プログレス
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2022年09月04日
プログレス BB6 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プログレス BB6 ドライバー です。

シャフトは Magical ATTAS です。
ロフトは10.5度、長さは45.5インチ、キックポイントは中調子 です。

久しぶりに出会った、プログレスのドライバーです。
以前試打した、BB4というドライバーはとてもインパクトが大きくて、今でもはっきり覚えています。
カッコ良くて、見た目の印象よりも球が上がりやすくイージーで、飛距離性能に長けたドライバーでした。
そして、ここ数年では珍しく、ディープタイプだったことも、よく覚えています。
その後継機種ということで、すごくテンションがあがりました。
前のモデルはBB4で、このクラブがBB6ということで、しまったBB5を試打できなかった・・・。と思っていたのですが、後から店員さんに聞くと、BB5は最初から無いということでした。
BB4やBB6という名前は、どういった基準で決められているのでしょうか?

前のモデルのカッコいいところをしっかりと継承しています。
こうして見ると大きな違いは無いような気がしますが、おそらく見えないところに様々な技術が注ぎ込まれているのではないでしょうか?
ヘッド全体が丸みを帯びて膨らみもあり、『厚み感』があるところに好感を持ちました。

バックフェースには大きなウェイトがひとつだけ配置されていて、BB4と同じです。
数字が刻印されていないので、重さは分かりません。

ヒール側にもウェイトがひとつ配置されています。
こちらも数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
最近、このような組み合わせが多いような気がします。
バックフェース側に配置して重心を深くし、ヒール側にも配置して重心距離を短くしてつかまりやすくする狙いでしょうか?
ちょっと前まで、重心の長いものが多かったように思うのですが、ゴルフクラブはあくまでも『ひとつのセッティング』として考えなければならないので、なるべくアイアンなど短い番手のクラブとの重心距離が離れていないほうがいいと思います。
日によって、ドライバーは調子いいけど、アイアンの調子が悪い、またはその逆・・・。というのは、重心距離の違いが大きく関係しているのではないでしょうか?
巨大なサイズのアイアンもありますが、基本的にアイアンはそれほど大きくなっていません。
それなのに、ドライバーだけがどんどん大きくなってしまって、FWとのバランスもとれなくなってしまっています。
つまり、ドライバーだけが『宙に浮いた状態』で別物扱いされることもありました。
それではコースでは難しくなるので、近づけていくことが求められるのではないでしょうか?
重心距離がバラバラなセッティングというのは、とても多いような気がします。

プログレスといえば、この『蛇腹』のような複数の溝です。
初めて見たときはいい意味で驚きましたし、いかにもトランポリン効果がありそうで、弾きがいいだろうな・・・。と思いました。
とはいっても、反発係数は上限が定められているので、適合モデルであれば、ギリギリのところで抑えているのだろう・・・。という思いもありました。
以前から書かせていただいていますが、世に出回る全てのクラブが適合でなくてもいいと思っています。
安全性が保たれていれば、今の反発係数の上限を超えてもいいと思っていますし、このようなドライバーは非適合モデルも発表して欲しいと思っているのは私だけでしょうか?

この溝の深さは前のモデルと変わっていないようです。

ネックは短く、『10.5/N』と表記されていました。
ロフトが10.5度というのは想像しやすいのですが、Nはおそらく『ニュートラル』ということではないでしょうか?
違うモデルではドローバイアスの掛かった『D』というモデルがあるのかもしれません。

ネックに調整システムが搭載されているのも、前のモデルと同じです。

フェース面のデザインは変わりました。
このフェース面でもいいですが、私は前のモデルのほうが好きです。
スコアラインの塗装がところどころ剥がれていて、これなら最初から塗装しないほうがいいと思いました。
ゴルフクラブはいくら大切に取り扱ったとしても、いずれ傷などが発生してしまいますが、それとは別の『衰え』を感じさせて欲しくありません。
いつまでも若々しい相棒であって欲しいと願っています。
そういった点で、このフェース面はちょっと残念でしたが、こういったクラブは昔からたくさんあるので、特に珍しくはないといいますか、普通です。

セミディープ形状といっていいでしょうか?
適度な厚みがあり、最近は『超シャロー』ばかりなので、とても珍しいといいますか、希少性を感じました。
比べていないので分かりませんが、前のモデルよりも、少しシャローになったような気がします。
最近は高性能なシャローがたくさんありますが、やはり厚みのあるモデルはいいな・・・。と思いながら見ていました。

顔はまずまずです。
美顔を期待していましたが、そこまでではありませんでした。
適度に丸っこさもあって、いい感じではありましたが、私の好みの顔ではありません。
先ほど、『N』の表記に、おそらく『ニュートラル』だろうと思いましたが、このドライバーは少しだけ『つかまえ顔』に見えました。
ただし、これはヘッドの形というよりも、『シャフトの挿し方(向き・方向)』が大きいような気がします。

素振りをしてみると、かなり軽量感があって、ヘッドのイメージと違いました。
しかし、これはシャフトによるものなので、違うシャフトでも試してみたいです。
軽量タイプのシャフトではありますが、昔のシャフトのように動きが大きくて暴れる感じはしません。
昔のカーボンシャフトは、『予測できない・しづらい動き』をするシャフトが多く、また均一性もとれていなくて、かなり難しいといいますか、親しみづらいものがたくさんありました。
しかし今はそれも改善されてきて、『振れる軽量シャフト』も登場してきています。
『軽硬』が今のトレンドでしょうか?
しかし、私はある程度重さがあったほうが、タイミングもとりやすく、また他の番手とのバランスもとれるので易しく感じます。
ドライバーだけが軽かったり、重かったりすると、ゴルフが複雑になってしまいます。

ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずです。
見とれるようなこともなく、テンションも大きくあがることもなく、淡々と構えていました。
ややつかまりそうな印象がありましたが、方向性への不安があるというほどではありません。
私はターゲットラインに対して『垂直顔』、あるいは『逃がし顔』を好むので、このドライバーの顔はストライクゾーンから少しだけ外れていますが、苦手意識が芽生えるほどではないですし、むしろこれくらいの顔が好きだという方は多いのではないでしょうか?
私には少しつかまえ顔に見えましたが、この顔がちょうど良く、ニュートラルだという方もたくさんいらっしゃると思います。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じです、
確か、前のモデルもこのような打感だったような気がします。
ソフトというよりは、ややしっかりした打感で、余韻があまり長く残らないタイプです。
何と言いますか、あくまでも感覚的になのですが、フェースの中央付近にボールが吸い寄せられるような印象をもちました。
つまり『芯を外しにくい』と感じさせてくれる打感です。

『音』は小気味いい感じでした。
何度でも聞いていたくなるような『美音』ではありませんが、特に不満のない無難な音です。

結構ディープなドライバーですが、球はよくあがってくれ、タフな印象はありません。
もちろん、ロフトが10.5度ということもあると思うのですが、しっかりと高さを出していくことができました。
『先球が軽いタイプ』といったらいいでしょうか?
球の上がり方には『元球が軽い』、つまり最初から高く浮いてそのままの弾道で飛び出していくタイプと、『出だし(インパクト直後)』はそれほどでもなく、それからどんどん浮き上がっていく『先球が軽い』タイプがあるように思っているのですが、このドライバーはどちらかというと後者のような印象をもちました。
元々はヒッター向けのドライバーだと思いますが、この試打したモデルは10.5度ということもあり、対象となるゴルファーは多いのではないでしょうか?
とくにシニア世代の方で、シャローではなく、昔のようなディープなタイプを使いたいけど、球があがらないのは嫌だ・・・。という方には、是非試していただきたいです。

『安定性』も高く、シビアさは全く感じませんが、今のドライバーの中では普通といったところでしょうか?
とてもカッコいいデザインで、硬派な感じがしますが、スイートエリアも狭くないですし、大らかさもあります。
ソールにある、蛇腹のような溝も大きく関係しているのではないでしょうか?

『飛距離性能』も優れていて、前のモデルを試打したときのことを思い出しました。
高くあがって、伸びがあります。
それでいて、スピンはある程度抑えてくれていて、ロスの少ない弾道です。
ロフトが10.5度ということや、シャフトが軽すぎてちょっと合いづらいところがあったのですが、それでもポテンシャルは高いと感じました。

『操作性』はまずまずですが、今日はあまり細工をしたいという気にはなれませんでした。
それはなんとなくなのですが、顔を見たときからだったような気がします。
それでも一応確かめてみないといけないので、何球か試してみましたが、つかまりの良さは普通で左右にも曲げることができました。
少しつかまえ顔に見えましたが、球筋的には『ニュートラル』で、クセのようなものは感じませんでした。
試打後の感想

カッコ良さと易しさ、そして飛距離性能に長けたドライバーです。
このドライバーをデザインされた方は、かなりセンスがあるな・・・。と思いました。
このようなデザインはなかなか思いつきません。

フェースだけでなく、クラウン全体もトランポリン効果がある感じで、『たわみ感』が強いドライバーです。
あくまでも私の好みとしては、もう少し『たわみ感』を抑えて、『押していける』といいのですが、最近はこのようにたわみが強くて、それが弾きの良さにつながっているドライバーが多くなったような気がします。
かなり弾き感が強いので、高反発モデルなのかと思ってしまうほどですが、ヒールのところに『CONFORMING TO R&A/USGA SLE RULE』というお馴染みの文字があったので、適合モデルなのだということが分かっていました。

見た目はとてもハードそうだけど、実際はそれほどでもなく、意外と打ちやすくて親しみやすい・・・。
それは前のモデルのBB4と、このBB6の共通した魅力です。

大手有名メーカーのような、潤沢な開発資金はないものの、それを技術とアイデアで勝負するのが、日本の地クラブメーカーといったところでしょうか?
日本人の得意とするところです。
様々な工夫が幾重にも重ねられ、それがプラスになるどころか、逆にマイナスになってしまっているドライバーも過去にたくさんありました。
もちろん、新製品を売っていかなければならないので、とりあえず目先を変えないと売れないというのもあるのかもしれませんが、『無駄な工夫』をせずに、贅肉をそぎ落としたクラブもまたいいものではないでしょうか?

なかなか出会う機会のないメーカーではありますが、これからもどんどん素晴らしいクラブを開発してもらいたいですし、出会うことがあれば、積極的に試打していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




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2018年09月01日
プログレス BB4 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プログレス BB4 ドライバー です。

シャフトは FUJIKURA Speeder 661 EVOLUTION V です。
ロフトは10.5度、長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は66g、トルクは3.7、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は311g です。

初めて手にした、BB4ドライバーです。
私はこのメーカーのことを全く知りませんでした。
日本のメーカーかな?それとも海外のメーカーかな?と思ったのですが、全体的な質感や雰囲気などから、おそらく日本のメーカーだろう・・・。と思っていて、後からプログレスという、まだ歴史の浅い日本のメーカーだということを教えてもらいました。
初めて手にするメーカーのクラブは、いつも以上にワクワクします。
これまでたくさんのクラブに接してきた経験から、このクラブはいいぞ・・・。と私の嗅覚が感じ取っていました。
ヘッドにチープさは全く無く、丁寧で高級感があります。
気持ちがどんどん高ぶってきました。

BB4とは、どういう意味があるのでしょうか?
BB1やBB2・BB3があるのかもしれません。
『大爆発(BIGBAN)』の四代目ということなのかな?と思いました。
車が大好きな私は『BB』というと、『フェラーリベルリネッタボクサー』が思い浮かぶのですが、それとは関係ないことは明白でした。
BB4の下には、『UNCHARTED TERRITORY』という文字がありました。
『未知の領域』ということでいいでしょうか?
ここまでの表現が使われているのはとても珍しいです。
それだけ、メーカーが自信を持っているということではないでしょうか?

このクラブは何と言ってもソールにある、この蛇腹のような溝が特徴的です。
アコーディオンを思い出しました。
ソールに溝のあるドライバーやFWはたくさんありますが、このような複数の溝が並んでいるのは珍しいです。
以前試打したミズノのドライバーを思い出しましたが、それとはちょっとタイプが違うような気がします。
いつも似たようなクラブが多いな・・・。と思うのですが、このクラブは個性が感じられ、強い存在感を放っています。
一目見ただけで印象に強く残るクラブは、そう多くないですが、このクラブは印象的です。
見た目のインパクトも大です。

この蛇腹のような溝の深さは普通です。
特別深いとか、浅いということはありませんでしたが、これも計算されつくしているのだと思います。

ヘッド全体は黒でビシッと引き締まって見えます。
硬派な感じがして、カッコいいです。
重量感があり、力感もあります。
形状的には適度な厚みがあるものの、ややシャローな感じもします。

ネックはかなり短いです。
ここまで短いものは珍しいです。
キャロウェイの『スルーボア』以来かな?と思いました。
他のクラブで普通にネック部分に挿入されるソケットよりも短いです。
この極端ともいえるほどのショートネックにも、大きな理由があるのではないでしょうか?

バックフェースには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
数字が刻印されていないので重さは分かりませんが、専用の工具を使えば簡単に取り外せそうです。
色々な重さのウェイトが用意されているのでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されています。
大手有名メーカーだけでなく、今は地クラブメーカーにも採用されるようになりました。

試打するのは、この『N』のポジションです。

R

NU

L
N以外には、RとNU・Lがありました。
これまでの経験から、おそらくフェースアングルを調整できるのだろう・・・。と思いました。

フェース面はシンプルで美しいです。
特別変わったところは見られませんでした。
今はドライバーにもミーリングが採用されるのは珍しくないですが、このドライバーにはありません。
弾きが良さそうです。

結構厚みのあるヘッドです。
昔ならばシャロー系ということになると思うのですが、今はもっとシャローなタイプが主流で、それらと比べると多少厚みもあるので、セミディープといってような気もします。

オーソドックスな、いい顔をしています。
極端な『シャロー顔』ではなく、やや厚み感もあり、整った顔で、私の『大好物』です。
クラブの『顔』で、そのメーカーのイメージといいますか、印象が決まってしまうこともあり、まだ初めてではありますが、プログレスというメーカーに好感を持ちました。
顔が良くないと、気持ちも盛り下がってしまいますが、今日は違います。
どんどん高まっていき、『天井知らず』といった感じで、目尻は下がりっぱなしです。
気持ちと目尻の『反比例状態』といったらいいでしょうか?
いいクラブに出会うと、私はこうなります。
実際に球を打つ前の『至福の時間』です。

素振りをしてみると、いい感じです。
装着されているシャフトは、スピーダーエボリューションのニューモデルのようですが、とても振りやすいです。
そもそも今に続く『リシャフトブーム』はスピーダーがきっかけですし、それからシャフトが大きく進化しました。
シャフトの重要性も、リシャフトブームによって多くの方が認識されたのではないでしょうか?
スピーダーも色々なモデルが発売され、イメージはその名の通り、『加速性』と『つかまりの良さ』です。
このシャフトもいい感じですが、すごく走るというよりは、結構先がしっかりしているので、『先暴れ』をあまり気にしないでいいように感じました。
タイミングも取りやすく、フェースコントロールがしやすいです。
クラブの総重量が『310g前後』ということで、今のアスリート系ドライバーの平均重量といっていいのではないでしょうか?
今はこれくらいの重さのドライバーが増えてきました。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
とても自然で、いいイメージが湯水のようにあふれ出てきました。
ラージサイズのフックフェースタイプのドライバーを好まれる方には、少し不安に感じられるところがあるかもしれませんが、私はこういう構え感が大好きです。
このようなタイプは最近、減ってきたように思いますが、このオーソドックスな構え感のおかげで、安心感が増しました。
コンパクトな感じもしますが、『小顔』というほどではなく、ヘッド後方が少しだけ伸びているようにも見えます。
初めて出会ったメーカーのクラブですが、この構え感のおかげで、これまでの経験が活かせそうで親近感をもつことができました。
試打を開始しました。

まず、この高い飛び性能に驚きました。
初めて試打するメーカーのクラブなので、どんな感じかな?と探りを入れる感じで少し軽めに打っていったのですが、かなりポテンシャルが高く、「ホーッ。」と唸ってしまいました。
一球打っただけで、このドライバーのもつポテンシャルの高さを実感することができました。
ボールはイメージしていたよりも高く打ち出していき、そのままグーンと伸びていってなかなか落ちてきません。
高くあがるのですが、低スピン性能がとても優れているのだと思います。
吹き上がるのではなく、高めの棒球のような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
キャリーも凄いですが、これはランもしっかり稼げるだろう・・・。と思いました。
明らかに飛距離性能に長けているドライバーです。
それも『群を抜いた飛び』といっていいほどです。
今年も色々なドライバーに出会ってきましたが、ドライバーによっては、『レベルの違い』を感じさせるほどです。
初速がかなり速くて、勢いがあります。
まだ歴史の浅いメーカーが、ここまでの物を作るのに、他の有名メーカーなどは何をしているのだろう・・・。と思ってしまいました。
もちろん各メーカー、飛距離に対して研究に研究を重ねてニューモデルを発表していると思うのですが、まだまだ凄いモデルが作れるのだと、改めて感じました。
先ほども書きました通り、弾道は高いのですが、吹き上がる感じはしません。
高弾道の低スピン系です。
数年前、海外メーカーの低スピンドライバーが流行りましたが、それらは合いづらいと感じられた方も多いのではないでしょうか?
もちろんとても優れたシステムだと思うのですが、海外で人気があっても、それがそのまま日本で定着するかは疑問が残ります。
海外メーカードライバーが『洋の低スピン性能』だとしたら、このBB4は『和の低スピン性能』といっていいでしょうか?
私たち日本人にはとても親しみやすい性能ですし、低スピン性能が、より進化しているように感じます。
それはスピンをただ減らすというのではなく、『親しみやすさを増した低スピン性能』です。
昔はスピンを減らす為に、ゴルファーは色々とスイングを工夫していったものですが、今はクラブがそれをやってくれるので、私たちゴルファーはクラブに任せておけばいい時代になりました。
便利といえば便利ですが、それはプレイヤーとしての優位性が無くなってきているといえるのかもしれません。

あまりによく飛ぶので、『高反発モデル』なのかな?と一瞬思ったのですが、ネックに『COMFORMING TO R&A/USGA SLE RULE』という文字があったので、ルール適合モデルだということが判りました。
ルール適合モデルではありますが、普通の高反発モデルよりも、飛距離において優位性を築いていけるのは間違いないと思います。
それくらい、このドライバーの飛び性能は凄いです。

ソールに溝、あるいは『溝のようなもの』があるドライバーはたくさんあり、それらを試打していて、その溝の効果をいまいち実感できないことが多いのですが、今日は違いました。
この凄い飛びの秘密は、この蛇腹のような溝にあるのは間違いないだろう・・・。と思いました。

『打感』はソフトというよりは、やや硬めといいますか、しっかりした感じでした。
心地よい絶妙なフィーリングではありませんでしたが、この凄い飛距離性能のおかげで、打感の印象が少し薄くなってしまいました。
それくらい、この弾道に心を奪われてしまいました。
このドライバーが放つ弾道のファンになってしまいそうです。
球を打つのが楽しくてたまりません。

『音』は、やや高めですが、全く問題ありません。
気持ちよく振り切っていけます。
私はいくら飛距離性能が高くても、音が良くないとそのドライバーに魅力を感じませんが、このドライバーは違っていて魅力的でした。
音はショットの成否を大きく左右させるので、重要な項目です。
気持ちよく振っていかないと距離は出せませんが、それには『音が邪魔しない』ということが大切です。
そういった意味でも、このドライバーは合格ラインに入っていました。
『聞き惚れる』ということはなかったのですが、何ら不満のない音です。

球はあがりやすいです。
イメージしていたよりも弾道が高いです。
途中からグッと高くなるのではなく、最初の打ち出しから高いです。
ロフト(10.5度)らしい高弾道です。
先ほども書きましたが、高弾道なのですが、スピンが抑えられているところが凄いです。
これまで『低スピン』と謳っているドライバーをいくつも試打してきて、実際はそうでもないな・・・。と思うことがよくありました。
しかし、このドライバーは明らかに低スピン性能が高いです。
しかも、『スピンレス』過ぎない、『程よい低スピン性能』といっていいのかもしれません。
見た目もカッコいいですし、適度な厚みもあって、骨太な感じもしますが、決してハードルは高くありません。
私たち日本人に親しみやすい穏やかな性格をしています。
海外メーカーの低スピン性能に長けたドライバーは重心を浅くして、その分『ロフトアップ』を推奨してきました。
一桁ロフト(あくまでも表示ロフト)のドライバーが発売されないモデルもありました。
このドライバーのロフトは10.5度ということですが、ライナー系を好む私には高すぎて、もうちょっと低く抑えたいので、違うロフトもあれば試してみたいです。
ただ、この10.5度でも充分スゴイことを体感できました。
今の『飛距離のキーワード』は、『高弾道低スピン』だと思いますが、それをこのドライバーは見事に実践しています。

『安定性』も高いです。
このようなカッコいいヘッドなので、シビアなのかな?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありませんでした。
充分大らかさをもったドライバーです。
気難しさやシビアさといったものは全く感じませんでした。
スイートエリアの広さも充分確保されています。
装着されているスピーダーの最新モデルとの相性もバッチリだと思いました。
初球からほぼ真っ直ぐ飛んで行って、最高到達地点にいく寸前あたりで少しだけ左にドローしました。
かなり曲がり幅の小さい、ほとんどストレートといっていいドローボールでした。
我ながら、これはいい球筋だな・・・。これを練習場でなく、試合の為にとっておきたい・・・。と思えるほどでした。
それから、2球3球・・・。と続けて打っていったのですが、同じような球が出て嬉しくなりました。
ただ単に『安定性』『易しさ』というのではなく、『再現性の高さ』が重要になってくると思うのですが、それがこのドライバーにはありました。
いわゆる『易しすぎる』『曲がりにくい』というドライバーではありませんが、この易しさで充分です。
球はしっかりとつかまってくれますが、つかまり過ぎないので、私のようなフッカーでも安心して打っていけますし、もちろんフェードヒッターの方にも合いやすいと思います。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
左右に曲げるのは難しくないですが、それほど敏感に反応するタイプではありませんでした。
大きく曲げるのは難しく、小さい曲がり幅で勝負していくタイプのドライバーだと思いました。
いい意味での『鈍感さ』があり、『マニュアルタイプ』というよりは、『セミオートマチックタイプ』というのが合っているように思います。

色々なクラブを試打していると、今日のように心躍る日もあれば、ずっと淡々と試打して終わる日もあります。
中にはとても強く苦手意識をもってしまい、最初から最後まで試打を楽しめない日もあります。
このドライバーはとても楽しめましたし、気持ちがハッとなり胸がときめきました。
ここまで大きな存在感を示すドライバーは、そう多くありません。

これまで多くのドライバーを試打してきて、あまり変わらないな・・・。前のモデルとも変わらないし、他のメーカーのドライバーとの優位性が見いだせない・・・。と思える物はたくさんあります。
しかし、このドライバーは違います。
はっきりとした違いを見いだせます。
カッコ良さなど、見た目がいいというのもありますが、最大の長所は『飛距離』と断言できます。
その高い飛距離性能に易しさが加わっています。

先ほども書きましたが、プログレスというメーカーは地クラブメーカーとして、まだ歴史の浅いメーカーなのだそうです。
そのメーカーがこんな『エクセレントドライバー』を発表してくるのだから、日本メーカーの層の厚さを感じずにはいられません。
クラブの良し悪しは、メーカーの歴史とは比例しなくなってきています。
もちろん、有名老舗メーカーのクラブも素晴らしい物が多いですが、プログレスのように歴史が浅くてもハイレベルな物を作るメーカーはたくさんあります。
こういった大手メーカー・地クラブメーカー含め、メーカーのレベルの高さ・層の厚さは、間違いなく『世界一』といえるのではないでしょうか?
とはいっても私は、世界はもちろん、日本のゴルフクラブの最新事情に疎いので、はっきりとしたことはいえないのですが・・・。

いつの時代も、ゴルファーは飛距離を求めます。
飛ばすことがゴルフの醍醐味といえます。
ライバルにスコアでは負けても、飛距離だけは絶対に負けたくない・・・。という方も多いのではないでしょうか?
そういった方々には是非、このドライバーを試していただきたいです。
ハイポテンシャルで構えやすく、全体的な雰囲気もいいです。
どちらかといえば、ヒッター向けだとは思いますが、先ほども書きました通り、球はあがりやすいので、タフさは殆ど感じません。
むしろ親しみやすいほうだと思います。
『浅重心ドライバー』が流行った頃、10度のドライバーでもタフな物もありましたが、このドライバーはそんなタイプではありません。
親しみやすくなるよう、かなり研究されているのが、実際に球を打っていて分かりました。
それと、私はそれほど重要視していませんが、このドライバーには調整機能も搭載されているので、それを使えば、さらに自分に合いやすく調整できるのではないでしょうか?
今度機会があれば、色々と調整して打ってみたいです。

購買意欲がかなり強く刺激されてしまいました。
一球打っただけで、「欲しい・・・。」と思いました。
コースでも試してみたいのは勿論ですが、すぐにでも手元に置いておきたくなるくらい、気に入りました。
ここまで心が躍ったドライバーは久しぶりな感じがします。
今年のドライバー・オブ・ザ・イヤーは、あのモデルかな・・・?などといくつか候補が絞られていたのですが、ここにきて、凄いドライバーに出会うことができました。
高い飛距離性能があって、それでいて気難しくなく易しいので、『性格の丸い飛び』というのも魅力です。
今夜の素振りは、もうこのドライバーのことで頭の中がいっぱいで、気持ちの高ぶりが収まらず、なかなか寝つけないだろうな・・・。と思いました。
毎日の暑さによる疲れを、このドライバーが吹き飛ばしてくれたようです。