PXG
| HOME |
2023年02月02日
PXG 0311 SGI アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0311 SGI アイアン の7番 です。

シャフトは BASSARA です。
ロフトは29度、クラブ長さは37インチ です。

PXGのアイアンです。
PXGはあまり手にしたことが無いので、まだ馴染みが薄いですが、『高価』だという印象があります。
しかし高価だからといって、PXGのクラブが特別『高性能』だとか『高品質』だとは思っていなくて、あくまでも他のメーカーと同等です。
ただ、私が感じられていない、PXGが高価な理由というものがあるのかもしれません。
例えば、特別希少な材料を使っているとか・・・。
値段とクラブの性能や品質が必ずしも一致しないですが、それもゴルフの面白さの一部といえるのではないでしょうか?

ドライバーであれ、アイアンであれ、たくさんのウェイトが組み込まれているのがPXGの特徴です。
これがあるからPXGだと、ひと目で分かります。
そういう意味では、ロイコレのキャビティソールも同じでしょうか?

ヒール側に『0311 SGI』とモデル名が大きく刻印されています。
最近はこのようにはっきりと目立つように表示されることが少なくなってきているような気がするので、少し珍しい感じがしました。

面長で全体的に大きいアイアンです。
ノーマルなアイアンというよりは、『ユーティリティアイアン』といったほうがいいかもしれません。
普通、ユーティリティアイアンといえば、3番や4番が多いですが、7番やその下の番手まで、このような形状ということで、それだけこだわりがあるのではないでしょうか?
こういったところは国内メーカーではなかなか見られず、海外メーカーらしいといえるような気もします。

かなり彫りが深いように見えます。
彫りが深いというよりはトップ部(ソール)の大きさが際立っているといったほうがいいかもしれません。

かなり特異な形状で、魚の『コブダイ』を連想しました。

トップラインは厚めです。
こうして全体的に見ても、『大らかに』作られたんだろうな・・・。という感じがします。
国内の『あのメーカー』のような繊細さは無く、とにかく大らかです。

ネックの長さは適度にあって、標準的です。
もっと短いと予想していましたが、これくらいあるほうが易しく感じられます。
『頭でっかち』なタイプではありますが、ネックが短くなると、かなり難しくなるような気がするからです。
これは長いほうがいいとか、短いほうがいいとか言うのではなく、『その人に合った適正な重心の高さ』というものがあるのかもしれません。
低重心のほうが易しいと一般的に認識されているかもしれませんが、私は低すぎるものは却って難しく感じることがあります。
そういった意味でも、このアイアンのネックの長さは好感が持てました。
クラブのネック部分には、シャフトに伝わったプレイヤーの意志を、そのままヘッド(フェース)に伝える役目があると思うのですが、それが短すぎると、上手く処理しきれないといいますか、『ノーカン』になりやすくなるような印象があります。
ネック部分はシャフトとヘッドの『ジョイント』『緩衝材』といったところでしょうか?

かなりのワイドソールで、やはりユーティリティアイアンといったほうがいいように思います。
とはいっても、メーカーはユーティリティとは位置づけていないようで、あくまでもノーマルアイアンというカテゴリのようです。
どんなカテゴリになろうが、結局使うのはプレイヤー自身なので、プレイヤーの感覚で良いのだと思います。

ゾール全体が緩やかな丸みを帯びているように見えました。
しかし、もっと近くでよく見ると、ゼクシオアイアンのように『二分割』されているような形状です。
ワイドソールは元々、『滑り』がいいですが、さらに拍車が掛かったように見えます。
地面を擦らせないクラブは『空中戦』で挑んでいくべきで、ユーティリティやフェアウェイウッド・そしてウェッジなど、ソールを積極的に使っていくべきクラブは『地上戦』といったところでしょうか?
いかに地面と上手くコンタクトしていくかが、ショットの成否を分けます。
そういった意味でも、このクラブはとても簡単に成功させてくれそうです。
私はこのアイアンをノーマルではなく、完全に『ユーティリティアイアンの7番』として見ていました。

フェース面にミーリングは無く、シンプルです。
綺麗に整っていますが、手が込んだ感じはしません。
フェース高が低い、いわゆるシャローフェースなので、スコアラインの数も『11本』と、やや少なめです。
スコアラインの数が必ずしもスコアに直結するものではないと思いますが、私は7番であれば『13本』が一番好きですし、それが標準だと思っています。
キャロウェイのようにスコアラインの間隔が狭くて本数が多いものもあれば、このPXGのように数が少ないものもり、バラエティ豊かです。

素振りをしてみると、カーボンシャフトが挿してあるということもあり、かなり軽量感がありますが、ユーティリティとしては特別変わったことではありません。
軽いからといって、決して手先で振らないこと。
大きな筋肉(特に背中)を意識するよう、自分自身に言い聞かせました。
私なりの、軽いクラブを振るときのチェックポイントです。
適度な重量があれば、そこはスルーできるのですが、試打するクラブはいろいろなスペックがあるので、こちらが合わせていかなければなりません。

PXGのロゴが入った、このオリジナルグリップがとてもカッコいいです。
PXGユーザーの方はもちろん、そうでない方も、このグリップに魅力を感じる方は多いのではないでしょうか?
グリップ自体は昔流行ったクラシカルなタイプで、懐かしい感じがします。

ボールを前にして構えてみると、意外なほどいい感じで、予想と違っていました。
もっとクセがきつい顔をしていると、これまでの経験から予想していたのですが、違います。
ボテッとし過ぎていて『アイアン』として構えられなかったユーティリティアイアンも多かったのですが、このアイアンは『アイアンの感覚』で構えられます。
とはいっても、バックフェースの膨らみが少し見えました。
しかし苦手意識が芽生えたり、イメージがぼやけてしまったりすることなく、普通に構えられました。
だからといって見とれることはないですし、私がアイアンに求めたい顔ではないので、気持ちが盛り上がるということもなく、『淡々』としていたのですが・・・。
グースの利きも見られますが、極端ではありません。
それよりもネック周りが太くボテッとしていなく、シュッとしているところに好感が持てます。
バックフェースの膨らみ以外では、懐かしい感じで、クラシカルな雰囲気も漂っていました。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
ヘッドの大きさ・膨らみから、中空だということが分かっていましたが、一球打って、それがさらにはっきりしてきました。
中空独特の『ペチャッ』とした打感です。
『密』な感じではなく、『空洞感』があります。
打感は『熱の伝わりやすさ』と関係しているだろうか・・・?などと考えていました。
もしこのアイアンが、いわゆる『無垢(鉄の塊)』だと熱の伝わりも早いですが、その鉄の代わりに空気が入っていると熱の伝わりが遅くなります。
そういった空気感が打感につながっていくのかもしれない・・・。と思いました。
昔、メタルヘッド全盛の頃、ドライバーヘッドの中にN2(窒素)を充填してヘッド内部を『高圧』にして飛距離を出す・・・。というドライバーがありましたが、そういったヘッド内部の気体にも、新たなヒントが隠されているのかもしれません。
『ヘッド内部の気体の種類』および『ヘッド内部の気圧』も無視できないのではないでしょうか?
大気の主成分は窒素なので、必然的に窒素を注入することになると思いますが、ヘリウムのように空気よりも軽く人体にも環境にも悪影響が出ない気体を使うのもアリなのかな?と思いました。
ただゴルフクラブ程度の大きさであれば小さすぎて、全くといっていいほど効果は期待できないかもしれないですが、技術が進んで、様々な角度からクラブが進化していって欲しいです。

球はとてもよくあがってくれ、イージーです。
見た目通りの易しさで、やはりソールを上手く使っていくのがベストだと思います。
ヘッドを綺麗に入れて、『寸分の狂いも無いインパクト』というよりは、多少の上下のミス(特にダフり)を気にせず、いい意味でアバウトに打っていけるアイアンです。
『低重心の宿命』といったらいいでしょうか?
どこで打っても自動的にあがってくれ、その高さを調整しづらいところがあります。
しかし逆を言えば、それだけ高さも一定だということです。

『安定性』も高く、上下だけでなく、左右のブレにも大らかなアイアンです。
かなりイージーですが、こういったタイプは昔からあるので、特別だとは思いません。
通常のユーティリティといったところです。

『飛距離性能』も優れていて、よく飛びます。
私が7番アイアンに求めたい飛距離の『K点越え』を一球目からやってしまっているので、凄いなぁ・・・。と思うと同時に、『違うジャンルのアイアン』と再認識しました。
私には難しいですが、これだけよく飛ぶアイアンで、距離のコントロールができれば、かなり有利になると思いますし、相当な技量が必要になってくると思います。
軽く振って、ソールを『地面に擦らせながら』打つことで、適正な高さと距離が出せるアイアンといえるのではないでしょうか?

かなりオートマチックなタイプなので、操作性は期待できません。
いい意味で、『鈍感さ』があり、操るには適していません。
微妙なニュアンスは出しづらいですが、このオートマ性を活かせれば、かなり武器になると思います。
試打後の感想

最初見たときから、普通のアイアンというよりは『ユーティリティタイプ』のアイアンだと思っていました。

しかし打っていきながら、ユーティリティというよりは『チッパー』に近い感覚をもちました。
チッパーはグリーン周りで威力を発揮してくれる心強いクラブですが、このアイアンはチッパーのように『転がす』イメージをもつと、さらに輝きが増すように感じました。
それはクラブもそうですし、それを使っているプレイヤーにも言えます。

ゴルフには様々なミスがつきものですが、その要因はいくつかあります。
その1:『(ボールを)飛ばしたい』
その2:『(ボールを)あげたい』
その3:『(ボールを)真っ直ぐ飛ばしたい』
その4:『カッコ良くプレーしたい』
が挙げられます。
それはプレーをするうえで邪魔になることもありますし、逆をいえば、これがあるからゴルフを続けられるということです。
こういった願い・欲求が無くなれば、ゴルフの楽しみは大きく減ってしまうかもしれません。
プレイヤーの願望があるから、メーカーはそれを実現させるために様々な角度からクラブ開発をしています。

チッパーは確かに易しいのは分かるけど、カッコ悪いから使いたくない・・・。という方はいらっしゃると思いますし、『14本以内』という制限があるので、バッグに入れたくても入れられない・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私もどちらかと言えば、後者のタイプで、本数制限があるので購入していないですし、『8番アイアン』がその役目を果たしてくれコースでも大活躍してくれているので、今のところ不自由は感じていません。
チッパーは確かに『スマートさ』には欠けるところがあるかもしれませんが、ルールに違反していなくて、結果を出しやすいクラブはどんどん使っていくべきだと私は思っています。
私は様々なアプローチ名人を見てきましたが、その多くは『上げ名人』ではなく、『転がし名人』です。
転がしたほうが距離感も合いやすいですし、そのままカップインというボーナスも待っています。
『確実性』という点でも、圧倒的に『転がし』が有利です。

このクラブを試打しながら、そんなことを考えていました。
なかなか無い、珍しいアイアンです。
試打を終えるころには、このアイアンは『チッパーアイアン』という認識をもつようになりました。

『フィーリング』『繊細さ』よりも、『合理性』を優先させるのが、多くの海外メーカーに見られる特徴ですが、それは悪いことばかりではなく、このクラブのようにいい方向へ向かうこともあります。
今日はいい経験をしたな・・・。と思いながら練習場を後にしました。
これからもPXGには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
PXG キャディバッグ
PXG キャップ
PXG グローブ
PXG シューズケース
| HOME |
2022年09月26日
PXG 0311P アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0311P アイアン の7番 です。

シャフトは オリジナルスチールシャフト です。
ロフトは31度、クラブ長さは37ンチ です。

久しぶりにPXGアイアンに出会うことができました。
私はあまり手にしたことが無いのですが、国内外で人気のメーカーのようです。
とはいっても、私に関係ないですが・・・。
人気があるないではなく、いかに自分がそのクラブを好きになれるかのほうが重要です。
世の中には素晴らしい性能をもったクラブが、あまり日の目を見ないこともあります。
それはゴルフクラブだけに限ったことではなく、とてももったいないことだと思っています。
そして優秀な人材も、適正を無視した人員配置のせいで、能力を発揮できないということもあるのがもったいないです。

一見マッスルバックのように見えなくも無いですが、この角度から見て少しプクッと膨れているので、中空なのかな?と思いました。
大きさ自体は標準的です。
以前試打したアイアンよりも、このアイアンのほうが、全体的な質感がいいように見えました。

バックフェースにはウェイトがびっしり組み込まれています。
しかもトゥ側に集中しているので、重心距離を長めに設定されているのでしょうか?
このウェイトがPXG最大の特徴です。
最初見たときは少し驚きましたが、今はもう慣れました。
たくさんの小さなウェイトを組み込むことにより、微妙な重量調整などができると思いますが、それよりも『見た目のインパクト』を狙って、このような形になっているのではないでしょうか?

こうして見ても、一見マッスルバックのようだけど、おそらく中空だろう・・・。と思いました。
最近は中空の人気も高くなり、多くのメーカーが採用しています。
やはり今は易しいクラブでないと売れない時代なのかもしれません。

トップラインは少し厚めです。

ソール幅は少し広く見えますが、今のアイアンの中では普通といえるでしょうか?
こうして見ても、やはり海外メーカーなんだな・・・。と思いました。
海外メーカーといいますか、PINGのアイアンとソール形状がよく似ています。
特にトゥ側の雰囲気がそっくりです。
少し大味な感じがして、ベストな形状には見えなかったのですが、だからといって大きな不満があるわけでもありません。

ソール全体は微妙に丸くなっています。
リーディングエッジの削りも見られますが、それよりもトレーリングエッジ側のほうが大きく削られているのが分かりました。

ネックの長さは標準的で、グースが結構利いています。

ホーゼルには『FORGED GEN2』と記されていて、第二世代の鍛造ということでいいのでしょうか?
これまでに無い、新たな鍛造技術が採用されているのかもしれません。

フェース面にミーリングはありませんでした。
多くのメーカーで見られる、あまり手が込んでいない、スタンプ的なフェース面です。
多くのメーカーに言えることですが、PXGもフェース面にはあまり力を入れていないのかもしれません。
それでいて、PXGのクラブはかなり高価だということで、どこに力を入れているのでしょうか?
特殊な素材がたくさん使われているのかもしれません。

素振りをしてみると好感が持てました。
シャフトも適度にしっかりしていて、タイミングも合わせやすいです。

ボールを前にして構えてみると、結構グースが利いていて、昔よく見られた顔だな・・・。と思いました。
ゴルフを始めた頃から、私はPINGのアイアンを苦手にしていたのですが、似たところがあります。
これだけグースがきついとインパクトのタイミングがかなり遅れそうで難しく感じるのですが、こうするにはそれだけの理由があるのではないでしょうか?
昔のPINGのアイアンに似た顔をしていますが、昔ほどグースがきつくなく、それ以外の場所で大味な感じには見えませんでした。
私が好む顔ではないですが、気になるのは『グース』だけです。
しかも昔ほどきつくない・・・。
昔の記憶をたどっていきながら、テークバックのタイミングを伺っていました。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
まあ、こんなものだろう・・・。という打感でした。

『球のあがりやすさ』も、今のアイアンの中では普通といったところですが、どちらかといえばある程度HSのあるヒッター向けのような気がします。

『安定性』は高く、大らかさなタイプです。
ラージサイズということもなく、マッスルバックのような外見ですが、スイートエリアといいますか、『反発エリア』も広めで、シビアさは感じません。
外見のカッコ良さと、中身の大らかさが同居したアイアンだな・・・。と思いました。

『飛距離性能』も優れていて、確実に1番手以上飛ぶアイアンです。
『球の乗っかり感』は無く、球離れが早く弾くような打感でした。

『操作性』はグースが利いている分、少し難しく感じてしまったのですが、グースに慣れておられる方には、扱いやすいのではないでしょうか
グースにして、インパクトのタイミングを遅らせ、おまけに重心をトゥ側に持ってきている・・・。
これがPXGの他のメーカーには見られない工夫なのだと思います。
試打後の感想

アスリート向けのアイアンといっていいと思います。
しかも、易しい設計になっています。

これからもPXGには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
PXG キャディバッグ
PXG キャップ
PXG ヘッドカバー
| HOME |
2022年07月25日
PXG 0311 FORGED WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0311 FORGED WEDGE です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 WEDGE 115 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35ンチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは中調子 です。

初めて手にした、PXGのウェッジです。
PXGのクラブを試打する機会はそうなかったのですが、今日は運良く出会うことができました。

PXGのことをまだよく分かっていないのですが、こうして見る限り、オーソドックスなウェッジです。
ソールにあるウェイトが目立っていますし、全体的な形状からも、キャロウェイのウェッジを思い出しました。

ソールにある5つのウェイトには数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
昔はここの部分をくり抜いて空洞にし、重心を高くする工夫がよく見られたのですが、最近はこのように逆にウェイトを組み込んで重心を低くするような工夫も見られます。

キャビティタイプのウェッジが増えてきましたが、このウェッジはシンプルなフラットフェースタイプです。

トップラインの幅は標準的です。

ソール幅も標準的で、これまでもたくさん見てきました。

ソール形状は全体的に少し丸みを帯びていて、リーディングエッジとトレーリングエッジにも丸みがあります。
こうして見ていると既視感しかなく、他のメーカーの金型をそのまま使っているのではないか?と思えるほど酷似していました。
しかし、こういったところは流行などもありますし、実際に作っているメーカーが同じだったりすると、よくあることです。

ネックの長さは適度にあります。
最近はウェッジでも短めなものが出てきていますが、私はやはりある程度の長さは欲しいので、このネックには好感を持ちました。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通です。
このフェース面を見ると、いわゆる『使い減り』するタイプで、使っていけばいくほどシブさが増してカッコ良くなるタイプのウェッジではないように感じました。
ヘッドもおそらく軟鉄なのだと思いますが、この質感はあまり好きではありません。
PXGのクラブはかなり高価なようですが、こうして見る限り、どこにその高価な理由があるのか分かりません。
フェース面を指で触ってみたのですが、少しザラザラしていました。

PXGのロゴが入ったオリジナルグリップはカッコいいです。
PXGファンの方にはたまらないのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、意外なほど素直といいますか、クセの無い顔で好感が持てました。
もっとクセのある顔でグースタイプを予想していたのですが、違います。
ストレートタイプでネック周りもシュッとしていて、クラシカルな雰囲気があります。
これまでPXGのクラブはドライバー・ハイブリッド・アイアンを試打してきたのですが、このウェッジの顔が一番好きです。

フェースを開いて構えてみたのですが、なかなかいい感じでした。
ヒール側が浮くことも無いので、ヒールからトゥへカットに入れて、フェースを斜めに使うイメージも出しやすいので、ロブ系のショットも易しそうです。
試打を開始しました

『打感』はソフトで好感を持ちました。
PXGのクラブに対する印象として、グッドフィーリングがこれまで無かったので、ちょっと意外でしたが、いい意味で裏切られました。
ソフトな打感と球持ちの良さをもったウェッジです。

球も自然な感じでよくあがってくれました。
ストレートネックなので、リーディングエッジの先でも拾っていけるのがいいです。
出球のイメージも合いました。

『スピン性能』も高く、よく止まってくれました。
『激スピンタイプ』というよりは『高速スピンタイプ』という印象です。

構えやすいのでラインも出しやすいですが、大らかさという点では、通常のウェッジと変わりません。
PXGだから難しいということもないですし、他のメーカーと同じです。

出球のイメージも合いやすいので、必然的に距離感も合いやすくなります。
先で拾っていけるので、フワッとした柔らかい球も打ちやすく、狙った場所まで運んでいくのが易しいところが気に入りました。
練習場のマットの上はともかく、コースに出れば、いいライはなかなか無いので、いかに薄めに拾っていくか・・・。ということがカギになってきますが、このウェッジだとそれが簡単にできそうです。

マニュアルタイプのウェッジで、他のメーカー同様、操作性も高いところが気に入りました。
オートマチックのウェッジは寛容さがある分、フェース面を複雑に使い分けるのが難しいですが、このようなシンプルなマニュアルタイプでは、細かな調整がしやすいところが長所です。
フェースを被せても、開いてカットに打っても対応してくれる懐の深いウェッジです。
試打後の感想

PXGのウェッジは初めてだったのですが、これまでもっていたPXGのイメージを少し高めてくれました。
予想していた以上に構えやすく、打感も良かったからです。

いいウェッジですが、だからといって、このウェッジが他のメーカーを圧倒しているか?といえば、そうともいえません。
既に同様のウェッジは他のメーカーでたくさん発売されているからです。
独自性・希少性に欠けるといってもいいかもしれません。

ソールに組み込まれているウェイトを全て外したらどうなるのかな?という興味が湧きました。
おそらく、全部とったとしても、いい感じで打てたのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、質感がもう少し良くならないかな・・・。と、このウェッジだけでなく、アイアンを試打したときにも感じていました。
軟鉄らしいところも見られるのですが、少しくすんだように見えて、私はあまりテンションがあがりませんでした。
軟鉄というよりは、アルミに近い質感です。
先日試打したミズノのアイアンとは、全く違う印象をもちました。

クラブには二種類あって、ひとつは使い続けても飽きないもの。
そしてもうひとつはすぐに飽きてしまって、違うクラブに買い替えたくなるもの。
このウェッジは後者のような気がしました。
もちろん長く使い続けても全く問題ないと思いますし、この質感や仕上げが好きだという方もたくさんいらっしゃると思います。
そしてウェッジは他の番手のクラブよりも過酷な場面で使われることも多いので、どうしても寿命が短くなってしまうのも事実です。
そういったことを加味しても、私はこのウェッジには好感を持ったものの、他のメーカーと比べ優位性・独自性を見いだせなかったので、他のメーカーを差し置いて優先的に購入するということはないような気がします。
だからといって、このウェッジに魅力がないのではなく、あくまでも普通ということです。
このウェッジが、かなり高価であればコスパが良くないと思いますし、通常の価格設定であれば、コスパは普通という印象です。

PXGは日本国内だけでなく、海外で大人気のようですが、私は他のメーカーと比べ、優位性を見いだせません。
しかし、これからも試打する機会があれば、積極的に試打していきたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
| HOME |
2020年12月02日
PXG 0811 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0811 ドライバー です。

シャフトは FUJIKURA PLATINUM Speeder です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は67g、トルクは2.9、キックポイントは先調子 です。

とてもカッコいいPXGのドライバーです。
何度か見かけたことがあったのですが、こうして試打するのは初めてです。
あまり馴染みのないメーカーではありますが、興味深いメーカーの一つです。

ソールには小さなウェイトがたくさんあります。
数えてみると16個あり、大きさはどれも同じです。
これはひとつひとつ重さを変えられたりするのでしょうか?
数字が刻印されていないので重さは判らないですし、交換するタイプではないのかもしれません。
ウェイトを配置したドライバーはたくさんありますが、このように小さなウェイトがたくさんあるのはPXGだけで、他のメーカーには無い個性といえます。
この小さいウェイトにも大きな理由があるのではないでしょうか?
見た目のインパクト大です。

大型サイズでシャロー感がありますが、キュッと引き締まって見えます。
黒という色が、いいアクセントになっているのかもしれません。
カラフルで膨張色を使ったドライバーもいいですが、やはりこのモノトーン感は格別です。

ネックの長さは標準的です。
何となくですが、この形状を見て、ちょっと前のPINGドライバーを思い出しました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このポジションです。

シャロータイプではありますが、極端に薄くはありません。
むしろ適度に厚みもあるので、セミシャローといっていいように思います。

シンプルで綺麗なフェース面です。
チープさは全くありません。
こういったところにも、メーカーの印象が決まってくることがあり、PXGは好感が持てます。
弾きが良さそうなのと、強く押していけそうな質感とデザインです。
フェース面を見ただけでも、テンションがあがることもあれば、逆に下がることもありますが、このドライバーはテンションがあがります。

艶消しの黒がカッコいいです。
最近はこのような艶消しが少なくなっているので、艶消し好きな私は嬉しくなります。
今よく出会うメーカーで艶消しの黒といえば、艶消しの感じが少し異なりますが、PINGを真っ先に思い浮かべます。
PXGは海外のメーカーだと聞いたのですが、海外メーカーにしては珍しく、バルジのカーブがいい感じで出ていました。
ただ欲を言えば、もう少しバルジが綺麗に整っていると、さらに好感度があがるのにもったいないな・・・。と思いました。
『画竜点睛を欠く』をいう諺が頭をよぎりました。
少しだけ『不規則感』があり、そこが残念なのですが、バルジがここまではっきりしているのは好感が持てます。
海外メーカーの多くは真っ直ぐに近いか、このような目立つ曲線を描いていないものが殆どです。
パーシモンはともかく、今のラージサイズのチタンドライバーにどれだけバルジが効果を発揮するのか未知数ではありますが、パーシモン育ちの私は懐かしくもあり、嬉しくもあります。
トゥ側が少し逃がしてあるのも、最近では珍しいです。
昔はよく見られましたが、今は圧倒的にトゥ側が主張しているといいますか、『つかまえ系』が多く、このようなタイプは少数派といっても過言ではありません。
つかまえ系の顔をたくさん試打してきて、ある程度慣れてはきましたが、やはりこのような顔は好感が持てます。
丸顔というよりは、やや三角顔に近い感じですが、全く違和感はありません。
ラージサイズで逃がしてあるので、トゥ側でヒットしたら、右にフケていきそうに感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かなり見えにくいのですが、薄くクラウンマークが入っています。
これはどういう意味があるのでしょうか?
私はクラウンマークあっても無くてもいいですし、できれば無いほうが好きなので、この薄いクラウンマークには好感が持てますが、クラウンマークが無いと嫌だ・・・。という方には少しマイナスポイントになってしまうかもしれません。
全体的に艶消しなので、晴れの日のラウンドでも眩しくなさそうです。
艶消しは難しいところがあって、仕上げ方を間違えると『チープ感』が出てしまうこともあります。
しかし、このドライバーはすごく落ち着いていて質感も良く、高級感が漂っています。
外の部分の仕上げで球筋や弾道が変わるものではないですが、やはり見た目のいいクラブには好感が持てますし、気持ちの入り方も違います。

素振りをしてみると、最近は珍しいハード系です。
すごくしっかりしていて、明らかにヒッター向けでセッティングされているのが分かります。
ただ『粘り系』ではなく『走り系』なのは明らかで、先を動かして飛ばしていきたいという方には合いやすいかもしれません。
最近の走り系シャフトは、昔のように左に引っかかりにくくなっているので、対象となるゴルファーも増えてきているように思います。
全体的な重量もあって、タイミングもすぐに合わせることができました。

ボールを前にして構えてみると、かなりいいです。
この落ち着いた感じ・・・。
『威風堂々』といいますか、何者にも影響されない存在感があります。
PXGは海外メーカーではありますが、こうして見ると日本の地クラブメーカーに近いものを感じました。
クセのない、大らかな顔をしています。
投影面積は大きめではありますが、この艶消しの黒が大きく見えすぎないように上手く抑えてくれているようです。
トゥ側は少し逃がしてありますが、全体的に見ると、私はドロー系のイメージのほうが強く出ました。
ほぼストレートに近い感じのドロー系です。
こういった顔が『中立系』だな・・・。と思いながら見つめていました。
最近はあまり顔を見すぎないように・・・。といいますか、少しボヤけた感じで構えることも多かったのですが、今日はマジマジと見つめてしまいました。
なかなか試打する機会のないメーカーということもありますし、何かこう『しっくり』くるものがあったからだと思います。
私の周りは『静寂感』で包まれていました。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
すごくソフトというよりは、ややしっかりめですが、堅くなく手に嫌な衝撃も残りません。
弾き感がありますが、ほんの一瞬球を包んでくれるような印象を与えてくれるフィーリングです。

『音』も好感が持てました。
やや高めの金属音ですが甲高くなく、キーンとくることもないですし、落ち着いた感じの音です。
大きさもちょうどいい感じで、叩いていってもインパクトが緩むことなく、気持ちよく振っていくことができました。
この音は、これまでも耳にしてきたように思います。
インパクトをはっきりと感じ取りやすい音ですが、主張しすぎていないのがいいです。

『球のあがりやすさ』という点では、まずまずですが、明らかにヒッター向けだということが分かります。
ロフト9度なりの弾道といったらいいでしょうか?
やや低めの抑えられた弾道で飛び出していきました。
人によっては、球があがりきらず、ドロップしてしまう・・・。ということもあるかもしれません。
海外メーカーらしい、しっかりしたところがあります。
ウェイトがヘッドの真ん中から後ろ(バックフェース寄り)にあるので、かなり重心が深いのかな?と思っていましたが、それほど極端な感じはしません。
これまで出会った『低スピン系』とは違い、スピンも結構あるようですが、高~くあがって終わりという弾道ではありません。
効率の良い飛ばしができるドライバーです。
このドライバーはロフトが9度ですが、10.5度もラインアップされているそうなので、そちらのほうが人気が出るかもしれません。
『白』と『黒』の違いはありますが、以前試打した(ロフトを立てた)テーラーメイド グローレFを少し思い出しました。
あの球の伸び方に似ているな・・・。と思いながら、弾道を目で追っていました。

『安定性』も高く、セミオートマチック系といっていいように思います。
最初顔を見たときはトゥ側の『逃がし』が目立つので、ややつかまりが弱いかな?と思っていたのですが、実際に打ってみるとそんなことはなく、いい感じでつかまってくれました。
バルジが活かされた『球の捉え方』といったらいいでしょうか?
私はフッカーで左へのミスが嫌なのですが、このドライバーのつかまりの良さは好感が持てました。
普通に打つと、ほぼストレートの球が出やすく、スイートエリアも、結構広く感じました。
PXGのドライバーを試打するのは初めてですが、この寛容なところは、他のメーカーと変わらないような気がします。
シビアさは全く感じません。
しかし、スライスを抑制してくれるドライバーではないので、スライサーの方には難しく感じられるところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は高く、いいパフォーマンスを発揮してくれました。
ロフト9度らしい『上がりすぎない』弾道で、ライナー系の強い球が頼もしいです。
低スピン性能はあまり感じず、結構スピンが利いているように見えましたが、それが吹き上がりを呼ぶこともなく、強く前へと突き進んでくれました。
『高弾道系』ではなく、『強弾道系』のドライバーといっていいように思います。
明らかにヒッター向けなので、幅広い層に対応しているとはいえないかもしれませんが、違うロフトを選択すれば、もっと対象となるゴルファーが広がるのは確かです。
この9度もいいですが、10.5度も試してみたくなりましたし、違うシャフトでも試してみたくなりました。
色々な組み合わせを試してみたいと思わせてくれる、魅力的なドライバー(ヘッド)です。

『操作性』という点では、それほど秀でているとは思いませんが、左右に曲げることもできました。
球はつかまってくれたのですが、フックしかでないという昔の一部のドライバーと違い、右に逃がしていくこともできました。
『弾いて終わり』というドライバーではなく、『球持ちの良さ』もあるので、フェードヒッターの方にも易しいドライバーといえるのではないでしょうか?
あと、ネックの調整システムを使って、どのように球筋や弾道が変化するのか興味があります。
試打後の感想

質感がとても良く、最初見たときからカッコいいドライバーだな・・・。と思っていました。
これまで試打してきたクラブの中には仕上げが雑で、チープに見えてしまうドライバーはたくさんありました。
それは国内・海外問わずです。
割合でいえば海外メーカーのほうが多いような気がしますが、このPXGは海外メーカーの中でも、かなりこだわっているように感じました。
飛距離などの性能とは直接的な関係は無いかもしれませんが、やはり質感が良くて美しいクラブを使いたいです。

高さが抑えられていて、伸びのいい弾道が魅力的です。
打つ度に答えを用意してくれているドライバーといったらいいでしょうか?
少しずつ答えを小出しにしている感じ・・・。といったらいいかもしれません。
初めてではありますが、だんだんと特徴がつかめてきて、結構『奥の深い』ドライバーだと思いました。
色々なクラブを試打していると、予定していた球数と時間で終わってしまうこともあれば、その球数と時間にならないまま試打を終えることもあります。
逆に楽しくて時間が許す限り、ずっと打っていたくなるドライバーもあり、このドライバーはそんなタイプです。

打つ前は『セダンタイプ』の大らかさがあるのか、それとも『ハードトップタイプ』のような敏捷性があるのか?とか、高弾道系か強弾道系か?などと見ただけで探っていましたが、結果的にはややセダンタイプの中弾道系という結論にたどり着きました。
ロフトが9度なので、結構高さが抑えられていましたが、10.5度ではもっとスピンも増えて弾道も高くなるだろうと思います。

強い弾道が打てるドライバーですが、打感や音が良かったのも印象的でした。
海外メーカーはどちらかというとフィーリング系ではなく、機能性を重視した『ドライ』な設計がされている印象があるのですが、このドライバーはフィーリングといった目に見えない、また数値に表しにくいところまでこだわって作られているのではないでしょうか?

見た目の美しさがあり、実際の性能も高く、かなり好感をもちました。
すごくいいドライバーだな・・・。と思ったので、値段を聞いたのですが、びっくりしました。
たしかにすごくいいドライバーですが、コストパフォーマンスのことを考えると、もっと高いドライバーはたくさんあるな・・・。というのが正直な感想です。
しかし、ゴルフクラブは値段だけが全てではないですし、値段を気にしないでいいクラブを使いたいという方には、かなり魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
また試打する機会があれば、是非チャレンジしたいドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
| HOME |
2020年08月07日
PXG 0311 ST アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0311ST アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは33度、クラブ長さは37ンチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

PXGの新しいアイアンです。
PXGのアイアンを試打したのが、今回で2回目なので、傾向など分からないところも多いのですが、このアイアンはオーソドックスなタイプです。
海外メーカーのアイアンといえば、ディスタンス系の印象が強いですが、必ずしも全てがそうだとはいいきれません。

PXGといえば、このウェイトです。
小さなウェイトがたくさんあるのが特徴的です。
私はアイアンに、このようなウェイトの必要性を感じていないのですが、重心を低くしたり深くしたりするには効果的なのだと思います。
小さなウェイトが7つも配置されていました。
色々な重さのウェイトが用意されているのでしょうか?

オーソドックスなタイプのアイアンです。
大きさも平均的で、ラージサイズではありません。
フラットバックタイプではないですが、このアイアンもマッスルバックタイプといっていいように思います。
大きさや形状はいいのですが、全体的な質感が物足りないです。
仕上げが雑で、ムラのようなものがありました。
PXGは、かなり高価だと聞いたのですが、こうして見る限り、それほど高級感はありません。
ゴルフクラブには『使っているうちにいい味が出て、カッコ良くなるもの』と、『いわゆる使い減りして、使っていけばいくほど消耗するといいますか、輝きを失ってしまうもの』に分かれます。
こうして見るかぎり、このアイアンは後者のように見えました。

彫りは浅いです。
この角度から見ると、『凹型のハーフキャビティ』に見えなくもないですが、マッスルバックとの線引きは曖昧なのかもしれません。
すごく美しいアイアンを見ていると、インスピレーションが自然と湧いてくるのですが、今日はそれがありませんでした。
形はいいのですが、目で楽しむことが出来ず、淡々と見つめていました。

トップラインの厚みは、ちょうどいい感じです。

ソール幅は標準的です。
この角度からソールを見ても、正直魅力を感じませんでした。
何だか『チープさ』を感じ、目で楽しめず、テンションもあがりません。
普段なら、とっくにあがっているはずなのですが・・・。
使っていくうちに、ソールのチープさが目立ってくるような気がしました。
毎回クラブに出会うと、『未来』をイメージすることがあります。
使い続けて、いい味がでるものと、消耗して汚れや傷などが目立ってしまうものがあるのですが、このアイアンは後者のようです。
長く使い続けて、笑顔でいるイメージが出ません。

ソールには工夫が見られました。
ミーリングのような『溝』といいますか、独特な工夫が見られ、フラットタイプではありませんでした。
これにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
『滑り』が良くなるのかな?と一瞬思ったのですが、大きな違いはないような気がします。
こういった工夫は、最近ではテーラーメイドのウェッジに見られました。

ソール形状は標準的なもので、特に変わったところは見られません。
それほど丸みを強調された形状ではないですが、平らというほどでもなく、『滑り』をイメージさせてくれる形状です。

リーディングエッジは少し丸みを帯びていました。
これくらいの削りは、よく見られます。

トレーリングエッジは自然な仕上がりです。
大きく削られているということはありませんでした。

ネックの長さは標準的で、少しグースが利いているように見えます。
比較的オーソドックスなタイプです。
この角度から見ると、そのクラブの『色気』のようなものを感じることがあるのですが、今日はそれが全くありませんでした。
心が揺さぶられることもなく、テンションもあがりきらず、淡々と見つけていました。

ホーゼルには『MILLED』の文字があり、特別な工夫がされているのかな?と思いましたが、全体的に見ても、特に変わった感じはしません。
ピカピカ光るミラー仕上げでなく、『つや消し』になっているのはすごく良いのですが、この質感じゃないんだよな・・・。と思いました。
ちょっと表現が良くないかもしれませんが、くすんだ感じでムラのある仕上げです。
MILLEDの文字の塗装も、少し雑でした。
かなり細かいところまで見てしまったのですが、『神は細部に宿る』という言葉があり、そういった意味では、このクラブには宿らないな・・・。と思いました。

フェース面には、とても細かいミーリングのようなものが見られました。
かなり細かいので、近くでよく見ないと分からないほどです。
これにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
おそらく、それほど大きな違いはないと思うのですが、メーカーがあえて、このようにしているので、何らかの理由があるのだと思います。

素振りをしてみると、いい感じです。
適度な重量と振り慣れたシャフト。
ヘッドの大きさも適正なのでタイミングがとりやすく、スイングイメージが出しやすいです。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
もっといい顔を予想していました。
思わず見とれてしまうような、美顔を期待していたのですが、違いました。
もちろん構えづらいとか、違和感があるといったマイナスなことはないのですが、目尻が下がったり見とれてしまったりすることもなく、淡々と構えました。
ヘッドの大きさはちょうど良くて、ボールの大きさとの対比はいいです。
トップラインがシュッとしていて、イメージの出方を邪魔しません。
昔、『しょうゆ顔』と『ソース顔』という言葉が流行りましたが、このアイアンは『しょうゆ顔』かな・・・。などと思いながら見つめていました。
くどくなく、あっさりしています。
少しグースが利いていましたが、極端ではありません。
セミグースといっていいと思います。
私はもう少しグースが弱いといいますか、ストレートのほうが好きなのですが、これくらいのグースが好きだという方も多いのではないでしょうか?
構えやすいですが、見とれてしまうような魅力的な構え感ではありませんでした。
テンションがあがることもなく、淡々としたまま球を打つことになりました。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
もちろん、いい打感ではあるのですが、ヘッドの形状からくる期待感ほどではありませんでした。
ソフトではあるのですが、なんと言いますか『打感に厚みが足りない』といいますか、少し『空洞感』があって、中空に近い印象をもちました。
『球の乗っかり感』というよりは、やや『弾き感』があります。
大きな不満は無いのですが、正直ちょっと物足りなさが残りました。

『球のあがりやすさ』という点では見た目よりもあがりやすくて、イージーさを感じましたが、ヒッター向けであることは事実です。
ソールにウェイトが7つもあって、重心も低くなっているのだと思いますが、基本的には上から打ちたいタイプです。
このウェイトが『PXGの特徴・個性』といっていいと思いますが、私は無くてもいいな・・・。と思いました。
しかし、それではPXGの個性が無くなってしまい、他社との差別化が出来なくなるので、やはりあるべきなのかもしれません。

『安定性』はマッスルバックらしい正直さがありますが、昔のようなシビアさはあまり感じません。
これは今の多くのクラブに共通していることです。
形を崩さずに、易しさをひたすら追求しているのが今のクラブの特徴といっていいように思います。
高い直進性と寛容さで勝負するアイアンではないですが、ラインも普通に出していけましたし、右に逃げずしっかりと『つかまったストレート』を打つことができたので、そういった意味では易しいな・・・。と思いました。
ソールのウェイトが、よく効いているのかもしれません。

『飛距離性能』は、まずまずですが、今のアイアンの中では飛ばないほうだと思います。
正直、中途半端な飛距離性能だな・・・。と思ってしまいました。
飛ばすのなら飛ばす、飛ばさないのなら飛ばさない・・・。というメリハリの利いた、はっきりした性格ではなく曖昧さがあり、それが長所でもあり短所でもあるのかもしれません。
私はもう少し飛ばさないほうが好きですが、このアイアンの飛距離に物足りなさを感じる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
いわゆる『ディスタンス系』ではないですが、普通にキャリーを出していけますし、特に変わったところはありません。
やや『弾き感』のある打感なのですが、それが飛距離に直結しているようには感じませんでした。

『操作性』は、とても高いです。
左右へも上手く反応してくれました。
これ以上ヘッドにウェイトが付いて、『頭』が重くなりすぎてしまうと、操作性にも影響が出そうでしたが、このアイアンはそこまでの『頭重』ではないので、扱いやすいです。
少しグースが利いているからなのか、球がよくつかまりました。
右にプッシュする球は出づらいですが、それはこのアイアンの『適度な大きさ』からくるところも大きいのかもしれません。
ドローヒッターの方にも、フェードヒッターの方にも合いやすいアイアンだと思います。
試打後の感想

PXGのことをまだよく知らないので、特徴などもよく把握できていないのですが、このアイアンは私のストライクゾーンからは少し外れていました。
『初見』から・・・。このクラブをひと目見たときから、なぜかテンションがあがらず、それが最後まで続きました。

バックフェースに組み込まれた7つのウェイトが特徴的ですが、それ以上強く印象に残ったのが『質感』です。
その質感が好きになれませんでした。

仕上げが少し雑なところがあって、それが目立っていたということもあり、興味がどんどん失われてしまいました。
使っていて『味が出る』タイプではなく、どんどん失われていくタイプのような気がしました。

性能的には、よくまとまっていて、バランスがとれています。
特別ここが凄い・・・。というところがなく、いい意味で特徴がありませんでした。

私はアイアンやウェッジが好きで、ウッド系のクラブよりも手にする時間が長いのですが、このアイアンは特に惹かれるところもなく、予定の球数と時間で試打を終えました。
質感や構え感・打感などが物足りなかったのですが、それは私がこのアイアンに期待しすぎていたのかもしれません。
これまで多くのアイアンを試打してきて、もっと魅力を感じなかったものはたくさんあります。
特別魅力的ではないけれど、かといって大きな不満があるわけでもない・・・。
全体的に見て、普通です。

私はPXGのアイアンを購入したことがないのですが、かなり高価なようで、手が出しづらいメーカーというのを聞きました。
このアイアンのコストパフォーマンスはそれほど高くないと、私は感じました。
期待値が最初から高すぎたのかもしれませんが、試打を終えて、心が揺さぶられることもなく、淡々といった感じでした。
もちろん、これからどんどんニューモデルが登場してくると思いますし、期待していきたいですが、このメーカーに『特別感』はなく、他のメーカーよりも大きく秀でていたりだとか、魅力的だということはありませんでした。
ただ、これはあくまでも私の感想であって、このアイアンが優れていないとか、劣っている・魅力的でないということではありません。
あくまでも私の好みによるものですし、このアイアンを好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
| HOME |
2020年07月30日
PXG 0317 HYBRID

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0317 HYBRID です。

シャフトは FUBUKI AX h400 です。
ロフトは19度、クラブ長さは40.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は78g、トルクは2.9、キックポイントは中調子 です。

初めて手にした、PXGのハイブリッドです。
このメーカーのクラブを手にした経験がまだ少ないのですが、今日は友人からこのクラブを借りて試打させてもらいました。

結構立体的で小ぶりなハイブリッドです。
最近はハイブリッドでもシャロー化が進んでいますが、このクラブは何世代前かの形状に見えます。


たくさんのウェイトがついています。
日本のメーカーなら、ある程度の大きさのものを1~3個くらい配置するのが一般的ですが、このように小さいものをたくさん配置するというのが特徴的です。
色々な重さのウェイトを組み合わせることにより、自分好みの重さにカスタマイズすることができるのでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。
日本のメーカーにも海外のメーカーにも調整システムは見られますが、それぞれ違いがあり、こうして見ていると、やはり海外メーカーだな・・・。と思いました。
ちょっと『大味』な感じがします。

ネックの長さは適度にあります。
今はハイブリッドにもいろいろなタイプがありますが、このクラブはオーソドックスな感じで、好感が持てます。
重心の低さを求めて設計されているようには見えません。

オーソドックスで整った顔をしています。
かなりコンパクト感がある、小ぶりの顔です。
PXGのことを、まだよく知らないので、どのような傾向があるか見当が付かないのですが、この顔は好感が持てます。
もっとクセのある顔を予想していたのですが、違いました。

クラウンはつや消しブラックです。
私はつや消しタイプが好きなのですが、つや消しタイプにもいろいろとあります。
このクラブは『コールタープっぽい』質感のつや消しです。

ノーマルシャローといったらいいでしょうか?
こうして見ても、コンパクト感があります。

素振りをしてみると、小気味良く振れる感じで、タイミングが取りやすいです。
最近は軽量感のあるハイブリッドを試打することが多かったのですが、このクラブは適度な重さがあるので安心できます。
『軽さに対して気を遣わなくてもいい』といったらいいでしょうか?
ヘッド自体が暴れることもなく、イメージを出しやすい振り感です。

ボールを前にして構えてみると、すごく好感が持てました。
オーソドックスな顔で、イメージが出しやすいです。
今のハイブリッドの中では明らかに『小顔』なので、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
ヘッドの大きさは人によって好みが分かれるところではありますが、私は小ぶりなほうが好きなので、このクラブは好感が持てました。
『つや消し感』が強く、これなら天気がいい日でも眩しくなることはないだろうな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はしっかりしていますが、硬くなく程よい手応えがあって、好感が持てました。
ボヤけた打感ではなく、球の重さをしっかりと感じ取ることができるので、この打感だけでも、球の方向性を感じ取りやすいです。

『音』もはっきりしていますが、大きすぎず高すぎず、小気味良いので好感が持てます。
インパクトが緩むことなく、しっかり振っていくことができました。
いい感じの金属音です。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けです。
今のハイブリッドの中では、タフな部類に入ります。
こうして海外メーカーのクラブを試打していると、日本のメーカーのクラブは、かなりイージーに作られているんだな・・・。と改めて思いました。
もちろん海外メーカーも人気の、テーラーメイドやキャロウェイ・ピンなどがありますが、日本市場向けと海外仕様ではスペックがまるで違います。
このクラブはウェイトがたくさん組み込まれているので、それを交換すれば、もっとあがりやすくなるのかもしれないですし、調整システムを利用すれば、もっとハードルが下がるかもしれませんが、基本的にはヒッター向けのクラブだと思います。

『安定性』は普通です。
高い直進性があるとか、曲がりにくいというクラブではなく、ある程度の正直さがあります。
しかし、シビアな印象は無かったですし、構えやすくてラインが出しやすいので好感が持てました。
最近は球が高くあがりやす過ぎて、『ライン出し』が難しいと感じるハイブリッドが多かったように思うのですが、久しぶりにライナー系の抑えた球が打てて、ライン出しが簡単に感じられました。

飛距離性能は高いです。
ライナー系の強い球が打てて、確実に飛ばしていくことができる、叩きたくなるクラブです。
フェースの弾きが強く、初速も出ている感じがします。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
クセのない顔をしているので、扱いやすそうな印象をもっていたのですが、実際に打ってみても、その通りでした。
構えたときに、どちらかといえばつかまりそうな印象をもっていたのですが、実際に打ってもその通りで、右にフケる球は出ませんでした。
適度に小ぶりだというのも良かったのかもしれません。
試打後の感想

初めて試打したPXGのハイブリッドで、知らないことも多かったのですが、いい印象のまま試打を終えることができました。

一番印象に残ったのは、ソールのウェイトでも、ネックの調整システムでもなく、『小ぶり感』です。
適度に小顔なのが、一番印象に残りました。

もちろん、打感の良さやライナー系の強い弾道も印象に残りましたが、今回は顔の印象が一番印象深いです。

ラージサイズでシャロー系のハイブリッドを好まれる方には、合いづらいところがあるかもしれないですし、重くて振りづらいという方もいらっしゃるかもしれません。
いわゆる『イージースペック』なクラブではないですが、小ぶりな顔で重量感のあるハイブリッドを好まれる方には、是非試していただきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
| HOME |
2019年10月22日
PXG 0211 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0211 アイアン の7番 です。

シャフトは MODUS3 です。
ロフトは31度、クラブ長さは37ンチ、シャフトフレックスはS です。

初めて手にした、PXGのアイアンです。
アイアンだけでなく、ドライバーなども現物は見たことがあるのですが、試打するのは初めてです。
このメーカーは海外メーカーということは知っていたのですが、かなり高額なので、縁遠い存在なのかな・・・。という思いがありました。
今日は運良くアイアンを試打する機会に恵まれ嬉しいです。

シャープでオーソドックスな感じのアイアンです。
フラットバック構造ではなく、キャビティ構造ではありますが、シンプルな形状で、カッコいいところに魅力を感じます。

彫りは浅く、普通のハーフキャビティといっていいように思います。

トップラインの厚さは標準的です。

ソール幅は少しワイドですが、今のアイアンでは見慣れた感じがします。

ソール形状にも工夫が見られます。
リーディングエッジは少し削られていますが、トレーリングエッジはそれ以上に大きく削られています。
こういったところはメーカーの個性が表れるところでもあるので、興味深いところです。

ネックの長さは適度にあります。
今はショートネックが多いので、そういう意味では、やや長めといえるかもしれません。
こうして見ても、少しグーズが効いているのが分かります。

ホーゼルにはPXGの文字があります。
PXGファンの方にはたまらないのではないでしょうか?

フェース面にミーリングは無く、ごく普通です。
高価なPXGなので、特別な施しがされているのかと思いましたが、そうではありませんでした。
これまで数多く出会ってきたアイアンと同じです。
特別感はありません。

装着されているグリップも、PXGのロゴが入っていてカッコいいです。
私はPXGファンではありませんが、ファンの方にはたまらないんだろうな・・・。と思いました。
これまでも書きましたが、グリップは消耗品ですし、ゴムは使用しなくても硬質化したりして変わっていきます。
なので、別売りのグリップが用意されているといいのですが、おそらく無いのではないでしょうか?
海外メーカーなので、あまり細かいことは受け付けてくれないような気がします。
『かゆいところに手が届く』といいますか、細かなところにまで対応してくれるのは、やはり日本メーカーのほうだと思います。
ただ、このグリップ自体はなかなかいい感じです。
最近ではあまり見かけなくなったタイプですが、昔からこのようなグリップはありました。

素振りをしてみても、タイミングがとりやすくていい感じです。
特に苦手に感じることはありませんでした。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずでした。
グースが利いているのと、やや大顔に見えるのが印象的です。
私のストライクゾーンからはちょっと外れてはいるのですが、大きな苦手意識や違和感があるというほどではありません。
こういった顔は、これまでもたくさん経験しています。
顔からくる印象では、それほどテンションをあげることはなかったのですが、PXGのアイアンってどんなんだろう?という興味のほうが大きかったです。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまず・・・。といいますか、普通でした。
最初に見た感じや全体的な印象から、もっと打感がいいと思っていたのですが、それほどいいとは感じませんでした。
ただ、大きな不満があるというわけでもなく、普通という感じで、気持ちが盛り上がることはありませんでした。
打感がすこぶるいいアイアンだと、私のテンションもグッとあがるのですが、今日は最初からあがることもなく、ずっと一定のままでした。
見た目の印象とギャップのある打感です。
ボールがフェースに乗って、グッと押せる感覚ではなく、バーンと弾く感じのほうが強く感じられました。

球のあがりやすさという点では、見た目の印象よりは、やや親しみやすい性格をしていますが、どちらかといえばヒッター向けのアイアンといっていいと思います。
誰にでもあがりやすいというアイアンではありません。

『安定性』という点では、やや正直なタイプで、それほど寛容さを求めるタイプではありません。
ある程度打点が一点に集中している方が使われるアイアンといっていいように思います。

『飛距離性能』は優れています。
こういったところは、今のアイアンの特徴といえます。
PXGのアイアンは初めてなので、どういうタイプなのかな?と興味津々でしたが、今の流れをいく、ディスタンス系ということが分かりました。
私の感覚では、明らかに1番手以上飛びますが、今はこれ以上のものがたくさんあるので、『セミディスタンスタイプ』といっていいでしょうか?
私はフェースにボールを乗せて運ぶイメージがアイアンには欲しいのですが、このアイアンは違いました。
球離れが速いので、『乗せる』というよりは『強く弾く』感覚がありました。

『操作性』は、なかなかいい感じで、左右への打ち分けも簡単でした。
グースが効いてはいますが、苦手に感じるほど強くないので、右と左は、ほぼ同じように打っていけました。

『乗っかり系』ではなく、『弾き系』という印象をもちました。
見た目はオーソドックスな感じで、もっとフィーリングがいいように予想していたのですが、実際は違いました。
しかし大きな不満があるというわけではないですし、これくらいは今のアイアンの中では『普通の範囲内』といえるのかもしれません。

いい意味で、今風(いまふう)のバランスのとれたアイアンといっていいように思います。

どこかひとつのクセが強くて、バランスが崩れている・・・。というアイアンではありません。

初めて試打したPXGのアイアンですが、特別感はなかったですし、他のメーカーのアイアンと変わらないな・・・。というのが、試打し終えての率直な感想です。

おそらく、色々な工夫などがたくさんされていて、素晴らしいテクノロジーによって作り出されているだろうとは思うのですが、私の鈍い感性では、それを敏感に感じ取ることはありませんでした。
PXGだからといって、特別ではありません。
おそらく、このアイアンも他のPXGと同じように、かなり高価だとは思いますが、他のメーカーと比べて、圧倒的な優位性は感じませんでした。
かといって劣っているとも思わないですし、好みで選んでいくのがいいのかな?と思いました。

また機会があれば、PXGのクラブを試打してみたいです。