ITOBORI
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2020年12月17日
ITOBORI ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ITOBORI ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは元調子 です。

初めて出会ったメーカーのウェッジです。
私はこのメーカーのことを全く知りませんでした。
これまで、たくさんのゴルフクラブを試打してきましたが、まだまだ知らないメーカーがたくさんあるんだな・・・。ということが分かり、嬉しくなりました。

カッパー仕様の独特な質感です。
柔らかそうな感じが伝わってきます。

パッと見て、戦国武将の真田昌幸の名前が書いてあるのかと思ったのですが、違うようです。
このような漢字が表示されているウェッジは珍しいですし、見た目のインパクトが大きくなります。

大きさは標準的で、形状もシンプルでオーソドックスなウェッジです。
最近は『ハイテク感』の強いウェッジが多くなりましたが、このウェッジは真逆の『ベーシック感』があり、余計な物が削ぎ落とされているように感じられます。
以前も書きましたが、ゴルフクラブには『足し算』で作られたものと、『引き算』で作られたものがあると思うのですが、このウェッジは後者の引き算タイプです。
高機能な足し算タイプのウェッジもいいですが、私はこのような引き算タイプにどうしても惹かれてしまいます。

昔ながらのフラットバックタイプです。
特別な工夫は見られませんが、このシンプルなところがたまりません。

トップラインはシャープで、やや薄めです。

そして、なんと言っても目を引くのが、このゴツゴツしたソール形状です。
このようなソールは見たことがありません。
岩のようにゴツゴツしたソールです。
初めて見ましたが、とても画期的な感じがします。
設置面積を小さくでき、抜けが良さそうです。
そして何より個性があります。
同じようなクラブが多い中、このような個性的なクラブは好感度が爆上がりです。
この形状が良い悪いはひとまず置いておいて、こういった発想ができなかったメーカーも多いのではないでしょうか?

ITOBORIという文字があるので、私は『糸掘』という人が作ったのかな?と思っていたのですが、『一刀彫り』ということだと後から教えてもらいました。
日本人としては、とても魅力的なフレーズではないでしょうか?

『一刀彫り』ということで、北海道のお土産の定番だった、『木彫りの熊』を思い浮かべました。
あの独特な『手削り感』を再現することにすごくこだわっているように見えます。
中学校時代の美術の授業を思い出しました。
色々な形の彫刻刀で気を削っていたのが懐かしいです。
私は美術の才能も皆無なようで、一生懸命に彫ったり、絵を描いたりしていましたが、全く評価されることはありませんでした。
しかし美術の時間は好きでした。

ソール幅は標準的ですが、ワイドを好まれる方には、少し狭く見えるかもしれません。

ソールがゴツゴツした岩のようですが、全体的に見ると丸みを帯びていて、バルジも利いています。

ネックは適度な長さがキープされていて、好感が持てます。
最近はアイアンのように短いタイプのウェッジも見られるようになりましたが、やはりこれくらいの長さは欲しいです。

ホーゼルには『Made In Japan』の文字があったので、日本のメーカーだということが分かりました。
ITOBORIという名前や全体的な質感からも、日本のメーカーのような気がしていたのですが、やはりその通りでした。
日本には優れた地クラブメーカーがたくさんあります。
このメーカーはいわゆる『老舗メーカー』なのでしょうか?
それとも設立されてまだ間もない新しいメーカーなのでしょうか?

フェース面にミーリングはありませんでした。
すごくシンプルで懐かしいフェース面です。
昔から、このようなウェッジにたくさん出会ってきました。
すごくクラシカルな雰囲気があります。
指で触ってみると、適度にザラザラ感がありました。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
この構え感もクラシカルな感じです。
標準的な大きさで、ヒールが自然にキュッと絞り込まれているのがいいです。
最近はここが広く、ボテッとしている物も多いですが、私はこのようにシュッとしているほうが好きです。
この自然な曲線に、目尻が下がりました。

フェースは、かなり開きやすいです。
開いてもソールがピタッと地面に馴染む感じで、据わりが良いです。
この開いた状態のまま、真っ直ぐ振り抜くのも良し、カットに打っていくのも良し。
いろいろな選択肢を与えてくれます。
ロブ系のイメージが出しやすく、ボールが真上にフワッと浮く光景が浮かびました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、心地よい感触を楽しむことができました。
フェース面だけでなく、ソールのタッチもソフトです。
今日は練習場のマットの上からでしたが、実際の芝やラフでも、抵抗感が少なく、スパッと抜けてくれそうです。
ボールが一瞬くっつく感じがあり、そこから送り出していけるタッチの出しやすさがあります。

スピン性能も高く、よく止まりました。
最新の工夫は見られませんが、フェースとソールがきちんと仕事をしてくれているようです。
ボールにも適切なスピンが掛かり、まるで生き物を扱っているような感覚を楽しめました。
ハイテク感は無いですが、基本性能がしっかりしているので、何の不満もありません。

球は拾いやすく、よくあがってくれました。
出球のイメージも出しやすく、自然なところがいいです。

『安定性』という点では、普通といいますか、特別『易しさ』という点において優れているとは感じません。
オートマチック系のウェッジでないことは確かです。
気難しさのようなものは一切感じませんが、オートマチックタイプのウェッジを好まれる方には、やや正直すぎるところがあるかもしれません。

出球のイメージが合いやすいので、距離感も自然に合ってきます。
初めて出会ったウェッジとは思えないほどの親しみやすさ・・・。といったらいいでしょうか?
『既視感』の中で打っていけるウェッジです。
転がしもいいですが、このウェッジはどちらかというとあげることに長けている感じがしたので、普段『足(ラン)』を使わず、ピッチショットを主体にアプローチをしておられる方に合いやすいウェッジといえるのではないでしょうか?

『操作性』は抜群で、いろいろな球を打たせてくれる懐の深さがあります。
最初、ソールを見たときは驚きましたが、こうして試打してみると、理にかなっているように感じました。
ソールをただ単にゴツゴツにしているのではなく、細かな計算がされて、あの形状になっているのではないでしょうか?
完全にマニュアルタイプのウェッジです。
いつも同じパターンで寄せるのではなく、いろいろなワザを駆使してスコアメイクできるウェッジといっていいと思います。
試打後の感想

すごく変わったウェッジで、見た目のインパクト大です。
ここまで個性的なクラブは珍しいです。

ただ単に変わったデザインだけなら、それほど魅力を感じませんが、このウェッジはその形状が理にかなっていて、基本性能がしっかりしているところが凄いです。

メッキタイプのウェッジが多い中、このようにカッパーなデザインは少なくなりましたが、昔から大人気でした。
その最大の要因は、『打感の柔らかさ』です。
あのまったりとしたソフトな打感が、たまりませんでした。

最近のウェッジは、フェース面はもちろん、ソールに工夫されているものが多いです。
このウェッジはその最たる物といえるのではないでしょうか?

一見、ただのデザインであり、目新しさしかないようにも見えますが、実はとても理にかなった形状です。

私はこのメーカーのことを知らなかったですし、初めて試打しましたが、このようなウェッジがもっとたくさんの人の手に渡ればいいな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。