ピン
2022年05月22日
PING GLIDE 4.0 WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 115 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は118.5g、トルクは1.6、キックポイントは元調子 です。

シンプルでカッコいい、PINGの新しいウェッジです。
PINGらしい高機能さを感じさせながら、ゴチャゴチャしていない、シンプルなところに好感がもてます。
前のモデルに出会って3年も経ったのかと思うと、早く感じます。
いいクラブというものは、いつまでも記憶の中に生き続けるものです。

大きさは標準的で、丸っこさが目立ちます。
私はアイアンやウェッジにはナイフのような鋭くてシャープな形状を求めたくなるのですが、このような輪郭が丸っこいのも、抜けの良さをイメージさせてくれるので好きです。
今の流行りでしょうか?
このウェッジもトップラインの膨らみが目立ちます。

角度を変えてみても、よく膨らんでいるのが分かります。

バックフェースにある、このウェイトのようなアクセサリーも前のモデルと同じです。
これはどういう効果が期待できるのでしょうか?

正面から見るとそうでもないですが、この角度から見ると、キャビティタイプなのが分かります。

彫りは深くなく、標準といっていいように思います。

トップラインの厚みがよく分かります。
こうして見ると、トゥ側のほうが厚みがあって、つい先日も他のメーカーで見ました。
やはりメーカーは違えど、『実際に作っているメーカー』が同じだったりすると、どうしても似通ってしまうのかな・・・?と思いました。

ソール幅は標準です。
すごく綺麗なソールだな・・・。と思いました。
サンドウェッジはどうしても、14本のクラブの中で最もソールに傷がついてしまうクラブではありますが、できるだけ傷をつけたくないという心理が働きます。
こうして見ても、結構プル角が利いているように感じました。

ソール形状は緩やかな丸みがあって、リーディングエッジもトレーリングエッジにも削りが見られます。
バンスは標準的です。
PINGのウェッジといえば、『丸っこさ』が印象的ですが、このウェッジもそのようになっていて、過去のモデルのいいところをしっかりと継承しているように見えました。

ネックの長さは標準的です。
こうして見ると、ゴルフクラブと人間の身体との共通点を見たような気がしました。
ヘッド(頭)が大きく、ネック(首)がキュッとしまっていて、身体(この場合はホーゼル)に適度な太さがあります。

フェース面には細かなミーリングがありました。
指で触ってみると、適度にザラついています。
ミーリングにも綺麗なものと、そうでないものに分かれますが、このウェッジは前者のほうです。

装着されているグリップはソフトさとしっかり感が両立されていて、好感が持てます。
このゴムの質感がとてもいいです。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
オーソドックスな顔で、正統派といっていいように思います。
ネックの部分がキュッと引き締まっているのがたまりません。
ここの部分が幅広でボテッとした印象のウェッジもたくさんありますが、私はこのほうが好きです。
フェースの開閉をイメージしやすいからだと思います。
もちろん幅広であってもフェースの開閉はできますが、『イメージしやすさ』という点で、狭いほうが私は好きです。
バックフェースやトップライン、そしてソールなど、様々な工夫がされてハイテクタイプのウェッジだと思いますが、こうして構えてみるとクラシカルなタイプだということが分かりました。
『首長(くびなが)』に見えるのも、好感が持てます。

フェースも開きやすく、そのままスパッと抜いていけそうです。
外見はオートマチック。
構え感はマニュアル。
そんないいとこ取りしたウェッジだな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、いい感じです。
前のモデルの印象や、全体的な質感などから予想していましたが、このソフトであり、球の重さを感じられる打感は安心感を与えてくれます。
バチーンと弾くこともなく、球の乗りもいいです。

球を拾いやすく、いい感じであがってくれました。
ソールがよく滑ってくれ、素早く抜いていけるのが、このウェッジのいいところです。
これなら逆目のライでも、引っかかることなく、一気に抜いていけそうな感じがします。
なんとなくではありますが、タイトリストのボーケイウェッジを思い出しました。

スピン性能も高く、安定しています。
フェースの開閉にもしっかり対応してくれ、球持ちの良さがあります。
スピンが掛かったり掛からなかったりといった、いわゆる『スピンの掛け忘れ』が無いのも、このウェッジの長所です。

カッコいいウェッジですが、気難しさのようなものは感じず、大らかさをもったウェッジだな・・・。と思いました。
バックフェースの形状や工夫に大きな秘密があるのではないでしょうか?

球を拾いやすく、また出球のイメージも合いやすいので、距離感も必然的に合ってきます。
弾き系ではない、球持ちの良さで勝負できるウェッジなので、『スローボール』で寄せられるのもいいです。
ゆっくりとイメージしやすい球足(の速さ)なので、精度を高められます。

構えやすくて操作性もいいですが、どちらかというとオートマチックタイプといっていいのかもしれません。
フェースを開閉しやすく、いろいろと遊ぶことができるウェッジですが、そこに『安定性』といいますか、『ブレにくさ』のようなものを感じました。
『カッコいいけど気難しくなく、易しい』。
そんな印象をもちました。
試打後の感想

性能のバランスがとれたウェッジです。
『ウェッジ界の優等生』といえば、私はボーケイウェッジを連想するのですが、それに近い印象をもちました。

このウェッジが4.0ということで、次のモデルは5.0というのは想像に難くありません。
前のモデルの3.0から、どう進化したのか、このウェッジを試打しながら探っていたのですが、正直よく分かりませんでした。
もしチャンスがあれば、打ち比べてみたいと思います。

ひとついえるのは、前のモデルの3.0も、今回の4.0も高性能だということです。
易しくてカッコいいウェッジです。

パターメーカーとして老舗中の老舗でありながら、今はドライバーをはじめ、ウェッジなどのクラブも充実しています。
特にドライバーを試打して感じるのですが、PINGの追い求めるもののなかに、常に『易しさ』というものがあるのではないでしょうか?

昔のPINGのドライバーなどは結構タフでシビアなものもありましたが、今はそう感じません。
かなりのラージサイズで大らかさをもたせながら、直進性と距離の両立を図っています。
ウェッジは大きくなると逆に難しくなってしまうので、『程よい大きさ』が求められます。
その程よい大きさのなかで、最大限の易しさをもたせつつも、構えやすさや打感といったフィーリングにもこだわっているのではないか?と、このウェッジを試打しながら思いました。

ハイレベルにバランスのとれたウェッジです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022年04月26日
PING i59 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 115 です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は118.5g、トルクは1.6、キックポイントは元調子、クラブ総重量は431g です。

PINGの新しいアイアンです。
昔のPINGは、かなり大味な感じのアイアンばかりでしたが、最近はこのようにシュッとしていてカッコいいアイアンが多くなりました。
その代表格といえば、BLUEPRINTなのですが、このアイアンもそれに近い雰囲気があります。
ただ、このアイアンはマッスルバックというよりは、ハーフキャビティのような外見です。

大味感はなく、シャープでカッコいいアイアンです。
大きさも標準的で親しみやすさがあります。
『59』とは、どういう意味でしょうか?
私は真っ先に『13アンダー(パー72として)』を思い浮かべたのですが、おそらく違うと思います。

ヒール側には『FORGED』の文字がありました。
フォージドというと、軟鉄を連想しますが、質感的にステンレスっぽいな・・・。と思っていたので、ちょっと意外でした。

ネックの部分にはPINGアイアンらしい、凹みがあります。
最初は何のためにあるのだろう?と思っていたのですが、ロフトやライ角を調整するためだと、以前読者の方から教えていただいたことがあります。
なので、やはりステンレスなのだろうと思いました。
軟鉄に比べ、ステンレスは鍛造が難しく、割れなどが入りやすいとか、品質の均一化が難しいと聞いたことがあるのですが、鍛造技術の進歩によって克服されたのかもしれません。
そして一口にステンレスといっても、いろいろなものがあります。
代表的なのは、比較的安価な『SUS304』ですが、それ以外にも『SUS316』など、成分の配合によって性質も変わってくるのが金属の面白いところです。
私個人的には、ステンレスを使うなら無理にフォージドでなくてもいいな・・・。と思うのですが、これにも大きな理由があるのは間違いありません。
軟鉄を採用しているメーカーは多いですが、PINGは頑ななまでにステンレスにこだわっているようです。
私はステンレスのアイアンを買ったことが無いですし、これからも買う予定はありませんが、メーカーのこのようなこだわりは好感が持てます。
各メーカー全て『右へならえ』的に同じようなクラブになるのではなく、メーカー毎の特色が大切だと思っているからです。
軟鉄ではなく、ステンレスにこだわって使い続けておられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

トゥ側にウェイトがありました。
大きさは標準的ですが、トゥ側に重心が来るよう、重心距離の長い設計になっているのでしょうか?
私はむしろ、ヒール側が少し重いほうがいいといいますか、昔からヒール側に鉛を重ねて貼り、重心距離を短くするのと、ヒール側の打感の厚みを求めていたのですが、今は長めがトレンドなのかもしれません。
トゥ側でヒットしたほうが、遠心力が増して飛距離が出やすいのかもしれないですが、私の経験上、センターよりも少しだけヒール寄りで打ったほうが強くて魂の乗った球が打てます。
これはアイアンだけでなく、ウェッジにもいえることです。
シャフトに近いということが関係しているのかもしれません。
だからといって極端にヒールで打というとすると、シャンクの危険もありますし、距離が出なくなってしまいます。
何事も『程よい』ということが大切なのだと思います。

ソール幅は標準的です。
PINGのアイアンといえば、『超』がつくほどのワイドソールのイメージが今でも強烈に残っているので、ちょっと意外でした。
一時期、そういったアイアンばかりで、かなり苦手意識をもっていました。
しかし、いろいろなタイプのアイアンを発表して、私たちユーザーの好みに合わせてくれているのだろうと思います。
ただ、ソール自体に『色気』といいますか、魅力は感じません。
アイアンによっては、ソールを見ているだけで、いろいろなプラスイメージが湧いたり、目尻が下がったりすることがあります。
それは絶妙な形状であったり、削りが綺麗だったりするからです。
しかし、このアイアンのソールはこれまでのPINGらしい形状で、やや大味な印象をもちました。
ソールが着地するイメージや、芝やラフを刈ったり滑ったりするイメージが湧いてきません。
こういったところがミズノやタイトリストなどのアイアンと違うところです。
構えたときのイメージだけでなく、いろいろな角度から見たときにイメージが湧いて欲しいですが、それがPINGのアイアンにはあまり感じられません。
ただ、これはあくまでも私の個人的な感覚なので、このソール形状がイメージにピッタリ合うという方はたくさんいらっしゃると思います。
たくさんのクラブを試打してきて、その都度ソールを見るのですが、ソールにこだわっているメーカーだな・・・。と思うこともあれば、あまりこだわっていないメーカーだな・・・。と思うこともあり、PINGの場合は後者です。
これは昔から変わりません。

ソールは平らに近い感じもしますが、全体的に丸みを帯びていて、リーディングエッジやトレーリングエッジも削られています。
抜けの良さは万全な感じがしますが、あまり手を加えられていないといいますか、メーカーのこだわりが感じられません。
ここ数年、PINGのドライバーは他のライバルメーカーを圧倒するような高いポテンシャルをもっていますが、アイアンはもうひとつだな・・・。と思ってしまうところです。

ネックの長さは標準的です。
太くなく、ボテッとしていません。
ラージサイズではないので、『頭でっかち』に見えないところも、過去のPINGアイアンと違うところで親近感が湧きます。

こうして見ると、シンプルなハーフキャビティといった感じがしますが、おそらくそれだけではないと思います。
見えないところにたくさんの工夫がされているのではないでしょうか?

トップラインの厚さは標準的です。

フェース面にミーリングは見られませんが、指で触ってみると、結構ザラザラしています。
細かな目のサンドペーパーで磨いたような触感です。

素振りをしてみると、いい感じでした。
タイミングを合わせるのにも苦労しません。
やや軽量感がありますが、これくらいが今の普通でしょうか?
軽量スチールや軽量カーボンシャフトを使い慣れておられる方には、やや重いタイプかもしれませんが、このヘッドにはこれくらいの重さが重要になってくるような気がしました。

ボールを前にして構えた感じはまずまずです。
見とれるようなことはありませんでしたが、違和感などは全く無いですし、ラインもイメージしやすいです。
私的には、スコアラインの白いラインは要らないのですが、このラインがあるほうが、構えやすいという方も多いのではないでしょうか?
私はリーディングエッジとライン(飛球方向)を垂直に構えたいタイプのゴルファーですが、トップラインとラインを垂直にしたいという方もいらっしゃると思います。
統計的に、ちょうど二分されるのではないでしょうか?
そういう方にはスコアラインではなく、トップラインを白く塗ったほうがいいかもしれません。
おそらくルールにも違反しないと思いますし、今は昔に比べ、『目印』をすることへの規制が緩くなったような気がします。
クラブにはルールによって、いろいろな規制がされていますが、『構え方』については自由です。
なので、自分に合った方法を取り入れるべきです。
『本に書いてあったから』とか、『人に言われたから』といって、これまで自分に合っていた方法を変えるのはナンセンスです。
人が10人いれば、10通りのやり方があっていいのだと私は思います。
練習や実戦で経験を積んで、自分に合った方法を模索していくべきですし、年齢を重ねていくうちに、これまで合わなかったものが逆に合ってくるということもあるかもしれません。
ある一流のプロ野球ピッチャーが、
「ボールの投げ方は、絶対にこうしなければならない。というものはないので、自分に合った方法を常に模索している。」
と言っていましたが、まさにその通りです。
もちろん基本は大事ですが、型にはめすぎるのも良くないと私は思います。
私の師匠であるレッスンプロが、教えるときに型にはめない指導方針だったので、そのように感じるのかもしれません。

トップラインやリーディングエッジの感じが、昔のホンマアイアンに似ています。
昔の懐かしい記憶が蘇ってきました。
ほんのちょっとグースが利いていますが、気になるほどではありません。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
結構ソフトな打感ではありますが、私がアイアンに求めたい打感ではありませんでした。
見た目ソリッドでカッコいいアイアンなので、打感にも高いレベルを要求しすぎたのかもしれません。
ボテッとした構えづらくて違和感のあるアイアンなら、意外といい打感だと思えたのかもしれませんが、この外見だともうちょっと良くすることができなかったのかな・・・?と思いました。
しかし、『易しさ』を追求して、ヘッド内部にいろいろと工夫をして、どうしても打感は犠牲になるのだと思います。
やや薄めの打感で、物足りません。
アイアンの打感に『弾き感』は要りませんが、このアイアンには少しありました。

『球のあがりやすさ』という点では普通ですが、ヒッター向けであることは明らかです。
すごくあがりにくくてタフだというのではなく、『普通のヒッター向け』アイアンという印象をもちました。
ある程度のHSが無いと、あがりづらいタイプのアイアンです。
あらゆるHSに対応した、幅広い層にマッチしたアイアンではありません。

『安定性』は外見の印象よりは高くて、いい意味でのギャップがありました。
見た目はハーフキャビティですが、フルキャビティのような寛容さのあるアイアンです。
このサイズのアイアンにしては、スイートエリアも広めでシビアさは感じません。
かといってオートマチックタイプでもないのですが、気難しさは感じなかったですし、少々の打点のブレには寛容です。

『飛距離性能』は普通の『やや飛び』といった印象ですが、今のアイアンの中では飛ばないほうだと思います。
やや弾く感じがあったので、もうちょっと『乗っかり感』があったほうが、私は距離感を出しやすいのですが、このアイアンだとそれが難しいです。
慣れるまではある程度の球数と時間が必要ですが、私は慣れたくありません。
なかなか表現が難しいですが、『飛びすぎないチョイ飛び』といったところでしょうか?

『操作性』は高くて好感が持てました。
構えやすいので、この扱いやすさは予想通りです。
大きすぎないというのは、明らかに武器になると再認識しました。
クセが無いので、左右どちらにも同じように反応してくれました。
オートマタイプではなくマニュアルタイプですが、難しすぎないマニュアルタイプという表現がピッタリでしょうか?
試打後の感想

外見はカッコいいアイアンだけど、もうちょっと打感が良くなればいいな・・・。というのが一番強く残りました。
大きな不満は無いのですが、このカッコ良さと打感のバランスがとれていません。
アイアンに『球離れ感』は不要ですが、このアイアンにはそれがあったのが不満でした。
とはいっても、今流通している全てのアイアンのなかでは『いいほう』といいますか、『真ん中のちょっと上』といったところでしょうか?
あくまでも外見のカッコ良さから発せられる打感ではないということです。

やはり私はステンレスよりも、軟鉄のほうがいいな・・・。と、このネックの凹みを見て実感しました。
ロフト角やライ角を変えるための工夫だということは知っていますが、軟鉄ならこんな工夫は要りません。
触ると硬いですが、『曲げる』ことに対して、まさに『軟らかい』という表現がピッタリなのが軟鉄です。
しかし、あえて軟鉄ではなく、ステンレスにこだわっているPINGのこだわりには好感が持てます。

これまでも書いてきましたが、クラブ(特にアイアンやウェッジ)は『ライ角が命』です。
いくら練習しても、ライ角が合わなければ、自分の狙った方向に打っていくのは難しいです。
しかしそれを知っていても、確認せず、調整せずに使っておられる方が大多数ではないでしょうか?

PINGは海外メーカーの中でも、特にフィッティングに力を入れていて、こういったところを大切にしているメーカーです。
だからステンレスにこだわりながらも、購入後調整できるように、ネックに凹みを入れ続けているのだと思います。

まさに『プレイヤーファースト』『ユーザーファースト』のメーカーといえるでしょうか?
ユーザーの声を取り入れてクラブ開発しているのだと思います。
PINGには、これからもこのようなカッコ良くて易しいアイアンを作り続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年10月04日
PING GLIDE FORGED PRO WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING GLIDE FORGED PRO WEDGE です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 115 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は118g、トルクは1.6、キックポイントは元調子、クラブ総重量は454g です。

久しぶりに出会った、PINGのウェッジです。
最近のPINGはドライバーの充実ぶりが凄いですが、アイアンやウェッジも充実しています。
このウェッジをひと目見て、以前試打したGlide 2.0 ウェッジというウェッジを思い出しました。
何となくデザインが似ているように見えるからです。
PINGらしい艶消しなところも、これまでの流れをくんでいます。

最初、ニューモデルだとは思わなかったのですが、『PRO』という文字を見て、これまで記憶が無かったので、おそらくニューモデルだろうと思いました。
PING契約プロ限定モデルなのでしょうか?
昔のプロモデルはかなりハードルが高いというのが常識のようになっていましたが、今は違っていて、私たちアマチュアでも親しみやすいものが多くなっています。

このトップラインを見ていると、フォーティーンのウェッジを思い出しました。
こういったところを見ると、PINGのウェッジも変わったと言わざるを得ません。
トップラインをテーパーにして厚みを持たせ、重心が高くなるように計算されているのではないでしょうか?
メーカーは違えど、他のメーカーのいいところが各メーカーに共有され、個性が埋没しかかっているような気がしますが、それだけ高性能なクラブが多くなっているといえます。
ウェッジだけでなく、アイアンなどもそうですが、昔のクラブはかなり大雑把なところがありましたが、今は少なくなっていて、かなり『繊細』で、微妙な変化といいますか、工夫が見られるようになりました。
それくらい研究が進んでいるからではないでしょうか?

バックフェースの形状はこのようになっていて、溝があります。
こうすることで、重心を高く出来るのかもしれません。
低重心はあがりやすいというメリットがありますが、それでスピンが掛かりやすくなるか?はまた別問題で、あがるけどスピンの利きが弱いと感じておられる方は多いのではないでしょうか?
グリーン回りでスピンを効かせて止めたいときにスピンが掛からず、ダラダラと転がって寄せられないのではスコアメイクが苦しくなります。
しかし重心が高いとしっかりとスピンが効いてくれ、ほどけにくいと、これまでの経験から感じています。
横からではなく、『上から包み込むような』感覚・・・。といったらいいでしょうか?
高重心は難しいと思っておられる方は多いかもしれませんが、ロフトが寝ているウェッジではそのようなことはなく、よくあがってくれますし、大切なのは『出球のイメージ』が合うかどうかです。
ドライバーのようなロフトの立ったクラブはもちろんアイアンまで低重心で、ウェッジだけは高重心を好んで使っている人が私の周りにもたくさんいます。
あのスピンがほどける感じが嫌なのかもしれません。
『手前みそ』になってしまうかもしれませんが、昔ラウンドをしているときに、グリーン回りで私は普通にピッチエンドランで寄せにいいき、ボールはイメージ通りのキャリーとランでカップの近くまで寄せることができたのですが、それを横から見ていたキャディさんが、
「途中ですごくスピンが掛かって止まったねぇ。カップをオーバーするかと思った。」
と、少し驚き気味に言われたことがありました。
そのとき私は「何を言ってるんだろう?」と、その言葉の意味が分かりませんでした。
それはキャディさんのリップサービスなのかもしれませんが、私は高重心のウェッジで上から押さえ込むといいますか、包み込むように運ぶことができたからだと思っています。
スピンがほどけるようなウェッジでは難しいですし、使っていたボールもディスタンス系ではなく、スピン系のボールだったからなのはいうまでもありません。

PINGのウェッジはどちらかというとシンプルというよりは高機能なイメージがありますが、このウェッジのバックフェースはとてもシンプルです。
こうして見る限り、異材などは組みこまれていないようですが、実際のところは分かりません。

トップラインは、やや厚めではありますが、イメージがボヤけるような厚さではありません。
『テーパー』がついた引き締まった厚みです。

ソール幅は標準的ですが、トゥからヒールにかけて微妙に絞り込まれているのが分かりました。
人によって見るところは変わってくると思いますが、私はウェッジを見るときに『ヒール側の絞り込み』を気にしています。
これまでハイバンスタイプで特にヒール側が出っ張ったウェッジで苦戦してきたことがあったからです。
研究が進んでいるせいか、最近のハイバンスはあまり跳ねないものが多いですが、昔のハイバンスは結構跳ねていて、扱いが難しかったものがたくさんありました。
まさに『跳ね馬』といいますか『じゃじゃ馬』タイプで、手綱を握れず振り落とされるような感覚です。
特に私は昔から開いて使うことが多かったので、ヒール側が出っ張りすぎていると難しくて、かなり気を遣いました。
最近のウェッジはそういったものが少ないですが、昔は多かったので、自分でグラインダーを使って自分好みに削っていました。

ソールは平らというよりは、全体的に丸みを帯びています。
バンスの利きは普通です。

ネックの長さはしっかりとキープされていますが、全体的に見れば標準的といえるでしょうか?
PINGのアイアンやウェッジには、『ネックの凹み』がある印象が強いですが、このウェッジには無いので、おそらく素材が軟鉄だからだろう・・・。と思いました。
軟鉄はネックに凹みをいれなくても、簡単にロフトやライ角の微調整ができるからです。
耐久性ではステンレスのほうが勝っていますが、微調整やフィーリングなどでは、やはり軟鉄のほうに分があるように思っています。
ただ、これはどちらが正解というのではなく、使う人の好みによって選ぶべきです。
ステンレスタイプのアイアンやウェッジにも名器はたくさんあります。

フェース面には、かなり細かなミーリングがあり、PINGのウェッジなので予想していました。
直線ではなく、円を描くような曲線のミーリングです。
ミーリングだけでなく、この触感も特徴があります。
フェース面に細かな鉄の粉をまぶして固めたような『パウダータッチ』といったらいいでしょうか?
『微粉感覚』です。
細かな『粒』を感じさせ、最近はこのような触感のウェッジが増えてきたように思います。
ボールとの接触密度が増えて、スピンが掛かりやすそうです。
昔はといいますか(今もありますが)割と『ツルン』とした触感のウェッジがあり、私はあまり好感が持てないのですが、このウェッジの触感は好感が持てます。
このウェッジのフェース面には『粒々感』があります。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
私的には『可も無く不可も無く』といったところですが、もし私がこのウェッジを購入したら、即ツアーベルベットに変えるのは間違いありません。
このグリップに問題があるというのではなく、それくらい私の中ではツアーベルベットのフィーリングが『肌感覚』で合っているからです。
アイアンもウェッジもツアーベルベット以外、考えられません。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
最近のPINGは、いい顔をしているな・・・。と思いました。
昔から、PINGのクラブはクセの強いものが多く、私はかなり苦手で、キャリアを積めばある程度は克服できるのかと思った時期もありましたが、未だに克服できていません。
ビギナーの頃からの顔の好みが今も引き継がれているようです。
PINGは海外のメーカーですが、こうして見ると『和の要素』も取り入れているように感じられます。
丸顔ではなくティアドロップ型ですが、面長ではなく小振りなティアドロップ型です。
トップラインの見え方も良く、厚みが目に入ってきません。
ウェッジだけでなく、ドライバーなど他の番手のクラブに共通して言えることですが、『いいクラブ』というのは、こうして構えたときに、これから放たれる球筋や弾道のイメージが明確に浮かんでくるものですが、このウェッジはそれがちゃんとできています。
失敗のイメージなど浮かんできません。
相棒に迎えるべきクラブには必要不可欠な要素です。

フェースも開きやすく、これならいろいろな球で遊べそうです。
ロブ系のショットを打つには『ロケットの発射』のように、ボールが真上に飛ぶイメージが欲しいですが、それができています。
真っ直ぐ出していくのも良し、カットに入れて抜いていくのも良し・・・。という懐の深いウェッジだな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はソフトでとても良いです。
思っていた通りのソフトフィーリングでタッチを出しやすいところが気に入りました。
『球の乗り』も良く、ボールを一瞬くっつけて運ぶことができるウェッジです。
正確な距離感を出していくには欠かせない要素です。
距離感を出していくには、この『くっつく時間』が長ければ長いほど有利だと感じています。
野球のピッチャーでいうと、『球離れの遅いピッチャー』と言うことになるでしょうか?

スピン性能も高く、ボールがよく止まってくれます。
ハイスピンですが、『おとなしいスピン性能』といったらいいでしょうか?
無駄に主張することなく、プレイヤーの感覚を邪魔しない、頼れるタイプのウェッジだな・・・。と思いました。
いわゆる『ガツン系』のスピンではなく、『コツン』といった感じの安定感あるスピン性能です。

ストレートタイプなので、球を拾いやすいです。
少々ライが悪く、薄くしか拾っていけないシチュエーションというのはよくありますが、このようなタイプだと『何とかなる』と、いつも思っています。
『アゴ』で拾っていける・・・。といいますか、フェース下で上手く拾ってくれるタイプのウェッジです。
出球の高さも標準的でイメージが合いやすいところが気に入りました。

『安定性』は普通で、特別イージーだとは思いませんが、これくらいあれば充分ではないかな?と思います。
顔がいいのでラインを出しやすいですし、特にシビアに感じるところはありません。
ウェッジもアイアン同様、キャビティタイプでないと嫌だ・・・。という方には、あまり魅力的ではないかもしれませんが、逆にウェッジだけはフラットバックタイプでないと嫌だという方には是非試していただきたいです。

『操作性』はかなり高く、『最高レベル』といってもいいと思います。
顔を見たときから思いましたが、まさに『業師』の為のウェッジといえるのではないでしょうか?
オートマチックタイプではなく、完全にマニュアルタイプのウェッジです。
ストレートに使っていくのも良し、『Xライン』、つまりカット(引っ張り)にも、アウト(押し出し)にも対応してくれました。
試合だけでなく、これまでたくさんアプローチの練習をやってきて、ひとつのシチュエーションで色々な寄せ方が頭に浮かんでくるとき、最初に浮かんできたものが、最も成功率が高いと感じています。
オートマ系のウェッジでは、その浮かんでくるイメージがとても少ないですが、このようにマニュアルタイプのウェッジではいろいろなイメージが色濃く浮かび、寄せの選択肢を広げてくれるので、結果的にピンチを脱する機会も増え、スコアメイクにつながりやすくなります。
だから、マニュアルタイプのウェッジのほうが私は易しいと感じるのですが、このウェッジはその『ど真ん中』といった感じです。

構えたときに出球のイメージが明確に浮かんできたので、距離感も合いやすいです。
縦の距離感は出球の『高さ』と『スピード』で決まるといっても過言ではないように思います。
細かくいえば、スピン量や、そのスピンの方向などもあると思うのですが、あまりたくさんのことを考えてしまうと、手が動きません。
だから、自分の感覚に合うスピン性能をもったウェッジが必要なのです。
スピン性能が低いのは論外ですが、高ければ高いほどいいというものでもありません。
マニュアルタイプでも、スピン性能はハイスピンを維持しながら、『オートマチック的』なところが求められます。
いかにシンプルに、素早くイメージできるかがアプローチの成否を分けるといえるのではないでしょうか?
ウェッジのようなロフトの寝ているクラブは『強く振っても距離を出さない』ことが求められます。
飛べばいいというのではなく、ちょっと強く入っちゃったけど、キャリーを抑えてよく止まってくれた・・・。というウェッジは頼もしく信頼性が高まりますし、このウェッジはそんなタイプのウェッジです。
試打後の感想

最初見たときから、シンプルでカッコいいウェッジだな・・・。と好印象だったのですが、実際に試打してみると、さらに好感度があがりました。
『構えやすさ』『打感』『スピン性能』『操作性』『距離感』が秀逸です。

PINGらしい、独特な艶消しも印象的です。
ウェッジはだいたい、シャープな印象を与えるものが多いですが、このウェッジは整った形をしていながら、丸みを帯びた輪郭と、この質感で、どこかまろやかな印象を与えてくれます。
輪郭同様、性格的にも尖っていなくて丸みがあって穏やかなウェッジです。

このウェッジは『PRO』という名前がついていますが、決してハードルが高いクラブではないと、実際に試打して感じました。

もちろん今も『プロトタイプ』というものはありますが、今はプロもアマも同じクラブを使う時代なのだと思います。
シャフトはかなり違うところもあるようですが、ヘッドは共通していることが多いように思いますし、今ではプロも市販されているものをそのまま使うことが多いようです。
それくらい市販モデルのレベルがあがっているということだと思いますし、プロだけでなくアマチュアゴルファーの目も肥えてきているのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、最近のPINGはクラブの充実ぶりが凄いですが、このウェッジもかなり良く、PINGの本気度がうかがえます。
メーカーによっては、『全て下請け任せ』といいますか、目が行き届いていないように感じるクラブが結構ありますが、このウェッジにはそのようなものは感じません。
海外メーカーといえば、テーラーメイドやタイトリスト、キャロウェイが強いですが、私はここ数年PINGをすごく注目しています。
クラブが発売される度に、明らかに進化していると感じるからです。
そして私はどちらかというとオートマ系よりはマニュアル系が好きなのですが、もしオートマ系のドライバーを買うことがあるとすれば、その選択肢のひとつにPINGが入っています。

これからもPINGには、私たちゴルファーを魅了するクラブを開発し続け、突っ走って欲しいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年11月27日
PING G425 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G425 アイアン


シャフトは N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、キックポイントは元調子 です。

PING G425シリーズのアイアンです。
これまで、ドライバーやフェアウェイウッドを試打してきて、G425シリーズの充実ぶりを体感しているので、アイアンも試打してみたいと、ずっと思っていました。
今回は私の願いが叶い、とても嬉しく思っています。
今は多くのメーカーの品質が高いですが、『メーカーの充実度』ということでいえば、PINGはとても素晴らしいです。
ここまで着実に前進しているメーカーは多くないような気がします。

PINGらしい、独特なデザインです。
PINGはフィーリングよりも、『結果』といいますか、合理性を追求しているメーカーだと思いますし、そういったところは海外メーカーらしい感じがします。
フィーリングは、いずれ慣れるよ・・・。といっているようです。
しかし、これまでゴルフ道を歩んできて、慣れていい部分と、決して慣れてはいけない部分が、私の中であります。
上手く表現できませんが、『感覚の先』にあるものが重要だと思っています。
『境界線』を超えてしまっているクラブは、いつまで経っても好きにはなれないのです(このアイアンがそうだというわけではありません)。
このアイアンは、かなり機能的なデザインです。
トゥ側にウェイトが配置されているのが解りますし、ユーティリティのような印象を受けます。
『小顔』にすれば、このような工夫は要らないと思うのですが、そうするところが『合理性』を追求する海外メーカーらしいところです。

彫りの深さはたっぷりあって重心が深そうですが、昔ほどの極端なところは見られません。
PINGらしい特徴が見られます。
最近のアイアンは、それほど深さに固執していないといいますか、結構浅めな物も見かけますが、PINGはドライバーに限らず、全ての番手において、『深重心』で統一されているようです。
重心が深ければ深いほどいいというものでもないですし、浅い重心にもメリットはあると思いますが、メーカーのこだわりが感じられて好感が持てます。
あくまでも私なりの感覚ですが、重心の浅いクラブは『振ったまま』が結果に反映されやすいといいますか、振り感と実際の弾道や球筋が合致しやすいことが多いので感覚が通じやすいところがあります。
対して、重心が深いクラブは違う感覚がプラスされて、微妙な『時間差』があり、合いづらいと感じることがあります。
それが易しさなのか、ハイテクなのか解りませんが、自分の感覚が通じづらい感じがして、親しみづらさを感じることもありました。
練習場ではミスしても関係ないので、様々な『プラス』を楽しみたいですが、いざコースへ出ると余計はものを排除したいので、『マイナス』といいますか『加点法』ではなく、『減点法』でクラブを使いたくなります。
なるべく余分なものを排除して、自分の感覚で勝負したい・・・。という思いがあるのかもしれません。
ドライバーはなるべく飛んで欲しいですし、転がって欲しいですが、アイアンでは『飛びすぎ』『転がりすぎ』は大けがのもとになります。
アイアンは『止めるクラブ』ですが、今は飛んで(飛びすぎて)止まるクラブがたくさんあります。

トップラインはやや厚めですが、この厚いところや輪郭はPINGらしいです。
淡々と見つめていました。
これはクラブの良し悪しではありません。
ひょっとしたら近い将来、自分の相棒になってくれるクラブかもしれないという期待感をもった試打と、今回の試打だけに終わるということの違いです。
決して良くないクラブだとは思いませんが、おそらくもう会うことの無いアイアンだな・・・。という思いで見つめていました。
もちろん、よく目にするクラブなので、何度も試打しようと思えばできるのですが、もう試打することのない類いのアイアンです。
繰り返しますが、このアイアンの良し悪しということでは決してありません。
あくまでも私の好みによるものです。

ソール幅は少し厚めですが、予想していたほどワイドではないのが、少し意外でした。
こうして見ても、かなりトレーリングエッジに削りがあるのが解ります。
いい意味で、かなり大雑把な感じがします。
これは海外メーカーらしいところだと思うのですが、日本のメーカーが『ミリの違い』で削るのであれば、海外メーカーはその10倍の『センチの違い』で削るような感覚です。
ただ、これはあくまでも私の感じ方によるものなので、実際は精密に計算された設計なのだと思います。

ソール形状は平らというよりは全体的に丸みがあって、リーディングエッジやトレーリングエッジの削りが目立ちます。
私はアイアンのソール形状にも見とれてしまうことがあるのですが、今日は全くありませんでした。
抜けが良くて、芝の抵抗に負けず滑りやすそうだな・・・。とは思いながらも、何の感情の起伏も無く見ていました。

ネックの長さは標準的です。
この角度から見ても、特に見とれることはありませんでした。

PINGのアイアンらしく、ネックには凹みがあります。
この凹みを初めて見たときは、ネックがポキッと折れないかな?と思いましたが、今ではそんなことは無いのが解っていますし、すっかり見慣れました。
私が試打した限りでは、ネックが折れたり、曲がったりすることはありませんでした。
これもステンレスだからできることではないでしょうか?
そもそも、軟鉄ではこの工夫は不要だと思います。
あくまでもあらゆる面で『見た目』にこだわるのであれば、この凹みは不要ですが、見た目よりもステンレスを使うということにこだわりがあり、ステンレスの弱点でもある『調整しづらさ』をカバーする為に、見た目が犠牲になっているのかもしれません。
こういったところは海外メーカーらしい、合理的なところです。
構えたときに、この凹みは全く目に入らないので、気にする必要はないのかもしれません。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通です。

装着されているグリップは、ごく普通のものです。
ソフトなフィーリングで、好感が持てます。

ボールを前にして構えてみると、グースの大きさが目に付きましたが、それ以外は特に気になるところはありませんでした。
やや大顔なタイプですが、トップラインの厚みも目立たないですし、昔ほどの大味な感じはしません。
こうして構えても、トゥ側に『7』という刻印があるので、実戦でも番手を間違えてしまうということにはなりにくそうです。
試打を開始しました
『打感』は、やや硬めで想像通りでした。
球はあがりやすく、タフなタイプではありません。
『安定性』も高く、オートマチックタイプです。

『飛距離性能』は優れていて、易しく飛ばせるタイプです。
ディスタンス系アイアンが今は大人気ですが、そのディスタンス系アイアンにも2種類あると思っています。
ひとつはひたすら飛距離を追求したタイプ。
もうひとつは、そこまで飛距離に特化していないけど、易しく飛ばせるタイプ。
このアイアンは後者のような気がします。
速いヘッドスピードをもつ方だけのアイアンではありません。

操作性という点では、オートマ性が勝つので、あまり打ち分ける感じはしませんでしたが、左右にも打ち分けることができました。
構えたときに、かなりグースが利いていて、正直苦手意識も芽生えたのですが、今日は何とかそれほどダフらずに打つことができました。
やや大顔タイプではありますが、右に抜ける感じはしませんでした。
試打後の感想
フィーリングは少し犠牲になっているところがあると思いますが、易しく飛ばしていけるアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年10月26日
PING G425 クロスオーバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G425 クロスオーバー


シャフトは PING TOUR 173-85 です。
ロフトは22.5度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は82g、キックポイントは中元調子 です。

PING 425シリーズのクロスオーバーです。
前のモデルと違い、全身黒でカッコいいです。
艶消しのコーティング感のある黒で、PINGの個性が感じられます。
先日試打したG710を思い出しました。

中空タイプであることが分かるのですが、これまでのようにプクッと膨れた感じはありません。
一見、アイアンのようですが、クロスオーバーというネーミングはピンの中では『アイアン型ユーティリティ』という位置づけなのでしょうか?
ロングアイアンの『イージータイプ』といっていいのかもしれません。

こうして見ると、普通のアイアンのようです。

トップラインの厚みは、やや厚めですが極端ではありません。

ネックの長さは適度にあります。
昔のPINGのアイアンとは大きく変わりました。
昔はホーゼルが無く、ヘッドにシャフトがそのまま挿してあるようなものが多かったのですが、最近はこのようなオーソドックスなタイプが増えています。
太さも標準的でヘッドもそれほど大きくないので、『頭でっかち感』はありません。

PINGアイアンらしい、ネックに凹みがありました。
この凹みがあるということで、ステンレスなのだと分かります。
PINGはステンレスにこだわりがあるようで、ブレません。

ソール幅はやや広めではありますが、標準の部類に入ります。
重心の低さを連想させる広さではありません。
見た目は『昔ながら』といいますか、ベーシックな感じがしますが、見た目の印象よりも易しくできるところが中空のいいところだと思います。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
シンプルで綺麗なフェース面です。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでもよく見られました。
特に変わった工夫は見られませんが、いい意味で主張せず、無難なタイプです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
軽量感はありますが、装着されているシャフトに頼りなさはありません。
タイミングもすぐにとることができました。

ボールを前にして構えてみると、私の好むタイプではないのですが、予想通りでした。
面長なタイプでグースの利きも大きいです。
PINGらしい顔です。
グースは大きいですが、昔のようにボテッとしていなくて、シュッとしています。
構えていて、いいイメージがなかなか浮かんでこないので、まずは『出たとこ勝負』のように打っていくことにしました。
試打を開始しました

『打感』は全く好感が持てませんでした。
久しぶりに、全く馴染めない打感に出会ったような気がします。
中空らしいペチャッとした打感でありながら、ゴツさといいますか堅いフィーリングでした。
この打感は好きではないな・・・。と一球目でテンションが下がってしまいました。

球はあがりやすくてタフな感じはしませんが、今のアイアンの中では普通といっていいように思います。
高さもしっかり出すことができましたし、昔の4番アイアンでは考えられないほどあがりやすくて親しみやすくなっています。

『安定性』は、なかなかいい感じですが、これくらいの易しさは予想していたので、特に驚くようなことはありませんでした。
少し面長なタイプですが、グースが利いているからでしょうか?
球のつかまりがいいので、アイアン型ユーティリティで球がつかまりづらくて難しかったという方は試してみる価値があるのではないでしょうか?

『飛距離性能』は、なかなかいい感じではありますが、今のユーティリティの中では特別飛ぶタイプだとは思いませんでした。
アイアンを好む、ヒッタータイプの方に合いやすいクラブだといっていいと思います。

『操作性』という点では、あまり操るタイプではないと思いますが、左右に曲げることはできました。
ただ、なかなかまとめることができなかったので、コースで使うのであれば、無難に打っていきたいです。
試打後の感想

コーティング感のある艶消しのブラックがカッコいいクラブです。
アイアン好きな私は、このアイアン型を維持してくれているところに親近感を覚えました。

構え感や打感が好きになれなかったのですが、元々フィーリングよりも機能性を重視して開発されているのだから、これは仕方ないことだと思いました。

今回のモデルにはあまり魅力を感じなかったのですが、これからもいいクラブを期待しています。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

PING ピン G425 2020年モデル クラブシリーズ

2020年10月09日
PING G425 LST フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G425 LST フェアウェイウッド


シャフトは ALTA J CB SLATE です。
ロフトは14.5度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、キックポイントは中調子、トルクは4.5 です。

PINGの新しいフェアウェイウッドです。
先日ドライバーを試打したのですが、今日はフェアウェイウッドです。
ドライバーは『横長』のイメージがありますが、このフェアウェイウッドは逆の『縦長』といいますか、少し面長な感じがします。
黒のデザインがシブくてカッコいいです。
カラフルなクラブもオシャレでいいですが、やはりこのようなシブいデザインに惹かれます。

大きさは標準的ですが、シャロー感とソールの平らな感じがすごく伝わってきました。
これは前のモデルから変わらないようです。
これまでのモデルを見てきて、この『平らさ』にPINGがこだわっているように感じます。
他のメーカーではソールに丸みをもたせたり、『下駄履き』のようにして、設置面積を小さくして抜けを良くするものもありますが、『面全体で滑らせるように』するのであれば、このような平らに近い形状のほうが理にかなっているような気がします。
下駄履きなどにすると、どうしても重心が高くなってしまうのかもしれませんが、私は重心の高いクラブは嫌いではありません。

ソールにはウェイトがひとつだけ配置されています。
ヘッドサイズに対して、大きめのウェイトですが、数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
専用の工具を使えば簡単に取り外しができそうですが、交換するタイプではないのかもしれません。

ソールのフェース寄りには『FACE WRAP』という文字が見られます。
どのような効果が期待できるのでしょうか?

ネックの長さは標準的ですが、今はもっと短いものが多いので、そういった意味では、やや長めといえます。

ネックには調整システムが搭載されていて、試打するのは『○』のポジションです。

こうして見ても、かなりシャローなのが分かります。
いわゆる『薄っぺらい』タイプです。
最近はシャローバックでも、ディープフェースなクラブが多くなりましたが、このクラブはシャローバック&シャローフェースタイプです。
これだけ薄いと、フェースに当てるだけで、ボールがあがりそうです。
上から打つイメージは出しづらいので、横からはらうイメージで打つべきクラブのように見えます。

顔は独特なタイプで、『三角顔』ですが、ヘッド後方がそれほど伸びている感じはしません。
なので『面長感』が出てしまいますが、シュッとした感じがして好感が持てます。
クラウンはPINGらしい、艶消しタイプです。
最近はカーボンコンポジットが多くなりましたが、このフェアウェイウッドには採用されていないようです。

クラウンには、あの独特のブツブツのような突起物が無く、このクラウンマークなのが意外でした。
このモデルにも採用されていると思っていたのですが、これは何故でしょうか?
前のモデルにはブツブツがありましたし、先日試打したドライバーにもありました。
あのブツブツはフェアウェイウッドには効果が薄いということなのでしょうか?
それとも構造や設計理念を一からやり直したのでしょうか?
詳しいことは分からないですし、人によって好みが分かれるところだとは思いますが、私はこちらのほうが好きです。
構えたときに、なるべく余計なものが見えないほうがイメージが出やすいですが、これも『慣れ』という部分が大きく、慣れれば気にならなくなると思います。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
シャロー感はあるのですが、大顔感は無く、スッキリしています。
フェースが少し左を向いているように見えるのですが、これくらいでればたくさん経験していますし、極端ではないので、特に不安はありません。
おそらく、色々なハイテクが搭載されていると思うのですが、それを感じさせないシンプルなデザインに好感が持てます。
大顔タイプではないですが、シャロー感が強く伝わってくるので、高くあがるイメージが強く浮かんできました。
方向性への不安は特にありません。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
しっかりめで、適度な手応えがあるのですが、堅くなく程よい感触が手に残ります。
『球乗り感』というよりは、『球離れ感』といったらいいでしょうか?
かなり弾く感じがしますが、これは今のクラブに共通する特徴といっていいように思います。

『音』は、はっきりしているのですが、甲高くなく大きすぎず、心地いい感じの金属音です。
この音は、これまで何度も耳にしてきました。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振り抜いていける音です。
昔のPINGのクラブは、やや大味に感じられたことがあったのですが、最近のモデルにはそのようなことを感じません。
いい意味で、一番イメージチェンジできたのは、ライバルメーカーの『C社』でも『T社』でも『t社』でもないPINGだと思います。

『球のあがりやすさ』も優れています。
どちらかというとヒッター向けのクラブだと思いますが性格が偏りすぎず、充分な高さを出していける易しいクラブです。
私はFWやUTを試打するときは、どの番手でも全て直打ちで試すようにしていて、今日もそうしたのですが、すごくあがりやすいと感じました。
これはシャローフェースのいいところなのかもしれません。
フェース高がそれほど無いので、上から打ち込むよりはレベルに近い感じで振り抜いていったのですが、よくあがってくれました。
ロフトが14.5度のスプーンということですが、それを感じさせない『球の浮きやすさ』をもっています。
見た目以上に重心の低さや深さがあるのかもしれません。

『安定性』も高く、一球目からほぼ真っ直ぐ飛んでいきました。
少々の打点のブレにも寛容で、気難しさを感じません。
大顔タイプでは打点がブレやすいこともあるのですが、この大きさだとそういったことが出にくいところがいいです。
それでも打点は多少ブレることもありますが、そのブレを感じさせない球筋と高さの安定性を感じました。
最初からオートマチック系で直進性にもこだわって開発されているのではないでしょうか?

『飛距離性能』はとても優れていて、明らかに『ディスタンス系スプーン』です。
私はいわゆる『ディスタンス系アイアン』にはあまり魅力を感じないのですが、スプーンはドライバー同様、飛距離を稼いでいくためのクラブだと思っているので、この飛距離性能は魅力的です。
弾道が高いですし、球がよくあがってくれるのですが、弾き感が強くてパワフルな弾道です。
かなりシャロー感がありますが、昔のような頼りなさは感じません。
昔のシャロー系クラブはあがりやすいけど、飛距離性能が物足りないものがたくさんありました。
しかし今は研究も進んで、あがりやすさと飛距離性能の両方を追求できるクラブが作られるようになってレベルアップしています。
このクラブは球があがりやすいですが、強く吹き上がって急激に落ちてくるという弾道ではありません。
LSTということで、ロースピンモデルだと思うのですが、実際に打ってみて正直それほど極端な低スピンだとは思いませんでした。
結構スピンも入っている感じで、『低スピン』というよりは、『程(よい)スピン』といったところでしょうか?
ドロップすることもありませんでした。

『操作性』は、まずまずです。
直進性が高いですが、全く曲げられないということはなく、少し左右に曲げることができました。
シャローフェースなので、それほど操作するイメージは出ないのですが、対応してくれました。
ほぼストレートに近い球が出ますが、球がつかまりやすいので、私はドロー系のほうが自然に感じられました。
PINGのクラブは重心距離が長めなクラブが多い印象があり、『フェースの遅れ』を感じることもありましたが、このクラブにはそのようなマイナスは感じませんでした。
小顔ということはないですが、適度な大きさだからなのかもしれません。
試打後の感想

すごくいいクラブだな・・・。と思ったので、違う番手でも試してみたかったのですが、このLSTはスプーンしかないのだと知りました。
これくらい高性能だと、クリークも試してみたかったので残念ですが、それだけ、このクラブが飛距離に重きを置いて開発されているからではないでしょうか?
違う番手は姉妹モデルで対応しているということなのだと思います。
このクラブは3番なのでスプーンということになりますが、飛距離でいえば完全にブラッシーですし、あがりやすさはクリークに近いです。
『直ドラ』はもちろん、FWを地面から直接打つのが苦手だという方にも、是非試していただきたいです。
今はアイアンもそうですが、ウッド系のクラブにおいても、番手を感じさせないモデルが多くなりました。

LSTは低スピンであがりにくいと敬遠しておられる方もいらっしゃると思うのですが、このスプーンに関しては、そんなハードさは感じないという方は多いような気がします。
なので、多くの方に試していただきたいです。

昔は違いましたが、今のPINGは『易しい』ということを大前提にしてクラブ設計をしていると思います。
どれが易しいかは、人によって差がありますが、あくまでも『一般的な易しさ』を追求しながら、飛距離性能を伸ばすことに重点を置いているのではないでしょうか?
車に例えると、高級セダンでありながら、常にカーレースに出場できるようなポテンシャルの高さをもった車ということになるでしょうか?
ハードルが高くないので、性格が尖っていなくて丸いところも魅力です。

このフェアウェイウッドを試打しながら、そのことを強く感じました。
オートマ性がありながら、決して扱いづらいタイプではなく、ドローヒッターの方はもちろん、フェードヒッターの方には特に好印象をもたれやすいのではないでしょうか?
球がつかまりやすいと感じたので、フェードヒッターの方には頼もしい相棒になってくれるような気がします。
コースでも使いたいと思いましたが、このままではちょっと合いづらいところもあったので、調整システムを使うのではなく、まずはシャフトをもっとしっかりしたものに替えたいです。
もう少し重さがあったほうが、もっと球が強くなると思います。
球が少し上がりすぎだな・・・。と思ったのと、できればもう少しフェース高があったほうが私は安心感がもてるのですが、かなりポテンシャルが高いのは間違いありません。
色々なシャフトがラインアップされているのであれば、是非そちらも試してみたいです。

前のモデルもかなり高性能だと思いましたが、私は断然こちらのほうが好きです。
これまでも『最新=最高』ではないと、書いてきましたが、このクラブは前のモデルよりも明らかにレベルアップしています。
今年もハイレベルなFWをいくつか試打してきましたが、このPING 425LSTは特に凄いな・・・。と思いました。
是非コースでも試してみたい魅力的なクラブです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年09月23日
PING G425 MAX ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G425 MAX ドライバー


シャフトは FUJIKURA Speeder 569 EVOLUTION VII です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55.5g、キックポイントは先中調子、トルクは4.8 です。

とてもカッコいいPINGのニュードライバーです。
先日LSTを試打しましたが、今日はMAXです。
LST同様、シンプルというよりは機能性を感じさせるデザインですが、ゴチャゴチャ感は無く、カッコいいデザインに仕上がっています。

トゥ側にはMAXの文字があります。
これはヘッド体積がルール内の最大(460cc)ということを意味しているのでしょうか?
アイアンとの相性もありますし、ドライバーはヘッドが大きければ全ていいとは思えないですが、PINGのドライバーの優秀さはこれまでも実感していますし、歴代モデルを見ても設計に一貫性があるので好感が持てます。
ドライバーの球筋もそうですが、PINGは設計にもブレがありません。
昔のPINGのドライバーは必ずしも『易しさ』を追求していなかったのですが、ここ数年、『易しさ』と『飛び』に磨きがかかって、ますますレベルアップしています。
私はこれまで、必ずしも『最新=最高』ではないと書いてきましたが、PINGのドライバーは、それから外れています。
それくらい、今のPINGは充実しています。

PINGらしく、ラージサイズでシャローです。
これはPINGらしいといいますか、このようなタイプを前提として開発が進められているように思います。
ディープで小振りなのは最初から対象外といったらところでしょうか?
昔からPINGのドライバーはラージサイズの印象が強いですが、イージー系の印象が特に強くなったのは、K15くらいかな?と、これまでのPINGのドライバーを試打してきて思います。
長い間試打を続けていると、クラブ全体というだけでなく、メーカーひとつひとつの歴史を振り返ることもできます。
PINGは有名な老舗メーカーですが、性能や品質だけでなく、『勢い』という点でも、今とても熱いメーカーのひとつです。

先日試打したLSTと同じく、バックフェースにはウェイトが配置されています。
このドライバーもウェイトの可動域が狭まっています。
これ以上大きくする必要がないということではないでしょうか?
『おそらく』なのですが、扱いやすさや打感といったフィーリングなども、『センター』の位置で開発を進めていると思うので、まずはこの位置から試してみるのがいいように思います。
それでも少し足りないのであれば、ウェイトを移動させるのではなく、『鉛』を数枚重ねて貼るくらいの微調整がいいかもしれません。
このように、元々直進性の高いドライバーでウェイト移動させることは、最初の『打ち出し方向』がすごく重要になると思うので、早く適切なポジションを見つけることが重要だと思います。
安定性が高く、直進性も強いということは、それだけ融通が利かなくなりやすいので、アドレスがより重要になってくるということになります。
これまでたくさんの調整機能やウェイト移動(あるいは取り替え)ドライバーを試打してきましたが、正直いってそれほど必要性を感じないといいますか、ただウェイトの交換が出来るとか、角度を変えられるというだけで、ヘッド自体に魅力を感じないクラブにもたくさん出会ってきました。
しかしPINGはそうではありません。
全てにおいて、理由があるということを、これまで試打してきて感じています。

ソールのフェース寄りには『FORGED FACE』の文字があり、先日試打したLSTにも見られました。
鍛造フェースということでいいと思うのですが、かなり細部にまでこだわっているようです。
大らかそうなヘッドですが、大雑把ではありません。

ネックの長さは標準的で、特に変わったところは見られません。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『○』のポジションです。

フェース面の質感はこれまでと変わりません。
指で触れてみると、ザラザラしています。

シャローバック&ディープフェースタイプのヘッドで、これがPINGのこだわりではないでしょうか?
小振りなディープヘッドを作らず、シャローに重きを置いているようです。

PINGらしい顔をしています。
シャロー感があって、投影面積も大きいです。
これだけヘッドが大きいと、安心感があるという方は多いのではないでしょうか?
ラージサイズのシャロータイプらしく、丸顔というよりは、やや『三角顔』に近いです。
クラウンが『艶消し』になっているところに好感が持てます。

このクラウンの突起もお馴染みです。
G400よりも明らかに大きくなりましたが、未来のモデルではもっと大きくなるのでしょうか?
それとも、この大きさが最適なのでしょうか?

装着されているグリップは、これまでもよく見てきたタイプです。
シンプルなグリップで無難といえますが、グリップにはあまりこだわっていないようです。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
少し軽かったので、できればもうちょっと重量が欲しかったのですが、他のクラブは貸し出し中とのことで、このまま試打することにしました。
ヘッドの大きさや色から、結構重量感がありそうに見えますが、実際はそれほどでもありません。
シャフトは結構動くタイプで、特に真ん中から先が走る感じです。
このようなラージサイズのドライバーだと『堪えてくれる』シャフトを使いたくなることもありますが、このようにつかまりが良さそうなシャフトとの相性も良さそうに感じました。
ヘッドの性能を活かすのはシャフトの役目なので、色々なシャフトで試してみたいです。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じです。
ヘッドの大きさが際立っていますが、大げさではなく嫌みになっていません。
ボールが小さく見えたせいか、ピンポン球のように強く弾け飛ぶ様子が想像できました。
どちらかというとつかまりそうな印象を受けましたが、構え直すほどではありません。
このドライバーはロフトが10.5度ということですが、フェースが『見えすぎない』のがいいです。
あがりすぎを気にせずに、普通に振り抜いていけそうです。
試打を開始しました

『打感』はしっかりめですが、硬すぎず嫌な衝撃は残りません。
程よい手応えが残ります。
シャローフェースではない、フェース高のあるドライバーらしい打感といったらいいでしょうか?
フェース全体で包み込むといいますか、弾き飛ばすような感じです。
球持ちがいいタイプではなく、弾きの良さが感じられました。

『音』もはっきりしていて、やや大きめではありますが、これまでもよく耳にしてきましたし、全く問題ありません。
インパクトが緩むことなく、叩いていくことができました。

ロフトが10.5度ということで、打ち出しはやや高めではありますが、高~くあがり吹き上がって急激に失速するということはありませんでした。
イージー系のドライバーだとは思いますが、結構しっかりしていて、『スピン過多』にならないように設計されているのではないでしょうか?
ハードルの高いドライバーではないですが、スインガータイプの方から、ヒッタータイプの方まで、幅広い層に対応しているドライバーです。
先日試打したLSTとはヘッドの見た目は似ていますが、明らかにタイプが違います。
見えないところに、違う工夫がされているのでしょうか?

『安定性』はかなり高く、なかなか曲がりません。
打ち出し方向を間違えなければ、かなり高い確率でいいところにポジショニングできそうです。
人によっては『曲がりにくすぎて』物足りないという方もいらっしゃるかもしれません。
見た目通りの『大船タイプ』のドライバーです。
少々のミスには強く、大らかさがあります。
横だけでなく縦のミスにも寛容です。

『飛距離性能』もかなり高く、今のドライバーの中でも、かなりいい線をいっていると思います。
イージー系のドライバーで、これだけ高いポテンシャルをもっているのだから、人気が出るのも当然です。
弾道は高めですが、吹き上がる感じが無く、しっかりと大きな弧を描いて飛んでいきました。
直進性が高いので、曲がり幅を抑えて飛距離につなげていけるのも魅力です。
『EASY&FAR』ドライバーです。

直進性がかなり高いので、大きく曲げることは難しく感じたのですが、少しだけ曲げることができました。
ラージサイズでありながら、球のつかまりが良く、私はドロー系のほうがイージーでした。
いい意味での『鈍感さ』をもったドライバーです。
打ち出す方向(ライン)を決めて、そのライン上にヘッドを戯れさせる感じ・・・。といったらいいでしょうか?
あまり細かいことを気にせず、ややアバウトに打っていくのがいいように思います。
ただし、合わせにいくのはダメです。
あくまでも自分のスイングで気持ちよく振っていくことが重要です。
試打後の感想

これまでも、PINGは易しいドライバーにこだわっているのを強く感じていました。
もちろん、他のメーカーも易しいドライバーはたくさんあります。
しかしPNGはその『最高峰』にあるといっても過言ではないと思います。

私は以前、
「易しくて安心して飛ばせるドライバーは無いかな?」
と友人に尋ねられて、自信をもってPINGを勧めたのですが、これが大当たりで、彼のゴルフがすごく良くなりました。
私は大顔タイプはそれほど得意ではないのですが、彼はジャストフィットしたようで、まるでクラブとプレイヤーが一体化しているようです。
彼はこれまで、ライバルメーカーのドライバーをずっと使ってきましたが、今ではずっとPINGばかりを好んで使っています。

曲がりを恐れず、安心して飛ばしていけるというのは、スコアメイクにおいても、大きなポイントになるのだと思います。
彼はドライバーを苦手にしていて、ティショットでスコアを崩しやすいタイプだったのですが、PINGドライバーという大きな武器を手に入れることにより、スコアが安定してきました。
ドライバーは14本のクラブの中で最も距離が出るクラブですし、いくら易しくても距離が出ないのでは魅力的とはいえません。

しかし、その問題をクリアできているのがPINGのドライバーです。
ひたすらブレることなく『易しさ』に開発の重きを置き、飛距離を追求して開発が進められているのだと思います。
これまでも、ここ数年のPINGの充実ぶりは凄いと書いてきましたが、その快進撃がまだ続いているようです。
PINGのライバルメーカーのドライバーもかなり高性能ですが、それでもPINGが光り輝いて見えます。
私はこのようなラージサイズのシャロードライバーを購入したことがまだ無いのですが、もし購入することがあれば、PNGを間違いなく候補のひとつに入れると思います。

このMAXも素晴らしいですが、私はどちらかというと先日試打したLSTのほうが合いやすいような気がしました。
今度機会があれば、同じシャフトを挿して比較してみたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

PING ピン G425 2020年モデル クラブシリーズ

2020年09月11日
PING G425 LST ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G425 LST ドライバー


シャフトは PING TOUR 173-65 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は65g、キックポイントは中元調子、トルクは3.4 です。

PINGの新しいドライバーです。
PINGは毎年NEWモデルを発表してくれています。
しかも、そのクラブのレベルがどれも高いです。
このドライバーをひと目見て、カッコいいな・・・。と思いました。
シンプルなデザインではなく、むしろメカニカルなデザインですが、センスが良くてカッコいいです。
これまでの410、400よりもカッコ良くなっていて、魅力がアップしています。
ドライバーにとっての『第一印象の顔』は『ソールのデザイン』なので、とても大切です。

425という数字が見えたので、ひょっとしたら、ヘッド体積が『425cc』なのかな?と期待しましたが、このヘッドの大きさから、それはないだろうとすぐに分かりました。
ヘッド体積が今は460が大多数ですが、必ずしも大きいほうがいいとはいえないですし、人によって好みも様々です。
460ccではなくてもっと小さくても、投影面積を大きくして安心感をもたせているドライバーもよくあります。
PINGはシャローでラージサイズにこだわりがあるようです。
PINGの小振りでディープなタイプを見てみたい気もしますが、このような形状を支持される方も多いのではないでしょうか?
昔のシャローは頼りないものが多かったですが、PINGを始め、今では頼れる骨太なシャロードライバーがたくさんあります。

こうして見ても、やはり大きく見えます。
やはり425ccではないということが、この大きさから分かりました。
425という数字はあくまでも、モデル№に過ぎないのだと思います。
ディープタイプではなく、シャロータイプです。

バックフェースにはウェイトが配置されています。
これまでのように動かせるタイプですが、可動域が狭くなっています。
これくらいで充分ということでしょうか?
可動域は狭いですが、その分ウェイトが大きくなっています。
TUNGSTENという文字もありました。


DRAW・FADEの文字もありました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『○』のポジションです。

ネックの長さは標準的です。
この角度から見ても、シャロー感が強調されていないところに好感が持てました。

ヒール側には小さなビスのようなものがあります。
これはどういう意味があるのでしょうか?
ウェイトではなく、製造工程によるものなのかもしれません。

フェース面のデザインは、これまでと変わりません。
PINGらしい質感です。

顔はこれまで通りの『PING顔』で、特に変わったところは見られません。
PINGらしく、大顔です。
フェースが少し被って見えたのですが、フェースがシャフトより少し前にある(いわゆる出っ歯のような状態)なので、いい具合にチャラになっているのかな?と思いました。
『への字』になっているといいますか、少しヒール側にボリュームがあるような感じで、つかまりそうな印象を与えます。
やはり、このような大きなサイズで逃がし顔は理にかなっていないのかもしれません。
程良い『つかまりの良さ』が、ニュートラルといえるのかもしれません。
ニュートラルは『人間の目』で見た感覚よりも、実際に出やすい『球筋のトータルしたデータ』なのかもしれません。


これまでのモデルと同じように、クラウンには独特の突起物がありました。
おそらく空気の流れを研究した結果だと思いますが、前のモデルからこのように大きくなったので、本当ならばもっと大きくしたいのかもしれません。
しかし、そうすると今度は違和感が勝ってしまいそうなので、これくらいが限度というように決めているのかもしれないですし、実際のところは定かではありません。

装着されているグリップはシンプルなモデルです。
特に変わったところは見られませんが、ソフトで好感が持てます。

ボールを前にして構えてみると、少しフックが出そうな印象をもちましたが、これまでも多く経験しているので、特に気になりません。
ヘッドの大きさ(投影面積の大きさ)とシャロー感の強さが、PINGらしいです。
フェースが少し左を向いているように見えましたが、右に向きを変えてそこから回していくほどでもなかったので、まずはこのまま打つことにしました。
試打を開始しました

まず感じたのが、『球のつかまりの良さ』と、『ブレにくさ』です。
これまでのモデルよりも少し強く感じて、イージーモデルに進化しているような印象をもちました。
私がフッカーだからなのかもしれませんが、一球目からドロー気味の球が出ました。
構えたときにもつかまりそうな印象をもったのですが、イメージしていたよりもつかまりが強いです。
昔よく見られた、スライスを矯正してくれるドライバーではないですが、つかまりがいいので、つかまったフェードボールを打ちたいというフェードヒッターの方には、かなり魅力的といえるのではないでしょうか?
打点のブレにも強く、シビアさは感じません。
『打感』は好感が持てました。
実際に打ち比べてみると細かな違いに気付くかもしれないですが、こうして打っている限り、前と変わらないようです。
ソフトというよりは、はっきりしていて、やや硬めではありますが、嫌な衝撃が残ることもなく、程よい抵抗感があります。
これは『PINGフィーリング』といっていいように思います。
PINGらしい打感です。
『音』も、これまでのモデルと同じようです。
大きくて高い音ですが、インパクトが緩むこともなく、しっかりと振っていくことができました。
『球のあがりやすさ』という点では普通だな・・・。と思いましたが、今のドライバーの中ではタフなほうだと思います。
ロフトが9度ということもあり、やや低めの弾道で飛んでいきました。
高くあがりすぎる9度は、これまでもたくさん経験してきましたが、このドライバーは違います。
低スピン性能が高いからでしょうか?
それが、このLSTの魅力です。

これまでのモデル同様、飛距離性能がかなり優れています。
前のモデルも優れているので、この425LSTが大きく伸びたとは思いませんが、高いレベルを維持しているのは確かです。
試打しながら、クラブの進化を強く感じていました。
昔、このようなラージサイズのシャローが出始めたときは、とにかく『スピン過多』で距離をロスし、実戦で使えそうなものは全くといっていいほどありませんでした。
元々、私は昔からスピン過多で弾道も高く、ヘッドスピードよりも距離が出ないというジレンマに陥っていたことがありました。
何とか打ち方を工夫してスピンを減らそうとしましたが、今はそんなことをせずに普通に振っていくだけで、クラブが勝手に仕事をしてくれます。
クラブだけでなく、打ち方も『オートマチック』になっていきました。
このドライバーも大型サイズではありますが、ヤワなタイプではなく、しっかりしています。
やや抑え気味の強い弾道が頼もしいです。
上へあがる余分な浮力を『前進力』に変換しているドライバーといっていいでしょうか?

『操作性』という点では、このようなタイプなので、秀でている感じはしません。
大きく曲げることはできませんでしたが、少しだけ左右に曲げることができました。
『フック』『スライス』というよりは、『5mくらいの太い軸』の中で、小さく左右に飛び交う・・・。といった表現が正しいでしょうか?
曲げるというよりは『筒の中』での曲がり幅といった印象をもちました。
どちらかといえば私はフック系のほうが自然に感じられましたが、先ほども書きました通り、球のつかまりがいいので『パワーフェード』を目指すフェードヒッターの方には、特に合いやすいのではないでしょうか?
今は多くのドライバーが『弾き』や『低スピン』だけでなく、『球のつかまり』を重視して設計されているように思いますし、このドライバーもそのように感じます。
試打後の感想

これまで400・410と試打してきましたが、私はこの425が一番好感が持てて、購買意欲を刺激されました。
一球目で親しみやすさを感じたのが大きかったのかもしれません。
いいクラブというのは、一球で分かるものです。
ただ、私には少しつかまる感じがしたので、調整システムで球筋を変えられるのであれば、チャレンジしてみたいです。
ただし、ウェイトをフェード側にして重心距離を長くしたいとは思いません。
私の中での『適正距離』をオーバーするのは目に見えていますし、アイアンとの関係性が悪くなるような気がするからです。

今に始まったことではないですが、もはやPINGはドライバーの『トップメーカー』といっていいと私は思います。
それくらい、毎回質の高いクラブを発表しています。
多くのメーカーが『進歩していない』といいますか、逆に前のモデルのほうが良かった・・・。ということが少なくありません。
それくらい、クラブの研究も『煮詰まって』いるのかもしれません。
しかし、ここ数年のPINGのドライバーやフェアウェイウッドはすごく魅力的で、購買意欲を刺激してきます。
今ではもうパターよりも、ドライバーの存在感のほうが大きいのではないでしょうか?
装着されているシャフトもいい感じでしたが、もう少し重量を足すと、もっと強い球が打てるような気がしたので、違うシャフトを試すことができれば、是非チャレンジしてみたいです。
『顔』も、もう少しつかまりを弱くすると、もっと気持ちよく叩けそうな気がしました。
しかし、かなり気に入ったので、何度も試打を楽しみたいですし、さすがはPINGだな・・・。と感心し、気持ちよく練習場を後にしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年06月23日
ピン G710 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G710 アイアン


シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは28度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、トルクは1.7、クラブ総重量は407g です。

PINGでは珍しい、黒いアイアンです。
アイアンとはいっても、かなりのラージサイズですし、ヘッドが少し膨れて見えるので、ユーティリティのようにも見えます。
これまでの『黒染め』のアイアンは軟鉄が主でしたが、このアイアンはステンレスの質感があり、『染める』というよりは『塗装』というか『コーティング』のように見えます。
ゴルフクラブは使っていけば、いずれ傷がついてしまうものですが、それでも使い続けていれば『いい味』が自然と出るタイプと、そうでないタイプがあります。
こうして見る限り、このアイアンは後者のような気がします。
使い続けたゴルフクラブをカッコ良くするか、カッコ悪くするかは、それを使うプレイヤー次第です。

PINGらしい大きさと形状のアイアンです。
ある意味『大味』なところも見られますが、それがPINGの個性といえるのかもしれません。
普段接しているメッキタイプのアイアンもいいですが、黒いヘッドだと重厚感が高まるので、魅力的です。

こうして見ていると、やはり中空なんだな・・・。と思いました。
この大きさで、ここまで膨れているとヘッドがかなり重くなってしまいそうですが、実際に持ってみても、それほど重さはないので、やはり内部は中空になっているのだろうと思いました。

彫りは浅く、こうして見ているとハーフキャビティのように見えますが、不思議と気難しさのようなものは感じません。
『中空っぽさ』が出ていたからでしょうか?

トップラインはほんのちょっとだけ厚く見えましたが、それほど極端ではありません。
これくらいであれば、構えたときにも邪魔にならないような気がします。

ソール幅は少しワイドに見えましたが、今のアイアンの中では普通です。
私は昔からPINGアイアンの独特のソール形状があまり好きではないのですが、このアイアンはちょっと違っていました。
ソールはアイアンの性質といいますか、個性・特性を表す部分で、見ているだけで、色々なイメージが浮かんできます。
これまでのPINGアイアンの多くは大雑把な感じであまりいいイメージが浮かんできません。
しかし、このアイアンにはこれまでに無い工夫が見られ、ソールの丸みも目立っています。
ソール形状にも工夫が見られ、進化しているようです。
これまでのPINGのアイアンには『刺さる』『跳ねる』といった印象もあったのですが、このアイアンはソールを見ているだけでも、抜けが良さそうで、ソールが上手く滑ってくれそうです。

ネックには適度な長さがあり、好感が持てます。
太さもそれほど無くシュッとしているので、さらに好感度があがります。
こうして見てもグースタイプであるのが分かりました。
普段見慣れない黒だからでしょうか?
グースなのがよく目立っていました。
この黒は光沢感がありますが、もっと光沢感が抑えられていると、また見た感じも変わってくるのかもしれません。

PINGのアイアンといえば、このネックの凹みです。
これはステンレス素材でもライ角を調整しやすくするためだと、以前読者の方から教えていただきました。
以前、凹みの無いアイアンを試打したのですが、やはりPINGのアイアンといえば、この形を思い出す方は多いのではないでしょうか?

フェース面にミーリングは無くシンプルです。
なかなか綺麗なフェース面で、『チープさ』はありません。

装着されているグリップは、これまでもよく見られたシンプルなタイプです。

やや軽量感がありますが、素振りを繰り返してタイミングを整えることができました。
特にクセがないので、気になるところはありません。

ボールを前にして構えてみると、かなり大顔に見えました。
黒という色は収縮色で物を大きく見せない効果がありますが、このクラブの場合は、黒が目立って、より大きく見えました。
適度な大きさで整った形だと、この黒も活きるのかもしれませんが、このアイアンの場合はちょっと違うような気がします。
私には大きすぎるサイズですが、これくらいの大きさを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
グースの利きも強く、PINGらしい顔をしています。
7番アイアンから下は『めくれるように』といいますか、高い打ち出しからさらに急上昇してグリーンを上から攻めていくイメージ(パラシュートで降下するイメージ)が欲しいのですが、このアイアンは違っていて、やや低めでライナー的なイメージが出ました。
最近はアイアンで打ち出しのイメージがバラバラになってしまうことが多いです。
フェースの向きも合わせづらい感じがしました。
試打を開始しました

『打感』はしっかりしていました。
ガツンという感じで、やや硬めです。
私がアイアンに求めたい打感とは大きくかけ離れていますが、こういったタイプもアリなのだと思いますし、これまでもたくさん経験してきました。
メーカーも、あえて打感には目をつぶったのではないかな?と思いましたが、この打感が好きだという方もいらっしゃると思います。

球は普通によくあがってくれました。
タフな感じはしませんが、特別あがりやすくなっているという印象はありませんでした。
どちらかといえば、ややヒッター寄りのアイアンなのかもしれません。

『安定性』は高く、球が大きくブレることはありませんでした。
構えたときにイメージが色濃く出せなかったのですが、実際に打ってみると、ほぼストレートから、やや逃げる感じの球が出ました。
グースがきついと引っかかりやすくなるということもあるのですが、このアイアンの場合は『面長感』が利いたのでしょうか?
左に引っかかるということはありませんでした。
構えてイメージが出なかったのですが、実際に打ってみると同じような球が出やすいので、かなり『オートマ性』の強いアイアンだと思いました。
『完全な真っ直ぐ』というよりは、『ややフェード』のほうが出やすいアイアンです。

『飛距離性能』は優れていました。
完全に2番手は違う飛びです。
今はこれくらいがスタンダードといったところでかもしれませんが、私には飛びすぎるので、少し扱いづらい感じがします。
最近は『弾き系』のアイアンも多くなってきましたが、このアイアンはそれほど弾き感を強く感じることはありませんでした。
いわゆる『飛んだり飛ばなかったり』ということが少なく、飛距離も安定していました。
スイートエリアも、かなりワイドのような気がします。
距離感は出しづらいですが、それを飛距離性能でカバーしているアイアンです。

『操作性』という点では、秀でていません。
操作するのではなく、このアイアンのもつ『物理的有利』を活かしていったほうが得策です。
私の持ち球とは逆の球が一球目から出たのですが、それもこのアイアンの個性といっていいのだと思います。
もっと小ぶりで重心距離が短いと、色々なラインを描いていけたように思うのですが、このアイアンはいい意味でも逆の意味でも『反応が遅い』ので、なかなか合いづらい感じがしました。
しかし、この反応の遅さが、高い安定性を生み出しているのかもしれません。
試打後の感想

かなり安定性の高い『オートマ系』アイアンです。
これで構えやすさがアップすれば、さらに魅力が増すな・・・。と思いました。

イメージしていないストレート・・・。といったらいいでしょうか?
構えたときのモヤモヤ感と、実際の球筋には開きがあって、いい意味で面白いですが、最近はこのようにイメージしづらくても球が真っ直ぐに近い感じで飛んでいくことが多くなりました。

感覚的なマイナスを、物理的な工夫でカバーしているのでしょうか?

やはり普通の7番アイアンというよりは、ユーティリティ的な要素が強いアイアンだな・・・。と思いました。
各メーカー、アイアンでも個性が見られますが、これがPINGのアイアンという感じがします。

私は昔から、PINGとキャロウェイのアイアンが苦手で敬遠することが多くありました。
それはあの独特の顔が苦手で、いいイメージが描けず、苦手意識が先行してしまったからだと思います。
特に昔のPINGのアイアンはやや大味な感じが見た目からも伝わっていて、見かけても手に取らないことが多かったです。

しかし、このアイアンは昔の特色を残しつつも、かなり研究が進んで手が加えられています。
ラージサイズのグースアイアンが好きで、高い安定性と飛距離性能を求めたい方には魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2019年11月19日
ピン GLIDE 3.0 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING GLIDE 3.0 ウェッジ です。

シャフトは Z-Z115 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフト重量は111g です。

久しぶりに出会った、PINGのウェッジです。
PINGのウェッジを試打した回数は、まだそれほど多くありませんが、いい印象が残っています。

キャビティタイプです。
クリーブランドにも多く見られるようになってきましたし、今はキャビティタイプのウェッジが普通になってきました。

GLIDE 3.0 ということで、以前試打したウェッジの後継モデルであることは想像に難くありません。
ヒール側には『WS』の文字があったのですが、これはどういう意味なのでしょうか?
『ワイドソール』とか『ワールドシリーズ』という言葉が浮かんだのですが、どういう意味なのかは分かりません。

ウェッジとしては、彫りの深さはたっぷりあります。
私は普通のフラットバック構造を好みますが、このキャビティ構造を好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

バックフェースにある、このパーツはお馴染みです。
前のモデルにもありました。


トップラインの厚みは結構ありますが、これはピンらしい感じがします。

ソール幅は広いです。
広いですが、ヒール側がギュッと細く絞り込まれているようになっています。
いわゆる『テーパー』タイプのソールです。
今はトゥからヒールにかけて、ストレートに近いタイプも多いですが、私はフェースの開閉を多く使うタイプなので、このようにヒールが絞り込まれていると開閉しやすそうで、好感が持てます。

ソール形状は平らではなく、緩やかに丸みを帯びています。
リーディングエッジは微妙に、トレーリングエッジは大きく削られています。
こういったソール形状はメーカーによっても、大きく異なるところです。

ネック長さはしっかりとあって、ピンらしくない感じがします。
こうして見ていると、日本のメーカーのように思えてきます。
PING独特の、『ネックの凹み』も無いですが、それは前のモデルと同じです。
このウェッジはライ角の調整をする必要が無いということなのでしょうか?
それとも、このウェッジは軟鉄を使っているのでしょうか?
パッと見た感じでは、軟鉄には見えなかったのですが、軟鉄に見えないような仕上げがされているのかもしれません。
ピンは他のメーカーと違い、かなりステンレスにこだわっている印象がありますが、必ずしも全てがステンレスというわけではないのかもしれません。
これまでも書きましたが、『耐久性』ということでいうと、ステンレスに分がありますが、『微調整のしやすさ』という点では、圧倒的に軟鉄が有利です。

フェース面には、かなり細かなミーリングのようなものがありました。
近くでよく見ないと分からないような、細かなものです。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラしていました。
かなり目の細かいサンドペーパーを触っているような感じです。
サンドペーパーほどのきつさはなく、ソフトなザラザラ感ですが、これはボールにいい影響を与えそうな予感がしました。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで、いい感じです。
私が好きなツアーベルベットほどの『しっとり感』は無いですが、特に不満はありません。
縦書きになっているPINGのロゴもカッコいいです。

ボールを前にして構えてみると、予想と違っていました。
もっと大味な感じで、昔のPINGウェッジを予想していたのですが、違いました。
かなり『和風』といいますが、日本的な感じがしました。
『洋』ではなく、『和』的な構え感です。
ネックが長いので、上から押さえ込んでいくイメージを出しやすいのもいいです。
これまで長く続いたPINGのウェッジとは、大きく異なる顔をしています。
少し『出っ歯』なところもいいです。
少々ライが悪くても、球を拾いやすそうなイメージを与えてくれます。
グースタイプを好まれる方には、構えづらいところがあるかもしれません。
それと、いわゆる『大顔』タイプでないところが気に入りました。
最初バックフェースを見た感じから、大顔でオートマ系が強い顔をしているのかなと思っていましたが、違っていて、こうして見ていると『マニュアルタイプ』と変わらない構え感です。

フェースを開いて構えてみたのですが、なかなかいい感じでした。
バンスが結構利いているのですが、邪魔に感じることはなく、フェースを回して使いやすいウェッジだという印象をもちました。
私は普段(ドライバーやFW・UT・アイアン)、『フッカー』ですが、ウェッジ(特にSWやLW)を握った途端、『カッター』に変身し、カット目に打ちたくなります。
グリーン周りのアプローチはもちろん、バンカーでは完全にそうなります。
なので、カットに打っていけるイメージを出しやすいウェッジが好きなのですが、このウェッジはいいイメージが自然と湧いてきました。
大きくカットに打ったり、やや真っ直ぐに近い感じでヘッドを出したり・・・。といった複数のイメージを出すことができたので、思わず笑みがこぼれました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
キャビティタイプにありがちな、薄くてバンと弾く感じは無く、結構『乗る』といいますか、『食いつき感』がありました。
高性能なウェッジに共通する打感です。

『スピン性能』は高く、ボールに急ブレーキが掛かって、よく止まりました。
フェースの食いつき感が、そのままスピン性能になっているような感じです。
フェースが食いつくけど、ソールは滑る・・・。といったらいいでしょうか?
この相反するところも、性能の一つといっていいように思います。
『ガツーン』という感じの食いつき感ではなく、どちらかというと『繊細』な感じの食いつき感なのですが、ボールへのコンタクト感が抜群でした。
フェースを大きく開いて『ロブ系』でも打ってみたのですが、ランが殆ど無く、『上からポトン』という感じで止めることができました。

球も拾いやすくて、好感が持てました。
グースタイプではなく、少しだけ出っ歯なので、薄く当たっても上手く拾っていけるウェッジです。

『安定性』は高く、大らかさをもっています。
構え感はマニュアル系で、易しさはオートマ系という、いいとこ取りのウェッジです。
少々打点がブレても、球筋や打感が大きく損なわれないので、安心できるという方も多いのではないでしょうか?

『距離感』もすぐに合わせることができました。
易しいウェッジですが、その易しさが感性を邪魔していません。

フェースの開閉がしやすいので、操作性も高いですが、どちらかというと大らかさを感じて、オートマ系の性質が強く感じられました。
低く転がすのも易しいですし、ロブ系のショットも易しくて、色々と遊ぶことができました。

最初見たときのイメージとは、いい意味で異なる、美形で扱いやすいウェッジです。

易しくて大らかなウェッジを使いたいけど、大顔なタイプやグースがきついのはイヤだ・・・。という方には、是非試していただきたいウェッジです。

角溝が禁止されて数年が経ちましたが、それでも今のウェッジのスピン性能はハイレベルを保っています。
このウェッジも、その流れに乗っていて、高いスピン性能を誇っています。

ウェッジでスピンを掛けるなんて、プロや一部の上級者にしかできないのではないか?と思っておられる方は今でも多くいらっしゃるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。

私たちアマチュアでも、易しくハイスピンを掛けられる時代になりました。
昔は確かに『ワザ』というものが必要だったと思いますが、今はそのハードルがかなり低いです。
スピンを掛けて、易しく寄せられる時代になりました。

このウェッジは、いわゆる『大顔』タイプではないですし、オーソドックスな大きさで、イメージが出しやすいです。
『分散型』ではなく『集中型』といいますか、絞り込んでいけるので、出球の高さや落としどころの精度も高められます。
打つ前にいいイメージを描くことはとても大切ですが、このウェッジではそれが易しいです。
おまけに高いスピン性能をもっているので、まさに『鬼に金棒』といえるのではないでしょうか?
2019年09月13日
ピン G410 LST ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 LST ドライバー です。

シャフトは Speeder 569 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56g、キックポイントは中調子、トルクは4.9 です。

ピン G410シリーズのドライバーです。
以前、PLUSを試打したのですが、今日は違うモデルを試打することができました。
ここ数年、ピンはパターだけでなく、ドライバーなど他の番手の充実ぶりがすごくて、私の周りでも大人気です。
私は前のモデルのG400 LSTがすごく気に入っていて、その後継モデルを試打する機会に恵まれて、とても嬉しく思いました。

形状自体はこれまでと同じく、シャロー感のあるラージサイズです。

バックフェースにはウェイトが配置されています。
これはPLUSにもありましたし、ウェイトの位置はセンターです。

ネックは短めですが、これも同じように見えます。

ネックには調整システムが搭載されています。
試打するのは『○』のポジションです。

PLUSと同じく、FORGED FACEの文字が見られます。
今回のモデルは全て鍛造フェースにこだわっているのかもしれません。
FORGED FACEは他のメーカーでも見られますが、PINGは縁遠いメーカーだと思っていたので、少し意外な感じもします。

シャロータイプのヘッドです。
『パワフルシャロー』といったらいいでしょうか?
ここ数年のピンのドライバーの飛距離性能を実感すると、そういった言葉が連想されます。
昔と違い、今は力強くて頼もしいシャローヘッドがたくさんあります。

フェース面のデザインもPLUSと同じで、触ってみても艶消しな感じで、球持ちも良さそうです。
メーカーによっては、まるで鏡のようにピカピカ光って光沢のあるものもありますが、私はこのような艶消しタイプが好きです。

ピンらしく、ラージサイズでシャロー感のある顔です。
かなり大きく見えたので、普通の460ccだろうと思っていたのですが、後から店員さんに、このドライバーのヘッド体積は450ccなのだということを教えてもらいました。
10ccの違いではあっても、こうして大きく見せる技術はさすがです。
投影面積は変えずに、ディープなところをシャローにして、それでヘッド体積を削っているのかな?と思いました。
ヘッドの大きさは目立ちますが、特にクセはありません。

ただ、この突起物が大きすぎて気になってしまいます。
しかし、これは410シリーズには全て共通してあるものですし、使っていればそのうち気にならなくなるのかもしれません。

調整システムが搭載されているからでしょうか?
装着されているグリップはシンプルなタイプです。
特に工夫は見られませんが、ソフトなフィーリングで好感が持てますし、どのタイプにも合いやすい、いわゆる『無難なグリップ』といえます。
私は柔らかくてソフトなフィーリングのグリップが好きですが、硬めのフィーリングでコード入りを好まれる方には、柔らかすぎるかもしれません。

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
見た目よりも、やや軽量感がありますが、タイミングはすぐに合わせることができました。
ハードなシャフトではありませんが、頼りなさのようなものは感じませんでした。
結構走ってくれるシャフトだと思いますが、先がグラグラ動く感じがなかったので、引っかけは気にしなくてもいいのかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、これまで通りの感じで、特に変わったところはありませんでした。
クラウンの突起物が目立ちますが、それ以外はこれまでのモデルと同じです。
ロフトは10.5度ということですが、フェース面が見えすぎないところがいいです。
方向性へのクセはあまり感じませんが、あえていうならドロー系のイメージが一番強く浮かびました。
試打を開始しました。

『打感』は、ソフトというよりは、やや硬めです。
PINGらしい打感といっていいかもしれません。
よくある打感です。
程良い感触がしばらく手に残る・・・。ということはなく、どちらかというと『ゴツイ』感じの打感です。

『音』は大きめで高いですが、この音もこれまで経験してきましたし、嫌な感じはしません。
むしろはっきりしていて、球の強さをイメージしやすい音です。
インパクトが緩むこともなく、しっかり振っていくことができました。

『球のあがりやすさ』という点でも、ロースピンモデルでありながら、それほどタフな印象はありませんでした。
ロフト(10.5度)ということもあると思うのですが、打ち出しも高く、締まった(スピンが少なめ)弾道です。
外見はPLUSとよく似ていますが、明らかにこちらのほうが、球が強いです。
見えないところ(ヘッド内部)に、LSTモデル独自の工夫がされているのでしょうか?

『安定性』はかなり高く、直進性に優れています。
曲がりにくいという特性があるので、気持ちよく叩いていけます。
浅重心過ぎない大らかさ・・・。といったらいいでしょうか?
同じヘッドサイズ(450~460cc)でも、数年前の浅重心タイプとは、大らかさが全く違うような気がします。
最初構えたとき、どちらかというとドロー系のイメージが出やすいな・・・。と思っていたのですが、実際に打ってみると、『ほぼストレート』で、何球か続けて打っても、曲がる気配が全くありませんでした。
はっきりとした『オートマ系』ドライバーで、叩けるロースピンモデルといったところでしょうか?

飛びの性能は、かなり優れています。
今年試打したドライバーの中でも、明らかにトップクラスです。
弾道は高めですが、フケあがるのではなく、『高めの棒球』という感じで、『前へ前へ』と進んでいくのが頼もしいです。
ロースピンモデルではあっても、バックフェースにウェイトがありますし、ある程度の重心深度があるのではないでしょうか?
叩いてもフケないように、絶妙な重心設計がされているのかもしれません。

『操作性』という点では、直進性の高さが際立っていて、あまり秀でているとは思いませんでした。
ヘッドの大きさなどから、曲げるイメージが出しづらかったこともあると思いますが、なかなか思うように曲げることができませんでした。
それよりも、かなり真っ直ぐに近い球筋で、思いっきり攻めていけるのがいいような気がしますし、最近のドライバーは操作性をあえて求めて造られてはいないように思います。
操作性よりも安定性が高いものが多いような気がしますが、それは今のニーズにマッチしているといえるのではないでしょうか?

ピンはパターというよりは、完全にドライバーやFW・UTの充実ぶりが顕著になってきました。
このドライバーもかなりのスグレモノです。

装着されているシャフトにもよりますが、比較的リーズナブルな価格設定になっていて、かなりコストパフォーマンスが高いドライバーです。
ヘッドはかなり寛容で飛びの性能が高いので、自分に合うシャフトと組み合わせると、頼もしい相棒になってくれるのは間違いありません。

PINGのドライバーらしく、かなり大顔に見えるので、小顔が好きな方には不満が残るかもしれません。
また、ある程度球を操作してコースを攻めていきたいという方にも、扱いづらいところがあるかもしれません。
マニュアルタイプではないですが、確かな飛びの性能と、大らかさが際立っているドライバーです。
PLUSを打ってみたけど、ちょっと物足りなかったな・・・。という方は、こちらを試してみられるのもいいのではないでしょうか?

私が気になるのは、クラウンの突起物くらいですが、それ以外はすごくまとまっていて、レベルの高いドライバーだと思いました。
前のモデルのG400LSTがすごくいいので、今度機会があったら打ち比べてみたいです。
2019年08月30日
PING BLUEPRINT アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING BLUEPRINT アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS³ TOUR 120 です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は114g、トルクは1.7、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は430g です。

とても珍しいPINGのマッスルバックアイアンです。
ピンのアイアンは昔から、その独特な形状から、強い苦手意識をもっていたのですが、ここ数年は親近感の持てるモデルも出てきています。
しかし、このようなマッスルバックタイプと一番縁遠いメーカーという認識をもっていました。
以前、i500というアイアンを試打したことがあるのですが、それとはまたちょっと雰囲気が違います。
今度機会があれば、見比べてみたいです。

シンプルでシャープな形状のアイアンです。
大きさは普通ですが、かなり薄いといいますか、スリムな感じがします。
昔はよく見られましたが、今では珍しいです。
今のアイアンはドライバーのように、重心が深いタイプが増えてきましたが、このアイアンは浅そうに見えます。

トゥ側には『FORGED』の文字があります。
おそらくPINGでは初めてのような気がします。
PINGはステンレスのイメージが強いですが、このアイアンは軟鉄なのでしょうか?
PINGはずっとステンレスにこだわり続けて、これからもそうするだろうと思っていたのですが、ピンユーザーからフォージドアイアンのリクエストがあったのかもしれません。
今のPINGのアイアンは、昔よりも親しみやすくなっているとはいえ、ステンレスなので購買意欲は刺激されないのですが、このアイアンはちょっといいかな?と思いながら見ていました。

ヒール側には『BLUEPRINT』の文字がありました。
これはどういうことなのでしょうか?
クラブには使われない単語があるので、メーカーの特別な思いがあるのかもしれません。

彫りも浅く、シャープなタイプです。
シュッとしていて、カッコいいです。
易しいとか難しいという前に、まずは打ってみたくなります。

トップラインの厚さも標準的です。
こうして見ても、PINGのアイアンとは思えません。
このアイアンは、これまでの流れと逆行する特別なモデルなのでしょうか?

ソール幅も薄いです。
ワイドソールが多いPINGのアイアンの中で、『異色』ともいえる薄さですが、ソールの形状自体はPINGらしいです。
ソールの形状も、いろいろと好みがありますが、正直PINGの形状はあまり好きではありません。
昔の苦手だった頃の印象が強いということもありますし、もっと工夫が欲しいです。

リーディングエッジは微妙に削られているようです。

ネックの長さは適度にあり、太さも適正です。
軟鉄だからでしょうか?
PINGアイアンの代名詞ともいうべき、『ネックの凹み』がありません。

フェース面にはとても細かいミーリングがあります。
近くでよく見ないと分からないほどの細かなミーリングです。
ひとくちにミーリングといっても、メーカーによっていろいろなタイプがありますが、このアイアンのミーリングは『指紋』のようなタイプです。
このミーリングには、どのような効果が期待できるのでしょうか?

グリップは硬めで、やや太いタイプです。
アイアンやウェッジのグリップに欲しい『しっとり感』はありませんが、このグリップが好きだという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

素振りをしてみると、タイミングがとりやすくていい感じです。
特に不満はありませんでした。

ボールを前にして構えてみると、その極上の顔に、いい意味で驚きました。
PINGらしくない顔です。
これまでのPINGのアイアンでは見られない構え感です。
精悍さがあり美しい顔で、タイトリスト顔に近いけど完全にそうではないですし、かといってBS顔でもMP顔でもありません。
打感が柔らかそうなフェース面だな・・・。と思いながら見ていました。
この光沢感といいますか、独特な雰囲気はタイトリストアイアンと似ています。
ストレートタイプなのもピンらしくないですが、私はストレートネックが好きなので惹かれました。
ピンのアイアンは、グースのイメージが強いです。
この構え感も、おそらくPING初ではないでしょうか?
何だかワクワクしてきました。
試打を開始しました。

『打感』は普通でした。
特に大きな不満は無いですが、極上の打感ではありませんでした。
トゥ側にフォージドという文字がありますし、軟鉄、そしてこの精悍なフォルムから、もっとグッドフィーリングを予想していました。
勝手に私がハードルをあげてしまったのかもしれません。
『球当たり』は優しい感じがしますが、厚み感がなく、少し薄い感じがしました。
この打感では距離感をつかむのに、ある程度の時間と球数が必要になってきそうです。
大きな不満はないですが、見た目のカッコ良さと打感がマッチしていませんでした。
私がアイアンに求めたい打感ではないのですが、ここまでシビアに要求するのも、見た目のカッコ良さがあったからです。
構えづらくて好みの顔ではないアイアンには、ここまでハードルを上げません。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにタフなタイプです。
ある程度のHSが無いと球が浮いてくれないと思いますし、このアイアンを使いこなせるのは、限られた層になるのではないでしょうか?
今はカッコいいアイアンでも、比較的ハードルが下がっているものが多いですが、このアイアンは見た目通りといった感じがします。
幅広い層をターゲットに作られたアイアンでないのは明らかです。

『安定性』という点でも、正直なタイプなので、好みが分かれると思います。
普段からマッスルバックやハーフキャビティを使っておられる方であれば、何の問題もないと思いますが、ミスに強く易しいアイアンを好まれる方にはあまり馴染めないかもしれません。
寛容さはあまり感じませんでした。

『飛距離性能』は標準的といいますか、本来の7番らしい感じがしました。
飛距離性能でアドバンテージをつかむというタイプではありませんが、飛びすぎないことも性能のひとつですし、そういったものをアイアンに求めておられる方には、マッチしやすいのではないでしょうか?
今はアイアンにも飛距離性能が求められていますが、その流れには乗らない、『元々の飛距離』で勝負できるアイアンも増えてきて、『二極化』が進んできているようです。

『操作性』はとても高いです。
左右へも敏感に反応してくれました。
こういったところは、『顔のイメージ』のままでした。
オートマチックタイプではなく、完全にマニュアルタイプなので、球を操っていきたい方には、頼れる相棒となってくれそうです。

いい意味でPINGらしくないアイアンだな・・・。と思いましたが、すごくカッコいいですし、打つ前からテンションがあがりました。
ボテッとしたところがなく、シュッとしているので、ショットのキレで勝負していけそうです。

構えやすくて、操作性はかなり高いです。
今はオートマ系のアイアンへのニーズが高まっていると思いますが、このようなタイプのアイアンへのニーズもまだまだあるのではないでしょうか?

『打感』は正直、ちょっと物足りないところがあったのですが、これはあくまでも私の好みによるものですし、このアイアンの打感が好きだという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

アイアンを選ぶときに素材などよりも、まずは『バックフェースの形状』で選ぶという方がほとんどではないでしょうか?
極端にいうと、それは『MB』か『CB』かということです。
もっといえば、CBでもポケットタイプもありますし、ノーマルなタイプもあります。
キャビティのバリエーションが昔よりも増えました。

アイアンはキャビティしか使わない。マッスルバックなんてもってのほか・・・。という方には、このようなタイプのアイアンは試打するまでもなく、候補から除外されるのかもしれません。
ミスへの寛容さという点では、マッスルバックはキャビティには敵いませんが、今では比較的親しみやすいものも多いですし、中空タイプであれば、見た目以上に易しくなっているものもあるので、敬遠されずいろいろと試していただきたいと思います。

最初から最後まで、いい意味でPINGらしくないな・・・。と思いながら試打していたのですが、このようなタイプのアイアンを発売して欲しいと思っていましたし、今日はその願いが叶って嬉しくて、予定よりもたくさん楽しんでしまいました。
イージーなタイプではないので、それほど大きな支持は得られないかもしれませんが、コアなファンには大きなアピールになったのではないでしょうか?
2019年05月07日
ピン G410 ハイブリッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 ハイブリッド の5番 です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは26度、クラブ長さは39.25インチ、シャフトフレックスはR です。

PING G410のハイブリッドです。
これまで、ドライバーやフェアウェイウッドを試打してきたのですが、今日はハイブリッドを試打する機会に恵まれました。

ピンらしい機能的なデザインと独特の質感がありますが、形状的には今の主流といえるタイプです。
ディープなタイプではありませんが、大きさも程良い感じです。

ソールには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
これは以前試打したフェアウェイウッドにも見られました。
数字が刻印されていないので、重さは分かりません。

ネックには調整システムが搭載されています。
昔はドライバーだけでしたが、今はFWやUTでも普通に見られるようになりました。
私は重要視していませんが、それだけ多くのニーズがあるからだと思います。

試打するのは、この『○』のポジションです。

調整機能が搭載されているせいか、ネックの長さは結構あります。
今はこれくらいの長さが増えてきましたが、これも流行のようなところもあるので、いずれまたショートネックが流行るかもしれません。

ヒール側には『MARAGING STEEL』の文字がありました。
これもFWと同じです。
こうして見ていると、かなりFWに近いハイブリッドという感じがします。
今度、機会があれば見比べてみたいです。

フェース面のデザインも、ピンらしいです。
機能的で、いろいろな工夫がされていそうに見えます。
フェース面を見て、そのクラブの質感といいますか、フィーリングを予想するところがありますが、このクラブの場合は、なかなかいい感じです。

シャロータイプのヘッドですが、今はこのようなタイプが圧倒的に多いです。
これからも、こういうタイプが続くのではないでしょうか?

顔は、あまり好感がもてなかったのですが、苦手意識のようなものは芽生えてきません。
ピンらしい顔といえます。
オフセットがちょっと効いていて、フェースが左を向いているように見えました。

ドライバーやFWでもそうでしたが、このクラウンのある突起物が、かなり目立っていて大きな存在感を放っています。
ドライバーだから大きく、ハイブリッドだから小さい・・・。というものでもないようです。
実際に見比べてみないと分かりませんが、おそらくドライバーと同じ大きさではないでしょうか?
前のモデルのように、もっと抑えていればいいのですが、これだけ大きくするということはそれだけのメリットがあるのだと思います。
ただ、私にとってはマイナスでしかないのですが・・・。

装着されているグリップは、これまでも目にしてきました。
シンプルなタイプのグリップです。

素振りをしてみると、Rということでかなり軟らかく感じましたが、素振りを何回か繰り返してタイミングをとることができました。
軟らかいですが、頼りなさは感じませんでした。

ボールを前にして構えてみると、番手(#5)もあると思うのですが、かなりフェース面が見えました。
ウッド系のクラブはあまりフェース面が見えないほうが好きなのですが、このロフト(26度)では当然といえるような気もします。
私の感覚では5番アイアンは28度、4番アイアンは24度というのが昔から刷り込まれているので、そういった意味でいうと、このハイブリッドは『4番と5番の間』といえます。
しかし、今のアイアンはかなりロフトが立ってきていますし、アイアンのロフトを気にされない方も多いかもしれません。
このクラブを構えていて、昔一世を風靡した、リョービのビガロスメディアというクラブを思い出しました。
ちょっとクセのあるクラブでしたが、大人気でした。
ユーティリティでは、プロギアのズームと、リョービのビガロスメディアが人気を二分していた時代がありました。
そんな昔のことを、何となく思い出していました。
こうして構えてみると、やっぱりクラウンの『ブツブツ』が気になります。
ドライバーなどで経験してはいますが、少し意識がそちらにもっていかれるようでした。
あまり気にしないよう、違うイメージで打つよう心がけました。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりめでした。
この打感はこれまでも経験していますし、予想していた通りです。
しっかりしていますが、堅すぎず手に嫌な衝撃が残ることもなかったので、好感が持てました。

『音』もはっきりして、聞き慣れた金属音です。
PINGらしい音といっていいのかもしれません。

球はよくあがってくれました。
あがりすぎに感じるところもありましたが、このクラブを5番アイアンの代わりに使う方も多いのではないでしょうか?
アイアンよりも確実に上げることができますし、キャリーで上から落とすイメージでグリーンを攻めていけそうです。

『安定性』は高く、イージーなクラブですが、今のハイブリッドでは普通といったところでしょうか?
気難しさなどは一切無く、親しみやすいです。
球もつかまりやすいので、スライサーの方にも親しみやすいのではないでしょうか?

『飛距離性能』も高いものがありますが、これも今のハイレベルなクラブの中では普通といえるのかもしれません。
フェースの弾きが良く、弾道も力強いので、決して見劣りすることはないのですが、それだけ今はハイレベルなクラブが多いということです。

『操作性』はまずまずだと思いましたが、どちらかといえばフック系のほうが易しいように感じました。
構えたときにあまり好感が持てなかったので、あまり曲げたいとは思いませんでした。
できるだけ無難に済ませておきたくなりました。

PINGらしい、たくさんの機能が詰め込まれたハイテクタイプのハイブリッドです。
ちょっとクセのあるタイプですが、『易しさ』の為には、これくらいが必要なのかもしれません。

ドライバーなどでも感じましたが、私はこの最新モデルの410よりも、ひとつ前のモデルの400のほうが好きです。
似ているところもたくさんあるのですが、ちょっと変になっちゃったな・・・。と思えるところがいくつかありました。

このハイブリッドを試打していて、以前試打したFWに、かなり似ているな・・・。と思いながら試打していました。
ハイブリッドにも『アイアン寄りタイプ』と『FW寄りタイプ』がありますが、このクラブは後者の『FW寄りタイプ』です。
ピンの場合、アイアン寄りはクロスオーバーとなるのでしょうか?

この410シリーズも素晴らしいと思いますが、私は次のモデル(おそらく420?)に期待したいです。
2019年04月02日
ピン G410 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは17.5度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはSR です。

PINGの新しいFWです。
先日、SFTというフェアウェイウッドを試打しましたが、今日は違うタイプです。
おそらく、これがノーマルモデルだと思います。

SFT同様、シャロータイプのFWです。
姉妹モデルでありながら、『ディープ』『シャロー』という使い分けはしていないようです。
シャローヘッドはPINGらしい個性といえるかもしれません。
ソールにいろいろな工夫が見られ、機能的なデザインとなっています。
メーカーによっては、ソールの丸みが強いものもありますが、このクラブは平らに近い印象です。
こういったところも、PINGらしいです。

ソールにあるウェイトもSFTと同じです。
近くでよく見てみたのですが、数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
交換するタイプではないのかもしれません。

ソールのフェース寄りには、FORGED FACEの文字があります。
これもSFTと同じです。

ネックはやや短めではありますが、今では見慣れた長さです。

ネックには調整システムが搭載されています。
テーラーメイドなどと比べると、シンプルなシステムのように見えますが、この調整システムが必要だという方も多いのではないでしょうか?

試打するのは、この○のポジションです。

ヒール側にある、MARAGING STEELの文字も、SFTと同じです。

フェース面のデザインも独特ではありますが、ピンらしいです。
見慣れた感じもします。

こうして見ても、かなり薄さが目立ちます。
シャローバックは今では当たり前になっていますが、このようにシャローフェースは今では少数派といっていいような気もします。
何年か前はシャローフェースも流行りましたが、一長一短あるように思います。
長所は極端にいえば、フェースに当てさえすれば、ボールが自然にあがってくれるところですが、逆にフェースを縦に使いづらいというデメリットも生じてしまいます。
ティアップして打つときや、フェアウェイやラフでもボールが浮いた状態になって、『ライが良すぎる』状態だと不安に感じることがあります。
ある程度のフェース高があると、そういった場面でも、フェースを縦に使えるので対応しやすくなります。
実戦でも、こういった場面は意外と多いです。
なので、私は極端なシャローフェースは敬遠することがあるのですが、PINGがあえて、こういった設計にしているということは、それだけの理由があるのは間違いありません。

クセのない、いい顔をしています。
PINGらしい美顔です。
先日試打したSFTはクセがあり好みではなかったので、このクラブはどうかな?と思うところがあったのですが、とてもいい感じで好感が持てました。

クラウンにある突起物がよく目立っています。
これはドライバーなどにも見られますが、ここまで大きくしているのも、それなりの理由があるのだと思いますが、私はあまり好きになれません。
これだけ大きくすることで得られるメリットよりも、苦手に感じるデメリットのほうが大きいような気がします。
ただ、これはあくまでも私の好みによるところですし、これだけ大きくても関係ないという方もたくさんいらっしゃると思いますし、使い続けていれば慣れてくるのかもしれません。
ただ、今の段階ではプラスよりもマイナスのほうが大きく感じられました。

素振りをしてみると、軟らかさが強く感じられましたが、それほど頼りない感じはしませんでした。
何度か素振りを繰り返して、タイミングを整えていきました。

ボールを前にして構えてみても、クセがなくて構えやすいです。
方向性への不安は全くありません。
クリークではありますが、投影面積が結構あるので、小顔タイプが苦手だという方も、安心して構えられるのではないでしょうか?
PINGらしい、オートマチック感のある、構え感です。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりめといいますか、やや硬めでした。
硬めではありますが、嫌な衝撃が残ることもなく、普通に打てました。
このしっかりした打感も、PINGらしい個性といえるような気がします。

『音』も、やや大きめではありますが、想定していた範囲内ですし、これまで何度も耳にしてきました。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振り抜くことができました。
海外メーカーのクラブは日本のメーカーのクラブに比べて、音が大きめなものが多いように思いますが、このクラブもそんなタイプです。
このはっきりした機械的な音を好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
音は感情を司るところがあるように思いますが、このような音は『人間的』というよりは、『機械的』な感じで、感情を抑制しているように感じられます。
感情の起伏が小さいことは18ホールをプレーする上で有利なのかもしれませんが、私はゴルフをしている間、とにかく楽しくて楽しくて仕方がないので、常にフワフワしたような状態でプレーしているような気がします。
実際にはしませんが、心の中では『いつもスキップをしているような』状態です。

球はとてもあがりやすいです。
これだけのシャローヘッドと重心の深さがあれば、まさに『無敵のあがりやすさ』といってもいいのではないでしょうか?
このようなシャロータイプのヘッドは、『ヘッドを水平に動かす』というイメージや、『横からはらう』というイメージを好まれる方に、特に易しく感じられやすいような気がします。
カッコいいデザインですし、いかにも『本格派』な印象のあるクラブですが、タフさは全くありません。
ヒッタータイプの方だけでなく、スインガータイプの方にも、かなり親近感をもたれやすいFWだと思います。
私のように『上から潰すように打ちたい』タイプには、ある程度のフェース高があったほうが易しく感じられますし、実際に私は何度もフェースのクラウンに打球痕をつけてきたことがあります。
そういったときは間違いなく『テンプラ』でした。

『安定性』も高く、PINGの特長がよく出ています。
シビアさは無く、親しみやすさという性能をもっています。
ラインも出しやすく、優れたオートマ系FWです。

飛距離性能も優れていて、しっかりと強い球でキャリーを稼いでいけます。
初速が出ていて、『パワーボール』が打てるFWです。
球はあがりやすいですが、『球質が軽い』感じはありませんでした。
易しくて力強い球が打てるので、今のハイレベルなFWの中でも、かなり上の方の位置にいます。

『操作性』という点では、まずまずでした。
クセのない顔をしていますが、どちらかというと操作するタイプではなく、安定性を活かしていきたいタイプです。
左右に曲げることもできましたが、大きく曲げるのは難しく感じられました。
左右どちらかに偏った感じはなく、『中立タイプ』のFWです。

PINGらしい、オートマチックタイプでありながら、飛距離性能も優れていて、ポテンシャルの高いクラブです。

飛距離性能も高いですが、そこに至るまでの『易しさ』が優れています。
どのように打ってもあがりやすい、『自動的なあがりやすさ』があるので、使い手を選ばないFWといってもいいのではないでしょうか?

メーカーも、この点を重要視して開発を進めたように思います。
幅広い層に対応していける易しさをもちながら、クセのないところがすごくいいです。

易しいクラブはクセがあったり、飛びの性能が劣っていたり・・・。といったことが昔からありましたが、今は研究が進んで、そのようなことが少なくなりました。
いろいろなクラブを試打していますが、本当に今はレベルの高いクラブが多くなったように思います。
このクラブもまさにそんなタイプです。
以前も書きましたが、私はPINGのFWは好感を持っていて、特に『i25』というクラブが気に入っています。
このクラブもそのハイレベルなクラブに迫る勢いがあります。

今日はクリークの試打でしたが、もし機会があれば、スプーンも試打してみたいです。
2019年03月14日
ピン G410 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、キックポイントは手元調子、トルクは1.7 です。

PING G410シリーズのアイアンです。
先日ドライバーを試打しましたが、今日はアイアンを手にすることができました。

PINGらしく、機能性あふれるデザインになっています。
ポケットタイプのアイアンですし、バックフェースにも色々な工夫が見られます。
フェース高が低めで横に広いので、PINGアイアンらしさもあります。

トゥ側にある、このパーツは何でしょうか?
おそらくウェイトだと思うのですが、違う意味があるのかもしれません。

彫りの深さはたっぷりありますが、今はこういうタイプが多いので、今の主流といっていいような気もします。
ポケキャビが登場して、もうずいぶん経ちますが、完全に人気が定着していますし、ポケキャビ以外買う気がしない・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

トップラインの厚みは標準的です。
もっと厚いトップラインを予想していたので、ちょっと意外でした。
何となく、これまでと違うな・・・。と思いました。

ソール幅は標準ですが、PINGのアイアンにしては狭い感じがします。
これまでと大きく違う特徴です。
そして、ソール全体も丸みを帯びているのが、よく目立ちました。
最近では、ここまで丸みを帯びているのは珍しいです。
平らなソールを好まれる方は、ちょっと違和感があるかもしれないですし、ワイドソールを好まれる方には親しみづらいところがあるかもしれません。

ネックの長さは標準的です。
太さも適正で、寸胴タイプではありません。

ネックにある、この凹みもPINGならではです。
他のメーカーのアイアンには見られない、PING独自の工夫です。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
これまでもたくさん出会ってきた、ごく普通のフェース面です。
バックフェースやソールには色々な工夫がされているようですが、フェース面はとてもシンプルに見えます。

装着されているグリップもシンプルなタイプで、他のモデルにも採用されています。
今は、こういったシンプルなグリップがトレンドなのでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、あれ?何だかいつもと違うぞ・・・。PINGの構え感ではないなぁ・・・。と思いました。
PINGのアイアンといえば、もっとごつくて、トップラインも厚く、強いグース・・・。というイメージがあります。
しかし、このアイアンは違いました。
妙にシュッとしています。
まるで、国内メーカーのアイアンのようです。
グースは利いているのですが、それが嫌味に見えませんでした。
一番下のスコアラインが白く塗られていますが、何となく日本的な顔に見えました。
いい意味での意外性があって、面白いです。
私の好みでいえば、できればもっとグースが弱いほうがいいのですが、この顔に満足される方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
明らかに、これまでと変えてきています。
イメージチェンジを図っているのでしょうか?
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
思っていたよりも硬くなく、好感が持てました。
ガツーンという感じで、手に嫌な衝撃が残ることもありませんでした。
厚みで押して運ぶというタイプではなく、フェース面でバチンと弾くような感じです。

球はあがりやすくて、イージーです。
タフなアイアンではありません。
かなりシュッとしているアイアンですが、ハードルの高さは感じられません。
むしろ、かなり顔が良くなっているので、構えやすくて易しさを感じるようになった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これまでのピンのイメージとは変わっているような気がしました。

ポケキャビらしく、安定性は高いです。
見た目通りのオートマチック系のアイアンですが、ボテッとしていないので、より精度を求められるような気がします。
ラインを出しにいってもブレにくく、ラインの幅から外れることはありませんでした。
このアイアンはグースが利いていますが、それほど難しさは感じませんでした。
大顔過ぎずシュッとしていて、イメージが出しやすかったのが良かったのかもしれません。

『飛距離性能』は優れていますが、今のディスタンス系アイアンの中では、標準的といったところでしょうか?
キャリーも稼げますし、かなり前に落ちていく印象がありますが、今はこれくらいが当たり前になってきているので、驚くようなことはなくなりました。
飛ぶときな飛ぶけど、その確率が低い・・・。といった性格の尖った飛びではなく、安定して飛ばしていけるので、性格の丸い飛距離性能をもったアイアンです。
ディスタンス系のアイアンらしく、優しく『フェースに乗る』というよりは、やや強めにバンと弾くような感覚です。

『操作性』という点では、『オートマ性』のほうが勝ってしまうところがありましたが、左右にも曲げることができました。
これだけのグースが利いていると、これまではかなりの大顔が当たり前のようになっていましたが、このアイアンはそこまで大顔ではなく、シュッとしているので、自然と球がつかまります。
大顔タイプの欠点である、右にプッシュするような球は出にくいです。
私はストレート系が好きですが、グースタイプを好まれる方で、ボテッとした顔は嫌だ・・・。シュッとしたグースタイプのアイアンを使いたい・・・。という方には、かなり魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

ソールの幅や形状が、これまでと変わっているな・・・。と思いましたし、『男前度』があがっているのが印象的でした。
昔からPINGのアイアンには強い苦手意識があって、その印象が今でも抜けません。

しかし、ここ数年はすごくいい物も出会うようになりましたし、顔のイメージが変わりました。
素材がステンレスということは変わらないようですし、それがピンのこだわりなのかもしれませんが、色々と変化しているので好感が持てます。
次のモデルでは思わず見とれてしまうようなアイアンを発表するのではないか?と期待してしまいます。

顔の印象や打感などが良くなっていますが、全体的な易しさ・大らかさは、これまでと変わらないので、ハードルは上がっていません。
大味なタイプのアイアンではなく、こちらの思いを乗せていけるところがすごくいいです。

ここ数年、PINGはドライバーやFW・UTの充実ぶりが凄いですが、アイアンも要注目です。
私は軟鉄アイアンしか買わないと決めているので、このアイアンを購入することはないですが、素材にこだわらず、とにかく易しさと飛距離。
そして、ある程度の顔の良さや打感も求めていきたい・・・。という方には、是非試していただきたいアイアンです。
2019年03月04日
ピン G410 PLUS ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 PLUS ドライバー です。

シャフトは 三菱ケミカル TENSEI CK です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは70S、シャフト重量は72g、キックポイントは手元調子、トルクは2.9 です。

PING G410シリーズのドライバーです。
前のモデルであるG400がすごく良かったので、G410も早く試打したいと思っていました。
しかし、先日試打したフェアウェイウッドはあまり好感が持てなかったので、ドライバーもそうなっているのかな?という不安が少しありました。

ラージサイズでシャロー感の強いドライバーです。
こういったところは、これまでのモデルと共通しています。
PINGのドライバーといえば、この形です。
かなり機能的なデザインですし、ヘッドが大きく見えました。

ソールのフェース寄りには、『FORGED FACE』の文字がありました。
これはFWと同じです。
FWはマレージング鋼が使われていました。
このドライバーは、ほぼ間違いなくチタンだと思いますが、このドライバーはチタンの鍛造フェースで、FWはマレージングの鍛造フェースなのでしょうか?
それともフェース面だけ違う素材が使われているのでしょうか?
ちょっとだけ気になりました。

この艶消しのフェース面がたまりません。
インパクトのときに、ボールをしっかりとキャッチしてくれそうです。
つるつるピカピカのフェース面は高級感があって美しいですが、ボールが滑ってしまうんじゃないか・・・。というときがあります。
しかし、この質感だとそれが無いですし、これまでも経験していて、いい印象が残っているので安心できます。
このフェース面はPINGらしいです。

シャローバックタイプです。
これはPINGだけでなく、多くのメーカーに採用されている『今のスタンダード』です。

ネックの長さは短めではありますが、今では普通といったところでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この□のポジションです。

バックフェースにはウェイトが配置されていて、移動できるようになっています。

ウェイトはヒール側に配置されています。
DRAWという文字があるので、球のつかまりが良くなるのは間違いありません。

こうして見ても、独特な感じがします。
水を飛ばしてハエを落とす、テッポウウオを思い出しました。

PINGらしい顔です。
この顔が、PINGのスタンダードといっていいと思います。
ラージサイズで投影面積はかなり大きいですが、変なクセは見られません。
見慣れた顔ですし、これまでのモデルと比べても大きな違いは無いようです。

しかしクラウンにある、この突起物がかなり大きくなっていて、よく目立ちます。
先日試打したFWにも見られましたが、このドライバーにもありました。
前のモデルよりも大きくなっていますし、これには大きな理由があると思うのですが、正直好きになれません。
前のモデルはもっと控えめだったので、それほど気にはなりませんでしたが、今回のモデルは気になってしまいます。
『視覚的範疇』を超えています。
ちょっと表現は良くないかもしれませんが、『イボイボ』『ブツブツ』といった感じがします。
これが無ければ、せめてもうちょっと控えめだったらいいのになぁ・・・。と思いました。

クラウンのフェール寄りだけでなく、バックフェース付近にも工夫がされています。
これは空気抵抗を減らす為なのでしょうか?

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
これまでも採用されていますし、今は多くがこのグリップです。
グリップにも流行があるのでしょうか?

素振りをしてみても、適度にしっかりしていてタイミングがとりやすいです。
軽量タイプが多い中、このドライバーは違いました。
先日試打したミズノのドライバーもそうですが、最近は『振れる』スペックの試打クラブに出会うことができるようになりました。
私はずっと感じていたのですが、やはりソフトスペックすぎると感じておられる方も多いのではないでしょうか?
これだけ大きなヘッドであれば、シャフトもそれに耐えられるしっかりしたシャフトが合いやすいと思うのですが、このドライバーはいい感じでした。
この TENSEI CK が純正シャフトなのでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
これまで通りの、PINGドライバーらしい構え感です。
私はどちらかというと、小顔タイプが好きなのですが、ラージサイズにするのであれば、これくらいはっきりしたほうがいいのかな?と思います。
こうして見ていても、かなり大らかそうな感じがしますし、気持ちよく『ぶっ叩いて』いけそうです。
フェースが被っているようには見えなかったので、方向性に対する不安もありません。
このドライバーのロフトは10.5度ということですが、こうして構えたときにフェース面が見えすぎないのがいいです。
こういった『構えたときのフェースの見え具合』は、各メーカー違いがあって面白いところでもあります。
試打を開始しました。

『打感』は、やや硬めです。
フォージドフェースということですが、ソフトな打感ではありませんでした。
しっかりとした手応えのある、ハードタイプのフィーリングですが、これもPINGらしい特徴のひとつですし、好感が持てます。
『らしい』フィーリングです。

『音』は高くて大きい金属音ですが、この音も、これまでたくさん耳にしてきました。
PINGらしい音です。

球はあがりやすいですが、いわゆる『軟弱』なタイプではなく、かなりしっかりしていて、硬派なところがあります。
弾道は高いですが、スピンは結構抑えられているようです。
これまでのこのようなタイプだと『スピン過多』で、結構吹き上がってしまうことも多かったのですが、このドライバーは違いました。
しっかりとした『芯の強さ』をもっています。

『安定性』は、かなり高いです。
この安定性の高さはPINGの最大の特長といっていいと思うのですが、今回もそのように感じました。
このようなラージサイズ&シャローでクセが無いヘッドだと、シャフトさえ気を付けていけば、曲がりようがないような気がします。
それくらい、このドライバーのもつ高い安定性を感じました。
直進性があり、なかなか曲がる気配を見せません。

『飛距離性能』は、とても高いです。
今回のモデルはどうなのかな?と打つ前は思っていました。
それくらい、前のモデルのG400シリーズを気に入っていたからです。
特に G400 LST ドライバー が大好きなのですが、このドライバーはそれに匹敵するほどの高いポテンシャルをもっています。
実際に打ち比べてみないと分かりませんが、いい勝負をするんじゃないかな?と思いました。
フェースの弾きもいいですし、何より弾道が力強いです。
ロフトが10.5度ということですが、頼りない感じは全くしませんでした。
頼もしい10.5です。

『操作性』という点では、あまり長けていないように思います。
このようなタイプなので、曲げたくても曲げにくい感じがしました。
かなりのラージサイズであり、フェースが被っているようには見えませんが、右に抜けていくこともなく、しっかりとつかまってラインを出していくことができました。
『ラージサイズの難しさ』を感じることはありませんでした。

バックフェースに配置されているウェイトがヒール側にあり、『DRAW』のポジションだったのですが、これも良かったような気がします。
真ん中やトゥ側のポジションで打っていないので何とも言えないところがありますが、このヒール側のポジションがちょうどいいのかもしれません。
ヒール側にありますが、フェースが強く被って大きなフックが出る・・・。ということはありませんでした。
ドライバーにはフェースが『速く動くタイプ』と『ゆっくり動くタイプ』がありますが、このドライバーは後者の『ゆっくり動くタイプ』です。
このゆっくりな動きの中から、ラインを模索していく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
トゥ側にウェイトを移動させれば、右に抜けやすくなるかもしれません。
今日はできませんでしたが、また機会があれば、色々なポジションで試してみたいです。

かなりポテンシャルの高い、オートマチック系ドライバーです。
私はオートマチック系にはあまり縁が無いといいますか、魅力を感じないこともあるのですが、PINGのドライバーは昔からいいな・・・。と思っています。
打つ前と打った後のギャップが小さいというのが、その大きな理由なのかもしれません。

『オートマ性』だけでなく、『飛びの実力』も確かです。
かなりたくさんの技術が注ぎ込まれているのは間違いありません。
ハイテクタイプのドライバーですが、それが濁った印象を与えず、クリアな感じが残っているのも魅力的です。

キャロウェイやテーラーメイドなどライバルメーカーの充実ぶりが凄いですが、このPINGも負けてはいません。
飛距離ではみんないい勝負をすると思いますが、『大らかさ』『安定性』『寛容さ』という点では、このPINGのドライバーが一歩抜きんでているのではないでしょうか?
これまでキャロウェイやテーラーメイドのニューモデルを試打し、このピンのニュードライバーを試打して、そのように感じました。

『クラウンのブツブツ』が無ければもっといいのにな・・・。と思いましたが、全体的にはとてもいい印象が残りました。
また何度でも試打したい魅力的なドライバーです。
2019年02月19日
ピン G410 SFT フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 SFT フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは19度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはS です。

PING G シリーズのニューモデルです。
前のモデルの400シリーズはとても良くて、変える必要はないんじゃないかな?と思えるほど気に入っているのですが、常に立ち止まらず新しいクラブを開発してくれるメーカーには感謝しかありません。
これまで、PINGのクラブはモデルチェンジされても、デザインがよく似ていましたが、今回は新たに変わりました。
かなりメカニカルといいますか、機能性を感じさせるデザインです。

シャロータイプのFWです。
これまでのPINGらしい形状です。
クリークなので、もうちょっと小振りなのが普通ですが、違いました。
投影面積が結構あります。
ヘッド体積は変わらなくて、シャローなぶんだけ投影面積が大きくなっているのかもしれません。
スプーンとあまり変わらないような気もします。

ソールのバックフェース寄りには、大きなウェイトがひとつ配置されています。
このヘッドの形状だけであがりやすそうな印象を受けますが、さらに手を加えられています。
念には念を・・・。ということでしょうか?

ヒール側には『MARAGING STEEL』という文字があったので、マレージング鋼が使われていることが分かりました。
昔からヘッドにはよく使われてきた素材ですが、最近では珍しいような気もします。
素材にも『流行』のようなものがあるのかもしれません。
今はチタンが使われることも多くなりましたが、色々な素材が使われるのはいいことです。
昔からマレージング鋼のクラブを経験している私は、マレージングと聞くと『硬い』というイメージをもっています。

ソールのフェース寄りには溝ではなく、『FORGED FACE』の文字がありました。
鍛造フェースというのは、PINGでは珍しいような気がしますが、今回はフィーリングにも力を入れてきているということなのでしょうか?

ネックは、やや短めではありますが、極端ではありません。
今ではすっかり見慣れた長さです。
ピンらしい、独特な『艶消し感』がたまりません。


かなりのシャローです。
ピンらしい感じもしますが、かなり薄いなぁ・・・。と思いました。
つい先日試打した テーラーメイドのFW を思い出しました。
トップメーカーである、ピンやテーラーメイドがこのようなタイプを発表しているということは、これからこういうタイプがトレンドになるのかもしれません。
私には明らかに『シャロー過ぎる』のですが、このシャロー形状に親近感をもたれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。
テーラーメイドなどと比べると、かなりシンプルな調整機能ですが、ピンらしいといえます。
あまり細かな調整をしても意味がないということなのでしょうか?

試打するのは、この○のポジションです。

フェース面にも色々な工夫が見られますが、これまでも目にしてきたので、目新しさのようなものはありません。
鍛造フェースということですが、このフェース面を見て、柔らかそうだな・・・。とは思いませんでした。
むしろ、ややしっかり・・・。といった印象をもちました。

かなりクセのある顔です。
ひと目見て、何だこれは・・・。と思い、一気にテンションが下がってしまいました。
待望のニューモデルなのに残念でした。
かなりフェースが被っているように見えます。
単にフックフェースというだけでなく、プル角も効いているように感じました。
これが、このニューモデルに込めた、ピンの答えなのでしょうか?

クラウンにある、この突起物もお馴染みですが、これも正直好感が持てませんでした。
かなり大きくなり目立っていて、何だか大味な感じがします。
おそらく、この突起物にも大きな意味があると思うのですが、これだけ大きいと私にはマイナスでしかありませんでした。
前のモデルのほうが控えめな感じで、品があるな・・・。と思いました。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでもよく目にしてきました。
無難な感じのグリップです。

素振りをしてみると、まずまずで、これまでのモデルと大きな違いはないような気がします。
特に変わった感じはしませんでしたが、色々なシャフトが用意されているということなので、それらも試してみたいです。
クラブはシャフトで大きく変わります。

ボールを前にして構えてみると違和感があり、馴染みにくいです。
前のモデル(G400)のいい印象をそのまま引きずっていたのか、ちょっとショックでした。
FWで、しかもクリークで、ここまでする必要はなるのかな?と思ったのですが、メーカーも色々なゴルファーを対象にしているのだと思いますし、深い研究があるのは間違いないので、大きな意味があるのだろうと思います。
ただ、私は苦手意識が芽生えてしまい、さらっと試打を終わらせよう・・・。と思ってしまいました。
試打を開始しました。

いきなり、『チョロ』を連発してしまいました。
2球続けてのチョロです。
自分自身がすごく恥ずかしくなりました。
これはクラブのせいではなく、苦手意識をもってしまった私に原因があるのは明らかです。
いつもはもっとどっしりと構えて、足に根が張ったようなイメージで打つのですが、今日は完全に真逆で浮足立ってしまったような気がします。
ふらふらと、まるで『浮き草』のようなまま、2球打ってしまったのがミスの要因です。
私は打席を外し、自分自身を反省して素振りをし、再びこのクラブに挑むことにしました。
試打を再開しました。

『打感』は、やや硬めでした。
『鍛造フェース』ということで、柔らかい打感を期待していましたが、違いました。
ただ、このはっきりとした打感は、『ピンらしいといえばらしい』です。

『音』は少し大きめでした。
大きめではありますが、インパクトが緩むということはなく、普通に打っていけました。
できれば、もう少し小さくてもいいかな・・・。と思いましたが、大きな不満はありません。

球はとてもあがりやすいです。
これだけのシャローなので、フェースがボールにヒットさえすれば、必ず高く浮いてくれるという感じがします。
『フェース面を意識しないで良いあがりやすさ』といったらいいでしょうか?
フェースの縦面どこでヒットしても、ボールが自然とあがってくれるという印象をもちました。
クリークらしく、弾道も高いです。
私の場合、チョロさえ気を付ければいい・・・。という感じでした。
こういうタイプは上から打つと『テンプラ』になりやすいので、昔から言われているように、『横からはらう』といいますか『横から滑らせる』イメージのほうが易しいのは明らかです。

『安定性』は高く、シビアさは全く感じませんが、私はフックばかり出てしまいました。
構えたときに浮かんだマイナスイメージと苦手意識がそのままの球筋に表れてしまい、どうしようかと焦りました。
コースでなくて良かったです。
フックフェースのクラブは特にドライバーが多いですが、それはロフトが立っているからであって、このようにロフトが寝ているクラブでフェースを被せると、さらに球がつかまり過ぎるような気がします。
私は左方向ばかり打ってしまいました。

『飛距離性能』はなかなかいい感じでしたが、私にはつかまり過ぎなので、明らかに『距離のロス』がありました。
ただ、スライサーの方には、とても易しいのではないでしょうか?
クリークは元々、FWの中では球がつかまりやすいクラブではありますが、それでもつかまりづらい、もっとつかまりが良くて自然にあげてくれるクラブが欲しい・・・。という方には魅力的といえるのかもしれません。

『操作性』という点では、私にはつかまりが良すぎて難しい印象をもちました。
マニュアル系ではなく、完全に左方向への『オートマ系FW』です。
真っ直ぐから右へはとても行きにくいクラブだと思います。
頑固といえば頑固なところもありますが、この頑固さに魅力を感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

PINGは元々シャローの印象が強いですが、この410でさらに拍車がかかったような気がします。
こういったシャローは昔からありますが、最近では少なくなってきているので、珍しさもありますが、これから流行っていくのかもしれません。
シャローバックはいいですが、できれば『フェース高』が、もうちょっとあったほうが安心できただろうな・・・。と思いました。

鍛造フェースということで、打感のソフトさや、弾きの良さを期待していましたが、実際に打ってみて、期待していたほどではありませんでした。
やや硬めの打感で、弾きが良くて初速がすごく速くなっている・・・。という印象はもちませんでした。

このFWには苦手意識をもってしまいましたが、ドライバーをまだ試打していないですし、UT(ハイブリッド)やアイアンも試打していないので、そちらに期待していきたいです。
2019年02月12日
ピン G410 クロスオーバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G410 クロスオーバー の4番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは23度、シャフトフレックスはS です。

ピンクロスオーバーのニューモデルです。
前のモデルのG400を試打したのが、ちょっと前だったような気がするのですが、早くもニューモデルに出会うことができました。
昔に比べ、ピンのニューモデルの登場する頻度が上がってきたようで、とても嬉しいです。

これまでのクロスオーバーよりも、少し引き締まって見えました。
『アイアンライク』している・・・。といったらいいでしょうか?
前のモデルから、少し変えてきているようです。

これまで通り、中空タイプであることが分かります。
アイアンに近い感じで引き締まって見えますが、クロスオーバーなので、中空なのは基本といえるのかもしれません。

ソールのトゥ側にはウェイトのようなものが組み込まれているのが分かりました。
タングステンなのでしょうか?

彫りの深さは浅く、こうして見ているとハーフキャビティのように見えなくもないですが、中空ということで、かなり易しくなっているのだろうと思います。

トップラインは、やや厚めです。
これくらいの厚みも、アイアン型ユーティリティでは標準的といっていいと思います。

ソール幅は適度にありますが、これまでのモデルからすると、狭く見えます。
この角度からだと、このクラブはユーティリティの4番ではなく、完全に『アイアンの4番』に見えます。
最近少なくなった、4番アイアンを発売してくれたのかな?と思いました。

ネックの長さは標準的です。
PINGのクラブにしか見られない、凹みもあります。
これは何の為なのだろう?と思っていたのですが、以前、読者の方からライ角などを調整する為なのだと教えていただきました。
軟鉄であれば、このような工夫は要らないと思いますが、ステンレス素材にこだわるPING独自の工夫といえるのではないでしょうか?
そこまでPINGがステンレスにこだわる理由を知りたいです。
昔からの伝統ということなのでしょうか?

フェースにミーリングは見られませんでした。
これまで通りの、ごく普通のフェース面です。
すごくシンプルですが、こういったところにもメーカーの個性や考え方などが伺えます。

素振りをしてみると、好感が持てました。
やや軽量タイプではありますが、タイミングもすぐに合わせることができました。
ニューモデルには殆ど採用されているので、モーダス人気の高さが伺えます。
NSPRO950GHがあまり得意ではない私は、モーダスが挿してあると何故か安心できます。

ボールを前にして構えてみると、かなりアイアンに近いといいますか、完全にアイアンの感覚で構えることができたのに少し驚きました。
これまでのモデルは明らかに『ユーティリティらしい』構え感だったのですが、このクラブはユーティリティというよりはアイアンです。
ここが大きく変わっています。
私は前のモデルにあまり好感を持つことができなかったのですが、このクラブは違う印象をもちました。
私がアイアンに求めたい顔ではないのですが、これまで出会ってきた『アイアン顔』であることは間違いありません。
これまで、PINGのクロスオーバーというクラブを、私はユーティリティというカテゴリーで見ていたのですが、このクラブはユーティリティとアイアンの境界線上からアイアン寄りにあるクラブという認識をもちました。
普通のアイアンでグースが利いたタイプ・・・。という感じです。
私は淡々と見ていたのですが、グース系のアイアンを好まれる方でしたら、好感をもちやすいのではないでしょうか?
セミラージサイズで、面長過ぎないところもいいですし、割とすっきりしていました。
アイアン型ユーティリティにこれまでたくさん出会ってきて、その構えづらさからモヤモヤしたまま試打することが多かったのですが、このアイアンにはそんなモヤモヤ感はありませんでした。
いつも通り・・・。といいますか、すっきりした気分で構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
中空らしいといいますか、予想していた通りのフィーリングです。
実際に打ち比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらく前のモデルと大きな違いはないと思います。

球はあがりやすいですが、これまでのモデルと比べると、ややしっかりしたタイプなのかな?と思いました。
ウッド系を好まれる方よりは、アイアン系を好まれる方の為のクラブではないでしょうか?
打っていて、そのように感じました。
アイアンを得意な方が、その感覚を活かしながら、易しく打っていけるように・・・。というところを、メーカーが目指しているような気がします。
感覚を邪魔しない範囲で、できるだけ易しくするように作っている・・・。という印象をもちました。
これまで私はたくさんのアイアン型ユーティリティで球を打ってきて、『中途半端的な打ち方』をしてきた・・・。といいますか、そうせざるを得なかったことがありました。
アイアンに近い形状だけど、アイアンのようには構えられないし打てない・・・。ということがよくあったのですが、このクラブはアイアンの感覚で打つことができました。
低重心のウッド系UTを好まれる方には上がりづらくて難しい・・・。と感じられるところがあるかもしれません。
『易しい4番アイアン』ですが、明らかにヒッタータイプの方に合いやすい4番だと思います。

『安定性』は優れていて、大らかなところもありますが、これまでのクロスオーバーと比べても、普通かな?と思うところがありました。
シビアさは全く感じませんでした。
トゥ側に配置されているウェイトのような物も、きちんと役目を果たしているのかもしれません。
小さくなっているから、すごくシビアになっている・・・。というようには感じませんでした。

『飛距離性能』も普通でした。
特別よく飛ぶとは思いませんでした。
これまでの4番アイアンらしい飛距離だな・・・。と思ったのですが、それがまた私には魅力的でした。
今のアイアンはとにかくよく飛ぶといいますか、『飛びすぎ』『番手感覚を崩壊させるような飛び』を感じることが少なくなく、これから先どうなってしまうのだろう?と思ってしまうこともあるのですが、このアイアンはこれまで通りの感覚で打てたので安心できました。
やはりアイアンの『スタンディングロフト化』は7番などのロフトが寝たクラブに適しているのだということを改めて知ることができました。
最初からロフトが立っている4番などでは、ロフトの立てようが無いのかもしれません。
そういった意味では、『正直なクラブ』といえるような気もします。

『操作性』も普通といった感じで、特に変わったところは見られませんでしたが、これまでのモデルからすると、かなり扱いやすくなったような気がします。
もっと大顔タイプを好まれる方で、オートマチック性を求めていきたい方には、少し反応が良すぎるかもしれません。
そういった点では、好みが分かれると思いますが、私は好感を持ちました。

前のモデルのG400クロスオーバーよりも、私は断然この410のほうが気に入りました。
顔の印象が大きく変わったところが最大のポイントです。

構えやすいので、狙っていけるアイアン型ユーティリティといっていいと思います。
ただグースが私にはきつかったので、もう少し抑えられているとさらにいいな・・・。と思いました。

ただそれはあくまでも私の好みであって、ストレートなタイプはアイアン型ユーティリティには向かないのかもしれません。
ヘッドを大きくして反応を鈍くしているので、球がつかまりきらなくなってしまうような気もします。
おそらくメーカーも、ストレートタイプを試しに作ってみたと思いますが、ヒューマンテストなどで、球がつかまりづらくてNGということになってしまったのかもしれません。

私のようなフッカーだけでなく、フェードヒッターなど、幅広い層に対応していく為には、『ちょうどいい設計』になっているような気もします。
外観もそうですが、ここまですっきりさせてアイアンに近づけてくれたことがとても嬉しいです。
ただ、これまでのようなモデルを好まれていた方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方には、今回のモデルはあまり多くの支持は集めにくいのかもしれない・・・。と思うところもありました。

ピンはこんなタイプは作らないだろうな・・・。と思っていたので、いい意味で意外でした。
これまでのクロスオーバーの中で、一番アスリート色が強いタイプだと思います。

また何度も試打してみたいですし、違うメーカーとの打ち比べもやってみたいです。
2018年10月10日
ピン i210 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING i210 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 120 です。
ロフトは33度、長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は114g、トルクは1.7 です。

PINGの新しいアイアンです。
PINGのアイアンの特徴は2種類あって、昔ながらの個性的なタイプと、ここ数年見られるようになった、オーソドックスなタイプです。
このアイアンは後者のような気がします。

ラージサイズではなく、大きさもちょうどいい感じです。
シンプルなキャビティアイアンです。

彫りの深さも充分あって、典型的なフルキャビティです。
バックフェースには、パーツのようなものが組み込まれていて、昨年試打したモデルを思い出しました。
ヘッドに色々な工夫がされているようですが、シンプルですっきりしているのがいいです。
メーカーによっては、多くのパーツが張り付けられていてゴチャゴチャした感じのアイアンもありますが、やはりシンプルなほうが魅力的です。
ゴチャゴチャしたタイプだと、最初は良くてもすぐに飽きてしまうんじゃないか?と思うこともありますし、使っているうちに、そのパーツが剥がれ落ちてこないかな?と思うこともあります。
新品の状態をずっと維持し続けるのは難しいような気がします。
そういったことを考えてみても、このアイアンはとても好感が持てました。

トップラインは少し厚めですが、気にならないレベルです。
角ばっていてシャープというよりは、少し丸みを帯びていました。

ソール幅はノーマルです。
この角度から見ても、やはりPINGのアイアンだと分かります。
他のメーカーには見られない独特な形状です。
構えたときに気にならないですし、これはPINGの個性といっていいのですが、正直私はあまり好きではありません。
昔の大味な感じのするアイアンと似た感じがします。
もうちょっと繊細さを感じさせるソール形状に魅力を感じますが、PINGのアイアンは昔からこのようになっています。
大味な感じが強く、その強さはピンとキャロウェイのツートップといえるような気がします。
なので、私は昔からPINGのアイアンを試打しても、購入したことはありません。
リーディングエッジはそうでもないですが、トレーリングエッジの削りは目立っていました。

ネックの長さは標準的です。
特別長くはなく、かといって短いタイプでもありません。

ネックにはお馴染みの凹みがありました。
これはロフト角などを調整する為のものだと、以前読者の方から教えていただきました。
強度が気になるところではありますが、特別問題になったことはなく、画期的な工夫だと思います。
ただ、軟鉄好きの私は、こうしなくても、最初から軟鉄を使えば、このような工夫は要らないのにな・・・。といつも思います。
しかし、ステンレスを使い続けているのも、PINGのこだわりなのではないでしょうか?
昔のステンレス系アイアンは、風合いといいますか、見た目から好きになれないこともありましたが、このアイアンは見るからに柔らかそうに仕上げられています。
軟鉄アイアンしか購入したことがない私も、好感をもって見ることができました。
『構え感』はもちろんですが、それ以外の全体的な雰囲気も大切です。

フェース面には、とても細かなミーリングがありました。
指で触ってみたのですが、それほどザラザラ感はありません。

装着されているグリップはツアーベルベットで、とても良いです。
アイアンやウェッジには最適なグリップだと思います。
バックラインがあったので、やはりバックライン有りを好まれる方が多いんだろうな・・・。と思いましたが、私はずっと『無し一辺倒』です。

素振りをしてみても、タイミングがとりやすくて、いい感じです。
ヘッドからくる雰囲気と、この振り感がマッチしていました。

ボールを前にして構えてみても、好感を持てました。
前のモデルを試打しているので、この構えやすさは予想できていました。
実際に見比べてみないと詳しいことは分からないのですが、前のモデルよりも、少し『男前度』が増したような気がします。
クセのない、シンプルな構え感です。
一番下のスコアラインだけが白く塗られていて、これまでもよく見られた工夫ですが、私には全く不要なので、これが無いともっと構えやすくなるな・・・。と思いました。
これまでのPINGのアイアンはクセがきつく、かなり構えづらいものが多かったのですが、このアイアンは構えやすくて、魅力的です。
リラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
しっかりめなのかな?と思っていたのですが、しっかりというよりはソフトなタイプです。
インパクトの衝撃がきつくなく、好感のもてる打感です。
前のモデルよりも、打感は向上したような気がします。

球はあがりやすいです。
タフなタイプのアイアンではありません。
色々な工夫がされているようですが、不自然さを感じなかったのが良いです。

『安定性』は高く、フルキャビティの特長が充分感じられます。
シビアさは全く感じず、大らかなタイプです。
『易しい』というタイプのアイアンにも色々あって、ラージサイズで色々な手が加えられた『機能的なタイプ』もあれば、あまり手を加えすぎずすっきりとシンプルで構えやすさをもったタイプもあります。
このアイアンは完全に後者で、構えやすさがさらに易しさを高めていると感じました。

『飛距離性能』も、なかなか優れていますが、今では見慣れた感じがします。
今はこれくらいが『普通』といえるかもしれません。
それくらい、『よく飛ぶ』アイアンが多くなりました。

『操作性』は良いです。
クセはなく構えやすいので、扱いやすそうな感じはしていましたが、実際に打ってみても、その通りでした。
左右への反応もいいですが、マッスルバックのような反応の鋭さはなく、ややゆっくりした感じです。
そこがまたいいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
安定性と操作性のバランスがとれていますが、どちらかといえば、私は安定性のほうが強く感じられました。

ピンの易しくてカッコいいアイアンです。
打つ前は、前のモデルのi200とあまり変わらないのではないか?と思っていたのですが、打感がソフトに感じたのと構えやすさが増したような気がします。

これまでも書いてきましたが、私は軟鉄アイアンしか購入したことがないですし、これからもそれをずっと貫いていくので、このアイアンを購入することはないですが、ステンレス系のアイアンとしては、とてもいいな・・・。と思いました。

これからもPINGには期待していきたいです。
2018年08月31日
ピン i500 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ピン i500 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO ZELOS 7 です。
ロフトは29度、長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77.5g、トルクは2.6、キックポイントは先調子 です。

PINGの新しいアイアンです。
とてもシンプルですが、ただシンプルなだけではないと思うので、どんな技術が使われているのだろう?と興味津々です。
いい意味で『PINGらしくない』アイアンですが、このシンプルで美しい形状に、思わず笑みがこぼれてしまいました。

大きさも標準的です。
ピンのアイアンはラージサイズのイメージがありますが、このアイアンは違いました。

フラットバック構造で、ついにピンもマッスルバックを発売したのかな?と思いました。

しかし、中空構造であることがすぐに分かりました。
これまでの中空アイアンはボテッとした感じの物が多かったのですが、このアイアンは違います。
シュッとしていて、カッコいいです。
このパーツが無いと、マッスルバックと勘違いしそうです。
以前試打したモデルもそうでしたし、最近のPINGは中空構造に力を入れているようです。
『歴史は繰り返す』ではありませんが、かなり前に中空が流行って、次第に見なくなり、また流行りだしているように感じます。
ゴルフクラブにもファッションなどと同じように『流行り』というものがありますが、いいものはずっといいので、一度ブームが去っても、また復活するように思います。
最近のドライバーのカーボンクラウンも同じようなことかもしれません。

トップラインの厚みはノーマルです。
丸っこくなく、厚すぎないので好感が持てます。
ピンのアイアンは大味な感じのものが多く、苦手に感じることもあったのですが、このアイアンにはそれが全くありません。
『日本市場向け』なのかな?と思いました。

ソール幅もノーマルです。
意外といえるほどの幅です。
ワイドソールを予想していましたが、違いました。
ソール幅はノーマルですが、形状はピンらしいです。
この形状を見ているだけで、ピンだとわかるほど個性的です。
ソールの形状にも、メーカーの個性が表れます。
見とれるようなソール形状ではないのですが、ここの部分にもピンらしさが見て取れます。
もし、自分がクラブデザイナーだったら、ここの部分をもうちょっと削りたいな・・・。ここの部分をもう少し足したいな・・・。などと考えていました。

リーディングエッジは微妙に削られているように見えました。

トレーリングエッジには、特に工夫は見られませんでした。

ネックの長さは標準的です。
ロングでもショートでもありません。

ネックの凹みも、PINGだけに見られる工夫です。
以前、読者の方から、この凹みはライ角やロフト角を調整するためのものだということを教えていただき、疑問が解決しました。
普通の軟鉄アイアンならば、この凹みが無くても簡単に調整できますが、ステンレスだから、この凹みが必要になってくるのでしょうか?
PINGはずっとステンレスにこだわっているように感じます。

バックフェースのヒール側には『FORGED』の文字があったので、ひょっとしたら、このアイアンは軟鉄鍛造アイアンなのかな?と思い、店員さんに確認してみたら、いつも通りステンレスという返事が返ってきました。
ステンレスの鍛造なのでしょうか?
珍しいですが、これもメーカーのこだわりなのだと思います。

フェース面にミーリングはありません。
見慣れた感じの、ごく普通のフェース面です。

装着されているグリップはツアーベルベットで、とてもいいです。
ソフトなフィーリングでアイアンには最適なグリップです。
微妙な距離感や方向性も、このグリップでは感じ取りやすいです。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
意外なほどといっては語弊がありますが、昔のPINGの面影はありません。
オーソドックスでとても構えやすいです。
ラージサイズでもなく、グースが強いわけでもなく、シュッとしています。
こうして構えてみていても、PINGのアイアンには思えませんでした。
グースは少し効いてはいますが、セミグースといっていいと思いますし、これくらいであれば、全く問題ありません。
ボールとの『大きさの対比』も適正です。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
硬くなく、適度なソフト感もありました。
球の『乗っかり感』はあまり感じなかったのですが、こういう打感は今とても多いですし、それだけ支持されているのかもしれません。
中空タイプのアイアンで、あまり好感を持てない打感もありますが、このアイアンは好感が持てました。
構えやすさと打感がリンクしているようでした。

『球のあがりやすさ』は、いい感じです。
外見や構えた感じなどから、もっとタフなタイプかな?と思っていたのですが、実際に打ってみると、そんなことはありませんでした。
球はしっかりとあがってくれ、タフさはありませんでした。
いい意味での、見た目とのギャップがあります。
こういったところは中空構造の長所といっていいと思います。
キャビティ構造にも色々とあって、普通のキャビティやポケキャビなどは外見から見て分かるので、『外キャビティ』。
対して、このように中空構造のアイアンはヘッドの内側に工夫がされていて、外からは見えないので、『内キャビティ』といっていいのかもしれません。
外見の違いはありますが、共通しているのは『易しさ』です。
中空は外見がすっきりしているという、大きなメリットがありますし、ポケキャビと違い、使用後の掃除も簡単なので、そういったところにも魅力を感じます。

『安定性』も、好感を持ちました。
見た目はマッスルバックのようで、いかにも気難しそうな感じもしますが、実際は大らかさもあり、親しみやすい性格をしています。
外からは見えない、易しさの為の工夫がたくさんヘッド内部に施されているのではないでしょうか?
構えやすいのでラインも出しやすいですし、そこから大きくブレていかないので、大きなトラブルにはなりにくいように感じます。

『飛距離性能』は優れていました。
見た目とてもシンプルで落ち着いた感じですが、飛距離性能にも長けています。
落ち着いた感じのディスタンス系アイアンといっていいでしょうか?
キャリーもしっかり出せましたし、2番手近い距離の違いを感じました。
すっきりしたデザインで、この飛距離性能をもっているので、多くのゴルファーから支持されるのではないでしょうか?

『操作性』も、なかなかいい感じでした。
クセがないので、左右へも対応してくれました。
右に抜けることもなく、つかまりやすいです。

外見はマッスルバックのようなシンプルで骨太なところがありながら、実際はとても優しくて親しみやすいアイアンです。

ネックも適度にありますし、ソールもワイドではないので、球が浮きづらいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とてもあがりやすくてイージーな性格をしているので、多くの方に試していただきたいです。
色々なシャフトが用意されているようですが、装着されているN.S.PRO ZELOS 7は球を上げやすいので、さらにハードルを下げているように感じました。

ドライバーなどに比べ、アイアンは設計自由度が高くないので、『見た目がそのまま性能』というところがありますが、このような中空タイプは、いい意味での『見た目とのギャップ』があるので面白いです。
易しいアイアンを使いたいけど、ごちゃごちゃしたのは嫌だ・・・。
ラージサイズでグースがきついタイプも苦手だ・・・。という方には、好感をもちやすいアイアンといえるのではないでしょうか?

このような形状なので、『ユーティリティアイアン』のような雰囲気もあったのですが、ごく普通のディスタンス系アイアンという認識をもちました。
易しく飛ばしていけるのも、このアイアンの特長です。

私はアイアンに飛距離性能を求めていないですし、軟鉄しか買わないと決めているので、このアイアンを購入することはないですが、素材にこだわらない方も多いと思いますし、このアイアンのもつ易しく飛ばしていけるところに魅力を感じる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
また試打してみたいですし、他のメーカーのアイアンとも打ち比べてみたいと思いました。
2018年05月29日
ピン G700 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G700 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO ZELOS 6 です。
ロフトは28度、クラブ長さは37インチ です。

PINGの新しいアイアンです。
シンプルなデザインが印象的です。
以前試打したことのある、G400クロスオーバーを思い出しました。

大顔タイプのアイアンです。
これもPINGらしい特徴です。
PINGといえば小振りなフォージドアイアンよりも、ステンレスイメージのほうが強いです。

中空構造であることが分かりました。
これもPINGらしい特徴ですし、最近はよく見かけます。
これからはポケキャビに変わり、中空アイアンが流行るのでしょうか?

彫りは浅く、普通のハーフキャビティのように見えます。
しかし、中空構造なので、かなり易しくなっているのだろうと思いました。
中空の長所のひとつとして、外見はシンプルでありながら、キャビティタイプのアイアンと変わらない易しさを実現できるところだと思います。
打感などは見た目と違うところもありますが、慣れてしまえば気にならないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

トップラインは、やや厚めでしたが、厚すぎないのがいいです。

ソール幅はワイドですが、今では見慣れた広さです。
こうして見ていると、このアイアンが大味な感じに見えました。
しかし、これもピンのアイアンらしいところといえるような気もします。
大切なのは『構え感』です。
構えてみてどうか?ということが、とても大切です。

ネックの長さは適度にありました。
ちょっと意外でした。
PINGのアイアンといえば、ラージサイズでショートネックの、いわゆる『頭でっかち』のイメージが強いですが、このアイアンはそれらとは違っていました。
適度な長さがあるのに好感を持ちました。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
ごく普通の見慣れたフェース面です。
特に何か工夫がされているということはありませんでした。

装着されているグリップはベルベットタイプでとても良いです。
大好きなグリップですし、微妙なフィーリングを求めたいアイアンには最適なグリップだと思っています。
今はたくさんの優れたグリップがありますが、ゴルフプライドのツアーベルベットが、私の中での『キング・オブ・グリップ』です。

素振りをしてみた感じは、まずまずでした。
予想していた通りの振り感でした。
やや軽量タイプではありますが、ヘッドが大きいので、シャープに振っていくというよりは、ややゆっくりめに大きく振っていく感じで素振りをしました。

ボールを前にして構えてみると、グースの利きがよく目立っていました。
これは想定内でした。
ピンらしい特徴ですし、ラージサイズのアイアンには、これくらいのグースが無いと、球がつかまりきらないのかもしれません。
ラージサイズのアイアンではありますが、それほど大味な感じはしませんでした。
昔のPINGのアイアンは『極端過ぎる』と感じることもありましたが、今ではすっかり解消されているような気もします。
ただラージサイズであることや、強いグースタイプであることに変わりはなく、好みではないので、やや『よそ行き』な感じで打っていくことにしました。
こちらの思いはひとまず置いておいて、まずはクラブに聞く感じで試してみることにしました。
試打を開始しました。

『打感』は、予想していたよりも良かったです。
もっと大味で深みのない打感なのかな?と思っていたのですが、そうではありませんでした。
いい意味で意外でした。

球はあがりやすいです。
タフさは全く感じない、イージーなタイプのアイアンです。
横からはらって打ちたい方にも、親しみやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
ヒッター向けというよりは、どちらかというとスインガー向けといったアイアンのように思いました。

『安定性』も高いです。
ラージサイズらしい、大らかで寛容さのあるタイプのアイアンです。
少々の打点のブレには動じない強さがありました。
外見はハーフキャビティのように見えますが、実際はフルキャビティに匹敵するような大らかさをもっています。
私はこのようなラージサイズのアイアンだと、ややトゥ寄りで打ってしまうクセがあるのですが、それでもこのアイアンは私のミスを帳消しにしてくれるような大らかで寛容な性質をもっているように感じました。
『打点』ではなく、『面全体』で運ぶイメージが合いやすいアイアンといっていいでしょうか?

『飛距離性能』は優れていました。
よく飛びました。
明らかに番手が2番手以上は違うアイアンです。
このような『番手ズラし』のアイアンが今は主流なので、そう驚くことはないのですが、やはり凄いです。
いつも思うことですが、これなら『7』という数字は要らないな・・・。と思いました。
『7』という表示があるので『飛ぶアイアン』になってしまいますが、これがもし『5』だったら、通常の5番アイアンで、かなり易しいタイプということになります。
アイアンにだけロフトが表示されていないので、いつかは他のクラブと同じようにロフト表示されたらいいように思います。

『操作性』という点では、難しく感じました。
『オートマ性』が強くて、なかなか思うように曲げることができませんでした。
何とか左右に曲げることもできたのですが、思うようにはいきませんでした。
この融通の利かない頑固なところも、G700アイアンのいいところではないでしょうか?

ピンらしいアイアンです。
ラージサイズで、大らかなタイプのアイアンです。

シビアさや気難しさとは無縁の、イージー系アイアンです。
ソール形状にも工夫が見られ、少々ダフり気味に入っても、上手くボールを拾ってくれる易しさもありました。

ポケキャビがある程度落ち着いて、やはり中空がこれからは増えてくるのかな?と、このアイアンを試打して改めて思いました。
私が好むタイプのアイアンとは全く違うタイプなので、正直あまり魅力的には感じなかったのですが、よく工夫されているな・・・。と思いました。

このような大らかで距離の出るアイアンを求めている・・・。という方も多いのではないでしょうか?

ここ数年、PINGのクラブは充実していて、特にドライバーやFWがすごくいいです。
昨年出会ったドライバーには、今でも魅了されています。
易しさと飛びのバランスがとてもいいです。

このアイアンは私の好みとは違うところもありましたが、これからもPINGには大いに期待していきたいです。
2018年02月16日
ピン G400 MAX ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 MAX ドライバー です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS です。

PING G400のニューモデルです。
シリーズとしては、4作目ということでしょうか?
PINGのドライバーは優れものが多いですが、特にG400シリーズには好感を持っています。
そのニューモデルということで、とても期待感が高まりました。
いい印象があるので、ワクワクしながら見ていました。

PINGらしく、かなり大型でシャロー感のあるヘッドです。
こういうところを見るとPINGのドライバーだとすぐに分かります。
最大限のラージサイズと超シャローが、PINGのこだわりといえるのではないでしょうか?
PINGの最新モデルなので、おそらくたくさんの機能が詰め込まれていると思うのですが、こうして見る限り、ゴチャゴチャしたところはなく、すっきりしています。

ネックは短めではありますが、これまでのモデルと変わらないように見えます。
かなり重心が低そうです。

ネックには調整機能が搭載されていました。
これも、これまでのモデルと同じです。

ソールにはウェイトが搭載されていました。
これも変わりません。
これまでのモデル(G400)と同じようなデザインで、どこが変わったんだろう?と思いながら見ていました。


すると、フェース面のデザインが変わっていることに気づきました。
はっきりとした違いでした。
これまでのモデルと同じくスイートエリアは広そうですが、機能性が加わったようなデザインになっています。
前のモデルはもっとシンプルでした。
フェース面に、おそらく新たな技術が加えられているのだろう・・・。と思いました。

フェースのトゥ側には『FORGED FACE』の文字がありました。
鍛造フェースは他のメーカーのドライバーでもよく見られますが、PINGでは珍しいのでしょうか?
これまでそれほど意識したことが無かったのですが、こういったところもメーカーのこだわりのような気がします。
PINGのアイアンはテーラーメイドと同じく、ステンレスの印象が強くて、それほど打感にこだわっているような感じはしないのですが、ドライバーは違うコンセプトで開発されているのでしょうか?

PINGらしい個性的な顔をしています。
この顔を見ても、すぐにPINGだと分かります。
おそらくG400と変わらないような気がします。
今度見比べてみたいと思いました。
大らかそうな顔をしています。
ヘッド後方が大きく膨らんでいて、少しフックフェースに見えました。


クラウンにある、この突起のような物も、これまでのモデルと同じです。
この突起にも、大きな意味があるのだと思います。

かなりのシャローヘッドです。
これ以上はもうシャローにできないといえるほどの『超シャロー』です。
今はディープタイプよりもシャロータイプのほうが圧倒的に多いですが、このPINGはその最たるものといっていいのではないでしょうか?

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感がもてます。
シンプルなタイプのグリップです。

素振りをしてみた感じはまずまずでした。
コンパクトヘッドだと、もっとシャフトの動きに敏感になれるのですが、ここまでヘッドが大きいとヘッドの動きという視覚的効果も大きく感じました。
もし、これが白いヘッドだったら、もっと目立っていただろう・・・。と思いました。
シャフト自体はハードなタイプではなく、今のスタンダードといえるような気がします。
他にも色々なシャフトがラインアップされているそうですが、このシャフトが『純正』といえるでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じした。
ヘッドがかなり大きくて、どこに当ててもボールが飛んで行きそうです。
ヘッドが大きくボールが小さく見えるので、ピンポン球のように弾け飛ぶイメージが浮かんできました。
PINGのドライバーを構えていると、よく感じられることです。
クラウンの突起が目に入りますが、邪魔に感じることはありませんでした。
そして、改めて艶消しのブラックは落ち着いて構えることができるな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は好感がもてました。
予想していたよりもソフトでした。
打つ前はもう少ししっかりとした打感を予想していたのですが、違いました。
ただ、このソフトなフィーリングはPINGらしいな・・・。と思いました。
PINGのドライバーは大らかさが大きな特徴ですが、これまでもグッドフィーリングのドライバーはたくさんありました。
この打感の良さも『FORGED FACE』の効果でしょうか?

『音』は、はっきりしていますが、甲高くなく大きすぎないので、好感がもてます。
インパクトをしっかりと感じとることができましたし、緩んだり減速したりすることなく、気持ち良く振り切ることができました。

球はあがりやすいです。
タフな感じは全くなく、弾道も高めでした。
構えたときに浮かんできたイメージ通りの弾道でした。
浅重心のドライバーではなく、明らかに深重心のドライバーだと思いました。
ロフトが立っていても、球をしっかり浮かせてくれる易しさがありました。
色々と好みが分かれるとは思いますが、このような重心の深いドライバーのほうが、私たち日本人には合いやすいのではないでしょうか?
簡単そうに見えて実は難しそうなクラブと、逆に難しそうに見えて実は易しさ満点のクラブ。
どちらも見ためとのギャップがありますが、嬉しいギャップといえるのは後者のほうではないでしょうか?
このドライバーはそんな易しくてハードルの低いドライバーだと思いました。

『安定性』も、かなり高いです。
PINGのドライバーは元々、安定性が高くブレにくいイメージが強いので、この高い安定性は予想していましたが、その予想通りでした。
かなり大らかでイージーなドライバーです。
構えたときにイメージしたラインの幅に忠実に乗せてくれ、途中から方向性がブレることもありませんでした。
この安定性の高さは、実戦でも大きな武器になるのは間違いないと思いました。
高安定性ドライバーですが、顔が崩れていないのも魅力的でした。
安定性を高める為に敢えてフィーリング(構えやすさ)は無視して徹底的に『物理的性能』を追求したであろうドライバーにも、これまでたくさん出会ってきました。
それらは確かに曲がりにくいのだろうけど、好感がもてないな・・・。と思えるものが殆どでした。
クセが強すぎて、違和感のあるものが多くありました。
そういった点でも、このドライバーは好感がもてました。
物理的性能が高くても、決してフィーリングを邪魔しないのがいいです。
こういった細かいところも、PINGの得意分野だと思います。

飛距離性能も高く、好感がもてました。
弾き感があって、ボールの勢いが強いです。
『オートマ性』があるので、方向性を気にせず思いっきり振っていけるというところもあるのだと思います。
キャリーもしっかり稼いでいけるタイプです。
ハイレベルな飛距離性能ですが、これまでのモデル(G400)も優れているので、大きな違いはないのではないかな?と思うところもありました。
G400よりも大きく飛距離が伸びているとは、正直思いませんでした。

『操作性』という点では、難しい感じがしました。
明らかに大らかさが勝ってしまい、曲げるのが難しく感じました。
敏感に反応するタイプではありませんでした。
構えたときに曲げるイメージが出せなかったということもあるのですが、実際に曲げようとしても上手くいきませんでした。
フェースは少し被っているように見えていたのですが、実際には殆どストレートという弾道で飛んでいきました。
少々の左右のブレは、全てヘッドが吸収してしまっている感じでした。
見た目は比較的シンプルですが、見えないところ(ヘッド内部)に、色々な工夫がされているのではないでしょうか?
打ち出しの方向さえしっかりと出していくことができれば、あとはそのままボールは突き進んでいくので、大きなミスにはなりにくいですし、落下地点まで行ってボールを探すのも楽になるだろうな・・・。と思いました。
かなり直進性が高いので、真っ直ぐなホールだと最大限の力を発揮してくれそうです。
逆にドッグレッグホールでは、少し工夫が必要かな?と思いました。

今のドライバーの中でも最高レベルといえるほどの高い安定性があり、飛距離性能も優れているので、日本のメーカーではリョーマとイメージがダブるところがありました。
リョーマほど高価ではないので、コストパフォーマンスという点では、こちらのPINGのほうが高いといえるような気もします。
どちらもシャロータイプで重心の深い、日本人ゴルファーに合いやすい高性能なドライバーです。

前のモデルといっていいのか分かりませんが、G400のマイナーチェンジモデルといっていいと思います。
しかし、そのモデルチェンジがしっかりと形になっているな・・・。と思いました。
易しいモデルをさらに易しくしているという印象をもちました。

PINGは、プロはもちろん、競技志向のアマチュアゴルファーにも人気が高いですし、幅広い層に対応できていると思います。
易しく飛ばすということに長けているドライバーが多いです。

アイアンやウェッジではもっと丁寧にといいますか、繊細に狙っていきたいけど、ドライバーショットはある程度大らかさをもって、いい場所にアバウトに運んでいきたい・・・。という方も多いのではないでしょうか?
緊張するティショットを無難にやり過ごすことができれば、リズムに乗りやすくなりますが、それにはこのようなイージー系ドライバーが役に立つのではないかな?と思いました。

最初見たときは、このシャロー感・ラージサイズに驚くこともあったのですが、たくさん試打してきて、理に適っているな・・・。と思えるところもありますし、大きな支持を集めているのも分かるような気がします。
易しくて大きく飛ばしていけるという『分かりやすい』ドライバーです。
これだけ性格がはっきりしているところも、このドライバーの長所のように感じました。
『分かりやすい』というのも性能の一部といえるのではないでしょうか?
PINGのドライバーはプロモデルというイメージもあり、難しそうと敬遠しておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはないので、多くの方に試していただきたいと思いました。
2017年11月05日
ピン G400 クロスオーバー & ピン G400 ハイブリッド

今日は、この2本のPINGのクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 ハイブリッド の2番 と PING G400 クロスオーバー の3番 です。

<上> クロスオーバー N.S.PRO MODUS3 TOUR 105
<下> ハイブリッド ALTA J CB
<左>G400 クロスオーバー のスペック
ロフトは19度、クラブ長さは39.25インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は391g です。
<右>G400 ハイブリッド のスペック
ロフトは17度、クラブ長さは40.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は339g です。

どちらもハイブリッド(日本ではユーティリティという言い方が一般的)といえるクラブだと思いますが、今日は同時に借りることができたので、打ち比べてみることにしました。
両方とも以前試打していますし、違う番手でも試したことがあるのですが、こうして違うタイプを同時に試打する機会はそれほど多くないので、この幸運をありがたいと思いました。
このようなクラブ(ハイブリッド)は、ロフトの立ったクラブのほうが、真価が問われるような気がします。
ロフトの寝ている番手(22度など)ではあがりやすいものばかりですし、大きな特長はつかみづらいところもあります。
曖昧なところもあるような気がしますが、その曖昧さがまたいいのかもしれません。

どちらもネックの長さがしっかりとキープされています。
PINGのクラブはショートネックのイメージが強いですが、最近はそうでもない物を見かけるようになりました。
こうして見比べてみると、クロスオーバーのほうが少し長く見えました。

<左>クロスオーバー <右>ハイブリッド
顔は大きく違います。
『アイアン型』と『中間型』というようにタイプが異なるので、大きな違いなのは当然ではありますが、私は中間型であるハイブリッドのほうが、好感がもてました。
アイアン型のユーティリティは大好きなのですが、このようなタイプの顔であるのならば、最初から中間型のハイブリッドのほうがいいと思います。
クセのない、素直な顔をしています。

ハイブリッド

クロスオーバー
ボールを前にして構えてみても、違いは一目瞭然でした。
ハイブリッドのほうが構えやすいです。
クロスオーバーもアイアンのような感覚で構えることができるのですが、正直あまり好きになれませんでした。
私はアイアン型ユーティリティのいい物をいつも探しているのですが、このクロスオーバーにはあまり親近感がもてませんでした。
かといって、このクロスオーバーが良くないというのではありません。
あくまでも私がこのクラブに対してのいいところを見つけ出すことができなかったということにすぎません。
クロスオーバーのほうが好きだという方もたくさんいらっしゃると思います。
試打を開始しました。

『打感』はハイブリッドのほうが好きです。

『音』もハイブリッドのほうが、好感がもてます。

『球のあがりやすさ』という点でも、はっきりハイブリッドに軍配があがりました。
ロフトやシャフトなど主要スペックが大きく違うので単純な比較はできませんが、こうして打ち比べてみても、差がはっきりしていました。
ハイブリッドのほうが、ロフトが立っていることになりますが、重心深度やシャフトの性能などが大きく関係しているのかもしれません。

『安定性』もハイブリッドのほうが、好感がもてました。
どちらも『易しさ最優先』というタイプのクラブではありませんが、こうして打ち比べると、ハイブリッドのほうが、寛容さがあるように感じました。

『飛距離性能』もハイブリッドでした。
易しくキャリーが稼げます。
クロスオーバーのほうが、少しハードルが高いような気がします。

『操作性』という点でも、私はハイブリッドのほうがいい印象をもちました。
クロスオーバーが面長なタイプではなくもっと小振りでいい顔をしていたら、また違う結果になったような気もするのですが、この状態だと、ハイブリッドに軍配を挙げます。

こうして打ち比べてみると、ほぼ全てにおいて、ハイブリッドのほうが、好感がもてました。
アイアン型は設計自由度が高くないのだと、改めて感じました。
2017年08月29日
ピン G400 SF TEC ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 SF TEC ドライバー です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはSR です。

PING G400シリーズのドライバーです。
ようやく、三兄弟のドライバー全てを試打することができました。
これまで試打してきたドライバーはとてもいいので、このクラブにも期待感が高まりました。

シャロー系のドライバーです。
前に試打したモデルよりも、少しシャロー感が強くなっているような印象を受けました。

ソールにある、このウェイトが目立っていました。
このドライバーも、ウェイトが他の2つと微妙に違っていました。
重量配分などを変えてきているのでしょうか?

ネックは短めですが、見慣れた長さです。

ネックには調整機能が搭載されていました。
他のモデルと同じです。

試打するのは、この『O』の位置です。

シャロータイプのヘッドです。
フェース高が結構あるので、余計にシャローバックに見えます。

なかなかいい感じの顔でした。
フェースがちょっと左を向いているように見えたのですが、極端ではないですし、これまでも経験しているので、特に苦手意識はありませんでした。
ただ、構えたときに少しプレッシャーを感じるかな?というのはありました。
このフェースアングルが、このドライバーの一番の個性といっていいのかもしれません。

クラウンにある、この突起部分は、これまでのモデルと同じです。

ヘッド後方にある、この『ドット』のような模様も同じです。

フェース面の仕上げも同じでした。
指で触れてみたのですが、ザラザラ感がありました。

オリジナルグリップも同じでした。
ソフトなフィーリングで好感がもてます。

素振りをしてみても、特に不満はなく振っていくことができました。
全体的にソフトスペックに仕上がっていますが、頼りなさのようなものはありませんでした。

ボールを前にして構えてみると、『球のあがりやすさ』と『つかまりの良さ』をイメージしました。
ハイドロー系のドライバーだと思いました。
ヘッドがかなり大きく見えるので、ボールが小さく見えました。
しかし、このドライバーも他の2つ同様、460ccではないとの説明を受けました。
私は460ccだろうと思っていました。
このシャロー感がそうさせたのかもしれません。
ラージサイズのドライバーを好まれる方は、このヘッドの大きさに対して不安は感じにくいのではないでしょうか?
すごく大らかそうな感じがしました。
試打を開始しました。

『打感』は好感がもてました。
しっかりしているのですが、硬すぎることなく、手に嫌な衝撃が残ることもありませんでした。
つかまり感がありました。

『音』もはっきりしていて良いです。
高すぎることなく、しっかりと振り抜いていくことができました。

球はとてもあがりやすいです。
構えた時に感じていた通りの高弾道です。
かなりキャリーを稼いでいけるドライバーです。

『安定性』も高く、かなりイージーだと思いました。
『三兄弟』の中で、おそらくこのモデルが、一番安定性が高いのではないでしょうか?
それはスイートエリアの広さというよりも、『つかまりの良さ』にあるような気がします。
右にフケる球が一球も出ませんでした。
全て真っ直ぐよりも左へ向かう、つかまりの良い球が出ました。
これまでもたくさん出会ってきた『ハイドロー仕様』ドライバーといっていいと思います。

『飛距離性能』も優れていました。
三兄弟の中で、このモデルが一番好きだという方も多いのではないでしょうか?
弾きの良さ・あがりやすさに加え、つかまりの良さがとても優れていました。
今は『つかまえて飛ばす』というのがトレンドのような気がするのですが、このドライバーはまさにそんなタイプだと思いました。

『操作性』という点では、あまり秀でているタイプではないと思うのですが、何といいますか『小回りが利く』感じがしました。
大型ヘッドにありがちな、『緩いターン』ではなく、小気味よく回ってくる感じです。
大外から回ってくるのではなく、インからキュッとターンしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
こういうタイプは、これまでの大型ヘッドではあまり見られなかったような気もします。
この小回りが利くところがいいな・・・。と思いました。

スライス系よりは、圧倒的にフック系が打ちやすいドライバーです。
私がフッカーということもあるとは思いますが、もしフェードヒッターだとしても、このドライバーの球のつかまりやすさは強く感じていたと思います。
このつかまりの良さは、多くのゴルファーに支持されるのではないでしょうか?

安定性は高いけど、左右どちらにも散らばってしまう・・・。
少しつかまえに行ったつもりがつかまりきらずに右にプッシュしてしまった・・・。ということは、多くのゴルファーが経験していることだと思いますが、このドライバーではそれが極端に少なくなっていくのではないでしょうか?
『一方通行』といえるほどのはっきりとした性格をもっているので、球筋を安定させやすいと思います。
右に行かない(正確には行きづらい)という安心感から、よりアグレッシブなゴルフが展開できるのではないでしょうか?

三兄弟のドライバーを試打してみて、それぞれの特徴がはっきりしているのはとてもいいことだと思いました。
この3本で、多くのゴルファーをカバーしているのではないかな?と思いました。

人それぞれ好みが分かれるとは思いますが、私は最初に試打したLSTドライバーが一番親近感をもちました。
オリジナルもいいですが、違うシャフトでも試してみたいと思っています。

ここ数年のPINGドライバーの充実振りは目を見張る物がありますが、今年のモデルもハイレベルに仕上がっているな・・・。と思いました。
2017年08月26日
ピン G400 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは14.5度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は318g です。

ピンG400シリーズのFWです。
これまで、ドライバーやハイブリッド・アイアンを試打してきましたが、今日はフェアウェイウッドを試打する機会に恵まれました。
ドライバーやハイブリッドとのデザインの共通性が保たれていて好感がもてます。
ここ数年、PINGはドライバーの充実ぶりが目立ちますが、FWも優れた物があります。
好感のもてるものはいくつかありますが、その中でもi25というFWはとても印象に残っています。
試打していて、その球のあがりやすさといいますか、弾道の高さと飛距離性能の高さは素晴らしいと思いました。
PINGのFWの中で、一番好きです。
購入したいと思っていたのですが、お金が貯まる前に廃番になってしまったので、非常に残念です。
私は中古ショップには殆ど行ったことが無いのですが、今度中古ショップに行って探してみようかと思うくらい気に入っています。
名器といっていいクラブです。

全体的にシャローな感じのFWです。
これまでのPINGのFWと共通する部分です。
ゴチャゴチャしたところはなく、むしろシンプルなデザインですが、おそらくかなりの技術や工夫が、このクラブにも注ぎ込まれているのだと思います。
ドライバーやハイブリッドで、それを実感しています。

ソールにはウェイトがひとつだけ配置されていました。
ドライバーやハイブリッドと共通しています。

ヒール側には『MARAGING STEEL』の文字があったので、マレージング鋼が使われているのが分かりました。
先日試打したハイブリッドと同じです。
ハイブリッドと同じような設計になっているのでしょうか?

ネックの長さは適度にありました。
ショートという感じはしません。
先日試打したハイブリッドよりは、少し短く見えます。

ソールが、かなり平らに近い感じがしました。
これもハイブリッドと同じ特徴です。
かなり共通点が多そうです。

ネックには調整機能が搭載されていました。
ハイブリッドには無かったのですが、ドライバーにはありました。
ドライバーとフェアウェイウッドには調整機能をつけるけど、ハイブリッドには不必要というメーカーの考えがあるのでしょうか?

試打するのは、この『O』のポジションです。

かなりのシャローヘッドです。
PINGのFWらしい特徴です。
スプーンで、これだけの薄さは昔では考えられなかったですが、今はポピュラーになりました。
ディープなタイプを探すほうが難しいと思います。
スプーンの直打ちは、多くのゴルファーにとって『試練のひとつ』のようなところが昔はありましたが、今は簡単なクラブが多くなりました。
それだけメーカーの研究が進み、FWの重要性が認識されているのだと思いますし、FWやUTがスコアの鍵を握っているといえるのだと思います。

PINGらしい三角形に近い顔で、大らかそうな雰囲気がありました。
大顔という感じはしませんが、易しそうな感じが見ていて伝わってきます。
この艶消しなところもすごくいいです。

クラウンにある、この突起も目立っていました。
ハイブリッド同様、ドライバーと比べるとシンプルではありますが、これはやはりヘッドの大きさによるところが大きいのかもしれません。

フェース面を指で触ってみたのですが、ザラザラした感じはなく、むしろ『スベスベ』といいますか、『つるつる』に近い感じでした。
ドライバーはザラザラした感じがあったので、FWはどうかな?と思っていましたが、全く違う触感でした。
ドライバーとFWとの違いによって、あえてこのようにしているのかな?それともチタンとマレージングという素材の違いによるものなのかな?と思いました。

このオリジナルグリップは、ソフトなフィーリングで、好感がもてます。
これまでも出会ってきたグリップです。
調整機能付きだからでしょうか?
ドライバーと同じく、バックラインはありませんでした。
シャフトが回ってしまうからだと思います。
今はバックライン有りを好まれる方のほうが多いと思うので、そういう方は調整するかしないかを決断し、するのであれば、調整した後にもう変えないということを決めて、バックライン有りのグリップに交換するのがいいように思います。
私は普段からバックライン無しをずっと使っているので、全く気になりませんでした。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
タイミングもすぐに合いました。
FWにしては少し軽量ではありますが、特に頼りない感じはしませんでした。

ボールを前にして構えてみると、好感がもてました。
いい顔をしているので、方向性に対する不安がありませんでした。
シャロー感もあるので、球もあがりやすそうです。
こうして構えていると、このクラブがスプーンだということを忘れてしまいそうです。
今始まったことではありませんが、今のFWは構えたときに番手感覚が曖昧になってしまいそうになることがあります。
昔のパーシモンやメタルでは、番手によって顔がはっきりと分かれていましたが、今の高性能化に伴い、こういったところが変わってきたように思います。
それだけ、今は昔では考えられないほど性能や機能性がアップしているのだと思います。
アイアンの『スタンディングロフト化』に伴い、FWも番手の区切りといいますか、境界線のようなものも曖昧になっているのかもしれません。
このFWはとても構えやすいですが、いい意味で、こちらにあまり情報を与えていない感じがしました。
何も考えず、このままスッと構えて振り抜けばいいように感じました。
それが、このクラブの私に対するメッセージのような気がしました。
まずは、このクラブに全て任せる感じで振っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
少しこもったところもあったのですが、大きな不満はありませんでした。
感情の抑揚を抑えた・・・。といいますか、起伏の無い感覚で打っていきました。

『音』は、はっきりしているのですが、邪魔に感じることなく、いい感じでした。
インパクトが緩まず、最後までしっかりと振り切ることができました。

『球のあがりやすさ』という点では、普通だと思いました。
ロフト(14.5度)もあると思いますが、少しタフな感じもしました。
FWはハイブリッドやアイアンと同じように、ティアップせずに直打ちで試打するようにしているのですが、すごくあがりやすくて高弾道というよりは、しっかりしている印象をもちました。
もちろん、あがりづらくてとてもハードルが高いという感じではなく、むしろ普通といえるのですが、今はあがりやすい3Wがたくさんありますし、このヘッドのシャローさからすれば少し意外でした。
いわゆる『当てさえすれば自然にあがる』というタイプではなく、しっかりととらえていかないとあがりきらないですし、ある程度のHSも要求されると思います。
どちらかといえば、ヒッター向けといえるかもしれません。
ただ、今回は3Wを試打したので、違う番手だと印象も大きく変わってくると思います。
このクラブで4Wや5Wがあるのであれば、そちらはもっと易しいのではないかな?と思いました。
最初はマットの上から直打ちで試してみたのですが、その後ティアップして打ってみました。
球は充分過ぎるほどあがって飛んでいきました。

『安定性』は高いです。
シビアさは感じません。
大らかなタイプのFWです。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
安定していると思いました。
弾道も力強いですし、パワフルな感じでした。
最近のFWはドライバーと同じように弾きのいい物が多いですが、このFWも同じようなタイプでした。
今は低スピン性能タイプのFWもありますが、このクラブは低スピンという感じはしませんでした。
普通のスピン性能で、昔のFWよりは低スピン性能が優れていると思いました。

『操作性』という点では、まずまずでした。
左右に曲げるのは難しくないですが、大きな曲がりはあまり期待できない感じがしました。
ただ、今は大きく曲げるよりは、できるだけ真っ直ぐに近い感じで飛ばしていきたい・・・。というのが多くのゴルファーの願うところだと思うので、そういった意味ではニーズにマッチしているように思います。
左右どちらかにクセがあるタイプではなく、ニュートラルタイプでした。

易しすぎない『適度な易しさ』があって、弾きの強いFWというのが、このクラブに対しての印象です。
安定性も優れていますし、バランスがいいです。

ドライバーやハイブリッドとの流れも良さそうで、セットで使ってみたいな・・・。と思いました。
価格的にも、それほど高価なタイプではないので、コストパフォーマンスは高いと思います。
性能的にも価格的にも親しみやすさを感じます。

昔のPINGのドライバーやFWは多少気難しいといいますか、シビアなタイプが多かったのですが、今は真逆で大らかなタイプが殆どです。
このクラブも大らかさを充分に感じることができました。

ちょっと前までの大らかなタイプのクラブは、大きなクセがあったり、フィーリングが良くなかったりする物もありましたが、このクラブにはそういうマイナスは感じませんでした。
物理的な性能とフィーリング性能のバランスがとれているように感じました。

コースでも試してみたい、好感のもてるFWなので、次は違う番手でも試してみたいと思いました。
2017年08月20日
ピン G400 ハイブリッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブはPING G400 ハイブリッド の2番 です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは17度、クラブ長さは40.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は339g です。

PING G400シリーズのハイブリッドです。
G400シリーズはドライバーを試打していて、とてもいい印象があるので、このクラブにも期待できそうだと思いました。

少しシャローな感じのハイブリッドです。
それよりも、ソールが平らに近い形状で、そこに目が行きました。
最近は丸みを帯びているものが多いので、このように平らなタイプは珍しいような気がします。
これにもPINGの緻密な計算があるのだと思います。
ウッド系のクラブを好まれる方は、この平らに近いソール形状に好感を持たれる方も多いのではないでしょうか?
接地面積の少なさで滑らせていくのではなく、ソール全体でまんべんなく滑ってくれそうな印象があります。

ソールにはひとつだけウェイトがありました。
よく目立っていました。
専用の工具を使えば取り外しは簡単そうですが、数字が刻印されていなかったので、何gなのか分かりませんでした。
ウェイトを交換するタイプではないのかもしれません。

『MARAGING STEEL』という文字があったので、マレージング鋼が使われているのが分かりました。
最近は少しずつ増えてきたように思います。
今のドライバーは、チタンがほぼ100%といっていいと思いますが、UTやFWなどもっと小さいヘッドになると、今でもいろいろな素材が使われているようです。
チタンは強度が高いので、ヘッドを大きくしても薄くすることができ、軽量化できるのが大きなメリットだと思いますが、UTやFWはそれほど大きさが求められていないので、チタンにする必要性はないのかもしれません。

ネックの長さはたっぷりありました。
珍しいです。
今のハイブリッドの中でも確実にロングですし、ショートネックのイメージが強いPINGから、このようなクラブがでるのが少し意外でした。
しかしロングネックは嫌いではなく、むしろ好きですし、これまでもいいクラブが多かったので、期待感が大きくなりました。
こうして見ているだけだと、PINGのクラブだと分からないな・・・。と思いました。
ネックに調整機能は搭載されていませんでした。
ドライバーにはあったのですが、ハイブリッドには必要ないということなのかもしれません。
テーラーメイドなどはドライバーに限らず、FWやUTにも調整機能が搭載されていますが、こういったところはメーカーの考え方の違いなのかもしれません。
調整機能を必要とされている方には、物足りないところかもしれませんが、私はシンプルでいいな・・・。と思いました。

セミシャローバックタイプといっていいでしょうか?
最近はディープ系も多くなりましたが、この形もよく見かけます。
ドライバーの流れに沿っているような形状です。

とてもいい顔をしていました。
最近はオフセットが強く利いていてアゴがでているUTが多いように思うのですが、このクラブは違いました。
昔ながらのオーソドックスな顔です。
ヘッドも小振りで、いい感じです。
この顔も、これまでのPINGのイメージとはちょっと違うように見えたのですが、いい感じで変わってきているので好感がもてました。
艶消しなのもいいです。
これなら天候に左右されず落ち着いて構えることができそうです。

クラウンの突起もありました。
先日試打したドライバーと比べるとシンプルです。
ヘッドの大きさによって変えているのでしょうか?
この突起があることによって、どれだけいい結果が得られるのか、はっきりとした数値で知りたいな・・・。と思いました。

フェース面のスコアラインはきちんと『溝』になっていて、凹凸がありました。
最近はフラットな物も多いですが、このクラブは違いました。

装着されているグリップはベルベットタイプで、とても良いです。
この独特のしっとり感がたまりません。
他のグリップと比べても比較的安価で、量販店などでも購入しやすいのもいいです。
量販店で、このグリップを置いていない店はおそらく無いと思います。
それくらい、ポピュラーなグリップです。
グリップは消耗品なので、常に交換のことを考えておかなくてはなりません。

素振りをしてみても、なかなかいい感じでした。
ハードなタイプではありませんが、タイミングも取りやすく、頼りない感じはしませんでした。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
奇をてらったところが全く無く、オーソドックスでした。
独特の『静寂感』といったらいいでしょうか?
すごく落ち着いて構えることができました。
そこに邪念は無く、集中して構えることができました。
クセの無い、いい顔をしているということもありますし、適度な大きさというのもすごくポイントが高いです。
ボールとの大きさの対比も良くて、バランスが取れていました。
大味な感じは全くありませんでした。
最近のハイブリッド(UT)の中では小顔なほうだと思います。
少しボールが大きく見えたのでイメージが、より鮮明に浮かんできました。
球は適度にあがってくれそうですが、左へ引っかけそうな感じがしなかったのも好感がもてました。
クラウンの突起も、全くといっていいほど気になりませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
すごくソフトという感じではないのですが、どっしりというよりは、ややライトなフィーリングでした。
球の抵抗感をあまり感じませんでした。
弾き感がありました。

『音』は小気味いい金属音でした。
高すぎず大きすぎず好感のもてる音です。
金属系クラブの見本となるような、いい音だと思いました。
フィニッシュまで気持ち良く振り切ることができました。

球のあがりやすさも、いい感じでした。
見た目シュッとしていてカッコいいので、難しそうと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に打ってみると見た目の印象以上にあがりやすいクラブだと思いました。
ソールにある大きなウェイトがよく効いているのかもしれません。
タフな印象はありませんでした。
このハイブリッドはロフトが17度ということで、FWでいえば今はバフィ(4W)が殆どないので、クリーク(5W)に相当するでしょうか?
私は昔からバフィは16度、クリークは18度というイメージをもっているのですが、このクラブはクリークに近い印象をもちました。
クリークのあがりやすさを、そのままこのクラブで体感できました。
高弾道でしっかりとキャリーを出して運んでいけるクラブです。
FWよりもUTが得意な方には、とても魅力的な性能をもったクラブといっていいように思います。
ただ、普段からクリーク(5W)を愛用しておられる方の中には、少しあがりづらく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
使い慣れているクリークのほうがあがりやすいかもしれません。
今のあがりやすい5Wと比べると、少しタフに感じられるかもしれません。
アイアンならば2番になると思います。
さすがに今は2番アイアンを見かけるのは難しいと思うので、アイアンを多く使っておられる方にとって魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?
2番アイアンよりは、はるかにあがりやすくて易しいクラブなのは間違いありません。
ロングアイアンの代わりにUTを使いたい・・・。という方には、とても親しみやすいクラブといえるのではないでしょうか?
今回試打したのはロフトが立ったモデルですが、当然ながら違う番手のクラブもあると思いますし、そういったクラブではもっと親しみやすさが増すと思います。
17~18度くらいはFWを考えておられる方も多いと思いますが、意外とこれくらいのロフトのUTも掘り出し物がたくさんあるように思います。
タフさ全開のクラブではありませんが、ヒッター向けのクラブであることは間違いないと思います。

『安定性』は、なかなかいい感じでした。
小振りでいい顔をしていますが、気難しさのようなものはありませんでした。
むしろ穏やかといいますか、大らかな性格をしているな・・・。と思いました。
絶対に曲がらない、曲げるのが難しいというクラブではありませんが、普通に振り抜いていく限り、大きなミスにはつながりにくい印象をもちました。
クセの無い顔をしているからなのか、球を拾うタイミングも揃いやすく、安定しているな・・・。と思いました。
シビアさは全く感じず、直進性も高さを感じました。
この大きさのハイブリッドの中では、かなり安定性に長けていると思います。

『飛距離性能』も優れていました。
弾きが良くて初速が速く、弾道の高さが印象に残りました。
ゴチャゴチャした感じはなく、むしろシンプルな感じがしますが、見えないところにも飛ばす為の工夫がたくさんされているのではないでしょうか?
この飛びを見て、先ほど見た『MARAGING STEEL』のことを思い出しました。
マレージング鋼を使っているのも、この飛距離性能につながっているのかもしれません。
最近のウッド系クラブはフェース面に色々な工夫がされている物が多く、おそらくこのクラブもそうだと思いますが、それ以外の部分でもマレージング鋼が活きているのかな?と思いました。
もしそうだとしたら、これからは再びマレージング鋼が脚光を浴びることもあるかもしれません。
もう既に浴びているのかもしれませんが・・・。
飛距離性能は優れていますが、飛ぶときはよく飛ぶけどミスしたら大きく距離をロスするという『一発の飛びタイプ』ではなく、安定して飛ばしていける『安定型』だと思いました。
反発エリアの広さがそうさせているのかもしれません。

『操作性』は普通でした。
顔がいいので色々と細工をしてみたくなりましたし、実際に左右に曲げるのも難しくはなかったのですが、できればあまり細工をせずに自然に振り抜いていきたい感じがしました。
適度な小顔ということもありますし、私がフッカーということもあると思いますが、『スライス』『フック』でいえば、私の場合はフックのほうが自然な感じがしました。

PINGの今年のニューモデルG400は、ドライバーの印象がとても強いですが、このハイブリッドもいいクラブだな・・・。と思いました。
ドライバーとの流れもいいので、セットで使っていけそうです。
海外メーカーで、ハイブリッド(UT)がいいメーカーといえば、やはりタイトリスト・キャロウェイ・テーラーメイドの『御三家』が真っ先に浮かびますが、そこにピンも加わってきて『四天王』といいかもしれません。

かなりのハイテククラブだと思いましたが、そこに嫌味といいますか、変なクセのようなものが無かったところにも好感がもてました。
すぐにでも実戦投入できそうな感じがしました。

顔が良くてカッコいいクラブですが、尖った性格ではなく、むしろ穏やかで丸い性格をもったクラブだと思いました。
性能的にも、どこか一カ所だけ優れているのではなく、バランス良く高性能なところもいいです。

この番手(2番)でいい印象をもったので、次は違う番手でも試打してみたいと思いました。
私は今、ハイブリッドを買い替える予定は無いのですが、もし購入するなら、このクラブも候補に入れたいと考えています。

今のPINGの充実振りが伺える、秀作ハイブリッドです。
2017年08月17日
ピン G400 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 ドライバー です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は305g です。

ピンG400シリーズのドライバーです。
先日G400 LST というドライバーを試打したのですが、このドライバーはシンプルにG400という名前だけです。
おそらく、このモデルがメインといいますか、スタンダードなタイプなのだと思います。

シャロー感があって、大きく見えますが、黒という色がよく効いていて、シブさがあります。
色々な工夫は見られますが、比較的シンプルでまとまっています。
機能性ドライバーにありがちな、ゴチャゴチャした感じはありませんでした。

ソールにはウェイトがありました。
これはLSTと同じですが、それぞれの位置が逆になっていました。
どういう意味があるのでしょうか?
重心深度などが変わっているのかもしれません。

ネックは短めですが、PINGらしい長さといっていいのかもしれません。
最近のPINGのドライバーは、これくらいの長さでずっときているような気がします。

ネックには調整機能が搭載されていました。

試打するのは、この『0』のポジションです。

顔はいい感じでした。
先日試打したLSTの顔は好感を持っていたので、このドライバーにも期待していましたが、期待通りでした。
ヘッドは大きく見えましたが、艶消しのブラックということもあったのか、少しキュッと締まっているように見えました。
店員さんから、このドライバーは460ccよりも少し小さいんですよ・・・。と説明を受けました。
LSTは確かに小さく見えましたが、このドライバーは460ccくらいに見えました。
シャロー感があったからかもしれません。
今は460ccのヘッドが圧倒的に多く、間違いなく主流といっていいと思います。
日本のメーカーでは小振りなドライバーを発売することもありますが、海外のメーカーでは全くといっていいほど見られません。
460ccが当たり前といいますか、『460ccありき』で設計がされているように感じます。
460ccは『ルール上の最大値』であって、必ずしも『誰にでも合う最適な大きさ』とはいえないと思っています。
ルール上は上限10ccまで許容範囲が決められているので、460ccよりも大きいヘッドが普通に出回っているということも以前訊いたことがあります。
ドライバーが大きくなって易しくなったと感じておられる方は多いと思いますが、アイアンやウェッジなどと比べると、大きすぎるような気もします。
地面の上から直に打つクラブのアイアンやウェッジ、またはFWやUTもヘッドが大きくなりすぎてしまうと逆に難しさがでてしまいます。
これだけクラブが大きくなったのだから、それに合うようにボールも大きくなれば・・・。ということになりますが、ボールはクラブ以上に厳しいルールが決められていて、大きさの上限も決まっています。
クラブばかりが大きくなってきているのが現状といえるのかもしれません。
ドライバーだけが大きくて、あとのクラブがノーマルサイズで、ドライバーを難しく感じてしまい、使う頻度が少なくなってしまった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
とはいっても、今は『460cc』が殆どなので、私たちラストユーザーにはあまり選択の余地がありません。
今ある道具の中で使っていくしかありません。
そういったことを考えると、このドライバーには好感がもてました。
PINGがどのような設計意図をもっているのか分かりませんが、このような大きさにしてくれているのはとてもいいと思いました。
必ずしも大きければ大きいほどいいというわけではないと思います。
先ほども書きましたが、460ccはあくまでも『ルール上の上限』であって、必ずしもベストな大きさ(体積)ではないと思いますし、その人に合った大きさというものがあるように思います。
ヘッドが大きくなりすぎて、逆にドライバーが難しくなった・・・。と感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ヘッドを大きくすればシャフトも長くしたくなりますが、クラブの長さも上限が決まっているので、これ以上大きくする必要もないのかもしれません。
先日試打したLSTや、このドライバーに出会い、『PING=460cc』という構図は崩れそうです。
小顔タイプは難しそう・・・。と敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、このドライバーはそれほど小ささが強調されているタイプではないので、普通の460ccと同じように感じられるのではないでしょうか?
小さくて不安にさせる要素は無いと思います。

クラウンには独特の突起物がありました。
これはLSTと同じです。
これにもし色が付いていたら邪魔に感じたと思うのですが、同じ色ですし、艶消しになっているので、あまり気にならないのがいいです。

バックフェース寄りにも、独特のドットのような模様がありました。
LSTと同じです。

シャロータイプのヘッドです。
昔のPINGのドライバーはディープな印象が強かったですが、今はもうこのタイプがすっかり定着しています。
低重心を感じさせますし、重心の深さもありそうです。

フェース面の仕上げもいい感じです。
指で触れてみたのですがLST同様、ザラザラしていました。
『粗仕上げ』な感じです。
ボールをしっかりつかまえてくれそうですし、インパクトのときに結構摩擦力も発生するのではないかな?と思いました。
これまでも同じようなフェース面のドライバーにいくつか出会ってきましたが、それらに共通しているのは、『飛びに長けている』ということです。
かなり仕事をしてくれそうなフェース面です。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで好感がもてました。
LSTと同じグリップです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
つい先日経験しているので、その感覚のまま振っていけばいいのだと思いました。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
変なクセは見られませんでした。
ロフトが10.5度ということもあるのだと思いますが、フェース面が上を向いているのがよく分かりました。
おそらく『リアル』だと、もっと寝ているだろう・・・。と思いました。
こうして構えてみても、やはり普通の『460cc』くらいに見えました。
小振りな感じはしませんでした。
ヘッド後方の膨らみが大きく見えたからなのかもしれません。
球もあがりやすそうですし、方向性への不安もありませんでした。
大らかそうなドライバーだな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
しっかりとした手応えがありました。
ボールの重さを感じることができました。

『音』も良いです。
はっきりとした金属音です。
何といったらいいでしょうか?
『スイングを良くしてくれる音』といったらいいでしょうか?
伸び伸びと振っていくことができました。
はっきりしていますが、心地いい音でした。
これまで、インパクトが緩んでしまったり、スイングが萎縮してしまったりする音を発するドライバーに出会ったこともありましたが、この音は違いました。
飛ばす為のクラブであるドライバーは、やはり伸び伸びと振らせてくれる音でないといけないな・・・。と思いました。
このドライバーの音は好感がもてました。

球はあがりやすいです。
すごくイージーな感じがしました。
艶消しのブラックがシブくてカッコいいですが、タフなドライバーではないと思いました。
構えたときにフェース面がよく見えていたので、球はあがりやすそうだな・・・。と思っていたのですが、その予想通りのあがりやすさでした。
先日試打したLSTよりは、こちらのほうが明らかにあがりやすい印象をもちました。
LSTのロフトは10度で、このドライバーは10.5度なので、わずか『0.5度』の違いではありますが、かなり違うと思いました。
違うメーカーで、10.5度のタフなドライバーもありましたが、このドライバーはそんなタイプではなく、受け皿の大きい親しみやすさのあるドライバーだと思いました。

『安定性』も高いです。
スイートエリアも広めで、かなり弾く感じが強いです。
その弾くエリアも広く感じました。
少しトゥ寄りにヒットして、コスってしまったかな?と思うこともあったのですが、意外なほど球の伸びが良く、方向性も保たれていました。
大らかなタイプのドライバーだと思いました。
こういうタイプのドライバーは、PINGの得意とするところだと思います。
シビアさは全く感じませんでした。

『飛距離性能』も優れています。
易しさのあるドライバーですが、そこに『頼りなさ』のようなものは感じませんでした。
高めで力強く、『熱い感じ』の弾道でした。
これまではイージーだけど弾道が弱い感じで、物足りなさを感じたことはたくさんありましたが、このドライバーは違いました。
易しさと力強さのバランスが取れているように感じました。
調整機能は一応付いていますし、ウェイトもありますが、それ以外は結構シンプルな感じのするドライバーです。
それでいて、この飛距離性能があるということは、見えないところにかなりの工夫がされているのだと思います。
ただ、私にはちょっと上がりすぎる感じがしましたし、先日試打したLSTの印象が強烈に残っているので、私にはLSTのほうが合いやすいのではないかな?と思うところはありました。
今度機会があれば、打ち比べてみたいと思います。

『操作性』という点では、オートマチック性を感じたのですが、一応左右に曲げることもできました。
ただ大きく曲げるのは難しく感じたので、小さい曲がり幅で勝負していくタイプのドライバーだと思いました。
できるだけ真っ直ぐに近いイメージをもって打っていくのもいいのではないかな?と思いました。
左右どちらかでいえば、私は少し左のほうが易しく感じました。
球のつかまりはいいように感じました。
それは、今のドライバーの多くに共通しているところです。

『易しさ』と『飛び』に長けているドライバーです。
易しいですが、ただ易しいだけでなく、力強さがありポテンシャルの高さを感じました。
上級者の方はもちろんですし、まだキャリアは浅くて球が少し散らばってしまうけど、体力には自信がある・・・。という方にも試していただきたいと思いました。
力強いスイングを支えてくれる『懐の深さ』のようなものを感じましたし、この力強い飛びは実戦でも多いに役立つのではないでしょうか?

先日試打したLSTと見た目はとてもよく似ているように感じていたのですが、実際に打ってみると、結構違う感じがしました。
どちらも弾きが強くて力強い弾道ですが、LSTのほうが、よりしっかりしている感じがして、効率よく飛ばしていける感じがしました。
弾道の好みも分かれると思います。

LSTは普段一桁ロフトを使っておられる方でも、まずは10度を試していただきたいと思いましたが、このG400はそのままでいいと思いました。
球がちょっと上がりすぎるかな?という方もいらっしゃるかもしれません。

構えたときに方向性への不安が無いですし、実際に大らかさをもったドライバーなので、方向性を気にせず気持ち良く振っていけるのもいいです。
こういった特長は、これまでのPINGドライバーに共通したところです。
易しいだけのドライバーではなく、そこには大きな理由があり高い性能をもったドライバーです。
ドライバーにはまず易しさを求めていたけれど、やっぱり飛距離も譲りたくないな・・・。という方もいらっしゃると思います。
そんな方にも試していただきたいと思いました。

今のPINGの充実振りが伺える、秀作ドライバーです。
このドライバーが出現してその性能を体感し、『PINGデビュー』される方も多いのではないでしょうか?
昔のPINGのドライバーはタフな物も多く、必ずしも日本人に合っていないようなところもありましたが、ここ数年は日本人にすごくフィットしたドライバーが増えてきたように思います。
このドライバーもそんなタイプのドライバーだと思いました。
とても気に入ったので、また何度でも試打したいと思いました。
2017年08月14日
ピン G400 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS です。

ピンG400シリーズのニューアイアンです。
これまで、ドライバーとアイアン型ユーティリティを試打してきましたが、今日はアイアンを試打することができました。

大型でポケットのあるアイアンです。
ピンのアイアンといえば、このようなタイプを真っ先に連想するのですが、ニューモデルでも変わりませんでした。
デザインは多少変わっているものの、これまでのモデルとあまり変わらないように見えました。

彫りの深さもたっぷりあります。
フルキャビティ+ポケットタイプの、易しさ重視のアイアンのようです。
ナチュラルタイプとは正反対で、たくさんの手が加えられた、高い機能性を持ち合わせたアイアンといっていいように思います。
今はこういうタイプが多くなりました。
シンプルなキャビティアイアンは少なくなったような気がします。
マッスルバックが主流の頃は、ハーフキャビティにも易しさを感じていたものですが、今はそれではまた足りないのかもしれません。
易しさへの追求は尽きないような気もしますが、これ以上易しくするのが至難の業ではないかな?と思います。
それくらい、今のアイアンにはたくさんの工夫がされています。

バックフェースにある、この黒くて丸いものは、インパクト時の衝撃を緩和させるものでしょうか?
よく目立っています。
ウェイトのような物が組み込まれているのが分かりました。
これまで出会ってきたピンのアイアンに見られる特徴です。

トップラインは厚めでしたが、微妙に丸みがあって、どこかまろやかな雰囲気がありました。
独特の艶消し感もあって、いい感じです。

ソール幅はワイドでしたが、極端ではありませんでした。
トップライン同様、いい感じの丸みがあって、雑な感じはしませんでした。

特に、トレーリングエッジが大きく丸みを帯びているのが目立ちました。
これまでのピンのアイアンでは珍しいような気がします。
こういった部分には、あまり手が加えられなかったモデルが多かったように思います。
これも、他のメーカーとの兼ね合いといいますか、時代の流れのようなものがあるのかもしれません。

ネックの長さは普通でした。
昔のピンのアイアンと比べると、ちょっと長い感じもするのですが、他のメーカーも含め、今では主流といっていい長さだと思います。

このネックの凹みもお馴染みです。
ピンのアイアン型クラブには必ずといっていいほど見られる工夫です。
強度など色々な問題が出てくると思いますが、いずれドライバーやFWなどウッド系のクラブに採用されることもあるのかな?と思いました。

フェース面にミーリングはありませんでした。
見慣れた感じの『スタンプ式』フェース面です。
『削る』というタイプではありませんでしたが、これが普通ともいえます。
製造にはあまり手間をかけていないように見えます。
このフェース面はちょっと大味な感じがしました。
特に工夫のようなものは見られませんでした。
フェース面はボールとの唯一の接点なので、色々な工夫があってもいいのではないかな?と思うのですが、他のメーカーでもあまり見られないということは、それほど効果が期待できないのかな?と思いました。
それよりも、フェース面はルールで厳しく制限されていてデリケートな部分なので、工夫しづらいところもあるのかもしれません。

オリジナルグリップはベルベットタイプで好感がもてました。
微妙なフィーリングが要求されるアイアンやウェッジには最適なグリップだと思います。

素振りをしてみると、いい感じでした。
タイミングも取りやすいです。
しっかりと振っていくことができました。

ボールを前にして構えてみると、ちょっと個性的ではあるのですが、クセはそれほど強くないです。
まずまずの構え感でした。
ラージサイズでグースの利きも強いですが、これまでのモデルよりは親しみやすい感じがしました。
私の好むタイプではないのですが、強い苦手意識は芽生えませんでした。
注意するのはグースタイプなのでダフったり、逆にトップしたりしないようにすることでした。
あまりグースを気にしすぎないように心がけました。
『フォーカスをずらす』といいますか、少し焦点をぼかして、気持ちを入れすぎないようにしました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
アイアンの打感は大きく分けて『集中型』と『分散型』の2つがあると思うのですが、このアイアンは分散型でした。
マッスルバックやハーフキャビティなどは集中型で、芯は小さいかもしれないですが、その芯で捉えたときのフィーリングの良さや球の強さは格別なものがあります。
逆に分散型は集中型のようなフィーリングや球の強さはありませんが、大らかさがあり、いい意味で『曖昧』に打っていけるように思います。
曖昧さは武器にもなりますが、それがあまりに強すぎたり、それに慣れすぎてしまうとプレイヤーのもつ感性にも影響を及ぼしてしまうような気もします。
このアイアンは分散型ではあるのですが、これまでのように大味で伝わってくるものが少ない・・・。という感じではありませんでした。
マイルドで、『コツコツ』した感触が伝わってきました。
打つ前はあまり期待していなかったので、このフィーリングはちょっと意外でした。
バックフェースの黒いパーツがよく効いているのかもしれません。

球はとてもあがりやすいです。
これは予想通りでした。
幅広い層に対応しやすい、オールマイティなタイプだと思いました。
ワイドソールタイプの利点といえるでしょうか?
ノーマル幅のアイアンでは普通に上からとらえたくなりますが、このようなワイドソールだと上手く滑ってくれるので、その滑りを利用していけるのがいいように思います。
昔からダフりは大きなミスのひとつで、弾道や球筋に大きな影響を及ぼしますが、そのミスがミスになりにくいような印象をもちました。
今はソール幅だけでなく、そのソール形状が、かなり研究されていると思います。

『安定性』は高く、かなり寛容な感じがします。
スイートエリアといいますか、『球を弾く部分』は大きいように思います。
シビアな感じは全くなく、大らかで易しさを充分感じました。

『飛距離性能』も高く、今風の『飛びアイアン』です。
球がフェースにしっかり乗るというよりは、『バン』と小気味よく弾いて飛んでいく感じです。
飛ばす為の工夫が色々されているようです。
アイアンに寛容さと飛距離を求めておられる方には、魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、あまり優れていないように感じました。
どうしても大らかさが勝ってしまう感じで、敏感に反応してくれませんでした。
ヒール寄りに打ってもいい感じでしたが、少しトゥ寄りにずらしても、球筋が大きく変わることはありませんでした。
見た目通りのオートマチック系アイアンです。

ピンのアイアンらしい特徴が充分ありましたが、これまで出会った同じようなタイプのモデルよりも構えやすさと打感が向上しているように感じましたし、それが一番強く印象に残りました。

かなり距離が稼げるので、時代のニーズにも合っているように思います。

ピンのたくさんのアイデアと工夫が組み込まれたハイテクタイプのアイアンです。
2017年08月08日
ピン G400 LST ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 LST ドライバー です。

シャフトは ALTA J CB です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は307g です。

PING Gシリーズのニュードライバーです。
前のモデルは30でしたが、今回は400です。
数字にはどのような意味が込められているのかな?と思いましたが、あまり気にしないようにしました。
これまでのPINGのドライバーと違い、どこか重厚な雰囲気がありました。

シャロー系のドライバーです。
ラージサイズのドライバーです。
こういったところは、PINGらしいといえます。
ナチュラルというよりは、メカニカルなデザインです。

ネックは短めですが、見慣れた長さです。
今はこれくらいがスタンダードといえるのかもしれません。

ネックには調整システムが搭載されていました。
これは、これまでのモデルから継承されているところです。
最近は調整機能の付いていないドライバーも多くなりましたが、PINGはまだまだ採用するようです。
昔の小さいヘッド(パーシモンや初期のメタル)の頃は鉛を貼っても大きな効果が得られましたが、これだけヘッドが大きくなってしまうと、少し貼ったくらいではあまり効果が期待できないのかもしれません。
私も昔は同じ所に何枚か重ねてバランスを取っていたことがありますが、今は殆ど要らなくなりました。

試打するのは、この『O』のポジションです。
おそらく、この位置がニュートラルなのだと思います。
位置を変えたらどのように変わってくるのか、とても興味があります。

ソールにはウェイトとしてタングステンが組み込まれているのが分かりました。
配置されているのも、よく見かける場所ですし、オーソドックスな感じがします。
メーカーによっては『頭(フェース寄り)』を重くしてあるドライバーもありますが、このドライバーは昔ながらの『お尻(バックフェース寄り)が重たいドライバーのようです。
数字が無かったので、このウェイトの重さが何グラムなのか分かりませんでした。
交換するタイプではないのかもしれません。

シャローバックタイプのドライバーです。
これもPINGの特徴といっていいと思います。
昔のPINGはディープな物もありましたが、もう何年も見ていません。
このシャローなところが、今のPINGらしさといえるのかもしれません。

変なクセが無く、いい顔をしていました。
これまで出会ったモデルの中には、直進性を高める為でしょうか?
ヘッド後方が伸びている物もありましたが、このドライバーは違っていました。
オーソドックスな顔をしていました。
最初見ていたときはラージサイズに見えたのですが、こうして顔を見てみると、少しコンパクトな印象がありました。
PINGにしては珍しいな・・・。と思いました。
もっと大きめのサイズがPINGらしいといえるのですが、このコンパクト感は珍しく、ある意味新鮮でした。
しかし、私はコンパクトなヘッドが好きなので、この顔は好感がもてました。
クラウンが艶消しになっているのもいいです。
何ともいえない『まったり感』があり、落ち着いた雰囲気を醸し出していました。

独特なクラウンの突起も、見慣れました。
他のメーカーには見られない、PINGの個性です。
クラウンマークの代わりにもなるような気もするのですが、これには大きな意味があるのだと、以前聞いたことがあります。
空気抵抗を軽減させる効果があるのだそうです。
これによって、どれくらいHSがアップするのか、以前試打したときに感じとることはできなかったのですが、見た目が悪くなかったり、ルールに違反しないのであれば、こういった工夫はどんどん取り入れて欲しいと思っています。

フェース寄りだけでなく、バックフェース寄りにも細かなドットのようなものがありました。
これも空気抵抗を軽減させる効果が期待できるのでしょうか?
それとも単なるデザインなのでしょうか?
このドットのような模様は、おそらく初だと思います。

フェース面を見ていても、いい雰囲気があります。
いかにも弾きの良さそうな感じがします。
このフェース面を見ているだけで、力強い弾道がイメージできます。
指で触れてみると、適度にザラザラしていました。
ヒッティング部分にはスコアラインは無かったのですが、このザラザラした感じが、ボールが滑らずにきちんとキャッチしてくれる役目を果たしているのかな?と思いました。
何といいますか、目の粗いサンドペーパーで仕上げたような感じです。

このオリジナルグリップはソフトで良いです。
最近はドライバーのグリップも多様化してきたように思いますが、このグリップはシンプルなタイプです。
調整機能が搭載されているからでしょうか?
バックラインはありませんでした。

素振りをしてみてみると、なかなかいい感じでした。
適度な重さはありますが、ハードな感じはしませんでした。
動きとしては、速いというよりは少し緩やかといいますか、『振れ幅』が大きいシャフトだと思いました。
ちょっと待つ感じで、大きく振っていくのがいいのかな?と思いました。

ボールを前にして構えてみると、好印象でした。
構える前にクセがなくて、いい顔をしているな・・・。と思いましたが、こうして構えてみると、よりコンパクト感が際立ちました。
これまで出会ってきた『PING顔』といっていいのですが、ここまでコンパクトにまとまっているのは久し振りのような気がします。
『PING=460cc』というイメージが定着しているのですが、このドライバーはそうではないのかもしれません。
少しコンパクトな感じもありますが、決して気難しそうなタイプではなく、PING顔らしい大らかさもありました。
フェース面の色々な突起が目に入りますが、邪魔に感じることはなく、イメージがぼやけてしまうこともありませんでした。
変なクセはないので、方向性に対する不安もありませんでした。
ただ、『独特の据わり感』のあるドライバーだと思いました。
自然にそのままボールの後ろにヘッドを置くと、フェースが開いて少し上を向く感じがありました。
いわゆる『お尻の重たい』ドライバーに時々見られる傾向です。
このままでもいいのですが、少しアレンジをしてロフトを立てて上を向かないようにし、スクエアになるようにしました。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
適度なしっかり感とソフト感の『間(はざま)』にあるような打感といったらいいでしょうか?
とても心地いいフィーリングです。
大味で雑な感じのフィーリングではありませんでした。
ボールを包み込むようなフィーリングだな・・・。と思いました。

『音』も良いです。
こもった感じではなく、小気味いい音です。
甲高くなく大きすぎず、ちょうどいいです。
インパクトを邪魔しない音なので、気持ち良く振り抜いていくことができました。

『球のあがりやすさ』という点では、低スピン性能が高く、結構タフな印象をもちました。
かなりしっかりとしているといいますか、打つ前に予想していたよりも低めの弾道でした。
構えたときにフェース面もよく見えましたし、もっと高い弾道を予想していましたが、実際は違っていました。
いい意味での意外性がありました。
高弾道系ではなく、明らかに強弾道系です。
高く浮くというよりは、しっかりと前に進んでくれるタイプです。
スピン過多を気にせず、思いっきり叩いていきたいドライバーです。
以前試打した PING G30 LS TEC ドライバー を思い出したのですが、それに近い低スピン性能・タフさだと思いました。
しかし、PING G30 LS TEC ドライバーよりは性格が尖っていなくて、丸みがあるような気もしました。
ただ、ロフトなどスペックが違っているので、はっきりとしたことは分からないのですが・・・。
幅広い層をターゲットにしているのではなく、明らかにヒッターを対象に作られたドライバーなのは間違いないと思います。
球があがりきらない・・・。と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
普段一桁ロフトを使っておられる方も、まずはこの10度から試してみられるのがいいのではないでしょうか?

『安定性』は、まずまずでした。
高い安定性があって曲がりにくいというよりは、結構自然な感じといいますか、使う人の持ち球が出やすいと思いました。
私の場合はストレート系ではなく、いい感じのドロー系の球を打たせてくれました。
最初から真っ直ぐをイメージして打つよりも、小さい曲がり幅で勝負していける感じがしました。
自分の得意な球で打っていけるので、コースで頼りになる、実戦向きのドライバーだと思いました。
球筋に感情といいますか、思いを入れていきやすい・・・。といったらいいでしょうか?

『飛距離性能』は、かなり優れています。
一球目から、その弾道の素晴らしさ・力強さに頼もしさを感じました。
弾道・球筋に惚れる・・・。といったらいいでしょうか?
適度なあがりと強い弾道で、かなりのアドバンテージが得られるような気がします。
その強い弾道を目で追いながら、まるで『オーバースピン』が掛かっているように見えました。
もちろん実際はバックスピンが掛かりながら前に進んでいるのですが、そう思えるような弾道で、おそらくランも稼げるだろう・・・。と思いました。
グーンとあがって急速に落ちていくのではなく、落ち際が緩やかでなかなか落ちてこない感じ・・・。といったらいいでしょうか?
弾きも良く初速も速いのですが、『打って終わり』ではなく、その頼もしさがずっと続きました。

『操作性』は、まずまずだと思いました。
左右クセがなく、中立的な印象をもちました。
私の場合、自然に打つならフック系ですが、フェード系が持ち球の方も易しく感じられるのではないでしょうか?
適度に小顔なところもいいのかもしれません。
球のつかまりもいいですし、右に滑る感じもしませんでした。
あまり操作するタイプではなく、あくまでも『自然な曲がり幅(小さい曲がり幅)で勝負していける感じがしました。
適度な大らかさも持ち合わせているので、その性格を活かしていくのが得策のような気がしました。

その弾道・球筋に惚れたドライバーは、今年に入ってから3本目だな・・・。と思いました。
そんな弾道を打たせてくれるドライバーにも、必然的に惚れてしまいます。
このドライバーも含めて、その3本を思い出していました。
それらに共通するのは、弾道が力強くて高い飛距離性能がありながらも、決して難しすぎないで親しみやすい性格をもっているということです。

ここ数年、PINGのドライバーは『易しさ』に特化した物が多かったように思います。
もちろん、このドライバーもシビアな感じはせずにPINGらしい大らかさはありますが、『オールマイティ』ではなく、『スペシャリティ』といったらいいでしょうか?
よりターゲットを絞り込んだ専門的な要素もあるように感じました。

オールマイティではないので、人によっては合わない・難しい・・・。と感じられるかもしれません。
一般受けしやすいのは、別のタイプかもしれません。
ただ一般受けしにくい分だけ、ピッタリと当てはまる方には、たまらない魅力があるのではないでしょうか?

この力強い弾道と飛びのアドバンテージを多くの方に体感していただきたいと思いました。
PINGは老舗パターメーカーとしてあまりにも有名ですが、ここ数年のドライバーの充実ぶりを見ていると、パターとドライバーのメーカーといっても過言では無いような気がします。
アイアンなどはまだクセのあるものがあるので馴染みづらいところもあるのですが、このドライバーには魅了されっぱなしでした。

このLSTは素晴らしいドライバーだと思いましたが、このG400は『三兄弟』らしいので、違う2つのモデルにも期待しています。
テンションがあがりっぱなしで、試打をずっと楽しみました。
暑さは厳しいですが、木陰で涼風が吹き込んできたような爽やかさを感じました。
易しく低スピン系が打てるドライバーです。
今年のドライバー・オブ・ザ・イヤー候補がまたひとつ出てきたな・・・。と思いました。
購買意欲が刺激されてしまいました。
2017年08月05日
ピン G400 クロスオーバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING G400 クロスオーバー の3番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは19度、クラブ長さは39.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、キックポイントは元調子、クラブ総重量は391g です。

ピンの新しいユーティリティアイアンです。
ピンのニューモデルに出会うと、もうこの季節になったのかと、いつも思います。
毎日暑さは厳しいですが、季節の移り変わりを感じずにはいられません。
暑さに負けず、私のゴルフ熱も益々上昇中です。
ゴルフが楽しくてたまりません。

ラージサイズのアイアン型ユーティリティです。
とはいっても、ユーティリティは日本の言い方で、海外ではハイブリッドが一般的なのだそうですが、何もかも全て海外に合わせるのではなく、『日本的な』といいますか、日本独自の言い方があってもいいと思っています。
必ずしも正解はひとつではないと思っています。
この大きさはピンの個性といえるのかもしれません。
見た目は比較的シンプルですが、見えないところにたくさんの技術が投入されているのだと思います。

彫りの深さも結構ありますが、見慣れた感じもします。
この『腫れぼったさ』から、中空であることが分かりました。
これがもし中空構造でなかったら、この大きさだと、かなりの重さになってしまうだろう・・・。と思いました。

トップラインは厚めです。
これまでたくさん出会ってきた厚さです。

トゥ側にある、このビスのようなパーツも、性能云々では無く、中空の製造工程によるものだと思います。
これまで出会ってきた中空ユーティリティアイアンによく見られる特徴です。

トゥ側には異材がコンポジットされているのが分かりました。
これまでの例だと、おそらくタングステンだと思うのですが、この位置に採用されているということは、重心距離も長くなってしまうのではないかな?と思いました。
ソール全体ではなく、トゥ側だけに配置されているように見えました。

かなりのワイドソールです。
ピンらしいといえますし、これまでたくさん出会ってきたアイアン型ユーティリティに見られるソール幅です。
これだけ広くしないと、やはりあがりづらいのでしょうか?
直感的にダフりやすそうだな・・・。と感じました。
このソール幅や全体の大きさなどを見ると、やはりアイアンではなく、ユーティリティなんだな・・・。と思えてきます。

ショートネックタイプです。
見慣れた長さですが、ワイドソールとラージサイズが組み合わさっているので、かなりの頭でっかちに見えました。
これがピンのアイアン型ユーティリティに対しての答えなのでしょうか?
これまでのモデルとあまり変わっていないように見えますし、大味な感じがします。
ピンは日本的なところも感じますが、こういったところを見ると、やはり海外メーカーなんだな・・・。と思えてきました。

ネックには凹みがありました。
これはピンのアイアンによく採用されている独自の工夫です。
他のメーカーでは見られません。
私はこの凹みは無くてもいいのではないか?と思うのですが、こうやって採用し続けているということは、それだけ大きなニーズがあるのだと思います。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ユーティリティやロングアイアンなど、長い番手では必要ないのかもしれません。

ベルベットタイプの、このグリップはとても好感がもてます。
これまでのモデルと違っているので、少し意外でした。
前のモデルのグリップもいいですが、やはりこのタイプは落ち着きます。
手にしっとりと馴染む感じがします。
バックラインがありました。
私は無いほうが好きですが、最初からバックライン有りに決めておられる方も多いのではないでしょうか?

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
適度にしっかりしていてタイミングも取りやすいです。
気持ち良く振っていくことができました。

ボールを前にして構えてみると、正直あまり好みではありませんでした。
かなり大きく見えましたし、グースもきついです。
これだけ大きなヘッドなのだから、この強めのグースも『セット』のように考えてもいいと思うのですが、私が好むタイプとは大きくかけ離れていました。
大味な感じです。
なかなかイメージが出てこないのですが、これまでも同じようなタイプはたくさん試打しているので、強い苦手意識はありませんでした。
最近は『アイアン感覚』で構えられるアイアン型UTもありますが、このクラブは全くの別物として考えたほうがいいと思いました。
これがPINGの出した答えなのかと、再び思いました。
この形が一番いいという方もいらっしゃると思いますが、私はあまり好きになれませんでした。
これならば、最初から違うタイプのユーティリティを使ったほうがいいと思いました。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりしていました。
ソフトというよりは、明らかに『しっかり』でした。
やや硬めの打感です。
『ゴツい』感じといったらいいでしょうか?
手に少し衝撃も残りました。

『球のあがりやすさ』は普通でした。
予想していた通りでした。
特別あがりやすくなっているとは思わなかったのですが、タフでもないと思いました。
どちらかといえばヒッター向けだと思いますが、高くあがりすぎない弾道で攻めていきたい方には合いやすいのかもしれません。

『安定性』は結構高い感じです。
ラージサイズらしい寛容さは充分感じました。
ヒッティングポイントも『点』ではなく、『面』といいますか、『エリア』で打っていける感じがしました。
面長なタイプらしく、右に抜けやすいのかな?と思っていましたが、そうでもありませんでした。
球はつかまりやすくて、最初からフック系の球を打つことができました。
ただ、これは私がフッカーということも大きく関係しているのかもしれません。

『飛距離性能』は、まずまずでした。
特別秀でているとは思いませんでした。
これまで出会ってきた同じようなタイプのUTと変わらない感じがしました。

『操作性』という点では、やや難しいと思いました。
構えたときにイメージが出てこないというのもあると思うのですが、操作するタイプではないと思いました。
敏感に反応してくれる感じはしませんでした。
キビキビと小回りの利く『小船タイプ』ではなく、どっしりとした『大船タイプ』のUTだと思います。

最新モデルですし、おそらくたくさんの新しい技術が投入されているのだと思います。
見た目は、これまでのモデルと大きく変わらないようなところもありますが、見えないところに色々な工夫がされているのだと思います。

ただそれを私は敏感に感じとることができませんでした。
大味な感じのクラブだな・・・。と思ってしまったせいか、私の感覚も大味になってしまったのかもしれません。
もしそうだとしたら、反省しなければいけないな・・・。と思いました。
もっと敏感に繊細さをもってこのクラブのことを感じとらなければ・・・。と思ったのですが、思うようにいかないまま予定の球数と時間が過ぎてしまいました。

暑さのせいにもできないですし、もっといいところを感じとらなければ・・・。と思いました。
ドライバーなどもそうですし、PINGのクラブは大型のイメージが強いですが、やはりこのようなユーティリティアイアンも大きいほうがいいという結論が出ているのでしょうか?

最近のアイアン型ユーティリティは小振りになって、アイアンと全く同じ感覚で構えられる物も多いです。
好感のもてるクラブが多くなりました。
200Y前後(以上)という距離は、クラブの選択肢が多くて、色々と分かれるところかもしれません。
色々なタイプのクラブが出てきています。

距離はあっても、私はやっぱり構えやすくて狙いやすいクラブを使っていきたいので、今回のこのクラブは使わないと思いますが、これからもPINGのニューモデルに期待していきたいです。