ミズノ
2022年09月24日
Mizuno ST-X 220 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Mizuno ST-X 220 フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは TOUR AD GM F カーボンシャフト です。
ロフトは18度、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は315g です。

とてもカッコいい、ミズノのフェアウェイウッドです。
シンプルというよりは、高い機能性を感じさせるデザインですが、ミズノが作ると、こうもカッコ良くなるのかと感心しました。
機能性が見た目の良さを邪魔していなくて好感が持てます。

大きさは標準的で、かなりシャローなFWです。
ミズノはこれまでディープな物もたくさん発表してきましたが、このクラブはいわゆる『円盤』タイプで、今のニーズに合っているのかもしれません。

ソールには溝があり、『WAVE TECHNOLOGY』という名前が付けられています。
深い研究で定評のあるミズノのクラブなので、この溝の幅や長さなど、細部にわたって最高レベルに仕上げられているのではないでしょうか?
フェアウェイウッドにフェース寄りのソールに溝といえば、やはりテーラーメイドのRBZが思い出されます。

よく見られる深さです。
強度的に、おそらくこれ以上は深くできないのではないでしょうか?

ネックの長さはちょうど良く、こうして見ても、かなり綺麗です。
以前から、といいますか今もですが、機能性を追求する為か、それともあまり研究が進んでいないのか、ここの部分にあまり力を入れていないと思えるクラブがたくさんあります。
ゴルフクラブのエンドユーザーとして、メーカー側は『面倒くさい』とか『これくらいいいだろ』。
そして『手抜き感』や『妥協感』を感じられるクラブもあり、その都度残念に思います。
しかし、このクラブにそのようなマイナスは感じられません。
ゴルフクラブだけでなく全ての自社製品に対して、プライドと責任感、そして開発者としての喜びをもっているのがミズノというメーカーだと私は思っています。

フェース面のデザインはシンプルで、とても綺麗です。
フェース面も角度を変えれば、名前の通り『顔』ですし、顔である以上『目』のようなところもあります。
『目は口ほどにものを言う』といいますが、このフェース面を見ていて、そう訴えかけているようでした。
いいクラブというのは、プレイヤーの心を揺さぶるものです。
私はこれまでミズノのクラブにはたくさん心を揺さぶられ続けてきましたし、実際に使用してたくさんの恩恵を受けることができました。
歴史ある老舗メーカーでも、勢いが無くなってしまっているとか、品質や性能が劣化していると感じられるメーカーはいくつかあります。
そして実際にゴルフ業界から撤退したメーカーもたくさんあります。
そんな中でミズノは老舗メーカーでありながら、今も輝きを放ち続けているメーカーです。
それは常に『本物』を作り続け、それがファンから支持されているからではないでしょうか?

こうして見ても、かなりのシャローヘッドです。
シャローバックだけならまだいいのですが、シャローフェースなので、私はちょっと苦手意識が芽生えてしまいました。
以前も書きました通り、フェース面の縦を使えないからです。
そしてビギナー時代にクラウンにたくさん当ててテンプラを量産してしまったという、苦い経験があるからです。
これだけシャローにするということはティアップよりも、直打ちを前提に作られているからではないでしょうか?

ミズノらしく穏やかで落ち着いた、いい顔をしています。
少しフックフェースに見えましたが、これくらいであれば、今は普通といえるでしょうか?
昔のような『ニュートラル顔』は殆ど見かけなくなりました。
『捕まえ顔』『逃がし顔』がありますが、『若干捕まえ顔』が、今のニュートラルといえるのかもしれません。
逃がし顔はスライスしやすくて難しそう・・・。と思っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、適度な大きさだとスイングの途中で捕まえられるので、実際はつかまりやすくて易しいのですが・・・。
難しいのはラージサイズで強いフックフェースです。
どのように打っても右には行きませんが、左にしか行かず目標方向に打つことができません。
今でも頭に焼き付いて離れないのですが、テーラーメイドの『バーナードロー』というドライバーを試打したとき、あまりのフェースの被りようにかなり違和感があり苦戦してしまいました。
構えてみて、目が回りそうでした。
それ以外にもキャロウェイやつるや、ナイキのクラブなどにも『お手上げ』だったことがあります。
最近のクラブはそこまで極端ではないけど、それでもフックフェースが幅を利かせているので、それだけニーズが高いということではないでしょうか?

最近はカーボンクラウンが多いので、このクラブはどうかな?と思い、近くで見てみましたが、カーボンの模様は見られませんでした。

装着されているグリップにはミズノのオリジナルマークである『ランバードマーク』があって、とてもカッコいいです。
グリップの質感や触感はまずまずといったところですが、ランバードマークがあるだけで好感度はあがります。
出来れば黒にしてほしかったな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、かなり軽量感がありますが、これは他のメーカーも同様で、もう『常識』となっています。
ドライバーもそうですが、自分好みの重量や硬さを求めるのであれば、純正ではなく、リシャフトが前提となるようです。
このシャフトが純正なのか分かりませんが、そのように感じました。
どのメーカーも『50代以上』を主力ターゲットとしてクラブ開発をしていて、それでクラブの『アンダースペック化』が進むようになったと以前耳にしたことがあるのですが、今はコロナ渦の影響で、ゴルフ人気が再燃し、若い方もゴルフをやるようになってきました。
当然力のあるパワーヒッターも少なくないと思うので、メーカー側もスペックを今一度考え直すタイミングなのではないでしょうか?
『ヤングスペック』『オールドスペック』という表現だと受け入れられないと思いますが、どうにか工夫して世代やHSなどによって区分けしたほうがいいのかもしれません。
『振り切れる範囲内』で、という条件がつきますが、なるべく重量のあるクラブを使ったほうが良く、年齢を重ねることによって少しずつ軽くしたり軟らかくしたりするべきだと私は思っています。
そうでないと、最初から軽くて軟らかいクラブを使ってしまうと、それが当たり前となり、年齢を重ねていって、それすら振れなくなってしまうかもしれません。
そして何より、自分の体力よりも軽かったり軟らかいクラブはスイングは複雑になり難しいものです。
硬い&重い=難しい
軟らかい&軽い=易しい
というのは間違いで、あくまでも『その人に合ったスペック』が一番易しいのは間違いありません。
ヘッドはいいのに、シャフトが合っていないな・・・。という方を練習場やゴルフ場でよく見かけます。
自分に合ったシャフトにすると、スイングがシンプルになって余計なことを考えなくていいので、ゴルフが易しくなります。
このクラブに装着されているシャフトも決して悪いとは思いませんが、もう少し重量があってもいいのかな・・・。と思いました。

とても構えやすいです。
ミズノらしい整った顔で、方向性への不安を感じさせません。
『圧倒的な黒』といったらいいでしょうか?
静寂感・重厚感のある黒に、クラウンマークが映えています。
クリークではありますが、それほど小ぶりな感じはしません。
シャロー感も伝わってきますし、球があがりそうです。
試打を開始しました

打感はとても良いです。
ソフトで心地よい感触が残りました。
この感触を味わうだけで、楽しくなってきます。
何故だか分からなかったのですが、『金属の柔らかさ』のようなものを感じました。
実際には硬いのに、球を打つと柔らかく感じられるのが、ゴルフクラブの不思議なところです。
しかし、それは全てのクラブにいえることではありません。
硬い打感もあります。

『音』も良くて好感が持てました。
ミズノということで、グッドフィーリングが約束されたようなものだとは思ったのですが、その期待を裏切らない心地よい音です。
やや高めの金属音で大きすぎず、品の良い音です。
これは『ミズノサウンド』といっていいでしょうか?

球はとてもあがりやすいです。
これはヘッドの形状やシャフトのクセなどからも分かっていたことではありますが、このあがりやすさは多くの支持を集めるのではないでしょうか?
直打ちでも充分あげてくれます。

『安定性』は高くイージーです。
横方向はもちろん、高さも安定して出すことができました。
この薄さが気にならない方であれば、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

『飛距離性能』も高いですが、今のハイレベルなクラブのなかでは、いい意味で『標準的』で、尖った性能はありません。

『操作性』は、まずまずです。
構えやすいクラブですが、構えやすいクラブの中にも『曲げやすい構えやすさ』と『曲げにくい(曲がりにくい)構えやすさ』があり、このクラブは後者のほうです。
どちらかといえばオートマチックタイプなクラブだと感じました。
試打後の感想

ミズノらしい、美しさ・カッコ良さ・フィーリングの良さがありながら、ハードルは高くなく、親しみやすい性能をもったクラブです。

特に球があがりやすいので、直打ちが苦手な方には、是非試していただきたいです。
普通に打てば、トップすることなく、ボールは自然と高くあがっていきます。

機能性を追求したクラブのようにも見えますが、見た目の良さなど、フィーリングにもこだわっているようです。
ミズノというと、難しそう・・・。と先入観をもっておられる方がいらっしゃるかもしれません。
確かにシビアさをもったクラブ(特にアイアン)もありますが、このクラブは明らかに違うタイプですし、幅広い層に受け入れられるのではないでしょうか?

私はフェース高の低さ(シャローフェース)と、シャフトの軽さ・軟らかさが気になり、少し『合わせにいく』ようなところもあったのですが、シャフトを替えればもっと楽しめそうです。
先日試打したドライバーやアイアンも素晴らしいですし、このクリークもいい感じで、ミズノの充実ぶりがうかがえます。

見た目の高級感を目で楽しむことができ、所有欲も満たしてくれるクラブです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年09月03日
Mizuno T22 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Mizuno T22 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールドHT です。
ロフトは56度、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は476g です。

ミズノの新しいウェッジです。
アイアンで有名なミズノですが、当然ウェッジにも力を入れていて、過去にも名作がたくさんあります。
そして仕上げもバリエーションに富んでいますが、今日はノーマルなメッキタイプを借りることができたので試打してみることにしました。

オーソドックスでシンプルなウェッジです。
今はウェッジもいろいろなタイプがありますが、私はこのようなシンプルなところに魅力を感じます。
慣れてしまえば、どのようなタイプでもいけるのかもしれませんが、あまりゴチャゴチャしたタイプだと、フィーリングが合いづらそうな感覚がありますし、慣れたくもありません。
シビアな場面で使うことの多いウェッジは、できるだけ曖昧さを排除して、クラブの機能性よりもプレイヤーの感覚を優先させたいからです。
最近はトップラインがテーパーになっているものが多くなりましたが、このウェッジはややテーパーであるものの、他のメーカーほど極端ではありません。

トゥ側には『S-GRIND』という文字があります。
これまでの経験から、おそらくソールの削りのことではないか?と思いました。
ひとつのモデルでも、今は様々な削りがされていて、私たちユーザーがその中から自分に合ったものを選べるような便利な時代です。
昔のように、使いながら自分に合うようにならしていく作業が不要になりました。

T22とは、どういう意味があるのでしょうか?
モデル名にもなっていますが、おそらく、このTと22には意味があるのだと思います。

ノーマルなフラットバック形状です。
おそらく見えないところに様々な工夫がされていると思うのですが、それをあえて見せないところに美学を感じます。
ランバードマークもよく目立っていて、ミズノファンにはたまりません。

トップラインの厚みは標準的で、トゥ側のほうが少しだけ厚く見えました。

ソール幅も標準的ですが、サンドウェッジということで、もっと広いほうが好きだという方は多いかもしれません。
そのほうが、バンカーで砂を弾くイメージが出しやすいからです。

ソールは、それほど丸みを強調した感じではありませんが、微妙に丸くなっています。
それよりもバンスの利きが強いことに気づきました。
私はハイバンスタイプがあまり得意ではないので、少し苦手意識が芽生えましたが仕方ありません。
リーディングエッジとトレーリングエッジには適度に丸みがあって抜けは良さそうに見えました。
ただ、抜けは良くてもソールが弾かれてしまったら元も子もありません。
私の理想といいますか、イメージを出したいのは、ベアグランドでも『跳ねず』『刺さらず』無難に、そしてスピーディーに抜けるといいますか、滑ってくれるソールです。
あくまでもイメージとしては、ソールに小さくて見えない『キャスター(滑車)』のようなものがついていて、それが滑りを加速させてくれる・・・。といったらいいでしょうか?

ネックの長さは標準的で、昔から変わりません。

ホーゼルには『GF FORGED HD 1025 BORON』と刻印されていて、ミズノらしいこだわった製法と素材が使われているようです。
ボロンというと、私は過去にも使ったことのある『ボロンシャフト』を思い出すのですが、ボロンがヘッドにも使われているのでしょうか?
ボロンシャフトといえば、トップからダウンスイング、そしてインパクトゾーンに行くまでの、圧倒的な加速感というイメージがあるのですが、このウェッジではどういったことが期待できるのでしょうか?
ウェッジメーカーはたくさんありますが、その多くがOEMで実際に作っていないですし、ミズノのように素材や製法にもこだわっていないところがほとんどです。
過去に、あるメーカーのウェッジを試打したときに、そのウェッジの仕上げがとても雑で、こんなものを世に出していいのか・・・?と思ったことがありますが、ミズノにはありません。

フェース面には細かなミーリングがありました。
近くでよく見ないと分からないような細かいミーリングです。
ひとくちにミーリングといってもいろいろありますが、このウェッジはフェース面を円で描くようなタイプで、過去にもたくさん出会ってきました。

装着されているグリップは、まずまずです。
凹凸感があって滑りにくくなっているのはいいですが、私がウェッジに挿したいタイプではないので、ちょっとだけテンションが下がりました。

ボールを前にして構えてみると、ミズノらしい美顔で好感が持てましたが、バンスが利いていて、少し『宙に浮いている』ような感覚がありました。
最近は少なくなりましたが、このようなタイプは昔からたくさんあって、珍しくありません。
フェアウェイで芝の厚いところやラフであれば、このバンスもあまり気にならないかもしれませんが、私が求める『ベアグランドでも』ということになると不安があります。
このハイバンスを上手く使っていく技術が私にあればいいのですが、修行が足りずまだ備わっていません。
ただ、ミズノらしい美顔なので、しばらく見とれていました。
いかにも柔らかそうな雰囲気があり、大きさも適正なのでボールが際立って見えます。
いいクラブというのは、クラブ自身が主役になるのではなく、あくまでもボールを主役にして引き立ててくれるものなのではないかな・・・。と、いつも思っています。
ゴルフというスポーツはあくまでもボールをターゲットまで運んで、その打数を競うスポーツだからです。

フェースを開いて構えてみると、さらにバンスの膨らみが気になりました。
明らかに苦手なタイプといいますか、昔のミスした記憶が蘇ってきます。
最近もハイバンスタイプはよく見かけますが、それほど苦手意識を感じないものが多くなりました。
しかし、このウェッジのバンスは苦手に感じ、できればすぐにでも削りたいほどです。
昔のハイバンスウェッジはこのようなタイプがたくさんありました。
私は苦手なタイプですが、それはあくまでも私が苦手ということであり、このウェッジが良くないということではありません。
このようなバンスを好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
メーカーは私たちユーザーの幅広い好みに合わせて、いろいろなタイプのクラブを開発してくれていて、とてもありがたいことです。
試打を開始しました

『打感』はとても柔らかくて見た目通りです。
ボールを長くキープしてくれる、いわゆる球持ちの良いウェッジで、その『くっつき感』を楽しむことができました。
ただ、『フェース面のタッチ』は楽しめましたが、『ソールのタッチ』は楽しめませんでした。
すぐにでも弾いてしまいそうで、ボールを打った後、フェースがこちらに跳ね返ってきそうな感覚がありました。

『ボールのあがりやすさ』は普通ですが、これだけバンスが利いているので、少し入射角を調整しなければならないような感じがしました。

『スピン性能』はなかなかいい感じです。
ミーリングはありますが、フェースがボールに激しく食いついていくのではなく、あくまでも『球持ちの良さ・長さ』でボールを止めていくような感覚がありました。

『安定性』という点では、寛容なタイプではなく、ミスしたらそれをはっきりと教えてくれるタイプなので、寛容さを求めておられる方には、やや合いづらいと感じられるかもしれません。
オートマチックタイプではないですが、『ショットの機微』を出していくには、そのほうがいいと思います。

『距離感』はいい感じです。
構えたときに好感がもてたということもあり、出球の高さはイメージ通りでした。
ウェッジにはドライバーと違い、『スロー感』が欲しいですが、このウェッジにはそれがあります。
できるだけスローボールで寄せていったほうが、その成功率は高まりますが、今日はそれが易しく感じられました。
ただの軟鉄ではなく、特別な素材・製法も、その理由の一つなのかもしれません。

『操作性』は、この顔の良さなので、いいはずなのですが、先ほども書きました通り、かなりバンスが利いていて私には難しいウェッジです。
私はフェースの開閉を多く使うタイプで、フェースを開けばローバンスであってもバンスは利いてきますが、このウェッジはフェースを開かなくてもかなり利いているので、扱いづらいと感じるところがありました。
フェースを開かなくても、そしてバンカーで砂を大きく弾いていきたい方には、頼もしい相棒になってくれるのかもしれません。

アプローチ練習場は今、草がボウボウに伸びていて、あえてこのような『深いラフ』から打ってみたのですが、ボールをしっかり出してくれました。
私はイギリスのセントアンドリュースオールドコースでプレーしたことはないですが、どんな感じなんだろう・・・?と思いました。
日本のラフと違い、かなり粘ってくるようですが、そういったことも体験してみたいです。
試打後の感想

ミズノらしい、高性能でカッコいいウェッジです。

ただ、私にはバンスが利きすぎて難しく感じました。

しかし、このウェッジは他のスペックも用意されているようなので、もし機会があれば、そちらも試してみたいです。

ミズノというだけで、すごく贅沢に感じられますが、そんな高性能・高品質なクラブでも、価格は普通といいますか、他のメーカーと変わらないのがミズノのもうひとつの魅力です。

いくら高性能・高品質なクラブでも、プレイヤーに使ってもらわなければ、その素晴らしさを伝えることはできません。
ミズノはそれを分かっていて、高性能・高品質でも、あえて親しみやすい価格帯にしているのではないでしょうか?

今回は少し難しく感じるところがあったのですが、また違うスペックのウェッジを試打したいですし、ミズノのクラブに出会うと、爽やかな気分になれるといいますか、晴れやかな気分になれます。
これからもミズノは、私たちゴルファーをワクワクさせてもらいたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年08月10日
Mizuno ST-X 220 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Mizuno ST-X 220 ドライバー


シャフトは TOUR AD GM D カーボンシャフト です。
ロフトは10.5度、シャフトフレックスはS、クラブ長さは45.5インチ、シャフト重量は55g、トルクは5.4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は299g です。

久しぶりに出会った、ミズノのドライバーです。
ミズノはアイアンのイメージがとても強いですが、実はドライバーも過去に傑作を何本も輩出しています。
以前も書きましたが、特に私が印象に残っていて今もすごく気に入っているのが『T-1』というドライバーです。
初めて試打してから虜になってしまったので、その後何度も試打を楽しんだ記憶があります。
顔良し・打感良し・操作性良し・飛距離良し・・・。という、いいとこずくめのドライバーでした。
顔や打感・操作性が高いのはミズノらしい特長ですが、特に飛距離性能に関しては今の最新ドライバーと比較しても全く引けをとらないとはっきり断言できます。
あの弾道の力強さ・球の伸びは私のハートを射貫き、今も忘れられません。
いろいろなドライバーを試打していると、時に『弾道に惚れる』ということがあるのですが、その数少ないドライバーがミズノのT-1というドライバーです。
後はマイドライバーであるCRZ435もそうですし、EPON AF-101やグランプリのドライバーなどもそうです。
先日、友人に誘われて久しぶりに中古ショップに行ってみたのですが、もしミズノT-1があれば、多少状態が良くなくても買って帰ろうと思っていましたが、残念ながら見かけることはありませんでした。
あと、JPXでいえば、『900』というドライバーが印象深く残っています。
ヘッドのブルーがとても鮮やかで、易しく飛距離性能も高いドライバーです。
数年前のドライバーではありますが、いいクラブというのは年月の経過を感じさせません。
『色あせない良さ』というものをもっています。

さて、このドライバーですが、黒い色がカッコ良く精悍さのあるドライバーです。
『黒豹』を思い浮かべました。
ラージサイズでシャロー感が強いのは、今のドライバーの特徴といえます。
かなり機能的なデザインなので、JPXに見えなくもないのですが、このドライバーはMPでもJPXでもなく、新たなシリーズなのかもしれません。
機能性を高めるあまり、いろいろと付け足して、ゴチャゴチャ感が出てしまうとカッコ悪くなってしまいますが、このドライバーは違います。
カッコ悪くならないよう、ちょうどいい線引きが出来ているようです。

ネックの長さは、短めです。

ネックには調整システムが搭載されています。
今は少数派といっていいのではないでしょうか?

試打するのは、この『STD』ポジションです。

ソールにある、大きな溝も特徴的で、前のモデルにも見られました。

溝の深さも適度にあります。

バックフェースには大きなウェイトがひとつ配置されています。
13gという数字があるので、13gのウェイトだということが分かりました。
ヘッドの重さはモデルにもよりますが、だいたい200g前後が多いので、そういう意味では、かなり重いウェイトといえます。
ここの部分に重さが集中しているといっていいかもしれません。

トゥ側

ヒール側
ソールにはカーボンの模様があるので、おそらくカーボンコンポジットなのだと思います。
普通はクラウンによく見られる工夫ですが、このドライバーはソールにも採用しているようです。

シンプルなフェース面で最近、このようなデザインが多くなったような気がします。
ヒッティングエリアにスコアラインが無いのも普通になってきましたが、強度を保つうえで重要なのかもしれません。

かなりシャロー感が強いですが、これも今ではノーマルといっていいように思います。
セミシャローではなく、『フルシャロー』といったところでしょうか?

いい顔をしています。
機能性高く、シャロー感のあるドライバーではありますが、顔は崩れていません。
形としての美しさを保っていますし、高級感があります。
さすがミズノはこういうところに抜かりは無いな・・・。と思いながら見ていました。
丸顔ではなく、どちらかといえば『三角顔』に近いですが、違和感はありません。

カーボンコンポジットであることが分かりました。
このドライバーのように、カーボンの模様がはっきりしているものもあれば、あまり見分けがつかないようなものも今は増えてきました。
私はカーボンクラウンを必要としていませんが、以前愛用していたプロギアのTR DUOの高性能を体感しているので、好感は持っています。
最近はカーボンコンポジットドライバーが復活してきて、その火付け役は間違いなくテーラーメイドですが、テーラーメイドはカーボンとチタンの『境界線』がはっきりしていて、『段差』もあるのですが、このミズノのドライバーはシームレスのようになっています。
とても美しいし、芸が細かいな・・・。と思いました。
以前、友人があるメーカーのカーボンコンポジットドライバーで球を打ったときに、カーボンの部分が外れて飛んでしまった瞬間を目撃したことがあるのですが、このドライバーにはそんな心配は無用な気がしました。
そうなるようなマイナスイメージが浮かんでこないからです。
クラブが複雑になればなるほど、強度などマイナス面も出てきますし、メーカーはそれにしっかりと対応しなければなりませんが、必ずしも全てのメーカー・クラブがそれを実現できていないのが残念でなりません。
私も試打したことがあったのですが、そのクラブは絶対に買わないぞ・・・。と思っていました。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
クラブ重量は『300g前後』ということで、今のドライバーの中での『標準的な重さ』といっていいと思います。
私は振ってみて、重量感を感じず、むしろやや軽めな印象をもったのですが、頼りない感じはしませんでした。
シャフトに剛性はあまり感じられず、どちらかというと『俊敏さ』と『動き感』を感じたのですが、苦手意識が芽生えるほど、余計な動きはしません。
先が結構加速する感じで、つかまりの良さそうなシャフトだな・・・。と思いました。

装着されているグリップはシンプルなタイプですが、ちょっとテンションが下がりました。
このグリップのフィーリングが悪いわけではなく、無難なのですが、もうちょっとカッコいいグリップのほうが、カッコいいヘッドとの『カッコ良さのバランス』がとれているように思います。
ちょっと残念だな・・・。と思いましたし、もし私がこのクラブを相棒に迎え入れたら、真っ先にグリップ交換すると思います。
滑らなければグリップなんて、何でもいいよ・・・。とおっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますが、私はグリップを重要視していますし、グリップひとつでテンションが爆上がりすることもあれば、爆下がりすることもあるので、決して無視できません。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
カーボンコンポジットタイプのドライバーですが、こうして構えたときにカーボンの模様が目立たず邪魔しないのがいいです。
シャロー感の強いドライバーですが、変なクセは無く、方向性への不安もありません。
バルジが適度にカーブを描いているのもいいです。
どちらかといえば、『ややつかまえ顔』に見えますが、左が気になることはありませんでした。
私は強いフックフェースのドライバーが苦手ですが、このドライバーには苦手意識を感じませんでした。
ミズノのドライバーは『美しいブルー』もいいですが、この『美しいブラック』もいいものだな・・・。と思いました。
フェースの見え方もいいです。
『10.5度らしい』見え方で、高い弾道をイメージしました。
試打を開始しました

『打感』は良いです。
すっきりしていて、やや軽めの打感で、ズシリとくることはありませんでした。
ライトな打感なので、もう少しズシリときたほうがいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
弾きもかなり良くて、フェース面を見たときから、この打感はだいたいイメージできていました。

爽快感のある、いい音です。
私はもう少し小さくてもいい・・・。と思いましたが、私は強く叩いていきたいタイプですし、今のままでも全く問題ありません。
むしろ、これくらいはっきりしたほうがいいという方は、かなり多いような気がします。

球はよくあがりますが、10.5度のドライバーとしては普通といったところでしょうか?
私にはちょっと高すぎるので、もっとロフトが立ったものを試してみたくなったのですが、この高弾道は力強く、とても魅力的です。
高くあがるだけの弱々しい弾道ではなく、加速がついて、しかも二段ロケットのように、段階的に球が伸びていきました。
高弾道と強弾道がミックスされたような弾道だな・・・。と目で追いながら思いました。

『安定性』は高く、オートマチックタイプのドライバ-です。
構えたときの印象よりも、かなり球がつかまりやすく、右にフケにくいように感じました。
自然と真っ直ぐ飛ばしていけるタイプではなく、自然とつかまえてくれるドライバーです。
構えたときに私はほぼストレートのイメージが湧いてきたので、そのつもりで打ったのですが、実際の弾道はいい感じのドローボールでした。
弾道も高く、ハイドローです。
これまでのラージサイズドライバーに感じていた、『つんのめった感じ』といいますか、フェースが仕事をしてくれず、球筋が安定しない・・・。ということはありませんでした。
オートマチックタイプのドライバーには二種類あって、ひとつめはクラブが全てを決めてしまって、そこにプレイヤーの入る隙が無いタイプ。
もうひとつはオートマチックなんだけど、プレイヤーの感性や動き方・個性を大切にしてくれるタイプ。
このドライバーは後者だと感じました。

『飛距離性能』は、かなり優れています。
弾きの良さ・弾道の高さ・そしてつかまりの良さの三拍子が揃っていて、弾道が力強いです。
『ライト級のパワフルドライバー』といった印象をもちました。
このドライバーは私にはやや軽量タイプに感じられたのですが、弾道はとても力強く頼もしいです。
軽量級の頼りなさはありません。
また、最初だけ鋭く飛んで、すぐに失速ドライバーもたくさんありましたが、このドライバーは違います。
力強く飛び出していって、『空中浮遊能力』を感じることができました。

球がつかまりやすいので、自然に打つなら完全にドロー系というように、はっきりしています。
右にも曲げてみようと、かなりカット目に打ってみましたが、大きく曲げるのは難しいです。
私は最初からドロー系の球が出たのですが、それは私がフッカーだというのもあると思いますが、それ以前にこのドライバーが自然に(といいますか、自然な動きのなかで)つかまえてくれるのがすごくいいな・・・。と思いました。
フックフェースでつかまりを良くするのではなく、『ターンのしやすさ・速さ』でつかまえられるドライバーです。
こういうドライバーを待っていたという方は多いのではないでしょうか?
これまでのドライバーと大きく違うところです。
もちろん、フェースターンをせずに、最初からフックフェースでつかまえて飛ばしたい・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は断然、このドライバーのようにフェースの被りでつかまえるのではなく、『ターンのしやすさ』でつかまえて飛ばせるドライバーに魅力を感じます。
試打後の感想

バランスがとれていて、しかもこれまでありそうでなかなか無かったドライバーだという印象をもちました。
極端なつかまえ顔ではなく、自然な感じなのに、球はすごくつかまりやすいです。
最初からフェースが被っていると、かなり構えづらくて、それがショットにも影響しますが、このドライバーは構えやすさがありながら、つかまりの良さは強いフックフェース並あります。

フェースターンなどしなくていいよ・・・。とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、フェースはターンするのが自然な動きで、それを抑制するといいますか、しなければならないドライバーがたくさんありすぎました。

そういった流れを、このドライバーがきっかけとなって変わってくれれば嬉しいです。
ラージサイズはつかまりが悪いから、最初からフェースを被せておいて、構えづらくはなっても、そこは見逃して欲しい・・・。というメーカーの意図を汲み取らなければなりませんでした。

このドライバーの飛距離性能はかなり高いですが、それは弾きの良さや高弾道・つかまりの良さもありながら、『構えやすさ』が大きく関係しているからではないでしょうか?
構えやすいから、スイングにブレーキが掛からず、気持ちよく振り抜いていけます。

ドロー系ドライバーでありながら、クセのない自然な動きをするのはとても気に入りました。
ミズノだけでなく、他のメーカーも含めたドライバーの中で、間違いなく『傑作』と呼ぶに相応しいドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年07月24日
ミズノ Mizuno Pro 221 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ Mizuno Pro 221 アイアン


シャフトは ダイナミックゴールドHT です。
ロフトは34度、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は445g です。

MIZUNOの、とてもカッコいいアイアンです。
ミズノのアイアンは昔から大好きなので、久しぶりにミズノのニューアイアンに出会うことができ、早くもテンションはMAXにあがっています。
いいクラブというのは、こうして目でも楽しませてくれるものです。
打つ前に目で楽しみ、そして実際に球を打って、その感触や弾道の美しさを楽しむ・・・。というのが一つの流れになっています。
このアイアンを一目見て、あの名器MP-4アイアンを思い出しました。
ミズノらしく、質感も素晴らしいです。
マッスルバックを発表するメーカーはいくつかありますが、その中には質感がもうひとつだったり、仕上げが雑なところもありますが、ミズノにそういった『手抜かり』はありません。

シンプルかつシャープでカッコいいアイアンです。
MPアイアンらしいといえばらしいのですが、正直こうして見ているだけでは、過去のモデルとどう変わったのか分かりません。
おそらく、細かな工夫をしているのだと思います。
例えて言うなら、他のメーカーが『センチ(センチメートル)』の違いにこだわるのであれば、ミズノは『ミリ(ミリメートル)』の違いにこだわる・・・。といったところでしょうか?
今日も暑い日でしたが、このアイアンを見ていると、一服の清涼剤のように感じられるのは何故でしょうか?
私の打席の周りだけ、蒸し暑さを吹き飛ばす涼風が吹いているような感覚です。

このMizuno Proのロゴが私たちミズノファンの心を熱くしてくれます。
以前、ミズノプロについて書かせていただいたことがありますが、子供(野球少年)の頃から憧れのブランドでした。
こうして手にしているだけでも、とても贅沢に思えてきます。

221とはどういう意味があるのでしょうか?
2021年モデルということなのかな?と思いましたが、真偽のほどは定かではありません。
21という数字を見ると、巨人の往年の名投手、加藤初さんを思い出します。
鉄仮面という名前がつけられるほど、ピンチでも表情に出さず、低めにコントロールされた直球が見事でした。

マッスルバックらしい、この肉厚感がたまりません。
こうして見ているだけでも、打感に配慮されているのが分かります。

トップラインは標準で、薄いということはありません。
少しだけ厚みがあるようにも見えますが、これくらいであれば標準といっていいと思います。
この厚みと形状なら、シャープさを損ねません。

ソール幅は狭いです。
といいますか、昔のアイアンに戻ったように感じられます。
最近はこのようなワイドではないアイアンが少しずつ増えてきたように思います。
私はワイドすぎるアイアンは苦手なので、このアイアンのソール幅には親近感をもちますが、ワイドソールを好まれる方には、不安を感じさせる狭さなのかもしれません。

ソール形状は全体的に丸みを帯びていて、リーディングエッジとトレーリングエッジには丸みがあります。
こういったところは現代風アイアンといっていいのではないでしょうか?
この角度から見て、このアイアンが単一素材で作られている、いわゆる『ワンピースタイプ』のアイアンではなく、複合素材で作られたアイアンであることが分かりました。
他のメーカーのように、ウェイトが組み込まれているのでしょうか?
この大きさと膨らみの無さから、おそらく中空ではなく普通のマッスルバックだと思うのですが、ヘッドの内部にたくさんの工夫が施されているのかもしれません。

ネックの長さはノーマルですが、少し短いです。
これも流行なのかもしれないですし、昔のMPアイアンでは見られなかった長さだと思います。
昔のマッスルバックと今のマッスルバックで大きく変わったと感じているのはソール形状(リーディングエッジ&トレーリングエッジ含む)とネックの長さです。
もちろんそれ以外にも細かな進化はしていると思いますが、大きな違いといえば、この2点が挙げられます。

ホーゼルには『GF FORGED HD 1025E』という刻印があり、形状だけでなく、素材の材質や製法にまでこだわっているようです。
こういった細かなところまでこだわっているのはミズノの特長といっていいのではないでしょうか?
メーカーによっては、『軟鉄だったら』『マッスルバックなら』『フォージドなら』それでいいだろ・・・。といいたげなアイアンもありますが、ミズノはそうではありません。
素材にこだわるのは最初の一歩ですし、その『鉄の鍛え方(鍛造)』、形状の整え方・最終仕上げまで、全てにおいてミズノはこだわりと、メーカーとしてのプライドが感じられます。
だから、ミズノのアイアンには敬意を持っていますし、使うことが贅沢に感じられるのです。
私のような下手でセンスの無いゴルファーが、このような上質なアイアンを使ってもいいのだろうか?という思いがいつもあります。
下手な球は打てない・・・。ちゃんと練習しよう・・・。クラブに笑われないようにしないと・・・。という思いがずっと引っ張ってきてくれたのかもしれません。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通です。
ミズノのアイアンにミーリングのイメージはありませんが、アイアンの世界トップメーカーでもあるミズノがミーリングを採用しないというのは必要ないということなのかもしれません。
これまでも何度か書いてきましたが、私はフライヤーで散々痛い目に遭っているので、フライヤーを抑制するもしくは軽減してくれるアイアンを開発して欲しいと思っています。
もちろん、ラフに打ち込まない技術を身につければいいのですが、私にはそれがありません。

装着されているグリップは良いです。
ソフトなフィーリングとしっかりとしたグリップ感が両立できていて、タイヤを連想しました。
しかも静粛性に優れたラジアルタイヤです。

素振りをしても好感が持てました。
軽量タイプにありがちな、暴れる感じもないですし、余計な動きをしないのでタイミングをとりやすいです。

ボールを前にして構えてみると、最高でした。
ミズノプロのアイアンなので構えやすいのは分かっていましたが、久しぶりに出会ってみて、やはりいいな・・・。と思いました。
適度な大きさはもちろんですが、この『逃がし顔』がたまりません。
言ってみれば、『右に曲げやすい感覚』です。
ネックの形状も良く、左へ引っかけるマイナスイメージが全く浮かんできません。
トップラインも真っ直ぐで、ネックの部分もシュッとしているのがいいです。
ここが太くボテッとしていると、イメージが曖昧になり好感度も下がりますが、このアイアンは色濃くはっきりイメージできました。
適度な大きさなので、ボールが大きく際立ち、浮かんでいるような感覚をもてるのもいいです。
こうして構えただけでワクワクさせてくれるアイアンはそう多くありません。
鏡を見たら、かなりニタニタした顔をしていたと思います。
試打を開始しました

秀逸の打感です。
予想通りとはいえ、このソフトで球持ちの良い打感に一球目から魅了されてしまいました。
一球の重みが違う・・・。といったらいいでしょうか?
練習場の一球毎の単価が安く感じられる・・・。といったらいいかもしれません。
とにかく、一球の大切さといいますか、充実ぶりが違うように感じられました。
もちろん、どのクラブを試打するときも真剣に、そして楽しく行っているのですが、今日はそれが何倍にも感じられました。
私はMP-67というアイアンをずっと愛用していたことがあり、とてもお世話になってきました。
同じMPアイアンでも、32や33ほどのシビアさ、ハードルの高さは無く、マッスルバックの中でも親しみやすさのあるアイアンです。
その構えやすさや操作性の高さなども気に入っていたのですが、打感でいろいろなことを感じ取り、教わってきました。
クラブから得られるものは、とても大きいです。
私の友人や後輩たちから、アイアンでどれを選べばいいか相談されることがこれまでもあり、私はいつもミズノのアイアンを候補のひとつにしています。
それは打感が素晴らしいからです。
打感から、いろいろなことを感じ取ることが『上達への道しるべ』になると思っていますし、打感の良さを味わうことが、ゴルフの楽しみでもあるからです。
もちろん、他にも素晴らしいメーカーはたくさんあります。
それでもミズノは私の中では外せません。
先ほども書きましたが、他のメーカーが『センチのこだわり』であれば、ミズノは『ミリのこだわり』といったところが感じられるからです。
初心者がいきなり、ミズノのアイアンはハードルが高すぎるのではないか?というご意見もあると思いますが、まだ感覚がピュアなときだからこそ、素晴らしい打感を心と体に染みこませるのが大切だと私は思います。
まさに『鉄は熱いうちに打て』ですね。
もちろん、最初からマッスルバックやハーフキャビティは敬遠されるかもしれませんが、ミズノのアイアンはイージー系でも高フィーリングなアイアンがたくさんあるので、ビギナーのうちから、そういうグッドフィーリングなアイアンを使われるのはプレイヤーの感覚を敏感にさせてくれるのではないでしょうか?
今主流の『機能性』『ディスタンス系』アイアンでは得られない感覚が得られ、後々それが大きな財産となります。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といいますか、自然です。
最近は構えたときに浮かんだ出球のイメージと実際の高さが合わないアイアンが多いのですが、このアイアンはベーシックタイプでしっかりと合致してくれました。
昔からある7番アイアンらしいあがりやすさ・高さです。
しかし、あがりやすくなるような工夫も特に感じられないですし、軽量タイプではないので、ヒッター向けなアイアンなのは間違いありません。

『安定性』という点では、マッスルバックらしい正直さがあり、それほど高いとはいえないかもしれません。
この正直さ・そして打感の良さから、このアイアンが中空でないことを再確認しました。
スイートエリアはそれほど広くはないかもしれませんが、スイートエリアでとらえたときの打感の良さがあるので、楽しみが倍になります。
広すぎないスイートエリアが、プレイヤーの感覚や技術を育ててくれるということもあるのではないでしょうか?

『飛距離性能』という点では普通といいますか、本来の7番アイアンらしいタイプです。
最近のアイアンの中では、明らかに『飛ばない』タイプではありますが、この『飛びすぎない』ところに私は魅力を感じています。
もちろん今のアイアンのトレンドは『飛び』なので、それに反しているところはあると思いますし、高い支持は得られないかもしれません。
アイアンでも飛ばしたいという方には魅力的ではないかもしれませんが、私はアイアンに飛びを求めていないので、今でもこういうアイアンに出会うと親近感を覚えますし、ホッとします。
アイアンはボールを飛ばすクラブではなく、『止める』クラブだと思っているからです。
必要な距離を打ち分け、グリーンで確実に止めてくれるのがアイアンの役目だと思っています。
今のディスタンス系アイアンは確かによく飛ぶようになっていますが、ロフトピッチがバラバラで距離の打ち分けが難しいという大きなデメリットが生じています。
ボールも止めにくいです。
これは飛距離と切り離せない問題ですし、だからアイアンの本数が減ってユーティリティやフェアウェイウッドの本数を増やす方が増えてきているのだと思います。
いずれ、アイアンの本数はもっと減るかもしれません。
4番アイアンはもちろん、今は5番アイアンを入れない方も増えてきましたし、メーカーも最初からセットに組み込まなくなりました。

『操作性』は素晴らしく、アイアンでボールを操る楽しみを与えてくれるアイアンです。
打感もそうですが、この反応の良さ・速さがノーマルサイズアイアン、そしてマッスルバック最大の長所といっていいのではないでしょうか?
左右どちらにも敏感に反応してくれましたし、クセが無く小さな力で操作していけるアイアンです。
例えて言うなら、イージー系アイアンでは『5』の力を使って曲げていくとするなら、このアイアンなら『1~2』くらいの力で曲げられる・・・。といった感じです。
もちろん、ボールは曲げたくない。全てのショットにおいてストレートボールを打ちたい・・・。
という方もいらっしゃると思いますが、実際は自分の持ち球を左右どちらかにもっていたほうが楽ですし、おそらくほぼ全ての人が左右どちらかが持ち球になっているのではないでしょうか?
完全なストレートボールが持ち球という方は、かなり少ないのではないかと思っています。
普段は自分の持ち球を活かして・・・。そして左右どちらかに曲げたいときはプレイヤーの意志を汲み取って、イメージ通りの球筋を描いて狙った場所に落としてくれる・・・。というのがアイアンの理想ではないでしょうか?
試打後の感想

試打しながら、やはりミズノのアイアンはいいな・・・。と思ったのですが、正直、過去のモデルとイメージが被るところが多く、どこに新たな技術が加えられて変わったのか、よく分かりませんでした。
実際に打ち比べてみないと分かりませんが、それくらい細かなところにこだわって開発されているんだろうな・・・。と思いました。

先ほど、私は人からアイアンについて訪ねられたとき、ミズノを勧めることが多いと書きましたが、それには条件がひとつだけあります。
それは才能でもセンスの有無でもなく、その人が『練習が好きかどうか』ということです。
練習が嫌いでゴルフも好きではなく、どんなクラブでもいいから欲しい・・・。という人には勧めません。
そういう人は、どのクラブを使っても変わらないと思っているからです。

どんなにパワーがある人でも、ゴルフボールを手で投げて200ヤードも300ヤードも飛ばせません。
また小さなグリーンを狙って運ぶこともできません。
クラブがあるおかげで、そういったことができるのですが、逆にどんなに優れたゴルフクラブも自分では動けません。
プレイヤーの力があってこそ、クラブが活きるのです。
そういった意味で、プレイヤーとゴルフクラブは一心同体といっていいのではないでしょうか?

ゴルフを楽しむためにも、そしてレベルアップしていくうえでも、クラブに対する畏敬の念といったら大げさかもしれませんが、尊重する気持ち、そして親近感と愛着。
これが必要になってくるのではないでしょうか?
カッコいいクラブは難しい・・・。というのは一昔前のものまでで、今はカッコ良くて易しいクラブもたくさんあります。
もちろん、カッコいいというのは人それぞれの主観があるので、どれがとは言いづらいのですが・・・。
尊重し、信頼して愛着の持てるクラブというのは長く付き合っていけますし、プレイヤーの感覚をクラブに染みこませていくことで、ゴルフ場や練習場でも、クラブからの答えを感じ取りやすくなるのではないでしょうか?
そういったことがMPアイアンにはできるように感じています。
もちろん、他のメーカーの素晴らしいアイアンでも同様のことがいえます。

歴代のMPアイアンで球を打ってきて、最近は昔ほどのハードルの高さを感じないですし、むしろハードルを低く下げて親しみやすくしているように感じるのですが、このアイアンもまさにそんなタイプです。
アイアンにあがりやすさや寛容さ、そして飛距離性能を求めておられる方には、かなり合いづらいところがあるかもしれません。
今の主流とはいえないかもしれません。
しかし、アイアンに飛びや必要以上の寛容さを求めておられない方がたくさんいらっしゃるのも事実です。
そういった方に、このアイアンをお勧めしたいと思いました。

打つ前からずっと魅了されていたのですが、打ち終わっても、まだこのアイアンに魅了され続けていました。
好印象がずっと後を引く感じです。
私の今のメインで使っているアイアンはキャビティアイアンなのですが、やっぱりマッスルバックもいいものだな・・・。と思いました。
ミズノの素晴らしいアイアンを試打して、とても楽しい時間を過ごすことができ、大満足です。
また機会があれば、何度でも試打したいと思いながら、練習場をあとにしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年11月07日
ミズノ ST200 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは GM-200 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、トルクは5.2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は301gです。

とてもカッコいいミズノのドライバーです。
全身黒を基調としていて、シブくてミズノらしいです。
ミズノはこういった『王道』といいますか、正統派な感じが似合います。

ソール中央にある、このランバードマークがカッコいいです。
ひと目でミズノだと分かります。
ミズノファンにはたまりません。

ディープタイプではなく、シャロー感があって、ラージサイズのドライバーです。
こういったところはメーカー関係なく、今のトレンドといえるでしょうか?

バックフェース付近に大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
ちょっと前まで、複数のウェイトを配置しているのが普通でしたが、今はひとつが多くなりました。
これもやはり流行のようなものがあるのかもしれません。
いくらウェイトを増やしても、性能や調整しやすさには大きな影響が無いような気もしますし、ヘッドの強度を考えれば、なるべく余計な工夫はしないほうがいいように思います。
ミズノは過去にウェイトを移動できるドライバーを発表していましたが、このドライバーは固定タイプです。

ソールのフェース寄りには大きな溝があります。
これは以前試打したモデルにも見られました。
WAVE TECHNOLOGYという文字があるので、単なる溝ではなく、『波の技術』が取り入れられているようです。

溝の幅や深さも、過去に試打したモデルと変わらないようです。
この深さと幅がベストなのでしょうか?

ネックの長さは標準的です。

ネックには調整システムが搭載されています。

フェース面のデザインが、これまでのモデルと違っています。
『まずます』の質感です。
他のメーカーではあり得るデザインですが、ミズノらしくない感じもします。
フェース下部には『B-TITANIUM』という文字があったので、フェース素材はβチタンが使われているようです。
フェースの素材も今はたくさんありますが、私が愛用しているドライバーはDAT55Gが使われていて、弾きが強くて初速も出るので、本当に助かっています。
飛ばそうとしなくて、ライン出しに重きを置いてショットしても確実に前に運んでくれるので頼もしいです。

今はディープバックタイプのドライバーを見かけることが無く、このドライバーもシャローバックタイプですが、フェース高はしっかりとあるので、ヘッド全体がシャローということではありません。
ディープフェース&シャローバックタイプのドライバーです。
ディープバックタイプには抵抗があるけど、シャローフェースは嫌だという方にも、このようなドライバーは受け入れやすいのではないでしょうか?

顔はまずまずです。
完全な丸顔ではなく、やや三角顔に近いのが意外でした。
ミズノらしくない顔だと思いましたが、これもトレンドなのかもしれません。
クラウンマークを見なければ、どのメーカーのクラブなのは分かりません。
フルチタンではなく、クラウンがカーボンコンポジットになっていて、このようなドライバーが多くなりました。
いずれ見なくなるような気もしますが、数年後にまた流行るのかもしれません。
『逃がし顔』ではなく『つかまえ顔』で、フェースが少し左を向いているように見えましたが、これくらいの顔が今はとても多いので、珍しくはありません。
今回のドライバーは『ミズノらしさ』は少し薄まったような感じですが、その分他のメーカーと歩調を合わせているような印象を受けます。
ホンマやミズノの優位性が今は無くなったのかもしれません。

装着されているグリップはまずまずです。
『可も無く不可も無く』といった感じです。
ソフトさはあまりありませんが、特に不満はありません。
ただこれまでの経験上、このようなタイプのグリップは摩耗して滑り始めるのが早そうです。

素振りをしてみると、予想していたよりもシャフトがしっかりしていて、『ヨレる』感じがしません。
ハードというほどではありませんが軽量感があるので、何度か素振りをしてタイミングを合わせました。
頼りない感じのシャフトではありません。
最近は、このように軽くてもしっかりしたシャフトが多くなったような気がします。

ボールを前にして構えた感じは、なかなかいい感じです。
ヘッドが大きく見えて、球も高くあがりそうです。
少しつかまりそうな感じがしましたが、左が気になるほどではありません。
いつも通り、普通に構えることができました。
見とれるようなことは無かったのですが、何の感情の起伏も無く、淡々とした感じで構えていました。
試打を開始しました

『打感』は柔らかめで、好感が持てました。
ボヤけた感じではなく、しっかりと球の質感を感じることができ、弾き感も強いです。
昔のMPドライバーのような、ソフトでまったりとしたフィーリングではなくなりました。
この打感も今は多いように感じますし、特別変わった感じはしません。

『音』もはっきりしているのですが、高くなく、やや大きめですが特に不満はありません。
周りが気にならず、集中して試打することができました。
表現は良くないかもしれませんが、『繊細さ』というよりは、やや『大雑把』な感じの音だな・・・。と思いました。

『球のあがりやすさ』という点では、予想していたよりも弾道は低めで、低スピン性能も高いです。
構えたときは、もっと弾道が高めで大きな弧をイメージしていましたが、実際はライナー系に近い弾道でした。
とはいっても、球があがらずドロップするというのではなく、しっかりとキャリーも稼いでいけますが、余分な高さを排除した感じ・・・。といったらいいでしょうか?
推進力の強い弾道に好感が持てました。
ヘッドの印象からすると、試打する前は、ヒッタータイプからスインガータイプまで幅広い層に対応しているドライバーかと思いましたが、実際に打ってみると違っていて、明らかにヒッター向けのドライバーです。
叩けるドライバーといいますか、『叩くべき』ドライバーといったほうがいいかもしれません。

『安定性』はまずまずですが、最近の直進性の高いドライバーと比べると、それほどイージーなタイプではないような気もします。
スイングでしっかりとラインを出していかないと、左右にブレるかもしれません。
顔の印象は少しつかまりそうだったのですが、実際に打ってみると、それほど左に行く感じはしませんでした。
スライスに悩んでおられる方には、合いづらいかもしれません。

『飛距離性能』は高いですが、好みがはっきりと分かれると思います。
先ほども書きましたが、明らかにヒッター向けのドライバーで、普段スピン過多に悩んでおられる方の為のドライバーです。
ある程度のヘッドスピードが無いと、ドロップして球が浮ききらないかもしれません。
高弾道タイプではなく、明らかに中弾道のライナー系で飛ばしていくタイプのドライバーです。
山岳コースや丘陵コースでもビギナーの頃からよくプレーしてきましたが、シーサイドコースでのプレーも多く、常に風の影響を考えてプレーしてきたので、このライナー系の弾道はとても心強いです。
『浮力』ではなく、『推進力』が強いドライバーといって過言ではありません。
軽量級のシャフトが挿してあって、これだけの強い球が打てるのだから、もっと重量を増せば、さらに強くて重い球が打てそうだな・・・。と思いました。

『操作性』という点では、それほど秀でている感じはしません。
構えたときの投影感が大きかったせいか、あまり曲げるイメージが出ませんでした。
低スピン性能も高いですが、『つかまり過ぎない性能』も高いので、スライサーの方にはやや合いづらいところがあるかもしれません。
操作するタイプではなく、自分の持ち球で勝負するタイプだと思いますが、このドライバーには調整システムが搭載されているので、それを使えばもっと幅が広がるような気がします。
試打後の感想

昨年試打したモデルも結構タフな印象が残りましたが、このドライバーもなかなかです。
どちらもいいドライバーでミズノらしい高級感がありますが、あえてどちらかひとつ選ぶとするならば、私は去年のモデルかな・・・。と思いました。
しかし、実際に打ち分けていないので詳しいことは分からないですし、また印象が変わるところもあるような気がしますが、今の段階では前のモデルの印象が強いです。

ヘッドには色々な工夫が見られますが、ゴチャゴチャしていなくて、比較的シンプルにまとまっているところに好感が持てます。

色々な易しい工夫がされていても、不恰好になっていないところがミズノらしいです。

このドライバーの最も優れているところは『低スピン性能』です。
今も低スピン系ドライバーは見られますが、それらの中でもトップクラスに位置する性能とポテンシャルをもっています。
先ほども書きましたが、『叩くため』のドライバーです。

性格がはっきりしていて、幅広い層に対応しているドライバーではないので、多くの支持は得られないかもしれませんが、このようなドライバーが必要な方もたくさんいらっしゃると思います。
過去のモデルと比べると、フィーリングは少し後退したような気もしますが、この低スピン性能による推進力の高さは凄いな・・・。と思いました。
ハイポテンシャルなドライバーであることは間違いありません。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年05月05日
ミズノ SURE DD-56 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは MIZUNO SURE DD-56 ウェッジ です。

シャフトは N.S.PRO 950GH HT です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはW-F、バランスはD3、 クラブ総重量は450g です。

最近ではあまり見ないタイプのウェッジです。
全体的な雰囲気も独特です。

トゥ側にあるランバードマークを見て、ミズノのウェッジだということが分かりました。
MPやJPXとは違う、新しいブランドなのでしょうか?
ミズノらしくないウェッジだな・・・。と思ったのですが、幅広いニーズに応えるべく、このようなタイプも開発しているのだと思います。
ミズノのウェッジといえば、先日試打したウェッジを思い出しますが、このウェッジは全く異なるタイプです。

かなり大型のウェッジです。
ウェッジは昔ながらの小顔タイプもあれば、このウェッジのように大顔タイプもあります。
大きさは様々ですが、このウェッジは『最大級』といっていいです。
ちょっとタイプは異なりますが、以前試打したロイコレのアイアンを思い出しました。

キャビティタイプのウェッジです。
最近はキャビティタイプも増えてきましたが、まだまだフラットバックタイプが主流です。
元々ロフトが寝ているウェッジはキャビティにする必要があるのか疑問に思うところもあるのですが、こうして各社がラインアップしているということは、それだけニーズがあるからだと思います。
キャビティタイプのウェッジは珍しくないですが、ここまで大きいフルキャビティはなかなか見られません。

キャビティ部分の広さだけでなく、深さも規格外です。
ヘッドの大きさも最大級ですが、彫りの深さも最大級です。
もうこれ以上はできないというくらい、思い切った設計になっています。
この形状を見て、先日試打したキャロウェイのSURE OUTというウェッジを思い出したのですが、それよりもこちらのほうが、より大きさが増しています。

トップラインの厚さは標準的です。
これだけのラージサイズなので、トップラインも分厚いのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。

ソール幅はワイドですが、ヘッド全体の大きさからすると、これくらいが普通なのかもしれません。

シンプルなソールではなく、工夫がされています。
異材が組み込まれているのかもしれません。

ヒール側には『SLIDE SOLE』の文字があったので、このソールが滑りやすくなるように設計されているということがすぐに分かりました。

このソールのどこが滑りやすくなっているのだろう?と思い、近くでよく見てみました。
ソール自体は完全なフラットというよりは、緩やかな丸みがあります。
ワイドではありますが、滑るというよりはナイフのような鋭さを連想させました。

ソールの中央部が膨らんでいて、やや尖ったようになっています。
これだけのラージサイズなので、こういった工夫は必要なのかもしれません。
こうすることで接地面積が小さくなり、芝の抵抗を減らせそうです。
この工夫も『SLIDE SOLE』の一部なのではないでしょうか?
このソール形状は、FWでいうところの『下駄履きソール』と同じ効果が期待できるのかもしれません。

ネックの長さは適度にありました。
これだけのラージサイズでワイドソールなので、かなり短くしているのかな?と思いましたが、違いました。
標準的な長さです。
この長さにして、適度な重心高が維持できているのかもしれません。

このようなタイプのウェッジは、フェース面がどうなっているのだろう?とワクワクしながら近くで見てみましたが、普通でした。
ミーリングはなく、シンプルです。
ミズノらしい綺麗な仕上がりです。
変わったタイプのウェッジですが、フェース面にチープさは見られませんでした。
フェース面を指で触ってみたのですが、ザラザラ感は無く、どちらかというと『スベスベ感』に近いです。

装着されているグリップはソフトなフィーリングでとても良いです。
このグリーンはミズノでは珍しいですし、オシャレだな・・・。と思いました。
なかなか見ないデザインですが、これも、このウェッジ専用なのでしょうか?
ウェッジはやや大味なところがありますが、グリップは違いました。

ボールを前にして構えてみたら、どうなるのだろう?と思い、構えてみました。
予想が全く立たなかったのですが、正直あまり好みではありませんでした。
私が苦手意識をもつ、強いグースネックタイプではないのですが、魅力的ではないです。
グースは少し利いていて、おまけにちょっと『出っ歯』なタイプです。
このようなウェッジもよく見かけますが、好感はもてませんでした。
ヘッドも大きすぎますし、どう見ても『大味』な感じしか伝わってきませんでした。
いいイメージが浮かぶこともなく、私はちょっと距離を置きたくなり、淡々と見つけていました。
好みの構え感ではないですが、強い苦手意識が芽生えて固まってしまう・・・。というほどでもありませんでした。
私はこの大きさが好きになれないのですが、この大きさが好きで安心感をもたれる方も多いのではないでしょうか?
かなり大きいウェッジではありますが、『度を超した大きさ』ではありません。

これほどの大きさなので、開いて構えるという考えは出にくいのですが、とりあえず開いて構えてみました。
案の定、あまりいいインスピレーションは湧いてこず予想通りでした。
そもそもこれだけの大きさにするということで、『フェースの開閉』を想定していないのかもしれません。
こうして開いて構えるだけで、シャンクのイメージが出たので、すぐに止めました。
私はシャンクに苦い思い出がたくさんあるので、マイナス的なことを考えてしまいます。
いつもはフェースの開閉をしてウェッジを試打するのですが、今日は止めることにしました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずです。
私がウェッジに求めたい打感からは大きく離れているのですが、こういった打感もありなのかもしれません。
球の乗っかり感などは感じず、とにかくヘッドの重さを感じていました。
クラブ全体的には軽量感があるのですが、ヘッドの重量感があります。
これだけの大きさにするのだから、フラットバックタイプではなく、キャビティタイプにするのが正解のような気がします。
これがもしフラットバックタイプであれば、ヘッドが重くなって利きすぎてしまい、バランスが取りづらくなるかもしれません。

『球のあがりやすさ』は普通です。
ラージサイズではありますが、あがりやすさという点では、特に変わったところは見られませんでした。
ソールがかなり滑ってくれるので、左右だけでなく、前後のブレにも寛容なところがあります。
私はこのようなタイプは違和感や苦手意識をもつこともあり、そういったときはダフってしまうことが多くなります。
今日も何球かダフってしまったのですが、それをあまり感じさせない寛容さがありました。
ソールが上手く機能してくれているのは間違いありません。

スピン性能は普通でした。
特別ハイスピンということもなかったですし、逆に大きくほどけてしまう感じでもありませんでした。
ごく普通のスピン性能という感じです。
ボールもキュッと止まるというよりは、コロコロコロと少し足が出て止まる感じです。
『メリハリが利く』というよりは、いい意味での『ダラダラ感』がありました。
これだけヘッドの大きさとヘッドの利きがあるので、もしフェース面にいろいろな工夫をしてスピン性能を高めていったら、かなり急ブレーキを掛けられるウェッジになるのではないかな?と思いましたが、このようなラージサイズはちょっと緩いくらいがちょうどいいのかもしれません。

『安定性』は、かなり高いです。
今発売されているたくさんのウェッジの中で、最も安定性が高いといえるのではないでしょうか?
ノーマルなオートマチックというよりは、『フルオートマチックタイプ』と言った印象をもちました。
スコアラインのあるところにヒットさえすれば、大きなミスにはならないような気がします。
小顔タイプも同じですが、このような大顔タイプは、『さらなるソールの協力が必要』になってくるのは間違いありません。
ソールが上手く滑ってくれないと、ラージサイズの最大のデメリットでもある、『滑りの悪さ』『抜けの悪さ』につながって、ミスヒットを誘発してしまうように思います。
大型には大型の難しさがあります。
特にラフではお手上げ状態になるかもしれません。
それを、このウェッジはソールに工夫を施して回避しているのだと思います。
かなり安定性が高いですが、それは『打感を犠牲にして得られるもの』なのかもしれません。

『距離感』は、まずまずでした。
構え感や全体的な軽さからか、最初のうちは縦の距離が合わなかったですし、先ほども書きました通り、ダフることもありました。
そのダフりをソールが上手くカバーしてくれているのだと思います。
あまり大きなミスにはつながりませんでしたが、とにかく『繊細さ』というよりは、ずっと『大味感』があり、その大味なところで距離を合わせていくしかありませんでした。

『操作性』という点では、『オートマ性』が勝ちすぎてしまい、秀でているようには感じませんでした。
しかし、メーカーもそれをあえて目指しているのだと思います。
私はウェッジでいろいろと遊びたくなるのですが、そういったことをしたい人の為ではなく、とにかく自動的に機械的に寄せていきたい・・・。という方に合いやすくなるように作られているのではないでしょうか?
今日は練習場でしたが、これがもしコースだったとしたら、私はかなりプレッシャーを大きく感じていたと思います。
それくらい、このウェッジの大きさが、私には『脅威』に感じられました。

かなりのイージー系ではありますが、全体的な質感は良く、さすがミズノだな・・・。と改めて思いました。
イージー系でも『雑さ』はなく、ミズノの名を汚していません。

アイアンでは珍しくないですが、ウェッジでここまでの大きさはかなり希有な感じがします。
ヘッド全体の形状はそれほどクセがないですが、これだけの大きさにするには、それなりの理由があるのだと思います。

ドライバーやアイアン・パターなどは大型ヘッドを使っているけど、ウェッジの大きさが足りない・・・。
もっと大きくして、イージーなウェッジが欲しい・・・。
というミズノユーザーからの要望があったのではないでしょうか?

私には『大味』に見えるところでも、人によっては『大らか』という言葉に変わってしまうのかもしれません。
こういったウェッジを待っていた・・・。すぐにでも使いたい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

この大きさと深くて広いキャビティが特徴的なウェッジですが、全体的な性能としては偏ったところが無く、バランスがとれているように思います。
このような大きさだと、変なクセが出てしまうことも多いと思いますが、そうならないようメーカーが最大限の努力をしているように感じられました。

私がウェッジに求めたいところから大きくかけ離れているところが多々あるので、魅力的に感じることはなく、予定通りの球数と時間で試打を終えたのですが、ユーザーの多様化するニーズに応えてくれるメーカーはさすがだな・・・。と改めて思いました。
2019年04月16日
ミズノ The Craft ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは MIZUNO The Craft ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド 120 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、バランスはD4、シャフトフレックスはWEDGE です。

ミズノの新しいウェッジです。
最初MPウェッジなのかな?と思いましたが、The Craftという名前のウェッジです。
市販モデルではなく、特注モデルなのでしょうか?

小さなランバードマークがたくさんあります。
遊び心があるデザインで、好感が持てます。

ヒール寄りには、『DESIGNED BY YORO CRAFTSMAN』と表記されていて、養老工場のクラフトマンがデザインしたのだということが分かりました。
ウェッジの設計家といえば、ボブ・ボーケイさんが有名ですが、個人の名前ではなく、養老工場のクラフトマンということで、また違う意味で魅力を感じます。
クラブを知り尽くしている人たちというイメージをもっています。

シンプルでオーソドックスな形状です。
大きさも普通で、ラージサイズではありません。
ミズノらしい、メッキ仕上げです。
私はピカピカ光らないサテン仕上げのほうが好きなのですが、昔からのMPファンの方は、このミラー仕上げを好まれる方も多いのではないでしょうか?
ミズノは数少ない、『オーダーメイド』を受け付けてくれるメーカーなので、おそらくこのウェッジも、メッキの仕上げ方など自分の好みに合うように指定できるのだと思います。

フラットバックタイプのウェッジです。
今はキャビティタイプも珍しくないですし、いろいろな工夫がされているものが多くなってきましたが、このウェッジにはそのような工夫は見られません。

トップラインの厚みも標準的です。
ミズノらしさが見られます。

ソール幅も標準的です。
トゥからヒールにかけてテーパーになっているものも多いですが、このウェッジはストレートタイプです。

独特なソール形状です。
かなり削り込まれています。
最近はウェッジのソール形状に個性が見られるようになりました。
これまでのミズノでは見られなかったソール形状ですが、これも時代の流れでしょうか?
この形状を見て、ダンロップのアイアンを思い出しました。

ネックの長さもしっかりキープされています。
ミズノらしい『首長美人』です。

ソールには56Tという刻印がありました。
56はロフトだということがすぐに分かったのですが、Tはどういう意味なのでしょうか?

細かすぎて写真では見えづらいのですが、フェース面にはとても細かなミーリングがあります。
指で触ってみたのですが、かなりザラザラ感がありました。

装着されているグリップは、よく見かけるタイプです。
シンプルかつソフトなフィーリングで好感が持てます。

ボールを前にして構えてみると、すごくいい感じです。
『MIZUNO顔』で、とても構えやすいです。
『オートマタイプ』とは違う、『マニュアルタイプの易しさ』を感じさせてくれる顔です。

フェースも開きやすいです。
スーッとヒールから抜いていくイメージが出せました。
ウェッジはカットで使っていきたいことが多いので、このウェッジの構えやすさはちょうどいいです。
試打を開始しました。

まず感じたので、その『強烈なスピン性能』です。
『激スピンウェッジ』といっていいです。
今のウェッジはスピン性能が高くてハイレベルなものが多いですが、それらの中でも、かなりスピン性能が優れています。
フェースがボールによく食いついてくれ、激しいスピンを掛けてくれました。
顔は大人しいですが、かなり食いつきの良いウェッジです。
今は『適スピンタイプ』のウェッジが多いですが、それでは物足りない、もっと激しいタイプの『激スピンタイプ』が欲しいという方は、是非試してみてはいかがでしょうか?
ボールがピタピタと、よく止まってくれました。

『打感』は、とてもソフトです。
ソフトですが、かなり食いつき感があります。
グッと一瞬フェースに乗って、そこから運んでいける感覚です。
球持ちがいいので、さらにコントロール性能があがります。
このウェッジの打感の良さは『情報量の多さ』ともいえます。
このウェッジを『10』だとすると、他の好感が持てないウェッジは『2~3くらい』しか、情報が伝わってきません。

球もあがりやすくて、出球のイメージも合いやすいです。
私はストレートタイプが好きなので易しく感じましたが、グースタイプを好まれる方には合いづらいところがあるかもしれません。

『安定性』という点では普通で、特別寛容なところは感じませんが、『必要のない易しさ』がない分だけ、こちらの思いを伝えやすくなります。
正直さをもっているので、キャビティタイプの寛容さを求めておられる方には、気難しく感じられるところがあるかもしれません。

構えやすくて出球の高さが合うということもありますし、『ボールの乗っかり』がいいので、距離においてもアドバンテージが大きくなります。
この独特の『接触時間の長さ』が、縦の距離感の精度をさらに高めてくれます。
球をターゲットまで運んでいて、これは只者じゃ無いな・・・。と思いました。

『操作性』がとても高く、微妙なショットを楽しめます。
オートマチップタイプのウェッジを好まれる方は、このような扱いやすさは不要なのかもしれませんが、実戦ではマニュアルタイプのほうが、応用が利きやすいので、易しく感じることも多いです。
フェースを開閉しやすいので、いろいろと遊ぶことができました。

このウェッジにはいいところがたくさんありますが、一番印象に残ったのは『スピン性能の高さ』です。
先ほども書きましたが、今のハイレベルなウェッジの中でも、間違いなくトップレベルの性能をもっています。
フェースがすごく仕事をしてくれるウェッジですが、フェースだけでなくソールもよく滑ってくれるので、そのダブル効果でボールにスピンを掛けてくれるウェッジです。

こちらがスピンを掛けようとしなくても、自然に掛けてくれます。
まさに『オートマチックスピン性能』といっていいでしょうか?
このスピン性能は秀逸です。

かなりスピンが掛かりやすいですが、ここまで掛からなくてもいいよ・・・。という方もいらっしゃると思います。
スピンが掛かりすぎて距離感が合いづらいということもあるかもしれません。
人によって好みが分かれるところではありますが、ウェッジにスピン性能と抜けの良さを求めておられる方はとても多いと思うので、そういった方々には是非試していただきたいです。

最初はバックフェースのランバードマークが個性的だな・・・。と思っていたのですが、実際に試打してみると、それが一気に消し飛んでしまうほどの高い性能をもっていました。
これまでもミズノのウェッジは高性能なものが多かったのですが、ここで一気に性能をあげてきたような気がします。
ただ美しくてカッコいいだけでなく、高い実力を兼ね備えているウェッジです。
2019年03月17日
ミズノ MizunoPro フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは グラファイトデザイン TOUR AD GM-1F です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は56g、キックポイントは中調子 です。

ミズノプロの新しいFWです。
これまでドライバーやUTを試打してきましたが、今日はFWを試打する機会に恵まれました。
ミズノのクラブに出会えるのはとても嬉しいことです。
何と言っていいか分かりませんが、背筋がピッと伸びる感じがします。

シャロータイプの美しいFWです。
ヘッドに色々な工夫がされていますが、それがこの美観を壊していません。
機能的でありながら、上質な感じがします。

ネックの長さは標準的です。
こうして見ても、ミズノらしい美しさがあります。

ソールには大きめの溝があり、ドライバーやユーティリティと同じです。

溝の深さも結構ありますが、これもドライバーやユーティリティと変わらないような気がします。
今度機会が合ったら、見比べてみたいです。

『WAVE TECHNOLOGY』も同じです。
ドライバー・FW・UTと、統一感があります。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このSTDのポジションです。

このQUICK SWITCHもお馴染みです。

【ヒール側】

【トゥ側】
ヒール側とトゥ側にある、このウェイトのようなものも同じです。

フェース面の仕上げは丁寧でシンプルです。
ミズノらしい気品と美しさが感じられます。

装着されているグリップも、最近よく見かけるようになりました。
シンプルでありながら、適度にグリップ力があります。

美しいシャローヘッドです。
このシャローヘッドも、今ではスタンダードといっていいように思います。
多くのメーカーが、この形状を採用しています。

顔は、ややつかまえ系に見えました。
ネックのポジションはSTDですが、このつかまえ顔がスタンダードということになるのでしょうか?
ただ、それほど気になることはありませんでした。
日本のメーカーらしい、丸っこい顔をしています。

今はカーボンクラウンが多いので、ひょっとしたら、このクラブもそうなのかな?と思い、近くで見てみましたが、カーボンの模様は見られませんでした。

素振りをしてみると軽量タイプで、シャフトも軟らかいですが、このような振り感は予想していました。
今はソフトスペックが多くなってきています。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
少しつかまりそうな感じがしましたが、違和感があるほどではなく、普通に構えることができました。
クリークということもあると思うのですが、コンパクトなサイズが魅力的です。
ボールの存在感を際立たせているように見えました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトというよりは、少ししっかりした感じです。
ボヤけた打感ではなく、程よい手応えがあり、球の質感を感じ取ることができました。

『音』は、はっきりしていますが、かなり控えめな感じです。
ミズノらしい、品の良さが感じられます。

球はとてもあがりやすいです。
クリークということもあると思うのですが、打ち出しが高めです。
直打ちでも、充分あげてくれました。

『安定性』も高く、イージーです。
シビアさは感じませんでした。
球もしっかりとつかまってくれるので、右にフケにくいところも多くのゴルファーに支持されるのではないでしょうか?

『飛距離性能』も、なかなかいい感じです。
フェースの弾きもいいですし、高めの弾道でしっかりと運んでいけます。
コンパクトなヘッドですが、スイートエリアは結構広い感じがしました。
広いエリアでボールを弾き飛ばしていけるFWです。

『操作性』はいいですが、今のクリークの中では平均的といえるでしょうか?
左右へも反応してくれますが、どちらかといえばドロー系のほうが自然に感じられました。
球のつかまりがいいです。

カッコいい外見ですし、『ミズノプロ』という名前が付いていますが、とても親しみやすい性格をしています。
タフなクラブではありません。

バランスのとれた性能と調整システムが、このFWの大きなウリだと思います。
ドライバーや、このFWもいいですし、先日試打したUTもいい感じだったので、是非アイアンも発売して欲しいです。

MizunoProが登場してきたことにより、MPはもう発売されないのかな?と不安になってしまいます。
毎年秋は、新しいMPに出会う楽しみがあるのですが、ひょっとしたら今年は出会えないのかな?と思いました。

まだ先のことですが、秋には新しいMPにも出会いたいです。

これからもミズノには期待していきたいです。
2019年03月09日
ミズノ MizunoPro ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro ユーティリティ の4番 です。

シャフトは グラファイトデザイン TOUR AD GM-1 です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は63g、キックポイントは中調子、トルクは3.8 です。

ミズノプロシリーズの新しいユーティリティです。
先日試打したドライバーとデザインが統一されていて、一目で分かりました。
ブラックとブルーの組み合わせがとても綺麗です。

オーソドックスな大きさ・形状のUTです。
色々な工夫が見られますが、基本的なところを大切にして設計されているように見えます。
さすが王道をいくメーカーです。

ソールには大きな溝があります。
これはドライバーと同じです。

溝には『WAVE TECHNOLOGY』の文字があります。
クラブとしての番手は違っても、やはりドライバーと同じ思想で設計されているということが分かりました。
メーカーによっては同じシリーズのモデルでも、そのクラブの番手によって、全く変わった形になってしまったりすることもありますが、ミズノはきちんと統一されているので、ドライバーが合えば全ての番手を揃えたくなります。
全ての番手を同じ感覚で打てるのは理想的なことです。


溝の深さは結構あります。
ユーティリティにしては深いほうかもしれません。
溝のあるユーティリティは珍しくないですが、この溝の深さも、メーカーによってまちまちです。
強度的なこともあると思いますが、どれが最適な深さなのでしょうか?

ネックの長さはたっぷりあります。
これもミズノらしい特徴です。
ミズノにショートネックのイメージはありません。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『+2』のポジションです。

ドライバー同様、ヒール側には『QUICK SWITCH』の文字がありました。
このクラブに搭載されている調整システムのことだと思います。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側には、それぞれ小さなビスのようなものがあります。
これもドライバーで見てきました。
ヘッドの大きさからすると、かなり小さいですが、これもウェイトの役目を果たしているのでしょうか?

セミシャローバック形状といっていいでしょうか?
やや薄い感じがしますが、極端な薄さではありません。
今ではスタンダードな形状です。
こうして見ていても、易しさがすごく伝わってきます。

フェース面の仕上げは美しくてシンプルです。
ミズノプロのイメージに合致したフェース面です。
チープさとは無縁な感じがします。

正統派の顔つきをしています。
オーソドックスで、よく見られるタイプです。
最新モデルでありながら、いいところはしっかりと継承されているようです。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでのモデルにも採用されてきました。
シンプルなデザインですが、適度に『凹凸感』もあり、滑りにくくなっています。
雨の日でも活躍してくれそうです。

素振りをしてみた感じは、まずまずでした。
フレックスがSRということもあり、ちょっと軟らかく感じたのですが、素振りを何回か繰り返してタイミングを整えることができました。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
ミズノらしい、男前なクラブです。
このオーソドックスなところに安心感が得られます。
この番手だからだと思いますが、フェース面がよく見えました。
ちょっとだけ『出っ歯』タイプなので、オフセットが効いたものを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
今回はネックのポジションをスタンダードではなく、『+2』にして、アップライトな感じがするかな?と思っていましたが、そんなことはなく、普通に構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめですが、好感がもてます。
心地よい『しっかり感』です。

『音』はとても控えめで、いい感じです。
気持ちよく振り抜いていくことができました。

球はあがりやすく、親しみやすい性能をもっています。
ミズノプロという名前がついていますが、ハードルの高いタイプではありません。
ミズノプロの名に相応しい、上質な易しさをもったユーティリティです。

『安定性』は普通といった感じですが、今は易しいユーティリティが多いので、そういった意味でも、このクラブも易しいといえます。
シビアさは感じられません。
何と言ったらいいでしょうか?
『弾くエリア』が広く感じられました。
ソールにある溝が大きく影響しているのでしょうか?
少々トゥ側でヒットしても、ボールを力強く弾き飛ばしてくれました。

『飛距離性能』は優れています。
『一発の飛び』というよりは、『安定した高弾道の飛び』というタイプです。
オーソドックスな形状のユーティリティですが、見た目以上に球があがりやすく、打ち出しが高いので、キャリーでしっかり攻めていけるタイプです。
フェースの弾きが強く、初速も出ています。
今はハイレベルなUTがたくさんありますが、それらの中でも、かなり上のほうにいるクラブです。
それは、やはりソールの溝(WAVE TECHNOLOGY)にあるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、クラブ自体にクセがなく、どちらにも対応してくれました。
かなり弾きのいいクラブなので、『乗せて操る』という感覚はもてなかったのですが、左右にも対応してくれました。
飛距離性能に長けたUTですが、このクセの無さも魅力のひとつです。
球のつかまりがいいので、どちらかというと私は左に曲げるほうが易しく感じましたが、フェードヒッターの方にもラインを出しやすく親しみやすいクラブといえるのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、見た目以上に易しいクラブです。
MizunoProとなっていますが、ハードルの高さを感じさせない、親しみやすい性格をしています。

クセのない顔なのでラインを出しやすいということもあるのですが、一番感じたのが、その『打ち出しの高さ』『あがりやすさ』です。
少々のことを、この高弾道が上手く吸収して飛ばしてくれている感じがしました。
トゥ側とヒール側にある、小さなウェイトのような物も、上手く機能してくれているのかもしれません。
小さいですが、それがちょうどいい大きさなのかもしれません。
大きなウェイトばかり見てきて、その大きさに慣れてしまったような気もします。

ミズノは好きだけどMPは難しいから、これまでJPXしか使ってこなかった・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
このクラブはミズノプロなのでMPの後継モデルなのかもしれませんが、とても易しくなっているので、JPXユーザーの方にも親しみやすいクラブといえるのではないでしょうか?
敬遠されずに、まずは試していただきたいです。

『易しさ』と『飛距離』が優れているユーティリティです。
やはり、ソールにある溝が大きな効果を生み出しているのは間違いありません。

かなりたくさんの技術を工夫が組み込まれたハイテクユーティリティですが、フィーリングが犠牲になっていないところがミズノらしいです。
全体的に高級感があり、チープさは全くありません。
目でも楽しめるバランスのとれたクラブです。
2019年03月02日
ミズノ MizunoPro MODEL-E ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro MODEL-E ドライバー です。

シャフトは グラファイトデザイン VR-7 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は73g、キックポイントは中調子、トルクは3.0、クラブ総重量は321gです。

ミズノプロの新しいドライバーです。
先日MODEL-Sを試打しましたが、今日は姉妹モデルです。
三兄弟なのかな?と思いましたが、今回のモデルは二兄弟のようです。
昔はミズノも三兄弟を発表していましたが、最近は二兄弟が多いように思います。
調整機能も付いていますし、この2つのモデルで殆どの層をカバーできるということなのではないでしょうか?

ラージサイズでシャロータイプのドライバーです。
先日試打したMODEL-Sとは違います。
MODEL-Sは、かなりのディープでしたが、このドライバーは真逆です。

ネックの長さは標準的です。
実際に見比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらくMODEL-Sと同じ長さだと思います。

MODEL-S同様、ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この9.5のポジションです。
他にも色々と調整できるようです。

ソールにある、この溝も大きな存在感を示しています。

溝には『WAVE TECHNOLOGY』の文字があります。
私は溝に見えるのですが、『波』ということなので、この段差に秘密があるのかもしれません。
物理的な詳しい理論は分かりませんが、先日MODEL-Sを試打して、その効果を肌で感じました。
これは大きなことです。
今はたくさんの高機能なドライバーがあり、色々な工夫がされていますが、それらを実際に試打してみて、その効果を実感できないこともあります(ただ、それは私の感性が鈍いということもあるのですが・・・)。
この溝は違いました。
かなり効果があり、見た目とのギャップを感じさせるほどでした。
飛距離などもそうですが、『易しさ』を向上させてくれる溝だという認識をもっています。
この溝の凹凸を見て、宮崎県にある『鬼の洗濯板』を思い出すのは私だけでしょうか?

深さも結構ありますが、これもMODEL-Sと変わらないように思います。
基本的なところは全て同じで、ヘッド形状だけを変えているのでしょうか?

ヒール側

トゥ側
ヒール側とトゥ側にある、このビスのような物も、MODEL-Sと同じです。
ヘッドの大きさと比べるとかなり小さいので、おそらくウェイトではないと思うのですが、どのような意味があるのでしょうか?
実際はウェイトで、緻密な重量配分がされているのかもしれません。

ヒール側には『MODEL-E』の文字があります。
このドライバーこそ、シャローの『S』ではないかと思ったのですが、違う意味があるのは間違いありません。
EASYのEでしょうか?

シャロータイプのヘッドです。
MODEL-Sが、かなりのディープタイプだったので、まさに正反対です。
今はディープタイプを敬遠される方も多いと思いますし、シャロータイプしか使わないと決めておられる方もいらっしゃると思います。
そういった方々にとって、安心感を与える形状といえるのではないでしょうか?
昔と違い、今は頼もしいシャローがたくさんあります。

シンプルなフェース面です。
美しく丁寧に仕上げられています。
こういったところはさすがミズノです。
今はドライバーのフェース面にも、色々な工夫がされているものが少なくないですが、最新のモデルで採用されていないということは、あまり意味がないということなのかな?と思いました。
意味がないというよりは、必要ないということなのかもしれません。
シャローバックタイプのドライバーですが、フェース高は充分あり、ディープフェースになっています。
今はこのコンビネーションがとても多いです。
昔はディープフェースだと球があがりづらいものが多かったのですが、シャローバックにしたり、他にも色々な技術が進んだおかげで、ディープフェースで易しいモデルがたくさん登場するようになりました。

個性的な顔です。
ヘッド後方の膨らみが目立っています。
かなり大きく見えたので、何の疑いも無く460ccだろうと思っていたのですが、450ccとのことでした。
わずか10ccの違いとはいえ、ここまで大きく見せるのもすごい技術だな・・・。と思いました。
以前も書きましたが、460ccが必ずしもベストな大きさ(ヘッド体積)ではないと思っています。
もっと小さくてもいいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
普段、460ccを使い慣れておられる方も、このドライバーを見て、ヘッドが小さく見えて不安に感じる方はおそらくいらっしゃらないと思います。
そういいきれるほど、このドライバーは大きく見えます。
こういったヘッド体積は色々なことがあり、足並みが揃っていないということもあります。
メーカーによっては、かなり大雑把に感じられるところもありますが、ミズノはかなり『精密で誠実』な造りになっているように感じられます。

素振りをしてみても、タイミングがとりやすくて、とてもいいです。
装着されているシャフトVR-7は初めてですが、とてもいいシャフトだな・・・。と思いました。
VR-6は以前試打したことがあるのですが、このVR-7もすごくいいです。
最初見たときは、正直デザインがもうひとつだな・・・。と思ったのですが、実力はとても高いです。
適度にしっかりしていますが、決して硬いとか『跳ねる』というタイプではなく、まったりと振っていけます。

ボールを前にして構えてみると、やはりヘッドが大きく見えましたし、ヘッド後方の膨らみもよく目立っています。
『つかまえ系』の顔に見えたのですが、このようなタイプでは、これがスタンダードなのかもしれません。
つかまりそうな顔ですが、バルジが丁寧に仕上げられていて、雑な感じがしませんでした。
こういったところは、さすが日本のメーカーといったところです。
かなり細かなところまで配慮されているようです。
ラージサイズでつかまえ系の顔を好まれる方には、頼もしい構えやすさをもっているといえるのではないでしょうか?
試打を開始しました。

『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめですが、好感がもてます。
姉妹モデルのMODEL-Sを試打していたので、この打感は予想していました。
弾き感も強いです。

『音』は、はっきりしていますが、大きくなく控えめです。
インパクトも緩まず、しっかりと振り抜いていけます。
この音にも、綿密な計算がされているのではないでしょうか?
ミズノは決してフィーリングを疎かにしないメーカーです。

球はあがりやすいです。
ロフトは9.5度なのですが、充分過ぎるほどあがってくれました。
見た目通りの高弾道系ドライバーです。
今はシャロータイプのドライバーでも、結構タフな物がありますが、このドライバーは『見た目通りの易しさ』という性能をもっています。
タフさは全く感じられません。

『安定性』は高く、イージーなドライバーです。
スイートエリアも、かなり広いのではないでしょうか?
完全に『点』ではなく、『面』でとらえていけるドライバーです。
安定性は高いですが、決して『真っ直ぐ』だけ飛ばすドライバーではありません。
『安定性してつかまえていける』ドライバーです。
このようなタイプなので、高い弾道とつかまりの良さがあるのは打つ前から想像できていましたが、他の多くのドライバーと違うところは、そのつかまりの良さが『自然』だということです。
自然にスイングの中でしっかりとつかまえて飛ばしていけるといったほうがいいかもしれません。
今の多くのドライバーは半ば『強制的』といいますか、つかまえようとしなくてもつかまってしまう・・・。それが怖いからあえてつかまり過ぎないように無意識に細工をしてしまって、ミスにつながってしまう・・・。ようになっています。
心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ラージサイズのドライバーでプッシュのミスが増えたという方は、今お使いのドライバーがマッチしていないのかもしれません。
このドライバーはつかまりがいいですが、それが極端すぎないところがいいです。
今の多くのラージサイズ&つかまえ系のドライバーは『HI HOOK(ハイフック)』タイプが多いですが、このドライバーはそれよりもちょっと緩和されている感じなので、本来の意味の『HI DRAW(ハイドロー)』タイプのドライバーだと思いました。
私はフッカーなので、つかまりやすいドライバーを苦手に感じることもあるのですが、このドライバーにはそれほど強い苦手意識は芽生えませんでした。
ただ、先日MODEL-Sを試打しているので、どちらが好きか?と聞かれれば、迷わずMODEL-Sを選びます。
これは即答です。
しかし、これはあくまでも私の好みによるものなので、このシャローでつかまえ顔のMODEL-Eのほうが好きだという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

『飛距離性能』も優れています。
弾道の高さとつかまりの良さ。
そして弾きの良さが、このドライバーの大きな魅力です。
ディープタイプのMODEL-Sを試打したときも感じましたが、見た目よりも難しくない、易しい性能をもっているところも、今回のニューモデルに共通した長所だと思います。
易しく飛ばしていける、ハードルが高すぎないドライバーです。
キャリーもしっかり出せますし、滞空時間も長いです。

『操作性』という点では、右に行きにくいドライバーなので、フック系のほうが易しく感じました。
このドライバーよりもつかまりが良く、右に行きにくいドライバーはたくさんありますが、この『自然なつかまりの良さ』に魅力を感じる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
このヘッドもつかまりがいいですし、装着されているシャフトも自然とつかまえてくれるタイプなので、相性は抜群です。
ヘッドとシャフトが反目しあっていません。
このVRシリーズが純正シャフトなのかと思っていたのですが、違うシャフトなのだという説明を受けました。
VR-7はカスタムなのだそうです。

前のモデルも良く出来ていましたが、さらに『自然な易しさ』が加わったような気がします。
易しいけど、それが度を越していない・・・。といいますか、『自然な易しさ」という言葉が合うドライバーだな・・・。と思いました。

たくさんのパーツが組み合わさった機能性の高いドライバーはたくさんありますが、その工夫が却って邪魔に感じることもあります。
しかし、このドライバーにはそういったことは感じませんでした。
ゴチャゴチャしていたり、仕上げが雑で、ニューモデルでありながら塗装が剥げてしまっているものにも出会ったことがありますが、このドライバーはそんなことはありませんでした。
設計・製造だけでなく、最終的な検品も厳しく行われているのだと思います。
まさに『目の届くモノづくり』といったらいいでしょうか?
確かなモノづくりで、私たちユーザーに優しいメーカーといえます。

かなり綿密に細かいところまで配慮されているのではないでしょうか?
イージー系のドライバーですが、大味なところはありません。
むしろ繊細で、ミズノらしい美しさが見られます。
機能美をもったドライバーです。

つかまりのいいドライバーですが、私にはここまでのつかまりの良さは必要ありません。
しかし、こういった工夫は今のニーズに合っていると思います。
球のつかまりがいいドライバーなので、スライサーの方にも是非試していただきたいです。
このままでもいいと思いますが、調整機能を使えば、もっとマッチしやすくなるのではないでしょうか?
幅広い層に対応していけるドライバーです。

易しいけど、その易しさがマイナスになっていない、ミズノプロの名に相応しい名器といえるのではないでしょうか?
ミズノらしい贅沢なドライバーを充分堪能させてもらい、楽しい気分で練習場を後にしました。
2019年02月24日
ミズノ MizunoPro MODEL-S ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro MODEL-S ドライバー です。

シャフトは 三菱ケミカル Diamana DF60 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.8、クラブ総重量は311gです。

待望のミズノニュードライバーです。
前のモデルのことは今でも強く印象に残っているのですが、もう2年近くなるのかと思うと、とても早く感じられます。

MizunoProのロゴがカッコいいです。
昔からのミズノファンにはたまりません。
これからはもうMPではなく、MizunoProでいくのでしょうか?

小振りで厚みのあるヘッドです。
今時珍しいですが、こういうタイプが必要な方もたくさんいらっしゃると思いますし、色々なタイプのクラブがあったほうが、選択肢の幅が増えて嬉しいです。
ミズノらしく丁寧で、高級感のある造りになっています。
ソールを見ただけで、機能性のあるデザインだということが分かりますが、ミズノのクラブは『カッコ良さ』『美しさ』を失くしてはいけません。
他の多くのメーカーに比べ、最初からハードルが高いところがミズノにはありますが、それは仕方ありません。
昔からカッコ良くていいクラブを造り続けてきたメーカーの宿命といえるのではないでしょうか?
カッコ悪くなったり、性能が落ちてしまえば、それはメーカーの力が衰えたことになるのかもしれないですし、私たちファンの期待を裏切ることにもつながります。
こういったハードルの高さをもったメーカーはミズノだけでなく、数社あるのですが、ミズノは常に『正統派』でいて、真っ向から勝負して欲しいです。
そういった意味でも、このドライバーはとても好感が持てます。


このドライバーで目立つのは、何と言っても、この溝です。
これまでのモデルにも採用されていますが、今回は新たにブルーにして、目立たせるデザインになっています。
これは視覚的効果を狙っているのだと思いますが、黒と青の相性はとてもいいです。
ヘッドに色々な工夫や装飾をすると、逆にチープに見えてしまったり、カッコ悪くなってしまったりすることがありますが、このドライバーにはそれが当てはまりません。
機能性がカッコ良さを邪魔していません。
クラブは、まず『目で楽しみたい』と私は思っているのですが、そういった意味でも、このドライバーは好感が持てます。
充分、目で楽しませてくれていて、私の口角は『あがりっぱなし』です。
この『打つ前のひととき』がとても大切な時間です。
『クラブに語りかける時間』といっていいのかもしれません。

溝の深さは結構ありますが、だいたい平均的な深さだと思います。
深さよりも『幅』が特徴的です。

溝には『WAVE TECHNOLOGY』の文字がありました。
これも前のモデルで見られました。
基本的なコンセプトは変わらないのかもしれません。
私には溝に見えるのですが、『波』という解釈のほうが正しいのでしょうか?

ヒール側

トゥ側
ヒール側とトゥ側には、それぞれひとつずつビスのようなものがあります。
これは一体、どういった効果が期待できるのでしょうか?
ひょっとしたらウェイトなのかな?と思いましたが、ヘッドの大きさに対して小さすぎるので、おそらくウェイトではないと思います。
何か他の意味があるのだと思いますが、私は分かりません。

ネックの長さは標準的です。
こうして見ても何とも言えない魅力があり、しばらく見つめていました。

ネックには調整システムが搭載されています。
初めてミズノに採用されたときは驚きましたが、今ではすっかり見慣れました。
調整システムに対するニーズが高まり、メーカーがそれに応える形になっているのではないでしょうか?

ヒール側には『QUICK SWITCH』の文字がありました。
これは調整システムのことだということがすぐに分かりました。
専用の工具を使えば、素早く交換できるのだと思います。

9.5
試打するのは、この『9.5』のポジションです。
他にも

8.5 7.5

8.5U

9.5U 10.5U

11.5

10.5
というようになっていました。
かなり細かく設定できるようです。
この調整システムも、前のモデルに搭載されていました。

ディープバックタイプのヘッドです。
ここまでディープなのは、今では珍しいように思います。
セミディープまでは見たことがありますが、このようなディープ形状は懐かしいです。
一昔前までは普通に見られましたが、今は圧倒的にシャロータイプが多いので、ある意味『希少』といっていいのかもしれません。
しかしディープタイプが好きな私はついつい見とれてしまいましたし、挑戦意欲も掻き立てられます。
シャローバックでバックフェースにウェイトが装着されていると、お尻(ヘッド後方)がどうしても重くなり、インパクトのときにフェースが上を向いてしまいそうな感覚をもつことも多いですが、このようにディープバックだと、インパクトのときにもお尻が垂れずに、そのまま真っ直ぐ振り抜いていけそうなイメージが出せます。
今のドライバーは『ロフト以上』にあげてくれるドライバーが多いですが、このドライバーは『ロフトなり』にあげてくれそうだな・・・。と思いました。
今はシャローバックタイプが全盛ですし、ディープバックタイプを敬遠される方は多くいらっしゃるかもしれません。
そういった意味では、幅広い層をターゲットにしている感じはしませんが、『コアな層』に受け入れられやすいのではないでしょうか?

ディープバックというだけでなく、かなりのディープフェースであることが分かりました。
今はディープフェースのドライバーが増えてきましたが、ここまでフェース高が高いのは珍しいです。
フェース面が『四角』ではなく、『丸』に近づけて、反発力を高めているドライバーは昔からありました。
ミズノのドライバーでいえば、昔試打したことのある『S-1』というドライバーを思い出しました。
黒を基調としたフェース面に白のスコアラインがよく映えています。
艶消しなところがたまりません。
いかにも弾きが良さそうです。

ヒール側には『MODEL-S』という文字がありました。
Sなので『シャロー』を連想してしまいますが、このドライバーはどう見ても『D(ディープ)』です。
このSには、どんな意味があるのでしょうか?

とてもいい顔をしています。
かなり好みです。
バルジがよく効いていて、今時珍しい『逃がし顔』です。
今はトゥ側が主張しすぎている『つかまえ顔』が多いですが、このドライバーは真逆なタイプです。
スライサーの方には、あまり好感をもたれないかもしれませんが、フッカーの私にはとても魅力的な顔です。
この顔も前はよく見られましたし、懐かしい思い出が蘇ってきます。
このドライバーは最新モデルでありながら、どこかクラシカルなところもあります。
こういった昔のいいところを表現しているのも、ミズノの狙いなのではないでしょうか?

装着されているグリップは、とてもシンプルなものです。
ヘッドにたくさんの工夫がされていますし、調整機能も搭載されているので、このようなシンプルグリップでバランスがとれているのかもしれません。

素振りをしてみると、とてもいい感じでした。
装着されているシャフトは初めてだと思うのですが、走りすぎることもなく、安定しています。
久しぶりにディアマナに出会い、テンションがあがりました。
昔、スリクソンのZR-30に『青マナ』を挿していたことがあるので、懐かしく感じられます。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
クセのない、整った顔。
バルジが利いていて、『和の顔』ともいえます。
最新ドライバーであっても、この構え感は昔からたくさん経験しています。
『いい時代』のクラブによく見られました。
少し小ぶりですが、それほど小顔感はありませんでした。
460ccでないのは明らかでしたが、投影面積は結構ありました。
このクセのない、いい顔はさすがミズノといった感じです。
ミズノのクラブは美しくてカッコよくなければならない・・・。と私はずっと思っていて、それを実現しつづけてくれているミズノに感謝したいです。
ミズノはファンを大切にしているメーカーといえるのではないでしょうか?
最新のトレンドには注目していくけど、決して自分たちの『屋台骨』を失わない、芯の強さのようなものを感じます。
今はフェースが被って見えるものが多いので、このようにトゥ側が主張していないドライバーは珍しいですが、ラインはすごくイメージしやすいです。
左へ引っかけたり巻いてしまったりするマイナスイメージは浮かんできません。
先ほども書きましたが、スライサーの方には右方向への不安がよぎるかもしれません。
人によって好みが大きく分かれると思いますが、私はとても気に入りました。
この美しい顔に、しばらく見入っていました。
試打を開始しました。

『打感』は、ややしっかりめでしたが、ブレない感じです。
しっかりと押していけるフィーリングといったらいいでしょうか?
力が逃げる感じではありませんでした。
ソールにある溝もそうですし、シンプルで美しいフェース面にも、色々な工夫がされているのではないでしょうか?
ヘッド内部の、外からは見えない部分にも色々な工夫がされているのだと思います。
『バネの利いたフィーリング』といったらいいでしょうか?
押して弾け飛ぶようなフィーリングでした。
昨年試打してとても気に入った『あのドライバー』のことを思い出しました。

『音』は、はっきりしているのですが、大きすぎず高すぎないので、好感が持てます。
品のいい音です。
上質なエグゼクティブ感のある音といったらいいでしょうか?
気持ちよく振り抜いていくことができました。

『球のあがりやすさ』という点では、見た目通りタフなドライバーであることに変わりないのですが、予想していたよりも『最初の打ち出し』が高く、不思議な感覚がありました。
打つ前は、もっと低めのライナー系をイメージしていました。
しかし、実際は違っていました。
この高さはどうしてなんだろう?と思ったのですが、おそらくソールにある溝が大きく関係しているだろう・・・。と思いました。
やはり、あのドライバーに似ているな・・・。
見た目の印象よりも、ずっとあがりやすく、いい意味でのギャップがあります。
その、『あのドライバー』というのは、BB4ドライバーのことです。
予想よりも高くあがっていったのですが、『スピン過多』ではなく、『適正なスピン』という印象をもちました。
吹き上がり感はなく、強く前に進んでくれます。
今日試打したのは『9.5』なのですが、調整機能を使って、もっとロフトを立ててみたいと思いました。
どのような弾道になるのか興味がありますが、まずはこの『9.5』で試してみられるのがいいのではないでしょうか?
ヒッター向けのドライバーなのは間違いないですが、そのハードルは決して高すぎません。
ソールにある溝がすごく仕事をしてくれているように感じました。

『安定性』という点では、このようなディープなタイプなので、それほど高いものは望めないのかもしれません。
しかし、かなり弾きがいいので、曲がる前に飛ばしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
インパクトでしばらくフェースとボールがくっついてサイドスピンが掛かるイメージではなく、そのくっつく前に既に弾き飛ばしていく・・・。という印象をもちました。
ミスに対しての寛容さや高い直進性を求めるタイプではないですが、昔の同じようなディープタイプのドライバーと比べれば、はるかにハードルが下がって、親しみやすくなっているように感じます。
フェース高があって丸っぽい形状なので、ボールをうまく包み込んでくれて弾き飛ばしてくれる感覚です。
弾きの良さなども凄いですが、『易しさ』『親しみやすさ』が印象深く残りました。
装着されているシャフトもすごく仕事をしてくれていると思います。
普通に打っている限り、暴れることはなく、大きなミスにはつながりにくいように感じました。
構えやすさと、ヘッドの易しさ。そして高性能なシャフトの力が合わさって、この親しみやすさにつながったような気がします。

『飛距離性能』は高いです。
期待していた通りでした。
前のモデルである、MP TYPE-1を試打しているので、それと比べてみるとどうかな?と思っていたのですが、とてもよく似ていました。
ほぼ同じ飛距離性能といっていいと思います。
大きな溝が共通した特徴で、基本的な造りなどは殆ど一緒なのかもしれません。
正直、すごく距離が伸びたとは思いませんが、高いポテンシャルを発揮してくれていますし、弾きの良さはこちらのほうが上のような気がします。
実際に打ち比べていないので詳しいことは分かりませんが、もし打ち比べてどちらかを選ぶとすると、私はこのニューモデルを選ぶと思います。
これまでも書いてきましたが、必ずしも最新=最高ではないですが、このドライバーは前のモデルよりも、少し進化しているといいますか、性能がプラスされているように感じました。

『操作性』という点では、好感が持てました。
左右に曲げることは難しくないですが、いわゆる『球持ち』がそれほどいいドライバーではなく、『球離れ感』があるので、昔のような『乗せて運ぶ』というイメージではありませんでした。
フェースのバルジが利いていて、やや逃がし顔なのですが、球もつかまえやすいです。
今の多くのドライバーは『フェースターン』が難しくなっていて、あえてそうしないようになっていますが、このドライバーは昔ながらの打ち方をさせてくれるドライバーです。
しっかりとフェースコントロールをして、ボールに接していくことができます。
私はフッカーですが、最初からほぼストレートに近い感じの、いい球を打たせてくれました。
これは明らかに、ドライバーの性能によるところが大きいです。
右に曲げるのも難しくありませんでしたが、私はドロー系のほうが自然に感じられました。
つかまえやすいですが、つかまり過ぎないところも魅力です。

小振りなドライバーらしく、反応の良さがありますが、左右に大きくブレて安定しない・・・。ということにはなりませんでした。
最初から最後まで、ずっと安定して飛ばしてくれました。
ディープなタイプで、とてもカッコいいドライバーですが、そのハードルはそれほど高くないドライバーです。

様々なハイテクが搭載されていますが、それが嫌味になっていないところがミズノらしいです。
ミズノはパーシモンもありましたが、元々はやはりアイアンが得意なメーカーだと思います。
しかし、昔はミズノプロ300Sなど、一世を風靡したドライバーも発表していますし、たくさんヒット商品を世に送り出しています。
このドライバーもそんな雰囲気が感じられます。
カッコいいですが、ハードルが高すぎないのがいいです。

一番印象に残ったのは、先ほども書きましたが、『弾道の高さ』です。
予想していたよりもずっと打ち出しが高かったので、それが強く印象に残りました。
ティの高さをちょっと低くしてみたりもしたのですが、それでもいい感じでボールを拾ってくれました。
フェースを縦に使えるドライバーです。
こういったところは、ディープフェースの長所です。
シャローフェースでは、なかなかこういったことができません。

今日は9.5で試打しましたが、調整機能を使えば、また違う性能になると思いますし、ロフトを変えれば、また難しさも出てくるように思います。
調整機能も凄いですし、ソールにある、青くて大きな溝がすごく仕事をしているように感じました。
これまで溝のあるドライバーをたくさん試打してきて、それほど効果を実感できないことがたくさんあったのですが、今日はその溝の存在感が強かったです。
前のモデルにも同じような溝がありましたが、そこからさらに改良が加えられているのでしょうか?
このようなディープな形状を敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、難しすぎないドライバーなので、多くの方に試していただきたいです。
ラージサイズでシャロー過ぎるドライバーはどうしても馴染めない・・・。
バルジが真っ直ぐに近くて、フェースが被っているのは苦手だ・・・。
昔のようなコンパクト感と『塊感』があって、カッコいいドライバーを使いたいけど、難しすぎるのは嫌だ・・・。という方には特にお勧めしたいドライバーです。
『難しすぎない』というのも『性能の一部』だと思いますし、このドライバーはその性能をもっています。
本格的なゴルフシーズンはもうちょっと先ですが、このドライバーで新たなシーズンを迎えることができたら楽しいだろうな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
また何度でも試打したい、魅力的でミラクルなドライバーです。
2018年06月08日
ミズノ GX FORGED アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ GX FORGED アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO 950GH HT です。
ロフトは29度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS です。

ミズノGXシリーズのアイアンです。
GXシリーズのアイアンを試打するのは初めてなのですが、こうして見ているとJPXシリーズのようにも見えます。

かなり易しそうな印象を与えてくれます。
『易しさ全開』といった感じのキャビティアイアンですが、形が崩れていないところがいいです。
さすがミズノです。

彫りの深さもたっぷりあります。

こうして見ていると、『ポケット』というよりは、『大きなアンダーカット』に見えます。
このようなタイプは珍しいです。

トップラインは少しだけ厚く見えましたが、気になるほどではありませんでした。

ソール幅もややワイドではありますが、今のアイアンの中では平均的なほうだと思います。

ネックはやや短めですが、この長さも今のアイアンらしい特徴といえます。
『首長(くびなが)美人』のアイアンを最近は見なくなりました。

ホーゼルには『GF FORGED 1025 BORON』の文字がありました。
ミズノではお馴染みの工夫です。
単なる鍛造ではなく、素材や性能にこだわり抜いているのだと思います。
ミズノのこだわりが感じられます。
メーカーによっては、アスリートモデルに比べ、いわゆる『イージー系』になると、その質や精度が落ちてしまう物もあるのですが、ミズノにはそういったマイナスは見られません。
ミズノのクラブに出会う度に、いつも『作り手としてのプライド』を感じます。
このようなメーカーは、そう多くはありません。

フェース面にミーリングはありませんでした。
均整のとれた美しいフェース面です。
アイアンを知り尽くしたメーカーであるミズノがミーリングを採用しないということは、それだけ効果が認められないということなのでしょうか?
これまでも書いてきましたが、私はルールに違反する『角溝』は求めていませんが、ルールに違反しない範囲での『フライヤー対策』が欲しいと思っているので、ミズノにもフライヤーになりにくいアイアンを作って欲しいと思っています。

装着されているグリップは、ソフトというよりはしっかりとしていてグリップ力のあるタイプです。
雨でも優れたパフォーマンスを発揮してくれそうです。
場所によってパターンの異なるタイプです。
最近はよく見かけます。
バックラインがありました。

素振りをしてみた感じは、まずまずでした。
軽量タイプのアイアンですが、GXやJPXシリーズでは、これがスタンダードといえるでしょうか?
試打クラブにはカーボンシャフト装着モデルもあったのですが、私は迷わずこのスチールシャフト装着モデルを選びました。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
グースが利いていますが、利きすぎていないので、苦手意識は芽生えませんでした。
トップラインも真っ直ぐではなく、少しカーブしているので、包み込むイメージを出しやすいという方も多いのではないでしょうか?
逃がすイメージが欲しい方には、やや構えづらいアイアンといえるかもしれませんが、形が崩れていなくて嫌味のないところがミズノらしい特長でもあります。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
すごく柔らかいというよりは、やや『しっかりめ』な感じです。
『乗っかり感』は無いですが、大きな不満はありませんでした。
形状に合ったフィーリングだな・・・。と思いました。

球はとてもあがりやすいです。
球も浮きやすく、かなり高くまであがっていきました。
最近のアイアンにいえることですが、ここまであがりやすくなっていると、『ロフトの概念』も揺らいできそうです。
ロフトが立っていても、これだけのあがりやすさがあるのであれば、ロフトはあまり気にしなくてもいいのかな?と思えてきます。
もちろん、それにはメーカーの深い研究とたゆまぬ努力によるところが大きいのは間違いないと思うのですが・・・。
『あがりやすさの為』のロフトではなくて、『飛距離の為』のロフトと、今はいえるでしょうか?

『安定性』は、かなり高くイージーです。
大らかさのあるアイアンです。
ミズノのアイアンはシビアなタイプから、このようなイージーなタイプまで、幅広いです。
そして、それらに共通しているのは、『質の高さ』です。
シビアさなどは変わっていても、質の高さは変わりません。
信頼できるメーカーのクラブというのは、それだけで価値が高まります。

『飛距離性能』も優れていました。
完全に『飛び系』のアイアンです。
しかも『易しく飛ばしていける』特長をもっています。
昔からの伝統と技術の高さを誇るミズノは、先ほども書きましたが、『アイアンを知り尽くしているメーカー』といっていいと思いますし、その研究はこれから先も決してやむことはないと思っています。
私はこれまで、MPアイアンにはすごくお世話になっていて、その良さを肌で感じているので、私なりのミズノに対する印象があります。
本来は、このような『飛ぶ』アイアンは作りたくないのではないかな?と思いました。
ミズノも、おそらくアイアンは『正確に距離を刻むクラブ』という認識をもっているのではないでしょうか?
しかし、時代の流れと共にニーズも多様化しているので、それに対応する為に、このような飛距離の出るアイアンも作っているのではないか?と思っています。
7番アイアンとは思えないほど遠くへ飛んでいく球を目で追いながら、そのように感じていました。
しっかりとキャリーを出していけるアイアンです。

『操作性』は、まずまずでした。
『オートマチック性』が高いですが、左右にも曲げることができました。
イージー系のアイアンですが、『大顔過ぎない』のがすごくいいです。
イージー系でも大顔すぎると、かなり扱いづらくなりますが、このアイアンにはそういったことはありませんでした。
このアイアンの特長でもある『オートマチック性』を活かしていくほうが自然だと思いますが、左右にも対応してくれたので、実戦でも頼りになるだろうな・・・。と思いました。

ミズノらしい、高い質と美しさをもったアイアンです。
イージー系ではありますが、カッコ良さも失われていません。
雑な感じもありません。

チープなところは全くなく、『易しさの中にある美しさ』を目で感じとることができました。
車に例えると、マッスルバックを『ハードトップタイプの美しさ』だとすると、このアイアンは『セダンタイプの美しさ』といえるでしょうか?
『寛ぎ感のある易しさ』といっていいかもしれません。
GXシリーズのアイアンは初めてですが、これからもこのようなタイプでいくのでしょうか?

易しさだけでなく、飛距離性能も優れているので、今のニーズに完全にマッチしていると思います。

これまでドライバーやFW・UTと試打してきて、今日はアイアンを試打することができました。
GXはミズノでは新しいブランドなので、その方向性がまだ見えずにいましたが、今日こうしてアイアンを試打することができて、やはりJPXに近い性質をもっているのだということが解りました。

易しさは充分すぎるほどありますが、形が崩れていなくて、ミズノらしい質感もあるので、これまでのミズノファンの方にも受け入れられやすいのではないでしょうか?

ミズノには、これからも私たちファンを魅了する素晴らしいクラブを造り続けて欲しいです。
2018年04月12日
ミズノ GX ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ GX ユーティリティ の4番 です。

シャフトは MFUSION U カーボンシャフト です。
ロフトは21度、クラブ長さは40インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は52g、トルクは4.9、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は326gです。

ミズノGXシリーズのユーティリティです。
これまで、ドライバーとフェアウェイウッドを試打してきたのですが、今日はユーティリティを試打する機会に恵まれました。
ミズノらしい美しさと丁寧さがありながらも、機能性も感じさせるデザインです。
MPのような雰囲気を残しながらも、機能的にはJPXに近い感じがします。

シャロー感のあるヘッドです。
こうして見ていると、ソール形状の平らな部分が多いことに気づきました。
これはメーカーによっても違いがあって、丸っこい物や接地面積を減らすために段差になっている物もあります。
このクラブの場合は平らなタイプです。
接地面積の小ささというよりは、ソール全体を滑らせて使っていく・・・。という感じでしょうか?
ゴルフクラブにも色々と特徴があって、ソールの前の部分(フェース寄り)を使っていきたくなるタイプと、中央部分を使っていきたいタイプ・そして後ろの部分(バックフェース寄り)を使っていきたいタイプに分かれます。
このクラブは中央部分を使っていきたくなる形をしています。

ネックの長さは適度にありました。
最近のUTでは、長いほうです。
ネックには調整機能は搭載されていませんでした。
これは先日試打したドライバーやフェアウェイウッドと同じです。
MPには調整機能が付いたモデルもありましたが、このニューシリーズのGXには搭載されていません。
ミズノは調整機能を搭載しないようにしたのでしょうか?
それとも、また新たなモデルでは搭載されるのでしょうか?
今は以前ほど、調整機能へのニーズも高まってはいないように思います。
確かに便利な機能だけど、それほど使っていない・・・。という方もいらっしゃると思いますし、調整機能は付いているけど、肝心なヘッドの性能が魅力的でないクラブも少なくなかったからではないでしょうか?

ソールにはウェイトがひとつだけ配置されていました。
これもドライバーやFWと同じです。
番手が違うので、当然大きさや形なども変わってきますが、同じシリーズということもあり、基本的なコンセプトは同じようです。
クラブによっては、同じシリーズでも番手によって、ウェイトが付いていたりいなかったり・・・。といった違いが見られる物もありますが、このミズノのGXに関しては同じです。
数字は刻印されていなかったので、重さは分かりませんでした。
交換するタイプではないのかもしれません。
最初からウェイトを交換する目的で造られたタイプであれば、このままでもいいと思うのですが、もし交換しないタイプだったら、ウェイトをウェイトに見せないような工夫があってもいいのかな?と思いました。

フェース寄りには溝がありました。
これもドライバーやFWと同じです。
『WAVE TECHNOLOGY』の文字がありました。

溝の深さは、結構ありました。
今は溝のあるドライバーやFW・UTはよく見られますが、それぞれ溝の深さはバラバラです。
どれが一番いい深さなのかは答えがでていないのかもしれないですし、ヘッドの形状やフェースの厚みなど、色々な要素が絡み合うのかもしれません。
このUTの溝は、先日試打したFWと同じような深さです。
今度機会があれば、見比べてみたいと思います。

バックフェースにはウェイトのようなものがありました。
これもドライバーやFWと同じです。
さすがミズノ。丁寧に造られているな・・・。と思いました。
ミズノにチープなクラブは似合いません。
とはいっても、以前(ずいぶん前ですが)JPXであまり魅力的でないクラブに出会ったことがあります。

フェース面はシンプルなデザインです。
すごく丁寧で美しいフェース面です。
雑な感じは全くありません。
国内メーカーの丁寧さ・・・。といったらいいでしょうか?
このフェース面を見ているだけでも、これからこのクラブで球を打つことが、どれだけ恵まれていることか・・・。どれだけ贅沢なことなのか・・・。と思えてきます。
気持ちもノってきます。
ドライバーやFWとデザインは違っていました。
UTが一番シンプルです。

セミシャロー形状といっていいでしょうか?
よく見られる形状ですし、球があがりやすそうです。
UTはそれほどヘッド体積を大きくできないので、ドライバーやFWのような『超シャロー』は造りづらいのかもしれません。
直打ちするクラブは投影面積が大きくなりすぎてしまうと、難易度があがってしまいます。

顔はいい感じです。
高級感もあって、美しい顔です。
ミズノらしい美顔ですし、ドライバーやFWを試打したので、この顔はだいたい予想していました。
ちょっとつかまりが良さそうな顔だな・・・。と思いながら見ていたのですが、先日試打したキャロウェイのUTよりはクセがきつくないように感じました。

装着されているグリップは、場所によってバターンの異なる機能的なタイプです。
これまで試打してきたモデルと同じです。
ソフトなフィーリングと、適度なグリップ力が魅力です。

素振りをしてみると、かなりの軽量感があり、シャフトがよく動く感じがしました。
フレックスはSRということですが、かなり軟らかい部類に入るような気がします。
コンパクトにゆっくり振る感じで打っていくことにしました。
普通に振ってしまうと結構暴れそうなので、抑えていくくらいがちょうどいいように感じました。
黒い色で形も整っているので精悍さもありますが、この振り感だと、スインガータイプの方を対象にしているのかな?と思います。
これはドライバーやFWと同じ感じです。

ボールを前にして構えてみると、好感がもてました。
とても構えやすいです。
コンパクトというよりは少し大きく見えたのですが、この大きさと整った顔に安心感をもたれる方も多いのではないでしょうか?
クセのない安心感といったらいいでしょうか?
ソールを見るとかなり機能的な感じがしますが、こうして構えたときにシンプルでイメージが出しやすいのがいいです。
構えやすさはとても大切な性能の一部です。
リラックスして構えることができるか、それとも不安を感じ緊張して構えるかでは、ショットの内容も大きく変わってきます。
アドレスしたときに不安を感じてしまっては、殆どがミスショットになってしまいますし、仮にナイスショットが出たとしても、それも本来はミスといえるのかもしれません。
イメージと実際の相違があるということは、それは成功とはいえないような気もします。
理想はイメージと実際の弾道がピタッと合致することですが、それはなかなか難しいですし、それを埋めていくのが練習だと思います。
とはいっても、私はいつもラッキーだけのゴルフで、運に支えられているのですが・・・。
ミスしても結果オーライなことが多いです。
このクラブの場合はとてもリラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
このクラブの見た目の美しさにマッチしたグッドフィーリングです。

『音』は高めですが、とても控えめな感じで好感がもてました。
インパクトが緩むこともなく、振り切ることができましたが、少し左耳に音が残る感じがしました。

球はあがりやすいです。
カッコいいUTですが、タフなタイプではありません。
かなり親しみやすい性能をもっています。
このハードルの低さも、GXシリーズの特徴といえるのではないでしょうか?
球を拾いやすく、自然な感じであがっていきました。
テーラーメイドのRBZやSLDRに出会い、ソールのフェース寄りにウェイトがあるクラブは重心が浅くなって低スピン性能が高くなり、タフな物が多い印象があったのですが、最近のクラブに出会い、必ずしもそうではないと実感しています。
もちろん、バックフェース寄りにあるよりもフェース寄りにあるほうが、重心が前に来るので浅くなると思うのですが、タフなクラブばかりではないように感じています。
このGXユーティリティも、そんな感じでした。
球のあがりやすさ・弾道の高さは維持しつつも、バックスピンが増えすぎないようにしているのかもしれません。

『安定性』は、なかなか良いです。
シャフトがかなりソフトスペックなので、打つ前は少し不安を感じ、コンパクトに振るよう心がけたのも良かったのかもしれません。
普通に打っている限り、曲がる感じはしませんでした。
狙ったラインに乗せていきやすく、しっかりと方向性を出していけるUTです。

『飛距離性能』は高いです。
今のイージー系UTの中では、高い部類に入ると思います。
弾きが良く、初速が速いです。
球がよくあがるので、少し軽いように感じましたが、しっかりとキャリーは出ていました。
球が浮きやすいのも、このクラブの特徴です。
やはりヒッタータイプの方よりは、スインガータイプの方に合いやすいクラブだな・・・。と思いました。

『操作性』は、このソフトスペックでありながら、なかなか良い感じでした。
左右に曲げるのも難しくありません。
最近のクラブはあまり曲げたくない・・・。と思えるクラブが多くなってきているのですが、このクラブにはそういったことはあまり感じませんでした。
自然な感じでインテンショナルなショットを打たせてくれました。
顔の良さ・バランスの良さが、そうさせているのかもしれません。

優れたイージー系UTです。
こうして見ても、結構ネックの長さが見られますし、ショートネックを好まれる方の中には、球があがりにくいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際はそんなことはなく、しっかりと浮かせてくれますし、キャリーも稼げるUTなので、親近感をもたれやすいのではないでしょうか?

UTやFWなど、ソールの広いクラブの『特権』だと思いますが、かなり手前からダフり気味にヘッドを入れても、上手く滑ってくれるので、拾いやすいのも特長です。
ボール手前(右側)の『拾うエリア』が広いのは、アイアンには無い特性です。

ミズノらしい美しさと高級感があり、仕上がりも丁寧です。
ミズノというメーカーのイメージに合っています。
先ほども書きましたが、ミズノに『チープさ』や『雑さ』は似合いませんし、あってはならないことだと思っています。

そんな『外観の良さ』をクリアしながら、『球を打つ性能』にも高いものを感じました。
イージー系のUTではありますが、親しみやすさはあっても、頼りなさ・物足りなさは感じませんでした。
易しいクラブでありながら、しっかりと仕上げているな・・・。と思いました。

ある程度HSのあるヒッタータイプの方は、やはりMPシリーズのほうが合っているのは間違いないですが、スインガータイプの方で、易しさと飛びを求めていきたい・・・。という方は試してみられてはいかがでしょうか?
飛ぶクラブの性能にも種類があって、『性格の尖った飛び』と、『性格の丸い飛び』があるように思います。
このUTは後者のほうです。
これからもGXシリーズのクラブが登場してくるのか分かりませんが、いい印象をもつことができたので、期待して待ちたいと思いますし、MPのニューモデルにも早く会いたいです。
2018年03月31日
ミズノ GX フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ GX フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは MFUSION D カーボンシャフト です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は52g、トルクは4.2、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は307gです。

ミズノGXのフェアウェイウッドです。
先日、ドライバーを試打しましたが、今日はFWを試打する機会に恵まれました。
ミズノらしい、美しくて高級感のあるFWです。
デザイン的にも、ドライバーをそのまま小さくしたような感じです。

シャロータイプのFWです。
ドライバーもシャローの印象が残っているので、統一感があります。
高い機能性を感じさせるFWですが、ゴチャゴチャした感じが無く、デザインを壊していないので、好感がもてます。
ミズノらしいデザインです。

ネックは適度にありました。
ショートタイプが今も多いですが、最近は少しずつ、このような適度な長さのFWやドライバーが増えてきたように感じます。
緻密な計算がされているのは間違いないですし、短ければいいというものでもないのだと思います。

ソールのフェース寄りには、ウェイトがひとつだけ配置されていました。
数字が無かったので、重さはわかりませんでした。
専用の工具を使えば、簡単に取り外せそうです。

ウェイトのすぐそばには溝があり、『WAVE TECHNOLOGY』と記されていました。
ドライバーと同じです。
ドライバーとFWではヘッド体積が違うので、同じシリーズであっても、必ず同じデザインとは限らないですが、このFWはドライバーとかなり共通点があるように見えます。

溝の深さは結構ありますが、それほど深いというほどではありませんでした。
この深さがベストなのでしょうか?
溝ありと溝無しでは、どれだけ飛距離が変わるのか興味があります。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側にも溝がありました。
これもドライバーと同じです。
ドライバーと同じようにFWにも採用されているということは、それだけ大きな効果が期待できるということなのだと思います。

バックフェースにある、このアクセサリーのようなものも同じです。
これは単なるアクセサリーなのでしょうか?
それともウェイトとして、ここに組み込まれているのでしょうか?

フェース面のデザインはシンプルです。
スコアラインはドライバーと違っていました。
トゥ側とヒール側にある、両端の白い塗装がされている部分と、スイートエリアの無色の部分が全て凹んでいて、しっかりと『溝』になっていました。
これは強度の違いによるものなのでしょうか?
それともスピンなど、色々な要素が絡み合っているのでしょうか?

こうして見ても、かなりのシャロータイプであることが分かります。
MPでここまでのシャローのイメージは無いので、やはりGXはMPのような美しさ・高級感はあっても、全く別のモデルなのだと思いました。
スプーンにしては、かなり薄い感じがしますが、今はこれくらいが普通といえるでしょうか?

顔はいい感じでした。
クセがなく、好感のもてる顔をしています。
ミズノらしい男前です。
純朴といえる顔だな・・・。と思いました。
予め印象を決められているのではなく、こちらで印象を決めていけそうな感じです。
このオーソドックス感がミズノらしいです。
ドライバーはちょっとクセがありましたが、このスプーンは自然な感じです。

装着されているグリップはドライバー同様、機能的なタイプです。
これからは、こういうタイプが主流になるのでしょうか?

素振りをしてみた感じは、まずまずでした。
軽量感はありますが、タイミングはすぐに合わせることができました。

ボールを前にして構えてみると、良い感じです。
クセが無いので、自然に構えられます。
シャロー感があり、フェース面もよく見えるので、球があがりやすそうです。
方向性に対する不安も全くありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は良いです。
とてもソフトです。
球の抵抗感をあまり感じさせない、心地良いフィーリングです。
見た目の高級感・綺麗さと、このグッドフィーリングがマッチしていました。

『音』は、はっきりしていますが、高すぎず大きすぎずちょうどいい感じです。
この音は、クラブの『質の高さ』をさらに感じさせてくれます。
インパクトが緩むこともなく、気持ち良く振っていくことができました。

球はとてもあがりやすいです。
構えたときにあがりやすそうな印象をもっていたのですが、実際に打ってみると予想以上に打ち出しが高く、確実にキャリーを稼いでいけるタイプです。
いつもの通り、このFWもティアップせずにマットの上から直打ちで試打したのですが、充分過ぎるほどよくあげてくれました。
シャロータイプの特長がよく出ていました。
とてもカッコいいFWですが、タフなタイプではなく、親しみやすい性格をしています。

『安定性』という点では、なかなか良いです。
ラインも出しやすいですし、イージーなタイプです。
シビアさは全く感じませんでした。
こういったところも、MPには無い、GXシリーズの特徴といえるのかもしれません。

『飛距離性能』は高いです。
しっかりとキャリーを稼ぐことができましたし、初速の速さが印象的です。
アスリートモデルっぽい外見ですが、決してハードルが高いタイプではなく、親しみやすい飛び性能をもっているように思います。

『操作性』という点では、ほぼ中立的な感じがしましたが、左右にも曲げることができました。
今のクラブの特徴だと思いますが、あまり細工をしたくないタイプです。
自然な感じで、自分の持ち球で勝負していきたいクラブです。

バランス良く仕上がっているように感じました。
飛びもフィーリングも良く、いいバランスに整えられています。

ソールを見ると色々な工夫がされていますし、機能的なタイプだと思いますが、それでもフィーリング性能が落ちていないところがいいです。
機能が感性を邪魔していないクラブです。

飛びの性能は優れていますが、ただ単に飛びだけを追求して、後はどうでもいい・・・。という設計になっていないところがミズノらしくて、好感がもてます。

かなりのシャロータイプで、球のあがりやすさも魅力のひとつですが、易しくなっているだけではなく、他の性能とのバランスも取れているので、かなり研究されているように感じました。

直打ちでもあがりやすくて、距離もある程度稼いでいきたい・・・。
シャロータイプのイージー系が好きだが、できればカッコ良くて所有欲を満たしてくれるFWを使いたい・・・。という方には魅力的なクラブといえるのではないでしょうか?
2018年03月24日
ミズノ GX ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ GX ドライバー です。

シャフトは MFUSION D カーボンシャフト です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は49g、トルクは5.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は289gです。

ミズノのニュードライバーです。
MPでもJPXでもない、新しいブランドです。
GXとはどういう意味が込められているのでしょうか?
待望のミズノのニューモデルということで、ワクワクが止まりませんでした。
見るからに機能性が高そうですが、とても美しくて高級感があります。
ミズノらしい特徴です。
ミズノにチープは似合いません。
常に私たちゴルファーの憧れのメーカーであって欲しいです。

ラージサイズで、かなりのシャロー感があります。
GXというシリーズは、どういう位置づけなのだろう?と思っていました。
おそらく、MPとJPXの中間くらいだろう・・・。と予想していたのですが、そうともいえないような気がしてきました。
MPの美しさ・カッコ良さと、JPXの機能性・易しさを組み合わせているようにも見えるのですが、また違うジャンルのようにも見えました。

ネックの長さは標準的です。
ロングということはありませんでした。
ヘッド形状や大きさに合った長さのように見えます。
ネックには調整機能が搭載されていませんでした。
昨年試打したMPドライバーには搭載されていたので、このニューモデルにも搭載されているだろう・・・。と思っていましたが、ありませんでした。
最近は少なくなってきているように感じます。
最初から採用しないメーカーもあれば、以前は採用していたけど、結局は元に戻した・・・。など、メーカーによっても方針が違うようです。
調整機能を求めておられる方には、やや寂しいことかもしれませんが、私は特にこだわっていないので、このままでも充分です。
以前も書きましたが、ヘッドの性能を落としてまで、調整機能は欲しくないです。
ヘッドの性能を最大限に活かすことができてからの調整機能であればいいのですが、そのように思えないドライバーにもたくさん出会ってきたので、それならば最初から無いほうがいい・・・。と思ったこともよくあります。

ソールにはウェイトがひとつだけ配置されていました。
この位置にあるということは、ある程度の『浅重心』を目指して造られているのでしょうか?
ウェイトに刻印が無かったので、何gなのか分かりませんでした。
交換するタイプではないのかもしれません。

ソールのフェース寄りには溝があって、そのすぐそばに『WAVE TECHNOLOGY』の文字がありました。
そのまま訳すと『波の技術』ということになるのですが、この溝のことでしょうか?
このWAVE TECHNOLOGYは、以前試打したフェアウェイウッドにも採用されていたので、よく覚えています。

溝の深さは、結構ありました。
最近は浅いタイプが増えてきたように思いますが、この溝の深さもバリエーションが豊富で、どれがベストなのかは分かりません。
この溝も見慣れてきたので、物珍しさはなくなりました。
これだけ多くのメーカーが採用しているということは、それだけ大きな効果が期待できるということなのだと思います。
ただ、他のメーカーで既にやっていることをミズノが後から追従しているようで、ミズノらしくないな・・・。と思いましたが、これも時代の流れ・流行なのかもしれないですし、ミズノは元々アイアンが得意なメーカーだと思うので、仕方ないことなのかな?と思いました。
大切なのはクラブの性能なので、割り切ることも必要なのかもしれません。

トゥ側

ヒール側
ソールにはフェース寄りだけでなく、トゥ側にもヒール側にも溝がありました。
これにもおそらく大きな意味があると思いますし、高い機能性を感じさせますが、デザインが犠牲になっていないのが凄くて、ミズノらしいな・・・。と思いました。
美しさ・丁寧さのある、機能的なデザインです。
ただ単に溝や凹凸をつけてそれでおしまい・・・。というのではなく、あくまでもプレイヤーの目を楽しませ、質感を大事にしているように見えてきます。
日本メーカーらしい、細かなところにも配慮されている繊細さ・緻密さを感じました。
このような質感のクラブは大好きです。
こうして見ているだけでも、どんどんやる気が漲ってきます。

ソールのフェース寄りにウェイトと溝があるのは今のドライバーの特徴なので、ひょっとしたら、このドライバーのクラウンもカーボンコンポジットタイプなのかな?と思い、近くでよく見てみたのですが、カーボンの模様は見えませんでした。
おそらくコンポジットタイプではなく、ワンピースタイプなのだろう・・・。と思いました。
今は様々な技術を使い、工夫することによって低重心化が実現できています。

バックフェースにある、このアクセサリーのような物も存在感がありました。
この位置にあるということは、ひょっとしたらウェイトなのかな?と思いましたが、単なるアクセサリーということもあるので、こうして見るだけでは分かりません。
先日、違うメーカーのドライバーを試打していたときに、この位置にあるパーツが飛んでしまい、ウェイトではなく、単なるアクセサリーであることが分かりました。
接着がとても雑な感じでした。
このドライバーの場合はどうなのでしょうか?
ランバードマークもよく目立っています。
ミズノのランバードマークは、世界に認知されている有名なマークです。
世界のスポーツシーンで大活躍しています。
ひと目でミズノと分かるところがいいですが、ミズノゴルフだけのオリジナルマークがあってもいいのではないかな?と思っています。
ミズノは世界的な総合スポーツメーカーですが、ゴルフだけに特化したブランドやマークがあってもいいのではないでしょうか?
ダイワがオノフに変えて、釣りのイメージを払拭して成功したように、様々なスポーツというよりも『ゴルフだけ』の何かがあってもいいと、昔からのMPファンである私は思ってしまいます。

フェース面のデザインは個性的ですが、とても美しいです。
雑な感じは全くありませんでした。
よく、ここの部分が雑に感じられることもあるのですが、このドライバーは丁寧です。
スコアラインが3つに分かれています。
指で触れてみたのですが、トゥ側とヒール側にある白いスコアラインは凹んでいて、『溝』になっていました。
対して真ん中のヒッティングエリアはフラットでした。
溝にはなっていませんでした。
これはおそらく強度の問題もあると思いますし、ボールの回転数などを計算して、このようになっているのだと思います。
ヒッティングエリアがフラットなフェース面をもつドライバーは、今はとても多いです。

シャロータイプのヘッドです。
ここだけ見ると、ミズノのドライバーには見えません。
綺麗さ・美しさはミズノらしい特長が出ているのですが、この形状は違うメーカーの印象が強いです。
こうして見ても、やはりMPとは違うように見えましたし、JPXよりもシャロー感が強いのではないかな?と思いました。
MPは、シャロータイプだとブランドイメージにそぐわないので、新にGXというブランドを立ち上げて、今のニーズに応えようとしているのかもしれない・・・。と思いました。
新たなブランドではありますが、これまでのモデルと共通しているのは、クラブとしての『美しさ』『丁寧さ』『質感の良さ』です。
ミズノの、クラブ造りにおける『骨格』のようなものかもしれません。

顔は、まずまずでした。
ミズノのクラブですが、見とれるような顔ではありませんでした。
シャロー感があって、フェースアングルもちょっとクセがある感じです。
ただ苦手意識が芽生えることは無かったですし、今はこういう顔が多いので、『今風(いまふう)の顔』として見ることができました。
大らかそうな顔をしていますが、雑な感じは無く、メーカーも細かいところまで配慮しているんだろうな・・・。と思いました。

聞くところによると、今回のこのドライバーは全てにおいて、『自社生産』しているのだそうです。
外注を使ったり、他のメーカーのパーツを組み込んだりするのではなく、全て『自分たちの目の届く物作り』をしているということなのだと思います。
つまり、自分たちが造りたいクラブを妥協することなく、理想に近い形で造り上げているということなのではないでしょうか?
老舗メーカーとしてのプライドが垣間見られますし、さすがだな・・・。と思いました。
ここまでこだわっているメーカーは、そう多くありません。
全体の割合からすると、かなり少ないのではないでしょうか?
その多くはメーカーではなく、セラーといったほうがいいのかもしれません。
実際に造っていないメーカーが多いような気がします。
大手老舗メーカーで、すぐに思いつくのはホンマくらいです。
ミズノとホンマはゴルフクラブ界での、『リアルメーカー』といえるでしょうか?
メーカーによっては、設計なども全て他の会社に任せて、ただ単に名前だけを入れているところもあるようですが、そういったメーカーは、なかなか『小回り』が利きません。
ヘッドをもうちょっとこうして欲しい・・・。とか、微妙なところを変えて欲しい・・・。自分の名前を入れて欲しい・・・。ということもあると思いますし、色を変えて欲しい・・・。仕上げを自分好みにして欲しい・・・。など、人それぞれリクエストがあると思います。
そういったことに対応してくれるメーカーは殆どありませんが、ミズノは大手有名メーカーでありながら、細かい注文に応えてくれるのが素晴らしいです。
愛着の湧く、自分だけのクラブは『一生の宝物』になります。
このような融通が利いて高品質なクラブを造るメーカーの製品を使いたくなるというのは、ゴルファーとして、とても自然なことなのではないでしょうか?

装着されているグリップはソフトなフィーリングでありながら、場所によってグリップのパターンが変わっています。
機能的なグリップです。
最近、ミズノはこういうグリップが多くなりました。

グリップには『Golf Pride』の文字があったので、グリップだけは自社生産ではなかったのだということが分かりました。
『全て』ではなく、『ヘッドとシャフト』を自社生産しているということのようです。

素振りをしてみると、かなり軽くて意外でした。
もうちょっと重量感があるような気がしていたのですが、違いました。
今のメンズドライバーの中でも、かなり軽量なタイプです。
全体的に『黒』ということもありますし、重量感がありそうなデザインでありながら、実際はかなり軽量タイプで、『ギャップ』のあるドライバーです。
この軽量感に好感を持たれる方も多いのではないでしょうか?
私はちょっと軽すぎるな・・・。と思ったのですが、この軽さで『GX』というブランドの位置づけといいますか、方向性のようなものが見えたような気がしました。
見た目の美しさや高級感・アスリート色のあるデザインはMPに近づけながら、ハードルを下げて親しみやすいスペックに仕上げているブランドなのだと思いました。
軽量感がありますが、シャフトは頼りない感じではなく、しっかりとしていました。
硬いということでもなく、動き過ぎないといったらいいでしょうか?
シャフトに、しっかりとした『芯』のようなものを感じました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずだったのですが、正直がっかりしました。
フェースが左を向いているように見えたのは想定内だったのですが、それよりも『フェースの見え具合』に不満がありました。
『左右の見え具合』よりも、『上下の見え具合』です。
このドライバーのロフトは9.5度ということですが、明らかにそれよりも寝ているのが一瞬で分かりました。
それは『誤差』の範囲内ではなく、『最初から』そうなっている感じでした。
フェース面が『見えすぎ』です。
『二桁ロフト』であることは明らかでした。
これが残念でした。
ただ、こういったことは昔から普通にあることなので、本当ならそれほど気にすることはないのかもしれません。
他のメーカーだったら、あまり気にせず、受け流していたかもしれません。
しかし、ミズノのクラブでそれが行われているのが残念でした。
ミズノのクラブでこのように感じたことは、これまでもあったので初めてではないですし、今は『リアル』と『表示』の2種類のロフトがあるのは、多くのゴルファーが知るところだと思います。
しかし、ミズノは『リアル』で勝負して欲しかったな・・・。と思ってしまいました。
私はミズノに対する要求が、他のメーカーよりも強すぎるのかもしれません。
私にとって、『ホンマ』と『ミズノ』はゴルフを始めたときからのお付き合いで、特に思い入れの強いメーカーです。
なので、他のメーカーでは気にならないことが気になってしまうのかもしれません。
このような『2つのロフト』は珍しいことではないですし、表示とリアルが一致するほうが珍しいので、気にしすぎだと自分自身に言い聞かせたのですが、どうしても引っ掛かってしまいました。
投影面積が大きく、かなりのラージサイズに見えました。
ヘッド後方の膨らみも、よく目立っていました。
完全に『MP顔』ではありませんでした。
かといって『JPX顔』とも違うように見えました。
この顔が、これからのミズノの新しい顔となる『GX顔』ということになるのでしょうか?
ミズノらしいというよりは、『今の流れに乗った顔』といえるのかもしれません。
マニュアル感よりも、オートマチック感が漂っていました。
見とれることはなく、やや距離を置いた感じで、淡々と見つめていました。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりとした手応えが伝わってきましたが、硬いということはなく、どこかまろやかな感じです。
この打感は好感がもてました。
フェースの弾き感も強く、初速も出ている感じです。

『音』は、大きめではありましたが、高くなく、『程良い音域』でした。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振っていくことができました。
ミズノらしい、『品格のある音』といったらいいでしょうか?
エグゼクティブ感のある音だな・・・。と思いました。
もう少し小さめの音でもいいように感じましたが、このままでも全く問題ないです。
ゴルフクラブのインパクト時の音は、そのクラブに対しての『質』であったり『格』を表すことが多いですが、この音は、クラブの雰囲気・外観とマッチしていました。
目で見た感覚と耳で聞いた感覚が一致していました。

球はとてもよくあがりました。
構えたときに、高めの弾道をイメージしていたのですが、そのイメージ通りでした。
『フェースの見え具合』通りの出球の高さと最高到達点がありました。
ちょっと極端な言い方をすれば、なだらかな曲線というよりは、『山』に近いような、少し尖ったような軌道を描いているように見えました。
これは横から見たときのイメージですが・・・。
そう思えるくらい、ボールが高く高くあがっていきました。
フェース寄りにウェイトがあるので、『浅重心』でタフなタイプなのかな?と打つ前は思っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。
かなりイージーなタイプです。
フェース寄りにあるウェイトがどのような役目を果たしているのかが、よく分からないくらい、ボールが高~くあがっていきました。
最近はシャロータイプでも、結構しっかりした物も増えてきましたが、このドライバーは形状通りのシャロータイプらしい、高弾道でした。
『10度未満ロフト』とは思えない、球の浮き方でした。
日頃、ロフト角『10~11度』くらいを使い慣れておられる方も、まずは、この9.5度を試してみられるのがいいのではないでしょうか?
これがGXのあがりやすさなのか・・・。と思いました。
『上下の幅』も広いように感じました。
結構『下目』でヒットしても、球を上手くあげてくれました。
シャローフェース過ぎない利点といえるのかもしれません。

『安定性』も高いです。
見た目通りの易しさです。
安定した『ハイドロー系』が打ちやすいドライバーです。
ラージサイズでシャロータイプですが、球が逃げることなく、しっかりつかまってくれました。
こういったところがすごく進化しているように感じます。
ちょっと前までは、このようなラージサイズでシャローなドライバーは球がつかまりきらず、右に抜けていくことも普通にありました。
大きさが逆に難しくしていました。
しかし今はかなり研究が進んで、そのデメリットが解消されています。
つかまりのいい、ラージサイズドライバーが増えてきました。
ヘッドだけでなく、シャフトも進化しているのだと思います。
ヘッドに描かせたい軌道を確実に得る為に、ミズノがシャフトを自社生産しているのではないでしょうか?
逆に、先にシャフトを開発して、ヘッドをシャフトのイメージに合うように設計しているのかもしれません。
色々なことを考えてクラブを造っていくのは、作り手として楽しいだろうな・・・。と思いました。
以前、ある人から、クラブを設計してみないか?と話を持ちかけられたことがあるのですが、私はあくまでも『一(いち)エンジョイゴルファー』に過ぎず、クラブを造るよりも使って楽しみたいほうなので丁重にお断りしました。
シャフトは軽量タイプのなかでは、しっかりしているほうだと思いますが、『堪える』タイプというよりは『走る』感じがありました。
遅れる感じはなく、スピード感もありました。

『飛距離性能』という点では、今のこのようなイージー系ドライバーの中では、かなりハイレベルだと思います。
球はよくあがるのですが、弱々しい感じはなく、しっかりとした意思を持っているような弾道でした。
球がしっかりとつかまってくれるタイプなので、『力の伝導率』が高いように感じました。
ライナー系でランを稼ぐタイプではなく、しっかりとしたキャリーで運んでいくタイプのドライバーだと思います。

『操作性』という点では、明らかにオートマチック系で、インテンショナルなイメージは出しづらかったのですが、一応曲げてみようと思い、トライしてみました。
私はドロー系のほうが易しく感じましたが、かなりカットに打っていって右に曲げることもできました。
しかし、『コントロールの範囲』を超えていて、コースで使えるような球筋ではありませんでした。
細工をせずに大らかさを活かして、自然に自分の持ち球で勝負していくべきドライバーなのだと思います。

ミズノGXシリーズというニューブランドを初めて試打してみて、ミズノらしいところはしっかりと残していながらも、新たなチャレンジをしているように感じました。
高い機能性をもたしているけれど、それで美しさや質感が損なわれていないところに好感がもてました。
クラブ造りを熟知しているメーカーといえるのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、初見ではMPのような美しさと重厚感があるので、MPとJPXの間にありながら、どちらかというと『MP寄り』なのかな?と予想していましたが、スペック的にもそうではないことが分かりました。
カッコいいクラブですが機能性も充分で、親しみやすい性格をしています。
カッコいいけど難しい・・・。というタイプでもなければ、イージーだけど質感が悪くチープな感じがする・・・。というタイプでもありません。
両方のいいところだけをとっている『いいとこ取りドライバー』といったらいいでしょうか?

このGXシリーズは『限界飛距離のその先へ』というキャッチコピーがあって、確かに今のイージー系ドライバーの中では優れている感じがします。
『限界』かどうかは別にして、ポテンシャルが高いのは間違いないですし、かといってハードルは高くなく、低めに設定されているので、親しみやすいと感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
見た目はハードそうに見えても、実際は予想以上にイージーなスペックに仕上がっているので、そのギャップが面白いです。

イージーではありますが、頼りない感じはしないですし、幅広い層に対応できるドライバーといえるのではないでしょうか?
海外メーカーの『浅重心タイプ』ドライバーは、私たち日本人には合いづらいところがあるように感じることもあるのですが、このドライバーはマッチしやすいように感じました。
海外メーカーのクラブは当然ながら、私たち日本人ではなく、海外のゴルファーをターゲットにして開発されているのが当然だと思いますが、日本の、そしてミズノのような伝統と高い技術のあるメーカーは、私たち日本人ゴルファーのデータを集め、好みなどを集約して開発されているのは間違いないので、こうして初めてであっても親しみやすくて『手の届きやすいスペック』になっているのだと思います。
シブいデザインですが、背伸びをせずに楽に打っていけるドライバーです。
いかにも『アスリート系』といった感じがしないでもないですが、ビギナーの方からベテランゴルファーの方まで、幅広い層に対応していけるドライバーだと思います。

私は『限界飛距離のその先』よりも、『見た目とのギャップ』『予想以上の易しさ』『シャフトのソフトスペックでありながらの頼もしさ』が印象に残りました。
構え感や、私にとっては必要以上にシャロー過ぎるところとか、『大顔感』などがあったのですが、全体的にバランス良くまとまっている感じがしますし、今のゴルファーのニーズに合ったドライバーだと思います。
海外のメーカーでは、新たなブランドが出てきてもすぐに見なくなったりすることも多いですが、私はミズノが大好きなので、このGXシリーズが定着し、長く続いて欲しいな・・・。と思いました。
このGXシリーズもいいですし、MPやJPXのニューモデルも気になります。
どのようなクラブに出会えるのか、ワクワクしながら待ち続けたいです。
2017年09月18日
ミズノ Mizuno Pro MP-118 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ Mizuno Pro MP-118 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド 120 です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は435g です。

ミズノのニューアイアンです。
ずっと出会えるのを待っていました。
ドキドキ感がなかなか止まりません。
このあまりにも美しいアイアンに見とれてしまいました。
マッスルバックアイアンが、そしてMPアイアンがもつ独特の雰囲気に圧倒されました。

かなり美しい正統派マッスルバックアイアンです。
今はマッスルバックも、色々な工夫がされるようになりましたが、このアイアンはとてもシンプルです。
おそらく、見えないところに最新の技術が組み込まれていると思うのですが、それを一切見せないところが魅力的です。
思わず手にとってみたくなりますし、挑戦意欲も掻き立てられます。
私は、ドライバーはハンマー(正確には木槌)、アイアンは刀のイメージを昔からもつことが多いのですが、このアイアンはまさに『刀そのもの』な感じがします。
しかも、なまくら刀ではなく、名刀の雰囲気があります。
洋風ではなく、『和のテイスト』が感じられるアイアンです。

トップラインの幅はノーマルな感じでした。
それほど薄い感じはしませんでした。

ソール幅は狭いです。
昔から見慣れた幅ではありますが、今のアイアンの中ではかなり狭いほうだと思います。
ワイドソールを日頃から使っておられる方、見慣れている方には、かなり狭く見えるかもしれないですし、不安感がよぎるかもしれません。
こういったところからも、このアイアンがある程度ユーザーを絞り込んでいるのが分かります。

ネックの長さは普通でした。
それほど長いタイプではありませんでした。
こういったところが、今のアイアンの特徴のひとつといっていいように思います。
昔のMPアイアンはロングネックが当たり前でした。

ホーゼルには『GF FORGED HD 1025E』という刻印がありました。
これもミズノのこだわった製法なのだと思います。
1025という数字は、これまでも見たことがあるのですが、また違う表記になっているので、新たな技術が組み込まれているのだろう・・・。と思いました。
ひとくちに軟鉄鍛造アイアンといってもたくさんありますが、ここまで製法や素材にこだわるメーカーは他にあるでしょうか?
キング・オブ・アイアンといえる特長だと思いますし、ファンを大切にしているメーカーだな・・・。と常に思っています。
この文字の刻印を見ても、すごく綺麗で丁寧に作業されているな・・・。と思いました。
ホーゼルに刻印があるのは珍しくないですが、このアイアンのように美しさや丁寧さが感じられることはあまりありません。
こういったところにも、ミズノのこだわりやプライドが垣間見られます。
どこを見てもミズノ。
チープさは全く感じられません。
見た目にスキの無いアイアンといっていいように思います。


小さく『118』と表記されているのがオシャレでした。
そして、このランバードマークも、とても美しいです。
このまましばらく見つめていたくなりました。
目で楽しめるアイアンです。

『Mizuno Pro』の文字が美しく、そして懐かしいです。
あの伝説の名器『TN-87』を思い出しました。
先日試打したウェッジにもありましたが、これからは、このミズノプロが復活するのでしょうか?
ゴルフクラブもそうですが、野球のグローブにもあったので、懐かしいな・・・。と思いました。
私は小学生の頃から野球をやっていたのですが、ミズノのグローブは野球少年にとっては憧れで、ずっと手にしたいと思っていました。
しかし、かなり高価なので、購入できませんでした。
質がいいとは知っていても、それを手にできなかった悔しさをずっともっていました。
私の家は裕福ではありませんでしたが、それでも親が無理をしてメーカーが分からない(おそらくホームセンターのようなところで買ったのだと思います)、グローブを私にプレゼントしてくれました。
私はとても嬉しくて、そのグローブをはめて何度も近所の空き地に行って、暗くなるまでボールを壁にぶつけて遊んでいました。
それまでは友達と野球をして遊んでいても、私だけグローブが無かったので、借りられないときは素手でボールを取っていました。
自分専用のグローブを手にすることができて、ようやく友達と同じ土俵に上がれたように感じました。
毎晩、枕元に置いて寝ていました。
そのグローブを使って試合に出て、初めてフライをキャッチできたときは嬉しくてたまりませんでした。
本当はピッチャーをやりたかったのですが、ずっと外野でした。
大人になって給料をもらったら、絶対ミズノのグローブを買ってやるぞ・・・。と思ったものですが、今は、野球はあまりやらずゴルフに夢中になってしまいました。
ちなみに、私が今持っているグローブはローリングスです。

リーディングエッジは少し削られていました。
こういったところは、今のアイアンらしい感じがします。
どの角度から見ても美しいアイアンだな・・・。と思いました。
他のアイアンだったら、だいたい30cmくらいで見ることが多いと思うのですが、このアイアンはもっと近くでまじまじと見つめていたくなります。
こうして見ているだけで、いい目の保養になりますし、日頃の疲れも吹き飛びます。
目で楽しめますが、これからこの彫刻のように美しいアイアンで球を打てるのかと思うと、興奮が抑えきれません。

トレーリングエッジは普通でした。
特に大きく削られているということはありませんでした。

フェース面にミーリングはありませんでした。
時々ミーリングのあるアイアンを見かけるのですが、無いほうが圧倒的に多いですし、アイアンにおいて間違いなく世界のトップメーカーであるミズノが採用していないということは、あまり効果が期待できないのかもしれません。
スコアラインの数や間隔が日本メーカーらしいな・・・。と思いました。
海外メーカーでは感覚が狭くて本数が多いものが見られます。
このスコアラインもルールによって厳しく定められているので、メーカーも気を遣うところだと思います。

装着されているグリップは、なかなかいい感じでした。
グリップ力があり、滑りにくいタイプです。
いわゆる『ズレにくい』グリップです。
雨の日でも活躍してくれそうです。
私が使い慣れているグリップとは異なるのですが、こういうグリップも好感がもてます。
ただ、もし私がこのアイアンを購入したら、やはり日頃使い慣れているグリップに変えると思います。
バックラインがありました。
私は無いほうが好きなのですが、多くのメーカーが採用しているということは、それだけ人気が高いのだと思います。

素振りをしてみても、いい感じです。
タイミングも取りやすいです。
余計な気を遣わず、普通に振っていくことができました。

ボールを前にして構えてみると、予想通り、とてもいい感じでした。
MPアイアンなので、構えやすいのは当たり前です。
クラブは『顔が命』といえるところがあると思いますが、MPアイアンはその顔にもすごくこだわっているというのは、これまでたくさん手にしてきて強く感じています。
構えづらいクラブは難しさが倍増します。
ストレートネックタイプで、ラインもイメージしやすいです。
私の目尻は下がりっぱなしでした。
この構え感も、今風(いまふう)のアイアンだな・・・。と思いました。
ミズノのマッスルバックらしく、無駄の無い研ぎ澄まされた顔をしているのですが、どこか易しさといいますか、まろやかさを残しているように見えました。
昔のMPアイアンのように、尖った感じはしませんでした。
こういったところが今のアイアンらしい特徴のように思います。
このいい顔がもたらす安心感といったらいいでしょうか?
イメージも鮮明に浮かんできますし、これから自分がやるべきことが明確に分かります。
クラブに任せて振っていくだけ・・・。というシンプルな考えでした。
とてもリラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『至高の打感』でした。
一球目から、ため息が出てしまいました。
その何とも言えない心地良い感触がしばらく手に残り、脳が揺さぶられたような感覚がありました。
このアイアンにしびれてしまいました。
『GF FORGED HD 1025E』という素材や製法が、この至高の打感を生み出しているのでしょうか?
MPアイアンだから当然といえば当然なのですが、さすがはMPアイアンだな・・・。と思いました。
打感を楽しめるアイアンです。
ただ『芯』はとても小さくて、そこを外して打つと打感が大きく変わりました。
芯でとらえたときはたまらない打感を楽しめるのですが、そこから外れてしまうと、かなりフィーリングが変わりました。
芯でとらえたときが『満面の笑み』だとすると、そこから外れてしまったときは『怒り顔』といった感じで、『打感の表情』がはっきりしていました。
いわゆる『イージー系アイアン』に多いのですが、今は打感がボヤけてしまっている物もありますし、どこでヒットしたかもつかみづらい物もあります。
打感だけで把握できないことも多いです。
どこに飛んでいったか、方向性を探れないアイアンも多いです。
しかし、このアイアンは違いました。
とてもはっきりして、メリハリが利いています。
こういったところがマッスルバックの長所だと思いますし、逆に短所といえるのかもしれません。
私はこういったはっきりしたアイアンは好きですが、できれば『曖昧さ』といいますか、大らかな感じを好まれる方もいらっしゃると思います。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにハードなほうだと思います。
使い手を選ぶアイアンといっていいのかもしれません。
ハードルの低さや親しみやすさで勝負しているアイアンではないと思います。
明らかにヒッター向けのアイアンといっていいと思います。
今は各メーカー、マッスルバックを発売しているところも一時期よりも増えてきていて、私は嬉しく思っているのですが、それらと比べても、このアイアンは『易しくない』ほうだと思います。
今のマッスルバックは昔の物からすると、かなり易しくなっているように感じることがあります。
それは『芯の広さ』というよりも『あがりやすさ』が進化しているように感じます。
ソール形状が改善されたり、最適な重心位置などが保たれていたりするのだと思います。
このアイアンはそういった、親しみやすいタイプのMBとは一線を画すような印象をもちました。
外見だけでなく、易しさにも贅肉が無いように感じました。

『安定性』という点では、かなり正直といいますか、シビアです。
マッスルバックらしい特徴を感じました。
ちょっとのミスがすぐに球筋に表れますが、それがまたいいな・・・。と思いました。
こちらがミスをしたらそれをすぐに伝えてくれるので、自分の良くないところを修正しやすいですし、打っていても飽きません。
寛容さを求めたい方には合いづらいところがあるかもしれません。
私はゴルフを始めたときからずっとMBを使っていましたし、そういった方はたくさんいらっしゃいました。
今のようにクラブが多彩ではない時代でしたし、一本のクラブを使い続けて上手くなるといった考え方もあったのだと思います。
クラブが先生でした。
私がMBを使ってきたからというわけではないのですが、普段からMBを使っておられる方はおそらく、今構えているアイアンがMBだからとかCBだから・・・。という考えはもたないのではないでしょうか?
MBに慣れてしまえば、それが気にならないですし、ベストのような気がします。
コースでも、バックフェースの形状はあまり気にならないといいますか、気にしている暇はなく、構えた時の顔のほうがずっと大切ではないでしょうか?
バックフェースの形状よりも、構えづらかったりイメージを出しづらかったりするアイアンのほうが、よっぽど難しいと感じるのは私だけでしょうか?
MBはカッコいいけど難しいから・・・。と敬遠されがちですが、一時期でも使い続けてみて慣れてしまうのもいいのではないかな?と思いました。
特に今のMBは昔に比べ大きく進化しているので、顔の良さや打感もいいですし、見た目以上の易しさがあるので、多くの方に試していただきたいと思っています。

『飛距離性能』は普通だな・・・。と思いましたが、今のアイアンの中では明らかに飛ばないほうだと思います。
今は飛びすぎるアイアンが多くなりましたが、このアイアンは『適正』といいますか、アイアン本来の役目を担っていると思いました。
アイアンは『飛ばす』のではなく、正確な距離を『刻む』という考えを持っておられる方に合いやすいと思います。
飛距離を最優先される方には、合わないような気がします。
適度にロフトが寝ているので、『縦の距離』を合わせやすいのは大きな長所です。
飛びすぎるアイアンは微妙な調整がしづらいですが、このようなアイアンはそれができるので、実戦向きだと思います。
コースに出ると『ピッタリの距離』が残ることは少なく、フルショットする場面もそう多くありません。
殆どがコントロールショットになってしまいますが、このようなアイアンではそれがしやすいので、頼もしく感じられます。
ボールが着地してきちんと止まってくれるだろうな・・・。という期待感がもてます。
飛び系アイアンでは、どこまで転がってしまうか把握しづらいところがあります。

『操作性』は素晴らしいの一語に尽きます。
とても敏感に反応してくれ、左右に大きく曲げることもできました。
右に曲げにいっても、いわゆるコスる感じはなく、しっかりと乗ってくれたので、好感がもてました。
ラージサイズではないので、いわゆる大らかさで押していくタイプのアイアンではないですが、このような大きさだからこそ、メリットも大きいのだと思います。
以前も書きましたが、いわゆる『逆球』が出づらいのも長所といえます。
つかまえにいったときはしっかりつかまってくれますし、少し逃がしたいな・・・。というときでも、敏感にこちらの思いをくみ取ってくれます。
イージー系のアイアンで真っ直ぐに近い感じで飛ばしていきたい・・・。という方もいらっしゃると思いますが、マニュアルタイプでボールをターゲットまで『運ぶ』イメージでアイアンショットをしたい方には魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

易しいタイプではない。
距離が出るタイプでもない。
軽くはなく、ある程度の重量もある。
そんな性格のアイアンです。

今はドライバーに限らず、アイアンも『易しさ』と『飛距離』が求められている時代だと思います。
試打をしていて、そのようなタイプのアイアンが多くなったと日々感じています。
『ナチュラル』といいますか『ベーシック』なタイプのアイアンを探すほうが難しくなりました。
しかしこのアイアンは、今のニーズとはかけ離れていると言わざるを得ないと思いますし、正直それほど人気は出ないかもしれません。
品薄になって生産が追いつかないということにはならないかもしれません。
それはクラブが劣っているのではなく、それほどニーズが多くないからといえます。
易しさ重視のアイアンではないので、多くの支持は集まらないかもしれません。
それはメーカーもおそらく『百も承知』なのだと思います。
それでもこのようなニューモデルを発売してくれることに、MPファンとしては感謝したいと思っています。
今日、こうして楽しい時間を過ごすことができました。

同じアスリート系アイアンでも、BSなどは少しずつロフトを立ててきていて、距離を求めるようになりました。
『一番手』くらいのロフトのズレのあるアイアンが多くなりました。
それはBSだけでなく、他のメーカーでも同様です。

アイアンが難しくなったのは、ボールの低スピン化も大きく関わっていると思います。
クラブはいつもボールに合わせるように変わっていくので、それも仕方ないのかもしれません。
今はまるで5番かそれ以上と感じられる『7番アイアン』を試打することが多くなったのですが、このアイアンはノーマルな7番です。
『番手ズラし』はありませんでした。

とても美しいですし、かなり素材や製法にこだわっているアイアンだと思います。
ミズノの確かな技術が注ぎ込まれているアイアンです。
他のメーカーのアイアンでは、雑に感じることもありますし、試打するのはこれ一回だけだな・・・。ということも珍しくありません。
一回しか試打しないクラブはたくさんあります。
カッコ良くても、何となく魅力を感じないアイアンもあります。
いわゆる『仏作って魂入れず』だな・・・。と思うこともあります。
しかし、このアイアンは違いました。
とてもカッコ良くてどこかクールな感じもしますが、とても熱いものを感じました。
精度の高さも感じました。
高級感もありましたし、かなり高価なのかな?と思いましたが、平均的な価格に抑えられているので、かなり良心的だな・・・。と思いました。
いつもそうですが、MPアイアンはその質や精度の高さがありながら、それを価格に上乗せしていないところにも好感がもてます。
こういったところもメーカーのプライドがあるのかもしれません。
価格を高くすれば、いわゆる『プレミア感』が出ることもありますが、それがクラブとしての性能や完成度の高さとは比例しません。
高価なドライバーだから必ず飛ぶということもないですし、高価なアイアンだからいつもピンに寄るということもありません。
MPなので当然といえば当然ですが、日本製だと聞きました。
今は海外製が殆どですが、日本製で海外製と変わらないような値段にしているということは、それだけメーカーも企業努力しているのだと思いますし、『自社生産の強み』があるといえるのではないでしょうか?
海外製の魅力は何といっても価格ですが、同じ価格であれば海外製の魅力はあまり無いような気もします。

第一印象からずっと魅力を感じ、目の保養ができていたのですが、実際に球を打ってもとても楽しくて、なかなか止められませんでした。
今日はこのアイアンにじっくり向き合おうと思っていたので、アプローチの時間を割いて、このアイアンを納得するまで楽しみました。
『糸を引く楽しさ』でした。
なかなか止めることができず、ついつい時間が延びてしまいました。
やはりMPアイアンは『キング・オブ・アイアン』だな・・・。と改めて実感しました。
2017年09月02日
ミズノ Mizuno Pro S18 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ Mizuno Pro S18 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド 120 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35.25インチ、バランスはD3、シャフトフレックスはWEDGE、クラブ総重量は461g です。

ミズノの新しいウェッジです。
ミズノはアイアンがあまりにも素晴らしいので、ウェッジの印象は少し薄い感じもしますが、これまでも素晴らしい物に出会ってきました。
アイアンが素晴らしいので、ウェッジも良くないはずがないと私は思っています。
海外メーカーのウェッジの人気も高いですが、ミズノは日本人の為のクラブを造っている印象がありますし、深い研究とこだわりが感じられます。

このウェッジは何といっても、この美しいブルーが印象的です。
とても珍しいですし、すごく美しいな・・・。と思いました。
独特の光沢感があって、高級感もあります。
珍しさということもありましたし、そのあまりの美しさに、しばらく見入ってしまいました。
これまで、こういった工夫がされたアイアンやウェッジでは、逆にチープさといいますか、雑な印象が残ってしまうこともあるのですが、このウェッジではそれが皆無でした。
さすがミズノだと思いました。
全体的な形状はオーソドックスな感じです。
トップラインが少しテーパーに見えました。
こういったところは、今のウェッジの特徴といっていいように思います。

バックフェースには凹みがありました。
キャビティタイプのウェッジといっていいでしょうか?
普通、打感に厚みをもたす為に、ここの部分を『凸』にすることはよくありますが、このウェッジは逆の『凹』です。
打感よりも、慣性モーメントの高さを求めているのかな?と思いましたが、こういうタイプのアイアンには、これまでもたくさん出会ってきているので、特に珍しいとは思いませんでした。
ただ、あくまでも私の好みといいますか、願いとしては、ここの部分はフラットか逆に『凸』になっていて欲しい感じがします。
少しの易しさよりも、打感を優先します。
打感の善し悪しが、易しさにも影響してくるように思いますし、決して妥協できないところです。

全体的な彫りの深さは、まずまずです。
この角度から見ていると、結構重心が低く保たれているような感じがします。
ウェッジは重心がある程度高いほうが有利のような気もするのですが、このウェッジには少しスパイスが利いているように見えました。

トップラインの厚さは適正でした。
形状もいい感じです。
ここの部分が厚かったり、丸みがありすぎたりすると、構えたときにイメージが出しづらいこともあるのですが、このウェッジではそれが無いだろうと思いました。
こういったところは、ミズノらしい心遣いといえるでしょうか?
打つ前に、色々な『プラスポイント』を与えてくれます。
試打する前に、色々なところが気になったり違和感があったりすると、気持ちがノっていかなかったり、よそよそしい感じがしたりすることもありますが、このウェッジは好感がもてます。
いい目の保養ができました。
私はいつも、ゴルフクラブはまず目で楽しみたいと思っているので、そういう意味でも、このウェッジは楽しむことができました。
美しいクラブを目にすると、こちらも気持ちが引き締まりますし、クラブのことをもっと知りたいと思えてきます。

ソール幅は適正です。
ロフトが58度なのでSWという認識でいいと思うのですが、今のSWの中では標準的なソール幅だと思います。
トゥからヒールにかけてテーパーがきついタイプもありますが、このウェッジはストレートに近い感じです。
テーパーにはなっているのですが、それがきつくなく、むしろ緩やかです。
このソールを見ていても、やっぱり美しいな・・・。と思いました。
ここの部分だけでも、数秒見続けてしまいました。
おそらく目尻が下がっていたと思います。
早く打ってフィーリングを確かめたいという思いもあったのですが、この美しさに魅了されてしまいました。
ブルーのウェッジは珍しいけど、マッチした色だな・・・。と思いました。
ただ、このウェッジの『メッキの耐久度』が気になりました。
使っていくうちに傷が目立ったり、この色が剥がれやすくなったりするのではないかな?という不安がありました。
新品のうちは大丈夫でも、使っていけばソールに色々な傷がついて、それが目立ちすぎたり錆が発生しないかな?と思いました。
ウェッジは消耗品的な要素もあるので、仕方ないところではありますが、使っていけばいくほどいい味がでるのではなく、『使い減り』するのではないかな?というところが気になりました。
SWはバンカーで打つことも多いので、なおさらです。
今日は打席のマットの上からの試打なのですが、バンカーで打つのが少し怖い感じがします。

リーディングエッジは微妙に削られていました。
それほど大きい削りではないですが、ひと目で削られているのが分かりました。
こういったところは、今のウェッジの特徴だと思います。
色々なウェッジを試打していると、リーディングエッジに削りが無いほうが、今は少ないような気もします。
ただ、ウェッジは『ソール全体』を使うクラブともいえるので、リーディングエッジだけでなく、バンスやトレーリングエッジなども重要になってきます。

バンスは結構利いていました。
ハイバンスタイプといっていいと思います。
今はこういうタイプが多いと思います。
昔のハイバンスタイプのウェッジは跳ねやすくて難しい印象がありましたが、今はとても親しみやすいものが多くなりました。
バンスが邪魔にならず、スーッと滑ってくれます。
ソール形状の研究が、かなり進んでいるのだと思います。
最初から易しいのに、使い込んでいって『自分の形』になっていくと、ますます易しくなって手放せなくなるような気がします。

トレーリングエッジが大きく削られていました。
これが今の多くのアイアンやウェッジに共通する部分だと思います。
ハイバンスであっても、トレーリングエッジの削り込みにより、開きやすくなっていたり、ソールがスッと抜けやすくなっています。
答えを見れば誰でも分かることだと思いますが、こうして形にしないと分からないこともあるので、『コロンブスの卵』のようなものなのかもしれません。
昔は、こういう形状のアイアンやウェッジはありませんでした。
ゴルフクラブには、こういった点がとても多いと思いますし、メーカーの深い研究には頭が下がります。

ネックの長さは適度にあります。
ロングに感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ウェッジでは、これくらいが標準といっていいように思います。
ショートネックやスルーボアタイプだと不安に感じることもありますが、これくらいしっかりした長さがキープされていると安心できます。
それはしっかりとしたスピンを掛けやすくなることを経験で分かっているからです。
昔のセッティングはアイアンもしっかりとした長さがあったので、ウェッジとの長さも合っていましたが、今はショートネックタイプのアイアンは多くなったので、アイアンとウェッジのネックの長さに差があるという方も多いのではないでしょうか?
アイアンはよりあがりやすく、ウェッジはよりスピンが掛かりやすく・・・。というような設計になっているのかもしれません。
ボールの変化(進化)が、クラブに様々な影響を与えているのだと思います。

ホーゼルには『GF FORGED 1025 BORON』の文字が刻まれていました。
これまでのモデル同様、ミズノらしい、特別な鍛造がされているのだろうと思ったのですが、『BORON』という文字があったので、少し驚きました。
ボロンといえば、私はすぐにシャフトを思い出すのですが、そのボロンがヘッドの素材に使われているのでしょうか?
ボロンシャフトは高性能ですし、昔からかなり高価ではありましたが、その高級素材のボロンが使われているのだとすると、おそらく初めてではないかな?と思いました。
どういう効果が期待できるのか分かりませんが、製造方法だけでなく素材にまでこだわるミズノらしい個性が感じられました。
ゴルフクラブメーカーはたくさんありますが、ここまでこだわっているメーカーは無いと思います。
『唯一無二の存在』といっていいのではないでしょうか?

フェース面には細かなミーリングがありました。
とても細かくて、丁寧なミーリングです。
これまで色々なミーリングを見てきましたが、中には雑に見えたり、逆に無いほうがいいのにな・・・。と思ったりしたことがあったのですが、このウェッジのミーリングは違いました。
均一に揃っていて、綺麗でした。
足並みの揃った、『統率感のあるミーリング』といったらいいいでしょうか?
ボールに優しく働きかけてくれるような印象をもちました。
指で触れてみたのですが、結構ザラザラした感じがありました。
『ガツガツ』というよりは、少し穏やかな感じの『ザラザラ感』でした。
スコアラインに対して平行なタイプのミーリングもありますし、斜めになっているミーリングもあります。
このウェッジのミーリングは平行に近い、『円』を描くようなミーリングでした。
こういうミーリングは、これまでも出会ったことがあります。
ミーリングが目立ちすぎてしまうと、雑に見えたり違う印象をもってしまったりすることもありますが、このウェッジのミーリングはとても控えめな感じで、構えたときに全く気にならないといいますか、見えないだろう・・・。と思いました。
それくらい細かなミーリングです。

このオリジナルグリップはラバータイプで、よく見られるタイプです。
最近のミズノは、こういうグリップが多いように思います。
ツアーベルベットのようなしっとりとした感じはなく、グリップ力があって、滑りにくさが強調されているタイプです。
バックラインがありました。
フェースを回して(開閉)使うウェッジはバックラインが無いほうが有利だと私は思うのですが、このウェッジはバックライン有りが採用されていました。
フェースを開閉してもバックラインは気にならない。むしろあったほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのだと思います。
私はどの番手もバックライン無しを挿しているので、少し違和感があるのですが、これが今の主流といえるのかもしれません。
もし私がこのクラブを購入したら、ツアーベルベットのバックライン無しにすぐに差し替えます。
手に吸い付くような、あの独特なしっとり感は、一度経験したら外せません。
こちらに伝えてくれるのが多いグリップともいえます。

ボールを前にして構えてみると、とてもいい感じでした。
『据わり』のいいウェッジです。
昔のハイバンスタイプのような『浮く』感じがありません。
スッと自然に構えることができました。
アドレスが一瞬で決まりました。
据わりの良くないウェッジだと構え終わるまでに、少し時間が掛かることもありますが、このウェッジではそれがありませんでした。
一瞬でした。
特にヒール側が浮かないのがいいと思いました。
今はフェース面を真っ直ぐ入れる打ち方が主流かもしれませんが、私は真っ直ぐだけでなく、斜めにも使っていきたいので、このようにヒールが浮かないタイプは安心して構えることができます。
ヒールから入れていくイメージが出しやすいです。
この美しいブルーは特徴的ですが、全く邪魔になりませんでした。
むしろ柔らかそうな印象を与えてくれました。
『自分だけの世界』に入っていけそうです。
『ゾーン』に入りやすいといったらいいでしょうか?
ブルーという色は集中力を高めてくれるのだそうです。
以前も書きましたが、野球のピッチャーがブルーのキャッチャーミットと、オーソドックスな茶色のキャッチャーミットの2つにボールを投げたら、ブルーのキャッチャーミットのほうが構えたところにたくさん集まったというのをTVの番組で観たことがあります。
それも微差ではなく、はっきりと結果に表れていました。
色でそんなに違うのかと驚きました。
かなり昔に観た番組なのですが、驚いたので印象に残っています。
そういえば、スワローズの古田捕手はブルーのキャッチャーミットだな・・・。と思ったことも覚えています。
ゴルフの場合は目に見えないといいますか、視界に入っていないところがターゲットの場合が多いですが、この色の効果は大きいのではないでしょうか?
リラックスとイメージを膨らませていくことが、とても大切なのだと思います。
ネック形状も私の好みでした。
ストレートタイプでイメージが出しやすいので、構えやすいです。
強いグースネックを好まれる方は構えづらいかもしれません。
グースタイプのニーズも今は高まっているので、このウェッジはグースタイプもラインアップされているのでしょうか?
ミズノ(MP)にグースのイメージはありませんが、ニーズに合わせて作っているのかもしれないですし、『特注』で対応してくれるのかもしれません。
どのクラブでもそうですが、コースではウェッジは特にフルショットする場面が少ないです。
コントロールショットが基本ですし、アプローチで多用するので、どうしても柔らかいイメージが欲しくなります。
『ガツン』ではなく『フワッ』のイメージが欲しいです。
私はウェッジ(SWやLW)を試打するときに、いわゆる『クリネックスショット』のイメージが出しやすいかどうか?というのを気にしています。
そういうショットを実戦で使う頻度は決して多くないのですが、どうしても使わなくてはならない場面もありますし、そのイメージが出しやすいウェッジは重宝します。
このウェッジは、そのイメージが出しやすいので好感がもてました。

フェースを開いて構えてみたのですが、いい感じでした。
バンスが邪魔をしていません。
リーディングエッジが大きく浮かず、スッと静かにボールの下(草)を刈っていけそうです。
昔のハイバンスタイプのウェッジの短所が見事に修正されています。
バンスがあるので、バンカーでも易しそうですし、普通のアプローチでも活躍してくれそうです。
昔は、ハイバンスタイプは難しいと感じて、少し少なめの物を使っていましたが、今はそういうことはなくなりました。
グラインダーでバンスを削ることもありましたが、今では少なくなりました。
こうして大きく開いて構えると、ボールが真上にフワッと浮いてくるイメージが欲しくなりますが、このウェッジはそのイメージも浮かんできました。
『ダルマ落とし』のイメージが欲しくなるときもあります。
この色のウェッジを試打するのは初めてですが、親近感がどんどん湧いてきました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
球の乗りもいいので、フォローで距離感を出していけます。
今はアイアンで距離を出す為に『弾く』感じの物も増えてきていますが、ウェッジでそういうことをやると距離感が出しづらくなったりして、逆に難易度が増すだろうな・・・。と思っています。
このウェッジはバーンと弾く感じは無く、ボールがしっかりとフェースに乗ってくれました。
『食いつき感』のようなものはそれほど強い感じはしませんでしたが、『乗っかり感』はありました。
擦るのではなく、しっかりと押し込んでいけるウェッジだと思いました。
ミズノは特にフィーリングを大切にしているメーカーだと思っているのですが、このウェッジを試打していても、それを強く感じました。

『スピン性能』は、なかなか高いです。
ボールも適度に止まってくれました。
スピン性能は高いですが、いわゆる『激スピンタイプ』ではないと思いました。
計算がしやすいスピンといったらいいでしょうか?
スピンが効きすぎると距離感が出しづらくて難しい・・・。と感じておられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方々にも、このウェッジのスピン性能は親しみやすさを感じやすいような気もします。
スピン性能も安定していて、掛かったり掛からなかったり・・・。ということにはなりにくいように感じました。
フェースを開いて使えば、止めたいときにしっかりと止めていけますし、少し足(ラン)を使っていきたいときにも対応してくれました。
今日は練習場のマットの上からでしたが、次また試打する機会があれば、是非アプローチグリーンやバンカーで試してみたくなりました。
特に『逆目のライ』でどのように対応してくれるのかを試してみたいです。
順目の易しいライではなく、逆目の難しい状況でどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるのか試したくなりました。
芝とケンカしないけど決して負けないウェッジは魅力的です。

球はとても拾いやすくてイージーでした。
出球の高さのイメージも合っていました。
14本(以内)のセッティングの中で、ウェッジはパターに次ぐ重さをもったクラブです。
その重さが、あの軽い感じの『フワッ』とした球を打ちやすくしてくれていると思うのですが、このウェッジもそれが易しく感じました。
『重さから生み出される軽さ』といったらいいでしょうか?
フルショットではもちろん、アプローチでも球がしっかりと浮いてくれました。

『安定性』も、なかなかいい感じでした。
ラインも出しやすく、ブレる感じがしませんでした。
30ヤード以内のアプローチだけでなく、フルショットでも試してみたのですが、ラインに真っ直ぐ飛んでいって、安定していました。
とてもカッコいいウェッジですが、気難しい感じはしませんでした。
構えやすさなどフィーリングの良さが、この好結果につながったと思いますが、もっとたくさんの色々な要素が絡み合っているのかもしれません。
グースタイプを好まれる方は難しいかもしれませんが、ストレートタイプを好まれる方には、とても易しく感じられるのではないでしょうか?

『距離感』も合いやすいです。
出球の高さのイメージが合いやすいので、必然的に距離も合ってきます。
ボールの『スピード感』もいいな・・・。と思いました。
野球でいうと150キロを超えるような剛速球ではなく、90キロくらいのスローカーブといったらいいでしょうか?
速い球でなく、ゆっくりとした球で寄せたくなるときも多いのですが、このウェッジはそれが簡単でした。
ゆっくりな球なので、精度のブレが小さく、狙った円に運んでいくことができました。
緩めてヒットするのではなく、しっかりとヒットした上でゆっくりな球を打ちたくなりますが、このウェッジはそれができました。

『操作性』は高いです。
フェースを回していくことができたので、色々な球で遊ぶことができました。
一球一球ターゲットを変えて、狙っていきました。
今はオートマチック系のウェッジもありますが、このウェッジは安定性もありながら、マニュアル的な要素もあると思いました。
普段は、ほぼ自動的といいますか、オートマチック性を活かしていきながらも、ここという難しい場面でも活躍してくれそうです。
色々と遊んでいけるので、一球毎の『鮮度』が失われないですし、新鮮な気持ちのままボールと戯れることができました。
気づかないうちに『ゾーン』に入っていたのかもしれません。
ショートゲームの練習は本当に楽しいです。
楽しすぎて、試打ということを忘れてしまっていました。

先ほども書きましたが、ミズノはアイアンがあまりにも有名ですが、ウェッジもいい物が多いです。
アイアンほど目立つ存在ではないかもしれませんが、ウェッジにもアイアンのノウハウが充分活かされているように思います。
今は『ウェッジメーカー』のウェッジが大人気ですが、それだけではない『アイアンメーカー』のミズノのウェッジも、その競争に入っていけそうです。

ウェッジは海外メーカーの人気が高いですが、日本のメーカーも優れた物が多いです。
私はウェッジなど小技の練習が大好きなので、いつも高性能なウェッジにたくさん出会い、嬉しく思っています。
今日も素晴らしいウェッジに出会ったな・・・。と思いました。

ボールの低スピン化が進み、距離が出るようになり、曲がりにくくなりました。
それはとても素晴らしいことだと思います。
しかし、それは逆にアプローチなど小技での弊害につながってくるようなこともあるかもしれません。
今はボールが『飛んで止まる』という魔法のような言葉が使われていますが、昔の『糸巻きボール』を経験しておられる方にとっては、やはり『止まりにくい』『戻しにくい』など感じられることもあるのではないでしょうか?
プレイヤーが永年培ってきた技術を発揮しづらくなってきているところがあるのかもしれません。
しかし、それを充分過ぎるほど補って、易しくシンプルになってきているとは思うのですが・・・。
グリーン奥に外して下りの難しいアプローチが残ったときに、この場面だけ糸巻きを使いたい・・・。と思ったことがあるのは私だけでしょうか?

最初は、この美しいブルーが目を引きましたが、決して色だけではない、基本性能の高さも持っているウェッジです。
さすがはミズノのクラブだと思いました。
ミズノに『妥協』という言葉は似合いません。
色々なメーカーのクラブを試打していると、妥協とはいかなくても、あまりこだわっていないな・・・。とか、ただ今の流行りに乗っかっているだけだな・・・。と思うことはありますが、ミズノ(MP)でそれを感じたことはありませんし、これからもそうであって欲しいと思っています。

このブルーはとても美しいですが、それが気になります。
ずっとこのまま美しさを保ち続けてくれるのであれば嬉しいのですが、おそらく使い続けていくうちに、メッキも剥がれて錆びやすくなるのではないかな?と思いました。
それがカッコ良く綺麗であればいいのですが、汚かったりみすぼらしくなってしまったりするのでは魅力も半減します。
ウェッジはとてもシビアな場面で使うことが多いクラブです。
より繊細さが求められますし、一本のクラブで色々な打ち方を要求されることもあります。
なるべくクラブに傷をつけずにずっと美しいまま使っていきたい・・・。と、多くのゴルファーが思うところだと思います。
クラブの直接的な性能とは関係ないかもしれませんが、それが気になりました。

こういったブルーのウェッジは初めてですが、全然おかしくはなかったですし、クラブ(ウェッジ)に合った色だな・・・。と思いました。
今度アイアンでも見てみたい・・・。と思いました。
最初から最後まで、このウェッジの美しさに魅了されました。
2017年04月22日
ミズノ MP TYPE-1 ドライバー & MP TYPE-2 ドライバー

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
今日は、この2つのMPドライバーを試打してみました。
試打クラブは、 ミズノ MP TYPE-1 ドライバー と MP TYPE-2 ドライバー です。

シャフトはどちらも TOUR AD J-D1 です。
<左> TYPE-2 のスペック
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は58g、トルクは5.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308gです。
<右>TYPE-1 のスペック
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は58g、トルクは5.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308gです。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
ミズノMPシリーズの秀作ドライバーです。
どちらも先日試打したのですが、今日は同時に打ち比べてみることができました。
こうして見ていても、すごくいい雰囲気が伝わってきます。
前に試打していますし、その印象は強く残っているのですが、見ているだけで癒やされるような存在は珍しいです。
MPらしい『目で楽しめる』ドライバーといっていいと思います。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
目で楽しめるだけではありません。
それ以外の基本性能もしっかりしていて、それぞれタイプが違います。
シャロータイプのTYPE-2と、ディープタイプのTYPE-1です。
デザインは殆ど同じといっていいと思いますが、形状の違いによって、性質の違いがはっきりしているのでいいな・・・。と思いました。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
どちらもMPの名に相応しい男前ドライバーですが、それぞれ個性があります。
シャロータイプで、やや大顔に見えるTYPE-2と、ディープタイプで小顔に見えるTYPE-1です。
今はTYPE-2のようなタイプが、今のスタンダードといえるのかもしれませんが、TYPE-1の小顔感もいいです。
むしろ、こちらのほうがパワフルな弾道をイメージしやすいです。
TYPE-1は結構小振りに見えるので、不安を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
TYPE-2のほうが安心できるという方も多いかもしれません。
今は球を自在に操作するというよりも、できるだけ曲げ幅を小さくして打っていきたい・・・。というのが主流といえるような気もします。
ドライバーはオートマチックタイプを。
そしてアイアンやウェッジではマニュアルタイプを求めておられる方も多いのではないでしょうか?

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
ネックの長さは同じでした。
ソールにある溝の深さも同じでした。
ヘッドの形状や大きさが違うのだから、ネックの長さや溝の深さも微妙に違っているのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。
ネックの長さや溝の深さを同じにしたほうが、ヘッドの大きさや形状による違いを把握しやすいのかもしれません。
変えるべきところと、変えるべきでないところがあるのだと思いました。

素振りをしてみた感じは、全くといっていいほど同じでした。
ヘッドの大きさによる振り感の違いは感じられませんでした。
どちらも以前試打したシャフトですが、ヘッドよりもソフトなスペックに仕上がっている印象があります。
私にはやや暴れやすい感じがするのですが、これが純正ということなので、このシャフトがヘッドとの相性がバッチリなのかもしれません。
できれば違うシャフトでも試してみたいな・・・。と思いました。
今度機会があれば、違うシャフトでも試してみたいと思っています。
ヘッドのポテンシャルの高さは以前試打して、充分感じとっています。

TYPE-1

TYPE-2
ボールを前にして構えてみても、違いがはっきりしていました。
おそらくTYPE-2のほうが支持を集めやすいと思います。
大きさがあって安心感もありますが、決して形が崩れていない男前なドライバーです。
対してTYPE-1は小振りで反応が良さそうな分、ミスにはシビアそうで、弾道も抑え気味な感じが伝わってきます。
まるで一昔前のドライバーを構えているようです。
これは人によって好みがはっきり分かれるところだと思います。
どちらもいいですが、私はTYPE-1のほうが、より胸がときめきました。
私は高めの弾道よりも、ライナー系の強い弾道を好むので、TYPE-1の美顔にハマってしまいました。
タイプはそれぞれ違いますが、どちらもとても好感がもてますし、リラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『打感』はどちらも同じで、甲乙付けがたいです。
好感のもてる打感です。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『音』も同様でした。
音が邪魔することなく、気持ち良く振り切っていけます。
私のこれまでの経験から、こういう音だと曲がる気がしません。
予想もしていないような大きなミスにはなりにくいような気がします。
それだけ気持ち良く振り切ることができました。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『球のあがりやすさ』という点では、TYPE-2でした。
これはもうはっきりと違いを感じとることができました。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『安定性』もTYPE-2だと思いました。
どちらも寛容さをウリにしたドライバーではありませんが、決してシビアすぎることもなく、ミズノの高い技術により、見た目の印象以上の易しさはあるように感じました。
性格のはっきりしたドライバーだと思います。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『飛距離性能』という点では、どちらもレベルが高いですが、私にはTYPE-1のほうが合っているように感じました。
構えたときの印象もそうですし、抑えた弾道で力強い球が打てるので、いつかマイドライバーと打ち比べてみたい・・・。と思いました。
何故、今日は持ってきていなかったんだろう・・・。と後悔しました。
それくらい、TYPE-1は気に入りました。
マイドライバーと打ち比べてみたくなるドライバーは年間通しても、そう多くありません。

<左> TYPE-2 <右>TYPE-1
『操作性』はTYPE-1でした。
TYPE-2もそれほど扱いづらい感じはしませんが、こうして打ち比べてみると違いがはっきりしていました。
装着されているシャフトの影響も大きいのだと思いますが、どちらも球がつかまりやすいと思いました。
特にTYPE-1はつかまりやすいので、ドロー系が打ちやすいです。

今日は、この素晴らしいドライバーを打ち比べることができて、とても贅沢な日だと思いました。
試打した感想は、それぞれ単体で試打したときと同じでした。
いい印象は色褪せることなく、試打を終えることができました。
2本のドライバーの試打でしたが、1本のドライバーを試打するときの2倍ではなく、4倍から5倍くらいの時間をかけて楽しむことができました。

どちらもいいドライバーなので、まだMPドライバーを試したことがないという方にも是非試していただきたいと思いました。
ヒッター向けであることは間違いないのですが、それほど難しすぎない。意外と打てる・・・。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
MPドライバーはこれまで『カッコ良さ』と『高フィーリング』が秀でていましたが、それに『飛距離』がプラスされたように思います。
毎年色々なドライバーを試打していると、あまり変わらないな・・・。目先を変えているだけだな・・・。と思うことが正直あります。
しかし、何年かに一回は、これはいいな・・・。進化しているな・・・。と思えることがあります。
昨年出会ったPRGRのドライバーもそうですし、今年試打したキャロウェイのドライバーもそうです。
そして、このMPドライバーも、それまでの物よりもレベルアップしていると感じました。
今年は例年以上にハイレベルなドライバーたちに出会えそうです。
2017年04月08日
ミズノ MP TYPE-1 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP TYPE-1 ドライバー です。

シャフトは TOUR AD J-D1 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は58g、トルクは5.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308gです。

ミズノMPドライバーのニューモデルです。
先日TYPE-2というドライバーを試打したのですが、今日はTYPE-1です。
TYPE-2には、とてもいい印象をもっているので、TYPE-1も早く試打したいと思っていました。
メーカーによっては『三兄弟』のところもありますが、このミズノのニューモデルは『二兄弟』のようです。
この2つのモデルで殆ど全てのゴルファーをカバーしているというのではなく、予めターゲットを絞り込んで、そこから選択肢をもてるようにしているのだと思います。
いわゆる『イージー系』の雰囲気は全くありません。

惚れ惚れするほど美しいヘッドだな・・・。と思いました。
こうしてしばらく見とれていました。
ゴルフクラブには実際に球を打つ楽しみがありますが、それよりも前に、こうして目で楽しむことができます。
いい雰囲気をもったクラブは見ているだけで心が癒やされますし、気持ちが盛り上がってきます。
TYPE-2とヘッドの形状は違いますが、デザインは同じに見えました。

ネックの長さも見慣れた感じがします。
おそらくTYPE-2と同じだと思います。
今度機会があれば、見比べてみたいと思いました。

TYPE-2と同じく、ネックには調整システムが搭載されていました。

試打するのは、この『9.5』のポジションです。
TYPE-2同様、一度刻みでロフトを調整できるようになっているので、色々と試してみるのも面白そうです。

ソールには大きな溝がありました。
メーカーは『波』という名前を付けていますが、この『波』が大きな効果を発揮するのだと思います。

溝の深さもしっかりとありました。
おそらくTYPE-2と同じではないかな?と思いました。
今度TYPE-2と一緒に試打することができれば、見比べてみたいと思いました。

トゥ側

ヒール側
このトゥ側とヒール側の凹み部分も同じです。
とても美しく、丁寧に作られている感じがします。

セミディープタイプといっていいでしょうか?
TYPE-2と明らかに違います。
厚みのある形状です。
今はシャロータイプが圧倒的に多いので、こういうタイプは少数派といっていいと思います。
ディープといってもいいのかもしれませんが、フェース高よりも若干下がっているので、セミディープというほうが合っているような気がします。
美しい『後ろ姿』だな・・・。と思いながら、挑戦意欲を掻き立てられました。
気持ちの昂ぶりが抑えられません。

この美しいフェース面もMPらしいです。
TYPE-2と同じです。
打感が柔らかそうな印象を与えてくれますし、弾きも良さそうです。
今はフェース面のデザインも色々と凝った物がありますが、最新モデルでこのように昔ながらのシンプルな物が登場してくるということは、複雑にすればいいというものでもないのかもしれません。
ボールとの唯一の接点である、フェース面の設計も奥が深いのだと思います。
目では見えない『奥側』に、色々な工夫がされているのかもしれません。

このシンプルなオリジナルグリップもTYPE-2と同じです。
シンプルですが、ラバーグリップらしいソフトなフィーリングと独特な『パターン』によって、適度なグリップ力もあります。

思わず目尻が下がってしまうようなたまらない顔をしていました。
すごく美顔で、小顔です。
TYPE-2もいい顔をしていましたが、このTYPE-1のほうがさらにコンパクト感があります。
大顔タイプを好まれる方は、ちょっと小さく感じられるかもしれませんが、私はコンパクトなタイプが好きなので、とても魅力的に見えました。
どちらがいいというのではなく、好みによって選んでいけばいいのだと思います。

素振りをしてみた感じは、TYPE-2と同じシャフトで同じスペックだったので、正直物足りない感じがしましたが、また次の機会に違うシャフトで試すことにして、今回はこのまま試打することにしました。
調整機能が付いていてシャフトが簡単に取り外せるようになっているので、他のシャフトがすぐに試せるようになっていればいいな・・・。と思いました。
ヘッドとシャフトとのミスマッチ感はありますが、タイミング重視で振っていくことにしました。

ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
すごく構えやすいです。
コンパクトでクセの無い顔をしているので、イメージも鮮明に浮かんできます。
ライナー系のイメージが浮かんできました。
球筋はほぼストレートでしたが、逃がすイメージも出せました。
逃がしやすそうだからつかまえることができます。
逆に強烈なつかまえ顔はどうしても逃がしたくなります。
フックフェースだと無意識に『カットめ』に振っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
左へのミスを警戒するあまり、本来のスイングができないという方もいらっしゃると思います。
このドライバーは、コンパクトで自然な感じがしました。
方向性への不安は全くありませんでした。
かなり叩けそうな感じがしました。
最近のドライバーで、ここまで強く叩けそうに感じたのはちょっと記憶にありません。
一昔前の雰囲気をもった、最先端のドライバーだと思いました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
TYPE-2を試打していたので、予め予想をしていたのですが、その予想通りのグッドフィーリングでした。
ドライバーの役目は、セカンドで打ちやすいところに運ぶなど、色々あると思いますが、やはり『飛距離』が一番といえるのかもしれません。
『狙い撃ち』や『置きに行く』ことは実戦でもよくあることだと思いますが、やはり多くの方が一番追求していきたいのは飛距離ではないでしょうか?
ここ一番で飛ばしていきたいときに、打感が良くないと100%のパフォーマンスは発揮できないと思います。
フィーリングがいいから、気持ち良く振り抜いていけるのだと思います。
そういった意味でも、このドライバーはとても優れているな・・・。と思いました。

『音』も、いい感じです。
心地良い金属音です。
大きすぎない、おとなしい音です。
インパクトが緩むことなく振っていくことができました。
球を打っていて、ストレスを感じることはありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、今のドライバーの中でも、かなりタフなタイプだと思います。
ライナー系が打ちやすいドライバーです。
低く強い球が出るので私は好きですが、人によって好みがはっきり分かれるかもしれません。
球があがりきらずにキャリーが稼げない・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
今のドライバーは結構複雑化していて、見た目と実際の性能とのギャップがあることが少なくありません。
難しそうに見えて意外と簡単だったり、逆にあがりやすそうに見えて結構タフな設計になっていたり・・・。と、見た目だけでは性能が把握しづらいところがあります。
アイアンと違い、設計自由度の高いドライバーだからできるのかもしれません。
先日試打したTYPE-2もターゲットを絞り込んでいるように感じましたが、このドライバーはさらに絞り込んでいるように感じました。
しかし、このドライバーはTYPE-2同様、調整機能が付いていてロフトを変えられるので、もっと上がりやすくなるのは間違いありません。
9.5ではちょっときついけど、10.5にしたらすごく良くなって、キャリーを充分稼げるようになった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ヒッター向けであることは間違いないですが、調整機能のおかげで、意外とターゲットとなるゴルファーの幅も広くなるのかな?と思いました。

『安定性』という点では、シビアな印象をもちました。
シビアと言うよりは『正直』といったほうがいいのかもしれません。
ミスはミスとはっきり伝えてくれるドライバーだと思いました。
今はイージー系ドライバーが多いので、この正直なところは珍しいような気もするのですが、昔はこのような正直なクラブばかりだったので、特別難しくなっているとは思いませんでした。
TYPE-2よりも明らかに正直なタイプだと思いました。
私はヘッドよりもシャフトが難しく感じました。
私がフッカーだからなのかもしれませんが、最初はフック系の球が出てしまいました。
打感や音は叩いていけるのですが、タイミングという点で、合わせにいくほうが安定するような気がしました。

『飛距離性能』は、かなり優れていました。
TYPE-2を試打しているので、このドライバーにも飛距離を期待していましたが、その期待通りでした。
ライナー系のかなり強い球が打てました。
飛んでいく弾道に無駄が無いといいますか、効率良く飛ばしていけるドライバーだと思いました。
シンプルなフェース面ですが、かなり仕事をしてくれている感じがしました。
弾きの良さと押しの強さのあるドライバーだと思いました。
ソールなどにも色々な工夫がされていますが、フェース面にもかなりの技術が注ぎ込まれているのではないでしょうか?

『操作性』は、いい感じでした。
小顔タイプなので、『操るタイミング』が取りやすいです。
直進性の高いオートマチックタイプのドライバーでは、なかなか味わえない感覚です。
真っ直ぐ飛ばすというよりも、自分の持ち球で勝負していけるドライバーだと思いました。
球持ちがいいというよりは弾きのいいドライバーなので、『くっつき感で操作する』感じはしなかったのですが、左右にも上手く対応してくれました。
適度な大きさなので、『逆球』が出にくいのがいいと思いました。
自分の打ちたい球筋を打たせてくれるので、実戦向きだな・・・。と思いました。

TYPE-2同様、かなりスグレモノのドライバーだと思いました。
MPドライバーでここまで心が躍ったのは久し振りだな・・・。と思いました。
見た目のカッコ良さとハイテクさからくる印象通りの、高いポテンシャルをもったドライバーです。

いい意味で、最近のMPドライバーとは違う印象をもちました。
『進化』を感じました。
いわゆる『敷居の低い』ドライバーではないですし、易しさを進化させているようには感じません。
進化の矛先を『飛距離』に向けているように感じました。
ヒッタータイプの方にはたまらないドライバーといえるのではないでしょうか?

MPはアイアンがいいけど、ドライバーは・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
MPドライバーを敬遠してこられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、このドライバーはかなり進化していると思うので、多くの方に試していただきたいと思いました。

これまでもたくさん書いてきましたが、私は最新のクラブが必ずしも最高ではないと思っています。
進化していなくて停滞。
むしろ『退化』してしまっているんじゃないか?と思えるドライバーにも出会ってきました。
色々な物が付け加えられているけど、肝心の飛距離はもうひとつもふたつも足りないな・・・。と思えるドライバーもありました。
MPドライバーの中にも、正直あまり魅力を感じなかった物もあります。
しかし、このドライバーは違いました。
明らかに『進化』していると思いました。

このTYPE-1と先日試打したTYPE-2は、見た目のカッコ良さは共通していますが、性格的にかなり違う部分を感じました。
どちらがより高い人気が得られるかはよく分からないところがありますが、おそらくTYPE-2のほうが、支持が得られやすいのではないかな?と思いました。
私はこのTYPE-1のほうが好きだな・・・。と思いましたが、性格がはっきりしているので、合わないと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
今度機会があれば、TYPE-2と同時に打ち比べてみたいと思いました。
きっと楽しい試打になるだろうな・・・。と思いました。
2017年04月02日
ミズノ MP TYPE-2 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP TYPE-2 ドライバー です。

シャフトは TOUR AD J-D1 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は58g、トルクは5.0、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308gです。

ミズノMPシリーズのニュードライバーです。
MPのニューモデルは毎年秋に登場してくるイメージがあるのですが、今回は春になりました。
『早い』とみるか『遅い』とみるかということがいえますが、私は研究に研究を重ねて、ようやく今の時期にたどり着いたのではないかと思っています。
これまでのMPドライバーには、あまり見られなかったデザインです。

機能性を感じさせますし、ハイテクな感じもしますが、カッコ良さは失われていません。
MPはカッコ良くなければならない。美しくなければならない・・・。というのが私の中であるので、このドライバーは好感がもてます。
MPファンの私は安心しました。
全身が黒で、精悍さを感じさせます。
形状的にはディープというよりはシャローな感じがしますが、形が崩れていないところが、さすがMPだと思いました。

このドライバーの特徴は何といっても、このソールにある溝です。
これが一番のポイントだと思います。
以前試打したJPXのFWを思い出しました。
他のメーカーではポピュラーな存在となった、この溝ですが、MPで採用されているというところに少し驚きました。
色々なメーカーが採用しているということは、それだけ高い効果が期待できるのだと思います。

溝の幅も深さも、結構ありました。
この幅や深さも、メーカーによって色々違います。
どれがベストなのか分かりませんが、メーカーの特色が見られて面白いです。
ミズノの深い研究によると、この型にはこの溝がベストということなのだと思います。
溝のあるドライバーも色々と試してきて、中にはちょっとチープに見える物もありました。
しかし、このドライバーにはそういったことは感じませんでした。
ミズノだから・・・。ということを差し引いても、この美しさはさすがだな・・・。と思いました。
機能性ばかりを追求していて、雑に感じられるドライバーもありましたが、このドライバーは違いました。

溝のすぐ近くには『WAVE TECHNOLOGY』という文字がありました。
この溝のことでいいのだと思います。
私は溝だと思っていたのですが、メーカーは『波』という考え方なのだと思いました。
単なる溝ではなく、凹凸があって波のようになっているところに重要な秘密があるのかもしれません。

ネックの長さは平均的でした。
今のドライバーの中でも、よく見かける長さです。

ネックには調整機能が搭載されていました。
この調整機能も最近は採用しなくなったメーカーもありますし、一時期の勢いは無いような気もしますが、JPXでなくMPで採用してきたということは、それなりの理由があるのだと思います。
多くのMPファンの方から、リクエストがあったのかもしれない・・・。と思いました。
私は調整機能をそれほど重要視していませんが、クラブ購入時の選択肢に入れておられる方はたくさんいらっしゃると思います。

試打するのは、この『10.5』のポジションです。
他にも1度単位で色々なロフトに変えられるようです。
つまり、この1本で多くのゴルファーをカバーできているということになります。
ロフトを選び間違えた・・・。ということがなくなっていいかもしれません。

このオリジナルグリップはソフトなフィーリングで、なかなかいい感じです。
今は高い機能性をもったグリップが採用されているドライバーもありますが、このドライバーのグリップはシンプルなタイプです。
これまでもたくさん出会ってきました。

トゥ側

ヒール側
ソールのトゥ側とヒール側が凹んでいました。
これは空気抵抗を減らすものなのでしょうか?
それとも単なるデザインでしょうか?
これまでも、このような工夫がされているドライバーにたくさん出会ってきましたが、ミズノらしい丁寧さが感じられました。
チープさが全く感じられない、丁寧さと美しさの両立ができているドライバーだな・・・。と思いました。
『黒の迫力』もありました。

フェース面のデザインもシンプルで美しいです。
これまでの『グッドフィーリング系』のドライバーによく採用されるデザインです。
今はフェース面も色々なデザインがありますが、このドライバーはシンプルで王道をいっている感じがします。
『球の吸い付き』が良さそうだな・・・。と思いながらも、弾きも強そうだ・・・。と思いました。

セミシャローバック形状といっていいように思います。
ディープという印象はありませんでした。
今はもっとシャローなドライバーもたくさんあるので、結構厚みがあるように見えますが、やはりディープというよりはシャロータイプだと思いました。
シャロータイプのドライバーを好まれる方には、とても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
シャロータイプですが、『薄すぎない』ところに好感がもてました。

とてもいい顔をしていました。
MPらしい整った顔をしていました。
MPは『男前』でなければならない。いい顔をしていて当たり前というところがあるので、自然とハードルも上がってしまうかもしれませんが、その高いハードルを見事に克服しています。
このいい顔を見て、益々好感度が上がってきました。
テンションも上がり、早く打ちたい・・・。と思いましたし、この美しさを目に焼き付けておこう・・・。と思いました。
いいクラブに出会ったときの、その日の『ラッキーな気分』といいますか『心地良い感覚』はたまりません。
今日は幸運な日だ・・・。と思いました。

素振りをしてみると、シャフトがやや頼りない感じがしました。
このヘッドの雰囲気にはちょっと合っていないようなシャフトのスペックでした。
重量的にもそうでしたし、軟らかさもありました。
フレックスは『S』ということだったのですが、かなり軟らかく感じました。
これはちょっとイメージの違う振り感だな・・・。と思いました。
もっとしっかり振っていけるスペックだと思っていたので、少し意外でした。
ただ、このドライバーは他にも色々なシャフトが用意されているということなので、次回はそちらも試してみたいと思いました。

ボールを前にして構えてみても、好感がもてました。
クセのないオーソドックスな顔です。
MPらしい美顔です。
予想通りといいますか、期待していた通りの構え感でした。
整った顔をしていますが、どことなく易しさも感じました。
シャロー感があったからかもしれません。
聞くところによると、このドライバーのヘッド体積は『460cc』ということですが、少しだけコンパクトに見えました。
それほど『大顔』には見えませんでした。
今のドライバーの主流は『460cc』だと思いますが、こうして見ても、色々なタイプがあるな・・・。と思いました。
ルール上は確か許容差10立方センチの誤差が認められていると思うのですが、このドライバーはかなり『460cc』に近いタイプだろう・・・。と思いました。
ラージサイズではありますが、大味な感じはしませんでした。
イメージもしっかりと鮮明に描くことができました。
イメージは、これから飛んでいくボールにとっての『道先案内人』のようなところがあるので、このようにいいイメージが描けると、緊張感もとれリラックスできます。
実際に歌うことはありませんが、鼻歌でも歌いたくなるような気分でした。
目尻が下がりっぱなしで、ワクワクしました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトでとても良いです。
予想通りのグッドフィーリングでした。
私はミズノ(特にMP)には、カッコ良さだけでなく、打感などのフィーリングを常に高い次元で求めているのですが、このドライバーはその私の要求にしっかりと応えてくれました。
ソフトではありますが、ボヤけた感じはなく、心地良い感触を楽しむことができました。
手に嫌な衝撃が残ることはありませんでした。
いい意味での、手応えがない感じ・・・。といったらいいでしょうか?
昔はこういう打感のドライバーがたくさんあったな・・・。と思い、懐かしく感じました。

『音』はとても静かで好感がもてました。
インパクトを邪魔することなく、気持ち良く振らせてくれました。
フェース面を見たときに予想した、好感のもてる音です。
インパクト時に発する音は、そのクラブの『品位』を決めてしまうこともある重要な要素ですが、この音は好感がもてました。

『球のあがりやすさ』という点では、結構しっかりしていると思いました。
高~い弾道が出やすい高弾道系ではないと思いました。
球が浮ききらず、ドロップしてしまうということはなかったのですが、結構抑えられた弾道だな・・・。と思いました。
逆に言えば、叩いていけるので好感がもてるのですが、球があがりにくいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
ヒッター向けのドライバーといっていいと思います。
今の『シャロー系』ドライバーの中では、しっかりしているほうだと思います。
シャフトだけでいえば、もっと『ソフトスペック』に仕上がっているのかと思いましたが、そうではありませんでした。
ヘッドとシャフトのミスマッチ感がありました。

『安定性』という点では、最初の2球はちょっと球筋が乱れてしまいました。
シャフトのタイミングが合わず、ミスをしてしまいました。
結構『走る』というよりは『暴れる』に近い印象をもちました。
ちょっと遅れてやってくる感じがありました。
素振りをやり直して、ようやくまとめることができました。
打感や音はとてもいいので、しっかりと振っていけるのですが、このシャフトではちょっと『合わせにいく』感じのほうが合いやすいように感じました。
シャフトが合っていれば、もっと易しいだろうな・・・。と思いましたが、違うシャフトを試すことができないので、このまま試打することにしました。
ヘッド自体は、シビアさはそれほど感じませんでしたが、『曲がりにくい』とか『高い直進性がある』というタイプのドライバーではないと思いました。
いいショットをしたときとミスをしたときの球筋の違いがはっきりしていたので、分かりやすくていいな・・・。と思いました。
シャロー系のドライバーですが、正直さも持ち合わせていると思いました。
ごまかしながら、何とかまとめていく・・・。という感じはあまりしませんでした。
ドライバーに寛容さを第一に考えておられる方には、やや合いづらいところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は、かなり優れていました。
弾道が力強く、『弓を引くような』鋭い弾道だな・・・。と思いました。
このドライバー自体、それほど重量感は感じなかったのですが、弾道自体はとても力強く『重さ』があるな・・・。と思いました。
低スピン性能も高いと思いました。
叩きにいっても吹き上がるような弱々しい弾道ではありませんでした。
力強い放物線を描いたボールは、なかなか落ちてきませんでした。
ボールの弾きも強いです。
このスピード感をどう表現したらいいのだろう・・・?
『マッハ』という言葉が浮かんできました。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
私がフッカーだからかもしれませんが、最初のうちはフック系の球が出ました。
これはヘッドというよりも、シャフトによるところが大きいように感じました。
私にはちょっとつかまり過ぎる感じのシャフトだと思いました。
キックポイントは中調子ということですが、私は先調子くらいに感じられました。
だんだんと慣れてきて、右に曲げることもできました。
結構大きなスライスも打つことができました。
改めて『曲がりにくい』タイプのドライバーではないな・・・。と思いました。
かといって、操作性重視というタイプでもないような気がしました。
どちらかに偏ったタイプでもないのでドローヒッターの方も、フェードヒッターの方も、自分の持ち球で勝負していけるように感じました。
中立的なタイプのドライバーだな・・・。と思いました。
今はスライスを抑制するドライバーもたくさんありますが、このドライバーはそれらとは違う性質をもっているな・・・。と思いました。
右に大きく曲げることもできたので、スライスに悩んでおられる方には、もっとつかまりのいいドライバーのほうが合いやすいかもしれません。
ただ、このドライバーは『アップライト』にもできるということなので、その調整機能を使えば、もっと親しみやすくなるような気がします。

高い機能性があり、ハイテク感のあるドライバーですが、フィーリングも決して疎かになっていないドライバーです。
フィーリングが置き去りになっていないので、親近感がもてます。
機能性だけを追求して、雑な感じのクラブはあまり親近感がもてないですし、長く使っていくのは難しいような気がします。
昔だけでなく、今でもそういうドライバーはたくさんあります。
MPの特長といいますか、しっかりしたクラブだという印象をもちました。
MPファンの期待と信頼を裏切らないドライバーだな・・・。と思いました。

これまでたくさんのMPドライバーを試打してきて、特に印象に強く残っているのが『T-1』というドライバーです。
もうかなり前のドライバーですが、その高い飛距離性能とフィーリングにしびれ、かなり購買意欲が刺激されたのですが、お金が貯まる前に廃番になってしまったので、悔しい思いをしました。
あのドライバーが放つ弾道の強さは、今でも脳裏にしっかりと焼き付いています。
私の中での『ベスト・オブ・MPドライバー』はT-1です。

このドライバーを試打しながら、T-1のことを思い出しました。
それくらい、このドライバーのレベルの高さを感じました。
このドライバーは、そのT-1といい勝負をするんじゃないかな?と思いました。

私は最新のクラブが必ずしも最高のクラブとは限らないと思っています。
それはたくさんのクラブを実際に手にしてきて、いつも実感しています。
最新のモデルを試打していて、前のモデルのほうが良かったな・・・。と思うことはよくあります。
もちろん、メーカーも常に研究をして新しいクラブを発表していると思うのですが、いつも最高ではないと思います。
旧型モデルと最新モデルではそれほど大きく性能が変わらないこともありますし、旧型のほうがいいこともあります。
ただクラブは『ボールとの相性』がとても大切なので、そういう意味では最新のモデルのほうが、最新のボールとの相性はいいのかもしれません。
あの名器『T-1』と打ち比べてみることは、おそらく不可能だと思いますが、もしチャンスがあれば是非試してみたいな・・・。と思いました。

MPらしいカッコ良さと高いフィーリング性能がありながら、新たな技術が投入されていて、基本性能がしっかりしていると思いました。
『易しさ』最優先というタイプではないと思いますし、そういった意味では、メーカーもある程度ターゲットを絞り込んでいるように思います。
以前は『易しくて親しみやすいMPドライバー』もありましたが、このドライバーはこれまでのMPイメージに合うタイプのドライバーだと思いました。
『敷居の低さ』で勝負していないように感じました。
易しすぎないですが、決して難しすぎるタイプでもないと思います。
絶妙な位置にあって、高い飛距離性能を求めていけるハイレベルなドライバーだと思います。
日本メーカーの、そしてミズノというトップメーカーらしい『繊細で強いクラブ』だな・・・。と思いました。
2017年03月05日
ミズノ JPX 900 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ JPX 900 フェアウェイウッド の3番です。

シャフトは0rochi Blue Eye F です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55g、トルクは4.0、キックポイントは中調子、クラブ総重量は324gです。

ミズノJPXのブルーが美しいフェアウェイウッドです。
先日はドライバーを試打することができましたが、今日はフェアウェイウッドを手にすることができました。
美しいブルーのインパクトがとても強いです。
『JPXブルー』といったらいいでしょうか?
艶消しの美しいブルーが目を楽しませてくれます。
『易しさ』と『美しさ』の両方が感じられるFWです。

シャロータイプのフェアウェイウッドです。
このクラブはスプーンですが、こうして見る限り、なかなかスプーンには思えません。
スプーンはクリークやバフィーなどと比べると、多少ディープなイメージが残っているのですが、最近のクラブはすっかり変わりました。
球のあがりやすさが強調されるようになりました。
これは、ボールの進化と関係が深いように思います。

ネックの長さは充分です。
今はショートネックが多いですが、このクラブのように適度な長さがある物も少しずつ見かけるようになりました。
ネックに調整機能が搭載されていないせいか、とてもすっきりしていました。

ホーゼルには『YORO Pure Tuning』の文字がありました。
岐阜県の養老工場で、純粋なチューニングがされているということでいいのでしょうか?
ゴルフクラブの聖地のひとつでもある、養老工場の名前があると、興味がさらに湧いてきます。
すごく贅沢だな・・・。と思えてきます。

ソールにはウェイトが配置されていて、移動できるようになっていました。
先日試打したドライバーと統一性が保たれているように思います。
ヘッドの大きさが違うので、ドライバーほどの複雑な調整はできないようですが、同じような設計になっているところに好感がもてます。
同じシリーズということもありますし、コンセプトは一緒なのではないでしょうか?

ウェイトのポジションは、この『2』の位置でした。
『HIGH』と『LOW』の中間ということになるようです。
このままでも充分あがりやすそうなのに、もし『HIGH』の位置にしたら、どれだけあがるんだろう・・・?と思いました。

ソールには大きな溝がありました。
これは、これまでのモデルと共通するところです。

かなりのシャロータイプです。
球があがりやすそうです。
薄い感じのフェアウェイウッドです。
このシャローヘッドに好感を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?


フェース面のデザインは見慣れた感じがします。
今はフェース面の溝が無い物も多くなりましたが、このクラブにはありました。

なかなかいい感じの顔です。
ソールを見るとかなり機能的なのに、クラウンはとてもシンプルです。
最近はカーボンコンポジットタイプが復活してきたように思うのですが、このクラブはノーマルな感じがします。
少しつかまえ顔に見えました。

バックフェース付近にある、この白い線も目立っていました。
色がちょうど対称的な、テーラーメイドのグローレFを思い出しました。

クラウンマークもカッコいいです。
この『ランバードマーク』もいいですが、どうしても『陸上競技』のイメージが強いので、『ゴルフ部門での』といいますか、MPはMPの、JPXにはJPXのオリジナルマークがあってもいいのではないかな?と思いました。

このオリジナルグリップはソフトで、好感がもてます。
とてもシンプルなグリップです。

素振りをしてみた感じは、まずまずでした。
予想していた通りの、ソフトスペックに仕上がっていました。
タフな感じは全くしませんでした。

ボールを前にして構えてみると、なかなか良い感じでした。
球がよくあがりそうな印象を受けました。
左が気になるということもなく、普通に構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなか良いです。
ソフトという感じはあまりしなかったのですが、球の重さがしっかりと伝わってきて、インパクトを感じとりやすいです。

『音』も、いい感じでした。
はっきりしていましたが、インパクトを邪魔することはありませんでした。
気持ち良く振り抜いていくことができました。

球はとてもあがりやすいです。
予想していた通りでした。
ティアップせずにマットの上から直打ちで試してみたのですが、充分過ぎるほどあがってくれました。
今日は練習場で、風が時折アゲていたからでしょうか?
スピンは少し多めで『高さを上げられている』という感じがしました。
コースでプレーしていると、フォローの時には高さを抑えられる感じがすることもありますし、アゲている時にスピンと高さが多くなり過ぎて距離が出にくいと感じることもありますが、今日はそんな感じでした。
タフなタイプのFWではありませんでした。
シャローフェースの長所といっていいのか分かりませんが、フェースがボールをしっかりとキャッチすれば、あとは自然とあがっていく・・・。という印象をもちました。

『安定性』は高いです。
シビアさは全くなく、イージーなタイプです。
構えやすかったですし、ライン出しも易しくできました。

『飛距離性能』は、なかなかいい感じでした。
キャリーをしっかり出せるタイプです。
易しく、大らかさのある飛びといったらいいでしょうか?
性格の尖った飛びだとは思いませんでした。

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
あまり操作するタイプではないと思いましたが、左右に曲げることもできました。

美しさと易しさのバランスがとれているFWだと思いました。
FWとしては、かなり機能性の高いほうだと思いますが、それが性能を邪魔していない感じがしました。

機能性を求めすぎてしまうと、クラブ本来のもつ性能が発揮しづらいと感じることもありますが、このクラブにはそのようなマイナス的なことは感じませんでした。

ウェイトを移動できるタイプですが、このままでも充分だと思いました。
専用の工具があれば、色々と試してみたいと思いましたが、おそらく今のポジションがベストなのではないかな?と思いました。

同じミズノでも、MPは本格的な造りといいますか、『王道』を言っている感じがします。
なので、あまり『冒険』しづらいところもあるように思います。
カッコ良くなくては。フィーリングが良くなければ。という制約がMPにはあるのかもしれません。

しかし、JPXはある程度『冒険』ができるように思います。
MPで出来ないことを、JPXでやっている感じがします。
しかもミズノのイメージに合う、『美しさ』『カッコ良さ』『気品』というものは失っていないように思います。
私はMPのほうが馴染みがあるのですが、JPXもいいクラブがたくさんあるので、これからも注目していきたいと思いました。
2017年02月19日
ミズノ T7 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ T7 ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、バランスはD3、シャフトフレックスはWEDGE、クラブ総重量は469g です。

ミズノの新しいウェッジです。
ミズノらしい精悍さがありながら、それほど小振りな感じはなく、大らかさがあります。

シンプルな形状ですが、ミズノの最新技術がたくさん取り入れられているのだと思います。
とても美しいウェッジです。

ソール幅は広めです。

バンスの高さはノーマルな感じですが、トレーリングエッジが大きく削られていました。

ヒール側の削りも見られたので、開きやすそうだし、上手く抜いていけそうだな・・・。と思いました。
ソール全体の形状は丸みを帯びているというよりは、どちらかというと平らに近いタイプです。

ネックの長さは適正です。
頼もしさといいますか、安心感が得られる長さです。
この長さを見ているだけで、ボールが芝に食い付いて、しっかりと止まってくれるイメージが浮かんできます。

ホーゼルには『GF FORGED 1025E』の文字がありました。
他のメーカーには無い、ミズノ独自の技術なのだと思います。
一口に軟鉄鍛造といっても色々あるそうですが、ミズノはその鍛造方法にもすごくこだわっているように思います。
ミズノのフィーリングを楽しめば感性が豊かになり、それがゴルフのレベルアップにもつながるように思います。
人それぞれのフィーリングはとても大切です。

トップラインの幅はノーマルでした。
厚すぎず、かといって薄めでもありませんでした。

フェース面には細かなミーリングがありました。
フェース面を指で触ってみたのですが、かなりのザラザラ感がありました。
見た目は控えめなミーリングですが、これはかなり効きそうだな・・・。と思いました。

ロフトとバンスが表示されていました。
今は多くのウェッジが同じようになっています。

このオリジナルグリップは、いい感じでした。
ミズノのクラブではよく見かけるグリップです。
バックラインがありました。
フェースの開閉を使うウェッジのグリップは、バックラインが無いほうがいいと思うのですが、バックライン有りがあるということは、それだけ好まれる方も多いのだと思います。

とても構えやすいです。
ヘッドの据わりもいいです。
すぐにスッと構えることができました。

フェースも開きやすいです。
ソールを丸く使っていけるタイプです。
グースタイプではなく、ストレートタイプです。
ミーリング加工がされていますが、構えたときにそれが目立たないところが気に入りました。
構え感を全く邪魔していません。
いつも通り、自然に構えられました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで良いです。
球の食いつき感が強いです。
フェースに乗っかる感覚も楽しめました。
一瞬の『間』で勝負していけるウェッジだと思いました。

『スピン性能』は高いです。
ボールがよく止まってくれました。
強烈なバックスピンが掛かって戻ってくるというよりは、適正に止めやすいスピン性能だと思いました。
角溝が禁止になって数年が経ちましたが、メーカーの努力によって、今でもスピン性能の高いウェッジはたくさんあります。
私の周りにも、角溝禁止になってからのほうが、アプローチが上手くなった友人が何人かいます。
スピンの安定性が増し、計算しやすいウェッジが増えてきたのだと思います。
このウェッジも、そんなタイプだと思いました。

球のあがりやすさは、自然な感じです。
サンドウェッジらしいあがりやすさです。
出球の高さのイメージも合いやすいです。
ヒールから入れて抜いていって、フッと軽く舞う感じといったらいいでしょうか?
ロブ系のショットも易しいです。

『安定性』は普通だと思いました。
今はキャビティタイプで寛容さに長けたウェッジもたくさんありますが、このウェッジは普通といいますか、これまでの感覚で打っていける印象をもちました。
『易しすぎない』いいウェッジといったらいいでしょうか?
構えやすいので、ラインも出しやすいです。

『距離感』も合いやすいです。
『微調整』しなくても、そのままターゲットまで運んでいくことができました。
『球持ち』のいいウェッジなので、さらにフィーリングを出しやすいです。

最近はアイアンの飛距離性能の進化が凄いですが、いずれウェッジでもそのようになっていくのかもしれません。
ウェッジは飛ばすよりも、狙ったところに正確に運ぶ為のクラブだから、そのようにはならないとは思うのですが、ウェッジと同じようにアイアンも飛ばすよりも狙うクラブで、そのようになっているのだから、いずれ『ディスタンス系ウェッジ』が登場してくるのかもしれません。
『スタンディングロフト』&『反発性能の向上』『長尺化』などによって、例えばSWで何ヤード飛んだ・・・。ということになるのかもしれません。
もしそうなったら、ゴルフがかなり難しくなるだろう・・・。と思いました。
クラブ本来の役目を果たさなくなるかもしれません。

『操作性』は、高いです。
色々な球を打って遊ぶことができました。
私はフェースを開いてウェッジを使いたいタイプなのですが、このウェッジはその私の要求にしっかりと応えてくれました。
微妙な距離の調整もしやすいです。
球を拾いやすく浮かせやすいので、前に向かう力を上に逃がしていけるのがいいと思いました。

美顔でとても扱いやすいウェッジなのですが、シビアな感じはしませんでした。
どちらかというと『セミオートマチック的』な印象をもちました。

このウェッジは、それほどバンスが利いているタイプではないので、ハイバンスタイプを好まれる方はちょっと扱いづらいかな?と思っていたのですが、店員さんの説明によると、色々なタイプが用意されていてバリエーションに富んでいるということなので、安心しました。
多くのユーザーに対応していけるウェッジだと思います。

かなり科学のメスが入っているようなのですが、それをあまり強く感じさせず、あくまでもプレイヤーの感覚を大切にしてくれているように感じました。
こういったところは、ミズノのクラブの特長といっていいのかもしれません。

また何度でも試打したいですし、次回はバンカーでも試してみたいと思いました。
2017年01月21日
ミズノ JPX 900 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブはミズノ JPX 900 ドライバー です。

シャフトは Orochi D-55 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55g、トルクは4.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は305gです。

ミズノJPXシリーズの新しいドライバーです。
MPは秋ですが、JPXは冬にニューモデルに出会うことができるので、季節が変わっても楽しむことができます。
JPXのニューモデルに出会うのを、ずっと楽しみにしていました。
MPとはまた違った魅力がJPXにはあります。

ディープタイプというよりは、シャロー感のあるヘッドです。
そして、それよりも、かなり個性的なソールが印象的で、一度見たら忘れられません。

ネックの長さはノーマルな感じです。

ネックには調整システムが搭載されていました。
一時期は多くのメーカーに採用されていましたが、今は少しずつ減ってきているように思います。
中途半端な調整システムは要らない。それよりも、ヘッドの性能を高めて欲しい・・・。というユーザーの要望もあるのかもしれません。
しかし、ミズノがあえてこのようにしてきたということは、それだけの理由があるのではないでしょうか?

試打するのは、この『9.5』のポジションで、他にも色々な数字がありました。
プレイヤー自身が、ドライバーのロフトを簡単に変えられるようになるとは、数年前まで全く思わなかったことです。
しかし、それが今は現実となりました。
パーシモンの頃は、ヤスリで削りながら調整することもあったのですが、メタルになって出来なくなりました。
それがチタンに変わり、研究が進んでパーシモンの頃よりも、さらに複雑な調整ができるようになりました。
比重が軽くて丈夫なチタンだからこそ、できるのかもしれません。

このドライバーのウリは何といっても、このソールにあります。
かなり複雑な調整ができるようです。
最近のドライバーはシンプル化しているように思うので、珍しく感じられます。
ミズノがMPでやれないことを、JPXでやろうとしているのではないでしょうか?
MPとJPXで上手く住み分けができているので、とてもいいと思います。
ブランドイメージが被っていないですし、違いがあるのは、私たちユーザーにはありがたいことです。
プレイヤーの好みによって、はっきりと迷わず選んでいけるのがいいです。

トゥ側には大きな溝があり、『FADE』の文字がありました。
ここの部分には何も無いのですが、重心距離を長くしてフェード系を打ちやすくする為には、ウェイトを付け加えるということなのでしょうか?

ソールの中央付近にはウェイトが移動できるようになっています。
『HIGH』と『LOW』の文字があり、1~4まで変えられるようになっていました。
私が試打するのは、この『3』のポジションです。
これは『重心の深さ』を調整するものだろうと思いました。
以前試打したことのある、JPX 850 ドライバー というドライバーを思い出しました。
低スピン性能に長けていて、とても優れたドライバーです。
この900というドライバーは、その850の調整機能をさらに複雑化して作られているように見えます。

その近くにも、よく目立つ白いパーツがありました。
『OPEN』『NEUTRAL』『CLOSED』の文字があったので、フェースアングルを調整するものなのかな?と思いました。
専用の調整工具があれば、色々と変えて試してみたいですが、今日は無いので、このまま試打することにしました。

ヒール側には、大きな溝のようなものがありました。
トゥ側と同じです。
やはり、後からウェイトを付け加えるのでしょうか?
こちらには『DRAW』の文字がありました。
重さにもよりますが、あまり付け加えすぎてしまうと、フィーリングなども変わってくると思いますし、シャフトの動きにも影響してくるのではないかな?と思いました。

トゥ側
この溝をよく見てみると、奥の方が虹色に変色していました。
溶接の熱によるものだと思うのですが、こういう見えにくいところまではフォローされていないんだな・・・。と思いました。
とはいっても、普段は全く目にしないところですし、性能には全く関係しないと思うので、気になることはありませんでした。

ヒール側
ヒール側はどうなっているんだろう?と思い、よく見てみましたが、やはり同じようになっていました。
かなり複雑な形状ですし、作る側の苦労は大変なものがあったのではないかな?と思いました。
こういった、たくさんの努力がされているクラブを、簡単に試打できてしまう私はとても幸せ者です。
恵まれているなぁ・・・。と幸せをかみしめました。

フェース面の模様も独特で、あまり見ないデザインです。
ヒッティングエリアのドットのような模様が特徴的です。
指で触れてみたのですが、段差のようなものは無く、平らでした。
デザインだけの物なのかな?と思いましたが、こうして見ていても、弾きが良さそうな感じが伝わってきました。

セミシャローバック形状です。
最近はシャロータイプが多いですが、このドライバーはそれほど薄さが強調されているようには見えません。
適度な厚みもあります。
技術の向上により、設計自由度も上がったのだと思います。
色々な形状のドライバーが見られるようになりました。

オリジナルグリップはシンプルなタイプでした。
ヘッドがかなり複雑なタイプなので、グリップはどうかな?と思いましたが、シンプルでした。
ソフトで好感がもてました。
適度に滑りにくくなっていて、それがフィーリングを邪魔していないのがいいと思いました。

クセの無い、いい顔をしていました。
ミズノらしいです。
日本メーカーらしい『和の美しさ』を感じました。
この美しいブルーも見慣れてきましたし、すっかり『市民権』を得ているように思います。
JPXといえば、この美しいブルーを連想される方も多いのではないでしょうか?
易しそうな雰囲気が醸し出されていました。
ブルーは集中力を高める色だと聞いたことがあるのですが、この顔を見て、その通りだな・・・。と思いました。
以前も書きましたが、ピッチャーがキャッチャーミットをめがけてボールを投げる時、茶色のキャッチャーミットよりも、青色のキャッチャーミットのほうが、コントロールが良かったのだと、TVで観たことがあります。
色によって、そんなに違うのだと驚いたのですが、やはり色による効果は大きいのだと思います。

この控えめなクラウンマークも好感がもてますし、ランバードマークは、ミズノファンの方にはたまらないのではないでしょうか?

ヘッド後方にある、この白い線も存在感がありました。
色が違いますが、テーラーメイドのグローレを思い出しました。
他のメーカーのドライバーにも見られますし、こうすることの効果もあるのだと思います。

素振りをしてみると、JPXらしく、軽量感がありますし、シャフトもよく動く感じがします。
全体的に動く感じがしました。
フレックスはSですが、硬い感じはしませんでした。

ボールを前にして構えてみても、好感をもつことができました。
構えやすいです。
『OPEN』の位置にあるからでしょうか?
逃がすイメージを出すことができたので、左へのミスが怖い私はリラックスして構えることができました。
JPXはフックフェースのイメージがありますが、このドライバーは違います。
しかし、ポジションを変えて『NEUTRAL』の位置にすると、おそらく少し被って見えるのではないでしょうか?
私にとって、このOPENの位置が『ニュートラル』といいますか、『中立』『標準』という感じがしました。
つかまえ顔を好まれる方には、右に行きそうな感じがして、構えづらいかもしれません。
そういったときには調整をすればいいので、メーカーもよく考えていると思います。
フェースの『左右の向き』はなかなか良かったのですが、『上下の向き』はちょっと違和感がありました。
9.5ということですが、明らかに違うな・・・。と思いました。
かなり上を向いているように見えます。
おそらく2度くらいは寝ているだろう・・・。と思いましたが、こういったことは別に珍しくもないので、あまり気にしないようにしました。
数字よりも、『見た目通り』で打っていこう・・・。と思いました。
情報は少ないほうがいいということは、これまでもたくさん経験しています。
『知りすぎること』によるミスも、世の中たくさんあるのかもしれません。
試打を開始しました。

『打感』は、やや硬めでした。
しっかりしている感じです。
ソフトという印象はありませんでした。
手に少し衝撃が残りました。
ボールが(フェースに)よく乗るというよりは、一気にバーンと弾く感じがしました。

『音』は大きすぎず、そして高くなく、小気味いい感じでした。
インパクトを邪魔することもありません。
ブレーキが掛からず、気持ち良く振り抜いていくことができました。
打点をずらしてみると、結構音が変わるのが面白いです。

球はあがりやすく、よく浮いてくれました。
タフなタイプのドライバーではありません。
JPXらしい、イージーさがありました。
スピンは抑えられている感じがしましたが、敷居の高いタイプではありません。
『あがりやすい低スピン』といったらいいでしょうか?
あるメーカーから始まって、低スピン系のドライバーで『ロフトアップ』の動きも少し見られましたが、このドライバーにはそういったことは不要に感じられました。
まずは、自分の打っているドライバーのロフト通りで試されるのが良いのではないでしょうか?

『安定性』は、なかなかいい感じです。
最近は安定性の高いドライバーがたくさんあるので、それほど目立つ感じはしませんが、しっかりと高い安定性が確保されています。
シビアな感じはしませんでした。
顔が良かったこともあると思いますし、スイートエリアも広めに感じられました。
ソールのウェイトを移動させれば、もっと安定性が高くなるかもしれません。

『飛距離性能』は、いい感じです。
球はよく上がってくれるのですが、スピンが多すぎて失速してしまう・・・。ということはなく、力強く前に進んでくれました。
軽量タイプではありますが、『頼もしさ』があるドライバーです。

『操作性』は、まずまずでした。
あまり大きく曲げられなかったのですが、左右へも曲げることができました。
特に右に曲げるのが簡単だったので、私は好感がもてました。
スライサーの方には、もっとつかまりをよくしたほうがいいかもしれないので、ウェイトやフェースアングルを調整すると、もっと親しみやすさが増すと思います。

ミズノらしい、高性能なドライバーです。
私はMPのほうが慣れ親しんでいて、JPXは試打するだけのことが多いのですが、最近のJPXはいいな・・・。と感じました。
シャフトを替えれば、もっと使えるようになるのが明らかです。

特にJPX850は、いい印象が残っています。
JPX EIII ドライバー よりも、850のほうが、私は好きです。

このJPX900というドライバーは、850のいいところを残しつつ、さらに調整機能を高めたモデルといえるのではないでしょうか?
ヘッドの基本性能といいますか、『飛び』に関して、おそらく850とあまり変わらないような気がします。
もちろん、実際に打ち比べてみたわけではないので、詳しいことは分からないのですが・・・。

今は調整機能が落ち着いた感じがします。
以前は採用していたけど、今は採用しなくなったというメーカーもありますし、最初から採用しないメーカーもあります。
国内メーカーのドライバーで、ここまで複雑な調整ができるドライバーは無いと思います。
やるだけのことはやりきった感じがします。
ドライバーに調整機能を求めておられる方はたくさんいらっしゃると思いますし、このドライバーはそういった方々には、とても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
私は調整機能をそれほど求めてはいませんが、ここまで複雑な物を作ってきたメーカーの努力は凄いと思いました。

MPとは明らかに違うコンセプトで開発されているJPXは、いいブランドだな・・・。と思いました。
ただ目先を変えているだけでなく、しっかりとしたビジョンといいますか、狙いのようなものが感じられます。
ミズノらしい、しっかりとした『モノヅクリ』が出来ていると思いました。
試打したのは純正シャフトだと思いますし、軽量感がありましたが、ヘッド自体はしっかりしているので、シャフトを替えればヒッタータイプの方にも合いやすいと思いました。
ロフトも変えられますし、幅広い層に対応していけるドライバーといっていいと思います。
2016年11月17日
ミズノ MP-66 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP-66 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、シャフト重量は129g、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は443g です。

ミズノMPアイアンのニューモデルです。
毎年秋にニューモデルが発売されるので、いつも楽しみにしています。
MPアイアンは『キング・オブ・アイアン』です。

この、あまりの美しさ・カッコ良さに、思わずホーッと声が出てしまいました。
見とれてしまいました。
ミズノが作ればキャビティも、こんなに美しくカッコ良くなるものなのだと、改めて実感しました。
まさに世界のトップメーカーといっていいミズノのアイアンです。
MP-66という名前なので、私は親近感をもっていました。
私はMP-67というアイアンを数年間使っていて、ずっとお世話になってきました。
楽しい思い出がたくさん残っています。
その67という数字に近いモデル名なので、親近感をもっていました。
マッスルバックではなくキャビティバックですが、カッコ良さは昔から変わりません。
まだ球を打っていないのに、すっかり魅了されてしまいました。
目で楽しむことができましたし、気持ちの盛り上がりが普段と違うな・・・。と思いました。

彫りは浅く、見事なハーフキャビティといっていいと思います。
美しいアイアンというのは、どの角度から見ても美しいものだな・・・。と、改めて思いました。
しばらく目の保養が続きそうです。
このアイアンをこうして手にしているだけで、今日はすごく贅沢な日だな・・・。と思えてきます。
アイアン好きの私にはたまらないものがありました。

ソール幅は狭めです。
MPらしい幅といっていいと思います。
トゥからヒールにかけてテーパーになっているタイプではなく、ストレートに近いタイプです。
最近は、このようなアイアンが多いように思います。
今日は天気がいいせいか、日光をよく反射していました。
私はピカピカ光らない『艶消しタイプ』が好きですが、このミラー仕上げもMPアイアンらしい感じがします。
私が愛用していたMP-67というアイアンは、サテン仕上げで落ち着いたところがあって、そこがまた魅力でした。
ただミズノのアイアンは、メーカーがカスタムオーダーに対応してくれているので、自分の好きな仕上げ方法を指定できるのも魅力です。
サテン仕上げだけでなく、ノーメッキや黒染めなど、たくさんの種類の中から選べます。
自分のネームを入れることもできますし、ロフトやライ角の微調整も受けてくれます。
ここまでの対応は、他のメーカーではなかなかできません。
自社生産と、その『精度』にこだわったクラブ作りをしている『リアルメーカー』の強みではないでしょうか?
自分たちが売りたいクラブは自分たちで作る。
人任せにしない。
ましてや海外で作らない。自分たちの工場で『目の届くモノ作り』をする。
常にいい物を世に送りたい・・・。という熱意が伝わってきます。
以前も書きましたが、ミズノは『N(日本の)H(誇り)』メーカーだと私は思っています。
MPアイアンを数年間使ってきた私の正直な感想です。
MPアイアンから教わることはたくさんありました。
私たち日本人にとって、昔から馴染みのあるメーカーなので、なかなか思いませんが、ここまで品質が高く『至れり尽くせり』なメーカーは世界を見ても無いように思います。
作り手のこだわりとプライドが感じられます。
いつか養老工場を見学できれば・・・。と思っていますが、できていません。

リーディングエッジはゆるやかに削られていました。
微妙な削りのタッチが感じられました。
昔のMPアイアンのような尖った感じはしませんでした。
ソール全体も丸みを帯びていて、滑らかでした。

ネックの長さは適度にありました。
最近はアスリート系アイアンでもメーカーによっては『ショート化』が進んできているように思うのですが、このアイアンはノーマルな感じでした。
この『後ろ姿』も、すごくいいです。
凜々しい感じがします。

ホーゼルには『GF FORGED 1025E』の文字がありました。
特別にこだわった鍛造のようです。
単なる軟鉄鍛造ではなく、ミズノならではの高い技術とノウハウが注ぎ込まれているようです。

トップラインの幅は適正でした。
今は広めの物が多いので、そういった意味では狭いほうかもしれません。
しかし、昔からある幅です。
アイアンのトップラインなんて気にしないよ・・・。それよりもミスヒットに強くてあがりやすさがあれば、それでいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私はトップラインを重要視しています。
ここの部分で、構えたときの印象がガラッと変わってきます。
いいイメージが『鮮明』に描けるか描けないかは、このトップラインにかかっているといっても過言ではありません。
このアイアンはとてもいいイメージが描けそうです。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
ごく普通の、MPらしい美しいフェース面です。
アイアンについての研究が『世界トップレベル』のミズノがミーリングを入れていないということは、それほど重要性はないのかな?と思いました。
しかし、これからのモデルには採用されるのかもしれません。
決して『完成』はしないのだと思います。
常に次のアイデアが続いていくから、物作りは楽しいのではないでしょうか?

このオリジナルグリップは、なかなかいい感じです。
ラバータイプらしいソフトなフィーリングがありながら、適度なグリップ力もありました。
滑りにくさがありました。
バックラインが入っていました。
私は無いほうが好きなのですが、あったほうがいい・・・。という方も多いのではないでしょうか?

グリップエンドには『M-31』という文字がありました。
これはどういう意味だろう?MP-66ではないのかな?と思ったのですが、このM-31というのはグリップの名前なのだと、後から教えてもらいました。

ボールを前にして構えてみても、好感がもてました。
MPアイアンなので、構えやすいのは当然のことで予想をしていたのですが、それでもこうして構えてみると、この『至極の構えやすさ』に心が躍ります。
ワクワクしました。
何と言っていいか分かりませんが、『温かい』感じがしました。
ちょうど今の季節だと思いますが、『小春日和の温かさ』といったらいいでしょうか?
精悍で整った顔をしているのですが、冷たい感じではなく温かみのある構え感でした。
『和のテイスト』といっていいのかもしれません。
今年は紅葉がとても綺麗な年で、毎日目を癒やしてくれています。
日本人で良かったと、心から思える瞬間でもあります。
その紅葉の美しさと、このアイアンの顔の美しさが重なって見えました。
日本では決して見ることの出来ない海外の風景も素晴らしいですが、それでも『日本の原風景』に心が癒やされる感じ・・・。といったらいいでしょうか?

グースタイプではなく、ストレートですが、逃がすというよりはつかまりやすそうな顔をしています。
私は逃がし系の顔も好きですが、この顔も大好きです。
左右どちらにも対応してくれそうです。
どのように打ってもいいよ・・・。と、クラブが訴えかけている感じがしました。
私はクラブ(特にアイアンやウェッジ)で細工をして遊ぶといいますか、大きく曲げてみたり低く出してみたり、極端に短い球を打ってみたり・・・。といったことをして練習場で楽しんでいます。
練習というよりはゲーム感覚に近いです。
そんな私の楽しみに、このアイアンはずっと付き合ってくれそうな感じがしました。
私のワガママを、ずっと優しく聞いてくれそうでした。
できればもうちょっとネック周りがすっきりしていると、もっといいのですが、特に不満があるということでもなく、このままでも充分でした。
ネックを中心にフェースターンのイメージを描いていきたいから、このように感じるのかもしれません。
しかし、このネック周りも『ミズノの個性』という感じがします。
MPアイアンは、ずっとこのような感じです。
色々なアイアンを試打していると、時には怒っているように見えたり、逆に悲しんでいるように見えたり、不安そうだったり、時には無表情だったり、・・・。といったことを感じることがあります。
人にもあるように、クラブにも感情があるのかもしれません。
このアイアンは優しく微笑んでいるように見えました。
もし購入すれば、長い間相棒といいますか、友人のような感覚で付き合ってくれそうだな・・・。と思いました。
うわべだけでなく、『心』で付き合っていけそうな印象をもちました。
スコアラインの間隔と数も適正だと思いました。
今は(特に海外メーカーで)、スコアラインの間隔が狭く、本数が多いアイアンがあります。
それもいいとは思うのですが、私はこのアイアンのようなスタンダードな顔が好きです。
こういったところも『和顔』といえるような気がします。
ニューモデルでありながら、慣れ親しんだところが感じられ、自分の『勘』が届きそうだな・・・。と思いました。
ずっと見とれていたので、しばらく時が止まっているようでした。
今から、このアイアンで球を打つことができるのかと思うだけで、すごく恵まれているな・・・。と思いました。
呼吸も深く、とてもリラックスすることができました。
試打を開始しました。

まずは、この『至高の打感』に、笑みがこぼれてしまいました。
ただ柔らかいというのではなく、伝わってくる『情報量の多さ』が違うな・・・。と思いました。
このように厚みのあるアイアンだと、情報量も多くなるのですが、このアイアンは格別だな・・・・・。と思いました。
薄くてバーンと弾くタイプのアイアンだと、このように感じることはありません。
あっという間に飛んで行ってしまい、何が何だか分からないままショットが終わってしまっている・・・。ということもあります。
しかし、このアイアンは違います。
フェースからシャフトを通って、クラブからの情報が多く伝わってくるように感じました。
ヘッド全体が『密』になっていて、『スカスカ感』がありません。
『情報の伝導率』がいいな・・・。と思いました。
あくまでもイメージでの話なのですが、ディスタンス系の弾く感じのアイアンの情報量を『10』だとすると、このアイアンは『50』にも『60』にもなる感じです。
もっと多いかもしれません。
何がこう感じさせるのか分かりませんが、そう感じさせるほど、このアイアンの打感にしびれてしまいました。
『球の乗っかり感』もいいですし、リリースのタイミングも整いやすいです。
『乗せて運ぶ楽しさ』といったらいいでしょうか?
そういったことを、このアイアンは感じさせてくれました。
やはり、ミズノ独特の鍛造技術がそうさせているのでしょうか?
柔らかさと繊細さのバランスが取れた打感だと思いました。
打感にも『湿った感じ』と『乾いた感じ』があるのですが、私は乾いた感じが好きです。(野球経験者の方なら理解していただけると思うのですが・・・。)
このアイアンは乾いた打感でした。
しばらく余韻に浸ることができました。

『球のあがりやすさ』は自然な感じです。
出球の高さのイメージが合います。
7番らしいあがりやすさです。
高さもしっかり出すことができ、『上から落とす感じ』で、グリーンを攻めていけそうだと思いました。
色々なパーツが組み合わさった『機能的なあがりやすさ』とはまた違う、『プレーンなあがりやすさ』といったらいいでしょうか?
プレイヤー自身の感覚を大切にしてくれているようでした。

『安定性』という点では、ハーフキャビティらしい正直なところはあります。
アイアンに対して寛容さを求めておられる方には、合いづらいところがあるかもしれません。
寛容さはそれほど大きくないのかもしれませんが、いい顔をしていますし、適度な大きさなので、ラインを出しやすくて易しく感じるところがありました。
『面』を意識することができましたし、その面さえ狂わなければ、大きなミスにはつながりにくいように感じました。

『飛距離性能』は標準的なタイプです。
距離を求めていくタイプではありません。
『ノーマルディスタンス』で勝負していくタイプのアイアンです。
このようなノーマルなタイプだからこそ、『距離の出し入れ』ができるように感じます。
コースでプレーしていると、『ピッタリの距離』が残ることはあまりありません。
中途半端な距離が残ることも多いですし、風の計算もしなければなりません。
『傾斜』の計算もしなくてはなりません。
そういった難しい状況がいくつも重なると『ノーマル感』が必要になります。
計算しづらい飛びすぎるアイアンでは、コントロールが難しいです。
長所が短所にもなります。
グリーンをオーバーしてしまえば、後は難しいアプローチが残ってしまいます。
スコアメイクが難しくなります。
そういったことを考えても、このようなアイアンだとアグレッシブに攻めていけそうです。

『操作性』は抜群です。
左右へ大きく曲げることができました。
変なクセはなく、同じように反応してくれました。
易しいマニュアルタイプといったところでしょうか?

アイアン好きには、たまらないクラブです。
構えやすさ・打感・扱いやすさ・自然な飛距離とあがりやすさが秀逸なアイアンです。
さすがはMPアイアンだと思いました。

MPアイアンは昔からカッコいいのが『常識』となっていますが、そのいい伝統は今でも受け継がれています。
MPのブランドイメージは保たれ続けています。
カッコいいけど難しい。
敷居が高いので、使ってみたいけど二の足を踏んでしまう・・・。という方もいらっしゃると思います。

確かにMPは『易しさ』をウリにしているアイアンではありません。
しかし、昔に比べずいぶんと親しみやすさがアップしているように思います。
見た目の良さは相変わらずでも、目に見えにくい部分で打ちやすくなるように、メーカーが工夫しているのではないでしょうか?
易しすぎるアイアンに飽きた・・・。という方。
そろそろ軟鉄を・・・。そしてできればMPを試してみたい・・・。という方には、是非試していただきたいと思いました。
MPのいいところは、これだけ優れたクラブでありながら、多くの量販店で取り扱っているということです。
『地クラブ』のように、なかなか出会えない・・・。ということがないのが、とてもいいと思います。
多くの方に、このアイアンの打感を味わって頂きたいと思いました。

自分がステップアップすると同時に、クラブもステップアップしたい・・・。という方にも試していただきたいと思いました。
MPのようなフィーリング性能の高いクラブを使い続けると、プレイヤー自身の感性も磨かれるように思います。
例えば、今までは『1センチ』の感覚しかなかったのが、より細かな『1ミリ』の世界まで感じ取れるようになるかもしれません。
あくまでも例えですが、そのように『繊細』な、言葉で言い表しづらいものが身につくようになるような気がします。
人間は機械ではないので、『感性』『感覚』が最大の武器といえるのかもしれません。
経験を積んでそれを磨いていくことが、ゴルフ上達のカギとなるのではないでしょうか?
雑誌などで知識を高めていくのもいいですし、文字ではない感覚を磨くことも重要なのだと思います。

マッスルバックが最高レベルだと分かっていても、どうしても手が伸びない。
しかし、少しでもキャビティ構造になっていたら、手が伸びて打ってみたくなる・・・。という方もいらっしゃると思います。
『マッスルバックアレルギー』といったら大袈裟かもしれませんが、今でも多くの方がマッスルバックを敬遠しておられるように思います。
そういった方にも、この極上ハーフキャビティを試していただきたいと思いました。

『飛距離』とか『安定性』など、たくさんの機能がついているわけではないのですが、MPならではのグッドフィーリングを味わいながら、これからのゴルフライフをエンジョイしてみるのもいいのではないかな?と思いました。
多くのメーカーでは、一度に『姉妹モデル』を発売することも多いですが、MPは『基本ひとつ』です。
なので、今年はマッスルバックを発売しないのかもしれません。
来年以降かもしれないですが、この素晴らしいキャビティアイアンでゴルフを楽しみたいと思いました。
購買意欲が高まってしまい、それを抑えるのが大変でした。
もし購入したら、ネームはどうしようかな?仕上げはどうしようか?などと考えながら、練習場を後にしました。
2016年03月13日
ミズノ MP-5 アイアン (PW)

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP-5 アイアン のPW です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは46度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は464gです。

MPアイアンらしい、とても美しいピッチングウェッジです。
普段は7番アイアンを試打することが多いですが、MP-5は昨年試打してとても気に入っていますし、今日はたまたまこのPWを試打する機会に恵まれたので、試打してみることにしました。

シャープさがありながらも、独特の曲線が、何ともいえません。
ここまで美しさを醸し出せるのも、MPの強みだと思います。

ソール幅は、PWのなかでは標準的なほうでしょうか?

ネックの長さは程良い感じがします。

フェース面にミーリングは無いですが、MPらしい美しい仕上がりになっています。
見ているだけで球持ちが良さそうな印象を受けます。

トップラインはノーマルです。
とてもシンプルな感じがします。

改めて美しいクラブだな・・・。と思いました。
PWだからでしょうか?
7Iよりも丸みを帯びていて、易しさを醸し出しているように見えました。
PWはフルショットのときもそうですし、アプローチでも要になるクラブです。

このオリジナルグリップも、いい感じでした。
もし私がマイクラブとして迎えるのであれば、すぐにベルベットタイプに交換すると思いますが、今日は試打ですし、このままでも充分楽しめそうだな・・・。と思いました。
バックラインがあるのが気になりますが、これは仕方の無いことだと思いました。
人によって好みが分かれるところだと思いますが、私は無いほうが好きです。

とても構えやすいです。
いいイメージが自然と湧いてきて、リラックスできました。
この構えやすさは、MPならば当然といえます。
『ヘッドの据わり』がとてもいいです。
アドレスがすぐに決まります。
MPらしい美顔です。
柔らかそうな印象をもちました。
PWらしい丸っこさもあり、ボールを優しく包むイメージが出せました。
普段は主に7番アイアンの試打をしていますが、こうして構えてみるとPWなど、他の番手でも面白いな・・・。と思いました。
『5対5のイメージ』が出しやすいです。
5対5というのは、キャリーとランの比率です。
フルショットもいいけど、今日は主にアプローチ(特にピッチエンドラン)のイメージしながら試打していこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とてもいいです。
球を優しく乗せて運んでくれる感じです。

スピン性能は標準的といっていいと思います。
強くボールを止める感じはしないですが、程良くランを出しながらスローダウンしていく感じでした。
急な動きが無いので、フィーリングが合いやすいという方も多いのではないでしょうか?
『急発進』『急ブレーキ』の無い、安全運転といったところでしょうか?

『球の拾いやすさ』『打ち出しの高さ』も、いい感じです。
普段の感覚が、そのまま活かせます。

安定性という点では、普通といったところでしょうか?
特別寛容なタイプではないと思いますが、この美顔が易しく感じさせてくれます。

距離感も合いやすいです。
MPらしい構えやすさと、打感の良さからくる距離の合いやすさといったらいいでしょうか?
ピッチエンドラインがとても易しいです。
ほぼ自動的に、狙ったところにイメージ通りのスピードと高さで落としていける感じがしました。
こちらの思いが、そのまま伝わりやすいクラブだと思いました。

操作性も良いです。
PWはSWと比べると、それほど細工をする場面は多くないと思いますが、色々と楽しむことができました。
ロフトが寝ているので、大きく右に曲げることは難しいですが、ちょっとしたニュアンスも出しやすいように感じました。
手に馴染みやすいクラブだな・・・。と思いました。

数年前、私は大きな失敗をしたことがあります。
それはプレーをするのに大切なSWとAWを持っていくのを忘れたという大きなミスです。
ゴルファーにとって、クラブは大切な相棒です。
武士でいえば大切な刀といったところでしょうか?
その大切なクラブを私は自宅に置いたまま、コースに到着してしまいました。

前の日に、SWとAWのグリップを交換して、グリップエンドの穴から溶剤が出るのが嫌なので、そのままキャディバッグには入れず、家の中の目に入りにくい片隅に新聞紙を敷いて立てかけていました。
次の日に、クラブをバッグに入れて出掛ければ良かったのですが、その日に限って朝から急な用事でバタバタとしていて、クラブを入れないままバッグをトランクに入れて出発してしまいました。
うっかりしていました。
普段なら出発前に必ず14本のクラブを確認するのですが、その日はそれを怠ってしまいました。
『朝のルーティーン』を壊していました。

クラブを忘れたことに気づいたのは、コーヒーを買う為に途中立ち寄ったコンビニでした。
しまった・・・。と思いました。
SWとAWが無いことに気づきました。
コンビニを出てトランクを開けて確認してみましたが、やはりありませんでした。

自宅に戻ろうかとも思ったのですが、もう間に合わないので、そのままコースに向かうことにしました。
そのときの私の心理はかなり落ち込んだものでした。
がっくりと両肩を落としていました。
コースに行けばレンタルクラブもあるので、2本だけ借りようかな?と思いましたが、フィーリングがおそらく全く合わないだろうと思ったので、借りてもダメだろう・・・。と思いました。
ドライバーを忘れたのであれば、3Wで充分代用が利きますが、ウェッジは致命的です。
不幸中の幸いということでもないのですが、その日のラウンドは競技ではなく、ホームコースでの、友人たちとのプライベートラウンドでした。
競技ではないので、少し楽かな?と思いました。

コースに到着してバッグを開けて、今日はこの12本でプレーしなければならない・・・。と思い、どのようなラウンドになるのか、想像もつきませんでした。
SWとAWが無いので、とにかくバンカーだけは避けよう・・・。と思いました。
普段はそれほど気にしないバンカーも、今日は天敵だと思いました。
残り距離にも気を遣いました。
PWやAWで寄せやすい距離を残すよう、クラブ選びにも注意をはらいました。
いつも周り慣れているホームコースが、全く別の顔をしているように見えました。
グリーンに近づけば近づくほど、プレッシャーも大きくなりました。
幸い18ホール中、1回もバンカーにつかまることもなく、また大きなトラブルに見舞われることも無かったのですが、とても疲れました。
体というよりも、頭がすごく疲れました。
普段から、いかにSWやAWに助けられてプレーしているのかが、よく解りました。
アグレッシブに攻めていって上手くいかなくでも、後はSWやAWで寄せていけばいいや・・・。という考えが通用しませんでした。
PWや9Iが大活躍してくれたので、スコアが大きく崩れることはなかったのですが、とにかく疲れました。
もう、こんなことにはならないようにしようと反省しましたし、これもまたいい教訓になったのではないかな?と思いました。
ゴルファーとして、大切なクラブを忘れてくるのは、とても恥ずかしいことだと思いました。

今日はPWの試打だったので、数年前のあの日のことを思い出しながら試打をしました。
PWを使えば、寄せは易しくなります。
SWよりも確実に寛容さがあります。
シンプルに攻めていけるので、あまり気を遣いすぎず寄せていけるところも大きいように思います。
気持ちの立て直しも早くできます。
このMPのいいPWに出会って、色々なことを思い出しました。
2016年02月05日
ミズノ JPX EIII ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ JPX EIII ユーティリティ の4番 です。

シャフトは Orochi Light です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は50g、バランスはD1、キックポイントは先調子、クラブ総重量は342gです。

ミズノJPXシリーズのユーティリティです。
同じシリーズなので、当然ではありますが、先月試打したフェアウェイウッドとそっくりです。
FWを小振りにした感じがします。

JPXらしく、易しそうな雰囲気が伝わってきます。
MPとはまた違う、JPXの魅力があるように思います。

FWと同じく、WAVE TECHNOLOGYという文字がありました。

この溝のことだと思うのですが、やはりFWと、このUTは同じコンセプトで作られているのだと思いました。
ドライバーは全く違う構造になっていますが、それはクラブの特性が違うからでしょうか?
ドライバーはウェイトが移動できるタイプで、かなり機能性を感じさせるのですが、このUTはシンプルに見えます。

ネックの長さは長めです。

顔はオーソドックスなタイプです。
ミズノらしい、美しい仕上がりです。

セミシャローといっていいでしょうか?
あがりやすそうです。

FWと同じく、クラウンマークとフェース面のデザインが違っていました。
やはりドライバーよりも、FWと類似性をもたせているんだな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、かなり軽量感を感じます。
シャフトもよくしなります。
ハードな感じは全くしません。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
これまで、よく見てきた顔だな・・・。と思いました。
『出っ歯』タイプです。
もうちょっと出っ歯が小さいほうが構えやすいのですが、特に大きな不満はありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は、しっかりめでした。
はっきりしている感じがしました。

『音』は、まずまずでした。
大きすぎないので良いと思いました。

球はあがりやすいですが、今のUTの中では普通といったところかな?と思いました。
特に驚くようなこともなく、予想していた通りでした。
しかし、これは予想通りあがりやすいということでもあります。

『安定性』も、平均的といったところかな?と思いました。
まずまずの安定性だと思います。

『飛距離性能』も、予想の範囲内でした。
軽量感はあったものの、これくらいは飛んでくれそうだな・・・。というところまでは確実に飛ばしてくれました。
『尖った飛び』ではなく、『易しい飛び』だな・・・。と思いました。

『操作性』という点では、左右に曲げることはできましたが、あまり大きく曲げることはできませんでした。
極端にやり過ぎてしまうと、大きなミスにつながりそうだったので、やめました。
このUTは、あまり細工をするタイプではないと思いました。

ソールの溝が特徴的でしたが、全体的に見て、大きな特長はつかみづらい感じがしました。
丁寧に上手くまとまっている感じがしましたが、強い個性は感じられませんでした。

気持ちが大きく高ぶることはなく、淡々としたところはあったのですが、大きな不満や不安などもなく、予定通りの球数で試打を終えることができました。

これからもJPXには期待していきたいです。
2016年01月11日
ミズノ JPX EIII フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ JPX EIII フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは Orochi Light です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は48g、バランスはD1、キックポイントは先調子、クラブ総重量は313gです。

ミズノJPXのフェアウェイウッドです。
比較的シンプルな外見ですが、ところどころにハイテクが組み込まれているのが解ります。

トゥ側には『WAVE TECHNOLOGY』の文字がありました。

この波のようなソールの溝のことでしょうか?
この溝は、前のモデルから継承されています。
結構深い溝ですが、面積が小さくなっているように見えます。
この深さがおそらく適正なのだと思いますが、深さによって、どれくらい飛距離が変わってくるのか、興味があります。
今はクラブの調整機能がすごく発達していますが、いずれ溝の深さも調整できるようになるのかもしれない・・・。と思いました。

ネックの長さはしっかりとありました。
調整システムが搭載されていないぶん、すっきりしていました。

フェース面のデザインは見慣れた感じがします。
昨年試打したドライバーは、クラウンマークとフェース面が同じデザインでしたが、このFWは違います。
このフェース面のデザインにも、メーカーのこだわりがあるのでしょうか?

かなりのシャローヘッドです。
MPだとちょっと違和感がありますが、JPXならば見慣れた感じがします。
ブランド毎のイメージ戦略がきっちりとできているように思います。
MPが素晴らしいのは多くのゴルファーが知るところですが、JPXからも、昔から素晴らしいクラブがたくさん誕生しています。

顔はちょっと特徴がありました。
ドライバー同様、フェースが被っているように見えました。
ある程度予想してはいましたが、少し苦手に感じました。

素振りをしてみると、かなり軽く感じます。
フレックスがSRということもあると思うのですが、シャフトもかなり軟らかく感じました。
気持ち良く振るというよりは、やや合わせにいく感じで振りました。
とにかくタイミング重視で振っていこう・・・。と思いました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずだな・・・。と思いました。
フェース面の被りも見えましたが、それよりも『出っ歯』なところが目立っていました。
もう少し出っ歯が弱いほうがいいな・・・。と思ったのですが、FWならば許容範囲かな?という思いもありました。
今日は直打ちで試すことにしたので、球を拾いやすくなるメリットもあるのかな?と思いました。
ただ、左へは引っかけないようにしよう・・・。と自分自身に言い聞かせました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
ややしっかりめでした。

『音』は高めでした。
少し耳にくる感じでした。
もう少しおとなしめのほうが良いです。

球はあがりやすいです。
ただ、高弾道というほどではなく、スピンも抑えられている感じがしました。
ソールにある溝が威力を発揮しているのかもしれません。
見た目の印象と弾道のイメージがちょっと合っていませんでしたが、タフな印象はありませんでした。
親しみやすいタイプのFWだと思います。

『安定性』はまずまずでした。
球がつかまりやすいので、真っ直ぐ飛びやすいという方も多いかもしれません。
私にはつかまり過ぎる感じがしたので、ずっと注意しながら打っていました。
シャフトも物足りない感じがしました。

『飛距離性能』は、なかなか優れているな・・・。とは思いましたが、今はハイレベルな争いになっているので、特別秀でているとは正直思いませんでした。
驚くようなことはなく、淡々と打っていました。

『操作性』は、まずまずでした。
球はつかまりやすいのですが、右に曲げることもできました。
しかし、このクラブの性格からして、それほど自在に操るのはあまり得策ではないと思いました。

ニューモデルではありますが、特別大きな印象が残るという感じはしませんでした。
前のモデルのアレンジ版といった印象をもちました。
様々なハイテクが搭載されているとは思いますが、強い個性を感じることはありませんでした。

これからのクラブに期待していきたいです。
2015年12月23日
ミズノ JPX EIII ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ JPX EIII ドライバー です。

シャフトは Orochi Light です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は52g、キックポイントは先調子、クラブ総重量は299gです。

ミズノJPXシリーズの新しいドライバーです。
今年の1月に前のモデルを試打したのですが、今年のうちにニューモデルを試打する機会に恵まれるとは思っていませんでした。
MPは秋のイメージがありますが、JPXは冬の寒い時期にニューモデルに出会うイメージがすっかり定着しました。
季節は違っていても、いつもニューモデルに出会うことができるのは、とても嬉しいことです。

前のモデルのJPX 850同様、ウェイトが移動できるシステムになっています。
JPX 850は水平でしたが、このJPX EIIIは斜めに移動できるようになっています。
重心深度と、重心距離を一度に調整することができるのでしょうか?

ウェイトの位置は、この真ん中で試打してみることにしました。

ネックの長さはまずまずです。
見慣れた長さです。

ネックには調整システムが搭載されていました。
MPと違い、JPXは調整システムのイメージが定着しました。
MPではできないことを、JPXで取り入れているのかもしれません。
MP=フィーリングや形状重視。
JPX=機能性重視。
というイメージもあります。
それぞれタイプは異なりますが、ミズノのクラブということで、信頼度は抜群です。

QUICK SWITCHという文字がありました。
この調整システムのことだと思います。
早くスイッチできるということでいいのだと思います。

ロフトは9.5度で試してみることにしました。
最初借りたときは10.5だったのですが、9.5のほうが普段のイメージが出しやすいのではないかな?と思い、調整の為の専用工具があったので、変えてみることにしました。
とても簡単にロフトを変えることができました。
ただし、ロフトを変えるとシャフトも必然的に回ってしまうので、シャフトの向き(スパイン)は狂ってしまうことに気づきました。
テーラーメイドなどと同じシステムになっています。
ロフトを変えられるのはとても便利ですが、スパインが変わってしまうのが気になります。
ここの部分が改善されるともっといいな・・・。と思うのですが、今の段階では技術上難しいのかもしれません。
スパインなんて気にしないよ・・・。それよりもロフトが変えられるほうが便利だからいい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思います。
普通に市販されているクラブはアイアンなども含めて、スパインがバラバラなのが現実です。
しかし、私はスパインを大切にしています。
私のクラブは全てスパインを揃えています。
なので、ひとつでも狂っているものがあると気になってしまいます。
スパインが変わったから、大きく影響が出た・・・。ということにはなりにくいかもしれませんが、少しでも不安な要素は排除しておきたいと私は思っているので、もし私がこのようなシステムのドライバーを購入したら、『純正』のまま何球か打ってロフトを決め、合いやすいシャフトを購入して、ロフトを決めてスパインを合わせて組むだろうと思います。
それで組み上がったら、おそらくロフトは変えないだろうと思います。
もし、どうしてもロフトを変えたくなったら、またシャフトを調整し直すか、もう1本シャフトを購入して、その『ロフト専用』にするだろう・・・。と思います。

ミズノらしい、とても丁寧な仕上がりで美しいデザインですが、フェースが被っているように見えました。
しかも、僅かにではなく、はっきりとしていました。
プル角も利いているように見えました。
前のモデルはもっと私好みの顔だったのですが、このニューモデルは違っていました。
前のモデルよりも、さらに球のつかまりを良くしているのでしょうか?
私は苦手なタイプだったので、少しテンションが下がってしまいました。
しかし、こういったクラブはこれまでもたくさん試打してきているので、何とかなるだろう・・・。という思いはありました。

フェース面のクラウンマークが変わっています。
これまでは『ランバードマーク』が多かったように思うのですが、このドライバーは違っています。
これが新しいJPXのブランドマークなのでしょうか?
以前試打したことがある、MADNESSのドライバーを思い出しました。

フェース面のデザインも変わっています。
クラウンマークと同じマークがフェース面にも採用されています。
性能とは直接関係ないと思いますが、こういった遊び心のようなものはとてもいいです。

セミシャローバック形状といっていいでしょうか?
今、一番多いタイプだと思います。

トゥ側には『FAST TRACK TECHNOLOGY』という文字がありました。
速い跡のテクノロジーということでしょうか?
今ひとつ意味が解りませんが、何やら飛距離の為の技術が組み込まれているようです。
MPはシンプルなので、こういった記述は見られませんが、JPXはこういったことがよく見られます。
ブランド毎の違いがあって、いいことだと思います。

オリジナルグリップは、なかなかいい感じでした。
あまりしっとりとした印象は無かったのですが、ラバーグリップらしいソフトさはありながら、適度に滑りにくくなっています。
この細かな模様が威力を発揮しているのでしょうか?

素振りをしてみると、JPXらしい軽量感と軟らかさがありましたが、これは打つ前から予想していました。
私はもっと重量感が欲しいと思いましたが、このままがちょうどいい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思います。

正直、やや構えづらいタイプです。
フェースが左を向いているように見えましたし、フェース面も見えすぎでした。
ロフトは9.5に調整したのですが、明らかに9.5度のロフトではないな・・・。と思いました。
勿論、こういったことはこれまでもたくさんありましたし、ある意味『普通』になってきているので、あまり気にしすぎないほうがいいような気もするのですが、今日はちょっと気になってしまいました。
フェースの向きと、角度が私に緊張感を与えました。
見るからに『ハイドロー仕様』のドライバーと思えなくもないのですが、フェースの被り具合が強く見えたので、私には『ハイドロー』というよりは『ハイフック』という印象をもってしまいました。
私は左へのミスがとても怖いですし、弾道もできれば低く抑えていきたい・・・。と思っているので、このドライバーの構え感はイメージが出しづらかったり、苦手意識が芽生えてしまったりするのですが、この構え感を好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
球がつかまりやすくて、高くあがってくれそう・・・。という印象をもたれる方も多いかもしれません。
人によって好みが分かれるところだと思います。
あくまでも構え感でいえば、私は前のモデルのほうが好きです。
少し心がモヤモヤしていました。
試打を開始しました。

一球目から、大きなフックを打ってしまいました。
予想していたとはいえ、対応しきれていなかった自分自身が情けなくなってしまいました。
何となく構えて何となく打ってしまったように思います。
もっと左を警戒して工夫して打っていくべきだった・・・。と反省しました。
普段は心がけているつもりでしたが、今日はその警戒心が少し弱かったのかもしれません。
注意力が欠如したまま打ってしまったのかもしれません。
これが練習場で良かったな・・・。今のがコースだったら間違いなくトラブルになっていただろう・・・。と思いました。
一旦打席を外して深呼吸をして、素振りを繰り返し、ホットの缶コーヒーを一口飲み、打席に入り直しました。
もっとどっしりと構えなければ・・・。と思いました。
苦手意識が先行したので、少し上ずっていたような気もします。
再び試打を開始しました。

『打感』は、ややしっかりめでした。
すごく硬いという感じではないのですが、ソフトではないと思いました。
特に苦手意識が芽生えてしまうような打感ではありませんでしたが、何球でも打っていたくなる・・・。ということはありませんでした。

『音』は、はっきりしていて好感がもてました。
こもった感じの音ではないので良いと思いました。

球はあがりやすいです。
タフな感じはしませんでした。
構えた時のフェース面の見え具合のままの弾道だな・・・。と思いました。
私はもっと低く抑えていきたかったのですが、どうしても高く浮いてしまい、なかなか抑えて打つことができませんでした。
ネックの目盛には『8.5』もあったので、調整し直してみようかな?と思ったのですが、このままでいこう・・・。と思い、変えませんでした。
色々と試してみたい・・・。という思いにはなれませんでした。

『安定性』は、なかなか高いです。
スイートエリアも広いです。
見た目通り、シビアなタイプではありませんでした。
私には『頑固』な感じで、左ばかり飛んでいきました。
右に滑りやすいタイプではありません。
何度打っても、まるでVTRを見ているように同じような軌道を描いていました。
私が求めるタイプではないのですが、このつかまりの良さと弾道の高さは多くの支持を集めるのかもしれません。

『飛距離性能』は、まずまずだと思いました。
球のつかまりと弾道の高さで飛ばしていけるタイプだと思います。
『ハイドロー(ハイフック)仕様』で飛ばしていけるタイプです。
これまで、同様のドライバーにはたくさん出会ってきました。
しかし、このドライバーには調整機能が搭載されているので、違うポジションにすれば、もっと飛距離を伸ばしていけるのかもしれません。

『操作性』という点では、少し難しく感じてしまいました。
一応、左右にも曲げることができたのですが、私にはフック系のほうが圧倒的に易しいと感じました。
左右バランス良くクセの無い感じで・・・。というタイプとは真逆の『一方』にだけ偏った感じもあったのですが、このつかまりの良さも武器といえるのかもしれません。

1年足らずでJPXのニューモデルに出会うことができましたが、あくまでも私の好みといては前のモデルのJPX 850のほうが好きです。
どうかな・・・?と迷うことなく、即決できます。

打ち比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらく飛距離などもJPX 850のほうが、私には合いやすいのではないかな?と思いました。
構え感や打感などフィーリングも前のモデルのほうが好きです。

しかし、このドライバーは最新モデルですし、JPX 850には無いものを搭載しているのだと思います。
球のつかまりは、このモデルのほうが上だと思います。
弾道の高さなどは、大きな違いはないような気もします。

JPXらしい、高い機能性をもったドライバーだと思います。
MPとはまた違う、JPXらしい部分が垣間見られ、好感がもてました。
今回のモデルは、私には合いづらい感じがしましたが、また次のモデルに期待したいと思いました。
2015年10月25日
ミズノ MP-5 アイアン & MP-55 アイアン

今日は、この2本のMPアイアンを試打しました。
試打したアイアンは ミズノ MP-5 アイアン と MP-55 アイアン の7番 です。

<左>MP-55 <右>MP-5
<右>MP-5 のスペック
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は445gです。
<左>MP-55 のスペック
シャフトは NS PRO 950GH です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD1、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、クラブ総重量は418gです。

今年のMPニューアイアンを同時に試打する機会に恵まれました。
MPアイアンは元々大好きなのですが、今年のモデルはすごくいい印象をもっています。
MPアイアンに出会うと、いつも気持ちが高ぶってしまうのですが、今日もその高ぶりを抑えることができませんでした。
気持ちの入り方が違うような感じがしました。
軟鉄アイアンは他にもたくさんありますが、何故こうもMPアイアンに魅了されてしまうのだろう?と考えながら見つめていました。
この美しさに加え、極上の打感を味わえるのかと思うと、すごく得した気分になれます。
私だけがこの極上の打感を味わうのは勿体ないので、他の打席で練習しておられる方にも、この試打クラブをお貸しして試していただきたい・・・。と思ったのですが、人の練習を邪魔するわけにはいかないので、自重しました。

正統派のマッスルバックと、洗練されたポケキャビといったところでしょうか?
どちらもとても美しいので、『美の共演』といった感じがします。
あくまでも私の好みではあるのですが、これがもしサテン仕上げだったら、もっとシブさが増すだろうな・・・。と思いました。

純粋なタイプのマッスルバックであるMP-5と見比べてみても、MP-55が腫れぼったい感じがしないのが、とてもいいです。
MPの名にふさわしいな・・・。と思いました。

<左>MP-55 <右>MP-5
どちらも美しいMP顔です。
こうして見比べてみると、MP-5のほうが少し小顔ではありますが、大きな差はありませんでした。

<左>MP-55 <右>MP-5
ソール幅は、どちらもワイドなタイプではないですが、こうして見比べてみると、MP-5のほうが明らかに狭いです。

<左>MP-55 <右>MP-5
ネックの長さは、ほぼ同じでした。

トップラインは、MP-5のほうが少し薄いです。

MP-5

MP-55
どちらも抜群の構え感です。
MP-5がすごくいいのは当然なのですが、MP-55も引けを取らない構えやすさでした。
MP-55のほうが少しだけ大きさもあるので、MP-5よりも構えやすい・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
どちらも2回目の試打ですし、すごくいい印象が残っています。
いいイメージが自然と湧いてきました。
試打を開始しました。

<左>MP-55 <右>MP-5
『打感』はどちらもいいですが、敢えて言うならMP-5だな・・・。と思いました。
両方とも、すごくソフトな打感です。

<左>MP-55 <右>MP-5
『球のあがりやすさ』という点では、MP-55だな・・・。と思いました。
MP-55のほうが浮きやすい感じがしました。
もちろん装着されているシャフトが違うので、正確な判断はできませんが、おそらく同じシャフトで試してみても、おそらくMP-55のほうが、敷居が低いんじゃないかな?と思いました。

<左>MP-55 <右>MP-5
『安定性』はMP-55だと思いました。
これは、はっきりしているな・・・。と思いました。

『飛距離性能』も少しMP-55のほうが高いかな?と思いましたが、どちらも飛距離を追求するタイプのアイアンではないと思います。

『操作性』もすぐに性格の違いを感じとることができました。
MP-55もいい感じではありましたが、MP-5の反応の良さはすごいな・・・。と思いました。
インテンショナルな球を打つのであれば、MP-5のほうが易しいと思いました。
こうして打ち比べてみて、MP-5の良さを感じましたが、MP-55のほうが強く印象に残りました。
構え感や打感など、MP-5に大きく引けを取らないのに、安定性やあがりやすさが高いので、このイージーさは大きな魅力だと思いました。
『見た目の印象以上に易しい』アイアンといえるのではないでしょうか?
MP同士ということで、今日はとても楽しい打ち比べができました。
この2つのアイアンは試打する機会も多いので、できるだけたくさん試打して楽しい時間を過ごしていきたいです。
2015年10月12日
ミズノ MP R5-L ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP R5-L ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35.25インチ、バランスはD3、シャフトフレックスはWEDGE です。

ミズノのニューウェッジです。
MPはアイアンの印象があまりにも強いですが、アイアンの流れからなのか、ウェッジもいい物が多いです。
見た目の美しさを維持しながらも、機能性が高いウェッジが多いです。
軟鉄を採用しているのも、好感がもてます。
ミズノの軟鉄というだけで、贅沢な感じがします。

全体的な形状はオーソドックスでありながらも、ところどころにメーカーの工夫が見られます。
こういった流れは、もう数年続いているように思います。

このトゥ側の凹みといいますか、削られているのには、どういう理由があるのでしょうか?
ヒール側に重心をもたせ、重心距離を短くしているのでしょうか?
ミズノのウェッジなので、きっと緻密な計算がされているのだと思います。

バックフェースには浅い溝がありました。
これまでのモデルと共通するところです。
溝には『QUAD CUT GROOVES』という文字がありました。

ソール幅はノーマルです。
それほどワイドではないと思いました。
今はワイドタイプのSWをよく見かけますし、人気も高いのだと思います。
ワイドなタイプもいいですが、私は昔からこのようなノーマルな幅のほうが好きです。
ソールの幅は、人によって大きく好みが分かれるところだと思います。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているのではなく、むしろストレートなタイプです。

ソールの削りも、いい感じです。
ソール全体が丸みを帯びていて、抜けが良さそうです。
ヒール側が絶妙な感じで削られていたので、開きやすそうだな・・・。と思いました。

ネックの長さも、きちんとキープされています。
上からぶつけていくイメージが出せました。
MPらしく、『首長(くびなが)美人』のウェッジです。
これがもし、『頭でっかちタイプ』だったとしたら、かなり難しくなるだろう・・・。と思いました。
アイアンでは頭でっかちタイプはよく目にしますが、ウェッジでは見かけません。
それだけ見た目は似ていても、クラブに求める機能が違っているからなのかもしれません。
このウェッジのオーソドックスな形状に、好感がもてました。

『R5-L』とは、どういう意味なのでしょうか?
おそらく、違うタイプのウェッジもラインアップされているのだろう・・・。と思いました。

ロフトは58度で、バンスが10度ということなので、標準的なサンドウェッジのスペックといっていいと思います。
ハイバンスタイプは苦手に感じることもあるのですが、10度という数字を見ると、易しそうだな・・・。と思えてきます。
ローバンスでもなくハイバンスでもない、『標準的なバンス』という印象があります。

トップラインの厚さは平均的でした。

テーパーになっていました。
適度な厚みをもたせ、重心を高くしながらも、テーパーにして、構えやすさにも配慮されているのかな?と思いました。
フォーティーンのウェッジを思い出しました。
こういった細かいところまで気を配っているところが、日本メーカーのいいところのように思います。
アイアンでもそうですが、ウェッジではトップラインが厚くなり過ぎてしまうと構えづらくなって、いいイメージも出せません。
ショットも乱れてしまいます。
このウェッジは、そういったところにも配慮されているのだと思いました。

このオリジナルグリップは、先日試打したアイアンと同じタイプでした。
ラバータイプで適度な柔らかさがありながらも、しっかりとしていて滑りにくくなっています。
私が好きなベルベットタイプではないですが、このグリップもなかなかいい感じでした。

フェース面にはミーリングがありました。
MPはアイアンにはミーリングを入れないけど、ウェッジにははっきりとしたミーリングがある印象があります。
このウェッジもそうでした。
やはり、ウェッジには効果的だけど、アイアンにはそれほど大きな効果は期待できないのでしょうか?
大きく目立つタイプではなく、とても控えめな感じのミーリングです。
構えたときにも邪魔しないだろうな・・・。と思いました。
フェース面のスコアラインに対して斜めに入っているミーリングも多いですが、このウェッジのミーリングは大きな円のようなミーリングでした。
どのようなタイプが一番効果的なのか解りませんが、メーカーによって特色が異なるのは面白いところです。

ボールを前にして構えてみると、とてもいい感じでした。
オーソドックスなタイプで構えやすいです。
MPなので、この構えやすさは予想できていたことではありますが、実際に構えてみて安心できました。
奇をてらったところは全くなく、いい意味での『見慣れた形状』です。
変えてはいけない部分は変えていない良さがあるな・・・。と思いました。
いいイメージが出せました。

開きやすいのも、大きな特長です。
私は開いて使うことが多いので、開きやすさをすごく重視しています。
このウェッジは、いい印象をもつことができました。
ピンチの場面でも、開いて使えば何とかなる・・・。ということを、これまでたくさん経験してきました。
開いて使わないと寄らない場面は多いので、開いて使うことができると積極的な気分になれます。
ボールの下をスパッと切っていくイメージも出せました。
フェース面を斜めに使っていくイメージももてましたし、スピンがしっかりと掛かってくれそうだな・・・。と思いました。
まずはスクエアな状態で打っていくことにしました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とてもいいです。
心地良い感触でした。
程良い感じの『衝突感』がありました。
一球一球、素晴らしい打感を楽しむことができました。

『スピン性能』は、今のウェッジの中でも高いほうだと思います。
食いつきがかなり強くて激スピンという感じはしなかったのですが、いい感じでボールが止まってくれました。
『適スピンタイプ』のウェッジといっていいでしょうか?
『食いつきで止める』というよりは『押して止める』タイプのウェッジだと思いました。
足(ラン)の計算がしやすいな・・・。と思いました。
止まりすぎたり、転がりすぎたり・・・。といったことが少なくなるような気がしました。

球もあがりやすくて、出球の高さもイメージしていた通りでした。
自然な感じでスーッと拾うことができました。
ソールも抜けやすくてガツンと止まることはありませんでした。
少々悪いライでも、開き気味にソールを使っていけば、かなりいい感じでボールを拾っていくことができそうだな・・・。と思いました。

『安定性』という点では、標準的といった印象をもちました。
寛容さというよりは『抜けの良さ』が易しさを高めてくれているように思いました。
ラインも出しやすいです。
構えやすさがあって抜けが良いので、実戦でもかなり勇気をもって突っ込んでいけそうな感じがしました。
アグレッシブな寄せができそうだな・・・。と思いました。
色々なウェッジを試打していると、これは『守りタイプ』だな・・・。これは『攻めタイプ』だな・・・。と印象が分かれるときがあります。
これはあくまでも感覚的なので、上手く表現できないのですが、そのように感じることがあります。
このウェッジは守りもできますが、どちらかというと攻めタイプのウェッジのように思いました。
積極的に寄せていけそうに感じましたし、適度にランが出るので、チップインも狙えそうだな・・・。と思いました。

距離感も合いやすいです。
構えやすい形状で、適度な重量があるので易しいです。
軽すぎないので、重力をかなり使っていけます。
落としどころを絞って運んでいくことができました。
出球の高さのイメージが合いやすいので、この距離感の出しやすさは必然的といえるのかもしれません。

『操作性』は良いです。
とても優れたマニュアルタイプのウェッジだと思います。
ソールに易しさを感じながら、色々なショットを楽しむことができました。
開いてフワッという球も打ちやすいです。

ハイテク感とベーシック感の両方を感じることができました。
全体的にバランスがとれたウェッジだと思いました。

球と遊ぶことができました。
楽しくて、あっという間に予定の時間を過ぎてしまいました。
また試打する機会がれば、是非試打してみたいと思いました。