甲高くなく好感が持てます。

球はあがりやすく、タフなドライバーではないですが、高~く上がって終わり。という打球ではなく、伸びがありました。

『安定性』も高く、構えたときの印象通り、球をしっかりとつかまえてくれます。
私は持ち球がフック系なので、つかまり過ぎに感じますが、フェード系が持ち球の方には、ほぼストレートに飛んでいくのかもしれません。

キャロウェイらしく、ポテンシャルの高いドライバーですが、これまでのモデルと比べて、特に性能がアップした感じはしません。
少し叩いてみたくなって叩いてみたのですが、結構スピンが増える感じで、やはり私には合っていないように感じました。

『操作性』という点では、明らかに劣っているといいますか、『操作しづらい』タイプのドライバーです。
それはヘッドにもシャフトにもあります。
ほぼ自動的にドロー系の球筋が出やすい造りになっていることと、シャフトも先が動く感じで『つかまりの二乗』といったらいいでしょうか?
右へは曲げにくいドライバーです。
試打後の感想

弾きの良さとつかまりの良さ。
それに『軽さ』が加わったドライバーといった印象を受けました。

見た目以上の『ライトな』といいますか、ソフトなスペックに仕上がっているのが、予想外でした。

名前はFASTよりは『LIGHT』のほうが相応しいのではないかな?と思いましたが、それでは売れにくいのかもしれません。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年08月26日
キャロウェイ EPIC MAX FAST アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC MAXFAST アイアン


シャフトは N.S.PRO Zelos 7 です。
ロフトは26度、シャフトフレックスはS、トルクは2.6、キックポイントは中調子、クラブ総重量は365g です。

キャロウェイEPICシリーズのニューアイアンです。
毎年、ニューモデルが登場するのは秋か年明けが多いように思うのですが、今のような夏にニューモデルに出会えるのも、とても嬉しいです。
コロナ渦で、クラブの生産に支障が出ているメーカーも少なくないようで、最近はなかなか出会えません。
様々なところで、コロナの影響が出ています。

キャロウェイらしい独自の工夫が見られます。
バックフェースにある、黒いパーツには『TUNGSTEN』の文字があったので、ウェイトだということが分かりました。
この工夫は以前試打したモデルにも見られます。
おそらく、同じような意味なのではないでしょうか?

独特な膨らみがあるので、おそらく中空だろうと思ったのですが、これまでの中空のように、プクッと膨れていなくて、普通のアイアンのように見えます。
ボテッとした厚めの中空ではなく、スタイリッシュな『薄めの中空』といったところでしょうか?

トップラインは少し厚めではありますが、気になるほどではありません。

ソール幅は標準的です。
それよりも、この形状(丸み)がよく目立っていました。
私はこのようにカーブを描いているよりも、真っ直ぐでシャープな形状が好きですが、このような形状だと『つかまる』イメージを出しやすい方は多いのではないでしょうか?
キャロウェイらしいといいますか、海外メーカーのアイアンらしい質感だな・・・。と思いながら見ていました。
ステンレスっぽい質感と光沢感があり、少しチープといいますか、いかにも『大量生産』っぽいです。
ミズノや三浦技研はアイアンが得意なメーカーですが、その真逆のウッド系クラブが得意なメーカーのアイアン・・・。といったらいいでしょうか?
こういうタイプのアイアンは長く使うというよりは、結構短いスパンで買い換えるタイプに多いような気がします。

ネックの長さは標準的です。

ホーゼルには『FORGED E21・』という刻印がありました。
これはどういう意味なのでしょうか?

フェース面にミーリングは無く、ごくシンプルなフェース面です。

装着されているグリップが大きく変わりました。
これまではソフトフィーリング系のグリップを挿しているものが多かったのですが、このグリップはソフトというよりは『しっかり系』といいますか、グリップ力が強くて滑りにくいタイプです。
私はツアーベルベットなど、ソフト系のグリップが好きですが、このようなしっかり系のグリップを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
特に大きなクセは見られません。
少しグースが利いていますが、リーディングエッジがストレートに近いので、ターゲットラインに対して垂直に構えやすいです。
トップラインが少し厚く見えましたが、気になることはありません。
こうして構えるまでは、『つかまえ系』の顔をしているんだろうな・・・。と思っていたのですが、実際は少し違っていて、『逃がす』イメージも出していけるので好感が持てます。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
『薄め』といいますか、『空洞感』のある打感ですが、これまでの中空アイアンよりは好感が持てます。
『密着感』はありませんが堅くなく、打っていてストレスを感じません。

球はあがりやすくてイージーです。
見た目はいかにもアスリート向けなデザインですが、球があがりやすくて親しみやすいアイアンです。
ヒッタータイプの方はもちろん、スインガータイプの方にも合いやすくなるように設計されているのではないでしょうか?
ロフトが立っていますが、重心が深いので、フェースが上を向きやすくなっているのかもしれません。
上から抑えて潰して打つ・・・。というよりは、ボールの横から払っていくイメージで充分あげてくれました。

『安定性』は普通です。
シビアさは無く、大らかなところがありますが、完全なオートマチック系というよりは、中間くらいにあるように感じます。
スイートエリアも広めではありますが、フェース面のほぼ全てというほどの広さではありません。

『飛距離性能』はとても高いです。
2番手以上は楽に飛ばしてくれ、7番とは思えないほどよく飛ばしてくれました。
ロフトが立っていることはもちろん、弾きも関係しているのかもしれません。
練習場の200Yの看板を超えていくので、よく飛ぶのは凄いけど、コースで使うのは怖いな・・・。と率直に思いました。
これまで同様に飛ぶディスタンス系アイアンをたくさん試打してきましたが、このアイアンのようにすっきりしてカッコいいデザインは稀でした。
飛距離性能は今の最先端と同レベルですが、カッコ良さや構えやすさをしっかり考えて設計されているのではないでしょうか?

どちらかというと『弾き系』で、『乗っかり感』があまり無いのですが、左右へ曲げるのは難しくありませんでした。
敏感に反応するのではなく、ややスローな感じではあったものの、左右どちらへも偏った感じがしなかったところに好感が持てました。
構えやすかったというのも大きいのかもしれません。
ただマニュアルタイプか?と聞かれれば、私は『セミオートマチックタイプ』だと答えます。
試打後の感想

キャロウェイらしいデザインで、いい意味での『ワンパターン感』がありました。

キャロウェイはどちらかというと、フィーリングよりは『ハイテク』といいますか、『メカニカル』なところを重視しているように思いますが、このアイアンは『カッコ良さ』にも力を入れているのかもしれません。

ただ、以前試打したモデルと大きく進化したか?と聞かれれば、私は疑問符がつきます。
もちろん、これまでに無い新たな技術が投入されているとは思うのですが、それでこのアイアン自体が大きく変化したとは思えません。

これは実際に打ち比べてみないと分からないところではありますが、おそらく大きな進化はしていないと思います。
あくまでも、ごく僅かな『マイナーチェンジ』といった印象をもちました。
それくらい、もうアイアンの『伸びしろ』は大きく残されていません。

カッコいいアイアンですが、ハードルの高さはそれほどでもなく、むしろ親しみやすい性質があります。
これが中空の一番のメリットといえるのではないでしょうか?
カッコいいけど、易しさも充分配慮されている・・・。
しかしフィーリングがどうしても犠牲になってしまう・・・。
人によって、どちらを重視するかは大きく変わってくるので、『易しさ』や『飛距離』を求めていきたい方には魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

これからのキャロウェイにも、要注目です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年05月21日
キャロウェイ APEX アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX アイアン


シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は423g です。

キャロウェイの新しいアイアンです。
先日、APEX PRO というアイアンを試打しましたが、今日は姉妹モデルです。
キャロウェイアイアンらしいデザインで、以前試打した、レガシーブラックアイアンを思い出しました。
レガシーブラックの後継モデルという位置づけなのでしょうか?
落ち着いたデザインで好感が持てます。

大きさは標準的です。
セミラージサイズなのかな?と思いましたが、そうではありません。
フェース高が低めで、シャロー系のアイアンといっていいように思いますが、今はこれくらいが主流で、フェース高が高い(ディープフェース)のアイアンは少なくなりました。

彫りの深さもたっぷりあって、メカニカルなフルキャビティといった感じです。

トップラインはやや厚めですが、極端ではないですし、輪郭も丸みが強調されていないので、イメージも出しやすそうです。

ソール幅は標準的です。
バックフェース側の丸みが目立ちます。
私はもっと真っ直ぐなほうが好きですが、このような形状だと『包み込む』イメージを出しやすいという方も多いのではないでしょうか?
つかまりの良さをイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。

ソールは全体的に微妙な丸みがあります。
リーディングエッジとトレーリングエッジの削りはあまり見られません。

ネックの長さは標準的です。
長くもなく、短くもありません。

ホーゼルにはFORGEDの文字があります。

フェース面にミーリングはありません。
シンプルで綺麗なフェース面です。
スコアラインの数は14本なので、平均的といっていいように思います。
キャロウェイのアイアンはスコアライン同士の間隔が狭く、本数が多いイメージがありますが、このアイアンは『日本的』といいますか、奇をてらったところはありません。
スコアラインではなく、その間の平らな部分でボールを乗せて運びたいという方は、これくらい間隔があったほうがいいような気がします。
実際に『熱い』とか『冷たい』ということはないのですが、フェース面にも『温度』のようなものを感じることがあり、このアイアンは『クール』なタイプです。
感情の起伏が無く、常に一定な印象をもちました。

装着されているグリップは、ツアーベルベットでとても良く、キャロウェイのロゴもカッコいいです。
ソフトなフィーリングで、打つ前からテンションがあがります。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
軽量タイプではありますが、それほど頼りない感じはしません。
タイミングもすぐに整えることができました。

ボールを前にして構えてみても、いい意味で『意外』といいますか、クセの小さい顔で好感が持てました。
もっとクセのきつい顔をしているのかと思いましたが、違いました。
こうして見ると、やはりレガシーブラックの後継なのかな?と思います。
独特の光沢感がキャロウェイアイアンらしいです。
タイトリストのアイアンに近いものがあります。
ボールとの大きさの対比が良く、ボールが際立って見えます。
ラージサイズを好まれる方は小さく感じられるかもしれません。
グースは少し利いていますが、これくらいであれば全く問題ありません。
試打を開始しました

『打感』はまずまずです。
ある程度予想していた通りのフィーリングです。
弾き感はあるものの、それほど強烈ではなく、ややまったりしたところがあります。
『厚みで押していく』とか、『乗せて運ぶ』というフィーリングではないのですが、このようなタイプもたくさん試打してきましたし、違和感などはありません。
キャロウェイらしいといいますか、ハイテクタイプのアイアンらしい打感です。

球はあがりやすく、打ち出しも高いです。
カッコいいアイアンですし、アスリートモデルっぽいデザインではありますが、ハードルは高く設定されておらず、かなり親しみやすいアイアンです。
ヒッタータイプの方はもちろん、スインガータイプの中にも親しみやすいという方は多いのではないでしょうか?
ロフトが立っていることを忘れさせるあがりやすさです。
軟鉄マッスルバックのように、フェースをグッと噛んで乗せていく・・・。というあがり方ではないのですが、この『オートマチック』的なあがりやすさも多くの支持を集めるのではないでしょうか?
とてもあがりやすくてイージーなのですが、何となく『淡白』なあがり方だな・・・。と弾道を目で追いながら思いました。

『安定性』も高いです。
フルキャビティらしい大らかさがあり、慣性モーメントも高いように感じます。
おそらくウェイトなどがヘッド内部に組み込まれているのではないでしょうか?
カッコいいタイプのオートマ系アイアンです。
アイアンだけでなくドライバーなどでもウェイトが組み込まれたクラブが多く、それらはかなり易しさがアップしていますが、ウェイトの位置をずらすと『好打感』のポイントがズレてしまったり、あやふやになってしまうことが多くなります。
このアイアンにも、そのようなことを感じました。
球筋や高さは安定しますが、フィーリングにはズレが生じてしまいます。

『飛距離性能』も優れていますが、『性格の丸い飛び』だという印象をもちました。
いわゆる『バカッ飛び』するのではなく、安定して+15ヤードを飛ばしてくれる感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ガツーンと強く引っ叩くのではなく、サラーっとさらっていく感じがちょうどいいです。
打ち出しが高く、キャリーをしっかり稼いでいくことができました。
アイアンのロフトが立つようになって久しいですが、まだ出始めの頃は確かに飛ぶようになったけど、球があがらないとか、あがり方にムラがある・・・。といった声もよく聞きました。
しかし最近のディスタンス系アイアンはそういったところが見事なまでにカバーされていて、安定感が増しています。
よく飛ぶので7番アイアンで5番アイアンの距離感を出していかなければならないのが難しいところですが、日頃から使い慣れてマスターしておられる方には、縦の距離も合わせやすいのかもしれません。
ビッグキャリーで高さも出ますが、なんといいますかフェースにグッと乗るような感じではないですし、スピンも少ないような気がします。
おそらくグリーンでも止まりにくいんじゃないかな?と思いました。

易しくてオートマ系のアイアンであることは間違いないですが、構えやすいので、イメージが出しやすく左右に曲げることができました。
いい意味での『鈍感さによる曲げ方』ができるアイアンだな・・・。と思いました。
左右どちらも曲げ幅が安定しています。
大きく曲げるのは難しいですが、ドローヒッターにもフェードヒッターにも扱いやすいアイアンです。
試打後の感想

構える前、そして打つ前の印象よりも、実際に打ってみて印象が良くなるアイアンです。
変なクセもなく、いい意味でまとまっています。

カッコいいアイアンですが、気難しさのようなものは全く感じません。
むしろ、易しすぎて物足りない・・・。という方がいらっしゃるのではないでしょうか?

実際に打ち比べてみたわけではないので、はっきりとはいえませんが、先日試打したDCBよりも、私はこのアイアンのほうが好きです。

キャロウェイといえば『ハイテク』というイメージが私の中で定着していて、このアイアンもそのようなタイプだと思ったのですが、工夫がされすぎていないといいますか、フィーリングを邪魔していないところがいいです。
以前は、かなりゴチャゴチャしていて、『濁った』ような印象をもったアイアンもあったのですが、最近は余計なものが省かれて必要最低限の工夫に収まっているように感じます。

他のメーカーにも言えることですが、もう『やり尽くしちゃった感』があるのではないでしょうか?
不必要なパーツの組み合わせは止めて、プレイヤーのフィーリングを大切にする設計になったのかもしれません。
とはいっても、ゴルフクラブはファッションと同じように『流行』のようなものがあるので、一周回ってまた同じようなものが出回るような気がします。

これからもキャロウェイには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2021年04月04日
キャロウェイ APEX PRO アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX PRO アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、バランスはD3、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は447g です。

とてもカッコいいキャロウェイのニューアイアンです。
ひと目見て、一気にボルテージが上がってきました。
このようにカッコいいアイアンを目にすると、気持ちの盛り上がりが抑えきれません。
このアイアンはAPEXというブランドですが、あの名器『X-FORGED』の流れを汲んでいるのではないでしょうか?
以前も書きましたが、私は昔からキャロウェイのアイアン(ビッグバーサアイアン)をすごく苦手にしていて、目にしても試打することなく敬遠していました。
苦手意識が強く、決して交わることのない存在だと思っていたのですが、X-FORGEDに出会って、キャロウェイアイアンに親近感をもつようになりました。
ゴルフクラブは打つ前に、まず目で楽しみたいと思っているのですが、このようなオーソドックスな形状のアイアンは美しいというだけでなく、実際に易しいという印象があります。
軟鉄の質感がたまりません。
私の目尻は下がりっぱなしです。

シャープな形状で、とてもカッコいいです。
キャロウェイといえば、アイアンよりもドライバーやフェアウェイウッドなど、ウッド系のクラブが得意なイメージがありますが、このアイアンはキャロウェイらしいハイテクなところが見られながらも、基本は崩していないところに好感がもてます。
こうして見ても、いろいろな工夫が見られますが大味なタイプではなく、標準的な大きさです。


マッスルバックタイプのアイアンといってもいいように思いますが、シンプルなフラットバック構造ではなく、このように溝のようになっていて、厳密にはキャビティといえるのかもしれません。
バックフェースにある、この溝も、これまで何度か目にしてきました。

ヒール側にTUNGSTENとあり、このAPEXとPROと表示されたパーツにタングステンが組み込まれているのだろうという予測が立ちました。
『組み込み感』といいますか、『後付け感』が、見て取れるからです。
ワンピースタイプではなく、『付け足す』タイプのアイアンだということが分かりました。
もし、これが全てタングステンだとすると、かなり大きなウェイトになりますが、おそらくそうではないと思います。
もしそうだと重くなりすぎて、バランスが取れなくなるからです。

彫りは浅く、絶妙な重量配分がされているようです。

トップラインの厚みは標準的です。

ソール幅も標準的ですが、今のアイアンの中では、やや狭いほうになります。
ソールは真っ直ぐなものもあれば、テーパーになっているものもありますが、このアイアンはソール全体が微妙にカーブを描いていて、丸みがあります。
このソール形状を見ると、『包み込む』イメージが出しやすいという方も多いのではないでしょうか?
こういう形状は海外メーカーらしい特徴といっていいように思います。
『顔』だけでなく、このソール形状にも『美しい』『美しくない』が私の中であるのですが、このアイアンは後者のほうで、魅力的ではありませんでした。

ネックは少し短めですが、今はこれくらいが多いです。
こうして見ても、少しグースが効いているのが分かります。

ホーゼルにはFORGEDと刻印されています。
打感にもこだわっているようです。
この文字を見て、好感度があがるのは私だけでしょうか?

ソールはフラットというよりは全体的に少し丸みを帯びていますが、極端ではありません。
リーディングエッジやトレーリングエッジの削りも控えめです。

フェース面にミーリングはありません。
軽くサンドブラストをかけたような仕上がりだな・・・。と思いました。
スコアラインは14本なので標準的です。
キャロウェイのアイアンはもっとスコアラインの感覚が狭く、数が多いものもありましたが、このアイアンはオーソドックスです。

装着されているグリップは、ツアーベルベットで好感が持てます。
キャロウェイのロゴもカッコいいですね。

素振りをしてみても、適度な重量感があって、タイミングがとりやすいです。
最近は軽量スチールシャフトの充実ぶりが凄いですが、私はやはりこれくらいの重さがあったほうが易しくて親近感がもてます。
適度な重さに身を任せて振っていくだけでいい・・・。といったらいいでしょうか?
軽量タイプだと、こちらがやることが増えてしまうのですが、適度な重量だと『重量任せ』にできるところがいいです。
手を『だらん』として、ヘッドを『落とす感覚』で振っていけるからでしょうか?
これは『好み』や『慣れ』といったものが大きいので、一概にどれがいいとはいえません。
適正なスペックは人の数だけあります。

オーソドックスで構えやすいです。
男前で、この構えやすさは予想通りでした。
セミグースタイプといっていいように思います。
私はもっとグースが弱いほうが好きなのですが、今はこれくらいが多いですし、この顔が好きだという方は多いのではないでしょうか?
ボールとの『大きさの対比』が良く、イメージが色濃く浮かんできます。
私はグースがきついタイプだと、いいイメージが浮かんでこないこともありますし、ダフりそう・・・。とか、左に引っ掛けてしまいそう・・・。といったミスショットしそうな感じがするのですが、このアイアンには感じませんでした。
穏やかな気持でテークバックのタイミングをとることができました。
試打を開始しました

『打感』は正直、物足りないです。
打つ前はすごく期待していたのですが、一球打って
「あれ?おかしいぞ、予想と違うぞ。」
と思い、すぐにもう一球打ってみたのですが、やはり印象は同じでした。
『密着感』が無いといいますか、少し『空洞感』がありました。
『30%くらいの空洞感』といったらいいでしょうか?
少し薄く感じられ、物足りないです。
見た目の印象とは大きく異なる打感で、予想していなかったですし、残念でした。
もちろん、すごく嫌な打感ではないですし、今のアイアンの全体では、なかなかいいほうだと思うのですが、打つ前の期待感が大きすぎたのかもしれません。
物足りないな・・・。自分がアイアンに求めたい打感ではないな・・・。と思いながら、試打を繰り返しました。
だんだんとテンションが下がっていきました。
まったりしたところはなく、『ガツン』という打感です。

『球のあがりやすさ』という点では、メーカーの工夫が活きているのか、このカッコいい外見でありながら、あがりやすくなっていますが、基本的にヒッター向けのアイアンなのは間違いありません。
誰でも球があがりやすくなっているアイアンではなく、好みが分かれるところだと思います。
ドライバーなどウッド系のクラブと比べると、アイアンはかなり重心が前に来ていて浅いので、その浅さを利用して上から潰して打ちたくなりますが、このアイアンはバックフェースにあるウェイトが効いているのでしょうか?
『レベル気味』に打っていけるアイアンで、やや『お尻が重たい』印象です。
レベルで打ち出しの高さや距離感を出している方には、イメージしやすいアイアンといえるかもしれません。

『安定性』という点では、見た目よりも寛容でシビアさはそれほど感じませんでした。
しかしイージー系のような直進性や浮きやすさは無く、ミスはミスと伝えてくれるアイアンです。
先ほども書きましたが、打感があまり良くなく、少しボヤケた感じがするので、打感だけで方向性や高さを感じにくいところがありました。
普段、マッスルバックやハーフキャビティを使っておられる方には、『易しめのカッコいいアイアン』といえると思いますが、アイアン全体で見ると、正直なタイプだと思います。

『飛距離性能』は、『やや飛び』といった感じですが、今のアイアンの中では普通といえるでしょうか?
それほど飛ぶという印象はありませんが、今はこのようなタイプのアイアンでも距離を稼ぎやすくなっています。
飛びすぎるのは嫌だけど、『ちょい飛び』くらいがちょうどいいという方には合いやすいのではないでしょうか?

『操作性』は高く、左右に曲げるのも簡単です。
少しグースが効いていますが、左が気になるほどではありません。
バックフェースにあるウェイトが効いているのか、インパクトのときにヘッドがブレる感じはなく、そのままの勢いで押していけるタイプのアイアンです。
オートマチックというよりは、どちらかというとマニュアルタイプなアイアンですが、気難しさのようなものはなく、プレイヤーの持ち球を表現してくれます。
試打後の感想

名前に『PRO』という文字が入っていますが、親しみやすいところもあり、昔のプロモデルのような『尖った』印象はありません。
それは今のアイアンに共通しています。
先日試打したホンマのマッスルバックは、かなりシビアでしたが、このアイアンは全く違っていて、キャロウェイが易しさも追求して開発したのではないでしょうか?

全体的にとてもカッコ良くて、気難しさもなく、バランスのとれたアイアンです。

しかし打感がどうしても好きになれませんでした。
見た目とは違う打感で、正直意外というか、がっかりです。
もちろん普通に見れば、それほど悪い打感ではないのかもしれません。
私の期待値が高すぎたというのもあったような気がします。

オーソドックスでカッコいいアイアンで、しかもフォージドでも、いろいろな打感があるんだな・・・。と再認識しました。
球数をこなしていく度にテンションが下がり続けているのに気づき、少し休憩をいれました。

今回はハイテクが仇になったな・・・。と、このアイアンを見ながら思いました。

また機会があれば試打してみたいですが、次回は違うタイプといいますか、シンプルなフォージドアイアンと打ち比べてみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年03月27日
キャロウェイ EPIC MAX LS ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC MAX LS ドライバー です。

シャフトは MITSUBISHI CHEMICAL Diamana TB 60 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.7、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は318g です。

キャロウェイEPICシリーズのニュードライバーです。
キャロウェイらしく、メカニカルなデザインですが、とてもカッコよく仕上がっています。
シンプルなベーシックタイプではなく、いろいろなパーツが組み合わさったハイテクタイプのドライバーですが、これがキャロウェイのこだわりなのかもしれません。

『LS』と表示されているので、『ロースピン』だということが、これまでの経験で容易に想像できます。
つまり『叩ける』ドライバーなのだと思います。

ソールのフェース寄りには4つの丸いものがあり、これはヘッドの中に丸いバーのようなものが入っていると教えてもらったことがあるので、今回は倍の4本なのでしょうか?
こうやって、試打する前にいろいろなことを想像するのはとても楽しいです。
最初にそのクラブの情報を入れてしまうと、想像力が働かなくなったりしますが、私は試打する前にそのクラブの下調べをせずに『ぶっつけ本番』で試打するので、このように想像する楽しみがあります。
食べ物で例えると、冷めた肉まんを食べるのではなく、蒸したてで熱々の肉まんをフゥーフゥーしながら食べるような感覚でしょうか?
同じ材料、同じ製法で作っても、『温度』によって味は変わります。
近くに『JAIL BREAK AI SPEED FRAME』という文字がありました。
AIによる設計なのでしょうか?
もしそうだとしたら、なぜ最初からこのようにしないのかな?と思いましたが、『少しずつ進化させる』ことが、戦略上必要なのかもしれません。
いろいろなクラブを試打していると、ゴルフクラブは『ちょっと出し』していると感じることが多いですし、そう感じるのは私だけではないような気がします。
逆に退化といいますか、性能が落ちてしまっている最新クラブも少なくないです。
必ずしも『最新=最高』ということにはなりません。

ソールのヒール側には、三本の線といいますか、突起物のようなものがあります。
これは空気力学によるものでしょうか?
それとも単なるデザインでしょうか?

トゥ側の、このデザインもすごくオシャレで見た目のインパクト大です。
ハイテクが嫌味になっていないデザインで、このクラブを設計したデザイナーはセンスいいなぁ・・・。と思いました。

ラージサイズのシャローヘッドです。
よく見かけるタイプで、特に変わったところは見られません。

ネックの長さは適度にあります。
こうしてネックだけを見ると、重心が高そうな感じがするのですが、ヘッドに目を移すと低そうに見えます。

バックフェースには大きめのウェイトが配置されていて、移動できるようになっています。
キャロウェイのドライバーではお馴染みになりました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、NSポジションです。

+2 N

D +1

-1 D
他には、このようなポジションがありました。

いかにも弾きが良さそうなフェース面です。
このフェース面も、最近キャロウェイのドライバーでよく見かけます。
キャロウェイらしいデザインですが、このつや消しな感じが何とも言えない、いい雰囲気を醸し出しています。
指で触れてみたのですが、『つるつる』していなくて、『ザラザラ』していました。

トゥ側には『FLASH FACE SS21』という文字があり、これも以前目にしたことがあります。
今回は前のモデルのマイナーチェンジ版で、一番の違いは、ヘッドの中にある、丸いバーが2本から4本に増えたことなのかな?と思いました。

ディープフェース&シャローバックタイプです。
ディープバックは苦手でシャローバックがいいけど、フェース高はあったほうがいいという方は多いのではないでしょうか?
昔のディープフェースは球があがりにくいものが多かったのですが、最近は研究が進んだのか、あがりやすくて親しみやすいものが増えてきました。
ディープフェースだと、フェース面を『縦』に使えるのがいいです。
ただ重心が深すぎたりすると、どのように打ってもフェースが上を向きすぎてしまうと感じることもあります。
そして経験的にですが、フェース高があったほうが、ボールの弾きも良くなるような気がします。
こういったところはシャローフェースでは感じられません。
シャローフェースは重心を低くして球があがりやすくなるなどのメリットもありますが、どうしてもデメリットも生じてしまい、それをカバーできるのがディープフェースです。

顔は正直、好みではありませんでした。
すごくいい顔を期待していたのに残念で、一気にテンションが下がってしまいました。
やっぱり今は、このような顔が求められているのでしょうか?
フェースがかなり被っているように見えて、トゥ側が『角(つの)』のように見えてしまいました。
バックフェースの膨らみも目立ちます。
これまで、ロースピンモデルをいくつか試打してきましたが、スクエアか『逃し顔』になっているものばかりでした。
このような『つかまえ顔』は記憶にありません。
この顔だと、つかまえにいくことはできず、逃しながら打つしかないかな・・・。などと考えていました。
ただ、ネックにある調整システムを使えば、好みの向きにできそうな気もします。
私には苦手な顔なのですが、このようなつかまえ顔を好まれる方には、好感が持てるのではないでしょうか?
これまでに無かった『つかまえ系のロースピンモデル』ということなのかもしれません。
バックフェースも膨らんでいて、『丸顔』というよりは『三角顔』に近いです。
これがキャロウェイの誇る『AI』が導き出した顔なのでしょうか?
囲碁やチェス・将棋でAIが人間を圧倒していますが、ゴルフクラブのデザイン、そして実際のゴルフプレーにおいては、まだまだ及ばないところもあるように思いますし、この顔はAIではなく、人間が設計したのかもしれません。
最近は写真の判定などでもAIが使われることもあり、私は何枚かの写真をAIに判定させてみたことがあります。
すると実際はただの風景写真だったのに、AIはそれを風景写真だとは認識できずに、全くのトンチンカンな答えを出していて、AIにも得手不得手があって、答えがはっきりしないものは苦手だということを知りました。
また一口にAIといってもピンからキリまで、いろいろなタイプがあると思いますし、キャロウェイの使っているAIはもっと優秀だと思います。

クラウンはカーボンコンポジットであることが分かりました。
カーボンの模様がはっきりと見て取れます。
最近はカーボンクラウンが多くなり、これも一種の流行でしょうか?

ボールを前にしても、やはり構えづらくて、頭の中がモヤモヤしていました。
左方向へ矢印がついているような感覚です。
このまま打てば、左にしか行かないような気がします。
このラージサイズによる、投影面積の大きさ。
そして『つかまえ顔』。
PINGを意識しているんだろうな・・・。と思いました。
ロフト9度モデルだからでしょうか?
フェース面が見えすぎず、ライナー系をイメージしやすいのがいいです。
ただ実際はもっとロフトが寝ているようにも見えます。
好みの顔ではないので、気持ちが盛り上がることもなく、淡々と見つめていました。
ヘッド後方の膨らみは目立ちますが、それほど『大顔感』はありませんでした。
なかなかいいイメージが描けないので、とにかく雑にならないよう、自分自身に言い聞かせました。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで好感が持てます。
これまで何度か出会ってきたグリップで、無難なタイプです。
クセのないグリップなので、どの番手のクラブとも相性がいいような気がします。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
最近、このシャフトに出会うことが多いような気がするのですが、これが純正シャフトでしょうか?
適度な重量としっかり感があって、タイミングが取りやすいです。
たくさんのゴルフクラブを試打していると、シャフトには脊椎動物と無脊椎動物に分かれるように感じることがあります。
実際に背骨があるというのではなく、どのシャフトも中は『空洞』なのですが、背骨があるタイプと無いタイプに分けられます。
それはただ単に『硬い』とか『軟らかい』というだけのくくりではなく、実際に振ってみて何となくそう感じるのですが、このシャフトは前者で、『スパイン』とはまた違う感覚です。
無脊椎動物タイプのシャフトはタイミングがドンピシャに合えば、すごく飛ばしていけるのですが、その再現性がなかなか高くできません。
対して脊椎動物タイプのシャフトは『最低点』を高く保つことができ、及第点を取りやすく、アベレージ的にも高いです。
このシャフトは硬いというタイプではありませんが、適度にしっかりしていて、スーッと背骨があるので、その無数にある背骨の関節の『つなぎ目』を動かすイメージで振っていきました。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
かなり弾き感があります。
球離れが速く、ボールが素早く飛び出していく感じで、それを目で追いながら『瞬速』という言葉が浮かんできました。
ソフトというよりは、しっかりしていて、『球の重さ』も感じられました。

『音』も好感が持てました。
昔のビッグバーサのような『キーン』という甲高い金属音ではなく、『バチーン』という感じの音です。
聞き惚れることはないですが、甲高くなく、大きくもなく、周りを気にしないでいいので、集中して打っていくことができました。
『叩いている』というのを実感できる音です。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、好みが分かれると思います。
やはりロースピンモデルだな・・・。と、弾道を追いながら確信しました。
ロフトも立っているので、それほど打ち出しが高くなり過ぎません。
球も吹き上がらず、強いライナー系で飛んでいき、叩けるドライバーです。
私は強く叩いていきたいタイプで、昔から『スピン過多』に悩まされてきたので、このドライバーの性能には魅力を感じます。
この『ライナー感』と『力強さ』。
そして風を突き破っていくような推進力・・・。
以前試打した、BIGBERTHA ALPHA ドライバー を思い出しました。
あのドライバーは結構タフなドライバーでしたが、飛距離性能が素晴らしく、今でも忘れることができません。

『安定性』は想像していたよりは高く、球がつかまりすぎないのがいいです。
構えたときのイメージと、実際の飛びが合致していないドライバーで、最近は時々見かけます。
ヒッター向けのドライバーなのは間違いないのですが、昔のヒッター向けドライバーと違い、それほどシビアさが無いのが、今のドライバーの特長といっていいように思います。
スイートエリアも狭いという印象はなく、気難しさもありません。
かといって、高い直進性があって、どのように打っても曲がらないということはありません。
気を抜くと、球が引っかかりそうだったのですが、パワーヒッターでフェードボールが持ち球の方は、まずこのノーマルな設定の『つかまえ顔』でまずは試してみられるのがいいのではないでしょうか?
右への曲がりを抑えてくれると思います。
私はフッカーなので、最初構えたときは左に行きそうで少し怖かったのですが、実際に打ってみるとそれほどつかまりすぎる感じはしませんでした。

『飛距離性能』は高いですが、構えづらく、モヤモヤしたまま打っているので、もうひとつすっきりしないところがありました。
しかし、このドライバーのもつポテンシャルは間違いなく高いです。
今日は練習場で時折、強い横風が吹いていたのですが、その風をあざ笑うかのごとくスーッと力強く伸びていってくれ、本番に残しておきたいと思える球がいくつかありました。
ハイポテンシャルなドライバーでも『パワー系』と『スピード系』に分けられるとするならば、このドライバーは後者のスピード系です。
力でグンと押すというよりも、瞬発力で勝負するタイプのドライバーです。
それは今のドライバーの傾向といっていいように思います。
しかし、かなりスピンが少ないので、球がドロップするとか、キャリーが伸び切らないまま落下してしまう・・・。という方も多くなるような気もします。
ポテンシャルの高いドライバーですが、ライバルメーカーを圧倒するほどではないという印象をもちました。
しかし今は、それだけ優れたメーカーがたくさんあって、ハイレベルな争いになってしまっているという表現のほうが正しいように思います。
私はこのように『はっきりした性格』のクラブには、昔から魅力を感じます。
昔はあれだけスピンを減らそうと、いろいろと試行錯誤して、却ってスイングを壊してしまい伸び悩んでいた時期がありましたが、今はこうして簡単にクラブがスピンを減らしてくれます。
ありがたい時代になったな・・・。と実感しました。
昔では考えられなかったことが、今は簡単にできてしまいます。
それだけクラブメーカーの企業努力が凄いということです。

『操作性』という点では、構えづらいということや、ヘッドの特性を見ても、それほど秀でている感じはしません。
名前の通りロースピンでスピン性能が低くてあがりにくいタイプのドライバーですが、そのスピンの少なさは『サイドスピン』にも影響しているのかもしれません。
つかまえ顔ですが、それほど極端に左に引っ掛けるということもないですし、右にも少し曲げることができました。
ただ、大きく曲げるタイプではなく、『狭い曲がり幅』で勝負していくドライバーです。
ドローヒッターよりもフェードヒッターのパワー系ゴルファーに合いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想

これまでは『無難』な感じ・・・。といいますか、性格がそれほどはっきりしないクラブが多かったように思います。
言い換えればそれは『バランスがいい』ということにもなるのかもしれませんが、それは幅広い層の支持を集められても、一部の層からは物足りなさを感じる部分でもあります。
その層にいるゴルファーの期待に応えるべく開発されたドライバーといっていいのではないでしょうか?

このドライバーの特徴は名前の通り、『低スピン性能』です。
ここまで低スピンなものは、今のドライバーでは見つけられないかもしれません。
ライバルメーカーのPINGのLSでも、ここまでの低スピンではないと思います。
実際に打ち比べていないのではっきりとしたことはいえないのですが、率直にそう感じました。

このドライバーの顔が気にならず、とにかく思いっきりぶっ叩いていきたい方には、かなり魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
ラージサイズのシャロー系ドライバーですが、性格的にかなり尖ったところがあります。
なので、このドライバーが合わないという方は少なくないといいますか、むしろそういった方のほうが多いように思います。
もちろん調整システムを使って、自分に合うように調整すれば、もっとマッチしやすくなると思いますが、低スピン性能は変わらないので、ごく一部のゴルファーのためのドライバーといって間違いありません。
幅広い層の支持は集められないと思います。

一番印象的だったのが『低スピン性能』ですが、それ以外にも『弾きの良さ』と『つかまりの良さ』があります。
つかまりがいいドライバーですが、予想していたよりも引っかかる感じがしないところに親近感を覚えました。
シャフトが上手く働いてくれていたと思います。

先ほども書きましたが、かなり性格がはっきりしたドライバーなので、ごく一部のゴルファーからしか支持が得られないような気がします。
聞くところによると、このドライバーは『三兄弟』なので、違う兄弟のほうが一般受けしやすいかもしれません。
そのモデルを試打することがあればぜひ試打してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆(4.5)
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
キャロウェイキャディバッグ キャロウェイ ツアー 21 JM
2021年03月05日
キャロウェイ APEX ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana です。
ロフトは21度、クラブ長さは40インチ、シャフトフレックスはS、トルクは3.5、キックポイントは中調子 です。

キャロウェイのカッコいいユーティリティです。
ひと目見てセンスのいいデザインだな・・・。と思いました。
私はあまりゴチャゴチャしたのが好きではないのですが、このクラブのデザインは好感が持てます。
ハイテク感とシブさがマッチした、センスの良いデザインです。

最近では、やや少なくなったコンパクト感のあるユーティリティです。
ドライバーやFWだけでなく、UTもシャロー&ラージタイプが多くなり、アイアンもフェース高が低く、重心の低いラージサイズアイアンが多くなりました。

ソールにはウェイトが組み込まれています。
『8』という数字があったので、8gということでいいのだと思います。
この大きさのヘッドにしては、結構重そうな感じがするのですが、これがちょうどいい重さなのかもしれません。
ウェイトのすぐ近くには『JAIL BREAK AI VELOCITY BLADES』の文字があります。
キャロウェイ独自の新しい技術が搭載されているようです。

ソール全体が絶妙な丸みを帯びていて、流石だな・・・。と思いました。
ウェイトが配置されていても、それが出っ張っていないので、滑りを邪魔しなさそうです。
キャロウェイは元々、ウッド系のクラブが上手なメーカーなので、このような細かいところまで、しっかりとケアされているのだと思います。

ネックは昔からよくある長さですが、最近のユーティリティの中では長めです。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『NS』ポジションです。

コンパクトにまとまった形をしていますが、ディープというよりは『セミシャロー』といったほうがいいように思います。

顔はまずまずです。
結構コンパクトな大きさで、黒なので引き締まって見えますが、フェースが左を向いているのが気になりました。
しかし、これはドライバーやFWでも多いですし、このフェースの被り具合が『今のニュートラル』といえるのかもしれません。

カーボンクラウンであることが分かりました。
メーカー問わず、最近はよく見かけます。
メーカーが違っていても、実際に作る工場が同じだったりすることが昔から多いので、このような流れになるのかな?と思いました。

ツアーベルベットが挿してあり、最高のフィーリングで好感が持てます。
キャロウェイのオリジナルロゴもカッコいいです。
ヘッドには至るところに最新の技術が搭載されていながら、グリップはロングセラーモデルのグリップを採用しているというのも面白いです。
最新の技術を体感するのは、ツアーベルベットのような高フィーリングなグリップが最適だと思います。

ボールを前にして構えてみると、コンパクト感があっていいのですが、フェース(特にアゴの部分)が左を向いているように見えたので、少しマイナスでした。
ややカットめに打ってみるか、それとも右を向いて回してみるか・・・。
後者を選ぶことにしました。
試打を開始しました

『打感』はしっかりしているのですが、硬くなく好感が持てます。
これまでのキャロウェイで経験してきたフィーリングです。
この打感にもAIの技術が使われているのでしょうか?

『音』は小気味良いですが、大きすぎず高すぎず、いい感じです。
いわゆる『機械音』なのですが、それが強すぎないところも好感が持てました。

球はあがりやすいです。
打つ前はもう少し低めのライナー系を予想していたのですが、違いました。
打ち出しが高く、高弾道系ユーティリティです。
これくらい高さがじゅうぶんでてくれると、『上から狙える』クラブに分類してもいいように思います。
球はあがりやすいですが、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいような気がします。
FWが好きな方、特に7番ウッドなど小さい番手のFWを使っておられる方は、使う場面が多くないかもしれません。

『安定性』は普通です。
特別曲がりにくいとは思いませんでした。
真っ直ぐな球が出るというのではなく、私の場合は最初からドロー系が出ました。

高弾道で力強い球が出るので、飛距離性能も優れています。
『飛び』だけに特化したタイプのUTだとは思いませんが、安定して飛んでくれているところがいいです。
左右の幅よりも、打ち出しを揃えやすい印象をもちました。

『操作性』という点では、私はフック系のほうが易しく感じましたが、このようなコンパクトなヘッドなので、何が何でも曲がらないというタイプではなく、右にも曲げることができました。
フェードヒッターの方にはちょうどいい球のつかまりで、扱いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想

最初見たときは、カッコいいクラブだな・・・。と思っていました。
少しタフなタイプでハードルが高いのかと思いましたが、実際打ってみると全くそうではないことが分かりました。

ユーティリティにも『アイアン好きな方が合いやすいタイプ』と『ウッド系(FW)が好きな方が合いやすいタイプ』があると思うのですが、このクラブは前者のほうだと思います。

ソールがよく滑ってくれるので、それを活かし、少し上から潰し気味に打っていきたいクラブです。
ユーティリティで球があがらない・・・。と感じておられる方の中には、絶対に『水平』でインパクトしようとしておられる方が多いように思います。
そういった方は、ぜひ『逆転の発想』で、少し上から(斜め上から)ボールを潰し気味に打って見られるといいかもしれません。
インパクトから先で、ボールがフェースを駆け上がるイメージをもたれると、球があがりやすくて高さが出やすくなるのではないでしょうか?
私はそういった方をたくさん見てきて、ボールがあがるようになりました。
ボールをあげようと、下からすくおうとすればするほど、ボールはあがらなくなるものです。
特に今のボールは低スピン性能があがっているので、あがりにくくなります。
何が何でも低重心のクラブが易しいということではありません。

カッコ良さと易しさの調和がとれたユーティリティです。
特別ここが他のクラブよりも優れている・・・。という印象はなく、バランスがとれているクラブです。
つまり、それだけ実戦的なクラブということになります。

顔が私の好みではなかったのですが、ネックの調整機能を使えば、また見方も変わってくるのかもしれません。
今日はできませんでしたが、また機会があれば、いろいろと調整して試打してみたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年02月11日
キャロウェイ APEX DCB アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX DCB アイアン


シャフトは N.S.PRO ZELOS 7 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77.5g、トルクは2.6、バランスはD0、キックポイントは先調子、クラブ総重量は408g です。

キャロウェイAPEXのニューアイアンです。
派手さが無く、落ち着いた感じのデザインで好感が持てます。
バックフェースが黒というのも、これまでのモデルと同じで、ひと目でキャロウェイだと分かります。

DCBとはどういう意味なのでしょうか?
また新たな技術が注ぎ込まれているのかもしれません。

ベーシックなタイプですが、それほどシャープさはありません。
むしろ、少し厚みがあります。
バックフェースはゴチャゴチャしていなくて、すっきりとしたキャビティアイアンです。
『半光沢感』といったらいいでしょうか?
ミラー仕上げのようにピカピカ光るタイプではなく、しかしツヤと光沢感があり、独特な質感です。
キャロウェイアイアンにはよく見られるので、キャロウェイの個性といっていいように思います。


彫りの深さも結構あって、標準的なフルキャビティといっていいように思います。

トップラインは、やや厚めです。
私はもう少し薄くてシャープな感じが好きですが、これくらい厚みがあるほうが安心感が得られるという方も多いのではないでしょうか?
よく見られる厚みです。

ソール幅は少しワイドですが、今のアイアンの中では平均的です。
バックフェースが丸くなっていて、グースも効いているので、かなりフックのイメージが湧いてきます。
ドライバーなど、ウッド系のクラブでいうところの『フックフェース』に近い印象です。

ソール全体の形状は平らに近く、微妙に丸みを帯びています。
リーディングエッジやトレーリングエッジも同様でした。

ネックは短めで、やや太めです。
寸胴タイプのアイアンですが、『頭でっかち感』はそれほどありません。

フェース面にミーリングは無く、特別な工夫は見られません。
キャロウェイのアイアンといえば、スコアラインの感覚が狭く、数が多い印象がありますが、このアイアンは14本なので、標準的な部類といえます。

軽量タイプのアイアンです。
小手先で振らないよう、大きな筋肉(特に背筋)を意識して振っていきました。
適度な重さに任せて振っていくことができないので、今日はいつも以上に気を使いました。
このN.S.PRO ZELOS 7というシャフトはあまり試打していないので、よく知らないのですが、N.S.PRO 950GHの軽量版といったところでしょうか?
最近は軽量スチールのバリエーションが豊富になってレベルもあがっているので、ユーザーとしては選択肢が増えていいことです。
カーボンシャフトも素晴らしいですが、スチールシャフトもまだまだ使う余地は十分にあります。

このロゴがとてもカッコいいので、キャロウェイファンの方はたまらないのではないでしょうか?
アイアンに最適なツアーベルベットが挿してあるので好感度が爆上がりです。
ソフトというだけでなく、この『しっとり感』がたまりません。
『手に馴染む』『吸い付くような』というだけでなく、『グリップが凹む』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ゴルフグリップにも『凹型』と『凸型』があるとするならば、『サンドラップタイプ』などは『凸型』であり、このツアーベルベットは完全に『凹型』です。
グリップが凹んでくれるような、皮膚との一体感が味わえるグリップです。
ゴルフを馬術に例えるとすると、クラブは馬で、ゴルファーは騎手であり、まさに『人馬一体』となりうるグリップといっても過言ではありません。
安価でありながら、かなり高性能でベストセラーを続けています。
グリップはたくさんありますが、コストパフォマンスの高さでもナンバーワンといえるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えて見ると、フェース面の独特な光沢感が目に入り、これもキャロウェイアイアンではよく見られます。
『淡いミラー効果』といいますか、ボールが少し反射しているのが分かります。
思っていたよりもグースの効きが強く、少し遅れるイメージが湧いてきました。
トップラインの厚さも目に入りましたが、ヘッド自体は大顔というよりは標準的な大きさなので、大雑把な感じがせず、適度に集中していけそうです。
見惚れるようなことはなく、淡々と見ていました。
少しアップライトに見えましたが特別珍しくはありません。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じで好感が持てました。
『ゴツン』とくることもなく、ソフトではありますが、ソフトフィーリングの中では、ややしっかりめです。

球はあがりやすくて、イージーです。
グースがきついので、少し低く飛び出すイメージが出ていたのですが、実際はそんなことなく、充分あげてくれました。
タフさは全く感じません。
シンプルなデザインでカッコいいですが、ヒッター限定ということはなく、ハードルの低いアイアンです。
打ち出しの高さに驚きます。
最近のアイアンは飛距離でも『番手ずらし』になっていますが、この弾道の高さでも『(逆方向に)番手ずらし』になっています。
7番アイアンの打ち出しとは思えませんが、最近はこのような高弾道系アイアンが増えてきました。
8番か9番のような打ち出しの高さがありながら、5番アイアンのような飛距離を出せるアイアンといったらいいでしょうか?
構えたときのイメージと、実際の打ち出しが合っていませんが、それがハイテクアイアンたる所以なのかもしれません。
見た目は比較的シンプルでベーシックタイプのキャビティアイアンなのかな?と思っていましたが、このような弾道を目にすると、やはり見えない部分(ヘッド内部)にいろいろな工夫がされているのではないか?と思いました。

『安定性』も高く、おおらかなタイプのアイアンです。
ラージサイズのような『まどろっこしさ』がありません。
フェースターンが遅れることなく合いやすいので、右に抜けることもありませんでした。
むしろ、かなりつかまりやすいアイアンです。
ラージサイズではなく、ノーマルサイズのアイアンですが、スイートエリアはかなり広く感じます。
おおらかなタイプによくある、ミスヒットが伝わりにくいところがあり、打点のブレにも寛容です。

『飛距離性能』も高いです。
高弾道で飛ばしていけるタイプのアイアンです。
今のディスタンス系アイアンは弾き感が強いものが多いですが、このアイアンはそこまで強くはないものの、軽く振って距離を出せるアイアンです。
普段なら『7』の力を使って『10』の飛距離を出すとするならば、このアイアンの場合は『5~6くらい」の力で『10』の飛距離を出す・・・。といったところでしょうか?
それほどハードヒットしなくても、確実に距離を稼いでくれるアイアンです。

『操作性』という点では、まずまずといったところで、それほど秀でているようには感じませんでしたが、一応左右にも曲げることはできました。
しかし球がつかまりやすいので、私はフック系のほうが自然に感じられました。
ソール形状を見たときから、そして構えてみてもつかまりそうな印象をもちましたが、実際に打ってみてもその通りでした。
私はもっと逃がしやすいタイプが好きですが、このつかまりやすさを好まれる方は多いのではないでしょうか?
試打後の感想

オートマチックタイプのアイアンですが、それが極端な感じが無く、適度なところで抑えられているのがいいな・・・。と思いました。
易しいけど、感覚を邪魔するような易しさではない・・・。というアイアンです。

このようなグースタイプのアイアンはラージサイズやセミラージサイズが多かったのですが、このような標準的なサイズはあまり無いので、このようなタイプを待っていた・・・。という方も多いのではないでしょうか?
適度な大きさによる扱いやすさも魅力です。

アイアンは正確に距離を刻むのが目的のクラブですが、今は飛距離が重要視されるようになりました。
アイアンには、『飛ばしながら合わせるタイプ』と、逆に『飛ばさないで合わせるタイプ』があるように思います。
前者は『ディスタンス系(スタンディングロフト)』で、後者は『ベーシック系(ノーマルロフト)』です。
今は圧倒的に前者が多く、飛ばしながら距離を合わせる技術が求められる時代なのかもしれません。

アイアンに限らず、どのクラブでもロフトが立てば立つほど距離を合わせるのが難しくなり、方向性も乱れやすくなります。
その難しいことを、『飛距離』を手に入れたことでやらなくてはならなくなりました。
何かを得れば、何かを失うということです。

このようなディスタンス系アイアンで距離を合わせられるようになるには、かなりの練習量が必要になってくると思いますが、今はアイアンの本数も減ってきていますし、アイアンの距離をユーティリティや『ロフトの立ったウェッジ』でカバーしていく時代なのかもしれません。

このアイアンを試打して、よく飛ぶなぁ・・・。と思いながら、そのようなことを考えていました。
見た目はシンプルですっきりしていますが、かなりたくさんの工夫がされているように感じる『粋な』アイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2020年10月18日
キャロウェイ X FORGED CB アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ X FORGED CB アイアン


シャフトは N.S.PRO 950GH NEO です。
ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、トルクは1.7、バランスはD0、キックポイントは中調子、クラブ総重量は427g です。

キャロウェイの新しいアイアンです。
今の時期、各メーカーNEWモデルを発表していますが、今日はキャロウェイのクラブに出会うことができて、とても嬉しく思いました。
キャロウェイのアイアンには色々なタイプがありますが、このアイアンはX FORGEDシリーズです。
キャロウェイは昔から、飛距離にすごくこだわりが強いメーカーだと思っています。
ビッグバーサは衝撃的でした。
その飛距離へのこだわりは、アイアンでも変わりません。
しかしX FORGEDだけは、ディスタンスよりもフィーリングを重視しているように思います。

大きさや形状は標準的で、奇をてらったところはありません。
X FORGEDらしくシャープな形状で、カッコいいです。
軟鉄の柔らかそうな質感がたまりません。
キャロウェイもテーラーメイド同様、アイアンはステンレスの印象が強いですが、全てがそうではなくて、このようなアイアンがあり、軟鉄ファンのニーズに応えています。

バックフェースに組み込まれている、このバッチといいますか、ウェイトがよく目立っています。
このアイアンはX FORGED CBという名前がついていますが、過去のX FORGEDもキャビティだったように思います。
あえてCBという名前をつけているということは、MBもあるのでしょうか?
いずれ中空を表す『hollow=HO』や、ポケットタイプの『pocket=PC』なども一般的になるかもしれません。

バックフェースのウェイトがよく目立っていますが、彫りの深さは普通です。
ハーフキャビティというほどではなく、ノーマルキャビティといっていいように思います。
一口にキャビティといっても、単なる『凹型』もあれば、逆の『凸型』もあります。
しかし、このアイアンは凹型と凸型のミックスタイプで、ふたつのいいとこ取りをしたアイアンです。
寛容さと打感を求めれば、このような形になるのではないでしょうか?
このようなアイアンはこれまでもたくさん見てきました。
アイアンは『削り出し』といいますか、『ワンピース構造』が昔から一般的ですが、このアイアンは最初から複合素材で成り立っているのが分かりました。

トップラインの厚みも標準的で、とてもいい感じです。
ここがボテッとしていると構えたときに、イメージが出にくかったりボヤけてしまったりすることがありますが、この形状と厚みだと、すぐにいいイメージが出せそうです。
重心を深くするには、ポケットタイプにしてバックフェースの膨らみを大きくすればいいと思いますが、それだと構えづらくなるので、薄さをキープしながら深さを出していくには、やはりウェイトを組み込むのが一番手っ取り早いのだと思います。
こうして見る限りでは、それほど重心が深そうには見えません。
アイアンやウェッジは元々、重心が浅いのが自然であり、いいのだと思います。
重心の深い(後ろにある)クラブは、スイング中『主役』がボールと実際にコンタクトするフェース面ではなく、バックフェースに感じられることがたまにあります。
そういったクラブだと操作性が落ちてしまいますが、このクラブにはそういったことを感じません。

ソール幅はノーマルといいますか、今のアイアンでは明らかに狭いです。
これは少し意外でした。
最近はこのようなソール幅のアイアンが少しずつ増えてきたように思います。
先日試打した、違うメーカーのアイアンでも見られました。
このソール幅にも、流行のようなものがあるのでしょうか?
いずれまたワイド化が進むと思いますし、これまでのモデルとの差別化も図られているのかもしれません。
このソール幅を見て、苦手意識が芽生えてしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、これは人によって好みが大きく分かれるところでもあります。
このソールの独特の艶消し・メッキの加減がX FORGEDらしいです。
以前試打したモデルを思い出しました。
これを見るだけで、キャロウェイだと分かります。

ネックの長さは標準的です。
ホーゼルが太くなく、シュッとしています。
ヘッドの大きさも適正なので、いわゆる『頭でっかち』タイプではありません。
ストレートタイプではなく、少しグースが利いているのが分かります。

ホーゼルには数字が刻印されていて、よく見なかったので、最初はついにアイアンにもロフトが表示されるようになったのかと思ったのですが、『'21』だったので、これは2021年モデルなのだということなのだと思います。
2021年モデルを前の年の秋に発表するのも、少し気が早いような気もしますが、これは昔からなので、特に珍しいとは思いません。
USPGAツアーは2020~2021年シーズンが既に始まっているので、ちょうどいいタイミングなのかもしれません。
来月は待望のマスターズが開催されるので、今からとても楽しみです。
これまで4月のオーガスタしか見たことがなかったのですが、11月のオーガスタがどんな感じなのか、とても興味があります。
あの美しい緑がまた見られるのでしょうか?
マグノリアは咲いていないと思いますが、違う花が咲き乱れているのでしょうか?
4月に比べて、かなり日が短くなって中継の時間も前後するかもしれません。
また眠れない日が続きますが、ワクワクしています。

フェース面にミーリングは見られません。
変わったところがなく、これまでよく見られた『のっぺり』した感じといいますか、『スタンプ感』の強いフェース面です。
フェース面にはすごく魅力的に見えるものもあれば、何の感情も湧かず淡々と見ていることもあるのですが、このアイアンは後者です。
目新しさは感じなかったですし、フェース面にすごくこだわって開発したという感じは伝わってきません。
スコアラインはすごく細かなルールが決められているので、メーカーとしても、あまりいじりたくない部分だと思います。

装着されているグリップがツアーベルベットタイプで、かなり好感度があがりました。
ソフトというだけでなく、しっとりとしたフィーリングがたまりません。
微妙なフィーリングが求められるアイアンやウェッジには最適なグリップですが、縦の距離感をあまり重視しないディスタンス系のアイアンでは違うグリップでもアリだと思います。
今回はキャロウェイがフィーリングにも気を配っているようです。
もちろんツアーベルベット以外にも素晴らしいグリップはたくさんありますし、人によって好みが分かれると思いますが、私はこのグリップが一番好きです。
このマークをひと目見てキャロウェイだと分かるのですが、『C』ではなく『V』なのが何故なんだろう・・・?と、いつも思ってしまいます。
VICTORYのVなのでしょうか?

素振りをしてみた感じはまずまずです。
軽量感はありますが、それほど頼りない感じはしません。
シャフトに気を遣いすぎることなく、タイミング重視で振っていきました。
このシャフトが純正なのでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、Xフォージドらしく安心できる、いい顔です。
大きさがちょうど良く、ボールとのバランスもとれています。
このような適正な大きさだと、ボールが大きく浮いて見えてくるのでイメージが出しやすいです。
トップラインの厚みもいい感じでボテッとしていません。
真っ直ぐというよりは、ほんの少し丸みがあるように見えたので、包み込むイメージを出しやすいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
少しグースが利いていて、これは今のアイアンの『標準』といっていいように思います。
昔からあるキャロウェイの構え感ではなく、和のテイストが感じられる落ち着いた感じのアイアンです。
試打を開始しました

『打感』はとてもいい感じでした。
薄くてガツンとくるのではなく、適度な厚みもあって、まったりしています。
最初見たときから、ソフトな打感を予想していたのですが、その予想を少し上回っていました。
雑な感じで薄っぺらい打感ではなく、しっかりと球の重さを感じさせてくれ、それが『点』ではなく『線』でした。
バチーンと弾くのではなく、乗せて運べるフィーリングです。
この心地よい打感を一球目から感じることができて、バックフェースにあるウェイトは重心を深くするだけでなく、打感を良くするという目的もあるのではないか?と思いました。

『球のあがりやすさ』という点では普通といいますか、予想していたよりは少し抑えた高さでした。
重心をそれほど深くはしていないのかもしれません。
私の感覚では『普通の範疇』に収まるアイアンです。
装着されているシャフトが軽量タイプで球を上げてくれるので、タフな印象はありませんが、ヘッドだけでいうと明らかにヒッター向けだと思います。
誰が打っても球が浮きやすいというタイプのアイアンではなく、しっかりと打ってフェースにグッと乗せて高さを出していきたいアイアンです。

『安定性』という点では、カッコいいアイアンでありながら、気難しい感じはしません。
ノーマルキャビティと同じ寛容さがあります。
ラインも出しやすいですし、球のつかまりがいいので、右に抜けるような球も出づらいです。
できれば、もう少しグースが弱い方が扱いやすいのですが、これくらいであれば特に難しくはありません。
『高慣性モーメント』『易しさ』を謳ったアイアンではないですが、気難しくなく、かといって易しすぎないのでスイングレベルを崩したくないという方にも魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』という点では、今のアイアンの中で飛ばないほうだと思います。
私には『やや飛び』くらいで飛ぶ感じがするのですが、今はディスタンス系アイアンが多いので、それらと比べると飛距離という点で劣ると言わざるを得ません。
アイアンに飛び性能を求めておられる方には物足りなさがあるかもしれません。
しかし、それを『縦の距離感』ということで置き換えてみると、なかなか優れているように感じます。
『飛距離』ではなく、『距離感』を大切にしたい方の為のアイアンといって過言ではないのではないでしょうか?

『操作性』という点では、反応も悪くないですし、なかなかいい感じです。
どちらかというと『真っ直ぐなラインの強さ』といいますか、大きな曲線で攻めるタイプではないですが、左右へも曲げることも普通にできました。
マニュアルタイプとオートマチックタイプの、ほぼ中間くらいに位置するアイアンといっていいような気がします。
試打後の感想

カッコいいアイアンでありながら、易しさも感じられ、性能的にバランスがとれています。
どこかがズバ抜けているというのではなく、どの分野においても、平均点を上回っている印象をもちました。

このカッコ良さと、見た目以上の易しさとのアンバランスさが面白いです。
メーカーもかなり工夫しているのではないでしょうか?
打感もいい感じでしたし、今回はフィーリングにも力を入れてきているように感じました。

・ラージサイズのアイアンしか使いたくない。
・ポケキャビじゃないと嫌だ。
・強いグースタイプのアイアンが好きだ。
という方には合いづらいと思います。
ゴルフ場に若者激増、突如吹いた追い風の正体
とても嬉しいニュースを見ました。
ゴルフ場に行く若者が増えているというニュースです。
ゴルフ場だけでなく、ゴルフ練習場も活気を取り戻しているというのです。
私が通っているいくつかのゴルフ練習場はずっと活気がありますが、全体的に見れば、人数が減ってきていたのかもしれません。
ゴルフは屋外スポーツですし、ゴルフ練習場もソーシャルディスタンスが自然にとれているので、このご時世、ゴルフが見直されているのかもしれません。
それでも練習場の入り口にはアルコール消毒液が置かれていますし、私は手を消毒し、マスクをずっと着用していて、打つときだけ外しています。
マスクをしながら球を打つと、自分がスイング中、『呼吸を止めるタイプ』なのか、それとも『小さく吸うタイプ』なのか、『小さく吐き出すタイプ』なのか・・・。ということが分かりやすいです。
こういったスイング中の呼吸も、個性が分かれるところだと思います。
以前は仲間たちと一緒に練習場によく行っていましたが、今はなるべく一人で行くようにしています。
また、以前のような生活が戻ってくることを願っています。

ゴルファーが増える、しかも若者の数が増えるというのはとても喜ばしいことです。
これもキャロウェイを始め、いつも素晴らしいクラブを発表し続けてくれている各メーカーの功績が大きいのではないでしょうか?
昔と違い、今は易しくて高性能なゴルフクラブがたくさんあります。
『修行の期間』を過ごすことなく、いきなり楽しめるようになりました。
いいクラブが多いので、どれにするか迷ってしまうということは起きてしまいますが・・・。

若年層ゴルファーが最大値になれば、その世代に合わせてクラブのスペックも変わっていくのではないでしょうか?
今のクラブはかなり『ソフトスペック』になっているので、シャフトのフレックスも本当に『S』なの?って思うことが少なくなく、今は普通に慣れましたが、ゴルファーの年齢層が変わることによって、クラブも変わってくるかもしれません。
今のクラブはかなり親しみやすくなっているので、メンズクラブを女性の方がそのまま使われることも珍しくないですし、ビギナーの方でも力のある方はアンダー過ぎるクラブを使っておられる方が今でも多いように思います。
ハードすぎるのはダメですし、かといってアンダースペック過ぎるのも、上達の妨げになってしまいます。
いわゆる『吊るし』では、なかなかフィットしないということもあると思いますが、これからは昔のように、もっとしっかりしたスペックのクラブが多くなるかもしれません。

このようにいいクラブを使って、もっと多くのゴルファーが誕生することを願います。
これほど楽しく、長くプレーできるスポーツは他にありません。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Callaway 2020 U.S. Open Tour Staff Bag

2020年04月12日
キャロウェイ MAVRIK MAX ドライバー

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ MAVRIK MAX ドライバー です。

シャフトは Diamana 40 for Callaway です。
ロフトは10.5度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は45g、トルクは6.3、バランスはD1、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は290g です。

キャロウェイMAVRIKシリーズのドライバーです。
以前、同じシリーズのドライバーを試打したのですが、今回はMAXです。
見た目は変わらないような感じがするのですが、MAXという名の通り、大きさが最大級ということなのでしょうか?

シャロー感があってラージサイズです。
今の主流といえる形状です。
こうして見る限り、MAVRIKドライバーと変わらないような気がします。
今度、機会があれば見比べて見たいです。

この独特なソール形状も同じです。
おそらく意味があるのだと思います。

ネックの長さは適度にあり、以前試打したドライバーと同じようです。
こうして見る限り、全体的な形状や重心の高さはあまり変わらないような気がします。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このNとSのポジションです。

バックフェースにはウェイトが配置されています。
数字が刻印されていないので、重さは判りません。

ヒール側にもウェイトがあります。
これは以前試打したドライバーにはありませんでした。
より球をつかまえやすくするよう、重心距離を短くしているのでしょうか?

JAIL BREAK TECHNOLOGYはお馴染みです。
これからも採用され続けるのではないでしょうか?

ラージサイズで、シャロー感の強いヘッドです。
この大きさに安心感をもたれる方も多いのではないでしょうか?
今はドライバーだけが他の番手に比べ、巨大化しました。
もちろんFWやアイアンなどでもラージサイズは存在しますが、その割合は少ないです。
ドライバーだけが『別物』として存在し続けているような気もします。

クラウンの盛り上がりも目立っていました。
今は全体的にはシャローでも、フェース高があって厚みのあるフェースが増えてきました。
『叩く』ということにおいては、シャローフェースよりもディープフェースのほうが理にかなっているように思いますし、安心感があります。

クラウンのカーボンの模様も多くなりました。

この弾きの良さそうなフェース面も、これまでと変わりません。
テクノロジーを感じさせながら、質感も向上しています。

独特な顔をしていました。
MAXという名前がついているので、ラージサイズなのだろうと予想していたのですが、ヘッド後方が膨れていてフェースも被っているように見えます。
『つかまりの良さがマックス』ということなのでしょうか?
私はフッカーなので、このような顔はあまり好きではないのですが、スライサーの方は安心感をもちやすいのかもしれません。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
これまでと同じです。

素振りをしてみると軽量感があり、シャフトも軟らかいですが、これは経験していたので、特に驚くようなこともなく、抑え気味にコンパクトに振っていきました。
シャフトの挙動を気にしながら、タイミングを整えていくことに気をつけました。

ボールを前にして構えてみると、やはりフック(ハイフック)のイメージしか浮かびませんが、このようなタイプが今は多いので珍しくはありません。
私が好きな構え感ではないですが、このつかまりそうな感じが好きな方も多いのではないでしょうか?
フェースもよく見え、球があがりやすそうです。
普通に打つと左にしか行かない感じがしたので、少し右を向いて回してみる感じで打ってみることにしました。
試打を開始しました

『打感』は、ややしっかりめです。
打球を目で追わなくても、この打感だけで球がつかまっているのが分かります。
この打感は好みではないのですが、あまり気にしないようにしています。
機能を重視すれば、フィーリングが犠牲になることはありますし、シーソーのようなところがあるのかもしれません。

『音』もはっきりしていて、聞き覚えがあります。
甲高くなく、大きすぎないのがいいです。

球はとてもあがりやすくて高弾道です。
打ち出しが高く、ビッグキャリーが打てるドライバーです。

安定性も高く、シビアさは全く感じません。
球のつかまりがいいので、自動的に球をつかまえてくれるドライバーです。
シャフトが合わないのか、振りに行くと方向性が乱れてしまうところはありましたが、ヘッド自体は寛容でオートマチックタイプです。

『飛距離性能』も優れていて、スインガータイプの方に合いやすいのではないでしょうか。
弾きがいいですが、球のつかまりの良さが、この飛距離につながっているように思います。
高くあがりますが、力強くて頼りなさはありません。

『操作性』はあまり秀でてはいません。
完全のオートマチックタイプのドライバーです。
私はフック系が自然ですが、少し右に曲げることもできました。
しかし球のつかまりがいいので、大きく右に曲げるのは難しいです。
スライサーの方には大きな味方になってくれるのではないでしょうか?
試打後の感想

以前試打したドライバーよりも、このMAXのほうが球のつかまりが強いと感じました。
最初は『大きさ』がマックスなのかと思いましたが、『つかまりの良さ』がマックスということなのではないかな?と思いました。

フッカーには合いづらいところがあると思います。
スライサーの方には曲がりが抑えられて真っ直ぐに近い球が打ちやすいドライバーです。

あまり叩きにはいけないドライバーだと思いますが、ハードヒットではなく、ソフトヒットで余裕をもってつかまえて飛ばしたい方には合いやすいのではないでしょうか?
クセのあるドライバーではありますが、今はこのクセが求められているのかもしれません。

キャロウェイらしい、ハイテクドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





2020年03月17日
キャロウェイ MAVRIK フェアウェイウッド


今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ MAVRIK フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは Diamana 50 for Callaway です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは中調子 です。
新型コロナウィルスが猛威を振るうようになって数ヶ月が経ちました。
国内はもちろん世界中で、今もマスク不足が続いています。
やはり海外生産に頼っていてはこういった緊急時に全く対応できないということがよくわかりました。
国内生産で、常に備蓄をもっておく必要があると思います。
私は花粉症なのですが、ずっとマスクを買うことができずに辛い日を過ごしています。
しかし風邪も引かず元気なので、贅沢は言っていられないなと思いました。
症状が重い方や医療関係者の方たちにまずは充分な数のマスクが届いて欲しいですし、ウィルスを寄せ付けないというよりも撒き散らさないという意味でマスクが有効だと思います。
憎きウィルスに、今多く飛散しているスギやヒノキなどの花粉が効いてくれないかな・・・。などと、目のかゆみを感じながら思っていました。
新型コロナウィルスも厄介ですが、花粉も私にとって厄介な敵なので、『毒には毒をもって制す』という考え方です。
特効薬というのは身近にある、意外なものから作られることも多いそうで、いずれ開発されると期待していますが、一刻も早く完成して世界中に届いて欲しいです。

さて、このクラブですが、キャロウェイマーベリックシリーズの新しいフェアウェイウッドです。
先日、ドライバーやユーティリティを試打しましたが、今日はフェアウェイウッドを試打する機会に恵まれました。
デザインが統一されていて、すんなりと入っていけます。

シャロータイプのヘッドです。
ソールには色々な工夫が見られますが、ゴチャゴチャ感は無いので、好感が持てます。

独特なソールです。
色々な工夫が見られます。
クラブ研究では世界トップクラスといえるキャロウェイなので、おそらくこのソールにも大きな意味があるのではないでしょうか?
FWはドライバーと違い、直打ちすることが多いので、芝やラフ・ベアグランドなどでの滑りの良さを追求しているのかな?と思いました。

ソールには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
数字の刻印が無いので、重さは判りません。

このJAIL BREAK TECHNOLOGYも、お馴染みです。
ドライバーと同じ技術が取り入れられているのだと思います。

ネックの長さはしっかりと維持されています。
これはちょっと意外でした。
これまでも書いてきましたが、キャロウェイはどうしてもスルーボアやショートネックのイメージが強いので、この長さはなかなかイメージできません。
ショートネックのほうが好きだという方も多くいらっしゃると思いますが、私はこのようなネックの長さがあると、『上から』拾っていけるイメージが出しやすいので、好感が持てます。
アイアンやウェッジでも、ある程度ネックの長さがあるほうが、易しく感じられ親近感がもてます。
ネックに調整システムは搭載されていません。
キャロウェイは調整システムのイメージが強いですし、ドライバーには搭載されていましたが、全てのモデルに搭載するということではないようです。

シンプルで綺麗なフェース面です。
3本のスコアラインが大きな存在感を放っています。
アイアンなどに限らず、フェアウェイウッドもメーカーやモデルによってスコアラインの数が違っていますし、スコアラインが無いものも見られるようになりました。
どれがベストなのか分かりませんが、いずれ答えがでるのかもしれません。

トゥ側には『FLASH FACE SS20』と表記されています。
これはドライバーにも見られましたが、キャロウェイ独自の特別なフェースなのでしょうか?

シャロータイプです。
見慣れた感じの、スタンダードなシャローです。
クラウンは平らではなく、丸みを帯びて盛り上がっているように見えます。

装着されているグリップは最近、よく見られるタイプです。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。

オーソドックスな、いい顔をしています。
私には『つかまえ顔』に見えたのですが、今はこれくらいがスタンダードといえるでしょうか?
『逃がし顔』のフェアウェイウッドには最近出会えていないように思います。
大きさもちょうど良くて、黒ということもあり、引き締まって見えるところに好感が持てました。
直打ちするクラブはヘッドが大きくなりすぎてしまうと難しそうに感じますが、これくらいの大きさだと易しそうです。

カーボンクラウンなのが分かりました。
昔のように今はカーボンクラウンが流行っているようですが、同じカーボンクラウンでもテーラーメイドとはテイストが違います。

素振りをしてみると軽量感もありましたが、シャフトがかなり動いたので、少し抑えめに振りました。
強めに振ると、ヘッドの挙動が安定しづらい感じがしましたが、それは私がまだこのシャフトに慣れていないからのように思います。
フレックスはSなのですが、かなり軟らかめのSです。
国内モデルだから、この軟らかさや軽さがあって、US仕様だったら、もっとしっかりしたスペックなのかな?と思いました。
カスタムシャフトや、昔から使っている『地シャフトメーカー』に差し替えるのもアリだと思いますし、海外仕様のモデルをそのまま使ってみるというのも、有効だと思います。
ヘッドは期待できそうですが、正直ちょっと物足りないスペックに仕上がっているように感じました。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
いい意味で『おとなしい』といいますか、集中力を散らさない構え感に見えました。
しっかりと『自分の中のゾーン』に入っていけそうです。
ただ、やはりフェースが左を向いているように見えてフックのイメージが出てしまいました。
右に構え直して打とうかな・・・。と思ったのですが、まずはこのまま打ってみることにしました。
試打を開始しました

『打感』はややしっかりめですが、硬くなく好感が持てました。
はっきりした打感です。
ボヤけていなくて、しっかりと『芯』があります。
フェースに乗る感じは無く、弾き感がかなり強いです。

『音』も甲高くなく、いい感じです。
昔のあの独特の甲高い金属音ではありません。
音に邪魔されず、気持ちよく振っていけました。

球はかなりあがりやすいです。
フェアウェイウッドなのでいつも通り、直打ちで打ってみたのですが、すごくよくあがります。
クリークということもあると思いますが、この浮きやすさや弾道の高さは武器になりそうです。
同じフェアウェイウッドでも、スプーンだと感じにくいですが、クリークはしっかりと高さを出していけるので、『グリーンを上から攻める』イメージが出しやすいです。
このクラブも、まさにそんなタイプです。
上空高く『鳥瞰(ちょうかん)』で攻めていけるクラブといったらいいでしょうか?
高~くあがっていくボールを目で追いながら、そんなことを考えていました。
カッコいいクラブですが、タフさは全くなく親しみやすい性質をもっているので、スインガータイプの方にも親しみやすいクラブといえるのではないでしょうか?

『安定性』も高く、シビアさは感じません。
最初から少し左に飛んでいったのですが、かなりつかまりがいいクラブです。
せっかく、これだけいい大きさに収まっているので、フェースがスクエアか逃がす感じだと、もっとラインを出しやすいような気がしたのですが、それは私がフッカーだからそう感じたのかもしれません。
3球続けてフック系の球が出たので、少しずつアジャストしながら、ようやく真っ直ぐに近い球を打つことができました。
球のつかまりがいいFWですが、これは装着されているシャフトも大きく影響しているのは間違いありません。

『飛距離性能』は高いです。
フェースの弾きが強く、初速も出ています。
軽量感のあるクラブではありますが、弾道は力強いです。
この弾きの良さは、今のFWの中でも、間違いなくトップクラスにあるといえるのではないでしょうか?
そう思えるくらい、このクラブの飛距離性能は高いです。

『操作性』という点では、まずまずです。
操るタイプではないですし、私の場合はフック系のほうが出やすいように感じました。
球のつかまりがいいですが、ちょっとつかまり過ぎです。
右にはなかなか行きにくいですが、カットに打って少し曲げることができました。
ドライバーのような大きいサイズのクラブよりも、クリークのようなサイズ(ヘッド体積)の小さいクラブのほうが、フェースの向き(この場合は左向き)の影響は大きいことを改めて感じました。
フェード系の方は、ほぼストレートな球筋になるかもしれません。
試打後の感想

弾道の高さとつかまりの良さ・そして弾きの強さが印象に残りました。
これが今の『飛びのトレンド』といえるのではないでしょうか?
カッコいいクラブですが、気難しさは全くなく、親しみやすい飛びなのも、このクラブの魅力です。

弾道がかなり高いので、スプーンも試してみたくなりました。
おそらくタフさは感じないだろうと思いますし、充分あげてくれるような気がします。

ネックの長さがしっかりとあったので、多少は重心が高くなっているのかと思っていましたが、実際に打ってみて高重心だとは思いませんでした。
でも上から潰すように打つこともできましたし、上から打つと厚く当てられるというメリットもあり、そのときはすごくいい球が打てました。
レベルブローに近い感じで打ってみて、多少薄めに当たることもあったのですが、それでもしっかりと球を浮かせてくれたので、実戦でも心強いパートナーとなってくれそうです。

ネックに調整機能は搭載されていませんが、その分、ヘッドの性能アップが実現できているのではないでしょうか?
ヘッドの基本性能をあげれば、調整システムはそれほど重要ではないという、メーカーからのメッセージがあるような気がします。
私は調整システムを重要視していないですし、これまで調整システム付きのクラブを試打して、基本性能がおろそかになっていると感じたクラブはたくさんあります。
このマーベリックフェアウェイウッドは、その真逆に位置するクラブなのは間違いありません。

ビッグバーサの頃から、キャロウェイはウッド系(特にFW)が素晴らしいと思っていましたが、その伝統が今でも引き継がれているようです。
技術の革新は進みましたが、『易しく飛ばせる』というコンセプトは1ミリもブレていないように思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





2020年02月25日
キャロウェイ MAVRIK ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ MAVRIK ユーティリティ の5番 です。

シャフトは Diamana 50 for Callaway です。
ロフトは23度、クラブ長さは39.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は52g、トルクは4.3、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は354g です。

キャロウェイ MAVRIKシリーズのユーティリティです。
これまでアイアンとドライバーを試打してきたのですが、今日はユーティリティを試打する機会に恵まれました。
このMAVRIKシリーズは私の周りでもよく話題になっていて、仲間たちも興味があるようです。
『ハイテク』ということでいえば、キャロウェイは世界のトップといえるのではないでしょうか?

ドライバー同様、ソールには色々な工夫がされています。
FWやUTはソールが丸みを帯びているものが多いですが、このクラブはどちらかといえば平らに近いタイプです。

ネックの長さは適度にあります。
最近のキャロウェイは、これくらいの長さが多いように思います。
ネックに調整機能は搭載されていません。

ソールのフェース寄りには『JAIL BREAK TECHNOLOGY』があり、ドライバーと共通しています。
他のメーカーには見られない、キャロウェイ独自の技術です。

フェース面のトゥ側には『FLASH FACE SS20』の文字があります。
これもドライバーと同じです。
番手の違いがありながらも、ドライバーと全く同じ設計思想によって開発され、ギューッと凝縮されているのかもしれません。

セミシャローといっていいと思いますが、この形状は今の主流です。

顔はちょっと個性的ですが、キャロウェイ顔といっていいと思います。
美しい顔で見とれるということはなかったのですが、よく見かけるオーソドックスな顔です。

このグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
ドライバーと同じグリップです。

ボールを前にして構えてみても、これまでと特に変わったところはなく、キャロウェイらしい見慣れた顔です。
ユーティリティ(ハイブリッド)にも『和顔』と『洋顔』があるとするならば、このクラブは明らかに洋顔です。
他のメーカーでもよく見られます。
最新のクラブではありますが、顔には特に変化が見られません。
これが今のスタンダードということになるのでしょうか?
フェース面もよく見えるので、あがりやすそうです。
試打を開始しました

『打感』はマイルドな感じといいますか、程よい手応えがありながらも、その感じる時間が『短い』といいますか、弾き感が強いです。
この打感は過去のモデルでも経験していますし、嫌な衝撃も残らないので、好感が持てます。

『音』も小気味よい金属音で、高すぎず大きすぎずいい感じです。
インパクトが邪魔されることもなく、気持ちよく振り抜いていくことができました。

球もあがりやすくて、イージーです。
ロフト(23度)もあると思いますが、よくあがってくれて弾道も高めです。
タフなタイプのUTではありません。
ユーティリティのロフトバリエーションが今は豊富になっていますが、この23度くらいが標準といえるでしょうか?
ロフトが23度だと、私の感覚では4番アイアンになるのですが、4番アイアンとは比べものにならないほどのあがりやすさと弾道の高さがあります。
弾道の高さは6番くらいで、飛距離は2番アイアンくらいかな・・・。などと球を目で追いながら考えていました。
球がよくあがってくれますが、どちらかといえばヒッター向けといっていいと思います。
ある程度振っていったほうが、このクラブのもつポテンシャルを発揮しやすいように感じました。

『安定性』はかなり高く、ほぼ同じ軌道を描いていきました。
まるで再現VTRを見ているかのように同じところを通っていて、この変わらないところがすごくいいです。
試打を続けていると店員さんがやってきて、このクラブは芯を外しても曲がりにくいんですよ・・・。と説明してくれたので、トゥやヒールに外して打ってみたのですが、その通りでした。
打感の違いは多少感じたのですが、球筋に大きな変化は見られません。
オートマ系のクラブに多いのですが、自分でミスしたと分かっていても、それを球筋に表さないクラブです。
ヒール側でもいい感じでしたが、ヒール側よりも、ややトゥで打ったほうが、いい感じのドローボールが打てました。
構えたときに『つかまえ顔』に見えたので、つかまりが良さそうに感じていたのですが、実際に打ってみてもその通りでした。
今はつかまりそうに見えても実際はそれほどでもなかったり、逆につかまりづらそうでも意外なほどつかまってくれたり・・・。と、構えたときの印象と違うこともあるのですが、このクラブは印象通りでした。
シャフトはややアンダースペックに感じたのですが、あまりクセが強くなかったのが良かったのかもしれません。

『操作性』という点では、普通で、それほど秀でていないように感じました。
安定性が高く、ほぼ真っ直ぐに近い球が高確率で打てるクラブです。
ちょっとコスったな・・・。と思っても右に曲がらず、ストレート系の球が出ました。
横の回転(サイドスピン)が掛かりにくいクラブといった感じがします。
これが『AIフェース』の特徴ということになるのでしょうか?
一応左右に曲げることはできたのですが、その曲がり幅はとても小さいものでした。
しっかり構えて上げさえすれば、コースでも大きなミスにはつながりにくいような気がします。
『ライン出し』に集中できるクラブです。

『飛距離性能』も優れていて、よく飛んでくれました。
フェースの弾きが良くて、初速が出ています。
今時の『低スピン系』かな?と打つ前は思っていたのですが、実際に打ってみるとそれほど低スピン系だとは思わず、しっかりと掛かっている感じがしたので、低スピン系を好まれない方にも親しみやすいのではないでしょうか?
キャロウェイは海外メーカーということで、私たち日本のゴルファーというよりは欧米のゴルファーを対象にクラブ開発をしていて、時々『尖った』感じの物も発表してきましたが、このクラブはとても親しみやすいクラブです。
飛距離性能は高いですが、それは飛んだり飛ばなかったり・・・。だとか、ある一定のゴルファーをターゲットにした『狭い層』の為のクラブではなく、多くのゴルファーの支持を集めるような気がします。
ただ、先ほども書きましたが、どちらかといえばヒッタータイプの方のほうが相性がいいような気がします。
ハードスペックのクラブではありませんが、しっかりと振って結果を出していきたいクラブです。
試打後の感想

構えた感じや打感はこれまでのモデルと大きな違いはないように感じたのですが、安定性といいますか、球筋のブレにくさは凄いな・・・。と思いました。
キャロウェイは特に飛距離にこだわっているメーカーという認識をもっていて、このクラブも飛距離最優先に開発されているのかと思っていましたが、そうではないと感じました。

安定性が一番のウリなのではないでしょうか?
しかも、ヘッドが大きすぎないのがいいです。
ヘッドが大きくてボテッとしていると直打ちが難しく感じることもありますが、このクラブはこれまでの大きさを変えずに直進性を高めているのがすごくいいです。

もちろん飛距離性能も高く、今のハイレベルなクラブがたくさんあるなかでも、高いほうだと思いますが、今回は飛距離よりも安定性のほうが強く印象に残りました。
私はフッカーなので普通に打てばドロー系になったのですが、大きく左に引っかかることもなく、安定していたのが印象的でした。

元々球のつかまりがいいクラブなので、フェードヒッターの方には、特に扱いやすいのではないでしょうか?
右へのコスり球がコスり球に見えないので、ミスをしてもマッチプレーで相手に悟られにくいのかな・・・。などと考えていました。
かなりミスを『隠してくれる』という印象をもちました。
AIフェースということで、トゥ側には『FLASH FACE SS20』と書かれていますが、これが大きな意味をもっているのかもしれません。

キャロウェイのアスリートモデルでカッコいいクラブですが、そのハードルは決して高くないので、ヒッタータイプで、いつも球が安定しないという方には是非試していただきたいクラブです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





2020年02月07日
キャロウェイ MAVRIK ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana 50 for Callaway です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は46g、トルクは6.0、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は299g です。

キャロウェイの新しいドライバーです。
先日アイアンを試打しましたが、今日はドライバーを手にすることができました。
キャロウェイは『ハイテクノロジー』のイメージが強いので、今度はどんな技術が取り入れられているのか、興味があります。

ラージサイズでソール全体が丸みを帯びているのが特徴的です。
大きさを除けば、FWを見ているようです。
ラージサイズでソールが平らなものが多いように思うのですが、キャロウェイがこういうクラブを発表しているというだけで、それなりの理由があるのだと思えてきます。

こうしてソールを見ていても、かなり工夫がされているようです。
調整機能やウェイト移動システムなど、キャロウェイのドライバーはたくさんのパーツが組み合わさって複雑な印象もありますが、このドライバーは比較的シンプルです。
シンプルだからこその、高い性能があるように思います。
ここの部分を見て、何となくですが、このドライバーは凄そうだ・・。と『肌感覚で』感じました。
鬼太郎のように、私の中のアンテナがピンと立ったような感覚です。

ソールには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
この位置にあるということは、重心の深さと球のつかまりやすさを求めているということになるのでしょうか?
刻印が無かったので、重さは分かりません。
ウェイトを交換するタイプではないのかもしれません。

ソールのフェース寄りには『JAIL BREAK TECHNOLOGY』の文字がありました。
ここの部分には、テーラーメイドが火付け役となって、溝のあるクラブが多い中、キャロウェイは別の技術で対抗しているようです。
『二本の柱』が中にあるそうで、それが大きな威力を発揮しているのだと前のモデルを試打した後に教えてもらいました。

ネックの長さは適度にあります。
キャロウェイはスルーボアやショートネックの印象が強いですが、最近は必ずしもそうではないようです。
こうして見ていても、それほど『低重心さ』は感じません。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このNとSのポジションです。

このフェース面のデザインは、これまでも見てきました。
過去のモデルを経験しているというのもありますが、弾きが良さそうです。

トゥ側には『FLASH FACE SS20』という文字がありました。
過去のモデルでは、『FLASH FACE』だけだったので、新たな技術が組み込まれているということなのでしょうか?
それとも材質が変わったのでしょうか?

この形状がちょっと意外でした。
これまで通り、シャローバックを予想していたのですが違う形状です。
これまではお尻(バックフェース側)が垂れ下がったものが多いのですが、このドライバーは違いました。
ディープバックまたはハイバックというほどではないですが、適度な高さがあります。
『ノーマルバック』あるいは『セミディープ』という表現が合っているかもしれません。
これも、おそらく大きな意味があるのではないでしょうか?
こういう形状だと、ボールをフェースの中心とバックフェースの中心で水平に打ち抜くイメージが出しやすいです。
シャローバックのクラブはインパクトのときにフェース面が上を向いてしまいそうに感じることが多いのですが、このドライバーはそのまま地面と平行に動いてくれそうなイメージをもてます。
私は高すぎる弾道よりも、ライナー系のやや低めの弾道を好むので、このような形状は大歓迎です。

顔も、いい意味で意外でした。
強烈なクセがあって、違和感しか浮かばない顔を予想していました。
キャロウェイは過去にそういうモデルを発表していたからです。
『美顔』というほどではありませんが、特に不満はありません。
バックフェースが少し膨らんでいるのが目立ちますが、たくさん試打してきたので、もう慣れました。
シャローバックタイプではないですが、こうして顔を見ているだけでは、シャロー感があります。
『逃がし顔』ではなく、やや『つかまえ顔』です。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで、すごくいいです。
先日試打したアイアンにも、同じタイプが装着されていました。
今年のキャロウェイは、このグリップで統一されているのでしょうか?
ソフトなフィーリングと、手にしっとりと馴染む感覚がたまりません。
硬いタイプのグリップだと、インパクトのときにギュッと握ることができず、力が逃げてしまいそうになるのですが、このようなソフトなフィーリングのグリップだと、一瞬ギュッと握ることができて、それが飛距離につながるように思います。
硬いグリップは『マイナスな力』が作用し、適度にソフトでしっとり感のあるグリップは『プラスの力』が作用するように感じます。
力が逃げずに、凝縮されるような感覚です。
ヘッドには『分散型』と『凝縮型』があると以前書きましたが、同じことがグリップにもいえます。
このグリップは明らかに凝縮型です。
ただ、これはあくまでも私の感覚や経験によるものなので、硬いグリップのほうがいいという方もたくさんいらっしゃると思います。

素振りをしてみると、シャフトがかなり動くタイプで、ちょっと物足りない感じがしました。
大丈夫かな・・・。暴れないかな・・・。と思いましたが、どうやら、このシャフトが『純正』のようです。
違うシャフトが挿してあるモデルを探したのですが、このドライバーしか無かったので、このまま試打することにしました。
フレックスはSですが、かなり軟らかくて動くタイプです。
こういうシャフトは、こちらが指示を出しすぎないようにして、まずはシャフトのクセを感じながら任せていくのがちょうどいいように、これまでの経験から思えてきます。
昔、スリクソンのZR-30というドライバーに『青マナ』を挿して使っていたことがあり、ディアマナはしっかりしているイメージが強いのですが、同じディアマナでも、色々なタイプがあるのだと改めて思いました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
見慣れた『キャロウェイ顔』で、特にテンションが上がることもなく、不満もありません。
淡々と見つめていました。
それほど大きく曲がるイメージは出なかったのですが、フェースがちょっと左を向いているように見えたので、ドロー系のイメージが出ました。
これ以上『つかまえ度合い』が強くなり過ぎてしまうと、右を向いて構えたくなりますが、このドライバーはそこまで極端ではないので、まずは普通に構えて打つことにしました。
試打を開始しました

『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめです。
中身がギュッと詰まったというよりは、ややスカスカした感じの打感ですが、特に不満はありません。
こういうもんだ・・・。と納得しながら打ち続けました。
フィーリングが犠牲になっているというほどではありませんが、フィーリングという目に見えない感覚的なことよりも、数値に表しやすいテクノロジーが優先されているのは間違いありません
『X HOT』というクラブが大ヒットしましたが、キャロウェイは『ホット』というよりは『クール』といいますか『ドライ』な印象があります。
全てにおいて、『合理的』といったほうがいいのかもしれません。

音は、はっきりしていますが、高すぎず大きすぎず、インパクトを邪魔しません。
気持ちよく振り抜くことができました。

『球のあがりやすさ』という点では、ややタフな印象をもちました。
ロフト(表示ロフト)が9度ということもあると思いますが(リアルはもっと寝ているのは明らか)、打ち出してからグーンとあがっていくタイプではなく、最初の打ち出しをそのまま維持していく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ライナー系の弾道が出やすいドライバーです。
シャフトも軟らかく、軽量感タイプのドライバーですが、意外とタフなタイプです。
ライナー系ではありますが、『低スピン性能』が強すぎて、ドロップするということはありませんでした。
叩いていけば、少し吹き上がりました。
高~い弾道というよりは、ライナー系に近く、緩やかに伸びていく感じです。
ヘッドの形状などから、打つ前はスインガー向けなのかと思いましたが、明らかにヒッター向けのドライバーだという印象をもちました。

『安定性』は高く、ラインを出しやすいです。
構えたときにつかまりそうに見えたので、ちょっと左へのミスを警戒しなければいけないかな・・・。という思いがありながら、そのまま打ったのですが、イメージよりもつかまりが抑えられていて、逃がすことができたので、フッカーの私は少し楽に感じました。
このようなつかまり過ぎないクラブは左を大きく使っていけるので、コースマネージメントが楽になります。
オートマ系の顔をしているな・・・。と思いましたが、実際に打ってみても、その通りでした。
大らかさというよりは『自動感』といったらいいでしょうか?
自動的に真っ直ぐに近い球筋を描かせてくれるように感じました。
直進性が高く、スイートエリアも広いですが、決して曲がらないドライバーではなく、スライスを撲滅してくれるドライバーでもありません。

フェースの弾きが良くて、飛距離性能も優れています。
優れていますが、いわゆる『尖った飛び』ではなく、親しみやすい感じがします。
性格の丸い、マイルドな飛び性能を感じました。
試打クラブはロフトが9度ということもあり、合いづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
好みが分かれるところだと思いますが、効率が良くて無駄が無い印象をもちました。
違うロフトでも是非試してみたいですし、かなり印象が変わってくるような気がします。

『操作性』という点では、オートマ性が勝ってしまい、あまり細工をするタイプではないと感じました。
私がフッカーだということもあり、ドロー系のほうが自然に感じられましたが、右へ逃がすこともできました。
顔のイメージと球筋のイメージが合わないドライバーです。
私にはつかまえ顔に見えたのですが、こうすることでちょうどいい感じの『球筋におけるニュートラル感』が出せるのかもしれません。
スライサーの方は、ひょっとしたら球がつかまりきらず右へ抜けるということもあるかもしれません。
しかし、このドライバーの凄いところは、そこから大きく軌道がズレるのではなく、『耐えてくれる』といいますか、『最小限の曲がり』で抑えてくれることです。
球はつかまり過ぎないですし、右へも逃がせますが、どのように打っても、大きなミスにはなりにくい印象をもちました。
このドライバーはそこが最大の長所といえるのではないでしょうか?
試打後の感想

あまり細工をせずに、全てクラブに任せる感じで打っていくのがベストだと思いました。
こういったところは、今のクラブの特徴といえるのかもしれません。

今もつかまりのいいドライバーはありますが、一時期に比べ、つかまり過ぎないドライバーが増えてきたので、フッカーである私は親近感をもてるクラブが多くなりました。
つかまりがいいと、確かに飛距離においてプラスに働くこともありますが、引っかけて左に巻いてしまうのを恐れて振り切れずに、飛距離においてマイナスになってしまうこともあります。
しかし最近のドライバーは、こういったところも少しずつ修正されているようです。
飛ばせるドライバーというのは『気持ちよく振らせてくれる』ということが絶対条件になってきます。
方向性を気にしてスイングにブレーキが掛かってしまったら、クラブのもつポテンシャルはもちろん、ゴルファー自身の力も発揮できません。

ライナー系の弾道が出やすいですが、それほど低スピンだとは思わなかったので、『ドロップ』を心配しなくていいような気がします。
ただ先ほども書きましたが、ヒッター向けなのは明らかなので、合わないと感じる方は少なからずいらっしゃると思います。
テーラーメイドのSLDRが火付け役となって、低スピン系のドライバーが多くなった時期がありましたが、メーカーもようやく『程よい重心の深さ』を把握できたのではないでしょうか?
特に私たち日本人ゴルファーの多くは『浅重心タイプ』よりも『深重心タイプ』のほうが合いやすいと思います。

実際に打ち比べてみたわけではないので、はっきりとはいえませんが、前のモデルのエピックよりも飛距離性能が伸びたとは思いませんでした。
同じ練習場で試打しているので、過去の記憶をたどりながら(目印の柱を見ながら)、頭の中で弾道を重ね合わせていたのですが、『強烈さ』といいますか『エグさ』でいえば、エピックのほうだと思います。
それに対し、このマーベリックは『マイルドな飛び』という印象をもちました。
『まとめやすさ』という点でいえば、このマーベリックのほうが秀でているかもしれません。

キャロウェイの高い技術が注ぎ込まれたハイレベルなドライバーです。
一番強く印象に残ったのは『安定性の高さ』です。
他の部分も高いレベルを維持していましたが、安定性が優れていて、『小さな曲がり』で抑えられているのが凄いなと思いました。
昔なら打った後に、「あっ、しまったミスヒットした。これは大きく曲がってしまうぞ・・・。」と思い、実際にそのようになってしまうことが多かったのですが、最近のドライバーは直進性が高まりすぎて、そのような感覚が出なくなりました。
自分ではミスヒットしているのが分かっているのですが、意外なほど小さな曲がり幅で抑えられていて大きなミスにはならないようになっています。
いい意味での『感覚とのギャップ』のあるドライバーが増えてきました。
このドライバーの違うロフトや違うシャフトでも試してみたいですし、FWやUTも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





2020年02月05日
キャロウェイ MAVRIK アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO Zelos 7 です。
ロフトは27度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは先調子 です。

キャロウェイの新しいアイアンです。
MAVRIKは新しいブランドでしょうか?
キャロウェイは新しいブランドが登場してきても、その寿命はとても短い気がしますが、名前自体にあまり意味が無いのだとしたら、気にすることはないのかもしれません。
呼び方は『マーベリック』でいいと思うのですが、昔観た大ヒット映画『トップガン』を思い出しました。
主演のトム・クルーズさんの役名が確か、マーベリックだったと思います。
戦闘機を操縦中、コクピットでの会話シーンがとても印象的でした。
当時、アルファ社のMA-1というフライトジャケットが大流行して、私は今でも2着持っています。
軽くて防寒性に優れているので、今の季節は欠かせません。

大型でステンレスの質感が強いアイアンです。
昔から、こういうタイプはありますし、ある意味キャロウェイらしい感じがします。
キャロウェイだけでなく、海外メーカーらしい特徴といえるのかもしれません。

彫りは比較的浅く、フルキャビティというよりはハーフキャビティに近い感じがしますが、おそらくヘッド内部にも、いろいろな工夫がされているのではないでしょうか?
ちょっと前まで、ニューアイアンといえば、『ポケキャビ』が大半を占めていましたが、今は中空タイプも増えてきましたし、このようなキャビティアイアンも見られるようになりました。
アイアンのバックフェース形状にもトレンドがあるのでしょうか?

トップラインは厚めです。
キャロウェイアイアンらしい厚みといっていいように思います。

ソール幅は標準的です。
もっとワイドを予想していたのですが、違いました。
こうして見ても『くねくねタイプ』といいますか、ネックが曲がっている(強いグースタイプ)であることが分かりました。
正直、テンションがあがらない形状ではありますが、これはあくまでも私の好みによるものなので、この形状を好まれる方も多いと思います。

ワンピースタイプではなく、バックフェースにもパーツが組み込まれているのが分かりました。
色々な素材やパーツが組み合わさると、『打感が濁る』ことがありますが、このアイアンの場合はどうなのでしょうか?

ネックは短めで、ちょっと『頭でっかち』に見えました。
キャロウェイといえば、昔(ビッグバーサ)から、低重心のパイオニア的な存在でしたが、それが今でも続いているようです。
低重心というと『易しい』というイメージが浮かんでくる方がいらっしゃると思いますが、必ずしも低ければいいというものではないですし、その人に合った重心高さがあるように思います。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ステンレスっぽい質感です。
テンションが下がることはないですが、かといってあがることもなく、まさに『淡々』といった感じで見つめていました。
感情の起伏が無く、ずっと一定でした。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
ある時期、キャロウェイのグリップは硬いタイプが採用され続けていて、あまり好感が持てなかったのですが、このグリップはとてもいいです。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
やや軽量タイプの、振り慣れた感じがします。
今はアイアンのシャフトもカーボンが増えてきましたが、このようにスチールもまだまだ健在なのが嬉しいです。
試打クラブにはカーボンシャフト装着モデルもあったのですが、私はこのスチール装着モデルを選びました。

ボールを前にして構えてみると、キャロウェイアイアンらしさがありました。
昔からある顔です。
時は流れても、『不変』なのだと思います。
グースも大きく、海外メーカーらしい顔です。
キャロウェイのアイアンは、このようなタイプが多いです。
私が好むタイプとは真逆な感じがしますが、こういうタイプも人気があります。
大味な感じで、あまりイメージは出てこないのですが、ダフらないよう気をつけることにしました。
試打を開始しました

『打感』は堅めでした。
予想通りのフィーリングです。
ステンレスのキャビティアイアンを使い慣れておられる方には、とても親しみやすい打感といえるのではないでしょうか?
私には堅めで、やや薄い感じの打感なので、あまり魅力的には思えませんでした。

『球のあがりやすさ』は、普通です。
これまで出会ってきた同様のアイアンと変わらないあがりやすさです。
タフさはないですが、グースの利きが強いからでしょうか?
出球は低く抑えられている感じがします。

『安定性』は高く、イージーです。
気難しさは全く感じませんでした。
打感に『芯』を感じにくい反面、いい意味で鈍感な感じがします。

『飛距離性能』は優れていて、完全に2番手以上の飛びです。
私の感覚では5番アイアンくらいなのですが、今はこれくらいが普通になってきているので、特別驚くようなことはありません。
球がよくつかまり、キャリーもしっかり出せました。

『操作性』という点では、大らかさが勝ってしまいますが、左右に曲げることもできました。
大顔タイプなので、右に抜けやすそうな感じもしますが、強いグースがそれを押さえ込んでいるようです。
ちょっと気を抜くとダフってしまいそうだったので、そこに意識を集中させました。
試打後の感想

キャロウェイらしいアイアンです。
私はステンレス系のアイアンを使ったことが無いのですが、ステンレス系のアイアンも人気が高いですし、キャロウェイファンの方だけでなく、多くの支持を集めるのではないでしょうか?

『MAVRIK』という、新しい名前のアイアンですが、試打しながらずっと『既視感』を感じていました。
既に、このようなアイアンはたくさん出会ってきたような気がします。

もちろん、これまでに無い新たな技術が注ぎ込まれているのだと思いますし、それを感じ取ろうと思ったのですが、できませんでした。

好むタイプではないので、あまり興味がもてなかったからなのかもしれません。
飛距離とつかまりの良さ。
そして、安定性が、このアイアンのウリだと思います。

キャロウェイのクラブはバリエーションが豊富なので、これからもキャロウェイには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2019年10月29日
キャロウェイ JAWS ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD4 です。

キャロウェイの新しいウェッジです。
キャロウェイといえば、ビッグバーサをはじめとするドライバーやFWのイメージが強いですが、いいウェッジもたくさん発表しています。
顔の良さとソフトなフィーリング、そして強烈なスピン性能の印象が強いです。

大きさも形状もオーソドックスなタイプで、これまでと変わりません。
JAWSという名前なので、あの有名なサメの映画を思い出しますが、JAWSはサメという意味ではなく、ジョー(顎)ということだと知ったのは、映画を観たずっと後のことです。
私は子供の頃から泳ぎが得意で、夏休みにひとりで海(海水浴場)に行って遠泳をしたことがあります。
体力が有り余っていたので、どこまでも泳げるような気がしていました。
しかし、その数年後に私が泳いでいた海水浴場の沖で、巨大なサメが捕獲されてスポーツ新聞に載り、私はその記事を読んでゾッとしたことを覚えています。
もし、私が泳いでいてサメに遭遇したらと思うと、怖くてたまりません。
何もなくて運が良かったです。
そういえば、ボクシングでも顎のことをジョー(ガラスのジョー)というのを思い出しました。
その名前が使われているということで、このウェッジの特徴がだいたいつかめたような気がします。

ソールには、4つの○があります。
以前試打したことのある、黒染めのカッコいいウェッジを思い出しました。

ソール幅は標準的です。
トゥからヒールにかけてテーパーになっているのではなく、ストレートなタイプです。
こうして見ても、かなりソールに『削り』が入っていることに気づきます。
タイトリストのボーケイはソールのバリエーションが豊富ですが、キャロウェイのウェッジはそこまでのイメージはありません。
今回のニューモデルでは、『削りのパターン』を増やしているのでしょうか?

ネックの長さは標準的です。
ロングというほどではありませんでした。
私はもう少し長いほうが好きなのですが、これくらいの長さのほうが上から打つイメージが緩和されて横から拾いやすそう・・・。とイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。

トップラインの厚さは標準的です。

フェース面にはミーリングがありました。
過去に試打したモデルにもあったので、おそらくこのJAWSにもあるだろうと思っていました。
今はミーリングもいろいろなものがありますが、このウェッジの場合は、スコアラインと平行に走っているポピュラーなタイプです。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラ感がありました。
このザラザラ感を醸し出しているものが、『JAWS』の由来なのかもしれません。
今回は『顎(JAWS)』という名前のウェッジですが、『牙』というウェッジが登場しても面白いな・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
軟鉄の柔らかそうな雰囲気が伝わってきて、目尻が下がってしまいますが、それ以外にもネックが絞り込まれているのがいいです。
男前のティアドロップ型といったところでしょうか?
私はこのほうが好きです。
今のウェッジはネックのところが少し広くて、どことなく『ボテッ』とした感じがする物もあるのですが、このウェッジはシュッとしていて好感が持てます。
このほうがフェースを開閉するスピード感をイメージしやすいです。
ストレートタイプなので、グースタイプを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
ストレートとはいっても、今時珍しい『出っ歯』タイプです。
しかし今は少しずつ、このような『出っ歯タイプ』も見られるようになってきました。
これも流行りなのでしょうか?
私はグースがきついタイプは苦手ですが、かといって『出っ歯』がきつすぎるのも難しそうに感じます。
しかし、これくらいであれば何の問題もないですし、かえって球を拾いやすそうな気がします。

フェースを開いて構えてみたのですが、いい感じです。
邪魔をするものがありませんでした。
このように大きく開いて構えるときはボールの下の部分を、あるいはボール下の草を鋭くスピーディーにカットしていって、ボールが真上にあがるイメージが欲しくなります。
前に向かうエネルギーを上に変えたいです。
ひょっとしたら自分の顔に当たっちゃうんじゃないか?と思えるほど、真上にあがるイメージがもてると、ロブショットの成功率が高まります。
今日はそのイメージが色濃く出せました。
それだけでなく、ロブ系のショットは上にあがると同時に『スピードボール』ではなく、『スローボール』のイメージも欲しくなります。
ティーイングエリアから離れ、カップに近くなればなるほど『スロー』のイメージが欲しくなりますが、今日はそのイメージが出せました。
ロブショットも含め、私はアプローチの練習が大好きなので、今日は楽しい試打ができるぞ・・・。と気持ちが盛り上がっていきました。
試打を開始しました。

『打感』は好感が持てました。
見た目の印象にマッチした、ソフトなフィーリングです。
『球の乗っかり』がとても良く、『くっつき感』を楽しめます。

球もあがりやすくて、とても拾いやすいです。
今日は練習場のマットの上からでしたが、これならば実際のラウンドで薄いライであったとしても、いい感じで拾っていけそうです。
フワッとした、柔らかい球で運んでいくことができます。

『スピン性能』は、かなり高く、ボールの回転速度を上げてくれているようでした。
フェース面のミーリングがよく効いているのだと思います。
フェース面に球をくっつけて運んでいける感じで、その『くっつく時間の長さ』が『スピン性能』に直結しているように感じられました。
このウェッジはソール形状が印象的ですが、フェース面もかなり仕事をしてくれています。
ソールの滑りの良さと、フェース面の『乗っかりやすさ』というダブル効果で、スピン性能を高めてくれているようです。

『安定性』は普通です。
構えやすくてラインを外しにくいので好感が持てますが、今はキャビティタイプのイージー系ウェッジもあるので、それらと比べると正直なところはあるかもしれません。
しかし、決して気難しいタイプではないので、このウェッジを敬遠されず試していただきたいと思いました。

距離感は、かなり合わせやすいです。
ガツンという感じではなく、そっと乗せて運んでいけるので、最初から落としどころを限定することができて、距離感を合わせることができました。
スピン性能が高いので、キャリーの後でコロコロとスピンがほどけて転げすぎることもないので、実戦向きです。

『操作性』も高く、色々な球で遊ぶことができました。
ピッチショットなどもいいですが、ロブ系のショット(特にハーフロブ)がすごく易しいな・・・。と思いました。
色々な場面で活躍してくれそうな、頼もしさがあります。

外観の美しさ(質感の良さ)や打感の良さが印象的ですが、やはり一番印象的だったのが、スピン性能の高さです。
『止める力』が凄いです。

ヘッドを強く『ガツン』と入れて、強烈にスピンを掛けていくのではなく(それもやろうと思えばできますが)、柔らかめに打って確実に止めてくれるのがいいです。
ソフトタッチのハイスピンといったところでしょうか?

今のクラブはどんどんオートマチックタイプが増えています。
最初はドライバーから始まってアイアンやパターまでいって、今はウェッジもそのようになっています。
細かいニュアンスを伝えていくというのではなく、あくまでもオートマチックに失敗を極力なくしていって、いい意味での『アバウトさ』『鈍感さ』で勝負できるウェッジも見られるようになりました。

自分のイメージを100%伝えて、『100点満点の寄せ』を狙っていくのではなく、『60~90点以上』を高確率に目指すといったらいいでしょうか?
トータルでいったら、そのほうがスコアをまとめやすいのかもしれません。

しかし、このウェッジはそのようなタイプではなく、完全に『マニュアルタイプ』のウェッジです。
ウェッジにも寛容さを求めておられる方には、親しみづらいところがあるかもしれません。
ソールの抜けの良さや、スピン性能の高さが際立っていますが、特に『お助け機能』のようなものは見られません。
いいショットをすれば、それに確実に応えてくれるウェッジといっていいように思います。

すごくいいウェッジだな・・・。と思いました。
以前試打したモデルのイメージがまだ強く残っているので、このウェッジの黒染めモデルがあれば、是非そちらも試してみたいです。
2019年10月01日
キャロウェイ X FORGED STAR アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ X FORGED STAR アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは29度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは中調子 です。

キャロウェイXフォージドのニューモデルです。
キャロウェイのアイアンには昔から強い苦手意識をもっていたのですが、初期モデルのXフォージドに出会ってから変わりました。
それからいくつかのXフォージドを試打してきて、とても好感を持っています。
なので、このニューアイアンにも期待感が膨らみました。

オーソドックスなタイプのキャビティアイアンです。
バックフェースのデザインも凝っていますが、特に変わったところはありません。
このアイアンを見て、以前試打したことのある、JBEAMのアイアンを思い出しました。
よく似ていますが、アイアンのデザインも無限ではないので、このようなことはよくあることなのだと思います。

彫りは比較的浅めで、ハーフキャビティといってもいいでしょうか?
ただ、何となくですが、それほどシビアそうな感じは伝わってきません。

トップラインは少しだけ厚く見えたのですが、『標準の範囲内』といっていいように思います。

ソール幅も標準的です。
しかし今は多くのアイアンでワイドソール化が進んできているような気がするので、そういった意味では、やや狭いほうに分類されるかもしれません。
この『独特のカーブ』がキャロウェイらしいです。

ネックの長さも普通です。
こうして見ていると、キャロウェイのアイアンらしくない感じがします。
もっとショートネックで独特な印象がありますが、このアイアンは他のメーカーと同じような雰囲気があります。
これがXフォージドの良さであり、親しみやすさなのかもしれない・・・。と思いました。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ごく普通の、『スタンプ感』のあるフェース面です。

装着されているクリップはツアーベルベットで好感度があがりました。
微妙なフィーリングを求めていくには、最高のグリップのひとつです。
ソフトというだけでなく、このしっとり感がたまりません。
このフィーリングは他のグリップでは、なかなか味わえません。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
やや軽量感がありますが、特に不満はありません。
他のメーカーのアイアンにも採用されていましたし、これからは、このneoがN.S.PRO 950GHの代わりになるのでしょうか?
私はまだ軽量スチールを使う予定がないので分からないところもありますが、今は本当にアイアンのシャフトもバリエーションが豊富になってきました。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
予想通りの『いい顔』をしています。
X FORGEDでは、このいい顔が当たり前といっていいと思いますし、この構えやすさがあるから、多くの支持を集めているように思います。
『小振り感』はなく、少しだけ大きく見えました。
グースが小さいので、グースネックを好まれる方には、少し不満が残るところかもしれません。
オードソックスな感じでとても構えやすいですが、見とれるようなことはありませんでした。
淡々とした感じで、気持ちが盛り上がることはなく、普通に見てました。
あくまでも私の感覚なのですが、ちょっとネック周りに特徴があるといいますか、少し『詰まっている』ような印象をもちました。
スッキリとした構え感ではありませんでした。
しかし特にマイナスというほどでもないので、普通に構えられました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、このアイアンのもつ飛距離性能です。
完全に2番手は違います。
これまでのXフォージドはもちろん、他のメーカーも含めた今のフォージドアイアンの中でもトップクラスといえるほどの高い飛距離性能があるといっても過言ではないのではないでしょうか?
今はフォージドアイアンでも『ディスタンス化』が進んできているように思いますが、その最たるもののひとつが、このニューアイアンです。
このアイアンを開発するにあたって、飛距離性能を最優先テーマにしたのではないでしょうか?
はっきりそう思えるほどの飛びがあります。
ロフトは立っていますが、それほどタフな感じはせずに、しっかりと打ち出しの高さをキープできて、ビッグキャリーで運べました。
私の感覚では、『易しい5番』です。

『打感』もソフトで、なかなかいい感じでした。
これまでのXフォージドと変わらないような感じがします。

弾道は高くてタフな感じはしませんが、どちらかといえばある程度HSのあるヒッター向けなのかな?と思いました。
ただ、このアイアンのように球があがりやすいシャフトが装着されていると、かなり難易度が下がってくるので、そういった意味では『ハードルが高すぎない』アイアンといえるのかもしれません。
しかし、基本的には『アスリート仕様』のアイアンといっていいように思いますし、このアイアンが難しいと感じる方も少なからずいらっしゃると思います。

『安定性』は普通です。
特にシビアに感じるところは無かったですし、不自然といえるほどの高い安定性はありませんでした。
あくまでも『普通』といったところです。
少しだけヘッドが大きく見えたということもあり、アスリート仕様のディスタンス系アイアンの中では、やや易しい部類に入るのかな?というところはありました。

『操作性』は、いい感じです。
クセのない顔をしているので予想はできましたが、左右同じように反応してくれました。
キャビティタイプなので、安定性を優先しているのかな?と最初は思いましたが、どちらかというと操作性のほうが優れているように感じました。
ドローヒッターの方もフェードヒッターの方も扱いやすいアイアンといえるのではないでしょうか?

これまでのXフォージドらしい、良さがありながら常に進化しているように感じました。
特に強く感じたのが飛距離性能です。

私はアイアンに、このような『番手ずらし』の飛びは求めていませんが、今はそれだけニーズが高いのは間違いないと思います。
以前も書きましたが、これを7番アイアンと思うから飛ぶのであって、『5』と刻印されれば、普通でやや易しめの5番アイアンということになります。

もし自分がこのアイアンを購入して、細かなオーダーに対応してもらえるのであれば、『7』という刻印を『5』に変えるだろうな・・・。と思いました。
もっといえばウェッジと同じように『リアルロフト』だけを刻印してもらうかもしれません。
しかし、おそらくそういったことは『不可』だと思います。

キャロウェイは世界トップレベルの『ハイテククラブ』を世に送り出すメーカーですが、このアイアンはいい意味で、それほどのハイテク感を感じさせませんでした。
ベーシック感を残していました。
それはやはり『アイアンの基本』ともいうべき、軟鉄鍛造だからかもしれないですし、ベーシック感を求めておられる方もメーカーが大切にしているからではないでしょうか?

いろいろなところをバランス良く上げていくというよりも、このアイアンはどちらかというと『一点突破』的といいますか、飛距離を最優先しているような気がします。
それだけ飛距離にこだわりながら、いかに難しくしないか・・・。ということがテーマなのではないでしょうか?

私がアイアンに求めるものと違うところもありますし、見とれるようなこともなかったので、購買意欲が強く刺激されたということは無かったのですが、それはあくまでも私の好みによるところなので、このアイアンが良くないということではありません。
むしろ、今のニーズに合った、『時代にマッチしたアイアン』といっていいのではないでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2019年09月17日
キャロウェイ EPIC FORGED STAR アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC FORGED STAR アイアン の7番 です。

シャフトは Speeder EVOLUTION です。
ロフトは26度、シャフトフレックスはSR、トルクは3.7、キックポイントは中調子 です。

キャロウェイエピックシリーズの新しいアイアンです。
最初パッと見て、カッコいいアイアンだな・・・。と思いました。
キャロウェイといえば、世界トップクラスの深い研究と『ハイテク』が特徴ですが、このアイアンにも、そのエッセンスが凝縮されている感じがします。
キャロウェイには、海外メーカーらしい『合理的』な印象もあります。

キャロウェイのアイアンはいろいろなタイプがあって幅広いですが、このアイアンの大きさは標準タイプといっていいと思います。
小顔タイプでもないですし、かといって大顔な感じもしません。
輪郭は丸みがあって、シャープさを感じさせません。
この丸みに親近感をもたれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

彫りの深さはそれほどないですが、プクッと膨れている感じがしたので、何となく中空タイプなのかな?と思いました。
ギュッと詰まった感じは無く、どこかに『空洞』がありそうです。

トップラインは少し厚めではありますが、極端ではありません。
これくらいの厚みがあるほうが、親近感をもつという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
最近は『ちょい厚』のトップラインが増えてきたような気がします。

バックフェースには『FORGED』の文字がありました。
打感にも力を入れているのではないでしょうか?
それと、FORGEDの文字があると、売れやすいという戦略的なところもあるのかもしれません。
一口にフォージドといっても、今はいろいろなタイプがあります。

ソールにある、このパーツが大きな存在感を放っています。
配置されている場所から、おそらくウェイトで間違いないと思いますが、これだけ大きなものが付いているので、かなりの低重心・深重心が実現できているような気がします。
高重心アイアンで育った方は低重心のアイアンを打ったときに、何となく『ポコッ』といいますか、打ち損じた感覚をもたれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今のアイアンは昔に比べ、かなり進化し、いろいろなパーツが組み合わさっています。
ワンピースタイプのアイアンは少数派になりました。
しかし、それでも一番贅沢だな・・・。と思えるのは、やはり『削り出し』です。

ソール幅は少し広く見えましたが、今のアイアンの中では標準的といったところでしょうか?
バックフェース部分に大きな丸みがあるのが特徴的で、キャロウェイらしい感じがします。
キャロウェイのアイアンは、こういうタイプが多いです。
『原型』を変えず、『詰め込むもの』で勝負している・・・。といったところでしょうか?

ネックは少し短いです。
ヘッドも少し大きく見えたので、『やや寸胴タイプ』に見えました。
私はもうちょっとシュッとしているほうが好きですが、このままでも特に大きな不満はありません。
見とれることが無い代わりに、強い違和感などもありませんでした。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ごく普通のシンプルなフェース面です。
ソールやバックフェースにはいろいろな工夫がされていますが、『唯一のボールとの接点』でもあるフェース面はシンプルですし、こういうアイアンが今は多いです。
フェース面はルールによって厳しく規制されているので、なかなか手を出しづらい部分なのかもしれません。
それと製造工程による『作業の手間』といった問題もあるのかもしれません。
こういったところが『ドライ』といいますか、海外メーカーらしいような気がします。
細かなところまでこだわるということに関していえば、やはり日本の地クラブメーカーに分があるような気がしますし、そこがまた魅力的でもあります。

素振りをしてみると軽量感があり、見た目とのギャップが少しありましたが、今はこういうタイプが多いので、特に気になることはありませんでした。
できればもっと重量があったほうがいいですし、スチールは無いかな・・・。と探したのですが、この一本しかなかったので、このまま試打することにしました。
スピーダーはドライバーに装着されるイメージが強いですが、ついにアイアンにも装着されるようになり、ちょっと驚きです。
かなり飛距離に力を入れているのではないか・・・。と思いました。

緑の色が美しいグリップです。
フィーリングもソフトで好感が持てます。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずでした。
少しヘッドが大きく見えたのと、グースが利いていましたが、今はこういうタイプの顔を好まれる方が一番多いのではないでしょうか?
『セミラージ&セミグース』が今の主流といえるような気がします。
こうして構えていて、見とれてしまったり、すごくいいイメージが湯水のようにあふれ出る・・・。といったことはなく、普通に一定のテンションで構えていました。
テンションがすごくあがるといったこともなかったのですが、苦手意識などのマイナス的なこともありませんでした。
『淡々』といった表現が一番近いような気もします。
今に始まったことではないですが、かなりロフトが立っているので、7番には見えないのですが、こういったところはあまり気にしないようにしています。
『出球のイメージ』も出さず、こちらも『ドライ』で、ただ単に球を打つ・・・。といったことに意識を向けました。
試打を開始しました。

まずは、このアイアンのもつ飛距離性能の高さを感じました。
これまでキャロウェイのエピックアイアンを試打してきて、はっきりとした『ディスタンス系』という認識をもっていたので、予想はしていたのですが、やはり凄いな・・・。と思いました。
明らかに『2番手以上』の飛びです。
アイアンというよりは、『ユーティリティアイアン』といったほうがいいのかもしれません。
このアイアンのロフトは26度ということで、私の感覚では『4番と5番の間』といったところです。
一昔前の7番アイアンよりも、10度もロフトが立っていることになります。
私は今でも、
2I=17~18度
3I=20~21度
4I=24度
5I=28度
6I=32度
7I=36度
8I=40度
9I=44度
PW=48度
AW=52度
SW=56度
LW=60度
という、ほぼ『4度ピッチ』の感覚が抜けないですし、また抜こうとも思っていません。
いくら時代が進化してもそれに流されず、ベースとなるものは常に自分の中にもっておきたいです。

なので、今のハイテクアイアンのロフト設定は驚きを隠せないですが、これも時代の流れで仕方ないのかもしれません。
時代は進み、技術も進化しましたが、やはりロフトを立てることが大前提になるのだな・・・。と改めて再確認しました。
『ノーマルロフト』で距離の出せるアイアンをメーカーが作ったら、私たちゴルファーにもインパクト大です。
このアイアンは、かなりよく飛びますが、私は試打をしていて、完全に『7番アイアン』ということを忘れ、『よく飛ぶ5番アイアン』という認識で球を打っていました。
ロフトが立っている強みといったらいいでしょうか?
力強い弾道が打てるアイアンです。

『打感』は硬めで、あまり好みではありませんでしたが、これも仕方ないことなのかもしれません。
打つ前は、もっといい打感を予想していましたが、違いました。
ハイテク感のあるカッコいいアイアンですが、『フィーリング重視』というよりは、『ディスタンス重視』のアイアンです。
『打感の満足度』というのが、アイアンに限らずドライバーなど全ての番手にあるのですが、このアイアンは平均よりはちょっと下でした。
しかし、この打感も初めてではないですし、こういった打感が好きだという方もいらっしゃると思います。

球のあがりやすさは普通です。
ソールにウェイトが組み込まれていて、あがりやすい工夫がされていますが、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいような気がします。
タフなアイアンではないですが、『誰にでも』あがりやすいアイアンとはいえないと思いました。
これだけの低重心・深重心ということで、メーカーは違いますが、『リョーマ』を思い出しました。

『安定性』は普通です。
シビアさは全く感じさせないですし、大らかなところもありますが、『曲がりにくさ』で勝負しているアイアンではないと思います。
中・上級者向けのキャビティアイアンといったところでしょうか?

『操作性』は、まずまずです。
球の乗っかり感はあまりなく、バチーンと弾く感じが強いですが、曲げることは普通にできました。
球持ちの良さで、『乗せて運ぶ』といったことはできませんでしたが、直進性が高すぎて曲げにくいアイアンだとは思いませんでした。
左右どちらかというと、左へ曲げるほうが少し易しい感じがしました。

このアイアンの最大の特長は何といっても、飛距離性能の高さです。
これに尽きるといってもいいほどです。
メーカーも、かなりの研究を注ぎ込んでいるのではないでしょうか?

ロフトを立てて球のつかまりを良くするということに加え、『飛び系のシャフト』まで装着されています。
まさに『ヘッドとシャフトの共同作業』といったところでしょうか?
フェースも弾く感じが強いので、いろいろな工夫がされているのかもしれません。

今のアイアンは、ドライバーと同じように、『飛距離競争』の時代に入ったような気がします。
試打するアイアンの多くが『ディスタンス系』です。
昔のように、しっかりと打って飛ばすというよりも、軽めに振ってしっかりと距離を出していく・・・。というタイプのアイアンが多くなったように思います。

アイアンに対する考え方は人それぞれですが、これだけはっきりした性格のクラブを、メーカーが狙って開発しているのではないでしょうか?
打感などのフィーリングがあまり好きではなかったのですが、フィーリングを求めるのであれば、違うモデルを用意していますよ・・・。と、メーカーが言っているようです。
ちょっと前まで、ディスタンス系のアイアンは、割と『不格好』なものが多かったような印象があるのですが、最近はこのアイアンのようにシュッとしていてカッコいい物が増えてきました。

ビギナー向けのアイアンだとは思いませんでしたが、決してハードルが高いタイプではないので、ある程度経験を積んでこられ、アイアンにもとにかく飛距離を求めていきたいという方には、魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?


2019年07月30日
キャロウェイ PM GRIND 19 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ PM GRIND 19 ウェッジ です。

シャフトは KBS です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ です。

軟鉄の風合いが美しいキャロウェイのウェッジです。
スタンダード感といいますか、これまで出会った数多くの柔らかいフィーリングをもったウェッジと共通する、『いい雰囲気』があります。

大きさなどは普通ですが、トゥ側がやけに出っ張っているように見えました。
こういうタイプはあまり見たことがないですが、ゼロというわけではなく、先日試打したテーラーメイドのウェッジを思い出しました。

フラットフェースタイプのウェッジです。
今はキャビティタイプのウェッジが増えてきましたが、このウェッジはノーマルなタイプです。
手を掛けるところと、そうでないところのメリハリが利いているように見えます。

トップラインの厚さも標準的です。
ちょっと変わった形をしているのでどうかな?と思っていたのですが、標準的だったので安心しました。
こういうタイプでトップラインが厚くなりすぎてしまうと、『大味感』といいますか、ちょっと雑な感じがして構えづらくなるだろうな・・・。と思っていました。

ソール幅は標準的です。
特に狭いとか広いということはありませんでした。
しかし、この形状が独特です。
トゥ側とヒール側が大きく削られていて、幾通りもの打ち方ができそうです。
このソールを見ているだけで、イメージがどんどん膨らんできました。
『クラブ全体』というだけでなく、『ソール単体』にも『マニュアル系』と『オートマ系』があるとするならば、このウェッジは間違いなくマニュアル系な感じがします。
このウェッジが『技(ワザ)』を使っていいですよ・・・。と言っているようでした。
最近のオートマ系ウェッジの充実ぶりを知りながらも、マニュアル系にはどうしても惹かれてしまいます。

ネックの長さは標準的です。
ウェッジには欲しい、適度な長さがキープされていました。
これくらいの長さがあると、上から拾うイメージが出しやすくなるので良いです。
こうして見ても、ストレートタイプではなく、グースが利いているのが分かります。
やはり海外メーカーだな・・・。と思いました。
テーラーメイドのウェッジはスルーボアタイプでしたが、このウェッジはそうではないようです。

ホーゼルには『R・19』と刻印されています。
これはどういう意味があるのでしょうか?

ソールには4つのアクセサリーのようなものがあります。
緑色が美しくて、見た目のインパクトも大です。
これはおそらくウェイトではなくて、空洞にして重心を高くする為なのではないかな?と思いました。
そのまま空洞にしておいてもいいけど、そうしなくてちょっとオシャレにしているように見えます。
昔からウェッジのソールをドリルで穴を開けて、重心を高くするということは普通にされていたので、そう思いました。

ヒール側にはバッヂのようなものがあります。
これはひょっとしてウェイトの役目を果たしているのかな?と思いましたが、実際のところは分かりません。

フェース面には、かなり細かいミーリングのようなものが見られました。
ミーリングにもいろいろあって、一目で分かるようなゴツゴツした感じのものもあれば、このウェッジのように近くで見ないと分からないような控えめなものもあります。
指で触ってみると、つるつるした感じはなく、結構ザラザラしていました。
スコアラインの深さは結構浅めな感じです。
このフェース面いっぱいにあるスコアラインも、テーラーメイドのウェッジで体験しました。
世界的メーカーといえるキャロウェイやテーラーメイドが、このようにするということはそれだけの理由があるのは間違いないですが、今のところ私は必要性を感じていないというのが正直なところです。

装着されているグリップはソフトなフィーリングでとても良いです。
海外メーカーだからでしょうか?
やや太めのグリップです。
細くなく、やや太めなので、手の中で遊ばないのがいいです。
同じクラブでも、US仕様と日本仕様では、グリップの太さが違うことも多いので、このウェッジはUS仕様なのかな?と思いました。
グリップが太めだと、先を軽く感じることができるというメリットもありますが、それは人によってはデメリットになってしまうかもしれません。

かなり独特な構え感です。
テーラーメイドのウェッジよりも、さらにクセが強い感じがします。
しかし、全く初めてということはなく、これまでも経験したことがある顔です。
昔試打した、オノフのウェッジを思い出しました。
私の好みの構え感ではないのですが、これまでも経験していますし、苦手意識のようなものは芽生えませんでした。
今のドライバーはシャロータイプが優勢で、ヘッド後方が大きく膨らんでいるものが多いですが、このウェッジもそんな感じだな・・・。と思いました。
『縦長』というよりは『横長』なタイプです。
グースでありながら、『出っ歯』なタイプでもあります。

フェースはとても開きやすいです。
ソールが上手く回ってくれるといいますか、『そうして打つべき』というメッセージをクラブから受け取っているような感覚がありました。
開いて構えるのが『ニュートラル』のような気がしてきました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで好感が持てました。
ガツンという感じではなく、スーッとフェースに乗ってくれる感じといったらいいでしょうか?
優しいタッチを出せるウェッジです。

『スピン性能』は、かなり優秀です。
予想していたよりもハイスピンでした。
ハイスピンにも『強いスピン』と『速いスピン』があるとするならば、このウェッジは後者のほうです。
普通のウェッジは『キュルキュル』という感じだったとすると、このウェッジは『キュルキュルキュルキュル』という感じでした。
カツンという感じで『喰わせ』にいくのではなく、ソールを滑らせる感じで、ここまでハイスピンなのは凄いな・・・。と思いました。
これはフェース面によるところも大きいですが、それと同じくらい、ソールにもその要因が隠されているような気がします。
改めで、『ウェッジはソール』だな・・・。と思いました。

グースが利いていますが、球は普通に拾うことができました。
直接ヒットするというよりも、手前から滑らせるのが易しいウェッジです。
グースが利いているので、打つ前は出球の高さのイメージが合わないかもしれないと思っていたのですが、実際に打ってみるとそれほどでもなく、いつもと同じようにイメージと出球を重ねることができました。

『安定性』という点では、標準的な感じがします。
シビアさは全く感じず、どちらかといえば大らかなイメージのほうが強いですが、今のキャビティ系ウェッジと比べると、多少正直なところはあるのかもしれません。
しかし、気難しいタイプではないので、このような形状を好まれる方には、とても易しく感じやすいのではないでしょうか?

『操作性』は、かなり高いです。
特にロブ系は秀逸です。
このウェッジを構えたときから、転がすイメージはあまり出ず、ロブのイメージばかりが浮かんできたので、ずっとロブ系で遊んでいました。
転がすこともやってみようと思い、トライすると普通でした。
それよりも『フワッとあげて落とす』ことに長けたウェッジです。
ちょっと極端かもしれませんが、『ロブに命をかけたウェッジ』といったらいいでしょうか?
そんな印象をもちました。
ソールの『抜けやすさ』というものがありますが、それにプラスして『抜けのスピード感』といいますか『抜けの速さ』がロブショットには重要になってきます。
その速さを、このウェッジはもっています。

『距離感』も合わせやすいです。
高さで距離を合わせていけるタイプのウェッジです。
足(ラン)も抑えられているので、アグレッシブに攻めていけます。
もともと持つ高いスピン性能に加え、ボールをフワッと浮かせることによる『高さで止める』ことができるので、実戦向けだな・・・。と思いました。
飛びすぎないウェッジです。

アプローチの仕方も人それぞれで、転がしが得意な方もいれば、あげるほうが得意で、そのほうが距離感も合わせやすいという方もいらっしゃいます。
どちらがいいということではなく、その人に合った寄せ方があると思いますが、このウェッジはあげていってある程度の高さを出して勝負したい方にはもってこいといえるのではないでしょうか?

バンスの利きも多いので、おそらくバンカーでも大活躍してくれると思いますが、それよりもロブの印象が強く残りました。
今はウェッジもドライバーのように、『オールマイティ』といいますか、『万能タイプ』が増えてきたような気がするのですが、このウェッジはその比重がロブ系に集約されているように感じました。
もちろん、転がすことも難しくはないですが、ロブ系が『本職』ともいえる、いい意味での偏ったウェッジといっていいような気もします。

ガツンと強くヒットすることは得意でも、フワッと優しく乗せて運ぶのは苦手だ・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった方にも、このウェッジを試していただきたいと思いました。

先日試打した テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ウェッジ とイメージが被るところがありますが、どちらが易しいかといえば、私はこのキャロウェイPM GRIND 19 ウェッジのような気がしました。
構えた感じはクセがありますが、それが易しさにもつながっているような気もします。
今度機会があれば打ち比べてみたいですし、是非バンカーでも試してみたいです。

顔など、私の好みからは大きく外れているところがあるのですが、面白いウェッジだな・・・。と思いましたし、また試打してみたいです。
ロブ系が楽しくなるウェッジです。
転がすときは、出球のイメージを『重く』したいですが、浮かせるときは逆に『軽く』したいです。
その軽いイメージを、このウェッジだと出しやすいのが大きな魅力です。
今までたくさんのウェッジを試打してきましたが、こう感じさせてくれるウェッジは、そう多くありません。

形は奇抜でも、それが理にかなっている高性能なウェッジであることは間違いありません。
よく研究された、実用的なウェッジだな・・・。と思いました。
2019年04月23日
キャロウェイ SURE OUT ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ SURE OUT ウェッジ です。

シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS です。

ちょっと変わった感じの、キャロウェイのウェッジです。
今はMACK DADDYのイメージが強いですが、昔からこのようなタイプは見られました。
最近のキャロウェイアイアンやウェッジは、軟鉄の印象もありますが、このウェッジのようにステンレスの印象も強いです。
このウェッジは『ステンレス感』が強く出ています。
一目で分かりました。
私は軟鉄が好きですが、ステンレスタイプを好まれる方にとって、たまらない魅力があるのではないでしょうか?

『SURE OUT』という名前なので、バンカーに特化したウェッジなのかな?と思いました。
バンカーから易しく一発で出るように・・・。というコンセプトの元、開発されたのかもしれません。
アプローチではなく、バンカーに特化したウェッジは、いくつかのメーカーから発売されているので、そういった類いのウェッジなのだろうと予測を立てました。

小ぶりなタイプではなく、やや大型な印象があります。
繊細さというよりは、大らかさといいますか、いい意味での鈍感さをもっているように感じられました。
『大船感』のあるウェッジ・・・。といったらいいでしょうか?

ウェッジでは珍しい、ポケットがあるタイプです。
初めてというわけではないですが、かなりの少数派といっていいように思います。

ポケットの深さも、かなりあります。
これからは『ポケキャビアイアン』だけでなく、『ポケキャビウェッジ』も流行るのでしょうか?

トップラインの厚さは平均的です。
最近のウェッジはソールやフェース面だけでなく、トップラインに工夫が見られるものが多くなりましたが、このウェッジはそんなタイプではありませんでした。

ソール幅は、かなりワイドです。
楕円形に近い、珍しい形状です。
『卵形』といっていいかもしれません。
ストレートタイプやテーパータイプはよく見ますが、このようなタイプは、かなり珍しいです。
珍しいですが、これにもメーカーの狙いがあるのではないでしょうか?

独特なソール形状です。
この工夫を見て、ソールが滑りやすくする為の工夫なのだろう・・・。と思いました。
ソールが滑るときの『スピード感』をイメージさせます。

ネックの長さは、ウェッジとしては少し短めです。
アイアンの長さならば普通ですが、ウェッジとしては物足りない長さです。
ソール幅もそうですし、このネックの長さを見ても、高重心にするのではなく、あえて重心を低くしているように見えます。
私にはあまり魅力的に見えないのですが、どうしてもロングネックに苦手意識があるという方には、親しみやすい長さなのかもしれません。
ネックの長さもそうですが、この独特な形状も印象に残りました。
グースタイプはよく見かけますが、それだけではない、独特な形をしています。
私はこの角度の位置から、そのクラブの『色気』といいますか、独特な魅力を感じることがあるのですが、今日は全く感じませんでした。
このウェッジに対する『興味という風船』が、少しずつしぼんでいっているように感じられました。

ソールがかなり丸いです。
これだけ丸いのも、あまり見かけないような気がします。
なかなかイメージが湧かないウェッジだな・・・。と思いながら見ていました。

フェース面の、ほぼ全てにスコアラインがあります。
これも、かなり珍しいです。
最近では、テーラーメイドのウェッジを思い出しますが、かなりの少数派といえます。
私はあまり魅力を感じないのですが、世界的人気メーカーであるキャロウェイやテーラーメイドが採用しているということは、それだけ高い人気があるということなのでしょうか?

フェース面にミーリングは見られなかったのですが、かなり綺麗で整っています。
もっと大味でチープな感じなのかな?と思いましたが、そんなことはありませんでした。
フェース面を指で触れてみると、適度なザラザラ感があり、エッジが立っているように感じられました。
角溝が禁止になって、フェース面が『つるつる』するウェッジが多くなりましたが、今は結構ザラザラ感があって、指が止まるタイプのものも増えてきています。
このウェッジもそんなタイプです。
これは、かなり工夫されたウェッジだぞ・・・。と思いました。

装着されているグリップはツアーベルベットタイプで好感がもてます。
ウェッジには最適なグリップです。
キャロウェイのロゴもカッコいいです。
昔から思っていたのですが、キャロウェイのロゴは何故『C』ではなく、『V』なのでしょうか?
あまり気にする必要はないと思いますが、今日も気になったので、書かせていただきました。

ボールを前にして構えてみると、正直あまり魅力的に見えなかったのですが、苦手意識が芽生えることはありませんでした。
グースタイプですが、少し『出っ歯』タイプになっています。
私にとって、イメージが出しづらい構え感ですが、昔からこういうタイプも経験してきました。
このウェッジの顔をまじまじと見るというよりは、少し引いて距離を置く感じで見ていました。
『俯瞰』で見る感じに近いかもしれません。
テンションがあがるということもなく、淡々としていました。
最初見たときは、大味で大顔な印象をもったのですが、こうして構えてみると、それほど大顔感はなく、ボールとの大きさのバランスがとれているのが、ちょっと意外でした。

フェースを開いて構えてみたのですが、邪魔するところがなく、自然でした。
ソール全体の丸さが利いているのかもしれません。
開きやすいウェッジは大好きですが、何故かこのウェッジはいつもとはちょっと違う印象をもちました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
形状などは意外なところがいろいろとありましたが、この打感については、予想していた通りでした。
厚みで押していくタイプではなく、薄い感じの打感です。
堅いとは思いませんでしたが、ウェッジに欲しい絶妙のソフトさは感じられませんでした。

球はとてもあがりやすいです。
少々薄めに当たっても、上手く拾ってくれました。
『少しの出っ歯』が上手く作用しているのかもしれません。

『スピン性能』は高いです。
これはちょっと意外でした。
打つ前はスピンがほどけるタイプではないかと思っていたのですが、違いました。
フェースがしっかりとボールに食いついてくれました。

『安定性』は高く、大らかさがあります。
シビアさを感じさせない、『オートマチックタイプ』のウェッジです。
こういった大らかなタイプのウェッジを発売するのは、さすが海外メーカーだな・・・。と思いました。
合理的といいますか、フィーリングよりも違うものを追い求めているように感じられます。

『距離感』は、最初の数球はちょっとばらついてしまったのですが、次第に合わせることができるようになりました。
『ターゲットの円』をいつもよりも、少し大きめに設定して運びました。
このウェッジのもつ大らかさを活かす感じで、あまりシビアすぎないほうがいいのかもしれません。

『操作性』は突出した感じはありませんが、普通に開閉を使って遊ぶことができました。
ただ、フィーリングが合いづらいところがあったりして、細工をしたいとは思えませんでした。
細工をしようと思えばできるけど、本来はあまり細工をして使うタイプのウェッジではないような気がしました。
『敏感さ』を感じなかったからなのかもしれません。

ソール形状など、かなり外見が個性的ですが試打してみて、一番印象に残ったのが、『スピン性能の高さ』です。
意外なほどスピンが利いて、ボールがよく止まりました。
これくらいスピンがよく利いてくれるのなら、実戦でも役に立ちそうです。

気難しいタイプではなく、かなりの大らかさがあるので、高いスピン性能と共に、活躍してくれるウェッジといっていいのではないでしょうか?
『イージー&ハイスピン』タイプのウェッジです。

高性能なウェッジだな・・・。と思いましたが、正直購買意欲が刺激されることはありませんでした。
それは素材などもありますし、外見やフィーリングなど、私が求めているタイプではないからです。
あくまでも私の好みによるもので、このウェッジが劣っているとは全く思いません。
むしろ機能的で実戦向けなウェッジだと思います。

私はアイアンだけでなくウェッジも軟鉄しか使いませんが、軟鉄よりもステンレスのほうが優れている点といえば、なんと言っても『耐久性』です。
これはステンレスが大きく勝っています。
ウェッジはクラブの中で、かなり消耗が激しいので、耐久性が高いと長く使っていけるメリットもあります。

しかしデメリットも存在します。
それは『微調整』がしづらいということです。
軟鉄は簡単にロフトやライ角を、その人に合うように調整できますが、ステンレスは難しいです。
無理矢理やると、クラブが折れてしまうかもしれません。
それは素材によるもので、性質が大きく変わってきます。
だから、ピンのアイアンのようにネックに大きな凹みをもたせる必要があると思うのですが、ピン以外のメーカーに見られないということは、ライ角の調整などをピン以外のメーカーが想定していないということになるのでしょうか?

フィーリングなどもありますが、この調整の難しさという点が、私がステンレスを選ばない最大の理由です。
ロフトピッチやライ角がとても大切なのは私が身をもって体験しているので、どうしてもステンレスは購入対象になりません。
だからといってステンレスが優れていないということにはならないですし、最初からぴったりとマッチしていれば、調整する必要がないので、まさに『手の延長』として機能してくれるのではないでしょうか?
今日は、キャロウェイの面白いウェッジに出会いました。
2019年03月06日
キャロウェイ APEX PRO アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX PRO アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 120 です。
ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS です。

キャロウェイAPEXシリーズの新しいアイアンです。
先日APEXを試打しましたが、今日はその姉妹モデルです。

形状的にはノーマルなフルキャビティで、特に変わったところは見られません。
先日試打したモデルと、バックフェースのデザインは少し違いますが、大きな差ではありません。

フルキャビティらしく、彫りの深さは充分あります。
これも同じように見えます。
このアイアンは名前に『PRO』が付いていますが、ノーマルモデルとどこが違うのでしょうか?
今はポケキャビが多いので、このような昔ながらの『ノーマルキャビティ』は難しそうに見える方もいらっしゃるかもしれません。
中空タイプも再び見られるようになりましたが、私は中空タイプよりは、このような普通のキャビティのほうが好きです。
今のアイアン型ユーティリティは、その殆どといいますか、ほぼ全てが中空構造といっていいと思いますが、いつか『普通のキャビティ』で登場して欲しいと私はずっと思っています。
中空の、あのボテッとしたところが、どうも気になってしまいます。
それなら最初から普通のキャビティにして、性能を同じにして欲しいです。

トップラインの厚さは平均的です。
これなら、いいイメージが描けそうです。

見慣れたソール幅ですが、今のアイアンの中では明らかに狭いです。
ここで初めてAPEXとの違いを見つけることができました。
キャロウェイらしく、ソール形状が『月形』といいますか、真っ直ぐではなく、ちょっと曲がっています。
キャロウェイのアイアンではよく見られる形状です。
私はオーソドックスなタイプが好きですが、この形状もメーカーの深い研究によるところが大きいのではないでしょうか?

ネックの長さは標準的です。
今のアイアンらしい長さといっていいかもしれません。

ホーゼルには『'19』の文字があり、2019年モデルであるということが分かります。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
よく見かける、ごく普通のフェース面です。

装着されているグリップは先日試打したモデル同様、ツアーベルベットでとてもいいです。
最近はこのグリップによく会うような気がします。
アイアンには最適なグリップですし、大好きなのでテンションもあがります。
このグリップを装着しているだけで、そのクラブのフィーリング性能が少しあがる・・・。といったらちょっと大袈裟かもしれませんが、そういえるくらい大好きで信頼のおけるグリップです。
優秀なグリップですが、決して限定モデルではなく、量販店などで普通に購入できるのもいいです。
ただ、一時期に比べ、値段があがっているのが気になります。
以前はもっとリーズナブルな値段でした。
原材料が高騰しているのでしょうか?

素振りをしてみても、いい感じです。
タイミングもとりやすく、安心感があります。
最近はカーボン装着モデルのアイアンも増えてきましたが、まだまだスチールは健在です。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
この構え感も先日試打したモデルAPEXと大きく違うように思います。
実際に見比べて見なくても、はっきりしていました。
APEXは正直、あまり好感が持てないところもあったのですが、このアイアンは違います。
クセが無くシュッとしているので、いいイメージが出しやすく、とても構えやすいです。
この構えやすさが『PRO』たる所以でしょうか?
最近のキャロウェイのアイアンの中では、一番いい顔をしているように思います。
とても構えやすいので、クラブとの距離が近くなったように感じました。
試打を開始しました。

『打感』は、いい感じでした。
打つ前はAPEXとあまり変わらないのかな?と思っていたのですが、違いました。
このアイアンのほうがボヤけたところがなく、はっきりしているのですが、適度な柔らかさもありました。
この打感も、APEXとの大きな違いです。
最初見たときは、ステンレスっぽい質感だな・・・。と思っていたのですが、軟鉄が使われているという説明を受けました。

『安定性』は、いい感じです。
『PRO』という名前が付いていますが、決してハードルが高いタイプではありません。
シビアで気難しいということもなく、気楽な感じで打っていくことができました。
キャビティアイアンが好きな方は何の問題もなく、普通に打っていかれるのではないでしょうか?

『球のあがりやすさ』は、まずまずです。
どちらかといえば、ヒッター向けで、ある程度HSがあったほうがいいのかもしれません。
APEXよりは少しタフなタイプだと思います。

『飛距離性能』は、アスリートモデルアイアンとしては優れています。
最近はこのように飛ぶタイプが増えてきました。
この傾向は数年前から見られます。
いわゆるイージー系のアイアンだけでなく、アスリートモデルのアイアンでも飛びが求められる時代なのでしょうか?
私の感覚では7番アイアンではなく、6番アイアンくらいのキャリーが出て、一番手くらい違う感じがあったのですが、こういったことは今では普通になってきています。
打感が良くて構えやすいアイアンが好きだけど、できれば飛距離もちょっと求めていきたい・・・。という方には魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

『操作性』は、いい感じです。
左右同じように対応してくれました。
キャビティらしい大らかさがありながら、プレイヤーの持ち球を活かしてくれる懐の深さがあります。
大顔タイプではなく、適度な大きさに収まっているところがすごくいいです。
こういったヘッドの大きさも、『PRO』の名に相応しいのかもしれません。

昔の『PRO』という名のつくアイアンであれば、間違いなくマッスルバックやハーフキャビティのような『正直』なタイプで、大らかさとは無縁な感じがしていました。
しかし、今はプロも易しいクラブを使う時代ですし、色々なプロモデルがあっていいのだと思います。

プロモデルなので、難しいんじゃないか・・・。ハードルが高いのではないか・・・。
と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、このアイアンはそんなことはないので、敬遠されず多くの方に試していただきたいです。

先日試打したAPEXとは異なるところもありましたが、共通点もたくさんありました。
APEXよりは、少しだけハードルをあげているように感じますが、決して大きな差ではありません。

むしろ、打感や構えやすさは、こちらのほうが明らかにいいので、このAPEX PROを好まれる方も多いのではないでしょうか?
私はどちらを選ぶか?と聞かれれば、こちらを選びます。
そこに一切の迷いはありません。

キャロウェイの最新モデルなので、おそらく色々な最新の技術が組み込まれているのだと思いますが、試打しながら、それを明確に感じ取ることはできませんでした。
ごく普通のキャビティアイアン・・・。という印象でした。
カッコいいアイアンですが、魂が揺さぶられるようなことはなく、淡々としていました。

しかし、それはこのアイアンに魅力が全く無いということではないですし、むしろ今のアイアンの中でも、好感のもてるタイプです。
先日出会ったアイアンに心を奪われてしまい、それがまだ強く残っているので、仕方ないことかな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
2019年02月25日
キャロウェイ EPIC FLASH SUB ZERO フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC FLASH SUB ZERO フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは Tour AD SZ です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはS です。

キャロウェイエピックサブゼロシリーズのFWです。
先日、ドライバーを試打して、いい印象をもっていたので、フェアウェイウッドも試打したいとずっと思っていました。

シャロータイプのFWです。
これまでの流れを見れば当然といえますが、大きさはクリークらしくコンパクトなタイプです。

ソールの中央付近にある、この凹みも、見慣れてきました。
ドライバーにも見られますが、どのような効果が期待できるのでしょうか?

ソールのフェース寄りには大きなウェイトがあります。
これはドライバーにも見られました。
JAIL BREAK TECHNOLOGYも同じです。
ネックには調整システムが搭載されています。
キャロウェイには、『カスタム』ではなく、『標準装備』といっていいのかもしれません。
それくらい、一般的になりました。

ネックの長さは適度にあります。
シャロータイプではありますが、こうして見ていると結構重心の高さもあるように見えます。
昔のキャロウェイはショートネックどころか、ネック自体が無いクラブがたくさんあって、他のメーカーのクラブとの大きな違いがありました。
『ホーゼルの概念』を吹き飛ばした・・・。といってもいいかもしれません。
まさに革命的なクラブでしたが、最新のモデルでネックがあるということは、やはりネックがあったほうがいいということなのかもしれないですし、『調整システム』の為なのかもしれません。

試打するのは、このNとSのポジションです。

フェース面のデザインはシンプルで美しいです。
弾きが良さそうな感じがします。

とてもいい顔をしているので、一瞬で目尻が下がってしまいました。
クセのない顔ですが、丸っこいというよりは、やや尖った感じの男前です。
キャロウェイの顔は極端に感じることが多いです。
このFWのように、すごくいい顔をしているものもあれば、かなりクセがきつくて苦手意識をもってしまうものもあります。
それぞれニーズに合わせているということなのでしょうか?

クラウンがカーボンであることが分かりました。
これも、これまでのモデルと共通するところです。

シャローバックタイプです。
今はこの形が最も多いですし、キャロウェイはモデルを変えても、ずっとこの形にこだわり続けているようです。

装着されている、この緑が美しいグリップも共通しています。
ヘッドのイメージとマッチしていて、美しいです。

素振りをしてみると、軽量でシャフトも軟らかいので、やや頼りないところもありますが、今の標準的なスペックだと思いますし、仕方ありません。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
顔が整っていますし、クリークらしい控えめな大きさで、ボールが際立って見えます。
クセのない顔です。
調整システムが搭載されているので、ネックの太さがちょっと目に入りましたが、気になるほどではありませんでした。
すごくいいイメージが浮かんできました。
試打を開始しました。

打感は、ややしっかりめですが、好感が持てます。
先日試打したドライバーはもっと弾く感じがありましたが、このFWはそこまでではありませんでした。
この打感は、これまでも経験していますし、キャロウェイらしいフィーリングです。

『音』もはっきりしていて、聞き覚えがあります。
これは『キャロウェイ音』といっていいように思います。
ニューモデルでありながら、これまでのモデルと共通する部分も多いです。

『球のあがりやすさ』という点では、結構しっかりした印象をもちました。
今のクリークの中では、明らかにタフなほうだと思います。
かなりシャロー感が強いので、球があがりやすいだろうと思っていたのですが、ちょっと違いました。
ソールのフェース寄りにあるウェイトがよく効いているのでしょうか?
重心が前のほうに来ているのかもしれません。
低スピン性能が優れているので、球があがりにくいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。
性格がはっきりしているので、好みが大きく分かれるところだと思います。

『安定性』は普通です。
構えやすいのでラインも出しやすいですが、特別曲がりにくいとか、高い寛容性があるという感じではありませんでした。
ミスはミスと、はっきり伝えてくれるクラブです。

『飛距離性能』は優れています。
キャロウェイが得意とする、ポテンシャルの高いFWです。
あがりやすいタイプのFWではないので好みが分かれると思いますが、強い球を打たせてくれます。
このクラブでしっかりとしたキャリーを稼ぐことができれば、大きな飛距離が望めますが、球が浮ききらずにキャリーが伸ばせない・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
明らかにヒッター向けのフェアウェイウッドです。

『操作性」は、いい感じでした。
左右へ曲げるのも易しいです。
今のFWはドライバーと同じように『曲げにくい』タイプが多くなりましたが、このFWは曲げやすいです。
球がつかまり過ぎることもなく、左右同じように反応してくれました。

かなりポテンシャルの高いFWです。
高い飛距離性能が一番強く印象に残りました。

クリークはボールを高~くあげて終わり・・・。という感じの物も、これまでたくさんありましたが、このクラブは違います。
力強く、確実に前へ前へと運んでくれるFWです。

とても機能的で易しそうな外見ではありますが、結構硬派なところがあります。
誰にでも易しく飛ばしていける『親しみやすい飛び』ではなく、どちらかというと使い手を選ぶ『骨太な飛び』といった印象をもちました。

ドライバーにもポテンシャルの高さを感じましたが、それが上手く、このFWでも表現できています。
ヒッタータイプの方で飛距離の出るFWを探しておられる方は、このクラブを試してみられるのもいいのではないでしょうか?
2019年02月15日
キャロウェイ EPIC FLASH STAR ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC FLASH STAR ドライバー です。

シャフトは Speeder 569 Evolution V です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は51g、トルクは5.7、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は292g です。

キャロウェイエピックフラッシュシリーズの新しいドライバーです。
先日、サブゼロを試打しましたが、今日はまた違う姉妹モデルです。
かなり機能的なデザインで、色々な工夫がされているのが分かります。

ラージサイズで、シャロー感もあります。
今はこういうタイプが一番多いです。
やっぱりヘッドが大きいほうが、色々な工夫をしやすいのだと思いますし、ラージサイズに対するニーズも高いのだと思います。
最近、キャロウェイで小ぶりなドライバーに出会っていません。

このウェイト移動システムはサブゼロにも採用されていましたし、これまでのモデルにも見られました。
これだけ大きなウェイトが、この位置にあるということは、それだけ重心深度が深くなっているのだと思いますし、移動させると球筋が大きく変わるような気がします。
今日は専用の工具が無かったということもありますし、この真ん中のポジションがノーマルだと思うので、このまま試打することにしました。

フェース寄りには『JAILBREAK TECHNOLOGY』の文字がありました。
これもサブゼロで見たばっかりです。
しかし、この位置にサブゼロにはウェイトが配置されていましたが、このスターにはありません。
重心を前に持ってこないような設計になっているのでしょうか?

ソールにある、この凹みは同じです。
この凹みにはどのような効果が期待できるのでしょうか?

フェース面のデザインも特徴的ですが、これも見ました。
これはAIがデザインしたのでしょうか?
模様自体に大きな意味は無いと思うのですが、見た目のインパクト大です。

トゥ側には『FLASH FACE』の文字があります。
これもサブゼロと同じです。
ここにはこれまで、『FORGED』が多く見られましたが、ライバルメーカーであるテーラーメイドは『TWIST FACE』です。
それぞれの魅力があると思いますが、大手メーカーによる、科学的な深い研究によって生み出されたものなのは間違いありません。

ネックは、やや短めですが、今では見慣れた長さです。
サブゼロには調整システムが搭載されていましたが、このスターにはありません。
同じシリーズなら全て搭載するのが自然だと思うのですが、これにもメーカーの考えがあるのだと思います。
私は調整システムを重視していませんが、重視しておられる方には物足りないと感じられるところなのではないでしょうか?

シャローバックタイプのヘッドです。
以前も書きましたが、よく見られるので、今では『スタンダードシャロー』といっていいように思います。
シャローバックタイプではありますが、フェース高はきちんと保たれていて、ディープフェースになっているので好感が持てます。
ディープフェース&シャローバックの組み合わせが多くなりました。

顔はクセがありました。
サブゼロの顔は好感が持てたので、このスターにも期待していたのですが、全く違う印象をもちました。
私にはサブゼロの顔のほうが『スター☆』に見えます。
このドライバーは、ヘッド後方が大きく膨らんで、プクッとした感じです。
これまでも見られた顔なので、これも『キャロウェイ顔』といえなくもないのですが、好感は持てませんでした。
ニュートラルというよりは、つかまえ系の顔に見えました。
どんどん好みから離れていったのですが、このドライバーは『三兄弟』ということで、幅広い層に対応するように異なった個性で勝負しているのだと思います。

このカーボンクラウンも、お馴染みです。
テーラーメイドを始め、今は多くのメーカーが採用しています。
やはりゴルフクラブ業界というのは、ひとつのメーカーが流れを作ってしまえば、後からほかのメーカーがどんどん追随していくものだな・・・。と思いました。
ゴルフクラブには『流行』というものが存在します。

装着されているグリップはサブゼロと同じです。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。
ヘッドの色とマッチしているので、より好感度が増します。
グリップは消耗品なので、交換用のグリップも用意されているといいな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、見た目の印象と違い、かなり軽量感がありましたし、シャフトも軟らかいです。
見た目の印象と、実際に振ってみたときのギャップがありましたが、今はこれくらいがスタンダードといえるでしょうか?
ギャップのあるクラブが多くなりました。

ボールを前にして構えてみると、かなり違和感があり、思わず「ウワッと」小さく叫んでしまいました。
どこに違和感があったのかといいますと、『フェースが上を向き過ぎ』ということです。
かなり上を向いているように見えて、不思議な感覚がありました。
移動式の大きなウェイトがバックフェース寄りにあるということもありますし、かなり『お尻』が重たいドライバーのように感じます。
私にとっては『据わり』の良くないドライバーです。
据わりが良くないので、気持ちも落ち着きません。
ここまで上を向いているように見えたドライバーは最近では無いような気がします。
このドライバーのロフトが10.5度ということで、このように見えたのかもしれない。違うスペックを探そう・・・。と思ったのですが、試打クラブはこの一本しか見当たらなかったので、このまま続けるしかありませんでした。
10.5度のドライバーでも、そのまま何の違和感も無く構えることができるドライバーはたくさんありますが、このドライバーは違いました。
もっとコンパクトにしたら『ブラッシー』として使っていけそうですが、ここまでヘッドが大きいと、それもできません。
フェースも被っているように見えたので、方向性への不安もあったのですが、それよりも『高くあがりすぎ』の不安のほうが大きくなりました。
STARというよりは『HI DRAW』というネーミングのほうが合っているのではないか?と思いました。
頭の中がモヤモヤしてしまって、なかなか始動のタイミングがつかめなかったのですが、半ば強引にテークバックを開始しました。
クリアにならないまま試打を開始しました。

一球目から、この甲高くて大きい音が飛び込んできました。
サブゼロを試打しているので、高い音は予想していたのですが、ここまでではなかったような気がします。
うわぁっ。これはないな・・・。この音は違うなぁ・・・。と思い、いったん打席を外しました。
この音もAIが決めたことなのでしょうか?
キャロウェイはビッグバーサが有名ですし、ビッグバーサも高めで大きい音が印象的です。
しかし、この音とはまた違いました。
キャロウェイはゴルフクラブに関しての開発がとても進んでいるメーカーなので、あえてこの音にしているのだと思いますが、私は全く馴染めませんでした。
インパクトが緩むか緩まないかギリギリの音といっていいのかもしれません。
しかし、どうしても周りが気になってしまいます。
私の両隣の打席は他の方が練習をしておられたので、なるべく邪魔にならないよう、気を遣いながら試打を続けました。
私はこの音に全く好感を持てませんが、この音が好きだという方もたくさんいらっしゃると思いますし、キャロウェイは海外メーカーなので、外国人の方が好まれる音なのかもしれません。
ダンロップでは絶対に聞けない音だな・・・。と思いました。
構え感といい、この音といい、このドライバーに対する興味がどんどん薄れていってしまいました。

しかし、飛距離性能は優れていました。
高くて力強い球が夜空を突き刺します。
弾道は高いですが、スピン過多で吹き上がる・・・。ということにはなりにくいように感じました。
高い弾道がそのまま突き進んでいき、それが一定していました。
これが『AI』の効果なのでしょうか?
つかまりのいいドライバーですが、思っていたよりも球が左に行くということはなく、安定していました。
かなりポテンシャルの高いドライバーですが、惜しいな・・・。と思いました。
音が良ければ確実にもっと飛ばしていけるのに・・・。そして弾道も高すぎたので、それが抑えられていると、もっと距離を伸ばせたのに・・・。と残念でなりません。

『打感』は、しっかりめでした。
この打感は予想通りでした。
この打感もAIが生み出したものなのでしょうか?
もしそうだとしたら、私にはAIは合わないな・・・。と思いました。

球はよくあがりました。
ロフトは10.5度ということですが、それ以上にあがりやすい印象をもちました。
今更ではありますが、もっと寝ているのは間違いないですし、そういったことは昔からあります。
『リアル』を表示してしまうと、売れにくくなるのかもしれません。
ヘッドが黒ということもあって、重量感を感じさせますが、タフなドライバーではありません。
サブゼロとは違うターゲット層なのだと思います。

『安定性』は高いです。
シャフトは軟らかめですが、左右に大きくブレることはありませんでした。
ある程度の幅で収まっていたので、実戦的な印象をもちました。
球のつかまりがいいので、右にフケることがありません。
スライサーの方にも、比較的易しいドライバーといえるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、秀でていません。
操るタイプのドライバーではありませんが、今は多くがこういうタイプなので、そういった意味ではノーマルといえるような気もします。
ラージサイズのドライバーでありながら、球が自然につかまるので、私はフック系のほうが易しいです。
結構強めにカットしてみたのですが、右に大きく曲げるのは難しく感じました。
真っ直ぐから右には行きにくいドライバーなのは間違いありません。

先日試打したSUBZEROがいいドライバーだったので、このSTARにも期待していたのですが、私は好きになれませんでした。
ただ、それはあくまでも私の感想であり、このドライバーを打ちこなせていないということにもなります。
このスターを気に入る方もたくさんいらっしゃると思います。

キャロウェイとテーラーメイドはライバルメーカーとして、長年しのぎを削ってきました。
ほぼ同時期に試打したということもあり、このドライバーを試打する前は、テーラーメイドのニュードライバーと打ち比べてみよう・・・。と思っていたのですが、このスターを試打して、それもやめることにしました。
打ち比べてみなくても、その結果がはっきりしていたからです。

どちらが好きか?と聞かれれば、私は迷わずテーラーメイドのニューモデルを選びます。
白系(シルバーも含む)のヘッドよりも黒いヘッドのほうが好きですが、今回は完全にテーラーメイドに軍配を挙げます。
顔・打感・音が大きな要因です。
ただ飛距離に関しては、こちらのエピックのほうが少し勝っていました。
テーラーメイドもいいですが、このエピックの弾道のほうが力強く落ち際にも強いです。
これは打ち比べなくても、はっきりしていました。
しかし、私はいくら飛距離性能が優れていても、音が良くなければ好感を持たないので、このドライバーには魅力を感じなかったですし、もう試打することはありません。
せっかく高いポテンシャルをもっているのに、勿体ないな・・・。と思いました。

しかし、先日試打したサブゼロは好感が持てましたし、『三兄弟』である、もうひとつのモデルをまだ試打していないので、結論を出すのはまだ早いような気もしますが、このスターを試打することはもうありません。
もうひとつのモデルに期待したいです。
2019年01月29日
キャロウェイ APEX アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ APEX アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、バランスはD2、キックポイントは元調子 です。

キャロウェイの新しいアイアンです。
APEXシリーズは久しぶりな感じがしますが、これまでのモデルとデザインがよく似ていて、ブランドイメージが保たれています。
ハイテクさを感じさせながらも、モノクロなデザインがカッコいいです。

オーソドックスなフルキャビティですが、それほど尖った感じはしません。
輪郭がシャープというよりは丸みを帯びていて、親近感をもたせてくれます。
独特の質感があり、柔らかそうな雰囲気を醸し出しています。

彫りの深さはたっぷりあるフルキャビティですが、バックフェースの形状に工夫が見られます。
デザインが勝ちすぎていないといいますか、ゴチャゴチャした感じがしないので、好感が持てます。
今は中空タイプやポケットタイプアイアンも増えてきていますが、このようなノーマルタイプの人気もまだまだ高いです。
私が今使っているアイアンはキャビティタイプではないのですが、いつかキャビティタイプのアイアンを購入するときが来たら、それは中空やポケットタイプではないと思います。
ノーマルなタイプを選ぶのは間違いありません。
しかも『ワンピースタイプ』です。

トップラインは、ちょっと厚めです。
私はもうちょっと薄いほうが好きですが、これくらいの厚みを好まれる方も多いのではないでしょうか?

ソール幅は標準的です。
こうして見ても、ソールに丸みがあるのが分かります。
今は色々なソール形状のアイアンが増えてきました。
タングステンなどの異材は組み込まれていないように見えますが、実際のところは分かりません。

リーディングエッジとトレーリングエッジは、少し丸みがありました。
抜けの良さにこだわっているのではないでしょうか?

ネックの長さは標準的です。
キャロウェイのアイアンは短めの印象がありますが、このアイアンは適度な長さがキープされていました。
モデルによって、長さを変えているということでしょうか?

ホーゼルには『CF19』という文字がありました。
どういう意味なのでしょうか?

フェース面にミーリングはありませんでした。
見慣れた感じの、ごく普通のフェース面です。
今は多くのメーカーがバックフェースの形状やデザインに気を配っていますが、ボールとの唯一の接点であるフェース面はすごくシンプルなものが多いです。
色々なアイアンを試打していると、チープな感じのフェース面に出会うこともありますが、このアイアンにはチープさはありませんでした。
あくまでも『ごく普通』といった感じです。
マイナスに感じることはありませんでしたが、引き込まれるような魅力も、正直感じませんでした。

装着されているグリップはツアーベルベットタイプで、すごくいいです。
一気に好感度があがりました。
微妙なニュアンスを出していきたいアイアンやウェッジには最適なグリップです。
キャロウェイのオリジナルマークもカッコいいです。

素振りをしてみると、好感が持てました。
頼りなさは無く、タイミングも取りやすいです。
DGでは重すぎるけど、950では軽すぎる・・・。という方には、ハマりやすいシャフトといえるのではないでしょうか?
最近はモーダスを見かけることが多くなりました。
それだけニーズがあるのだと思います。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
もっと『いい顔』を予想していたのですが、ちょっと違いました。
少しクセのあるタイプです。
クセはありますが、強い苦手意識は芽生えませんでした。
『今風(いまふう)』の顔といっていいのかもしれません。
大きさは標準的で、少しグースが利いています。
トップラインも厚めで、海外メーカーらしい特徴があります。
あえてシャープさを出さないようにしているのかもしれません。
緊張することもなく、すぐテークバックを開始することができました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
バックフェースにFORGEDとあったので、もっといい打感を期待していたのですが、ちょっと期待はずれなところがありました。
硬くはなく、柔らかいところもあったのですが、ちょっとボヤけた感じがしました。
『芯』を感じにくい打感といったらいいでしょうか?
いわゆる『ワンピース感』の無い打感だな・・・。と思いました。
色々な物が付け加えられて、それらが『ごっちゃ混ぜ』になった感じ・・・。といったらいいでしょうか?
打っていて心地いいと感じることはありませんでした。
ただ、こういったことは珍しくないですし、普通のことといえるのですが、私が打つ前から、このアイアンに期待しすぎていたところがあったのかもしれません。
この打感に関して止まることなく、そのまますっと通り過ぎることにしよう・・・。と思いました。

球はあがりやすくて、イージーです。
ソール幅もネックの長さも標準的で、それほど重心の低さを感じさせなかったのですが、タフなところは全く無く、とてもあがりやすいです。
やはりタングステンなどの異材が組み込まれているのではないかな?と思いました。
異材(比重の重いタングステンなど)のいいところは、外観(ソール幅)などを変えずに、重心をコントロールできるところです。
ソールが広すぎると、私は難しそうに感じることが多いのですが、このアイアンは標準的で難しさを感じさせず、実際に打ってもすごくあがりやすいので、見た目を損なうことなく、易しさに重点を置いて開発されているのではないかな?と思いました。

『安定性』も、キャビティらしい優秀さがあります。
大らかなタイプで、シビアさは全く感じません。
ちょっとグースも効いているせいか、球もつかまりやすいです。
今はこういうタイプが、一番ニーズが高いような気がします。

『飛距離性能』も、なかなか優れていました。
よく飛ぶな・・・。とは思いましたが、今はこれくらいが『常識』となりつつありますし、これまでもキャロウェイはディスタンス系の優れたモデルを発表し続けているので、驚くようなことはありませんでした。
『球の乗っかり感』で勝負するタイプのアイアンではないと思いますが、それを捨てて、あえて飛距離が出るように設計されているのではないでしょうか?
一口にフォージドアイアンといっても、色々なフィーリングがあるのだと、改めて感じました。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
ヘッドが大きすぎないので、フェース面をコントロールするのは難しくありません。
ただ、敏感に反応するというよりは、大らかさのほうが勝ってしまうので、より自然にこの大らかさを活かして打っていったほうがいいように感じました。

全体的にシュッとしていて、スタイリッシュなアイアンですが、気難しさのようなものはなく、親しみやすい特長があります。
易しいアイアンを使っていきたいけど、ボテッとしたものは使いたくない・・・。見た目にもこだわりたい・・・。という方には、魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

私はアイアンに飛びの性能は求めていませんが、今は飛びのニーズが高まっていると思います。
このアイアンは易しさがありながら、飛びの性能もしっかりしているので、多くの支持を集めるのではないでしょうか?

バックフェースのデザインもカッコいいですし、見た目と実際の性能とのバランスが取れています。

アイアン好きの私のアンテナが反応することは無く、テンションも一定のままで淡々と試打していたのですが、キャロウェイらしい工夫がギュッと詰まったアイアンだな・・・。と思いました。

派手すぎない、ゴチャゴチャしていない、スタイリッシュなハイテクアイアンです。
2019年01月16日
キャロウェイ EPIC FLASH SUB ZERO ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC FLASH SUB ZERO ドライバー です。

シャフトは Tour AD SZ です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は53g、トルクは5.9、バランスはD4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は310g です。

キャロウェイの新しいドライバーです。
正月が明けて早々にニューモデルに出会えるのは、とても嬉しいことです。
キャロウェイらしく、様々なハイテクが搭載されています。

形状的にはオーソドックスで、コンパクト感があります。
名前に『サブゼロ』が付いているということもあり、以前試打したGBB EPIC Sub Zero ドライバーの後継モデルであることは想像に難くありません。

ソールのフェース寄りには大きなウェイトがひとつ配置されています。
この位置にあるのはよく見かけます。
数字が刻印されていないので、重さは分かりませんが、専用の工具を使えば簡単に取り外しができそうです。
EPICは同じでも、今回はFLASHという名前が付いています。
どういうことなのだろう?と思いました。
フラッシュというと、私は映画の『フラッシュゴードン』や『フラッシュダンス』を思い出すのですが、このクラブの場合はどのような意味が込められているのでしょうか?

バックフェース付近には、移動式のウェイトも配置されています。
これもよく見られる工夫ですが、私は以前試打したビッグバーサを思い出しました。
両端に『DRAW』『FADE』の文字もあり、好みの球筋に変えやすいのは魅力的です。
今日は、この真ん中のポジションで試打することにしました。

フェース寄りには『JAIL BREAK TECHNOLOGY』の文字がありました。
このテクノロジーも前のモデルに搭載されていますし、継承されているということは、それだけ優秀だということなのだと思います。
他のメーカーには見られない、キャロウェイ独自の技術です。

ソールの中央付近が凹んでいました。
これもよく見られる工夫ではありますが、わざわざこうすることによって得られるメリットも大きいのだと思います。

フェース面のデザインが変わっていました。
これは見たことがありません。
今回のニューモデルは『AI』が採用されているということですが、人工知能がこのデザインを選んだということなのでしょうか?
パッと見た感じだと、弾きは良さそうですが、硬そうな印象も受けました。

フェース面のトゥ側には『FLASH FACE』の文字がありました。
これまで『FORGED』の文字はよく目にしていたのですが、このドライバーは違います。
このフェース面が、そのままクラブの名前に採用されているようです。

ネックの長さは標準的です。
ちょっと前までは、かなり短いものが多く見られましたが、最近は色々なタイプが見られます。

ネックには調整システムが搭載されています。
前のモデルと同じです。
全体的な印象などから、今回はフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジなんだな・・・。と思いました。

試打するのは、このNとSのポジションです。
おそらく、このポジションがノーマルなのだと思います。

コンパクトにまとまったヘッドですが、シャローバックタイプです。
とはいっても、フェース高は充分確保されているので、ディープフェース&シャローバックタイプのドライバーといえます。
今の主流といえるタイプです。

顔は整っていて、好感が持てます。
キャロウェイのドライバーは色々なタイプがありますが、これも『キャロウェイ顔のひとつ』といっていいと思います。
ちょっとコンパクト感があったので、『440~450cc』くらいなのかな?と思いましたが、聞くところによると、460ccなのだそうです。
ディープ感もあるので、それがヘッド体積につながっているのかもしれません。

クラウンはカーボンコンポジットタイプです。
これも最近はよく見られます。
多くのメーカーが採用しているので、それだけメリットが大きいということではないでしょうか?
異材が組み込まれていても、それが質感を落としていないのが、すごくいいです。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで、とても良いです。
ツアーベルベットでソフトなだけでなく、独特のしっとり感があります。
以前、キャロウェイは硬いタイプのグリップを採用していて、私はあまり好感が持てなかったのですが、このグリップはすごくいいです。
色もヘッドに合わせているところが、オシャレです。
細かなところまで配慮されていますし、センスがいいな・・・。と思いました。
打つ前から、目で楽しませてくれるドライバーです。
このクラブに対する好感度がどんどん上がっていきました。
試打する前の、この時間がたまりません。

素振りをしてみると、それほど重量感は感じなかったのですが、頼りない感じはしなかったですし、タイミングもすぐに合わせることができました。
決してハードなタイプのドライバーではありませんが、結構振っていけるスペックになっています。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
かなり私の好みに近く、思わず目を細めて見ていました。
目尻が下がり、笑みがこぼれていたと思います。
私のようなフッカーにはとても『優しい』といいますか、リラックスさせてくれる構え感です。
逃がすイメージが出しやすく、左へ引っかけたり巻いてしまったりするイメージが浮かんできません。
まさに『大好物』の顔といっていいでしょうか?
私はこの構え感が大好きですが、つかまえ系の顔を好まれる方や、スライサーの方には構えづらいところがあるかもしれません。
今は『つかまえ系』の顔をしたドライバーが多いですが、少しずつこのような『逃がし系』の顔をしたドライバーも見かけるようになって、嬉しく思っています。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
ソフトというよりは、やや『しっかりめ』な打感です。
しっかりしていますが、硬すぎる感じはしませんでした。
打感もボヤけたところはないのですが、『重い』というよりは、少し『軽め』な印象をもちました。

『音』は、やや大きくて高めです。
キャロウェイなので、この音はだいたい予想していました。
ビッグバーサの、あの独特の金属音とはまた違いますが、キャロウェイらしいな・・・。と思いました。
大きくて高めの音ではありますが、インパクトが詰まったり緩んだりすることもなく、しっかりと振りぬいていくことができました。
私の好みの音ではないのですが、大きな不満はありませんでした。
こんなものだ・・・。と思いながら、淡々と打っていました。

『球のあがりやすさ』という点では、ややタフなタイプです。
ただ、前のモデルよりは少しあがりやすくなっているのではないかな?と思いました。
詳しいことは実際に打ち比べてみたいと分かりませんが、そのように感じました。
ヒッター向けであることは明らかですし、今のドライバーの中では『叩けるモデル』になっています。
いわゆる『低スピン系』で、強い球が打てるドライバーです。
フワッとした球ではなく、ガツンと押しの利いた球が出ます。

『安定性』という点では、正直なところがあり、寛容なタイプではないと思います。
高い直進性があるという感じはしないですし、ミスヒットに対するある程度のシビアさはもっているドライバーです。
易しさや曲がりにくさを最優先しておられる方には、親しみづらいところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は、かなり優れていて、一球目から驚いてしまいました。
前のモデルも良かったのですが、それほど変わっていないだろう・・・。と思っていました。
しかし、かなり優秀です。
これは打ち比べなくても分かります。
『空中を舞う弾道』といったらいいでしょうか?
力強く進む弾道が頼もしいです。
フェースの弾きも良く、強く振って結果をだしていくドライバーだと思います。
キャロウェイのハイテクが活かされたドライバーです。
かなりポテンシャルの高いドライバーですが、やはり『FLASH』というフェース面に、その秘密が隠されているのでしょうか?

『操作性』は、なかなかいい感じです。
コンパクトないい顔をしたドライバーですが、いわゆる『球持ち』がそれほどいいわけではないので、操るという感じはあまりしなかったのですが、自分の持ち球を素直に表現しやすいように感じました。
私はフック系が持ち球ですが、右に曲げることも容易でした。
今はつかまえ系の顔をした、つかまりのいいドライバーでフェード系の球を打つ方がとても多くなったような気がします。
そういった意味では、このドライバーはそれほどつかまる感じはしないのですが、クセのない顔をしているので、より自然に打っていける利点があります。

外見は前のモデルによく似ているので、ただのマイナーチェンジで、それほど個性は変わらないのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。
前のモデルよりも、明らかにレベルアップしていると思います。

このドライバーはウェイトや調整システムなど、色々な工夫がされていて、高い機能性があります。
いわゆる『足し算のクラブ』といっていいと思います。

逆にすごくシンプルで、異材などは一切使われていなくて、余計な物をそぎ落としたクラブは『引き算のクラブ』といえるでしょうか?
便利な機能はありませんが、打感などのフィーリングが良かったり、外見が美しかったりします。
シンプルな分、素材で勝負できるといえるでしょうか?
『純』なタイプが多いです。

このドライバーは色々な工夫がされていて、ちょっと『雑味』があるといえるのですが、それを便利さが上手くカバーしているように思います。
調整機能などが目立ちますが、基本性能の高さをしっかりもっているクラブです。
今回はニュートラルなポジションで試打しましたが、調整機能をつかえば、もっと色々な顔を見せるような気がします。

前のモデルはちょっとだけ『もっさりとした』といいますか、やや遅い印象が残っているのですが、このドライバーにはそれがありませんでした。
今はどのメーカーもハイテク化が進んでいますが、キャロウェイはその『最たるメーカー』といえるように思います。
かなり深い研究によって設計されているのが伝わってきます。
見た目は色々な機能が付いているけど、肝心の基本性能が疎かになっているドライバーにも、これまでたくさん出会ってきましたが、このドライバーは機能性と基本性能とのバランスが上手くとれているハイレベルなドライバーです。
年始から素晴らしいドライバーに出会うことができて、今年はいい年になりそうな予感がします。
2018年04月17日
キャロウェイ ROGUE アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ ROGUE アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.7、バランスはD3、キックポイントは元調子、クラブ総重量は423g です。

キャロウェイローグシリーズのニューアイアンです。
先日、ローグスターというアイアンを試打したのですが、今日はローグです。
ローグシリーズのドライバーは『三兄弟』ですが、アイアンは『二兄弟』のようです。

ラージサイズのアイアンです。
今主流の『ポケキャビ』ではなく、『フルキャビ』ですが、バックフェースの形状に工夫が見られ、機能的な感じがします。
クラブの機能性といえば、キャロウェイは世界でもトップクラスだと思います。
このアイアンにも、様々なハイテクが使われているようです。

彫りの深さも充分あります。
ポケキャビに負けないような深さです。

バックフェースの中央には『CUP 360』の文字が見られました。
これは以前も見たことがあります。
ただ新しいだけでなく、これまでの優れた技術も惜しみなく投入しているのだと思います。

トップラインは厚めでした。
このようなタイプのアイアンなので、この厚さは予想できていました。

ソール幅は、ややワイドですが、今のアイアンの中では普通といったところだと思います。
こうして見ていても、『曲がっている』のが分かります。
真っ直ぐシャープにネックからソールにつながっているのではなく、『くねくね』しているような感じです。
グースタイプだということが、この形状からも分かりますが、同じグースタイプでも色々とあるものだと思いました。
この『くねくね感』も、キャロウェイアイアンの特徴といっていいかもしれません。
軟鉄タイプではなく、『ステンレス色』全開な感じがしました。

ソールにはウェイトのようなものが組み込まれているのが見て分かりました。
バックフェースに付いているということもあり、重心の低さだけでなく、深さにも配慮されているのだと思います。

フェース面にミーリングは無く、普通でした。
アイアンのフェース面をまじまじと見ていると、その『フィーリング』や『音』『球持ち感』などがイメージされることもありますが、このアイアンからはそういったことが伝わってきませんでした。
『無』のような感じで、こちらの心が動くこともありませんでした。
淡々と見ていました。
アイアンにも『熱い』『冷たい』があるとするならば、このアイアンは冷たいタイプだな・・・。と、このフェース面を見ていて思いました。
ステンレスタイプからくる冷たさなのかもしれませんが、ホットな感じはしませんでした。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで好感がもてます。
しっとり感はあまり無いですが、いい意味で無難なタイプです。

ボールを前にして構えてみると、正直私の好みからは外れているのですが、こういうタイプも有りだと思いますし、好まれる方もたくさんいらっしゃると思います。
ラージサイズでグースの利きも強いです。
トップラインの厚さも目立ちました。
シャープなタイプではなく、ややボテッとした感じです。
海外メーカーのアイアンらしい感じがしますが、昔からこのようなタイプは多いので、それだけ長く愛されている形状なのだと思います。
試打を開始しました。

『打感』は、やや物足りない感じがしましたが、打つ前から予想できていました。
『球乗り感』もなく、バーンと弾く感じの打感です。
『心がノってくる』打感でもありませんでした。

球はあがりやすくて、イージーです。
タフなタイプのアイアンではありません。

安定性も高く、かなり寛容なタイプです。
このようなタイプなので、どこでヒットしたかも分かりづらいですが、その分かりづらさも『個性』といえるのかもしれません。
ミスヒットを感じさせない、球のブレにくさと打感といった感じです。

『飛距離性能』は優れていました。
よく飛びますが、今のディスタンス系アイアンの性能は凄いので、その中では比較的『標準』といえるのかもしれません。

『操作性』という点では、やや苦戦してしまいました。
構えたときに、あまり曲げる気になれなかったというところもありました。

先日試打したローグスターと、どこが違うのだろう?と思いました。
今度見比べてみたいと思います。

私が好むタイプのアイアンとは真逆のようなタイプのアイアンですが、キャロウェイらしい感じがします。
キャロウェイが誕生したときにビッグバーサドライバーなど、ウッド系のクラブには魅力を感じていたのですが、アイアンはどうしても馴染めませんでした。
それが、長い年月を経ても変わらないところが、またいいです。
ただ、スルーボアは見なくなりました。

キャロウェイは、アイアンはこのタイプでいく・・・。という強い意志のようなものが感じられます。
Xフォージドなど、軟鉄アイアンを発売することもありますが、このローグのようなタイプがキャロウェイのメインシェイプといえるのではないでしょうか?

ラージサイズでグースの利きも強いという共通点がありますが、先日試打したメタルファクトリーのアイアンとは、大きな違いがあるように感じました。