エピソード
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2021年04月09日
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ゴルフクラブ使用率
今日は、いつもと違って、ゴルフクラブの『使用率』について書かせていただきたいと思います。

今はたくさんのメーカーから、たくさんのクラブが発売されています。
しかも、その多くがハイレベル。
もちろん、あまり良くないなと思えるクラブもたまにありますが、そんなクラブを造るメーカーは自然と淘汰されていきます。
昔のクラブは『出来不出来』がはっきりしていて、『品質の差』『性能の差』が歴然でした。
見るからにオモチャのような、全く使えないクラブもありましたが、今は少なくなりました。
数球打って、ヘッドが割れるとか、シャフトが折れるなんていうこともザラでした。
しかし今はそんなことが少なくなり、高品質で高性能なクラブが多くなりました。

でもたくさんのクラブがありすぎて、どれを選べばいいか分からないという方はたくさんいらっしゃると思います。
そこで気になるのが『使用率』ではないでしょうか?
多くの人が使っているから、いいクラブに違いない・・・。
きっと、自分にもマッチした素晴らしいクラブだ・・・と。
『群集心理』というものが人間にはあって、私達日本人には特にその傾向が強いそうです。
自分だけ他人と違うことをするのは嫌、みんなと同じがいい・・・。
それは至極当たり前のことだと思いますし、集団で生きていくには必要なことかもしれません。
私の記憶が正しければ、人間の一時的欲求というのは、
『休息』『水分』『性』『活動』『食欲』『集団』『排泄』だったと思います。
ゴルファーには自分が使うクラブの選び方に3つの傾向があり、それは
1.誰もが知っているような、有名なメーカーのクラブを使いたい。
2.むしろ逆で、周りで使っている人がいない、レアなクラブを使いたい。
3.有名・無名に限らず、自分が「これだ。」と惚れ込んだクラブを使いたい。
です。
その中で私は3番めですし、統計をとったわけではないのではっきりと断言はできませんが、おそらく3番が一番多いのではないでしょうか?
私は昔、大手有名メーカーのクラブを使うことが多かったのですが、今は地クラブメーカーがすごく充実しているので、地クラブメーカーを優先して選択肢に入れています。
昔は、地クラブメーカーは本当に『地のクラブ』で、なかなか全国に流通していなかったのですが、今は全国で気軽に購入できるようになったのが大きいです。

自分の好みではないけど、みんなが使っているから買ってみたけど、良くなかった。
ゴルフショップの店員さんが、
「このクラブは今、大人気ですよ。○○プロも使っています。今なら少しお安くできますよ。」
などと言われて買ってみたけど、自分に合わず買って損した。店員さんの言うことを聞かなければ良かった・・・。
ということが、ビギナーの方は特に多いかもしれません。
結論から申し上げます。
『使用率』なんて、何の意味も無いので参考になりません。
クラブの使用率と性能や品質は、必ずしも比例しないということです。
逆に知名度が低くても、素晴らしいクラブはたくさんあります。

今はそれほどでもないですが、昔は多くのクラブメーカーが、プロの使用率を競っていたことがありました。
○○プロと契約とか、契約数No.1・・・など。
こういったことが宣伝文句にもなっていました。
しかし、その○○プロは、そのメーカーのクラブに惚れ込んだから契約したのでしょうか?
もちろんそのクラブが気に入って契約するプロもいると思いますが、全体的に見れば少数派でしょう。
多くのプロが『お金』でクラブを選んでいるのです。
それは昔から変わりませんが、今はクラブ契約できないプロが多くなってきているので、余計にその傾向が強くなっているように思います。
試合に出場するには多額の費用が掛かるので、お金を重視するのは当たり前のことです。
しかし逆にクラブ契約をフリーにして、自分が好きなクラブを使うというプロもいます。
そういうことを一般のゴルファーが昔は知りませんでしたが、今は多くの人が知るようになりました。
だから、いくらプロの使用率が高いメーカーのクラブでも、それが決め手にならず、昔ほど売れなくなっているのです。
プロモデルが一番もてはやされたのは、やはりブリヂストンの『J's』ではないでしょうか?
1980年代後半から、90年代まで、ブリヂストンの一人勝ちといった時代が続きました。
BS契約プロがクラブを新しくするだけで、そのニューモデルが飛ぶように売れた時代です。
私もJ’sメタルなどを使っていました。

その後、J'sが無くなりツアーステージという新しいブランドが誕生しましたが、相変わらずの大人気で、多くのプロと契約していました。
しかし、次第にその勢いは衰えて、今ではBSとの契約を離れたプロのほうが多いです。
BSのイメージが強かったプロが、違うメーカーのクラブを使っていて、少し違和感を覚えることもあります。
本当はそのプロも、元々のメーカーのクラブを使いたいと思っていても、メーカーから契約を切られてしまえば、他のメーカーのクラブを使うしかありません。
契約が変わる前は年間複数勝利したのに、契約が変わった途端、成績が低迷し勝てなくなってシード権を失った選手も少なくありません。
競技を引退した選手もいます。

以前、あるプロとラウンドしていたときに、そのプロはドライバーの調子がかなり悪かったようで、距離は出ていなくて、方向性も定まっていませんでした。
対して、私は絶好調で気持ちよく打てていました。
ラウンド後に、そのプロから、
「どこのメーカーのドライバーを使っているんですか?」
と質問され、マイドライバーを見せました。
そのプロは知らなかったメーカーのようです。
プロゴルファーは全てのメーカーのことを知っているものだと思っていましたが、実際はそうでもなく、特に地クラブメーカーのことを知らない選手が多いのだということを知りました。
とはいっても、私もまだまだ知らないことが多いのですが・・・。
そのプロは私のドライバーに興味津々で、
「打ってみてもいいですか?」と聞かれ、私が了承すると、何球か打ってみて、すごく気に入って購入したいというので、私が普段お世話になっている工房まで一緒に行くことにしました。
そのプロはある大手メーカーと契約があるので、試合では使うことができませんが、プライベートではこっそり使っているようです。
どちらが気に入っているか訪ねてみると、その『契約外』のクラブでした。
違うプロとラウンドしたとき、最初はレディスモデルのようなフルキャビティアイアンを使っていたのに、その数週間後には数年前に発売されたマッスルバックがバッグに入っていたということもありました。
まるで正反対ともいえるような構成ですが、そのプロはしょっちゅうクラブを替えているようです。

またある女子プロは、クラブ契約が切られてしまったので、自腹を切って、それまで使っていたメーカーのニューモデルを使い続けているそうです。
クラブ使用契約を結べるプロはほんの一握りで、シードを落とせば即契約が切られることが多いと聞きました。
その選手は球が曲がらずに、綺麗なストレートボールを打つのですが、とにかくドライバーでも200ヤードくらいしか飛ばないので、女子のツアーでも戦うのは厳しいような気がします。

プロだけでなく、アマチュアにおいても、同様のことがいえます。
私の知人であるK氏は日本アマに出場経験のあるトップアマのひとりで、『A』というメーカーからクラブやバッグなど用具一式を提供されています。
もちろん彼は試合では、そのクラブを使います。
しかし、プライベートでは全く違うメーカーのクラブを使っています。
彼の家に遊びに行くと、ガレージにキャディバッグが3つ置かれていて、ひとつはメーカーから提供されたもの。
そしてもうひとつはお気に入りで本当に使いたい最新クラブ。
そしてもうひとつは、昔から愛用していて愛着があって手放せないクラブ。
彼はあるゴルフ雑誌に載ったときも、写真では契約メーカーのクラブやバッグなどが写っていましたが、実際は違うメーカーを使っていますし、クラブをよく替えています。
アマチュアなのでお金は発生しませんが、提供を受けているメーカーのクラブには不満をもっているようでした。
でも使用しているクラブということになると、公式では、その『A』というメーカーになります。

また、私がある試合会場に行ったとき、ゴルファーなら誰もが知っているメーカーのパターがたくさん置かれてあって、『ご自由にお使いください』ということがありました。
私は試合で試してみて、気に入れば後で購入することになるのかな?と思い、質問してみたのですが、そのまま持ち帰ってもいいということでした。
その試合に出場していた選手や関係者の方はご存知だと思いますし、そういったことは別に珍しいことではありません。
メーカー側としては、ひとりでも多くの選手に、自社のクラブを使ってほしいということなのだと思います。
一本何万円もするようなクラブが山積み状態で、自由に持ち帰ってもいいというので、普通にお店に行って購入するのが馬鹿らしくなってきます。
私はそのたくさんあるパターをいくつか手にとって見たのですが、どれもフェースの見え具合が気に入らなかったですし、エースパターが絶好調なので、試すことはありませんでした。
他にもいろいろなことがありますが、『使用率』というのは、とても曖昧なものです。
なので、気にされることはありません。

契約をしないで『フリー』の状態で統計をとってこそ、『使用率』という言葉が活きてくるのではないでしょうか?
契約関係なく、自分が使いたいクラブを使う・・・。ということが本来あるべき姿だと思いますが、なかなかそうはいきません。
使っていれば多少慣れることはあっても、ファーストインプレッションで気に入らなければ、それから先、いくら使い続けたとしても好きになることはありません。
今回は、私のブログを読んでくださっているビギナーの方に絞って記事を書かせていただきました。
使用率など気にされず、ご自身が好きなクラブを使われるのが一番だと私は思います。
キャリアがまだ浅いので、どのクラブがいいかという判断がつきにくいというところはあると思います。
それは経験を積むことでしかカバーできないのかもしれません。
『鉄は熱いうちに打て』ではないですが、まだクリアな感性のときに、たくさんの素晴らしいクラブに出会われるのが一番良いことだと、私自身の経験から思います。
個人が経営している工房でもいいですし、大手量販店でもいいので、ご自身がピンとくるクラブがあれば、恥ずかしがらずぜひ試打していただきたいです。
店員さんがそばで見ていれば恥ずかしいということもあるかもしれませんが、ご自身の大切な相棒に出会うために乗り越えなければならない壁なのかもしれません。
万人に合うクラブなど、この世には存在しません。
いくら科学が発達して最先端のクラブが登場しても、人の数だけ『ベストクラブ』は違ってきて当然です。
これまでも書いてきましたが、必ずしも『最新=最高』ではありません。
過去のモデルでも、最新モデルに負けないクラブはたくさんあります。
最新クラブで、すごく話題になったクラブが数週間後には中古ショップにたくさん並んでいたということもたくさんあると、友人から聞きました。
一度は使ってみて、あまり気に入らなかったのかもしれません。
ゴルフをプレーするときは、自身の感性を最大限に発揮することが求められますが、大切な相棒を決めるときも同じようにご自身の感性を最大限に高めて選んでいただきたいです。
ゴルフクラブはとても高価です。
ぜひ頼もしい相棒を見つけられ、素晴らしいゴルフライフを歩んでいただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今はたくさんのメーカーから、たくさんのクラブが発売されています。
しかも、その多くがハイレベル。
もちろん、あまり良くないなと思えるクラブもたまにありますが、そんなクラブを造るメーカーは自然と淘汰されていきます。
昔のクラブは『出来不出来』がはっきりしていて、『品質の差』『性能の差』が歴然でした。
見るからにオモチャのような、全く使えないクラブもありましたが、今は少なくなりました。
数球打って、ヘッドが割れるとか、シャフトが折れるなんていうこともザラでした。
しかし今はそんなことが少なくなり、高品質で高性能なクラブが多くなりました。

でもたくさんのクラブがありすぎて、どれを選べばいいか分からないという方はたくさんいらっしゃると思います。
そこで気になるのが『使用率』ではないでしょうか?
多くの人が使っているから、いいクラブに違いない・・・。
きっと、自分にもマッチした素晴らしいクラブだ・・・と。
『群集心理』というものが人間にはあって、私達日本人には特にその傾向が強いそうです。
自分だけ他人と違うことをするのは嫌、みんなと同じがいい・・・。
それは至極当たり前のことだと思いますし、集団で生きていくには必要なことかもしれません。
私の記憶が正しければ、人間の一時的欲求というのは、
『休息』『水分』『性』『活動』『食欲』『集団』『排泄』だったと思います。
ゴルファーには自分が使うクラブの選び方に3つの傾向があり、それは
1.誰もが知っているような、有名なメーカーのクラブを使いたい。
2.むしろ逆で、周りで使っている人がいない、レアなクラブを使いたい。
3.有名・無名に限らず、自分が「これだ。」と惚れ込んだクラブを使いたい。
です。
その中で私は3番めですし、統計をとったわけではないのではっきりと断言はできませんが、おそらく3番が一番多いのではないでしょうか?
私は昔、大手有名メーカーのクラブを使うことが多かったのですが、今は地クラブメーカーがすごく充実しているので、地クラブメーカーを優先して選択肢に入れています。
昔は、地クラブメーカーは本当に『地のクラブ』で、なかなか全国に流通していなかったのですが、今は全国で気軽に購入できるようになったのが大きいです。

自分の好みではないけど、みんなが使っているから買ってみたけど、良くなかった。
ゴルフショップの店員さんが、
「このクラブは今、大人気ですよ。○○プロも使っています。今なら少しお安くできますよ。」
などと言われて買ってみたけど、自分に合わず買って損した。店員さんの言うことを聞かなければ良かった・・・。
ということが、ビギナーの方は特に多いかもしれません。
結論から申し上げます。
『使用率』なんて、何の意味も無いので参考になりません。
クラブの使用率と性能や品質は、必ずしも比例しないということです。
逆に知名度が低くても、素晴らしいクラブはたくさんあります。

今はそれほどでもないですが、昔は多くのクラブメーカーが、プロの使用率を競っていたことがありました。
○○プロと契約とか、契約数No.1・・・など。
こういったことが宣伝文句にもなっていました。
しかし、その○○プロは、そのメーカーのクラブに惚れ込んだから契約したのでしょうか?
もちろんそのクラブが気に入って契約するプロもいると思いますが、全体的に見れば少数派でしょう。
多くのプロが『お金』でクラブを選んでいるのです。
それは昔から変わりませんが、今はクラブ契約できないプロが多くなってきているので、余計にその傾向が強くなっているように思います。
試合に出場するには多額の費用が掛かるので、お金を重視するのは当たり前のことです。
しかし逆にクラブ契約をフリーにして、自分が好きなクラブを使うというプロもいます。
そういうことを一般のゴルファーが昔は知りませんでしたが、今は多くの人が知るようになりました。
だから、いくらプロの使用率が高いメーカーのクラブでも、それが決め手にならず、昔ほど売れなくなっているのです。
プロモデルが一番もてはやされたのは、やはりブリヂストンの『J's』ではないでしょうか?
1980年代後半から、90年代まで、ブリヂストンの一人勝ちといった時代が続きました。
BS契約プロがクラブを新しくするだけで、そのニューモデルが飛ぶように売れた時代です。
私もJ’sメタルなどを使っていました。

その後、J'sが無くなりツアーステージという新しいブランドが誕生しましたが、相変わらずの大人気で、多くのプロと契約していました。
しかし、次第にその勢いは衰えて、今ではBSとの契約を離れたプロのほうが多いです。
BSのイメージが強かったプロが、違うメーカーのクラブを使っていて、少し違和感を覚えることもあります。
本当はそのプロも、元々のメーカーのクラブを使いたいと思っていても、メーカーから契約を切られてしまえば、他のメーカーのクラブを使うしかありません。
契約が変わる前は年間複数勝利したのに、契約が変わった途端、成績が低迷し勝てなくなってシード権を失った選手も少なくありません。
競技を引退した選手もいます。

以前、あるプロとラウンドしていたときに、そのプロはドライバーの調子がかなり悪かったようで、距離は出ていなくて、方向性も定まっていませんでした。
対して、私は絶好調で気持ちよく打てていました。
ラウンド後に、そのプロから、
「どこのメーカーのドライバーを使っているんですか?」
と質問され、マイドライバーを見せました。
そのプロは知らなかったメーカーのようです。
プロゴルファーは全てのメーカーのことを知っているものだと思っていましたが、実際はそうでもなく、特に地クラブメーカーのことを知らない選手が多いのだということを知りました。
とはいっても、私もまだまだ知らないことが多いのですが・・・。
そのプロは私のドライバーに興味津々で、
「打ってみてもいいですか?」と聞かれ、私が了承すると、何球か打ってみて、すごく気に入って購入したいというので、私が普段お世話になっている工房まで一緒に行くことにしました。
そのプロはある大手メーカーと契約があるので、試合では使うことができませんが、プライベートではこっそり使っているようです。
どちらが気に入っているか訪ねてみると、その『契約外』のクラブでした。
違うプロとラウンドしたとき、最初はレディスモデルのようなフルキャビティアイアンを使っていたのに、その数週間後には数年前に発売されたマッスルバックがバッグに入っていたということもありました。
まるで正反対ともいえるような構成ですが、そのプロはしょっちゅうクラブを替えているようです。

またある女子プロは、クラブ契約が切られてしまったので、自腹を切って、それまで使っていたメーカーのニューモデルを使い続けているそうです。
クラブ使用契約を結べるプロはほんの一握りで、シードを落とせば即契約が切られることが多いと聞きました。
その選手は球が曲がらずに、綺麗なストレートボールを打つのですが、とにかくドライバーでも200ヤードくらいしか飛ばないので、女子のツアーでも戦うのは厳しいような気がします。

プロだけでなく、アマチュアにおいても、同様のことがいえます。
私の知人であるK氏は日本アマに出場経験のあるトップアマのひとりで、『A』というメーカーからクラブやバッグなど用具一式を提供されています。
もちろん彼は試合では、そのクラブを使います。
しかし、プライベートでは全く違うメーカーのクラブを使っています。
彼の家に遊びに行くと、ガレージにキャディバッグが3つ置かれていて、ひとつはメーカーから提供されたもの。
そしてもうひとつはお気に入りで本当に使いたい最新クラブ。
そしてもうひとつは、昔から愛用していて愛着があって手放せないクラブ。
彼はあるゴルフ雑誌に載ったときも、写真では契約メーカーのクラブやバッグなどが写っていましたが、実際は違うメーカーを使っていますし、クラブをよく替えています。
アマチュアなのでお金は発生しませんが、提供を受けているメーカーのクラブには不満をもっているようでした。
でも使用しているクラブということになると、公式では、その『A』というメーカーになります。

また、私がある試合会場に行ったとき、ゴルファーなら誰もが知っているメーカーのパターがたくさん置かれてあって、『ご自由にお使いください』ということがありました。
私は試合で試してみて、気に入れば後で購入することになるのかな?と思い、質問してみたのですが、そのまま持ち帰ってもいいということでした。
その試合に出場していた選手や関係者の方はご存知だと思いますし、そういったことは別に珍しいことではありません。
メーカー側としては、ひとりでも多くの選手に、自社のクラブを使ってほしいということなのだと思います。
一本何万円もするようなクラブが山積み状態で、自由に持ち帰ってもいいというので、普通にお店に行って購入するのが馬鹿らしくなってきます。
私はそのたくさんあるパターをいくつか手にとって見たのですが、どれもフェースの見え具合が気に入らなかったですし、エースパターが絶好調なので、試すことはありませんでした。
他にもいろいろなことがありますが、『使用率』というのは、とても曖昧なものです。
なので、気にされることはありません。

契約をしないで『フリー』の状態で統計をとってこそ、『使用率』という言葉が活きてくるのではないでしょうか?
契約関係なく、自分が使いたいクラブを使う・・・。ということが本来あるべき姿だと思いますが、なかなかそうはいきません。
使っていれば多少慣れることはあっても、ファーストインプレッションで気に入らなければ、それから先、いくら使い続けたとしても好きになることはありません。
今回は、私のブログを読んでくださっているビギナーの方に絞って記事を書かせていただきました。
使用率など気にされず、ご自身が好きなクラブを使われるのが一番だと私は思います。
キャリアがまだ浅いので、どのクラブがいいかという判断がつきにくいというところはあると思います。
それは経験を積むことでしかカバーできないのかもしれません。
『鉄は熱いうちに打て』ではないですが、まだクリアな感性のときに、たくさんの素晴らしいクラブに出会われるのが一番良いことだと、私自身の経験から思います。
個人が経営している工房でもいいですし、大手量販店でもいいので、ご自身がピンとくるクラブがあれば、恥ずかしがらずぜひ試打していただきたいです。
店員さんがそばで見ていれば恥ずかしいということもあるかもしれませんが、ご自身の大切な相棒に出会うために乗り越えなければならない壁なのかもしれません。
万人に合うクラブなど、この世には存在しません。
いくら科学が発達して最先端のクラブが登場しても、人の数だけ『ベストクラブ』は違ってきて当然です。
これまでも書いてきましたが、必ずしも『最新=最高』ではありません。
過去のモデルでも、最新モデルに負けないクラブはたくさんあります。
最新クラブで、すごく話題になったクラブが数週間後には中古ショップにたくさん並んでいたということもたくさんあると、友人から聞きました。
一度は使ってみて、あまり気に入らなかったのかもしれません。
ゴルフをプレーするときは、自身の感性を最大限に発揮することが求められますが、大切な相棒を決めるときも同じようにご自身の感性を最大限に高めて選んでいただきたいです。
ゴルフクラブはとても高価です。
ぜひ頼もしい相棒を見つけられ、素晴らしいゴルフライフを歩んでいただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2019年10月07日
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試打会

ゴルフ練習場はゴルフの練習をするだけでなく、新しいクラブに出会う場でもあります。
試打会です。
メーカーが主催するものもあれば、練習場が主催するものもありますし、ゴルフショップが主催するものもあります。
私たちゴルファーにとってはどちらでもいいですが、最新のクラブを無料で、練習場で試すことができるのは、とても嬉しいことです。
自分に合っているか?ということもありますし、打感や音など、カタログや雑誌などでは把握できないことも、実感できるのがいいです。
いくら飛んでも音が合わないと私は魅力を感じないですし、そういった目で見えないことをカタログや雑誌などでは詳しく書かれていません(とはいっても、私はゴルフ雑誌などを読まないので、今はどうなっているのか分からないのですが・・・)。
練習場だけでなく、ゴルフ場のドライビングレンジで試打会が開催されることもあり、私は何度か参加したことがあります。

私はビギナー時代から、たくさんの試打会に参加して、いろいろなクラブを試してきました。
開催日は主に土日祭日がメインですが、平日に行われている試打会もたくさんあります。
ふと練習場に寄って、試打会が開催されていると、「ラッキー。」と思います。
昔から、大手有名メーカーの試打会がほとんどでしたが、今は地クラブといわれるメーカーの試打会が開催されることも多くなりました。
私はそれほどクラブ通とはいえないですし、まだまだ知らないメーカーがたくさんあると思いますが、地クラブメーカーの優秀さは肌で知っています。
なので、地クラブメーカーも積極的に全国で試打会を開催して欲しいです。

大手有名メーカーのクラブが素晴らしいのはもちろんですが、小規模メーカーである地クラブメーカーもそれに負けないくらい素晴らしいクラブがたくさんあります。
クラブの優秀さは、会社の規模と比例しません。
むしろ、『精度』ということでいえば、『少ないロット数』で勝負している地クラブメーカーのほうが長けているように思います。
いろいろなクラブを試打してきて、すごく丁寧に作られているな・・・。と感じるのは全てというわけではないですが、地クラブメーカーが多いです。
練習場に着くと、既に試打会が開催されていることもありますし、練習をしていたらメーカーの人が来て、試打会が開催されることもあります。
昔は積極的に試打会に参加していましたが、今は昔ほどではないものの、時間があるときはできるだけ参加するようにしています。
また、ひとつのメーカーだけでなく、合同試打会というものもあって、多くのメーカーのクラブ(ヘッドやシャフト)を一日でたくさん試せるのは、私たちゴルファーにとって、とてもありがたいことです。

新しいクラブを見て、うわぁ、カッコいいな・・・。と思いながらじっと見ていて、メーカーの方がどうぞ試打してみてくださいと言われると、すぐに手にして打ってみます。
ひとつのメーカーだけの場合はいいですが、合同試打会でたくさんの人に見られるときは少し緊張します。
しかし、それよりも新しいクラブはどんな感じなのか?という興味のほうが勝ってしまいます。
そういったときは、あえて真っ直ぐ飛ばそうとするのではなく、一球毎左右に曲げて試打することがあります。
昔は曲げやすいクラブが数多くありましたが、今はなかなか思うように曲げられないクラブのほうが多くなりました。
クラブの進化(変化)は止まりません。
また、試打しただけで、記念品がもらえることもあります。
メーカーの方から、感想をお聞かせ下さいと言われることもあれば、簡単なアンケートにお答え頂けませんか?と言われることもあるので、できる限り協力させていただくようにしています。
試打会はとても楽しいですが、残念に感じることも少なくありません。

それはメーカー担当者の方が、そのクラブについての知識が不足しているときです。
試打をした後で、私はそのクラブについて簡単な質問をすることがあり、ほとんどのメーカー担当者の方は答えてくれるのですが、中には全く知らずに返事が返ってこないことがあります。
自社の製品なのに、そんなことも知らないのか・・・。と思ってしまうことが、これまで何度もありました。
もちろんメーカーの都合で、たまたまその試打会に詳しい人が来られなかったということもあるとは思いますが、最低限のことは知っていて欲しいです。
また、自社のクラブを知らないというだけでなく、好きではないと感じられることもあります。
『合う合わない』というのではなく、自分が好きでないものを人に勧めることはできないですし、相手にも伝わりません。
中にはクラブだけでなく、ゴルフ自体が好きではないと感じられる担当者の方もおられます。
ゴルフメーカーに就職する多くの人が、ゴルフが好きだと信じていますが、必ずしも全ての人がそうではないのも事実だと思います。
しかし、できるだけゴルフが好きであって欲しいです。
以前、あるメーカー(とはいっても、ここでは正直にプロギアと書きます)の試打会に参加して、そのメーカー担当者の方と話しをしながらクラブを試打していたのですが、とても楽しくて為になりました。
そのプロギアの方はゴルフが好きだというだけでなく、プロギアの製品を愛し、大切にしていることがすごく伝わってきました。
私の質問は、最初は大まかなものから、だんだんと細かなものへと変わっていったのですが、その方は全てにおいて完璧に答えられましたし、何よりプロギアのクラブについて、目を細めながら楽しそうに話しておられたのが印象的でした。
すごく好きなんだな・・・。というのが伝わってきて、そのときに購入したクラブが、プロギアのTR DUOというドライバーです。
顔もいいですし、飛距離性能が凄く、ポテンシャルの高いドライバーで、試打して一発で気に入りました。
『カーボンクラウン』の『はしり』といえるクラブです。
実際に試打してみて良かったということと、そのメーカー担当者の方との話しが楽しくて、私は購入を決め、新たな相棒に迎えました。
しかし、そのクラブはいわゆる『高反発』だったので、数年後に泣く泣く使うのをやめざるを得なくなったのが残念でした。
それでも、いい思い出がたくさんあるので購入して良かったと、心から思っています。

もうひとつ残念に思うのが、試打クラブがきれいではないことが多いという点です。
前に試打された方の打球痕が残っているだけでなく、汚れていることも少なくありません。
何故、こんな状態でお客になりそうな人に見せるのだろう?と疑問に感じます。
できるだけ、きれいな状態で人(お客)に見せるべきではないのかな?と常に思います。
もちろん試打クラブがたくさんありすぎて、少ない人数では全てきれいにできない・・・。ということもあるかもしれません。
試打クラブは売り物ではないので、それほど気を遣っていないし、遣う必要がない・・・。と思っておられるのかもしれません。
しかし私たちユーザーにとっては、その試打クラブこそが『第一印象』であり、その第一印象がすごく大切です。
『飛ぶ飛ばない』とか、『曲がらない』ということも大切ですが、できるだけ新品同様のきれいな状態で試打したほうが、そのクラブに対する印象も良くなりますし、作り手としてもそう望んでいるのではないでしょうか?
これはメーカー担当者の方による違いもあると思うのですが、これまで多くのメーカーのクラブを試打してきて、日常的にきれいにしているな・・・。と思えるメーカーと、そうではなくて、全く丁寧に扱われていないメーカーがあります。
後者は今でも多いですし、そのメーカーの自社製品(ゴルフクラブ)に対しての姿勢がうかがえます。
一人では抱えきれないほどたくさんのクラブを一人で対応しなければならない・・・。というのであれば、多少は仕方ないのかな・・・。と思うこともありますが、多くの場合はそれほどの数ではないですし、メーカー担当者の方も複数いて、暇そうにしていることもあります。
試打会を開催したときに、既にクラブが汚れていることもあります。
前日にクラブを綺麗にせずに、放置していたということが分かります。
それは昔からありますし、今でも変わりません。

私は昔から車が好きで、今でも複数の販売会社から新車の試乗会に来て下さいと案内を頂くことがあります。
時間があれば、なるべく顔を出すようにしていますが、その試乗車を見て思うのが、いつもすごくきれいだということです。
それは、その車の姿形がきれいというのではなく、外も中も人の手できれいにされているということです。
ボディにはきれいにワックスが掛けられていますし、中はゴミや泥などがなく丁寧に掃除されています。
車検のときに代車を借りることもありますが、その車もすごくきれいにされていて、気に入って同じ車種を購入したことがあります。
販売会社の車を売りたいという、企業としての純粋な思いがすごく伝わってきますし、大切にされているんだな・・・。と思うと、その車に対する興味も湧いてきます。
ゴルフクラブと車では大きく違うので単純な比較はできませんが、車をきれいにするよりも、ゴルフクラブをきれいにするほうが手間も掛からず簡単ではないでしょうか?
違う業種ではありますが、どの業種にも参考にすべき点はたくさんあると思います。

これまで数え切れないほどたくさんのゴルフクラブを試打してきましたし、試打会も多く参加してきました。
その試打会で、これまで感じたことの一部を今回は書かせていただきました。
今はハイレベルで素晴らしいクラブがたくさんあります。
なので、各メーカーが全国で試打会を開催され、できるだけ多くの方が、その素晴らしいクラブに出会って頂きたいと思っています。
私はこれまで運良く、いろいろなメーカーのクラブに出会うことができました。
それは試打会もありますし、友人や知人からクラブを借りることもあります。
私は何の取り柄も無い普通のゴルファーですが、クラブを試打した本数や回数でいうと、一般ゴルファーの中では多いほうかもしれません。
昔から、クラブに対する好奇心は尽きることがありません。
全てではないですが、試打会で感じたことを今回は記事に書かせていただきました。
ゴルフという素晴らしいスポーツを、今よりも多くの方が楽しまれ盛り上がってくれることを願っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2019年09月29日
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「ありがとう」という言葉
突然ですが、私は「ありがとう」という言葉が大好きです。
世界一尊く、美しい言葉だと私は思っています。
「ありがとう」という言葉が好きになり興味をもったきっかけは子供の頃、国語の授業で「ありがとう」という言葉について学習してからです。
「ありがとう」という言葉は相手に感謝を伝える言葉ですが、決してそれだけではありません。
「有り難し」という、あり得ないといえるほどの深い感謝の意味がこもっています。
また、その先生が黒板に書いた「ありがとう」の五文字があまりにも綺麗だったことも、子供ながらによく覚えています。
ありがとうを外国語で訳すと
英語=Thank you
フランス語=Merci
ドイツ語=Vielen Dank
スペイン語=Gracias
などとなりますが、あくまでも近い形での翻訳であって、完全なイコールではありません。
どの外国語も美しい言葉ですが、日本語のありがとうは別格だと私は思っています。
「有り難し」というのは、私たち日本人特有の感性のような気がします。
あり得ないほどの深い感謝が語源というのは、日本語だけではないでしょうか?
私たち日本人は生涯に何回「ありがとう。」というか分かりませんが、このような美しい言葉である日本語が母国語なのを誇りに思います。
しかし私は、その「ありがとう」を上手く使いこなせていないように思います。
先日、私は徹夜明けの仕事が終わって、帰る途中に眠気覚ましのコーヒーを買うためにコンビニに寄ったのですが、お店から出たときに私は千円札を財布から落としてしまい、それに気づかずに車に乗り込もうとしていました。
眠気で頭がボーッとしていたのだと思います。
すると、コンビニにいた他のお客さんが後から追いかけてきて、私に「お金を落としましたよ。」といって、渡してくださいました。
私はとても有り難いことだと感動しましたし、嬉しかったのですが頭を下げながら、何故か
「あっ、どうもすいません。」と言ってしまいました。
本来ならば「お金を拾っていただき、どうもありがとうございます。」
あるいは簡略的に「ありがとうございます。」と言うべきでした。
それなのに、それができずに「すいません。」と言ってしまったことを今でも後悔しています。
なぜ「ありがとうございました。」と言えなかったんだろう・・・。言葉の使い方が間違っている・・・。
相手に謝るのではなく、感謝を伝えるべきなのに、それができませんでした。
こういったことは今に始まったことではないのですが、正しい言葉を使えずに、ずっと後悔しています。

今日、私はホームコースでゴルフを楽しみました。
一緒に回ったのは、私の友人と、初めてお会いした方でした。
その方とは初めてだったので、スタート前に
「初めまして、よろしくお願いします。」と、いつも通りあいさつをしました。
その方も私にあいさつをしようとしていたのですが、その方は軽く頭を下げるだけでした。
詳しくは聞かなかったのですが、その方は何かのご病気で、言葉を発することができないのだそうです。
しかし、耳は聞こえるので、私の発する言葉には反応されていましたし、話すこと以外、普通に生活できるのだそうです。
普段は筆談か手話での会話になるそうなのですが、私は手話ができないので、簡単な言葉を、その方はメモに書いておられました。
言葉を発することができないのは大変だな・・・。と思いましたが、ゴルフのプレーには支障が無いので、普通にスタートしていきました。
プレー中はそれほど多くの言葉を発する必要はないですが、茶店やハーフが終わってレストランで食事をするときは筆談でコミュニケーションを取りました。
私は世界一のエンジョイゴルファーで、ゴルフが好きだということに関して誰にも負けないという自負がありますが、その方もとてもゴルフがお好きで、お上手でした。
18ホールをプレー中、それほどコミュニケーションを多くとることはできませんでしたが、とても楽しくプレーすることができました。
18ホールのプレーを終えて、クラブ確認を終え、私は「お世話になりました。ありがとうございました。」と、その方にあいさつをしました。
すると、その方は言葉が発せないのにも関わらず、必死に口を動かして、私たちに伝えようとしておられました。
その言葉が「ありがとう」でした。
口の動きですぐに判りました。
私たちが一秒前後で終わる言葉を、10秒くらいかけて、「ありがとう。」と、声にはならないですが、はっきりとおっしゃいました。
私はそれを見て、涙が止まりませんでした。
「ありがとう」って、何て素敵な言葉なんだろう・・・。ということと、その方が必死に私たちの為に無理してでも、ご自身の言葉で伝えようとしておられた熱い気持ちに胸を打たれました。
「無理をしないで下さい、もう判りましたから・・・。」と言おうとしたのですが、私と友人はその方が「ありがとう」を言い終わるまで待ちました。
これまでに無い感動でした。
私が手話をできないせいで、わざわざ声にならない言葉を発されたのかもしれません。
普段、ありがとうという言葉は言い慣れていますし、聞き慣れてもいます。
しかし、ありがとうと言われて涙が出たのは、おそらく初めてだと思います。
その方の熱い気持ちが伝わってきました。
それがもし、「サンキュー。」や「メルシー。」だったとしたら、ここまでの感動は無かったかもしれません。
「ありがとう」だから感動したのだと思いますし、今日は『あ』『り』『が』『と』『う』という五文字に魅了された日でもありました。
私は元気だけが取り柄で、ずっと健康でいられるのは嬉しいことなのですが、健康でいられることが当たり前になっていて、日頃の感謝が足りないと痛感しました。
ゴルフ場で18ホールを終えて涙を流したことは何度かあります。
それは自分自身のプレーが情けなくて流した悔し涙です。
しかし、今回のように「ありがとう」と言われて涙を流したのは初めてです。
その方の熱い気持ちと、「ありがとう」という美しい言葉に心を打たれました。
これまで数え切れないほどたくさんの方と一緒にプレーさせていただきましたが、今日の出来事は忘れることなく、ずっと心に生き続けるのは間違いありません。
素敵な方とプレーさせていただき、とても感謝しています。
こういった素晴らしい体験をすることができたので、今日は『ありがとう』について書かせていただきました。
ゴルフは人と人をつなげてくれる、素晴らしいスポーツですし、日本語って本当にいいものですね。
私はこれからも「ありがとう」という言葉を大切に使っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
世界一尊く、美しい言葉だと私は思っています。
「ありがとう」という言葉が好きになり興味をもったきっかけは子供の頃、国語の授業で「ありがとう」という言葉について学習してからです。
「ありがとう」という言葉は相手に感謝を伝える言葉ですが、決してそれだけではありません。
「有り難し」という、あり得ないといえるほどの深い感謝の意味がこもっています。
また、その先生が黒板に書いた「ありがとう」の五文字があまりにも綺麗だったことも、子供ながらによく覚えています。
ありがとうを外国語で訳すと
英語=Thank you
フランス語=Merci
ドイツ語=Vielen Dank
スペイン語=Gracias
などとなりますが、あくまでも近い形での翻訳であって、完全なイコールではありません。
どの外国語も美しい言葉ですが、日本語のありがとうは別格だと私は思っています。
「有り難し」というのは、私たち日本人特有の感性のような気がします。
あり得ないほどの深い感謝が語源というのは、日本語だけではないでしょうか?
私たち日本人は生涯に何回「ありがとう。」というか分かりませんが、このような美しい言葉である日本語が母国語なのを誇りに思います。
しかし私は、その「ありがとう」を上手く使いこなせていないように思います。
先日、私は徹夜明けの仕事が終わって、帰る途中に眠気覚ましのコーヒーを買うためにコンビニに寄ったのですが、お店から出たときに私は千円札を財布から落としてしまい、それに気づかずに車に乗り込もうとしていました。
眠気で頭がボーッとしていたのだと思います。
すると、コンビニにいた他のお客さんが後から追いかけてきて、私に「お金を落としましたよ。」といって、渡してくださいました。
私はとても有り難いことだと感動しましたし、嬉しかったのですが頭を下げながら、何故か
「あっ、どうもすいません。」と言ってしまいました。
本来ならば「お金を拾っていただき、どうもありがとうございます。」
あるいは簡略的に「ありがとうございます。」と言うべきでした。
それなのに、それができずに「すいません。」と言ってしまったことを今でも後悔しています。
なぜ「ありがとうございました。」と言えなかったんだろう・・・。言葉の使い方が間違っている・・・。
相手に謝るのではなく、感謝を伝えるべきなのに、それができませんでした。
こういったことは今に始まったことではないのですが、正しい言葉を使えずに、ずっと後悔しています。

今日、私はホームコースでゴルフを楽しみました。
一緒に回ったのは、私の友人と、初めてお会いした方でした。
その方とは初めてだったので、スタート前に
「初めまして、よろしくお願いします。」と、いつも通りあいさつをしました。
その方も私にあいさつをしようとしていたのですが、その方は軽く頭を下げるだけでした。
詳しくは聞かなかったのですが、その方は何かのご病気で、言葉を発することができないのだそうです。
しかし、耳は聞こえるので、私の発する言葉には反応されていましたし、話すこと以外、普通に生活できるのだそうです。
普段は筆談か手話での会話になるそうなのですが、私は手話ができないので、簡単な言葉を、その方はメモに書いておられました。
言葉を発することができないのは大変だな・・・。と思いましたが、ゴルフのプレーには支障が無いので、普通にスタートしていきました。
プレー中はそれほど多くの言葉を発する必要はないですが、茶店やハーフが終わってレストランで食事をするときは筆談でコミュニケーションを取りました。
私は世界一のエンジョイゴルファーで、ゴルフが好きだということに関して誰にも負けないという自負がありますが、その方もとてもゴルフがお好きで、お上手でした。
18ホールをプレー中、それほどコミュニケーションを多くとることはできませんでしたが、とても楽しくプレーすることができました。
18ホールのプレーを終えて、クラブ確認を終え、私は「お世話になりました。ありがとうございました。」と、その方にあいさつをしました。
すると、その方は言葉が発せないのにも関わらず、必死に口を動かして、私たちに伝えようとしておられました。
その言葉が「ありがとう」でした。
口の動きですぐに判りました。
私たちが一秒前後で終わる言葉を、10秒くらいかけて、「ありがとう。」と、声にはならないですが、はっきりとおっしゃいました。
私はそれを見て、涙が止まりませんでした。
「ありがとう」って、何て素敵な言葉なんだろう・・・。ということと、その方が必死に私たちの為に無理してでも、ご自身の言葉で伝えようとしておられた熱い気持ちに胸を打たれました。
「無理をしないで下さい、もう判りましたから・・・。」と言おうとしたのですが、私と友人はその方が「ありがとう」を言い終わるまで待ちました。
これまでに無い感動でした。
私が手話をできないせいで、わざわざ声にならない言葉を発されたのかもしれません。
普段、ありがとうという言葉は言い慣れていますし、聞き慣れてもいます。
しかし、ありがとうと言われて涙が出たのは、おそらく初めてだと思います。
その方の熱い気持ちが伝わってきました。
それがもし、「サンキュー。」や「メルシー。」だったとしたら、ここまでの感動は無かったかもしれません。
「ありがとう」だから感動したのだと思いますし、今日は『あ』『り』『が』『と』『う』という五文字に魅了された日でもありました。
私は元気だけが取り柄で、ずっと健康でいられるのは嬉しいことなのですが、健康でいられることが当たり前になっていて、日頃の感謝が足りないと痛感しました。
ゴルフ場で18ホールを終えて涙を流したことは何度かあります。
それは自分自身のプレーが情けなくて流した悔し涙です。
しかし、今回のように「ありがとう」と言われて涙を流したのは初めてです。
その方の熱い気持ちと、「ありがとう」という美しい言葉に心を打たれました。
これまで数え切れないほどたくさんの方と一緒にプレーさせていただきましたが、今日の出来事は忘れることなく、ずっと心に生き続けるのは間違いありません。
素敵な方とプレーさせていただき、とても感謝しています。
こういった素晴らしい体験をすることができたので、今日は『ありがとう』について書かせていただきました。
ゴルフは人と人をつなげてくれる、素晴らしいスポーツですし、日本語って本当にいいものですね。
私はこれからも「ありがとう」という言葉を大切に使っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2019年09月15日
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アプローチ練習は楽しい!

今日も練習場へ行き、アプローチ練習をたっぷり行いました。
打席でドライバーやアイアンなどの練習をするのも楽しいのですが、アプローチ練習場に行って、アプローチ練習をするほうが何倍も楽しいです。
人工の練習マットでは満足できないのかもしれません。
打席でアプローチの練習はあまり楽しくないですし、飽きてしまうこともあります。
傾斜もなく、同じライで打つことになるからなのかもしれません。
ただ、距離感や打ち出しの高さの確認には有効です。

ゴルフ場ではなくても、アプローチ練習場でも、実戦的な練習ができます。
一球一球ライが違うので新鮮ですし、真剣に向き合えます。
わざとディボット跡にボールを置いてショットすることも多いです。
いい状態だけでなく、良くない状態で練習を積んでおくことで、実際のラウンドでも対応できるようになるのは大きいです。
『出球の高さ』をイメージし、『球の重さ』を感じながら、一球ずつターゲットまで運んでいく・・・。といったらいいでしょうか?
精度が求められれば求められるほど、脳がバンバン刺激される感じです。

今立っているところからピンまで、どのように寄せていこうか・・・。とイメージしているときはとても楽しいです。
イマジネーションが発揮される・・・。といったらいいでしょうか?
こういったことは打席では、なかなか味わえません。

ショートアイアンやウェッジでアプローチすることが多いですが、パター専用グリーンもあるので、ここでもたっぷりパターで球を転がしました。
ゴルフ場のように綺麗にカットされてはいないのですが、荒れていれば荒れているなりの転がし方があるように思います。
私は速いグリーンが好きですが、ここのグリーンは遅いです。

バンカーは小さいのですが、ここでもたっぷり楽しむことができました。
ボールをわざと埋めてみたり、左足下がりの難しい状態にしてみたり・・・。
いろいろと状況を変えてみると、無限に遊べるような気がします。
特にアゴが高いバンカーは大好きです。


グリーンは傾斜があるので、落としどころを間違えると全く寄りません。

この場の雰囲気と空気がたまらなく好きです。
自分のイメージ通り寄せることができたときは、嬉しさが倍増しますが、反省点も多く、常に満足はできません。

楽しすぎるので、ついつい時間がオーバーしてしまいます。
やってもやっても、やり足りない・・・。といった感じです。
夕暮れ時にになって暗くなりはじめると、ようやく我に返るといいますか、一息入れることがあります。
お腹が空いたな・・・。今日は帰りにラーメン屋さんに寄ろうかな・・・。ギョーザもつけようかな・・・。
などと雑念が浮かんでくるようになると、そろそろ練習の切り上げ時です。
集中力が落ちている証拠です。
しかし、そこから実際はまだ30分から1時間くらいはアプローチ練習を続けているのですが・・・。
こういった練習が私の日常です。
打席で打つことはそれほど多くなく、試打をしない日は50球くらいで切り上げて、アプローチ練習場に来ることのほうが多いです。
たっぷり楽しむことができても、また次の日にはここに来たくなります。
今日は試打をしなかったのですが、またこれからも新しいクラブに出会えたら試打も楽しみたいと思っています!
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2019年09月11日
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ゴルフカート

今日は、私たちゴルファーにとって切っても切れない存在である、カートについて書かせていただきたいと思います。
ゴルフカートは重いキャディバッグを運んでくれるだけでなく、乗用タイプはそのまま乗っていけるので、とても便利ですね。
ゴルフカートには乗用タイプと、キャディバッグだけを運んでくれるタイプがありますが、今は乗用タイプが主流です。

カート道しか走らない物もあれば、フェアウェイを自由に運転できるものもあります。
このカートがあるから、ゴルフをしているという方も多いのではないでしょうか?
歩いている人のほうが少ないような気がします。

しかし、私は歩きます。
乗用カートがあっても乗ることはなく、最初から最後まで、ずっと歩いています。
競技ゴルフでは原則歩きですが、競技開始前や競技中に競技委員からカートに乗るように言われることもあります。
そういう時はカートに乗りますが、なるべく歩いていたいと思っています。
ショットして、その次のポジションに行くまでの時間がすごく大切に感じています。
ショットしてカートにのると、その『微妙な間』が保てず、リズムが狂ってしまいます。
もちろん慣れればそんなことはなくなると思うのですが、私は昔から歩くほうが好きです。
歩いて遅れないよう、気をつけています。

「プライベートラウンドでも仲間から、せっかくカートがあるのに、カート代も料金に含まれているから、乗らなきゃ損だよ・・・。」
と言われることもあるのですが、私はそうは思っていません。
こんなフカフカな芝の上を歩く機会はなかなかありません。
私の日常ではゴルフしかありません。

普段は革靴を履いて、アスファルトやコンクリートの上を歩くことが多く、足の裏を疲れさせているように思います。
それは仕方ないことなのですが、ゴルフ場に行って芝の上を歩くと、日頃の疲れが一気に吹き飛ぶ感じがしますし、歩いているときの芝の香りも楽しめます。
それがカートに乗ってしまうと楽しめません。
足のリハビリと、心の洗濯ができているように感じます。

フェアウェイの上を歩きながら、プレーするのが私は好きです。

機械式のカートだけでなく、手引きのカートも昔からあります。
私はこの手引きのカートが大好きです。
主に河川敷などのセルフコースで使われますが、このカートにはゴルフクラブだけでなく、顔を拭くタオルやクラブを拭くタオル。
そして飲み物や目土袋など、プレーに必要な物は全て一緒に運ぶことができるので、いちいちカートまで取りに行く手間も省けます。
カートを引っ張ってずっと歩くのはきつい・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は苦になりません。

『PLAY FAST』でいきながらも、のんびりと穏やかにゴルフをエンジョイしたいですね!
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2019年09月07日
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日本一お賽銭を入れるのが難しい神社
先日出張が終わって、まだ時間があったので、知人から
「日本一お賽銭を入れるのが難しい神社に行ってみませんか?」
と言われ、どういうことだろう?と思ったのですが、とても興味深いですし、神社を参拝するのは好きなので、行ってみることにしました。

山口県長門市の元乃隅神社です。

ここは日本の最も美しい場所31選にも選ばれているそうです。
確かに、この風景は圧巻です。
しばらく見とれていました。
自然美と人工美が見事に融合しています。
ここまでの道中は山道が続いて狭かったり、曲がりくねった道が続きましたが、この景色は必見です。
来た甲斐があったな・・・。と思いました。
どうやって参拝すればいいのだろう?と思ったのですが、下へ降りる道があり、そこから、この鳥居をくぐって本殿の前まで行き、参拝しました。
鳥居がたくさんあり、数は123基あるのだそうです。

平日にもかかわらず、たくさんの人がいたのですが、一番賑わっていたのが、この鳥居の周りでした。
普通は本殿、あるいは拝殿の前に賽銭箱が置いてあるものですが、この神社はとても変わっていて、鳥居の上にありました。
それで日本一お賽銭を入れるのが難しい神社ということが分かりました。

鳥居の高さはそれほどないですが、賽銭箱がとても小さいです。
うわぁ、これは難しそうだぞ・・・。と思いました。
たくさんの人が挑戦していましたが、なかなか上手くいきませんでした。

お賽銭を投げ入れるというのは神様に対して無礼で罰が当たってしまうのでは?と思ったのですが、神社が設置しているということもありますし、これだけたくさんの人がやっているので問題は無いのかな?と思いました。
この鳥居からちょっと離れて周りを見回すと、この神社の説明書きがあって、そこには
『高台に建つ大鳥居上部に設置された賽銭箱に見事お賽銭を投げ入れる事ができたら願いが叶うと言われています。』
と書かれていました。
それでみんなやっているのか・・・。と納得しましたし、これは不敬でもないのだと分かり、私もトライしてみることにしました。

賽銭箱真ん中のハートマークが愛らしいです。
私は五円玉を握りしめ、鳥居の前に立ちました。
お賽銭を投げ入れたことはないですが、これまでの経験上、こういう小さいものを狙って入れるときには手をあまり使いすぎないほうがいいということが分かっています。
手で入れようとすると、方向性も距離感もブレやすくなってしまうということを経験値で分かっていました。
なので、私は構えてから両膝を使ってタイミングを取りながら、手はリリースするタイミングだけ気をつけることにしました。
狙いは箱の上ど真ん中です。
『一投目』
距離は合っていたのですが、方向が左に逸れて外してしまいました。
『二投目』
もう一度、同じ狙いで投げましたが、まるで再現VTRを見ているかのように、全く同じ感じで左に外してしまいました。
『三投目』
このままではいけない・・・。何とかしよう・・・。と、ちょっと考えました。
ひょっとしたら・・・。
自分はフッカーだから左に外してしまったのかもしれない・・・。いつもターゲットの右を狙うのが自然なので、その感覚でいけば上手くいくのではないか?
と思いました。
そして、賽銭箱の20センチくらい右を狙って投げました。
すると、見事命中といいますか、賽銭箱にお金を投げ入れることができました。
周りにはギャラリーの方がたくさんいて、大きな拍手をもらい、ちょっと照れくさかったです。
自分はゴルフではフッカーだけど、お賽銭でもそうなのか・・・。と思いました。
パッティングでもフックラインのほうが得意ですし、『根っからのフッカー』だということに気づきました。
『フェードヒッター』に憧れる部分が大きいのですが、私にとって自然なのは『フック系』ということが、思いも寄らないことで確認できました。
『願い事が叶う』ということで、3投目でもいいのかな?と思いましたが、珍しい体験ができただけでも良かったです。

ここの名物は神社だけでなく、『龍宮の潮吹』も有名なのだそうです。

しかし海は凪でした。
日本海というと荒々しくて波が高いイメージがありますが、訪れた日はとても穏やかでした。
龍宮の潮吹は北風が強く、波が高いときに見られるそうです。
それを見ることができませんでしたが、こんなに素晴らしい場所に来れただけでもラッキーです。
心の洗濯ができました。

元乃隅神社を後にして、ちょっと離れた場所にある、別府弁天池という場所に案内してもらいました。
ここも全国的にすごく有名なところなのだそうです。

エメラルドグリーンの水がとても綺麗で、思わずため息をついてしまいました。
どうしてこうなるのだろうと思ったのですが、詳しいことはまだ解明されていないのだと、案内板に書かれていました。
大きな池ではないですが、とてもミステリアスで興味深いです。
普段、なかなかできない経験をすることができて、とても幸運でした。
「日本一お賽銭を入れるのが難しい神社に行ってみませんか?」
と言われ、どういうことだろう?と思ったのですが、とても興味深いですし、神社を参拝するのは好きなので、行ってみることにしました。

山口県長門市の元乃隅神社です。

ここは日本の最も美しい場所31選にも選ばれているそうです。
確かに、この風景は圧巻です。
しばらく見とれていました。
自然美と人工美が見事に融合しています。
ここまでの道中は山道が続いて狭かったり、曲がりくねった道が続きましたが、この景色は必見です。
来た甲斐があったな・・・。と思いました。
どうやって参拝すればいいのだろう?と思ったのですが、下へ降りる道があり、そこから、この鳥居をくぐって本殿の前まで行き、参拝しました。
鳥居がたくさんあり、数は123基あるのだそうです。

平日にもかかわらず、たくさんの人がいたのですが、一番賑わっていたのが、この鳥居の周りでした。
普通は本殿、あるいは拝殿の前に賽銭箱が置いてあるものですが、この神社はとても変わっていて、鳥居の上にありました。
それで日本一お賽銭を入れるのが難しい神社ということが分かりました。

鳥居の高さはそれほどないですが、賽銭箱がとても小さいです。
うわぁ、これは難しそうだぞ・・・。と思いました。
たくさんの人が挑戦していましたが、なかなか上手くいきませんでした。

お賽銭を投げ入れるというのは神様に対して無礼で罰が当たってしまうのでは?と思ったのですが、神社が設置しているということもありますし、これだけたくさんの人がやっているので問題は無いのかな?と思いました。
この鳥居からちょっと離れて周りを見回すと、この神社の説明書きがあって、そこには
『高台に建つ大鳥居上部に設置された賽銭箱に見事お賽銭を投げ入れる事ができたら願いが叶うと言われています。』
と書かれていました。
それでみんなやっているのか・・・。と納得しましたし、これは不敬でもないのだと分かり、私もトライしてみることにしました。

賽銭箱真ん中のハートマークが愛らしいです。
私は五円玉を握りしめ、鳥居の前に立ちました。
お賽銭を投げ入れたことはないですが、これまでの経験上、こういう小さいものを狙って入れるときには手をあまり使いすぎないほうがいいということが分かっています。
手で入れようとすると、方向性も距離感もブレやすくなってしまうということを経験値で分かっていました。
なので、私は構えてから両膝を使ってタイミングを取りながら、手はリリースするタイミングだけ気をつけることにしました。
狙いは箱の上ど真ん中です。
『一投目』
距離は合っていたのですが、方向が左に逸れて外してしまいました。
『二投目』
もう一度、同じ狙いで投げましたが、まるで再現VTRを見ているかのように、全く同じ感じで左に外してしまいました。
『三投目』
このままではいけない・・・。何とかしよう・・・。と、ちょっと考えました。
ひょっとしたら・・・。
自分はフッカーだから左に外してしまったのかもしれない・・・。いつもターゲットの右を狙うのが自然なので、その感覚でいけば上手くいくのではないか?
と思いました。
そして、賽銭箱の20センチくらい右を狙って投げました。
すると、見事命中といいますか、賽銭箱にお金を投げ入れることができました。
周りにはギャラリーの方がたくさんいて、大きな拍手をもらい、ちょっと照れくさかったです。
自分はゴルフではフッカーだけど、お賽銭でもそうなのか・・・。と思いました。
パッティングでもフックラインのほうが得意ですし、『根っからのフッカー』だということに気づきました。
『フェードヒッター』に憧れる部分が大きいのですが、私にとって自然なのは『フック系』ということが、思いも寄らないことで確認できました。
『願い事が叶う』ということで、3投目でもいいのかな?と思いましたが、珍しい体験ができただけでも良かったです。

ここの名物は神社だけでなく、『龍宮の潮吹』も有名なのだそうです。

しかし海は凪でした。
日本海というと荒々しくて波が高いイメージがありますが、訪れた日はとても穏やかでした。
龍宮の潮吹は北風が強く、波が高いときに見られるそうです。
それを見ることができませんでしたが、こんなに素晴らしい場所に来れただけでもラッキーです。
心の洗濯ができました。

元乃隅神社を後にして、ちょっと離れた場所にある、別府弁天池という場所に案内してもらいました。
ここも全国的にすごく有名なところなのだそうです。

エメラルドグリーンの水がとても綺麗で、思わずため息をついてしまいました。
どうしてこうなるのだろうと思ったのですが、詳しいことはまだ解明されていないのだと、案内板に書かれていました。
大きな池ではないですが、とてもミステリアスで興味深いです。
普段、なかなかできない経験をすることができて、とても幸運でした。
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2019年08月26日
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ケーキバイキング

先日、私の家族と某有名ホテルのケーキバイキングに行ってきました。
先月が私の誕生日だったということもあり、そのお祝いということで、私にご馳走してくれるということでした。

好きなものを好きなだけ食べることができるバイキングはとてもありがたいですね。
私も食べることは好きなのですが、それほど強い興味やこだわりはないといいますか、他のこと(ゴルフ)に気を取られているので、ちょっと縁遠いものだという感覚があります。
食欲はもちろんあるのですが、食材などにこだわるというよりは、どちらかというとお腹が膨れればいいという考えで、食欲よりも『ゴルフ欲』のほうが勝ってしまいます。
いわゆる『食通』でもなければ『グルメ』でもありません。
もちろん学生時代はかなりの大食漢でしたし、食べることは大好きでしたが、今ではそのときのように食べる自信はありません。
ましてや、ケーキなどのスイーツの食べ放題というのは初めての経験でした。
食べ放題というと、私は『中華』か、ホテルの『モーニングビュッフェ』くらいしか思い浮かびません。
ケーキなんて何年ぶりだろう・・・?と思いましたが、それでもたくさん食べる自信はあり、ショートケーキを20個以上は軽く食べられるだろう・・・。思っていました。

店内は若い女性ばかりで、男性は私を含め数人だけでした。
すごく場違いな感じがして、居心地の悪さを感じていました。
一人では絶対に来れないところだな・・・。と思いながら、その賑やかな活気はこれまで感じたことがない新鮮なものでした。
しかし、行き慣れたラーメン屋さんや定食屋さんのほうが落ち着くな・・・。と思いました。

目の前には綺麗なケーキがたくさん並んでいて、食べるのがもったいないほどの美しさです。
『食べられる宝石箱』といったところでしょうか?
ケーキは食べ物ですが、こうして見ていると芸術品のように見えてきて、パティシエという職業はアーティストでもあることに気づかされました。
ゴルフクラブもそうですが、私は料理をまずは目で楽しみたいと思っているので、十分すぎるほど楽しめ、いい目の保養ができました。
ゴルフクラブを見ると、いつも『重心』はどこにあるんだろう・・・。と私は思ってしまうのですが、ケーキにはそれがなく、ただただその色彩や形状の美しさに魅了されていました。
ケーキは上にフルーツなどが乗っかっているものが多いので、重心は比較的高めのような気がします。
たくさんの旬のフルーツが乗っているケーキもありますし、どうやって作ったんだろう?と思えるような手の込んだ繊細なケーキもありました。

他のお客さんと同じように、私の家族も楽しそうに、ケーキをお皿に乗せていました。
何日も前から、すごく楽しみにしていたようです。
みんなの嬉しそうな顔を見ているだけで、心が和んできます。
普段は、ほぼゴルフのことしか頭にない私ですが、こういうのもいいもんだ・・・。と思いましたし、貴重な経験をさせてもらいました。
ケーキにもいろいろな名前があるようで、私はチンプンカンプンでした。
その中でひとつだけ覚えたのが、『ザッハトルテ』という名前のケーキです。


私も自分のお皿に、イチゴのショートケーキとチーズケーキをひとつずつ乗せて、自分のテーブルに戻りました。
他にもたくさんの見たことがないような綺麗なケーキが並んでいたのですが、まずはオーソドックスなものから攻めていこう・・・。と思っていました。
しかし、イチゴのショートケーキを半分食べたくらいから、急に食が進まなくなってしまいました。
もちろん、すごく美味しかったのですが、何故か食べる勢いが無くなっていました。
あれ、おかしいな・・・。と思いましたが、何とかひとつ食べ終えて、ちょっと休憩して、チーズケーキにとりかかりました。
数分かけて何とかチーズケーキを食べ終えて、食欲がでないので、ぼーっとしていたら、

妻の表情が曇り始め、だんだんと怒りに満ちてきていました。
一人分の料金が3,000円以上という、かなり高価なバイキングのようで、時間制限もあるので、もったいないということだと思いますし、せっかくバイキングに招待したのに、私が全然食べないので怒りがこみあげてきたようです。
『失望』という怒りだったのかもしれません。
うわっ、怒ってる・・・。何とかここで挽回しないと・・・。と思ったのですが、どうしても次を食べることができませんでした。


たくさんのケーキが並べられている中央のテーブルには次々と新しいケーキが運ばれていました。
それを見て、いい目の保養にはなったのですが、どうしても食べることができませんでした。

仕方ないので、私はアイスコーヒーを飲みながら、みんなが食べ終えるまで時間をつなぐことにしました。
しかし、いっこうに私が新しいケーキを取りに行かないので、ずっと不機嫌なままでした。
せっかく私を喜ばせようと、ホテルのケーキバイキングに招待してくれたのに、期待外れだったのかもしれません。
後から知ったのですが、そのホテルのケーキバイキングは、かなりの人気のようで、雑誌にも載っているのだそうです。


とはいっても、カツ丼やラーメンのほうが良かったな・・・。と思ったのですが、それを言ってしまえば、また恐ろしい結果が待っているので自重しました。
ちなみに、私はかつやのカツ丼と一蘭のラーメンが大好きです。
もちろん、他にも好きなお店はたくさんありますが、この二店は外せません。

3,000円以上もしたのに、ショートケーキ2つとアイスコーヒー一杯だけということで元が取れず、かなり損をしたということになったのだと思います。
お店を出た後で、私は説教を聞かされる羽目になりました。
いつもゴルフをさせてもらっている私は、家族には頭があがりません。
私自身、これほどスイーツが食べられなくなっているとは思わなかったですし、せっかく私を喜ばせようとしてくれた家族に申し訳ない思いでいっぱいでした。
以前も書きましたが、私は映画館で寝てしまうことが多いので、家族から映画に誘われることは無くなったのですが、これからはケーキバイキングも誘われないだろうな・・・。と思いました。

私は、スイーツは嫌いではないけれど、それほどたくさん食べられなかったので、今回は経験不足ということで、スイーツに慣れて、また家族と楽しみたいと思いました。
ケーキはとても甘いですが、今回は苦い経験になってしまいました。
ケーキの食べ放題というのはホテルだけでなく、スイーツの専門店もあるそうで、そのお店は手頃な値段でスイーツの食べ放題と聞いたので、今度気合いを入れて一人で行って、特訓することにしました。
ゴルフをするには家族の理解が必要ですし、その理解を得るには、多少の特訓も必要で、その第一関門がスイーツという強敵です。
全てはゴルフのためです。
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2019年08月13日
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ゴルフは気の持ちよう
私は素晴らしいゴルフ仲間たちに恵まれ、ゴルフライフをエンジョイしています。
楽しい仲間たちに恵まれ、また私の拙いブログを読んでくださっている方々にも恵まれ、本当に幸せなゴルファーだと思っております。
世界一幸せなゴルファーであることは間違いありません。

この場をお借りして、私のブログを昔から読んでくださっている方に、お礼を申し上げます。
ありがとうございます。
私のゴルフ仲間には同い年はもちろん、年上の方もいらっしゃいますし、当然ながら年下の方もいらっしゃいます。
年齢だけでなく、職業も様々です。
いろいろな人の集まりですが、みんなゴルフが大好きです。
その中でも、やはり私がダントツでゴルフが好きだと自負しております。
私が『世界一のゴルフ好き』だという信念はこれまで、1ミリも揺らいだことがありません。
腕前は別ですが、ゴルフが好きだということにおいて、誰にも負けることは無いと確信しています。

私のゴルフ仲間に、とても有望な後輩がいます。
彼は練習熱心ですし、ゴルフ雑誌をよく読んでいて、最新のクラブやスイング理論にも長けています。
今は、こういったスイングが主流だと、説明を受けたことがあります。
私はゴルフ雑誌を読まず、最新の知識には全く疎いので、知識量で彼にはかないません。
最新の知識ではかないませんが、それを経験でカバーしているような状態といっていいでしょうか?

彼とは時々一緒に練習するのですが、練習熱心なせいもあって、いい球を打ちます。
パワーもあって、ロングヒッターでもあります。

しかし彼には大きな欠点があって、それはネガティブ過ぎるということです。
『Mr.ネガティブ』といっていいほどです。
あれだけのいい球を打ちながら、何を否定的になっているんだろう?と、いつも楽観的な私は思ってしまいます。

練習場ではナイスショットを連発しながら、

コースに出るとガチガチになってしまって、彼の良さが全然発揮されません。
もちろん私もコースに出れば(特にスタートホールのティショット)、今でも緊張しますが、それはある程度経験でカバーすることができますし、言い方が良くないかもしれませんが、『置きにいく』といいますか、『だましだまし』で打つことがあります。
決して大けがにはつながらないような球です。
自己評価では50~60点くらいの球ですが、それからどんどん調子を上げていくというパターンです。
最初から100点を狙ってしまうと、後が続きません。
18ホールは、とても長い闘いであり、旅でもあります。

練習場ではあれほどいい球を連発しているのに、コースに出れば、まるで人が変わったようになってしまう彼を見て、私はいつも歯がゆく思っていました。
彼のベストスコアは101だったのですが、どう見ても101の実力ではありません。
101は犬か、渋谷のビルだけでいいです。
いつ80台を出してもおかしくないほどの実力を彼は既に身につけていました。

しかし、コースでは球を曲げるという『左右のミス』はもちろん、池ポチャなど『前後のミス』も犯していました。
ゴルフは『方向性のゲーム』という方もいらっしゃると思いますが、それ以上に私は『距離感のゲーム』だと思っています。
それを彼にも伝え、練習場ではフルショットだけでなく、コントロールショットの重要性を伝え、彼はそれを克服していきました。
しかし、コースではそれが全くできないのです。

どうしたら、彼が持っている実力をコースで発揮できるだろう・・・?と、私はずっと考え続けていました。
技術的にも体力的にも優れているのに、彼に欠けているものは何だろう?と探り続けました。
やはり、それは心理的なものが大きいのは間違いないということに気づき、それをコースで実践するにはどうしたらいいだろうか?と作戦を練りました。

私は彼に自信をつけて欲しいのです。
いい意味で、自惚れられるくらいの自信が、彼には必要でした。
それが壁を破る唯一の方法なのではないか?と気づきました。
彼は自分に対する自信のなさと、緊張しすぎるということが、スコアを大きく崩す要因になっているので、それを取り除いてみようと思いました。

先日、仲間たちでプライベートラウンドを行い、彼は私と同じ組になりました。
相変わらず、彼はすごく緊張していて固くなっているので、それを解きほぐすことに専念しました。
彼に会うとすぐに、
「今日のファッションはいいね!」と言ってみたり、
スタートする前に、彼がとても可愛がっている犬のことを聞いてみたりして、少しゴルフとは違うことに意識を向けるようにしてみました。
アイアンショットをすると、
「いいね、今のアイアンのキレは、まるでルーク・ドナルドみたいだった。」
とか、ドライバーを打つと、
「凄いね、まるでジェイソン・デイみたいだ・・・。」
と言ってみたり、彼の好きなプレイヤーの名前を出して、気持ちを上げていくように心がけました。
人によっては、黙っていたほうがいい場合もあると思いますが、彼の場合はこの方法が有効だと、これまで一緒にプレーしてきて確信していました。
ゴルフは同伴競技者が作戦的なことや技術的なアドバイスを与えたり求めたりすることはペナルティの対象となってしまいますが、その日は競技ではなく、あくまでもプライベートラウンドなので、公式ルールは適用されません。
でも実際は作戦的なことや技術的なアドバイスをすることなく、常に精神的なことであったり、違う話題をずっと振っていました。
彼が緊張しすぎることなく、練習場の実力を発揮して欲しいという思いから、いろいろなことを話しました。

また彼はスコアカードを見て、スコアを計算しすぎるという悪い癖があるので、それも正しました。
「今日は俺がスコアをつけるから、スコアカードは預かる、君は目の前のショットに集中しろ。」
とアドバイスをしました。
ラウンド中もそうですし、途中の茶店やハーフが終わって昼食をとるレストランでスコアカードを見ながら計算していたので、それを止めさせることにしました。
もちろん、経験を積んでくればスコアカードがなくても、18ホール全てのショットを記憶できるようになりますし、そこから計算して、
「今、いくつ『出っ張っている』。」とか、「いくつ『潜っている』」などとプラスマイナスを計算してしまうことはよくあります。
私はいつもスコアカードにはパーに対してイーブン(0ゼロ)とか、マイナスとかプラスといった具合につけています。
なので、パーに対していくつ潜っているかとか、出っ張ってしまっているとかを考えるようになってしまっていますが、それは簡潔なところもありますが、あまり良くないと感じることもあります。
あくまでも18ホール、そして『ホールバイホール』が重要なので、あって『プラスマイナス』で考えすぎると、良くないように考えています。
私は彼が緊張しすぎないように・・・。ということや、先を考えず(計算せず)、目の前の一打に集中できるように心がけました。
普段リラックスしてナイスショットを連発している、練習場の雰囲気を、そのままコースでも体感して欲しいと思いながら意識を向けました。

すると、ティショットはブレないですし、アプローチも寄りました。
パーオン率も上がりました。

彼は練習場のマットの上だけでなく、実際の芝の上でもナイスショットを連発できるようになっていました。
それは彼の成長というよりは、ようやくいい方向に向かいだした・・・。というのが正しいような気がします。
彼は終始リラックスしていて練習場での実力を発揮し、18ホールを終えて、『88』のスコアで回っていました。
彼はすごく驚いていましたが、それは当然のことでした。
もっといいスコアが出てもおかしくないですし、そのチャンスはあったのですが、私がカバーしきれませんでした。
「なっ、80台なんて簡単だろ?これは通過点で、これからどんどん良くなっていくよ。」
と言うと、彼も納得していました。
彼は自分のスコアカードを記念に大切にすると言っていましたが、近いうちにもっといいスコアがでるよ・・・。と彼に告げました。
今まで101がベストスコアだった彼ですが、いきなり『100の壁』を破り、また『90の壁』まで破ってしまいました。
一度『80台』で回ることができるようになると、『80台のペース』というものがつかめてくるので、どのようにプレーすればいいかという『雛形』ができますし、それがレベルアップにもつながります。
『崩れないゴルフ』ができるようになります。
最新のクラブや雑誌に載っている最新のスイング理論などはもちろん重要ですが、それだけでは不十分で、他にも大切なことがあるのではないでしょうか?
つい先日のことだったのですが彼が驚き、またすごく喜んでいる顔が忘れられません。
彼は実力で80台を出したのです。
これまでは、その実力を出し切れなかったに過ぎません。
日本には、彼と同じようなタイプのゴルファーがたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
本当はもっといいスコアが出せるはずなのに、もっているはずの高い実力を発揮されないまま、才能を眠らせておられる方が多いのは間違いありません。
もちろん、ゴルフはいいスコアを出すだけが目的ではないですし、『スコア至上主義』はどうかと思いますが、やはり『レベルアップ』『スコアアップ』というのはゴルフの最大の楽しみであり、目標でもあるので、多くのゴルファーが持てる実力を思う存分発揮していただきたいと思い、今日はこのような記事を書かせていただきました。
ゴルフ以外のスポーツも同じだと思いますが、ゴルフは特にメンタルが重要だと思いますし、気持ちをいい方向にもっていけていないというだけで、実力を発揮しておられない方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
楽しい仲間たちに恵まれ、また私の拙いブログを読んでくださっている方々にも恵まれ、本当に幸せなゴルファーだと思っております。
世界一幸せなゴルファーであることは間違いありません。

この場をお借りして、私のブログを昔から読んでくださっている方に、お礼を申し上げます。
ありがとうございます。
私のゴルフ仲間には同い年はもちろん、年上の方もいらっしゃいますし、当然ながら年下の方もいらっしゃいます。
年齢だけでなく、職業も様々です。
いろいろな人の集まりですが、みんなゴルフが大好きです。
その中でも、やはり私がダントツでゴルフが好きだと自負しております。
私が『世界一のゴルフ好き』だという信念はこれまで、1ミリも揺らいだことがありません。
腕前は別ですが、ゴルフが好きだということにおいて、誰にも負けることは無いと確信しています。

私のゴルフ仲間に、とても有望な後輩がいます。
彼は練習熱心ですし、ゴルフ雑誌をよく読んでいて、最新のクラブやスイング理論にも長けています。
今は、こういったスイングが主流だと、説明を受けたことがあります。
私はゴルフ雑誌を読まず、最新の知識には全く疎いので、知識量で彼にはかないません。
最新の知識ではかないませんが、それを経験でカバーしているような状態といっていいでしょうか?

彼とは時々一緒に練習するのですが、練習熱心なせいもあって、いい球を打ちます。
パワーもあって、ロングヒッターでもあります。

しかし彼には大きな欠点があって、それはネガティブ過ぎるということです。
『Mr.ネガティブ』といっていいほどです。
あれだけのいい球を打ちながら、何を否定的になっているんだろう?と、いつも楽観的な私は思ってしまいます。

練習場ではナイスショットを連発しながら、

コースに出るとガチガチになってしまって、彼の良さが全然発揮されません。
もちろん私もコースに出れば(特にスタートホールのティショット)、今でも緊張しますが、それはある程度経験でカバーすることができますし、言い方が良くないかもしれませんが、『置きにいく』といいますか、『だましだまし』で打つことがあります。
決して大けがにはつながらないような球です。
自己評価では50~60点くらいの球ですが、それからどんどん調子を上げていくというパターンです。
最初から100点を狙ってしまうと、後が続きません。
18ホールは、とても長い闘いであり、旅でもあります。

練習場ではあれほどいい球を連発しているのに、コースに出れば、まるで人が変わったようになってしまう彼を見て、私はいつも歯がゆく思っていました。
彼のベストスコアは101だったのですが、どう見ても101の実力ではありません。
101は犬か、渋谷のビルだけでいいです。
いつ80台を出してもおかしくないほどの実力を彼は既に身につけていました。

しかし、コースでは球を曲げるという『左右のミス』はもちろん、池ポチャなど『前後のミス』も犯していました。
ゴルフは『方向性のゲーム』という方もいらっしゃると思いますが、それ以上に私は『距離感のゲーム』だと思っています。
それを彼にも伝え、練習場ではフルショットだけでなく、コントロールショットの重要性を伝え、彼はそれを克服していきました。
しかし、コースではそれが全くできないのです。

どうしたら、彼が持っている実力をコースで発揮できるだろう・・・?と、私はずっと考え続けていました。
技術的にも体力的にも優れているのに、彼に欠けているものは何だろう?と探り続けました。
やはり、それは心理的なものが大きいのは間違いないということに気づき、それをコースで実践するにはどうしたらいいだろうか?と作戦を練りました。

私は彼に自信をつけて欲しいのです。
いい意味で、自惚れられるくらいの自信が、彼には必要でした。
それが壁を破る唯一の方法なのではないか?と気づきました。
彼は自分に対する自信のなさと、緊張しすぎるということが、スコアを大きく崩す要因になっているので、それを取り除いてみようと思いました。

先日、仲間たちでプライベートラウンドを行い、彼は私と同じ組になりました。
相変わらず、彼はすごく緊張していて固くなっているので、それを解きほぐすことに専念しました。
彼に会うとすぐに、
「今日のファッションはいいね!」と言ってみたり、
スタートする前に、彼がとても可愛がっている犬のことを聞いてみたりして、少しゴルフとは違うことに意識を向けるようにしてみました。
アイアンショットをすると、
「いいね、今のアイアンのキレは、まるでルーク・ドナルドみたいだった。」
とか、ドライバーを打つと、
「凄いね、まるでジェイソン・デイみたいだ・・・。」
と言ってみたり、彼の好きなプレイヤーの名前を出して、気持ちを上げていくように心がけました。
人によっては、黙っていたほうがいい場合もあると思いますが、彼の場合はこの方法が有効だと、これまで一緒にプレーしてきて確信していました。
ゴルフは同伴競技者が作戦的なことや技術的なアドバイスを与えたり求めたりすることはペナルティの対象となってしまいますが、その日は競技ではなく、あくまでもプライベートラウンドなので、公式ルールは適用されません。
でも実際は作戦的なことや技術的なアドバイスをすることなく、常に精神的なことであったり、違う話題をずっと振っていました。
彼が緊張しすぎることなく、練習場の実力を発揮して欲しいという思いから、いろいろなことを話しました。

また彼はスコアカードを見て、スコアを計算しすぎるという悪い癖があるので、それも正しました。
「今日は俺がスコアをつけるから、スコアカードは預かる、君は目の前のショットに集中しろ。」
とアドバイスをしました。
ラウンド中もそうですし、途中の茶店やハーフが終わって昼食をとるレストランでスコアカードを見ながら計算していたので、それを止めさせることにしました。
もちろん、経験を積んでくればスコアカードがなくても、18ホール全てのショットを記憶できるようになりますし、そこから計算して、
「今、いくつ『出っ張っている』。」とか、「いくつ『潜っている』」などとプラスマイナスを計算してしまうことはよくあります。
私はいつもスコアカードにはパーに対してイーブン(0ゼロ)とか、マイナスとかプラスといった具合につけています。
なので、パーに対していくつ潜っているかとか、出っ張ってしまっているとかを考えるようになってしまっていますが、それは簡潔なところもありますが、あまり良くないと感じることもあります。
あくまでも18ホール、そして『ホールバイホール』が重要なので、あって『プラスマイナス』で考えすぎると、良くないように考えています。
私は彼が緊張しすぎないように・・・。ということや、先を考えず(計算せず)、目の前の一打に集中できるように心がけました。
普段リラックスしてナイスショットを連発している、練習場の雰囲気を、そのままコースでも体感して欲しいと思いながら意識を向けました。

すると、ティショットはブレないですし、アプローチも寄りました。
パーオン率も上がりました。

彼は練習場のマットの上だけでなく、実際の芝の上でもナイスショットを連発できるようになっていました。
それは彼の成長というよりは、ようやくいい方向に向かいだした・・・。というのが正しいような気がします。
彼は終始リラックスしていて練習場での実力を発揮し、18ホールを終えて、『88』のスコアで回っていました。
彼はすごく驚いていましたが、それは当然のことでした。
もっといいスコアが出てもおかしくないですし、そのチャンスはあったのですが、私がカバーしきれませんでした。
「なっ、80台なんて簡単だろ?これは通過点で、これからどんどん良くなっていくよ。」
と言うと、彼も納得していました。
彼は自分のスコアカードを記念に大切にすると言っていましたが、近いうちにもっといいスコアがでるよ・・・。と彼に告げました。
今まで101がベストスコアだった彼ですが、いきなり『100の壁』を破り、また『90の壁』まで破ってしまいました。
一度『80台』で回ることができるようになると、『80台のペース』というものがつかめてくるので、どのようにプレーすればいいかという『雛形』ができますし、それがレベルアップにもつながります。
『崩れないゴルフ』ができるようになります。
最新のクラブや雑誌に載っている最新のスイング理論などはもちろん重要ですが、それだけでは不十分で、他にも大切なことがあるのではないでしょうか?
つい先日のことだったのですが彼が驚き、またすごく喜んでいる顔が忘れられません。
彼は実力で80台を出したのです。
これまでは、その実力を出し切れなかったに過ぎません。
日本には、彼と同じようなタイプのゴルファーがたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
本当はもっといいスコアが出せるはずなのに、もっているはずの高い実力を発揮されないまま、才能を眠らせておられる方が多いのは間違いありません。
もちろん、ゴルフはいいスコアを出すだけが目的ではないですし、『スコア至上主義』はどうかと思いますが、やはり『レベルアップ』『スコアアップ』というのはゴルフの最大の楽しみであり、目標でもあるので、多くのゴルファーが持てる実力を思う存分発揮していただきたいと思い、今日はこのような記事を書かせていただきました。
ゴルフ以外のスポーツも同じだと思いますが、ゴルフは特にメンタルが重要だと思いますし、気持ちをいい方向にもっていけていないというだけで、実力を発揮しておられない方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
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2019年08月10日
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アプローチ練習をたっぷり行いました

今日は仲間たち12人で、プライベートラウンドを楽しみました。
一日中暑さが厳しかったのですが、みんなで元気に18ホールをプレーしました。
私の組は朝一にスタートしたので、かなり早くプレーを終えました。

アプローチ練習が好きな私はすぐにアプローチ練習場に行きました。
最初のうちは私の友人も含め、他にも何人か練習していたのですが、暑さが厳しかったからでしょうか。
30分もせずに、みんな引き上げていきました。

この広いアプローチグリーンとバンカーが、私の貸し切り状態となりました。
とはいっても、暑さの厳しい夏や、凍えるような冬ではよくあることです。
とても贅沢な時間といえます。

私は思う存分、アプローチを楽しみました。
アプローチで使うボールは普段プレーで使うのと同じ、タイトリストのPRO V1xと決めています。

時々アイアンの練習もしました。

バンカーの練習はとても楽しいです。
誰にも気兼ねすることなく、今日も思いっきり楽しみました。
ソールで砂を切ったり、弾いたりする感触や、その音がたまりません。
砂と戯れる時間です。
集中力が上がってくるとズームしたような感覚になり、砂の一粒一粒が細かく見え、ソールの落としどころを、より鮮明に見定めることができるようになってきます。
飽きるということが全くありません。

ここのバンカーの砂は細めで重さも軽く、砂埃もしやすいタイプです。
かなり乾燥していて、ボールが沈みやすいのも特徴です。
しかし、そのライの悪い状態の練習が楽しくてなりません。
ひとくちにバンカーの練習といっても、バンカーの砂質にはいろいろあって、このバンカーのように小さめで軽いものもあれば、やや大粒で重さもあり、締まりやすいものもあります。
私はどちらかというと後者のほうがタッチを出しやすくて好きなのですが、このバンカーの砂質もかなり経験を積んでいるので、カットするイメージやエクスプロージョンのイメージも鮮明に描いていけます。
今日、バンカーではレンジボールを使いました。

アプローチグリーンは平らではなく、大きく傾斜しているので、かなり実戦に近い練習ができます。
今日は主に、チップショットの練習をしました。

暑さは厳しいですが、とても楽しいので時間があっという間に過ぎていきました。
改めて、私は18ホールをラウンドするよりも、このようなアプローチ練習場で一人黙々と練習するほうが好きだということに気づかされました。
アプローチグリーンとバンカー練習場は私にとって、『世界一楽しい遊園地』です。
猛暑のなかではありましたが、今日は4時間半楽しみました。
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2019年08月09日
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ご自身の力を見くびらないで、過小評価しないでください
今日は、私が普段から思っていることを書かせていただきたいと思います。
それは多くの方にいえることです。

私たち日本人特有の気質とでもいったらいいのでしょうか?
ご自身には素晴らしい能力と可能性・将来性がありながら、それを信じられず、自分はダメだと思っておられる方がとても多いように思われます。
自分は下手だから、才能が無いから・・・。というのを口癖にしておられる方を練習場やゴルフ場でも見かけます。
ただ単に謙虚であるといえなくもないのですが、ご自身は半分以上そう思っておられるようです。
しかし、それを口にしてしまうと本当にそのようになってしまうような気がします。
マイナス的な言葉に心と体が敏感に反応してしまうことが、ゴルフを長くやっていると感じます。

例えばラウンド中、右には大きな池があるから、絶対に入れないように・・・。
というように思ったり口にしたりしてしまうと、まるでそうなることを予言していたかのように、ボールが池に吸い込まれてしまうことがあります。
しかし同じ場面でも、右に池はあるけど、左は広くて安全だから、左側を大きく狙っていくぞ・・・。左に打つことができたら、少々ラフに行ってもそれは成功だ・・・。と思って打つと、かなり高い確率で、いいポジションに運ぶことができます。
もちろん、全てがそうなるということではありませんが、『確率論』的にいうと、そうなります。
また、バンカーに入ったとしても、もしそこにバンカーが無ければ確実にOBだった・・・。ということに気づくことができれば、OBにならずにボールを止めてくれたバンカーに感謝したくなります。
私はそういったことをたくさん経験しました。
ハザードは『障害』ということになりますが、実は結構助けてくれているものだということを、私は経験から知っています。
『~してはいけない』ではなく、『~する』『~しよう』というように考えたり、口にしたりしたほうがいいのは確かだと思います。
人間はポジティブな言葉よりも、ネガティブな言葉のほうに、より強く反応してしまうのではないでしょうか?
ひょっとしたら、それは私だけなのかもしれませんが、私はそのように強く感じているので、ネガティブな言葉は意識して使わないようにしています。
また違った例では、150ヤード先にクリークがある場合、絶対に入れないように気をつけなければならない・・・。と思うよりも、150ヤードに絶対届かないクラブで打つか、150ヤードをキャリーで確実に超すことが出来るクラブを手にすれば、頭の中からクリークは消え去ります。
マイナスな状況は無くなります。

また、ミスショットは無くなりません。
ゴルフにミスはつきものですし、ゴルフ以外の、どのスポーツにおいても、それはいえることだと思います。
いくら練習しても、ノーミスでラウンドするなんてあり得ません。
毎日ゴルフをしているプロでさえ、1ラウンド中に満足できる球は一球か二球くらいというのですから、私たちアマチュアはミスしてもそれをあまり気にしすぎないほうがいいように思います。
私のゴルフ仲間にもミスを気にしすぎる人がいるので、特にそのように感じます。
元々私は脳天気な性格をしているようで、ミスしてもあまり気にならないといいますか(もちろん全く気にならないということではありません)、どうしてもゴルフの楽しさが勝ってしまいますし、次はいいショットが打てるだろうと、かなり楽観的です。
しかし、これも人によって違いがあるようで、多少ネガティブな感じでいったほうが、結果がついてくるという方もいらっしゃいますし、私のようにポジティブにいったほうが、いい結果が得られるという方もいらっしゃいます。
怒られて伸びるタイプと、褒められて伸びるタイプの違いでしょうか?
私の場合はいつも楽しんでいて、結果オーライのゴルフをしています。
ミスを絶対に出さないというのではなく、ミスしてもそれが大きなミスにならないように保険をかけるといいますか、被害を最小限に抑える術を、誰でもキャリアを積んでいくことで身につけることができるようになります。
これは練習場だけでは身につかず、ラウンド経験を重ねていって身につくものです。

先日も、練習場で時々隣の打席の方から声を掛けられると書かせて頂きましたが、私からするとその方は全然下手ではなく、かなりお上手な方が多いです。
それでもご本人は真剣に悩んでおられるのです。
ちょっとのタイミングの取り方でもいえますし、アドレスをちょっと変えるだけでもすごく良くなることは多いです。
また、ご自身に合っていないクラブを使い続けてスイングを崩してしまい、どうしたらいいのか迷路にはまってしまう方もいらっしゃいます。
スイングを直したほうがいい場合は、私の師匠であるレッスンプロを紹介することもありますし、クラブが合っていない場合(こちらのほうが多い)は、私が日頃からお世話になっているクラフトマンを紹介することがあります。
そうすることで、必ず良い方向に向かうことができるからです。
しかし、ゴルフへの接し方は人それぞれで、ゴルフが上手くならなくてもいい・・・。付き合いで嫌々やっているだけだ・・・。という方には、私は何も申しません。
人によって好き嫌いは必ずあるものですし、嫌いなのに無理に勧めても上手くなるはずがありません。
『好きこそ物の上手なれ』という言葉ありますが、好きだということは、そのスポーツに対する『最高の才能』といえるのではないでしょうか?
好きになり、愛することができれば、可能性は無限大に広がります。
上達への階段を一段一段あがっていくだけです。
たとえ今日上手くいかなくても、明日には最高のプレーができるかもしれません。

謙虚さとネガティブは、また違うものだと思います。
謙虚さを通り越してネガティブ過ぎる方が多すぎるような気がします。(それは私の周りだけなのかもしれませんが・・・。)
ご自身のスイングの素晴らしさや感性の鋭さに気づかないままゴルフをしておられる方がたくさんいらっしゃいます。
私の周りだけでもそのように感じるので、日本中にはそのような方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ゴルフはチームプレーのスポーツではなく、個人プレーのスポーツです。
もちろん、マナーやルールはありますが、基本全て自分の好きなようにやるべきだと思いますし、全ての結果の責任は自分にあります。
自分で好きなクラブを使うことができますし、好きなボールを選べます。
使いたい番手も自分で選びますし、打ちたい方向も自分で決められます。

ゴルフはとても難しいスポーツですが、こんなに楽しいスポーツもありません。
私はキャリアこそ積んだものの、まだまだ未熟で下手ですが、今でもゴルフに夢中です。
老若男女が同じフィールドで楽しめる、この素晴らしいスポーツを心から楽しんでいきたいですね!
それは多くの方にいえることです。

私たち日本人特有の気質とでもいったらいいのでしょうか?
ご自身には素晴らしい能力と可能性・将来性がありながら、それを信じられず、自分はダメだと思っておられる方がとても多いように思われます。
自分は下手だから、才能が無いから・・・。というのを口癖にしておられる方を練習場やゴルフ場でも見かけます。
ただ単に謙虚であるといえなくもないのですが、ご自身は半分以上そう思っておられるようです。
しかし、それを口にしてしまうと本当にそのようになってしまうような気がします。
マイナス的な言葉に心と体が敏感に反応してしまうことが、ゴルフを長くやっていると感じます。

例えばラウンド中、右には大きな池があるから、絶対に入れないように・・・。
というように思ったり口にしたりしてしまうと、まるでそうなることを予言していたかのように、ボールが池に吸い込まれてしまうことがあります。
しかし同じ場面でも、右に池はあるけど、左は広くて安全だから、左側を大きく狙っていくぞ・・・。左に打つことができたら、少々ラフに行ってもそれは成功だ・・・。と思って打つと、かなり高い確率で、いいポジションに運ぶことができます。
もちろん、全てがそうなるということではありませんが、『確率論』的にいうと、そうなります。
また、バンカーに入ったとしても、もしそこにバンカーが無ければ確実にOBだった・・・。ということに気づくことができれば、OBにならずにボールを止めてくれたバンカーに感謝したくなります。
私はそういったことをたくさん経験しました。
ハザードは『障害』ということになりますが、実は結構助けてくれているものだということを、私は経験から知っています。
『~してはいけない』ではなく、『~する』『~しよう』というように考えたり、口にしたりしたほうがいいのは確かだと思います。
人間はポジティブな言葉よりも、ネガティブな言葉のほうに、より強く反応してしまうのではないでしょうか?
ひょっとしたら、それは私だけなのかもしれませんが、私はそのように強く感じているので、ネガティブな言葉は意識して使わないようにしています。
また違った例では、150ヤード先にクリークがある場合、絶対に入れないように気をつけなければならない・・・。と思うよりも、150ヤードに絶対届かないクラブで打つか、150ヤードをキャリーで確実に超すことが出来るクラブを手にすれば、頭の中からクリークは消え去ります。
マイナスな状況は無くなります。

また、ミスショットは無くなりません。
ゴルフにミスはつきものですし、ゴルフ以外の、どのスポーツにおいても、それはいえることだと思います。
いくら練習しても、ノーミスでラウンドするなんてあり得ません。
毎日ゴルフをしているプロでさえ、1ラウンド中に満足できる球は一球か二球くらいというのですから、私たちアマチュアはミスしてもそれをあまり気にしすぎないほうがいいように思います。
私のゴルフ仲間にもミスを気にしすぎる人がいるので、特にそのように感じます。
元々私は脳天気な性格をしているようで、ミスしてもあまり気にならないといいますか(もちろん全く気にならないということではありません)、どうしてもゴルフの楽しさが勝ってしまいますし、次はいいショットが打てるだろうと、かなり楽観的です。
しかし、これも人によって違いがあるようで、多少ネガティブな感じでいったほうが、結果がついてくるという方もいらっしゃいますし、私のようにポジティブにいったほうが、いい結果が得られるという方もいらっしゃいます。
怒られて伸びるタイプと、褒められて伸びるタイプの違いでしょうか?
私の場合はいつも楽しんでいて、結果オーライのゴルフをしています。
ミスを絶対に出さないというのではなく、ミスしてもそれが大きなミスにならないように保険をかけるといいますか、被害を最小限に抑える術を、誰でもキャリアを積んでいくことで身につけることができるようになります。
これは練習場だけでは身につかず、ラウンド経験を重ねていって身につくものです。

先日も、練習場で時々隣の打席の方から声を掛けられると書かせて頂きましたが、私からするとその方は全然下手ではなく、かなりお上手な方が多いです。
それでもご本人は真剣に悩んでおられるのです。
ちょっとのタイミングの取り方でもいえますし、アドレスをちょっと変えるだけでもすごく良くなることは多いです。
また、ご自身に合っていないクラブを使い続けてスイングを崩してしまい、どうしたらいいのか迷路にはまってしまう方もいらっしゃいます。
スイングを直したほうがいい場合は、私の師匠であるレッスンプロを紹介することもありますし、クラブが合っていない場合(こちらのほうが多い)は、私が日頃からお世話になっているクラフトマンを紹介することがあります。
そうすることで、必ず良い方向に向かうことができるからです。
しかし、ゴルフへの接し方は人それぞれで、ゴルフが上手くならなくてもいい・・・。付き合いで嫌々やっているだけだ・・・。という方には、私は何も申しません。
人によって好き嫌いは必ずあるものですし、嫌いなのに無理に勧めても上手くなるはずがありません。
『好きこそ物の上手なれ』という言葉ありますが、好きだということは、そのスポーツに対する『最高の才能』といえるのではないでしょうか?
好きになり、愛することができれば、可能性は無限大に広がります。
上達への階段を一段一段あがっていくだけです。
たとえ今日上手くいかなくても、明日には最高のプレーができるかもしれません。

謙虚さとネガティブは、また違うものだと思います。
謙虚さを通り越してネガティブ過ぎる方が多すぎるような気がします。(それは私の周りだけなのかもしれませんが・・・。)
ご自身のスイングの素晴らしさや感性の鋭さに気づかないままゴルフをしておられる方がたくさんいらっしゃいます。
私の周りだけでもそのように感じるので、日本中にはそのような方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ゴルフはチームプレーのスポーツではなく、個人プレーのスポーツです。
もちろん、マナーやルールはありますが、基本全て自分の好きなようにやるべきだと思いますし、全ての結果の責任は自分にあります。
自分で好きなクラブを使うことができますし、好きなボールを選べます。
使いたい番手も自分で選びますし、打ちたい方向も自分で決められます。

ゴルフはとても難しいスポーツですが、こんなに楽しいスポーツもありません。
私はキャリアこそ積んだものの、まだまだ未熟で下手ですが、今でもゴルフに夢中です。
老若男女が同じフィールドで楽しめる、この素晴らしいスポーツを心から楽しんでいきたいですね!
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2019年08月07日
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クラブにもっと関心を、クラブが合っていないのかもしれません

私はゴルフの練習が大好きで、時間があればゴルフ場か練習場に居たいと思っています。
しかし時間の都合上、なかなか通えない日もあります。
練習場では、いろいろな方が練習されています。

パワーヒッターの方もいらっしゃいますし、

女性ゴルファーの方も増えてきました。

早朝、練習場に行くと、ベテランゴルファーの方が多いです。

ヤングゴルファーの方もたくさんいらっしゃいますし、活気にあふれています。

素振りの時と違い、ボールを前にするとガチガチになって、テークバックがスムーズにいかない方も見かけたことがあります。

カップルで楽しく練習しておられる方もいらっしゃいます。

ナイスショットを連発す方もいれば、調子が悪くミスショットを連発しておられる方もいらっしゃいます。
私も練習場ではボールを左右に曲げて楽しんでいるのですが、時々、隣の打席の方から声を掛けられることがあります。
「どうしても上手く打てないんですが、どうしたらいいですか?」と、一昨日も声を掛けられました。
その方は芯に当たらなくて曲がってしまう・・・。と悩んでおられました。
何球かスイングと打球を見させていただいたのですが、私は人様のスイングをどうこういうことはできません。

しかし、その方のクラブが合っているか、合っていないかはすぐに分かりますし、合っていなければそのようにお伝えすることがあります。
全部とはいいませんが、クラブが合っていない方は今も多く、特に『アンダースペック』のクラブを使っておられる方が多いように思います。
私が普段お世話になっているクラフトマンも同じように言っていました。
それは特に体力が有り余るヤングゴルファーの方に多いです。
シャフトは『S』と決めておられる方は多いと思いますが、多くのゴルファーが知っている通り、このフレックス表示はとても曖昧なものです。
SはSTIFF(硬い)のSですが、本当に硬いでしょうか?
もちろん、硬さの感じ方は人それぞれですが、今のクラブはかなりばらつきがあって、軟らかくなっているのは確かです。
それは、主な購買層が50代以上ということで、『50代のS』が市場に多く出回っているのかもしれません。
『20代のS』あるいは『10代のS』『30代のS』というのがあってもいいのかもしれないですし、シャフトだけでなく、クラブ全体の重さを気にされない方も多いのではないでしょうか?
ロフトやシャフトのフレックスには関心があるけど、重さは気にしたことがないという方は多いような気がします。
クラブ全体の重さはとても大切ですし、14本のクラブのバランスも重要になってきます。

今使っているクラブがどうしても合わないというのであれば、新しく買い換えるのもいいかもしれないですが、まずはリシャフトなどを含めた調整を検討されるのもいいのではないでしょうか?
買い換えるよりも予算は抑えられますし、シャフトが変わればクラブは大きく変わります。
自分に合った長さや硬さはもちろん、重さやキックポイント、トルク、バランスなどに調整できれば、想像以上に易しくなるものです。
軽ければ易しいというものではないですし、重ければ難しいというものでもありません。
シャフトも硬いのは上級者用で、軟らかいのがビギナー用ということもありません。
上級者の方でも軟らかいシャフトを使っておられる方はたくさんいらっしゃいますし、ビギナーの方でもしっかりしたスペックのほうが合っておられる方もいらっしゃいます。
自分に合ったクラブだと上達が早くなりますが、そうでないクラブを使い続けると、ずいぶんと回り道をしてしまうこともありますね。

自分にマッチしたクラブに変身すると、まさに『相棒』と呼べる存在になってくれますし、ゴルフの楽しさが何倍にもなります。
自分の意思がボールに伝えやすいクラブというのが、いいクラブといえるのだと思います。
つまり、いいクラブというのは、『その人によって違う』ということになるので、万人向けはありません。
また、最新のクラブは素晴らしいものばかりですが、かといってちょっと前のクラブが性能的に大きく劣るということもありません。
昔のクラブでもいいクラブはたくさんあります。

頼れる自分の相棒を武器に、ゴルフをエンジョイしていきたいですね!
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2019年08月03日
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私のアルバイト経験 2
今日は先日に引き続きまして、私が経験したアルバイトについて、書かせて頂きたいと思います。
先日は新聞配達と引っ越しのアルバイトについて書かせていただきましたが、それ以外のアルバイトも経験しました。

まずは建設現場でのアルバイトです。
このアルバイトは大学生のとき、主に夏休みや冬休み・春休みといった長期休暇のときにまとめてやりました。

建設現場や工事現場では作業員以外にも、たくさんの重機などがあり、所狭しと動き回っています。

現場にいる人も様々で、元請けの責任者や現場監督。
そして、業者も様々で配管会社や左官屋さん、電気工事や保温関係・空調設備・計装などたくさんの方がお互い自分の仕事をしているので、現場は騒然としています。
現場ではたくさんのプロフェッショナルがいて、それぞれ長い経験に基づいた高いスキルが要求されます。
私はただの学生でズブの素人なので、当然そういったスキルはありません。

なので、私は物を運ぶとか、現場を片付けたり、言われたものをもってきたり・・・。といった雑用係のようなことをしていました。
経験もないですし、何もスキルがないので、当然のことです。

その日によって作業内容は違っていて、ある日はセメント袋を一階から五階まで運ぶといったことをしていました。
その現場には作業用のエレベーターも無かったので、階段を上がり降りして運ぶしかありませんでした。
今は25㎏の物もありますが、私が運んでいたものはひとつが40㎏ありました。
それを朝から夕方まで、ひたすら運ぶということをしていました。

セメント袋はひとつではなく、たくさん山積みされていました。
ひとつ40㎏といえば、ほぼ成人女性の体重と変わらないほどの重さですが、元々体力には自信があったので、運ぶだけという単純作業をただひたすら続けていました。
先ほども書きました通り、現場にはいろいろな人が作業しているので、邪魔にならないよう気を配りながらやっていました。
結構重いですが、それでもトレーニングのつもりで運びました。
一袋40㎏という重さで腕や背筋は鍛えられますし、階段の上り下りばかりしているので足腰も鍛えられ、体も絞られてきます。
有酸素運動と無酸素運動を同時にやっているような状態でした。
筋肉はつきますが、余計な脂肪はそぎ落とされ、体が引き締まりました。
ジムに行くとお金がかかりますが、私はお金(アルバイト代)を頂いて、自分の体を鍛えていました。
その作業に慣れてくると、あまり苦にならないですし、『力を入れるポイント』のようなものも分かってきます。
ここだけを抑えておいたら、あまり体力を消耗しないで運べるようになるという、急所といいますかポイントがありました。
日によってはセメント袋だけではなく、いろいろな形のものを運んでいたので、自然とその物の重心を感じ取って運ぶことができていたように思います。
そして『手で持つ』のではなく、『腰に乗せる』感じで運ぶと、疲労度が軽減されることを知りました。

山積みされたセメント袋の山を見て気が遠くなりましたが、これを全部運んだら今日は帰っていいよ・・・。と言われると、私は何とか早く終わらそうと、2袋ずつ(計80㎏)を運ぶようになりました。
最初のうちはきつかったですが、体がその作業に慣れてきたといいますか、コツをつかんだら楽になり、鼻歌交じりで運べるようになりました。
二つ重ねて運ぶこともありましたし、両肩にひとつずつ乗せて運ぶこともしていました。
そういったことを昼の休憩時間を除き、朝から夕方まで行うという日が続きました。
その現場には10歳くらい年上で、筋骨隆々の人がいたので、自分も頑張れば、この人のようになれるかな・・・。と思いながら作業をしていたのを思い出します。

最初の山がどんどん少なくなってくると、俄然ファイトが湧いてきます。
早く運び終えて、早めに帰ってやろう・・・。と思っていましたが、結局はだいたい定時までかかりました。
それくらいの作業量が最初から計算されていたのかもしれません。
重い物を運ぶということと、ずっと同じことをする単純作業なので、肉体的にも精神的にもきついのですが、私の頭の中は、晩ご飯は何を食べよう・・・。ばっかりだったので、それほど苦痛は感じませんでした。
体を動かしていても、頭の中は楽しいことばかり考えていました。
作業内容はきついですが、周りの人はみんなとても親切で優しい人ばかりだったので、私はいつも助けられていたような気がします。
私の腕(特に上腕部分)が、日に日に太くなっていくのが分かりました。
筋力トレーニングをしても、筋肉が付きやすい人と、そうでない人というように分けられるそうですが、私は前者のほうでした。
その頃、私は『週刊ゴング』というプロレス雑誌を愛読していて、憧れのプロレスラーの一人である、ロードウォリアーズのホーク・ウォリアーさんの写真をよく見ていたのですが、少しずつ近づいていけているかな?と思い、仕事の励みにしていました。

大きめの配管を運ぶこともありました。
これは形状が単純なので運ぶのは比較的容易でしたが、階段では立て気味にして運ばなければならず、ちょっとしたコツが必要でした。
また配管は同じ外径、例えば150A(6B)だったとしても厚みが違えば、かなり重さが変わってくるので、注意が必要でした。
見た目の予想と、実際の重さが違うこともよくありました。

物を運ぶだけではなく、日によっては、ツルハシやスコップをもって土を掘るということもありました。
埋設管を埋める為の穴が必要だったからです。
その部屋の前には階段があり、狭いので重機(ユンボなど)がその部屋に入れず、人力で掘るしかないので、私は体力と若さにものをいわせ、ツルハシを振っていました。

最初のうちは元気いっぱいで掘り始めるのですが、数分経つと、もうバテバテになってしまいます。
あれだけ勢いよく大きく振りかぶっていたのが、すごく小さく振るようになりました。
一日やり続けると、両手に10個ずつのマメが出来ていて、その日の晩は手が上がらず、箸と茶碗がもてませんでした。

しかし一晩寝るとすぐ元気になり、また掘り続ける日々が続きました。
物を運ぶときと同じく、同じ作業を続けていると、だんだんとコツのようなものが分かってきます。
力一杯に大きく降り続けるよりもちょっと短く持って、ストロークをコンパクトにして、ツルハシの先が土に触れるほんの一瞬だけに力を入れるほうが効率よく掘れることに気づきました。
手首を使ったほうが、伝わる力も大きくなることに気づけたのも大きな収穫でした。
そのほうが疲れないですし、土が大きく掘れました。
ゴルフのスイングと共通する部分です。

私が掘っている部屋には先輩がいて、その人は私よりも上手で効率よく掘っていましたし、細かなアドバイスもしてくれました。
とても親切で優しい先輩でした。

ヘルメットにヘッドライトは付いていませんが、イメージとしては、だいたいこんな感じです。

掘っていくとき、土だけだったらまだ良かったのですが、現場ではそうはいきませんでした。
土の中には、大きな石やコンクリートの塊があって、それにぶち当たることもあり、その時はツルハシが跳ね返されて手が痺れました。
自分の力が伝わらず、逆に押し返されてしまうので、疲労が何倍にもなりました。
TVでボクシングを見ていても、ラウンドの後半になると、選手がなかなか手を出さないことが多くなります。
それまでは、何でパンチを出さないんだよ・・・。それじゃ負けてしまうよ・・・。と思うことがよくありましたが、そういった経験をして、手を出さないのではなく、疲労で手が出せなくなっているのではないか?と思えるようになりました。

掘った土を一輪車に乗せて、指定された場所まで捨てに行っていましたが、この一輪車もバランスをとるのが結構難しくて、何回かバランスを崩してひっくり返してしまい、その都度スコップで乗せ直すこともしていました。
知識も経験もないので、毎日失敗ばかりしていましたが、周りの方はとても温かく見守ってくださっていました。
作業が終わると、「よし、今日はみんなで焼き肉に行くか~。」と言われ、ご馳走になることもありました。
その頃の私は人生で一番よく食べていたと思うのですが、焼き肉を食べながら特大の丼飯を5杯おかわりしました。
その特大の丼一杯がだいたい一合とお店の方から聞いて、いっぺんに5合もご飯を食べていたことになりますが、今はとてもじゃないですができません。
若さには、無限のエネルギーがあります。
食べることにも、眠ることにもエネルギーが必要です。

日によっては作業がまた変わり、『ピック(斫り機)』と呼ばれる機械でコンクリートを斫る作業もしていました。
これも数時間連続作業が続いたのですが、とてもキツくて、その日の晩も満足に箸と茶碗がもてなかったことを覚えています。
その時の振動が残っていました。
斫るときは大きな音がするので常に耳栓をしていましたし、コンクリートの破片が目に飛んでこないよう、防護用のゴーグルをしていました。
今も道路工事でコンクリートを斫る作業を見かけるので、懐かしく感じます。
道路工事は外で直射日光に照らされるので暑いですが、私の作業は建物の中なので、直射日光に照らされることはありません。
しかし、建物の中は蒸し風呂のような状態でした。
同じ暑さでも外と中では、また違ったものになります。

作業用の足場の上に乗り、いろいろな資材を運ぶこともありましたし、機器を取り付けるときの助手もしていました。
経験は乏しかったのですが、いろいろな作業を体験できるのが楽しかったです。

そして、ある有名ホテルの厨房で『コック見習い』のアルバイトをしたことがあります。
冬休みにやった2週間くらいのアルバイトでした。

コック見習いといっても実際は『皿洗い』と『調理器具を洗う』ことが私の仕事でした。
仕事を始めて最初の頃は良かったのですが、何日か経って、手がすごくカサカサになっていました。
手の脂が無くなっていたのです。
家庭用ではない、業務用洗剤は成分がとてもキツいことに気づきました。
それからすぐに薄手のゴム手袋をして、仕事をしました。
2週間くらいのアルバイトでしたが、とてもいい経験をさせていただきました。

そして、大学三年の夏休みに、北海道でアルバイトをしました。
休みが近づくと、いつもお世話になっている建設会社の方から、
「休みはいつ頃?また頼むよ。」と連絡を頂いていたのですが、そのときだけは辞退させていただきました。
北海道に行けるチャンスはそう多くないからです。
私は子供頃から北海度には強い憧れをもっていて、行ってみたいな・・・。と、いつも思っていたのですが、なかなか行けるチャンスがありませんでした。
なので、絶対行こうと決めていました。
私は北海道でアルバイトをすることができるということを知らなかったのですが、住み込みでアルバイトできるということを親友が知っていて、私に教えてくれました。
私がいつも北海道に行きたいと言っていたので、彼は覚えてくれていたのだと思います。
お互い住んでいるところが離れてしまって、なかなか会う機会がありませんが、今でも連絡を取り合っていますし、大切な親友です。
千歳空港が近くなり、支笏湖が見えて地平線も見えました。
飛行機の窓から、何て雄大で綺麗なんだろう・・・。と感動していました。
まず見られない風景です。
千歳空港から電車を乗り継いで苫小牧で乗り換えて、電車やバスを乗り継いで、夜遅く、お世話になる方の家に到着しました。
途中の電車や窓から見える景色がまた雄大で美しく、感動の連続でした。
見えるものといえば、海と山と道路といった具合で、たまに牧場が見えるのですが、それがとても美しくて、北海道に来たんだな・・・。と実感することができました。
この美しい風景を目に焼き付けておこうと思ったことを覚えています。
その頃デジカメは無かったのですが、もしあったら、何百枚も風景を撮っていたのは間違いありません。

私の北海道でのアルバイトは昆布漁の手伝いで、北海道南部のえりも町に行きました。
今、ちょうどシーズン真っ盛りだと思います。
北海道のアルバイトには、牧場で牛のお世話をする仕事と、昆布漁のお手伝いをする仕事がありました。
正直私はどちらでもいいと思っていたのですが、牛は昔から好きでしたし牧場に憧れもあったので、牧場の仕事を申し込もうと思っていたのですが、私が申し込んだときはもう遅く、昆布漁の手伝いが少し残っているだけでした。
私はすぐに昆布漁の仕事を申し込みました。
北海道に行けるのであれば、どちらでも良かったからです。
北海道に旅行に行くというのではなく、アルバイトができるということが嬉しくたまりませんでした。
北海道に旅行に行くのであれば、3泊4日とか4泊5日などになりますが、一月以上も住み込みで滞在できるということが信じられないほどの喜びでした。

到着の翌日から、私は早速仕事をさせていただくことにしました。
漁に出る方は朝の3時には起きていて、朝食を済ませ、船を出す準備など朝からすごく忙しいのですが、私は船に乗ることはなく、船から昆布を引き上げるのが役目だったので、朝の4時くらいに起きていました。
朝食を済ませ、すぐに準備に入りました。
朝の5時に一斉に漁が始まり、船の上に昆布が乗せられていきます。

昆布が船の上で一杯になれば、陸にあがり私たちはそれを引き上げて、『浜』と呼ばれる石が置かれている場所に干します。
お店で売られている昆布は乾燥しているのでとても軽いですが、海から引き上げたばかりの昆布は水分があるので、見た目以上に重く、重労働です。
また昆布によっては結構肉厚もあるので、干した昆布とはかなり見た目の印象が違います。
昆布は『黒』というイメージをもっておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、海から引き上げたばかりの昆布は真っ黒というよりは茶色がかっていたり、緑色っぽいものもあったりして、一本一本に個性が見られます。
昆布一本の長さは数メートルになりますし、それを一本一本丁寧に重ならないようにして真っ直ぐ干さなくてはなりません。
慣れないうちはそれがとても難しく、干すのが下手で時間も掛かってしまいました。
みんなに迷惑を掛けてしまっているな・・・。戦力になっていないな・・・。と思う日が続いたのですが、ある程度日にちが経ってコツをつかめば、面白いように早くて綺麗に干せるようになりました。
みんなから上手になったと褒められたときは、とても嬉しかったです。
もし、『インカレ』に、昆布を干すという競技があったら、間違いなく自分は『インカレチャンピオン』になれるな・・・。しかも圧倒的な勝利で・・・。と思ったことを覚えています。

昆布を天日干ししたら、午前中に取り込んで決められた長さにカットし、束ねなくてはなりません。
天候との関係もあるので、スピードが命です。

晴れの日は、漁に出られます。

波が高いときは当然ながら漁には出られませんが、いくら凪でも雨が降っていたり曇っていたら漁はできません。
干した昆布の質が悪くなってしまい、売り物にならないからです。
まさに天候との勝負なので、毎日漁ができるとは限りません。
なので、漁のある日と無い日があったのですが、私は毎日晴れて海も穏やかであって欲しいと思っていました。
この貴重な経験をなるべく多くしておきたいという思いがあったからです。

陸から海を見ると、海に漂っている昆布を見ることができます。
波に漂っている昆布を見ながら、明日はどの辺りの昆布をとるのかな?あっちかな?それともこっちかな?などと思いながら海を見ていたことを思い出します。

あれだけたくさん海にあるのだから、昆布の周りはいい出汁が出ているのかな?と思ったことがありました。
しかし現実的にはあり得ません。
干した昆布を鍋で煮るから、美味しい出汁が出るのです。

岩の上には、ときどきウニが打ち上げられていて、それをカラスがつついていました。
すごく贅沢なカラスだな・・・。と思ったことを覚えています。

今でもスーパーに行って、日高昆布を見ると、あの頃の思い出が蘇ります。
もうかなり前になってしまいますが、青春の一ページです。
8月も下旬になって、契約の最終日がやってきました。
これまでは近くにあっても行くことができなかった『襟裳岬』に車で連れて行っていただきました。
ここが歌で有名な襟裳岬か・・・。と、テンションがあがりましたが、地元の方はどうってことはない場所だと思います。
しかし遠方に住む私たちにはとても貴重な場所です。
いくら有名な観光地の近くに住んでいても、『いつでも行ける』となると、なかなか行かないものですし、遠方に住んでいても『今しか行けない』というのであれば、多少無理をしても行くものです。
襟裳岬のお土産屋さんで、このアルバイトを紹介してくれた親友へのお土産を買い、宅配便で配送してもらいました。
そして家へ戻り、一月ちょっとの給料をいただき、お世話になったご家族とお別れして、私はバスと電車を乗り継いで北海道の一人旅(といっても札幌をぐるぐるするだけですが・・・)をすることにしました。
まだ授業が始まるまでには日にちがあったからです。

札幌について、一人でぐるぐる歩き回り、道路にある看板を見ながら時計台を目指しました。
すぐに時計台は見つかり、意外なところにあるんだな・・・。と思いました。
イメージとしては、ちょっと小高い丘のようなところに建っていて、景色がいいのかと思っていましたが、実際はビルの間にあって、前の道路を車がビュンビュン行き交っていました。
ちょっと意外なところはありましたが、それでも有名な建物を実際に見ることができて、とても嬉しかったですし、天気も良かったので気分は最高でした。

あとは北海道庁やテレビ塔にも行きました。
テレビ塔には出店が出ていて、そこで私はトウモロコシ(とうきび)を買ってベンチで座って食べていたのですが、すぐにたくさんの鳩がやってきて、囲まれてしまいました。
すごくフレンドリーな鳩たちでした。

ひとりで気ままな旅なので、宿泊先を決めていませんでした。
無計画で、『行き当たりばったり』の旅でした。
宿が決まっていないというのは少し不安なところもありますが、男の一人旅ですし、無計画で決まっていないというところが、またいいものです。
札幌は大都会なので、必ず宿泊するところはあるだろうと思っていました。
しばらく市内を歩いていると、カプセルホテルの看板があり、宿泊できるか尋ねてみたら大丈夫だったので、その日の宿はここに決めました。
生まれて初めてのカプセルホテルだったのですが、思っていた以上に快適でした。
特にお風呂が気に入りました。
ビジネスホテルだと、どうしてもユニットバスになってしまいますが、カプセルホテルは寝るところは狭くでもお風呂は広いです。
のんびりと過ごすことができました。
すごく気に入ったので、もう一日宿泊しました。

そして実家に電話をして、北海道のお土産は何がいいかと尋ねたら、
「毛ガニがいい。」
というので、毛ガニはどこで買えばいいのか、道で尋ねると、函館がいいということだったので、翌日函館まで行き、ちょうど朝市をやっていたので、そこで毛ガニを買い、自宅まで送ってもらうことにしました。
その後も一人で北海道を満喫しました。
以上が、私の主なアルバイト経験です。
もっとコンパクトに書くつもりだったのですが、長くなってしまい申し訳ありません。
どうして、私のアルバイト経験を書かせていただいたのかといいますと、この経験が私の人生に、そしてゴルフにすごく役立っているからです。
アルバイトをしていたときは、そんなことは全く考えていませんでしたが、今思えばすごく役になっていると実感できます。
特に建設現場での経験が大きく今も関わっています。
重い物を運んだり、土を掘ったり・・・。といったことが体を強くしてくれましたし、ゴルフにおいての飛距離につながっています。
私は元々『馬鹿力』でゴルフをするタイプでしたが、その普通の人よりもちょっと強い馬鹿力を得ることができたのは、重い物をもって腕力はもちろん、背筋や腹筋・足腰が鍛えられたからだと思います。
そしてツルハシを使って掘る仕事は、そのままドライバーなどに活かされています。
効率よく飛ばしていけるコツを体感できたのは、この作業のおかげです。
大きく振りかぶっても、肝心のインパクトで力が抜けてしまったり、緩んでしまったりすれば全く飛ばせません。
逆に少々コンパクトでも、ほんの一瞬、インパクトのときだけグッと握ることができれば、効率良く力を伝えられます。
球数をこなしても疲れにくいですし、コンパクトに振っていけるので、タイミングが取りやすく、安定性も増します。
今、飛距離で悩んでおられるゴルファーは多いと思います。
そういった方には、現場でツルハシを振ることは難しくても、もし畑があれば鍬入れをやってみられるのがいいと思いますし、それも難しいという方も多くいらっしゃると思います。
そういった方々には、やはり定番ですが、金槌で釘を打つのがいいように思います。
まだまだスキルを伸ばせる方ばかりだと思いますし、過去の経験が今になって活きるといことはよくあります。
なので、今回は昔経験した、アルバイトから学んだことを記事に書かせていただきました。
先日は新聞配達と引っ越しのアルバイトについて書かせていただきましたが、それ以外のアルバイトも経験しました。

まずは建設現場でのアルバイトです。
このアルバイトは大学生のとき、主に夏休みや冬休み・春休みといった長期休暇のときにまとめてやりました。

建設現場や工事現場では作業員以外にも、たくさんの重機などがあり、所狭しと動き回っています。

現場にいる人も様々で、元請けの責任者や現場監督。
そして、業者も様々で配管会社や左官屋さん、電気工事や保温関係・空調設備・計装などたくさんの方がお互い自分の仕事をしているので、現場は騒然としています。
現場ではたくさんのプロフェッショナルがいて、それぞれ長い経験に基づいた高いスキルが要求されます。
私はただの学生でズブの素人なので、当然そういったスキルはありません。

なので、私は物を運ぶとか、現場を片付けたり、言われたものをもってきたり・・・。といった雑用係のようなことをしていました。
経験もないですし、何もスキルがないので、当然のことです。

その日によって作業内容は違っていて、ある日はセメント袋を一階から五階まで運ぶといったことをしていました。
その現場には作業用のエレベーターも無かったので、階段を上がり降りして運ぶしかありませんでした。
今は25㎏の物もありますが、私が運んでいたものはひとつが40㎏ありました。
それを朝から夕方まで、ひたすら運ぶということをしていました。

セメント袋はひとつではなく、たくさん山積みされていました。
ひとつ40㎏といえば、ほぼ成人女性の体重と変わらないほどの重さですが、元々体力には自信があったので、運ぶだけという単純作業をただひたすら続けていました。
先ほども書きました通り、現場にはいろいろな人が作業しているので、邪魔にならないよう気を配りながらやっていました。
結構重いですが、それでもトレーニングのつもりで運びました。
一袋40㎏という重さで腕や背筋は鍛えられますし、階段の上り下りばかりしているので足腰も鍛えられ、体も絞られてきます。
有酸素運動と無酸素運動を同時にやっているような状態でした。
筋肉はつきますが、余計な脂肪はそぎ落とされ、体が引き締まりました。
ジムに行くとお金がかかりますが、私はお金(アルバイト代)を頂いて、自分の体を鍛えていました。
その作業に慣れてくると、あまり苦にならないですし、『力を入れるポイント』のようなものも分かってきます。
ここだけを抑えておいたら、あまり体力を消耗しないで運べるようになるという、急所といいますかポイントがありました。
日によってはセメント袋だけではなく、いろいろな形のものを運んでいたので、自然とその物の重心を感じ取って運ぶことができていたように思います。
そして『手で持つ』のではなく、『腰に乗せる』感じで運ぶと、疲労度が軽減されることを知りました。

山積みされたセメント袋の山を見て気が遠くなりましたが、これを全部運んだら今日は帰っていいよ・・・。と言われると、私は何とか早く終わらそうと、2袋ずつ(計80㎏)を運ぶようになりました。
最初のうちはきつかったですが、体がその作業に慣れてきたといいますか、コツをつかんだら楽になり、鼻歌交じりで運べるようになりました。
二つ重ねて運ぶこともありましたし、両肩にひとつずつ乗せて運ぶこともしていました。
そういったことを昼の休憩時間を除き、朝から夕方まで行うという日が続きました。
その現場には10歳くらい年上で、筋骨隆々の人がいたので、自分も頑張れば、この人のようになれるかな・・・。と思いながら作業をしていたのを思い出します。

最初の山がどんどん少なくなってくると、俄然ファイトが湧いてきます。
早く運び終えて、早めに帰ってやろう・・・。と思っていましたが、結局はだいたい定時までかかりました。
それくらいの作業量が最初から計算されていたのかもしれません。
重い物を運ぶということと、ずっと同じことをする単純作業なので、肉体的にも精神的にもきついのですが、私の頭の中は、晩ご飯は何を食べよう・・・。ばっかりだったので、それほど苦痛は感じませんでした。
体を動かしていても、頭の中は楽しいことばかり考えていました。
作業内容はきついですが、周りの人はみんなとても親切で優しい人ばかりだったので、私はいつも助けられていたような気がします。
私の腕(特に上腕部分)が、日に日に太くなっていくのが分かりました。
筋力トレーニングをしても、筋肉が付きやすい人と、そうでない人というように分けられるそうですが、私は前者のほうでした。
その頃、私は『週刊ゴング』というプロレス雑誌を愛読していて、憧れのプロレスラーの一人である、ロードウォリアーズのホーク・ウォリアーさんの写真をよく見ていたのですが、少しずつ近づいていけているかな?と思い、仕事の励みにしていました。

大きめの配管を運ぶこともありました。
これは形状が単純なので運ぶのは比較的容易でしたが、階段では立て気味にして運ばなければならず、ちょっとしたコツが必要でした。
また配管は同じ外径、例えば150A(6B)だったとしても厚みが違えば、かなり重さが変わってくるので、注意が必要でした。
見た目の予想と、実際の重さが違うこともよくありました。

物を運ぶだけではなく、日によっては、ツルハシやスコップをもって土を掘るということもありました。
埋設管を埋める為の穴が必要だったからです。
その部屋の前には階段があり、狭いので重機(ユンボなど)がその部屋に入れず、人力で掘るしかないので、私は体力と若さにものをいわせ、ツルハシを振っていました。

最初のうちは元気いっぱいで掘り始めるのですが、数分経つと、もうバテバテになってしまいます。
あれだけ勢いよく大きく振りかぶっていたのが、すごく小さく振るようになりました。
一日やり続けると、両手に10個ずつのマメが出来ていて、その日の晩は手が上がらず、箸と茶碗がもてませんでした。

しかし一晩寝るとすぐ元気になり、また掘り続ける日々が続きました。
物を運ぶときと同じく、同じ作業を続けていると、だんだんとコツのようなものが分かってきます。
力一杯に大きく降り続けるよりもちょっと短く持って、ストロークをコンパクトにして、ツルハシの先が土に触れるほんの一瞬だけに力を入れるほうが効率よく掘れることに気づきました。
手首を使ったほうが、伝わる力も大きくなることに気づけたのも大きな収穫でした。
そのほうが疲れないですし、土が大きく掘れました。
ゴルフのスイングと共通する部分です。

私が掘っている部屋には先輩がいて、その人は私よりも上手で効率よく掘っていましたし、細かなアドバイスもしてくれました。
とても親切で優しい先輩でした。

ヘルメットにヘッドライトは付いていませんが、イメージとしては、だいたいこんな感じです。

掘っていくとき、土だけだったらまだ良かったのですが、現場ではそうはいきませんでした。
土の中には、大きな石やコンクリートの塊があって、それにぶち当たることもあり、その時はツルハシが跳ね返されて手が痺れました。
自分の力が伝わらず、逆に押し返されてしまうので、疲労が何倍にもなりました。
TVでボクシングを見ていても、ラウンドの後半になると、選手がなかなか手を出さないことが多くなります。
それまでは、何でパンチを出さないんだよ・・・。それじゃ負けてしまうよ・・・。と思うことがよくありましたが、そういった経験をして、手を出さないのではなく、疲労で手が出せなくなっているのではないか?と思えるようになりました。

掘った土を一輪車に乗せて、指定された場所まで捨てに行っていましたが、この一輪車もバランスをとるのが結構難しくて、何回かバランスを崩してひっくり返してしまい、その都度スコップで乗せ直すこともしていました。
知識も経験もないので、毎日失敗ばかりしていましたが、周りの方はとても温かく見守ってくださっていました。
作業が終わると、「よし、今日はみんなで焼き肉に行くか~。」と言われ、ご馳走になることもありました。
その頃の私は人生で一番よく食べていたと思うのですが、焼き肉を食べながら特大の丼飯を5杯おかわりしました。
その特大の丼一杯がだいたい一合とお店の方から聞いて、いっぺんに5合もご飯を食べていたことになりますが、今はとてもじゃないですができません。
若さには、無限のエネルギーがあります。
食べることにも、眠ることにもエネルギーが必要です。

日によっては作業がまた変わり、『ピック(斫り機)』と呼ばれる機械でコンクリートを斫る作業もしていました。
これも数時間連続作業が続いたのですが、とてもキツくて、その日の晩も満足に箸と茶碗がもてなかったことを覚えています。
その時の振動が残っていました。
斫るときは大きな音がするので常に耳栓をしていましたし、コンクリートの破片が目に飛んでこないよう、防護用のゴーグルをしていました。
今も道路工事でコンクリートを斫る作業を見かけるので、懐かしく感じます。
道路工事は外で直射日光に照らされるので暑いですが、私の作業は建物の中なので、直射日光に照らされることはありません。
しかし、建物の中は蒸し風呂のような状態でした。
同じ暑さでも外と中では、また違ったものになります。

作業用の足場の上に乗り、いろいろな資材を運ぶこともありましたし、機器を取り付けるときの助手もしていました。
経験は乏しかったのですが、いろいろな作業を体験できるのが楽しかったです。

そして、ある有名ホテルの厨房で『コック見習い』のアルバイトをしたことがあります。
冬休みにやった2週間くらいのアルバイトでした。

コック見習いといっても実際は『皿洗い』と『調理器具を洗う』ことが私の仕事でした。
仕事を始めて最初の頃は良かったのですが、何日か経って、手がすごくカサカサになっていました。
手の脂が無くなっていたのです。
家庭用ではない、業務用洗剤は成分がとてもキツいことに気づきました。
それからすぐに薄手のゴム手袋をして、仕事をしました。
2週間くらいのアルバイトでしたが、とてもいい経験をさせていただきました。

そして、大学三年の夏休みに、北海道でアルバイトをしました。
休みが近づくと、いつもお世話になっている建設会社の方から、
「休みはいつ頃?また頼むよ。」と連絡を頂いていたのですが、そのときだけは辞退させていただきました。
北海道に行けるチャンスはそう多くないからです。
私は子供頃から北海度には強い憧れをもっていて、行ってみたいな・・・。と、いつも思っていたのですが、なかなか行けるチャンスがありませんでした。
なので、絶対行こうと決めていました。
私は北海道でアルバイトをすることができるということを知らなかったのですが、住み込みでアルバイトできるということを親友が知っていて、私に教えてくれました。
私がいつも北海道に行きたいと言っていたので、彼は覚えてくれていたのだと思います。
お互い住んでいるところが離れてしまって、なかなか会う機会がありませんが、今でも連絡を取り合っていますし、大切な親友です。
千歳空港が近くなり、支笏湖が見えて地平線も見えました。
飛行機の窓から、何て雄大で綺麗なんだろう・・・。と感動していました。
まず見られない風景です。
千歳空港から電車を乗り継いで苫小牧で乗り換えて、電車やバスを乗り継いで、夜遅く、お世話になる方の家に到着しました。
途中の電車や窓から見える景色がまた雄大で美しく、感動の連続でした。
見えるものといえば、海と山と道路といった具合で、たまに牧場が見えるのですが、それがとても美しくて、北海道に来たんだな・・・。と実感することができました。
この美しい風景を目に焼き付けておこうと思ったことを覚えています。
その頃デジカメは無かったのですが、もしあったら、何百枚も風景を撮っていたのは間違いありません。

私の北海道でのアルバイトは昆布漁の手伝いで、北海道南部のえりも町に行きました。
今、ちょうどシーズン真っ盛りだと思います。
北海道のアルバイトには、牧場で牛のお世話をする仕事と、昆布漁のお手伝いをする仕事がありました。
正直私はどちらでもいいと思っていたのですが、牛は昔から好きでしたし牧場に憧れもあったので、牧場の仕事を申し込もうと思っていたのですが、私が申し込んだときはもう遅く、昆布漁の手伝いが少し残っているだけでした。
私はすぐに昆布漁の仕事を申し込みました。
北海道に行けるのであれば、どちらでも良かったからです。
北海道に旅行に行くというのではなく、アルバイトができるということが嬉しくたまりませんでした。
北海道に旅行に行くのであれば、3泊4日とか4泊5日などになりますが、一月以上も住み込みで滞在できるということが信じられないほどの喜びでした。

到着の翌日から、私は早速仕事をさせていただくことにしました。
漁に出る方は朝の3時には起きていて、朝食を済ませ、船を出す準備など朝からすごく忙しいのですが、私は船に乗ることはなく、船から昆布を引き上げるのが役目だったので、朝の4時くらいに起きていました。
朝食を済ませ、すぐに準備に入りました。
朝の5時に一斉に漁が始まり、船の上に昆布が乗せられていきます。

昆布が船の上で一杯になれば、陸にあがり私たちはそれを引き上げて、『浜』と呼ばれる石が置かれている場所に干します。
お店で売られている昆布は乾燥しているのでとても軽いですが、海から引き上げたばかりの昆布は水分があるので、見た目以上に重く、重労働です。
また昆布によっては結構肉厚もあるので、干した昆布とはかなり見た目の印象が違います。
昆布は『黒』というイメージをもっておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、海から引き上げたばかりの昆布は真っ黒というよりは茶色がかっていたり、緑色っぽいものもあったりして、一本一本に個性が見られます。
昆布一本の長さは数メートルになりますし、それを一本一本丁寧に重ならないようにして真っ直ぐ干さなくてはなりません。
慣れないうちはそれがとても難しく、干すのが下手で時間も掛かってしまいました。
みんなに迷惑を掛けてしまっているな・・・。戦力になっていないな・・・。と思う日が続いたのですが、ある程度日にちが経ってコツをつかめば、面白いように早くて綺麗に干せるようになりました。
みんなから上手になったと褒められたときは、とても嬉しかったです。
もし、『インカレ』に、昆布を干すという競技があったら、間違いなく自分は『インカレチャンピオン』になれるな・・・。しかも圧倒的な勝利で・・・。と思ったことを覚えています。

昆布を天日干ししたら、午前中に取り込んで決められた長さにカットし、束ねなくてはなりません。
天候との関係もあるので、スピードが命です。

晴れの日は、漁に出られます。

波が高いときは当然ながら漁には出られませんが、いくら凪でも雨が降っていたり曇っていたら漁はできません。
干した昆布の質が悪くなってしまい、売り物にならないからです。
まさに天候との勝負なので、毎日漁ができるとは限りません。
なので、漁のある日と無い日があったのですが、私は毎日晴れて海も穏やかであって欲しいと思っていました。
この貴重な経験をなるべく多くしておきたいという思いがあったからです。

陸から海を見ると、海に漂っている昆布を見ることができます。
波に漂っている昆布を見ながら、明日はどの辺りの昆布をとるのかな?あっちかな?それともこっちかな?などと思いながら海を見ていたことを思い出します。

あれだけたくさん海にあるのだから、昆布の周りはいい出汁が出ているのかな?と思ったことがありました。
しかし現実的にはあり得ません。
干した昆布を鍋で煮るから、美味しい出汁が出るのです。

岩の上には、ときどきウニが打ち上げられていて、それをカラスがつついていました。
すごく贅沢なカラスだな・・・。と思ったことを覚えています。

今でもスーパーに行って、日高昆布を見ると、あの頃の思い出が蘇ります。
もうかなり前になってしまいますが、青春の一ページです。
8月も下旬になって、契約の最終日がやってきました。
これまでは近くにあっても行くことができなかった『襟裳岬』に車で連れて行っていただきました。
ここが歌で有名な襟裳岬か・・・。と、テンションがあがりましたが、地元の方はどうってことはない場所だと思います。
しかし遠方に住む私たちにはとても貴重な場所です。
いくら有名な観光地の近くに住んでいても、『いつでも行ける』となると、なかなか行かないものですし、遠方に住んでいても『今しか行けない』というのであれば、多少無理をしても行くものです。
襟裳岬のお土産屋さんで、このアルバイトを紹介してくれた親友へのお土産を買い、宅配便で配送してもらいました。
そして家へ戻り、一月ちょっとの給料をいただき、お世話になったご家族とお別れして、私はバスと電車を乗り継いで北海道の一人旅(といっても札幌をぐるぐるするだけですが・・・)をすることにしました。
まだ授業が始まるまでには日にちがあったからです。

札幌について、一人でぐるぐる歩き回り、道路にある看板を見ながら時計台を目指しました。
すぐに時計台は見つかり、意外なところにあるんだな・・・。と思いました。
イメージとしては、ちょっと小高い丘のようなところに建っていて、景色がいいのかと思っていましたが、実際はビルの間にあって、前の道路を車がビュンビュン行き交っていました。
ちょっと意外なところはありましたが、それでも有名な建物を実際に見ることができて、とても嬉しかったですし、天気も良かったので気分は最高でした。

あとは北海道庁やテレビ塔にも行きました。
テレビ塔には出店が出ていて、そこで私はトウモロコシ(とうきび)を買ってベンチで座って食べていたのですが、すぐにたくさんの鳩がやってきて、囲まれてしまいました。
すごくフレンドリーな鳩たちでした。

ひとりで気ままな旅なので、宿泊先を決めていませんでした。
無計画で、『行き当たりばったり』の旅でした。
宿が決まっていないというのは少し不安なところもありますが、男の一人旅ですし、無計画で決まっていないというところが、またいいものです。
札幌は大都会なので、必ず宿泊するところはあるだろうと思っていました。
しばらく市内を歩いていると、カプセルホテルの看板があり、宿泊できるか尋ねてみたら大丈夫だったので、その日の宿はここに決めました。
生まれて初めてのカプセルホテルだったのですが、思っていた以上に快適でした。
特にお風呂が気に入りました。
ビジネスホテルだと、どうしてもユニットバスになってしまいますが、カプセルホテルは寝るところは狭くでもお風呂は広いです。
のんびりと過ごすことができました。
すごく気に入ったので、もう一日宿泊しました。

そして実家に電話をして、北海道のお土産は何がいいかと尋ねたら、
「毛ガニがいい。」
というので、毛ガニはどこで買えばいいのか、道で尋ねると、函館がいいということだったので、翌日函館まで行き、ちょうど朝市をやっていたので、そこで毛ガニを買い、自宅まで送ってもらうことにしました。
その後も一人で北海道を満喫しました。
以上が、私の主なアルバイト経験です。
もっとコンパクトに書くつもりだったのですが、長くなってしまい申し訳ありません。
どうして、私のアルバイト経験を書かせていただいたのかといいますと、この経験が私の人生に、そしてゴルフにすごく役立っているからです。
アルバイトをしていたときは、そんなことは全く考えていませんでしたが、今思えばすごく役になっていると実感できます。
特に建設現場での経験が大きく今も関わっています。
重い物を運んだり、土を掘ったり・・・。といったことが体を強くしてくれましたし、ゴルフにおいての飛距離につながっています。
私は元々『馬鹿力』でゴルフをするタイプでしたが、その普通の人よりもちょっと強い馬鹿力を得ることができたのは、重い物をもって腕力はもちろん、背筋や腹筋・足腰が鍛えられたからだと思います。
そしてツルハシを使って掘る仕事は、そのままドライバーなどに活かされています。
効率よく飛ばしていけるコツを体感できたのは、この作業のおかげです。
大きく振りかぶっても、肝心のインパクトで力が抜けてしまったり、緩んでしまったりすれば全く飛ばせません。
逆に少々コンパクトでも、ほんの一瞬、インパクトのときだけグッと握ることができれば、効率良く力を伝えられます。
球数をこなしても疲れにくいですし、コンパクトに振っていけるので、タイミングが取りやすく、安定性も増します。
今、飛距離で悩んでおられるゴルファーは多いと思います。
そういった方には、現場でツルハシを振ることは難しくても、もし畑があれば鍬入れをやってみられるのがいいと思いますし、それも難しいという方も多くいらっしゃると思います。
そういった方々には、やはり定番ですが、金槌で釘を打つのがいいように思います。
まだまだスキルを伸ばせる方ばかりだと思いますし、過去の経験が今になって活きるといことはよくあります。
なので、今回は昔経験した、アルバイトから学んだことを記事に書かせていただきました。
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2019年07月29日
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私のアルバイト経験
今日は、いつもとちょっと内容を変えて、私がこれまで経験したいろいろなアルバイトについて書かせていただきたいと思います。
アルバイトといえば、お金を稼ぐのが目的ですが、私はそれ以外にも『人生経験』を積みたいという目的を持ってアルバイトをしました。
若いうちにいろいろな経験を積んでおきたい・・・。今できることはたくさんチャレンジしておきたい・・・。という思いが強くありました。
社会人になって結婚すれば、やりたいと思ってもできないことが多くなります。
それを自分なりに理解していたのか、今のうちに出来ることは何でもやってやろうという思いが常にありました。

生まれて初めてのアルバイトは新聞配達でした。
朝の3時半に起きて、新聞販売店に行き、自分が配達する量を受け取って配達していました。
この新聞配達は自分から始めてみようと思ったのではなく、クラスメートからの誘いでした。
当時中学一年生で13歳だった私は、クラスメートである親友から、「一緒に新聞配達をやってみないか?」と誘われ、私は二つ返事で了解し、もう一人の友人を加え、仲の良い三人で始めることにしました。
今は中学生がアルバイトをするのは、おそらく厳しいと思いますが、昔はまだそれほど規制が厳しくない時代でした。
両親の承諾と、通っている中学校の校長先生の許可があればできました。
私たち3人は校長室に行って、事情を説明し、すぐに許可がおりました。
むしろ「偉いぞ、頑張れ!」といった感じで、背中を押していただきました。
とても理解のある、大らかな校長先生でした。
柔道の有段者で、背広を着ているよりも柔道着を着ているほうがカッコいい先生でした。

新聞配達というとTVやマンガなどの影響なのか、昔から早朝走って行うというイメージがありますが、私は自分の自転車の荷台に新聞を積んで配達していましたし、実際のところ、走って新聞を配達している人をこれまで見たことがありません。
新聞配達を始めたときは40件の家に配達するのが私に与えられた仕事でした。
販売店の社長さんが、最初からあまり無理をさせないよう、配慮していただいていたのだと思います。
一口に新聞といっても配る家によって配達するものが違っていて、『朝夕の統合版』のようなものもあれば、スポーツ新聞や囲碁将棋・釣りの新聞など様々でした。
午前五時までに配達を終えないと、その家から販売店に苦情の電話が入るということもあり、私は遅れないように必死でした。
住宅が密集した都会ならば、まとめて配りやすくなるというメリットもありますが、覚えづらいというデメリットもあります。
しかし、私が配達していた地域は田舎で、家と家が結構離れていて覚えやすかったので、すぐに40件を頭に入れることができました。
田んぼと田んぼの間に家がある・・・。といった感じの、のどかな風景に溶け込みながら新聞を届けていました。
田舎なので道が狭い山道もあったのですが、そこで一度だけ私の自転車の前をイタチが横切ったことがあります。
また、何も無い家ならばまだいいですが、犬を飼っている家も多く、吠えられることもありましたが、家によって吠える犬と吠えずに尻尾を振る犬がいるので、いつも不思議だな・・・。と思っていました。

私のエリアは田舎で、坂道が多くてアップダウンがきつく、バイク(カブ)で配っている人が羨ましくてなりませんでした。
私はいつもハァハァと息を切らせながら坂道を上っていたのですが、大人の人はバイクで楽に駆け上がっていて、
「早く大人になってバイクに乗りたい・・・。」
と羨ましく思ったのを今でもはっきりと覚えています。
朝早く起きるのが辛いとか、暑い寒いということではなく、バイクに乗れるということがとても羨ましかったです。

しかし当時の私は、まだ13歳の中学生です。
免許はとれないですし、当然バイクも持っていません。
なので、自分の自転車に積んで決められたエリアを回るしかありませんでした。
しかし、自転車があるだけまだマシだと思いましたし、もし自転車が無ければ走って配達しなければならないので、それを考えると、まだ恵まれているな・・・。と思いました。
気候が良くて晴れた日ならば配りやすいですが、そうでないことも多いです。
雨の日の配達は、自分が合羽を着るのはもちろん、新聞が塗れないようにひとつひとつにビニールのカバーをかけなければなりません。

本来ならば私自身が自分の配る新聞にカバーをかけなければならなかったですし、他の配達員の方はそうしていたのですが、私の分は販売店の方があらかじめかけてくださっていました。
いつも私はその優しさに甘えていて、後から思うと感謝とともに申し訳なかったな・・・。と思います。
天気の良い夏の早朝は、とても涼しく気分爽快です。
澄んだ空気を吸いながら、ルンルン気分で配達していました。
しかし、秋から冬にかけて朝は寒さが厳しくなります。
『放射冷却』という言葉が浮かびますが、そのときはまだそんな知識はありません。
冬の過酷さは尋常でありませんでした。
身を切るような寒さなので、私はいつもTシャツなどを重ね着し、最高10枚重ねたこともありました。
今ならば優れたウィンドブレーカーやユニクロのヒートテックなどがあるので、そこまで重ね着しないでいいと思いますが、当時はまだ無かったので、とにかくあるものを重ね着するしか、寒さに対抗する手段はありませんでした。
雪が降る中配達することもありましたし、真っ暗な中、道路が凍って坂道のカーブで転倒したこともありました。
そのときにも、まずは自分のことよりも、とにかく新聞を濡らさない・汚さないという意識が働いて新聞をかばいながら転倒しました。
私は配達する件数が少なかったので、まだいいですが、100件以上配る人はたくさんいて、もっと大変だな・・・。と思ったことをよく覚えています。
年末の配達はとても大変でした。
新聞自体の厚みも違いますし、広告がたくさんあるので、配る量が何倍にも増え、それを何とか自転車に積み込んで、配達しました。
ペダルの重さも増えましたが、『今日だけの我慢』でした。

自分が担当する最後の家を配り終えた先には一台の自動販売機があり、そこで私はいつもピーチネクターを買って喉を潤しました。
今日も配達を終えることができた・・・。という、安堵感と達成感を味わえる瞬間でした。
新聞配達は自分一人で行う仕事ですが、そこに孤独感は無く、配り終えた後の喜びがありました。
季節によってはまだ暗かったですし、朝日を浴びながら飲むこともありましたし、冬の日は配り始める頃は寒くても、配り終えたときにはいつも汗をかきながら、白い息を吐いていました。
まだ慣れない頃は全て配り終えるのが一時間以上掛かってしまいましたが、慣れてくるとすごく早くなりました。

デジタルの腕時計のストップウォッチを押して、今日は一時間を切れたとか、今日は最高タイムが出た・・・。など半分ゲーム感覚で配っていました。
何か楽しいところを見つけないと、心が折れそうになることもあったからです。
配達を終えて自宅に帰り、朝食を済ませ学校に行くという日々を過ごしていました。
周りの級友とは違い、自分はお金を稼いでいるんだ・・・。という、どこか『ちょっぴり大人になった感』のようなものもあったかもしれません。
背伸びをしている自分がいました。
しかし肝心の学業のほうはおろそかで、テストの成績も冴えないので、落ち込む日もありました。
配り始めて一月後に初めての給料をもらいました。
今はアルバイトも銀行振り込みが多いと思いますが、私は一枚の茶封筒で手渡され、ひとりになったときに中身をみると5000円ちょっとでした。
一月頑張って、5000円ちょっとしかもらえないのか・・・。と世間の厳しさといいますか、お金を稼ぐということがどれだけ大変なことなのかと骨身にしみました。
配る家が次第に増えていき、給料もあがり嬉しく思いましたが、それでも今思うと厳しかったように思います。
しかし、お金目的というよりは『人生経験を積む』ということが目的だったので、あまり気にせず、約束の一年が経って、私は新聞配達のアルバイトを終えました。
私のようなものを雇ってくださった販売店の方には、今も感謝しています。

それから成長し、引っ越しのアルバイトをちょっとだけやったことがあります。
本格的というものではなく、人手が足りないときにヘルプ的な感じでやっていました。
普通の一軒家ならいいですが、エレベーターのない公団住宅などはとても大変だった記憶があります。
しかし、重い荷物を積極的に運び、それをトレーニング代わりにしていました。
自分と全く同じ体力がある人がもうひとりいたら、普通の家の家財道具の全ては運べるな・・・。と思えるほど自信を持って仕事をしていました。
大きな冷蔵庫はもちろん、タンスやピアノなども運びました。
まだ話しは続くのですが長くなるので、この続きは後日、また日を改めて書かせていただきたいと思います。
アルバイトといえば、お金を稼ぐのが目的ですが、私はそれ以外にも『人生経験』を積みたいという目的を持ってアルバイトをしました。
若いうちにいろいろな経験を積んでおきたい・・・。今できることはたくさんチャレンジしておきたい・・・。という思いが強くありました。
社会人になって結婚すれば、やりたいと思ってもできないことが多くなります。
それを自分なりに理解していたのか、今のうちに出来ることは何でもやってやろうという思いが常にありました。

生まれて初めてのアルバイトは新聞配達でした。
朝の3時半に起きて、新聞販売店に行き、自分が配達する量を受け取って配達していました。
この新聞配達は自分から始めてみようと思ったのではなく、クラスメートからの誘いでした。
当時中学一年生で13歳だった私は、クラスメートである親友から、「一緒に新聞配達をやってみないか?」と誘われ、私は二つ返事で了解し、もう一人の友人を加え、仲の良い三人で始めることにしました。
今は中学生がアルバイトをするのは、おそらく厳しいと思いますが、昔はまだそれほど規制が厳しくない時代でした。
両親の承諾と、通っている中学校の校長先生の許可があればできました。
私たち3人は校長室に行って、事情を説明し、すぐに許可がおりました。
むしろ「偉いぞ、頑張れ!」といった感じで、背中を押していただきました。
とても理解のある、大らかな校長先生でした。
柔道の有段者で、背広を着ているよりも柔道着を着ているほうがカッコいい先生でした。

新聞配達というとTVやマンガなどの影響なのか、昔から早朝走って行うというイメージがありますが、私は自分の自転車の荷台に新聞を積んで配達していましたし、実際のところ、走って新聞を配達している人をこれまで見たことがありません。
新聞配達を始めたときは40件の家に配達するのが私に与えられた仕事でした。
販売店の社長さんが、最初からあまり無理をさせないよう、配慮していただいていたのだと思います。
一口に新聞といっても配る家によって配達するものが違っていて、『朝夕の統合版』のようなものもあれば、スポーツ新聞や囲碁将棋・釣りの新聞など様々でした。
午前五時までに配達を終えないと、その家から販売店に苦情の電話が入るということもあり、私は遅れないように必死でした。
住宅が密集した都会ならば、まとめて配りやすくなるというメリットもありますが、覚えづらいというデメリットもあります。
しかし、私が配達していた地域は田舎で、家と家が結構離れていて覚えやすかったので、すぐに40件を頭に入れることができました。
田んぼと田んぼの間に家がある・・・。といった感じの、のどかな風景に溶け込みながら新聞を届けていました。
田舎なので道が狭い山道もあったのですが、そこで一度だけ私の自転車の前をイタチが横切ったことがあります。
また、何も無い家ならばまだいいですが、犬を飼っている家も多く、吠えられることもありましたが、家によって吠える犬と吠えずに尻尾を振る犬がいるので、いつも不思議だな・・・。と思っていました。

私のエリアは田舎で、坂道が多くてアップダウンがきつく、バイク(カブ)で配っている人が羨ましくてなりませんでした。
私はいつもハァハァと息を切らせながら坂道を上っていたのですが、大人の人はバイクで楽に駆け上がっていて、
「早く大人になってバイクに乗りたい・・・。」
と羨ましく思ったのを今でもはっきりと覚えています。
朝早く起きるのが辛いとか、暑い寒いということではなく、バイクに乗れるということがとても羨ましかったです。

しかし当時の私は、まだ13歳の中学生です。
免許はとれないですし、当然バイクも持っていません。
なので、自分の自転車に積んで決められたエリアを回るしかありませんでした。
しかし、自転車があるだけまだマシだと思いましたし、もし自転車が無ければ走って配達しなければならないので、それを考えると、まだ恵まれているな・・・。と思いました。
気候が良くて晴れた日ならば配りやすいですが、そうでないことも多いです。
雨の日の配達は、自分が合羽を着るのはもちろん、新聞が塗れないようにひとつひとつにビニールのカバーをかけなければなりません。

本来ならば私自身が自分の配る新聞にカバーをかけなければならなかったですし、他の配達員の方はそうしていたのですが、私の分は販売店の方があらかじめかけてくださっていました。
いつも私はその優しさに甘えていて、後から思うと感謝とともに申し訳なかったな・・・。と思います。
天気の良い夏の早朝は、とても涼しく気分爽快です。
澄んだ空気を吸いながら、ルンルン気分で配達していました。
しかし、秋から冬にかけて朝は寒さが厳しくなります。
『放射冷却』という言葉が浮かびますが、そのときはまだそんな知識はありません。
冬の過酷さは尋常でありませんでした。
身を切るような寒さなので、私はいつもTシャツなどを重ね着し、最高10枚重ねたこともありました。
今ならば優れたウィンドブレーカーやユニクロのヒートテックなどがあるので、そこまで重ね着しないでいいと思いますが、当時はまだ無かったので、とにかくあるものを重ね着するしか、寒さに対抗する手段はありませんでした。
雪が降る中配達することもありましたし、真っ暗な中、道路が凍って坂道のカーブで転倒したこともありました。
そのときにも、まずは自分のことよりも、とにかく新聞を濡らさない・汚さないという意識が働いて新聞をかばいながら転倒しました。
私は配達する件数が少なかったので、まだいいですが、100件以上配る人はたくさんいて、もっと大変だな・・・。と思ったことをよく覚えています。
年末の配達はとても大変でした。
新聞自体の厚みも違いますし、広告がたくさんあるので、配る量が何倍にも増え、それを何とか自転車に積み込んで、配達しました。
ペダルの重さも増えましたが、『今日だけの我慢』でした。

自分が担当する最後の家を配り終えた先には一台の自動販売機があり、そこで私はいつもピーチネクターを買って喉を潤しました。
今日も配達を終えることができた・・・。という、安堵感と達成感を味わえる瞬間でした。
新聞配達は自分一人で行う仕事ですが、そこに孤独感は無く、配り終えた後の喜びがありました。
季節によってはまだ暗かったですし、朝日を浴びながら飲むこともありましたし、冬の日は配り始める頃は寒くても、配り終えたときにはいつも汗をかきながら、白い息を吐いていました。
まだ慣れない頃は全て配り終えるのが一時間以上掛かってしまいましたが、慣れてくるとすごく早くなりました。

デジタルの腕時計のストップウォッチを押して、今日は一時間を切れたとか、今日は最高タイムが出た・・・。など半分ゲーム感覚で配っていました。
何か楽しいところを見つけないと、心が折れそうになることもあったからです。
配達を終えて自宅に帰り、朝食を済ませ学校に行くという日々を過ごしていました。
周りの級友とは違い、自分はお金を稼いでいるんだ・・・。という、どこか『ちょっぴり大人になった感』のようなものもあったかもしれません。
背伸びをしている自分がいました。
しかし肝心の学業のほうはおろそかで、テストの成績も冴えないので、落ち込む日もありました。
配り始めて一月後に初めての給料をもらいました。
今はアルバイトも銀行振り込みが多いと思いますが、私は一枚の茶封筒で手渡され、ひとりになったときに中身をみると5000円ちょっとでした。
一月頑張って、5000円ちょっとしかもらえないのか・・・。と世間の厳しさといいますか、お金を稼ぐということがどれだけ大変なことなのかと骨身にしみました。
配る家が次第に増えていき、給料もあがり嬉しく思いましたが、それでも今思うと厳しかったように思います。
しかし、お金目的というよりは『人生経験を積む』ということが目的だったので、あまり気にせず、約束の一年が経って、私は新聞配達のアルバイトを終えました。
私のようなものを雇ってくださった販売店の方には、今も感謝しています。

それから成長し、引っ越しのアルバイトをちょっとだけやったことがあります。
本格的というものではなく、人手が足りないときにヘルプ的な感じでやっていました。
普通の一軒家ならいいですが、エレベーターのない公団住宅などはとても大変だった記憶があります。
しかし、重い荷物を積極的に運び、それをトレーニング代わりにしていました。
自分と全く同じ体力がある人がもうひとりいたら、普通の家の家財道具の全ては運べるな・・・。と思えるほど自信を持って仕事をしていました。
大きな冷蔵庫はもちろん、タンスやピアノなども運びました。
まだ話しは続くのですが長くなるので、この続きは後日、また日を改めて書かせていただきたいと思います。
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2019年07月27日
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全国高校野球選手権

全国高校野球選手権の地区予選が大詰めを迎えています。
私は高校野球が大好きで、時間があれば自分の出身地とは関係なく観ています。
実際に甲子園球場にも足を運んだことがあり、第一試合から第三試合の途中まで観たことがあります。
美味しい『かち割り』も食べました。
できれば最後の試合まで観たかったのですが、あまりにも長時間でお尻が痛くなり、帰ることにしました。
行き帰りの荷物になってしまいますが、座布団は必須アイテムだな・・・。と思ったことを覚えています。
全国大会に向けて、各地域の予選が大詰めを迎えています。
今年はなんと言っても岩手県の大船渡高校が注目の的でしたが、残念ながら決勝で敗れてしまいました。
佐々木投手を決勝で投げさせなかったということで、高校に苦情の電話が殺到しているということで、驚きました。
いろいろな意見があると思いますが、私は佐々木選手のコンディションを考えて登板させなかった監督の采配には賛成です。
無理をさせるべきではないと思います。
佐々木選手を甲子園で観られないのは残念ですが、仕方のないことだと思います。
数年前の早実の清宮選手のことを思い出しましたが、負けたら終わりの一発勝負なので、どのようになるかは分かりません。

神奈川県の横浜高校も、大阪府の大阪桐蔭も姿を消しました。
意外ではありますが、今はそれだけ各校実力が拮抗しているのだと思います。
岩手県の花巻東高校には甲子園で大暴れして欲しいですし、全ての選手が力を出し切って欲しいです。
今から開幕が楽しみでなりません。
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2019年07月21日
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ゴルフとプロレスラー
今日は、いつもとちょっと違った内容の記事を書かせていただきたいと思います。
私はゴルフが大好きで、年中ゴルフのことばかり考えているのですが、同時にスポーツや格闘技を観戦するのも好きで、TV観戦はもちろん、時間があれば直接会場に行くこともあります。
スポーツでいえばゴルフや野球・テニス・バレーボール・バドミントン・卓球・ラグビーなど様々です。
空手や柔道・剣道・合気道などの武道も好きで、武道をやっておられる方を私はリスペクトしています。
ボクシングやプロレス・キックボクシングなど『リングの格闘技』も好きで、時々会場まで足を運び、生でその迫力を感じています。

リングを見ると、なんといいますか、胸に熱いものがこみあげてきて、気持ちの高ぶりを抑えられません。
この『四角いジャングル』には、男のロマンが詰まっています。

武道の聖地といえば、やはり日本武道館でしょうか。
空手や柔道・剣道など、あらゆる武道の大会が開催されていますし、大きなコンサート会場でもあります。

そして、東京ドームも格闘技やプロレスの大きな大会が開催されることもありますし、武道館よりも大きなコンサート会場です。
昔、ミュージシャンは「いつか武道館のステージへ立つ』が目標でしたが、今は『ドームのステージに立つ』ことが目標といえるでしょうか?
東京ドームのこけら落としの年(1988年)から私は東京ドームに行っていますが、実際に中で見ることはできなかったけど特に強く印象に残っているのが、マイク・タイソンさんのボクシング。
そして美空ひばりさんの復活コンサート。
そしてBOØWYのLAST GIGSです。
この3つは今でも強いインパクトを残していますし、LAST GIGSは今でもブルーレイでよく見ています。
私は東京ドームにはよく行きますし、コンサートはもちろん、プロレスも観に行ったことがあります。
ただ、アリーナ席ならばまだしも、スタンド席で観ているので、あれほど大きなプロレスラーがとても小さく見えてしまいますし、コンサートでステージに立つミュージシャンを見ても、小さすぎてよく見えません。
なので、ステージ横に掲げられている大きなモニターを見ることになるのですが、これなら家でDVDを見ているのとあまり変わらないなと思ったことがあります。
おまけに東京ドームはコンサートを目的に作られた会場ではなく、あくまでも野球場なので、音響が良くないと感じることが多いです。
あるコンサートではいい感じだったけど、また別のコンサートでは良くない音だったということは今でもよくあります。
セットで組まれたステージの後ろには、照明などを吊っておく為のクレーン車がむき出しになっていて、これは仕方ないことだと思うのですが、興ざめしたことがあります。


東京ドームはやはり野球観戦が一番です。
最近はなかなか行けていませんが、年に数試合は見ていて、売り切れで当日券も無いということもよくあるので、そういったときはおとなしくTV観戦しています。
東京ドームでの公式戦初ホームランはヤクルトスワローズのデシンセイ選手だったこともTV観戦していて覚えています。
初めての東京ドームのホームランを誰が打つのか、よく見て覚えておこう・・・。と決めていました。
武道館や東京ドーム。
そして有明コロシアムや両国国技館など素晴らしい会場はたくさんありますが、『格闘技の聖地』といえば、やはり『後楽園ホール』ではないでしょうか?
東京ドームのすぐ隣にある、歴史のある会場です。
フィクションではありますが、『あしたのジョー2』で矢吹丈とカーロス・リベラが大晦日にファイトした場所です。
後楽園ホールは東京ドームと比べると、かなり小さなスペースですが、私たち格闘技ファンにとってかけがえのない場所です。
他の会場にはない、後楽園ホールならではの一体感が味わえます。
選手との距離も近いので目が合うこともありますし、試合前のグッズ売り場では選手が直接Tシャツやパンフレットなどを売っていることもあります。
後楽園ホールへはエレベーターで行くのもいいですが、私はいつも脇の階段を上がっていきます。
壁には多くのファンによるメッセージが書かれていて、胸を熱くさせます。
中には選手本人のメッセージやサインを見ることもできます。

プロレスはもちろん、

ボクシングや

キックボクシングなど、様々な格闘技の試合が『ほぼ毎日』開催されています。
格闘技はTVで見るよりも、『生が一番』です。
あの迫力はTVでは伝わりません。
後楽園ホールは大きくない会場なので、選手を間近に見ることができるのもいいです。
特に通路側の席だと、選手が手の届く場所まで来てくれます。

既に他界した私の父はゴルフが大嫌いだったと以前書かせていただいたのですが、ボクシングやプロレスなどは大好きだったので、父の影響で私も好きになり、よく一緒に会場まで行きました。
ボクシングやキックボクシングではないですが、プロレスは『ベビーフェース』と『ヒール』に分かれていて、ヒール役の外国人レスラーは暴れながら入場してくることもあり、観客は一斉に逃げ出すのですが、私は逃げずに席から離れませんでした。
いろいろな外国人レスラーを見てきましたが、特に印象に強く残っているのが『クラッシャー・バンバン・ビガロ』さんです。
頭にタトゥーがあり、風船のような丸っこい体からパワフルなワザをかけるヒールレスラーです。
彼が入場してきたときも観客は一斉に逃げて、私の近くまで来たのですが、危害を加えられなかったですし、近くにいた小さな子供を見たときに、一瞬表情が緩んで優しい顔になったのを私は見逃しませんでした。
彼はヒール役を演じているけど、本当はとても優しくて頭のいいジェントルマンなんだな・・・。と思ったことを覚えています。
もう亡くなってしまったのが、残念でなりません。

ゴルフクラブ試打日記はゴルフクラブについてのことを書くブログなのに、どうしてこんな関係のないことを今日書かせていただいたのかといいますと、私は実際にプロレスラーがゴルフをするのを見ることができたからです。
そのことをいつか記事に書かせていただきたいと思っていました。

かなり前になりますが、私がよく行っていたゴルフ場に、偶然ある老舗プロレス団体のレスラーがゴルフをプレーしに来ていて、その場面に遭遇できました。
プロレスファンでなくても、あれだけ『ガタイ』が良くて大きな男たちがいたら、誰もが気づくと思いますし、私はプロレスファンなのですぐに選手がわかりました。
普段から見慣れていないというのもあると思うのですが、やはりプロレスラーはポロシャツではなくて裸が一番似合うしカッコいいな・・・。と思ったことを覚えています。
リングでは厳しい表情でも、ゴルフ場では緩みっぱなしで優しい顔をしていました。
プロレスラーは、といいますか、その団体だけかもしれませんが、地方巡業の途中で時々ゴルフをすることもあるそうです。
その偶然に、私は立ち会うことが出来ました。

私はゴルフを始めたときから、飛ばすことばかりを考えてきましたが、あれだけ大きな選手がゴルフをしたら、どれだけ飛ぶのだろう・・・?と、興味がすごく湧きました。
300ヤードどころではない、400ヤードあるいは500ヤードくらいは飛ばすんじゃないかな?と思っていました。
パワーがあれば何でもできると思っていましたし、常人離れしたパワーをもつプロレスラーがゴルフにおいて、どれだけのポテンシャルを発揮するのかが楽しみでなりませんでした。

練習グリーンで球を転がして、1番ホールのティーイングエリアに選手たちは向かいました。
私を含め、何人かの人はついていって、ティショットを見守ることにしました。
前の組が進み、ようやく選手たちの番になり、順番にティショットしていきました。

???
いきなり、私は『面食らい』ました。
予想とは全くかけ離れていたからです。
飛ばないのです。
それが期待していた400ヤードあるいは500ヤード飛ばないというのではなく、一般のゴルファーよりも飛んでいないのです。

あれだけの筋骨隆々の選手たちが放つドライバーショットが全く飛ばず、威力もないのです。
ボールが潰れて割れちゃうんじゃないかな?という予想もことごとく裏切られました。
もちろん、選手たちは普段からゴルフの練習をしているわけではないので、ナイスショットが連発することもなく、『チョロ』や『空振り』をする選手もいました。
チョロしなくても大きく曲げてしまう選手がほとんどでした。
そして、ヘッドスピードも思っていたよりも速くありません。

現役の選手よりも、既に引退された『鬼軍曹』の方のほうが明らかに飛ばしていました。
体も一番小さいですが、ゴルフのキャリアがあって、スイングがしっかりしている『現役ではない』方のほうが飛んでいました。
後ろからだったので、はっきりとは分かりませんが、260ヤード以上は飛んでいたように記憶しています。
しかし、現役の選手は200ヤードくらいしか飛んでいませんでした。
私はどうしてもそのことが不思議でならず、当時通っていたスポーツジムのインストラクターに話したら、それは当然のことだと言われました。
プロレスラーの体の作り方と、ゴルフに適した体の作り方は異なるところが多いのだそうです。
特に『大胸筋』が発達しすぎてしまうと、飛距離において不利になるということでした。
そしていくら筋肉があっても、正しいスイングができていないとボールにパワーが伝わらずに飛ばないのだそうです。
よく考えてみればそれは当然のことだな・・・。と思いました。
同じ走るスポーツでも短距離と長距離では選手の体つきが全く違います。
瞬発系と持久系では使うものが違って当然です。
もちろん、プロレスラーの方がゴルフを真剣に練習し、正しいスイングを身につければもっと飛ばせるようになるのは間違いないですが、スイングの邪魔になる筋肉をつけてしまっている可能性が高いのだそうです。
ゴルフ場で思いもかけず、プロレスラーのゴルフを生で見ることができ、貴重な体験をすることができました。

その時は、何だ・・・。飛ばないじゃん・・・。と思ってしまいましたが、今思うと、それでいいと思いますし、ゴルフが上手かったら、普段プロレスの練習をしていないのかな?と思ってしまいます。
プロレスに限らずボクシングなどもそうですが、危険と隣り合わせのスポーツなので、普段の練習や健康管理は欠かせません。
ゴルフが上手くなるのは現役を引退してからかもしれません。
そんなことを感じました。
ゴルフクラブ試打日記はゴルフクラブに関するブログですし、それをずっと目指して記事を書いてきましたが、それだけだととても窮屈なので、時々はこういったエッセイといいますか、過去に経験したことも書かせていただきたいと思います。
これからもどうかよろしくお願いします。
私はゴルフが大好きで、年中ゴルフのことばかり考えているのですが、同時にスポーツや格闘技を観戦するのも好きで、TV観戦はもちろん、時間があれば直接会場に行くこともあります。
スポーツでいえばゴルフや野球・テニス・バレーボール・バドミントン・卓球・ラグビーなど様々です。
空手や柔道・剣道・合気道などの武道も好きで、武道をやっておられる方を私はリスペクトしています。
ボクシングやプロレス・キックボクシングなど『リングの格闘技』も好きで、時々会場まで足を運び、生でその迫力を感じています。

リングを見ると、なんといいますか、胸に熱いものがこみあげてきて、気持ちの高ぶりを抑えられません。
この『四角いジャングル』には、男のロマンが詰まっています。

武道の聖地といえば、やはり日本武道館でしょうか。
空手や柔道・剣道など、あらゆる武道の大会が開催されていますし、大きなコンサート会場でもあります。

そして、東京ドームも格闘技やプロレスの大きな大会が開催されることもありますし、武道館よりも大きなコンサート会場です。
昔、ミュージシャンは「いつか武道館のステージへ立つ』が目標でしたが、今は『ドームのステージに立つ』ことが目標といえるでしょうか?
東京ドームのこけら落としの年(1988年)から私は東京ドームに行っていますが、実際に中で見ることはできなかったけど特に強く印象に残っているのが、マイク・タイソンさんのボクシング。
そして美空ひばりさんの復活コンサート。
そしてBOØWYのLAST GIGSです。
この3つは今でも強いインパクトを残していますし、LAST GIGSは今でもブルーレイでよく見ています。
私は東京ドームにはよく行きますし、コンサートはもちろん、プロレスも観に行ったことがあります。
ただ、アリーナ席ならばまだしも、スタンド席で観ているので、あれほど大きなプロレスラーがとても小さく見えてしまいますし、コンサートでステージに立つミュージシャンを見ても、小さすぎてよく見えません。
なので、ステージ横に掲げられている大きなモニターを見ることになるのですが、これなら家でDVDを見ているのとあまり変わらないなと思ったことがあります。
おまけに東京ドームはコンサートを目的に作られた会場ではなく、あくまでも野球場なので、音響が良くないと感じることが多いです。
あるコンサートではいい感じだったけど、また別のコンサートでは良くない音だったということは今でもよくあります。
セットで組まれたステージの後ろには、照明などを吊っておく為のクレーン車がむき出しになっていて、これは仕方ないことだと思うのですが、興ざめしたことがあります。


東京ドームはやはり野球観戦が一番です。
最近はなかなか行けていませんが、年に数試合は見ていて、売り切れで当日券も無いということもよくあるので、そういったときはおとなしくTV観戦しています。
東京ドームでの公式戦初ホームランはヤクルトスワローズのデシンセイ選手だったこともTV観戦していて覚えています。
初めての東京ドームのホームランを誰が打つのか、よく見て覚えておこう・・・。と決めていました。
武道館や東京ドーム。
そして有明コロシアムや両国国技館など素晴らしい会場はたくさんありますが、『格闘技の聖地』といえば、やはり『後楽園ホール』ではないでしょうか?
東京ドームのすぐ隣にある、歴史のある会場です。
フィクションではありますが、『あしたのジョー2』で矢吹丈とカーロス・リベラが大晦日にファイトした場所です。
後楽園ホールは東京ドームと比べると、かなり小さなスペースですが、私たち格闘技ファンにとってかけがえのない場所です。
他の会場にはない、後楽園ホールならではの一体感が味わえます。
選手との距離も近いので目が合うこともありますし、試合前のグッズ売り場では選手が直接Tシャツやパンフレットなどを売っていることもあります。
後楽園ホールへはエレベーターで行くのもいいですが、私はいつも脇の階段を上がっていきます。
壁には多くのファンによるメッセージが書かれていて、胸を熱くさせます。
中には選手本人のメッセージやサインを見ることもできます。

プロレスはもちろん、

ボクシングや

キックボクシングなど、様々な格闘技の試合が『ほぼ毎日』開催されています。
格闘技はTVで見るよりも、『生が一番』です。
あの迫力はTVでは伝わりません。
後楽園ホールは大きくない会場なので、選手を間近に見ることができるのもいいです。
特に通路側の席だと、選手が手の届く場所まで来てくれます。

既に他界した私の父はゴルフが大嫌いだったと以前書かせていただいたのですが、ボクシングやプロレスなどは大好きだったので、父の影響で私も好きになり、よく一緒に会場まで行きました。
ボクシングやキックボクシングではないですが、プロレスは『ベビーフェース』と『ヒール』に分かれていて、ヒール役の外国人レスラーは暴れながら入場してくることもあり、観客は一斉に逃げ出すのですが、私は逃げずに席から離れませんでした。
いろいろな外国人レスラーを見てきましたが、特に印象に強く残っているのが『クラッシャー・バンバン・ビガロ』さんです。
頭にタトゥーがあり、風船のような丸っこい体からパワフルなワザをかけるヒールレスラーです。
彼が入場してきたときも観客は一斉に逃げて、私の近くまで来たのですが、危害を加えられなかったですし、近くにいた小さな子供を見たときに、一瞬表情が緩んで優しい顔になったのを私は見逃しませんでした。
彼はヒール役を演じているけど、本当はとても優しくて頭のいいジェントルマンなんだな・・・。と思ったことを覚えています。
もう亡くなってしまったのが、残念でなりません。

ゴルフクラブ試打日記はゴルフクラブについてのことを書くブログなのに、どうしてこんな関係のないことを今日書かせていただいたのかといいますと、私は実際にプロレスラーがゴルフをするのを見ることができたからです。
そのことをいつか記事に書かせていただきたいと思っていました。

かなり前になりますが、私がよく行っていたゴルフ場に、偶然ある老舗プロレス団体のレスラーがゴルフをプレーしに来ていて、その場面に遭遇できました。
プロレスファンでなくても、あれだけ『ガタイ』が良くて大きな男たちがいたら、誰もが気づくと思いますし、私はプロレスファンなのですぐに選手がわかりました。
普段から見慣れていないというのもあると思うのですが、やはりプロレスラーはポロシャツではなくて裸が一番似合うしカッコいいな・・・。と思ったことを覚えています。
リングでは厳しい表情でも、ゴルフ場では緩みっぱなしで優しい顔をしていました。
プロレスラーは、といいますか、その団体だけかもしれませんが、地方巡業の途中で時々ゴルフをすることもあるそうです。
その偶然に、私は立ち会うことが出来ました。

私はゴルフを始めたときから、飛ばすことばかりを考えてきましたが、あれだけ大きな選手がゴルフをしたら、どれだけ飛ぶのだろう・・・?と、興味がすごく湧きました。
300ヤードどころではない、400ヤードあるいは500ヤードくらいは飛ばすんじゃないかな?と思っていました。
パワーがあれば何でもできると思っていましたし、常人離れしたパワーをもつプロレスラーがゴルフにおいて、どれだけのポテンシャルを発揮するのかが楽しみでなりませんでした。

練習グリーンで球を転がして、1番ホールのティーイングエリアに選手たちは向かいました。
私を含め、何人かの人はついていって、ティショットを見守ることにしました。
前の組が進み、ようやく選手たちの番になり、順番にティショットしていきました。

???
いきなり、私は『面食らい』ました。
予想とは全くかけ離れていたからです。
飛ばないのです。
それが期待していた400ヤードあるいは500ヤード飛ばないというのではなく、一般のゴルファーよりも飛んでいないのです。

あれだけの筋骨隆々の選手たちが放つドライバーショットが全く飛ばず、威力もないのです。
ボールが潰れて割れちゃうんじゃないかな?という予想もことごとく裏切られました。
もちろん、選手たちは普段からゴルフの練習をしているわけではないので、ナイスショットが連発することもなく、『チョロ』や『空振り』をする選手もいました。
チョロしなくても大きく曲げてしまう選手がほとんどでした。
そして、ヘッドスピードも思っていたよりも速くありません。

現役の選手よりも、既に引退された『鬼軍曹』の方のほうが明らかに飛ばしていました。
体も一番小さいですが、ゴルフのキャリアがあって、スイングがしっかりしている『現役ではない』方のほうが飛んでいました。
後ろからだったので、はっきりとは分かりませんが、260ヤード以上は飛んでいたように記憶しています。
しかし、現役の選手は200ヤードくらいしか飛んでいませんでした。
私はどうしてもそのことが不思議でならず、当時通っていたスポーツジムのインストラクターに話したら、それは当然のことだと言われました。
プロレスラーの体の作り方と、ゴルフに適した体の作り方は異なるところが多いのだそうです。
特に『大胸筋』が発達しすぎてしまうと、飛距離において不利になるということでした。
そしていくら筋肉があっても、正しいスイングができていないとボールにパワーが伝わらずに飛ばないのだそうです。
よく考えてみればそれは当然のことだな・・・。と思いました。
同じ走るスポーツでも短距離と長距離では選手の体つきが全く違います。
瞬発系と持久系では使うものが違って当然です。
もちろん、プロレスラーの方がゴルフを真剣に練習し、正しいスイングを身につければもっと飛ばせるようになるのは間違いないですが、スイングの邪魔になる筋肉をつけてしまっている可能性が高いのだそうです。
ゴルフ場で思いもかけず、プロレスラーのゴルフを生で見ることができ、貴重な体験をすることができました。

その時は、何だ・・・。飛ばないじゃん・・・。と思ってしまいましたが、今思うと、それでいいと思いますし、ゴルフが上手かったら、普段プロレスの練習をしていないのかな?と思ってしまいます。
プロレスに限らずボクシングなどもそうですが、危険と隣り合わせのスポーツなので、普段の練習や健康管理は欠かせません。
ゴルフが上手くなるのは現役を引退してからかもしれません。
そんなことを感じました。
ゴルフクラブ試打日記はゴルフクラブに関するブログですし、それをずっと目指して記事を書いてきましたが、それだけだととても窮屈なので、時々はこういったエッセイといいますか、過去に経験したことも書かせていただきたいと思います。
これからもどうかよろしくお願いします。
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2019年06月09日
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初めて手にしたアイアン
今日は、いつもと内容を変えまして、私が初めて手にしたアイアンを紹介させていただきたいと思います。
それは、

King of birds です。
私が初めて購入したアイアンは、ホンマのPP-727というアイアンだったのですが、『初めて手にした』ということでいえば、このKing of birdsというアイアンです。
以前ドライバーを紹介させていただいたことがあるのですが、このアイアンはそのセットのアイアンです。
セットといってもフルセットではなく、ハーフセットです。
私がゴルフを始めるきっかけになったのは、先輩からの誘いでした。
今よりも上下関係が厳しい時代だったので、先輩からの問いや誘いに『NO』という選択肢はありませんでした。
私たち後輩は『はい』しか言えませんでした。
以前も書きましたが、先輩がカラスは白いといえば、白い・・・。という世界です。
その方はとても厳しい先輩でしたが、先輩風を吹かせて無茶なことを命令することもなく、私たち後輩にとって、とても温かく目標となる存在でもありました。
その先輩からの誘いによって私はゴルフに熱中することになったのですが、今ではとてもありがたいと思っています。
先輩から急に誘われて、クラブも持っていないのにどうしよう・・・。と困っていたときに、人から譲り受けたのが、このクラブです。
メーカー品ではなく、King of birdsというセット物のアイアンです。
しかも、レディス用です。
以前、ドライバーを紹介させていただいたので、いつかアイアンを紹介させていただこうと思い、今日練習場に持って行きました。

シャフトはオリジナルスチールで、クラブ総重量は427gです。

今時珍しいマッスルバックアイアンです。
一時期に比べ、今は少しずつマッスルバックが増えてきましたが、まだまだ少数派です。
今はプロなどごく一部しか見られませんが、昔は女性も男性と同じように普通にマッスルバックを使っていました。
もちろんキャビティもありましたが、今ほどバリエーションに富んでいませんでした。
女性用のマッスルバックを初めて見たという方もいらっしゃると思いますし、信じられないという方もいらっしゃるかもしれませんが、昔はこれが普通でした。
男性は今でも見られますが、女性でマッスルバックを使うという方は、今はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
私が今でもマッスルバックに対して拒絶感や苦手意識をもたないのは、『初めて使ったアイアン』や『初めて購入したアイアン』がマッスルバックだったからかもしれません。
特に今のマッスルバックは研究が進み、昔より格段に打ちやすくなっているので、敬遠すべきではないと思っていますし、その極上の打感と扱いやすさを多くの方に体感していただきたいと思っているので、試打をすれば必ず記事に書くようにしていますし、友人たちにも勧めています。

すごくシンプルな形状です。
今はラージサイズのポケットキャビティが多いですが、このアイアンは小顔タイプで、ヘッド体積でいえば、およそ半分くらいではないか?と思えるほど小さく感じられます。
今のように『至れり尽くせり』のクラブではなく、『易しさ』は追求されていません。
『技術の抜け穴』が、かなり多いように思います。
気難しいタイプでも、練習を積んで慣れていくしかありませんでした。

かなりシャープな形状です。
今は分厚いタイプが多いですが、このアイアンはとても薄くてシャープです。
この形状に苦手意識をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。

ソールは独特で、『フィン(ひれ)』のようになっていますが、これは少し重心を下げる意味合いがあったのではないでしょうか?

彫りは浅く、普通のマッスルバックといっていいように思います。
完全な『フラットバック構造』ではありませんが、これでも最大限の工夫だったのかもしれません。
今のように、クラブ開発への技術が進んでいない時代です。

トップラインも厚くなく、ちょうどいい感じです。
厚めを好まれる方には、少し狭く見えるかもしれません。

ソール幅は標準的です。
これくらいのソール幅は今でも見られます。
ワイドなタイプが多くなりましたが、これくらいのソールもよく見られます。
今はソールにタングステンなどの異材が組み込まれているのが普通になりましたが、この頃はあり得ないことでした。
『複合素材』でなく、『単一素材』で勝負していくしかなく、クラブの性能の差が小さい時代です。
クラブの性能ではなく、ゴルファーのもつスキルやポテンシャルがショットの成否を大きく分けていましたが、今ではその割合が大きく変わり、クラブが大きな鍵を握る時代になりました。

リーディングエッジは小さく削られています。
均一な削りではないので、機械というよりは手で削ったような感じです。

ネックの長さは適度にありますが、それほどロングではないですし、今でもよく見られる長さです。
こうして見ていても、何となくですが、『ひ弱な』といいますか、『大丈夫かな?』と思ってしまうような『か弱さ』が感じられます。
『力感』を感じさせない外観ですが、当時はそんなことを全く気にしていませんでした。
いろいろ経験をして、いろいろなことを感じ取れるようになったのかもしれません。

メッキが今ほど丁寧ではありませんでした。
メッキが薄く、周りの湿気を吸ってすぐに錆が浮いてしまいます。
何度綺麗に磨いても、このようになります。
今のアイアンはメッキがとても綺麗なので、このような錆は見られません。

フェース面はとてもシンプルです。
このフェース面を見て、あの『名器中の名器』と呼ばれる『スポルディングの赤トップ』をいつか買うぞ・・・。と思ったことを思い出しました。
あとはマグレガーやパワービルトのアイアンにも憧れていました。
今はいろいろな工夫がされているアイアンが多くなりましたが、昔はそんな工夫はありませんでした。
フェースの質感も、それほどよくありません。
今のアイアンのフェース面の質感と、大きく異なります。
今、このような質感のアイアンを作っても、おそらく売れにくいと思います。
ヘッド全体もそうですが、このフェース面も、かなり錆が見られます。
フェースにミーリングはありませんが、フェース面の錆がミーリングの役目を果たすのではないか?と思えるほど錆が浮いていました。

装着されているグリップは当時のままです。
久しぶりに握ってみて、懐かしいな・・・。と思いました。
ほとんど使っていないせいか、大きな消耗や摩耗は見られません。

ドライバーのときにも書きましたが、シャフトには『物品税証紙』というシールが貼られています。
これはドライバーやアイアンなどに限らず、クラブ一本一本に貼られていました。
消費税が適用される前は物品税が商品にかけられていました。
当時、ゴルフは『贅沢』ということで、ゴルフクラブには高い税率が掛けられていました。
今は物品税がないので、このようなシールを見たことがないという方が大半だと思いますが、昔はこれが普通で、特に気にとめることもありませんでした。
こういう昔のクラブが歴史を語ってくれているようです。

久しぶりに、こうしてボールを前にして構えてみたのですが、懐かしいな・・・。と思いました。
この初めて手にしたアイアンもそうですし、初めて購入したホンマのアイアンもストレートネックということで、私のストレート好きが確定したのかもしれません。
その頃、もしピンのような強いグースタイプを使っていたら今頃、グースタイプを好んで使っていたかもしれません。
昔はストレートネックとはグースネックということを考えることもなかったですし、とにかく最初に購入するのは『ホンマ PP-727』という『決め打ち』だったので、私のストレート好きは既に決まっていたような気がします。
鳥は生まれて初めて見たものを親と認識するというのは有名ですし、それはインプリンティングというのだと聞いたことがあるのですが、私の場合もそれに近いものがあるのかもしれません。
アイアンはストレートという『刷り込み』が私の中でできてしまったような気もします。
ああ、こんな感じだったな・・・。打感や打ち出しの勢いが、少し頼りない感じだったな・・・。と、こうして構えてみて思い出しました。
久しぶりに球を打ってみました。

『打感』は、まずまずでした。
懐かしく、なかなかいい感じでしたが、今のマッスルバックのほうが打感はいいです。

『球のあがりやすさ』は普通です。
昔ながらのマッスルバックアイアンで、7番らしい打ち出しの高さがあります。
今のアイアンは同じ7番でもロフトがバラバラなので、打ち出しのイメージが合わないことも多いのですが、昔はメーカーが違っていても『統一感』がありました。
『スタンディングロフト』で笑う人もいれば、逆に泣く人もいるのではないでしょうか?

『安定性』という点でも、マッスルバックらしいシビアさがあり、易しさを追求したモデルではありません。
イージー系のアイアンを使い慣れておられる方には、かなり気難しく感じられるような気もします。
私はヘッドの形状というよりも、『短さ』に難しさを感じました。
かなり短く感じたので、いつも通りのスタンスはとれなくて、近くに立って打ちました。

今日は、エポンファンの友人と一緒に練習に来ていて、彼がこのアイアンを貸してくれたので、見比べてみることにしました。
EPON AF-Tour の7番です。
彼にエポンを紹介してすっかり虜になって、ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パター・キャディバッグ・キャップなど、全てエポンで揃えています。
しかもワンセットだけではなく、数セットもっています。
私と同じように、彼もクラブを『目で楽しむタイプ』のようで、部屋に飾ってあるエポンのクラブを見るのがたまらないのだそうです。
彼は私にエポンというクラブを教えてくれてありがとう・・・。と言ってくれたことがあるのですが、彼は私にいつもこうしてエポンのクラブを貸してくれているので、私こそ彼にお礼を言いたいですし、今日も貸してもらったので、ありがとうと言いました。
特に私が強い思い入れをもっている『AF-101』というドライバーをよく貸してくれます。
私がいつでも打てるようにと、いつもバッグに入れていますし、傷をつけないように大切に扱ってくれています。
彼の友情に感謝です。

昔のマッスルバックと今のマッスルバックですが、こうして見比べてみても、ほとんど大きさは変わりません。
『メッキの質』などは圧倒的にエポンですが、大きさや形状などは大きな違いは見られません。
昔も今も、これが『スタンダード』だからではないでしょうか?

ソール幅は、右側のエポンのほうが少し狭いです。

ネックの長さも、エポンのほうが少し長いです。

顔の違いも多少ありますが、どちらも大きさは適正ですし、クセのなさが魅力です。
エポンのAF-Tourもストレートタイプではありますが、どちらかというと『セミグーズ』的な印象をもっていて、こうして見比べ見ると、やはりAF-Tourのグースが目につきます。
こうして見ていると、やはりKing of birdsはクラシカルな顔をしています。

長さを見比べてみたのですが、このように大きな違いがありました。
エポンのマッスルバックは36.5インチなので、数インチ短いことが判ります。
もちろんレディス用のアイアンなので、短いのは当然なのですが、当時はそんなことを全く気にしませんでした。
当然、『ロフト角』や『ライ角』などにも注意がいかなかったですし、『重さ』にも無関心でした。
ゴルフクラブとはこんなものだという認識がありましたし、『ある物を使う』・・・。これしかありませんでした。
これだけ今のクラブが進化するとは思ってもみませんでしたが、それは各メーカーの努力の賜物です。

実際に打ち比べてみたのですが、打感は圧倒的にエポンのほうがいいです。
『芯の広さ』というよりも、『芯への当てやすさ』といったらいいでしょうか?
打つ度に、いい感触が手に伝わってきます。
King of birdsのほうは少し弱い感じですが、それでも今のフィーリングの良くないアイアンよりは、ずっといいです。
このアイアンやホンマのPP-727という極上のアイアンを、まだキャリアの浅い打ちから使い続けることができて、打感にもこだわることができるようになったのだと思いますし、自分なりの『物差し』ができたような気がします。
その頃は、キャビティアイアンには全く興味がありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、ほぼ互角な感じですが、私はエポンのほうが、イメージが合いやすくて好きです。
ヘッド全体の雰囲気もそうですし、『適度な長さ』が打ち出しのイメージを色濃くさせてくれているように感じました。
私は7番アイアンのロフトは『36度』がスタンダードという認識をもっていて、基本『4度ピッチ』で前後していくのですが、昔は37度や38度も普通にありました。

『飛距離性能』も大きく違いました。
エポンAF-Tourも今のアイアンの中では、決して飛ぶほうではないですし、むしろ『飛ばないほう』といったほうが正しいです。
それでも、こうして打ち比べてみて、大きな差を感じました。
キャリーも違いますし、球の勢いもかなりの差があります。

『操作性』という点では、どちらもいいですが、やはり AF-Tourのほうが扱いやすいです。
こちらのイメージをしっかりと受け取ってくれます。
King of birdsは久しぶりだったということもあると思いますが、軽さや短さなどが難しく感じられるところでもありました。

エポンの素晴らしいマッスルバックアイアンと打ち比べるのは酷かな?と思うところもあったのですが、こうして久しぶりに実際に球を打ってみて、昔の懐かしい記憶が蘇ってきました。
練習場はもちろん、コースでも人生で初めて使ったアイアンなので、その初ラウンドのことが思い出されました。
とにかく先輩に迷惑をかけてはいけない・・・。と思いながら必死で打ちましたが、当然ながら上手くいきませんでした。
そんな焦る私を、先輩は温かい目で見守ってくれていました。
晴れの日の早朝に、二人っきりのラウンドだったのですが、ルールやマナーを厳しく叩き込まれましたし、クラブを構えてみろ・・・。といって、このアイアンを手にしながら、いろいろと教えてもらったことを覚えています。
私は帽子を取って直立不動で先輩の話を聞いていたのですが、それが普通でしたし、今でも懐かしく楽しい思い出になっています。

ゴルフはお金が掛かるから、なるべくやらないでおこう・・・。と思っていたのですが、すぐにハマってしまい、それが今でも続いています。
その先輩とは今でもお付き合いをさせていただいていますし、お互いなかなか時間が合いませんが、時間が合えば年に数回は一緒にラウンドしています。
私は今でも先輩の前では直立不動で帽子を取って話しを聞きますが、先輩は苦笑いをしながら、
「もう学生時代じゃないんだから止めてくれ・・・。あれから何年経っていると思ってるんだ。普通の友人として接してくれ・・・。敬語も使わないでいい。」
と言われたことがあるのですが、私にはできません。
先輩にはいつも敬語ですし、帽子を取って直立不動で緊張感をもって接しています。
それは昔のクセが抜けないということもあるのかもしれませんが、それ以上に私がその先輩に対して敬意を持っているからだと思います。
ゴルフだけでなく、いろいろなことを教わり感謝しています。
以前紹介させていただいたドライバーもそうですが、このアイアンを手に取ってみて、昔の懐かしい記憶が蘇ってきました。
ゴルフクラブはゴルファーにとって、単に球を打つだけの道具ではないと強く感じさせてくれます。
ゴルファーとしての成長を、ずっと見続けてくれた存在といっていいのかもしれません。

その頃から先輩はすごくゴルフに熱中していましたが、今では私のほうがはるかに熱中していますし、その炎は消えることなく、今も大きく燃え続けています。
「昔は馬鹿力だけのゴルフだったけど、寄せやパターが上手くなったな・・・。」と褒められたことがあり、とても嬉しかったことをまるで昨日のことのように覚えています。

このアイアンは私にとって初めてのアイアンだったのですが、以前書かせていただいたドライバーほど、長くは使っていないですし、思い入れも強くありません。
すぐにPP-727を購入したからです。
ただ、初めて手にしたアイアンですし、初心を忘れないようにする為、人に譲ることなく、今でも倉庫に保管しています。

ゴルフクラブはゴルファーにとっての大切な相棒であると同時に、ゴルファーの歴史を刻んでいるものなんだな・・・。と、このアイアンを手にして改めて思いました。
今でもゴルフが下手ですし課題は多いですが、その頃より少しは上達していると思いますし、ゴルフへの興味は尽きません。
久しぶりにこのアイアンを手にしましたが、このアイアンは今の私のことをどう思っているのかな?少しは上達したと思ってくれたかな?と思いながら、このアイアンで球を打つことを止め、普通の練習に切り替えました。
私は素晴らしいゴルフ仲間に恵まれていますが、それだけでなく、たくさんのいいクラブとの出会いに恵まれた、幸せなゴルファーです。
ゴルフのおかげで、人生が豊かになったのは間違いありません。
それは、

King of birds です。
私が初めて購入したアイアンは、ホンマのPP-727というアイアンだったのですが、『初めて手にした』ということでいえば、このKing of birdsというアイアンです。
以前ドライバーを紹介させていただいたことがあるのですが、このアイアンはそのセットのアイアンです。
セットといってもフルセットではなく、ハーフセットです。
私がゴルフを始めるきっかけになったのは、先輩からの誘いでした。
今よりも上下関係が厳しい時代だったので、先輩からの問いや誘いに『NO』という選択肢はありませんでした。
私たち後輩は『はい』しか言えませんでした。
以前も書きましたが、先輩がカラスは白いといえば、白い・・・。という世界です。
その方はとても厳しい先輩でしたが、先輩風を吹かせて無茶なことを命令することもなく、私たち後輩にとって、とても温かく目標となる存在でもありました。
その先輩からの誘いによって私はゴルフに熱中することになったのですが、今ではとてもありがたいと思っています。
先輩から急に誘われて、クラブも持っていないのにどうしよう・・・。と困っていたときに、人から譲り受けたのが、このクラブです。
メーカー品ではなく、King of birdsというセット物のアイアンです。
しかも、レディス用です。
以前、ドライバーを紹介させていただいたので、いつかアイアンを紹介させていただこうと思い、今日練習場に持って行きました。

シャフトはオリジナルスチールで、クラブ総重量は427gです。

今時珍しいマッスルバックアイアンです。
一時期に比べ、今は少しずつマッスルバックが増えてきましたが、まだまだ少数派です。
今はプロなどごく一部しか見られませんが、昔は女性も男性と同じように普通にマッスルバックを使っていました。
もちろんキャビティもありましたが、今ほどバリエーションに富んでいませんでした。
女性用のマッスルバックを初めて見たという方もいらっしゃると思いますし、信じられないという方もいらっしゃるかもしれませんが、昔はこれが普通でした。
男性は今でも見られますが、女性でマッスルバックを使うという方は、今はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
私が今でもマッスルバックに対して拒絶感や苦手意識をもたないのは、『初めて使ったアイアン』や『初めて購入したアイアン』がマッスルバックだったからかもしれません。
特に今のマッスルバックは研究が進み、昔より格段に打ちやすくなっているので、敬遠すべきではないと思っていますし、その極上の打感と扱いやすさを多くの方に体感していただきたいと思っているので、試打をすれば必ず記事に書くようにしていますし、友人たちにも勧めています。

すごくシンプルな形状です。
今はラージサイズのポケットキャビティが多いですが、このアイアンは小顔タイプで、ヘッド体積でいえば、およそ半分くらいではないか?と思えるほど小さく感じられます。
今のように『至れり尽くせり』のクラブではなく、『易しさ』は追求されていません。
『技術の抜け穴』が、かなり多いように思います。
気難しいタイプでも、練習を積んで慣れていくしかありませんでした。

かなりシャープな形状です。
今は分厚いタイプが多いですが、このアイアンはとても薄くてシャープです。
この形状に苦手意識をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。

ソールは独特で、『フィン(ひれ)』のようになっていますが、これは少し重心を下げる意味合いがあったのではないでしょうか?

彫りは浅く、普通のマッスルバックといっていいように思います。
完全な『フラットバック構造』ではありませんが、これでも最大限の工夫だったのかもしれません。
今のように、クラブ開発への技術が進んでいない時代です。

トップラインも厚くなく、ちょうどいい感じです。
厚めを好まれる方には、少し狭く見えるかもしれません。

ソール幅は標準的です。
これくらいのソール幅は今でも見られます。
ワイドなタイプが多くなりましたが、これくらいのソールもよく見られます。
今はソールにタングステンなどの異材が組み込まれているのが普通になりましたが、この頃はあり得ないことでした。
『複合素材』でなく、『単一素材』で勝負していくしかなく、クラブの性能の差が小さい時代です。
クラブの性能ではなく、ゴルファーのもつスキルやポテンシャルがショットの成否を大きく分けていましたが、今ではその割合が大きく変わり、クラブが大きな鍵を握る時代になりました。

リーディングエッジは小さく削られています。
均一な削りではないので、機械というよりは手で削ったような感じです。

ネックの長さは適度にありますが、それほどロングではないですし、今でもよく見られる長さです。
こうして見ていても、何となくですが、『ひ弱な』といいますか、『大丈夫かな?』と思ってしまうような『か弱さ』が感じられます。
『力感』を感じさせない外観ですが、当時はそんなことを全く気にしていませんでした。
いろいろ経験をして、いろいろなことを感じ取れるようになったのかもしれません。

メッキが今ほど丁寧ではありませんでした。
メッキが薄く、周りの湿気を吸ってすぐに錆が浮いてしまいます。
何度綺麗に磨いても、このようになります。
今のアイアンはメッキがとても綺麗なので、このような錆は見られません。

フェース面はとてもシンプルです。
このフェース面を見て、あの『名器中の名器』と呼ばれる『スポルディングの赤トップ』をいつか買うぞ・・・。と思ったことを思い出しました。
あとはマグレガーやパワービルトのアイアンにも憧れていました。
今はいろいろな工夫がされているアイアンが多くなりましたが、昔はそんな工夫はありませんでした。
フェースの質感も、それほどよくありません。
今のアイアンのフェース面の質感と、大きく異なります。
今、このような質感のアイアンを作っても、おそらく売れにくいと思います。
ヘッド全体もそうですが、このフェース面も、かなり錆が見られます。
フェースにミーリングはありませんが、フェース面の錆がミーリングの役目を果たすのではないか?と思えるほど錆が浮いていました。

装着されているグリップは当時のままです。
久しぶりに握ってみて、懐かしいな・・・。と思いました。
ほとんど使っていないせいか、大きな消耗や摩耗は見られません。

ドライバーのときにも書きましたが、シャフトには『物品税証紙』というシールが貼られています。
これはドライバーやアイアンなどに限らず、クラブ一本一本に貼られていました。
消費税が適用される前は物品税が商品にかけられていました。
当時、ゴルフは『贅沢』ということで、ゴルフクラブには高い税率が掛けられていました。
今は物品税がないので、このようなシールを見たことがないという方が大半だと思いますが、昔はこれが普通で、特に気にとめることもありませんでした。
こういう昔のクラブが歴史を語ってくれているようです。

久しぶりに、こうしてボールを前にして構えてみたのですが、懐かしいな・・・。と思いました。
この初めて手にしたアイアンもそうですし、初めて購入したホンマのアイアンもストレートネックということで、私のストレート好きが確定したのかもしれません。
その頃、もしピンのような強いグースタイプを使っていたら今頃、グースタイプを好んで使っていたかもしれません。
昔はストレートネックとはグースネックということを考えることもなかったですし、とにかく最初に購入するのは『ホンマ PP-727』という『決め打ち』だったので、私のストレート好きは既に決まっていたような気がします。
鳥は生まれて初めて見たものを親と認識するというのは有名ですし、それはインプリンティングというのだと聞いたことがあるのですが、私の場合もそれに近いものがあるのかもしれません。
アイアンはストレートという『刷り込み』が私の中でできてしまったような気もします。
ああ、こんな感じだったな・・・。打感や打ち出しの勢いが、少し頼りない感じだったな・・・。と、こうして構えてみて思い出しました。
久しぶりに球を打ってみました。

『打感』は、まずまずでした。
懐かしく、なかなかいい感じでしたが、今のマッスルバックのほうが打感はいいです。

『球のあがりやすさ』は普通です。
昔ながらのマッスルバックアイアンで、7番らしい打ち出しの高さがあります。
今のアイアンは同じ7番でもロフトがバラバラなので、打ち出しのイメージが合わないことも多いのですが、昔はメーカーが違っていても『統一感』がありました。
『スタンディングロフト』で笑う人もいれば、逆に泣く人もいるのではないでしょうか?

『安定性』という点でも、マッスルバックらしいシビアさがあり、易しさを追求したモデルではありません。
イージー系のアイアンを使い慣れておられる方には、かなり気難しく感じられるような気もします。
私はヘッドの形状というよりも、『短さ』に難しさを感じました。
かなり短く感じたので、いつも通りのスタンスはとれなくて、近くに立って打ちました。

今日は、エポンファンの友人と一緒に練習に来ていて、彼がこのアイアンを貸してくれたので、見比べてみることにしました。
EPON AF-Tour の7番です。
彼にエポンを紹介してすっかり虜になって、ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パター・キャディバッグ・キャップなど、全てエポンで揃えています。
しかもワンセットだけではなく、数セットもっています。
私と同じように、彼もクラブを『目で楽しむタイプ』のようで、部屋に飾ってあるエポンのクラブを見るのがたまらないのだそうです。
彼は私にエポンというクラブを教えてくれてありがとう・・・。と言ってくれたことがあるのですが、彼は私にいつもこうしてエポンのクラブを貸してくれているので、私こそ彼にお礼を言いたいですし、今日も貸してもらったので、ありがとうと言いました。
特に私が強い思い入れをもっている『AF-101』というドライバーをよく貸してくれます。
私がいつでも打てるようにと、いつもバッグに入れていますし、傷をつけないように大切に扱ってくれています。
彼の友情に感謝です。

昔のマッスルバックと今のマッスルバックですが、こうして見比べてみても、ほとんど大きさは変わりません。
『メッキの質』などは圧倒的にエポンですが、大きさや形状などは大きな違いは見られません。
昔も今も、これが『スタンダード』だからではないでしょうか?

ソール幅は、右側のエポンのほうが少し狭いです。

ネックの長さも、エポンのほうが少し長いです。

顔の違いも多少ありますが、どちらも大きさは適正ですし、クセのなさが魅力です。
エポンのAF-Tourもストレートタイプではありますが、どちらかというと『セミグーズ』的な印象をもっていて、こうして見比べ見ると、やはりAF-Tourのグースが目につきます。
こうして見ていると、やはりKing of birdsはクラシカルな顔をしています。

長さを見比べてみたのですが、このように大きな違いがありました。
エポンのマッスルバックは36.5インチなので、数インチ短いことが判ります。
もちろんレディス用のアイアンなので、短いのは当然なのですが、当時はそんなことを全く気にしませんでした。
当然、『ロフト角』や『ライ角』などにも注意がいかなかったですし、『重さ』にも無関心でした。
ゴルフクラブとはこんなものだという認識がありましたし、『ある物を使う』・・・。これしかありませんでした。
これだけ今のクラブが進化するとは思ってもみませんでしたが、それは各メーカーの努力の賜物です。

実際に打ち比べてみたのですが、打感は圧倒的にエポンのほうがいいです。
『芯の広さ』というよりも、『芯への当てやすさ』といったらいいでしょうか?
打つ度に、いい感触が手に伝わってきます。
King of birdsのほうは少し弱い感じですが、それでも今のフィーリングの良くないアイアンよりは、ずっといいです。
このアイアンやホンマのPP-727という極上のアイアンを、まだキャリアの浅い打ちから使い続けることができて、打感にもこだわることができるようになったのだと思いますし、自分なりの『物差し』ができたような気がします。
その頃は、キャビティアイアンには全く興味がありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、ほぼ互角な感じですが、私はエポンのほうが、イメージが合いやすくて好きです。
ヘッド全体の雰囲気もそうですし、『適度な長さ』が打ち出しのイメージを色濃くさせてくれているように感じました。
私は7番アイアンのロフトは『36度』がスタンダードという認識をもっていて、基本『4度ピッチ』で前後していくのですが、昔は37度や38度も普通にありました。

『飛距離性能』も大きく違いました。
エポンAF-Tourも今のアイアンの中では、決して飛ぶほうではないですし、むしろ『飛ばないほう』といったほうが正しいです。
それでも、こうして打ち比べてみて、大きな差を感じました。
キャリーも違いますし、球の勢いもかなりの差があります。

『操作性』という点では、どちらもいいですが、やはり AF-Tourのほうが扱いやすいです。
こちらのイメージをしっかりと受け取ってくれます。
King of birdsは久しぶりだったということもあると思いますが、軽さや短さなどが難しく感じられるところでもありました。

エポンの素晴らしいマッスルバックアイアンと打ち比べるのは酷かな?と思うところもあったのですが、こうして久しぶりに実際に球を打ってみて、昔の懐かしい記憶が蘇ってきました。
練習場はもちろん、コースでも人生で初めて使ったアイアンなので、その初ラウンドのことが思い出されました。
とにかく先輩に迷惑をかけてはいけない・・・。と思いながら必死で打ちましたが、当然ながら上手くいきませんでした。
そんな焦る私を、先輩は温かい目で見守ってくれていました。
晴れの日の早朝に、二人っきりのラウンドだったのですが、ルールやマナーを厳しく叩き込まれましたし、クラブを構えてみろ・・・。といって、このアイアンを手にしながら、いろいろと教えてもらったことを覚えています。
私は帽子を取って直立不動で先輩の話を聞いていたのですが、それが普通でしたし、今でも懐かしく楽しい思い出になっています。

ゴルフはお金が掛かるから、なるべくやらないでおこう・・・。と思っていたのですが、すぐにハマってしまい、それが今でも続いています。
その先輩とは今でもお付き合いをさせていただいていますし、お互いなかなか時間が合いませんが、時間が合えば年に数回は一緒にラウンドしています。
私は今でも先輩の前では直立不動で帽子を取って話しを聞きますが、先輩は苦笑いをしながら、
「もう学生時代じゃないんだから止めてくれ・・・。あれから何年経っていると思ってるんだ。普通の友人として接してくれ・・・。敬語も使わないでいい。」
と言われたことがあるのですが、私にはできません。
先輩にはいつも敬語ですし、帽子を取って直立不動で緊張感をもって接しています。
それは昔のクセが抜けないということもあるのかもしれませんが、それ以上に私がその先輩に対して敬意を持っているからだと思います。
ゴルフだけでなく、いろいろなことを教わり感謝しています。
以前紹介させていただいたドライバーもそうですが、このアイアンを手に取ってみて、昔の懐かしい記憶が蘇ってきました。
ゴルフクラブはゴルファーにとって、単に球を打つだけの道具ではないと強く感じさせてくれます。
ゴルファーとしての成長を、ずっと見続けてくれた存在といっていいのかもしれません。

その頃から先輩はすごくゴルフに熱中していましたが、今では私のほうがはるかに熱中していますし、その炎は消えることなく、今も大きく燃え続けています。
「昔は馬鹿力だけのゴルフだったけど、寄せやパターが上手くなったな・・・。」と褒められたことがあり、とても嬉しかったことをまるで昨日のことのように覚えています。

このアイアンは私にとって初めてのアイアンだったのですが、以前書かせていただいたドライバーほど、長くは使っていないですし、思い入れも強くありません。
すぐにPP-727を購入したからです。
ただ、初めて手にしたアイアンですし、初心を忘れないようにする為、人に譲ることなく、今でも倉庫に保管しています。

ゴルフクラブはゴルファーにとっての大切な相棒であると同時に、ゴルファーの歴史を刻んでいるものなんだな・・・。と、このアイアンを手にして改めて思いました。
今でもゴルフが下手ですし課題は多いですが、その頃より少しは上達していると思いますし、ゴルフへの興味は尽きません。
久しぶりにこのアイアンを手にしましたが、このアイアンは今の私のことをどう思っているのかな?少しは上達したと思ってくれたかな?と思いながら、このアイアンで球を打つことを止め、普通の練習に切り替えました。
私は素晴らしいゴルフ仲間に恵まれていますが、それだけでなく、たくさんのいいクラブとの出会いに恵まれた、幸せなゴルファーです。
ゴルフのおかげで、人生が豊かになったのは間違いありません。
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2019年03月23日
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キャディさんのおかげ

今日は、いつもと内容を変えまして、私たちゴルファーにとって、とても頼もしい存在であるキャディさんについて書かせていただきたいと思います。
ラウンド中、ゴルファーは『周知の事実』以外、誰からもアドバイスを受けることはできませんが、キャディさんだけは例外で、いろいろなアドバイスを求められます。
まさにゴルファーにとって、唯一の味方といえる存在です。
ゴルフクラブを持ってきてくれるだけの存在ではありません。
残り距離や風向き・グリーンの傾斜や芝目まで、実に細かなところまで教えてくれます。
最近ゴルフを始められたという方は、ひょっとしたらセルフプレーしか経験されていないかもしれません。
それくらい、今はセルフプレーが一般的になりましたが、私がゴルフを始めた頃はキャディさん付きのプレーが当たり前でした。

私はこれまで、たくさんのキャディさんにお世話になってきました。
キャディさんのおかげで楽しく、そしていい内容のプレーをすることができました。
特に初めてプレーするコースでは、キャディさんがいらっしゃる時とそうでない時では、プレーの内容も、スコアも大きく影響してきます。
キャディさんからのコースについてのアドバイスはとてもありがたいです。
今はほとんどのゴルフ場がホームページを持っていますし、そのページからコースレイアウトや攻略法などを知ることができます。
しかしインターネットが普及するまでは、そういったことができなかったので、事前に調べることができませんでした。
なので、キャディさんの存在はとてもありがたいです。
昔、初めてのコースで競技に出場したとき、パー3のホールで、10メートル以上の距離のパッティングが残り、私はいつも通り普通に打とうとしたのですが、テークバックを開始したときにキャディさんがふと、
「見た目よりも上っているから気をつけて。」
とアドバイスしてくれました。
私はテークバックの途中だったのですが、「えっ、そうなんだ・・・。」と思い、インパクトが強くなり(いわゆるパンチが入った状態になり)、ボールは打つ前にイメージしたスピードよりも速いスピードでカップに向かっていきました。
すると、ボールはそのままジャストタッチでカップに沈み、私は嬉しいバーディを獲ることができました。
もし、キャディさんのアドバイスが無かったら、かなりショートしていたのは間違いありません。
それ以外にも、特にティショットの時ですが、ボールの行方をよく目で追ってくれ、どの方向に飛んで、どの場所にあるかまで把握していただけると、とてもありがたいです。
そうでないと、ロストボールになることもあります。

人によって様々だと思いますが、私がキャディさんに求めるものは2つだけです。
ひとつはセカンドショット以降、グリーンまでの残り距離を正確に教えてくれること。
そして、もうひとつがボールの行方をしっかりと把握してくれることです。
この2つだけでいいです。
後は自分でやります。
使いたいクラブも自分で持ってきますし、グリーン上にあるボールも自分で拭きます。
私は昔から、力任せにクラブを強く振るタイプなので、出球が速くなる傾向があるのですが、キャディさんによっては、ボールが速すぎて見えなかった・・・。と言われたこともよくありました。
そういったときはとても苦戦します。
お願いだから、どうかボールだけはしっかりと目で追っていて・・・。と思うのですが、こればかりは仕方ありません。
特に逆光のときはボールが見えにくくなります。
こういったことが続くと、昔からの私の悪い癖であるヘッドアップが出てしまうこともありますし、コースでは怖くてドライバーを使えなくなり、スプーンなどでティショットすることもありました。
ホームコースであれば、だいたいどのあたりまで飛んでいったかが把握できるのですが、初めてのコースではそれが難しいこともあります。
普通のキャディさん以外にも、『フォアキャディさん』がいらっしゃるコースだと、さらにありがたさが増します。
私はこれまで、フォアキャディさんにもたくさん救われてきました。
フォアキャディさんがいなかったら、確実にロストボールになっていただろうな・・・。ということもよくありました。

今でも下手ですが、私はビギナー時代から数え切れないほどたくさんの大きなミスショットをしてきました。
クラブを力一杯振り、コントロールという概念をもたなかったので、とにかくボールは大きく曲がりました。
左右に曲がり、全くコントロールできませんでした。
まさに『行き先はボールに聞いてくれ』状態でした。
以前も書きましたが、私ほどOBやロストボールを打ったゴルファーは世界中探してもいないと思います。
数え切れないほどたくさんのボールを無くしてしまいました。
私の下手自慢をしても誰にも褒められませんが、事実なので仕方ありません。

いつもキャディさんには迷惑をかけっぱなしでした。
今でこそ、プライベートでも競技でも使用するボールはタイトリストのPRO V1xと決めていますが、ビギナーの頃はとにかくボールがよく曲がって無くなってしまうことも多く、ニューボールを使うのがもったいないので、量販店やホームセンターなどで『一袋いくら』で売られているロストボールを使っていました。
だいたい、20~30球くらいは、いつも持って行っていたように思います。
競技ではワンボールルールが適用されますが、仲間たちとのプライベートラウンドだったので、いろいろな種類のボールを使っていました。
汚れているのはもちろん、傷がついているボールも平気でした。
ボールの綺麗さや性能よりも、コストパフォーマンスを優先していました。

ゴルフは下手でも、とにかくゴルフが楽しくて仕方なかったので、友人たちとほぼ毎週のように自宅近くのゴルフ場でプレーしていました。
毎週のように通い、下手だけど思いっきり振る・・・。ということで、コースの方(特にキャディさん)にも顔と名前を覚えていただけるようになっていったのだと思います。
私がラウンドするときは、だいたいキャディさんが2~3人くらいで『固定』のように決まっていました。
みなさん、とても優しい方たちでした。
前が混んでいて待たされるようなときは春先だと、コース脇に芽を出しているツクシやワラビなどを摘むこともあり、キャディさんにとって趣味と実益を兼ねていました。
とてものどかな時代だったのだと思います。
夏は冷たい麦茶やはちみつレモンを作ってきていただき、ご馳走になることもありましたし、寒さが厳しい冬は、温かいほうじ茶をご馳走になることもありました。
待たされているときも何かしていて、常に私たちのプレーを後押ししてくださいました。

先ほども書きましたが、私はとにかくボールがよく曲がったので、キャディさんには大変ご迷惑をかけてしまいました。
私がボールを曲げる度に、キャディさんが私のボールを探してくださいました。
確実にOBだし、深いところにいっているので、私は
「キャディさん、いいですよ。次のボールを使いますから・・・。」といっても聞き入れてくれません。
ふと脇を見ると、『マムシ注意』の看板が立っていることもあります。
「キャディさん、マムシがいるかもしれないから、これ以上行かないで早く戻ってきてください。」といっても、
「大丈夫、長靴を履いているから。もしマムシがいたらマムシ酒にするから・・・。」といって茂みの奥へ入っていきました。
そして、私のボールを見つけ出してくださり、いつも『おまけ』のボールが付いていました。
私が無くしたのは一球だけなのですが、近くにあるロストボールまで見つけてくれ、私にプレゼントしてくださいました。
18ホールを終えて、最初にもってきていたよりも、数が増えていたこともよくありました。

最初の頃は、とてもありがたいな・・・。と思っていたのですが、私にボールを手渡してくださるキャディさんの汗まみれの顔を見て、これではいけない・・・。と思うようになりました。
自分のせいで、かかなくてもいい汗をかかせてしまい、もしマムシに噛まれてしまったら取り返しの付かないことになる・・・。と思いました。
キャディさんは私が球を曲げても、面倒くさがることもなく、いつも笑顔で対応してくださったのですが、その笑顔といっぱいの汗を見て、私に罪の意識が芽生え、このままではいけない、何とかしなければ・・・。という思いが日に日に強くなっていきました。
私がミスばかりするから、キャディさんはいつも深い茂みまでいかなければならないのですが、18ホール全てフェアウェイを歩かせてあげたいな・・・。と思いました。
そうするにはどうすればいいんだろう・・・?と、無い知恵を絞りました。
最初は曲げないようにとにかく真っ直ぐ飛ばそう・・・。という発想をもったのですが、当時はパーシモンからメタルへと変わっていく時代でした。
今のラージサイズのチタンドライバーならば、その発想もいけたのかもしれませんが、当時は全く曲げずに真っ直ぐ飛ばすというのは現実的ではありませんでした。
たまに真っ直ぐ曲がらずに飛ぶことがありましたが、それは私の中では『偶然』に過ぎませんでした。
それを『必然』にするのはどうしたらいいのだろう・・・。と思いましたが、『真っ直ぐ』という発想では答えが見いだせませんでした。
そこで、曲げずに真っ直ぐ飛ばすのではなく、左右どちらかに『曲がる方向を一定』させようと思いました。
フェードボールとドローボールの、どちらが自分にとって『自然』なのか?ということを練習場で確認する日が続きました。
その頃はニック・ファルド選手に憧れていましたし、フェードボールを打ちたいと思っていたので、フェードボールヒッターを目指そうとしたのですが、自分にはマッチしていない感じで、なかなか上手くいきませんでした。
そして、もう一人のトッププレイヤーであり、当時ニック・ファルド選手とソニーランキング1位を争っていた、グレッグ・ノーマン選手のドローボールを目指してみようと思いました。
書店に置いてあった、グレッグ・ノーマン選手のレッスンビデオを購入し、毎日観ました。
私にはこちらのほうが合っていたようで、自然とドロー系が身につき、今に至っています。
今でもフェードボールを打ちたいと練習していますが、私にはドローのほうが自然だということがわかりました。
練習場でもそうですし、コースでもドロー系のほうが、イメージが出しやすいので私に合っています。
後は曲がり幅をコントロールして、フェアウェイを外さないようにし、最低でもファーストカットで収まるようにしようと考えるようになりました。(もちろん、実際は思うようにいかないことも多いのですが・・・。)
キャディさんはいつも嫌な顔一つせず笑顔で対応してくださり、私に技術的なアドバイスなどもなさらなかったのですが、それが一番の教えでした。
キャディさんにコース脇の茂みではなく、フェアウェイをずっと歩いていて欲しい・・・。という思いが、技術を磨かせてくれたような気がします。
そのときにセルフプレーだったら、今の技術を習得するのが、もっと遅れていたのは間違いありません。
人間は自分の為だと、どうしてもサボってしまうこともあるし、手を抜きたくなることもありますが、人の為だと頑張ることができるのだということを知ることができました。
今となっては、自分の持ち球(球筋)を磨いていくことが、結果的にレベルアップにつながったような気がします。

ほぼ毎週のようにラウンドをご一緒していただき、
「上手くなったね。もうボールを探す必要がなくなったね・・・。」
と言われ、気がつけば18ホールをボール一球でプレーできるようになるまで成長していました。
スコアが爆発的に良くなっていました。
それから、自分にはどのボールが合っているのかを探すようになりました。
糸巻きの時代はロイヤルマックスフライを使っていましたし、ツーピースボールが流行りだして、ブリヂストンのボールを使う時期が長く続きました。
アーニー・エルス選手の大活躍により、タイトリストのPRO V1が品薄状態になるほどの大人気となり、私も使い始めましたが、今は姉妹モデルのV1xを愛用しています。
今でもゴルフをエンジョイできているのは、キャディさんのおかげです。
私は楽しい仲間たちにも恵まれていますが、キャディさんにも恵まれている幸せなゴルファーです。

もう他界しましたが、私の父はゴルフが大嫌いでした。
世界一のエンジョイゴルファーである私と、ゴルフ嫌いの父は意見が合いませんでした。
TVでトーナメント中継を観ていると、プレイヤーとキャディさんが一緒に歩いているシーンで、
「何でゴルファーは自分が使う道具を自分で運ばずに、人に運ばせているんだ?打つときだけ使って、あとはまた人に運ばせるのか?まさに金持ちの道楽だな。こんなのはスポーツじゃない。」
と言っていました。
ゴルフが嫌いな人にはそう見えるのかもしれません。
確かに、プレイヤーとキャディさんの18ホールを終えての消費カロリーを考えてみると、圧倒的にキャディさんのほうが多いような気がします。
そして、グリーン上でプレイヤーとキャディさんがラインについて相談しているシーンを見て、
「プロなのに自分の打ち方を決められないのか?いちいち人に聞くのか?他に、このような競技はないぞ・・・。」
とも言っていました。
私はプロキャディという職業があって、ツアーではキャディを帯同させないといけないという規定があるので、みんなそうしていると説明したのですが、聞く耳を持ちませんでした。
父にゴルフというスポーツを理解してもらうことはできませんでしたが、確かに父のいう通り、キャディさん無しのセルフプレーで行う試合があってもいいのかもしれません。
いつもアンダーパーで回っている選手たちが、オーバーパー続出ということもあり得るのではないでしょうか?
それくらいゴルファーにとって、キャディさんは重要な存在です。

私は世界一のエンジョイゴルファーで、できることなら、毎日でもゴルフ場か練習場に居たいと思っています。
しかし、キャディさんという仕事は難しすぎてできません。
ゴルフ場の空気を毎日吸うことができるのはとても魅力的ですが、キャディさんという仕事は私には無理です。
体力には自信があるので、カートを使わずにバッグを運ぶだけなら楽勝ですが・・・。

キャディさんはコースのことを熟知しているだけでなく、いつも笑顔でプレイヤーの気分を良くしていく能力が求められます。
私がミスショットを連発しても落ち込むことなくプレーを楽しむことができたのは、素晴らしいキャディさんたちのおかげです。
セルフプレーにも慣れていますが、キャディさんがいらっしゃると助かります。

ホームコースでもそうですし、初めて行く県外のコースなどでも、素晴らしいキャディさんたちに出会うことができました。
コース専属のキャディさんはもちろん、プロを目指す研修生の方に付いていただいたこともたくさんあります。

どの職種でもそうですが、今はキャディさんも人材不足のようで、私の自宅近くのゴルフ場は常にキャディさんを募集しています。
今はセルフプレーが多いですが、そのゴルフ場は名門ということで、キャディさん付きのプレーが当たり前になっているのだと思います。
セルフプレーが当たり前となっている今、キャディさん付きのプレーを経験したことがない方もいらっしゃると思いますが、キャディさんから教わることはとても多いので、機会があれば経験していただきたいと思っています。

ゴルフクラブ試打日記は、ゴルフクラブについての記事がメインなのに、どうして今回はキャディさんについて書かせていただいたのかといいますと、私が昔からお世話になっていたキャディさんが3月いっぱいで勇退されるからです。
なので、感謝の思いを込めて書かせていただきました。
年齢は少し重ねられましたが今もお元気ですし、まだまだ現役を続行できるのですが、後輩たちに道を譲ることにしたのだそうです。
私のボールをいつも探してくださった方です。
ゴルフが大好きで、ゴルファーが楽しそうにプレーしているのを見るのが何よりも好きだったのだそうです。
私はずっとお世話になりましたし、とても寂しいですが、何とか恩返しをしたいと考えています。
ゴルファー同士もそうですが、ゴルファーとキャディさんという人間同士の関係はとても大切だな・・・。と思いました。
素晴らしい人たちにたくさん出会えてきた私は、本当に幸せなゴルファーです。
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2018年11月18日
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一生手放せない一本
今日は、いつもと内容を変えまして、私のゴルフ人生における、一生手放せないクラブをご紹介させていただきたいと思います。
私はゴルフを始めてから、数えきれないほどのゴルフクラブを試打し、購入してきました。
初めて購入したのは、これまでも書いてきましたが、ホンマだったのですが、それ以外にもたくさんのメーカーのクラブも愛用してきました。
どれも私にとって大切な存在で、私のゴルフライフを豊かなものにしてくれました。
これまで私が使っていたクラブの殆どは、友人たちが譲ってほしいと言ってきたので、大切に使ってくれるなら・・・。という条件付きで、無償で譲ってきました。
愛着のある物も多かったのですが、あまりにも数が増えすぎてしまったということと、友人たちにゴルフを楽しんでもらえれば・・・。という思いからそうしてきました。
しかし一本だけ、どんなに求められても、お願いされても譲れなかったクラブがあります。
それは私にはなくてはならない存在ですし、今でも心の支えになり、感謝しています。
そのクラブは

キャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッド の5番 です。
このブログを長く読んでくださっている方でしたら、ホンマやミズノを予想しておられたかもしれません。
確かにホンマやミズノには深い思い入れがあり、これまでたくさん助けられてきました。
しかし、違うメーカーのクラブです。
海外メーカーのキャロウェイです。
しかも、ドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドです。
ドライバーやアイアンを試打して記事にアップする数と比べると、フェアウェイウッドは少ないような気がしていますが、決して軽視していません。

シャフトは JV STEELHEADIII オリジナルカーボン です。
ロフトは19度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は325g です。

キャロウェイのビッグバーサは、日本ではダンロップが販売していた頃から手にしてきていました。
ディープタイプ全盛のなかで、シャロータイプで孤軍奮闘していた記憶があります。
易しいのですが、それは決して軟弱な易しさではなく、しっかりとした易しさになっています。
ソール形状が独特で、あがりやすいのも特長です。

シャローなイメージをもっているのですが、今のFWは『超シャロー』なタイプが多いので、そういった意味では『適度な厚みがある』といっていいのかもしれません。
これまでもFWはたくさん購入してきたのですが、クリークだけを単品で購入したのはおそらく、これが初めてだったように思います。
このクラブはFWでの直打ちというよりは、ティショットでのレイアップを目的として購入しました。

ネックは、かなり短いです。
ほぼ『ゼロ』といっていいかもしれません。
今では見慣れた長さですが、当時としては画期的なものでした。
昔から、クラブの顔はもとより、ネックの長さは気にしていた部分だったので、最初は大丈夫かな?という思いがあったのですが、実際に打ってみて、すごくいいクラブだということが分かりました。
やはり実際に打ってみないと分からないことも多いです。

スルーボア構造になっているのも、キャロウェイの特徴です。
ここの部分を見るだけで、キャロウェイだと分かります。
キャロウェイはFWやドライバーだけでなく、アイアンなどでも、このスルーボア構造を採用してきました。
一時期は見られなくなったこの工夫ですが、最近はまた見られるようになってきました。
この構造が『いい悪い』というよりは、ファッションなどの流行のように『繰り返すもの』という解釈が合っているのかもしれません。
長く、色々なクラブに接していると、そのように感じることが多いです。
この工夫は何年か前に流行ったな・・・。というのが、今でも見られます。
その最たるものが、今は『クラウンのカーボンコンポジット』です。
多くのメーカーで採用されるようになりました。

ビッグバーサは『シャローの先駆者』のイメージがありますが、今のクラブはかなり薄い物が多いので、こうして見ると、『ディープ』なタイプといえるのかもしれません。
しかし、球はあがりやすいですし、気難しいタイプではありません。
昔は、これくらいの厚みがあっても、シャローに分類されていました。
今はとにかく、あがりやすいクラブが圧倒的に多いです。
それはボールの進化によるところが大きいと思います。
ボールの低スピン化が顕著になって、クラブもそれに合わせるように進化(変化)していっています。
ゴルフギアの進化はいつも、『ボールが先』です。
今のシャロータイプを好まれる方でしたら、この厚みは少し敬遠したくなるかもしれません。
しかし、私は最低これくらいの厚みが欲しいと思っています。
ティアップしたときはもちろんですが、直打ちでもライが良すぎて球が浮いているときがあります。
そういったときに気を付けなければならないのが、『ダルマ落とし』にならないか?ということです。
球が浮きすぎていても、難しいことはあります。
そういったときに適度な厚みがあると、対処しやすく感じます。
特にディープフェースだと、それが易しいです。
フェース面を縦に使えるからですが、シャローフェースだと、それができません。
球があがりやすいという長所がありますが、融通が利きづらいという短所もあります。
まさに『一長一短』です。
ディープフェースだからこそ、『ボールの芯』と『フェースの芯』が合いやすいように感じます。

見慣れた『キャロウェイ顔』です。
これは昔から変わっていません。
スルーボア同様、この顔を見てもキャロウェイだと分かるほどです。
今のゴルフクラブの多くが、顔の個性が見られなくなって、いい意味では整ってきているといえるのですが、逆の意味でいうと、独自性が無くなってきているといえるのかもしれません。
クリークらしく、かなり小振りです。
今のクリークはシャロー化のせいか、投影面積が大きくなり、スプーンとあまり見分けがつかないような物まであります。
昔のクラブは『顔の大きさ』も、番手ごとの区分がきちんとされていましたが、今のクラブはそれが少し曖昧です。
クラブの『ボーダレス化』が進んできているのかもしれません。

フェース面のデザインはシンプルです。
キャロウェイファンの方には、馴染みのデザインだと思います。

リシャフトブームが続いていますが、私はこのクラブだけはリシャフトしませんでした。
私には軽量感があり、シャフトも軟らかいのですが、そのまま使い続けました。
このクラブを『1ミリ』も手を加えたくはありませんでした。
なので、このように買ったままの状態にしています。

しかしグリップだけは消耗品なので、変えなければなりません。
使わなくてもゴムは硬化していくからです。
なるべくフィーリングを壊さないよう、グリップ選びにも気を使いました。
クラブのもつ雰囲気を壊さないよう、グリップ選びを慎重にしました。
これまでたくさん装着してきて、イメージに合わないな・・・。と思えば、わずか数球打っただけでグリップを変えたこともあります。

ボールを前にして構えてみると、懐かしいな・・・。と思いました。
このクラブは私の中で『殿堂入り』していて、今は実戦で使うこともないですし、練習場で打つこともありません。
それは、このクラブが気に入らないからではなく、全くの逆で『唯一』といってもいい、『代わりがない』クラブだからです。
私にとって大切で大切で傷をつけたくないですし、万が一にも壊れてしまったら・・・。という思いから、使わずに大切に保管しています。
同じスチールヘッドの、全く同じスペックを代わりに使っても、満足できなかったのは間違いありません。
もしシャフトが折れたら、交換すればいいじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは意味がありません。
このままでないとダメです。
先ほども書きましたが、このクラブを『1ミリ』でも『1ミクロン』でも動かしたくないという思いがあるからです。
クラブメーカーはたくさんのクラブを毎年のように発表していて、どれも自信作だとは思いますが、私たちユーザーのように、ここまで深い思い入れがあるかといえば、疑問符がつきます。
ゴルフクラブはゴルファーのゴルフライフに大きく関わってきます。
それが私にとって、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドです。
一本何十万円するようなクラブよりも、私にはこのクラブのほうが、はるかに価値があります。
値段はつけられません。

今日、久しぶりに試打してみたのですが、懐かしさがこみ上げてきました。
ああ、こういった打感だったな・・・。この打感を何度も味わったな・・・。と思いました。
ソフトさと弾き感が融合した打感といったらいいでしょうか?
キャロウェイらしいフィーリングです。

『音』も、独特の金属音です。
『キャロウェイ音』といってもいいと思います。
このクラブ以前から、よく耳にしてきました。
ビッグバーサが誕生したことにより、この高めの音が受け入れられたように思います。
私の周りでも、ビッグバーサの音に好感を持てない人が結構いたのですが、実際に打ってみて、その飛距離と易しさに魅力を感じ、だんだんと受け入れるようになりました。

球はあがりやすいです。
ティアップはもちろん、直打ちでも十分高さを出していけます。
クリークの特性を充分持ち合わせています。
ここが大きな魅力です。
今のボールの低スピン化にも、充分対応してくれる懐の深さがあります。
こういった『余裕のある性能』も、クラブ性能の重要な部分といえるのではないでしょうか?

『安定性』高く、最初から糸を引くようなストレートボールを打つことができました。
久しぶりに打ってみたけど、やっぱりいいな・・・。と思いました。
すごく易しいです。
このクラブの前では、何故か素直になれるような気がします。
私はフッカーで、フック系の球が自然なのですが、何故かこのクラブだけは、ほぼ真っ直ぐに近い球が打てます。
勿論、曲げようと思えば曲げられるのですが、このクラブの前では、まるで『純粋な少年』のようになってしまいます。
理由は自分でも分かりません。
スペックなど、数値だけでは決して測れないものがあるからかもしれません。

『飛距離性能』が優れているのは、いうまでもありません。
私は当時、この飛びに惚れて購入しました。
昔から、とにかくよく飛びましたが、それは今でも変わっていません。
今は飛距離性能に優れたフェアウェイウッドがたくさんありますが、この スチールヘッドIII こそが、その『元祖的存在』といえるのではないでしょうか?
ティショットはもちろん直打ちでも、このクラブのおかげで、ずいぶんと嬉しく楽しい思いをしてきました。
あがりやすさなどの易しさは勿論ですが、飛距離でも私を助けてくれたクラブです。
かなり前のクラブですが、相変わらず頼もしいクラブだな・・・。と思いました。

適度に小振りで、操作性も悪くはありませんが、できればあまり細工をしたくないクラブです。
やや『出っ歯タイプ』で、球を拾いやすいのも特長です。
これ以上『出っ歯』がきつくなると、逆に難しく感じてしまいますが、このクラブはちょうどいいところで抑えられています。

このクラブは大ヒットしましたし、昔使っていた・・・。とか、今でも持っている・・・。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私は中古ショップには殆ど行かないのですが、ひょっとしたら今でも店頭で見られるかもしれません。
おそらく、かなりリーズナブルな価格になっているだろうと思います。
今のクラブが素晴らしいのは勿論ですが、昔のクラブでも最新クラブに見劣りしない優等生はたくさんあります。
長く使っていけるクラブが実は多いです。
私がゴルフを始めてまだ間もない頃の、かなり昔のクラブは『耐久性』が劣るものがありましたが、今は技術が上がり精度も高まってきているので、普通に使っている限り、壊れにくくなっています。
クラブの寿命というのは、そのクラブでもう球が打てない・・・。というのではなく、持ち主であるゴルファーがそのクラブに飽きてきたり、他のクラブへの浮気心がでてしまったときではないでしょうか?

何故、私がこのクラブにそれだけ特別な思いがあり、それがドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドなのかというと、私の技術の未熟さにあります。
ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パターと、全てのクラブを練習するのが好きで、ほぼ毎日練習場に通い、全てのクラブを練習しました。
しかし、フェアウェイウッドが一番苦手でした。
一番というよりは『別物』といってもいいほど、極端な苦手意識をもっていました。
ティアップしているときは普通に打てるのですが、『直打ち』が全くできませんでした。
たまにいい感じで打てるのですが、確率が高くないので、実戦では使うことができず、パー5のセカンドなどで、実際はFWで打てばグリーンに乗る距離でも、7番アイアン等で極端にレイアップすることも多くありました。
私はもっとアグレッシブにいきたい・・・。という思いがずっとあったのですが、FWをもたず、アイアンで刻んでいる自分を、いつも『逃げている』と、自分自身を非難していました。
アイアンで確実に運んでいくので、スコアが崩れにくくまとまるのですが、私の中では消化不良といいますか、大きな不満が常につきまとっていました。
伸ばせるところで伸ばせない歯がゆさもありました。
それはまるで、しこりのようでした。
例え少し飛距離が出ても、いいスコアが出たとしても、FWが満足に打てない自分は一生一人前のゴルファーにはなれない・・・。という思いがありましたし、アイアンタイプが好きな私は一生苦手意識を払拭できないだろうと諦めかけていました。
一緒にラウンドしている人よりもスコアが多少良くても、FWが上手く打てない私の心の中はいつも敗北感でいっぱいでした。
その人にも、自分自身にも負けていました。

それでも諦めきれず、何とかしようとしていた私は練習場に行く前に書店に寄ってゴルフ雑誌を何冊か買い、練習場の打席にある椅子に腰かけて、その雑誌に載っているスイング理論やヒントなどを片っ端から試していきました。
家で読んだだけではすぐに忘れてしまうと思ったからです。
今でもおそらくそうだとは思いますが、毎週や毎月、雑誌には素晴らしいヒントがたくさん書かれています。
時には、その内容に矛盾を感じたことも少なくなかったのですが、有益な情報が載っていることも事実です。
私はその記事に救われたこともありますし、自分には縁の無い記事だな・・・。と素通りしたこともあります。
また、今はまだ必要ないけど、ひょっとしたらあと何年かしたら、この記事は役に立つかも・・・?と思ったこともありますが、その殆どはとっくに忘れてしまいました。
情報を頭に詰め込みすぎて頭が重くなるよりも、素振りなどをして、体を動かして自然な動きを身に着けたほうが、自分には早道だということに気づきました。

今でもそうかもしれませんが、その頃は『フェアウェイウッドは払うように打て』という記事がよくありました。
私もその記事に従って、払うように打ってみたのですが、なかなか上手くいきませんでした。
毎日毎日、来る日も来る日も同じことを繰り返し練習したのですが、いい結果に結びつかず、自分の技術の未熟さを嘆いていました。
あまりにも綺麗に上手く打とうとし過ぎてしまっていたのだと、今となっては分かりますが、当時はとにかく必死で原因が分かりませんでした。
練習場の打席でうなだれる日が続きましたが、ある日、昔観た『巨人の星』のエピソードを思い出しました。
巨人の星の主人公、星飛雄馬は青雲高校から読売ジャイアンツに入団し、最初は活躍しますが、次第に成績が落ちてきます。
抜群のコントロールとスピードボールが武器の飛雄馬でしたが、プロのピッチャーとしては小柄で、『球質が軽い』ということで、痛打されることが多くなります。
何とか打開しようと悩んだ飛雄馬は、あるお寺に座禅を組みに行きます。
座禅を組んでいたときに、和尚がそばに歩いてくると、緊張して体が動き、和尚から警策で肩を打たれます。
これはよく見られる光景ですが、そのときに和尚が飛雄馬に言った言葉が、飛雄馬を開眼させ救います。
それは「打たれまいとするから打たれるのだ。逆に打たれてもいい・・・。いやむしろ打ってもらおう・・・。と思うと、打たれなくなるものだ・・・。」というものでした。
その言葉は私にとっても衝撃的で、今でも忘れられない教訓となっています。
まさに『逆転の発想』といったところでしょうか?
その言葉がきっかけとなり、飛雄馬は大特訓の末、あの『大リーグボール1号』を完成させます。
元々、壁の穴を通過させて、家を訪れていた当時の川上監督を驚かせるほどの抜群のコントロールをもっていて、それを武器に、相手のバットに当てて、内野ゴロや凡フライなどを打たせて打ち取るというものでした。
相手バッターは対抗策として、構えたときにバットを揺らしたりしていましたが、飛雄馬の五円玉を使った特訓のおかげで打ち取ることができました。
しかし、生涯のライバルである阪神タイガースの花形満による、巨大な鉄球を使った特訓によって破られてしまうのですが、まさに魔球でした。
三振をとるのではなく、打たせてアウトにする・・・。しかも相手の意思にかかわらず(相手がバットを振らなくても打ち取れる)というのが斬新でした。
もちろん巨人の星はフィクションですが、昔の漫画やアニメには教訓となることがたくさん描かれています。
その中でも特に、巨人の星や一休さんには、色々なことを教わりました。
ちょっと説明が長くなってしまいましたが、そのエピソードを打席の椅子で悩んでいたときに思い出して、そうだ、これだ・・・。自分も試してみよう・・・。と思いました。
今までいい球を打とうとし過ぎていたのだということに気づくことができました。
私はゴルフを始めたときから、ミスの中で『ダフり』が一番嫌いでした。
ならば開き直ってといいますか、最初からミスするつもりで、ボールの手前をダフってみよう・・・。と思いました。
しかも『横からはらうように』打つのではなく、アイアンのように『上から打ち込んで』みることにしました。
高重心のアイアンでゴルフを覚えた私です。
上から打つのは『お手の物』『慣れっこ』です。
そうして打ってみると、『目からウロコ』といいますか、自分でも驚くようないい球が打てました。
ダフっているのですが、ソールがしっかりと仕事をしてくれ(うまく滑ってくれ)て、ダフったことを感じさせないような打球でした。
昔から『ダフると詰まる感じ』があったのですが、そうではなく、しっかりと滑ってくれるのでミスがミスになりにくいことに気づきました。
しかも、結構アバウトに打ってもいいところが大きなポイントです。
それまでのように、ヘッドをきちんと入れなければならないというのではなく、少しルーズな感じでいくほうが、いいことが分かりました。
これまではフェースでボールを正確にヒットすることばかりにとらわれていましたが、そうではなくて、『ソールを使う』ことが、ナイスショットを引き寄せてくれるのだと気づくことができましたし、その為にソールが広くなっているのだと、クラブの構造を理解することができました。
どれくらいダフるのが一番いいのか、自分なりの物差しを作ろうと思い、色々なところで試してみたのですが、私の場合はボールの右端のおよそ『一センチ手前』を目印にしてヘッドを入れていく感じが、ちょうどいいことが分かりました。
練習場はマットの上からなので、実際の芝やラフではどうかな?と思い、コースでも試してみましたがマット同様に、いい結果が得られるようになりました。
フェアウェイウッドの直打ちができるようになり、ユーティリティがさらに易しくなりましたし、『直ドラ』もできるようになりました。
横からはらうという方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は横からはらうというイメージでは難しいので、ティアップされていない、地面から直接打つときは、『上からややアバウトにソールを使う』ということを今でもしています。

今のFWはかなりシャロー化が進んでいますが、このクラブのように『適度な厚み』があるから、上手くいったのだと思います。
今はかなりシャローなので、やはり『はらうように打つ』のが正解に近いのかもしれませんが、一般的に言われていることが必ずしも誰にも当てはまる正解ではないですし、人それぞれの正解があるような気がします。
練習でそれをつかみ自分のものにしていく作業が必要ではないでしょうか?
雑誌に乗っている色々な理論やヒントをそのまま受け入れるのではなく、自分なりにアレンジしていくとオリジナリティも生まれます。
磨かれたオリジナリティは、強力な武器になります。
合わない、自分には全く必要ない・・・。と思えば、それを受け入れないことも大切になってくるのではないでしょうか?
色々な理論やヒントは、『処方箋』のようなものかもしれません。
人それぞれ、病気の症状は違うので、同じ薬というわけにはいきません。
情報を入れ過ぎて却って混乱を招き、上達スピードを遅らせてしまうこともあるような気がします。
私はこれまで海外には何度か行き、その都度本屋さんに行って、ゴルフの本を探していたのですが、日本のようにたくさんのゴルフ書籍や雑誌が並ぶことはありません。
日本だけといっていいと思いますが、それでも海外のゴルファーがハイレベルなのはいうまでもありません。
もちろん、全くないというわけではないのですが、日本のようにたくさんはありません。
みんな実戦で技術を習得していったのではないでしょうか?

フェアウェイウッドの直打ちが上手く打てるようになってから、私のゴルフは劇的に変わりました。
これまで自信の無さから『安全策』を取っていたのですが、もっとアグレッシブに攻めることができるようになりました。
パー5での2オンが増えてイーグルを狙える回数が増えましたし、もちろんティアップしてのティショットでも大活躍してくれました。
スコアメイクには色々なものが必要だと思いますが、ひとつはっきりといえるのは、『ドライバーの飛距離』ではなく、『フェアウェイウッドやユーティリティの重要性』です。
もちろん、ドライバーの飛距離を伸ばしていくのは、私たちゴルファーにとって『永遠のテーマ』ではありますが、ドライバーは『そこそこ』で、フェアウェイウッドやユーティリティが得意になったほうが、スコアは作りやすいように思います。
昔よりも特に今はそのように感じます。
それを気づかせてくれ、私の苦手意識を払拭してくれた、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドは、私の大切な相棒であると同時に、師匠やコーチといった存在でもあります。
このクラブのおかげで、私のゴルフライフがパッと明るくなりました。
すごく大切なクラブなので、このクラブの『実働期間』はそれほど長くありません。
それは先ほども書きましたが、このクラブを傷つけたくない、万が一にも壊したくない、スペックを変えたくない・・・。という思いがあるからです。
私が普段使っているクラブからすると、このクラブは軽量タイプでシャフトも軟らかいですが、色々なことを教えてくれたので変えたくありませんし、今のFWと比べると、かなりしっかりしているほうだと思います。
私がこのクラブに出会っていなければ、今でもフェアウェイウッドに対する苦手意識が払拭できていなかったかもしれません。
私は苦しみ・悩んでいるときに、いいクラブに出会うことができて、本当に幸せ者です。
私にはこのFWが一生手放せないクラブですが、ゴルファー一人一人に、同じようなクラブがあるのではないでしょうか?
ゴルフをより楽しむ為には『クラブに惚れる』ことが重要だと思っていますし、ときには『尊敬・感謝』する存在であってもいいと思います。
そんな愛着のあるクラブで球を打つからこそ、一球一球を大切にできるのではないでしょうか?
日本には素晴らしいクラブで溢れています。
人それぞれ、好きなメーカーやブランドがあると思いますが、本当にいいクラブ(シャフトやヘッド・グリップ)がたくさんあって、迷ってしまわれる方も多いかもしれません。
そんなときは、『自分の直感』を信じてみるのもいいのではないでしょうか?
このクラブなら練習も楽しくなる・・・。と思えるものを選ぶのが大切ですし、クラブとの『縁』もあると思います。
人と人との縁があれば、『ゴルファーとゴルフクラブの縁』も必ずあると私は思っています。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブと縁を結ぶことができた、幸せなゴルファーです。
その素晴らしいクラブに私の未熟な技術が追い付かず、クラブに笑われているのではないか?と恥ずかしくなることもありますが、ゴルフが楽しくてたまらない私はどんどんのめりこんでしまっています。
今は、このクラブよりも高性能なFWはたくさんありますが、私の中では、このクラブこそが、私の中での『ベストワン』といいますか、『オンリーワン』です。
いいクラブはずっと色褪せません。
このクラブを、これからもずっと大切に保管していきます。
ゴルフクラブは保管されるよりも、実際に球を打って使ってもらったほうが幸せなのではないか?と思うところもあるのですが、このクラブだけは特別なので、球を打つよりも『心の支え』にしています。
先ほども書きましたが、色々なことを教えてくれた、このクラブは私にとっては師匠やコーチといった存在でもあります。
長くなってしまいましたが、次回からまた通常の記事に戻りたいと思います。
私はゴルフを始めてから、数えきれないほどのゴルフクラブを試打し、購入してきました。
初めて購入したのは、これまでも書いてきましたが、ホンマだったのですが、それ以外にもたくさんのメーカーのクラブも愛用してきました。
どれも私にとって大切な存在で、私のゴルフライフを豊かなものにしてくれました。
これまで私が使っていたクラブの殆どは、友人たちが譲ってほしいと言ってきたので、大切に使ってくれるなら・・・。という条件付きで、無償で譲ってきました。
愛着のある物も多かったのですが、あまりにも数が増えすぎてしまったということと、友人たちにゴルフを楽しんでもらえれば・・・。という思いからそうしてきました。
しかし一本だけ、どんなに求められても、お願いされても譲れなかったクラブがあります。
それは私にはなくてはならない存在ですし、今でも心の支えになり、感謝しています。
そのクラブは

キャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッド の5番 です。
このブログを長く読んでくださっている方でしたら、ホンマやミズノを予想しておられたかもしれません。
確かにホンマやミズノには深い思い入れがあり、これまでたくさん助けられてきました。
しかし、違うメーカーのクラブです。
海外メーカーのキャロウェイです。
しかも、ドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドです。
ドライバーやアイアンを試打して記事にアップする数と比べると、フェアウェイウッドは少ないような気がしていますが、決して軽視していません。

シャフトは JV STEELHEADIII オリジナルカーボン です。
ロフトは19度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は325g です。

キャロウェイのビッグバーサは、日本ではダンロップが販売していた頃から手にしてきていました。
ディープタイプ全盛のなかで、シャロータイプで孤軍奮闘していた記憶があります。
易しいのですが、それは決して軟弱な易しさではなく、しっかりとした易しさになっています。
ソール形状が独特で、あがりやすいのも特長です。

シャローなイメージをもっているのですが、今のFWは『超シャロー』なタイプが多いので、そういった意味では『適度な厚みがある』といっていいのかもしれません。
これまでもFWはたくさん購入してきたのですが、クリークだけを単品で購入したのはおそらく、これが初めてだったように思います。
このクラブはFWでの直打ちというよりは、ティショットでのレイアップを目的として購入しました。

ネックは、かなり短いです。
ほぼ『ゼロ』といっていいかもしれません。
今では見慣れた長さですが、当時としては画期的なものでした。
昔から、クラブの顔はもとより、ネックの長さは気にしていた部分だったので、最初は大丈夫かな?という思いがあったのですが、実際に打ってみて、すごくいいクラブだということが分かりました。
やはり実際に打ってみないと分からないことも多いです。

スルーボア構造になっているのも、キャロウェイの特徴です。
ここの部分を見るだけで、キャロウェイだと分かります。
キャロウェイはFWやドライバーだけでなく、アイアンなどでも、このスルーボア構造を採用してきました。
一時期は見られなくなったこの工夫ですが、最近はまた見られるようになってきました。
この構造が『いい悪い』というよりは、ファッションなどの流行のように『繰り返すもの』という解釈が合っているのかもしれません。
長く、色々なクラブに接していると、そのように感じることが多いです。
この工夫は何年か前に流行ったな・・・。というのが、今でも見られます。
その最たるものが、今は『クラウンのカーボンコンポジット』です。
多くのメーカーで採用されるようになりました。

ビッグバーサは『シャローの先駆者』のイメージがありますが、今のクラブはかなり薄い物が多いので、こうして見ると、『ディープ』なタイプといえるのかもしれません。
しかし、球はあがりやすいですし、気難しいタイプではありません。
昔は、これくらいの厚みがあっても、シャローに分類されていました。
今はとにかく、あがりやすいクラブが圧倒的に多いです。
それはボールの進化によるところが大きいと思います。
ボールの低スピン化が顕著になって、クラブもそれに合わせるように進化(変化)していっています。
ゴルフギアの進化はいつも、『ボールが先』です。
今のシャロータイプを好まれる方でしたら、この厚みは少し敬遠したくなるかもしれません。
しかし、私は最低これくらいの厚みが欲しいと思っています。
ティアップしたときはもちろんですが、直打ちでもライが良すぎて球が浮いているときがあります。
そういったときに気を付けなければならないのが、『ダルマ落とし』にならないか?ということです。
球が浮きすぎていても、難しいことはあります。
そういったときに適度な厚みがあると、対処しやすく感じます。
特にディープフェースだと、それが易しいです。
フェース面を縦に使えるからですが、シャローフェースだと、それができません。
球があがりやすいという長所がありますが、融通が利きづらいという短所もあります。
まさに『一長一短』です。
ディープフェースだからこそ、『ボールの芯』と『フェースの芯』が合いやすいように感じます。

見慣れた『キャロウェイ顔』です。
これは昔から変わっていません。
スルーボア同様、この顔を見てもキャロウェイだと分かるほどです。
今のゴルフクラブの多くが、顔の個性が見られなくなって、いい意味では整ってきているといえるのですが、逆の意味でいうと、独自性が無くなってきているといえるのかもしれません。
クリークらしく、かなり小振りです。
今のクリークはシャロー化のせいか、投影面積が大きくなり、スプーンとあまり見分けがつかないような物まであります。
昔のクラブは『顔の大きさ』も、番手ごとの区分がきちんとされていましたが、今のクラブはそれが少し曖昧です。
クラブの『ボーダレス化』が進んできているのかもしれません。

フェース面のデザインはシンプルです。
キャロウェイファンの方には、馴染みのデザインだと思います。

リシャフトブームが続いていますが、私はこのクラブだけはリシャフトしませんでした。
私には軽量感があり、シャフトも軟らかいのですが、そのまま使い続けました。
このクラブを『1ミリ』も手を加えたくはありませんでした。
なので、このように買ったままの状態にしています。

しかしグリップだけは消耗品なので、変えなければなりません。
使わなくてもゴムは硬化していくからです。
なるべくフィーリングを壊さないよう、グリップ選びにも気を使いました。
クラブのもつ雰囲気を壊さないよう、グリップ選びを慎重にしました。
これまでたくさん装着してきて、イメージに合わないな・・・。と思えば、わずか数球打っただけでグリップを変えたこともあります。

ボールを前にして構えてみると、懐かしいな・・・。と思いました。
このクラブは私の中で『殿堂入り』していて、今は実戦で使うこともないですし、練習場で打つこともありません。
それは、このクラブが気に入らないからではなく、全くの逆で『唯一』といってもいい、『代わりがない』クラブだからです。
私にとって大切で大切で傷をつけたくないですし、万が一にも壊れてしまったら・・・。という思いから、使わずに大切に保管しています。
同じスチールヘッドの、全く同じスペックを代わりに使っても、満足できなかったのは間違いありません。
もしシャフトが折れたら、交換すればいいじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは意味がありません。
このままでないとダメです。
先ほども書きましたが、このクラブを『1ミリ』でも『1ミクロン』でも動かしたくないという思いがあるからです。
クラブメーカーはたくさんのクラブを毎年のように発表していて、どれも自信作だとは思いますが、私たちユーザーのように、ここまで深い思い入れがあるかといえば、疑問符がつきます。
ゴルフクラブはゴルファーのゴルフライフに大きく関わってきます。
それが私にとって、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドです。
一本何十万円するようなクラブよりも、私にはこのクラブのほうが、はるかに価値があります。
値段はつけられません。

今日、久しぶりに試打してみたのですが、懐かしさがこみ上げてきました。
ああ、こういった打感だったな・・・。この打感を何度も味わったな・・・。と思いました。
ソフトさと弾き感が融合した打感といったらいいでしょうか?
キャロウェイらしいフィーリングです。

『音』も、独特の金属音です。
『キャロウェイ音』といってもいいと思います。
このクラブ以前から、よく耳にしてきました。
ビッグバーサが誕生したことにより、この高めの音が受け入れられたように思います。
私の周りでも、ビッグバーサの音に好感を持てない人が結構いたのですが、実際に打ってみて、その飛距離と易しさに魅力を感じ、だんだんと受け入れるようになりました。

球はあがりやすいです。
ティアップはもちろん、直打ちでも十分高さを出していけます。
クリークの特性を充分持ち合わせています。
ここが大きな魅力です。
今のボールの低スピン化にも、充分対応してくれる懐の深さがあります。
こういった『余裕のある性能』も、クラブ性能の重要な部分といえるのではないでしょうか?

『安定性』高く、最初から糸を引くようなストレートボールを打つことができました。
久しぶりに打ってみたけど、やっぱりいいな・・・。と思いました。
すごく易しいです。
このクラブの前では、何故か素直になれるような気がします。
私はフッカーで、フック系の球が自然なのですが、何故かこのクラブだけは、ほぼ真っ直ぐに近い球が打てます。
勿論、曲げようと思えば曲げられるのですが、このクラブの前では、まるで『純粋な少年』のようになってしまいます。
理由は自分でも分かりません。
スペックなど、数値だけでは決して測れないものがあるからかもしれません。

『飛距離性能』が優れているのは、いうまでもありません。
私は当時、この飛びに惚れて購入しました。
昔から、とにかくよく飛びましたが、それは今でも変わっていません。
今は飛距離性能に優れたフェアウェイウッドがたくさんありますが、この スチールヘッドIII こそが、その『元祖的存在』といえるのではないでしょうか?
ティショットはもちろん直打ちでも、このクラブのおかげで、ずいぶんと嬉しく楽しい思いをしてきました。
あがりやすさなどの易しさは勿論ですが、飛距離でも私を助けてくれたクラブです。
かなり前のクラブですが、相変わらず頼もしいクラブだな・・・。と思いました。

適度に小振りで、操作性も悪くはありませんが、できればあまり細工をしたくないクラブです。
やや『出っ歯タイプ』で、球を拾いやすいのも特長です。
これ以上『出っ歯』がきつくなると、逆に難しく感じてしまいますが、このクラブはちょうどいいところで抑えられています。

このクラブは大ヒットしましたし、昔使っていた・・・。とか、今でも持っている・・・。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私は中古ショップには殆ど行かないのですが、ひょっとしたら今でも店頭で見られるかもしれません。
おそらく、かなりリーズナブルな価格になっているだろうと思います。
今のクラブが素晴らしいのは勿論ですが、昔のクラブでも最新クラブに見劣りしない優等生はたくさんあります。
長く使っていけるクラブが実は多いです。
私がゴルフを始めてまだ間もない頃の、かなり昔のクラブは『耐久性』が劣るものがありましたが、今は技術が上がり精度も高まってきているので、普通に使っている限り、壊れにくくなっています。
クラブの寿命というのは、そのクラブでもう球が打てない・・・。というのではなく、持ち主であるゴルファーがそのクラブに飽きてきたり、他のクラブへの浮気心がでてしまったときではないでしょうか?

何故、私がこのクラブにそれだけ特別な思いがあり、それがドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドなのかというと、私の技術の未熟さにあります。
ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パターと、全てのクラブを練習するのが好きで、ほぼ毎日練習場に通い、全てのクラブを練習しました。
しかし、フェアウェイウッドが一番苦手でした。
一番というよりは『別物』といってもいいほど、極端な苦手意識をもっていました。
ティアップしているときは普通に打てるのですが、『直打ち』が全くできませんでした。
たまにいい感じで打てるのですが、確率が高くないので、実戦では使うことができず、パー5のセカンドなどで、実際はFWで打てばグリーンに乗る距離でも、7番アイアン等で極端にレイアップすることも多くありました。
私はもっとアグレッシブにいきたい・・・。という思いがずっとあったのですが、FWをもたず、アイアンで刻んでいる自分を、いつも『逃げている』と、自分自身を非難していました。
アイアンで確実に運んでいくので、スコアが崩れにくくまとまるのですが、私の中では消化不良といいますか、大きな不満が常につきまとっていました。
伸ばせるところで伸ばせない歯がゆさもありました。
それはまるで、しこりのようでした。
例え少し飛距離が出ても、いいスコアが出たとしても、FWが満足に打てない自分は一生一人前のゴルファーにはなれない・・・。という思いがありましたし、アイアンタイプが好きな私は一生苦手意識を払拭できないだろうと諦めかけていました。
一緒にラウンドしている人よりもスコアが多少良くても、FWが上手く打てない私の心の中はいつも敗北感でいっぱいでした。
その人にも、自分自身にも負けていました。

それでも諦めきれず、何とかしようとしていた私は練習場に行く前に書店に寄ってゴルフ雑誌を何冊か買い、練習場の打席にある椅子に腰かけて、その雑誌に載っているスイング理論やヒントなどを片っ端から試していきました。
家で読んだだけではすぐに忘れてしまうと思ったからです。
今でもおそらくそうだとは思いますが、毎週や毎月、雑誌には素晴らしいヒントがたくさん書かれています。
時には、その内容に矛盾を感じたことも少なくなかったのですが、有益な情報が載っていることも事実です。
私はその記事に救われたこともありますし、自分には縁の無い記事だな・・・。と素通りしたこともあります。
また、今はまだ必要ないけど、ひょっとしたらあと何年かしたら、この記事は役に立つかも・・・?と思ったこともありますが、その殆どはとっくに忘れてしまいました。
情報を頭に詰め込みすぎて頭が重くなるよりも、素振りなどをして、体を動かして自然な動きを身に着けたほうが、自分には早道だということに気づきました。

今でもそうかもしれませんが、その頃は『フェアウェイウッドは払うように打て』という記事がよくありました。
私もその記事に従って、払うように打ってみたのですが、なかなか上手くいきませんでした。
毎日毎日、来る日も来る日も同じことを繰り返し練習したのですが、いい結果に結びつかず、自分の技術の未熟さを嘆いていました。
あまりにも綺麗に上手く打とうとし過ぎてしまっていたのだと、今となっては分かりますが、当時はとにかく必死で原因が分かりませんでした。
練習場の打席でうなだれる日が続きましたが、ある日、昔観た『巨人の星』のエピソードを思い出しました。
巨人の星の主人公、星飛雄馬は青雲高校から読売ジャイアンツに入団し、最初は活躍しますが、次第に成績が落ちてきます。
抜群のコントロールとスピードボールが武器の飛雄馬でしたが、プロのピッチャーとしては小柄で、『球質が軽い』ということで、痛打されることが多くなります。
何とか打開しようと悩んだ飛雄馬は、あるお寺に座禅を組みに行きます。
座禅を組んでいたときに、和尚がそばに歩いてくると、緊張して体が動き、和尚から警策で肩を打たれます。
これはよく見られる光景ですが、そのときに和尚が飛雄馬に言った言葉が、飛雄馬を開眼させ救います。
それは「打たれまいとするから打たれるのだ。逆に打たれてもいい・・・。いやむしろ打ってもらおう・・・。と思うと、打たれなくなるものだ・・・。」というものでした。
その言葉は私にとっても衝撃的で、今でも忘れられない教訓となっています。
まさに『逆転の発想』といったところでしょうか?
その言葉がきっかけとなり、飛雄馬は大特訓の末、あの『大リーグボール1号』を完成させます。
元々、壁の穴を通過させて、家を訪れていた当時の川上監督を驚かせるほどの抜群のコントロールをもっていて、それを武器に、相手のバットに当てて、内野ゴロや凡フライなどを打たせて打ち取るというものでした。
相手バッターは対抗策として、構えたときにバットを揺らしたりしていましたが、飛雄馬の五円玉を使った特訓のおかげで打ち取ることができました。
しかし、生涯のライバルである阪神タイガースの花形満による、巨大な鉄球を使った特訓によって破られてしまうのですが、まさに魔球でした。
三振をとるのではなく、打たせてアウトにする・・・。しかも相手の意思にかかわらず(相手がバットを振らなくても打ち取れる)というのが斬新でした。
もちろん巨人の星はフィクションですが、昔の漫画やアニメには教訓となることがたくさん描かれています。
その中でも特に、巨人の星や一休さんには、色々なことを教わりました。
ちょっと説明が長くなってしまいましたが、そのエピソードを打席の椅子で悩んでいたときに思い出して、そうだ、これだ・・・。自分も試してみよう・・・。と思いました。
今までいい球を打とうとし過ぎていたのだということに気づくことができました。
私はゴルフを始めたときから、ミスの中で『ダフり』が一番嫌いでした。
ならば開き直ってといいますか、最初からミスするつもりで、ボールの手前をダフってみよう・・・。と思いました。
しかも『横からはらうように』打つのではなく、アイアンのように『上から打ち込んで』みることにしました。
高重心のアイアンでゴルフを覚えた私です。
上から打つのは『お手の物』『慣れっこ』です。
そうして打ってみると、『目からウロコ』といいますか、自分でも驚くようないい球が打てました。
ダフっているのですが、ソールがしっかりと仕事をしてくれ(うまく滑ってくれ)て、ダフったことを感じさせないような打球でした。
昔から『ダフると詰まる感じ』があったのですが、そうではなく、しっかりと滑ってくれるのでミスがミスになりにくいことに気づきました。
しかも、結構アバウトに打ってもいいところが大きなポイントです。
それまでのように、ヘッドをきちんと入れなければならないというのではなく、少しルーズな感じでいくほうが、いいことが分かりました。
これまではフェースでボールを正確にヒットすることばかりにとらわれていましたが、そうではなくて、『ソールを使う』ことが、ナイスショットを引き寄せてくれるのだと気づくことができましたし、その為にソールが広くなっているのだと、クラブの構造を理解することができました。
どれくらいダフるのが一番いいのか、自分なりの物差しを作ろうと思い、色々なところで試してみたのですが、私の場合はボールの右端のおよそ『一センチ手前』を目印にしてヘッドを入れていく感じが、ちょうどいいことが分かりました。
練習場はマットの上からなので、実際の芝やラフではどうかな?と思い、コースでも試してみましたがマット同様に、いい結果が得られるようになりました。
フェアウェイウッドの直打ちができるようになり、ユーティリティがさらに易しくなりましたし、『直ドラ』もできるようになりました。
横からはらうという方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は横からはらうというイメージでは難しいので、ティアップされていない、地面から直接打つときは、『上からややアバウトにソールを使う』ということを今でもしています。

今のFWはかなりシャロー化が進んでいますが、このクラブのように『適度な厚み』があるから、上手くいったのだと思います。
今はかなりシャローなので、やはり『はらうように打つ』のが正解に近いのかもしれませんが、一般的に言われていることが必ずしも誰にも当てはまる正解ではないですし、人それぞれの正解があるような気がします。
練習でそれをつかみ自分のものにしていく作業が必要ではないでしょうか?
雑誌に乗っている色々な理論やヒントをそのまま受け入れるのではなく、自分なりにアレンジしていくとオリジナリティも生まれます。
磨かれたオリジナリティは、強力な武器になります。
合わない、自分には全く必要ない・・・。と思えば、それを受け入れないことも大切になってくるのではないでしょうか?
色々な理論やヒントは、『処方箋』のようなものかもしれません。
人それぞれ、病気の症状は違うので、同じ薬というわけにはいきません。
情報を入れ過ぎて却って混乱を招き、上達スピードを遅らせてしまうこともあるような気がします。
私はこれまで海外には何度か行き、その都度本屋さんに行って、ゴルフの本を探していたのですが、日本のようにたくさんのゴルフ書籍や雑誌が並ぶことはありません。
日本だけといっていいと思いますが、それでも海外のゴルファーがハイレベルなのはいうまでもありません。
もちろん、全くないというわけではないのですが、日本のようにたくさんはありません。
みんな実戦で技術を習得していったのではないでしょうか?

フェアウェイウッドの直打ちが上手く打てるようになってから、私のゴルフは劇的に変わりました。
これまで自信の無さから『安全策』を取っていたのですが、もっとアグレッシブに攻めることができるようになりました。
パー5での2オンが増えてイーグルを狙える回数が増えましたし、もちろんティアップしてのティショットでも大活躍してくれました。
スコアメイクには色々なものが必要だと思いますが、ひとつはっきりといえるのは、『ドライバーの飛距離』ではなく、『フェアウェイウッドやユーティリティの重要性』です。
もちろん、ドライバーの飛距離を伸ばしていくのは、私たちゴルファーにとって『永遠のテーマ』ではありますが、ドライバーは『そこそこ』で、フェアウェイウッドやユーティリティが得意になったほうが、スコアは作りやすいように思います。
昔よりも特に今はそのように感じます。
それを気づかせてくれ、私の苦手意識を払拭してくれた、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドは、私の大切な相棒であると同時に、師匠やコーチといった存在でもあります。
このクラブのおかげで、私のゴルフライフがパッと明るくなりました。
すごく大切なクラブなので、このクラブの『実働期間』はそれほど長くありません。
それは先ほども書きましたが、このクラブを傷つけたくない、万が一にも壊したくない、スペックを変えたくない・・・。という思いがあるからです。
私が普段使っているクラブからすると、このクラブは軽量タイプでシャフトも軟らかいですが、色々なことを教えてくれたので変えたくありませんし、今のFWと比べると、かなりしっかりしているほうだと思います。
私がこのクラブに出会っていなければ、今でもフェアウェイウッドに対する苦手意識が払拭できていなかったかもしれません。
私は苦しみ・悩んでいるときに、いいクラブに出会うことができて、本当に幸せ者です。
私にはこのFWが一生手放せないクラブですが、ゴルファー一人一人に、同じようなクラブがあるのではないでしょうか?
ゴルフをより楽しむ為には『クラブに惚れる』ことが重要だと思っていますし、ときには『尊敬・感謝』する存在であってもいいと思います。
そんな愛着のあるクラブで球を打つからこそ、一球一球を大切にできるのではないでしょうか?
日本には素晴らしいクラブで溢れています。
人それぞれ、好きなメーカーやブランドがあると思いますが、本当にいいクラブ(シャフトやヘッド・グリップ)がたくさんあって、迷ってしまわれる方も多いかもしれません。
そんなときは、『自分の直感』を信じてみるのもいいのではないでしょうか?
このクラブなら練習も楽しくなる・・・。と思えるものを選ぶのが大切ですし、クラブとの『縁』もあると思います。
人と人との縁があれば、『ゴルファーとゴルフクラブの縁』も必ずあると私は思っています。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブと縁を結ぶことができた、幸せなゴルファーです。
その素晴らしいクラブに私の未熟な技術が追い付かず、クラブに笑われているのではないか?と恥ずかしくなることもありますが、ゴルフが楽しくてたまらない私はどんどんのめりこんでしまっています。
今は、このクラブよりも高性能なFWはたくさんありますが、私の中では、このクラブこそが、私の中での『ベストワン』といいますか、『オンリーワン』です。
いいクラブはずっと色褪せません。
このクラブを、これからもずっと大切に保管していきます。
ゴルフクラブは保管されるよりも、実際に球を打って使ってもらったほうが幸せなのではないか?と思うところもあるのですが、このクラブだけは特別なので、球を打つよりも『心の支え』にしています。
先ほども書きましたが、色々なことを教えてくれた、このクラブは私にとっては師匠やコーチといった存在でもあります。
長くなってしまいましたが、次回からまた通常の記事に戻りたいと思います。
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2018年04月21日
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素振りのススメ
今日は、いつもとちょっと様子を変えまして、ゴルフにおける最高であり、基本中の基本ともいえる練習法である素振りについて書かせていただきたいと思います。
素振りは大切な練習法だとは知っていても、あまりやらないという方も多いのではないでしょうか?
小学・中学・高校・大学とクラブ活動をしてこられた方は多いと思います。
その中でも、特に野球やテニス・卓球・バドミントンは、バットやラケットを『振るスポーツ』なので、練習メニューには常に『素振り』が組み込まれていたと思いますし、自主練習のメインメニューは素振りではなかったでしょうか?
その基本ともいえる大切な素振りを大人になってゴルフに取り入れていないという方は多いような気がします。
素振りの大切さを知っていながら、大人になってゴルフを始めて、素振りをせずに練習といえば練習場に行ってひたすらボールを打つだけ・・・。という方も多いのではないでしょうか?
練習場で球を打つことも大切ですが、素振りはとても大切で効果的な練習法なので、今回は書かせていただくことにしました。

この3つは、私の日常練習である『素振りの三道具』です。
ゴルフ場や練習場に毎日通うことは難しいですが、素振りは毎日できます。
お金もかからないですし、時間の制約もありません。
いつでも好きな時間に、この最高の練習である素振りはできます。
私は素振りが大好きですし、毎日行っています。
冬の寒い日は、体が内からポカポカ温まりますし、春から秋にかけては素振りをしていい汗をかいてお風呂に入り、その後に飲むビールが格別です。
素振りは生活の一部になっているので、素振りをしないと生活のリズムが狂ってしまいそうです。

3つの素振り道具をご紹介しましたが、私のメインの道具は、この野球バットです。
これを毎日振っています。
このバットは軟式用の木製バットですが、他に硬式用の木製バットや金属製バット・カーボン製のバットもありますし、ソフトボール用のバットも持っています。
それを、その日の気分などで使い分けています。
金属のバットを振りたいなと思えば金属バットで素振りをしますし、木の肌触りを楽しみたいときは、木製バットを使います。

このバットは軟式用の木製バットなので、バットの中では軽量タイプではありますが、ゴルフクラブと比べると、かなりの重さがあります。
ちなみに、この木製バットは756gです。
14本のゴルフクラブで一番重いのは、ほぼ例外なくパターだと思いますが、そのパターが500gちょっとなので、200g以上重くなります。
その重さをいつも利用していますし、この木目の美しさを目で楽しんでいます。
パーシモン世代の楽しみ方といえるでしょうか?
パーシモンは、メタルやチタンと違い、木目の美しさがありました。
木目は1本1本違っていて、それが『個性』でした。

野球をやってこられた方には、おそらく理解していただけると思うのですが、バットひとつとっても、このバットの重心はどこかな?と探っていました。
感覚的にもそうですし、実際に振ってみて、『先重タイプ』なのか、それとも重心がグリップ側にあるタイプなのか、バットでも色々と個性がありました。
ボールをコンコンと当てて、『芯』がどこなのか探っていました。
今でもゴルフクラブには『重心』という言葉は使われます。
今は圧倒的に『低重心』『深重心』タイプがもてはやされていると思いますが、クラブで球を打っていて、このクラブの重心はどこにあるか考えたり、把握しておられる方は意外と少ないのではないでしょうか?
とはいっても、今はゴルフクラブには様々な複合素材が使われていて、見た目の印象とも大きく違っていることもありますし、探りづらいこともあります。
重心がボヤけているように感じるクラブも、少なくありません。

このグリップエンドも、バットの魅力のひとつです。
ゴルフのグリップにはありませんが、このグリップエンドの削り方でもバランスが変わってきますし、人それぞれ好みの形状が違います。
グリップの太さも好みがはっきりしています。
野球をずっとやってこられた方で、ゴルフをいきなり始めたときに、『グリップの細さ』を気にされた方も多いのではないでしょうか?
ベースボールグリップに慣れていたら、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップには、最初のうちは、かなり違和感があったと思います。
野球とゴルフは共通点も多いですが、違うところもたくさんあります。
ただ、私がこれまでたくさんのゴルファーを見てきた中で、ロングヒッターは野球経験者が圧倒的に多いです。
それは『振る筋力』が鍛えられているということもあると思いますし、ヘッドの走らせ方を体得しておられる方が多いからではないでしょうか?
ゴルフクラブよりも遥かに重い、野球バットでスイングを鍛えてこられた方は、ゴルフのクラブが細くて軽くて頼りないものに最初は思われたかもしれません。
たとえDGを振ったとしても、おそらく『重い』とは感じにくいのではないでしょうか?

このままでもいいのですが、バットの中では軽めなので、普段はこのウェイトを付けて素振りをしています。
ちなみに、このウェイトは330gあります。
1086gのバットで、普段は素振りをしています。

1086gでも慣れているので、重く感じないですし、これでリズムを整えています。
ウェイトを外して素振りをすると、756gのバットがすごく軽く感じられます。
私が使っているゴルフクラブは一般的にはややしっかりとしたスペックになっていて、人からは
「重いし、硬い。よくこんなの使ってられるね・・・。」
などと驚かれることもありますが、野球のバットに比べれば全然軽いですし、軟らかく感じます。
私はいつも使っているダイナミックゴールドやクレイジーのシャフトなどが硬いとか重いと思ったことはないですし、いつも『しなり』を感じながら振っています。

もうひとつの道具は、これです。
ヤードスティックという名前です。
これは昔(20年以上前)、ゴルフ雑誌の広告を見て、購入しました。
私の記憶が正しければ、値段は14,800円だったと思います。
シャフトの先端にゴルフボールが挿してあるだけで、ヘッドが付いていない分、かなり軽いです。
ちなみに重さは171gです。

到着して開封して見てみると、何だ普通のカーボンシャフトにボールが挿してあるだけか・・・。と、ちょっとガッカリしました。
すごく単純でチープに思えたからです。
これが1万円以上するのか・・・。と思いました。


しかも挿してあるボールは、ブリヂストンのPRECEPT EV EXTRA SPINです。
よく知っているどころか、一時期メインで使っていました。
メジャーチャンピオンでもある、ニック・プライス選手が使っていたということでも有名でしたし、その飛び性能とスピン性能の高さは確かでした。
よく止まってくれるので信頼し、大切な試合ではいつも使っていました。
価格がリーズナブルなのも魅力です。
そのボールが使われているので、親近感をもちましたが、他のメーカーのボールも使われているのかな?と思いました。

こうして先端部だけを見ると、振ったときにボールが抜けてしまわないか不安になってしまいますが、実際に素振りをしていても、抜けたことは一度もありません。
接着が上手くいっていたのだと思います。

グリップにはツアーベルベットが挿してあります。
これは年月と共にゴムは劣化するので、私が挿し替えた物です。
最初は何が挿してあったか、覚えていません。

シャフトには『UP5』の文字がありました。
たしか、広告にも『ヘッドスピードを5あげる』という宣伝文句があったように思います。

もっと詳しく見てみると『UP5 is a practice club for increasing head speed』と表記されています。
実際に使ってみての感想ですが、この道具はとても効果が大きいです。
ヘッドを速く振るということもありますし、もっと速く振るイメージをもちやすいです。
軽い物を振って筋力を高めるものでもなく、スピードに慣れるというものでもありません。
言い方は良くないかもしれませんが、『脳をだます効果』があるといっていいかもしれません。
いわゆる『リミッター』を外すことができる道具です。
これは飛びには必要不可欠な要素です。

ただ、このヤードスティックには大きな欠点が2つあります(あくまでも私にとっての欠点なのですが・・・)。
それはまず『音』が大きいということです。
この道具でビュンビュン振ってヘッドを走らせる感覚を味わえるのはいいのですが、とにかく音が大きいので、近所迷惑にならないか、いつも気にしていました。
辺りが静まりかえった夜だと、確実に近所迷惑になると思います。
もっとゆっくり振って音が出ないようにすればいいのですが、それだと、このヤードスティックを使う意味がありません。
私は素振りをするときは、だいたい夜が多く、月明かりを背に浴びながら素振りをしています。
月明かりによって映し出される自分の影を見ながら、自分の振る音に集中しています。
目をつぶって素振りをすることもあります。
出勤前やゴルフ場に向かう直前の早朝に素振りをして体を温めることもあります。
なので、特に気を遣う時間帯です。
周りに民家などが全く無いのであれば、気にする必要は無いのかもしれませんが、私の住んでいる環境はそうではないので、この道具をあまり使うことができません。
何度か使って、その『走る感覚』を頭にインプットできているので、今は『倉庫の飾り』になってしまっています。

もう一つの欠点は(あくまでも私にとっての欠点ですが)、クラブよりも軽すぎる物を振り続けていると、肝心のショットの精度が落ちてくるということです。
クラブを速く振ることと、正確性はまた別物です。
いくら速く振っても、ミスヒットすれば飛ばないですし、逆にいくら芯でヒットしても、ヘッドスピードが遅ければボールスピードも出ないので、距離は稼げません。
その2つのジレンマに襲われそうですが、先ほども書きました通り、この道具を使って速く振ることは脳にインプットできているので、今は使わなくても大丈夫です。
そして、使い始めてしばらく経って、無理にこの道具を使わなくても、いつも使っているクラブ(ドライバーでもFWでもアイアンでも)を逆さに持って素振りをすれば、同じような効果が得られることに気づきました。
しかも、振っていても大きな音がしないので、近所迷惑にもならないですし、素振りに集中できます。
その事に気づいて、高い買い物をしてしまったかな?と思うこともありましたが、このヤードスティックに出会って、もっとヘッドスピードを速めることができたのは紛れもない事実なので、今では買って良かったと心から思えます。
この道具のコンセプトは『ヘッドスピードを5上げる』ということですが、実際はもっと上がったという方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私も使っていて、明らかに『5以上』の効果はあったような気がします。
私は元々パワーには多少の自信があったので、いわゆる『馬鹿力』で飛ばしていたようなところもありましたが、それに『スピード』が加わって、明らかにゴルフの幅を広げていけたような気がします。

3つめは、この道具です。
名前は覚えていません。
この道具は、たまたま立ち寄った量販店に売られていたものです。
最初は何だろう?と思っていたのですが、実際に手にしてみて、なかなかいいな・・・。と思い、購入しました。
シャフトはかなりグニャグニャしている感じですが、何より短いので、室内で素振りができます。
かなり軟らかいので、速く振るというよりも、タイミングを整えるという目的で使っています。
体の正面に常にあるように気をつけながら振っています。
ちなみに、重さは299gあります。
これが3つの中で、最もゴルフクラブの重さに近いといえるでしょうか?


先端部分は、こんな感じです。
時代劇に出てくる、虚無僧が尺八を吹きながら被る笠のようです。
シャフトもそうですが、全体的にゴムで覆われている感じで、柔らかいのも特長です。
部屋で素振りをしていて、部屋の照明や他の物を壊してしまった・・・。という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみに私は経験があります。
この道具はかなり短いので、そういったことにはなりにくいのがとてもいいです。

ちなみにグリップは、こういうタイプです。
このグリップは変えていません。

私は出張が多く、今でもいろいろなところへ行っています。
日帰りの出張もあれば、一泊二日や二泊三日の場合もありますし、それ以上になることもあります。
行き慣れた場所であれば、宿泊するホテルや旅館が決まっていることもあり、馴染みの飲食店もいくつかあります。
日帰りのときには持っていきませんが、宿泊する場合は、この道具を鞄に入れて部屋で素振りをすることもあります。
本当ならばバットを持っていきたいのですが、バットを持ち歩くわけにはいかないので、この道具が重宝しています。
この道具を持って行かないこともありますが、そのときは部屋に常備してあるタオルを使って素振りをしたり、あとはひたすら腕立てや腹筋・背筋・スクワットをやったり、ストレッチに時間を費やしたりしています。

グリップにはそれぞれの特性がありますが、どれもいいものです。
ラバーに慣れていると木のフィーリングを楽しみたくなりますし、木を振り続けていると、またラバーの柔らかさを味わいたくもなります。
素振りは実際には効果の気づきにくい練習法といえるかもしれません。
練習場に行けば、ボールが曲がった・真っ直ぐ飛んだ・遠くに飛んだ・引っかけた・こすった・・・。など、一球一球結果がはっきりと分かります。
なので、楽しさもありますが、そういった意味でいうと、素振りは地味な練習法といえるのかもしれません。
しかし、大切な練習法であることは間違いないですし、『基礎』を築きあげるのに最適な練習だと思います。
素振りの方法にも色々あって、連続素振りもいいですし、細かいところをチェックするならスロー素振りなどもいいと思います。
私は素振りをするときは、ホームコースをイメージして、実際にラウンドしているようにすることもあります。
実際に球をイメージして、振っています。
イメージでは18ホールを『10アンダー』くらいで回っているのですが、もちろん実際はそんなに上手くいきません。
しかし、頭の中で考えるのは自由なので、いつも自分の都合のいいように考えて、素振りを楽しんでいます。
そして、常に『音』を気にしながら振っています。
毎日素振りをしていると、『その日の音』があるように感じることがあります。
実際には聞き取れないような小さな違いなのかもしれませんが、今日はやや乾燥気味の音だったとか、逆にちょっと湿りがちでベチャッとした感じだとか、重いとか軽いとか、色々あります。
あくまでも感覚的なことなので、上手く表現はできませんが、毎日やっていると、色々な違いに気づくことができます。

ゴルフの練習は好きだけど、あくまでも球を打つのが楽しいのであって、素振りは楽しくないので、やらない・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
楽しくない練習はあまり意味が無いと思うので、仕方ないことかもしれません。
ゴルフは『競技ゴルフ』と、競技とは関係ない『エンジョイゴルフ』に分かれます。
私は競技に出場しているのですが、自称世界一のエンジョイゴルファーだと自負しております。
ゴルフが楽しくてたまりません。
通常の競技にも出場しますが、会社のコンペなども出場します。
そのコンペには、色々な会社の方が参加されます。
コンペも立派な競技ではありますが、通常の競技と大きく異なるところは、出場している人全てが、必ずしもゴルフが好きではないということです。
本人はゴルフをしたくないし、出たくないのに、会社に言われて嫌々出場している・・・。という方も少なからずいらっしゃいます。
こんなに楽しいゴルフがどうして嫌いなんだろう・・・?と思いますが、人の好みは様々なので仕方ありません。
そういった方と同じ組になることもあり、普段は温厚な方なのですが、プレー中はかなり荒れることがあります。
その方のバッグにはかなり古いクラブが入っています。
古いのはいいです。昔のクラブでもいいクラブはたくさんあるので・・・。
ただ、そのクラブが全て錆びていたり、大きな傷がそのままだったりしています。
すごく汚れていて、掃除した形跡も見られません。
ドライバーやFWに、ヘッドカバーが付けられていません。
移動する度にガチャガチャ音がしていて、私にはその音が、クラブが泣いているように聞こえてなりません。
とても辛くてたまりませんでした。
ミスをすればクラブを叩きつけるし、放り投げたりしていました。
その方は普段から、ゴルフは好きではないし、これからも練習しないと仰っていますが、プレー中はとにかく一生懸命で、バーディーやパーを取ろうとしておられますが、普段から練習もしないで、上手くいくわけがありません。
クラブを大切にしていないので、クラブから助けられることも無いと思います。
当然コンペの成績は、その方の満足いくものではなかったと思いますが、その方は帰宅されたらまた練習をされないと思いますし、また次のコンペには会社からの命令で渋々参加してくるのだと思います。
その方にとってゴルフとは、単なる『顔合わせ』『仕事上のつきあい』程度のことなのかもしれません。
人それぞれ、ゴルフへの向き合い方は色々だとは思いますが、私はこの老若男女関係無く楽しめる素晴らしいスポーツを、一人でも多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。
日本はもちろん、世界中のゴルファー人口がもっと増えて欲しいです。
上達するしない関係無く、ゴルフは楽しめる要素がたくさんありますが、上達していくことが楽しみのひとつですし、上達すればするほど、また新たな楽しさが生まれてきます。
ゴルフというスポーツの奥の深さを実感し、人生を通して付き合っていけます。
上達には練習することが必要不可欠ですが、素振りはその最も大切な練習だと思います。
ゴルフをプレーしていると、プレー中に『練習に救われたな・・・。』と思えることが、多くの方にあるのではないでしょうか?
あの練習をしていて良かった。おかげで今日はいいスコアで回れた。あのピンチを上手く切り抜けられた・・・。など、自分がやっていた練習に救われたことがたくさんある・・・。ということもあるのではないでしょうか?
少なくとも私はたくさんあります。
素振りをしていたおかげで、スコアメイクが楽になりました。
安定性も増しましたし、パワーが付いて距離も伸びました。
色々な人とプレーしていると、途中までは良かったけど、後半を過ぎてくると突然スイングが乱れる方がおられます。
最初の頃はいいスイングをしておられたのに、スイングが乱れてミスショットを連発されました。
そういった方は『振るスタミナ』が不足しているのだと思います。
『素振り不足』だと思います。
普段から振り慣れていると、そういったことにはなりにくいような気がします。
プロを目指す研修生のように、一日1000回以上素振りをしなければならないというのではありません。
ほんの5分でも10分でもいいので、今よりもレベルアップを目指しておられる方は、この素振りというシンプルで最も効果の高い練習を継続していただきたいと思いました。

もちろん素振り道具はこれだけではないですし、普段使っておられるクラブで素振りをされるのも、とてもいいことだと思います。
正解の方法はひとつだけではなくて、人の数だけ正解があるような気がします。
この道具以外にも、竹ほうきやゴムホースなどを使って素振りをしてみましたが、私には野球のバットが一番合っているのが分かったので、ずっと使い続けています。
今日はちょっと気まぐれで、いつもと内容が変わってしまいましたが、次回からは通常の記事に戻りたいと思います。
素振りは大切な練習法だとは知っていても、あまりやらないという方も多いのではないでしょうか?
小学・中学・高校・大学とクラブ活動をしてこられた方は多いと思います。
その中でも、特に野球やテニス・卓球・バドミントンは、バットやラケットを『振るスポーツ』なので、練習メニューには常に『素振り』が組み込まれていたと思いますし、自主練習のメインメニューは素振りではなかったでしょうか?
その基本ともいえる大切な素振りを大人になってゴルフに取り入れていないという方は多いような気がします。
素振りの大切さを知っていながら、大人になってゴルフを始めて、素振りをせずに練習といえば練習場に行ってひたすらボールを打つだけ・・・。という方も多いのではないでしょうか?
練習場で球を打つことも大切ですが、素振りはとても大切で効果的な練習法なので、今回は書かせていただくことにしました。

この3つは、私の日常練習である『素振りの三道具』です。
ゴルフ場や練習場に毎日通うことは難しいですが、素振りは毎日できます。
お金もかからないですし、時間の制約もありません。
いつでも好きな時間に、この最高の練習である素振りはできます。
私は素振りが大好きですし、毎日行っています。
冬の寒い日は、体が内からポカポカ温まりますし、春から秋にかけては素振りをしていい汗をかいてお風呂に入り、その後に飲むビールが格別です。
素振りは生活の一部になっているので、素振りをしないと生活のリズムが狂ってしまいそうです。

3つの素振り道具をご紹介しましたが、私のメインの道具は、この野球バットです。
これを毎日振っています。
このバットは軟式用の木製バットですが、他に硬式用の木製バットや金属製バット・カーボン製のバットもありますし、ソフトボール用のバットも持っています。
それを、その日の気分などで使い分けています。
金属のバットを振りたいなと思えば金属バットで素振りをしますし、木の肌触りを楽しみたいときは、木製バットを使います。

このバットは軟式用の木製バットなので、バットの中では軽量タイプではありますが、ゴルフクラブと比べると、かなりの重さがあります。
ちなみに、この木製バットは756gです。
14本のゴルフクラブで一番重いのは、ほぼ例外なくパターだと思いますが、そのパターが500gちょっとなので、200g以上重くなります。
その重さをいつも利用していますし、この木目の美しさを目で楽しんでいます。
パーシモン世代の楽しみ方といえるでしょうか?
パーシモンは、メタルやチタンと違い、木目の美しさがありました。
木目は1本1本違っていて、それが『個性』でした。

野球をやってこられた方には、おそらく理解していただけると思うのですが、バットひとつとっても、このバットの重心はどこかな?と探っていました。
感覚的にもそうですし、実際に振ってみて、『先重タイプ』なのか、それとも重心がグリップ側にあるタイプなのか、バットでも色々と個性がありました。
ボールをコンコンと当てて、『芯』がどこなのか探っていました。
今でもゴルフクラブには『重心』という言葉は使われます。
今は圧倒的に『低重心』『深重心』タイプがもてはやされていると思いますが、クラブで球を打っていて、このクラブの重心はどこにあるか考えたり、把握しておられる方は意外と少ないのではないでしょうか?
とはいっても、今はゴルフクラブには様々な複合素材が使われていて、見た目の印象とも大きく違っていることもありますし、探りづらいこともあります。
重心がボヤけているように感じるクラブも、少なくありません。

このグリップエンドも、バットの魅力のひとつです。
ゴルフのグリップにはありませんが、このグリップエンドの削り方でもバランスが変わってきますし、人それぞれ好みの形状が違います。
グリップの太さも好みがはっきりしています。
野球をずっとやってこられた方で、ゴルフをいきなり始めたときに、『グリップの細さ』を気にされた方も多いのではないでしょうか?
ベースボールグリップに慣れていたら、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップには、最初のうちは、かなり違和感があったと思います。
野球とゴルフは共通点も多いですが、違うところもたくさんあります。
ただ、私がこれまでたくさんのゴルファーを見てきた中で、ロングヒッターは野球経験者が圧倒的に多いです。
それは『振る筋力』が鍛えられているということもあると思いますし、ヘッドの走らせ方を体得しておられる方が多いからではないでしょうか?
ゴルフクラブよりも遥かに重い、野球バットでスイングを鍛えてこられた方は、ゴルフのクラブが細くて軽くて頼りないものに最初は思われたかもしれません。
たとえDGを振ったとしても、おそらく『重い』とは感じにくいのではないでしょうか?

このままでもいいのですが、バットの中では軽めなので、普段はこのウェイトを付けて素振りをしています。
ちなみに、このウェイトは330gあります。
1086gのバットで、普段は素振りをしています。

1086gでも慣れているので、重く感じないですし、これでリズムを整えています。
ウェイトを外して素振りをすると、756gのバットがすごく軽く感じられます。
私が使っているゴルフクラブは一般的にはややしっかりとしたスペックになっていて、人からは
「重いし、硬い。よくこんなの使ってられるね・・・。」
などと驚かれることもありますが、野球のバットに比べれば全然軽いですし、軟らかく感じます。
私はいつも使っているダイナミックゴールドやクレイジーのシャフトなどが硬いとか重いと思ったことはないですし、いつも『しなり』を感じながら振っています。

もうひとつの道具は、これです。
ヤードスティックという名前です。
これは昔(20年以上前)、ゴルフ雑誌の広告を見て、購入しました。
私の記憶が正しければ、値段は14,800円だったと思います。
シャフトの先端にゴルフボールが挿してあるだけで、ヘッドが付いていない分、かなり軽いです。
ちなみに重さは171gです。

到着して開封して見てみると、何だ普通のカーボンシャフトにボールが挿してあるだけか・・・。と、ちょっとガッカリしました。
すごく単純でチープに思えたからです。
これが1万円以上するのか・・・。と思いました。


しかも挿してあるボールは、ブリヂストンのPRECEPT EV EXTRA SPINです。
よく知っているどころか、一時期メインで使っていました。
メジャーチャンピオンでもある、ニック・プライス選手が使っていたということでも有名でしたし、その飛び性能とスピン性能の高さは確かでした。
よく止まってくれるので信頼し、大切な試合ではいつも使っていました。
価格がリーズナブルなのも魅力です。
そのボールが使われているので、親近感をもちましたが、他のメーカーのボールも使われているのかな?と思いました。

こうして先端部だけを見ると、振ったときにボールが抜けてしまわないか不安になってしまいますが、実際に素振りをしていても、抜けたことは一度もありません。
接着が上手くいっていたのだと思います。

グリップにはツアーベルベットが挿してあります。
これは年月と共にゴムは劣化するので、私が挿し替えた物です。
最初は何が挿してあったか、覚えていません。

シャフトには『UP5』の文字がありました。
たしか、広告にも『ヘッドスピードを5あげる』という宣伝文句があったように思います。

もっと詳しく見てみると『UP5 is a practice club for increasing head speed』と表記されています。
実際に使ってみての感想ですが、この道具はとても効果が大きいです。
ヘッドを速く振るということもありますし、もっと速く振るイメージをもちやすいです。
軽い物を振って筋力を高めるものでもなく、スピードに慣れるというものでもありません。
言い方は良くないかもしれませんが、『脳をだます効果』があるといっていいかもしれません。
いわゆる『リミッター』を外すことができる道具です。
これは飛びには必要不可欠な要素です。

ただ、このヤードスティックには大きな欠点が2つあります(あくまでも私にとっての欠点なのですが・・・)。
それはまず『音』が大きいということです。
この道具でビュンビュン振ってヘッドを走らせる感覚を味わえるのはいいのですが、とにかく音が大きいので、近所迷惑にならないか、いつも気にしていました。
辺りが静まりかえった夜だと、確実に近所迷惑になると思います。
もっとゆっくり振って音が出ないようにすればいいのですが、それだと、このヤードスティックを使う意味がありません。
私は素振りをするときは、だいたい夜が多く、月明かりを背に浴びながら素振りをしています。
月明かりによって映し出される自分の影を見ながら、自分の振る音に集中しています。
目をつぶって素振りをすることもあります。
出勤前やゴルフ場に向かう直前の早朝に素振りをして体を温めることもあります。
なので、特に気を遣う時間帯です。
周りに民家などが全く無いのであれば、気にする必要は無いのかもしれませんが、私の住んでいる環境はそうではないので、この道具をあまり使うことができません。
何度か使って、その『走る感覚』を頭にインプットできているので、今は『倉庫の飾り』になってしまっています。

もう一つの欠点は(あくまでも私にとっての欠点ですが)、クラブよりも軽すぎる物を振り続けていると、肝心のショットの精度が落ちてくるということです。
クラブを速く振ることと、正確性はまた別物です。
いくら速く振っても、ミスヒットすれば飛ばないですし、逆にいくら芯でヒットしても、ヘッドスピードが遅ければボールスピードも出ないので、距離は稼げません。
その2つのジレンマに襲われそうですが、先ほども書きました通り、この道具を使って速く振ることは脳にインプットできているので、今は使わなくても大丈夫です。
そして、使い始めてしばらく経って、無理にこの道具を使わなくても、いつも使っているクラブ(ドライバーでもFWでもアイアンでも)を逆さに持って素振りをすれば、同じような効果が得られることに気づきました。
しかも、振っていても大きな音がしないので、近所迷惑にもならないですし、素振りに集中できます。
その事に気づいて、高い買い物をしてしまったかな?と思うこともありましたが、このヤードスティックに出会って、もっとヘッドスピードを速めることができたのは紛れもない事実なので、今では買って良かったと心から思えます。
この道具のコンセプトは『ヘッドスピードを5上げる』ということですが、実際はもっと上がったという方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私も使っていて、明らかに『5以上』の効果はあったような気がします。
私は元々パワーには多少の自信があったので、いわゆる『馬鹿力』で飛ばしていたようなところもありましたが、それに『スピード』が加わって、明らかにゴルフの幅を広げていけたような気がします。

3つめは、この道具です。
名前は覚えていません。
この道具は、たまたま立ち寄った量販店に売られていたものです。
最初は何だろう?と思っていたのですが、実際に手にしてみて、なかなかいいな・・・。と思い、購入しました。
シャフトはかなりグニャグニャしている感じですが、何より短いので、室内で素振りができます。
かなり軟らかいので、速く振るというよりも、タイミングを整えるという目的で使っています。
体の正面に常にあるように気をつけながら振っています。
ちなみに、重さは299gあります。
これが3つの中で、最もゴルフクラブの重さに近いといえるでしょうか?


先端部分は、こんな感じです。
時代劇に出てくる、虚無僧が尺八を吹きながら被る笠のようです。
シャフトもそうですが、全体的にゴムで覆われている感じで、柔らかいのも特長です。
部屋で素振りをしていて、部屋の照明や他の物を壊してしまった・・・。という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみに私は経験があります。
この道具はかなり短いので、そういったことにはなりにくいのがとてもいいです。

ちなみにグリップは、こういうタイプです。
このグリップは変えていません。

私は出張が多く、今でもいろいろなところへ行っています。
日帰りの出張もあれば、一泊二日や二泊三日の場合もありますし、それ以上になることもあります。
行き慣れた場所であれば、宿泊するホテルや旅館が決まっていることもあり、馴染みの飲食店もいくつかあります。
日帰りのときには持っていきませんが、宿泊する場合は、この道具を鞄に入れて部屋で素振りをすることもあります。
本当ならばバットを持っていきたいのですが、バットを持ち歩くわけにはいかないので、この道具が重宝しています。
この道具を持って行かないこともありますが、そのときは部屋に常備してあるタオルを使って素振りをしたり、あとはひたすら腕立てや腹筋・背筋・スクワットをやったり、ストレッチに時間を費やしたりしています。

グリップにはそれぞれの特性がありますが、どれもいいものです。
ラバーに慣れていると木のフィーリングを楽しみたくなりますし、木を振り続けていると、またラバーの柔らかさを味わいたくもなります。
素振りは実際には効果の気づきにくい練習法といえるかもしれません。
練習場に行けば、ボールが曲がった・真っ直ぐ飛んだ・遠くに飛んだ・引っかけた・こすった・・・。など、一球一球結果がはっきりと分かります。
なので、楽しさもありますが、そういった意味でいうと、素振りは地味な練習法といえるのかもしれません。
しかし、大切な練習法であることは間違いないですし、『基礎』を築きあげるのに最適な練習だと思います。
素振りの方法にも色々あって、連続素振りもいいですし、細かいところをチェックするならスロー素振りなどもいいと思います。
私は素振りをするときは、ホームコースをイメージして、実際にラウンドしているようにすることもあります。
実際に球をイメージして、振っています。
イメージでは18ホールを『10アンダー』くらいで回っているのですが、もちろん実際はそんなに上手くいきません。
しかし、頭の中で考えるのは自由なので、いつも自分の都合のいいように考えて、素振りを楽しんでいます。
そして、常に『音』を気にしながら振っています。
毎日素振りをしていると、『その日の音』があるように感じることがあります。
実際には聞き取れないような小さな違いなのかもしれませんが、今日はやや乾燥気味の音だったとか、逆にちょっと湿りがちでベチャッとした感じだとか、重いとか軽いとか、色々あります。
あくまでも感覚的なことなので、上手く表現はできませんが、毎日やっていると、色々な違いに気づくことができます。

ゴルフの練習は好きだけど、あくまでも球を打つのが楽しいのであって、素振りは楽しくないので、やらない・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
楽しくない練習はあまり意味が無いと思うので、仕方ないことかもしれません。
ゴルフは『競技ゴルフ』と、競技とは関係ない『エンジョイゴルフ』に分かれます。
私は競技に出場しているのですが、自称世界一のエンジョイゴルファーだと自負しております。
ゴルフが楽しくてたまりません。
通常の競技にも出場しますが、会社のコンペなども出場します。
そのコンペには、色々な会社の方が参加されます。
コンペも立派な競技ではありますが、通常の競技と大きく異なるところは、出場している人全てが、必ずしもゴルフが好きではないということです。
本人はゴルフをしたくないし、出たくないのに、会社に言われて嫌々出場している・・・。という方も少なからずいらっしゃいます。
こんなに楽しいゴルフがどうして嫌いなんだろう・・・?と思いますが、人の好みは様々なので仕方ありません。
そういった方と同じ組になることもあり、普段は温厚な方なのですが、プレー中はかなり荒れることがあります。
その方のバッグにはかなり古いクラブが入っています。
古いのはいいです。昔のクラブでもいいクラブはたくさんあるので・・・。
ただ、そのクラブが全て錆びていたり、大きな傷がそのままだったりしています。
すごく汚れていて、掃除した形跡も見られません。
ドライバーやFWに、ヘッドカバーが付けられていません。
移動する度にガチャガチャ音がしていて、私にはその音が、クラブが泣いているように聞こえてなりません。
とても辛くてたまりませんでした。
ミスをすればクラブを叩きつけるし、放り投げたりしていました。
その方は普段から、ゴルフは好きではないし、これからも練習しないと仰っていますが、プレー中はとにかく一生懸命で、バーディーやパーを取ろうとしておられますが、普段から練習もしないで、上手くいくわけがありません。
クラブを大切にしていないので、クラブから助けられることも無いと思います。
当然コンペの成績は、その方の満足いくものではなかったと思いますが、その方は帰宅されたらまた練習をされないと思いますし、また次のコンペには会社からの命令で渋々参加してくるのだと思います。
その方にとってゴルフとは、単なる『顔合わせ』『仕事上のつきあい』程度のことなのかもしれません。
人それぞれ、ゴルフへの向き合い方は色々だとは思いますが、私はこの老若男女関係無く楽しめる素晴らしいスポーツを、一人でも多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。
日本はもちろん、世界中のゴルファー人口がもっと増えて欲しいです。
上達するしない関係無く、ゴルフは楽しめる要素がたくさんありますが、上達していくことが楽しみのひとつですし、上達すればするほど、また新たな楽しさが生まれてきます。
ゴルフというスポーツの奥の深さを実感し、人生を通して付き合っていけます。
上達には練習することが必要不可欠ですが、素振りはその最も大切な練習だと思います。
ゴルフをプレーしていると、プレー中に『練習に救われたな・・・。』と思えることが、多くの方にあるのではないでしょうか?
あの練習をしていて良かった。おかげで今日はいいスコアで回れた。あのピンチを上手く切り抜けられた・・・。など、自分がやっていた練習に救われたことがたくさんある・・・。ということもあるのではないでしょうか?
少なくとも私はたくさんあります。
素振りをしていたおかげで、スコアメイクが楽になりました。
安定性も増しましたし、パワーが付いて距離も伸びました。
色々な人とプレーしていると、途中までは良かったけど、後半を過ぎてくると突然スイングが乱れる方がおられます。
最初の頃はいいスイングをしておられたのに、スイングが乱れてミスショットを連発されました。
そういった方は『振るスタミナ』が不足しているのだと思います。
『素振り不足』だと思います。
普段から振り慣れていると、そういったことにはなりにくいような気がします。
プロを目指す研修生のように、一日1000回以上素振りをしなければならないというのではありません。
ほんの5分でも10分でもいいので、今よりもレベルアップを目指しておられる方は、この素振りというシンプルで最も効果の高い練習を継続していただきたいと思いました。

もちろん素振り道具はこれだけではないですし、普段使っておられるクラブで素振りをされるのも、とてもいいことだと思います。
正解の方法はひとつだけではなくて、人の数だけ正解があるような気がします。
この道具以外にも、竹ほうきやゴムホースなどを使って素振りをしてみましたが、私には野球のバットが一番合っているのが分かったので、ずっと使い続けています。
今日はちょっと気まぐれで、いつもと内容が変わってしまいましたが、次回からは通常の記事に戻りたいと思います。
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2015年08月23日
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初めて手にしたドライバー
今日、練習場へ行く前に自宅倉庫の片付けをしていたら、懐かしいクラブが出てきたので、思わず手にとってみました。
私がゴルフを始めるにあたって、初めて手にしたドライバーです。

メーカー品ではなく、king of birds という名前のドライバーです。
セット売りされていた物のようです。
しかも、レディス用です。

シャフトはオリジナルスチールです。
クラブ総重量は360gです。

私が初めて購入したクラブはホンマだったのですが、初めて手にしてコースをラウンドしたのは、このドライバーです。
私がゴルフを始めるきっかけは先輩からの急な誘いでした。
それまで、ゴルフは面白そうだな・・・。とは思っていましたし、子供の頃ゴルフ番組を観ていて、いつか自分もやることになるだろう・・・。とは思っていました。
しかし、かなりお金がかかりますし、もし始めてしまったらきっとハマってしまうだろう・・・。と思っていました。
なので、できればもっと『先送り』したかったのですが、先輩の命令は『絶対』です。
よく言われることですが、先輩が「カラスは白いといえば白い・・・。」そんな世界です。
今でも先輩には頭が上がりません。

先輩から呼ばれて、2週間後に一緒にコースに出るから練習しておけ・・・。と言われました。
私はクラブも持っていなかったですし、ボールを打ったことも無かったので、どうしようと慌てました。
先輩の誘いは断れないので、クラブをまずどうにか手に入れようと、女性用の中古のハーフセットを譲り受けました。
そのセットのドライバーがこのクラブです。
他に3W・5番アイアン・7番アイアン・9番アイアン・サンドウェッジ・キャッシュインパター(T字型)の、計7本でした。
とりあえず、このクラブで何とか先輩とのラウンドを乗り切ろう・・・。と思いました。
ゴルフはそれっきりにしよう・・・。という思いがありました。
この7本のクラブをバッグに入れて練習場に毎日通い、2週間後に初ラウンドしました。

普通のラウンドではなく早朝の、いわゆる『日の出と共にスタート』というラウンドでした。
まだ薄暗いうちにスタートして18ホールを回り、9時前にプレーを終えるというものでした。
4人で回るのではなく、先輩と2人でのラウンドでした。
天気は良かったのですが、その早朝ラウンドは私たち2人だけで、まるで貸し切り状態でした。
山岳コースでアップダウンが激しく、どの距離を何番で打っていいのかも分かりませんでした。
スコアカードをつけることを先輩は許してくれず、ひたすらルールとマナーを厳しく叩き込まれました。

今となっては、それがとても良かったように思います。
当然ながらボールは安定しないですが、18ホールのラウンド中、『2回だけマグレ』がでました。
今と違い、グリップは『テンフィンガーグリップ(いわゆるベースボールグリップ)』だったのですが、1回だけドライバーがフェアウェイをとらえ、かなり遠くに飛んでいきました。
青空に消える白球がとても美しいな・・・。と思いました。
そして、そのボールは先輩をアウトドライブしていました。
飛ばすことの快感をその時に知りました。
あの白球の美しさは今でも記憶に残っています。
『青空に吸い込まれる』というのは、このようなことをいうんだな・・・。と思ったことを覚えています。
もうひとつは『バンカーショット』です。
ガードバンカーにボールがつかまり、私は先輩に言われ、サンドウェッジを持ってバンカーに入りました。
ソールしてはいけないということを教えてもらっていたので、ソールせずにそのまま打ちました。
方向性や距離感なども分からず、夢中で振りました。
かなりアバウトに打っていきました。
いい感じでダフってくれ、ボールがピンに絡んでOKのところまで寄せることができました。
その時にバンカーは楽しいな・・・。と思いましたし、『飛ばす』とはまた違う『狙う』『寄せる』というゴルフの楽しみを知ったような気がします。
昔から、バンカーは初心者の頃のほうが易しく感じることも多い。と言われてきました。
それはダフっていいというのと、カット打ちがバンカーショットに適しているからだと思います。

あっという間に初ラウンドが終わったのですが、ゴルフって楽しいと思いました。
お金がかかるので、ゴルフを始めるのを躊躇していましたが、やはり始めようと、このクラブをもって練習場に通うことにしました。
ほぼ毎日、このドライバー1本を持って練習場に通いました。
しかし、このクラブは女性用なので男性の私が使うのは危険が伴うということで、男性用のクラブを購入することにしました。
その先輩がいつもいい・・・。と言っていたのが、ホンマのクラブでした。
上級者用のクラブだとは先輩から聞いて知っていたのですが、私は徐々にクラブを難しくしていくのではなく、最初から最高の物を購入して、それで腕を磨いていこう・・・。という思いがありました。
途中で何度も買い替えるのは不経済だし、ひとつの物を永く使っていこう・・・。と思っていました。
そして、すぐにホンマのクラブを購入しました。
クラブだけでなく、スパイクやゴルフグローブ、キャップなどホンマで揃えました。
モグラのマークと『ヒロホンマ』の文字を誇らしげにいつも見ていました。
私は自分が大人の仲間入りをしたな・・・。と思えたのはいくつかあって、ひとつは運転免許証を取得したとき。
2つめは成人式に出席したとき。
そして、パスポートを取得したとき。
それと、ホンマのクラブを購入したときです。
残念ながら、そのホンマのクラブは全て人に譲ってしまったのですが、このクラブはずっと手元に置いています。
初心を忘れない為、あの頃の感動を忘れないようにする為です。
今日はとても懐かしく思いましたし、昔の思い出が蘇ってきます。
やはり、ゴルファーはクラブと一緒に時を過ごしているんだな・・・。という思いになりました。

今のドライバーとは比べものにならないほどのロングネックです。
昔は今のように『重心設計』ということは、無かったように思います。
多少の違いはあれど、今のクラブのような多彩さは無かったように思います。
だいたい同じような形が多かったように思います。
パーシモンからチタンになって、設計自由度が大きく上がっているのは間違いありません。

見慣れた大きさではありますが、今となってはかなりの小顔です。
今の5Wよりも、ちょっと小さいかな?と思えるほどの大きさです。
私は『大顔タイプ』よりも、どちらかといえば『小顔タイプ』が好きなのですが、ゴルフを始めたときから、このような大きさに慣れているせいなのかもしれません。
クラブだけでなく、ボールも大きさや構造が大きく変わりました。
昔はロイヤルマックスフライという糸巻きボールを使っていましたが、今はタイトリストのPRO V1Xを使っています。

練習場には今の私のエースドライバーであるCRZ435も持ってきていたので、大きさを見比べてみることにしました。
こうして見ても、かなりの違いです。

CRZ435はディープなタイプですし、ヘッド体積も460ccではないので、大型ヘッドということはないと思うのですが、こうして見比べてみると大きさの違いは一目瞭然です。
この大きさの違いが歴史の流れ、技術の進化といえるのではないでしょうか?

親亀と子亀というよりは、孫亀くらいの大きさの違いかな?と思えるほど、大きさが違います。
同じドライバーとは思えません。

共通しているのは、『厚みの美しさ』といいますか、適度なディープ感が気持ちを和ませてくれますし、奮い立たせてくれます。
昔はドライバーもアイアンのようにダウンブローで打っていたので、適度な厚みがあったほうが易しく感じられます。
上から潰して打って、ボールにスピンが掛かり、吹き上がるような弾道でした。
いわゆる『二段ロケット』といわれるような弾道でした。
パーシモンからメタルになって、弾道は落ち着きましたが、当時は今では考えられないほどの弾道の高さでした。

このオリジナルグリップも、当時のままです。
久しぶりに見て、懐かしいな・・・。と思いました。

当然ながら長さも大きく違います。
私の今のエースドライバーは45.25インチなのですが、パーシモンはそれよりもさらに数インチ短いです。

とてもシンプルなフェース面です。
今はフェース面にも、かなり凝ったものが多くありますが、昔はとてもシンプルでした。

このドライバーは塗装がかなり厚く塗られていたのか、あまり見えませんが、パーシモンの良さは『木目の美しさ』にもありました。
同じメーカーの、同じモデルのドライバーでも、1本1本『木目の模様』は違っていました。
ドライバーを買うとき、私は木目の美しさも重視していました。
ショップに行って、気に入った木目のドライバーやスプーンを購入していました。
今は金属が使われるようにになって均一性が高まり、そのようなことは無くなりましたが『木のもつ温かみ』をいつも感じていたように思います。
目で、そして肌でゴルフクラブの美しさを楽しむことができました。

木なので当然、湿気には気を遣いました。
雨の日のラウンドは特に神経質になりました。
ラウンド後、すぐに清掃するのは勿論、ヘッドカバーには海苔やお菓子などに付いてくる乾燥剤を入れて保管していました。
チタンドライバーになって、そのようなことは無くなりましたが、昔は今よりもかなり気を遣っていました。
木は伸縮性があるので、手入れが悪いと、ソールのビスやバックルが浮いて使えなくなるようなこともありました。
手入れが悪くて割れてしまっているドライバーを見かけることも、普通にありました。

このドライバーにはしていませんが、フェース面をヤスリで削ることも、たまにやっていました。
私はゴルフを始めて間もない頃は当然ながら、ひどいスライサーだったのですが、それでも被って見えるよりは多少開いて見えるほうが好きだったので、少し逃がし気味に削ることもありました。
トゥ側が主張し過ぎているのは昔から苦手でした。
メタルやチタンになり、中は空洞なので、そのように削ることはできなくなりましたが、昔は普通に多くのゴルファーが自分自身の好みの顔に削っていました。
自分の好みの顔にするというのも、パーシモンの楽しみだったように思います。

フェース面真ん中の、この小さな○(ドットといったほうがいいのかもしれません)でヒットすることを、いつも心がけて練習していました
これが、いわゆる『ON THE SCREW』ということになるのでしょうか?
ヘッドの芯でボールの芯を打ち抜く・・・。という感覚を、パーシモンドライバーのおかげで養えたような気がします。
当時は『スイートスポット』と言われていましたが、今は比べものにならないくらいほど大きくなっているので、スイートスポットというよりは『スイートエリア』『ワイドスイートエリア』『超ワイドスイートエリア』という表現のほうが正しいように思います。
今は芯で芯を打ち抜くというよりも、フェースの面でボールを弾き飛ばすという感覚のほうが適正のような気がします。
面で運ぶ感覚といったらいいでしょうか?

この小さな○でボールを上手くヒットできたときの打感は最高でした。
いわゆる『くっつくような打感』です。
このくっつくような打感を味わいたくて練習場に通っていたように思いますし、今でもずっとゴルフに夢中でいられるのは、この感触を体感できたからだと思います。
打点が安定しないので、そう何度も味わえない、希少な打感でした。
大きさは五円玉の穴よりも、ほんの少し大きいだけです。
今は『500円球何枚分の広さ』という表現が適切な気がします。
『寛容さ』という点でも、昔では考えられないほど今は大きく進化しています。

シャフトには物品税が掛けられている証のようなシールが貼られています。
これはドライバーに限らず、アイアンでもパターでも1本1本貼られていました。
今の消費税が施行されたのは、確か1989年頃だったと思うのですが、それ以前は物品税がゴルフクラブには掛けられていました。
宝石や高級外車、ゴルフクラブなどは『奢侈(しゃし)性』が高い。
つまり贅沢品ということで、高い税率が掛けられていました。
私の記憶が正しければ確か15%くらいの税率だったように思います。
今でこそゴルフはスポーツというカテゴリーに入れられると思うのですが、当時はお金持ちの贅沢な遊びという風潮が強くありました。
ゴルフクラブもそうですし、ラウンド代などでも確かにお金がかかりますが、これほど老若男女が同時に楽しめるスポーツはあまり見られないので、とても残念なことです。
物品税が廃止され、消費税が導入されて税率が3%に下がるので、これは実質的な減税になるのだという記事を目にしたことがあるのですが、どの商品にも課税されるということで、これは明らかに増税だな・・・。と思ったことを覚えています。
今のゴルフクラブには、このようなシールは見当たらず、懐かしく思いました。
今シャフトには、安全な製品を示す『SGマーク』が表示されています。

ボールを前にして構えてみると、このような感じです。
やはりクリークを構えているように感じます。
しかし、曲げるイメージがすごく出せます。
曲げるというよりは『曲がってしまう』というほうがいいのかもしれません。
昔は『曲がって当たり前』というのが常識でしたが、今はこのように曲がるドライバーは全く売れないと思います。
このまま球を打ってしまうと破損する恐れもあるので、こうして構えるだけにしました。
予備の無い、このドライバーは使うことは無くても、私にとって特別な存在です。
こうして構えているだけで、初心の頃に戻れるような気がします。
あの頃は今のようにワンストロークに胃を痛めるほど神経質にならず、もっと大らかで伸び伸びと楽しんでいたように思います。

私はゴルフ雑誌などを読まないので、今でもこのような表現が使われているか分からないのですが、昔は『リストターン』という言葉をよく耳にしました。
スチールシャフトをしならせる感覚を磨いていたように思います。
それにはリストターンが必要でした。
パーシモンからメタルになって、『ボディターン』という言葉が大流行し、私も取り入れてみようと思いましたが、どうも言葉のニュアンスと自分の感覚が合いづらいような感じがして、あまり意識しないようにしました。
ダイナミックゴールドは今ではアイアンやウェッジ専用のスチールシャフトということになっていますが、昔は普通にドライバーやスプーンなど『ウッド』にも挿されていました。
全てダイナミックゴールドということも珍しくありませんでした。
そういえば、タイガー・ウッズ選手もプロ入り直後はドライバーにダイナミックゴールドを挿していたように思います。
ダイナミックゴールドを挿して、楽に300ヤードオーバーしてくるのだから凄いな・・・。と友人たちと話していたことを思い出しました。

今のチタンドライバーはフィーリングの良い物が増えてきました。
メタルからチタンになって、明らかにフィーリングが良くなりました。
しかし、私はこのパーシモンの打感が体に染みついていて、いつもその打感を新しいクラブを試打する度に探しているような気がします。
ヘッド素材がパーシモンからチタンに。
ボールも糸巻きからツーピースやスリーピースを経て色々なタイプがあり、今ではウレタンカバーが主流になりました。
なので、単純に昔と今の打感を比較することはできないのですが、昔のあの独特な『くっついて打ち抜く(乗せて運ぶ)』イメージが残っているからこそ、今でもゴルフに夢中になれているような気がします。
あの打感は今ではもう味わえません。

音もカチッという独特の音でした。
木らしい音といったらいいでしょうか?
今では甲高いような金属音も普通になってきましたが、この音という点でも、大きな違いがありました。

長さなども違うので単純な比較はできませんが、昔のクラブは今よりもかなり重量がありました。
このドライバーは女性用ですが、それでも360gあります。
300g以上のドライバーを重いと認識しておられる方は多いように思います。
300gと290gの2つがボーダーラインのような気がします。
このクラブはかなり短いので振り切りやすいですが、それでも適度な重さを感じます。
今のクラブが明らかに『長尺化』して『軽量化』したのだと思います。
飛距離が大きく伸びました。

ボールはかなり大きく曲がりました。
真っ直ぐ飛ばすほうが不自然と思えるほど、『曲がって当たり前』でした。
なので、みんな自分の持ち球を磨いていったように思います。
ゴルフはボールを曲げる(曲がる)スポーツだという思いを多くのゴルファーがもっていたように思います。
なので、スピンに対する意識も高まっていったような気がします。
今は多くのことをクラブが自動的に行ってくれるので、私たちゴルファーはそれに合わせていく感じがちょうどいいのかもしれません。

最初の頃は、このドライバーでたくさんスライスを打っていたな・・・。と思い出しました。
数えきれないほどのOBやロストボールを打ってしまいました。
しかし、ゴルフが楽しくてたまりませんでした。
先ほども書きましたが、もうこのドライバーで球を打つことはありません。
あくまで『保管用』です。
しかし、これからもずっと大切に手元に置いておきたいと思っています。

今日はいつもと違って、昔の懐かしいクラブの記事になってしまいましたが、次回から通常の記事に戻りたいと思います。
私がゴルフを始めるにあたって、初めて手にしたドライバーです。

メーカー品ではなく、king of birds という名前のドライバーです。
セット売りされていた物のようです。
しかも、レディス用です。

シャフトはオリジナルスチールです。
クラブ総重量は360gです。

私が初めて購入したクラブはホンマだったのですが、初めて手にしてコースをラウンドしたのは、このドライバーです。
私がゴルフを始めるきっかけは先輩からの急な誘いでした。
それまで、ゴルフは面白そうだな・・・。とは思っていましたし、子供の頃ゴルフ番組を観ていて、いつか自分もやることになるだろう・・・。とは思っていました。
しかし、かなりお金がかかりますし、もし始めてしまったらきっとハマってしまうだろう・・・。と思っていました。
なので、できればもっと『先送り』したかったのですが、先輩の命令は『絶対』です。
よく言われることですが、先輩が「カラスは白いといえば白い・・・。」そんな世界です。
今でも先輩には頭が上がりません。

先輩から呼ばれて、2週間後に一緒にコースに出るから練習しておけ・・・。と言われました。
私はクラブも持っていなかったですし、ボールを打ったことも無かったので、どうしようと慌てました。
先輩の誘いは断れないので、クラブをまずどうにか手に入れようと、女性用の中古のハーフセットを譲り受けました。
そのセットのドライバーがこのクラブです。
他に3W・5番アイアン・7番アイアン・9番アイアン・サンドウェッジ・キャッシュインパター(T字型)の、計7本でした。
とりあえず、このクラブで何とか先輩とのラウンドを乗り切ろう・・・。と思いました。
ゴルフはそれっきりにしよう・・・。という思いがありました。
この7本のクラブをバッグに入れて練習場に毎日通い、2週間後に初ラウンドしました。

普通のラウンドではなく早朝の、いわゆる『日の出と共にスタート』というラウンドでした。
まだ薄暗いうちにスタートして18ホールを回り、9時前にプレーを終えるというものでした。
4人で回るのではなく、先輩と2人でのラウンドでした。
天気は良かったのですが、その早朝ラウンドは私たち2人だけで、まるで貸し切り状態でした。
山岳コースでアップダウンが激しく、どの距離を何番で打っていいのかも分かりませんでした。
スコアカードをつけることを先輩は許してくれず、ひたすらルールとマナーを厳しく叩き込まれました。

今となっては、それがとても良かったように思います。
当然ながらボールは安定しないですが、18ホールのラウンド中、『2回だけマグレ』がでました。
今と違い、グリップは『テンフィンガーグリップ(いわゆるベースボールグリップ)』だったのですが、1回だけドライバーがフェアウェイをとらえ、かなり遠くに飛んでいきました。
青空に消える白球がとても美しいな・・・。と思いました。
そして、そのボールは先輩をアウトドライブしていました。
飛ばすことの快感をその時に知りました。
あの白球の美しさは今でも記憶に残っています。
『青空に吸い込まれる』というのは、このようなことをいうんだな・・・。と思ったことを覚えています。
もうひとつは『バンカーショット』です。
ガードバンカーにボールがつかまり、私は先輩に言われ、サンドウェッジを持ってバンカーに入りました。
ソールしてはいけないということを教えてもらっていたので、ソールせずにそのまま打ちました。
方向性や距離感なども分からず、夢中で振りました。
かなりアバウトに打っていきました。
いい感じでダフってくれ、ボールがピンに絡んでOKのところまで寄せることができました。
その時にバンカーは楽しいな・・・。と思いましたし、『飛ばす』とはまた違う『狙う』『寄せる』というゴルフの楽しみを知ったような気がします。
昔から、バンカーは初心者の頃のほうが易しく感じることも多い。と言われてきました。
それはダフっていいというのと、カット打ちがバンカーショットに適しているからだと思います。

あっという間に初ラウンドが終わったのですが、ゴルフって楽しいと思いました。
お金がかかるので、ゴルフを始めるのを躊躇していましたが、やはり始めようと、このクラブをもって練習場に通うことにしました。
ほぼ毎日、このドライバー1本を持って練習場に通いました。
しかし、このクラブは女性用なので男性の私が使うのは危険が伴うということで、男性用のクラブを購入することにしました。
その先輩がいつもいい・・・。と言っていたのが、ホンマのクラブでした。
上級者用のクラブだとは先輩から聞いて知っていたのですが、私は徐々にクラブを難しくしていくのではなく、最初から最高の物を購入して、それで腕を磨いていこう・・・。という思いがありました。
途中で何度も買い替えるのは不経済だし、ひとつの物を永く使っていこう・・・。と思っていました。
そして、すぐにホンマのクラブを購入しました。
クラブだけでなく、スパイクやゴルフグローブ、キャップなどホンマで揃えました。
モグラのマークと『ヒロホンマ』の文字を誇らしげにいつも見ていました。
私は自分が大人の仲間入りをしたな・・・。と思えたのはいくつかあって、ひとつは運転免許証を取得したとき。
2つめは成人式に出席したとき。
そして、パスポートを取得したとき。
それと、ホンマのクラブを購入したときです。
残念ながら、そのホンマのクラブは全て人に譲ってしまったのですが、このクラブはずっと手元に置いています。
初心を忘れない為、あの頃の感動を忘れないようにする為です。
今日はとても懐かしく思いましたし、昔の思い出が蘇ってきます。
やはり、ゴルファーはクラブと一緒に時を過ごしているんだな・・・。という思いになりました。

今のドライバーとは比べものにならないほどのロングネックです。
昔は今のように『重心設計』ということは、無かったように思います。
多少の違いはあれど、今のクラブのような多彩さは無かったように思います。
だいたい同じような形が多かったように思います。
パーシモンからチタンになって、設計自由度が大きく上がっているのは間違いありません。

見慣れた大きさではありますが、今となってはかなりの小顔です。
今の5Wよりも、ちょっと小さいかな?と思えるほどの大きさです。
私は『大顔タイプ』よりも、どちらかといえば『小顔タイプ』が好きなのですが、ゴルフを始めたときから、このような大きさに慣れているせいなのかもしれません。
クラブだけでなく、ボールも大きさや構造が大きく変わりました。
昔はロイヤルマックスフライという糸巻きボールを使っていましたが、今はタイトリストのPRO V1Xを使っています。

練習場には今の私のエースドライバーであるCRZ435も持ってきていたので、大きさを見比べてみることにしました。
こうして見ても、かなりの違いです。

CRZ435はディープなタイプですし、ヘッド体積も460ccではないので、大型ヘッドということはないと思うのですが、こうして見比べてみると大きさの違いは一目瞭然です。
この大きさの違いが歴史の流れ、技術の進化といえるのではないでしょうか?

親亀と子亀というよりは、孫亀くらいの大きさの違いかな?と思えるほど、大きさが違います。
同じドライバーとは思えません。

共通しているのは、『厚みの美しさ』といいますか、適度なディープ感が気持ちを和ませてくれますし、奮い立たせてくれます。
昔はドライバーもアイアンのようにダウンブローで打っていたので、適度な厚みがあったほうが易しく感じられます。
上から潰して打って、ボールにスピンが掛かり、吹き上がるような弾道でした。
いわゆる『二段ロケット』といわれるような弾道でした。
パーシモンからメタルになって、弾道は落ち着きましたが、当時は今では考えられないほどの弾道の高さでした。

このオリジナルグリップも、当時のままです。
久しぶりに見て、懐かしいな・・・。と思いました。

当然ながら長さも大きく違います。
私の今のエースドライバーは45.25インチなのですが、パーシモンはそれよりもさらに数インチ短いです。

とてもシンプルなフェース面です。
今はフェース面にも、かなり凝ったものが多くありますが、昔はとてもシンプルでした。

このドライバーは塗装がかなり厚く塗られていたのか、あまり見えませんが、パーシモンの良さは『木目の美しさ』にもありました。
同じメーカーの、同じモデルのドライバーでも、1本1本『木目の模様』は違っていました。
ドライバーを買うとき、私は木目の美しさも重視していました。
ショップに行って、気に入った木目のドライバーやスプーンを購入していました。
今は金属が使われるようにになって均一性が高まり、そのようなことは無くなりましたが『木のもつ温かみ』をいつも感じていたように思います。
目で、そして肌でゴルフクラブの美しさを楽しむことができました。

木なので当然、湿気には気を遣いました。
雨の日のラウンドは特に神経質になりました。
ラウンド後、すぐに清掃するのは勿論、ヘッドカバーには海苔やお菓子などに付いてくる乾燥剤を入れて保管していました。
チタンドライバーになって、そのようなことは無くなりましたが、昔は今よりもかなり気を遣っていました。
木は伸縮性があるので、手入れが悪いと、ソールのビスやバックルが浮いて使えなくなるようなこともありました。
手入れが悪くて割れてしまっているドライバーを見かけることも、普通にありました。

このドライバーにはしていませんが、フェース面をヤスリで削ることも、たまにやっていました。
私はゴルフを始めて間もない頃は当然ながら、ひどいスライサーだったのですが、それでも被って見えるよりは多少開いて見えるほうが好きだったので、少し逃がし気味に削ることもありました。
トゥ側が主張し過ぎているのは昔から苦手でした。
メタルやチタンになり、中は空洞なので、そのように削ることはできなくなりましたが、昔は普通に多くのゴルファーが自分自身の好みの顔に削っていました。
自分の好みの顔にするというのも、パーシモンの楽しみだったように思います。

フェース面真ん中の、この小さな○(ドットといったほうがいいのかもしれません)でヒットすることを、いつも心がけて練習していました
これが、いわゆる『ON THE SCREW』ということになるのでしょうか?
ヘッドの芯でボールの芯を打ち抜く・・・。という感覚を、パーシモンドライバーのおかげで養えたような気がします。
当時は『スイートスポット』と言われていましたが、今は比べものにならないくらいほど大きくなっているので、スイートスポットというよりは『スイートエリア』『ワイドスイートエリア』『超ワイドスイートエリア』という表現のほうが正しいように思います。
今は芯で芯を打ち抜くというよりも、フェースの面でボールを弾き飛ばすという感覚のほうが適正のような気がします。
面で運ぶ感覚といったらいいでしょうか?

この小さな○でボールを上手くヒットできたときの打感は最高でした。
いわゆる『くっつくような打感』です。
このくっつくような打感を味わいたくて練習場に通っていたように思いますし、今でもずっとゴルフに夢中でいられるのは、この感触を体感できたからだと思います。
打点が安定しないので、そう何度も味わえない、希少な打感でした。
大きさは五円玉の穴よりも、ほんの少し大きいだけです。
今は『500円球何枚分の広さ』という表現が適切な気がします。
『寛容さ』という点でも、昔では考えられないほど今は大きく進化しています。

シャフトには物品税が掛けられている証のようなシールが貼られています。
これはドライバーに限らず、アイアンでもパターでも1本1本貼られていました。
今の消費税が施行されたのは、確か1989年頃だったと思うのですが、それ以前は物品税がゴルフクラブには掛けられていました。
宝石や高級外車、ゴルフクラブなどは『奢侈(しゃし)性』が高い。
つまり贅沢品ということで、高い税率が掛けられていました。
私の記憶が正しければ確か15%くらいの税率だったように思います。
今でこそゴルフはスポーツというカテゴリーに入れられると思うのですが、当時はお金持ちの贅沢な遊びという風潮が強くありました。
ゴルフクラブもそうですし、ラウンド代などでも確かにお金がかかりますが、これほど老若男女が同時に楽しめるスポーツはあまり見られないので、とても残念なことです。
物品税が廃止され、消費税が導入されて税率が3%に下がるので、これは実質的な減税になるのだという記事を目にしたことがあるのですが、どの商品にも課税されるということで、これは明らかに増税だな・・・。と思ったことを覚えています。
今のゴルフクラブには、このようなシールは見当たらず、懐かしく思いました。
今シャフトには、安全な製品を示す『SGマーク』が表示されています。

ボールを前にして構えてみると、このような感じです。
やはりクリークを構えているように感じます。
しかし、曲げるイメージがすごく出せます。
曲げるというよりは『曲がってしまう』というほうがいいのかもしれません。
昔は『曲がって当たり前』というのが常識でしたが、今はこのように曲がるドライバーは全く売れないと思います。
このまま球を打ってしまうと破損する恐れもあるので、こうして構えるだけにしました。
予備の無い、このドライバーは使うことは無くても、私にとって特別な存在です。
こうして構えているだけで、初心の頃に戻れるような気がします。
あの頃は今のようにワンストロークに胃を痛めるほど神経質にならず、もっと大らかで伸び伸びと楽しんでいたように思います。

私はゴルフ雑誌などを読まないので、今でもこのような表現が使われているか分からないのですが、昔は『リストターン』という言葉をよく耳にしました。
スチールシャフトをしならせる感覚を磨いていたように思います。
それにはリストターンが必要でした。
パーシモンからメタルになって、『ボディターン』という言葉が大流行し、私も取り入れてみようと思いましたが、どうも言葉のニュアンスと自分の感覚が合いづらいような感じがして、あまり意識しないようにしました。
ダイナミックゴールドは今ではアイアンやウェッジ専用のスチールシャフトということになっていますが、昔は普通にドライバーやスプーンなど『ウッド』にも挿されていました。
全てダイナミックゴールドということも珍しくありませんでした。
そういえば、タイガー・ウッズ選手もプロ入り直後はドライバーにダイナミックゴールドを挿していたように思います。
ダイナミックゴールドを挿して、楽に300ヤードオーバーしてくるのだから凄いな・・・。と友人たちと話していたことを思い出しました。

今のチタンドライバーはフィーリングの良い物が増えてきました。
メタルからチタンになって、明らかにフィーリングが良くなりました。
しかし、私はこのパーシモンの打感が体に染みついていて、いつもその打感を新しいクラブを試打する度に探しているような気がします。
ヘッド素材がパーシモンからチタンに。
ボールも糸巻きからツーピースやスリーピースを経て色々なタイプがあり、今ではウレタンカバーが主流になりました。
なので、単純に昔と今の打感を比較することはできないのですが、昔のあの独特な『くっついて打ち抜く(乗せて運ぶ)』イメージが残っているからこそ、今でもゴルフに夢中になれているような気がします。
あの打感は今ではもう味わえません。

音もカチッという独特の音でした。
木らしい音といったらいいでしょうか?
今では甲高いような金属音も普通になってきましたが、この音という点でも、大きな違いがありました。

長さなども違うので単純な比較はできませんが、昔のクラブは今よりもかなり重量がありました。
このドライバーは女性用ですが、それでも360gあります。
300g以上のドライバーを重いと認識しておられる方は多いように思います。
300gと290gの2つがボーダーラインのような気がします。
このクラブはかなり短いので振り切りやすいですが、それでも適度な重さを感じます。
今のクラブが明らかに『長尺化』して『軽量化』したのだと思います。
飛距離が大きく伸びました。

ボールはかなり大きく曲がりました。
真っ直ぐ飛ばすほうが不自然と思えるほど、『曲がって当たり前』でした。
なので、みんな自分の持ち球を磨いていったように思います。
ゴルフはボールを曲げる(曲がる)スポーツだという思いを多くのゴルファーがもっていたように思います。
なので、スピンに対する意識も高まっていったような気がします。
今は多くのことをクラブが自動的に行ってくれるので、私たちゴルファーはそれに合わせていく感じがちょうどいいのかもしれません。

最初の頃は、このドライバーでたくさんスライスを打っていたな・・・。と思い出しました。
数えきれないほどのOBやロストボールを打ってしまいました。
しかし、ゴルフが楽しくてたまりませんでした。
先ほども書きましたが、もうこのドライバーで球を打つことはありません。
あくまで『保管用』です。
しかし、これからもずっと大切に手元に置いておきたいと思っています。

今日はいつもと違って、昔の懐かしいクラブの記事になってしまいましたが、次回から通常の記事に戻りたいと思います。