テーラーメイド
2022年04月03日
テーラーメイド MG3 クローム ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MG3 クローム ウェッジ

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、キックポイントは元調子 です。

とてもカッコいい、テーラーメイドのウェッジです。
アイアンとウェッジは似た部分が多いですが、テーラーメイドの場合、アイアンとウェッジは、かなり差別化しているように感じます。
それは質感であったり、フォルムであったり、いろいろです。
テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージが強いですが、ウェッジに関してはそうではなくて、軟鉄も多いように感じています。

トゥ側にある、テーラーメイドのロゴもカッコいいですね。
このデザインになって、ずいぶん経ちました。
このデザインが出始めの頃、何年かしたら、新しいデザインになるだろうと思っていましたが、今でもこのデザインが使われていて、ピーター・モアさんのデザインというのは有名です。
ちなみに私は前のデザインのほうが好きですし、そろそろ新しいデザインになって欲しいと思っています。

ヒール側にある、『MILLED GRIND3』のロゴもカッコいいです。
3ということは、これまで1や2があったのでしょうか?

ミラー仕上げではなく、全体的に艶消しになっていて、カッコいいです。
ただ、結構『使い減り』する仕上げのように見えました。
ゴルフクラブには使っているといい味が出てきてシブさが増すものと、そうでないものに分けられ、このウェッジは後者のように感じられます。
あくまでも私が見た感じなのですが、使っていくうちに塗膜が剥がれてみすぼらしくなってしまう未来が見えたからです。
これまでいろいろなクラブを試打してきて、『日焼け』してしまったものもありましたが、ひょっとしたら、このウェッジもそうなのではないかな?と思いました。
大きさは標準的で、オーソドックスなタイプです。

しかしトップラインが、いわゆる『テーパー』になっているのがすぐに分かりました。
テーラーメイドのウェッジにしては珍しいように思います。
フォーティーンなど、他のメーカーではすっかりお馴染みとなりましたが、テーラーメイドもついに採用したのでしょうか?
このウェッジ以前にも、ひょっとしたらあったのかもしれませんが、少なくとも私の記憶ではテーラーメイドのウェッジでは初のような気がします。

こうして見ても、やはりフォーティーンのウェッジを思い出しました。

バックフェースの形状はシンプルですが、完全なフラットバックではなく、微妙に凹凸があります。

バックフェースの、この凹みと丸みが結構目立っています。
大きな凹みではないですがトップライン側に重さを集めて、少しでも重心を高くしようということなのでしょうか?

トップラインは少し厚く見えましたが、今は多いですし、これくらいであれば構えても邪魔にならないような気がします。
トゥからヒールにかけて一定の幅ではなくて、トゥ側のほうが広くなっていて、ここの部分もテーパーです。
かなり細かなところまでこだわって設計されているのではないでしょうか?
『雑さ』が感じられません。

ソール幅は標準です。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているものも多いですが、この幅に関してテーパーではなく、真っ直ぐに近いです。
私はソール幅がテーパーになっていたほうが(ヒール側が狭くなっているほうが)、フェースを開閉するイメージが出しやすいので好きですが、このようなタイプも全く問題ありません。
私はウェッジのソールでは、トゥ側よりも特にヒール側に着目しています。
ヒール側がボテッとしていたり、こんもりと膨らんでいたりすると、少し手を加えたくなります。
それは、これまでの経験(ミスショットの蓄積)によるものが大きいのかもしれません。
なんとなく感覚的にそう感じますし、キャリアを積んでくると、いくら私のように感性の鈍い人間でも自分の好みがはっきりしてきます。

ソールにはミーリングがありました。
これが『MILLED GRIND3』なのではないでしょうか?
ウェッジのソールにミーリングを入れるメーカーは少ないですが、テーラーメイドのウェッジは過去のモデルにも採用されていました。
私はフェースを開いて使うことが多いので、このように真っ直ぐ(垂直)ではなく、斜めでもいいのかな・・・?と思いましたが、実際はこれでも問題ないのは明らかです。
アプローチでウェッジを使うときに、どうしてもリーディングエッジの『刺さり』が気になる・・・。という方は開いて使えば回避できるということを経験されると、アプローチの難易度が下がり成功率もあがってくるのではないでしょうか?
ウェッジのように、かなりロフトが寝たクラブは、開いて使うのが基本だと思います。
逆に今のドライバーは『かぶせ気味』が標準となっているようです。
フェースの被せ具合は、ロフトが大きく関係しています。

かなりバンスが効いているのがわかりました。
最近では珍しいように思いますが、昔から無かったわけではありません。
私はどちらかというと少なめ(ローバンス)か標準が好きなのですが、ハイバンスを好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
バンスが強いほうがソールを滑らせやすいという方もいらっしゃると思いますが、ローバンスでもフェースを開けばバンスはかなり効いてきますし、フェースを開いて使うことが多いので、バンスの強いものを必要としていません。
といいますか、逆に強すぎるものには多くのミスショットをしているので、苦手意識もあります。
これだけの大きなバンスは、このウェッジの『個性』といっていいのではないでしょうか?
フェースの入れ方(ソールを滑らせる角度)、つまり入射角が限定されているように感じました。
バンスの効きが弱かったら、もっと汎用性が大きくなったような気がします。
そういった意味でも、このウェッジはマニュアルタイプというよりは、オートマチックタイプの色が強いのかな・・・。と思いました。

ネックは長くなく、標準的です。
むしろ、少し短めに見えました。
ウェッジには物足りない長さに見えたのですが、テーラーメイドのウェッジにロングのイメージは無いですし、この長さがテーラーメイドの答えなのだと思います。

フェース面にはミーリングがあり、よく目立っていました。
他のメーカーのウェッジには見られない個性があり、これが『MILLED GRIND3』なのかもしれません。
フェース面を指で触ってみたのですが、強烈なザラザラ感は無いものの、つるつるした感じはなく、はっきりとした凹凸感がありました。
比較的シンプルではあるものの、かなり研究されているようです。
昔よくやっていた、ノーメッキのウェッジを水につけてわざと錆びさせて使っていたのを思い出しました。
それと似たような触感です。
少しでもスピンを高めようという思いからだったのですが、今思えばそれほど有効的ではなかったような気もします。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
テーラーメイドのウェッジには複数の顔がありますが、この顔も『テーラーウェッジ顔』です。
ヒールがキュッと締まっていて、ティアドロップ型といっていいと思います。
ここの部分がボテッとしていたら、少し好感度が下がってしまうのですが、このウェッジはいい感じです。
私はウェッジを構えたときに『逃がすイメージ』を出せるかどうか?ということにすごくこだわっているのですが、このウェッジは好感が持てました。
フェースの使い方はいろいろありますが、基本カットに打っていきたいというのもありますし、つかまり過ぎて左に行くのが嫌だということも大きいのだと思います。
グースでなく、ストレートなのも親近感が増しました。

『開きやすさ』はまずまずです。
最初見たときにバンスの効きが強く、フェースが浮きすぎるかな?と思いましたが、実際はそこまでではありません。
ただ、もし私が購入して使うとなれば、結構削るのは間違いないですし、特にヒール側は大きく落としていくだろうと思います。
そのほうが『据わり』が良くなるからです。
このまま打てば、おそらくヒール側(のバンス)が邪魔する(跳ねる)だろうな・・・。と思ったのですが、このようなタイプは昔からありますし、今日は練習場のマットの上からなので、そこまで気にする必要はないのかもしれません。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、かなりいいです。
フェース面を見たときに、打感をイメージできなかったのですが、とてもソフトで好感が持てました。
何と言っていいかわかりませんが、フカフカでキメの細かな砂にボールを落として、少し沈むような柔らかさ・・・。といったらいいでしょうか?
もちろん実際は金属なので、そのようなことはないのですが、この柔らかな打感をどう表現したらいいのかな?と考えていたら、このような表現が浮かびました。
ガツンとくることもなく、あたりが柔らかくて、球持ちがいいのも魅力です。
バケツに水を張って、水滴を落としてジワーッと波打つイメージ・・・。といったらいいでしょうか?

球も拾いやすく、ロフトなりの高さが出せますが、やはり私はもう少しソール形状に加工が必要だと感じました。
このようなハイバンスタイプを好まれる方には、よく滑ってくれ扱いやすいと思いますが、私は少し気を遣わなければならない感じです。
ただ、これはこのウェッジのバンスが良くないということではなく、あくまでも私が使いこなせていないということに過ぎません。

スピン性能は優秀です。
高速で安定したスピン性能をもっています。
これはやはりフェース面がかなり仕事をしているのではないでしょうか?
適度にボールに食いつきますし、『打って終わり』ではなく、乗せて運べるウェッジです。
インパクトを一個の『点』でとらえるのではなく、『数個の点が集まった集合体』、つまり『線』で乗せて運んでいくことができます。
ボールがよく止まってくれましたし、すぐにでも実戦投入できそうです。

ラインも出しやすく、安定しています。
キャビティタイプのような寛容さは無いですが、もともとロフトが寝ているウェッジはこれくらいがちょうどいいように感じます。
必要以上の寛容さは曖昧さを生み、それがプレイヤーの感覚を邪魔することにもなりかねません。

『距離感』という点では、私には少し軽く感じたので、最初の何球かは少しばらついてしまいました。
『重力を味方につけられない』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
しかし、これも私がこの軽さに対応できていないからであって、この軽さがちょうどいいという方もたくさんいらっしゃると思います。
クラブが軽く感じると、手打ちになりやすくなったり、タイミングが速くなりすぎてしまったりすることがありますが、こういうときこそ、背中の筋肉を意識して、スローで打っていくイメージが欲しいです。
何度か球数をこなして、縦の距離感がまとまってきましたが、私はこの軽さに慣れたくはありません。

『操作性』も悪くはないですが、やはりバンスが少し気になって、いつものような思い切った細工は少しやりづらいです。
『遊び』が少ない・・・。といいますか、ある程度『一定の幅』で収めたほうがいいように感じました。
最近はあまり意識していなかったのですが、こうしてバンスの効きが強いウェッジに出会うと、ソール(特に後ろ側)を普段からよく使っていることに気づかされました。
試打後の感想

これまでのテーラーウェッジにはない質感で、それがとても印象的でした。
テーラーメイドはどちらかというと、『機能性』を重視したメーカーで、『質感』や『打感』などのフィーリングは二の次といったところもありましたが、このウェッジはかなりこだわってつくられているようです。

これまでになかった斬新な質感でいいな・・・。と思いましたが、この質感に見とれることはありませんでした。
それは先ほども書きましたが、『使い減り』するタイプのように見えたからです。
テーラーメイドのクラブに対する考えは、『クラブは時間と共に劣化していく、だから買ったばかりが一番美しい』ということなのかもしれません。

もちろん道具である以上、それは正しいのですが、ゴルファーにとってゴルフクラブは大切な相棒で『一心同体』なので、共に過ごした時間がプレイヤーの記憶に、そしてクラブにも美しく形として残っていて欲しい・・・という思いがあります。

ただ実際に球を打ってみて、バンス以外は気になるところがありませんでした。
打感もいいですし、スピン性能も高いです。

聞くところによると、このウェッジは様々なバージョンがラインアップされていて、違うバンスもあるということなので、もし機会があれば違うタイプを試してみたいと思いました。

テーラーメイドには、これからも様々な性能・性格をもったクラブを開発して、私たちゴルファーに届けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022年03月14日
テーラーメイド STEALTH アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド STEALTH アイアン

シャフトは TENSEI RED TM60 です。
ロフトは28度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は68g、トルクは2.9、キックポイントは中調子 です。

テーラーメイドステルスシリーズのアイアンです。
以前、ドライバーとフェアウェイウッドとレスキューを試打しましたが、今日はアイアンを試打する機会に恵まれました。

テーラーメイドのアイアンとしては珍しいデザインです。
名前の通り、ステルス爆撃機を連想しました。
このシンプルなデザインにも、テーラーメイドの深い研究があるのだと思います。
最近のテーラーアイアンは、どちらかといえば『分厚くて大顔』タイプが多かったように思うのですが、このアイアンは違います。
シャープさはあまり感じませんが、適度な大きさで分厚くもありません。

彫りは浅く、こうして見るとハーフキャビティといっていいように思います。
テーラーアイアンで、このようなタイプは久しぶりです。

トップラインは少し厚めですが、気になるほどではありません。

ヘッドをいろいろな角度から見回していて、ここの部分が目立っていました。

ソール幅は少しワイドですが、極端ではないですし、これくらいが今の標準といっていいように思います。

ソールにある、この溝のようなものもお馴染みです。
これを見るだけで、テーラーアイアンだと分かります。

ソールは全体的に丸みを帯びています。
スリクソンのアイアンほど極端ではないですが、『二分割』されているような形状で、かなり抜けが良さそうです。

ネックの長さは標準的です。
ネックが太く、ボテッとしていないところに好感が持てました。
これまでのテーラーアイアンとは趣が違うようです。
ヘッドの大きさも適正で、『頭でっかち感』がありません。
グースタイプであることが分かりましたが、テーラーアイアンはグースタイプがほとんどなので、これも普通といっていいと思います。

フェース面にミーリングは無く、スタンプ式の量産タイプであることが分かりました。
これまでテーラーメイドのアイアンをたくさん試打してきて、ヘッドのいろいろなところを工夫するのに、このフェース面だけはいつも手を加えない印象があります。
こういったところはメーカーによって大きく違うので、興味深いです。
ステンレス系の、冷たい印象をもちました。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
これまで軽量感を感じることが多かったテーラーアイアンですが、このアイアンはカーボンシャフトが挿してあるタイプにしては、結構重さがあるように感じました。
とはいっても全体的に見れば軽量タイプであることに変わりは無いのですが、シャフトもしっかりしていて、頼りなさのようなものは感じませんでした。

装着されているグリップは、色が違いますが、これまでユーティリティなどで試打したタイプと同じです。
ツアーベルベットのような『しっとり感』は無いですが、適度に柔らかく滑りにくさも兼ね備えているので好感が持てました。

ボールを前にして構えた感じはまずまずです。
グースの利きが目立ちますが、それほど大きいグースではありません。
しかし、グースネック特有の『少し遅れる』感じがするので、注意しなければならないな・・・。と思いました。
トップラインの厚みも見えましたが、イメージがボヤけて構えづらいということはありません。
こうして構えてみても、やはりステンレスだな・・・。と、独特の質感で、そう感じました。
見とれることもなく、淡々と・・・。といいますか、このアイアンの質感と同じ温度感をもって構えていました。
試打を開始しました

『打感』は結構しっかりといいますか、ズシリときました。
これは予想通りでした。
『球乗り感』は無く、球離れが速くて、『空洞感』のようなものを感じました。
ちょっと表現は良くないかもしれませんが、『雑味』のある打感です。
いろいろなものが混ざり合って、お互いの長所を消し合っているような印象をもちました。
ワンピースタイプではなく、『複合タイプ』だからかもしれませんが、『素材の相性』というものがあるのではないでしょうか?
ただ単に重量配分など『物理的な理由』だけで、異材を分配させていくのではなく、この素材とあの素材を組み合わせれば、相乗効果で打感が良くなる・・・。ということも深い研究で明らかになるのではないか?と試打しながら考えていました。
私がアイアンに求めたい打感ではないのですが、この打感もアリだと思いますし、好まれる方も多いのではないでしょうか?

『音』も、あまり好きになれませんでした。
何と言いますか、いろいろな物が混ざっちゃって素材の良さを消してしまっている・・・。というような印象です。
『音』で、弾道や方向性を耳で探っていくことができるのですが、このアイアンの音だと、それがなかなか上手くいきませんでした。
球は曲がらず真っ直ぐ飛んで行ってくれたのですが、それを音だけで感じ取ることができず、少し不満が残りました。
とはいっても、これは私の感性が鈍いからであって、この音で弾道や方向性を感じ取ることができる方はたくさんいらっしゃると思います。

弾道は高く、よくあがってくれましたが、結構タフなタイプのアイアンで、人によって好みが分かれるのではないでしょうか?
最初見たときは、これまで同様、幅広い層をターゲットにした、いわゆる『オールマイティタイプ』かと思っていましたが、実際に打ってみて、違うと感じました。
タフなアイアンではないですが、どちらかというとヒッタータイプの方に合いやすいアイアンだと思います。
最近はロフトが立っていても、それを補うあがりやすさをもつアイアンが多いですが、このアイアンにはそれと違う印象をもちました。
ロフトが立っている分、しっかりと振っていかなければならないアイアンだと思います。
アベレージ用というよりは『アスリート用』に近いアイアンで、球があがりにくいと感じられる方は結構いらっしゃるかもしれません。

『安定性』はとても高く、ストレート系の球が出やすいアイアンです。
これまでのような、『いかにも』といった形状のオートマチック系アイアンとは見た目も違いますが、高い寛容性と直進性を感じました。
いい意味で、ヘッドがブレないといいますか、ボールに当たり負けすることなく、強く押し込んでいけるアイアンです。
外見はマニュアルタイプのように見えますが、実際はオートマチック系アイアンの特徴をもっています。
大顔タイプではないですが、この大きさではかなりの寛容さがあるので、好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?

『飛距離性能』は高いですが、これまで同じようなタイプを試打しているので驚くようなことはありませんでした。
『スタンディングロフトアイアン』が一般的になってきましたが、そのほとんどは『スインガー向け』といいますか、それほど速いHSを持たない方向けといった印象がありましたが、このアイアンは違います。
ある程度HSがある方のほうが、相性がいいようです。
先ほども書きましたが、球があがりづらいと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ロフトは立っていますが、高い弾道でしっかりとキャリーを稼いでいけるアイアンで、『1番手』ではなく、『2番手上』の飛距離性能をもったアイアンです。

『操作性』という点では、それほど秀でてはいないように感じました。
しかし、それは高い直進性があるからです。
距離を合わせるには、直線よりも曲線(自分の持ち球)のほうが易しいですが、このアイアンはミサイルのように真っ直ぐ飛んでいくので、少し難しく感じられました。
『微妙な機微』といったらいいでしょうか?
距離感には『足し算』『引き算』が必要になってきますが、それがこのアイアンでは少し難しいように感じました。
それくらい、球の弾きが強く、高い直進性があります。
いい意味で、多少アバウトに打っていく感じが、一番いいのかもしれません。
あまり細かいことを気にせず、大らかな気持ちで打っていったほうが、感覚的に距離感も合いやすくなるような気がします。
試打後の感想

これまでとデザインが大きく変わっていて、ゴチャゴチャしていないのがいいです。
テーラーメイドらしく機能性に富んだアイアンで、様々な工夫が見られました。
このアイアンを試打して、やはりテーラーメイドはアイアンよりはウッド系クラブのほうが得意なメーカーだな・・・。と再認識しました。

高機能なアイアンだとは思いますが、打っていて楽しくないのです。
打感もそうですし、意思が通じない感じで、気持ちよくありません。
プレーするときは相棒を手に、常に『ホーム感』が欲しいですが、このアイアンだとずっと『アウェイ感』をもったままだろうな・・・。と思いました。

実際に『熱い』『冷たい』ということではないのですが、クラブを試打していて、そのクラブの『温度』を感じることがあります。
あくまでも『感覚的に』であって、それを説明するのは難しいのですが、私は『ホット』といいますか、『温かみ』が感じられるクラブが好きだな・・・。とこれまで自分自身を分析してみて感じます。
それはアイアンの素材(軟鉄・ステンレス等)で決まるのではなく、あくまでも『感覚的に』です。
ステンレスでもホットに感じたアイアンは過去にもありましたし、軟鉄でもあまり興味を持てないアイアンもたくさんありました。

そういった意味で、このアイアンは少しクールといいますか、冷たい印象が拭えません。
球を打っていて、気持ちが高ぶることもなく、淡々と・・・。といった感じです。
テーラーメイドのアイアンに対する考え方がはっきりしたように感じました。
PINGと同じように、テーラーメイドはステンレスにこだわっているようです。
もちろんPINGもテーラーメイドも軟鉄が無いわけではないのですが、その比率は低く、ステンレスが多くなっています。
こういったところがタイトリストやキャロウェイと違うところです。

テーラーメイドのニューアイアンでしたが、私はあまり興味をもちませんでした。
とはいっても、このアイアンが優れていないというのではなく、あくまでも私がこのアイアンの良さを感じ取ることができなかったに過ぎません。
このアイアンを好きだという方はたくさんいらっしゃると思います。
しかし、私は次のモデルに期待したいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022年02月23日
テーラーメイド STEALTH レスキュー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド STEALTH レスキュー

シャフトは TENSEI TM60 です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は68g、トルクは2.9、キックポイントは中調子 です。

ソールにはこれまで通り、SPEED POCKETがあります。

深さもフェアウェイウッドと同じです。

フェース面のデザインもフェアウェイウッドと同じで、大きさだけ縮小したような印象を受けます。
やはり、ドライバーとは違うようです。

トゥ側には『TWIST FACE』の文字があります。

見慣れたノーマルシャローです。

この小ぶりな顔が、いい味を出しています。
ドライバーやフェアウェイウッド同様、『コールタールブラック』といったらいいでしょうか?
独特な艶消し感があります。
艶消しなクラウンはこれまでもたくさんありましたが、テーラーメイド独自のブラックといった感じです。

近くでよく見てみると、カーボンの模様があったので、やはりカーボンコンポジットなのだということが分かりました。
接合部分を見ると、やはりムラがあって均一性がとれていません。
こんな細かなところを見る人はあまりいないと思いますし、性能とは直接関係ないので、気にしないという方も多いのではないでしょうか?
しかし、私はどうしても細かなところまで見てしまいます。
ただ、昔からテーラーメイドはこういったところは、『ざっくばらん』といいますか、『大味』な感じがして、テーラーらしいです。
ずっと使い続けていると、どこかへ飛んでいってしまわないかな・・・。とか、形が崩れてしまわないかな・・・。などと考えていましたが、おそらくその心配は無用だと思います。
私は気に入ったら、そのクラブを長く使い続けるほうなのですが、テーラーメイドのクラブは長く使うというよりは、ニューモデルが出る度に買い換えてくださいよ・・・。というメーカーからのメッセージが込められているような気がするのは私だけでしょうか?

装着されているグリップはフェアウェイウッドと同じです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
最近はフェアウェイウッドのシャフトでもドライバーと同じように50g台のものが挿してあるものが多く、私はそこに不満があったのですが、このクラブはそれよりも少し重量感があります。
あくまでも私見なのですが、おそらく多くの方が、このクラブを振って重く感じられないのではないでしょうか?
それよりも、これまでのクラブが『軽すぎた』というほうが大きいように思います。
最近は若い方のゴルフデビューが増えてきて、メーカーもスペックを戻しつつあるのかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
適度な小ぶり感があるので好きですが、小さく見えて逆に不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
見とれるようなことは無かったのですが、ごく自然に楽に構えることができました。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
ややしっかりめですが、硬くないですし、嫌な衝撃も残りません。
うっとりするような心地よい打感ではないですが、『可も無く不可も無く』といったところです。
ずっと『ドライ』な感情のままです。

『音』は、あまり好みではありませんが、だからといってインパクトが緩むこともないですし、これまで耳にしてきた音なので、特に不安などもありません。
もちろん、この打感や音が好きだという方はたくさんいらっしゃると思いますが、私には『もうひとつ』という感じでした。

『球のあがりやすさ』は普通で、特別あがりやすいとか、タフであがりづらいということもありませんでした。
あくまでも『予想通り』といいますか、ハイブリッドらしい浮きやすさと拾いやすさがありました。

『安定性』は、かなり高く、球筋が乱れません。
球のつかまりも良く、少しコスり気味にヒットしても、右にフケることはありませんでした。
小ぶりでありながら、直進性の高さは秀逸です。
どうしても曲げたくなくて、だからといってラージサイズのハイブリッドは使いたくない・・・。という方には、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?

『飛距離性能』もいい感じですが、特別よく飛ぶという印象はありません。
今はこれくらいが普通です。
しかし、この普通というのが、とてもレベルの高い普通なのですが。
『当たり外れ』の幅が小さいといいますか、上手くヒットできたときと、少し薄く当たったなどミスしたときの差が小さく、安定して距離を稼いでいけるのがいいです。
何と言いますか、ターゲットに対し、『球をぶつけていく感じ』といったところでしょうか?
ラインを出しやすく、ほぼ真っ直ぐの球が打てるので、目標に対してぶつけていくイメージで打つことができました。

『操作性』という点では、これだけ小ぶりでありながら、かなり直進性が高いので、敏感に反応する印象はありませんが、少し左右にも曲げてみることができました。
私はフッカーなので、フック系のほうが易しいですし、元々このクラブは球を捕まえやすい性質をもっていると思います。
フェード系も打ってみたのですが、ほぼストレートに飛んでいき、大きく右に曲げることはできませんでした。
試打後の感想

ドライバーやフェアウェイウッド同様、直進性の高いクラブという印象をもちました。
ここが一番のセールスポイントではないでしょうか?
あがりやすさや飛距離は普通ですが、この安定感はコースでも役に立ってくれそうです。

ドライバーやフェアウェイウッドもいい感じでしたが、それらよりも私はこのハイブリッドのほうが気に入りました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
テーラーメイド カスタムメイドクラブ
テーラーメイド ステルス キャディバッグ
2022年02月14日
テーラーメイド STEALTH フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド STEALTH フェアウェイウッド

シャフトは TENSEI TM50 です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は55g、トルクは4.7、キックポイントは中調子、クラブ総重量は310g です。

テーラーメイドステルスのフェアウェイウッドです。
先日、ドライバーを試打しましたが、今日はクリークを試打する機会に恵まれました。
同じシリーズということもあり、デザインが統一されているようです。

ソール全体は平らっぽい形ですが、微妙に丸みを帯びていて、滑りが良さそうに見えます。
ドライバー同様、全体的にシンプルになっていて、好感が持てます。
ちょっと前まで、ドライバーだけでなく、フェアウェイウッドにもウェイト移動システムが搭載されていましたが、このステルスにはありません。
もう必要ないということでしょうか?
それとも、次のモデルで搭載されるのでしょうか?
どうなるか分かりませんが、こうしていろいろ想像するだけでもワクワクします。
そういったワクワクさせる魅力が、テーラーメイドにはあります。
『革新』という言葉が、これほど似合うメーカーは他にないのではないでしょうか?

V STEELという文字を見て、思わずニコッとしました。
あの名器V STEELを受け継いだモデルなのでしょうか?
V STEELを数年使っていた時期があり、とてもお世話になって、いい思い出しかないので、この文字を見るだけでも嬉しくなってきます。
ひょっとしたら、私のようなV STEELファンのために作られたのかな?と思ってしまいましたが、メーカーは私というゴルファーの存在を知らないはずなので、私以外のV STEELファンのために開発されたのだと思います。

ネックの長さは標準的です。
最近はずっとショートネックが続いていましたが、このクラブは違います。
とはいっても、高重心を感じさせるほどではありません。
シャロータイプだからだと思います。
ネックに調整システムは搭載されていません。
ドライバーには搭載されていたのですが、このクリークにはありません。
スプーンはどうなのでしょうか?
ドライバーに搭載して、FWに搭載していないということは、ヘッドの大きさなどの縛りにより、搭載できなかったということなのかもしれません。
必要とはまではいえない、調整システムを搭載して、バランスが崩れてしまっては元も子もないですし、そういったクラブにいくつか出会ってきました。

ドライバーと同じく、『SPEED POCKET』があります。

溝の深さも同じで、ほぼフラットといっていいです。
ティアップするときは関係ないですが、直打ちすることを考えると、ここの形状はとても大切で、突っかかるようなイメージをもってしまうと、コースでは余計な不安が生じてしまうことがあります。
そういった意味でも、このクラブは抜けも特に問題無さそうです。
ただ、最高クラスというほどでもなく、抜けの『スピード感』はありません。

見慣れたシャローヘッドです。
今は多くのメーカーが、このような形になっています。
今風の『ノーマルシャロー』といったところでしょうか?
まるで『金型』で製作したように、各メーカー同じような形状になっています。

なかなかいい顔です。
逃がし系の顔ではなく、ややつかまえ系の顔ですが、嫌みはありません。
ちょっと三角っぽい形で、これも『テーラー顔』といっていいと思います。
これまでも何度か見てきました。
艶消しのブラックがカッコいいです。
『漆黒』といったらいいでしょうか?
ドライバーと同じ『色感』です。
ヘッドの黒は高級感を醸し出すことが多いですが、このクラブも、そして先日試打したドライバーも、正直あまり感じません。

ドライバー同様、このフェアウェイウッドのクラウンもカーボンコンポジットであることが分かります。
カーボン特有の模様が目立ったほうがいいという方もいらっしゃると思いますが、私はこのように目立たないほうが好きです。
ニューモデルとはいっても、ヘッドとクラウンの接合部分に結構『ムラ』が見え、仕上げが少し雑に見えます。
性能には直接関係ないと思うのですが、こういったところが少し残念です。
細かいところはあまり気にしない、大らかさがありますが、私はつい目に入ってしまうので、あまり気にしないほうがいいような気もします。
国民性などもあると思いますが、海外メーカーだと『センチの精度』が求められるのであれば、国内メーカーでは『数ミリの精度』が求められるのかもしれません。

フェース面のデザインが、ドライバーと大きく違います。
同じシリーズのクラブであっても、番手によって設計方法を変えているのでしょうか?
ドライバーのフェース面は『目』のようで、インパクト大でしたが、このフェアウェイウッドは見慣れた感じのシンプルなタイプです。
質感もいい感じで、チープさはありません。
フェース面を見て、だいたいの弾道イメージが浮かぶのですが、このようなフェース面だと、重さと弾きの良さをイメージできます。

トゥ側には、『TWIST FACE』という文字があったので、これまで使われてきた技術が搭載されているのが分かりました。

装着されているグリップは、適度にグリップ力があって好感が持てます。
最近はいろいろなパターンが見られますが、このグリップはシンプルです。
特に不満はありません。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
クリークということもあり、大きすぎないのがいいです。
やはり直打ちするクラブは、ヘッドが大きくなりすぎてしまうと、違う難しさが出てしまいます。
艶消しの黒なので、ギュッと引き締まって見えるのも高ポイントですが、白などの膨張色を好まれる方には、ヘッドが小さく見えて、あまり好感が持たれないかもしれません。
好みが分かれるところだと思いますが、私は好きです。
顔だけ見ていたときは、少しフェースの被り具合が目に入ったのですが、こうして構えたときはほとんど気になりませんでした。
クリークに限らずスプーンでも、そしてドライバーでもウッド系のクラブは『球のあがりやすさ』をイメージしやすいように作られているものが今は圧倒的に多いですが、このクラブにはそれがあまり感じられず、結構ナチュラルな感じで好感が持てました。
プレイヤーとヘッドの『距離感』といいますか、『立ち位置』がちょうど良くて、アドレスがすぐに決まります。
今は『近すぎる』クラブが多いように思うのですが、昔はもっと離れていたような感覚があります。
それは球のつかまりを良くするためにアップライトになっているからかもしれないですし、ネックが短くなったことも関係しているのかな?と、このクラブを構えて思いました。
試打を開始しました

打感は、ややしっかりめですが、硬くなくいい感じです。
ドライバーと打感が全然違いますが、私はこのほうが好感が持てました。
この打感は過去に何度も体感しています。

『音』も、聞き覚えがあり、親しみやすいです。
『カチッ』という、やや高めの金属音ですが、高すぎず大きすぎず、気持ちよく振り抜いていくことができました。

球はあがりやすく、直打ちでも問題なく浮かせてくれました。
クリークなのであがりやすいのは当たり前ですが、おそらくスプーンでもあまり変わらないような気がします。
このステルスというクラブを初めて試打したときは、アスリート仕様なのかと思っていましたが、そうではないようです。
スインガータイプの方にも親しみやすい性能になっています。
ハードルの高さは感じません。

極端なラージサイズではありませんが、高い安定性があります。
いわゆる『線を引きやすい』クラブです。
ほぼ真っ直ぐに、空中に白いラインを描いていけ、それが高い確率でまとめやすいのが、このクラブの特長といっていいのではないでしょうか?
左右の幅はもちろん、高さも安定していました。
気難しいタイプなのかもしれない・・・。と、打つ前はちょっと思っていたのですが、実際は違っていて、易しさは『セミラージサイズ級』といっていいと思います。
直進性が高く、シビアさは一切感じません。

『飛距離性能』は、いい感じではありますが、特別優れているとは思いません。
必ずしも『最新』=『最高』ではないということです。
驚くような飛距離性能ではないですが、それはドライバーと同じく、それだけテーラーメイドの過去のクラブが凄かったということになります。
それを経験していると、このニューモデルが特別飛ぶとは思えなくなってしまいます。
しかし、それはこのクラブが劣っているというのではなく、優れたレベルを維持しているということです。

『操作性』は、まずまずです。
それほど大顔ではないので、操りやすそうな感じもしますが、直進性のほうが勝っているように感じました。
ドライバーと同じく、『後ろから押す感じ』といったらいいいでしょうか?
『前で操作』するタイプではなく、『後ろから押して』飛ばすような感覚がありました。
つかまりがいいので、フェードヒッターの方には、特に相性がいいのではないでしょうか?
試打後の感想

ドライバーがステルスの本来の性能といいますか、性質があるのだとすれば、このフェアウェイウッドはステルスというよりも、過去のモデルに近い印象をもちました。
もちろん、デザインはステルスそのものですが、実際に打ってみると、目新しさというよりは、既視感のほうが強いです。

ドライバーの性能をあえてもってこなかったのか、それとも持ってこられなかったのか分かりませんが、デザインはドライバーと似ていても、性質は異なるように感じました。

精悍さがあって、骨太なところもありますが、全体的に『イージー系』という印象をもちました。
しかし、結構スピンが抑えられている感じがして、弾道のばらつきが出にくいのが、このクラブの特長といっていいように思います。

最新モデルなのですが、ずっと既視感をもちながら試打していました。
同じシリーズでありながら、ドライバーとはちょっと違うタイプのような気がしましたが、コースで使ったとしても、特に違和感なく使えると思います。

いつも新たな発想で、私たちゴルファーを楽しませてくれる、テーラーメイドのクラブを試打するのは、本当に楽しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆


2022年02月04日
テーラーメイド STEALTH ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは TENSEI TM50 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は57g、トルクは4.3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は302g です。

テーラーメイドのニュードライバーです。
久しぶりのモデルチェンジに、興奮を抑えきれません。
SIMが結構長く続いたように思いますし、その前のM2・M3なども印象深いです。
名前も変わってステルスになりました。
ステルスというと、『ステルス爆撃機』を真っ先に思い浮かべるのですが、このネーミングにはどういう意味が込められているのでしょうか?
ステルスはレーダーに探知されないということが知られていますが、このドライバーにも同じような意味が込められているのかもしれません。
空中のハザードといえる風に邪魔されないよう(探知されないよう)な強い球を打てるドライバーという意味なのかもしれない・・・。と思いました。

大きさ、そして形状的にはこれまでのモデルと大差ないように見えますが、デザインが大きく変わりました。
こうして見ただけでは、テーラーメイドだと分かりません。
これまでと違い、黒を基調としたモデルです。
そこに赤がいいアクセントになっています。
テーラーメイドはウェイトを移動させたり、いろいろなパーツが組み合わさったりして、時にはゴチャゴチャした印象をもつこともあったのですが、このニューモデルは比較的シンプルでスッキリしています。

トゥ寄りには、『CARBONWOOD』の文字がありました。
ヘッド(ソール)を見ると、チタンのような質感なのですが、どこかにカーボンが使われているのだと思います。
『フルカーボン』ではないようです。
以前も書きましたが、メタル全盛時代、私はカーボンヘッドのドライバーを使っていたことがありました。
ヨネックスのエアロナ300というドライバーです。
その頃は43~43.5インチが主流で、44インチもたまに出ていました。
44インチでも長いと言われていたのに、エアロナ300は45インチで『長尺』と呼ばれるドライバーでした。
おそらく『長尺』という単語がゴルフクラブに使われるようになったのは、この頃からではないでしょうか?
今でこそ45インチは長くないですが、昔はヘッドが小さかったので長く感じられました。
ヘッドの大きさが、シャフトの長さを変えるのです。
しかしヘッドの大きさ(体積)も、シャフトの長さ(クラブ全体の長さ)も、ルールで上限が定められています。
エアロナ300は軽くてシャフトも軟らかかったのですが、一発当たったときの飛びは素晴らしかったです。
ヘッドも凄かったですが、装着されていたカーボンシャフトを鞭のようにしならせて打つことができました。
その頃はキャロウェイのビッグバーサの人気が大爆発した時代でもあり、練習場一階の2番打席(右から2番目)が私の定位置であり、そこで打っていると、後からいつもビッグバーサをもった人が来て、お互いに『飛ばし合い』をしていたのを思い出します。
いつも最後は2人になって、練習場の閉店を知らせる『蛍の光』が流れるまで、球を打っていました。
お互い会話をすることはありませんでしたが、意識し合っていたのは間違いありません。
練習を終えて、近くのラーメン屋さんでラーメンやチャーハンを食べて帰るのが私の日課でした。
そんな懐かしい記憶が『CARBONWOOD』という文字を見て、蘇ってきました。
その頃はメタルが大人気で、私は『J’sメタル』などのメタルドライバーも持っていましたが、カーボンの有効性をすごく感じていたので、何故多くのメーカーがカーボンを採用しないのだろう?と、ずっと不思議に思っていました。
ヨネックスはラケットが特に有名で、『カーボンを扱うのが上手』なメーカーなので、それがクラブ作りにも活かされたのは間違いありません。

バックフェースには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
SLDRというドライバーが登場して以来、テーラーメイドは『浅重心』の印象が強いですが、今はそうでもないようです。
海外(特にアメリカ)で人気だからといって、日本市場で受け入れられるとは限りません。
私たち日本人には『深重心』のほうが合いやすいのではないでしょうか?(とはいっても、私は元々スピンが多く吹き上がりやすいので、浅重心は好きだったのですが・・・)
実際はどうなのか分かりませんが、こうして見るだけだと、結構重心は深そうです。
数字が刻印されていないので重さは分からないですし、交換するタイプではないのかもしれません。
こうしてたくさんのウェイトを見てきましたが、メーカーによって『質感』が異なるということを感じています。
このドライバーのウェイトは少しチープに見えました。
海外メーカーらしく、細部にまでこだわっていないのかもしれません。
メーカー曰く、「そんな細かいところを見ないで、もっと違うところを見てくれよ・・・。」ということなのかもしれません。

ソールのフェースよりには『SPEED POCKET』がありました。
これはテーラーメイドではおなじみです。
初期の頃は溝になっていましたが、すぐにこのような形になりました。
はっきりとは断言できないのですが、おそらく『強度』を保つためではないでしょうか?

溝も深くありません。
ほぼフラットに近い状態です。

ネックは短いですが、今はこれくらいが普通です。

ネックには調整システムが搭載されていました。
最近は採用するメーカーも少なくなりましたし、モデルによってはテーラーメイドのドライバーにも搭載されていなかったので、おそらく何らかの理由があるのだと思います。
私は全く重視していませんが、調整システムを重視しておられる方は親近感をもたれるのではないでしょうか?

試打するのは、この『STD LOFT』のポジションです。
スタンダードロフトということだと思いますし、他にロフトを立てたり寝かせたりできるようです。
ロフト以外にもフェースアングルなどは変えられるのでしょうか?

フェース面が大きく変わりました。
赤い色が目立ちますが、それよりも質感が全く変わっています。
おそらく、ここの部分にカーボンが使われているのだろう・・・。と思いました。
テーラーメイドは常に最新の研究を怠らず、様々な取り組みをしています。
『変化を恐れないメーカー』といっていいのではないでしょうか?
そのテーラーメイドが先駆者のひとりとなって、ゴルフクラブは大きく進化していきました。
テーラーメイドの功績はとても大きいです。
フェース下部に『60X CARBON TWIST FACE』と表記されています。
これまで採用されてきた、ツイストフェースのカーボン版ということなのでしょうか?

この角度からだと、『一つ目』に見えて、昔見た仮面ライダーストロンガーの敵『一つ目タイタン』や、『フジテレビ逃走中に出てくる一つ目』を思い出しました。
好みが分かれるところだと思いますが、こういった斬新なデザインができるのも、テーラーメイドの魅力です。

標準的なシャローヘッドです。
バックフェースの下の部分が強調されていて、M6あたりから見られました。
なので、『テーラーシャロー』といっていいでしょうか?

顔が真っ黒なのが衝撃的です。
もちろん、テーラーメイドも他のメーカー同様、黒い顔のドライバーを昔から発売していましたが、R11やRBZなどで白いイメージが定着し、大人気となりました。
ドライバーの前はパターから白いヘッドを採用したテーラーメイドですが、パターの好評を受けてドライバーにも白いヘッドを採用し、それが定番化して他のメーカーが追随しました。
白いヘッドのほうが、ヘッドが大きく見えるので安心感があるとか、残像効果があるので真っ直ぐ引きやすいといった視覚的効果も大きかったのだと思います。
白い色は『ヘビー色』ではなく、『ライト色』なので、球が浮きやすそうな印象を与えてくれ、下からカチ上げる動きを抑制する効果もあったのかもしれません。
私は白も好きですが、どちらかといえば収縮色である黒のほうが好きだったので、いずれは黒い色も発売して欲しいな・・・。と思っていました。
その後もR1やグローレなど白いヘッドが続きましたが、M1ドライバーでカーボンコンポジットが採用されて黒が目立つようになり、いずれまた黒が復活するのではないか?と思っていました。
そして、また白いヘッドが登場する日がやってくるのではないでしょうか?
フェースが少し左を向いているように見えましたが、これはある程度予想していましたし、極端ではありません。
今はこのようなタイプが多いからで、『今のニュートラル』といえるような気がします。
人によっては、スクエアに見えるということもあると思いますし、逆に開いて(右に)見える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私は少し左を向いているように見えました。
バルジが微妙に利いているのがいいです。

黒いヘッドにも光沢感のあるものとそうでないものがあり、このドライバーは後者です。
コールタールを思い出させる黒といったらいいでしょうか?
コールタールブラックといっていいかもしれません。
C重油のような深くて重い黒で、C重油が空気に触れて表面にできた膜と質感が似ています。
じゅうぶん乾燥していなくて、『生乾き感』といったところでしょうか?
そして以前試打したことのある、ミズノのドライバーを思い出しました。
これまではカーボンコンポジットになっていたので、このニューモデルはどうなのかな?と思いましたが、カーボンコンポジットではないように見えました。

よく見ると『STEALTH』の文字がありました。
細かいところまでこだわっているところに好感が持てます。
ただ、近くでよく見ると、細かいところの仕上げにムラがあったのが気になりました。
しかし、これは海外メーカーらしいといいますか、細かいところを気にせず、もっと大きなポイントを重視しているのだろうと思います。
私があまりにも細かいところをチェックしすぎなのかもしれません。
普段は疲れて細かいところに目が行かなくても、ゴルフクラブを見るときは、目がらんらんと輝き、視力も一時的にアップするのかもしれません。
粗探しをするつもりはないので、あまり細かなところは見ないようにしていたのですが、このドライバーにはすごく興味があったので、ついつい凝視してしまいました。
ここまで近くで見てみると、カーボンの模様のようなものが見えたので、やはりカーボンクラウンになっているのが分かり、それがクラウンの大部分を占めています。
これまでの私の経験から、カーボンクラウンは『軽量感』がありましたが、このドライバーにはそれがありません。
むしろ、やや重そうな印象を受けました。
それはクラウン全体に『塗装感』があり、塗膜の分だけわずかに重く感じられたのかもしれません。
重いといっても、ずっしりと重いというのではなく、これまでの軽さから少し標準に近づいたくらいの重量感です。

装着されているグリップは好感が持てました。
すごくソフトというほどではないですが、適度な柔らかさと、いい感じで肌(手のひらや指)に絡みつく感じがあります。
ドライバーのグリップは『滑りにくさ』も求められるので、そういった意味でも、このグリップは適しています。

見た目は重量感がありますが、振ってみると『普通』といった印象をもちました。
重量感は感じなかったのですが、かといって軽量タイプでもないですし、これくらいが平均的なのかもしれません。
シャフトのフレックスはSですが、硬くはありません。
これがもし海外仕様だと、もっとしっかりしているのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
これだけクラウンが黒いと、打ち出すボールの重さをイメージできるところがいいです。
白いヘッドだと、なかなかこのようなイメージは浮かんできません。
羽のようにふわふわと軽く飛ぶイメージは出せますが、私が欲しいのは『重い球』なので、そういった意味でも、このドライバーの『重さ』を感じさせる構え感は好感が持てました。
ただ、やはりフェースの向きが少し気になりましたし、クラウンの質感がもっと良くなれば、さらに魅力的に見えたと思います。
黒は収縮色ではありますが、このドライバーはそれほど小さくは見えませんでした。
試打を開始しました

『打感』は、あまり好きになれませんでした。
独特なフェース面なので、最初からフィーリングを予想できなかったのですが、少しこもったような打感で好きになれませんでした。
以前試打したことのある、グローレを思い出しました。
弾き感が特別強いわけでもなく、かといって球持ち感があるわけでもなく、爽快感はありませんでした。
なんとなく後味が悪いといいますか、次から次へと打ちたくなるような打感ではありません。

『音』も中途半端な感じでした。
高すぎず大きすぎず、異音ではないので、インパクトが緩むこともなかったのですが、聞いていて心地いい音ではありませんでした。
インパクトのイメージと弾道に合致していないという印象をもちました。
爽快感を得られず、物足りない感じです。

『球の上がりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、性格がはっきりしています。
ただ、このドライバーはロフトが9度ということもあり、違うロフトのモデルを選べば、結果が変わってくるのは間違いありません。
これまでロフト9度でも、それを感じさせないほどのあがりやすさ・高弾道のドライバーがたくさんあり、それが今も続いているので、久しぶりにそれらしいドライバーに出会ったな・・・。と思いました。
最低でもHS40後半は無いと、球が浮いてくれないかもしれません。
シャフトは結構親しみやすいタイプなのに、ヘッドが硬派な印象を受けました。
高~く浮いていく弾道ではなく、ライナー系の強い球が出やすいドライバーです。

安定性はかなり高く、今のドライバーの中でも、『最高レベル』といっていいのではないでしょうか?
このドライバーは異型ではないですが、昔あった、『トライアングルヘッド』ドライバーを思い出しました。
異型ヘッドは『構えづらさ』が最大のマイナスですが、その分直進性はかなり秀でていました。
『曲げたくても曲げられない』ということを初めて感じたのも、異型ヘッドに出会ってからだと思います。
このドライバーはそんな昔に出会った、いい意味でクセのあるドライバーの特長に似た印象をもちました。
スイートエリアも広く、ミスヒットに強いドライバーで、当たり負けしません。
シャフトがちょっと頼りない感じですが、それをヘッドがカバーしている感じです。
自分では少しコスったようなあたりでも、ボールは右にふけることなく、ほぼ真っ直ぐ飛んでいきました。
TWIST FACEということもあり、インパクトの瞬間、フェースがアジャストしてくれているのでしょうか?
昔の小ぶりなヘッドのときは、プレイヤーがアジャストして曲がりを抑えていたことがありましたが、今はそれをクラブが勝手にやってくれます。
プレイヤーの仕事がまたひとつ減りました。
プレイヤーはただ単に構えた方向へ打ち抜くだけ・・・。
そう感じさせてくれるほど、このドライバーの直進性は高く、ミスカバー率も最高レベルです。
コースでも曲がりを気にしないでいいので、ティッショットが楽になりますし、その分意識をセカンド以降に向けられるようになるかもしれません。

『飛距離性能』も高く、ポテンシャルの高さをじゅうぶん発揮してくれました。
弾道が強く叩いていけるので、ヒッターとの相性は良さそうです。
いい弾道でよく飛んでくれるな・・・。と思いましたが、驚くほどではありませんでした。
それは、このドライバーが良くないというのではなく、過去のテーラーメイドのドライバーがハイレベルなものが多く、その特長を受け継いでいるという印象です。
私はライナー系の弾道が好きなので、このドライバーの放つ弾道は魅力的でした。
高~く打ち上がって最高到達点に達し、そこから急激に落下していく弾道ではないので、ランも期待できそうです。

『操作性』は高くなく、かなり小さい幅で収まってしまいました。
球がつかまるというよりは、ヘッド(特にフェース)がブレにくく感じられ、構えた方向に真っ直ぐ飛ばしていけるドライバーです。
ハイレベルなオートマチックドライバーなので、インテンショナルに打つのは難しいです。
しかし、限りなくストレートに近い球筋で勝負していけるドライバーなので、コースマネージメントも楽になるのではないでしょうか?

ウェイトはそれほど大きくないですし、ひとつしか配置されていませんが、結構『お尻(バックフェース)』が重いタイプなんだろうな・・・。と思いました。
車に例えると『後輪駆動タイプ』です。
駆動するのが後輪(ヘッド後方)なので、前輪(フェース寄り)で引っ張っていくのではなく、お尻(ヘッド後方)で押していくような感じ・・・。といったらいいでしょうか?

リヤカーを引っ張るのではなく、後ろから押す感覚・・・。といったら伝わりやすいかもしれません。
かなり革新的なデザインに変わりましたが、実際に球を打ってみて、これまでのモデルと基本性能が見た目ほど大きく違わないように感じました。
試打後の感想

このドライバー最大の特長は飛距離ではなく、高い安定性です。
曲がりにくさ、直進性の高さがずば抜けています。
結果的に平均飛距離が伸びた・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
曲がらないから、安心して振り切っていけますし、それが飛距離につながるように思います。
一時期は『叩けるドライバー』が、かなり減っていて、試打していて物足りなさを感じることがたくさんありました。
アンダースペック過ぎるものが多くて、クラブの性能が偏っているように感じたこともありました。
それはゴルファー人口の大多数の年齢が50代以上にシフトしていったということで、メーカーもターゲット層をそちらに絞ったからだと思いますが、コロナによってゴルフ人気が再燃しているようです。
必然的に若いゴルファーが増えていくので、これからは昔のように『しっかりしたスペック』のクラブも必要になってくるのではないでしょうか?
これまでは若くて力のある方は、最初からリシャフトするのが当然のようになっていて、余計にコストがかさむことが多くあったので、それが改善されるようになると嬉しいです。
私の後輩たちが余計な出費をするのをたくさん見てきました。
純正シャフトが最初からピッタリ合えば、それに越したことはありません。

このドライバーを試打して、さすがテーラーメイドだな・・・。と思いました。
これまでも書いてきましたが、テーラーメイドは常に『流行をつくる側』で、『時代の先駆者』といえます。
常に前進し、改革を恐れません。
だから、私たちゴルファーに大きな恩恵を与えてくれているのです。
衝撃的なこのドライバーが登場してきたことにより、追随するメーカーもあるのではないでしょうか?
私個人的にはフェース面のカーボンに疑問が残りましたが、これからもっと良くなることを期待しています。
久しぶりのフルモデルチェンジでしたが、これからもどんどん進化していくのは間違いありません。
テーラーメイドにはいつも期待しています。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
音・・・・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
テーラーメイド直営 カスタムショップ
テーラーメイド直営 SELECTFIT STORE限定モデル
2021年12月05日
テーラーメイド P790 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO MODUS3 105です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、キックポイントは元調子、クラブ総重量は422g です。

テーラーメイドの新しいアイアンです。
昨年、770というアイアンを試打したので、その後継モデルであることは想像に難くありません。

シンプルなデザインで、カッコいいです。

中空であることが分かりますが、他の中空と違い、プクッと膨れていないところに好感が持てます。

字が薄くて読みづらいのですが、ヒール側に『TUNGSTEN』の文字があったので、ウェイトとして組み込まれているのが分かりました。
中空はもちろん、他のアイアンでもおなじみです。
それだけウェイトを組み込まないと、適正な重量バランスや重心位置を維持できないということでしょうか?
中空の利点でもある、『外すっきり、中複雑』だと思います。

外見的な彫りは浅く、こうして見るとマッスルバックのようにも見えますが、中空独特の何ともいえない雰囲気があります。
しかし、かなり工夫しているようです。
中空っぽく見えないよう、メーカーが配慮して設計しているのではないでしょうか?
クラブはまず『外見』から入るので、決して無視することはできません。

トップラインはちょっと厚めですが、中空タイプのアイアンの中では標準的といっていいように思います。

ソール幅も見慣れた感じで、特に変わったところは見られません。

ソール形状は平らというわけではないですが、かなり緩やかな丸みがあって、リーディングエッジとトレーリングエッジが微妙に削られています。
今のアイアンはソール形状にも、『メーカーの主張』といいますか、独自の変わった工夫が見られることが多くなりましたが、このアイアンにはそういったところは見られません。

ネックは、やや短めですが、今はこれくらいがスタンダードです。

フェース面は『スタンプタイプ』のシンプルな仕上げになっています。
中空だからでしょうか?
フェース面にミーリングを入れたり、スコアラインを工夫したりすることは無いようです。
あまり手をかけたくないのかもしれません。
たとえ中空であっても、日本で少数生産のアイアンだったら、もっといろいろな物が見られるんだろうな・・・。と思いました。
こういったところは合理的な海外メーカーらしい特徴です。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
最近はこのグリップに出会うことが多いように思います。
今年の流行なのでしょうか?

素振りをしてみると、なかなか良いです。
やや軽量感がありますが、頼りない感じはしません。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
ストレートタイプで、ラインも出しやすそうです。
トップラインの厚みが目立ち、もっと狭い方が私は好きなのですが、これは仕方ありません。
『中空の置き土産』といったところでしょうか?
中空タイプによく見られる厚みです。
ユーティリティアイアンだけでなく、普通のアイアンでも中空タイプはボテッとして、アイアンのイメージで構えづらいものも過去にはありましたが、このアイアンは完全にアイアンとして構えることができます。
どっちつかずではなく、しっかりとアイアンとして主張しているところがいいです。
こうして構えてみると、結構『小顔感』があることに気づきました。
こういったことは、これまでの中空にはあまり見られなかった特徴です。
試打を開始しました

『打感』はもうひとつでした。
中空なので予想していたのですが、ひょっとしたらすごく良くなっているのではないかと期待していました。
しかし、よくある『中空らしい』打感です。
私はこの打感があまり好きではないのですが、中空を普段使っておられる方には馴染みがあって、好感が持てるのではないでしょうか?

球はよくあがってくれました。
構えたときにイメージした高さよりも、高い弾道で飛んでいきました。
バックフェースにTUNGSTENの文字があったので、かなりたくさんのタングステンが使われていて、重心が低くなっているのでしょうか?
このようなタイプはどうしても『上から』潰して打ちたくなりますが、横からはらうイメージでも、結構浮かせてくれるアイアンだと思いました。
カッコ良くてシャープなアイアンが好きだけど、ダウンブローが苦手だ・・・。という方は、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
球はよくあがってくれてイージーさを感じたのですが、いわゆる『めくれるような』弾道ではないので、結構スピンも少なめで、グリーンでは止まってくれないのではないかな?と思いました。
球質が、やや軽めで少し流されるような弾道です。
あくまでも私の理想として、グリーンの真上からズドーンと落としていって、そこから短く2バウンドくらいして、ピンに絡んで欲しいのですが、このようなタイプのアイアンではそれが難しいように感じました。

『安定性』が高く、打点のブレにも強いです。
ここに一番驚くといいますか、このアイアンの特長が出ているように感じました。
打感を犠牲にして、ここの部分を高めているのは間違いないようです。
外見はマッスルバックのようでも、実際はフルキャビティの易しさがある・・・。
これこそが『中空の醍醐味』といえるのではないでしょうか?
結構な小顔タイプでありながら、ここまでの寛容さを感じるアイアンは記憶にありません。
少しヒール側で厚く入っても、逆にトゥ側で薄く入っても球筋はブレにくく、ストレートに近い弾道で飛んでいきました。
見た目はマッスルバック、易しさはフルキャビティ、あるいはポケキャビ並のアイアンといっていいように思います。

『飛距離性能』も優れていて、よくある『番手飛ばし』のアイアンです。
この飛距離を見ると、7番アイアンには思えなくなりますが、これが今のスタンダードではないでしょうか?
ヒッター向けなのは間違いないですが、そのハードルは意外と低く、それほど使い手を限定しないアイアンです。

『操作性』という点では、結構いい顔をしているせいか、曲げることもできましたが、どうしても安定感が勝ってしまうように感じました。
いい意味で、『安定性』『易しさ』が操作性を邪魔しているといっていいでしょうか?
球がつかまり過ぎないので、私のようなフッカーでも安心感がありますし、フェードヒッターの方にもまとめやすいアイアンといっていいように思います。
自然につかまえてくれるアイアンではないですが、右へすっぽ抜ける感じはしません。
曲球も打てますが、どちらかといえば『セミーオートマチックタイプ』のアイアンだという印象をもちました。
試打後の感想

見た目はシンプルですが、かなり工夫されているといいますか、ハードルを下げているというのが、球数をこなしていくほど強く感じられました。
ヘッドの中はどうなってるんだろう?と中を割ってみたくなるほどでした。

易しいアイアンを使いたいけど、それでもやっぱりカッコよさは捨てられない・・・。
という方にピッタリのアイアンだと思います。
マッスルバックのようなシンプルな形状でありながら、実際の性能はポケキャビ並の易しさがあるので、そのギャップに驚かれる方がいらっしゃるかもしれません。

テーラーメイドのアイアンといえば、過去にフォージドアイアンがありながらも、どちらかというと『ステンレスのポッチャリ系』というイメージが強く、親近感をもてないことも多かったのですが、このように全く別のモデルも発表し、さすが開発力があるな・・・。と思いました。

シャープでカッコいいアイアンではありますが、全体的な質感や構え感、打感などが私の好みからは外れているので、いいアイアンだな・・・。と思いつつも、それ以上気持ちが盛り上がることはありませんでした。

ただ、これはあくまでも私の好みであり、このアイアンが優れていないということではありません。
むしろ、これだけたくさんの工夫をして、私たちゴルファーを楽しませてくれるメーカーには感謝しています。

一時期、テーラーメイドはニューモデルの出る頻度がとても高くて、他のメーカーが追随できないところがありました。
それがいつの間にか落ち着いてきて、他のメーカーと足並みをそろえるようになりましたが、これからもテーラーメイドには、『流行の先駆者』で有り続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年06月09日
テーラーメイド HI-TOE RAW ビッグフット ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド HI-TOE RAW ビッグフット ウェッジ

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

テーラーメイドの新しいウェッジです。
昨年、同じようなモデルを試打しましたが、このウェッジはまた微妙に違うようです。
前のモデルは『カッパーっぽい』質感でしたが、このウェッジは違います。
カッパーもいいですが、このウェッジも重厚感があっていい感じです。
私はクラブを見たときに『重厚感』といいますか『重量感』といったほうがいいのかもしれませんが、『軽さ』ではなく、『重さ』を連想させるクラブに魅力を感じます。
それは軽すぎるクラブでたくさんミスをしてきたからなのかもしれません。

標準的な大きさです。
名前の通り、トゥ側が伸びていますが、こうして見てもそれほど違和感はありません。

この大きな凹みは前のモデルにも見られました。
ここをくり抜いて重心を高くしているのだろうと思います。

HI-TOE、まさにトゥ側が高くなっているウェッジです。
こうすることで、さらに重心が高くなっているのではないでしょうか?
クラシックバレエのトゥシューズではないですが、『つま先立ち』のウェッジといっていいのかもしれません。

この文字は前のモデルにも見られました。

ソール幅はやや広めですが、サンドウェッジということを考えると普通です。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているのではなく、真ん中部分が少し狭くなっています。

ソール形状にかなりの工夫が見られます。
最近はこのようなウェッジが多くなったので驚くようなことはないですが、クラブに革新的な技術を注ぎ込むテーラーメイドなので、この形にも理由があるのだと思います。
ソールにもミーリングがありました。

ネックの長さはしっかりキープされていますが、ウェッジとしては普通です。
ロングというほどではありません。
前のモデルはスルーボアのようになっていましたが、このウェッジは違うようです。

フェース面だけがノーメッキのようです。
ノーメッキといえば、クリーブランドやフォーティーンのウェッジを愛用していたことがあるので、懐かしいです。
フェース面を指で触ってみるとザラザラしていました。
ザラザラしているのですが、ガツガツくるような『強め』ではなく、『目の細かな』感じのザラザラ感です。
砂鉄をフェース面にまぶしているような感じ・・・。といったら伝わりやすいでしょうか?
このフェース面は好みがはっきり分かれるところだと思います。
ノーメッキなので錆びが発生しますが、それがまたいい味を醸し出します。
フェース面には変わった形のミーリングがありました。
これは見たことがありません。
何となくですが、『水はけ』が良さそうです。

装着されているグリップは最近よく見かけます。
ソフトなフィーリングで、アイアンやウェッジに適したグリップです。

ボールを前にして構えてみると、見惚れるようなことはなかったのですが、なかなかいい感じでした。
ヘッドの据わりがいいので、グラグラ浮くことなく、アドレスがすぐに決まります。
ソール形状(特にヒール側)を見たときに、この据わりの良さは予想できました。
『ブラックホール』といったらオーバーですが、何もかも吸収するかのような、この雰囲気が魅力的です。
黒は収縮色ですが、『吸収色』といっていいかもしれません。
これなら晴れの日のラウンドで、太陽がどの位置にあっても眩しくはならないと思います。
このウェッジはフェース面のほぼ全てにスコアラインがあって変わっているのですが、それがあまり目立たず、前のモデルと大きく違うところです。
顔自体も『逃し系』で、カットに打っていくイメージが出しやすいです。

開いて構えてみたのですが、いい感じです。
開きづらいウェッジはヒールの部分が膨らんで邪魔することが多いのですが、このウェッジはそうではありません。
このまま開いてボールの下をくぐり抜けていけそうです。
グースタイプではなく、ストレートタイプではありますが、ほんの少し『ベントネック』になっていて、微妙に曲がっています。
これは好みが分かれるところかもしれませんが、私は好感を持ちました。
勢いを殺した『弱い球』をイメージしやすくなるからです。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
ソフトではあるものの、結構しっかりしている感じです。
ボールの乗っかり感もありました。
ボヤケた打感ではなく、ボールの質感もはっきりと感じ取ることができる打感です。

スピン性能はとても高いです。
摩擦力が高く、よく食いつき、ボールがよく止まってくれました。
『静かなるスピン性能』といったらいいでしょうか?
『剛』と『柔』でいえば、柔だな・・・。と思いました。
穏やかで計算しやすいスピン性能です。
高重心だからでしょうか?
途中でスピンが解けること無く、しっかりと掛かり続けてくれました。

球を拾いやすく、いい感じであがってくれます。
ストレートタイプで『歯先』で拾うことができ、薄いライでも活躍してくれそうですし、出球のイメージよりも少し高めに浮いてくれました。
ロブ系のショットにも、かなり適したウェッジです。

『安定性』は普通です。
特別大らかなタイプだとは思いませんが、これくらいの普通がベストな気がします。
オートマチック系のウェッジではありません。

『距離感』という点では、何球か転がして(浮かせて)みて合わせることができました。
イメージよりも少し浮く感じだったので、飛びすぎないといいますか、やや突っ込み気味くらいがちょうどいいように感じました。
飛びすぎないウェッジなので、実戦でも大いに役立ってくれそうです。

『操作性』はとても高いです。
フェースの開閉をしやすく、抜けが良いので、かなり思い切った使い方をすることができます。
私はこういうタイプのウェッジはロブ系の球で遊びたくなるのですが、それがとてもイージーでした。
『転がし系』もいけると思いますが、どちらかといえば『浮かし系(ロブ系)』で真価を発揮するウェッジだと思います。
試打後の感想

テーラーメイドらしい、かなり工夫がされたウェッジです。
テーラーメイドはアイアンやウェッジ系が得意なメーカーですが、ウェッジにも力を入れてきているということなのだと思います。

テーラーメイドのウェッジはこれまでいくつか手にしたことがありますが、タイトリスト(ボーケイ)やキャロウェイほど多くありません。
最も親近感をもつのがクリーブランドですが、これからはテーラーメイドのウェッジも、もっと積極的に試してみたいと思います。

一時期、かなりノーメッキが流行りましたが、いつの間にか見なくなりました。
メッキタイプよりもノーメッキのほうが高価なことが多いので、何故なんだろう?と思っていました。

ノーメッキのほうがメッキよりも確実にスピンを掛けられるとは思いませんが、使う価値は充分あると思います。
フェース面がツルツル滑るようなウェッジは今も普通にありますが、このウェッジのようにザラザラ感があって、しかも特別なミーリングが施されているものは実戦向きだといえます。
テーラーメイドはいつも『流行の発信者』なので、再びノーメッキが流行りだすかもしれません。
ただどうしても錆が発生してしまうので、メッキタイプよりもこまめな手入れが必要となってきます。

キャビティタイプやウェイトが組み込まれたようなオートマチックタイプのウェッジを好まれる方には合いづらいところがあるかもしれません。
完全にマニュアルタイプのウェッジで、ショートゲームが得意でロブ系やピッチ系のような『止める球』で勝負していきたい方には頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?

久しぶりにノーメッキウェッジに触れたので、懐かしさがこみあげてきました。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


テーラーメイド MY MILLED GRIND2 あなた好みのパフォーマンスを
2021年06月02日
テーラーメイド P7TW アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド P7TW アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド ツアーイシュー です。
ロフトは35度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

とてもカッコいいテーラーメイドのマッスルバックアイアンです。
テーラーメイドのアイアンといえば、ポケキャビや中空のイメージが強いですが、昔から無かったわけではありません。
タイガー・ウッズ選手モデルということで、やはりマッスルバックです。
タイガー・ウッズ選手はアマチュア時代からずっとマッスルバックを使っていて、キャビティのイメージはありません。
ナイキのクラブを使っていた時代が長かったのですが、私はやはりミズノやタイトリストアイアンのイメージが強いです。
アイアンはミズノかタイトリスト。
ドライバーはコブラかタイトリスト。
特に975Dは印象に強く残っています。
それから、アーニー・エルス選手が使って大ヒットした『983K』『V1』へと続いていきます。

一切贅肉の無い、シンプルな形状です。
余分な機能を付けずに、全てタイガー・ウッズ選手の技量でカバーするということなのでしょうか?
お助け機能は無い分、リターンも大きいような気がします。
易しすぎると、そこに『曖昧さ』が生じてしまいますが、このアイアンにはそのようなことが無いようです。
ショットにおける全てのこと(高さやスピン・方向性や距離感など)を把握しておきたいというプレイヤーのためのクラブといえるのかもしれません。

フラットバックタイプです。
最近はマッスルバックでもバックフェースの形状の工夫が見られるものが多くなって多様化していますが、このアイアンは昔ながらのシンプルなデザインです。
タフな環境で行われるUSPGAツアーは、このようなタイプのほうが合いやすいのかもしれません。
こうして見ても、やはり『刀』だな・・・。と思いました。
切れ味が鋭そうな名刀の雰囲気があります。

トップラインも薄くてシャープです。
すごく構えやすそうで、いいイメージが出せそうです。
このイメージの出しやすさが、クラブの『易しさ』に直結するように思います。
球があがりやすいとか、スイートエリアが広いといったことも重要ですが、私は『構えやすさ』を重視しています。
いいイメージが色濃く出れば出るほど、ショットの成功率が高まることを実感しているからです。

ソール幅は狭いですが、昔のアイアンからすると普通といっていいように思います。
特別狭いとは思いませんが、今のアイアンの中では明らかに狭いですが、レベルブローではなくダウンブローで捉えていきたい方には親近感のもてるソールといえるのではないでしょうか?

ソールにはミーリングのような工夫が見られます。
これは以前試打したウェッジにもありました。
他のメーカーでは見られない工夫ですが、テーラーメイドがやっていることなので、おそらく大きな意味があるのだと思います。
この溝は真っ直ぐですが、円を描くような曲線だと、どうなるのかな・・・?などと思いながら見ていました。
アイアンに限らず、クラブは『自然に閉じながら』ボールを捉えていくものなので、それに合わせて曲線でも面白いと思います。
アイアンやウェッジのフェース面へのミーリングには、いろいろなタイプがあり、メーカーによって特徴があるので面白いです。
ソールにこの溝を入れることで接地面積を減らし、抜けが良くなるということなのでしょうか?
だとしたら、昔の『ゲタバキソール』のアイアン版といったところかもしれません。

ネックは今のアイアンの中では、やや長めですが、ロングというほどではありません。
こういったところが、今のアイアンの特徴といっていいように思います。
ネックの長さよりも、細さのほうが印象に残りました。
今は太くてボテッとしたアイアンが多くなりましたが、このようにシュッとした『後ろ姿美人』のアイアンを見ると目尻も下がります。
クラブを見て、頭の中がどんよりとした曇りになることもありますが、今日はとてもクリアな快晴です。
ゴルフクラブには直接的な性能とは関係ないですが、『雰囲気』も大切です。

ホーゼルには『FORGED』の文字があります。
FORGEDにもいろいろとあるようですが、どのような製造工程で作られているのでしょうか?
タイガー・ウッズ選手モデルということで、特別な鍛造がされているのかもしれませんが、こうして見るだけでは分かりません。
メッキの質感も普通で、特別な印象はありません。
ミラー仕上げになっていて、ピカピカ光を反射するタイプです。
私はサテン仕上げのほうが好きですが、海外メーカーはミラー仕上げが多いような気がします。
ウェッジではノーメッキを今でも見かけますが、アイアンでは見られません。
かなり錆が出てしまいますが、どのようになるのか興味があります。

ヒール側には『MILLED GRIND』の文字があります。
ウェッジもそうでしたし、テーラーメイド独自の技術が用いられているようです。

フェース面にミーリングはありません。
指で触ってみると、ツルツルしたタイプではなく、適度にザラザラしています。
テーラーアイアンらしいデザインだな・・・。と思いました。
スコアラインは16本あって、7番アイアンとしては多いほうです。
私は13~14本くらいが好きですが、この間隔の狭さと本数の多さを好まれる方も多いのではないでしょうか?
本数が13本くらいだと、『押す』イメージが出しやすいですが、このように数が多いと押すというよりは『摩擦』をイメージしやすくなります。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
予想通りの構えやすさです。
新しいアイアンではありますが、クラシカルな雰囲気があります。
物理的な寛容さがそれほど大きくないマッスルバックは『構えやすさ』『イメージの出しやすさ』が命です。
なので、この自然な構えやすさは必要不可欠です。
とても構えやすいですが、見惚れるようなことはありませんでした。
それは全体的な質感や雰囲気によるものです。
良くないというのではなく、あくまでも私の好みの顔・雰囲気・質感ではないということに過ぎません。
グースというのではなく、シャフトの入り方に特徴があります。
少し『右側』から挿してあるタイプです。
昔はよく見られましたが、ここまではっきりしているのは珍しいような気もします。
右に逃げるイメージが出やすいので、ストレートタイプということもあり、スライサーの方には構えづらいところがあるかもしれません。
それと当然ながら、『小顔タイプ』なので、ラージサイズやセミラージサイズを好まれる方は苦手意識が芽生えてしまうかもしれません。

こうして構えながら、『軽トラック』を連想しました。
どういうことかというと、『重心が浅い』ということです。
このアイアンに限らず、アイアンはウッド系のクラブと違い、重心が浅いものですが、それでもポケットにしたりウェイトを組み込んだりして重心を少しでも深くしようとして作られているアイアンが多くなりました。
ゴルフクラブと違い、車には『重心の浅さ』という表現は使われないと思いますが、軽トラックは明らかに重心が浅い(前にある)タイプです。
これははっきりしています。
最も重量のあるエンジンが前にあり、荷台が空だとそれが顕著です。
荷物を積むことを想定して、設計されているということもあると思います。
普通の軽トラで荷台が空の状態であれば、ちょっと力のある人だと1人で荷台を持ち上げる(車を斜めにする)ことができます。
私も過去にやったことがあり、近くで見ていた人から驚かれました。
1センチ2センチ浮かせるのではなく、数十センチ浮かせるのです。
これは凄いことかと思われがちですが、荷台が空の状態だと、それほど難しいことではありません。
逆に前を浮かせることはとても重いので難しいですが、大人が数人いればできます。
私も友人と二人で持ち上げることができました。
昔は車(特にセダンタイプ)は必ずといっていいほど『FR(前にエンジンが積んであり後輪駆動)』でしたが、今は高級車も含めほとんどが『FF(前にエンジンが積んであり前輪駆動)』になっています。
FFは振動が伝わりやすいから乗り心地が悪いと言われた時期が長くありましたが、今は技術が進んでかなり改善されています。
私の今の愛車もFFです。
昔はFRに乗っていて、FRは普段はいいのですが、雪が降ったときなどは大変です。
こういったときはFFのほうが助かります。
FFもFRも舵を取るのは前輪ですが、駆動するタイヤが後輪だとかなり厳しいです。
最適なのは四駆ですが、燃費の問題もありますし、FFだと前輪にチェーンを掛けただけで普通に走れます。

昔、友人と二人でスキーに行ったとき、小雪が降り続いていて、途中のチェーン脱着場でチェーンを掛けたのですが、雪が多くの車に踏み固められてアイスバーン状態になっていました。
安全第一で徐行するようなスピードで進んでいったのですが、チェーンを掛けた前輪だけが回転していて、チェーンを掛けていなくて駆動していない後輪は回転することなく止まったまま、氷の上を滑った状態で車が前に進んでいたのを見て、ゾッとしたことがあります。
四駆だから雪道でも必ず安全というわけでもなく、スキー場に向かう道で横滑りして身動きがとれない状態になっているのは四駆が多かったです。
四駆だから安心だと過信せずに、しっかりとチェーンを掛けて安全運転しなければなりません。
昔の車(特にポルシェなどの外車に多い)は『RR(後ろにエンジンが積んであり、後輪駆動)』などもありましたが、日本車はもちろん今の車の多くが前にエンジンを積んでいます。
なので、前に重心がきていて、ゴルフクラブ風にいうと『浅重心タイプ』です。
これからガソリンエンジン車が作られなくなり、電気自動車になると、また構造が大きく変わってくるかもしれません。
かなり話が横にそれてしまいましたが、このアイアンの顔を見ながら、そんなことを考えていました。
そう考えると、今のクラブ(特にドライバーやFWなどのウッド系)は『RRタイプ』が多いのかもしれません。
ヘッド後方に膨らみが大きくなり、大きなウェイトがバックフェース寄りに組み込まれていることが多いです。
試打を開始しました

打感はとても素晴らしいです。
心地よい柔らかさと厚みのある打感がたまりません。
ボールへの食いつき方も凄いです。
この『分厚い』打感があるから、マッスルバックはやめられません。
フェースがボールをしっかりとつかんで乗せて運ぶイメージが出せます。
インパクトからフォローにかけて距離感を出していけるタイプです。
今のディスタンス系はバーンと弾いて終わり・・・。といったところがあるので、このようなフィーリングは得られません。
『濃い接触』ではなく、『薄い接触』です。
希薄な関係といっていいかもしれません。
そのような今どきの打感が好きだと言われる方もいらっしゃると思いますが、私はやはりこのような厚みと柔らかさのある打感が好きです。
一球打つ毎の情報量も半端ありません。

球のあがりやすさという点では、打ち出しのイメージも合いやすいですし、昔ながらのノーマルな感じがしますが、明らかにヒッター向けです。
標準的なロフトではありますが球が浮きづらいと感じられる方は少なくないかもしれません。
最近のアイアンはロフトが立っているものがほとんどで5番アイアンのような見え方なのに、あがりやすさは8番から9番くらいに感じられるものが多くなりました。
それはメーカーの研究が進んで素晴らしいことだと思うのですが、どうしても構えたときに浮かんだイメージと実際のギャップがあって、打っていても易しいと感じることはあっても、もやもやした感じ・・・。といいますか、心地いいと感じないことが多いです。
なので構えたときに、フェースの傾き(ロフト)をあまり見ないようにしているのですが、このアイアンは構えたときのイメージと出球の高さが合いやすいです。
接触時間の短い、フワ~っとしたあがりやすさではなく、ボールがしっかりとフェースに乗って駆け上がっていっていくような『スピンの効いたあがり方』です。
『スタンディングロフト』のイージー系アイアンは確かにロフトが立っているもののあがりやすくなっていて、『高さで止める』ことができるのかもしれませんが、どうしてもスピンが足りないように感じます。
ボールの低スピン化と同時に、ドライバーも低スピン性能があがりましたが、アイアンも低スピン化が進んでいるのではないでしょうか?
いろいろなアイアンを試打して、そう感じます。
手前に受けていてグリーンが柔らかい状態だとボールも止まってくれるように思いますが、砲台グリーンやポテトチップスグリーンでコンパクションが高いと、なかなか止まってくれないような気がします。
やはりインパクトでしっかりとフェースに乗せて『押せる』タイプでないと、スピンが効きづらく、止められないように感じます。
ラウンドしているときは、ティショットでは普通『無風』か少しフォローくらいがちょうどいいですが、グリーンに近づくにつれて無風か少し『アゲインスト』になってくれるほうが易しいです。
ずっと無風がベストではありますが、自然のなかでそれはありえません。
グリーンが近くなってボールを止めたいときに、フォローだとスピンがほどけて、なかなか止まってくれないので難易度があがってしまいます。
しかし適度にアゲていると、スピンが効いて止めやすくなるので易しさは倍増します。
ウレタンカバーのスピンタイプのボールは確かによくスピンが効いてくれますが、昔の糸巻き(ロイヤルマックスフライ)を愛用していた者から言わせていただくと、だいたい『5~6割』くらいといったところでしょうか?
もちろんバックスピンが掛かりすぎてしまうとまた違う難しさが生じてしまいますが、どうしてもスピンを効かせたいときがありますし、ゴルフに限らずどの球技でもスピンは切っても切れない関係にあります。
そんなことを、このアイアンが放つ弾道を見ながら考えていました。
やはり、これくらいの食いつきがあって、『弾く』のではなく、『しっかりと押して(乗せて)』運んでいけるアイアンに魅力を感じます。

『安定性』という点では、かなり正直なタイプで、シビアさは今のマッスルバックアイアンの中でもトップクラスといえるのではないでしょうか?
『エリア』や『ゾーン』ではなく、『点』として捉えていくべきアイアンです。
アイアンに寛容さを求めておられる方には合いづらいところがあるかもしれません。
今のマッスルバックやハーフキャビティは結構易しさが進化していて、ハードルが下がってきているように感じることがありますが、このアイアンは本来のマッスルバックらしい特徴をもっています。
『白は白、黒は黒』というように、このはっきりとした性格を好まれる方もいらっしゃると思いますし、はっきりせずに曖昧さを良しとされる『グレー派』の方には親近感がもてないかもしれません。

『飛距離性能』という点では、今のアイアンの中でも明らかに飛ばないタイプです。
飛ばないというよりは『飛びすぎない』ことにフォーカスして作られたアイアンといっていいのではないでしょうか?
アイアンは元々飛ばすのが目的のクラブではなく、『正確に刻む』のが目的のクラブなので、『本来の性能』に戻ったといえるかもしれません。
最近はアスリート系のアイアンでも距離が出やすいものが多くなりましたが、このアイアンは全く違います。
飛距離よりも距離感、『縦のコントロール』を重視したアイアンといっていいのではないでしょうか?

球を打ちながら、子供の頃によくやった『凧揚げ』を思い出しました。
最近はなかなか空き地が無いので、凧揚げをしたことがないという方もいらっしゃると思います。
私が子供の頃は凧揚げやコマ回しなど、アナログな遊びをよくしていましたが、今はそのような場所が少なくなっているので、子供の遊びはデジタル化しているように思います。
凧揚げは凧を風に乗せて高くあげたり、凧同士を喧嘩させたりする遊びですが、大切なのは『コントロールする』ということです。
10mくらいではどうということはないですが、微風状態でも100mくらい高くあげるとかなり風の影響を受けて凧が暴れだしますし『抵抗』を受けて重くなってしまいます。
そんなときは負けないように、糸をしっかりと張って凧をコントロールしなければなりません。
丈夫な糸でしっかりと張っているから凧を操作できるわけですが、そういったことを、このアイアンの『飛びすぎない』性能を肌で感じながら思い出していました。
しかし今の多くのアイアンは、まるで『糸が張っていない状態』といいますか、『糸が切れてしまったような状態』に感じられるものがあります。
距離をコントロールできず、飛びすぎてしまい、まさに『糸が切れた状態』です。
昔のクラブは縦の距離はもちろん、かなり方向性もばらついていましたが、今のクラブは曲がりにくいものが多いので、コントロールできなくても、ほぼ真っ直ぐ飛ぶものが多くなっているのですが・・・。
アイアンに求めるものは人それぞれで、少しでも飛ばしたいという方もいらっしゃると思いますが、私は飛びすぎないアイアンが好きなので、このアイアンには親近感をもちます。
先程も書きましたが、『出球のイメージ』が合いやすいのも魅力的です。

『操作性』は最高で、いろいろなショットを楽しめるアイアンです。
直進性といいますか、必要最低限の寛容さだけを残して、あとは全て『打感』と『操作性』にもってきているようです。
グースタイプではなく、ストレートタイプを好まれる方でしたら、ドローヒッターの方にもフェードヒッターの方にも扱いやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
プレイヤーの持ち球で勝負していけるアイアンです。
タイガー・ウッズ選手のように、まるで『顕微鏡をもったかのような高い精度』をほこるプレイヤーのために作られたアイアンといえるのではないでしょうか?
最近は少なくなりましたが、大きく曲げることも苦にしないアイアンなので、曲げることを楽しみたい方、真っ直ぐ飛ばそうとするのではなく、あえていろいろな球を打ってスイングを作っていきたい方にも合いやすいのではないでしょうか?
今は大きなクセではなく、『ちょっとだけ』クセのあるアイアンもありますが、このアイアンには見られず、『ニュートラル』な印象をもちました。
そういった意味では、まだ色のついていない『純白』な状態といえるのかもしれません。
試打後の感想

構えやすくて、打感や操作性も最高レベルで、アイアン好き・マッスルバック好きにはたまらないアイアンです。
先程も書きましたが、テーラーメイドにはマッスルバックのイメージはありません。
しかし、またこのようなアイアンを発表して欲しいです。
タイガー・ウッズ選手モデルということで、限定販売なのだそうです。
昔はプロモデルのクラブが飛ぶように売れた時代がありましたが、今は違いますし、特にタイガー・ウッズ選手モデルは爆発的に売れるといったことが無いように思います。
世界ナンバーワンプレイヤーで多くのファンをもっていますし、常人離れしたパフォーマンスを発揮するので、タイガー・ウッズ選手だから使いこなせるのだろう・・・。という心理が働いているのではないでしょうか?

タイガー・ウッズ選手モデルで限定発売ということで、かなり高価なようですが、全体的な質感も普通で、特別感はないですし、コスパが高いとは正直思いませんでした。
もちろんタイガー・ウッズ選手のファンの方は注目のクラブだと思います。
私もタイガー・ウッズ選手が大好きですが、購買意欲が強く刺激されたか?と聞かれれば、『それほどでもない』というのが正直な感想です。

それはこのクラブに決定的な落ち度があるというのではなく、昔と違い『プロモデル』にあまり興味が無くなったということもありますし、値段に見合う『特別な何か』を感じないからです。
全体的な質感などもそうですし、他のアイアンと差別化できているとは思いませんでした。
それと、今は魅力的なクラブがたくさんあるというのも大きな理由です。

特別だけど特別じゃない・・・。といったところでしょうか?
確かにカッコいいアイアンだけど、もし違うメーカーがタイガーモデルを作るとしたら、別のアプローチの仕方(設計や製造・仕上げ)をしただろうな・・・。と思いました。

タイガーウッズ選手の事故はとてもショッキングなことでしたが、順調に回復して、しっかりと治してから、再び私たちファンにその勇姿を見せてもらいたいです。
そしてマスターズで松山選手と優勝争いをして、日本だけでなく世界中を熱狂させて欲しいです。
タイガー・ウッズ選手の一日も早い回復を祈ります。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆
飛距離性能・・・☆
距離感・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年05月27日
テーラーメイド SIM グローレ レスキュー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM グローレ レスキュー

シャフトは Air Speeder TM です。
ロフトは21度、クラブ長さは40インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は50g、トルクは3.9、キックポイントは先中調子 です。

テーラーメイドグローレシリーズのハイブリッドです。
このクラブは発売されて半年以上経ちますが、まだ試打していなかったことに気づき、試打してみることにしました。

やや大きめなサイズで、ソールの丸さが強調されています。

ヒール側には大きなウェイトが配置されています。

ソールには溝があります。

溝は深くなく、『段差』といったほうがいいほどです。

フェース面のトゥ側には『TWIST FACE』の文字がありました。

ネックの長さは標準的で、調整機能は搭載されていません。

シャローバックタイプです。

つかまりそうな顔ですが、極端ではありません。
ボリュームもありますし、つかまりそうで安心感をもたれる方は多いのではないでしょうか?

このカーボンクラウンも見慣れてきました。
次のモデルは何色になるのでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
こうしてボールとの対比で見てみると、それほど大きすぎない感じがします。
つかまえ系の顔ですが、それが強調されていません。
こういったところがグローレのいいところです。
易しさの中にも『気品』のようなものが感じられます。
白は膨張色なので、フェースを被せればそれが黒よりも強調されてしまいますが、それを感じさせないほど、いい具合に仕上がっています。
フェースだけを見ると被っているように見えますが、白く塗られたバルジがそう見えないように工夫されています。
最近はこのようにバルジとフェースの向きが一致しないものが多くなりました。
フェースは被っているけど、そう見えないようにメーカーが工夫しているのではないでしょうか?

装着されているグリップはこれまでも出会ってきました。
ソフトなフィーリングと、グリップパターンに特徴があります。
テーラーメイドはシャフトやグリップにはあまり力を入れていないといいますか、ヘッドほどの熱意を感じないことがあるのですが、グローレシリーズはそうではありません。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
軽量感があって、走るタイプのシャフトです。
顔もそうですが、シャフトも先が動く感じなので、かなり『つかまり』に力を入れているように感じます。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じです。
これまでも出会ってきた、テーラーメイドらしい弾き感のあるフィーリングです。
『球持ち』というよりは、明らかに『球離れ』で勝負している感じがします。

『音』も、これまで何度も耳にしてきた音です。
ややはっきりした音ではありますが、大きすぎず高すぎず、好感が持てます。

球はあがりやすいですが、今のクラブの中では平均的といっていいと思います。
球のあがりやすさよりも、つかまりやすさのほうが印象に残りました。
オシャレでカッコいいクラブですが、タフなタイプではなく、ハードルは高くありません。

スイートエリアは広めでイージーですが、私にはややつかまりすぎた感じで、初球からフックボールを打ってしまいました。
構えたときはそこまでフックするイメージはなかったのですが、思いの外つかまりやすいです。
これは顔の向きというよりは、ソールにある大きなウェイトが効いているんじゃないかな?と思いました。
フェースが返りやすいクラブです。

『飛距離性能』は優れています。
易しく高確率で飛ばしていけるハイブリッドです。
ミスヒットへの寛容さもあり、飛距離にそれほどバラつきは見られません。

『操作性』という点では、私はフック系のほうが自然に感じましたが、スライサーの方はちょうど相殺されて真っ直ぐ飛びやすくなるのではないでしょうか?
コスって右にフケるはずの球がフケず、ほぼ真っ直ぐ飛ぶ感じです。
絶対に曲がらないというクラブではないので、『セミオートマチック』タイプのクラブだという印象をもちました。
右に曲がりにくいのは確かです。
試打後の感想

グローレらしく、美しくて高級感がありますが、基本性能もしっかりしています。

エグゼクティブゴルファーの方はもちろん、アスリートゴルファーの方にも支持されやすいのではないでしょうか?

美しいクラブでありながら美しいだけでなく、易しさもあって、クセがあまり無いのがいいです。
もし私がスライサーであれば、購入したかもしれません。

次回作にも期待が持てます。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年05月12日
テーラーメイド SIM2 MAX レスキュー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX レスキュー の4番 です。

シャフトは TM60 です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは2.9、キックポイントは中調子 です。

テーラーメイドSIM2シリーズのハイブリッドです。
先日フェアウェイウッドを試打したのですが、今日はハイブリッドを試打する機会に恵まれました。
デザインが同じで、ヘッドを小さくしただけのように見えます。

ハイブリッドとして、大きさは標準的です。
フェアウェイウッド同様、いろいろな工夫が見られますが、ゴチャゴチャしていないのがいいです。

この『SPEED POCKET』はおなじみです。
フェアウェイウッドだけでなく、このハイブリッドにも『V STEEL』の文字が見られます。
私は昔、V STEELのFWは使っていましたが、ハイブリッド(テーラーメイドの場合はレスキュー)にもV STEELがあったかな?などと考えていました。

『TWIST FACE』も定番のようになりました。

ネックの長さはたっぷりあって、調整機能は搭載されていません。
テーラーメイドは、この調整機能に最も積極的なメーカーだと思うのですが、最近のモデルでは見ないことも多くなりました。
調整機能よりも、ヘッドの性能に重きをおいたのでしょうか?
ウェイトも見られません。
ヘッドにウェイトがあると『芯の位置(範囲)』がブレやすくなり、見た目とのギャップが生じてしまいますが、このクラブの場合は見た目通りなのかもしれません。

見慣れた形状で、ノーマルシャローといってもいいように思います。

予想通りのオーソドックスな顔をしています。
いわゆる『卵型』といっていいでしょうか?
ハイブリッド(ユーティリティ)には最も多い顔です。
しかし、私には『逆くの字型』といいますか、フェースが少し左を向いているように見えました。
ただ苦手意識が芽生えてしまうというほどではありません。

このカーボンコンポジットも見慣れた感じがします。
白いヘッドだけでなく、白と黒のツートンも、テーラーメイドが流行らせました。

装着されているグリップも、これまで試打しています。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
ハードなセッティングではないですが、頼りなさのようなものはあまり感じず、タイミングもすぐにとれました。

ボールを前にして構えてみると、まずまずです。
前のモデルとあまり変わらないような気がします。
つかまりそうな感じがしたので、少し右に向き直して、回すイメージで立ちました。
試打を開始しました

『打感』は予想通りでした。
これまでのモデルと変わらないような打感ですが、少し『弾き感』が抑えられているかな?と思いました。
ガツーンと強く弾くというよりは、ややまったりした感じです。
飛ばすイメージのクラブだと、弾き感が強いほうがいいのかもしれませんが、『グリーンに乗せる』『止める』というイメージが欲しいときは、ソフトでまったりした感じがいいように思います。

『音』は聞き慣れた金属音で、『テーラー音』といっていいように思います。
『キーン』という甲高い金属音ではなく、『カチッ』という硬い感じの音ですが、大きすぎず高すぎず、集中して打っていくことができます。
音にも『温度』を感じることがあり、熱い感じのするものもあれば、このクラブのように『クール』といいますか、あまり『感情』がないような機械的な音も多いです。
起伏の激しい音と、乏しい音といったほうがいいかもしれません。

球はあがりやすくて、タフさは全く感じません。
4番(22度)というロフトもあると思うのですが、弾道は高めです。
アイアンで22度というと、『4番アイアン』になりますが、しっかり打たなくても、言い換えれば少しダフる感じでアバウトに打ってもしっかりあげてくれるのがハイブリッドの利点です。
これまでは『ヒッター有利』といわれてきた『200y前後』の距離ですが、今はこのような高性能で親しみやすいクラブがたくさん登場しているので、有利さは縮まったような気がします。
このクラブは高い放物線を描いてキャリーをしっかり稼いでいけるので、グリーンに乗っても結構止まってくれるような気がしました。

気難しさはなく、イージーなタイプですが、安定性という点では、今のクラブの中では普通です。
ある程度の直進性があるので、打ち出し方向さえ間違わなければ大きなケガにはなりにくいように思います。
球はしっかりとつかまってくれ、右にフケる感じはしません。

『飛距離性能』も、好感が持てました。
易しく飛ばしていけるタイプです。
先ほども書きましたが、スインガータイプの方にも、距離が出やすいクラブといっていいように思います。
スピンも効いていて弾道も高くなりやすく、やや軽めの球質が特徴です。
風に乗って、『フワー』と浮かんでいくような弾道でした。
羽毛を手のひらに乗せて、フゥーと息を吹きかけて飛ばしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
弾道を目で追いながら、昔、子供の頃にしていた遊びを思い出しました。

『操作性』はそれほど秀でている感じはなく、どちらかといえばオートマタイプのクラブだと思います。
私にはつかまりが良すぎたので、左へ行きやすく、強めにカットボールも打ってみたのですが、あまり大きく右には曲がりませんでした。
やはり打ち出し方向を決めて、そのラインにヘッドを沿わせるくらいがちょうどいいのかもしれません。
試打後の感想

外見上は大きな変化は見られないですし、前のモデルのマイナーチェンジ版といっていいと思うのですが、一番印象に残ったのが『イージーさ』です。
球はよくあがりますし、左右へのブレも出にくいです。

打ち比べていないのではっきりとは分かりませんが、おそらく前のモデルよりもハードルが下がり親しみやすさが増しているのではないでしょうか?
大きさなどはあまり変わらないものの、弾道の高さが印象的でした。
最近のハイブリッドは反発性能と低スピン性能が増して、グリーンを『上から』ではなく、『やや斜め上から』狙うイメージのものが多くなったような気がするのですが、このクラブだと上から狙っていきやすいです。

カッコいいクラブですし、おそらく契約プロも使うモデルだと思いますが、私たち一般ゴルファーにも手の届きやすいクラブだという印象をもちました。

オートマチックタイプでありながら、昔のようなあのゴツゴツとした感じがなく、すっきりしているのもいいです。
『狙いやすさ』という点でも向上しています。

バランスのとれた、『性格の丸い』ハイブリッドです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年04月21日
テーラーメイド SIM2 MAX アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX アイアン の7番です。

シャフトは TENSEI BLUE TM60 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は54g、トルクは3.1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は369g です。

テーラーメイドのニューアイアンです。
テーラーメイドらしい、ステンレス色の強い、メカニカルなアイアンです。
先日、『OS』というアイアンを試打しましたが、姉妹モデルであることは明らかです。

結構大きめのヘッドです。
OSがオーバーサイズで、こちらがノーマルサイズということでいいと思うのですが、大きさも充分あり、セミラージサイズといっていいように思います。
ステンレス系で、いろいろなパーツが組み合わさったアイアンを好まれる方には、とても魅力的なデザインといえるのではないでしょうか?

彫りの深さもたっぷりあって、フルキャビティに後からパーツを付け足したように見えます。
そういえば、最近はポケキャビをあまり見なくなりました。
ただ、こういったことは流行のようなもので、いずれまた見られるようになると思います。

トップラインは厚めです。

ソール幅は、やや広めではありますが、極端な広さではありません。

ネックの長さも今のアイアンの中でも標準的です。
こうして見ると、極端な低重心にはしていないのかもしれません。

フェース面にミーリングはありません。
ごく普通の『貼り付け感』のあるフェース面です。
ただ、以前のモデルよりもフェース面の質感が良くなったような気がします。
テーラーメイドのアイアンは、フェース面に好感が持てないことが多かったのですが、このアイアンはなかなかいい感じです。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。

かなり軽量感がありますが、こういうクラブこそ手先で振らずに、体全体を使って振るように心がけています。
手先で振ってしまうと、大きなミスを誘発してしまうので、ゆっくり振ってタイミングを整えました。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
もっとクセがあって、きつい感じだろうと思っていたのですが違いました。
グースが利いていますが、強すぎません。
トップラインも厚いですが、イメージがボヤけるほどではありません。
グースタイプではありますが、ヒール周りがボテッとしていないのがいいです。
これまでのモデルは、ここがボテッとしているものが多かったので、かなり良くなったように感じました。
見とれてしまうということはないものの、苦手意識が芽生えることはありませんでした。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
こういうタイプに多い『球離れ』が速いタイプで、まったり感はありません。
この球離れの速さも、メーカーが狙っているのではないでしょうか?
私はアイアンには、『乗っかり感』を求めたくなるのですが、このアイアンは全く違うタイプです。
しかし、これまでたくさん試打してきた同様のアイアンのフィーリングよりは好感が持てました。
球離れが速いのですが、大味な感じはしません。
私がアイアンに求めたい打感ではないものの、こういう打感もアリなのだと思います。

球はよくあがってくれ、イージーです。
弾道も高く、スインガー向けのアイアンといっていいと思います。
構えたときにイメージする『出球の高さ』と、『実際の弾道』が大きく違いますが、今はこのようなアイアンが大半です。
もっと低めの弾道をイメージしていたのですが、実際はとても高く、浮かせることが容易です。
『ノーマルロフト』のアイアンは、ボールがフェース面を駆け上がるイメージで『食いつかせながら』めくれるように高さを出すイメージですが、このようなアイアンは全く違っていて、球離れの速さと重心の低さで高さを出していく感じでしょうか?
私はなかなかイメージが合いませんが、このようなアイアンを使い込んでおられる方には、とても親しみやすい性能だと思います。

『安定性』はかなり高く、シビアさは全く感じません。
完全にオートマチック系のアイアンです。
フェース面の大部分がスイートエリアではないか?と思えるほど、打点のブレには寛容さをもっています。
ミスヒットしてもフェースがブレにくく、方向性が乱れません。
この大らかさは多くのゴルファーの支持を集めるのではないでしょうか?

『飛距離性能』は優れていますが、今のディスタンス系アイアンでは普通で、特に珍しい感じはしません。
優しく、なでるように飛ばしていけるアイアン・・・。といいますか、ゆっくり振って距離を出していけるアイアンです。
弾道の高さとフェースの弾きで飛ばしていけます。

『操作性』はまずまずです。
オートマ性のほうが勝ってしまいますが、左右に曲げることもできました。
マッスルバックやハーフキャビティのような敏感さはありませんが、そこがまたいいのかもしれません。
試打後の感想

外観は、これまでのテーラーアイアンですが、構え感や打感などが良くなっていると感じました。

テーラーメイドはフィーリングよりも、機能性を重視するメーカーという印象をもっていますが、フィーリングにも力を入れだしたのでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年03月16日
テーラーメイド SIM2 MAX-D フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX-D フェアウェイウッド


シャフトは TENSEI BLUE TM50 です。
ロフトは19度、クラブ長さは42.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は47g、トルクは5.0、キックポイントは中調子 です。

テーラーメイドSIM2シリーズのフェアウェイウッドです。
昨年試打したモデルと、すごく似ていて、後継モデルなのが分かります。
テーラーメイドは一時期、FWでもウェイトを移動できるものがありましたが、この最新モデルはそれが無くなりシンプルになっています。
私はこのようなシンプルなタイプが好きなので、このクラブのデザインには好感が持てました。

よく見られる平凡なシャローヘッドです。
特別変わったところは見られません。

ソールには『SPEED POCKET』という溝のようなものがあり、そのそばには『V STEEL』の文字がありました。
とても懐かしいです。
V STEELは数年使っていたことがあり、とてもお世話になりました。
数年間、私のゴルフライフを支えてくれた相棒で、とても感謝しています。
このクラブはV STEELの後継モデルという位置づけなのでしょうか?
詳しいことは分かりませんが、懐かしさがこみあげてきて、このクラブにも親近感を覚えました。

ネックの長さは標準的で、調整機能は搭載されていません。
調整機能を重視する方には物足りないところかもしれませんが、私は重視していないので、気になりません。
むりやり調整機能を搭載してヘッドの性能を落としてしまうよりも、最初から無くしてしまったほうがいいです。

ヒール側には『DRAW』の文字がありました。
以前 SIM2 MAX-D ドライバー を試打したときに『D』は『ディープ』のDではなく『DRAW』のDだと、読者の方から教えていただきました。

フェース面は姉妹モデルと同じです。
数年前のモデルよりも格段に質感が良くなっています。
これまではチープに見えたものもありましたが、このクラブは違います。

トゥ側には『TWIST FACE』の文字があり、これまでの技術が使われているようです。

見慣れたシャローです。
明らかにディープではありません。

顔はまずまずです。
『ドローモデル』ということで、フックフェースがきついのかな?と思いましたが、それほどでもありません。
白は膨張色で、いい顔もそうでない顔も強調してしまうので、難しいところがありますが、あえてこの色を採用しているということは、ヘッドの形にも自信があるということではないでしょうか?
ドライバーに比べ、ヘッド体積が小さいFWはフェースを被せなくても自然にターンしやすいので、顔をいじる必要はないのだと思います。
どちらかといえば『つかまる』イメージが出ましたが、極端ではありません。
ドライバーに限らず、フェアウェイウッドも昔はフックフェースがきついものがたくさんありましたが、最近では少し緩和されているようです。

装着されているグリップは、これまでのモデルと共通しています。
シンプルなデザインと、ソフトな握り心地で好感が持てます。

ボールを前にしても、なかなかいい感じでした。
FWには、ちょうどいい大きさです。
コンパクトなので、ボールが大きく際立って見えるのがいいです。
直打ちすることも多いFWは、ボールが際立って見えたほうが易しさがアップします。
フェースが被って見えたのですが、これくらいであれば、特に問題なく打てそうです。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
しっかりとしていながら硬くなく、程よい手応えがあります。
弾き感が、かなり強いです。
打感にも『パワー系』と『スピード系』があるとするならば、このクラブは後者のような気がします。

『音』も、いい感じです。
聞き慣れた金属音ですが、高すぎず大きすぎず、気持ちよく振っていくことができました。
インパクトが緩むこともありません。
テーラーメイドファンの方や、金属音を好まれる方には、合いやすいのではないでしょうか?

弾道が高く、球はあがりやすいですが、クリークということで考えると、標準的といっていいように思います。
軽量タイプのフェアウェイウッドですが、ヒッタータイプの方にも合いやすいのではないでしょうか?

『安定性』という点では、まずまずです。
シビアな感じはしませんが、高い直進性があるということではなく、ドロー系が出やすいです。
構えたときにつかまりそうなイメージが湧いていたのですが、実際に打ってみても、その通りでした。
私にはつかまり過ぎな感じがするのですが、このつかまりの良さを求めておられる方は多いのではないでしょうか?
この大きさでありながら、スイートエリアは結構広い感じがしますが、今はこのようなクラブが多いので、特別広いという印象はありません。

『飛距離性能』は優れています。
よく飛ぶので、スプーンを打っているような感覚があり、クリークでここまで飛ぶのは凄いな・・・。と率直に思いました。
フェースの弾き性能。
球のつかまりの良さ。
高弾道。
この3つが組み合わさって、抜群の飛距離性能をもたらしているようです。
いろいろなクラブを試打していて、フェアウェイウッドでは、スプーンだけでなくクリークを試打することも多くなってきたのですが、最近のクリークの中でもトップクラスの飛距離性能といっても過言ではないように思います。
ただ、球質は軽めな感じがします。
もう少し重めでライナー系の強い球が私の好みですが、これは仕方ありません。

『操作性』という点では、球のつかまりが勝ってしまうので、それほど高いとは思いませんでしたが、右にも曲げることができました。
私はフッカーなのですが、このクラブは球のつかまりがいいので、フェード系の方に合いやすいように思います。
試打後の感想

抜群の飛距離性能で、『飛び系クリーク』とだという認識をもちました。
フェアウェイウッドで、クリークは得意だけど、スプーンは苦手だという方は多いのではないでしょうか?
そういった方にもぜひ試していただきたいクラブです。

ヘッド自体も球をつかまえやすいのですが、シャフトもかなりつかまえ系のようで、私はヘッドよりもシャフトを違うタイプで試してみたくなりました。
少し逃していけるシャフトだと、もっと直進性が高まり、結果的に飛距離が伸びるような気がします。

ゴチャゴチャしたものよりも、比較的シンプルなクラブのほうが、もっているポテンシャルが高いことが多いですが、今回もそのように感じました。
調整機能など、ユーザーに便利な機能は無いけれど、その分飛距離などに重きをおいて開発されているようです。

調整機能を使って、自分の好みに合わせるか?
それとも調整機能を省いて、とことん性能を高めているクラブを選ぶか?
そういった選択が必要なのかもしれません。
この青いシャフトでもいいと思いますが、もっと腰のあるシャフトだと、もっと飛ぶだろうな・・・。と弾道を目で追いながら思いました。

飛距離に特化したクラブなので、スプーンを入れずに、このクリークと、それ以下の番手を充実させるというセッティングもアリだと思います。
しかし、クリークでこれだけ飛ぶのだから、スプーンもぜひ試してみたいと思いました。
ポテンシャルの高いクラブですが、ハードルは高くないので、多くの方に支持されるのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年03月10日
テーラーメイド SIM2 MAX OS アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX OS アイアン


シャフトは TENSEI BLUE TM60 です。
ロフトは25.5度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は54g、トルクは3.1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は359g です。

テーラーメイドSIM2シリーズのアイアンです。
OSというのは『オーバーサイズ』だということを、以前読者の方から教えていただきました。
昨年、SIM MAX OS というアイアンを試打しましたが、後継モデルだけあって、かなり似ているので、マイナーチェンジということでいいのだと思います。

名前の通り、かなり大きいアイアンです。
これだけフェース高が低くて、面長なアイアンを作るのがテーラーメイドらしいです。
ラージサイズのアイアンを好まれる方には好感が持てるサイズ・形状ではないでしょうか?
実際に見比べてみないと詳しいことは分かりませんが、前のモデルよりも質感が良くなったような気がします。

彫りが深く、前のモデルと同じです。

バックフェースにある、このバーのような物も前のモデルに見られました。
フェースの真ん中ではなく、少しトゥ側に寄っているということで、ここの部分でヒットして欲しいというメーカーの思いがあるのでしょうか?
ラージサイズのアイアンを使っておられる方の多くが、トゥ寄りでヒットしているということらしいので、メーカーがあえて、この位置に配置しているのかもしれません。
普通のキャビティアイアンは打感が犠牲になるところがありますが、このアイアンはそれをカバーしているような気がします。

トップラインは、やや厚めです。
厚いですが、それほど大味な感じはしません。

ソール幅はワイドですが、見慣れた感じがします。
以前はもっとワイドな物もたくさんありましたが、今はこれくらいで落ち着いたのかもしれません。
重心が、かなり低そうです。

ソール形状は『無機質』といいますか、それほど凝った感じはしません。
最近はアイアンのソール形状に工夫が見られることが多くなりましたが、このアイアンには見られません。
こうして見ても、結構バンスが利いているように見えます。

ネックは短めですが、今では一番多い長さです。
やや太めで、グースが利いているのが分かります。

フェース面にミーリングはありません。
いかにもステンレスというような、テーラーアイアンらしい質感です。
アイアン好きの私はフェース面を見て、テンションがあがることがあるのですが、今日はあがりませんでした。
少し大味な感じがして、テーラーメイドはやはりフェース面をそれほど重視していないんだな・・・。と思いましたが、これは私の好みによるところが大きいので、このアイアンが良くないということではありません。

装着されているグリップはシンプルで、ソフトなフィーリングです。
このグリップも最近、よく見かけるようになりました。

素振りをすると、軽量感とヘッドの大きさを感じましたが、何度か繰り返してタイミングを合わせることができました。
一応アイアンということになっているけど、半分くらいは『ユーティリティアイアン』のような性質をもっているな・・・。と思いながら素振りを繰り返しました。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
予想していたよりも、クセのある顔ではありません。
グースが利いてトップラインも厚いですが昔のラージサイズアイアンよりは構えやすくなっているので好感が持てました。
トップラインがあまり丸まっていないのもいいです。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じです。
予想していたよりも硬くなく、いい打感でした。
硬くて『ゴツン』という打感かと思っていましたが、そうではなく、改善されているようです。
『ペチャッ』という、独特なフィーリングですが、この打感は以前も経験したことがあります。
球離れが速く、スピード感があります。
『球持ち感』が無いですが、この打感を好まれる方は多いのではないでしょうか?

球はあがりやすくて、弾道も高いです。
構えたときに、かなりロフトが立っているように見えたのですが、あがりやすくなるようにたくさんの技術が導入されているのだと思います。
横からはらうように、少々ダフってもボールを前に押し出してくれるタイプのアイアンです。

『安定性』という点では、最高レベルといっていいほど高いです。
打点のブレには動じません。
見た目通りのオートマチックタイプのアイアンです。
このおおらかさは、多くの方が魅了されるのではないでしょうか?

『飛距離性能』もずば抜けて高く、今のディンスタンス系アイアンの中でも間違いなくトップクラスです。
弾きもいいですし、安定しています。
7番というよりは、4番に近い飛びです。

『操作性』という点では、秀でていません。
曲げようとしても、曲がらないアイアンです。
球のつかまりがいいので、左のほうが易しいです。
特に右には曲がる気配すら見せません。
試打後の感想

かなり極端な・・・。といいますか、狙いを絞って開発されているように感じました。

特に優れているのが『飛距離』と『安定性』です。
それに『あがりやすさ』がプラスされ、最先端のオートマチック系アイアンといっても過言ではありません。

ビギナーの方にも、かなり人気が出るのではないでしょうか?
あがりやすくて曲がりにくく、よく飛ぶという、『いいとこ取り』のアイアンです。

『接待系アイアン』といっていいように思います。
これは、仕事の接待のときに使うクラブというのではなく、ゴルフクラブ自体がプレイヤーを接待するような、易しさに満ちたゴルフという意味です。
昔から使われてきた表現で、今はこのようなクラブが主流になりました。
人の感性や技術よりも、物理的性能を最優先させたアイアンです。

『オートマチックの極致』ともいえるアイアンですが、過去のモデルよりもクセのない顔になっているのがいいな・・・。と思いました。
それと、以前よりも質感が良くなっていて、チープさは感じません。
全体的に見て、私がアイアンに求めたいものとは大きくかけ離れているので、購入することは無いですが、面白いクラブだと思いましたし、テーラーメイドの飛距離と易しさへのこだわりが感じられました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





2021年02月19日
テーラーメイド SIM2 MAX-D ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX-D ドライバー です。

シャフトは TENSEI BLUE TM50 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55g、トルクは4.4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は299g です。

テーラーメイドSIM2シリーズのニューモデルです。
先日試打した SIM2 MAX の姉妹モデルです。
パッと見た感じだと、特に違いは無いように見えますが、見えないところや細かなところに違いをもたせてあるのかもしれません。
Dという名前がついているので、ディープということなのかな?と思いましたが、SIM2 MAXと厚さも変わらないような気がします。
今度機会があれば、見比べてみたいです。

こうして見てもMAX同様、ラージサイズでシャロー感があり、ディープタイプではありません。
ただ、超シャローでもありません。
このブルーが、いいアクセントになっています。

バックフェースにある、このウェイトのようなものも、よく目立っています。
もし、これがウェイトならば、かなり重心が後ろにきている(=深い)ようです。
テーラーメイドは深重心にシフトしたのでしょうか?
先日試打したMAXには『24G』という表記がされていましたが、このDは『22G』となっていて、やはりこれはウェイトなんだろうと思いました。
こちらのほうが2gも軽いことになりますが、それでもかなり重いウェイトです。
他にもいろいろな重さが用意されているのでしょうか?
重心を前にもってきて(=浅くして)、ロフトを寝かせて飛ばすのも有効ですが、私達日本人には重心を深くしてロフトを立てるほうが合いやすいような気もします。
ただ、これも人によって好みが分かれるので一概には言えません。
アイアンやウェッジが好きな私は、浅い重心のドライバーは結構好きでした。
ダイレクトに伝わる感じで、操作性が高まるからなのかもしれません。
重心の深いドライバーは、車に例えると『FR』ということになるかな?などと考えていました。
最近は『FF』の車が多いです。
私は昔、FRの車でスキーに行き、怖い思いをしたことがあるので、それからは四躯かFFで行くようにしました。

ウェイトのそばには『FORGED ALUMINUM』の文字があり、MAXと同じです。
アルミニウムは金属の中では『柔らかい』印象があり、ドライバーよりはパターに使われる印象が強いのですが、テーラーメイドが採用しているということは、それだけの理由があるのだと思います。
私が昔愛用していた、ボビーグレースのキュートキッドというパターがアルミだったのを思い出しました。
『鍛造のアルミニウム』・・・。イマイチ想像ができません。
どういった工夫なのでしょうか?

ソールのフェース寄りにはSPEED POCKETがあります。

溝というよりは、段差といったほうが良くて、深い溝にするよりも、こちらのほうがいいのかもしれません。

ネックの長さは普通です。
ヘッドが大きく見えて、少し『頭でっかち』に見えます。
シンプルとは真逆の、いろいろな工夫が見られます。
最近はいろいろな工夫がされていても、それをあえて表面には見せないように工夫しているクラブもありますが、テーラーメイドは全て見える位置に配置し、プレイヤーに安心感を与えようとしているのでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このSTD LOFT です。

ヒール側にある、この丸いものはMAXにも見られました。
しかし、位置が少し違います。
このドライバーのほうが、より『ヒール寄り』といいますか、ネックに近い位置にあります。
この位置にあるので、おそらくウェイトなのだろうと思いますが、ここに配置しているということは、重心距離を短くする狙いがあるのでしょうか?
ラージサイズのドライバーは、『重心が長い』という利点を活かして、ややトゥ側にスイートエリアをもってくるのがいいような気もするのですが、フェースの返りがかなり遅く感じて難しく感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?(逆にトゥ側が重いほうがヘッドを返しやすいという方もいらっしゃるので、どれがベストなのか使ってみないとわからないですし、あとはプレイヤー自身で微調整するしかないのかもしれません。)
重心距離が適正(私の場合はだいたい35ミリ以下)だと、自然に返ってくれるので易しく感じますが、ラージサイズにすることで、どうしても重心が長くなってしまうのは仕方ないことです。
アイアンは調子がいいのに、ドライバーが全く駄目だ・・・。とか、その逆の経験をされた方は今も多くいらっしゃると思います。
様々な要因があると思うのですが、そのひとつが『重心距離がバラバラ』ということが考えられます。
私が愛用しているドライバーはラージサイズではなく、重心距離が長くないので、アイアンとの相性も良く、どちらが良くてどちらが良くない・・・。といったことにはなりにくいです。
ラージサイズのドライバーを使いたいけど、ラージサイズは球が逃げやすい、だからといってフックフェースは苦手だ・・・。という方は、このような重心距離を短くしているドライバーを使われるのもひとつの方法なのではないでしょうか?

フェース面のトゥ側には『TWIST FACE』の文字があります。
M3やM4の印象が強いですが、過去のモデルの優れたところを継承させていて、どんどんいいところが増えていって強化されているようです。
イメージとしては鎧の厚みを増して、強度を高める・・・。といった感じでしょうか?

形状的にはセミシャローですが、バックフェースに大きなウェイトが組み込まれているので、セミディープに見えなくもないです。
クラウンの丸みも目立っています。

テーラーメイドらしい、機能性を感じさせる顔です。
カーボンコンポジットされていますが、クラウンが黒になっているので、私的には好感が持てます。
フェースは左を向いているように見えたのですが、あまり凝視せずさらっと流すような感じでいこうと思いました。
私にはフックなのですが、これが今の『ニュートラル』なのかもしれません。
ただ、一昔前のような『極端な被り顔』ではなく、見せ方にも工夫がされているようです。
テーラーメイドはどちらかというと、フィーリングや見た目などよりも、とにかく機能性重視で、後からフィーリングはついてくる・・・。という考えでクラブ開発しているようメーカーだな・・・。と思っていたのですが、最近はフィーリングなどにも少しずつ力を入れ始めているのかもしれません。
近くでよく見てみると、クラウンに採用されているカーボンとヘッドの接着部分に少しムラがあるように見えましたが、気になるほどではないですし、性能に大きく関係しているようには思えなかったので、忘れることにしました。

装着されているグリップは前回試打したモデルと同じです。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。

素振りをしてみるとMAX同様、軽くて軟らかさを感じました。
ヘッドのポテンシャルとシャフトのポテンシャルが必ずしも合致していないような気もしますが、これが今の流れのような気がします。
今はヘッドよりもシャフトのほうがアンダースペック化しているように感じているのは私だけでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じです。
少しつかまえ顔に見えましたが、左が気になるほどではありません。
むしろ、抑えめな感じがします。
ロフトが9°ということもあるのかもしれないですが、フェース面が見えすぎないのがいいな・・・。と思いました。
これまで、9°や9.5°でもフェース面が見えすぎてギャップがあり、いいイメージが出なかったこともありましたが、このドライバーはそこまでではありません。
『絶壁感』はないですが、あがりすぎを気にしなくて、普通に打っていけそうです。
見慣れたテーラー顔に安心感がありました。
試打を開始しました

『打感』は効果が持てました。
予想していた通りのテーラーフィーリングです。
モデルが変わっても、最近はこのような打感が多くなってきたような気がします。
接触時間が短く、弾き感のある打感です。

『音』も聞き慣れた小気味いい音です。
この音にも、『単一素材的な音』と、『複合素材的な音』があるとするならば、明らかに後者です
いろいろな素材の音が組み合わさったような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
いつの間にか、このような音が増えてきたような気がします。
いつまでも聞いていたい・・・。というような『耳で惚れる音』ではないですが、無難な音です。
『金属製』をあまり感じさせません。
どちらかといえば、『樹脂っぽい』音です。
同じハイテクメーカーでもある、キャロウェイとはまた違った感じがします。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにライナー系で強い球が打てるタイプです。
高弾道系ではないので、タフに感じる方がいらっしゃるかもしれません。
ヒッター向けのドライバーです。
昔は9°でも『あがりすぎる9°』がたくさんありましたが、このドライバーにはそのようなことを感じませんでした。
シャフトは軟らかめではありますが、叩けるドライバーです。
スピンは結構抑えられているように感じました。

『安定性』という点では、なかなかいい感じで、『オートマ系』なドライバーだと思います。
『叩けるオートマ系』といったらいいでしょうか?
スイートエリアも広く、少々のブレには動じない感じがします。
バックフェースにある大きなウェイトが作用しているのは間違いありません。
少しつかまる感じがしますが、これくらいが今の標準といえるのではないでしょうか?
オートマ系のドライバーではありますが、いわゆる『曲がらない』とか『曲げにくい』というほどではありません。
私はフッカーだからなのか、フック系の球が出やすい印象をもちました。
シャフトを変えれば、もっと直進性を高められるような気がします。

フェースの弾きが良くて初速も出ていますし、スピンも抑えられているので、飛距離性能も高いです。
ボールが勢いよく飛び出していくところに頼もしさを感じます。
最近は、多くのドライバーの低スピン性能が安定しているので、叩いていきたい方には魅力的に感じられるのではないでしょうか?
ドライバーには、あまり振りすぎないほうがいいタイプと、目一杯振っていったほうが良いパフォーマンスを発揮してくれるタイプがありますが、このドライバーは明らかに後者です。

『操作性』という点では、自然につかまる感じがするので、私はフック系のほうが出やすい感じがしますが、どのように打っても左にしか行かないというドライバーではありません。
『カットめ』に打ってみると、少し右に曲げてくれました。
構えたときはフックのイメージが出やすいですが、少しのスライスは打たせてくれるドライバーです。
球が逃げづらくつかまえやすいので、フェードヒッターの方には、ちょうどいいストレート系の球が打ちやすいのではないでしょうか?
オートマ系のドライバーではありますが、少しの融通は利く感じで、そこがまた魅力なのかもしれません。
球のつかまりはですが、昔のようなスライスを撲滅してくれるドライバーではありません。
試打後の感想

昨年のモデルSIMもいいドライバーでしたが、私はこのSIM2のほうが気に入りました。
デザインもいいですし、前のモデルよりも少しポテンシャルがあがっているようです。
ライナー系で力強い弾道ということもあるのですが、低スピン性能が『安定』しているところが気に入りました。
これまでも低スピン系のドライバーをたくさん試打してきて、その性能が安定せず突然吹き上がってしまうようなことも過去にはありましたが、今は技術がもっとあがって方向性だけでなくスピン性能も安定性が増しているようです。

『D』というのは最初ディープのことかな?と思いましたが、それほどディープな感じはしないですし、どういう意味なんだろう?と考えながら試打していました。
少しフェースが被って見えたところや、丸いウェイトがヒール側にあるせいなのか、球のつかまりがいいので、『ドロー』ということなのかな?と思いましたが、実際のところは分かりません。
ドロータイプのドライバー『D』は需要があって売れやすいと思いますが、逆のスライスタイプの『S』は需要が無く、売れにくいような気がします。
それくらい、今もスライスに悩んでおられる方が多いのだと思いますし、今のドライバーは易しくなりすぎて球が右に行きづらいものが多いので、自然とカット軌道のスイングが身についてしまい、スライス打ちが治らないということもあるように思います。

しかもオートマ性が増しているので、余計に治りにくいかもしれません。
カットに打って真っ直ぐボールが飛ぶのだから、そのままスイングが変わらないのも仕方ありません。
もちろんゴルフは『結果(スコア)が全て』という側面もあるので、どのようなスイングをしてもいいのですが、クラブがプレイヤーのスイングを決めるところがあります。
特にビギナーのうちは、いろいろなミスショットを経験し、それを上達の糧にしたほうがいいと思うのですが、最近のドライバーはつかまりが良くて曲りづらくなっているので、そういった経験がしづらくなっているのかもしれません。
少しのフックフェースが『ニュートラル』といえるような時代になったような気がします。
このドライバーのつかまりの良さを感じながら、そのようなことを考えていました。
ちょっと気を抜いてしまうと左へ行きそうだったので、保険をかける意味で、少し右から回す感じで打ちました。

球のつかまりがいいドライバーですが、昔のような極端さがないのがいいです。
ドローヒッターの方でも、このドライバーがいい・・・。という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
シャフトのブレが少し大きい(=遊びが多い)ので、もう少し締まっていると、もっとラインを出しやすいかな・・・。と思いました。

先日試打したMAXと性格がすごく似ているような気がします。
実際に打ち分けてみたわけではないので、はっきりとはいえませんが、おそらくこのドライバーのほうがつかまりがいいような気がします。
カッコいいドライバーですが、ハードルは高くなく、親しみやすいドライバーです。
球があがりやすいタイプではないですが、違うロフトだと、もっとハードルも下がると思います。
カッコ良さと基本性能がアップしたドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2021年02月09日
テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー


シャフトは TENSEI BLUE TM50 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55g、トルクは4.4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は300g です。

テーラーメイドSIMの新しいドライバーです。
前のモデルを試打したのが、もう1年近く前になるのかと思うと、すごく早く感じます。
2代目のモデルということで、SIM2という名前になっています。
ということは、来年はSIM3なのかな?と思ってしまいますが、テーラーメイドは名前をいろいろと変えてくるので先が読めません。
ブルーがよく目立っていてカッコいいです。
前のモデルよりも見た目のインパクトがあり、いい意味での派手さがあってオシャレになっています。
テーラーメイドにブルーのイメージはあまり無いのですが、いい感じです。
昨年のモデルはウェイトを移動できるようになっていましたが、この最新モデルでは採用されていません。
必要ないということでしょうか?
それとも何か他の理由があるのかもしれません。

ラージサイズでシャロー系なのは、これまでのモデルと同じです。

この出っ張ったようなウェイトも前と同じです。
こうして見ると、かなり目立ちますが、ボールを前にして構えたときに邪魔にならないので、好感が持てます。
『24G』という文字があるので、24gということなのかもしれませんが、真偽のほどは定かではありません。
違う意味があるのかもしれないですし、もし24gだとすると結構な重さになります。
専用の工具があれば取り外しができそうですが、いろいろな重さが用意されているのでしょうか?

ヒール側にもウェイトのようなものがあります。
刻印が無いので重さは分かりませんが、『HIGH』『MOI』という文字があるので、違う意味があるのかもしれません。

ソールには溝のようなものがあり、『SPEED POCKET』と表示されています。

角度を変えて見ると、かなり浅いので、『段差』といったほうがいいかもしれません。
深い溝は必要なくなったというよりは、反発係数があがりすぎて不適合になったり、強度的な問題があったりするのかな?と思いました。

ネックの長さは標準的で、前のモデルと変わりません。
こうして見ても、ゴツいタイプのヘッドです。

ネックには調整システムが搭載されています。
試打するのは『STD LOFT』です。

シャローバックなのに大きなウェイトがあるので、セミディープに見えるようになっていて、かなり重心が深そうです。
このバックフェースの工夫に、かなり大きな意味があるような気がします。
テーラーメイドは『浅重心』を流行らせたメーカーですし、かなりそのイメージが強いですが、このドライバーは深重心のようです。
ライバルメーカーのPINGを意識しているのかな?と思いました。
トライアングルヘッドもそうですが、このようにバックフェースの中央部分が重くなっていると、フェースローテーションのイメージがあまり浮かばず、どちらかというと、そのまま真っすぐ振り抜いていくような感じです。
しかし実際は、フェースローテーションは自然に行われるものなので、それにも対応できているのだと思います。

顔はまずまずです。
異型ということもないですし、特に強いクセのようなものはありませんが、見惚れるようなこともありませんでした。
今回のモデルは、クラウンが黒くなっています。

このカーボンコンポジットはお馴染みです。
一口にカーボンクラウンといっても色々とあるような気もするのですが、こうして見る限り、これまでのモデルを踏襲しているようです。
あまり変えようが無いのかもしれません。
しかし、色には変化が見られます。
白いヘッドが好きだという方は多くいらっしゃると思いますし、グレーが好きだという方もいらっしゃると思いますが、私はこのような黒はビシッと引き締まって見えるので好きです。
ヘッドを大きく感じたい・・・。とか、『残像効果』を得たいという方は白いヘッドのほうが合いやすいのかもしれません。

フェース面のデザインも過去のモデルと同じです。
トゥ側には『TWIST FACE』の文字があります。
特に変わったところは見られませんが、前のモデルにあった、2本のビスのようなものがありません。
一旦高反発にして、後でルール適合にするように反発係数を調整するという方法をとらなくなったのかもしれません。
違う方法で、フェースの弾きをルールギリギリまで高められているような気がします。
クラブメーカーの中でも、テーラーメイドは特に『アイデアが豊富』なメーカーで、常に先進的な開発をしてくるので、そのアイデアがどんどんクラブに取り入れられているのではないでしょうか?

装着されているグリップはソフトなフィーリングですごくいいです。
14本のクラブの中で、一番ヘッドスピードが速くなり、ハードヒットすることの多いドライバーは、やはりソフトなグリップを挿したくなります。
雨の日のラウンドで滑りにくいという機能も大切になってきますが、それと同等かそれ以上にソフトなフィーリングが欲しいです。
そういった点でも、このグリップには好感が持てます。
私はビギナーの頃、滑りにくさと耐久性を重視してグリップを選んでいましたが、今は完全にソフトフィーリング派になりました。
『握る』というよりは、優しく手のひらで包み込むようにグリップに接していたいと思うようになったからです。

素振りをしてみると、フレックスはSですが、これまで同様シャフトがかなり動く感じがしました。
シャフト全体がしなる感じで、スピード感があります。
大きな不満はありませんが、なんとなく『押す力』が弱そうです。
重さは300gということですが、実際はもう少し軽く感じられました。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまず・・・。といいますか、普通です。
おおらかさもありながら、どこか大雑把といいますか、大味な感じがしました。
研ぎ澄まされた顔でイメージを色濃く出していくというよりは、全体的に少しぼやけた感じにしながら、アバウトさを出して方向性を出していく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
これは打ちながら慣れていくしかない・・・。と思いました。
違和感は特に無く、変なクセも無いですが、見とれてしまったりテンションが急激にあがっていくということもなく、淡々と構えていました。
試打を開始しました

打感はいい感じでした。
想像していた通りの『テーラーフィーリング』です。
ズシリとくるというよりは、サクサク打てる打感で、『球持ち感』よりは『弾き感』がありました。

音は小気味いい感じです。
はっきりしているのですが、甲高くなく大きすぎないので、好感が持てました。
音にも『長い』『短い』があるのですが、このドライバーの音は短いタイプです。
余韻を楽しむタイプではありません。

球はよくあがりました。
ゴツいタイプのヘッドで、少しタフなタイプかと思いましたが、実際に打ってみると全然そんなことはありませんでした。
ロフトが10.5°ということもあったのかもしれませんが、私にはあがり過ぎな感じがしました。
もう少し打ち出しを抑えたほうが、いい伸びをしてくれたような気がしましたが、このままでも大きな不満はありません。
次試打することがあれば、違うロフトでも試してみたいです。
スピンも結構あって、球がドロップすることはありませんでした。
深重心タイプのドライバーによくありますが、インパクト後にフェースが急激に上を向きやすいタイプです。
バイクの『ウィリー』や、乗馬で手綱を引っ張りすぎて馬が後ろ足で立ち上がる感じ・・・。といったらイメージしやすいでしょうか?
ちょっと極端な例かもしれませんが、そういったことが浮かびました。

『安定性』も高く、シビアさは全く感じません。
構えたときに球筋のイメージはあまり鮮明に出なかったのですが、球のつかまりはいいほうだと思います。
私はフッカーだからなのか、つかまりが強く感じられましたが、これくらいのつかまりが今は標準といっていいように思います。
シャフトが結構動くタイプなので、タイミングが合えば、かなり球筋を揃えやすいように感じました。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
前のモデルのイメージが残っているので、それとダブルところがあり、『予想の範囲内』した。
ヘッドの見た目はすごく似ていますが、見えないところにも、おそらく最新の技術が投入されているのだと思います。
球は高く打ち出され伸びていき、そこから急激に落ちることなく、緩やかに下降していきました。
テーラーメイドらしい、弾きの良さが感じられますが、強烈に初速が出ているという印象はありませんでした。
『一発の飛び』というよりも、『安定した飛び』といえるのかな?と思いました。

『操作性』はまずまずです。
私には球がつかまりやすいので、ドロー系が自然な感じがしましたが、フェード系の方はかなりストレートに近い球が打ちやすいのではないでしょうか?
オートマチックタイプのドライバーであることは間違いないですが、曲がりにくいというタイプではなく、プレイヤーの持ち球を活かしてくれるセミオートマチックタイプというように感じました。
シャフトも軟らかいですし、あまりインテンショナルなショットは打ちたくないタイプです。
試打後の感想

試打していて、やはりお尻(ヘッド後方)が重いタイプだな・・・。と思いました。
フェース面近くのヒール側にウェイトのようなものがありますが、バックフェースにあるウェイトのほうがよく効いているように感じました。
いい意味での『反応の鈍さ』といったらいいでしょうか?
『深重心』らしい、『お尻(バックフェース)で押すような感覚』です。
(フェース面との)『時間差』のようなものを感じました。

特に欠点も見当たらず、今のニーズに合っていて、全体的なバランスの取れたドライバーだと思います。
私は叩きたいタイプなので、叩きにいくと少し暴れる感じがありましたが、これはシャフトを替えればかなり改善できるような気がしました。
できれば、もっと押せたらなぁ・・・。と、少し残念でした。

少し逃がすイメージで私にはちょうどいいような気がします。
ブルーが見た目のインパクト大で、オシャレになっていますが、使い続けていくうちに、あちこちの塗装が剥げなければいいな・・・。と思いました。
ちょっと前のモデルでも、そのようなことがあったので・・・。
ただ、テーラーメイドはそのようなことを気にせずにクラブ作りをしているのかもしれません。
使い続けていくうちに味の出るクラブというよりは、どんどん新商品を買ってもらいたいというスタンスのメーカーだと思います。

前のモデルよりも、いろいろな工夫が加わっていると思うのですが、あくまでも『マイナーチェンジ』であり、特別驚くようなことはありませんでした。
ただ、それはこのドライバーのポテンシャルが低いということではなく、むしろ逆で、それだけこれまでのモデルが高性能だということです。
まだ寒さは厳しいですが、もうちょっとしたら本格的なゴルフシーズンがやってきます。
その新たなシーズンスタートを、この高性能なドライバーで飾るのはいいことではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2020年12月21日
テーラーメイド SIM グローレ アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM グローレ アイアン


シャフトは Air Speeder TM です。
ロフトは27度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は43g、トルクは4.1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は356g です。

テーラーメイドグローレシリーズのアイアンです。
グローレらしく、美しいデザインで好感が持てます。
素材がステンレスなのが一目瞭然ですが、くすみがかったようなステンレス特有のチープさはありません。


バックフェースのトゥ側とヒール側に溝といいますか、『スリット』のようなものがあります。
これはどういう意味があるのでしょうか?
ソールの溝と同じような意味があるのかもしれません。
以前は、このような溝がバックフェースではなく、フェース面にありました。
前と後ろでは、どのような違いがあるのでしょうか?

比較的シンプルなポケキャビです。
ラージサイズのアイアンではありますが、それほど極端ではなく嫌みがありません。

彫りの深さはたっぷりあって、重心が深そうに見えます。
ポケキャビとフルキャビティとの複合体のようなアイアンです。

トップラインは、やや厚めです。

ワイドソールで、リーディングエッジとトレーリングエッジの丸みが目立ちます。

ネックの長さは標準的で、こうして見てもグースが利いているのが判ります。

綺麗なフェース面です。
テーラーメイドのアイアン(特にステンレス系)は、これまでチープなタイプも少なくなかったのですが、このSIM GLOIREアイアンは違います。
さすがグローレといったところでしょうか?
こういった細かいところに、そのメーカーやブランドのイメージが反映されることが多いですが、このアイアンのフェース面はグローレのブランドイメージを保っています。
フェース面にミーリングは見られませんでした。

よく見ると、トゥ側に『FORGED』と小さく表記されていました。
ステンレスっぽい質感だな・・・。と思って見ていたのですが、鍛造ヘッドなのでしょうか?
それともフェース面だけ鍛造なのでしょうか?
昔はヘッド全体の鍛造が主流でしたが、今はパーツに限定された『分割鍛造』もあるようです。
ヘッドにFORGEDの文字があると、そのクラブの魅力があがりますが、フォージドであれば何でもいいというわけではないですし、ピンからキリまであるようです。

とても変わった珍しくて美しいグリップが挿してあります。
先日試打したFWと同じようです。
グローレというブランドで統一されているのかもしれません。
バックラインが強めに入っていました。
ここまでバックラインが強調されているのは、最近では珍しいような気もします。

素振りをしてみると、軽量感が目立ったので、入念に素振りを繰り返しました。
軽いのでどうしても小手先だけで打ちたくなりますが、それを戒めるためにも、全体(特に背中を意識して)を使うようにして素振りをしました。
アイアンは『狙うクラブ』なので、粘るタイプのシャフトのほうが易しく感じますが、このアイアンに挿してあるシャフトは結構走るタイプです。
シャフトまでFWと合わせているのでしょうか?
どの番手も同じシャフトで・・・。というメーカーの思いがあるのかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、かなりグースの利きが強く、フェースも左を向いているように見えました。
トップラインの厚みも目立ち、真っ直ぐではなくカーブが掛かっていますが、輪郭が丸っこくなくシャープなところに好感が持てます。
フェース面は、かなり光沢感があり、ボールを反射しているようです。
形状は私の好みからは外れるのですが、この光沢感は最近よく見かけるようになりました。
私のイメージでは、かなり左に飛びそうなのですが、今日はそのまま打ってみることにしました。
試打を開始しました

『打感』は薄くて、やや物足りないところがありましたが、予想通りでした。
『球乗り感』は無く、『弾き感』の強いタイプのアイアンです。
この弾いて飛ばす感じを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
アイアンは『飛ばさないで距離をコントロール』するところがありますが、今のアイアンはディスタンス系全盛で、『飛ばしながら距離をコントロールする』という新たな局面に入ったのかもしれません。
それが機動戦士ガンダム風に言うと、『ニュータイプ』なのかもしれません。
この打感(薄い情報)の中から、たくさんのものを取り込まないといけないので、かなり使い込まないと感覚が合わないような気がするのですが、感覚が合い始める頃にはもう次のモデルが発売されているのだと思います。

球はとてもあがりやすくて、タフな印象は全くありません。
構えたときに、かなりフェースが立っているのは判りましたが、それでもボールは高くあがっていきました。
少々ダフっても突っかかることなく、ソールがよく滑ってくれ、ほぼ自動的にボールを押し上げていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
球はドロップすることなく、パターン化されたように浮き上がっていきましたが、球質的には軽い感じで、風にもっていかれやすそうだな・・・。と思いながら目で追っていました。

『安定性』は、かなり高く、完全なる『オートマチック系』アイアンです。
スイートエリアがかなり広いのですが、ヘッドが大きすぎないので、まとめやすいという利点も兼ね備えています。
アイアンは『点』ではなく、『面全体』で打っていくべきだと主張しているようです。
ゆっくりめで振ったほうが、球はよくあがってくれました。
少し速めに振っていくと暴れる感じがしたのですが、それはシャフトが大きく影響していると思われます。

『飛距離性能』は優れていて、完全に2番手以上を易しく・軽く飛ばしていけるアイアンです。
これからのアイアンは7番で180~200Yくらいが常識となってくるかも・・・。といいますか、もう既にそのようになっているのかもしれません。
7番アイアンでこれだけ飛んでくれるのだから、アイアンの本数が少なくなっていくのも頷けます。
今の時代、アイアンは『飛ばすクラブ』というのが当たり前となったのかもしれません。
弾き感があって、初速も出ていて、しっかりキャリーが出ています。
高低の打ち分けは難しいので、この自動的に飛ばしていく性能を活かして距離のコントロールや風への対応をしていかなければならないのかもしれません。
グローレのブランドイメージ通り、かなりイージーで距離も出るアイアンです。

『操作性』という点では、それほど優れていなくて、オートマ性が勝ってしまいます。
私は最初から、フックボールを打ってしまったのですが、それは構えたときのイメージ通りでした。
普通に打つなら、全てフックといっていいほど、よくつかまりました。
ヘッドが大きすぎないのがいいのか、右にプッシュ気味の球が出ないところがいいです。
右にも曲げてみようと思ったのですが、なかなか思うようにはいきませんでした。
試打後の感想

グローレらしく、美しくて高機能なアイアンです。
易しさが全面に出ていますが、それが嫌みになっていないところがいいです。

以前試打したグローレGシリーズのように、かなり『球のつかまりの良さ』にも力を入れているような印象をもちました。

オートマチック系のクラブにも、『ニュートラル系』と『フック系』、そして『スライス系』の3つがあるように思うのですが、このアイアンは二つ目のフック系だな・・・。と思いました。

SIM GLOIREという名前になっているので、SIMとGLOIREのちょうど中間くらいの性質をもっているのかと思いましたが、試打してみて、かなりグローレの性質が色濃く感じられます。

メーカーがターゲットにしているゴルファー層がはっきりしているようです。
オートマ系でつかまりが良く、球を逃がさず、しっかりつかまえて易しく飛ばしていきたい方には、かなりイージーなアイアンといえるのではないでしょうか?

ディスタンス系にしては、打感もそれほど悪くないところもいいです。
外見的な美しさと、実際に打ったときの易しさと飛距離が両立できているアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年11月30日
テーラーメイド SIM DHY

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM DHY

シャフトは N.S.PRO 910GH です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、バランスはD2.5、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は392g です。

テーラーメイドのアイアン型ユーティリティです。
今は多くのメーカーがアイアン型ユーティリティを発売していますし、テーラーメイドにも見られるようになりました。
ステンレスの質感がはっきりしています。
こういったところは海外メーカーらしい特徴かもしれません。

最近はスタイリッシュといいますか、贅肉が削ぎ落とされたようなものもありますが、このクラブは違います。
かなりの大型ですし、これだけ膨れているのだから、中空であることが明白です。

この角度から見ても、『のっぺり』としています。
比較的シンプルな形状です。
この角度から見ると、マッコウクジラを思い出します。

トップラインは厚めです。

ソール幅はワイドですが、アイアン型ユーティリティとしては普通といえます。
ソールには溝があって、テーラーメイドらしいですし、ウェイトが配置されているのも分かりました。

ネックの長さは標準的です。
こうして見ても、結構グースが利いているのが分かります。
やはりロフトを立てたクラブはグースにするほうが理にかなっているのかもしれません。
あくまでも私の理想としては、昔のようなロングアイアンと同じ構え感をしていて、実際に打ってみると今のアイアン型ユーティリティのようなあがりやすさと安定感があることなのですが、そういうクラブは見られず、物理的に無理なのかもしれません。

ホーゼルには『FORGED』の文字があり、ステンレスではないのかな?と思いましたが、どう見てもステンレスに見えたので、違うパーツが鍛造になっているのかもしれない・・・。と思いました。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
すごくシンプルできれいなフェース面です。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
このグリップは他のモデルにも採用されていました。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
予想していたよりも重量感があって、タイミングが取りやすいです。
ヘッドが結構利いていて、シャフトの先が動く感じがしたのですが、難しく感じるような挙動の不安定さはありませんでした。
タイミング重視で振っていきました。

ボールを前にして構えてみると、予想していたよりもいい顔をしていたので、親近感が湧きました。
『美顔』というほどではないですが、特に大きなクセはありません。
面長なところやトップラインの厚みが見えますが、目立つほどではありません。
グースも、最初予想していたよりも弱くて、苦手意識は芽生えませんでした。
ちょっと『ボテッ』としたところがありましたが、昔と比べると、かなりスッキリしているように見えます。
これまでの経験から、テーラーメイドはあまり顔にはこだわっていないように感じることが多かったのですが、最近はこだわりだしたのかもしれません。
アイアンと同じように構えられない『アイアン型ユーティリティ』はたくさんありますが、このクラブはなかなかです。
最近は見かけなくなりましたが、ロングアイアンとして構えられますし、そのロングアイアンに『丸っこさ』を足したような感じです。
試打を開始しました

『打感』は硬めで、ガツンとくる感じでした。
正直、好きな打感ではないですが想定内です。
この硬めの打感が好きだという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、このクラブはアイアンではないですし、アイアンとしては物足りない打感ですが、『アイアン型ユーティリティ』として考えたら、これまで出会ってきた中では、いいほうだと思います。
『アイアン型ユーティリティ』というと、私はどうしてもプロギアズームの初期モデルを思い出すのですが、あの頃に比べて、かなり進化したのは間違いありません。
顔や打感・あがりやすさ・安定性もアップしています。

球はあがりやすいです。
打つ前はもっと低めの弾道をイメージしていたのですが、一球目から高い軌道を描いて飛んでいきました。
ソールにあるウェイトがよく効いているのでしょうか?
重心がかなり低そうで、横からはらう感じで高くあがっていきました。
ソールがワイドでよく滑ってくれるので、少々のダフりを気にしないでいいところも、このようなクラブの特長といえます。
弾道が高く、タフなタイプのアイアン型ユーティリティではないと思いましたが、どちらかというと『ヒッター向け』だと思います。
これまでアイアン型ユーティリティで球があがらなかったので、苦手にしている・・・。という方は、ウッド型のほうが合いやすいかもしれません。

『安定性』は普通です。
シビアさは感じませんが、このようなタイプをたくさん試打しているので、特別変わった感じはしません。
グースタイプではありますが、面長だからでしょうか?
少し右に逃げる球も出ました。
もう少しコンパクトだったら、もっといい球筋を描けたのにな・・・。と思ったのですが、メーカー問わず、このようなタイプは大顔が多いです。
ノーマルサイズがなかなか見られません。
小顔でなくてもいいので、できればノーマルサイズのアイアン型ユーティリティがもっと出てきて欲しいです。
ヘッドをなるべく大きくして、スイートエリアを広げたいというメーカーの思惑もあるのかもしれません。
今はトゥ側でヒットしても、当たり負けしにくいクラブが多くなりました。

『飛距離性能』は、まずまずです。
テーラーメイドは色々な工夫を毎回していますし、おそらくこのクラブにもハイテクな部分がたくさんあると思うのですが、飛距離に特化した印象はありません。
安定してよく飛ばしてくれましたが、『最大飛距離』とか『これまでにない飛び』という尖った部分を感じることはありませんでした。
『セダンタイプ』のアイアン型ユーティリティです。
『重たい』感じがするな・・・。と、ずっと思っていました。
それはクラブが重いというのではなく、球・弾道が重いという意味です。
その重さはいい意味であることが多く、今回もそのように感じたのですが、『ハードルの低い飛び』を目指すのであれば、また違ったアプローチの仕方があるのかもしれないな・・・。と思いました。
どの番手のクラブも全て『最高の飛び』を求めておられる方には、多少物足りないところがあるかもしれませんが、飛距離に安定性を求めたい方には魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?
今回試打したモデルはスチールが挿してありましたが、カーボンシャフトだと、また違った結果が得られたかもしれないですし、飛距離を求めるのであれば、同じロフトでもウッド型のほうがいいように思います。

このようなタイプなので、あまり操作したいとは思わなかったのですが、左右にも曲げることはできました。
グースが利きすぎていなかったからなのか、球がつかまり過ぎず、少し右に飛びやすい性格をしているな・・・。と感じました。
なので、スライサーの方には、ややキツいところがあるかもしれません。
私はフッカーなので、ドロー系の球が出ましたが、日頃ストレートボールを打っておられる方は少しフェード気味になることもあるような気がします。
試打後の感想

いい意味で、打つ前の印象と、打った後の印象が異なるクラブでした。
意外なほど、フィーリングが良く、親近感をもつことができました。

テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージが強いですが、このクラブにもそのように感じました。
しかしホーゼルにはFORGEDの文字があり、どこかのパーツがFORGEDなのだろうと思いましたし、打ちながらどこかな?と思っていたのですが、それを突き止めることはできませんでした。

普通、鍛造といえば、『ヘッド全体』になりますが、このクラブは全体ではなく、『部分鍛造』なのだろうと思います。
なかなか見られないことですが、こういったところがテーラーメイドらしさといえます。
他のメーカーがやらないことをやるのが、先進的なメーカーであるテーラーメイドの特長です。

ヘッドの素材にこだわり、そのパーツに最適な素材を使っているということではないでしょうか?
中空らしい、ボテッとしたところがありますが、構えてみると昔ほど気にならないところが印象的でした。
昔のクラブはヘッド後方がかなり大きく膨らんでいて、構えたときに邪魔に感じたことがたくさんありました。

このクラブはSIMという名前が付いているので、SIMドライバーのような工夫がされているのだと思います。
試打してみると、特別目新しさがあったというわけではないのですが、私がそう感じないだけで、ヘッドの中にはたくさんの最新技術が組み込まれているのだと思います。
DHYって、どういう意味なんだろう?と思いました。
化粧品のDHCを思い浮かべましたが、このDHYの意味が分かりませんでした。
契約プロの名前をとっているのかな?と思いましたが、ダスティンしか浮かびませんでした。

いい意味で、すごくまとまっていて、親近感のもてるクラブです。
これまでテーラーメイドのクラブはどちらかというと、性能のバランスに片寄りがあることが多いと感じていたのですが、このクラブはいい感じでバランスがとれています。
ソールにある溝やウェイトなど、色々な工夫が見られますが、それがマイナスに働いていないところがいいです。
なかなか面白いクラブだな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年11月15日
テーラーメイド SIM グローレ フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM グローレ フェアウェイウッド


シャフトは Air Speeder TM です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は41g、トルクは6.8、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は288g です。

テーラーメイド SIM GLOIREのフェアウェイウッドです。
先日ドライバーを試打しましたが、今日はフェアウェイウッドです。

基本的な形状やデザインはドライバーと変わらないようです。
テーラーメイドらしくて、好感が持てます。

ヒール寄りにはウェイトがひとつ配置されていて、この位置にあるということは、つかまりを良くする為だと思います。
TUNGSTENだけ表示されていて、数字が無いので重さは判りません。

ネックは短めで、調整システムは搭載されていません。

ソールには溝があります。

ドライバー同様、浅くなっています。
これが最新の深さでしょうか?
RBZとは明らかに違います。

フェース面はシンプルで綺麗です。
質感も良くなりましたが『最高』ではありません。
使っていけばいくほど、いい味の出るフェース面もあれば、逆に『古さ』や『使い減り感』が出てしまうものもあります。
このクラブは後者に見えました。

トゥには『TWIST FACE』の文字があり、ドライバーとの共通点は多く、ドライバーのヘッドをそのままギュッとコンパクトにした感じです。

見慣れたシャローヘッドです。

顔はまずまずです。
バルジがほぼ真っ直ぐに近く、全体的に『傾斜』しているといったらいいでしょうか?
真っ直ぐ左に傾いているような印象を受けました。
いわゆる『被り顔』ではありますが、昔のクラブのように極端ではなく、目立たないようになっています。

独特なデザインで高級感のあるグリップです。
グローレは幅広い層に人気の高いブランドですが、やはり高級感をもたせたブランドだということが分かります。

素振りをしてみると、軽量感と『先走り感』がありました。
ヘッドを見ても分かりますが、かなり『球のつかまり』を重視して設計されているようです。

ボールを前にして構えてみると、まずまずです。
これが今、支持されている構え感なんだな・・・。と思いながら見ていました。
『つかまる雰囲気』が好きな方は、かなり気に入られる顔ではないでしょうか?
バルジの角度と、ソールの角度が合っていなくて、フックフェースが流行った頃から、このようなタイプが多くなりました。
いわゆる『錯覚』を利用したヘッドです。
こうして構えたときに『台形』が『等脚台形』になっていなくて、歪んだ形の台形になっています。
バルジは白いので極端に閉じてしまうと構えづらくなるので目立たないようにし、代わりにソールといいますか、フェース面全体を左に向けているような感じです。
バルジの白が強調されているので、フェース面の向きは目立たないようになっています。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
サクサク打てちゃうような軽さ・・・。といったらいいでしょうか?
いい意味での『密度の薄い』フィーリングです。
球の乗りがいいほうではなく、弾く感じが強いですが、このあっさりしたところも、今のクラブの特徴なのかもしれません。
このフィーリングはこれまで、テーラーメイドのクラブで経験してきました。

『音』もお馴染みの『テーラー音』です。
聞き惚れるような音ではなく、機械的な感じですが、高くなく大きくもなく、邪魔をしません。
テーラーメイドは打感や音にこだわるイメージは無いですが、この音は無難な感じです。

球はよくあがってくれて、イージーです。
直打ちでも充分浮いてくれ、高さを出していくことができました。
最近のクラブは『低スピン性能』が高いものが多いですが、このクラブにはそれを感じませんでした。
少し叩けば、『吹く』感じがありました。
タフなタイプのFWではありません。
叩かなくても、ボールの手前にソールをそっと滑らせる感じで、上手く拾ってくれました。
最初見たときに、ソールの丸っこさが印象的だったのですが、その丸っこい形状も上手く機能してくれているのかもしれません。
ソールには溝がありますし、少しゴチャゴチャしたところはありますが、『ソールの滑り』を邪魔することなく、スムーズに振り抜くことができました。

『安定性』も高く、シビアさは感じません。
球のつかまりがいいので、私はドロー系のほうが自然に感じられましたが、フェード系を持ち球にしておられる方は、ちょうどいい塩梅で相殺されてストレート系が打てるようになるのではないでしょうか?
少しトゥ寄りに打っても、ヒール寄りに打っても、球筋が乱れる感じはありません。
フェアウェイウッドなのでドライバーと違い、それほどヘッドを大きくすることはできませんが、限られた大きさの中で最大レベルのスイートエリアを実現できているのではないでしょうか?
オートマチックなクラブですが、『ストレート系』ではなく、『ドロー系』なのが、このクラブの特徴です。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じでした。
球はよくあがりますし、つかまりもいいので、『効率の良い』飛びが期待できます。
フェースの弾きも良く、少し強めに入れていくだけで、速さと高さが格段にあがる感じです。
おそらく、ほぼ半分以上の日本人ゴルファーに受け入れられるのではないでしょうか?
それくらい、よくまとまっている印象をもちました。

『操作性』という点では、オートマ系のクラブなので、それほど操る感じはしませんが、ドロー系のほうが明らかに自然な感じがします。
つかまりのいいクラブであることは明らかですが、絶対に右に行かないというクラブでもなく、結構カットに打ってみて右にも少し曲げることができました。
試打後の感想

グローレらしい高級感・美しさをもちあわせたクラブです。

ハイテクタイプのクラブですが、そのハイテクが出しゃばりすぎて邪魔をしていない感じがして、好感が持てました。

よくつかまって飛ぶので、球数をこなしていくうちに、今自分がスプーンをもっているのか、クリークをもっているのか分からなくなるような感じがしました。

ほぼ自動的といっていい、飛び性能に技術の進化を感じます。

グローレとSIMの『複合型』FWといっていいでしょうか。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年11月05日
テーラーメイド P7MC アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド P7MC アイアン

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR105 です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、バランスはD2、キックポイントは元調子 です。

テーラーメイドの、とてもカッコいいハーフキャビティアイアンです。
テーラーメイドのアイアンはどちらかというと、機能的といいますか、たくさんのパーツが組み合わさった印象がありますが、このアイアンはベーシックタイプといいますか、シンプルな形状がカッコいいです。
プレイヤーの感覚を活かしてくれるピュアな感じがします。
また、テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージがとても強いのですが、このアイアンは軟鉄の質感があって、見るからに柔らかそうです。
この顔(バックフェース)を見て、以前試打したことのある、ツアー プリファード フォージド アイアン を思い出しました。
MCとは、おそらくマッスルキャビティのことだと思います。
マッスルバックとキャビティの『いいとこ取り』といいますか、中間的なポジションなのかもしれません。

大きさもちょうど良く、シンプルでシャープな形状がたまりません。
アイアン好きの私は、しばらく目で楽しみました。
見ているだけで自然と目尻が下がります。
たくさんのパーツが組み合わさった『足し算的』といいますか、色々な性能を組み合わせたようなアイアンもいいですが、このアイアンのように『引き算的』といいますか、無駄なものをそぎ落としたようなアイアンに魅力を感じます。
足し算のアイアンには感覚が邪魔されて届かないと感じることもありますが、引き算でシャープなものは、これまでの経験が活かせそうですし、感覚が邪魔されない感じがします。
『感覚の浸透圧』が高いといっていいかもしれません。

彫りは浅く、こうして見ても標準的なハーフキャビティだということが分かります。
このような形状はたくさん見てきました。
テーラーメイドのアイアンはウェイトが組み込まれているイメージがありますが、色々な角度から見ても、外から見る限り、異材などは組み込まれていないようです。
最近は中空アイアンをよく見かけるようになりましたが、このアイアンはプクッと膨れたところがなく、ボテッとしていないので、ノーマルタイプのアイアンだということが分かります。
中空アイアンのメリットはとても大きいと試打していても感じますが、どうしても打感が犠牲になってしまうので、私は使いたいと思ったことがありません。
しかし今の中空アイアンは昔の中空アイアンよりもかなり進化していて、デメリットが小さくなっているのも事実です。

トップラインの厚みは標準的です。
特別薄いということはありませんでした。

ソール幅は狭いです。
昔だったら普通ですが、今では明らかに狭いです。
最近は、このような幅のアイアンが流行っているのでしょうか?
他のメーカーのアイアンでも見られるようになってきました。
ソールが狭いと難しそうに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、逆にソールが広すぎるアイアンに苦手意識をもたれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
人によって好みが分かれるところかもしれませんが、私はこのソール幅には親近感がもてます。

ソール全体に緩やかな丸みがあります。
リーディングエッジとトレーリングエッジにも丸みがあって、抜けも良さそうです。
ソール幅の狭さと接地面積の小ささで、地面に刺さることなく素早く振り抜いていくイメージが出せました。

ネックの長さは標準的です。
特別長いという感じはしません。
こういったところが、今のアイアンの特徴といっていいように思います。
昔のアイアンのようなロングネックを見かけることがほとんど無くなりました。

ホーゼルには『FORGED』の文字があります。
テーラーメイドのアイアンは、ステンレスのイメージが強いので、あまり見ませんが、それでも昔からいくつかのフォージドアイアンに出会ってきました。
一口にフォージド(鍛造)といっても、いろいろな鍛造の仕方があるようですし、製品として見ても、あまり綺麗でなくチープに見えるものにも出会ってきました。
しかし、このアイアンはとても綺麗ですし、仕上げも丁寧です。
チープさは一切見られません。
日本の地クラブメーカーのような『手作り感』のあるフォージドアイアンではなく、おそらく機械による『プレス鍛造』だと思いますが、このクールな感じが海外メーカーらしいところです。
光沢感はありますが、ミラー仕上げのようなピカピカ光るタイプではなく、いい感じの高級感があります。

フェース面には綺麗なミーリングが規則正しく配置されていました。
ここがすごく驚くといいますか、いい意味でテーラーメイドらしくない感じがしました。
これまでのチープといいますか、『気を遣っていない感』は全くありません。
テーラーメイドのアイアンにミーリングのイメージは無いですが、これからは採用していくのでしょうか?
テーラーメイドは『ブームの火付け役』的なところがあるので、他のメーカーが追随してくるかもしれません。
ルールで角溝が禁止されているので、ミーリングの果たす役目は大きいと思います。
これまでも私は何度か書いてきましたが、アイアンには強烈なスピン性能を求めるのではなく、フライヤーを抑制してくれる性能を求めています。
フライヤーには、これまでたくさん痛い目に遭ってきたからです。
このアイアンのミーリングが、実戦でどれだけ威力を発揮するのか楽しみです。
これまでテーラーメイドのアイアンをたくさん試打してきて、テーラーメイドはフェース面には気を遣わないんだな・・・。と思っていましたが、このアイアンのフェース面を見て、そうではないのだと知りました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
このグリップは以前試打したアイアンにも装着されていました。
グローレとは違うグリップですが、ブランドによってグリップを変えているのでしょうか?

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
やや軽めですが、動きが大きくて頼りない感じもなく、しっかり振っていけます。
できればもう少し重さが欲しかったのですが、素振りを繰り返して軽さに慣れることにしました。
最近はこのように少し軽めでしっかりしたシャフトが増えてきたように思います。
シャフトのバリエーションが増えたことは私たちゴルファーにとって、すごくいいことです。
私がビギナーの頃は少ない選択肢のなかで、そのクラブ(ヘッドやシャフト)に合わせていかざるを得なかったのですが、今は完全に逆転して、プレイヤーにクラブを合わせる時代になりました。
ただ、経験が浅い方はどれを選べばいいか分からないところもあると思うので、フィッティングで合うシャフトを探すのがいいと思いますし、最初からあまり軽すぎるシャフトは選ばないほうがいいように思います。
適度な重量感は大きな武器になりますし、長くゴルフを続けていくうえで重要だからです。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
惚れ惚れするほど美しい顔をしています。
ここ数年、テーラーメイドアイアンの顔に見とれたことが無かったような気がするのですが、今日久しぶりに見とれてしまい、目尻が下がりっぱなしです。
すごくいい気分になったので、しばらくこうして見つめていました。
クラブもこちらを見ているようで、まるで『お見合い』をしているような感覚でした。
この美しい顔をしたアイアンで今から球を打てるのかと思うとすごく嬉しくなりますし、ワクワク感が止まりません。
いい意味で『テーラー顔』ではないアイアンで、ベーシックなタイプです。
ストレートネックなので、強いグースを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
最近はセミグースタイプが多いですが、私はこのような顔のほうが好きです。
トップラインも真っ直ぐに近いので、逃がすイメージを出しやすいですし、ネック周りがスッキリしていて、ボテッとしていないのも魅力的です。
目の保養ができるアイアンというのは、こういうアイアンのことだよな・・・。と独り言をつぶやいていました。
試打を開始しました

『打感』はソフトでとても良いです。
予想していた通りのグッドフィーリングです。
フェースへの乗っかりもいいですし、アイアン好きにはたまりません。
構えやすいのでイメージが湧きやすいですし、大きさもちょうどいいので、必然的に芯でヒットしやすくなります。
打感がとてもいいので、一球一球密度の濃い試打ができました。

『球のあがりやすさ』という点では標準的で、特に『お助け機能』のようなものは感じません。
見た目通りといいますか、構えたときにイメージした出球のまま飛んでいきました。
最近は構えたときのイメージと、実際の弾道のイメージが合わないアイアンが多くなりました。
構えたときはフェース面がすごく立って見えたので、低めの弾道をイメージしていても、実際に打ってみると、ショートアイアンのように高~くあがっていくアイアンも増えました。
それは凄いことで、高い技術が組み込まれていると思うのですが、私はやはりこのような自然といいますか、ベーシックなタイプが好きです。
7番アイアンに欲しい、『グリーンを上から攻める感覚』が活かせるところに魅力を感じました。
これならグリーンに着地してから、滑ってダラダラと転がっていくことなく、しっかりとキャッチして止まってくれそうです。
特別タフなアイアンだとは思いませんでしたが、ヒッター向けのアイアンであることは間違いありません。

『安定性』という点では、これまでのハーフキャビティと同等で、寛容さが感じられるアイアンではありません。
普段マッスルバックを使用しておられる方には、キャビティの易しさ・大らかさを感じやすいかもしれませんが、いわゆる『イージー系』のアイアンを使い慣れておられる方はシビアに感じられるかもしれません。
しかし構えやすいので、いいイメージを出しやすいですし、そのイメージが強く残っているうちに打っちゃえば、再現性は高まるように思います。
まさに『鉄(アイアン)は熱いうちに打て』です。
イメージを反映しやすいアイアンといっていいと思います。
スイートエリアの広さで勝負するアイアンではなく、イメージの出しやすさでミート率を高めるアイアンといったほうがいいかもしれません。

『飛距離性能』という点では普通ですが、弾道が力強く、いい伸びを見せてくれました。
いわゆる『ディスタンス系』のアイアンではないので、アイアンもドライバー同様、少しでも飛ばしていきたい方には物足りないところがあるかもしれません。
最近はそれほど『ヒット感』を強くしなくてもいいといいますか、ボールの横っ面を優しくなでるような感覚で打っていくのに適したクラブが多くなりましたが、このアイアンはしっかり振って強いインパクトでボールをターゲットまで運びたいアイアンです。
ソールが広すぎないといいますか、適度に狭かったからでしょうか?
横から滑らせるというよりも、昔のように上からしっかりと押さえ込んでいく感じで打つことができました。
大きな飛距離が望めるアイアンではなく、距離感を求めたい方に合いやすいアイアンであることは間違いありません。

『操作性』はかなり高く、左右へも曲げることが簡単でした。
私はドロー系のほうが自然な感じがしましたが、フェードヒッターの方にも易しく持ち球を打っていくことができるのではないでしょうか?
いい意味で『中間的』といいますか、ナチュラルなタイプで、クセのようなものを感じません。
球がつかまり過ぎないですし、逃がしていけるので左も怖くありません。
ストレートタイプだからなのか、初めて手にしたアイアンですが、一球目からダフることもなく、いい感じでボールと遊ぶことができました。
最近はドライバーに限らず、アイアンでも直進性の高いものが増えてきましたが、このアイアンは完全にマニュアルタイプです。
直線だけで攻めるのではなく、直線でも曲線で攻めることのできる懐の深さを感じました。
実戦では『攻めの幅』を増やしていけるので、使い勝手が良さそうです。
練習でいい球を打つのではなく、常に実戦(コース)でどのような球が出るかが大切ですが、このアイアンはすごく良さそうですし、今すぐにでもコースで使いたいと思わせてくれました。
試打後の感想

テーラーメイドは『ウッドメーカー』というイメージをもっていて、ドライバーやFWなどに比べると、アイアンはイマイチな印象もありました。
海外メーカー御三家といえば、テーラーメイド・タイトリスト・キャロウェイだと思いますが、アイアンではタイトリストやキャロウェイに大きく後れを取っていると私自身思っていました。
もちろん、飛び系アイアンもたくさん発表していて、それも凄い性能だと思いましたが、魅力を感じることは他のメーカーと比べると少なかったのは事実です。

しかし、このアイアンに出会って印象が変わりそうです。
テーラーメイドはついにアイアンにも本腰を入れたのでしょうか?
メーカーの発表するクラブに大きな変化が現れるときは、契約プロによるところが大きいと思うのですが、テーラーメイドがタイガー・ウッズ選手と契約して、これまでのようなステンレスのラージサイズばかりでなく、オーソドックスなフォージドアイアンにも力を入れるようになったのかもしれません。

タイガーウッズ選手はナイキのクラブを長く使っていましたし、ナイキがクラブ業界から撤退して、テーラーメイドと契約したときは驚きました。
『らしくない感じ』がしたからです。
正直、タイガー・ウッズ選手にはミズノかタイトリストのアイアンを使って欲しいと思いましたし、日本の地クラブメーカーでいえば、三浦技研のアイアンがいいな・・・。と、ずっと思っていました。
テーラーメイドとタイガー・ウッズ選手とのイメージがマッチしなかったのですが、当然メーカー側としても契約プロの要望に応えるクラブを作るはずなので、クラブの性能には心配はしませんでした。

私の友人たちもドライバーやFWはテーラーメイドを使っているけど、アイアンは他のメーカーを使う人が多かったです。
もちろん、テーラーメイドアイアンが良くないということではないですが、ドライバーほどのポテンシャルの高さを感じにくいものが多かったのは事実です。
私はテーラーメイドのドライバーやフェアウェイウッドを初めて試打してからも、そのクラブを何度か試打して楽しむことがありますが、アイアンは『一度きり』ということがほとんどでした。
一度試打したら、もう試打しなくてもいいと思っていました。

しかし、このアイアンは違います。
何度でも試打したいですし、是非コースでも使ってみたいと思える魅力的なアイアンです。
ステンレスにはステンレスの魅力があると思いますが、私はやはり軟鉄が好きで親近感を覚えます。
このアイアンは軟鉄ですし、すごく綺麗に仕上がっていて男前なので、好感度がさらにあがりました。
チープさが全く無く、とにかく美しいです。
このアイアンを試打して、改めて全体的な『形の美しさ』が大切だな・・・。と感じました。
ゴルフクラブはまず、目で楽しませないといけません。
それには『形の美しさ』が必要です。
視覚・触覚・聴覚で楽しませてくれなければなりません。

このような美しいアイアンは、『ミスをしたらクラブのせい』にできないところがまたいいです。
最初の印象が良くなかったり構えづらかったりするのもそうですし、打感が良くないクラブだと、ミスショットの原因をクラブのせいにしたりすることもありますが、このようなクラブだと、そういった言い訳ができないところがいいですし、私は昔からそのようなクラブを求めて使っていました。
ゴルフには
・クラブがスイングを教えてくれる。
・コースがゴルファーを育ててくれる。
という格言がありますが、このアイアンを試打して、まさにその通りだな・・・。と思いました。
予定の時間が来て、球数もオーバーしていたのですが、試打するのが楽しくて、なかなか止められませんでした。
今日も打席の外のアプローチ練習場で芝と戯れようかと思っていたのですが、このアイアンに出会い、急遽予定が変更になりました。
また試打したいですし、後ろ髪を引かれる思いで練習場を後にしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年10月27日
テーラーメイド SIM グローレ ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM グローレ ドライバー


シャフトは Air Speeder TM です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは46インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は47g、トルクは6.6、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は278g です。

テーラーメイドグローレのNEWモデルです。
デザイン的にも、以前試打したM GLOIRE ドライバーの後継モデルであることは容易に想像できます。
パッと見る限り、それほど大きな変化は無さそうです。

ラージサイズでシャロー感はありますが、超シャローではなくヘッドには適度な厚みもあります。
こういった形状は前のモデルと変わりません。

ネックは短く、調整機能も搭載されていません。
これも前のモデルと同じです。
あの名器『F』には搭載されていたのですが、必要ないということなのかもしれません。
調整機能を重視しておられる方はたくさんいらっしゃると思うので、不満に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ソールには溝があり、これも前のモデルと同じです。

しかし浅くなっていて、大きな違いがあります。
これはどういうことなのでしょうか?
ヘッドの強度や反発係数などが関係しているのかもしれないですし、違うコンセプトで開発されているのかもしれません。

ヒール側にはウェイトがひとつだけ配置されていて、これも同じです。
こうして見ると、前のモデルとの共通点が多いことに気付かされます。
『TUNGSTEN』の文字がありますが、数字が刻印されていないので重さは判りません。
交換するタイプではないのかもしれません。

トゥ側にはSPEED INJECTEDというものがありますが、これはどういう効果が期待できるのでしょうか?

シンプルで綺麗なフェース面です。
グローレのブランドイメージに合う、高級感があります。
チープさは見られません。

トゥ側には『TWIST FACE』の文字があり、M3などの技術がそのまま採用されているようです。
MグローレはFORGEDでしたが、このSIM グローレは違うようです。
このドライバーの名前は『SIM』となっているので、MグローレにSIMの性能を足したドライバーなのかな?と思いました。

お馴染みのカーボンクラウンです。
このデザインもMグローレと同じですが、色が少し濃くなりました。

シャローバックではありますが、ヘッド全体がシャローということではなく、ヘッドの中心部分に厚みがありますし、フェース高もあります。
いわゆるセミディープフェース&シャローバックタイプのドライバーです。

NEWモデルではありますが、顔は変わらないようです。
この顔は何度も見てきたように思います。
少しフェースが左を向いているように見えましたが、それがはっきりと分からないように少しボヤけて見えるような工夫がされているのかもしれません。
クラウンのほぼ全てがカーボンなので、かなり低重心化されているのではないでしょうか?

装着されているグリップは、ちょっと変わったデザインです。
高級感があり、さすがはグローレだな・・・。と思いました。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。
気になるのは、グリップは消耗品なので、グリップ交換するときに、これと同じグリップが用意されているかということです。
私は昔、テーラーメイドのドライバーで、『ツチノコシャフト』を愛用していたことがあり、グリップ交換のときに、ツチノコシャフトに合うグリップがなかなか見つからなかったので、少し苦労した経験があります。
一世を風靡した、あのツチノコシャフトはもう復活しないのでしょうか?
製造元は確か藤倉だったように思います。

素振りをしてみると、軽量感はありますが、これまでのモデルと大差ないように感じます。
シャフトが結構動くタイプで、いわゆる『走り系』のようです。
堪えてくれるタイプのシャフトではなく、動きの大きいシャフトです。
このシャフトが純正なのでしょうか?
それとも他に色々なシャフトが用意されているのでしょうか?

ボールを前にして構えた感じはまずまずです。
特に気になるところはありませんが、クラウンマークが少しヒール寄りになっています。
あえてこのようにしていると思うのですが、どういった効果が期待できるのでしょうか?
私はクラウンマークが無くていいといいますか、むしろ無いほうが好きですし、どの位置にあっても構えが変わることはありませんが、クラウンマークにボールが正対するように構えておられる方も多いと思います。
このクラウンマークの位置で構えてくださいということなのでしょうか?
こう構えることで、普段トゥ寄りにヒットする人が、センターでヒットするという狙いがあるのかもしれません。
ヘッドは大きく見えますが、ヘッド後方がそれほど膨らんでいないのがいいです。
むしろトゥ側の膨らみというか『出っ張り』が目立つので、やや面長な感じもします。
NEWモデルではありますが、これまでのモデル(Mグローレ)と同じようなイメージで打っていけば良さそうです。
試打を開始しました

『打感』はしっかりしているのですが、堅いというほどではなく、嫌な衝撃も残りません。
ソフトなフィーリングではないですが、小気味良い堅さといったらいいでしょうか?
打ち応えのある打感です。
打ち比べてみないと実際のところは分かりませんが、Mグローレの打感に近いような気がします。

音は、やや高めの金属音ですが、甲高くはなく大きすぎないので、特に不満はありません。
この金属的な音を好まれる方も多いのではないでしょうか?

ロフトが10.5度ということもあり、よく上がってくれました。
叩いてしまうと上がりすぎるので、かなり抑えめな感じがいいように思います。
いわゆる低スピンタイプではなく、少し吹き上がるようなところもありました。
テーラーメイドは海外メーカーですが、このグローレは日本市場向けのブランドだと思いますし、低スピンではなくターゲットを絞って『適スピン』にこだわって設計されているのではないでしょうか?
シャフトも動くタイプで、この弾道の高さに影響しているように感じました。
あくまでも『イメージで』ですが、インパクトから先は、フェースの向きはしばらく水平あるいは少し下を向くイメージが欲しいです。
下を向くイメージは、パーシモンでゴルフを始められた方にはおそらく理解していただけるのではないでしょうか?
逆にメタルになってから、アッパーブローで打つようになったので、逆のイメージでヘッドをリリースしていくようになりました。
しかし、このドライバーはかなり上を向く感じです。
こういったところは明らかにクラブの進化ですし、パーシモンでは作れません。
強度があって比重が軽いチタンだからこそ、極限といえるほど肉厚を薄くし、中の『空洞』を上手く利用できるからだと思います。

『安定性』は高く、オートマチックタイプのドライバーです。
球のつかまりがとてもいいので、スライサーの方にも頼もしい存在となってくれるのではないでしょうか?
私にはつかまりが良すぎる感じで、最初から少しフック気味の球が出てしまいましたが、それは私がこのドライバーの特性を上手く活かしきれていないところが原因のような気がします。
気持ちフェードをイメージして打ったら、すごくいい感じのストレートボールが打てました。
かなり『矯正力』があるといいますか、球を逃がそうとしても自然とそれを矯正し、つかまる力が加わっているような気がします。
球のつかまりはいいですが、フックしか出ないドライバーではないので、そういったところは昔のフックフェースドライバーとは違います。
スイートエリアも広そうですし、シビアさは全く感じません。
打点のブレには寛容なところがあります。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じです。
前のモデルのMグローレよりも大きく飛距離が伸びたかといえば、そうでもないような気がするのですが、レベルの高さはさすがです。
『叩かないでいい飛距離性能』といったらいいでしょうか?
むしろ、ゆっくり振って最大の飛距離が得られるように設計されているように感じます。
このドライバーはシャローでラージサイズですが、今はもっと極端な形のドライバーがたくさんあります。
そういったドライバーを使い慣れておられる方には、このドライバーは少しハードルが高そうな印象をもたれるかもしれません。
しかし実際は全くそんなことはなく、球はしっかりとあがって、しかもつかまりもいいので、高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。

『操作性』という点では、それほど秀でている感じはしません。
むしろ『オートマチック的』に球がつかまってくれるタイプなので、右には行きにくいという特性があります。
シャフトもそのような動きをしますし、左右に打ち分けるとか、高低を変えて打つ・・・。というタイプではありません。
いい意味で『ワンパターン』の球が打てるドライバーといっていいように思います。
試打後の感想

テーラーメイドらしく、『色々な技術の複合体』といった印象をもちました。
ゴルフクラブに限ったことではないですが、様々な技術や工夫を詰め込めば詰め込むほど良いというものではなく、詰め込んだ分だけ、その技術同士がお互いの良さを消し合ってしまうということもありますし、それほど効果を発揮しにくくなることもあります。
そういったことをたくさん経験してきましたし、ゴルフクラブにおいても、そのように感じるものには出会ってきました。

なので、クラブメーカーも開発のときに絶対に入れたい技術と、どうしても捨てざるを得ない技術があるように思います。
特にテーラーメイドは毎回そのように感じているのではないでしょうか?
それくらいテーラーメイドのクラブには色々な技術や工夫がたくさん散りばめられていて、新しい技術も常に取り入れています。
クラブ開発のアイデアという点においても、テーラーメイドは常に業界の先駆者といえます。

グローレが登場する前までは、時にはテーラーメイドのクラブがチープに感じてしまうことも正直ありました。
色々な工夫が見られるけど、それが見かけ倒しでたいしたことないな・・・。と思ったこともありました。
そんなイメージを払拭したのが『グローレシリーズ』です。
高級感があって、所有感を満たしてくれるようになりました。

デザインが美しくなったので、エグゼクティブゴルファーのハートもしっかりキャッチしたように思います。
若年層ではなく、ベテランゴルファーをターゲットにしたブランドだと思いますが、ただ単に『ソフトスペック』になったのではなく、『気骨がある』といいますか、易しさを充実させながらも、硬派でカッコいい一面も感じられるのがグローレのいいところです。

このドライバーはまず『易しさ』を感じ、それから『美しさ』『カッコ良さ』を感じました。
全体的なスペックが、少し物足りないといいますか、もっとしっかり振っていきたいという思いが強くなり、違うスペック(ロフト)やシャフトでも試してみたいです。
今のままでも充分な性能をもっていますが、これが『叩けるスペック』になると、どのように変貌していくのか興味深いです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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TaylorMade

2020年10月02日
テーラーメイド P770 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド P770 アイアン


シャフトは ダイナミックゴールド EX TOUR ISSUE です。
ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は131g、キックポイントは元調子 です。

テーラーメイドのカッコいいアイアンです。
パッと見た感じは、シンプルなマッスルバックアイアンです。
ライバルメーカーであるタイトリストはマッスルバックのイメージもありますが、ついにテーラーメイドもマッスルバックアイアンを発売してくれるようになったのか・・・。と思いました。
テーラーメイドもこれまで、マッスルバックアイアンが全く無かったわけではありませんが、ラージサイズのイメージが強いです。
以前試打したスモークというアイアンのことはよく覚えています。
すごく魅力的でした。
このアイアンはP770ということで、以前試打したことのあるP790の後継機種であることは想像に難くありません。

シャープな形状でカッコいいです。
テーラーメイドアイアンのPシリーズの中で、最もカッコいいです。
このシンプルさがたまりません。
テーラーメイドのクラブは、シンプルというよりは、どちらかというと色々な工夫を取り込む『足し算設計』が多いように思うのですが、このアイアンは外見上はそういったことを感じさせないのがいいです。
いわゆる『濁った』印象はありません。
クリアな感じがします。

中空構造だということが分かりましたが、これまでの中空アイアンのように、プクッと膨れていないのがいいです。
見た目はマッスルバックアイアンそのものです。
シャープでシュッとしているので、すごくカッコいいです。
目にしたら打たずにはいられません。

このシンプルなバックフェースが魅力的です。
キャビティアイアンを好まれる方は、この形状はあまり親近感をもたれないかもしれませんが、中空の良さは『見た目とのギャップ』にあります。
見た目は難しそうに見えても、実は易しいというのが、中空最大の魅力です。
ヒール側にTUNGSTENの文字があったので、ヘッドの中にタングステンが組み込まれているのが分かりましたが、これまでのモデルにも見られました。

トップラインの厚みも標準的です。
外見はあくまでもマッスルバックに合わせているようです。

ソール幅は標準的ですが、今のアイアンの中では明らかに狭いです。
比べてみたわけではないのですが、以前試打したP790よりも、このP770のほうが狭いと思います。
このソール幅を見て懐かしく思う方がいらっしゃると思いますし、逆にハードルが高く感じられ、親しみづらさを感じる方がいらっしゃるかもしれません。
何だかステンレスっぽい質感だな・・・。と思いながら見ていたのですが、軟鉄鍛造なのだそうです。

このアイアンのソールにも溝があります。
テーラーメイドらしい普通のステンレスアイアンにもありましたし、この中空アイアイにもあります。
わざわざ、このような工夫をしているということで、それなりの効果が期待できるのだと思いますが、私はまだ体感できていません。

ネックの長さは標準的です。
こう言っては何ですが、テーラーメイドのアイアンにしては、この『後ろ姿』が綺麗だな・・・。と思いました。
シュッとしていて気品が感じられます。
これまでは『頭でっかち』であったり、『ボテッ』とした物やグースがきついものが多かったからです。

ホーゼルにはFORGEDの文字があり、改めて軟鉄鍛造などだと知りました。
テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージが強いですし、軟鉄でも鋳造の物が多かったように思うのですが、フォージドにすることによって、『軟鉄鍛造ファン』を取り込もうという狙いがあるのでしょうか?

フェース面にはミーリングは見られませんでした。
シンプルで綺麗なフェース面です。
ただ、このフェース面を見て、やはり中空なんだな・・・。と思いました。
これまで出会ってきた中空アイアンに見られる特徴がありました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てました。
手によく馴染むので、アイアンに適したグリップです。

素振りをしてみても、適度な重量としっかり感があって、好感が持てました。
適度な重さを利用できるので、タイミングがとりやすいです。
重力に任せておけばいい・・・。という感じです。

このダイナミックゴールド EX TOUR ISSUEというシャフトはNEWモデルなのでしょうか?
ツアーイシューはこれまでも試打してきましたが、このEXというシャフトは初めてです。
ツアーイシューの後継モデルなのでしょうか?
最近はダイナミックゴールドが装着されることが少なくなってきているように思うのですが、このシャフトが挿してあるということは、それだけの高いパフォーマンスが期待できるのかもしれません。
ゴルフクラブはどうしてもヘッドの多様性が求められがちですが、重さや硬さの好みも人それぞれなので、装着されるシャフトのバリエーションが増えていけばいいと思っています。
今はそれくらい高性能なシャフトが、スチール・カーボン問わずたくさんあります。
巷で人気があるからといって、必ずしもその人に合うシャフトとは限りません。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
ひと目で気に入りました。
前のモデルの790よりも、断然こちらのほうが好きです。
790も悪くはありませんでしたが、正直それほど魅力を感じませんでした。
グースが利いていましたしトップラインの厚みもありましたが、このアイアンは違います。
人それぞれ好みがあるとは思いますが、私はこのほうが好きです。
こうして構えてみると、テーラーメイドというよりは、まるでタイトリストのアイアンを構えているかのようです。
独特なシェイプやフェースの光沢感がそうさせているのかもしれません。
試打を開始しました

『打感』は正直物足りなさを感じてしまいました。
構えたときまではすごくテンションがあがっていったのですが、一球打って『現実に戻された』といいますか、『一瞬で夢から覚めた』感じです。
中空独特のペチャっとした打感です。
薄くて、ボールに当たり負けするような打感です。
構えていたときは中空ということを忘れ、マッスルバックやハーフキャビティの雰囲気に包まれていたのですが、この打感がそれを一瞬で消し去りました。
アイアンとしては物足りない打感ですが、これがもしユーティリティアイアンなら普通かな?と思えてきます。
もちろん、この打感に大きな不満があるというわけではないのですが、外見のカッコ良さにすごく期待していたので、そのギャップが残念だったのかもしれません。
しかし、この中空独特な打感を好まれる方もたくさんいらっしゃると思いますし、この打感がダメだということではありません。
あくまでも私がこの打感を受け入れる度量が足りなかったということです。
顔などは790よりも、この770のほうが断然いいですが、打感は『ほぼ五分』といった感じです。
中身がギュッと詰まった感じはなく、『空洞感』があります。

『球のあがりやすさ』は普通です。
標準的な部類に入りますが、明らかにヒッター向けのアイアンです。
外見はマッスルバックアイアンのようですが、それよりもかなりあがりやすくなっているのは事実です。
外見からは分かりませんが、最適な場所にタングステンが配置されて、適切な重量配分ができているのではないでしょうか?
構えたときはもっと低い弾道をイメージしていたのですが、実際に打ってみると高くあがっていきました。
打ち出しが高く、『山』のような弾道を描いていけるアイアンで、いわゆる『グリーンを上から攻めていける』タイプです。
ただ、アイアンに欲しい『めくれるような弾道』ではありませんでした。
それは『フェースの食いつき』が足りなかったからかもしれないですし、『弾き系』では仕方ないことかもしれません。

『安定性』という点でも、この見た目よりは、かなり大らかで、シビアさは感じません。
まるで、ノーマルキャビティを打っているかのようです。
ある程度のスイートエリアの広さを感じますし、その広いエリアに球をつなぎ合わせていって、そこから強く弾き飛ばす・・・。といったところでしょうか?
『点』ではなく、『面』を意識して球を運んでいけるアイアンです。
大顔タイプではないので、打点を集中させていきやすいですし、右に抜ける感じがしないのがいいです。

『飛距離性能』も普通で、今のアイアンの中では、それほど飛ぶタイプではないと思いますが、私の感覚では『やや飛び』くらいです。
『飛び』と『コントロール』の、ちょうど中間くらいに位置しているように感じます。
私の中では明らかに飛び系のアイアンになるのですが、その飛びが安定しているところに魅力を感じました。
『血の通った飛び』といったらいいでしょうか?
一球一球に、打ち手の思いやイメージを一緒に乗せて運んでくれるような感覚です。
アイアンには必ず『コントロール』が求められますが、そのコントロールが、このアイアンにはできます。
ただ単に飛べばいいというのではなく、飛ばしていきながらも、程よい加減ができるところに好感が持てました。
打つ前の印象よりも、ボールが高くあがっていって高さを出すことができました。
ヒッター向けのアイアンには変わりないのですが、かなり高く打ち出していけるアイアンなので、昔のアイアンのような感じはしません。
この高さを出すために、ヘッド内部に色々な工夫がされているのではないでしょうか?
中空アイアンが発売されて、もう20年以上になると思うのですが、明らかに性能があがっています。

『操作性』という点でも、好感が持てました。
見た目よりは易しくて大らかさもあるのですが、決して反応が鈍いとかコントロールできないということではなく、『大らかさの中で扱える』易しさがありました。
グースが弱いからでしょうか?
一球目から、ほぼストレートな球を打つことができました。
構えたときも真っ直ぐのイメージが強く浮かんだのですが、そのイメージラインをなぞるようにボールが飛んでいきました。
グースタイプではないので、球がつかまり過ぎることはないですし、大顔タイプではないので、球がプッシュすることもありませんでした。
ストレートタイプを好まれる方でしたら、フェードヒッターの方でもドローヒッターの方でもマッチしやすいのではないでしょうか?
マッスルバックアイアンのような『反応の速さ』は感じず、スピーディーというよりは、どちらかというと『ゆっくりめ』な反応ですが、その反応スピードは多くの支持を集めるような気がします。
特にキャビティアイアンを好まれる方には、とても親しみやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
試打後の感想

790の後継モデルだとは思いますが、私は断然、この770のほうが好きです。
790が770よりも秀でているところを探すのが難しいくらい、770のほうが全体的にレベルアップしているように感じます。

もちろん、実際に打ち比べてみたわけではないので、細かいところまではっきりとは分からないところもあるのですが、おそらく打ち比べてみても、印象は変わらないと思います。
ただ、この770の顔を小さいと感じる方もいらっしゃると思いますし、そういった方は790のほうが安心感が得られやすいのかもしれません。

このアイアンを試打して、テーラーメイドもついにドライバーだけでなく、アイアンにも本腰を入れたのかな・・・。と試打しながら思っていました。
もちろん、これまでもテーラーメイドのアイアンは秀作がたくさんあったのですが、どちらかというと比重はドライバーなどウッド系に偏っていたと思います。

まずは、このアイアンの外見の良さ=カッコ良さに興味をもたせ、実際に打っても普通のキャビティのような易しさを実感させ、親近感をもたせようというメーカーの狙いがあるのではないでしょうか?
ドライバーなどのウッド系クラブと違い、アイアンやウェッジは『設計自由度』が高くないので、外見で性能や性格をある程度把握できますが、それを覆しているのが『中空構造』です。
マッスルバックのようにシンプルでカッコいいアイアンだけど、実際に打ってみたらすごく易しくて、いい意味でのギャップを感じさせてくれます。
寛容さがあるので実用的ですし、見た目カッコいいので、『所有感』も満たしてくれます。
やはり、いつの時代もカッコいいクラブを身近に置いておきたくなるものです。

すごくカッコ良くて易しさもあるので、すごくいいな・・・。と思いましたが、打感が残念でした。
残念といっても大きな不満があるというわけではなく、『普通の中空』といった感じだったのですが、外見がすごくシュッとしてカッコいいので、その落差が大きかったのかもしれません。
易しさの為にはどうしてもフィーリングが犠牲になるところがありますが、それは仕方ないのかもしれないですし、トータルで考えればマイナスよりもプラスのほうが大きいのかもしれません。

私はこれまで、たくさんの『中空アイアン』を試打してきましたが、このP770アイアンが一番好きです。
これまでの中空アイアンにあった、ボテッとしたところが無く、外見はほぼマッスルバックでした。
それでいて、実際に打ってみるとノーマルキャビティのような易しさがあるので好感が持てます。
その見た目と易しさとの『ギャップの大きさ』が、メーカーの腕の見せ所といえるのではないでしょうか?
テーラーメイドの中空アイアンの中で、間違いなく『秀作』といえる、素晴らしいアイアンです。
私は今のところ、中空アイアンを購入する予定は無いですが、これから先どうなるか分からないですし、もし購入することがあるとすれば、今の段階では、このアイアンが筆頭候補になります。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年08月09日
テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ビッグフット ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ビッグフット ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは60度、クラブ長さは34.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

個性的なテーラーメイドのウェッジです。
一目で昨年試打したウェッジの姉妹モデルなのが分かりますが、どこが変わったのか、こうして見ている限りではよく分かりません。

トゥ寄りに『足のマーク』があり、これが『ビッグフット』の名前の由来だと思います。
どのような意味があるのでしょうか?
そういえば私は子供の頃から足が大きくて、中学一年のとき既に27cmの靴を履いていたので、ビッグフットということで、中学生のときに「足が大きい」と言われていたことを思い出しました。

全体的な形状や大きさはオーソドックスなタイプです。
こうして見る限り、特別変わったところは見られません。

ソールの空洞部分が、かなり大きくなっています。
これは昨年試打したウェッジとは大きく異なる部分です。
これまでの物とタイプは違いますが、これもキャビティタイプのウェッジといっていいように思います。
ソールの部分をここまで大きく『削り取る』ということは、それだけ重心が高くなっているのかもしれません。
これまで、ソールにドリルで穴を開ける工夫はよく見られましたが、このウェッジはそれをさらに強調しているようです。
初めて見るタイプではありますが、ここまで思い切ったことを出来るのがテーラーメイドの良いところだと思います。

トップラインの幅は標準的です。
もう少し広いのを予想していましたが、違いました。

ネックの長さは適度にあります。
ロングというほどではありませんが、ウェッジに欲しい長さはしっかりとキープされています。
私はショートネックのウェッジを見ると、何故か頼りなく見えてしまうことがあるのですが、このウェッジにはそのようなことを感じません。

ホーゼルには『CARBON STEEL』の文字があるので、『炭素鋼』、つまり軟鉄が使われているのが分かります。
色合いなどから、いかにも『銅っぽい』感じがしますが、実際はカッパーではなくカーボンです。
昔、J'sのフェース下が銅になっているウェッジを使っていて、その何ともいえない柔らかさを体感しているので、素材としての銅にはとてもいい印象をもっています。
新品のときは見えなくても、使っているうちにフェース面が摩耗し、銅が見えてきました。
いわゆる『カッコいい摩耗』です。
使い続けていくうちに見える『二段重ねのカッコ良さ』といったらいいでしょうか?
フェース面と、右の手のひらを『イコールさせて運ぶ感覚』を磨くことができたのは、銅のおかげかもしれません。
手のひらを真っ直ぐ伸ばしてボールにコンタクトするのではなく、少し『逆くの字』に曲げていて、インパクトの衝撃で伸びてストレートになる感覚・・・。といったらいいでしょうか?
フェース面がボールに『押し負ける』ような柔らかさといったらいいかもしれません。
そのような柔らかさを、銅で感じていました。
そんな昔の懐かしい記憶が、このウェッジを見て蘇ってきました。

かなりのワイドソールです。
この広さは昨年試打したウェッジとは大きく異なる部分です。
このウェッジが60度だから、つまり番手が異なるからソール幅に違いが見られるのかもしれません。
これだけソールが広いと、バンカーが苦手な方でも頼もしさを感じられるのではないでしょうか?
バンカーでのイメージは『人それぞれ』で、砂をバーンと弾くイメージが欲しい方は、このようなワイドなものがいいと思いますし、砂を薄く切るイメージが欲しい方は標準的な広さのほうがイメージしやすいかもしれません。
私はバンカーの練習が大好きですが、後者のほうを好みます。

ソールは全体的に丸みを帯びています。
緩やかな丸みなので、ワイドソールが活かされています。
バンカーでの砂の弾きだけでなく、芝やラフからでもしっかりと滑ってくれそうです。
こうして見ても、ヒール側が大きく削られているのが分かります。
ソールに色々な工夫が見られますが、ライバルメーカーであるボーケイとはまた趣が異なります。
このウェッジにも、色々なソールパターンが用意されているのでしょうか?

ソールはフラットではなく、細かな溝のようなものがあります。
これは昨年試打したウェッジにも見られましたし、最近よく見かけるようになりました。
こうすることでソールの滑りが、よりスピーディーになるのでしょうか?
このソールからイメージすることはそれほど無いのですが、おそらく大きな意味があるのだと思います。
こうして見ても、リーディングエッジやトレーリングエッジが、はっきりと削られているのが分かります。
こういった『削り』も、今は普通になりました。
『WIDE・15』という文字がありますが、これはどういう意味なのでしょうか?

スルーボアタイプになっていて、これも以前から見られました。
あえてこのようにしているということは、それだけスルーボアには魅力があるということだと思いますが、私は必要性を感じていません。

フェース面には非常に細かなミーリングのようなものがありました。
かなり細かいので、近くでじっくり見ないと気付かないほどです。
フェース面を指で触れてみると、少しザラザラした感触がありましたが、それはミーリングではなく、スコアラインによるものです。

昨年試打したウェッジ同様、フェース面いっぱいにスコアラインがあります。
初めて見た時は少しギョッとしましたが、もう見慣れました。
アプローチをするときに、カットで打っていくことも多いですが、そうすると打点はトゥに集まりやすくなります。
そういったときに、このようにフェース面全体にスコアラインがあることで、スピンを落とさずに寄せていけるようになるのかもしれません。
カット打ちが得意な方は、このようなフェース面には安心感をもちやすいのではないでしょうか?
私もカットで打つことが多いのですが、あくまでも私の場合は、このようなフェース面でなくても、普通で充分です。

装着されているグリップはツアーベルベットが挿してあり、最高です。
ウェッジには最適なグリップです。
もちろん、ツアーベルベット以外にも素晴らしいグリップはたくさんありますが、このグリップが挿してあるだけで、そのウェッジやアイアンに対しての好感度が私の中でアップします。
メーカーはちゃんとフィーリングのことまで考えてくれているんだな・・・。と、勝手に解釈しています。

ボールを前にして構えてみても、独特な感じがします。
フェース面いっぱいにあるスコアラインもそうですし、形状も特徴的です。
完全なる『洋顔』タイプのウェッジといっていいと思います。
洋顔には『グース』もありますが、このような『ストレート』もあります。
ストレートタイプで、ほんの少しだけリーディングエッジが前に出ているような感じです。
『出っ歯』というほどではないですが、厳密にいえば、少しだけ出ています。
ストレートネックを好まれる方には相性がいいと思いますが、グースネックを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
ロフトが60度だからでしょうか?
フェース面が、かなり上を向いています。

フェースを開いて構えてみると、それがさらに強調されます。
ヒール側が大きく削られているからではないでしょうか?
フェースがよく寝て(上を向いて)くれます。
ロフトが60度ということなので、私の中ではSWというよりはLWという認識をもつのですが、そのロブショットのイメージがすごく出しやすいです。
ここまでフェースが上を向いていると、カットの度合いを緩めて真っ直ぐに近い感じで振っても、高いロビングが打てそうです。
ボールが『前』ではなく、『真上』にあがって、まるで自分の顔(特に左目付近)に当たってしまうようなイメージが欲しいのですが、このウェッジにはそれができました。
あくまでも私の中でのことですが、自分の左目付近に当たってしまうイメージ(実際に当たることはありません)が出るときは、ロブショットの成功確率が、かなり高まります。
弾道の強さをイメージするには『ガツン』とか『カキーン』『コン』『カーン』『バコーン』など、いろいろな擬音語を頭に描きますが、こうして構えていると『フワッ』という『クリネックスショット』のイメージが出しやすいです。
この擬音語には『フェース面の音』と『ソールの芝に接する音』の二種類が私の中であるのですが、このウェッジは『フワッ』というフェース面の音と、『シュッ』というソールの音の二種類がイメージできました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、いい感じです。
以前、姉妹モデルを試打しているので、この打感は予想できていました。
ソール部分がかなり大きくえぐれているので、打感はどうなるのだろう?と思うところもあったのですが、実際に打ってみると、これまで経験したことのあるソフトなフィーリングでした。
外見的に、少し大味な印象もありますが、打感は大味ではありませんでした。

スピン性能も高いです。
安定していて、よく止めてくれました。
ロブ系のショットで高くあげて止めるということもできますが、適度にスピンが効いて、しかもそれが安定しているので、シンプルに寄せていけそうです。
『激スピン』タイプではなく、安定感のあるスピンが、このウェッジの魅力です。

球はとてもよくあがってくれました。
ロフトが寝ているということもありますし、ストレート独特の柔らかく軽い打ち出しの高さです。
ソール全体もよく滑ってくれて、『ボールの下半分』を攻めていけるウェッジといったらいいでしょうか?
うまく拾って乗せやすいウェッジです。

『安定性』は、かなり高いです。
マニュアル系のような感じがしないでもないですが、実際に打ってみると、かなり安定感があって、機械的に寄せていきやすいです。
球筋も一定で、『同じ球』を打ちやすいです。
このウェッジの構え感に苦手意識を持たない方や、球数をこなして慣れた方は、かなりイメージが出しやすく、そのイメージに反映させやすいのではないでしょうか?
ソールにある3つの大きな凹みが、深く関わっているのかもしれません。

距離感も出しやすいです。
ロブ系のショットはランニングやピッチエンドランよりも、距離感が合いづらいところがありますが、このウェッジはロブ系でも縦の距離感が出しやすいのが特長です。
飛ばさないという性能が、このウェッジには備わっています。
硬くなく、ソフトなフィーリングなのも、距離感の出しやすさにつながっているように感じました。
いわゆる『タッチ』を出しやすいウェッジです。
正直、それほど『繊細さ』を感じず、いい意味での『がさつさ』といったらいいでしょうか?
適度にアバウトな感じが、ちょうどいいのかな?と思いました。

『操作性』も高いですが、どちらかといえば安定性のほうが勝っているような印象をもちました。
これだけロフトが寝ているので、アイアンのように左右に曲げるのはかなり難しいですが、その分『高さのイメージ』を出しやすいので、『高低』で勝負できるウェッジといっていいように思います。
フェースを開いて打つのが苦手な方でも、普通のロブ系のショットが打ちやすいウェッジといっていいのではないでしょうか?
カットに打とうとしなくても、よくあがって止まってくれますし、『歯先』でも拾っていくことができます。

これだけロフトが寝ているので、『球の乗っかる時間』でいえば、48度くらいのPWなどと比べると、短いような気もするのですが、この『だるま落とし』的な感覚がロブウェッジの魅力でもあります。
前に飛ぶエネルギーを上手く上に変換させて、飛ばさず距離を合わせていくことができます。
ランニングやピッチエンドランを『ファスト系アプローチ』だとすると、ロブショットは『スロー系アプローチ』といえるでしょうか?
スローボールのほうがイメージが出て、距離感も合いやすいです。
試打後の感想

ストレートネックウェッジが好きで、このフェース面のデザインが気にならないという方にとって、かなり心強い相棒となってくれるのではないでしょうか?
フェース面を目一杯広く使っていきたい方にマッチしやすいウェッジです。
フェース面をストレートだけでなく、斜めに使っていきたい方に本領を発揮するウェッジといっていいのではないでしょうか?

ソールがよく滑ってくれて、スピーディでした。
それはワイドソールということもありますし、ソールにある溝のようなものも関係しているのかもしれません。
最初見たときは、バンカーの為のワイドソールを連想したのですが、ワイドソールは『滑りの良さ』『ダフらせることによる拾いやすさ』にも大きく関係しているように感じました。

マニュアルタイプっぽいデザインですが、実際はかなりオートマチックな性能をもったウェッジです。
極端な工夫のようにも見えましたが、それが『使用感の良さ』につながっているのかもしれません。

個性的なところがあって、ちょっと取っつきにくそうなところもあったのですが、実際はとても扱いやすくてハードルの低いウェッジです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年07月22日
テーラーメイド GAPR HI

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド GAPR HI の5番 です。

シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは25度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはS です。

ちょっと変わったデザインのテーラーメイドのクラブです。
緑のラインが印象的なのですが、テーラーメイドのイメージカラーではないようです。

大きさは標準的で、オーソドックスな形状のユーティリティです。
テーラーメイドのクラブなので、おそらく『レスキュー』というカテゴリーに入るのだと思います。
ソール形状は丸みを帯びているというよりは、平らに近い感じで、今時のユーティリティだな・・・。と思いました。

ソールには独特な工夫が見られます。
フェース寄りに何か見えますが、これは過去のモデルにも見られた工夫です。
どのような効果が期待できるのでしょうか?
バックフェース寄りにはウェイトが配置されていました。
数字がないので、重さは判りません。
交換するタイプではないのかもしれません。

ネックには調整システムが搭載されています。

ノーマルバックといっていいように思います。
ドライバーやフェアウェイウッドではヘッドを大きくできるので、もっとシャローバックにできると思うのですが、大きさの制限がきついユーティリティでは、それほど大きくはできないようで、重心深度もそれほど深くはできないのかもしれません。

顔はまずまずですが、あまり好感は持てませんでした。
ずばり質感が良くないからです。
とてもチープで安っぽく見えてしまいました。
私は『つや消し』タイプが好きで、このクラブもそうなっているのですが、この質感は好きになれません。



クラウンが大きく凹んでいるのが特徴的です。
今まで無かったわけではないですが、最近では珍しいです。
カーボンコンポジットの代わりに、このように凹ませて、低重心化しているのでしょうか?

フェース面のデザインはシンプルです。
このフェース面もチープに見えてしまいました。
あまりいいイメージが浮かんできません。

ボールを前にして構えてみた感じはまずまずです。
特に構えづらいこともなく、普通でした。
クラウンの凹みも、それほど気になりません。
ヘッドも大きくなく、ボールとのバランスもとれています。

素振りをしてみると、スチールシャフトが挿してあるということもありますし、大顔タイプではないので、アイアンに近いイメージで振っていくことができました。
大きくブンブン振り回すというよりは、小気味良くタイミング重視で振っていく感じです。
最近はUTも軽量カーボンが挿されていることも多いですが、このようにスチールシャフトが挿してある物を振ってみると、アリだな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じでしたが、今のユーティリティの中では普通といっていいかもしれません。
ボヤけた感じはなく、しっかりしているのですが、かといって硬くて手に響くこともなかったので、好感が持てました。

『音』も、ややはっきりした小気味良い音でしたが、大きすぎず、いい感じです。

『球のあがりやすさ』という点では、普通です。
ただ、どちらかといえばヒッター向けなのかな?と思いました。

『安定性』という点では、特別高いとは思いませんでしたが、ラインも出しやすいですし、気難しさはありませんでした。
ただ、高い直進性があるというタイプではないので、『曲がりにくさ』を求めておられる方には、合いづらいところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は標準的です。
特別によく飛ぶという印象はありませんでしたが、だいたい想像していた通りに飛んでくれたので、『イメージ通り』でした。
高~くキャリーを稼いで飛ばすというよりは、どちらかというと、ややライナー系に近い強い球が打てるクラブです。
飛ばすというよりは、『狙う』ことに集中できるクラブといっていいかもしれません。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
左右への曲げるのが易しかったですし、ボールを拾いやすかったので、安心感がありました。
ボール手前からソールを滑らせる感じで、易しく運ぶことができました。
試打後の感想

最初見たときは変わったデザインだな・・・。と思ったのですが、全体的に見て、バランスがとれているように感じました。
ヘッドの質感が好きになれなかったですし、購買意欲を刺激されることはなかったのですが、面白いクラブで、一度見たら記憶に残りやすいクラブです。

これからもテーラーメイドには、私たちゴルファーをワクワクさせてくれるクラブを作り続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年06月17日
テーラーメイド ミルドグラインド 2 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド ミルドグラインド 2 ウェッジ


シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.9、キックポイントは中調子、クラブ総重量は454gです。

テーラーメイドの新しいウェッジです。
昨年、MILLED GRINDというウェッジを試打したのですが、このウェッジは『2』ということで、後継モデルであるということが分かります。
これまでと違い、デザインがちょっと凝っています。

この黒いパーツは何でしょうか?
どのような意味があるのか分かりませんが、ひょっとしたら打感に関係しているのかな?と思いました。
しかし、実際のところは分かりません。

大きさもちょうど良く、シャープなウェッジです。
最近は丸っこくてボテッとしたウェッジも見られるようになりましたが、このウェッジはオーソドックスなタイプです。
イメージを鮮明に出しやすくするには、やはり贅肉の無い、このようなタイプのほうが有利な気がします。
そういった点でも、このウェッジは好感が持てました。

シンプルなフラットフェースタイプのウェッジです。
トゥ側が、少し厚みが薄くなっているので、これも重量バランスを考えてのことでしょうか?
アイアンと同じように、ウェッジも重心距離が長くなりすぎてしまうと、操作性が落ちてしまいますが、このようにトゥ側が少し薄くしてあるということは、適正な重心距離が保たれているのかな?と思いました。

トップラインの厚さは標準的です。
特別厚くも狭くもなく、見慣れた厚みです。
輪郭も丸みを帯びていて、それほど尖った感じはしません。

ソール幅は標準的ですが、最近はワイドなタイプが増えてきているので、そういった意味では少し狭いといえるかもしれません。
特にバンカーが苦手な方には、もう少しワイドで丸みを強調したソールが受け入れられやすいかもしれません。
ソール形状を見ているだけでも、色々なことがイメージできますが、少なくともこのソールを見て、バンカーの砂を強烈に弾くイメージは出てきませんでした。
バンカーショットは確かに『エクスプロージョンショット』というくらい、砂を弾いて爆発させていきますが、私はそれに加えて、砂を薄くカットしていきたいので、このソール形状や雰囲気は好感が持てます。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているのではなく、ストレートに近いです。
最近は、このようなタイプが多くなったように思います。

ソール形状には独特な工夫が見られます。
これにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
おそらく大きな意味は無いと思うのですが、テーラーメイドのクラブなので、何らかの意味があるような気もします。
この工夫があるおかげで、『ソールの質感』がとても良いです。
ウェッジ(特にサンドウェッジ)において、ソールは『最大の摩耗箇所』といっていいので、新品のときには良くても、すぐにこの模様のようなものは見られなくなると思います。
摩耗する度に『金太郎飴』のように、新たな模様が浮かんできたら面白いだろうな・・・。と思いました。

ソール形状は平らというよりは全体的に微妙に丸みを帯びていますが、極端ではありません。
今はソール形状にも色々な工夫が見られるようになりましたが、このウェッジはすごくシンプルで変わったところは見られません。
リーディングエッジやトレーリングエッジにも削りは見られますが、それほど大きくはありません。
バンスは結構利いているといいますか、かなり『膨らんでいる』ように見えました。
このバンスの効きが、このウェッジの大きな特徴なのかもしれません。

ネックの長さは適度にあって好感が持てます。
私はウェッジを見るときに、色々なところを確認するのですが、ネックの長さも重要です。
これくらい長さがあると、スピンを掛けやすそうです。
グースタイプではないのが、こうして見ても分かりますし、オーソドックスな美しさがあります。
以前試打したMILLED GRINDやMILLED GRIND HI-TOEはスルーボアタイプでしたが、このウェッジは違うようです。

フェース面には特殊なミーリングのようなものがありました。
かなり細かいのですが、はっきりと分かります。
個性的で特殊な模様をしています。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラ感がありました。
『つるつる』した触感のフェース面ではありませんでした。
『エッジ』も結構利いています。

ボールを前にして構えてみると、最高レベルでした。
かなり良くて、思わず目尻が下がってしまいました。
ストレートタイプですが、『出っ歯』過ぎず、ちょうどいいです。
このウェッジのロフトは56度ということですが、フェース面がかなり上を向いているように見え、ロブ系やカットのイメージも出しやすいです。
『1時から7時』あるいは『2時から8時』の方向へ抜いていける感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ヒール側が絞り込まれてシュッとしているのもいいです。
ストレートネックでもヒール側が広くてボテッとしていると、少し好感度が下がるのですが、このウェッジは素晴らしいです。
フェース面にある、ミーリングのような物も目立たず邪魔になりません。
『安心感を与えてくれる構え感』といったらいいでしょうか?
大きさもちょうどいいので、ボールとのバランスもとれていて、男前なのでイメージが出しやすいです。
ウェッジに限ったことではないですが、構えづらいクラブというのは、クラブとボールがつながっていなくて、バラバラになっているように見えるのですが、このクラブのようにすごく構えやすいと、まるで『糸でつながっている』かのように思えてきます。
ボールだけでもダメですし、クラブだけでもダメです。
ボールとクラブの一体感が大切ですが、それがきちんとできています。
こういったときはミスショットのイメージが浮かばないですし、実際に打ってもかなり成功率が高まります。
ひとつ注意するとすれば、私には少し重さが足りないので、そこだけを注意し、小さめのスイングで、まずは30Yのアプローチから始めてみることにしました。

フェースを開いて構えてみたのですが、なかなかいい感じです。
ソールを見たときに、結構バンスが利いているように見えたのですが、それが『開きやすさ』を邪魔していません。
昔のウェッジはハイバンスだと開きづらいという欠点があったのですが、最近のウェッジではそれが解消されているものが多いです。
私はウェッジを開いて使うことが多いので、開きやすさは重要な項目のひとつなのですが、このウェッジはそれがいい感じです。
ただ、もし私がこのウェッジを使うとするならば、もう少しヒール側を落とし(削り)ます。
そうするともっと『据わり』が良くなって、構えやすさが高まります。
私は『ノーマルバンス(10度以下)』が好きですが、最近はハイバンスタイプの人気が高まっています。
バンスを上手く活かしてソールを滑らせるように使いたい・・・。という方もいらっしゃると思いますし、やはりバンカーにはバンスがあったほうがエクスプロージョンをしやすくなるので、ハイバンスが求められているのかもしれません。
ローバンスでもフェースを開けば自然とバンスが利いてくるのですが、今はそれほど開かなくてもいいようにメーカーも工夫しているのかもしれません。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、とても良いです。
ソフトなのですが、しっかりと『芯』があって、ボヤけていないのがいいです。
ダイレクトに伝わってくるので、クラブとの『意思の疎通』がしやすいです。
『サラサラした感じの摩擦感』といったらいいでしょうか?
ガツガツくる感じではなく、サラサラしています。
小学生のときに理科の実験で磁石に砂鉄をくっつけるというのがあったのですが、その砂鉄を指で触った感触を試打しながら思い出していました。
『鉄の柔らかさ』といったらいいでしょうか?
鉄も塊となると硬いですが、『微粉』にすると、素材のもつ硬さがなくなります。
サラサラしたパウダーを指で触っているような感触を思い出しました。
普通に触ると柔らかくて何の硬さのない水でも、時速100㎞で走るモーターボートから落ちると、水面がコンクリートのような堅さになると聞いたことがあるのですが、そういった場面場面による素材の硬さの違いを思い出していました。
インパクトでボールを弾くのではなく、グッと乗ってくれるのがいいです。
乗っかり感があって、フォローにかけて運ぶ感覚が楽しめます。

球を拾いやすくてイージーです。
出球の高さのイメージも合いやすいです。
ストレート系の長所のひとつといっていいと思うのですが、出球が高く、フワッと運んでいけるのがいいです。
対して、やや低めの高さで、強めに出てギュッと止めるには、ある程度グースが利いていたほうが有利なのかもしれません。

『スピン性能』はとても高くて、かなり優秀です。
適度な摩擦感があるからなのか、ボールにギュッとスピンが掛かって、よく止まってくれました。
重心の高さによるところもあると思いますし、フェース面の工夫も、このスピン性能に活きているのかもしれません。
かなりスピンが効いてくれるので、コースでもアグレッシブに寄せていけそうです。
ガツーンというよりも、私の場合は『フワッ』くらいのほうが、イメージが合いました。

とても構えやすくてラインも出しやすいのですが、それほど『お助け機能』のようなものは感じないので、『安定性』という点では普通といっていいように思います。
オートマチック性でなく、マニュアル性で勝負していけるウェッジです。
フェースの開閉を使って、一球一球『感情のこもった活きた球』が打てるウェッジといったらいいでしょうか?
高すぎない安定性が逆に魅力なのかもしれません。

『距離感』という点では、最初ちょっとイメージよりも少しキャリーが出てしまいました。
装着されていたシャフトが軽すぎたのかもしれません。
しかし、これまでもたくさん試打してきたシャフトなので、何球か打って合わせることができました。
出球のイメージで運ぶことができるので、その上昇曲線をイメージして着地点を決められるのがいいです。
あとはウェッジの『止め性能』に委ねる感じで、とにかく『出球』と『落としどころ』に意識をもっていけるので、自分の仕事に集中することができ、ウェッジとの『分業制』でショットの成功率を高めていけます。
アプローチでは『手の感覚』が重要だと言われることもありますが、今日は『左脳』と『右脳』を目一杯使ったような気がします。
それに上手く反応してくれる、このウェッジが愛おしくてたまりません。

『操作性』は最高レベルです。
開きやすいので、色々な球で遊ぶことができました。
56度のウェッジですが、球がかなりあがりやすくてロブ系のショットも簡単です。
イメージの出しやすさが、この扱いやすさにもつながっているように感じます。
先ほども書きましたが、『乗っかり感』がいいので、乗せて運ぶことができ、微妙な距離感や『浮き・沈み』を使っていけるところがいいです。
試打後の感想

かなりいいウェッジだな・・・。と思いました。
アプローチの練習が何より好きな私はすごくハマってしまいました。
海外メーカーのトップ3といえば、タイトリスト・テーラーメイド・キャロウェイだと思いますが、その中で、ウェッジではタイトリストとキャロウェイの後塵を拝しているような気がしていました。
もちろん、テーラーメイドのウェッジも健闘していましたし、決して劣ってはいないのですが、それだけタイトリストとキャロウェイの充実ぶりが凄いといえるのかもしれません。
しかし、このウェッジの登場で、改めてテーラーメイドウェッジの魅力を強く感じました。
私の周りにいるテーラーメイドファンの人は、ドライバーやFW・UTはテーラーメイドを使っているけど、ウェッジはボーケイやフォーティーン・キャロウェイ・ブリヂストン・地クラブメーカーを使っている人が多いのですが、このウェッジを試すと、ウェッジもテーラーメイドにする可能性が高まるような気がします。

テーラーメイドはドライバーやフェアウェイウッドなど、ウッド系が得意なクラブだと私は思っています。
もちろん、アイアンやウェッジなどもいいものがあったのですが、その割合は高くありません。
逆に好感が持てなかったアイアンやウェッジはたくさんあります。
テーラーメイドのニューアイアンが出ても、ちょっと見ただけで試打せずにスルーしていたことも昔はありました。

正直、テーラーメイドのクラブは『良し悪し』が、他のメーカーに比べて、はっきりしていると思います。
もちろん、それはどのメーカーのクラブにもいえることだと思うのですが、特にテーラーメイドはそれを強く感じていました。
しかし、今日はいい印象をもてました。

先日も書きましたが、テーラーメイドのクラブは『MADE IN CHINA』が多いですし、今は大変な状況なので、ニューモデルの発売はどうなるんだろう?と心配になってきます。
もちろん、テーラーメイド以外にも、多くのメーカーが中国製だと思いますが、これからニューモデルがどうなるのかが気になります。
中国製は安いのが魅力でしたが、今は中国製も国産と同じくらいの値段になっているので、中国製のメリットは少なくなったように思います。
中国以外の国で生産されるかもしれないですし、日本製のテーラーメイドだと、ときめきます。

これからもテーラーメイドには、私たちゴルファーをワクワクさせるようなクラブを開発し続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2020年05月20日
テーラーメイド SIM MAX レスキュー

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM MAX レスキュー


シャフトは TENSEI TM60 です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は62g、トルクは2.9、バランスはD1、キックポイントは中調子 です。

テーラーメイドSIMシリーズのレスキュー(ユーティリティ)です。
以前、FWを試打していて、すごく気に入っているので、ユーティリティ(ハイブリッド)も試打してみたいと思っていました。
機能性を感じさせるデザインですが、割とスッキリしているところに好感が持てます。

トゥ側にある、この細かい突起物のようなものが目立ちますが、おそらく大きな理由はないのだと思います。
テーラーメイドだけ、ユーティリティ(ハイブリッド)をレスキューという名称を使っていて、もう一般化しました。
まさにいろいろなところで活躍してくれる救命士のような役割を果たしてくれる存在でもあります。

SIM MAXという名前が付いていますが、ラージサイズではなく、ノーマルサイズです。
MAXというのは大きさのことを表しているのではないのかもしれません。
FWのように『SIM』だけのモデルもラインアップされているのでしょうか?

ネックの長さは標準的です。
こうして見ると、結構重心が高そうにも見えるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
これだけの長さがあると、やはり上から捉えるイメージが湧いてきます。

ソールのフェース寄りには『SPEED POCKET』がありました。
溝のようにはなっていませんが、これがRBZの溝の役目を果たしているのでしょうか?
強度の問題などもあるのかもしれません。
RBZのような深い溝にしてしまうと、フェースが割れてしまうのかな?と思いました。

フェース面のデザインもシンプルで良いです。
SIMシリーズはフェース面の質感も良くなりました。

トゥ側にはお馴染みの『TWIST FACE』の文字があります。

ノーマルシャローといっていいでしょうか?
シャロー感がありながらも、薄すぎないのがいいです。
シャロー(特にシャローフェース)過ぎると、フェース面の使える範囲が小さくなるので、少しプレッシャーを感じてしまいますが、このクラブだとそれがありません。

クセのない、いい顔をしています。
このツートンカラーも見慣れました。
もうホワイトに戻すことはないのでしょうか?
ユーティリティらしい、『卵型』です。
これがユーティリティにおける、『テーラー顔』といっていいように思います。
今はまだ新品なのでいいですが、おそらく使い続けていると、塗装が剥げたり黄色く変色したりして、チープになっていくんだろうな・・・。と思いながら見ていました。
ゴルフクラブは長く使い続けていくものですが、テーラーメイドのクラブはどのメーカーのクラブよりも『鮮度』が求められているような気がするのは私だけでしょうか?

クラウンの大部分を占める、このカーボンコンポジットもお馴染みです。
今は多くのメーカーが採用するようになりました。
重心を低くするには、やはいカーボンなどの軽い素材を用いるのが最善なのだと思います。
最も手っ取り早くて効率的なのは、クラウンをごっそりくり抜いていくことですが、こうすると売れにくくなるのかもしれません。
やはり見た目というのは大事です。
クリーブランドやプロギアのクラブはとても性能が高かったのですが、それほど人気は出なかったと聞きました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
最近よく見かけるグリップです。
ドライバーにもFWにもUTにもマッチしています。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
重いという印象はありませんが、最近のクラブの中では結構重量があるほうかもしれません。
何度か素振りを繰り返して、タイミングをつかむことができました。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
とても構えやすいです。
見慣れたツートンカラーということもありますし、違和感はありません。
『顎(アゴ)』が少し被っているように見えましたが、クラウンの白い色がそれを目立たせなくしてくれているので、左へ巻いてしまうイメージも湧いてきませんでした。
何の細工もせずに、普通に打っていけそうです。
私はこのユーティリティも含め、ウッド系のクラブは出だしが低くライナー系のイメージを出していきたいのですが、このクラブは4番だからなのか、フェース面がよく見えて、高く打ち出すイメージが出ました。
絶壁に見えるフェース面で上から潰し気味に打って、低く打ち出して、そこからめくれるように飛んでいく・・・。という昔からのイメージが未だに抜けきれませんが、今ではそういうクラブは少なくなっていて、方向性も浮揚力も『一定』に飛んでいくように性質が変わってきたような気がします。
ある意味『無機質』になったというべきでしょうか?
試打を開始しました

『打感』はしっかりと手に伝わってくるのですが、硬すぎず手に嫌な衝撃も残りません。
ソフトフィーリングというほどではありませんが、好感が持てます。

『音』もテーラーメイドらしい、やや高めの金属音でありながら、高すぎないのがいいです。
『テーラー音』といっていいでしょうか?
耳慣れた感じがします。

球はとてもよくあがってくれました。
4番ということもあると思うのですが、打ち出しから高く、まるで『機械的に』といえるほど一定に飛んでいきました。
構えたときにイメージした高さよりも高めに浮いていき、タフさは全く感じませんでした。
とてもカッコいいクラブですし、おそらく契約プロも使っているモデルなのだと思いますが、昔のプロモデルのようなハードルの高さは、今はありません。
プロモデルでも一般アマチュアが使えるものも多いですし、逆に市販モデルでもプロが使えるモデルも多くなりました。
ただ、やはりシャフトは色々と好みがあるので、変えるとは思うのですが・・・。

『安定性』も高く、最初からほぼストレートな球筋で飛んでいきました。
構えたときに『中立感』が強かったからなのか、その感じたままの球筋で飛んでいきました。
大きすぎないのがいいのだと思います。
球は自然につかまっていきました。
ラインも出しやすく、途中からブレることもないので、安心して攻めていけそうです。
余計なサイドスピンが掛からないような設計になっているのかもしれません。
こういったことは、今のクラブではよく感じられる特徴でもあります。

『飛距離性能』も優れていました。
以前FWを試打していたので、このクラブにも期待していたのですが、期待通りの高いパフォーマンスを発揮してくれました。
『安定感のある飛び』といったらいいでしょうか?
飛ぶときにはすごく飛ぶけど、ミスヒットしたら極端に落ちる・・・。といった昔のクラブにありがちなことがありません。
安定して高いレベルで飛ばしていってくれます。
そういった意味では『オートマ性の飛距離』といえるのかもしれません。
フェースの弾きも良く、高い打ち出しでビッグキャリーを稼いでいけます。
直打ちするときに、どうしてもFWは苦手だ・・・。かといってアイアンでは浮ききらないし・・・。という方には、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、最初からストレート系が出て、ほぼ中立的に感じたのですが、どちらかといえば私はフッカーだからなのか、ドロー系のほうが出やすいように感じました。
しかし、右に逃がして打つこともできました。
もともと球のつかまりもいいので、右に曲げても大きく逃げては行かないですし、プッシュ気味の球も出にくいです。
曲線というよりは『ほぼ直線』に近い感じで攻めていけるクラブです。
試打後の感想

かなりまとまった性能をもったユーティリティです。
どこかに偏った感じがしません。
構え感や打感・飛距離なども含めて、総じてバランスがとれています。
カッコいいクラブですが、気難しさのようなものはありません。
ただ、どちらかというとアスリート向けといった感じがします。
『易しいアスリート仕様』といったらいいでしょうか?

テーラーメイドはアメリカの企業ですが、クラブなどの生産は全て中国だという認識をもっています。
アメリカのトランプ大統領が、今回のコロナ騒動でサプライチェーンの見直しを進めていて、中国に進出している全てのアメリカ企業を本国のアメリカに戻すような政策を打ち出していますが、そうするとテーラーメイドは『MADE IN U.S.A』となるのでしょうか?
昔はメーカー問わず、ほぼ全てのパターが『MADE IN U.S.A』が多かったのですが、いつの間にか『MADE IN CHINA』になりました。
品質や性能がしっかりしていれば、生産国はあまり気にならないという方もいらっしゃると思いますが、中国製は低価格がメリットだったのに、今では変わらなくなってきています。
そうすると、無理に海外で生産する理由も無くなってくるのかもしれないですし、本国に雇用が生まれて経済が活性化するのはいいことなのかな?と思います。

今のゴルフクラブの殆どがメイドインチャイナだと思いますが、日本のメーカーもメイドインジャパンに戻ってきてくれたら嬉しいです。
メイド・イン・ジャパンやメイド・イン・USAを望んでおられる方も多いのではないでしょうか?
『MADE IN JAPAN』や『MADE IN U.S.A』という表示がされていたら、やはりテンションがあがりますが、今はこれだけ世界が混乱している状況なので、新しいゴルフクラブが生産されるのかな?という不安もあります。
元々日本製のメーカーなら、何も問題ないと思うのですが・・・。
他の製品同様、ゴルフクラブも『脱グローバル化』に進むのでしょうか?

あらゆる性能が優れていてバランスがとれていますが、一番印象に残ったのが、『弾道の高さ』です。
直打ちでも、これだけあがってくれれば、グリーンを狙っていけそうです。
上から落とすイメージも出しやすいです。
ロフトが22度ということなので、私の感覚では『3番アイアン』くらいになるのですが、『浮きやすさ』や『弾道の最高点』を見ると、6番から7番アイアンに近いような印象をもちました。

是非とも、コースで使ってみたいクラブです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年04月30日
テーラーメイド SIM フェアウェイウッド

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM フェアウェイウッド


シャフトは TENSEI TM50 です。
ロフトは15度、クラブ長さは43.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は52g、トルクは4.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は315g です。

とてもカッコいい、テーラーメイドのフェアウェイウッドです。
先日、SIM MAXというフェアウェイウッドを試打したのですが、今日はSIMです。
テーラーメイドらしく、メカニカルで機能性を感じさせるデザインになっています。
このヘッドにも色々な工夫が見られます。

シャロー感があって、円盤のように薄いタイプのFWです。
このクラブはスプーンでありながら、かなりシャロー感があって、しかも小ぶりです。
こうして見る限り、先日試打したSIM MAXと大きな違いはないような気もするのですが、おそらく微妙に変えられているのだと思います。

ネックの長さは標準的です。
最近はこれくらいの長さが主流といっていいように思います。
いずれ、またショートタイプが流行るような気もしますが、私はこれくらい長さのあるほうが好きです。

ネックには調整システムが搭載されています。
SIM MAXには見られませんでした。
こういったところがテーラーメイドの面白いところです。
同時期に発売されたクラブでも、モデルによって調整システムの有無の違いがあり、一貫していません。
これも、おそらく大きな意味があるのだと思います。
SIM MAXには調整システムを搭載する必要がない(というか取り付ける余裕がなかった)が、SIMには余剰重量があって、搭載することができなのかな・・・。と思いましたが、本当のところは分かりません。
私は調整システムを重要視していませんが、このシステムが無いと困る・・・。という方もいらっしゃると思うので、SIM MAXよりも好感を持たれる方も多いのではないでしょうか?

試打するのは、このSTD LOFTのポジションです。
テーラーメイドはずっと調整システムを採用し続けていますが、この機能自体は大きな変化は見られません。
もうこれ以上、手の加えようがないのかもしれません。

ヒール側に『TITANIUM』の文字があったので、このFWがチタンなのだということを知りました。
これまでもフェアウェイウッドにチタンが使われてきたことがたくさんありますが、なかなか定着しません。
ドライバーのようにヘッドを大きくする必要がないからなのかもしれません。
しかし、チタンはメタルよりも強度があって比重が軽いので、設計自由度が高くなるというメリットもあります。
私はFWにはチタンでなければならないと思ってはいませんが、チタンも適しているのは間違いないですし、いい印象もあります。
チタンのフェアウェイウッドといって真っ先に思い出すのが、ミステリー C-HT511 フェアウェイウッドです。
このFWは顔が良くて、とにかくよく飛びました。
打感も良くて球もあがりやすくて、易しさと飛び、そしてフィーリング性能が優れたFWです。
初めて試打してから数年が経っていますが、今でも私の心の中に生き続け、購買意欲を刺激し続けるクラブです。
それからもたくさんFWを試打してきましたが、このクラブを超える購買意欲を刺激してくるFWはありません。
今でもFWを買うのであれば、このクラブを第一候補にしたいほどです。
テーラーメイドがFWにチタンを採用しているということで、他のメーカーも追随してくるかもしれません。

ソールにはウェイトがひとつ配置されています。
数字が刻印されていないので、重さは判りません。
この位置にあるということは、重心が浅くなっているのかもしれません。
『SPEED POCKET』という溝の代わりのようなものも見られます。
トゥ側に『V STEEL』の文字があり、懐かしいです。
私は数年使っていたことがあり、とても気に入っていました。
テーラーメイドのクラブにはたくさん接してきましたが、忘れられないクラブのひとつです。
テーラーメイドは『歴史を作ったクラブ』『歴史を変えたクラブ』『ブームを作ったクラブ』など、名器と呼ばれるクラブがたくさんありますが、V STEELは間違いなく名器と呼べるクラブです。
先日試打したSIM MAXにもV STEELの文字が見られたので、このSIMシリーズのフェアウェイウッドはV STEELの流れをくみ、後継モデルという位置づけなのでしょうか?

フェース面はシンプルですっきりしています。
一時期に比べ、フェース面のチープさが解消されてきました。
先日試打したヨネックスのFWはスコアラインが斜めだったのがとても印象的なのですが、このクラブの場合は水平です。
ミーリングも見られません。
どれがベストなのか私には分かりませんが、色々なタイプが出てきてくれると嬉しいです。

トゥ側には『TWIST FACE』の文字があり、これまでの技術が採用されているようです。

シャロータイプのヘッドです。
これはSIM MAXと変わらないように思います。
FWでの、このシャロー形状が今はスタンダードになりました。
一昔前までは、スプーンでこのような形状は考えられなかったのですが・・・。
それは昔、スプーンがドライバーの『縮小版』といいますか、ドライバーを基準にして設計されていたところがあると思うのですが、今はクリークやUT側に寄せて作られているからではないかと思います。
バフィやクリークはシャローでもスプーンだけはドライバーのようにディープな印象が未だに抜けないのですが、クラブは様変わりしました。
しかし、それは今のクラブがそれだけ易しくなって親しみやすくなっているということでもあります。

クセのないまとまった、いい顔をしています。
SIM MAXも好感が持てましたが、このSIMもいい感じです。
コンパクトで、やや逃がしやすそうな感じがします。
SIM MAXは少しつかまえ系に見えたのを覚えているのですが、このクラブは違いました。
しっかりと見比べて見ないと詳しいことは分かりませんが、顔の印象は違いました。
どちらもいい顔ですが、私はこちらのほうが好きです。
つかまえ系の顔を好まれる方には、SIM MAXのほうが好感を持たれるかもしれません。
いずれにせよ、どちらも殆どクセのない顔をしています。
最近のテーラーメイドのクラブは顔がいいものが増えてきたような気がします。

クラウンはカーボンコンポジットになっています。
これはお馴染みです。
ちょっと前まで、テーラーメイドのウッド系のクラブは『白』が主流でしたが、今はこのカーボンコンポジットが主流になりました。
これは流行のようなもので、また色々なタイプが登場するのではないでしょうか?
テーラーメイドは常に止まらず、進み続けている印象があります。

装着されているグリップは、これまで同様ソフトなフィーリングで好感が持てます。
好感が持てるグリップです。

素振りをしてみた感じは、まずまずです。
それほどしっかりしているとは思いませんが、タイミングも取りやすく、すぐに合わせることができました。
このシャフトが純正なのでしょうか?

とても構えやすくて、いい感じです。
クセがなく、イメージも出しやすいです。
このニュートラル感がたまりません。
クラブ(顔)の影響を受けず、自分のスイングで方向性を決められるのがいいです。
一時期に比べ、最近はクセの強いクラブは少なくなったように思いますが、それでも『つかまえ顔』が多いので、このクラブの顔には好感が持てました。
つかまえ系の顔を好まれる方でも、強すぎるフックフェースは苦手だという方もたくさんいらっしゃると思いますし、このクラブはそれほど逃がす感じが強くないので、好感を持たれやすいのではないでしょうか?
試打を開始しました

『打感』はいい感じです。
ソフトでありながら、ボヤけた感じはしません。
はっきりと球の質感を感じ取ることができました。
ガツーンと手に強く響くこともなく、『球当たり』が優しいです。

『音』も好感が持てました。
はっきりした音ですが、大きすぎず高すぎず、インパクトを邪魔しません。
小気味いい感じの音で、打っていて心地よいです。

『球のあがりやすさ』という点でも、いい感じですが、どちらかといえばヒッター向けという印象をもちました。
スプーンだからそう感じたのか、これがもしクリークだったらまた違う印象をもったのかもしれませんが、このスプーンはタフというほどではありませんが、ある程度HSがあったほうがいいようです。
ソールのフェース寄りにウェイトがあるので、かなり浅重心になっていて球が浮きづらいのかな?と打つ前は思いましたが、実際に打ってみてそうではないと思いました。
直打ちでも球はしっかりとあがってくれましたが、高~くあがっていく感じはしませんでした。。
どちらかというとライナー系で飛んでいくタイプで、高弾道で飛ばしていくタイプではありません。
スピン量も抑えられている感じで、『スピン過多』で距離をロスしておられる方には、是非試していただきたいFWです。

構えやすいのでラインも出しやすくて、まとめやすいのが印象的です。
つかまえ系の顔には見えなかったのですが、適度に小ぶりなせいなのか、普通に打ってもしっかりと球をつかまえてくれました。
私はこれくらいがちょうどいいです。
『寛容さ』という点では、普通といいますか、特別変わった感じはしませんが、気難しさもなく親しみやすいところがあります。
こういったところはシャロー系の長所といえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』は、かなり優れています。
今流通しているFWの中でも、間違いなく『トップレベル』といえる高性能なFWです。
一球打って、うわぁ、凄いなぁ・・・。と声が出てしまいました。
テーラーメイドはFWでも実績があるので、この高性能も納得できるのですが、それでも凄いです。
これまでテーラーメイドのFWはたくさん試打してきましたが、このクラブがベストといっていいように思います。
テーラーメイドはRBZが大人気でしたが、間違いなく、こちらのほうがレベルアップしています。
弾道が力強く、伸びが力強いです。
スプーンでこれだけ飛ぶのだから、ドライバーの出番は少なくなるといいますか、必要性を感じない・・・。という方も増えてくるのではないでしょうか?
そう感じられるほど、このクラブはよく飛びます。
弾道だけ見ると、FWとは思えないところがありました。
打ち出しの高さ(高すぎず抑えられている)と、球の伸びが私の心を熱くさせました。

『操作性』という点では、左右にも曲げられましたが、どちらかというとオートマ性のほうが強く感じられました。
私は普通に打つとドロー系の球が出たのですが、かなり曲がりが抑えられたストレートボールに近い球を連発することができました。
完全に、このクラブの性能です。
フェード系のボールもいい感じですが、しっかりとつかまってくれるので、弱々しい弾道ではありません。
試打後の感想

見た目もカッコいいですが、打ってみてすごく気に入りました。
一球打っただけで、心が躍らされました。
一番の魅力は高い飛距離性能ですが、球もいい感じであがってくれて、寛容さもあるので、気楽に飛ばしていけるのも魅力的です。

先日試打したSIM MAXもいいクラブだと思いましたが、私は断然こちらのほうがいいです。
このスプーンは『ドライバー要らず』という別名を与えてもいいくらいの高性能なスプーンです。
直打ちはもちろん、ティショットでも威力を発揮してくれそうです。
できればもう少しフェース高があるのがいいような気もしたのですが、このフェース高でも特に問題はありません。

振りにいくと、つかまり感が増し、ストレートがドローになる感じです。
普通に打つと、限りなくストレートな球筋です。
私の持ち球が関係していると思うのですが、右に曲がる球は一球も出ませんでした。

装着されているTENSEI TM50というシャフトがおそらく純正だと思いますが、このシャフトとのマッチングも素晴らしいと思いました。
できれば、もうちょっと重量感があってしっかりしていると、もっと振っていけるような気がしたのですが、今は『チョイ軽』のクラブが流行っているようですし、今のニーズにマッチしているのではないでしょうか?
このシャフトのままでもすごくいいですが、色々なシャフトでも試してみたいと思わせてくれるハイレベルなFWです。
『飛ばし損じ』が無いといいますか、普通に打てば自動的に飛ばしてくれるスプーンだな・・・。と思いました。

テーラーメイドのSIMシリーズをこれまで何本か試打してきて、このSIMフェアウェイウッドが一番気に入り、購買意欲を強く刺激されてしまいました。
これまでも書いてきましたが、私はFWはドライバーと違い、無理にチタンでなくてもメタルで充分だと思っています。
しかし、このような高性能なチタンFWに出会うと、これからはチタンが主流になるのかな?と思いました。
もちろん、このクラブがここまでよく飛ぶのはチタンだけが理由ではなく、様々な要素が絡み合っているのは間違いないですが、そのバランスの良さが魅力的です。
構え感や打感・音も好感が持てて、フィーリング性能も高いクラブです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2020年03月19日
テーラーメイド SIM MAX OS アイアン


今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM MAX OS アイアン の7番 です。

シャフトは TENSEI BLUE TM60 です。
ロフトは26度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は59g、トルクは2.9、キックポイントは中調子 です。
今、猛威を振るっている新型コロナウィルスですが、日本のアビガンという薬が有効だというニュースを見ました。
以前からインフルエンザに有効だということが知られていたようですが、中国の臨床試験でいい結果が得られたようですね。
しかし日本での臨床試験が必要ですし、それも着々と進んでいるようですね。
副作用も報告されていて、生殖機能に影響を及ぼすかもしれないということなので、若い世代には使えないのかもしれませんが、中国の臨床試験では特に副作用は無かったという報告があがっているそうです。
しかし、それでも日本でしっかりと検査して欲しいですね。
中国での「アビガン有効」を喜べない富士フイルム
しっかりとした臨床試験の結果、有効だと分かればすぐにでも日本中はもとより、全世界に届けて欲しいです。
製造元の富士フイルム富山化学工業とライセンス契約している中国の製薬大手・浙江海正薬業が増産に動いているようですが、日本には200万人分の備蓄が既にあるそうです。
今日現在(2020.3.19)、全世界での感染者数が20万人を突破したということなので、充分対応できる備蓄数ですね。
日本はやっぱり凄いなと思いました。
世界貢献できる日本が本当に素晴らしいです。
今回感染された方も、自宅療養で自然治癒される方も多いようですし、重症者の方はアビガンで治療して、一刻も早く収束して欲しいですね。
マスクが足りない状況が続いていますが、充分な量が流通する頃には、この騒ぎが収まっているかもしれません。
マスクの備蓄が大切だという教訓が残りましたし、常に新しい病気を想定した、色々な種類の薬を開発し備蓄しておくことが重要なのだと思いました。
私は健康なので、この薬は今のところ必要ないですが、世界中には苦しんでおられる方がたくさんいらっしゃいます。
そういった方々の苦しみが一刻でも早く和らぎますように。
これ以上、尊い命が失われないことを願います。

さて、このアイアンですが、テーラーメイドSIMシリーズのアイアンです。
先日SIMアイアンを試打しましたが、このアイアンはSIM OSという名前です。
OSとはどういう意味でしょうか?
私はウィドウズやマックを連想したのですが、このアイアンの場合はどうなのでしょうか?

形状はSIMと同じですが、明らかにこちらのほうが大きいです。
実際に見比べて見ないと、どれくらい大きいかは分かりませんが、ラージサイズであることは明らかです。
大顔タイプのアイアンで、よく見られます。

彫りの深さも大きく、今のアイアンの中でもトップクラスです。
テーラーメイドはポケキャビに力を入れているメーカーといっていいように思います。
易しくゴルフを楽しんで欲しいという、メーカーの思いがあるのかもしれません。

トップラインは、やや厚めではありますが、見慣れた厚みです。
SIMと同じだと思います。


SPEED BRIDGEと名付けられた、このバーのようなものも見慣れてきました。
今のテーラーアイアンにはよく見られますし、こうすることへの大きな理由があるのだと思います。
これまでいくつか試打してきているのですが、正直このSPEED BRIDGEの効果を実感できていません。
しかし、おそらく大きな意味があるのだと思いますし、これからも採用され続けるのではないでしょうか?

ソール幅も広めです。
全体的につや消しになっているのも好感が持てます。
つや消しではありますが、軟鉄っぽい質感はありません。
テーラーメイドやピンのアイアンはステンレスのイメージが強いですが、おそらくこのアイアンもそうなのだと思います。
ステンレス素材のアイアンも根強い人気がありますし、ステンレスを好まれる方には、たまらない質感なのではないでしょうか?

ネックは短めで、やや『寸胴タイプ』です。
正直、美しくないな・・・。と思いました。
どの部分でも感じますが、私は特にこの『後ろ姿』でクラブの美しさを感じ、魅了されることも多いのですが、今日は全く魅了されませんでした。
気持ちが高ぶることもなく、淡々と見ていました。
テーラーアイアンらしいな・・・。と思いましたし、海外メーカーアイアンは昔から、このようなタイプが多いです。
グースもよく利いています。
この『後ろ姿』は、クラブを美しく見せる大切な『ビューポイント』なのですが、今日は見所なく終わったという感じです。
ただ、これはあくまでも私の好みによるもので、この後ろ姿を好まれる方も多くいらっしゃると思います。

ミーリングも無く、シンプルなフェース面です。
ステンレスっぽい質感です。
このフェース面を見て、ホットな打感のイメージは湧いてきませんでした。
アイアンによっては、フェース面を見ているだけでワクワクしてくるようなこともあるのですが、今日はありませんでした。
ステンレスタイプだからでしょうか?
少しクールといいますか、冷たい印象をもちました。

装着されているグリップは、よく見かけるタイプです。
ソフトフィーリングで好感が持てます。

軽量感のあるアイアンですが、振り感はまずまずです。
これくらいの重さが、今の主流といえるでしょうか?
私はもっと全体的な重さを感じたいのですが、この軽さもアリなのだと思います。

ボールを前にして構えてみると、好みではなかったのですが、これは予想していました。
ラージサイズでグースもよく利いていて、同様のアイアンをたくさん見てきました。
海外メーカーのアイアンらしい顔だな・・・。と思いました。
このような顔のアイアンは国内メーカーではあまり見ませんが、海外メーカーは昔からよく見られます。
これはどちらがいいというものではなく、あくまでも好みによって選ぶべきなのだと思います。
好みや感覚といったものにもメーカーによって違いがあって、日本メーカーのクラブの多くが『これまでの経験』を活かせるものが多いように思いますが、海外メーカーは『好みというよりは機能性』『使えば慣れる』といった考えが大きいような気がします。
顔にこだわらない、とにかく飛んで易しいクラブが好きだという方も多いのではないでしょうか?
『クラブの顔』といった概念をもたない方や、イメージが湧かないまま打っているという方もいらっしゃるかもしれません。
顔や打感よりもまずは、この『易しさ』や『飛び』を体感して欲しい・・・。というメーカーの思いが詰まったクラブが多いような気がしますが、このアイアンもまさにそんな感じがします。
私の好みの構え感ではないのですが、これまでもたくさん経験していますし、苦手意識や違和感などもありません。
ただ淡々と見つめている・・・。といった感じです。
鮮明ですごくいいイメージが浮かんでくることはなく、どちらかというとアバウトな感じで、まずは『出たとこ勝負』という感じで打つことにしました。
試打を開始しました

『打感』は物足りないですが、これは予想していました。
なんと言いますか、『薄さ』があって、硬いというのではないのですが、少しボヤけた感じで『芯』を感じにくいです。
私がアイアンに求めたい打感ではなく、心が躍ることも無かったのですが、機能性アイアンではこういうのもアリなんだと思います。
バチーンと弾く感じで、乗っかり感がないので、乗せて運ぶ感覚を楽しめなかったのですが、仕方のないことだと思いました。
私が好む打感ではないですが、あくまでも私の好みによるものなので、このアイアンの打感を好まれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

球はとてもよくあがってくれました。
ロフトが立っているのを感じさせない弾道の高さです。
構えたときは5番アイアンに近いフェース面の見え方だったのですが、弾道の高さは7番から8番くらい感じられました。
弾道が高く、球が浮きやすいです。
今のアイアンの中でも明らかに超『低重心・深重心』タイプだと思いますが、そのメーカーの工夫が、この弾道に活かされているのでしょうか?
ヒッタータイプの方よりは、スインガータイプの方に合いやすいアイアンといえるような気がします。
タフなアイアンではありません。

『安定性』も高く、かなりイージーです。
打点のブレにも強く、寛容さがあります。
私はこういうラージサイズのアイアンだと、トゥ側に外してしまうことがあり、今日もそんなミスが出てしまったのですが、それを感じさせない高い安定性と直進性があります。
高慣性モーメントがなせる技といったところでしょうか?
こういったアイアンは昔からあるので、驚くことはないですが、これだけ易しくなるとコースでもメリットが大きいだろうな・・・。と思いました。
私はどちらかというと小ぶりなタイプが好きで、センターからややヒールに近い部分でヒットしたくなるのですが、このようなラージサイズだとそれがちょっと難しいです。
構えたときに、センターからトゥの部分の存在感が大きかったのか、そこの部分でヒットすることが多くありました。
しかし、それでも全くボールは曲がりませんでした。

『飛距離性能』は、かなり優れています。
軽く振って、大きな飛距離が望めるディスタンス系アイアンです。
ロフトが立っていることもありますし、その他にも飛びの為の工夫がたくさん組み込まれているのではないでしょうか?
装着されているシャフトも、この飛距離に大きく関係していると思います。
フェースの弾きが良く、高弾道で飛ばしていけるアイアンです。
私の感覚では『2番手』ではなく、『3番手』くらい違う飛距離性能です。
こういう飛ぶアイアンが『7番アイアン』なのだから、アイアンの本数が少なくなるのも仕方ないような気がします。
アイアンは飛ばすクラブではなく、距離を刻むクラブではありますが、ここ数年そういった概念は希薄になっているのかもしれません。
アイアンでも飛ばせるクラブが求められているような気がします。
『ドラコン大会』はドライバーで行われますが、アイアンでも開催されると面白いかもしれません。
今のアイアンはロフトがバラバラなので、ロフトを同じにして、長さやシャフトを全て同じにして距離を競ってみるのも面白いだろうな・・・。と思いました。
その大会が開催されたとすると、このアイアンはいいところまでいくような気がします。
しかし同じロフトや長さなど、スペックを同じにすると、ドライバーほどの差は出ないように思います。
そんな飛距離のことを考えさせるくらい、このアイアンの飛びは優れていました。

『操作性』という点では、少し苦戦しました。
曲げたくても、なかなか曲げられないアイアンです。
いい意味で『融通が利かない』といいますか、『意思の疎通が難しい』タイプのアイアンですが、こういったタイプのアイアンが今は多いです。
私は軽量タイプやグースがきついタイプだと、大きくダフってしまうこともありますし、フックがきつくなることも多いのですが、今日はそれほど大きなミスにはつながらず、安定してしました。
本当はミスをしていたと思うのですが、それを感じさせない大らかさが、このアイアンにはあります。
左右に曲げてみようと試みたのですが、小さく曲げられるくらいで、大きく曲げるのは難しかったです。
『敏感さ』はなく、『鈍感さ』が武器になるアイアンといっていいのではないでしょうか?
試打後の感想

『ラージサイズ』と『飛距離性能』が強く印象に残りました。
テーラーメイドも、ここの部分にこだわりをもって開発をしたのではないでしょうか?
好みが分かれるところだと思いますが、この易しい飛びに魅力を感じられる方は多くいらっしゃるような気がします。

ラージサイズらしく大らかで、寛容なところも今のニーズに合っているように思います。
球もあがりやすくて、こちらが何もしなくても、ボールに当てさせすれば自然にあがっていく感じです。
完全に『オートマチックタイプ』のアイアンです。

ドライバーでは飛びを求める為に『低スピン化』の開発が進められていますが、このアイアンもそういった印象をもちました。
ドライバーでは低スピン性能や『適性スピン』を数値化することが当たり前のようになってきましたが、このアイアンもスピンは少ないような気がしました。
球は高くあがってくれたのですが、スピンはやや少ない印象をもちました。

高重心の軟鉄マッスルバックで上からつぶして打って、ボールがフェース面を駆け上がる感覚・・・。といったらいいでしょうか?
あの独特の『くっつく感じ』『乗っかる感じ』はなく、瞬時に離れていく感じで、弾道も高いですが、『めくれる』弾道ではなく、一定といいますか、『無機質』な感じがします。
その無機質さがあるから、安定性につながっているような気もするのですが、こちらの『思い』や『心』まで、ボールと一緒に運んでいってはくれませんでした。
実戦でもグリーンでしっかり止まってくれるかは、正直疑問が残りました。
平らで柔らかいグリーンなら止まってくれるかもしれませんが、コンパクションが硬めでアンジュレーションのきついグリーンだと、奥にこぼれてしまうのではないかな?と思いました。
こういったことは好みや、これまでの経験からくることが多いのですが、不安が残ったのは事実です。

私のホームコースは砲台グリーンやポテトチップスグリーン・そして二段グリーンや三段グリーンなど、落としどころが制限される難しいグリーンが多いので、どうしても『止め性能』を求めたくなります。
手前ではなく、奥に受けているグリーンもあるので、止め性能は必須です。
『食いつき感(スピン)』で止めたくなるときもありますし、『高さ』で止めたくなるときもあります。
飛ぶアイアンは確かに魅力的かもしれませんが、私は飛びすぎるアイアンは苦手に感じるので、このアイアンには魅力を感じませんでした。
しかし、これはあくまでも私の好みによるもので、このアイアンが優れていないということではありません。

逆に、これだけ性格がはっきりしたアイアンは潔くて気持ちいい感じがします。
メーカーがターゲットをはっきりと決めていて、そのユーザー層にマッチするように開発されたアイアンです。
色々な機能が詰め込まれていて、『至れり尽くせり』といいますか、ユーザーに優しいアイアンだと思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2020年03月09日
テーラーメイド SIM ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM ドライバー です。

シャフトは TENSEI SILVER TM50 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56g、トルクは4.0、キックポイントは中調子、クラブ総重量は307g です。

テーラーメイドSIMシリーズのドライバーです。
先日、SIM MAXというドライバーを試打しましたが、このドライバーは姉妹モデルのようです。
SIM MAXがラージサイズで、このSIMがノーマルサイズなのかと思いましたが、小ぶりな感じはしません。
こちらがノーマルモデルということなのでしょうか?

シャロータイプのヘッドで、こうして見てもスモールサイズではなくラージサイズです。
MAXという名前は付いていなくても、こちらもルールギリギリの460ccのように見えます。

ソールにある、この出っ張りのようなものも、MAXと同じです。
ルール上、ヘッド体積の上限は『460cc』ということになっていますが、この出っ張りといいますか、突起物のようなものはヘッド体積には入れられていないのでしょうか?
あくまでもヘッドの『付属物』ということで、ヘッド体積の計算の中には入っていないのかな?と思ったのですが、詳しいことは分かりません。
そんなことを考えさせるくらい、この突起物が大きくて、存在感を示しています。

ソールにはウェイトが配置されていました。
移動できるタイプなので、以前試打したSLDRというドライバーを思い出しました。
重心の長さを調整できるようです。
今日は専用の工具が無かったので、この真ん中のポジションで試打することにしました。
ウェイトを移動させる目的と、RBZから続く『溝』のような役目の二つを果たしているのではないかな?と思いました。
このウェイトが、SIMとの一番の違いではないでしょうか?
この位置にウェイトがあるということは、ウェイトが無かったSIM MAXよりも重心が少し浅くなっているのかもしれません。

溝の深さも結構あります。

ソールのフェース寄りには『SPEED INJECTED』の文字があり、これもSIMと同じです。
テーラーメイド独自の技術のようです。

ネックの長さは標準的です。
こうして見てもウェイト以外、SIMとの違いが分かりませんでした。
今度機会があれば、見比べてみたいです。

ネックには調整システムが搭載されていて、これもSIMと同じです。

試打するのは、この『STD LOFT』ポジションです。


他に『HIGHER』と『LOWER』がありました。
おそらくロフト角の調整ができるのだと思います。
最近は以前ほど調整システムが採用されているモデルが多くないような気がするのですが、今でもニーズがありますし、『調整ブームの火付け役』ともいえるテーラーメイドは、このシステムにこだわりがあると思いますし、ファンからの厚い要望があるのかもしれません。
私は調整システムを重要視していませんが、このシステムが無いと買う気が起こらない・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ソールにある出っ張りが目立ちますが、形状的にはシャローです。
シャロータイプですが、極端に薄い感じはしません。
シャロータイプのヘッドでも、今はディープフェースタイプが増えてきましたが、このドライバーはそこまでディープな感じはしません。
フェース高がそれほどあるようには見えませんが、高さはしっかりと確保されているので叩いていけそうですし、フェースで包み込んで弾き飛ばすイメージも出せそうです。

このフェース面の質感もお馴染みです。
前のモデルからフェースの質感が良くなりました。
フェース下部にある、2つの青いビスもSIMと同じです。
前のモデルのM5・M6と同じように、『ルールギリギリ』の弾きにこだわっているのではないでしょうか?
今はルール適合モデルしか競技では使えませんが、高反発規制されるまでは、ほぼ全てのメーカーが反発係数にこだわっていて、フェースの薄いモデルがたくさんありました。
そういった高反発ドライバーにたくさん接してきて、中にはフェースにクラック(割れ)が入ったものもありましたし、凹んでしまったものもありました。
友人のクラブはヘッドが2つに割れたこともありました。
なので、ドライバーのフェースを見て、このドライバーはフェースが割れそうだなとか、クラックが入りそうなタイプだな・・・。と、思うことがよくありました。
このドライバーも耐久性はしっかり確保されていると思いますが、長い間使い続けて(ハードヒットを続けて)、もし何らかの損傷が出てくるとするならば、おそらくクラックではないかな?と、このフェース面を見て思いました。
これには科学的な根拠が全くなく、あくまでも私の経験や勘からくるものに過ぎません。

装着されているグリップはソフトなフィーリングです。
最近はテーラーメイド以外のメーカーのクラブにも採用されるようになりました。
グリップにも流行があるのでしょうか?
それともグリップメーカーの営業努力の賜(たまもの)でしょうか?
グリップにもいえますが、グローブにも柔らかさやしっとり感が必要です。
ちょっと贅沢かもしれませんが、私はビギナー時代からグローブの素材はエチオピアシープ(主にブリヂストンのレクスターをまとめ買い)を愛用していて、人工皮革を使う気にはなれませんでした。
ウェアやバッグなど、それ以外の物にあまりこだわりはなかったのですが、グリップとグローブには強いこだわりが何故かありました。
今は人工皮革のグローブも、すごく良くなっているので、使わない理由は全くありませんが、昔のものはゴワゴワ感があって硬く、手にフィットしないものがほとんどでした。
『安かろう悪かろう』のグローブが多くありました。
フィットしないので、手とグローブの間に隙間が生じて、それが微妙にフィーリングを狂わせていました。
しかしエチオピアシープだと、それがありません。
手にすごくフィットして、まるで『皮膚の一部』になったかのようです。
密着感があって、それがグリップにも伝わり、クラブとの一体感をもたらしてくれました。
私は日本人としては手が大きいほうで、できれば27センチのグローブを使いたいのですが、ショップではほとんど売られていないですし、メーカーも作っていないことが多いので、26センチというワンサイズ小さめを使っているのですが、そのワンサイズ小さめでも、エチオピアシープはいい感じで伸びてくれて小ささを感じさせず、手の一部になってくれました。
エチオピアシープのおかげで、色々な感覚を養うことができたといっても過言ではありません。
今は人工皮革のグローブもすごく良くなっているので、私は練習だけでなく試合でも愛用しています。
ちょっと話が横にそれてしまいましたが、私はそれくらい『皮膚感覚』を重要視しているので、グリップに対しても好みがはっきり分かれるのですが、このグリップは好感が持てます。

この顔もお馴染みです。
どちらかというと『丸型』というよりも『洋梨型』といっていいように思います。
ヘッド後方の膨らみが目立ち、フェースが被っているように見えました。
私の中では『美顔』ではないのですが、この顔に好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
こうして見ても、SIM MAXとの違いが分からなかったので、やはり見比べてみるしかありません。

このカーボンコンポジットもお馴染みです。
『ワンカラー』ではなく『ツーカラー』も最初見たときは少し驚きましたが、今では市民権を得たような気がします。
そろそろ、このカーボンコンポジットの色も変えてくるのではないでしょうか?

素振りをしてみると、300g超えとは思えないほど重量感がありませんでしたが、この振り感は今のスタンダードといえるでしょうか?
ハードなセッティングになっていませんが、しっかりしていながらも適度にしなり、動きが滑らかな印象です。
頼りない感じはしません。
このシャフトが純正なのでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、これまで通りの顔で、特に印象に残るところはありません。
いい意味で、淡々と構えられます。
少しフェースが被っているように見えたのですが、これが今のスタンダードだと思いますし、たくさん経験しているので、不安はありません。
テーラー顔ドライバーです。
シャロー感があって、ヘッドが大きく見えるので、ボールが小さく見えました。
試打を開始しました

『打感』は、これまで通りで好感が持てました。
『テーラーフィーリング』といっていいと思います。
程よい手応えがありながら硬すぎず、嫌な衝撃は残りません。
サクサク打てる打感です。
いい意味で『繊細さ』とか『鮮明さ』が無く、『曖昧』なところがある打感です。
すごく伝わりやすいドライバーの打感を10だとすると、このドライバーは6くらいに感じられます。
数値的にちょっと低いと感じやすいかもしれませんが、実際はそうでなくて、こういった打感もアリだということです。
メタルが出始めの頃の『ツアーバーナー』からテーラーメイドのクラブに接してきていますが、これまでもずいぶんと色々なフィーリングがありました。

『音』も、はっきりしていて好感が持てます。
叩きにいっても不満はありません。
インパクトを邪魔しない音です。
この音も、SIM MAXと変わらないような気がしますが、実際に打ち比べてみると、微妙な音の違いがあるのかもしれません。

『球のあがりやすさ』という点では、SIM MAXのイメージが残っているので、このドライバーもそんな感じだろうと思っていたのですが、その通りでした。
今は打ち出しが高く、そのまま高~い弾道で飛んでいく『ビッグキャリータイプ』もありますが、このドライバーはライナー系で力強く飛んでいきます。
明らかにヒッター向けです。
ロフトが9度ということもあると思うのですが、やや低めの弾道で効率よく飛ばしていけます。
ヒッター向けのドライバーだと思いますが、ハードすぎて球が上がりにくいということはありませんでした。
このドライバーにはウェイト移動システムがソールにあって、SLDRを思い出したのですが、SLDRよりは明らかに重心が後ろにあるのではないでしょうか?
インパクト後に『頭(フェース部分)が垂れやすいタイプ』と『お尻(バックフェース)が垂れやすいタイプ』があるのですが、このドライバーはどちらかというと後者に近い感じなので、重心が後ろにあり、私たち日本人に扱いやすいタイプのドライバーのような気がします。
SIM MAXにはないウェイトが、このドライバーにはあったので、かなり重心が浅くてタフな設計になっているのかな?と思いましたが、それほど極端ではないように感じました。
しかし、おそらくSIM MAXよりも、こちらのSIMのほうが『叩ける設計』になっていると思います。
ちょっと前まで、9度とか9.5度という『表示ロフト』で、実際に打ってみると、絶対に『一桁ロフト』ではないな・・・。と思えるほど高くあがりすぎるドライバーがたくさんありましたが、このドライバーは一桁ロフトにふさわしい打ち出しの高さと抑えられた弾道が魅力的でした。

ただ、このドライバーは9.0と表示されていますが、実際はもっと寝ているのは明らかです。
しかし、それはずっと昔から続くことなので、あまり気にしないようにしています。
表示ロフトはあくまでも『目安』に過ぎません。
このドライバーの調整機能を使って、ロフトを立たせると、どんな弾道になるのか、とても興味があります。

『安定性』はかなり高く、球筋がブレる感じはしません。
少しつかまえ顔に見えましたし、私にはストレート系に近いドローが自然な感じだったのですが、ほぼ中立的なストレート系が得意なドライバーだと思います。
打ち出し方向から球が逸れる感じがしません。
まさに『糸を引くようなストレート』です。

装着されているシャフトは、やや軽量ではありますが、タイミングもとりやすくてヘッドの挙動を安定させてくれていて、高い確率でストレート系の球が打ちやすいです。
もし用意されているのであれば、色々なシャフトでも試してみたいですが、まずはこのTENSEIで試してみるべきではないかな・・・。と思いました。
ヘッドとの相性もいいです。
以前も書きましたが、最近のテーラーメイドはヘッドだけでなく、シャフトにも少し気を使い出したような気がします。
これまではヘッドとシャフトの相性が良くないと感じることが多かったのですが、今回のSIMはとてもいいように感じます。
昔のドライバーはしっかりと芯で捉えていないと、インパクトのときにヘッドがブレて球筋が乱れることが多かったのですが、最近のドライバーにはそれがありません。
少々芯を外しても、それを感じさせないほど、ほぼ真っ直ぐに飛んでいきます。
このSIMも、そんなタイプのドライバーです。
大らかさがウリなのは間違いありません。

『飛距離性能』も高く、かなりポテンシャルが高いです。
やはりルールギリギリの反発係数になっているのでしょうか?
フェースの弾きが良くて、初速が出ています。
『マン振り』で叩くというよりも、少し軽めで叩く感じがちょうどいいように感じました。
高過ぎる弾道は力強さに欠けることがありますが、このドライバーのように少し高さを抑えられていると、その分『推進力』のほうにパワーが注ぎ込まれていて、効率よく飛ばしていける感じがします。
『飛びのベクトル全開』といったところでしょうか?
昔から思っていたことですが、ドライバーに限らず全てのクラブで『バックスピン』ではなく、『オーバースピン』のイメージで飛ばしていきたいです。
実際はオーバースピンでは飛ばないですし、適度なバックスピンが掛かるからボールが浮いてしっかりと飛ばせるのですが、あくまでも『イメージとして』、飛んでいる姿をバックスピンで『吹き上がる』感じで飛ばすのではなく、『オーバースピン』でランがでるようなイメージで飛ばしていきたいという思いがありました。
パーシモンで吹き上がる球をたくさん打ってきたから、余計にそのように感じるのかもしれません。
ドライバーからウェッジまでは『バックスピン』ですが、パッティングだけは『オーバースピン』です。
そのオーバースピンの感覚をドライバーにもってこれないか?という思いがありました。
これまで『スピン過多』で、かなり飛距離を損してきたので、スピン量には昔から敏感です。
このドライバーの弾道を目で追いながら、そんなことを考えていました。

『操作性』は、まずまずです。
それほどクセが大きくなく、どちらかといえば中立的な感じがしますが、左右へ曲げることはできました。
大きく曲げるのは難しかったのですが、それは今のクラブの特徴といえるような気がします。
左右どちらかというと、私はドロー系のほうが易しく感じましたが、右に少し逃がす感じで打つこともできました。
球のつかまりはいいほうだと思いますが、スライスを抑制してくれるドライバーではないのでスライサーの方で、クラブでスライスを無くしたいという方には、少し難しく感じるところがあるかもしれません。
かなり直進性が高いドライバーですが、『決して曲げられない』ドライバーではありません。
試打後の感想

全体的にバランスがとれていて、ポテンシャルの高いドライバーだな・・・。と思いました。
前のモデルのM5やM6もいいドライバーだと思っていましたが、このSIMもいい感じです。
今度機会があれば、打ち比べてみたいです。

長い間テーラーメイドを見てきて、『安定しない』時期があったのですが、最近はクラブの性能もあがって、安定感があります。
安定しない時期が『成長期』だとすると、今は『円熟期』といえるでしょうか?
もちろん、まだまだテーラーメイドは成長していくと思いますが、かなり円熟味が増したような気がします。
それくらい、ここ数年のクラブは充実しています。

私に限らず、これまで最初のモデルからテーラーメイドのクラブに接してこられた方の中には、その年によってクラブ(モデル)の当たり外れが他のメーカーよりも大きくて、すごく魅力的なクラブもあれば、そうではなくて全く興味が持てなかったクラブもあったという方はいらっしゃるのではないでしょうか?
それはクラブの質という部分であったり、性能的な部分であったりして、他のメーカーに大きく置いて行かれていると感じることがありました。
発売時期が同じでなければ、また違ったものになったのかもしれませんが、逆にいえば、それだけ他のメーカーが充実していたということかもしれません。
テーラーメイドはちょっと前まで、ニューモデルの出る頻度がとても早くて、しかも価格が抑えられていたので、購入しやすいというメリットがありましたし、他のメーカーも価格面で追随していったところもありました。
しかし、最近は海外製であっても、かなり高価なクラブばかりになったので、『コストパフォーマンス』という点でいえば、昔のほうが良かったのかな?と思います。
高価なクラブのほうが飛んで、安価なクラブは飛ばないんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全く無いと、私の経験から断言できます。
高価であっても、全く飛ばない(飛ばせない)ドライバーはたくさんありましたし、逆に安価で購入しやすいドライバーでも、高価なドライバーに負けないといいますか、完全に勝っているドライバーもたくさんありました。
クラブの価格と性能は比例していません。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、最近のテーラーメイドのクラブは『円熟期』といいますか『充実期』に入ったような気がします。
色々な工夫がされていても、それが性能に直結していないクラブはたくさんありましたが、このドライバーはとてもポテンシャルが高いので、メーカーの研究や技術がクラブの性能アップに活かされているのではないでしょうか?
実際に打ち比べてみないと、はっきりとはいえないのですが、今日の感じだと、以前試打したSIM MAXよりも、私はこちらのSIMのほうが合っているように感じました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2020年02月14日
テーラーメイド SIM MAX フェアウェイウッド

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM MAX フェアウェイウッド


シャフトは TENSEI BLUE TM50 です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は51g、トルクは4.4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は313g です。

テーラーメイドSIMシリーズのフェアウェイウッドです。
これまで、ドライバーとアイアンを試打したのですが、フェアウェイウッドを試打することができました。

ソールが平らでシャロー感もありますが、クリークだからでしょうか?
大きさは感じず、むしろ適度にコンパクトな感じがします。

ソールには『SPEED POCKET』の文字がありました。
これがRBZにあった溝の役目を果たしてくれているのでしょうか?
『V STEEL』という文字があったので、懐かしさがこみ上げてきました。
Vスチールを昔愛用していた時期があり、ずいぶんとお世話になったので、とても感謝しています。
キャロウェイの『スチールヘッドIII』もそうですし、私は昔からテーラーメイドとキャロウェイのFWにはずいぶんと助けられたような気がします。
ゴルファーにとって『いいクラブとの出会い』というのは、レベルアップの為にも、そしてゴルフライフをエンジョイしていくうえでも欠かせないことですが、そういった意味でいうと、私は最適な時期にいいクラブに出会うことができて、本当にラッキーなゴルファーだと思います。

前のモデル(M6)同様、フェース面の質感が良くなっています。
フェースの弾きも良さそうです。
以前も書きましたがテーラーメイドは、しばらくフェース面のデザインを変えておらず、あまり工夫が見られないといいますか、やや物足りない質感であった時期が続いたのですが、それも少しずつ解消されているようです。
ヘッドやシャフトはいくら研究が進んでも、ボールと接することはありません。
『インパクト以外』の性能を担っているといっても過言ではないと思います。
しかしフェース面は違います。
フェース面はボールとの『唯一の接点』なので、もっと研究が進んで色々なデザインのものが増えて欲しいですし、その見た目だけでインパクトやボールの弾道の強さをイメージできるようになって欲しいです。
物理的なことも大切ですし、見た目で私たちゴルファーに、いいイメージを与えてくれるフェース面に魅力を感じます。
そういったことを、ちょっと前までテーラーメイドのクラブに対して不満をもっていたのですが、このフェース面は以前のものよりも改善されているので好感が持てます。
しかし、さらなる研究・工夫を続けて欲しいです。

トゥ側には、お馴染みの『TWIST FACE』の文字がありました。
このツイストフェースは、これからもテーラーメイドのクラブに採用され続けるのではないでしょうか?

ネックの長さは適度にあって、全体的なバランスがとれています。
ネックに調整機能はついていません。
テーラーメイドといえば調整機能のイメージが強いですが、実際に使ってみて、それほど効果が得られないとか、それほどニーズが高まってはいないということなのでしょうか?
まだ見られますが、最近は少なくなったような気がします。

シャロータイプのヘッドです。
この形状はお馴染みです。
今はディープなものを探すほうが難しくなりましたし、シャローのほうが球をあげやすいとか、投影面積を大きくできるので、安心感を得られやすいというメリットもあるのかもしれません。

いい顔をしています。
これまでのモデルと変わらないような気がします。
どちらかというと、ややつかまりそうな印象を与えていますが、引っかけるとか、左に巻いてしまいそう・・・。といったマイナスな感じはありませんでした。
ほぼ中立に近いつかまえ顔で、このまま普通に打っていけそうです。

クラウンのヒール側にあるSIMの文字も目立っています。

最近よく見かける、このグリップはソフトなフィーリングでとても好感が持てます。

素振りをしてみると、軽さと軟らかさを感じますが、これくらいが今の『標準』といえるような気がします。
必ずしもヘッドにマッチした最適な重量・硬さではないと思うのですが、ちょっとハードにすると、売れにくくなるということになるのかもしれません。
今は(既製品では)、ソフトスペックのクラブが多いですが、そういったことをメーカーが恐れているのかもしれません。
本当はもっと違うスペックで売り出したいと思うこともあるのではないでしょうか?
ちょっと振りにいくと、かなり動きが大きいように感じましたが、もう慣れているので、特に不安は無く、どちらかというと合わせる感じで振っていきました。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
やはり、これまでのモデルと共通する構え感です。
ソールなどに新たな工夫を取り入れて、顔はいじらないようにしているのでしょうか?
コンポジットされている部分も『黒』というよりは、ややグレーに近く、M GLOIREを思い出しました。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
テーラーメイドらしい、やや独特なフィーリングです。
『サクサク打てちゃう』打感といったらいいでしょうか?
ボヤけた感じはなく、はっきりしているのですが、硬くなく自然に振り抜いていけました。
最近のドライバーやFWに共通する、『弾き感』のあるフィーリングです。

『音』も、独特な機械音です。
私は人間ですが、まるでマシンが打っているような音・・・。といいますか、どちらかというと『無機質』な感じです。
この音も、これまで何度も耳にしてきました。
はっきりした音ですが、大きすぎず、また高くないのでインパクトが緩むこともなく、気持ちよく打っていけます。

球もあがりやすくてイージーです。
試打したのがクリークということもあると思うのですが、球が浮きやすくて弾道も高めです。
直打ちでも充分あげてくれました。

『安定性』という点でもシビアさは感じず、大らかなところがありますが、私は最初からちょっと『つかまり過ぎ』といいますか、左に引っかかる感じの球を打ってしまいました。
構えたときは、そこまで左へ行くイメージは出なかったのですが、実際に打ってみると左への球が多くなりました。
それは私のスイングが未熟であるということと、このクラブ(特にシャフト)を使いこなせていないのが大きな原因のような気がします。
ただ、つかまりのいいクラブであることは明らかなので、日頃から球がつかまらず右に抜けてしまいやすいという方には、ちょうどいいのではないでしょうか?
フッカーにはちょっと厳しいクラブかな?と思いましたが、シャフトを変えると全然いけそうです。
合わせにいく感じだと、それほどでもありませんが、ちょっと振りにいってしまうと、左へ行きやすくなるので、注意が必要でした。
打感や音では、気持ちよく振らせてくれたのですが、シャフトがそうはさせてくれなかったような気がします。
できればもう少し『逃がし顔』のクラブだと、もっとラインを出していけるかな・・・。と思いましたが、ヘッドよりもシャフトに難しさを感じました。
こういうクラブだと、少し右を向いて回していく感じが、私にはちょうどいいように感じられました。
ただ、『出球の方向』はブレにくく安定していて、途中から曲がり始めるということもないので、最初の『ライン出し』さえしっかりできていれば、特に問題はないように思います。

『飛距離性能』も高く、クリークとしては、いいパフォーマンスを発揮してくれていますが、今のFWの中では平均的といえるでしょうか?
特別よく飛ぶという印象はありませんでした。
しかし、それはこのクラブが劣っているというのではなく、それだけ今のFWのレベルがあがってきているということです。
高さをしっかりと出していくことができたので、ウッド系が得意な方なら、グリーンを上から攻めるイメージが出しやすいのではないでしょうか?
『上から狙えるFW』といっていいと思います。

『操作性』という点では、どちらかというと『オートマ性』が勝っていて、それほど細工をするタイプではないと思います。
12球ほど続けて打ってみたのですが、右に抜ける球は一球も出ませんでした。
つかまりがいいので、ドロー系のほうが自然な感じです。
そういった意味では、『顔の印象通りの球筋』といえるのかもしれません。
今は顔のイメージと球筋がマッチしないクラブも多くなってきているのですが、そういった意味では、このクラブは正直な感じがします。
ただ先ほども書きましたが、シャフトを変えれば、さらに性格が変わると思います。
私にはつかまりが良すぎたので、もっとつかまりを抑えられるシャフトにすると、真っ直ぐにいく確率が高まるような気がします。
試打後の感想

先日試打したアイアンも、球のつかまりが良くてあがりやすい印象をもったのですが、番手が変わってFWになっても同じ印象をもちました。
今日はクリークでしたが、スプーンではまた違った印象をもつことになるのかもしれません。
実際に試打してみないと詳しいことは分かりませんが、つかまりの良さと弾道の高さ。
そして弾き感を感じられるFWです。

一時期と比べると、すごくシンプルなデザインになっているのがいいです。
それでいて、高い性能は維持されています。

ウェイトなどヘッド(主にソール)に色々なパーツが組み合わさって『複雑化』しているほうが飛びそうとか、曲がりにくそう・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。
逆に、このパーツの意味は何だろう?とか、これは要らないんじゃないかな?もっとシンプルなほうがいいのに・・・。と思うことはよくあります。
色々なものがつきすぎてしまって、バランスを崩してしまっているクラブにも出会いましたし、ヘッド自体のパフォーマンスが邪魔されていると思えるクラブもありました。

そういった意味でも、このクラブは好感が持てました。
これまでのテーラーメイドのクラブよりはシンプルな感じがしますが、ポテンシャルが高く、バランスもいいです。
特に大きな欠点は見られないですし、良いところとそうでないところの差が小さい印象をもちました。
先ほども書きましたが、私には球がつかまり過ぎるところがあるので、できれば違うシャフトでもう一度トライしてみたいです。
ただ、それは私がフッカーだからそう感じるのであって、スライサーの方であれば、ちょうどいい球筋が描けるのではないでしょうか?

このフェアウェイウッドもMAXという名前がついていたので『大顔』かと最初は思いましたが、全然そんなことはなく、むしろ普通でしたし、そういったところにも好感が持てました。
ドライバーはルールギリギリの460ccのものが大半を占めていますし、なかには460ccをオーバーしているものもあります。
ティアップして打てるドライバーは大きくしても打てますが、直打ちするクラブであるFWは大きくしすぎると打ちづらくなります。
なのでパーシモンの頃と違い、ドライバーとフェアウェイウッドの大きさが大きく変わり、ドライバーだけがポツンと孤立したようになっています。
人間には『慣れる力』といいますか『対応力』があるので、それでも使っていけますが、FWにマッチしたドライバーを選んでいきたいという方も多いのではないでしょうか?
以前も書きましたが、いずれドライバーが影を潜め、フェアウェイウッドが主役をはる時代が来るかもしれません。
実際、ドライバーをバッグから外しておられる方も、よく見かけます。
それでも普通にラウンドできるのは、このような高性能なフェアウェイウッドがたくさん登場してきたからではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2020年02月12日
テーラーメイド SIM MAX アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド SIM MAX アイアン の7番 です。

シャフトは KBS です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は94g、トルクは1.8、キックポイントは先中調子 です。

テーラーメイドの新しいアイアンです。
先日はドライバーを試打したのですが、今日はアイアンです。
テーラーメイドらしく、機能性あふれるデザインと、ステンレスの質感がはっきりしたアイアンです。
私は軟鉄の、あの何ともいえない感じが好きなのですが、ステンレスが好きだという方もたくさんいらっしゃると思います。

MAXの名の通り、面長なタイプです。
やや大きめの顔でフェース高が抑えられているので、シャロー感があります。
私はフェース高があって、上から押さえ込んでいけるタイプのアイアンが好きですが、このようなタイプは『上から』とか『ダウンブロー』というよりも、『横から』とか『レベルブロー』というイメージで打っていきたい方に合いやすいような気がします。

SIMのロゴがはっきりしていてカッコいいです。
これからも、このブランドは続いていくのでしょうか?
バックフェース中央にある、バーのようなものも目立っていますし、これまでのモデルでも見られました。
SPEED BRIDGEという文字があるので、ボールの初速を高める為のものなのでしょうか?
詳しいことは判りませんが、おそらく大きな効果があるのだと思います。
このパーツを見ると、昔試打した『ナイキ スリングショット』をどうしても思い出してしまいます。
ナイキがゴルフクラブ業界から撤退というニュースは多くのゴルファーにショックを与えましたし、残念に思ったのは私だけではないはずです。

彫りの深さはたっぷりあります。
見慣れた感じのポケキャビですが、SPEED BRIDGEというバーがあるだけで、特別な感じがします。
このアイアンは一本だけですが、いずれ『X』など、違う形も登場して目先を変えてみるのも面白いかな・・・。と思いました。
今のゴルフクラブの新たな機能とか、付け加えられたパーツは『性能の為』というよりも、『目新しさ』や『目先を変えるため』だと感じるのは私だけでしょうか?

トップラインは、やや厚めですが、極端ではありません。
このようなタイプのアイアンでは標準といえるような気もします。

ソール幅も少しワイドですが、広すぎないといいますか、今のアイアンでは普通といった感じがします。

テーラーメイドのアイアンといえば、このソールにある溝です。
もう、すっかりお馴染みです。

ネックの長さも標準的です。
重心の深さはたっぷりありそうですが、重心は低くしすぎていないように見えます。

フェース面にミーリングはありません。
ごく普通の、見慣れた感じのステンレスタイプです。
私はアイアンのフェース面を見て、気持ちがグッと盛り上がることがあるのですが、今日はそれが無く、淡々と見ていました。
ゴルフクラブにもし、『温度』があるとするならば、このアイアンは『低温タイプ』です。
『COOL』という表現が合っているかもしれません。
スコアラインの間隔は、少し狭く見えます。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
最近、よく出会うグリップです。
これまでテーラーメイドは、ヘッドにばかり気を配っていて、シャフトやグリップは『置き去り』な印象もありました。
しかし、最近は少しずつ改善されているようです。
ゴルフクラブはヘッドとシャフトとグリップの3つで構成されているので、どれが欠けても良くありません。

素振りをしてみると、やや軽量感はあるものの、特に不満は無く、普通に振ることができました。
頼りないところもなく、タイミングはすぐに整えられました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
『MAX』という名前があるので、かなりの大顔で構えづらいんじゃないかと思っていたのですが、そうではありませんでした。
違和感などもなく、普通に構えられました。
見とれるようなこともなく、次から次へと泉のように、いいイメージが浮かんでくるということもなかったのですが、苦手意識も芽生えず、淡々と構えられました。
トップラインの厚みや、グースの利きも見られますが、極端ではないのがいいです。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずでした。
見た目からくる印象よりは、柔らかい感じがしますが、『ソフトフィーリング』というほどではないですし、『乗っかり感』もありません。
マイルドな打感といえなくもないですが、『芯』のない感じで、ちょっとボヤけた印象をもちました。
手に嫌な衝撃が残ることもなく、大きな不満はありませんが、私がアイアンに求めたいフィーリングではありませんでした。
しかし、こういったフィーリングが機能性アイアンの個性といえるような気もします。
『コントロール』よりも『ディスタンス』にこだわるのであれば、このような打感のほうが自然といえるのかもしれません。
アイアンによっては、一球打っただけで、そのあまりのグッドフィーリングから、思わずスキップしてしまったこともありますし、打席の周りが暖かい空気に包まれたような感覚になったこともありますが、今日はそういったことは全くありませんでした。
いい意味でいえば、『平坦』といいますか『常温』といえるような気がします。
逆の意味でいえば、『感情を揺さぶらない打感』といえるのかもしれません。
『球の乗っかり感』は無く、『弾き感』のあるアイアンです。

球はあがりやすくて、イージーです。
見た目通り、タフなアイアンではありません。
かなりロフトが立っているように見えたのですが、最近のアイアンはそういった見た目と実際のギャップのあるアイアンが多くなりました。
『出球のイメージ』が合いづらいアイアンが多くなりましたが、そういったことを気にされない方も多いのだと思いますし、『出球のイメージ』よりも『トータルの飛距離』が重視される時代になったのかもしれません。
かなりのイージー系アイアンに見えたのですが、ソールが広すぎないからでしょうか?
一球目からダフることなく、いい感じで打っていくことができました。

『安定性』は高く、かなりイージーです。
ポケキャビとフルキャビを足した易しさといったらいいでしょうか?
完全にオートマ系アイアンです。
打点のブレにも寛容で大らかさがあります。
やや軽量タイプですが、シャフトが頼りないものではなく、適度なしっかり感もあるので、易しさがアップしているのかもしれません。
高い確率で、ハイドローが自然に出ました。

『飛距離性能』は優れています。
弾く感じもありますし、2番手以上の距離を易しく、そして確実に稼いでいけるアイアンです。
この飛びは、過去のモデル(M5やM6)と変わりません。
今は飛び系アイアンが多くなりましたが、その『最大飛距離』は、ある程度落ち着いたような気がします。
このアイアンを『7番アイアン』と考えると、すごくよく飛びますが、ロフト通り『5番』として考えると、『普通』です。
以前も書きましたが、アイアンの飛距離は、メーカーが何番と刻印するかで決まるといっても過言ではないのではないでしょうか?
そういったことを、今の多くのゴルファーが感じ取っていると思いますし、このようなアイアンで打っていて、『飛ぶ』という感覚は、ディスタンス系アイアンが出始めの頃よりは希薄になっているような気がします。
このアイアンを『5』と刻印して売ると、飛距離では普通になってしまいますが、大きな利点もあります。
それは、昔の5番アイアンとは比べものにならないほどあがりやすくなっていて、安定性も高いということです。
これは大きな進化といえます。
最近はアイアンのロフトが立ちすぎてしまって、アイアンの本数を少なくしておられる方が多くなってきたように思いますが、ウッド系のクラブよりもアイアンのほうが好きな方は、『適正ロフトで適正な刻印』がされているアイアンが登場すると、アイアンの本数を増やしていけるのではないでしょうか?
そのようなことを、このアイアンの放つ弾道を目で追いながら考えていました。

『操作性』という点では、どちらかというと『オートマ性』が勝ってしまうので、敏感に反応する感じはしなかったのですが、構えたときにそれほどクセがきつくなかったからでしょうか?
左右に曲げることもできました。
小さい幅ではありましたが、曲線を描いて打つことができました。
少し大顔に見えましたが、『ラージサイズ』というよりは『セミラージサイズ』といっていいと思いますし、球のつかまりが良くて、扱いづらいタイプではありません。
私はフッカーなのでフック系が自然な感じがしましたが、引っかける不安はありませんでした。
球のつかまりがいいので、普段つかまりきらずに右にフケてしまうことが多い・・・。という方には、かなり易しいアイアンといえるのではないでしょうか?
試打後の感想

テーラーメイドらしく、高い機能性のあるアイアンですが、クセがきつくないのがいいです。
高機能ではありますが、近寄りがたい感じで独特の『目がチカチカ』する感じも無く、普通に打っていくことができました。

感覚的にといいますか、あくまでも『私の好みの中で』ですが、気持ちが盛り上がることもなく、淡々としていたのですが、苦手意識も芽生えず、普通に打っていくことができました。

つかまりの良さと弾道の高さが長所のアイアンです。
『スタンディングロフト』アイアンらしい、飛距離の出るタイプですが、最新モデルではあっても、過去のディスタンス系と比べて、特別よく飛ぶという印象はありませんでした。

ディスタンス系アイアンは『飛距離』が魅力ですが、その『飛びすぎ』といったところや『高さ不足』もありますし、アイアンにしては『スピン』がやや足りない感じがして、コースでもグリーンで止まらずオーバーしてしまうのでは?と思い、怖くてなかなか使えないのですが、このアイアンはロフトが立っているものの、弾道が高いので、意外とグリーンでも止められるのではないか?と思いました。
しかし、軟鉄マッスルバックのような、あの『めくれるような』弾道ではないので、そこまで期待してはいけないのかな・・・。という思いもありました。

『ディスタンス系のイージーアイアン』といっていいと思いますが、これまでの多くのモデルとは違い、クセが抑えられていてフィーリングを邪魔していないのがいいです。
どこかひとつが極端に秀でているとは感じなかったのですが、全体的なバランスはとれています。

全体的なバランスがとれているせいか、これまでのものよりも、ややおとなしい印象をもちました。
『トゲトゲ』した感じはなく、どこか『まったり』したところも印象的なアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
