ホンマ
2023年04月19日
HONMA BERES NX 1W ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA BERES NX 1W ベレス ドライバー です。

シャフトは VIZARD FOR NX 45 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはR、バランスはD1、クラブ総重量は286g です。

ホンマの近未来的なデザインのドライバーです。
これまでのホンマのイメージをガラッと塗り替える斬新なデザインに驚きを隠せません。
以前アイアンを試打したことがあったのですが、今回はドライバーです。
アイアンと同じく、マグレガーを思い出しました。

形状も目が行きますが、ヘッドには様々な工夫が見られます。

まずはこのソールにある溝です。
溝のそばには『BOOSTER SLOT』と文字があります。
ブースタースロット・・・。
この溝とどんな関係があるのか分かりませんが、何やら凄い技術が搭載されているようです。
こうして見る限り、普通の溝のようにしか見えないのですが、それ以外の特別な意味があるのかもしれません。

溝の深さはたっぷりあります。

ネックには調整システムが搭載されています。

バックフェースには、かなり大きなウェイトが組み込まれています。
数字が刻印されていないので重さは分かりませんが、この大きさからすると、かなり重そうです。
今はこうしてウェイトが組み込まれるようになって、重心の位置(高さや深さ)を自由に変えられるようになりました。
便利といえば便利で、不自然といえば不自然で、見た目から想像する重心の位置と、実際の位置が違うことが多くなり、良いことでもあり、良くないことなのかもしれません。
どの位置がベストなのか、人によって大きく変わると思いますが、私たち日本人はどちらかというと、『浅重心』よりは『深重心』のほうが合いやすいような気がします。
それはリョーマやPINGのドライバーを試打していたら、特にそう感じます。
とはいっても、私は重心が浅くてスピンを抑えたドライバーも好きなのですが・・・。

ソールのトゥ側には、『BERES NX DRIVE TECHNOLOGY』という文字があり、凄い技術が搭載されているようです。
まさに至れり尽くせりで、かなりのハイテクドライバーだとメーカーが宣言しているように見えました。
ゴルフを始めたときからホンマファンだった私は、かなり変わったな・・・。と思いましたが、これも時代の流れなので抗えません。
今のドライバーはこういった文字をあえて表記しないものも増えてきて、それでいて高性能ということが多くなっていますが、このドライバーは昔ながらの『主張』するタイプのようです。

シンプルかつ特徴的なフェース面です。
このフェース面を見ても、ベーシックタイプではなく、ハイテクタイプなのが分かります。

トゥ側には『RADIAL FACE』という文字があり、このフェース面にも特別な工夫がされているようです。

最初パッと見たときは、シャロー感があったのですが、こうして見ると、結構厚みがあるのが分かりました。
外見的には『セミディープ』といったらいいでしょうか?
しかし、実際はウェイトの部分でかなり厚みをとっているので、実際は『ノーマルシャロー』だと思いますし、こういった工夫は他のメーカーでも見たことがあります。

クラウンがカーボンコンポジットなのが分かりました。
他のメーカーでも多く採用されている技術です。
今の流行りといえば流行りなのですが、他のメーカーの後追いをしている感じで、何かこうしっくりきません。
他のメーカーがやったことない、新たな技術を搭載して欲しいと思っています。
ただ、それは私がホンマに対して思い入れが強すぎるのかもしれません。
昔のあの圧倒的な存在感は無くなり、他のメーカーと変わらない『横一線』の存在となってしまいました。
ゴルフを始めたとき、クラブはもちろん、グローブやシューズも初めて買ったのはホンマでした。
他のメーカーは眼中に入らず、ホンマのカタログと常ににらめっこしていて、その中から選んで、お店に無いときはわざわざ注文をしてまで、ホンマにこだわっていました。

HONMAのロゴが入ったオリジナルグリップがカッコいいです。
さすがヘッドだけでなく、シャフトやグリップも『自社生産』にこだわっているホンマだな・・・。と思いました。

素振りをしてみると、かなり難しいといいますか、つかみどころが無い感じです。
これまでも軽量&軟らかいシャフトは何度も出会ってきましたが、今日はちょっと合いづらくて、頭の中がモヤモヤしてきました。
かなり軽くて、『発泡スチロール』の筒で作って、それが壊れないように工夫されている・・・。といった感じの振り感です。
硬い軟らかい・スチール・カーボン関係なく、シャフトには『背骨』を感じるものですが、今日はそれが感じられず、『空気の筒』を振っているような感覚でした。

ボールを前にして構えた感じはまずまずです。
違和感は無いですが、テンションがあがることもなく、淡々と見ていました。
久しぶりに出会ったホンマなのに、何故だろう?と自問自答したのですが、その答えが出てきません。
すっきりした感じはなく、モヤモヤしっぱなしです。
カーボンコンポジットがよく目立っているというのもあったのですが、何となく『人造人間キカイダー』の顔を思い出しました。
方向性への不安は無いですが、もう少し違った形の『顔の見せ方』があるような気がしましたし、そこが不満で物足りない部分です。
いろいろなクラブを試打していると、たくさんの工夫や技術が組み込まれているけど、あえてそれを目立たないようにデザインされているものもあれば、逆にそれを強く主張してくるものもあり、このドライバーは明らかに後者です。
魅力的な顔をしたクラブに出会うと、まるで吸い込まれるかのような感覚に陥ることもあるのですが、今日は違っていて、逆に距離をとっているような感じで、それが縮まりません。
試打を開始しました

『?』。
1球目は『チョロ』が出てしまいました。
これではダメだ、もうちょっと素振りをして打ち直そう・・・。と、一旦打席を外して2球目を打ちました。
『?』
また『チョロ』が出てしまいました。
久しぶりにチョロ2連発というミスをしてしまいました。
しかし、これはクラブのせいではなく、明らかに私のミスです。
私の技量不足が招いたミスショット2連発です。
ヘッドというより、シャフトに心が伝わっていないということもありますし、私のアドレスから精神状態まで全てにおいて今日はダメでした。
このままでは、このドライバーに申し訳ないので、一旦球を打つのを止め、素振りを2~3分続けて、再び試打を開始しました。

『打感』はまずまずです。
しっかり目というよりは、ややソフトで、ちょっと変わった打感です。
シャフトに気を遣って、いつものように叩きにいけなかったというのもありますが、少し物足りなさがありました。

『音』は普通です。
異音でも無いですし、かといってずっと聞いていたくなるような、『耳が喜ぶ』音でもありません。

『球のあがりやすさ』という点では、あがりやすくて、親しみやすいドライバーです。
見た目はハードそうな感じがしないでもないですが、実際はイージーで、タフな印象はありません。

『安定性』もなかなかいいとは思うのですが、今日はシャフトに苦戦したせいか、なかなかまとめるのは難しく感じました。

『飛距離性能』もなかなかいい感じですが、次回は違うシャフトで再チャレンジしてみたいと思います。
本来はもっと高いポテンシャルをもっていると思うのですが、今日の私のスイングでは、それを引き出すのは難しいと感じました。

『操作性』はちょっと難しいです。
左右に打ち分けるという気持ちにもなれませんでした。
試打後の感想

試打しながら、このドライバーに申し訳ないな・・・。と思い、予定よりも早く試打を終えました。
しかしそれは、先ほども書きましたが、このクラブのせいではありません。
あくまでも私の技量不足によるものです。
もうちょっと球を打ってみようか・・・。という気持ちもあったのですが、今日は何度やっても上手くいかないように感じたので、機会があれば、また日を改めて試打することにしました。
上手くいかない日はスパッと止めて、次のチャンスを待つというのも手だと思います。

モヤモヤした気分が抜けないまま、試打を終えました。
今日は反省しなければなりません。
普段は『バット素振り』をしているのですが、今日は水道ホースを使ってたっぷりと素振りをし、軟らかいものを振る感覚を養い、スイングの質を高めることにしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年11月13日
HONMA BERES NX アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA BERES NX アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO 850GH neo です。
ロフトは27度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD1 、クラブ総重量は411g です。

久しぶりに出会った、ホンマのアイアンです。

最初見たときは、マグレガーのアイアンかと思いました。
それくらい、『NX』というと、マグレガーのイメージが強いからです。
NXという文字だけでなく、そのデザインもよく似ているように見えました。
その横に『BERES』という文字があったので、ホンマのクラブだと分かったのですが、なんだか府に落ちません。

バックフェースのデザインにもこだわりがあるようです。
私はシンプルなフラットバックが好きですが、このようにすることで、易しさが向上しているのではないでしょうか?

高い機能性を感じさせ、近未来的なデザインのアイアンです。
ホンマのアイアンといえば軟鉄のイメージが強いですが、今は様々な個性をもったアイアンが見られるようになりました。
このアイアンには軟鉄の質感が無いので、昔からのホンマユーザーとしては少し複雑なところもありますが、これも時代の流れといいますか、『ニーズに合ったデザイン』なので、仕方ありません。
他のメーカーと肩を並べ、ホンマの個性が失われてしまいました。
昔は『ホンマでなければ』というところがありましたが、今は『ホンマでなくても』というのが一般的な見解です。
それはホンマが落ちていったのではなく、他に優れたメーカーがたくさん台頭してきたということになります。
昔はホンマのクラブで揃えていた私も、もう何年もホンマのクラブを購入していません。
だからといってホンマが嫌いなのではなく、いつも気になっているのは事実です。
あの頃、ホンマのクラブに出会えたから、ゴルフが楽しくなり、それが今も続いています。
ゴルフに限ったことではなく、他のスポーツにもいえることですが、最初に出会った道具というのはその人にとって大きな存在であり、その後の流れを左右するようになります。
そういった点で考えてみても、ビギナーのうちにホンマのクラブに出会えた私はラッキーでしたし、ホンマのクラブを勧めてくれた先輩には感謝しかありません。

トゥ側には大きなウェイトが配置されていて、他のメーカーのアイアンで、何度か見たことがあります。
ひとくちにアイアンセットといっても、そのセッティングのバランス(ウェイトフローやヘッドバランス)はバラバラなのが実情です。
それは、大手有名メーカーはもちろん、地クラブメーカーでも変わりません。
全てというわけではないですが、バランスがとれていないのがほとんどです。
なので、購入したらバランスの確認と調整をするべきだと思いますが、このアイアンの場合はどうでしょうか?

こうして見ると、ハーフキャビティのような彫りの浅さですが、中空っぽい雰囲気も醸し出しています。

トップラインの厚みは標準的です。

ソール幅は少し広めですが、今のアイアンの中では標準といったところでしょうか?

ネックの長さも太さも標準的で、変わったところは見られません。

ホーゼルには見慣れたロゴが刻印されています。

フェース面にミーリングがあるか確認してみたのですが、ありませんでした。
他のメーカーのアイアンに見られる、ごく普通のフェース面です。
こうして見ていたとき、これはOEMなのかな?と思いました。
ホンマはヘッドはもちろん、シャフトなど全てのパーツを自社生産しているというのは有名な話ですが、年月が流れればそういった方針も変わっていくかもしれません。
自社(ホンマ)で生産しているのかもしれないけど、このフェース面を見たら違うような気がしてきました。
どこが作ろうと、品質や性能が担保されていれば問題ないのですが、ホンマは昔から自社生産にこだわっていて、『職人気質』を感じさせる数少ないメーカーなので、どうしても気になります。
自社生産するよりも他のメーカーのようにOEMにしたほうがコストを抑えられるというのは百も承知なのですが、それでも『リアルメーカー』のクラブは希少性もあり所有欲も満たされます。
そして、そのクラブに負けないよう練習にも熱が入ります。
球を打ちながら、そのクラブについてもっと知りたい・・・。という欲も出てきますが、興味をもてないクラブではそれはありません。
ゴルファーにとって、機械で大量生産されて誤差もあり精度の低いクラブを使うのではなく、名工と呼ばれるような熟練の職人さんが手作りで仕上げたクラブを使うことは最高の贅沢です。
そんな贅沢さをホンマのクラブを使うことにより、昔から感じていたのですが、今は全く感じなくなりました。
他のメーカーとの差が見いだせないからです。
ゴルフクラブではないのですが、ある工場で最終仕上げをするときに、いくらその製造機械の精度が高くなっても、結局は職人さんの肌で感じる感覚には敵わないのだそうです。
わずか数十分の一ミリの違いを一瞬触っただけで感じ取るのだそうです。
それは鋭い感性と長年の経験による賜物だと思います。
それを聞いて、単純に凄いな・・・。と思いましたし、そういったプロフェッショナルの作ったクラブを長く愛用していきたいとずっと思っていて、それがホンマにはありました。
日本ではほとんど出回りませんが、偽札もベテランの銀行員さんがほんの一瞬触っただけで見破るということも聞いたことがあり、それを銀行に勤めている友人に確かめてみると、それは当然のことだと言われました。
それくらい人間の(日本人の)感性は優れているということです。

ボールを前にして構えてみると、「あぁ、やっぱりホンマのアイアンなんだな・・・。」と思いました。
どこでそう感じたかといいますと、トップラインの見え具合です。
これまでよく見られた『ホンマ顔』のアイアンです。
トゥからヒールにかけて、少しテーパーになっているように見えましたし、少しグースなのも分かりました。
バックフェースのデザインから、もっと『個性的な顔』を予想していたのですが、違っていて、オーソドックスなタイプです。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じではありますが、ホンマのアイアンとしては物足りません。
単一素材でギュッと引き締まった感じのピュアな打感ではなく、やや雑味があって『隙間』を感じさせる打感です。
もちろん、このような打感は過去に経験していますし、特別気にする必要はないと思うのですが、私のホンマに対する要求が高すぎるのかもしれません。

球はあがりやすく、スインガータイプの方に合いやすいアイアンです。
タフさは全く感じません。

『飛距離性能』も優れていて、今風のディスタンス系アイアンです。
私の感覚では確実に2番手以上飛び、弾きも感じられました。
アイアンに欲しい『球持ちの良さ』ではなく、真逆の球離れが早くて余韻を楽しめないタイプのアイアンです。
球離れが早く、スイートエリアも広めで、シビアさは感じませんでした。

『操作性』という点では、まずまずです。
ちょっとグースが利いていますが、大顔というタイプではないので、適度に小回りが利きます。
私はもっと真っ直ぐなほうがラインを出しやすいですが、球のつかまりがいいですし、易しく感じられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
試打後の感想
一時期、ホンマは迷走しているな・・・。と思っていたのですが、それが今も続いていて、少しずつ方向性が定まってきたような気もします。
最初に書きましたが、マグレガーを思い出したので、デザインを変えるべきだと思いました。
ひと目で他のメーカーを連想させるデザインはいかがなものでしょうか?
もちろん、マグレガーを連想されない方のほうが多いかもしれませんが、私はもっとホンマ独自のデザインで勝負して欲しかったです。
デザインも性能の一部です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年09月23日
HONMA TW757Vx アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TW757Vx アイアン の7番です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200 です。

ホンマのカッコいい、フルキャビティアイアンで、思わずじーっと見入ってしまいました。
最近は機能性の高いアイアンが多くなったせいか、このようなシンプルなキャビティは少なくなったような気がします。
軟鉄の質感も素晴らしく、いかにも柔らかそうな印象を受けました。

大きさは標準的です。
ちょっとタイプは違うものの、以前試打したことのある、JBEAMのアイアンを思い出しました。

フルキャビティらしく、彫りの深さはたっぷりありますが、ボテッとしていなくて、シャープな形状はキープしています。
見るからに易しそうで、この易しさを目で確認できるのがキャビティの長所ではないでしょうか?

トップラインの厚みは標準的です。

ソール幅も標準的で、とても綺麗なソールだな・・・。と思いました。
美しくて品のあるソールです。

ソール全体が微妙に丸みを帯びていて、リーディングエッジもトレーリングエッジも削りが入っています。
木材をカンナで削るときの、いわゆる『面取り』しているような感じです。

ネックの長さは標準的です。

フェース面にミーリングはありません。

装着されているグリップはホンマのロゴが入っていてカッコいいです。

とても構えやすい『ホンマ顔』です。
昔から、ホンマには見られます。
同じ軟鉄アイアンでも、タイトリストなどとはまた違う顔をしていて、どちらも好きです。
試打を開始しました

『打感』はソフトで好感が持てます。
少し厚みが足りないですが、それは打つ前から予想していました。

『球のあがりやすさ』は、普通か、ややタブな部類に入ります。
どちらかというと、ヒッターの方向けのアイアンといえるのではないでしょうか・

キャビティらしい大らかさがあります。
キャビティの最大の長所といえば、ミスヒットしたときの『フェース面のブレにくさ』だと思うのですが、それがこのアイアンにも備わっています。
慣性モーメントが高いタイプのアイアンに見られる、ブレにくくて『面の安定』が自然にできるアイアンです。
高い慣性モーメントをもったアイアンですが、いわゆるイージー系アイアンと違う、ナチュラルな感じがするところに好感を持ちました。

『飛距離性能』は、軽く1番手くらいは違う感じがしますが、今はこれくらいが普通でしょうか?

操作性は高く、左右どちらにも対応してくれる、中立的なアイアンです。
試打後の感想

フルキャビティらしい、寛容さがあり、親しみがもてるアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年08月20日
HONMA TW757 TYPE-S ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TW757 TYPE-S ドライバー


シャフトは VIZARD PT 60 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS です。

白と黒のシンプルなデザインがとてもカッコいい、ホンマのドライバーです。
以前、『D』を試打したことがあるのですが、今日は『S』を試打する機会に恵まれました。

全体的にシャロー感があって、丸っこい形状です。
シャロータイプでありながら、それほど大きさが強調されていないところに好感がもてます。
D同様、美しい質感です。
チープさもなく、さすがホンマだな・・・。と思いました。
ホンマにチープなクラブは似合いません。

バックフェースにはウェイトが配置されています。
『9』という数字があるので、9gということでいいのだと思います。

フェース寄りにもウェイトがあって、こちらには『3』という数字がありました。
ウェイトだけで考えると、少し重心を後ろにもってきているようです。

ソールに溝があり、Dと同じです。
『CARBON SLOT』という文字があり、カーボンの模様があるので、ここの部分のことをいっているのだと思います。
ここをチタンではなく、カーボンにすることで、どのような効果が期待できるのでしょうか?

溝の深さは結構ありますが、見慣れた感じがします。

ネックには調整システムが搭載されています。
他のメーカーのドライバーで、この調整システムが搭載されているモデルを試打したときに、ちょっと表現は良くないかもしれませんが、安っぽい感じがしたのと、壊れてしまいそうに感じたことがあるのですが、このドライバーにはそれがありません。
頑丈さと共に、美しさ・丁寧さがあります。

ネックの長さは標準的です。

フェース面はシンプルです。
ヒッティングエリアにスコアラインが無いのも、最初は少し驚きましたが、今ではすっかり慣れました。
『つるつる』していなくて、適度にザラザラ感があるところに好感が持てます。

シャロータイプのヘッドです。
TYPE-Sとは、シャローのことでしょうか?

顔は、なかなかいい感じです。
シャロータイプでありながら、形が崩れていません。
クラウンにカーボンの模様がはっきりと見えたので、カーボンコンポジットなのだということが分かりました。

装着されているグリップはいい感じです。
素手で握る部分はツアーベルベットのようなソフトさとしっとり感がありながら、グローブをはめて握る左手部分は滑りにくいよう、凹凸がはっきりしているといいますか、突起物が出ています。
昔から変わらない、モグラマーク入りのホンマのロゴが懐かしいです。
昔と比べものにならないほどクラブは進化していますが、このように変わらない部分を見ると、何故かホッとします。
初心に戻れるといいますか、ビギナーだった頃の記憶が蘇ってきます。
あの頃はスコア関係なく、とにかくブンブン振り回していました。

素振りをしてみると、いい感じです。
シャフトは結構しっかりしていて、先が暴れません。
最近はつかまりのいいシャフトが多く、このように感じるのは少ないのですが、これならシャフトに気を遣わなくても、最初から結構振っていけそうです。

ボールを前にして構えてみると、予想以上にいい感じでした。
もう何年も『つかまえ顔』のドライバーが主流となっているので、このドライバーもそうだろうと思っていたのですが、違いました。
ヒール側ではなくトゥ側にボリュームがあるので、フェード系のイメージを出しやすいです。
フェースも被っていないので、左への不安はなく、バルジもいい感じです。
顔自体も昔懐かしい感じの『和の顔』で、日本メーカーらしいな・・・。と思いました。
以前試打したDよりも、こちらのほうが好きです。
試打を開始しました

『打感』は結構しっかりしていて、球の重さを感じやすいですが、硬すぎずいい感じです。
ソフトな打感ではないですが、『しっかり系』の打感を好まれる方には馴染みやすいのではないでしょうか?

『音』は小気味いい感じで、『長く響く』のではなく、『短く響く』感じです。
余韻を残さない音といっていいかもしれません。
最近、こういう音が多くなったような気がします。

『球の上がりやすさ』という点では、見た目以上にタフなタイプで、明らかにヒッター向けです。
ロフトが9度ということもあると思うのですが、意外なほど硬派なタイプといいますか、あがりやすさを強調されたモデルではありません。
ウェイトもバックフェースが重くなっていたので、深重心タイプかと思っていましたが、実際に打ってみると、そのようなタイプではないと感じました。
もし、ウェイトを前後交換したら、かなり浅重心になって、低スピン性能が増すのかもしれません。
TYPE-SのSとは、シャローではなく、ストロングとか、ストレート・スピンレスという意味なのかな?と思いました。
球があがりやすいタイプだとは思いませんが、『低スピン性能』はそれほど感じませんでした。
叩いていけば、やや吹き上がり気味の球が出て、こういったところは今のドライバーに共通するところだと思います。
一時期に比べ、『低スピン競争』も落ち着いたような気がします。

『安定性』という点でも、打つ前の印象とはちょっと違っていました。
直進性の高い、オートマチックタイプかと思っていましたが、そうではありませんでした。
かといってバリバリのマニュアルタイプというほどでもないのですが、ワイドスイートエリアで球を曲げたくない・・・。という方には、少し合いづらいところがあるかもしれません。
フェースをコントロールして、自分の持ち球で勝負していけるドライバーだと思います。

『飛距離性能』は普通といった感じがしましたが、これはいい意味での普通です。
今のハイレベルなドライバーの中で普通ということであり、劣っているということではありません。
ただ、驚くような飛距離性能だとは思いませんでした。
いい意味で普通です。

『操作性』は、なかなかいい感じで、左右にも対応してくれました。
私は左へつかまり過ぎるのが嫌なのですが、このドライバーはつかまり過ぎず右に逃がしていくのが容易なので扱いやすいです。
最近は『つかまえ顔』でも、それほどつかまりが強くなかったり、逆に『逃がし顔』でも結構つかまえるドライバーがいくつかあります。
しかし、このドライバーは『見た目通り』といいますか、これまでの経験が活かされる操作性があり、昔のドライバーのいいところを継承しているように感じました。
試打後の感想

先日試打した『D』もいいドライバーだと思いましたが、私はこちらのSのほうが好きです。
一緒に打ち比べていないので詳しいことは分かりませんが、このSのほうが操作性が高く、扱いやすい印象をもちました。

見た目は美しく、ホンマらしさを楽しみながら・・・。
そしてハイテク感たっぷりで、いかにも『オートマチック系』を思わせておいて、実はマニュアル系。
そんな印象をもちました。

試打しているとき、調整システムやウェイトのことなど、意識から外れて、顔のイメージと球筋を合致させることに集中していました。
久しぶりにマニュアル系のドライバーに出会ったような気がしたからです。

最近はつかまり系のドライバーがほとんどですが、このドライバーは違っていて、つかまりはそれほど強くありません。
なので、スライサーの方には合いづらいところがあるかもしれません。
今の主流をいっているとはいえないドライバーですが、あえてこういったドライバーを使いたいという方も多いのではないでしょうか?
フェードヒッターの方もつかまらず、右に抜けやすいと感じられるかもしれませんが、逆にスイングの中で自然とつかまえる動きをするドローヒッターの方には、かなり頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
しっかりと振っていくことができ、それが飛距離につながると思います。
つかまりが強くないドライバーではありますが、調整システムを使えば、ある程度球筋もコントロールできるのかもしれません。

ハイテクタイプのドライバーでありながら、プレイヤーの感覚を狂わさない・・・。といいますか、自然なところも気に入りました。
なかなか面白いドライバーで、コースでも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆


2022年06月02日
ホンマ T//WORLD TW757 B アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TW757B アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、キックポイントは元調子 です。

とてもカッコいいホンマのアイアンです。
シャープで研ぎ澄まされたようなカッコ良さに見入っていました。
最近は丸っこさが強調されたアイアンも増えてきましたが、やはりこのような形状は魅力的です。
丸っこいと柔和なイメージで親しみやすそうな印象を与えてくれますし、それもいいのですが、このようなシャープな形状だと、どのように打っていくか・・・。ということを考えられ、ショットのイメージも出しやすくなります。
そして何より身が引き締まる思いです。

オーソドックスな形状ですが、少し小ぶりな感じがします。
昔のこのようなアイアンは小ぶりで尚且つフェース高が高いものが多かったのですが、最近はシャロー化が進んでいるように感じます。
フェース高が高いと、当然スイートエリアも高くなりますし、構えたときに上から潰して打つイメージも出しやすいですが、今は主流ではないのかもしれません。
このアイアンが小ぶりなせいか、フェース高もそれほど高くないように見えましたが、実際はそれほど変わっていないのかもしれません。
私はアイアンのフェース面を『横』ではなく、『縦』で使っていきたいので、面長なタイプよりも、このようなコンパクトである程度のフェース高があるアイアンに魅力を感じます。

トゥ側にウェイトがあります。
このアイアンの大きさからすれば、かなり大きなウェイトです。

バックフェースにも凹みが見られます。
ヒール側が削られていることや、トゥ側にウェイトがあることもあり、小ぶりでありながら、結構トゥ側に重心をもっていってるのかもしれません。
私は少しヒール寄りで打つことが多いので、これとは真逆のタイプが欲しいですが、これだけ小ぶりであれば、少々トゥ側に重心が移動しても打っていけそうです。
定説といいますか、普通、球のつかまりを良くするのであれば、ヒール側を重く(鉛を貼る)ことが多いですが、それでは逆につかまらなくなってしまう・・・。という方も一定数いらっしゃいます。
トゥ側にあるほうが球がつかまりやすいということです。
打ち方は人それぞれなので、必ずこうだとは決められません。
それと、このアイアンのようにトゥ側に重心があるということは、トゥ側に当ててミスヒットしても『当たり負け』しないという利点もあるのではないでしょうか?
私はこれまでゴルフをずっとやってきて、そしていろいろな人を見てきて、『その人に合った重心距離』というものがあるように感じています。
それはゴルフを始めてから終えるまで、ずっと変わらないような気がします。
今はラージサイズが多くなって、必然的に重心距離も長くなっていますが、実はその距離がその人にとってのベストではなく、無理して合わせている方も多いのではないでしょうか?
そしてドライバーだけがどんどん大きくなり、アイアンとの重心距離の差がマッチしていない方も多いように感じます。
アイアンやウェッジはヘッドを大きくしすぎると、却って扱いづらくなってしまうのが難点です。

こうして角度を変えてみても、結構深く彫られていて、段差のようにヒール側のほうが大きく削られています。

一応マッスルバックといえるのか、それともやはりキャビティと呼ぶべきなのか・・・?と思いましたが、今はボーダレス化といいますか、その境界線が曖昧なクラブが多くなっているので、あまり考えないほうがいいのかもしれません。

トップラインは薄くてシャープです。
最近のアイアンでは少数派といっていいと思いますが、カッコいいな・・・。と思いながら見ていました。

ソール幅は標準的です。

ソール形状もオーソドックスなタイプです。
ソール全体に微妙に丸みがついていて、リーディングエッジもトレーリングエッジも少し削られています。

ネックの長さも適度にありますが、ロングというほどではなく、普通です。

フェース面にミーリングは無く、ごく普通の『スタンプ式』です。
あまり気を遣っていないように見えました。

このホンマのロゴが入ったグリップもお馴染みです。
ソフトというよりは『しっかり系』ですが、このアイアンとの相性はいいように感じます。

素振りをしてみても、いい感じでした。
小顔なせいか、タイミングのズレもなく、振りやすいです。

今時珍しい、小顔感でテンションがあがりました。
『胸躍る小顔』といったらいいでしょうか?
小顔は好きなので、いいイメージがどんどん湧いてきました。
ボールが大きく見え、あくまでも主役はボールなのだということを感じさせてくれます。
いくらいいクラブを使っても、自分が狙ったところへボールを運べなければ、スコアメイクできませんが、このようにボールを主役にして、あくまでも黒子に徹してくれるクラブというのは信頼できます。
小顔が苦手でノーマルサイズやラージサイズを好まれる方には違和感があるかもしれません。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じでした。
ウェイトがトゥ側にあり、かなり『ズレる』のかな・・・?と思いましたが、そうではなくノーマルアイアンと同じような感覚です。
やはり小ぶりなのがいいのかもしれません。
これがもしラージサイズだったら、違っていたと思います。

『球の上がりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、ある程度ユーザー層を絞っているようです。

小ぶりなわりには、安定性が高いのが、このアイアンの特徴です。
やはり、トゥ側にあるウェイトがよく効いているのではないでしょうか?
フェース中央からヒール寄りでヒットする人にはあまりメリットが無いかもしれませんが、少しトゥ寄りでヒットする方にとってメリット大だと思います。
当たり負けせずに、そのままボールを送り出すことができるアイアンです。
マニュアルタイプでありながら、ミスヒットの寛容性を可能な限り高めたアイアンだと思いました。

『飛距離性能』は普通で、特に大きく飛ぶということもないですし、逆に飛ばないという印象もありませんでした。

『操作性』は、なかなかいい感じです。
少しトゥ側に重心が偏っていますが、フェースの開閉も問題なく行えましたし、扱いやすい印象をもちました。
ラージサイズのアイアンで、これだけトゥ側に重心が寄っていたら扱いづらく感じたと思いますが、それを小ぶりなヘッドが解消してくれています。
私個人的には、トゥ側のウェイトは要りませんが、このウェイトがあるおかげで易しくなった・・・。と感じられる方も多いのではないでしょうか?
試打後の感想

オーソドックスな美しさと、ハイテクが入り交じった『ハイブリッド』的なアイアンです。

小ぶりなヘッドが難しいという先入観をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、このアイアンは見た目以上に易しいので、是非試していただきたいと思いました。

昔では考えられなかった工夫が今のクラブにはたくさん取り入れられています。
そのひとつが、このアイアンのウェイトです。
昔では考えられなかったことです。
ヘッドの大きいドライバーならウェイトを装着するのは考えられますが、それをアイアンでやってしまうとは・・・。
メーカーの企業努力には頭が下がります。
昔は鉛を重ね貼りして対応するしかありませんでした。

小ぶりで見た目以上に易しいのが、このアイアン最大のウリです。

これからもホンマには老舗メーカーとしての意地を見せてもらいたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年05月02日
ホンマ TW757 D ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TW757 TYPE-D ドライバー です。

シャフトは VIZARD MP5 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は57g、トルクは4.65、バランスはD1、キックポイントは手元調子 です。

ヘッド全体が黒で、シブくてカッコいいホンマのドライバーです。
一時期、カラフルなドライバーも登場しましたが、やはり黒というのは重厚感があって好感が持てます。
『重い』というイメージもありますが、『どの色にも染まらない』という魅力が黒にはあり、それは白と真逆の存在といえるかもしれません。
ヘッドの性能が良ければ色なんて気にしないよ・・・。という方はたくさんいらっしゃると思いますが、私はこだわっています。
白いヘッドもいいですが、やはり私は黒が好きですし、それ以外だとブルー系や、昔からのパーシモンカラーも好きです。

標準的なシャローヘッド&ラージサイズで、コンパクトさはありません。
シンプルなタイプではなく、かなりの工夫も見られます。

『D』という文字があるので、ディープヘッドなのかな?と思いましたが、そうではないようです。

トゥ側にはウェイトがあります。
『3』という数字がありました。

ヒール側にもウェイトがあり、こちらは『9』という数字があり、ヒール側のほうが重くなっているようです。
ということは、重心距離を短めにして、球を捕まえやすくしているのかもしれません。
しかしこれには個人差があって、トゥ側を重くしたほうが球がつかまりやすいと感じておられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
他にも、いろいろな重さのウェイトが用意されているのかもしれません。
ヘッドにウェイトが組み込まれるようになって、かなりの年月が経ちますが、便利になった反面、当然デメリットもあります。
それは『打感』が曖昧になったといいますか、ボヤけた感じのものが多くなったということです。
重心がずれるので、それは当然かもしれないですが、それをあまり気にされない方も多いのではないでしょうか?
最初から『こんなもんだ』と思えば、気にならないのかもしれないですし、それ以上の享受を得られるのであれば、問題ないのかもしれません。
不自然なウェイトのおかげで、重心がずれてしまっているクラブが実はたくさんあり、私たちユーザー自身がそれを補いながら使っていかなければならないこともあります。
こういった工夫はとても素晴らしいですが、何事もやり過ぎは良くないということです。

ネックの長さは標準的です。
ネック(首)なので、『短足』とはいえないですが、こうして見たときに短足に見えるドライバーはたくさんあります。
それだけ重心の低さが求められているのだと思いますし、ネックの重要性が軽視されているのではないか?と思えることもあります。
・打点がブレてミート率が悪くなった
・切り返しのタイミングがバラバラになった
・クラブ全体の重量をもう少し足したいが、少しヘッドの効きを強くしたい
といったときに、ネックに鉛を何枚か重ねて巻くように貼っていましたが、最近はウェイト交換も普通になったので、あまり見なくなりました。
しかし、有効な方法なので、実践しておられる方は今もいらっしゃいます。

ネックには調整システムが搭載されています。
最近では少なくなったように思いますが、ホンマは採用し続けているようです。
どのメーカーもそうだと思いますが、ホンマは特に『クラブを売りたい』という思いが他のメーカーよりも強いな・・・。と感じることが多いです。

ソールのフェース寄りには大きな溝があります。
この溝もテーラーメイドがやり出してブームになりましたが、最近では下火のように感じます。
RBZ以降、テーラーメイドのドライバーにも採用されないこともありますが、一定の効果は期待できるのではないでしょうか?

溝には『CARBON SLOT』という文字があり、おそらくここの部分のことをいっているのだろうと思います。
カーボン独特の模様が見られました。

溝の深さは結構あります。
なんとなくですが、この溝の幅と深さ、そして周りのパーツなどを見ていると、強度的に問題は無さそうだな・・・。と思いました。

フェース面はシンプルです。
今は、このように溝の無いものが増えてきました。
最初見たときはすごく違和感があったのですが、実際に打ってみて問題ないことが分かると気にならなくなりましたし、強度の問題もあるのではないでしょうか?

こうして見ても、やはりシャローヘッドだということが分かります。
ディープではありません。
ならば、何の意味の『D』なのかな?と思いましたが、違う意味のDで、『ドロー』かな?と思いました。
ドローバイアスの掛かったドライバーは苦手に感じることが多いのですが、今は『球のつかまり』が重要視されているので、仕方ありません。

HONMAのロゴが入ったオリジナルグリップが、カッコいいです。
ソフトなフィーリングと機能性をもたせたグリップになっています。
ヘッドとシャフトにはこだわっているけど、グリップはそうでもなさそうなメーカーが今もたくさんありますが、ホンマは細部にまでこだわっているようで、こういったところがホンマの魅力の一部です。
『妥協』しているメーカーと、それを許さないメーカーがあり、ホンマは後者だと思います。

最近は多くなったので、このドライバーはどうかな?とクラウンを近くで見ると、カーボンの模様が見られたので、カーボンコンポジットなのが分かりました。
テーラーメイドの溝。
そしてプロギアが取り入れたことでブームになり、数年前からテーラーメイドが採用して再びブームになったカーボンコンポジット。
様々なメーカーのいいところを取り入れているようですが、できれば他社にない独自の工夫が欲しいです。
ヘッドだけでなく、シャフトも自社生産しているホンマなので、アイデアや設計もオリジナリティが欲しいな・・・。と思いました。
カーボンコンポジットを採用しているメーカーはいくつかありますが、中にはその『つなぎ目』が雑なメーカーもあります。
しかし、このドライバーにはそれが無く、『シームレス』な感じがとてもいいです。
いろいろな工夫をしているけど、それを無理やり押しつけていないといいますか、さりげないところにホンマらしさを感じました。
ヘッドにもシャフトにもチープさは見られません。

素振りをしてみると、軽量タイプではあるものの、それほど頼りない感じはしませんでした。
暴れすぎるシャフトではなく、結構落ち着いているといいますか、タイミングを合わせやすいシャフトです。

ボールを前にして構えてみると、想像していたよりも良くて、いい意味で意外でした。
強い『つかまえ顔』なのだろうと思っていましたが、そうではありません。
バルジが結構丸みを帯びていて、『つかまえ一辺倒』の顔でないところがいいです。
以前からバルジが真っ直ぐな感じのフックフェースが多く、そこに私は不満をもっていましたが、最近はバルジが見直されているのかもしれません。
ヘッド後方が少し伸びていて、10年くらい前に試打した地クラブメーカーのドライバーを思い出し、懐かしいな・・・。と思いました。
一時期、よく見かけた顔です。
こうして構えていると、カーボンの模様は全くといっていいほど目に入りません。
クラウンは黒ですが、小顔感はなく、むしろ大きさを印象づけるヘッドです。
ヘッドが大きく見えたほうが安心感があって好きだ・・・。という方には、好まれやすい大きさではないでしょうか?
ディープ感はなく、シャロー感が強いです。
このドライバーのロフトは9度ということですが、フェース面がよく見えますし、絶対に違うな・・・。と思いました。
明らかに10度以上はありそうです。
ただ、こういったことは『普通』になってしまっているので、あまり気にすることはないといいますか、気にするべきではないのかもしれません。
しかし私は数字に『リアル』を求めたいので、どうしても正確な表示を求めたくなります。
『リアル』と『表示』という二種類のロフトは要りません。
老舗メーカーの雄であるホンマには、こういったところにもこだわって欲しかったのですが、『プレイヤー心理』を考えないとクラブは売れにくい時代なので、仕方ないのかもしれません。
ただ、このドライバーは調整システムが搭載されているので、ロフトも変えられるのかもしれないな・・・。と思いました。
一時期ほどフックフェースが強くないですが、どちらかというとつかまりそうなヘッドです。
フェース面全体がほんの少しだけ左を向いているように見えました。
フェースアングルもそうですし、ヘッド後方のヒール側が大きく膨らんでいたら、おそらくドローというよりはフックのイメージが強く出たと思います。
試打を開始しました

『打感』は、まずまずです。
ソフトというよりは、結構しっかりしていますが、硬すぎず嫌な衝撃は残りません。
どういった表現を使っていいのか分かりませんが。フェース面を『面』ではなく、『点』で弾き飛ばしているような感覚をもちました。
これはスイートエリアが狭いというのではなく、それだけギュッと凝縮したような感覚です。
球の重さもじゅうぶん感じ取ることができました。

『音』は大きめではっきりしていますが、甲高くないのがいいです。
私は強く叩いていきたいタイプなので、もう少し音が小さくなればいいな・・・。と思いましたが、大きな不満ではありません。
少し耳に響きました。

『球のあがりやすさ』という点では、ほぼ構えたときのイメージ通りで、素直な感じです。
最近は構えたときのイメージと実際の高さが違うことも少なくないので、その点では好感が持てます。
やはり9度の弾道ではないな・・・。と思いましたが、ヒッター用のドライバーなのは間違いありません。
ただスピンは結構多めで、叩くと少し吹き上がる感じがしました。
こういったところも最近のドライバーの特徴だと思います。
数年前のように『低スピン一辺倒』ではなくなったということです。
飛距離を出すには確かに多すぎるスピンを減らすことが重要ですが、スピンが少なくなりすぎて、逆に飛ばなくなった・・・。という方も多いのではないでしょうか?

『安定性』という点では、普通です。
特別直進性が高くて曲がりづらいとか、『フック一辺倒』という感じはしません。
バルジのイメージがそのまま反映されているのかな?と思いました。
構えたときにどちらかというとつかまりそうでしたが、逆に少し逃がしていけそうな印象もありました。
そして実際に打ってみても、その通りでした。
『D』はディープではないのが明らかですし、ひょっとしたらドローではないのかもしれないな・・・。と思いました。
それくらい、このドライバーは『つかまり』が強すぎる感じはしないので、日頃スライスに悩んでおられる方には、球がつかまりづらいドライバーといえるのかもしれません。
誰が打っても、スライスを矯正してくれるドライバーでないことは確かです。
ただ、先ほども書きましたが、このドライバーには調整システムが搭載されていますし、ウェイトも交換できるのであれば、こういったところ(つかまりの弱さ)は解消されるのではないでしょうか?

『飛距離性能』も普通で、特別秀でた感じはしません。
しかし、それはこのドライバーが飛ばないというのではなく、今のハイレベルなドライバーの中で標準的だということです。
驚くようなパフォーマンスを発揮するけど、性格が尖っている・・・。というのではなく、安定して飛ばしていける『性格の丸さ』といいますか、穏やかな印象をもちました。
キャリーもしっかり稼いでいくことができましたし、ドロップする感じはしません。

『操作性』という点では、あまり細工をするタイプではなく、できるだけ無難に打っていきたいドライバーです。
先ほども書きましたが、球のつかまりがそれほど強調された感じはしないので、フッカーである私は少し安心感がありました。
どちらかといえば『緩いドロー』が出やすい印象をもちましたが、フェード系も易しく打つことができるドライバーです。
構えたときに、どちらかといえばつかまりそうな印象をもちましたが、それが極端ではなく、緩いところがいいです。
そうすると、このドライバーの『D』はどういう意味があるんだろう?と思いましたが、結論には至りませんでした。
試打後の感想

『あがりやすさ』や『方向性』『飛距離』など、平均レベルといっていいと思いますが、それを調整システムを使って補っていく・・・。というタイプのドライバーといったらいいでしょうか?
最初見たときは、すごいハイテク感がありましたが、打っていくうちにその感覚は薄れ、基本的には『ベーシックタイプ』なドライバーという印象をもちました。

気難しいタイプではないけれど、易しすぎないドライバーといっていいと思います。
全てをクラブに委ねるのではなく、プレイヤーの意志を尊重してくれるドライバーといっていいかもしれません。

シャローヘッドがもつ鈍感さを、いい意味で感じさせないクラブだな・・・。と思いました。
構え感は『オートマ系』だけど、曲げるのが難しいと感じるほどのドライバーではありません。

今回は調整システムをいじらず、ウェイトも交換しませんでしたが、それらを活用すると、印象が激変するのかもしれません。
調整システムが採用されてかなりの年月が経ちましたが、最も高いパフォーマンスが期待できるのは調整システムを『使わないノーマルポジション』だと私は思っていますし、おそらくメーカーもそう設計しているのではないでしょうか?
なので私は調整システムを重要視していませんが、今も高いニーズがあるのは確かです。
そういった方々には、是非このドライバーを試していただきたいと思いました。

性格は尖っていなくて、どちらかといえば丸い。
しかし『真っ直ぐ一辺倒』なドライバーではなくて、右に逃げやすいところもあり、今では少数派といった印象をもちました。
いつもいろいろなクラブを試打しながら、メーカーの狙いは何なのか?一番主張したいところはどこなのか?など探ることがあるのですが、今日はそのメーカーの主張というものがあまり見えてきませんでした。
いい意味で無難といいますか、逆にいえば『既視感』もあり、強い個性は感じられませんでした。
今はハイレベルなクラブがたくさん発売されていますが、ホンマにはホンマでないと作れない、他のメーカーでは太刀打ちできないようなクラブを発表して欲しいです。
このドライバーの特長は『主張の小ささ』『クセの無さ』『性能のバランス感』だな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
2022年03月27日
ホンマ T//WORLD TW757 P アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TW757 P アイアン の7番です。

シャフトは VIZARD IB-WF70 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は70.5g、キックポイントは手元調子 です。

シンプルでカッコいい、ホンマのアイアンです。
全体的な質感が良く、綺麗に仕上がっているところにホンマらしさを感じます。
私のゴルフ歴が、ほぼホンマのクラブとの出会った日数といえるので、やはりホンマには特別な思いがあります。

シンプルなポケキャビといったところですが、分厚くなくシャープな形状です。
いわゆる『ボテッと』していなくて、シュッとしているところに好感が持てます。
やはり、見た目はとても大切です。

トゥ側には『TUNGSTEN』の文字がありました。
おそらく、ソールにタングステンウェイトが組み込まれているのではないでしょうか?

トゥ側にビスのような大きなウェイトが組み込まれていて、過去にもありました。
トゥ側にこれだけ大きなウェイトが組み込んであると、フェースターンのスピード感に影響が出そうで、ヒール側にべったりと鉛を貼りたくなってしまいますが、そうするとバランスも崩れてくるので、やらないほうがいいのかもしれません。
メーカーが研究の末にこの形にしたのだから、おそらくこのまま何もしないのがベストなのではないでしょうか?
このような大きなウェイトがトゥ側にあるので、重心の位置もずれたり、打感にも影響がでるだろうな・・・。と思いました。
私はアイアンやウェッジは『センター重心』か『気持ちヒール重心』が好きなのですが、このアイアンの場合はどう見ても『トゥ重心』のようです。
大顔タイプではありませんが、見た目よりも重心距離が長いかもしれません。

彫りは浅く、ポケキャビでありながら、ほぼハーフキャビティと同じといっていいようです。

トップラインの厚さは標準的です。
最近は少し厚めが多いような気がしますが、このアイアンはそうではありません。
すごくナチュラルな気がします。

ソール幅も普通で、特別ワイドということはありません。
こうして見ても、いい雰囲気があります。
平坦ではなく、立体的なのが分かりました。

ソールは平らではなく、全体的に丸みを帯びているといいますか、スリクソンほどではないものの、『二分割ソール』のようになっています。
『くっきり』というよりは『なだらかな』二分割です。

ネックの長さも標準的で、重心の低さを強調するようにはなっていません。
ただ、ホーゼル自体は細いというよりは、ほんの少しだけ太くて、どっしりとした印象をもちました。
ただ、『頭でっかち感』が無いので、見ていても安心できます。

フェース面にミーリングはありません。
ごく普通の『スタンプタイプ』のスコアラインが入っています。
スコアラインの数は14本でした。
私は7番アイアンのスコアラインは13~14本くらいが標準だと思っているので、そういう意味でも、このアイアンは標準です。

装着されているグリップは機能的なタイプです。
素手で握る右手の部分はツアーベルベットのようなソフトさがありながら、グローブをはめて握る左手の部分はグリップ力があって、滑りにくくなっています。
車のタイヤに例えると、右手の部分が高級なラジアルタイヤ。
左手の部分が高級なスタッドレスタイヤ・・・。といったところでしょうか?
こういった住み分けができているグリップは嫌いではありません。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
最近のアイアン用カーボンシャフトはすごく良くなっているな・・・。と感じます。
昔のように、ただ軽いだけ・・・。というシャフトではなく、軽さのなかに適度な剛性も兼ね備えています。
素振りをしても、先がぐらつくことなく、安定しています。
軽量感はあるものの、頼りない感じはしません。
素振りを何度も繰り返してタイミングを整えました。
これから先もおそらく私は自分のアイアンにカーボンシャフトを挿すことはないと思いますが、最近のアイアン用カーボンシャフトは進化していると感じています。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
ホンマ顔はもちろんですが、『ホンマ輪郭』です
この輪郭はホンマらしいです。
昔からホンマのアイアンに接してきた私は懐かしさがこみあげてきました。
特にトップラインの見え方。
そしてヒール側の感じ・・・。
昔からよく見てきた顔です。
新しいアイアンではあっても、昔からあるクラシカルな雰囲気があります。
懐かしさはありますが、美顔で見とれるということはありませんでした。
試打を開始しました

『打感』はまずまずです。
打つ前から予想していた通りのフィーリングでした。
厚みがあって、まったりとした感じはなく、やや薄めで弾く感じですが、ガツンという硬い打感ではないのがいいです。
このアイアンのもつ全体的な雰囲気から予想される柔らかさではなかったのですが、硬くて手がしびれるということもなく、まずまずでした。
私がアイアンに求めたい打感ではないですが、打感を犠牲にして、別の物を手に入れようとしたら、仕方ないことなのかもしれません。

『球のあがりやすさ』という点では普通に近い感じですが、どちらかというとヒッター向けアイアンといっていいように思います。
今のアイアンのほとんどが飛距離を出すために、『番手ずらし』、いわゆる『スタンディングロフト』で、それを感じさせない球の浮きやすさ・弾道の高さを追求して作られていますが、このアイアンにはそれほど『強引さ』がありません。
ロフトなりに飛んでいきますが、球が軽くフワーッとあがる感じではなく、しっかりと打っていきたいアイアンです。
そういった意味でも、このアイアンはアスリート仕様になっているように感じました。

『安定性』はまずまずです。
気難しさのようなものは感じず、ある程度の大らかさがありますが、曲がりにくいというタイプではありません。
少しグースが利いていますが、つかまり過ぎず、ラインを出していくことができました。

『飛距離性能』も優れていて、私の感覚では5番アイアンくらいの飛距離ですが、今はこれくらいが普通です。
飛び系アイアンに間違いないですが、何と言いますか『ヤンチャ』なタイプではなく、おとなしめな飛び系といった印象をもちました。
先ほども書きましたが、結構しっかりしたスペックに仕上がっているので、ある程度HSがある方のほうが、このアイアンとの相性はいいかもしれません。
幅広い層に対応しているアイアンではないと思いました。

『操作性』という点でも、普通です。
ポケキャビらしい大らかさを感じ、それほど敏感なタイプではないように感じました。
バックフェースの形状もそうですが、トゥ側にある大きなウェイトも大きく関係しているのではないでしょうか?
私はフェースターンを大きく使いたいタイプなのですが、このアイアンは私のようなタイプよりも、フェースターンが比較的小さく緩やかにしていきたい方に合いやすいのかもしれません。
一応左右にも曲げてみたのですが、細かなニュアンスは出しづらい印象をもちました。
試打後の感想

ホンマらしい美しさがありながら、今アイアンに求められている性能が、このアイアンには詰まっているようです。

私はアイアンに飛距離性能よりも打感を求めていますが、このアイアンはそういうタイプではなく、それが今のトレンドなのだと思います。
アイアンには『飛び』よりも『飛びすぎない』性能を私は求めていて、くっつき感のある球持ちの良いアイアンを求めていますが、このアイアンは違いました。

だからといって、このアイアンが優れていないということではありません。
メーカーが今のニーズに合ったアイアンを作ったに過ぎません。

ポケキャビでありながら、ポケキャビの最大の特徴である、『重心の深さ』をあまり感じず、普通のハーフキャビティのようなイメージで打っていました。
しかし組み込まれているウェイトがよく効いているのか、高重心アイアンのような、フェース面の『駆け上がる』ような感覚は無く、バチンと弾いて飛ばすといった感じです。
球持ち感もありませんが、これが今のアイアンフィーリングなのでしょうか?

私が求めるアイアンではないですが、よく工夫されていて、面白いな・・・。と思いました。

これからもホンマのクラブには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年11月29日
ホンマ T//WORLD GS PROTOTYPE I ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは VIZARD FZ-5S です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56.5g、トルクは4.75、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は305g です。

ホンマT//WORLD GS ドライバーのプロトタイプです。
以前、T//WORLD GS ドライバーを試打しましたが、そのプロトタイプということで、まだ開発途中(テスト中)で市販されないとか、プロ支給モデルなのかと思っていましたが、普通に一般ゴルファーでも購入できるようです。
プロトタイプということで、どうしても興味をもって見てしまいます。

形状的にはラージサイズでシャロー感が強いヘッドです。
過去のモデルと変わりません。
カラフルなデザインもいいですが、私はこのようなモノクロ感が好きなので、カッコいいな・・・。と思いながら見ていました。

ウェイトがひとつだけ配置されています。
『9』という数字があるので、9gでいいのだと思いますが、他にもいろいろな重さが用意されているのでしょうか?

『GAIN SPEED TECHNOLOGY』と表示されていて、これは以前試打したドライバーと同じです。

ソールには大きな溝があり、これも同じです。

幅も深さもたっぷりあります。

ネックの長さは標準的です。
こうして見ると、全体的な質感もそうですし、この形状から、PINGのドライバーに似ているな・・・。と思いました。

ネックには調整システムが搭載されていて、これも前に試打したモデルと同じです。

試打するのは、このポジションです。

フェース面のデザインはシンプルで好感が持てます。
このフェース面を見ても、やはりPINGのドライバーを思い出しました。

シャロータイプのヘッドです。
シャローバックではあるものの、フェース高は充分あります。
今主流の、ディープフェース&シャローバックタイプのドライバーです。

顔は、なかなかいい感じです。
以前試打したドライバーはフックフェースの印象が強かったのですが、このドライバーはそれほどきつくありません。
どちらかといえば、少しつかまりそうな感じがしますが、ほぼ中立といっていいと思います。
バルジにいい具合にカーブが掛かっていて、扱いやすそうな印象をもちました。
バルジはストレートなタイプを好まれる方も多いと思いますが、私は昔から少しカーブを描いているほうが安心できるといいますか、親近感をもつことができます。
それは『フェースローテーション』をイメージさせやすいからなのかもしれません。
『艶消しクラウン』になっているのが、前回のモデルと違うところです。
この艶消しなところも、PINGのドライバーを思い出させました。

最近はカーボンコンポジットが多くなったので、このドライバーはどうかな?と思い、近くで見てみたのですが、どうやら違うようです。
しかし、今は『クラウンの軽量化』が多くのメーカーで採用されているので、おそらくこのドライバーもそうなのではないでしょうか?

HONMAのロゴの入ったグリップがカッコいいです。
昔からのホンマユーザーである私は懐かしさと同時に、テンションがあがります。
ゴルフキャリアだけは長くなってきましたが、このHONMAのロゴやモグラマークを見ると、昔を思い出しますし、初心に帰れるような気がします。

普通、グローブを着用しない右手の部分はツアーベルベット仕様でフィーリングを重視し、グローブをはめる左手の部分は凸凹感があって、グリップ力があります。
こういった工夫は大歓迎です。
多くのメーカーが、グリップに関しては『無頓着』といいますか、変わり映えしないことも多いように感じるなか、ホンマはグリップにも力を入れているようで好感が持てます。

素振りをしてみると、全体的にやや軽量感がありながらも、それほど頼りない感じはしません。
シャロー&ラージサイズのドライバーが多くなり、それらはつかまりにくいという欠点があるので、それを補うためにフックフェースにしたり、『走り系』のシャフトが挿してあったりすることが多いですが、このドライバーに挿しているシャフトはそれほど走る感じはしません。
いわゆる『軽硬(かるかた)』というほどでもないですが、結構しっかりしていてタイミングも合わせやすいです。
このシャフトが純正なのでしょうか?
ホンマはヘッドだけでなく、シャフトにもこだわっていて、自社生産しているというのを以前TVで観たことがあります。
今は『ヘッドメーカー』『シャフトメーカー』と、分業化が進んでいますが、どちらも自作しているということは、まさにゴルフクラブにおいての『総合メーカー』といえるでしょうか?
ヘッドとシャフトの組み合わせは無数にありますが、この組み合わせをメーカーが推奨し、最大のパフォーマンスが得られるのかもしれません。

ボールを前にしても、好感が持てました。
シンプルな艶消しブラックが『静寂感』と『重厚さ』を醸しだし、落ち着いて構えることができます。
最近はクラウンマークのあるモデルが多くなりましたし、それ以外にも線や模様などが入っているものも見られるようになってきました。
私はできればクラウンマークが無いほうがいいですし、このシンプルなデザインは好感が持てます。
方向性への不安もありません。
投影面積が大きく、シャロー感もあるので、かなり大きく見えますし、その反動でボールが小さくピンポン球のように弾け飛ぶ姿が容易に想像できます。
ピンのドライバーはクラウンに突起物のようなものがありますが、このドライバーにはありません。
しかし、それでもやはりピンのドライバーに似ているな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はいい感じです。
前回試打したモデルと同じようなフィーリングです。
しっかりしているのですが、硬くなく嫌な衝撃も残りません。

『音』は、はっきりしているのですが、甲高くなく落ち着いた感じです。
『サクサク系』といったらいいでしょうか?
後を引かず、次から次へと打っていける音です。

『球のあがりやすさ』という点では、打つ前の予想とはちょっと違っていました。
このような形状と大きさ、そしてヘッド後方にウェイトが組み込まれていることもあり、普通の深重心タイプのドライバーで、いわゆるお尻が重く、インパクトでフェースが上を向きやすいタイプだろうと思っていたのですが、違いました。
球は普通にあがってくれるのですが、低スピン性能が高く、吹き上がる感じはしません。
見るからにイージー系ドライバーだと思わせておきながら、結構『叩ける』タイプのドライバーです。
軽量感はあるものの、ややタフな感じがします。
ヘッドの特徴もあると思いますし、走りすぎないシャフトも、この弾道の理由になっているのかもしれません。
スピン過多で吹き上がっていくタイプではなく、ある程度安定したスピンで飛んでいきました。

『安定性』は高く、乱れる感じはしません。
見た目通りのオートマチック系で、ラインを描きやすく大らかなところがあります。
最初構えたときは、やや『つかまえ系』かな?と思っていたのですが、実際はつかまり過ぎることもなく、フッカーの私でも左が気にならず、安心して打つことができました。
逆にスライサーの方は球がつかまらないと感じられるかもしれません。
そういった方は、プロトタイプではない、ノーマルのGSドライバーのほうが合いやすいのではないでしょうか?
叩いても球がブレにくいところが気に入りました。

『飛距離性能』は、かなり高いです。
叩いても吹き上がらず、適正な感じで伸びていきました。
『伸び方の安定性』といったらいいでしょうか?
途中で失速することなく、打ち出しからずっとスピード感が安定している弾道です。
野球のピッチャーに例えると、リリースしたところから、キャッチャーミットに届くまで、あまり球速が落ちないタイプ・・・。といったところでしょうか?
こういうピッチャーは打者として、とても打ちづらく苦戦しますが、ゴルフクラブでそれができるのなら大歓迎です。
ヘッドの形状や全体的な軽量感などから、もっとハードルを下げたスインガー向けのドライバーのように見えていたのですが、試打しながら、やはり『プロトタイプ』というだけはあるな・・・。と思いました。
HS40後半以上の方に使っていただきたいドライバーです。
ただ、できればもう少し重量のあるシャフトのほうが、もっと重くて強い球が打てたような気がします。
低スピン系の伸びがあるのですが、もう少し球(球質)を重くできればな・・・。と弾道を目で追いながら感じました。

『操作性』という点では、やや難しく感じましたが、左右にも少し曲げることができました。
球はそれほどつかまるタイプではないので、スライスに悩んでおられる方には、少し合いづらいところがあるかもしれません。
しかし、調整機能を使えばいろいろとカスタマイズできそうなので、試してみる価値はあると思います。
試打後の感想

いい意味で、打つ前と打った後との開きがあるドライバーです。
見た目はイージー系でも、結構『骨太』といいますか、使い手を選ぶドライバーだと思いました。
先ほども書きましたが、ヒッタータイプの方のほうが、このドライバーのもつ高いポテンシャルを発揮しやすいと思います。

昔のプロトタイプといえば、まさに『プロ・上級者限定』で一般アマチュアには、ハードルの高いものばかりでした。
しかし、それから月日が流れて、アマチュアでも易しく打てるプロトタイプも出てきました。
このドライバーはプロトタイプの名にふさわしいといいますか、『誰でも』というような幅広い層をターゲットにしていないのが分かります。

人によって好みが分かれると思いますが、前回試打したモデルと、このプロトタイプでは、私はこのプロトタイプのほうが好感を持ちました。
一番の違いはフェースの向きで、つかまり過ぎないところです。
フェースの弾きや音などは大きな違いは無いと思うのですが、これは打ち比べてみないと分かりません。
ソールに溝があることや、調整システムが搭載されていることなど、テーラーメイドを意識しているのかな?と思いましたし、全体的な印象はPINGのLSTに似ているような印象をもちました。

昨年まで、しばらくホンマのドライバーにはあまり心がときめかなかったのですが、このドライバーにはときめきました。
すごくいいドライバーなので、また試打したいと思いますし、できればPINGのLSTと打ち比べてみたいな・・・。と思えるハイレベルなドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2021年10月23日
ホンマ T//WORLD TR21 X アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、クラブ総重量は419g です。

ホンマの新しいアイアンです。
ホンマらしい落ち着いたデザインで、好感が持てます。
アイアンやウェッジのように『距離感』が求められるクラブは『穏やか』であるべきで、『尖った性能』も必要ありません。
クラブが穏やかだからこそ、プレイヤーが安心して責められるような気がします。

トゥ側には『モグラマーク』があり、昔からのホンマユーザーとしては懐かしくてテンションがあがります。
昔愛用していたアイアンにもあり、このモグラマークを見る度に所有感が満たされ、練習にも熱が入っていました。

プクッと膨らんでいるので、すぐに中空だと分かりました。
最近は中空タイプが増えてきていて、その形状といいますか、膨らみが初期の頃よりも抑えられていて、シュッとしています。
私は中空よりも通常のアイアンのほうが親近感をもつのですが、この膨らみに親近感をもたれる方は多いのではないでしょうか?
そして、ポケキャビよりも中空のほうが好きだという方も増えてきているような気がします。

この角度から見ると、普通のマッスルバックのように見えるのが中空の特徴です。

トップラインは少し厚めではありますが、中空アイアンの中では、かなり狭いほうです。
『中空のトップライン=厚い』ということが当たり前のようになっていたので、この控えめな厚さは珍しい感じがします。
これなら中空と思わずに、普通に構えられるかもしれません。

ソール幅は標準的で、こうして見ると普通のアイアンと変わりません。

ソールは平らではなく、全体的に丸みを帯びています。
特に変わった工夫は見られず、シンプルな形状です。

ネックは長くないですが、適度な長さはキープされています。
少しグースなのが分かりました。

フェース面にミーリングは見られません。
いかにも『スタンプ』というのが分かるスコアラインですが、今はこれが主流です。
『削り感』を出しているスコアラインは角溝が禁止になってから、極端に少なくなったような気がします。
こうして見ると『継ぎ目』がはっきりしていて、『一体感』は無く、フェースを貼り付けているのが分かりました。
究極の理想をいえば『削り出し』で、ワンピースタイプなのかもしれないですが、そうするとかなり高価になってきますし、色々な工夫ができないので、性能も『頭打ち』になってしまうかもしれません。
このアイアンの場合は中空ということもあり、『2ピースタイプ』以上であることが分かります。

装着されているグリップにはホンマのロゴが入ってかっこいいです。

素手(右手)で握る部分はベルベットのようなソフトさ、しっとり感があります。

そして通常はグリップをはめる左手部分はベルベットではなく、グリップ力があって滑りにくいパターンが採用されています。
今はグリップにもいろいろな工夫がされていますが、とてもよく考えられているな・・・。と思いました。
実際に握ってみても、すごくいい感じです。
プレーするときは必ずグローブをはめますが、試打するときは時々左右素手で行うことがあり、今日も両方素手で握ってみたのですが、好感が持てました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
グースの利きが少し気になりましたが、このアイアンが普通のアイアンではなく、ユーティリティに近いアイアンという認識をもてはば普通なのかもしれません。
トップラインが厚くなく、ボテッとしていないので、イメージがぼやけません。
セミラージサイズで、少し面長に見えますが、これもやはりユーティリティアイアンと思えば普通です。
私はもう少し小振りでグースの利きが弱いほうが好きなのですが、これは人によって分かれるところなので、これで正解なのかもしれません。
試打を開始しました

打感は予想していたよりも、いい感じでした。
中空独特の『ペチャッ』という薄い打感なのかと思っていましたが意外にもソフトで、いい意味で予想を裏切られました。
ユーティリティ含め、中空タイプのアイアンをたくさん試打してきましたが、このアイアンのように好感が持てるタイプと、中空独特の打感で好感が持てないタイプがあります。
このアイアンを試打しながら、タイトリストのユーティリティアイアンのことを思い出していました。

『球のあがりやすさ』は普通といったところでしょうか?
タフなアイアンではないですが、ロフトも立っているせいか、やや抑えられた弾道です。
どちらかといえば易しいヒッター向けアイアンといったところでしょうか?
今のアイアンは中空だけでなく、ポケキャビなどでも『スタンディングロフト化』が進んでいますが、同じロフトでもポケキャビのほうがあがりやすいような印象を受けました。
このアイアンは中空タイプでありながら、『アイアンらしい弾道』といっていいように思います。

『安定性』は高く、中空らしい易しさを感じました。
見た目はマッスルバックのようでも、実際はフルキャビティのような易しさがあります。
セミラージサイズですが、グースタイプであり、お互いの短所が相殺され、球がつかまりやすくなっているのが、このアイアンの特長です。

フェース面の弾きもあり、飛距離性能はなかなか優れています。
ただ、今のアイアンの中では普通かな・・・。と思いました。
全体的に見れば、『やや飛び』系のアイアンといったところでしょうか?

『操作性』は、まずまずです。
易しさもありますが、曲げにくいアイアンではなく、左右どちらにも曲げることができました。
ただ構えたときにあまり操作するイメージが出なかったので、極端にやらず無難に打ちたいアイアンです。
もう少しグースが弱いと、もっと細工をしたくなるような気がします。
試打後の感想

初見から派手さのない実直そうな印象をもっていました。
アイアンには欲しい『穏やかさ』があります。

全体的にバランスのとれているのも魅力です。
アイアンテイストを崩さずに、今のニーズである飛距離にも応えているところが、さすがだな・・・。と思いましたし、アイアンの老舗メーカーとして、技術の蓄積を感じました。

昔のホンマと今のホンマはずいぶん変わってしまったという印象があり、もう何年もホンマのクラブを購入していません。
昔は『唯一の』といいますか、『孤高の存在』であったのですが、今はたくさんの優れたメーカーが台頭してきて、ホンマの優位性が崩れてしまったような気がします。
『ホンマでなければ』というのが昔はありましたが、今は『ホンマでなくても』というのが一般的な認識かもしれません。

中空らしく球離れが速く、アイアンには欲しい『フェース面をめくれ上がる』ような打感ではありませんでした。
しかし、易しさを優先するのであれば、それも致し方ありません。
易しさをとるか、打感をとるか?といえば、易しさをとる方が多いのではないでしょうか?

派手さのないデザインがホンマらしいな・・・。と思いましたし、今のニーズに応えたハイテクも搭載されたアイアンです。
見た目シュッとしていてシンプルでありながら、球があがりやすくて、そこそこ飛距離も出るアイアンが欲しい・・・。という方は、試してみる価値があるのではないでしょうか?

ホンマの技術が活かされた、センスの良さが魅力です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2021年04月29日
ホンマ T//WORLD GS ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ T//WORLD GS ユーティリティ の4番 です。

シャフトは SPEEDTUNED 48 です。
ロフトは21度、クラブ長さは40インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55.5g、トルクは3.7、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は337.5g です。

ホンマ T//WORLD GSシリーズのユーティリティです。
以前ドライバーとFWを試打して、とてもいい印象をもっているので、ユーティリティも試打してみたいと思っていました。
ドライバーやFWと大きさが違うだけで、瓜二つのデザインになっていて、ブランドとしての統一感があるのがいいです。

トゥ寄りには『GAIN SPEED TECHNOLOGY』の文字があり、ドライバーやFWにも見られました。
他のメーカーには無い、ホンマ独自の技術なのでしょうか?

ソールもそうですが、ヘッド全体に丸みがあって、滑らかな印象を与えてくれます。
『角張った』とか、『直線』『平ら』をイメージさせる形状ではありません。
大きさは標準的です。

ソールには大きな溝があり、ドライバーやFWと共通しています。
ドライバーはヘッドが大きいので、設計自由度が高く、大丈夫だと思いますが、ドライバーほど大きくできないユーティリティで、このような溝にするということは、メーカーの深い計算があるのだと思います。
強度的に大丈夫でしょうか?

深さもたっぷりあります。
以前はよく見かけましたが、最近は浅いタイプが多いですし、そもそも溝のないクラブのほうが多くなりました。

ネックの長さはじゅうぶんあります。
アイアン好きの私は、上から打ち込めそうな感じがするので好感が持てますが、横からはらうレベルブローのイメージを持ちたい方は長すぎる印象をもたれるかもしれません。

フェース面はシンプルで綺麗です。
さすがホンマです。

トゥ側にはHONMAのロゴもあります。

シャロー感はありますが、薄すぎず標準的な形状です。
ドライバーのように、ヘッドを大きくできないユーティリティはシャローにするにも限度があるように思います。

装着されているグリップは、しっかりしたタイプで、これまでも出会ってきました。
今回のGSは皆、このグリップで統一されているようです。
ソフトなタイプではありませんが、特に不満はありません。

大きさは標準的ですが、あまり好みの顔ではありません。
『逆くの字』といいますか、フェースがかなり被っているように見えます。
しかし、このような顔も初めてではないので、普通に対処できそうです。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
フレックスがSということですが、硬いという印象は無く、よくしなります。
何度か素振りをしてタイミングを合わせました。

ボールを前にして構えてみても、やはりフェースが左を向いているように見えたので、少し右を向いて回してみる感じで構えました。
あとはノーマルな顔で、特に気になるところはありません。
フェース面がよく見え、ボールもあがりやすそうです。
試打を開始しました

『打感』は好感が持てました。
硬くなく、ソフトなフィーリングですが、球の質感をはっきりと感じ取ることができましたし、球離れが速いです。

球はあがりやすいですが、今のユーティリティの中では普通といっていいように思います。
特別球があがりやすくなるような工夫は感じませんでしたが、使えるゴルファーの幅は広いような気がしました。
ヒッターだけでなく、スインガーの方にも易しいクラブといえるのではないでしょうか?

『安定性』はなかなかいい感じで、この大きさのユーティリティにしては、寛容さがあるといいますか、右には行きにくいクラブです。
フッカーの私には使いづらいところがあったのですが、スライサーの方にはとても親しみやすいクラブだと思います。
スイートエリアの広さは、今のユーティリティの中でも標準的です。

『飛距離性能』は高く、今のユーティリティの中でもハイレベルなほうにあると思います。
弾きの良さとつかまりの良さ、そして弾道の高さで飛ばしていけるユーティリティです。
右に滑っていく感じはしないので、こすり球が出にくいところも、このクラブの特長といえます。

『操作性』という点では、圧倒的に左へ行きやすく、なかなか右に曲がる球が打てませんでした。
かなりオープンに構えて、思いっきりカットに打ったら、少し右に曲げられましたが、かなり難しい感じがしました。
構えたときから、とにかく左に巻いてしまうようなイメージしか出てこなかったので、その逆球を打つのがとても難しかったです。
試打後の感想

私には合いづらいところもありましたが、メーカーが最初からスライサーの方を対象に開発したのかもしれません。

もちろん今もフック系のクラブは多いですが、ここまではっきりしたのが最近では珍しいような気がします。

初速だけでなく、球のつかまりの良さで飛ばしていくのが、今のトレンドなのかもしれません。
それくらい、スライサーの方がまだ多いということなのでしょうか?

クセのあるクラブではありますが、そのクセがあることで、多くの支持を集めることもあると思います。
球がどうしても右に曲がってしまう方。
それでもボールをつかまえて飛ばしていきたい方には、魅力的なユーティリティといえるのではないでしょうか?

私には難しいクラブですが、これからもホンマのクラブには注目していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年03月24日
ホンマ T//WORLD TR SERIES TR20 B アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TR20 B アイアン


シャフトは N.S.PRO MODUS3 です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.6、キックポイントは中調子、バランスはD2、クラブ総重量は424g です。

惚れ惚れするほどカッコいい、ホンマのマッスルバックアイアンです。
ホンマのマッスルバックには、並々ならぬ思い入れがあるので、こうしてまたニューモデルに出会うことができて、とても嬉しいです。
いろいろな素晴らしいアイアンに出会ってきましたが、私の原点といえば、ホンマのマッスルバックです。
ホンマのアイアン(PP-727)に、スイングを教えてもらいました。
ゴルフを始めたときから慣れ親しんできたのですが、難しいとか易しいという前に、クラブに惚れて10年以上使ってきました。

オーソドックスでシャープな形状です。
これぞ、ホンマのアイアンといえます。
できればトゥ側に『モグラマーク』があると嬉しいのですが、これは仕方ありません。
ピカピカ光るミラー仕上げではなく、つや消しになっているのがいいです。

シンプルなマッスルバックアイアンです。
最近はマッスルバックでも、いろいろな工夫が見られるようになりましたが、このアイアンはそういった工夫が見られません。
ウェイトが組み込まれているアイアンも多いですが、こうして見る限り無いようです。

この自然な感じのトップラインがいいですね。
ただ単に厚いとか狭いというのではなく、味があります。
角張っているのではなく、丸みがありますが、それがボヤけた感じを出していません。
このトップラインを見ているだけで、目尻が下がります。

ソール幅は見慣れた感じですが、今のアイアンの中では、明らかに狭いです。
ワイドソールを好まれる方には親近感が湧きにくいところかもしれません。
シンプルなソールですが、工夫が見られ、リーディングエッジ側よりも、バックフェース側のほうが削り込みが大きくなっています。
それほど多い形状ではないですが、過去にいくつか目にしたことがあります。

ソールは平らというよりは、微妙に丸みを帯びた形状です。
リーディングエッジもトレーリングエッジも、それほど削られていません。
『大』『中』『小』があるとすれば、更にその下の『微』といった感じの削り具合です。
最近は大きく削られているものが多く、最初から最大限のパフォーマンスが得られるようになっていますが、昔は『使い込んで自分の形にする』といったところがあったので、懐かしい感じがします。
プレイヤーの成長に合わせて、クラブも形を進化させていくという『同調』がありました。
プレイヤーの成長の一端を、クラブが担っていました。

ネックの長さも適度にあります。
『ロング』というほどではなく、『ノーマル』な長さです。

ホーゼルには『FORGED』の文字があります。
ホンマのフォージドというだけで、何か特別な感じがするのは私だけでしょうか?
今はアイアンも進化し、いろいろな素材や製法があるようですが、『フォージド』は昔から廃れることなく生き続けています。
金属を加工していくうえで、理にかなった方法なのだと思います。
日本には昔から『刀鍛冶』という専門の職人さんがいましたが、その技術が形を変えて、ゴルフクラブに活かされているのではないでしょうか?
侍にとっての相棒が刀なら、ゴルファーにとっての相棒はクラブです。
しかも、14本の相棒と共にコースに挑んでいくことができます。

フェース面にミーリングはありませんでした。
シンプル且つ綺麗なフェース面で、見ているだけでやる気が出てきます。
日本のメーカーだと、7番アイアンのスコアラインは『13本』が多いですが、海外メーカーは14本が多いように思います。
ルールに定められた範囲であれば、何本でもいいのかもしれませんが、やはり13~14本が適正な気がします。
このアイアンは13本でした。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
右手と左手ではフィーリングが異なるタイプで、最近では多く見かけるようになりました。
HONMAのロゴが、好感度をさらに高めます。

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
せっかくスチールが挿してあるので、できればもう少し重量が欲しかったのですが、仕方ありません。
ホンマはずっとDGを採用していません。
毛嫌いしているのかな?と思ったほどですが、もちろん注文で対応してくれるようです。
日本のメーカーとして、モーダスを採用しているのは納得できます。
日本製のヘッドと日本製のシャフトは贅沢の極みです。

ボールを前にして構えてみると、素晴らしいの一語に尽きます。
これぞホンマアイアン、『ホンマ顔』です。
見ているだけで、ご飯が何杯もいけそうです。
最近はホンマのアイアンでも、ホンマらしくない顔をしたアイアンに出会っていて、残念に思ったことが何度かあったのですが、このアイアンは違いました。
昔から慣れ親しんできたといいますか、『美』と『懐かしさ』の両方を味わえる構え感です。
シャープでありながら、どこかまろやかで尖った感じがしません。
トップラインも細く、いい味を出しています。
ストレートネックで構えやすく、ラインもイメージしやすいです。
イメージが色濃く浮かんできて、ボヤケないので易しく感じられます。
逃がすイメージも出しやすいので、気持ちよく打っていけそうですが、タイプ的には『中立』です。
グースネックを好まれる方は構えづらいかもしれません。
試打を開始しました

『打感』はとても良いです。
ソフトで『球持ち』がすごくいいです。
今はディスタンス系のアイアンが多く、弾きがいいので、このような打感を味わえなかったのですが、久しぶりに味わうことができました。
この柔らかさ・くっつき感・・・。これこそアイアンの打感だなぁ・・・。と思いながら打ち続けました。
『乗せて運ぶ』ということをできるアイアンです。
極端な言い方かもしれませんが、『ファストボール』で乗せるのではなく、『スローボール』で乗せられる感覚です。
スローなので、こちらのイメージを伝える時間が長くなります。
ビリヤードに例えると、球をポケットするだけならスピードボールでもいいですが、ポジションプレーではスローが基本で、ほとんど速い球は打ちません(もちろん状況によっては打ちますが)。
そのスローさを思い出しました。
もちろん実際なスローではなく、ファストなのですが、そう感じさせる『密着感』が、このアイアンにはあります。
弾き系のアイアンでは得られないフィーリングです。
クラブと『対話』できる打感といったらいいでしょうか?

『球のあがりやすさ』という点では、自然な感じがしますが、明らかにヒッター向けです。
しかも、かなり限定しているように感じられました。
最近は『レベル』に振っていくアイアンが多いように思いますが、このアイアンは完全に『上から』打っていけるタイプです。
最新のモデルでありながら、クラシカルなところも持ち合わせています。
自分に合っていれば、ダウンブローでもレベルブローでもいいと思うのですが、ティアップしていなくて、地面に直に置かれているボールは、実は上から打つほうが易しく、球もあがりやすいと実感しておられる方には、久しぶりに親近感が湧くアイアンの登場といっていいのではないでしょうか?
今のアイアンはロフトが立ちすぎていて、『出球のイメージ』が出しづらいことがありますが、このアイアンは自然に出せます。
球のあがり方も自然で、余分な浮力などもありません。
クラブが余計なことをせずに、必要最低限のことしかしない印象をもちました。

『安定性』は、かなりシビアです。
ここ数年、マッスルバック人気が復活してきたのか、多くのメーカーがマッスルバックを発売していて、私もいくつか試打したのですが、このアイアンは抜群にシビアです。
最近のマッスルバックは易しくなったな・・・。と思うことが多かったのですが、このアイアンは違いました。
『易しさ』『寛容さ』に特化したアイアンではありません。
マッスルバックの中でも、かなりシビアなほうで、『エリア』ではなく『点』で捉えていくべきアイアンです。
こういったところも、今のアイアンと違うような気がします。
このシビアさは懐かしいな・・・。と思いましたが、好感を持たれない方は多いかもしれません。

『飛距離性能』は普通で、特に変わったところはありません。
今はアイアンの飛距離競争が各メーカーで、激しさを増していますが、このようなベーシックなタイプは『蚊帳の外』といいますか、全く別のタイプのアイアンだということが分かります。
飛びすぎないアイアンで、その人がもつ距離感を大切にしてくれるアイアンです。
今の飛び系アイアンによって、簡単に飛距離が出せるようになったのはいいことかもしれませんが、飛びすぎて実戦ではその飛びが怖くなり、距離感がつかめなくなった・・・。という方は多いのではないでしょうか?
アイアンは距離を正確に刻むためのクラブで、各メーカーそれは重々承知しているけれど、売るためには仕方ない・・・。と『飛ぶ』アイアンを発売しています。
それは商売としては正しいことだと思います。
ただ、ゴルファー全てがそのようなアイアンが合っているか、求めているかは、別問題となってきます。
このような『飛びすぎないアイアン』も、ニーズが高いのではないでしょうか?

『操作性』は素晴らしいです。
久しぶりに左右に大きく曲げるのを楽しむことができました。
かなり『技』を使っていけるアイアンですが、『芯』がかなり小さいので、あまり極端なことをやってしまうと、打感が落ち、球も乱れました。
オートマ性は感じられず、完全にマニュアルタイプのアイアンです。
試打後の感想

つや消しタイプのアイアンで落ち着いたところがいいです。
完全にショットに集中できますし、このようなカッコいいクラブがバッグに入っているだけでテンションもあがります。
『所有感』を満たしてくれるアイアンといっても過言ではありません。
今は素晴らしいクラブを作る(OEM含めて)メーカーがたくさんありますが、私がビギナーの頃は今ほど多くなかったので、アイアンといえば、ホンマとミズノの二択に絞っていた時期が長くありました。
もちろん、BSやダンロップなども良かったのですが、『顔』という点で、ホンマとミズノは別格でした。

昔の懐かしい記憶が試打しながら蘇ってきました。
いわゆる『易しさ』という点では、ほとんど期待できません。
先ほども書きましたが、今のマッスルバックアイアンの中でも、飛び抜けて難しいタイプのアイアンです。
これは間違いありません。
最近のアスリートモデルのアイアンは、かなり『易しさ』にシフトしていったような気がしますが、このアイアンは全く違う印象をもちました。

易しすぎるクラブは退屈だ・・・。あまり使いたくない。
できれば最低限の機能だけで、自分のポテンシャルを活かせるアイアンを使いたい・・・。という方には、かなり楽しめるアイアンといえるのではないでしょうか?
直線ではなく曲線(自分の持ち球)で勝負していけるアイアンです。

ここまで『尖った』アイアンは久しぶりな感じがします。
ミスをすれば、それがすぐに分かります。
ダイレクトに伝わってくるので、どこが悪かったのか、すぐに検証できるところがいいです。
今のクラブはミスしても、それがミスにならないことも多く、なかなかスイングの精度を高められません。

カッコいいアイアンで、打感や操作性が素晴らしいのですが、『芯の小ささ』『気難しさ』が一番印象に残りました。
車に例えるとセダンタイプではなく、F1マシンのような『乗り手(ユーザー)』を限定するタイプです。
なので敬遠される方は多いかもしれません。

久しぶりにホンマらしいアイアンに出会ったな・・・。と思いました。
親しみやすいタイプのアイアンではないけれど、こういうアイアンを『手の延長』をして使っていければ、かなりゴルファーとしてレベルアップできるような気がします。
幅広い層に対応したアイアンではないですが、顔や打感・操作性が素晴らしいので、正直なクラブを好まれる方には、ぜひ試していただきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
HONMA GOLF

2021年03月03日
ホンマ T//WORLD GS ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ T//WORLD GS ドライバー


シャフトは SPEEDTUNED 48 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は51g、トルクは5.7、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は295g です。

ホンマGSシリーズのドライバーです。
先日FWを試打しましたが、今日はドライバーを試打する機会に恵まれました。
FWと瓜二つのようなデザインで、同じシリーズとして統一感があるので、好感が持てます。
一時期はドライバーとFWを別のメーカーやブランドにしておられる方が多かったように思いますが、最近は同じメーカーで統一されている方も増えてきたようです。

ラージサイズのシャロー系のヘッドで、特に変わったところは見られません。
この大きさや形状は今の主流で、一番支持されているのではないでしょうか?

ネックの長さは標準的です。

バックフェースには大きなウェイトがひとつ配置されています。
『9』という文字があるので、おそらく9gということでいいのだと思いますが、先日試打したテーラーメイドのドライバーは22Gだったので、それと比べるとかなり軽いウェイトです。
しかし大切なのは重さではなく、『バランス』だと思います。
重ければいいというものでも軽ければいいというものでもなく、最大のパフォーマンスを発揮できるようバランスが取れていることが重要で、このドライバーの場合は9gが最適なのかもしれません。
専用の工具を使えば、簡単に取りはずしができそうです。
他にいろいろな重さのウェイトが用意されているのでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。

ソールにある、この溝も大きな存在感があります。
FWと同じです。

溝の深さはたっぷりあります。
この溝が流行り始めた頃は、これくらいの深さが多かったように思うのですが、次第に浅くなっていき、今では溝とはいえない『段差』のようなものも増えてきました。
先日も書きましたが、『元祖ぶっ飛び系FW』として大流行した、テーラーメイドのRBZを思い出します。
ホンマといえば、やはりパーシモンのイメージが今でも強く、このような機能的なデザインを見ると、時代の流れを感じずにはいられません

とても綺麗なフェース面で、ホンマらしくて好感が持てます。
トゥ側にあるHONMAのロゴも、いい感じです。
これは昔から変わりません。

シャロータイプのヘッドで、今はほとんどがこの形になっています。

顔はまずまずです。
つかまえ系の顔ですが、それほど極端な感じはしません。
ネックの調整機能を使えば、顔の見え方も変えられるのかもしれません。
見とれてしまうほどの美しい顔だとは思いませんが、特に違和感などはありませんでした。
最近はカーボンクラウンが多いですが、こうして見る限り、カーボンは採用されていないようです。
あの独特なカーボン模様は見られませんでした。

装着されているグリップは、ソフトというよりはしっかりとしたタイプで、これまで試打したモデルと同じです。
私はもう少しソフトなフィーリングのほうが好きですが、これだけグリップ力があると、雨の日のラウンドでも滑りにくそうな感じがします。
HONMAのグリップは昔から『コード入り』のイメージが強く残っているのですが、最近はそのようなグリップは見られません。
コード入りのグリップはあまり好きでなかったので、今のままがいいです。
コードが入っているグリップは、ある一定期間が過ぎると、急に滑りやすくなりました。
しかし、その滑りやすいグリップで、どう力まずに上手く使っていけるか・・・。という工夫もしていて、技術を磨いていましたが、今はそうではありません。
今のクラブはあらゆる面で親切になり過ぎていて、プレイヤーの工夫が要らなくなったような気がします。
その最たるものが『直進性(曲がりにくさ)』と『低スピン性能』です。
昔は、いかに曲げないか、いかにスピンを減らすか・・・。ということをスイングで身につけようとしていましたが、今はクラブが勝手にやってくれます。
プレイヤーはそれに任せて気持ちよく振っていくだけでいい時代になりました。
昔のようにハイティでアッパーに打っていかなくても、レベルに振っただけでスピンが減り、効率の良い飛びが求められるようになりました。

素振りをしてみると、かなりシャフトが軟らかく感じて、正直打てるかな・・・。と少し不安になりました。
シャフトのスペックは『S』ということなのですが、かなり軟らかいです。
『STIFF(硬い)』という感じはしません。
ゆっくり振るための『SLOW』なのかな?と思うくらい、軟らかいです。
もちろん、シャフトの硬さに対する感じ方は人それぞれですが、少なくともこのシャフトが硬いと感じられる方は多くないような気がします。
もうずっと、クラブ(特にシャフト)の『アンダースペック化』といいますか、『軽量+軟らかさ』が進んでいますが、それでもこのシャフトの軟らかさは『特筆モノ』です。
振動数を計測してもらったわけではないので、はっきりとしたことは言えませんが、『250』を切っているのではないか?と思えるほどの軟らかさです。
やや先の動きが大きいですが、全体的によくしなり、『ムチに近い』感覚です。
軽量&軟らかいシャフトでも、意外と打ちやすいタイプもあれば、そうではなく、苦戦するタイプもあります。
このシャフトは後者のように感じられました。
ホンマはシャフトにもこだわりの強いメーカーなので、このシャフトも様々なテストを重ねて挿してあると思うのですが、少し苦手意識が芽生えました。
フレックスは『R』なのかな?と改めて見直しましたが、やはり『S』という表記になっていました。
なんとかタイミングをつかんでいこうと、素振りを繰り返しました。
ゆっくりテークバックをして、ヘッドを起こさないようなイメージで、ダウンスイングにかけてシャフトに任せる感じで振っていきました。
静かなスイングイメージです。
スイングを『風』に例えるとするならば、『台風』や『突風』という『荒々しさ』をイメージしたスイングではなく、『そよ風』のような静かで心地よいイメージといったらいいでしょうか?

ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
『美顔』ではなく見惚れることもありませんが、違和感などはありません。
少しつかまるイメージが出ましたが、左が気になるほどでもなく、このまま自然に打っていけそうです。
テンションがあがることも無く、淡々と見つめていました。
試打を開始しました

まず感じたのが、この高い飛距離性能です。
正直、あまり期待していなかったのですが、予想に反した飛び性能に驚きました。
一球目から、たまたまタイミングが合って、いい感じで打つことができたのですが、初速があって、かなり強い球が打てます。
低スピン性能が高く、『棒の球』が打てるドライバーです。
素振りをしていたときは、『アンダースペック感』がかなり強かったので、それほどポテンシャルが高いドライバーではないような気がしていたのですが、違いました。
ここ最近のホンマのドライバーで、一番ポテンシャルが高いのではないかと思いました。
フェースの弾きが強く、初速が出ていて、球のつかまりの良さと程よい低スピン性能をもったドライバーです。

『打感』は弾き感が感じられ、球離れが速いですが、硬いということもなく好感が持てました。
『つかまえ系(フックフェース)』ドライバーに感じられる、『くっつくのが早い』といいますか、『逃し系』にはない、『密着感』が味わえるのも特徴です。
密着感というよりは『フェースが先にボールに触れる感覚』が早いといったほうがいいかもしれません。
『隙間の無い』打感です。
ゴルフにはアイアンでよく出てくる、『ハンドファースト』という言葉があり、その逆の意味の『ヘッドファースト』という言葉もあります。
それに倣って言うならば、このドライバーは『フェースファースト』という言葉が合うんじゃないかな?と思いながら試打していました。
それくらい、フェースが先に当たり、しばらくボールをホールドしている感じがします。
こういったところが、今のつかまえ系ドライバーの共通した特徴です。
最近は逃し系が少なくなり、逃し系には独特の『間(ま)』があり、それが私たちフッカーに安心感を与えてくれたのですが、今はその間がなくなり、フェースが先にボールに触れて、つかまえてくれているのかもしれません。

『音』は、はっきりとした金属音で、やや高めですが、大きすぎず気持ちよく振っていくことができました。
インパクトが緩むこともなく、周りを気にする必要もありません。
聞き惚れることはありませんでしたが、無難な音です。

ライナー系の弾道が頼もしいです。
構えたときにイメージした高さと、ほぼ合致していました。
ロフト(9.5度)もあると思うのですが、一時期のような『高すぎる9.5度』ではありません。
ライナー系ではありますが、ドロップすることもなく、いい感じの弾道を描いてくれました。
ヘッド自体はヒッター向けなのかな?と思いましたが、シャフトは違っていて、かなりアンバランスな印象です。
あまり叩かなくても、むしろ優しめにヒットしたほうが、いいような気がします。

『安定性』は高いですが、今のドライバーの中では標準的といえるでしょうか?
シビアさは全く感じないですし、球がよくつかまります。
フェースが開く感じがしないので、右へは行きづらいです。
オートマチック系のドライバーであることは間違いないですが、『真っ直ぐ』というよりは、つかまりがいいので、『ドロー系』の球が出やすいドライバーです。
フェードヒッターの方や、スライスに悩んでおられる方には、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、秀でていません。
それはヘッドの性格もありますし、シャフトがかなり軟らかくて軽いので、球筋を操るのは難しいです。
一球目から、いい感じのドローボールを打たせてくれました。
スライスを打ってみようと思ったのですが、なかなか右に曲がる球が打てませんでした。
しかし、シャフトを変えれば打てそうです。
試打後の感想

フェースの弾きの良さとつかまりの良さ。
そして程よい低スピン性能で飛ばしていけるドライバーです。
最近のドライバーで、この3つが、ここまでバランスがとれているのは珍しいような気がします。
たいてい、どれかが一つ飛び抜けているか、大きく劣っているか・・・。といったところですが、このドライバーはバランスがいいです。

日頃から、球のつかまりが弱くてスピン過多に悩んでおられる方にはぜひ試していただきたいです。

試打しながら、このドライバーのポテンシャルの高さを実感していたのですが、シャフトが合っていなくて残念でした。
もちろん、このままのシャフトがいいという方も多くいらっしゃると思いますが、かなり軟らかいので、タイミングが取りづらくて、もっと骨太な感じで『押せる』シャフトだと、さらに飛ばしていけたような気がします。
もし『ディアマナ』や『クレイジー』のシャフトが挿してあったら、どうなるのかな・・・?と思いながら球を打っていました。
ヘッドとシャフトが合っていないように感じられ、そこが残念でした。
もし、違うシャフトが挿してあるモデルがあれば、ぜひ試打してみたいです。

フックフェースのドライバーでありながら、昔のように極端ではないですし、調整機能が搭載されているので、どのように変えられるか、興味があります。
もう少し逃がす顔にできれば、私としてはもっと扱いやすくなるような気がするのですが、スライスに悩んでおられる方は、これくらいがベストなのかもしれません。
人によっては、この9.5度よりも違うロフトのほうが高さも出て、いい結果が得られるような気がします。

最初見たときは、それほど期待していなかったのですが、試打してみて高いポテンシャルを感じ、いいドライバーだな・・・。と思いました。
『HONMAドライバーの復活』といったら、ちょっと大げさかもしれませんが、そう思わせるくらい、このドライバーの性能は高く、バランスがいいです。
ドローヒッターよりはフェードヒッターに合いやすいドライバーだと思いますが、調整機能をフルに活用すれば、ドローヒッターにも易しくなるのではないでしょうか?
ソールに溝やウェイトがありますが、それ以外は特に変わった工夫もなく、『ゴチャゴチャ感』もありません。
『機能性ドライバー』の中では比較的シンプルなほうだと思いますが、見えないところにたくさんの工夫がされているのは間違いありません。
HONMAの人気が爆上がりしそうな予感がします。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2021年02月28日
ホンマ T//WORLD GS アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ T//WORLD GS アイアン


シャフトは SPEEDTUNED 48 です。
ロフトは29度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は53g、トルクは4.0、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は372g です。

ホンマ T//WORLD GSシリーズの新しいアイアンです。
昨年、TR20-Vというアイアンを試打しましたが、違うシリーズのようです。
TR20-Vにはモグラマークがあったのですが、このアイアンにはありません。
モグラマークがあるからこそ、ホンマといえるのですが、新たなシリーズということで仕方ないような気もします。

セミラージサイズのシンプルなアイアンです。
こうして見る限り、特別な工夫は見られません。

ポケキャビではないですが、ポケキャビ並に彫りが深いです。

トップラインは厚いです。
シャープさもなく、構えたらイメージが少しボヤケてしまうかもしれないな・・・。と思いました。

ソールに溝のようなものがあり、驚きました。
テーラーメイドのアイアンを思い出したのですが、この溝にはどのような意味があるのでしょうか?
テーラーメイドのアイアンよりも深さがあります。

ソールは全体的になだらかな感じがします。
丸みがありますが、それほど強調はされていません。
リーディングエッジもトレーリングエッジにも丸みがあります。
昔からホンマのアイアンには馴染みがありますが、正直、このアイアンの質感にはあまり魅力を感じませんでした。

ネックの長さは、やや短めではありますが、今ではポピュラーな長さです。

フェース面にミーリングは無く、綺麗です。
『磨きあげた』とか『叩きあげた』という質感ではなく、『吹付け感』があり、ホンマ独特な感じがします。

装着されているグリップは、ソフトというよりはしっかりしたタイプです。
これは以前試打したFWにも使われていました。

軽量タイプのアイアンで、今ではポピュラーな振り感です。
私はもっと重量があるほうが好きですが、この軽さが好きだという方も多いのではないでしょうか?
軽量感があり、シャフトも軟らかいですが、頼りない感じはなく、タイミングもすぐに合わせることができました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
少し大味な印象を受けますが、クセが強いタイプではありません。
むしろ、これくらいのほうが安心感があるという方もいらっしゃると思います。
セミラージサイズでグースが効いていて、トップラインも厚めです。
トップラインがギューッと丸くなりすぎていないのがいいです。
真っ直ぐというよりはカーブを描いているのですが、それが強すぎないので『被る』イメージが強く出ないところに親近感をもちました。
シャープでスッキリした構え感ではなく、いい意味で少しボヤッとした構え感です。
『アバウトさ』で勝負していけそうな雰囲気があります。
見惚れるような構え感ではないのですが、特に違和感もなく、苦手意識も芽生えませんでした。
試打を開始しました

『打感』は『弾き感』があり、今どきなタイプです。
かなり球離れが速く、一瞬で飛び去っていく感じです。
ゴツンという硬い打感ではないのですが、くっつくような感覚はなく、伝えづらい・伝わりづらい打感です。
厚みはなく薄いのですが、それがスピード感を醸し出しているようにも感じます。

球はよくあがってくれ、タフさは全くありません。
ヒッタータイプというよりは、スインガータイプの方が易しく使えるアイアンといっていいと思います。
これまでたくさん出会ってきた、イージー系アイアンです。

『安定性』も高く、シビアさは全くありません。
フルキャビティらしいおおらかさがあり、ミスヒットにも寛容です。

『飛距離性能』が高く、完全にディスタンスタイプのアイアンです。
弾き感が強く初速も出ているので、飛距離にこだわって作られているのが分かります。
弾道が高く、ビッグキャリーで攻めていけるアイアンです。
アイアンに飛距離を求めておられる方には、かなり魅力的なのではないでしょうか?

『操作性』という点では、セミラージサイズではありますが、球が右に抜けることなく、しっかりとつかまえてくれ、どちらかといえばドロー系が打ちやすい印象をもちました。
クラブ自体は『オートマ系』ですが、小さく曲げるのであれば、それほど苦労しないタイプのアイアンです。
試打後の感想

易しさと飛距離性能に長けたアイアンです。
『球持ちの良さ』が無く、打っていて伝わってくるものが少ないのですが、飛距離を求めるのであれば仕方ないのかもしれません。

昔からホンマのアイアンを使ってきたものとしては、ずいぶん変わった印象をもちますが、これも時代の流れなので仕方ありません。

他のメーカーと同じようなタイプで、『ホンマ独自』の特徴などは見られませんが、今求められているものを全て凝縮したような印象を受けます。

ハイテク&ハイパフォーマンスでありながら、比較的シンプルなデザインに好感が持てます。

見とれてしまうような美しさはありませんが、機能性を重視するのであれば、全く問題ないです。

これからもホンマには期待していきたいと思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
HONMA GOLF

2021年02月16日
ホンマ T//WORLD GS FW

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ T//WORLD GS FW


シャフトは SPEEDTUNED 48 です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはS、トルクは5.7、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は307g です。

ホンマツアーワールドシリーズの新しいフェアウェイウッドです。
ここ数年、ホンマはデザインをよく変えている印象がありますが、このニューモデルもそのようになっています。
なので、最近のホンマのデザイとしてのイメージが少し希薄になっています。
毎回、新たなチャレンジをしているように感じられます。

シャロータイプで見慣れた形状です。
とても綺麗な仕上がりで質感も良く、好感が持てます。
さすがホンマです。
ホンマにチープなクラブは似合いません。
といいますか、『許されない』と個人的には思ってしまいます。
質感が良くないクラブだと、テンションが下がることもありますが、今日はそれがありません。
まずは目で楽しむことができました。

ソールのフェース寄りには大きな溝があります。
初めて見たのがテーラーメイドのRBZで、最初は驚きましたが、今では全く驚きません。
むしろ、多くのメーカーが追随していったので、ホンマもそうなったか・・・。という感じです。
後追い感は否めませんが、とても有効な工夫だと思うので、『実』を取るのであれば仕方ありません。
最近のテーラーメイドのFWでは、このような溝が見られないので、さらにその先を進んでいるのでしょうか?
私の周りでも、この溝に対しての好き嫌いがはっきりしていて、むしろ無いほうがいい・・・。という人は多くいました。
私もどちらかといえば、無くてもいい・・・。という派です。

溝の深さはたっぷりあります。
こうして見ても、やはりRBZを思い出します。
深さや位置も瓜二つです。
この溝以外は特に目立つものは無く、シンプルな形状です。

『GAIN SPEED TECHNOLOGY』という文字がありました。
速度を上げるテクノロジーということでしょうか?
このヘッドのどこに、その技術が組み込まれているのか分かりませんが、ソールにあるのは溝しか無いので、この溝によるものなのかもしれません。
しかし、こういった工夫は、やはりRBZなどで既に『やりつくしちゃった感』があります。

綺麗なフェース面で、さすがホンマです。
唯一といえる、ボールとの接点でありながら、ここの部分の仕上げが丁寧でないメーカーは今でも見られます。
それは特に海外メーカーに多く、国内メーカーのクラブでも見られますが、ホンマはさすがに丁寧です。

トゥ側にはホンマのマークがあります。
このロゴを見るたびに、懐かしさと嬉しさがこみあげてきます。
ゴルフを始めて、かなりの年月が立ちますが、このホンマのロゴほど長く見続けたものはありません。
それくらい、この『モグラマーク』には愛着があります。
私がゴルフを始めたときと、今ではクラブが大きく変わりましたが、このマークだけは変わりません。
筆記体であった『Hiro Honma』も文字もカッコよかったですが、やはりこのモグラマークは親しみがあります。
憧れのクラブはゴルファーにとっての『着地点』といいますか、目指すべき場所といったところがありましたが、今のクラブはすごく易しくなっていて、むしろクラブのほうがゴルファーに近寄ってきているような気がします。
多少難しくても、そのクラブを使う喜び・ステータス感のようなものが、今は希薄になりました。
クラブが多くをカバーしすぎないからこそ、それを手にしたプレイヤーの感性や技術が高められた部分が大きいと思うのですが、今はそんな時代ではないのかもしれません。
ボールも『糸巻き』から『4ピース』などになって、曲がりにくくなっているのに、さらにクラブに対して曲がりにくさが求められています。
それでも絶対にボールが曲がらないということはありません。

シャローヘッドタイプで、今はこういうタイプが最も多いです。
昔から、スプーンはディープという印象が強いですが、このようにシャローであがりやすくしたのは、マグレガーのマックテックが草分け的存在といってもいいのではないでしょうか?
それから誰でもあがりやすく、『直打ち』でも打てるスプーンがたくさん登場しました。
ティアップされていなくて地上にあるボールは全て、上から拾っていきたいといいますか、ぶつけていきたいので、できればディープな感じのほうが好きなのですが、このシャロー形状に親しみをもたれる方は多いのではないでしょうか?
フェース面の『上』ではなく、『真ん中から下』を使うようなイメージです。
ディープだと『上から』ぶつけるイメージが出しやすいですが、このようなシャローだと『水平』に拾っていくイメージが自然と湧いてきます。
どちらがいいというものではなく、その人の好みで選ぶのがいいように思います。

まずまずの顔をしています。
シャロー感はありますが、適度にコンパクト感があるので好感が持てますが、フェースが左を向いているように見えました。
最近はカーボンクラウンが多くなりましたが、こうして見る限り、違うようです。
クラウンマークが地味で、少しダサいな・・・。と思いました。
もう少しデザインに凝るか、無くしちゃったほうがいいのにな・・・。と思いました。
私はクラウンマークが無いほうが好きなのですが、クラウンマークがあったほうがいいという方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方のためにもあえてつけてあるのかもしれません。

グリップはソフトというよりは、やや硬めといいますか、しっかりした物が挿してあります。
場所によってパターンが異なる『今どき』のグリップで、ホンマのロゴがとてもカッコいいです。
以前TVで、ホンマはヘッドだけでなく、シャフトなどあらゆるパーツを自社生産しているというのを見たことがあるのですが、このグリップもそうなのでしょうか?

『MADE IN JAPAN SAKATA』の文字が見られます。
ホンマのクラブではお馴染みではありますが、やはり嬉しいです。
OEMが当たり前のようになっていて、クラブを自社生産している『リアルメーカー』はとても少ないです。
ホンマはパーシモンの頃から自社生産にこだわっている『ゴルフに特化』したメーカーでもあります。
契約外でも、昔から多くの有名プロが酒田工場に行って、クラブ調整をしたというのは有名な話です。
海外製が悪いというわけではないですが、やはり目が届かないところがでてきてしまったりして、製品のばらつきなどもでてきます。
これはゴルフクラブに限ったことではないですが、やはり日本製、しかも酒田工場で作られたというのが大きいです。
ゴルフクラブは同じメーカーの同じモデルで同じスペックだと、全てのピースが同じ性能で違いはないと思っておられる方は多いかもしれませんが、実際はそうでもなくて、今でも『アタリハズレ』があるのが実情です。
それは厳密に計測してみないと分かりません。
特に『あるメーカー』はその『アタリハズレ』が大きく、今でも個体差が大きいですが、それを改善しようとはしないようです。
メーカーによっても、自社の製品に対する考え方は様々です。
『売れればそれでいい』というメーカーもあれば、『ゴルファーに歩み寄る』といいますか、ゴルファーのことを常に考えていて、ラストユーザーである私達ゴルファーに心から喜んでもらおうというメーカーも、まだまだたくさんあります。
いろいろなクラブを試打して、そのように感じることは多いです。
『売れればいい』という、バラツキの多いメーカーのクラブで『アタリ』を引いたときはラッキーですが、『ハズレ』を引いてしまったときは残念な結果となってしまいます。(とはいっても、昔ほどの大きな差ではないのですが・・・。)
それは見ただけではわからないので、やはり実際に試打してみるのがいいと思いますし、ヘッドだけでなく、シャフトについても同じようなことがいえます。
また、試打クラブを試打してすごく良かったので、同じモデルの同じスペックを注文して組んでみたけど、試打クラブほどのパフォーマンスが得られなかったという経験をされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
試打クラブは普通『非売品』ですが、どうしてもその試打クラブが欲しいという場合は、それを売ってくれるメーカーも多いように思います。

素振りをしてみると、デザインからくる印象よりもかなり軽量感があって、シャフトも軟らかいです。
フレックスはSということですが、硬いという印象は全くありませんでした。
しかし、こういったことも人によって感じ方は様々なので、一概には言えません。
最近はこういったクラブの軽量化によって、『男性用クラブ』と『女性用クラブ』の境界線が曖昧になってきていて、女性の方でも、男性用のクラブを使われる方が多くなってきました。
私がよく見かけるのは、このホンマとダンロップ、そしてブリヂストン、ヤマハです。
ヘッドは男性用で、シャフトだけを軽くて軟らかい物にするという方もいらっしゃいますが、中には『そのまま』使われる方もいらっしゃいます。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
『つかまえ系』の顔に見えたのですが、これまでたくさん経験しているので、その経験を活かして打っていくことにしました。
シャロー感があって、球があがりやすそうです。
今回もいつも通り、『直打ち』で試打することにしました。
試打を開始しました

『打感』はソフトでいい感じです。
ホンマらしい、グッド・フィーリングで好感が持てました。
ソフトで少し軽めな打感ですが、ボヤケたところはなく、ボールの質感を感じられるのがいいです。
『球持ち感』は感じられず、『弾き感』が強いですが、今のクラブの共通した特徴といえます。

『音』も程よい金属音で、気持ちよく振り抜いていくことができました。
やや大きめの音ですが許容範囲内ですし、高すぎずないのでインパクトが緩むこともありませんでした。
この音は特にスインガータイプの方に受け入れられやすいのではないでしょうか?

球はとてもあがりやすく、直打ちでも充分すぎるほどあげてくれました。
スプーンとは思えないほどの浮きやすさです。
打ち出しが高く、そのままズドーンと突き進んでいく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
見た目通り、タフさは全く感じません。
球質は、やや軽めです。

『安定性』という点では、イージー系でシビアさは感じず、どちらかといえば『一方通行タイプ』だと思いました。
寛容なところがありますが、『高い直進性』というよりは、つかまりやすい印象をもちました。
それは構えたときから感じていたのですが、実際に打ってもやはりその通りです。
私にはつかまりすぎるので、少し『巻いてしまう』のに注意しなければなりませんが、このつかまりの良さがいいという方も多いのではないでしょうか?

フェースの弾きが良く、易しく飛ばしていけるFWです。
弾きの良さとつかまりの良さ、そして弾道の高さという『三本の矢』で距離を出していけるクラブだな・・・。と思いました。
特につかまりの良さを強く感じ、球が右にフケることはかなり少なくなるのではないでしょうか?

『操作性』という点では、明らかに左へ行きやすいタイプで、普通に打つと右へ曲がる球は一球も出ませんでした。
一応、カットに打って右に曲げてみたのですが、自然とつかまえてしまうので、大きくは曲げられませんでした。
スライサーの方には心強いと思いますし、普段ストレート系の球を打っておられる方でも、少しつかまり感を足して、もっと距離を稼ぎたいという方には、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
試打後の感想

ソールにある大きな溝が印象的でしたが、比較的シンプルにまとまっていて、好感が持てました。
ゴチャゴチャしていなくて、スッキリしているのがいいです。

『あがりやすさ』『つかまりの良さ』『弾きの良さ』という三拍子が揃っていて、バランスがとれているクラブだな・・・。と思いました。
今のニーズにしっかりと応えたクラブといってもいいのではないでしょうか?
ただ、こういったクラブはこれまでもたくさん目にしてきているので、正直『目新しさ』のようなものは全く感じませんでした。
同じようなことを、既に多くのメーカーがやっています。
ホンマ独自の、他社にはない強みがあるかな・・・?と思いましたが、試打していて、それを感じることはありませんでした。

目新しさのようなものは感じませんでしたが、これからもこのようなバランスが良くて、美しいクラブを作り続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
HONMA GOLF

2020年04月26日
ホンマ T//WORLD TR20-V アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TR20-V アイアン の7番 です。

シャフトは VIZARD TR20-65 です。
ロフトは32度、クラブ長さは37.125インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は61g、トルクは3.7、キックポイントは中調子 です。

ホンマの新しいアイアンです。
ホンマは老舗メーカーであり、日本のゴルフ界を背負ってきたところがあります。
私もビギナー時代から、ずいぶんとお世話になってきました。
いつもホンマには注目していますが、ニューモデルに出会えると、とても嬉しくなります。
このアイアンを見て、懐かしさがこみあげてきました。

それは、この『モグラマーク』です。
トゥ側にある、ホンマのマークが昔の記憶を蘇らせます。
私が初めて購入したアイアンはPP-727というホンマのアイアンだったのですが、そのデザインを思い出しました。
今では見られない『ヒロホンマ』のファンでした。
易しい・難しいは別にして、所有欲を満たしてくれるアイアンで、いつも私を支え続けてくれました。
今もたくさんホンマのアイアンを試打していますが、このアイアンほど懐かしく感じたことはありません。
気持ちが揺さぶられてきました。

カッコいいキャビティアイアンです。
比較的シンプルなデザインで、すっきりしているのも魅力的です。
オーソドックスな形状ですが、小顔感はありませんでした。

彫りの深さは標準的で、ノーマルキャビティといっていいように思います。
そういえば、最近はポケキャビよりも、このような昔ながらのキャビティアイアンが増えてきたような気がします。
キャビティ構造にも流行というものがあるのでしょうか?
ポケキャビも『やり尽くした感』があるのかもしれません。
ただ、これからもポケキャビは無くならないと思いますし、たくさん登場すると思います。

トップラインの厚みも、ちょうどいいです。
今は少し厚めのものが多いので、少し狭く見える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれくらいが好きです。

ソール幅は標準的です。
ワイドというほどではないですが、適度な幅がキープされています。
この幅の広さは昔から見られます。

ソール全体が緩やかな丸みを帯びていて、易しさを感じさせます。
平らなタイプではないですし、かといって丸すぎることもありません。
ソールが上手く滑ってくれそうですし、リーディングエッジやトレーリングエッジも微妙に削られています。

ネックは適度な長さがあっていい感じです。
何ともいえない雰囲気がたまりません。
色っぽい感じがして、魅力的です。
いい『目の保養』ができます。

ホーゼルには『FORGED』の文字がありました。
一口にフォージドといっても色々とあるようですが、ホンマのフォージドなので特別なのかな?と思ってしまいます。
それくらい、ホンマは昔からクラブ作りにこだわりがあるメーカーです。
『冷たい』といいますか、人の温かみを感じられないようなメーカー(主に海外メーカー)もあるのですが、ホンマは昔から『血が通った』といいますか、『人の温もり』が感じられるメーカーだと思っています。
もちろん実際にホンマのクラブに触れてみて熱があるということではなく、あくまでも感じ方に過ぎないのですが、そういったいいイメージをホンマには抱き続けています。
ホンマのクラブには『MADE IN JAPAN SAKATA』の文字があることが多いですが、このクラブには見られませんでした。
もちろん日本製で、坂田工場で作られたのだと思うのですが、できれば表示されているといいな・・・。と思いました。

フェース面にミーリングはありませんでした。
シンプルなフェース面で、ホンマらしい質感のフェース面です。
チープさは全くありません。

装着されているグリップはホンマのロゴがあってカッコいいです。
ベルベットタイプと違うタイプの混合型といった感じのグリップです。
右手と左手でフィーリングが異なります。
右手側がソフトで、左手側が『しっかり』としたフィーリングです。
右手は素手で、左手はグローブをはめるので、このようなデザインになっているのでしょうか?
一時期はよく見られましたが、最近は少なくなりました。

素振りをしてみると、軽さが際立っていて注意が必要でしたが、何度か素振りを繰り返しタイミングをとることができました。
軽いので手先だけで振ってしまいがちになりますが、軽いからこそ、しっかりと体全体を使って振っていくことを心掛けました。
ホンマはヘッドだけでなくシャフトにもこだわっているので、このシャフトにもすごい技術が注ぎ込まれているのだと思います。
スチールシャフト装着モデルもラインアップされているそうなのですが、試打クラブはこの一本しかなかったので、このまま試打することにしました。

ボールを前にして構えてみても、すごくいい感じです。
嫌みのない『ホンマ顔』です。
こうして構えてみて、改めてクラブというのは『芸術作品』だな・・・。と思いました。
この顔だけでも、『ひとつの作品』といえます。
リーディングエッジからトゥへいって、トップラインまでの流れが見事です。
『水流を止めない流れのあるデザイン』といっていいでしょうか?
クラブによって、流れが乱れているように感じる物もありますが、このアイアンは見事に均一に流れているように感じられました。
ただ、これはあくまでも私の感じ方によるものなので、説明はしづらいのですが・・・。
グースタイプではないので、ラインもイメージしやすく、安心感があります。
グースタイプを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
やや面長に見えましたが、大顔タイプではないですし、何の問題もありません。
小顔タイプが苦手な方でも、これくらいがちょうどいい・・・。という方も多いのではないでしょうか?
フッカーである私は『逃がせるイメージ』が出しやすいクラブには安心感をもてるのですが、このアイアンはまさにそんな感じです。
軽量感には注意をしなければなりませんが、この顔のイメージは私の緊張を解き、リラックスさせてくれました。
球筋をイメージさせてくれるアイアンというのは『キャビティ』『マッスルバック』関係なく、易しいものです。
試打を開始しました

『打感』はいい感じです。
ソフトというよりは、やや軽めな感じがしましたが、ボヤけた打感ではなく、しっかりと芯を感じ取ることができました。
マッスルバックのような厚みのある打感とは違うのですが、この打感は昔からありますし、好感が持てます。
同じキャビティでも、『ポケキャビ』のように『分散感』がそれほど強くないのもいいです。
重心が深すぎず、後ろに行っていないのがいいのかもしれません。
色々なクラブを試打していると、ボールの大きさ以上に大きく感じられるクラブもあり、それらの多くが打感がぼやけていて伝わってくるものが少ないです。
なので打っていてもあまり満足感は得られないのですが、このアイアンはボールの大きさと同等だったので、フィーリングも合いやすくいい感じでした。

球はあがりやすくてタフさはありませんが、今のアイアンの中でいえば、平均的といっていいように思います。
どちらかといえばアスリート向けのような気がしますが、そのハードルは高くないので、スインガータイプの方にも親しみやすい性能をもっているといえるのではないでしょうか?

『安定性』は、キャビティらしい易しさがあって親しみやすいですが、『易しさ一辺倒』のクラブではないので、寛容さを最大限求めていきたい方には違うタイプのほうがいいかもしれません。
しかし『易しすぎない』のも性能の一部だと私は思っているので、これくらいまでがちょうどいいような気がします。
このアイアンはハーフキャビティというよりは『ノーマルキャビティ』といっていいように思いますが、『フルキャビティ』のような大らかさを感じました。

『飛距離性能』も優れていて、一番手以上は軽く飛ばせるクラブですが、今のアイアンの中では普通といっていいように思います。
易しく・軽く飛ばしていけるアイアンであることは間違いありません。
球があがりやすくてキャリーもしっかり出せますが、球がやや軽い感じがしたので、少し抑えていこうとしたのですが、全体的な軽さやシャフトの性質もあって、なかなか思うようにはいきませんでした。
飛ばそうとしなくても、飛ばせちゃうアイアンといったらいいでしょうか?

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
構えやすいのでイメージしやすかったというのもあるのだと思います。
左右へも上手く対応してくれました。
少しだけ面長に見えたのですが、球が逃げることなく、しっかりとつかまえてくれました。
私は小顔タイプのアイアンが好きですが、このアイアンの大きさでも全く問題ありません。
球がつかまる過ぎることなく打っていけるので、フェードヒッターの方にはすごく易しいアイアンといえるのではないでしょうか?
試打後の感想

このアイアンを見て、すごくテンションがあがりました。
先ほども書きましたが、私が昔愛用していたアイアンに似ていたからです。

モグラマークは今でも見られますが、やはり『黒』でなければならないですし、トゥ側にあるというのも『ミソ』です。
ひとつのクラブに惚れて、10年以上使い続けて、同じ時を過ごした思い出が蘇ります。
私を育ててくれて、多くのことを教えてくれたPP-727のことを懐かしく思いながら試打をしていました。

マッスルバックとキャビティという違いはありますが、共通点は多いように思います。
あれからずいぶんと長い月日が流れましたが、今でもやはり『軟鉄が最強』だな・・・。と思いました。
もちろん、ステンレスなど他の素材も長所はたくさんあると思うのですが、私は軟鉄しか購入したことが無いですし、これからも軟鉄アイアンだけを相棒として迎え入れようと思っています。

このアイアンは最新モデルでありながら、特別変わった工夫は感じませんでした。
しかし、それがまたいいような気がします。
濁った感じはせずに、すごくクリアな印象をもちました。

昔のホンマと今のホンマではずいぶんと変わったところもあると思いますが、これからもクラブ業界をリードしていく存在であり続けて欲しいです。
難しいかもしれませんが、『ヒロホンマ』が復活すると嬉しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年03月13日
ホンマ T//WORLD TR20-440 1W ドライバー


今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TR20-440 ドライバー です。

シャフトは VIZARD TR20-50 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、トルクは5.35、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308g です。

ホンマの新しいドライバーです。
昔と違い、今はすごく機能的なイメージがありますが、このドライバーにもいろいろな工夫が見られます。
以前試打したモデルのXP-1とデザインが変わり、カッコ良くなりました。
特にアスリートタイプといいますか、ヒッタータイプの方は、このクラブを見ると、手に取らずにはいられないのではないでしょうか?
すごく打ってみたくなる衝動に駆られます。

最近はシャロー感のあるドライバーが多くなりましたが、このドライバーはちょっと違っていて、丸っこくて適度な厚みもあります。
しかし、小ぶりではありません。
黒いヘッドというのは引き締まって見えるので、カッコいいです。

ソールをよく見てみると、カーボンのような模様がありました。
クラウンではよく見られるのですが、このドライバーはソールにもカーボンをコンポジットさせているのでしょうか?
それとも単なるデザインなのでしょうか?
すごく珍しいですが、個性があってとてもいいです。

ネックの長さは標準的です。
これまでのホンマドライバーに見られます。

ソールのフェース寄りにウェイトがありました。
この位置にあるというのは、浅重心で低スピン性能に長けているイメージがありますが、このドライバーの場合はどうなのでしょうか?
『3』という数字があったので、おそらく3gということでいいのだと思います。
それほど重いウェイトではありません。

バックフェース付近にもウェイトがありました。
9という数字があったので、9gということでいいのだと思います。

ヒール側にもウェイトがあり、こちらには3とあったので、おそらく3gだと思います。
ウェイトを交換できるシステムなのでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。
パーフェクトスイッチ以来、よく見られるようになりました。

ポジションは、ここです。

セミシャロー形状といっていいでしょうか?
今のシャロータイプと比べると多少厚みがあるように見えますが、ディープというタイプでもないので、セミシャローというのがいいように思います。

フェース面の仕上げはとても綺麗です。
ホンマなので、綺麗なのは当たり前といったところがありますが、その当たり前がしっかりできているところに好感が持てます。
ホンマにチープなクラブは似合いません。
弾きが良さそうな雰囲気があって、こうして見ているだけでも、いいイメージが浮かんできます。
いいフェース面というのは、見ているだけで、その弾道の力強さや速さ・高さをイメージさせてくれるものですが、このドライバーのフェース面はそれがよく出来ています。

トゥ側にある、HONMAのロゴがカッコいいです。
オシャレ心満載です。
ホンマというメーカーもそうですし、このロゴには特別の思いがあるので、見ているだけで心が和みます。

クセのない、いい顔をしています。
ベーシックなシャロー顔です。
クラブの名前に『440』という数字があるので、おそらくヘッド体積は440ccなのだと思いますが、小顔感はありません。
私は普通のラージサイズ(460cc)に見えました。

装着されているグリップも、HONMAのロゴがあってカッコいいです。
グリップに全く注意をはらっていないように思えるメーカーもありますが、ホンマは細部にまでこだわっているのが分かります。
昔からホンマユーザーであって私は、こういったところにも魅力を感じていました。
ソフトなフィーリングというよりは、どちらかといえば、やや硬めに感じましたが、特に不満はありません。
あるメーカーのファンになれば、ヘッドだけでなく、シャフトやグリップなどのパーツもそうですし、キャップやバッグ・シュースなどのアクセサリーも、そのメーカーで揃えたくなりますが、私はビギナーの頃、ホンマで揃えられるところは全てホンマで揃えていました。
クラブだけでなくグッズでも、ホンマ製品に触れているだけで、気分が高揚しました。

素振りをしてみても、いい感じです。
やや軽量感がありますが、今のドライバーの中では平均的といえるでしょうか?
重量感は無いのですが、よく出会う重さです。
ややアンダースペックに感じたものの、頼りない感じはしませんでした。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
顔がいいので構えやすいです。
最近では珍しい『短尺感』がありました。
このドライバーは45.25インチということですが、こうして構えてみると、『45インチ以下』に感じるほど短く感じられました。
最近、長尺タイプをたくさん試打していたからかもしれませんが、ドライバーで短く感じられるのは私にとってとても嬉しいといいますか、安心感があります。
コースでも、距離よりもラインを出していきたいときは、指2本分くらい短く持ってスリークォーターで打つこともあるのですが、やはり長いクラブでは、距離はイメージできても、ライン出しには少し不安がつきまといます。
なので、この『短尺感』は他の番手のクラブとのバランスもとれていて安心感がもてます。
短く感じたからなのかもしれませんが、ヘッドが大きく見えました。
私はどちらかというと、大顔タイプよりは小顔タイプのほうが好きなので、もっと小さくてもいいな・・・。と思ったのですが、この顔にも不満は全くありません。
投影面積が大きく見え、シャロー感もありますが、膨らんだ感じではなく、キュッと引き締まったように見えました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、とても好感が持てます。
かなりいい打感です。
ホンマらしいソフトなフィーリングで、『ホンマらしさ』を感じました。

『音』も好感が持てました。
はっきりとした音でありながら、控えめな感じで強く振っていける音です。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といっていように思います。
ソールのフェース寄りにウェイトが配置されているので、『浅重心タイプ』かと思っていましたが、実際に試打してみると、タフな印象はありませんでした。
しっかりと浮いてくれますし、スピンも掛かっている感じがしました。
ヒッター向けなのは間違いないと思いますが、そのハードルはそれほど高い感じはしません。
ロフトが10.5ということもあると思うのですが、打ち出しも高く、低スピンという感じはしませんでした。

『安定性』も高く、大らかなタイプです。
ラージサイズらしく、いい意味での鈍感さがあります。
スイートエリアも広く感じられました。
見た目よりも、球のつかまりがいいドライバーです。

弾道がパワフルで、飛距離性能も高いものを感じました。
初速が出ていて、かなり弾き感があります。
3つのウェイトや調整システムがありますが、それほどゴチャゴチャした感じはなく、シンプルなタイプではありますが、見えないところに大きな工夫がされているのでしょうか?
なんと言いますか、『バネのある』弾道だな・・・。と思いました。
瞬発力のある飛びといってもいいのかもしれません。
ひょっとしたら高反発モデルなのかな?と思いましたが、店員さんに聞いてみると、ルール適合ということでした。
そう思えるくらい、このドライバーの弾き感は凄いです。

『操作性』は、なかなかいい感じです。
構えたときは大らかさを感じ、あまり曲げるイメージは出なかったのですが、左右に曲げることもできました。
球のつかまりはいいですが、クセが無く、左右同じように反応してくれました。
ウェイトを交換したり、調整システムを使えば、もっと色々な球が楽しめそうです。
試打後の感想

顔の良さや質感の良さが、さすがホンマだな・・・。と思いました。
ホンマのクラブには、私がゴルフを始めた頃からずっとお世話になっていて、思い入れがとても強いのですが、逆にいえばそれだけ要求することも多いです。
他のメーカーでは、仕方ないか・・・。と思えることでも、ホンマならしっかりと対処して欲しい・・・。と思うことはよくあります。
昔の面影がもう見られませんが、その『雰囲気』だけはもっていて欲しいです。

とはいっても、もう何年もホンマのクラブを購入していません。
昔は、私の中でゴルフクラブは『ホンマ一強』だったのですが、今はそうではなくて、魅力的なメーカーがたくさんあります。
ホンマのクラブにも魅力を感じなくなった時期があったのも事実です。

ここ数年、かなり多くのプロと使用契約を結んでいますが、それが購買意欲にはつながっていません。
昔はこういったことをしなくても、『プロから使いたがるメーカー』で、それがホンマのホンマたる所以だったのですが、もうすっかり変わってしまいました。
とはいっても、品質や性能が落ちたという意味ではありません。
ホンマでなくてもいいクラブを作るメーカーがたくさんあり、ホンマでなくてはいけないということがなくなったということです。

このドライバーも昔からは思いもつかないような機能的でハイテクタイプのドライバーですが、フィーリングは決しておろそかになっていません。
構えやすいですし、打感の良さがとても印象に残りました。
フェースの弾きも良くて、高いポテンシャルをもっています。
全体的なバランスがとれているドライバーです。

これからもホンマにも期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年02月06日
ホンマ T//WORLD XP-1 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO. Zelos です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は79g、トルクは2.4、バランスはD2、キックポイントは先調子、クラブ総重量は397g です。

ホンマXP-1シリーズのアイアンです。
以前、ドライバーを試打したことがあるのですが、今日はアイアンを手にすることができました。
久しぶりのホンマなので、自然と気持ちも盛り上がります。

派手さのない、落ち着いたデザインがカッコいいです。
高級感がありますし、アスリートゴルファーが好みそうなデザインです。
やや大型で、少し膨れた感じがあるので、中空かな?と思いましたが、これまで試打してきた他の中空タイプのアイアンよりは、膨らみが抑えられています。

彫りは浅く、ハーフキャビティのようになっていますが、ここの部分を見て、やはり中空なんだな・・・。と思いました。

トップラインは、やや厚めですが、極端ではありません。

このバックフェースを見て、改めて美しいな・・・。と思いました。
ホンマらしい、ハイセンスなデザインです。
色々な工夫がされているように見えますが、ゴチャゴチャしたところはなく、シンプルで好感が持てます。
これなら、フィーリングも濁らないだろうな・・・。と思いました。

ソール幅は、少しワイドに見えましたが、今のアイアンの中では普通といっていいと思います。
中空のような雰囲気がありますが、ソールが広すぎないので、好感が持てました。
これならばダフらずに、いい感じで拾っていけそうに感じました。

ネックは少し短く見えましたが、今は標準的といっていいと思います。
少しグースが利いているのが分かりますが、これくらいならば、全く問題ないです。

フェース面にミーリングは見られませんでしたが、指で触ってみると、ちょっとザラザラしていました。

素振りをしてみるとイメージしていたよりも軽くて、ちょっと違和感がありました。
もっとアスリート色が強くて、『振っていける』タイプだと思っていたのですが、違っていました。
見た目とのギャップがあり、そのギャップは『易しさ・ハードルの低さ』へ向かっているようでした。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
見とれるようなことはなかったのですが、構えやすくて、すぐにアドレスが決まりました。
構えづらいクラブはイメージが出づらくて、なかなかアドレスが決まりませんが、今日はすぐに決まりました。
やや面長でグースの利きとトップラインの厚みが目に入りましたが、違和感や苦手意識が芽生えてしまうことはありませんでした。
私はもう少し小顔で、グースの利きが弱いほうが好きなのですが、この構え感にも特に不満はありません。
淡々と、そして冷静に見つめていました。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じでした。
中空独特の『ペチャッ』とした打感ではなく、マイルドでやや軽めの打感でした。
『球乗り感』は全くなく、バンと弾く感じのほうが強いです。
いわゆる『球離れ』の速いアイアンです。
パッと見たときは、もっと『くっつき感』を味わえるのかと思っていましたが、実際は違いました。
やはり中空なんだな・・・。と改めて思いました。

『球のあがりやすさ』は普通です。
タフなタイプのアイアンではないですが、かなりロフトが立っていて、少し打ち出しが低く、7番アイアンらしい、『出だしの高さ』は感じませんでした。
アイアンではありますが、どちらかというと『ユーティリティアイアン』に近い感じがしました。
今はアイアンのバリエーションも増えてきています。

『安定性』はなかなかいい感じです。
ハーフキャビティのように見え、とてもカッコいいアイアンですが、気難しさのようなものは全くありませんでした。
ラージサイズらしい『大船感』といったらいいでしょうか?
細かいミスには動じない、大らかさをもっていました。

『飛距離性能』は優れていて、しかも易しく飛ばしていけるのが、このアイアンの特長だと思います。
今はアイアンのロフトがバラバラになってきて、飛ぶアイアンが多くなりましたが、意外と安定して飛ばしていくのは難しいと感じるアイアンはあります。
それらは構えづらくてイメージが出せない・・・。といった共通の特徴があるのですが、このアイアンはとても構えやすくてイメージもすぐに出せたので、易しく飛ばせたような気がします。
ただ、構えたときは、完全に『7番アイアン』という意識はありませんでした。
今は『番手を感じさせないアイアン』が多くなりました。

『操作性』は、まずまずで、左右にも曲げることができました。
大顔に見えるタイプは、あまり操作したくないと思うのですが、今日はトライしてみて普通に曲げることができました。
あまり極端にしなくても、左右同じように曲げられました。
大きく曲げるのは難しい感じがしますが、クセが無いので、ドローヒッターの方にもフェードヒッターの方にも合いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想

ホンマらしい落ち着いたデザインが魅力で、打つ前から目で楽しむことができました。

今のニーズにバランス良く応えているクラブだな・・・。と思いました。
少し面長で、セミグースタイプで飛距離も出る・・・。

しかし、それが極端ではなく、適度な操りやすさや安定性もあって、フィーリングも悪くない・・・。

『シンプルさゆえのグッドフィーリング』といったらいいでしょうか?
高い機能性がありながら、それらがフィーリングを邪魔していないのがいいです。

これからのホンマに、そしてXP-1シリーズに期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年09月30日
ホンマ TOUR WORLD TW-W ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW-W ウェッジ の61度 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは61度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

ホンマのカッコいいウェッジです。
このウェッジは以前試打したことがあるのですが、今日は61度を手にすることができたので、迷わず試打することにしました。

シャープでありながら、軟鉄の柔らかさを感じさせます。

ソールにある、この凹みもおなじみです。
どういった効果が期待できるのでしょうか?

以前試打した57度モデル同様、ワイドソールタイプです。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているのではなく、ストレートタイプです。
ソールの広さも目立ちますが、丸っこい形状が印象的です。
高速感のあるソールだな・・・。と思いました。
どういうことかといいますと、ソールにも『高速感』『中速感』『低速感』の3つがあるということです。
それはあくまでも感覚的なことなのですが、『ソールの滑り具合や抜け具合』のスピード感のイメージです。
このウェッジを以前試打したこともありますし、この丸っこさを見てるだけで、素早く抜けてくれそうな感じがします。

こうして見ても、かなり丸っこいのが分かります。
今はソール形状が多様化してきました。
ウェッジは顔とソールで選ぶ時代に入ってきたのかもしれません。
昔は使いながらソールをグラインダーで削っていたりしましたが、今は多様化してきたので、最初から自分に合ったものをチョイスすることができるようになりました。

ネックの長さは適度にあります。
これは57度と、変わらないように見えます。

ホーゼルには『MADE IN JAPAN SAKATA』の文字があります。
ホンマのクラブには、必ずといていいほど見られます。
日本製というだけでなく、ホンマの酒田工場で自社生産しているということは大きな強みではないでしょうか?
今は多くのメーカーがOEMを採用していますが、ホンマを含め数社だけが自社生産を続けています。
本当の意味でのメーカー、つまり『リアルメーカー』といえるでしょうか?
こういったリアルメーカーはエンドユーザーである私たちの細かな注文にも応えてくれることが多いです。

フェース面には細かなミーリングがありました。

装着されているグリップにも、ホンマのロゴがあります。

オーソドックスな顔つきをしていて、とても構えやすいです。

フェースを開いて構えやすいのも、大きな特長です。
ロフトが61度ということで、ロブウェッジという認識でいいと思うのですが、ロブショットは基本開いて使うので、開きやすさは絶対に外せないところです。
このウェッジはそれがすごくいいです。
ロブウェッジは『真上に飛び出すイメージ』が欲しいのですが、このウェッジはそれがありました。
ヒールから入れてトゥへと、スーッと抜いていくイメージが出せました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトでとても良いです。
ソフトですが、球の重さをはっきりと感じ取ることができました。
いわゆる『ノー感なロブ』にはなりにくい、グッドフィーリングです。

球を拾いやすく、出球の高さもしっかり出せます。
スクエアに構えて普通のショットもいいですが、やはりこれだけロフトが寝ているクラブだと、開いて使うのが普通のような気がします。

スピン性能は高く、ボールがよく止まってくれました。
ロブ系のショットは『球の重さ』で止めたいときもありますし、それでいながらフワッと軽いタッチで寄せたくなります。
矛盾しているようなところがありますが、デリケートなショットになるので、いろいろな要素が絡み合います。
このウェッジはそれがとても易しく感じられました。

『安定性』は普通といったところで、特に変わったところは感じませんが、いい意味でのスタンダード感がありました。

構えやすいですし、打感がいいので、距離感が自然と合ってきます。
スコアメイクをする上で、『飛ばすショット』よりも『飛ばさないショット』のほうが重要性が増しますが、このウェッジは上に逃がして飛ばさないように球を運んでいけるので、とても安心できます。
微妙な距離感が出しやすいです。

『操作性』は高く、いろいろな球で遊ぶことができましたが、今日はほぼロブでずっと遊びました。
ソールが上手く滑ってくれるので、刺さったり突っかかったりといったミスは、かなり減るような気がします。
一番難しいとされるベアグランドでも対応してくれそうです。

ルールでは14本以内という本数制限があるので、ロブウェッジを抜かざるを得ないことが多いですが、最近ラウンドしていて、ロブウェッジの重要性が増してきているように思います。
もちろん、グリーンの状態やピンの位置によるところも大きいのですが、ロブを多用せざるを得ない場面が多くなりました。

そんなときでも、このウェッジならばきっと上手く対応してくれるだろうな・・・。と思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年09月01日
ホンマ T//WORLD XP-1 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD XP-1 ドライバー です。

シャフトは VIZARD 43 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は42.5g、トルクは6.8、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は285g です。

ホンマの新しいドライバーです。
パッと見たときに、ホンマのクラブとは思えませんでした。
『HONMA』のロゴや、『モグラマーク』が無かったからかもしれません。
かなりのイメージチェンジがされています。
これまではカラフルな物が多かったのですが、このニューモデルはかなり落ち着いたデザインになっています。
『HONMA』のロゴや、『モグラマーク』はもう無くなってしまうのかな?と思っていたのですが、トゥ側にありました。

シャロータイプのヘッドで、今の流れをいっています。
ホンマは昔から『ディープ』のイメージもありますが、今は少なくなりました。
ディープよりもシャローのほうが易しくて設計自由度も高くなるのでしょうか?

ヒール側にはウェイトがひとつだけ配置されていました。
この位置にはよく見られます。
トゥ側にあるモデルを今は見なくなりました。
各メーカー、それだけ球のつかまりやすさに重きを置いているということなのではないでしょうか?
ウェイトに数字は刻印されていなかったので、重さは判らないですし、交換するタイプではないように見えました。

ソールには大きな溝があります。
テーラーメイドが流行らせ、いろいろなメーカーが追随してきましたが、一時期と比べると少なくなってきたように思います。
ホンマがニューモデルに採用しているということは、それだけの大きなメリットが期待できるからではないでしょうか?

溝の深さは結構ありますし、この深さや幅なども、深い研究によるものだと思います。
フェースの近くに大きな溝を入れるということは、強度的に大丈夫かな?と思ってしまいますが、こうして製品化される前に、メーカーによる耐久テストが充分されていると思うので、心配はいらないのかもしれないですし、あまり気にしないという方もいらっしゃるかもしれません。

ネックの長さは標準的です。
この角度から見ていると、以前試打したことのある、テーラーメイドのSLDRというドライバーを思い出しました。
このドライバーの溝には移動式のウェイトはありませんが、かなり似ているように見えます。

ネックには調整システムが搭載されていました。
テーラーメイドのような複雑な調整ができるようには見えないのですが、どのような調整機能なのでしょうか?

フェース面はとてもシンプルで美しいです。
このシンプルさは好感が持てます。

今主流のシャロータイプです。
シャロータイプにも、『美しいシャロー』と『そうではないシャロー』があるのですが、このドライバーは前者でした。
易しさを感じさせながらも、チープさは全くありません。
高級感を前面に押し出しているデザインではありませんが、『品(ひん)が良い』といいますか、何ともいえない、いい雰囲気を醸し出しています。
この雰囲気というものが、クラブには大切です。

装着されているグリップは、ややしっかりしたタイプです。
ソフト感はあまり感じられないですが、滑りにくくなっているので、雨の日のラウンドにも活躍してくれそうです。
昔からヘッドやシャフトには気を遣うけど、グリップはそうでもないな・・・。と感じられるクラブがありました。
それは今でもよく見られます。
しかし、このドライバーはグリップにも気を配っているのが分かります。
こういった細部にまで気を抜いていないのが、ホンマらしいところです。

顔は、これまでよく見てきたタイプです。
今は少し減ってきているように思いますが、このような『品の良いシャロー顔』は、昔からありました。
ややトライアングルに近い顔なので、セットアップがしやすいと感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ソール形状は複雑なところがありますが、クラウンはシンプルです。

派手さが無くシブいデザインですが重量感はなく、軽量タイプです。
シャフトも軟らかいですが、素振りを繰り返してタイミングを整えることができました。
振りすぎず、ややコンパクトな感じで打つことを心がけました。

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
クセのない、大らかな顔をしています。
シャロー感が伝わってきますが、このような顔は昔からありますし、多くの支持を集めているように思います。
『ホンマ顔』だとは思いませんでしたが、『日本顔』といいますか、『地クラブ』でよく見てきた構え感です。
方向性への不安はないですし、球もよくあがりそうです。
ロフトは10.5度ということですが、『不自然なフェースの見え具合』はありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
ずっしりと球の重さが伝わってくるというよりは、やや軽めなフィーリングです。
硬いというよりは、ソフトな感じですが、それよりも軽いという表現が一番合っているように感じました。
ボールがフェースに乗るという感覚はなく、バーンと一瞬で弾き飛ばすような打感です。
軽めで手に嫌な衝撃は残らないのですが、『芯を感じにくい打感』だということも感じました。

『音』は、はっきりしていますが、高くなく大きすぎず、いい感じです。
インパクトが緩むこともなく、自然に振り抜けました。
ホンマのドライバーは、ごく一部だけ、音に好感が持てない物も過去にありましたが、基本的に好感の持てるクラブが多いように思います。

球はあがりやすく、かなり打ち出しが高いです。
ロフト(10.5度)ということもあると思いますが、ちょっと意外でした。
構えたときにフェース面が見えすぎなかったところや、テーラーメイドのSLDRのイメージとちょっと被っていたので、タフなタイプのドライバーではないか?と思っていました。
しかし、実際に打ってみるとそんなことはなく、親しみやすい性格になっていて、スインガータイプの方に合いやすいように作られたドライバーであることが分かりました。
タフさは全く感じません。

『安定性』もかなり高く、イージーです。
フェース面のデザイン通りのスイートエリアの広さがあるのではないかな?と思えるくらい、広く感じました。
全体的に軽くてシャフトも軟らかいですが、ヒッティングポイントはまとめることができました。
タイミングだけに集中して、あとは全てクラブに任せる感じで打っていったのですが、それが良かったのかもしれません。
今のクラブは『イージー系』が多いので、昔のようにプレイヤーがイニシアチブを握るのではなく、プレイヤーがやるべきところはやって、クラブに任せるところは任せて・・・。といった『分業制』が昔よりもはっきりしているように思います。
なので、『プレイヤーの技術の差』を結果に表しにくくなってきている時代という言い方もできるのかもしれません。

『飛距離性能』は、なかなか優れていますが、『一発の飛び』とか『最長飛距離』を狙っていくというタイプでなく、『最長』と『最短』の差が小さい、『平均飛距離』で勝負できるドライバーではないかな?と思いました。
方向性もそうですが、打ち出しもずっと安定していて、まとめやすい印象をもちました。
叩きにいくのではなく、ボールの『横っ面』を優しく『摩る(さする)』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
そういうイメージで打っていくと、いい感じの放物線を描いていくことができました。
打ち出しが高く、キャリーもしっかり稼げるタイプです。
私はどちらかというと、やや低めのライナー系の弾道が好きなのですが、このドライバーは違うタイプでした。

『操作性』という点では、オートマチックの特性が強いですし、シャフトもかなり軟らかいので、自在に操作するという感覚はもてなかったのですが、そのいい意味での『不器用さ』が、またいいのかもしれません。
愚直なまでにミスに寛容で真っ直ぐに近い球筋を描くドライバー・・・。といった印象をもちました。
シャフトも先が走りますし、球のつかまりがいいドライバーですが、決してスライスを『撲滅』してくれるドライバーではないので、スライスに悩んでおられる方にとっての、『お助けクラブ』的なことはなりにくいかもしれません。
私はフッカーなので、左に曲げるのは難しくなかったのですが、クラブの性能としては、『ほぼ中立的』だという認識をもちました。

最初見たときに、黒とシルバーの『モノトーン感』があり、ソールに『HONMA』のロゴと、『モグラマーク』が見えなかったので、ホンマのクラブとは思わず、違うメーカーだと思っていました。
これからは、このようなデザインでいくのでしょうか?
ホンマの黄金時代の象徴ともいうべき『HONMA』のロゴと、『モグラマーク』は、もう消え去ってしまうのかな?と、ちょっとだけ寂しくなりましたが、トゥにあったので安心しました。
クラブの性能が良ければロゴやマークなんて無くてもいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれませんが、私はビギナー時代からホンマのクラブに慣れ親しんでいるので、どうしても思い入れがありますし、こだわる部分でもあります。

『T//WORLD』となっていますが、これまでの『TOURWORLD』と同じブランドだと思います。
TOURWORLDという名前で、ハードルが高そうに感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはなく、かなり親しみやすいクラブに仕上がっているので、多くの方に試していただきたいです。
BSの『TOURSTAGE』がViQなど、『易しいブランド』にも使われるようになったのと同じかな?と思いました。
『易しいツアーモデル』ということでいいのでしょうか?

ホンマは国内メーカーで、おそらくNo.1のプロ契約をもっているメーカーです。
これから先のトーナメントは、このドライバーで契約プロが戦うのでしょうか?
それともまだまだ違うモデルをメーカーが用意しているのでしょうか?
そんなことを考えながら試打していました。

ホンマらしくないデザインでしたし、『既視感』を感じましたが、これからも老舗メーカーとして、私たちゴルファーを大いに楽しませて欲しいです。
2019年04月19日
ホンマ TOUR WORLD TW747 V アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW747 V アイアン の7番 です。

シャフトは AMT TOUR WHITE です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は438g です。

とてもカッコいい、ホンマのニューアイアンです。
最新アイアンでありながら、ベーシックな雰囲気が感じられます。

シンプルなハーフキャビティで、昔からあるタイプです。
やはり、いいものはいつの時代もいいということではないでしょうか?
先日、私はホンマのカッコいいハーフキャビティを試打したばかりなのですが、微妙にデザインが違います。
ターゲットは、ほぼ同じなのではないでしょうか?

ハーフキャビティらしい、彫りの深さです。
ポケキャビを好まれる方には、物足りない部分があるかもしれませんが、私は昔から、こういうシンプルなタイプが好きです。
今は違うタイプを使っているのですが、いずれキャビティアイアンを使うことがあれば、このようなシンプルなタイプにすると思います。

トップラインの厚みはノーマルです。
この角度から見ても、かなり美しく、目尻が下がりっぱなしで、日頃の疲れも吹き飛びます。
さすがはホンマだな・・・。と思いました。

ソール幅も標準的ですが、今のアイアンの中では、やや狭いほうになるかもしれません。

リーディングエッジの削りが目立っていました。

トレーリングエッジの丸みも目立っています。
外見は昔のアイアンと瓜二つですが、こういった工夫が今のアイアンらしい特徴です。

ネックは、やや短めではありますが、今のアイアンでは普通といっていいように思います。

フェース面にミーリングは見られませんでした。

装着されているグリップはソフトというよりは、ややしっかりめなタイプです。
このグリップも最近よく見かけます。
私が初めて購入したアイアンはホンマだったのですが、当時はコード入りのグリップが一般的で、ちょっと使っただけで、すごく滑りやすくなるのが不満でした。
使っていれば、白い糸のようなものが出てくることもありました。
滑らないように、テニスのグリップにも使う、テープのようなものを巻いていたこともありますが、今はそういった工夫がいらなくなりました。
昔は今と違い、グリップの種類も多くありませんでした。
今はヘッドやシャフトだけでなく、グリップも自分好みに選ぶことができるのがすごくいいです。
グリップのフィーリングだけでも、ゴルフの楽しさは違ってきます。
ヘッドやシャフトと比べると、それほど目立つ存在ではないかもしれませんが、今のグリップはすごく進化しています。

惚れ惚れするほど美しい構え感です。
昔からある『ホンマ顔』です。
この顔はよく見ました。
ほどよい大きさとシャープな形状。
そして、美しいトップラインがいいイメージを鮮明に描かせてくれます。
私は笑みがこぼれっぱなしで、いいイメージが湯水のように湧き出ていました。
このアイアンのおかげで、私の打席の周りの空気が和んできたような気がします。
思わずスキップしたくなるほどの気分でした。
いい気分のまま、試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とても良いです。
予想通りのグッドフィーリングです。

球のあがりやすさは普通ですが、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいように思います。
今のアイアンは多機能タイプが多く、それらは見た目の印象以上に球があがりやすくなっていたりしますが、このアイアンは『見た目通り』の性能です。
『安定性』も、ハーフキャビティらしい、正直さがあるので、寛容さはあまり感じられないかもしれません。

『操作性』はとても高く、微妙なコントロールができます。
プレイヤーの意思をくみ取ってくれる、『手の延長』として働いてくれるアイアンです。
左右へも敏感に反応してくれました。
『小回り』の利くアイアンです。

『飛距離性能』は、やや飛ぶ感じがしますが、今では普通といったところでしょうか?
『ちょい飛び』といっていいかもしれません。
ホンマのカッコ良くてグッドフィーリングなアイアンです。
2019年03月27日
ホンマ TOUR WORLD TW-W ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW-W ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは57度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

久しぶりに出会った、ホンマのウェッジです。
今のホンマはどちらかというと、イージー系にシフトしていった印象が強いですが、このようなオーソドックスなタイプにも力を入れています。
ツアーワールドシリーズです。
私は昔からホンマに強い思い入れがありますし、私の周りでも最近ホンマの人気が復活しているので、嬉しく思っています。
先日、友人にドライバーを勧めてみたのですが、とても気に入ってくれました。
ホンマに限ったことではないですが、いいクラブはいいゴルファーを育てますし、何よりゴルフが楽しくなります。
日本には素晴らしいメーカーがたくさんあるので、どれにしようか迷ってしまうこともあるかもしれませんが、それもゴルフの楽しみのひとつです。
自分にマッチしたクラブはひとつだけとは限りません。
それくらい、今はどのメーカーもレベルが高いです。

軟鉄の雰囲気がある、ベーシックなタイプです。
今のウェッジは軟鉄以外も多くなりましたが、私はやっぱり軟鉄が好きです。
この見るからに柔らかそうな感じがたまりません。
早くも私の目尻は下がりっぱなしです。
ウェッジはクラブの中で摩耗することも多いので、『消耗品』に近いところもありますし、耐久性でいえばステンレスのほうが優れていると思いますが、それを大きく上回る魅力が軟鉄にはあります。
アイアン同様、私は軟鉄のウェッジしか購入したことがないですし、それはこれからもずっと続くと思います。
軟鉄に育てられた私は、それが当たり前のような気がします。

バックフェースはフラット感があって、シンプルです。
今はトップラインがテーパーのようになっていて、ちょっと膨らんでいるように見えるウェッジもありますが、このウェッジはそんなことはなく、かなりフラットなタイプです。


しかしソールにある、この四角い凹みが気になります。
かなり目立っていますが、これは重心位置をコントロールする為のものなのでしょうか?
これまでエスヤードやキャロウェイなど、丸い穴のような凹みは見たことがありますが、この形は初めて見ます。
丸い凹みと同じような効果が期待できるのでしょうか?

トップラインの厚さは標準的です。

ワイドなソール幅です。
トゥからヒールにかけて『テーパー』になっているのではなく、ストレートタイプです。
ソール幅の広さも目立ちますが、それと同じくらい、ソール全体の丸さが目立っていました。
平らなソールを好まれる方もいらっしゃると思いますし、このような丸いソールを好まれる方もいらっしゃいます。
どちらも滑りを良くするには有効だと思いますが、このように丸いソールは『接地面積の小ささ』と『フェースの開閉のしやすさ』で勝負できるような気がします。
今のウェッジはソール形状が多様化していますが、このウェッジは広めのソール全体に丸みを帯びているような形状です。

ネックの長さは適度にあります。
ボテッとした『寸胴タイプ』ではなく、シュッとしている『首長美人タイプ』です。
ウェッジらしいネック形状ですし、こうして見てもとても美しいので、いい目の保養ができます。

フェース面には、細かなミーリングのようなものがありました。
あまりに小さいので、写真では見えづらいのですが、確かにありました。
『金属のヤスリ』ではなく、『サンドペーパー』のような細かさといったらいいかもしれません。

装着されているグリップは、最近のホンマではよく採用されているタイプです。
『しっとりさ』はないですが、適度にソフトで、しっかりしている感じがします。
モグラマーク入りの、HONMAのロゴがカッコいいです。
このロゴは昔から変わりません。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
とても構えやすい『ホンマ顔』です。
ストレートタイプで、ほんのちょっとだけ『出っ歯』になっています。
昔から大好きな顔です。
ホンマらしい美顔で、安心しました。
グースタイプを好まれる方は、構えづらいかもしれませんが、私はストレートタイプが好きなので好感が持てました。
『ちょっとだけ』出っ歯になっているのもいいです。
出っ歯がきつすぎると難しく感じてしまうこともありますが、このように微妙な感じで抑えられていると、いいイメージが出しやすいです。
小顔タイプで、ボールが大きく見えてきます。
まさに『マニュアルタイプの構え感』です。

フェースも開きやすいです。
ソールの丸い形状が活きているのではないでしょうか?
開き具合をいくつかの『段階的に』ではなく、『無段階的』に微調整できるタイプです。
こういったところもすごくいいです。
フェース面など他の部分でもそうですし、今は特にソール形状が進化しているので、どうしてもアプローチが苦手だという方は、ご自身に合うウェッジを探してみられてはいかがでしょうか?
今は高性能なウェッジがたくさんあるので、その中からさらに良いものを選ぶことができると、ゴルフの楽しさはさらに広がります。
このウェッジは、ロブ系のイメージがとても出しやすいので大好きです。
ロブショットはバンカーショット同様、最初から直接ボールをヒットするわけではないので、『芝の当たり方』といいますか、『芝でタッチ』を出すことになりますが、このウェッジはそれがしやすいだろうな・・・。と、こうして構えていて感じました。
ロブショットは『だるま落とし』のように打っていきたいですし、『前』ではなく、『上』に飛んでいくイメージが欲しいです。
もっといえば、自分の顔の横(左頬)をかすめるように飛んでいくイメージ・・・。といったらいいでしょうか?
それくらい、真上に飛んでいくイメージが欲しいですが、このウェッジはそれができました。
さあ、これからどんな球で遊んでやろうか・・・。とワクワクしてきました。
ウェッジ好きの私にはたまらない時間です。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、とても良いです。
ウェッジに適したグッドフィーリングです。
球持ちがいいので、乗せて運ぶ感覚がもてます。
今はドライバーに限らず、アイアンでも弾く感じのアイアンが増えてきましたが、ウェッジだけは今でも、このようなフィーリングが主流です。
距離を求めないクラブであれば、それは当然のことかもしれません。

『スピン性能』は高いです。
今主流の『適スピン性能』をもったウェッジです。
スピンはほどけにくく、しっかりと掛かってくれますが、それが強すぎないので、計算しやすいように感じます。
実戦的なスピン性能といっていいのではないでしょうか?

球も拾いやすくて、出球のイメージが揃っていました。
サンドウェッジは58度と決めておられる方もいらっしゃると思いますが、56度もすごくいいですし、中間の57度も適したロフトです。
58度を使っているけど、どうもしっくりこないな・・・。ちょっと難しいな・・・。という方は、1~2度立ったロフトを使ってみられるのもいいのではないでしょうか?
わずか1~2度ではありますが、それが使い勝手に大きな差がでます。
グースタイプではなく、出っ歯過ぎないので、すごく自然に感じられました。
あくまでも感覚的になのですが、このような優れたウェッジでスピンをかけられたボールは喜んで転がっているように見えてきます。

『安定性』という点では、普通です。
キャビティタイプのウェッジのような寛容さはないかもしれませんが、寛容すぎないからこそ、より正確に狙っていけるように感じます。
元々ロフトの寝ているウェッジでは、アイアンのようなシビアさは感じにくい特長がありますし、アイアンはキャビティを使っているけど、ウェッジはずっとフラットバックを愛用している・・・。という方も多いのではないでしょうか?

出球のイメージが出しやすく球持ちがいいので、距離感も必然的に合ってきます。
アプローチは『縦の距離感が命』のようなところがありますが、このウェッジだと、それが高い確率で出来ます。
ガツンという強い当たりだと、緩めたくなることがありますが、このウェッジの当たりは優しいので、しっかりと押していけるところがすごくいいです。
スピンがよく効いているので、転がりすぎることもないのが実戦的です。

『操作性』も高く、いろいろなショットを打たせてくれました。
ソールの丸さが機能している感じがします。
アプローチはいろいろなクラブを使い分けるという方と、SW一本で打ち分けるという方がいらっしゃると思いますが、このウェッジはとても守備範囲が広いので、後者の方にも頼もしい存在になってくれるのではないでしょうか?

軟鉄のいいところが凝縮された、ホンマのハイレベルなウェッジです。
顔や打感の良さが凄いですが、それ以外にもバランスがとれています。

あくまでも私の好みで・・・。ということになりますが、欠点らしい欠点は見つけられませんでした。
すごく実戦的で、手の延長として働いてくれるウェッジです。

私はゴルフを始めた頃から、ホンマのPP-101というウェッジを使っていたので、ホンマのウェッジには愛着があるのですが、おそらくPP-101よりも、このニューウェッジのほうが顔の良さはもちろん、スピン性能も高いと思います。
実際に打ち比べてみたわけではないですし、私の中でPP-101はとにかく使い潰してしまい、すり減ってしまった印象が強いのですが、おそらく未使用のものと比べても、このTW-Wのほうが優れていると思います。
最新のモデルが必ずしも最高とは限りませんが、さすがに20年以上前のクラブと比べると、その差は歴然です。
大きな差があります。
昔のクラブも美しいものはたくさんありましたが、今のクラブは美しいだけでなく、そこに『科学の力』が加わっていますし、メーカーの深い研究によって、見た目以上に進化しています。

アイアンのようにキャビティタイプのウェッジでないと嫌だ・・・。という方。
軟鉄でなく、ステンレスを使いたいという方。
小顔タイプが苦手だという方。
いろいろなワザを使わないので、マニュアルタイプではなく、オートマチックタイプのウェッジを使いたいという方。
ストレートネックは苦手で、グースネックを使いたいという方。
そういった方々には合いづらいところがあるので、違うタイプのほうがいいような気もします。

人によって好みは分かれますが、私はとても気に入りました。
久しぶりに『ホンマ顔』の優れたウェッジに出会うことができて、満足です。
また、このウェッジでいろいろと遊びたいと思います。
2019年03月10日
ホンマ TOUR WORLD TW-U

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW-U の4番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド 95 です。
ロフトは22度、クラブ長さは38.5インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは中元調子 です。

久しぶりに出会った、ホンマのアイアン型ユーティリティです。
ホンマは定期的にアイアン型ユーティリティを発売してくれているので、アイアン型が好きな私はとてもありがたく思っています。

ラージサイズのユーティリティです。
サイズもそうですが、かなりプクッと膨れていて、『中空感たっぷり』です。

トゥ側には大きなウェイトがあり、よく目立っていました。
これは、おそらく交換するタイプではないと思います。

ソール幅はワイドです。
これまでのアイアン型ユーティティと同じような幅ですが、前に試打したモデルはもっとシュッとしていて、アイアンに限りなく近かったので、また昔の形に戻ってしまったのかな?と思いました。
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ネックは、やや短めですが、アイアン型ユーティリティの中では普通といえるでしょうか?
寸胴タイプで、頭でっかちに見えます。

バックフェースの中央部分が凹んでいました。
こうすることで、重心を低くしているのでしょうか?

ミーリングは無く、ごく普通のフェース面でした。
特に変わった工夫は見られません。

装着されているグリップは、これまでもホンマのクラブで何度も出会ってきたタイプです。
適度なソフトさがありながら、手にしっかりと馴染み滑りにくさがあります。

素振りをしてみた感じは、なかなかいいです。
ホンマはダイナミックゴールドをずっと採用しないメーカーだという認識をもっているので、前のモデルにも採用されていましたが、ダイナミックゴールドという名前のシャフトが挿してあるのがちょっとだけ不思議に感じました。
とはいっても、このシャフトは軽量タイプなので、ホンマの狙いは変わっていないのかもしれません。
ホンマはもうずっと『軽量』で勝負しているように感じます。

ボールを前にして構えてみると、あまり好感はもてませんでした。
ラージサイズで、かなり大味な感じがします。
昔からある、アイアン型ユーティリティと同じような顔で、魅力的ではありませんでした。
これだけ大顔にしてあるから、トゥ側にウェイトが配置されているのかもしれません。
これまでもアイアン型ユーティリティという名前でありながら、アイアンと同じ感覚で構えられないクラブはたくさんあります。
そういった点では、このクラブはアイアンと同じような感覚で構えることができますが、魅力を感じませんでした。
『出球のイメージ』が湧いてきません。
私は前に試打したモデルのほうが圧倒的に好きです。
何故、こうしちゃったんだろう?ひょっとしたら前のモデルは難しくて打てない・・・。と不評だったのかな?と思いました。
このクラブはこれまでたくさん出会ってきたタイプです。
ラージサイズでグースの利きも強いです。
最新モデルでありながら、また昔に戻ってしまった印象をもちました。
目で楽しむことはなく、淡々と見つめていました。
試打を開始しました。

『打感』は予想していた通りのフィーリングで、あまり好感が持てませんでした。
いかにも中空らしい、『ペチャッ』とした打感です。
最近の中空アイアンは、結構フィーリングが良くなってきているような気がしていたのですが、このクラブは違いました。
昔ながらといいますか、中空らしいクラシカルなフィーリングです。
最新のモデルでありながら、フィーリングにはあまり力を入れていないんだな・・・。と思いました。
打感を良くする為の工夫が全く感じられませんでした。

『球のあがりやすさ』は普通です。
タフではないですが、特別あがりやすくなっているとは思いませんでした。
このクラブは4番ということですし、ロフトが22度ということで、ノーマルロフトの4番アイアンと同じですが、これならば普通の4番アイアンを使うか、ハイブリッドタイプのユーティリティを使ったほうがいいような気がしました。

『安定性』は高く、ラージサイズの特長のひとつでもある大らかさがあります。
大船タイプの、いい意味での鈍感さのようなものが感じられました。
このようなラージサイズのクラブを好まれる方には、とても親しみやすい性能といえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』という点では普通で、特に秀でているということはありませんでした。
ごく普通のディスタンス性能です。
最新モデルなので、おそらく最新の技術がたくさん注ぎこまれていると思うのですが、それがどこにあるのか、私は感じ取ることができませんでした。

『操作性』という点でも、あまり秀でているタイプではないと思います。
アイアンのように構えられるので、それなりの扱いやすさもあるのですが、これだけ大顔だと、慣れるまで時間がかかりそうです。
反応の良さは感じませんでした。

あらゆる面で、前のモデルのほうが良かったのに、どうしてこのような形に戻しちゃったんだろう?と思いながら、ずっと試打を続けていました。
このクラブは昔に戻ったような感じがしますが、それもニーズに合わせてのことなのかもしれません。

アイアン型ユーティリティを使っておられる方で、このようなラージサイズ&ワイドソールタイプの、『セミオートマチックタイプ』を好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私には合いづらいですが、それはあくまでも私の好みによるものなので、違うタイプを好まれる方もいらっしゃるのは当然のことです。

このクラブにはあまり魅力を感じなかったのですが、これからもホンマのクラブには期待していきたいです。
2019年02月17日
ホンマ TOUR WORLD TW747 Vx アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW747 Vx アイアン の7番 です。

シャフトは VIZARD IB-WF です。
ロフトは30度、クラブ長さは37.125インチ、シャフトフレックスはS、トルクは3.6、キックポイントは手元調子 です。

ホンマのカッコいいキャビティアイアンです。
普通のフルキャビティですが、バックフェースのデザインがオシャレです。
ホンマといえば、昔からパーシモンの優秀さが有名ですが、アイアンにも定評があります。
ウッドとアイアンのバランスが取れているゴルフ総合メーカーです。
他の大手メーカーと違い、『ゴルフオンリー』というのが、昔から私がホンマに対して好意を持っていたところでもあります。
このアイアンの美しさを見て、さすがはホンマのアイアンだな・・・。と嬉しくなりました。

フルキャビティですが、ラージサイズではなく、ノーマルです。
シャープな形状でありながら、輪郭は適度に丸みがあって、尖った感じはしません。
軟鉄のいい感じが出ているな・・・。と目を細めながら見ていました。
最近のホンマは機能的なアイアンばかり試打してきたので、このようなベーシックなタイプは久しぶりな感じがします。
昔からホンマの軟鉄アイアンに慣れ親しんでいる私はとても嬉しく、そして興味津々で、このアイアンのことを見ていました。

トゥ側にはウェイトのようなものが組み込まれているのが分かりました。
やはりタングステンでしょうか?
バックフェースの形状といい、この位置にウェイトが配置されているということもあって、このアイアンはセンターではなく、ややトゥよりに重量をもってくるような設計になっているのかもしれません。
私はどちらかというと、センターから少しヒール寄りでヒットすることが多いのですが、少しトゥ寄りでヒットされる方もたくさんいらっしゃいます。
そういった方々の為に設計されたアイアンなのでしょうか?

彫りの深さはたっぷりとありますが、昔からあるフルキャビティアイアンです。
最近はポケキャビが多いですし、中空も増えてきましたが、このアイアンはノーマルなタイプです。

トップラインの厚さは標準的です。
今のアイアンはトップラインの厚みも多様化していて、バリエーションが豊富になりました。
昔は薄い物が多くありましたが、今は薄いのを嫌う方もいらっしゃると思います。
厚ければいいというわけでもないと思いますし、人それぞれ好みが分かれる部分なのは間違いありません。
私は昔ながらのオーソドックスなタイプが好きなので、このアイアンのトップラインは好感が持てました。

ソール幅も標準的です。
薄くもなく、かといって厚いタイプでもありません。
このアイアンの形状・大きさにマッチしたソール幅です。
今はだんだんと『ワイドソール化』しているように思いますが、このアイアンはそういったタイプではありません。
色々なアイアンを試打していると、一目見ただけで、このアイアンはバランスが崩れてしまっているな・・・。どこに重きを置いて設計しているんだろう・・・?などと感じてしまう物もありますが、このアイアンはとてもバランスが取れているので、好感が持てます。

ネックは適度な長さが保たれています。
昔からすると、やや短めですが、今はこれくらいが標準的といっていいように思います。
私は、この『後姿』といっていいのか分かりませんが、正面からではなく、この角度からクラブを見るのが好きで、そのクラブの全体的な雰囲気などを感じ取っています。
このアイアンは何ともいえない、いい雰囲気があります。

フェース面にミーリングはありませんでした。
スコアラインの数や間隔もベストです。
こういったところは、メーカーによって色々と違いが見られます。
日本のメーカーと海外のメーカーで違うこともあります。
特にキャロウェイはスコアラインの間隔が狭くて数が少し多いイメージがあり、それが『洋』だとすると、このアイアンは完全に『和』です。
洋もいいですが、私は和のほうが好きです。
昔からたくさんのアイアンを試打してきて、7番アイアンのスコアラインの数は『13本』がベストだと思っています。
もちろん、それよりも少し多くても、逆に少なくても問題は無いのですが、13本が『基準』です。
それはあくまでも私の中のことなのですが・・・。
このアイアンは昔ながらの13本になっているので、好感度がさらにあがります。
スコアラインの数や間隔なんて気にしてないよ・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は昔から自分なりの物差しをもっています。
スコアラインの間隔が狭ければ狭いほうが、スピンが掛かるということでもないですし、そういったところもルールではっきりと定められています。
各メーカー、『ルールに抵触しない範囲』で、様々なアプローチをかけています。
色々なフェース面がありますが、私はこのアイアンのようなノーマルなタイプが好きです。
アイアンのフェース面を見ていると、使っていけばいくほど『いい味が出る』といいますか、カッコよくなるタイプもあれば、逆に『使い減り』するといいますか、くすんでしまったりチープに見えてしまったりするものもあります。
このアイアンは完全に前者です。
長く使い込んでいきたくなる顔(フェース面)をしています。

装着されているグリップは、グリップ力があって滑りにくいタイプです。
これまでのモデルにも採用されています。
せっかく、ここまでヘッドがいいのだから、ツアーベルベットだともっと良かったな・・・。と思ったのですが、それはあくまでも私の好みなので仕方ありません。
このグリップのしっかり感・滑りにくさに好感をもたれる方もたくさんいらっしゃると思いますし、私自身もこのグリップに対して、特に大きな不満はありません。

素振りをしてみると軽量感はありますが、それほど頼りない感じはしませんでした。
久しぶりにカーボンシャフト装着モデルを試打することになりました。
できればスチールを・・・。と思ったのですが、このシャフト装着モデルしかありませんでした。
ホンマはヘッドだけでなく、シャフトやグリップも全て『自社生産』していると聞いたことがあるので、他者であるトゥルーテンパーや日本シャフトのシャフトではなく、このカーボンが『純正』なのかもしれません。
このヘッドにカーボンシャフトは『ミスマッチ』ではないかな?と思うところもあったのですが、このまま続けることにしました。

ボールを前にして構えてみると、そのあまりのいい顔に笑みがこぼれました。
目尻は下がり口角はあがって、『ニタ~ッ』としてしまいました。
他のメーカーも含め、軟鉄アイアンでも結構クセのあるものが増えてきたように感じるのですが、このアイアンはクセがなく、いい顔をしていて構えやすいです。
大きさもちょうどいいですし、いいイメージがどんどん湧き出てきます。
リーディングエッジとトップラインが『綱引き』をしているような感覚・・・。といったらいいでしょうか?
お互いがいい意味で引っ張り合い、それでバランスが取れているように感じられました。
バランスが取れていないアイアンだと、どちらかが崩れてしまっているように見えてしまいます。
そういうアイアンは今でもたくさんあります。
『MP顔』でも『BS顔』でも『SRIXON顔』でもない、『HONMA顔』です。
どれも男前なアイアンたちですし、他にもまだまだたくさんあり、それらを挙げればキリがありません。
美しくて構えやすいアイアンは、いい目の保養になりますし、何よりナイスショットのイメージを高めてくれるので、成功の確率がグンと跳ね上がります。
一口に『易しいクラブ』といっても、人によって様々です。
ある人はとにかく大きくてスイートエリアが広いタイプ・・・。ということもあると思いますし、あがりやすさ・トップやダフりに強いアイアンが易しいということもあると思います。
小顔を敬遠される方は多いかもしれません。
私はこのアイアンのように大きすぎず、いいイメージがどんどん湧き出て笑顔にさせてくれるアイアンが好きですし、易しいと感じます。
ストレートタイプなので、グースタイプを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれないですし、ラージサイズを使い慣れておられる方には小さく見えて、難しそうに感じられるかもしれません。
そういった意味で、フルキャビティでありながら、幅広い層に合う・・・。ということにはなりにくいのかもしれません。
しかし昔からある形状と大きさですし、今はそれだけアイアンの形状や大きさ・機能性が多様化してきたということになります。
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、好感が持てました。
イメージした通りの柔らかさです。
マッスルバックやハーフキャビティのような『厚み感』はあまり感じませんでしたが、この打感も好感が持てます。
最初見たときに、バックフェースの形状やトゥ側にウェイトのようなものがあるということで、少しヒール寄りで打つことが多い私は、打感がちょっとボヤけてしまうのかな?と、ちょっとだけ思ったのですが、そんなことはありませんでした。
これまで通り普通に打感を楽しむことができましたし、こういったタイプは初めてではないので、予想していました。
トゥ側にある工夫が、フィーリングの邪魔をすることはありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、
まずまず・・・。という印象をもちました。
打つ前にイメージしていた弾道よりは少し抑えられていて、『昔ながらの7Iの打ち出し』という感覚ではなく、6番に近い感じがしたのですが、それをシャフトが少し抑えてくれているのかな?と思いました。
すごくよくあがるというタイプではないのですが、タフさはありませんでした。
今の7番アイアンの中では、『中間』といったところでしょうか?
ただ、このアイアンにスチールシャフトが挿してあると、かなりタフに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった意味では、やはりこのカーボンが『純正』ということになるのかな?と思いました。
どちらかといえば、ヒッタータイプの方に合いやすいアイアンといった感じがします。

『安定性』はフルキャビティらしい易しさを充分感じることができました。
トゥ側にあるウェイトのようなものは何の為にあるのだろう?重心距離を長くする為かな?と思いましたし、そういった意味もあると思うのですが、先日試打したバルドのアイアンのように、『インパクトでブレにくくなる』という効果も期待できるのではないかな?と思いました。
トゥ側が『当たり負け』しない感じがしました。
私は『ピュア』なままでもいいと思ったのですが、こういった見た目を変えずに様々な工夫をしてくれているメーカーの企業努力には頭が下がります。
ヘッドにタングステンなどのウェイトを組み込むのはノーマルサイズよりも、ラージサイズのほうが効果は大きいような気がします。

『飛距離性能』は高めで、打つ前の予想とは違っていました。
もっとベーシックなタイプかと思っていましたが、私の感覚では『一番手以上』違います。
ちょっと飛ぶ6番アイアンだけど、『7と刻印されている』といった印象をもちました。
最近はこういったことが普通になってきているので、特別驚くようなことはないのですが、ホンマの、そしてこういうタイプで『番手ずらし』をしてきているのが意外でした。
飛ぶようにすれば、そのデメリットを解消する為の、いわゆる『お助け機能』が搭載されていることが多いですが、このアイアンはそういったことが無いので、難しく感じられるかもしれません。
私には『飛び過ぎ』に感じるのですが、こういったことも、時代の流れなのかもしれないですし、メーカーもニーズに合わせて作っているのだと思います。

『操作性』は、なかなかいい感じです。
安定感があり易しいタイプのアイアンですが、操ることに対しても、いい感じで反応してくれました。
左右に同じように打っていくことができました。
易しくて大らかさが全面に出たアイアンではありますが、その『オートマ性』が強すぎないところが魅力的です。

最近のホンマはBeZEALの印象が強かったのですが、このTOUR WORLDシリーズも充実しています。
ホンマは色々なタイプのゴルファーに対応していけるよう、様々なブランドを展開しています。

易しめのTOUR WORLDもありましたが、このアイアンは『中間的』といった印象をもちました。
見た目のカッコよさは、さすがホンマといったところで、目で楽しむことができました。

すごくシンプルなキャビティアイアンで、最初は単一素材だと思っていましたが、おそらく『複合素材』なのではないでしょうか?
トゥ側にあるウェイトのようなものが大きな工夫ですが、正直私は『無くてもいいな・・・。』と思いました。

軟鉄の柔らかさと全体的な雰囲気を堪能し、そのカッコよさ・美しさに目が喜び、楽しい時間を与えてくれたアイアンです。

ポケキャビや中空でないと嫌だ・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私はこのようなノーマルなキャビティのほうが好きなので、今日はとても楽しめました。

今日はカーボンシャフト装着モデルでの試打でしたが、できればスチール装着モデルでも試してみたいです。
2019年02月03日
ホンマ TOUR WORLD TW747 455 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW747 455 ドライバー です。

シャフトは VIZARD for TW747 50 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は53g、トルクは4.9、バランスはD2、キックポイントは中調子 です。

ホンマのカッコいいドライバーです。
昨年460を試打したのですが、このドライバーは455なので、おそらく5ccほどヘッド体積が小さくなっているのだと思います。

形状的には、やや立体的で適度な厚みもあります。
立体的ではありますが、それほどコンパクト感はありません。
ホンマらしく、丁寧で美しく、高級感のあるヘッドに仕上がっています。
OEMではない、自社生産の強みといったところでしょうか?

ソールにはトゥ側にウェイトがひとつだけ配置されています。
かなり大きなウェイトですが、数字が刻印されていないので、重さは分かりません。

ネックの長さは標準的です。

ネックには調整システムが搭載されています。
最初見たときは、ホンマらしくないような気もしたのですが、今はすっかり見慣れました。
調整システムに対するニーズが高いからなのだと思います。

フェース面のデザインはとてもシンプルで美しいです。
雑な感じは全く無く、何とも言えない魅力があります。
ホンマにチープなクラブは似合いません。

セミシャローバック形状といっていいでしょうか?
立体的なヘッドですが、ディープバックタイプではありません。
今はシャローバック全盛ですし、先日試打した460も、このドライバーよりはシャロー感があるので、セミシャローという表現が一番ピッタリくるような気がします。
顔のいいドライバーを使いたいけど、ディープバックタイプはちょっと苦手だな・・・。という方も、このシャローバックを見たら、親近感も増すのではないでしょうか?

顔の印象はまずまずでした。
もっと投影面積が小さく、まとまった感じなのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。
結構大きく見えましたし、シャローな感じもします。
ただ、特にクセは見られないので、構えやすいだろう・・・。と思いました。
思わず見とれてしまうほどの美顔ではありませんが、マイナス的なところはありません。

装着されているグリップは、しっかりしたタイプです。
これまでのモデルにも採用されています。

素振りをしてみると、とてもいい感じです。
それほどハードなタイプではありませんが、頼りなさは無くしっかりしています。
タイミングも取りやすく、ヘッドの動きを把握しやすいです。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
ヘッド後方が少し膨らんでいるように見えて、それほど小顔感はありませんが、これくらいがちょうどいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
方向性に対するクセはなく、ラインも出しやすそうです。
少し逃がすイメージも出せたので、フッカーの私には易しく感じさせるところもありました。
試打を開始しました。

『打感』は、『すこぶる』良いです。
『吸い付くような打感』といったらいいでしょうか?
過去にも何度か感じてきたフィーリングですが、最近では少なくなってきたような気がします。
フェースとボールがお互い引き合っているような感覚といったほうがいいかもしれません。
あくまでも感覚的にですが、フェースの芯とボールの芯が吸い付きあっているような感じで、ジャストミートしかできないような感覚です。
硬い打感ではなく、とてもソフトなのですが、それにプラス『吸い付くような』という言葉がプラスされる絶妙なフィーリングで楽しめました。

『音』は控えめな感じなのですが、決してこもった感じではなく、はっきりしていて、インパクトを感じやすいです。
これならばいくら振っても邪魔になりません。
気持ちよく振り抜くことができました。

『球のあがりやすさ』は、今のドライバーの中では、少しタフなタイプで、好みがはっきりと分かれるかもしれません。
このドライバーでは球が浮きづらいので、460のほうが好きだ・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
ライナー系の力強い球が打てるタイプで、あがりやすさをそれほど強調してはいないドライバーです。
浮きすぎないドライバー・・・。といったらいいでしょうか?
強い球が打てるドライバーですが、それほど低スピン性能が長けているとは思いませんでした。
重心の低さも、ある程度あるようです。

『安定性』という点では、標準的な感じがします。
曲がりにくいという感じはしませんが、気難しいタイプでもありません。
あくまでも『標準的』といったところです。
普通に打っている限り、特に問題なくラインを出していける『とっつきやすさ』があります。
こういったところは他のメーカーも含め、今のアスリートモデルの特徴のひとつといっていいのではないでしょうか?
易しすぎないけど、決して気難しいタイプではなく、親しみやすさも残されています。
スイートエリアも、結構広く感じました。

『飛距離性能』は優れていて、予想以上のパフォーマンスを発揮してくれました。
一球目から、かなり弾き感があって、強い弾道を打たせてくれました。
初速が速く、ボールにターボエンジンが搭載されているような加速感があります。
適度に易しさのあるドライバーですが、インパクト時のエネルギーロスが小さく、ボールに効率よく伝わっているような感覚がありました。
『厚み系』ドライバーのいいところなのかもしれません。
ボールがピンポン球のように弾け飛んでいくのを見ながら、頼もしさを感じました。
かなりポテンシャルの高いドライバーです。

『操作性』は、いい感じで左右どちらにも対応してくれました。
ナチュラルな感じがしますが、スライスを抑制してくれるタイプではないので、スライスに悩んでおられる方には、多少難しく感じられるところがあるかもしれません。
ただ、このドライバーには調整機能が搭載されているので、それを上手く活用すれば、かなり克服できるのではないでしょうか?

久しぶりにホンマの『当たり』ドライバーに出会ったような気がしました。
ホンマは昔から馴染みがあって、常に注目しているメーカーのひとつですが、正直いいまして、ここ数年はそれほど心が踊らされることなく、淡々と試打をしていました。
いいドライバーだな・・・。と思ったことはあるのですが、それほど興味を持つことができませんでした。
一度試打したっきり、もう二度と手にしなかったドライバーもたくさんあります。
外観はカッコいいのに、肝心の音が全然ダメだったドライバーもありました。

昔のようなホンマらしさは消え、他のメーカーとの差別化も難しくなりました。
もうホンマのクラブに胸が熱くなり、使うことはないのかな・・・?と思う期間が長く続きましたが、このドライバーに出会って、また胸が熱くなりました。
先日試打した460も、いいドライバーだと思いますが、私は断然こちらのほうが好きです。

吸い付くような打感と控えめでありながらはっきりとした音。
そして、パワフルな弾道に一瞬で惹かれてしまいました。
昔から、ホンマのクラブがもつフィーリングが好きだったのですが、今日はそれを改めて強く感じることができました。

また何度でも試打したい、魅力的なドライバーです。
2019年01月20日
ホンマ TOUR WORLD TW747P アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA TOUR WORLD TW747P アイアン 7番 です。

シャフトは VIZARD for TW747 50 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、バランスはD0、クラブ総重量は383g です。

ホンマの新しいキャビティアイアンです。
見るからに易しそうな雰囲気があります。
昔から変わらない、モグラマークの入ったHONMAのロゴが輝かしいです。
このマークを見るだけで、昔に戻れるような気がします。

よく見られる、オーソドックスなキャビティアイアンです。
小顔というよりは、やや面長な感じがします。
キャビティタイプでありながら適度に引き締まっていて、ボテッとしていないところがいいです。

トゥ側には『TUNGSTEN』の文字がありました。
形を膨らませたり、大きくしたりしない為には、比重の大きい異材を組み込むのが理にかなっているのだと思います。
今はポピュラーな工夫です。
重心が低ければ低いほど易しくなるとは思わないですし、適度な高さというものがあると思うのですが、今はアイアンに限らず、ドライバーやFW・UTでも重心の低い物が圧倒的に多いです。
しかし、ウェッジとパターは今でも高重心の物が普通に見られます。

彫りの深さは適度にあります。
こうして見ると、ハーフキャビティに近いものがありますが、気難しさのようなものは全く感じられません。

トップラインの厚みは標準的です。

ソール幅は少しワイドですが、今のアイアンの中では平均的といっていいように思います。

ネックの長さも標準的です。
短すぎず、適度な長さがあるので、好感が持てました。

フェース面にミーリングは見られませんでした。

装着されているグリップはソフトというよりは、ややしっかりめなタイプです。
場所によってグリップパターンが違っていて、雨の日でも滑りにくそうな感じがします。

素振りをしてみると、かなり軽量感がありました。
TWシリーズは、いわゆる『アスリートモデル』だと思うのですが、このアイアンはすごくハードルを下げている感じがします。
ツアーワールドというよりは、べレスに近い印象をもちました。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
やや面長なところがありましたが、変なクセのようなものはなく、普通に構えることができました。
ただ、こうして構えていて、気持ちが盛り上がってきて、テンションがあがっていく・・・。ということはなく、淡々と見つめていました。
大きな不満は無いけれど、『自分の中のエリア』にはないクラブだな・・・。と思っていました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
ガツンという感じはなく、ソフトさもあったのですが、球の重さがはっきりと伝わってくるというよりは、少しライトな感じのフィーリングです。
ホンマのアイアンは昔から好きですが、私がアイアンに求めたいフィーリングではありませんでした。
ただ、これはあくまでも私の好みなので、このフィーリングを好まれる方もたくさんいらっしゃると思います。

球はあがりやすくて、とてもイージーです。
タフなタイプのアイアンではありません。
ヒッター向けというよりは、スインガータイプの方に合いやすいアイアンといえるように思います。

安定性も高く、大らかさが感じられます。
クセの小さい、オートマチック系のアイアンです。
ミスヒットに対する寛容さも、充分持ち合わせています。

『飛距離性能』は、かなり優れています。
これが、このアイアンの最大の長所といっていいのではないでしょうか?
しっかり振って結果を出すというよりは、軽く振って結果を出すタイプのアイアンだと思いました。
あまり振りすぎてしまうと、シャフトがやや暴れる感じがします。
あくまでもゆっくりと、穏やかな感じで振っていくのがいいように思いました。

『操作性』は、まずまずでした。
左右に曲げることもできましたが、それほど大きくは曲げられませんでした。
扱いやすさよりも、大らかさのほうが勝ってしまうアイアンです。

易しくて飛距離の出せるアイアンです。
先ほども書きましたが、しっかりめよりは、軽めに振っていったほうが、いい結果が得られました。

バックフェースのトゥ側にオレンジ色のパーツが組み込まれていて、オレンジ色という特性から、易しそうな雰囲気がありますが、実際にその通りでした。

アイアンに易しさを求めたいけど、それと同じくらい飛距離も求めたい。
軽く振って距離を出していきたい・・・。という方に合いやすいアイアンだと思います。

かなり軽量感があるので、ベテランゴルファーの方にも人気を集めるのではないでしょうか?
今は女性ゴルファーの方が、男性用クラブをそのまま使うことが珍しくなくなりましたが、このアイアンもそんなタイプのクラブではないかな?と思いました。

色々な工夫がされているのがよく分かりますが、それが度を越していないのがいいです。
ゴチャゴチャした感じがなく、すっきりしたデザインになっているところに魅力を感じました。

ツアーワールドということで、おそらくアスリート仕様だと思うのですが、このアイアンはかなり親しみやすくなっていてハードルも低いので、上級者の方はもちろん、幅広い層に受け入れられると思います。
ホンマブランドに憧れをもっているけど、どうも難しそうだな・・・。と敬遠しておられる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、このアイアンはそういった方にも、是非試していただきたいです。
2018年12月11日
ホンマ TOUR WORLD TW747 460 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW747 460 ドライバー です。

シャフトは VIZARD です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ です。

久しぶりに出会った、ホンマのドライバーです。
ずいぶん見ない間に機能的なデザインになったような気もしますが、今は多くのメーカーがこのようなタイプなので、それに合わせた形といえるのかもしれません。
オレンジ色のインパクト大です。

ラージサイズでシャロー感もありますが、薄っぺらい印象はありません。
適度に盛り上がっていて、厚みがあります。

このオレンジ色のソールがよく目立っています。
数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
ウェイトの上には、『NON-ROTATING SYSTEM』という文字があったので、交換するタイプではなく、固定なのかもしれません。

バックフェース付近にもウェイトがあります。
この位置にあるのも、よく見られます。
このウェイトにも刻印はありませんでした。

ネックには調整システムが搭載されています。
ホンマでは珍しいような気もしますが、今まで無かったわけではありません。
以前試打したことのある、パーフェクトスイッチ390 というドライバーを思い出しました。

試打するのは、このポジションです。

シャローバックタイプですが、今はこういう形が一番多いように思います。
フェース高は充分あります。

顔はちょっとつかまりそうな感じですが、こういうタイプのヘッドだと、これくらいが普通といえるでしょうか?
逃がし顔のドライバーを見つけるほうが難しくなりました。

装着されているグリップは、これまでも経験してきました。
先日試打したFWなどと、同じグリップです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
軽量タイプのドライバーですが、暴れる感じはあまりなく、タイミングがとりやすいです。
何か特別なことがされているのでしょうか?

ボールを前にして構えてみると、つかまりそうな感じがしたのと、いわゆる『プル角』がよく効いているな・・・。ということを感じました。
フックのイメージは出ますが、スライスのイメージは全くといっていいほど出ません。
フェースがかなり上を向いているように見えました。
ロフトが10.5度ということですが、もっと寝ているように見えて、ちょっと違和感がありました。
ただ構えにくくて全く打てない・・・。ということでもないですし、こういったことは昔から普通にあるので、あまり気にしないようにしました。
ホンマだけは『リアル』で勝負して欲しかったな・・・。と思ってしまったのですが、多くのメーカーがこのようにしているので、ホンマだけはそうしないというのは時代の流れにそっていないのかもしれません。
口をポカンと開けて、それを横から見たときの構え感といったらいいでしょうか?
そんな独特の構え感です。
試打を開始しました。

『打感』は、やや硬めでした。
ソフトという感じではなく、ズシリと来て、ちょっと衝撃が残りました。
正直、それほど好きな打感ではないのですが、こういった打感も昔からありますし、あまり気にはなりませんでした。

『音』は大きいですが高すぎず、インパクトが緩むこともありませんでした。
好みの音とはまたちょっと違うのですが、大きな不満はありません。

球はとてもあがりやすくてイージーです。
調整システムも搭載されていますし、かなり幅広い層に対応しているのではないでしょうか?
『低スピン性能』はあまり感じられず、やや多めといった感じでした。
今日は練習場で時折風が強く舞っていたのですが、その風に球が乗ってしまうところがありました。
今日のような日は、もうちょっと低く抑えたいと思うのですが、『あがってしまう』タイプなので、なかなか上手くいきませんでした。

『安定性』は高いです。
スイートエリアが広く、球がつかまりやすいので、右にプッシュすることもありませんでした。
シビアさを感じさせない、大らかなタイプのドライバーです。

『飛距離性能』は、なかなか優れていました。
高弾道でキャリーをしっかり稼げるタイプです。
最初見たときはヒッター向けかな?と思ったのですが、スインガータイプの方に合いやすいのではないでしょうか?
強く叩くというよりは、大きくゆったりと振って距離を出していきたいドライバーだと思います。

『操作性』という点では、『オートマ性』が勝ってしまうので、あまり操作するタイプではないと思うのですが、左右にも曲げてみました。
どちらかといえばフック系のほうが易しいと感じました。
装着されているシャフトはハードなタイプではありませんが、しっかりしていて操りやすいです。
『軟らかくて骨のあるタイプ』といったらいいでしょうか?

ホンマではあまり見られない機能的なタイプのドライバーですが、様々なハイテクが搭載されているのだろうと思います。
フィーリング性能などはちょっと不満が残りましたが、全体的なバランスは取れているように思います。

これからもホンマには期待していきたいです。
2018年11月22日
ホンマ TOUR WORLD TW747 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW747 フェアウェイウッド の3番です。

シャフトは VIZARD for TW747 です。
ロフトはHL、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD2、クラブ総重量は321g です。

ホンマ ツアーワールドシリーズのフェアウェイウッドです。
先日ユーティリティを試打しましたが、今日はFWを試打する機会に恵まれました。

ディープというよりは、かなりシャロー感のあるFWです。
TWといえば、ホンマの中でもアスリート仕様のモデルという認識をもっているのですが、『骨太感』というよりは、かなり親しみやすそうな感じがします。
これが今の流れなのかもしれません。

ソールには大きなウェイトがひとつだけあります。
数字が刻印されていなかったので重さは分かりませんが、この位置にあるということで、かなり重心の深さがありそうです。

ネックの長さは適度にあります。
ロングというタイプではなく、あくまでも標準的です。

かなりシャロー感があります。
『見慣れたシャロー』という感じです。
多くのメーカーに採用されている形状なので、この角度から見ても、ホンマらしさは見られません。

ホンマらしい、整った顔です。
投影面積が大きく、シャローなタイプの顔です。
小振りでギュッと凝縮されたタイプとは真逆です。
こうして見ていると、少しだけ『つかまえ顔』に見えました。

どの角度から見てもそうですが、フェース面の仕上げも丁寧で美しいです。
さすがOEMに頼らず、自社生産による『目の届くモノづくり』をしているメーカーといったところでしょうか?
チープさも全くありません。
ホンマには特別な思いがあるので、月日が流れても、いつも注目しています。
しかし昔と違って、ずいぶんと大衆化したといいますか、他のメーカーとの違いが見いだせなくなったというのが率直な感想です。

装着されているグリップは、しっかりとしていて滑りにくいタイプです。
最新モデルに採用されています。

素振りをしてみると、かなり軽量感があって、シャフトも軟らかく感じます。
これが今の『スタンダードのS(スティッフ)』でしょうか?
顔の良さや全体的な雰囲気が崩さず、どんどん軽量化・軟化していっているような気がします。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
少しつかまりそうですが、不安は殆どありません。
このシャローには、これくらいがちょうどいいのかな?と思いました。
日本メーカーらしい、整った『和顔』で、クセの小さい主張しすぎない構え感です。
今はクラウンにも色々な色が採用されていますが、やはりこの黒が『スタンダード』だな・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
柔らかいというよりは、やや硬い感じの打感です。
強くヒットすると、少し手首に衝撃が残る感じがしましたが、大きな不満はありません。
打つ前はもう少しソフトなフィーリングを予想していたのですが、実際は違いました。
しかし、こういったフィーリングも、これまでたくさん経験しているので、特別驚くようなことはありませんでした。

『音』は、高くて大きいのですが、苦手に感じるほどではありませんでした。
この音は『予想の範囲内』でしたし、インパクトが緩むこともありませんでした。

球はとてもよくあがってくれます。
直打ちでも、充分な高さを出していけました。
見た目通り、かなりイージーで親しみやすい性格をしています。

『安定性』も高く、シビアさは全く感じません。
大らかで、どちらかといえば、オートマチック系のFWです。

『飛距離性能』は普通です。
特別よく飛ぶという感じはしませんでした。

『操作性』はまずまずですが、左右にも曲げることはできました。
シャロー感が強いせいか、どちらかといえば、あまり細工をしたくないタイプです。

易しくて親しみやすいホンマのニューFWです。
ニューモデルということですが、外観や性能的なことなど、目新しさは正直感じませんでした。
最初から最後まで、ずっと『既視感』をもちながら試打していました。

しかし、それが今のクラブに求められている性能であるとするならば、仕方ないのかな?と思いました。

これからもホンマには期待していきたいです。
2018年10月31日
ホンマ TOUR WORLD TW747 ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW747 ユーティリティ です。

シャフトは VIZARD UT-H7 です。
ロフトは22度、クラブ長さは39.5インチ、シャフト重量は65g、バランスはD2.5、クラブ総重量は371g です。

久しぶりに出会った、本間TWシリーズのニューモデルです。
なかなかニューモデルに出会うことが無かったので、どうしたのかな?と思っていたのですが、今日こうして出会うことができて、とても嬉しく思いました。

オーソドックスな形状のUTです。
ウェイトなども見られず、とてもシンプルです。
オレンジの色がよく目立っていて、親しみやすい感じがします。
昔の、『孤高』な感じは無くなりました。
『本間でなければ』というのは、今はもう全く無く、他のメーカーと完全に肩を並べたような感じがします。(並ばれたといったほうがいいかもしれません)
モグラマークは健在ですが、何となくモグラマークが泣いているように見えました。

ネックの長さは適度にありました。
最近はこういうタイプが増えてきたような気がします。
TWシリーズだからでしょうか?

適度な厚みのあるヘッドです。
最近はシャロータイプが圧倒的に多いので、このようなタイプはちょっと珍しいような気もしますが、とても好感がもてます。

フェース面はとてもシンプルで美しいです。
このシンプルなデザインは昔から変わりません。
最新モデルで、このようなタイプだということは、ミーリングなどはあまり意味が無いことなのでしょうか?
シンプルで美しいだけでなく、丁寧な仕上がりがホンマらしいです。
ホンマは『自社生産』という数少ない方法を採用していますし、『目の届くモノづくり』をしているメーカーです。
雑であったり、チープな仕上げは許されない・・・と、昔からのホンマファンである私は思ってしまいます。

顔は見慣れた感じのオーソドックスなタイプです。
今のUTといえば、『この顔』といっていいと思います。
小顔というよりは、少し大きく見えました。
私の中での『ど真ん中のストライク』ではないのですが、比較的クセの無い顔で好感がもてます。

装着されているグリップは、しっかりしたタイプです。
滑りにくく、グリップ力があります。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
シャフトも特にクセは無く、振りやすいです。

ボールを前にして構えてみると、普通だな・・・。と思いました。
もちろん、いい意味です。
これまでたくさん経験してきた構え感です。
無難であると同時に、個性が無いともいえます。
他の多くのメーカーにも採用されているので、このクラブが『ホンマ顔』には見えませんでした。
そういえば、これまで『BS顔』や『スリクソン顔』『MP顔』『タイトリスト顔』などがありましたが、『ホンマ顔』というのは浮かびません。
それだけ、今のホンマに昔のような個性が無くなってきているのだと思います。
こうして構えているだけでは、どこのメーカーのユーティリティなのか分かりません。
クラウンの色は黒ですし、オーソドックスなタイプなので好きなはずなのですが、何故か淡々としていてあまり気持ちが盛り上がらないまま見ていました。
本当はすごくいいはずなのに、気持ちが盛り上がりません。
私のホンマに対する期待値が、他のメーカーよりも高すぎるのかもしれません。
試打を開始しました。

『打感』は好感が持てました。
しっかりしているのですが、硬くなく心地よい感触が残ります。
これまでたくさん経験してきた打感です。

『音』も、はっきりしていて心地いいです。
やや高めの音ですが、大きすぎずインパクトが緩むこともありませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、普通だと思いました。
特別よくあがるとか、逆にハードであがりにくいということもありませんでした。
ただ、どちらかというとヒッタータイプの方に合いやすいような気がします。

『安定性』も平均的です。
高い直進性があるとか、曲がりにくいというタイプではありませんでしたが、シビアさのようなものは感じませんでした。

『飛距離性能』も普通で、特別よく飛ぶという印象はありませんでした。
そこそこの易しさと、そこそこの飛距離でバランスがとれているように感じました。

『操作性』は、なかなかいい感じです。
左右へ曲げることは難しくありませんでした。
球もしっかりつかまってくれました。

最新モデルなので、おそらくこれまでに無い最新の技術がたくさん取り入れられているのだと思うのですが、私の鈍い感性ではそれを見つけ出すことができませんでした。
最新モデルではありますが、目新しさのようなものはありませんでした。

既視感を感じながら、ずっと試打しました。
いい意味でいえば、クセが無いので親しみやすいですが、逆にいえば、存在感がやや薄くて、印象に残りづらい感じがしました。

このようなユーティリティは、これまでもたくさん試打してきたような気がします。
2018年05月16日
ホンマ BERES S-06 フェアウェイウッド

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ BERES S-06 フェアウェイウッド の5番 です。

シャフトは ARMRQ X です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはR、バランスはD0 です。

ホンマベレスの美しいフェアウェイウッドです。
ベレスらしく高級感がありますが、それが嫌味になっていないところがいいな・・・。と思いました。
センスのいいデザインです。

形状的には、かなりシャローです。
この薄さが、今のトレンドといえるでしょうか?
薄さが目立っていますが、形は崩れていません。

ヒール側にある、このアクセサリーがよく目立っています。
場所的にウェイトかな?と思ったのですが、実際のところは分かりません。
よく見てみると、中には☆が2つありました。
これは重さを表しているのでしょうか?
昔からホンマは☆で、スペックを表していることが多いです。

ソールには溝がありました。
多くのメーカーが採用しているので、それだけメリットが大きいのだと思います。
後発的な印象は拭えませんが、機能性を考えると仕方ないのかもしれません。
これからは溝の研究も進み、もっと複雑化してくるのではないでしょうか?

溝は、それほど深くありません。

ネックの長さは適度にありました。
最近は、このようなシャロー形でネック長のあるクラブが多くなったように思います。
これも流行なのでしょうか?

かなりのシャローヘッドです。
今は殆どが、このような形状です。
シャローバックタイプであっても、ディープフェースなクラブもありますが、このクラブはシャローフェースです。

顔は、いい感じです。
クセのないところに好感がもてます。
昔のベレスは確かに高級感があって美しかったのですが、クセのある顔も少なくありませんでした。
なので、このクラブもそうなのかな?と思いましたが、そんなことはなく、自然ないい顔をしていました。
クラウンが茶色になっていて、高級感と同時に『落ち着き感』があります。
こういったところにも、センスの良さを感じます。

フェース面のデザインはシンプルです。
特に変わった工夫は見られませんでした。

装着されているグリップも、しっかり感とソフトさが共存していて、好感がもてます。
適度な滑りにくさもあります。

素振りをしてみると、かなり軽くて軟らかさもありますが、これは予想していました。
ベレスシリーズらしいスペックといっていいと思います。
ドライバーの『軽量化』『シャフトの軟化』にリンクするように、FWも変化していきました。
昔はメンズクラブとレディスクラブがはっきりと分かれていましたが、今はかなりソフトスペックのメンズクラブも多いので、女性の方でそのまま使っているという方も増えてきたように思います。

ボールを前にして構えてみると、好感がもてました。
クセがなく、易しそうな感じが伝わってきます。
方向性に対する不安も無く、球があがりやすそうです。
バルジは、やや真っ直ぐな感じでした。
試打を開始しました。

『打感』は、ややしっかりした感じで、球の重さも伝わってきました。
ソフトというフィーリングではありませんが、好感のもてる打感です。

『音』は、やや高めでしたが大きすぎず、いい感じでした。
インパクトが緩むこともなく、振り切ることができました。

球はとてもあがりやすいです。
直打ちでも、充分あげてくれました。
タフさは全く感じられませんでした。

『安定性』も、いい感じでした。
構えやすいのでラインも出しやすいですし、適度な直進性もありました。
シビアさは感じませんでした。
大らかなタイプのFWです。

『飛距離性能』は、普通でした。
特別秀でているとは思いませんでしたが、ベテランゴルファーの方が易しく飛ばしていける良さがあります。
キャリーもしっかり稼いでいけるタイプです。
スピンも多めで、多少吹き上がる感じがしましたが、それは『易しさ』につながっているように感じました。

『操作性』は、まずまずでした。
顔がいいのですが、どちらかといえば、あまり細工をしたくない感じがしました。
左右に曲げることもできましたが、できれば自分の持ち球を活かして打っていきたいタイプです。

美しさと顔の良さが印象に残りました。
色々な工夫もされていて、ハイテクなところも見られますが、それが嫌味になっていないのもいいです。

ベテランゴルファーの方のニーズに合った、バランスの取れたFWだと思います。
2018年03月08日
ホンマ BERES IS-06 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ BERES IS-06 アイアン の7番 です。

シャフトは ARMRQ X 47 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、バランスはC8、クラブ総重量は368g です。

ホンマベレスシリーズの新しいアイアンです。
先日試打したユーティリティ同様、とても美しく目を引くデザインで、思わず手に取って見ていました。
ゴールドが目立つデザインで、高級感があります。
セレブリティの方に人気が出そうなデザインですが、このようなデザインは国内よりも、海外のほうが、人気が高いと聞いたことがあります。

やや大きめのヘッドですが、奇をてらったところは無く、オーソドックスなポケキャビです。

彫りの深さは充分あります。

トップラインは少し厚めですが、気になるほどではありません。

ソール幅はワイドですが、これも今では『普通の範囲内』といっていいかもしれません。
今は、いわゆる『アスリートモデル』といわれるようなアイアンでも、これくらいのソール幅は普通にあります。
ソールの広さも目に入りましたが、それよりも形状のほうが目立っていました。
かなり丸みを帯びているのが分かります。
昔は平らなものばっかりでしたが、今は色々な形状が見られるようになりました。
もちろん平らに近いタイプは今でも見られますし、このアイアンのような丸みを帯びているものも少なくありません。

リーディングエッジが削られているのが分かりました。
抜けが良さそうです。

ネックは見慣れた長さです。
少し短く見えますが、今はこれくらいが普通といっていいように思います。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
今は、他のメーカーではなかなか見られないのですが、スコアラインが黒いのが印象的で、昔愛用していた『Hiro Honma PP-727』を思い出しました。
懐かしいです。
フェース面の仕上げも丁寧です。

装着されているグリップは、先日試打したユーティリティと同じです。
ソフトなフィーリングで好感がもてます。

素振りをしてみると、BERESシリーズということもあり、かなり軽量感があって、ソフトなスペックに仕上がっているのが分かりました。
私はかなり軽く感じたので、いつもよりもコンパクトにして、暴れないように振っていくことにしました。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
思っていたよりもクセが強くなくて、苦手意識も無く、普通に構えることができました。
やや面長な感じと、グースも少し利いていますが、それが強すぎないのがいいです。
この大きさには、これくらいのグースがちょうどいいのかもしれません。
気持ちが揺れ動くことはなく、落ち着いて淡々とした感じで見つめていました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
打つ前はもっとソフトなフィーリングを予想していたのですが、違いました。
少し『ゴツい系』といったらいいでしょうか?
インパクト時の手応えが充分過ぎるほど伝わってきました。
『ゴムのボール』を打っているような感覚でした。
こういうタイプなので、『球の乗り』はそれほど無いだろう・・・。と思っていましたが、その通りの打感でした。
『球の乗り』よりも『強く弾く』タイプのアイアンです。

球はあがりやすくて、イージーでした。
タフな感じは全くありません。
振りすぎてしまうと暴れてしまいそうだったので、ずっとソフトに、ゆっくり振っていこう・・・。と思っていたのですが、球はじゅうぶんあがってくれました。
あげようとしなくても、クラブが勝手に上げてくれる感じです。
キャリーもしっかり稼ぐことができました。

『安定性』も高いです。
予想通りでした。
スイートエリアも、かなり広いのではないでしょうか?
大らかなタイプのアイアンです。

『飛距離性能』は優れていました。
今のアイアンの『王道』を行く・・・。といったらいいでしょうか?
『易しさ』と『距離』の両立ができているアイアンです。
フェースの弾きがいいので、初速も速いです。
『スピードボール』を放つアイアンといったいいでしょうか?
球を打つときやスイングをするとき、どこか『スローモーション』に見えるといいますか、感じられることがあるのですが、今日はずっと『スピード感』がありました。
このスピード感も、今のアイアンの特徴のように思います。

『操作性』という点では、オートマチック性能が勝ってしまうので、思い通りに曲げられるというわけにはいきませんでしたが、左右にも曲げることができました。
このアイアンは結構構えやすいほうなのですが、やはり『扱う』には、『適度な重さ』があったほうが易しいな・・・。と改めて感じました。
私がこのアイアンの軽さになれるには、まだまだ時間と球数が足りないように感じましたし、正直慣れずに今のままでいいと思いました。

ゴールドが目立ち、目を引くデザインですが、ホンマらしく基本性能もしっかりしていました。
高級感があるので、多くの方に好まれやすいと思いますし、今の『トレンド』でもある『易しさ』と『飛距離』が優れているので、時代にもきちんと乗っています。
歯を食いしばらなくても、微笑みながら易しく飛ばしていけるタイプのアイアンといったらいいでしょうか?
飛ばす為の工夫が、たくさんされているような気がします。

私は昔からホンマのアイアンに慣れ親しんできたので分かるのですが、ホンマのクラブはカーボンシャフトを装着すると、値段が何倍にも膨れあがりました。
私が購入したPP-727といアイアンには最初からダイナミックゴールドが挿してあって、『ハガネスチール』同様、一番安かったのですが、カタログを見ると同じモデルでも、カーボンシャフト装着モデルの値段を見て、そのあまりの高額な値段にびっくりしたのを覚えています。
一体誰が買うんだろう?大企業の社長さんかな?と思ったことを覚えています。
今も少しは名残のようなものがあるのかもしれませんが、昔は『値段が高いから売れた』という時代が確かにありました。
クラブの値段が、そのまま性能の高さと比例しているように考えられていました。
しかし、今は必ずしもそうではないということを、多くのゴルファーが知っていると思います。
もちろん高価で高性能なクラブはたくさんありますが、結構親しみやすい値段でも、高性能なクラブはあります。
値段が性能に、必ずしもイコールしません。

そんなにカーボンシャフトはいいのか・・・。
どんな感じなんだろう・・・?
飛距離も大きく変わるのかな?などど、興味津々でしたが、結局そのままスチールシャフトを使い続けました。
その高価なクラブを実際に振ったこともあるのですが、あの軽さと動く感じがどうも馴染めませんでした。
私はスチールで正解だったな・・・。と思っていますが、今はカーボンシャフトもすごく進化しているので、スチール派の方でも、親しみやすいものがたくさんあります。
今はいいものがたくさんありすぎて逆に迷ってしまうこともありますが、私がビギナーの頃は今よりも選択肢が少なかったので、それが良かったように思います。

カーボンシャフトにもグレードがあって、値段もかなり開きがありました。
まさに『バブル絶頂』で、高所得者の為のスペックといった感じがしました。

このアイアンの場合はどうなのかな?と思いましたが、昔ほどの値段ではないと思いますし、今は親しみやすい値段のクラブのほうが多いように思います。
国内で、しかも伝統と実績のある『酒田工場』で精密に作られていることを考えると、コストパフォーマンスも高いような気がします。

スペック的に私には合いづらいところもありましたが、ベレスらしい高級感があって、しかも変なクセがないところが気に入りました。
打感などは正直もうひとつだと思いましたが、それは私が慣れ親しんだタイプと違うからだと思いますし、この弾く感じを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
これからもホンマには期待していきたいですし、私たちゴルファーをワクワクさせてくれるクラブを待ち続けたいと思います。