GTD
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2023年05月05日
GTD Studio455 ドライバー & GTD Blackice the MAX ドライバー

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
先日、この2本のGTDドライバーを打ち比べてみました。
打ち比べたドライバーは GTD Studio455ドライバー と GTD Blackice the MAX ドライバー です。

<上>Studio455 Diamana TB 50
<下>Blackice the MAX SPEEDER NX50
<左>Blackice the MAX のスペック
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は53g、トルクは4.6、バランスはD0.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は301g です。
<右>Studio455ドライバー のスペック
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56.5g、トルクは5.0、バランスはD0.5、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は305g です。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
GTD激飛びドライバーの競演です。
GTDのドライバーを試打した経験はまだ浅いですが、ロースピンの棒球で、強烈な飛距離性能をもつということを肌で感じています。
あの強烈な弾道は忘れられません。
今もスピン過多で悩んでおられる方はたくさんいらっしゃると思いますが、そういった方々には是非試していただきたいドライバーです。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
この2本は同じメーカーなので似通ったところもありますが、当然異なる部分もあります。
シャロー感の強いBlackice the MAXと、ややディープなStudio455といったところでしょうか?
タイプは違えど共通点は『強烈な飛び』です。
そして、どちらもヒッター向けということです。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
ネックは右のStudio455のほうが長いです。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
左のBlackice the MAXは完全なシャロータイプですが、右のStudio455もディープというよりは、セミシャローという印象をもっています。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
当然ながら顔の印象も違います。
どちらもいい顔をしていて、よりコンパクト感のある、Studio455に魅力を感じながらも、大らかさを醸し出しているのは明らかにBlackice the MAXで、それも魅力的です。
両方とも『艶消しクラウン』なので、晴天の日のラウンドでも眩しくなく、ティショットを打つことができます。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
どちらも『激飛び』ドライバーですが、シャフトも違いますし、振り感も少し違います。
2つに共通しているのは、ヘッドのポテンシャルに対して、シャフトは意外とソフトスペックだということです。
個人的には、もっと重量があって、しっかりめのシャフトのほうが、さらに高いパフォーマンスを期待できたように思うのですが、こればかりは仕方ありません。
用意されたスペックで試打するしかなく、なかなか思うようなスペックには出会えません。
どちらも70g台のシャフトにしたら、もっと飛ばせたと思いますし、もし私が購入したら間違いなく違うシャフトを挿します。

Studio455

Blackice the MAX
ボールを前にして構えてみても、両方ともいい感じです。
既に一度試打しているとはいえ、この顔は魅力的で、いい記憶が蘇ってきました。
いろいろなドライバーを試打していると、『飛ぶかどうか分からない』というドライバーが多いなか、この2つのドライバーは既に飛ぶということを自分自身で体感しているので、またあの強烈な弾道を目にすることができるというだけで、気持ちが高ぶってきます。
試打を開始しました。
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<左>Blackice the MAX <右>Studio455
『打感』は少し、Blackice the MAXのほうが、いい感じです。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
『音』は明らかにBlackice the MAX です。
Studio455は時々変な音を発するので、なかなか馴染めません。
違う音の出し方があったと思いますし、それが残念です。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
『球の上がりやすさ』という点では、明らかにBlackice the MAXです。
どちらもHSの速い方向けのドライバーであることは変わりありませんが、Studio455のほうが、より速いHSを求めているのは間違いありません。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
『安定性』も、明らかにBlackice the MAXです。
Studio455は、かなり正直なタイプで、ミスをミスと正直に教えてくれるタイプのドライバーで、私はそこが好きなのですが、一般的にはあまり好まれないのかもしれません。
こうして打ち比べてみると、Blackice the MAXのほうが、かなり大らかで安定性に長けているのを感じます。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
『飛距離性能』はどちらも高く、かなりハイレベルな争いになりました。
易しく安定して飛ばしていけるのは、間違いなくBlackice the MAXです。
安定しているので、『平均飛距離』でも差が付くのではないでしょうか?
ただ、ある程度のHSがある方が『一発の飛び』といいますか、何球か打ち続けて、『最高到達点』に届きやすいのは、Studio455だと思います。
『じゃじゃ馬』的なところがある、Studio455ですが、ポテンシャルの高さはピカイチで、今出回っているドライバーの中でも『異質』といえるくらいのポテンシャルの高さがあります。
かなり強烈な飛びを実現してくれるので他のメーカーの通常のドライバーと比較すると、明らかに『排気量』が違うように感じました。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
どちらもかなり魅力的なドライバーで、楽しく試打できました。
幅広い層をターゲットにしたドライバーではありません。
ある程度ユーザーを絞ったドライバーで、その範囲にある方にとって、かなり頼もしいドライバーといえるのではないでしょうか?
以前も書きましたが、こんなに簡単にスピンを抑えて飛ばしていけるのだったら、わざわざスイングをいろいろと模索しなくても良かったのにな・・・。と過去の自分に渡してやりたいです。
とにかく、スピンをどう減らしていくか、そればかりを考えていたのですが、なかなか上手くいきませんでした。
その悩みが今は、クラブを替えることで簡単に解消される時代です。
クラブに任せるところは任せて、プレイヤーは気持ちよく振っていくだけ・・・。というのがいいですね。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
この2本のドライバーを比較すると、一般的に受け入れられやすいのは、間違いなくBlackice the MAXだと思います。
高い飛距離性能と安定感・・・。
これが大きな武器で、ハードルも高すぎないので、パワーヒッターの方で、大らかさも求めていきたい方には、是非試していただきたいです。
Studio455は、かなり『尖った』ところがあるので、一般受けしづらいかもしれませんが、どうしても昔からこのようなタイプに惹かれてしまいます。
多少の気難しさのようなものがありながら、上手く乗りこなしてやりたいと、ロデオマシンにチャレンジするカウボーイのようなものかもしれません。
ただ、打感や音がもうちょっと良くなればいいのに・・・。という思いが強いので、ディープ好きの私ですが、もしどちらかを選ぶとするならば、迷わずBlackice the MAX を選びますし、友人たちにも勧めたいです。

<左>Blackice the MAX <右>Studio455
14本のクラブの中でドライバーが最も飛距離を稼げるクラブではありますが、それもメーカーやモデルによって性能がまちまちです。
この2本のドライバーのようにトップ中のトップにいるドライバーはやはり凄いな・・・。と思いましたし、改めて飛ばすことは楽しいと感じさせてくれました。
今は大手有名メーカー(特に海外メーカー)の人気が高いようですが、改めて日本の、そして地クラブメーカーの優秀さを感じました。
大手有名メーカーのクラブも素晴らしいですが、より細かく絞り込んで自分に合うドライバーを探すとなると、地クラブメーカーに行き着くのかもしれません。
GTDの凄さを再認識した一日でした。
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2023年04月13日
GTD Blackice-FW

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは 三菱ケミカル Diamana Thump FW です。
ロフトは17.5度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は66g、トルクは3.6、バランスはD1、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は332g です。

GTDの、とてもカッコいいFWです。
先日、ミニドライバーを試打しましたが、今回はフェアウェイウッドです。
ソールのデザインがよく似ていて、ぱっと見では見分けが付きません。

シャロータイプで今のFWらしい形状です。
クリークということもあり、よくあがりそうです。

ソールには2つのウェイトが配置されています。

ヒール側

トゥ側
どちらも『4』という数字があるので、おそらく4gだと思います。
専用の工具は必要なく、ホームセンターなどで売られている、六角レンチで簡単に取り外せそうです。
他にも、いろいろな重さが用意されているのでしょうか?

ソールには溝があり、これはミニドライバーやBlack ice The MAXドライバーと同じです。

溝は浅いです。
この浅さが絶妙なのかもしれません。
ミニドライバーも凄いですが、それよりも特にBlack ice The MAXドライバーは強烈なパフォーマンスを発揮してくれ、強烈な印象として残っています。
そのシリーズのFWということで期待が持てます。

適度なネックの長さがあります。
最近は短いものが多かったので、このクラブは美しいな・・・。と思いました。
短いものには『短いなり』の利点もあると思うのですが、どうしても『頭でっかち感』が出てしまうこともあり、バランスが狂ってると感じることもあります。
重量バランスが下(ソール)にいけばいくほどいい・・・。というものではなく、『適度な高さ』があると、これまでの経験上感じています。
重心が低ければ低いほど、そして深ければ深いほどいい・・・。というものではありません。
なので、適度な長さのある、このクラブは好感が持てました。
クラブを見るとき、このクラブの重心はどこにあるんだろう・・・?と、よく推測していますが、今のクラブはヘッド内部にウェイトが組み込まれていることも多いので、外見だけでは分かりません。
ネックには調整システムが搭載されておらず、少し意外でした。

『Designed at TamaCity Tokyo Japan』ということで、東京多摩市で設計されたということでいいのでしょうか?
地クラブメーカーといえば、兵庫県や新潟県・愛媛県・福岡県・富山県などの有名メーカーが浮かびますが、考えてみれば東京だって地方のひとつです。
東京の地クラブメーカーもJBEAMという素晴らしいメーカーがあり、日本は地クラブメーカー天国といえます。
こんな優れた国は、世界中探しても無いのではないでしょうか?

フェース面はシンプルで美しいです。
このフェース面を見ているだけで、弾きが良くて重そうな球がイメージとして浮かんできます。

よく見られるシャローバックです。
この角度からだと、クラウン中央付近が盛り上がっているように見えます。

艶消しの美顔です。
昔は、こういう美顔がたくさんありました。
艶消しなのは、先日試打したドライバーたちと同じです。
GTDのクラブをそれほど試打していないので詳しいことは分かりませんが、艶消しで統一されているのでしょうか?
私は艶消しヘッドが昔から好きなので、好感度もあがります。
ミニドライバーと似たところが多いな・・・。と思っていましたが、顔という点では、こちらのほうが私は好きです。

どうやら、カーボンコンポジットではないようです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
ハードな印象はないシャフトですが、挙動も比較的安定していてタイミングもとりやすいです。
数回素振りを繰り返して、感覚をつかみました。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
整った顔と艶消し。
全体的に男前で、バルジが真っ直ぐに近く、いい味を出しています。
構えたときにちょうど日の光が射していましたが、眩しくありません。
違和感も無く、いいイメージが湯水のごとく湧き出てきました。
試打を開始しました

『打感』は良いです。
長く余韻が残るタイプではなく、小気味良くて後に残りません。
音符でいうところの、8分音符といったところでしょうか?
8分音符に『スタッカート』が付いた感じかな・・・?などと考えていました。
軽いというよりは、しっかりした打感ですが硬くなく、打っていて楽しいです。

『音』もなかなか良いです。
心地よい金属音で、高すぎず大きすぎず気持ちよく振っていくことができました。

クリークということもあり、球はよくあがってくれました。
直打ちでも充分あげていけるクラブです。
この形状らしいあがりやすさがありますが、ヒッター向けなのは間違いありません。
それはあげにくいというのではなく、ある程度HSがあったほうが、このクラブのもつ高いポテンシャルを発揮しやすいと感じたからです。
直打ちでも充分あげてくれましたが、ティアップしてもすごくいい球を放ってくれました。
これはコースでもティショットで使えます。

『安定性』は、なかなかいい感じです。
シビアさは感じませんが、曲げにくいと感じられるほどの高い直進性は無いように感じました。
大らかさがありながらも、『頑固』に感じられるほど真っ直ぐにこだわった感じはしません。
直線だけでなく、曲線で勝負していくことができます。

『飛距離性能』は、とても高いです。
今流通している5Wの中で間違いなくトップクラスといっていいのではないでしょうか?
すごく良く飛ぶので、5Wということを忘れて、3Wで直打ちしているような感覚がありました。
アイアンではずいぶん前から、『番手ずらし』が行われていますが、FWでも、このように飛びに長けたクラブが登場しているので、番手ずらしが当たり前になっています。
クリークは好きだけど、スプーンは苦手・・・。という方もいらっしゃると思いますが、そういった方に、このクラブを是非試していただきたいです。
あがりやすくて、かなり飛距離が望めるので、好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?

『操作性』は良いです。
左右に曲げるのも難しくなく、マニュアルタイプに近い印象をもちました。
私はフッカーなので、ほぼ全てのクラブ(逃がし顔でも)で左に曲げるのは易しいので、あとはどう右に曲げていくか・・・。ということが大きなポイントになるのですが、このクラブは上手く反応してくれました。
ただ、基本的には球の捕まりがいいクラブです。
クリークということもあり、ロフトが寝ているので、さらにつかまりやすくなっています。
球の捕まりがいいFWが欲しいけど、強いフックフェースは苦手だ・・・。という方は合いやすいと思いますし、このクラブのバルジに好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
ヘッドの大きさはそれほどなく標準的で、どちらかというとマニュアル系という印象をもちました。
強弾道で高弾道という、『二度美味しい』クラブといったらいいでしょうか?
この高さと強い弾道は、多くのゴルファーに勇気を与えるような気がします。
高くあがるけど、弾道が弱い・・・。あるいは球は強いけど、球があがりにくく、安定して高さを出せない・・・。という親しみづらいクラブではありません。
試打後の感想

先日試打したドライバー同様、ポテンシャルがかなり高くて気に入りました。
シブめのデザインで、いかにも高い能力をもっていそうですが、実際もそうでした。

これまで、派手なデザインで目を引きながら、実際に打ってみると魅力に乏しいクラブというのは結構ありました。
それは弾道の伸びが足りなかったり、途中から吹き上がってしまって大きく距離をロスしてしまったり・・・。と様々です。
昔は多少自分に合わなくても鉛で調整したり、リシャフトをしたりして、何とか自分に合わせようとしたものですが、今はフィッティングして購入するのが当たり前になっていて、最初から自分に合わせた調整が可能になりました。
結果的に無駄な出費が抑えられますし、それがパーツ販売の長所です。

クリークらしく球はあがりやすいけど、『適度なロースピン』。
しっかり高さがでていながら、無駄なスピンが抑えられていて、確実に飛ばしていけるクラブです。

先ほども書きましたが、スプーンに苦手意識をもっておられる方には是非試していただきたいFWです。
今はスプーンを抜いて、ドライバー・クリーク・7ウッド・ユーティリティ・・・。といった流れも普通に見られるようになりました。
いわゆる『1・3・5』ではなく、『1・5・7』です。
型にはまったセッティングではなく、自分の得意なクラブでそろえるべきだと私は思います。
18ホール回って、一回も使わなかったクラブがある・・・。という経験をされた方は多いのではないでしょうか?
私はたくさんあります。
得意な番手とそうでない番手との差が大きすぎて、どうしても偏ってしまう・・・。という方もいらっしゃると思います。
クリークは易しくてそこそこ距離も出せるクラブなので、コースでも使い勝手がいいですが、このクラブの場合、飛距離は『そこそこ』ではなくて『バリバリ』です。
なので、アグレッシブで飛びを優先したい方にも頼もしい相棒になってくれると思います。

見た目のカッコ良さから、好感度がどんどんあがっていき、実際に打ってみると、さらに爆上がりしました。
よく飛ぶけど上がりにくくて親しみづらい・・・。というクラブではありません。
適度なあがりやすさを維持しながらも、飛距離性能が特に優れた5Wです。
練習場ではいくら飛ばしても、特に問題は無いですが、コースで(例えばパー5でツーオンを狙うとき)は飛ばしすぎて、グリーンをオーバーしてしまうかもしれません。
なので、自分なりの距離を掴んでおく必要があると思います。
それくらい、このクラブの飛距離性能が凄いです。
『カッコ良さ』『あがりやすさ』『飛距離』を求めていきたい方には、パズルで残り1つのピースが合うように、ガチッとハマりやすいのではないでしょうか?
今は性能がモヤッとしている・・・。といいますか、特長を見いだせないクラブもありますが、このクラブははっきりしています。
一番の特長は『飛距離』です。
たくさんのクラブを試打していると、このクラブは練習場ではいいけど、コースではどうかな?と思えるクラブもあり、その逆で練習場ではダメでも、コースでは活躍してくれそうだな・・・。と思えるクラブもあります。
そして、練習場で凄くいいだけでなく、コースでも大活躍してくれそうだな・・・。と思えるクラブもあり、そのひとつが、このGTD Blackice-FWというフェアウェイウッドです。
無駄なスピンを抑えて確実に飛ばしていきたい方には、試してみる価値があるのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2023年04月05日
GTD M.D.280ミニドライバー

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは FUJIKURA Speeder EVOLUTION V FW です。
ロフトは13度、クラブ長さは43.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は66.5g、トルクは4.0、バランスはD1.5、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は318g です。

GTDの新しいドライバーです。
先日、Black ice The MAXとStudio455を試打したのですが、今回はまた違うモデルです。
名前に『mini』と付いている通り、ヘッドがコンパクトでシャフトも少し短めです。
昔なら普通のスペックですが、今は460ccが当たり前になっているので、小顔に見えます。
ヘッド体積は280ccということで、メタルからチタンへと移行していく時代のサイズです。
ドライバーだけでなく、全てのクラブのヘッドは大きければ大きいほどいい・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私はコンパクトな顔が好きなので、このクラブには好感が持てました。
長さも少し抑えているのもいいです。
これまでの経験上、少しでもHSを速くするためにルールギリギリまで長くして、結果その長さをもてあまして振り切れないよりも、少し短めでも気持ちよく振り抜いていけるほうが、確実に距離が伸びます。
長いと、どうしても『当てる』スイングになりがちですが、やや短めだと『振る』ということが簡単になり、結果的にミート率もあがり、方向性も安定するので、実戦向きといえます。

ソールの形状はStudio455と似ています。
コンパクトなヘッドでありながら、適度に厚みがあるのがいいです。

ソールには溝があります。

溝の深さも適度にあり、ヘッドの大きさとあまり関係ないのかもしれません。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側にはそれぞれウェイトが配置されています。
『4』という数字が刻印されているので、4gでいいと思うのですが、これも同じです。
ヘッドが小さいと、それだけウェイトの重量比率が高まると思うのですが、それもメーカーの狙いなのかもしれません。

ネックの長さは適度にあります。
私好みの長さで、いい感じだな・・・。と思わず笑みがこぼれていました。
私はクラブを見るたびに感情が表に出てしまうので、端で見ていると気持ち悪いかもしれません。
普通はクラブを見ても表情が変わらないと思いますが、私はどうしても感情といいますか、気持ちが出てしまいます。
好みでないときは『淡々と』。
好みであれば、目尻が下がり、笑みがこぼれてしまいます。
このクラブは好みなので、笑みがこぼれましたし、いいインスピレーションが湧いてきました。
ネックには調整システムが搭載されていて、過去のモデルと同じです。

試打するのは、この『N』ポジションです。

NU

R

L
他にはNU・R・Lがありました。
色々と試してみたいですが、まずはこのN(おそらくニュートラルという意味だと思います)で試すことにしました。

フェース面はとても綺麗です。
姉妹モデルもそうでしたし、GTDなので綺麗だという予想はしていましたが、その通りの綺麗さ・シンプルさに好感を持ち、さらにテンションがあがりました。
弾きが良くて、力強い弾道がイメージできます。
フェース面を見ると、叩きたくなるものと、その逆に叩きたくないモデルがあり、このクラブは前者です。
また少数派ではありますが、ドライバーによっては、フェース面が『ピカピカのミラー仕上げ』になっていて、綺麗ではあるのですが、滑りそうな印象を与えるものもあります。
私はどちらかというと、そういうタイプよりも、このクラブのような『ザラザラ感』といいますか、『非光沢感』の質感が好きです。
もうだいぶ散り始めていますが、桜や菜の花がとても綺麗ですし、近所のお宅ではチューリップが栽培されていて、それもとても綺麗で心が癒やされるのですが、このフェース面にも心を落ち着かせる美しさがあります。
ミーリングなど、特殊な工夫は見られませんが、この綺麗なフェース面を思いっきり楽しみたい・・・。と思いました。
『静かなる豪打』という言葉が、このフェース面を見ながら浮かんできました。

見慣れたシャローバック形状です。
この形状・そして大きさから、ドライバーというよりはフェアウェイウッドの印象のほうが強く感じられます。

なかなかいい顔をしています。
思わず見とれてしまうような美顔ではないですが、無難で違和感の無い顔です。
他のドライバー同様、この艶消しがたまりません。
カーボンクラウンではないようです。
カーボンクラウンはどちらかというと、『艶有り』の印象が強いですが、昨年はBALDOのFWが美しい艶消しカーボンクラウンだったので、一概に艶有りしかないということではありません。

軽量タイプのシャフトですが、素振りを繰り返し、慣れることができました。
走り系のシャフトとの相性も良さそうです。
最近はラージサイズが主流となり、『つかまり』を重視するようになったからでしょうか?
粘り系のシャフトは少なくなったように思います。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
構えづらくはないですが、私としてはもう少しコンパクトさが欲しかったです。
特に、ヘッド後方が少し伸びていて、直進性をイメージさせますが、そこが少し気になりました。
しかし、このような顔はこれまで何度も見てきているので、特に違和感などもありません。
構えづらくはないですし、苦手意識も芽生えてきません。
ただ単に見とれることはなかったということです。
ハイロフトで、フェース面がよく見えあがりやすそうです。
逃がすイメージを出させてくれ、私としては好感度がアップしました。
つかまるイメージを強く持ちたい方は、少し右に行く感じがするかもしれません。
試打を開始しました

『打感』は良いです。
ボヤけたところは無く、はっきりしています。
ソフトというよりは、ややしっかりめですが、好感が持てる打感です。

『音』は大きすぎず、高すぎず、いい感じで、気持ちよく振り抜くことができました。

球はあがりやすく、タフな感じはしません。
構えたときに見えたフェース面がそのままあげてくれているような感覚です。
打ち出しが高く、直打ちでもじゅうぶんあがってくれますが、どちらかというとヒッター向けだと思います。

『安定性』は高く、シビアさは全く感じません。
初球から、ほぼストレートの球を打つことができました。

『操作性』という点では、私はフッカーなので、ほぼ全てのクラブで左へ曲げるのは易しいので、あとは『どう右に曲げていくか?』ということが大きなポイントになると思うのですが、このクラブは直進性があり、あまりサイドスピンが掛からないタイプのようで、大きく右に曲げるのは難しく感じられました。
小ぶりなヘッドではありますが、どちらかといえばオートマチックタイプの『強弾道』&『高弾道』で攻めていけるクラブだと思います。

『飛距離性能』はとても高いです。
初速が高く、弾道もパワフルです。
これはいいFWだな・・・。と思っていたのですが、よく考えたら、このクラブは『ドライバー』という名前が付いていました。
そうだ、ドライバーだったんだ・・・。と、いつの間にか、このクラブの見方が変わってしまっていました。
それは、このクラブのコンパクトなヘッドと、ロフトが関係しているのは間違いありません。
実際に球を打っていたとき、私はスプーンどころか、クリークのつもりで打っていました。
それくらい、球が高くあがっていったからです。
今のクリークは本当によく飛ぶな・・・。と思いましたが、このドライバーはあくまでも『ドライバー』というカテゴリーのようです。
しかし、それがあくまでもメーカーが決めたことであり、我々プレイヤーは必ずしもそれに従わなければならないということはありません。
FWとして使いたければFWでいいのです。

そうだった、このクラブはあくまでも『ドライバー』だったんだ・・・。と思い、今度はティアップして打ってみたのですが、やはりよく上がってくれますし、距離も稼げました。
ドライバーとして認識してもいいですが、距離に関しては『よく飛ぶブラッシー』といったところでしょうか?
私はずっとクリークのイメージで打っていたのですが、それくらい球がよくあがってくれ、直打ちにも対応してくれる懐の深さを感じました。
パー5のホールで、ティアップして、通常のドライバーのようにティショットをして、2打目は直打ちでグリーンを狙っていく・・・。ということもあり得るのではないか?と思いました。
500ヤード以上のパー5を、たった一本のクラブで、しかも2回振っただけで乗せてしまう・・・。といったミラクルも起こせるかもしれません。
試打後の感想

これ一本で、ドライバーからクリークまでをカバーできると思います。
ドライバーの飛距離と、クリークのあがりやすさをもったクラブです。
そして球も安定している・・・。

13度というロフトは私の中では『パワースプーン』か、『ブラッシー』ということになります。
9~11度くらいのロフトではうまくいかないから、あまり使いたくない・・・。という方はいらっしゃると思います。
13度のロフトをドライバーとして使っていくのもいいと思いますし、あえてブラッシーやスプーンとして使っていくのもアリなのではないでしょうか?

『直打ちに強いドライバー』
『よく飛ぶスプーン』
そういった認識でもいいと思います。
ラージサイズではないですが、コンパクトヘッドの利点を多くの方が実感されるのではないでしょうか?
必ずしもルールギリギリの460ccがベストな大きさではないと認識される方も多いと思います。

今は多くのゴルファーのセッティングがミスマッチになっているのではないでしょうか?
ドライバーばかりヘッドが大きくなって、アイアンやウェッジは昔から変わらない。
つまり『重心距離』が合っていないということです。
だから、ドライバーの調子がいいときはアイアンがダメで、その逆もあります。
しかし、このようなコンパクトなヘッドをドライバーとして使っていくことにより、アイアンなどの精度があがり、ベストスコア更新といったこともあり得るのではないでしょうか?
セッティングにおいて、一本だけ特殊な存在というクラブがあるのではなく、14本のクラブ全てに共通点や関連性があり、バランスがとれているということが大切なのだと私は思います。
ドライバーを打つとアイアンの調子が悪くなる・・・。というのでは実戦では使えません。
ドライバーを打ちながら、アイアンも調子がいい・・・。というのが理想です。
私は今のエースドライバーを、もう10年以上使っていますが、それは飛距離が出るとか、操作性がいい・・・。
構えやすくて打感や音などもいい・・・、ということもありますが、それ以外にもアイアンやウェッジとの相性が良く、ドライバーの調子がいい日はアイアンも調子がいいので、助かっています。
ドライバーのヘッドが大きすぎないというのが、アイアンとの相性の良さにつながっているのだと思います。

私の中では『よく飛ぶFW』ですが、ドライバーとしても非常に優秀です。
今使っているドライバーよりも短くてヘッドもコンパクトだけど、実際に打ってみると、このドライバーのほうが飛んだ・・・。ということも充分あり得るのではないでしょうか?
どのようなセッティングにしても問題はないですし、あくまでもプレイヤー自身が決めることが大切だと私は思います。
自分の長所を活かすセッティングもアリだと思いますし、苦手な距離を克服するために、一本ではなく、複数のクラブでカバーしていく・・・。ということもアリです。
14本以内というルールがあるので、ひとつのクラブでいろいろな働きをしてくれると非常に助かります。
野球に例えれば、内野も守れれば外野も守れる。
また非常事態ではキャッチャーもできる・・・。
俊足で代走もいける・・・。といったプレイヤーのことです。
そういった選手がひとりでもベンチに入っていると、もしものときのために安心できます。
このクラブはまさにそんな存在ではないでしょうか?
ヒッター向けなのは間違いないですが、親しみやすい性格をしているので、多くのゴルファーから支持を集めるように思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2023年03月31日
GTD Studio455ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは 三菱ケミカル Diamana TB 50 です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56.5g、トルクは5.0、バランスはD0.5、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は305g です。

GTDのとてもカッコいいドライバーです。
先日試打したBlack ice The MAXがすごくいいドライバーなので、その姉妹モデルを手にすることができるということに嬉しさがこみあげてきました。
つくづく、ゴルファーとゴルフクラブって『縁』だな・・・。と思わずにはいられません。
世の中に数え切れないほどたくさんのクラブがあり、一生手にすることのないクラブはたくさんあるなかで、こうして手にすることができたということは、それだけ縁があったということなのだと思います。
春は別れの季節でもあり、出会いの季節でもあります。
たくさんの素晴らしい仲間やクラブに出会えた私はとても幸せなゴルファーです。
私はゴルフクラブを、ただ単にボールを打つための道具とは見ておらず、『大切な相棒』であり、ときには『唯一の味方』『コーチ』『友』のような存在です。
クラブのおかげでいいスコアが出せたり、ナイスショットができ、良いクラブ(自分と相性の良いクラブ)との出会いがゴルフライフを豊かにするといっても過言ではありません。

『塊(かたまり)感』のあるヘッドです。
今はシャロー全盛なので、少数派なのは間違いないですが、今でもこういうタイプを必要としておられる方はたくさんいらっしゃると思います。
最近はパワフルシャローも増えていて、昔のような頼りなさは感じにくくなりながらも、やはりディープが一番という方も多いのではないでしょうか?
この独特なデザインは目を引きますし、印象に残りやすいです。
これまでたくさんのクラブに出会ってきて、中には『この工夫は要らないだろう』『意味が無いだろう』と思えることもありましたが、このクラブを見ていると、全て必要な工夫のように感じられます。
何となくですが、以前試打した ESTIVANT ES 460D というドライバーを思い出しました。

ソールには二本の溝があり、Black ice The MAXと同じです。

溝も浅く、同じです。
シャローとディープの違いはありますが、同じコンセプトで開発されているのでしょうか?

ソールにある、この突起物はインパクト大です。
どのような意味があるのでしょうか?
空気力学によるもので、これによって空気抵抗が減らされるのかもしれないですし、単なるデザインなのかもしれません。

トゥ側

ヒール側
Black ice The MAXと同じく、トゥ側とヒール側にはウェイトがひとつずつ配置されています。
『4』という数字が刻印されていたので、重さも同じようです。

ネックの長さは適度にあります。
こうして見ても、このクラブの『形状的な美しさ』を感じ、しばらく見とれていました。
何とも言えない、いい雰囲気があります。
昔から、このような『ビューティフルディープ』ドライバーはありますが、久しぶりに見て、やはりいいな・・・。と思いました。
シャローが易しくていいのは分かっていながらも、どうしてもこのような形状に惹かれてしまいます。
上手く打てないのはクラブのせいではなく、全て自分の技量不足だという思いをビギナーの頃から私はもっているので、クラブに対して臆することはありません。
このような美しいクラブに出会うことができたことに感謝です。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『N』のポジションです。

R

NU

L
他にR・NU・Lの3種類がありました。
どうやらライ角を変えられるようです。
海外メーカーの調整システムと比べると少しシンプルな感じがしますが、これくらいで充分なのかもしれません。
調整システムも大切ですがもっと大切なのは自分に合ったシャフトを選ぶということです。
そしてシャフトとヘッドの相性も重要です。

フェース面はシンプルでとても綺麗です。
Black ice The MAX同様とても美しく、Black ice The MAXはスコアラインが白く色づけされていましたが、このクラブにはそれが無く、IP加工されているような雰囲気があります。
この綺麗なフェース面を見るだけで目の保養になりますし、気持ちも盛り上がってきます。
どういえばいいか分かりませんが、脳を活性化させてくれているようで、すごくいいイメージが浮かんできました。

最初に見たときは『塊感』があり、ディープタイプという認識をもっていましたが、この角度から見ると、私はディープというよりも『セミシャロー』くらいが適正なのかな?と思ってしまいます。
もちろん今のクラブの中では明らかにディープですが、私は昔のクラブをたくさん見てきているので、それらと比べるとセミシャローというほうがしっくりきます。

ギュッと引き締まった顔がたまりません。
ヘッドの色も収縮色でありながら、『艶消し』なので、さらに引き締まって見えます。
でも最初見たときはディープでありながら結構大きく見えて、『ルール上限(460cc)のディープ』なのかな?と思いました。
しかし、おそらく名前通り『455cc』なのではないでしょうか?
こういう丸顔は飛ばしに対して高いポテンシャルをもっていると経験上感じます。
少しJBEAM顔にも似ているように見えたからです。

艶消しクラウンは好感が持てます。
そして、このクラブもカーボンクラウンではないようで、『極限までの低重心』は求めていないのかもしれません。
低重心がベストで、重心を低くすればするほど球があがりやすくなって易しいのではないか?と思っておられる方もいらっしゃると思いますが、必ずしもそうではなくて、人によって適した重心の高さは変わってくるように思います。
なので、必ずしもディープが難しいということではないですし、ディープフェースだと、フェース面を縦に使えるのが実戦で役に立ちます。
シャローフェースでは薄すぎるので、それはできません。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
クラブ全体では、私の感覚では『やや軽』くらいの重量なのですが、軽さが主張し過ぎていないですし、シャフトも結構しっかりしています。
硬さは感じないのですが、シャフトの外に膜が張られていて、その膜でしっかり感を出しているという感じ・・・。といったらいいでしょうか?
シャフトによっては『芯』といいますか、『骨格』のようなものを感じることもありますが、このシャフトの場合は内部ではなく、『外部』に何か感じるものがありました。
シャフトの動きに『余計なすき間が無い』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
私は昔、ZR-30というドライバーに『青マナ』を挿して使っていたことがあるので、全く世代の違うディアマナだとは知りつつも、懐かしさを感じました。

ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じです。
ボールを前にすると、適度に小ぶりな感じがし、精悍さも増します。
ロフト(10度)もあると思いますが、フェース面がよく見えたので、好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
以前も書きましたが、私はウッド系のクラブ(特にドライバー)にはなるべく『絶壁感』が欲しく、垂直に近いイメージが欲しいです。
低く抑えるイメージが欲しいということもありますが、これまで『ボールの上がりすぎ』『スピン過多で吹き上がる』という苦い経験をたくさんしてきたからなのかもしれません。
しかし、このクラブはフェース面が見えますが、それが見えすぎないのがいいです。
あと細かいことをいえば、少し『アゴ』が目立っていたので、これももっと目立たなくなると嬉しいのですが、ロフト(10度)を考えると仕方ないのかもしれません。
もし、私が自分の好みを100%反映させるドライバーを作るとするならば、もう少し『アゴの見え方』を工夫するように思いますし、製造工場に何度もダメだしを出して、工場の人を困らせるかもしれません。
全体的に見れば『無難』な顔ですが、ただ単に見とれるような顔ではないということです。
Black ice The MAX同様、バルジがとても絶妙です。
適度に丸みを帯びていて、パーシモン世代にはたまりません。
バルジが真っ直ぐなほうが好きだという方はとても多いと思いますが、バルジが真っ直ぐだからボールも真っ直ぐ飛ぶというものではないので奥が深いところです。
試打を開始しました

一球打って、この『異音』にびっくりし、ガッカリしました。
『意気消沈』といったほうがいいかもしれません。
こんな音を予想していなかったからです。
以前、GTD Code K ドライバーを試打したときに、その異音が全く好きになれなかったのですが、その苦い記憶が蘇ってきました。
先日試打したBlack ice The MAXも音がちょっと独特でしたが、ここまでではありません。
『シャロー』『ディープ』の違いはあれど、ヘッドにはたくさんの共通点がありますし、フェース面も似たようなデザインなので音も同じだろうと思っていたのですが違います。
初球から私はミスヒットしてしまったのもあるのですが、いきなりの音でびっくりしました。
それから次も打ってみたのですが、今度は高めの『ポコン』という感じの音でした。
続いて3球目を打ってもまたミスをしてしまい、違う高さの異音が出ました。
ミスヒットしたときの音のレパートリーが広いドライバーだな・・・。と思いました。
その後、何球か打ち続けて安定してきて、ようやく音が少し収まってきたのですが、それでもこの音は好きになれません。
『高めの金属音』でも、受け入れられる音と、そうでない音があります。
ナイスショットしたときには少し収まるものの、ミスヒットしたら、この異音を覚悟しなければならないのか・・・。と思うと、嫌になります。
音も大きく、周りが気になりますし、この音を発したくないのでインパクトも緩んでしまいました。
スイング中はずっと『アクセルを踏み続ける』ものだと思いますが、今日は『アクセルから足を離す』あるいは逆に『ブレーキを踏む』という感覚です。
音はこうでなければならない・・・。という厳密な好みは無く、ある程度無難な音であればいいのですが、このドライバーの発する音には全く好感が持てませんでした。
むしろはっきりいって苦手です。
メーカーも、あえてこの音にしたのでしょうか?
私には理解できないですし、もし私がデザイナーならストップをかけていたと思います。
ナイスショットしたときと、ミスショットしたときの『音の差』があまりにも大きいです。

『打感』は普通です。
『可もなく不可もなく』といったところでしょうか?
ソフトというよりは、しっかりめで球の質感も感じられながら、どこか物足りなさを感じていました。
しかし、それはこのドライバーに対する期待値が最初から高過ぎなのかもしれません。

『球の上がりやすさ』という点では、かなりタフなドライバーです。
ロフトは10度ということですが、だいたい『8度から8.5度』くらいの感覚をもちました。
ヒッター向けというよりは、明らかに『ハードヒッター向け』です。
幅広い層をターゲットにしたクラブではありません。
以前、ディープなドライバーでも、昔のクラブと比べるとずいぶんとあがりやすくなっているな・・・。と感じたことがあるのですが、このドライバーはそれらとは全く違います。
見た目通りのタフなドライバーです。
HSはできれば47以上はあったほうがいいのではないでしょうか?
50以上あれば尚更いいです。
装着されているシャフトにもよりますし、調整システムを使えば多少は変えられるのかもしれませんが、45くらいでは厳しいかもしれないですし、このドライバーのもつポテンシャルの高さは発揮しづらいかもしれません。
ロフト10度ではありながら、弾道は抑え気味で、強いライナー系の球が打てるドライバーです。
人によって好みが分かれるところだとは思いますが、私は高~い弾道よりも、このようなやや低めから中間くらいのライナー系が一番好きなので、好感が持てました。
『スピン抑制ドライバー』といっていいように思います。
かなりスピンが抑えられていて、吹き上がりを気にせず思いっきり叩いていけます。

『安定性』という点では、小ぶりなこともありますし、それほど寛容さは無いかもしれません。
初球からミスヒットして、異音をたくさん聞いてしまったのですが、音の印象ほど球筋は乱れず安定していました。
ただミスヒットしたのは音を聞いただけでも分かるので、球がほぼ真っ直ぐ飛んでも嬉しくありません。
オートマチックタイプのドライバーではないので、高い直進性を求めておられる方には合いづらいところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は、かなり高いです。
ナイスショットしたときの飛距離は『ズバ抜けている』といっていいように思います。
やや抑えた弾道。
スピンが抑えられながらも高初速で力強い球が打てるドライバーで、風の強いシーサイドコースでは、このような低弾道・低スピン系ドライバーが大活躍しそうです。
HSはあるけど、どうしてもスピンが多くなりすぎてしまう・・・。とか、高くあがりすぎて距離をロスしてしまっている・・・。という方には、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
とても易しくスピンを抑えた球が打てるドライバーです。
このポテンシャルの高さは、今流通しているドライバーの中でも、間違いなくトップにいると思います。
先日試打したBlack ice The MAXは『現役最強』だと思いましたが、よりパワーのある方には、こちらが『現役最強』ドライバーといっていいのかもしれません。
パワーヒッターゴルファーで、この音が気にならない方には、是非お勧めしたいドライバーです。

『操作性』という点では、なかなかいい感じです。
球が自然につかまるタイプではないので、スライサーの方には厳しいかもしれません。
左右に曲げるのは比較的簡単でしたが、私はドロー系のほうが自然に感じられました。
小ぶりなヘッドがもつ、反応の良さが感じられ、プレイヤーそれぞれの持ち球を打ちやすいドライバーだと思います。
今は不自然に感じられるほど、つかまりがいい・・・。といいますか、『つかまりすぎ』のドライバーも少なくないですが、このドライバーにはそういった不自然さのようなものは感じませんでした。
試打後の感想

硬派なドライバーで、飛距離性能が最大の長所です。
しかし幅広い層をターゲットにしていないので、このドライバーに恩恵を受けるゴルファーは限られてくると思います。

先ほども書きましたが、私はこのドライバーの発する音が好きになれず、とても残念でした。
メーカーは、この音が最適と判断しているのでしょうか?
私は全く馴染めません。
初球から異音を聞いてしまったので、私のテンションは爆下がりでした。
今はミスヒットしても、それを音で感じさせないクラブが多いですが、昔は結構ありました。
そんな特徴が、このクラブにはあります。
スピン抑制機能が高く、弾道も高くあがりづらいドライバーなので、ハードルの高さがあるドライバーだとは思いますが、私はそれよりもこの音が、一番ハードルが高く親しみづらいです。
異音をなるべく抑えるために、最初から最後までミスヒットせずに、ずっとナイスショットをしなければなりません。
そんな高い技量は私には無いので、このドライバーにはあまり親近感がもてませんでした。
私には気難しいドライバーです。
練習場を変えると『音』も変わることがあるので、次に試打するときは違う練習場で試してみようと思います。

私には全く馴染めないといいますか、はっきりいって苦手な音ですが、この甲高くて大きい独特な音が好きだという方もいらっしゃるかもしれません。
私は試打しながら、このヘッドの中に消音材を入れたら少しは改善されるかな・・・。と思っていました。
音はとても重要です。
このドライバーの飛距離性能はとても高いですが、この音が邪魔をしているように感じました。
聞き惚れるような音でなくてもいいので、もっと抑えられた無難な音だったら、さらに飛距離を伸ばせたと思います。

良い部分とそうでない部分がはっきりしたドライバーです。
最近は全体的にバランスのとれたドライバーも多くなりましたが、このドライバーは偏っています。
また次のモデルに期待したいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2023年03月29日
GTD Black ice The MAXドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは FUJIKURA SPEEDER NX50 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は53g、トルクは4.6、バランスはD0.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は301g です。

久しぶりに出会った、GTDのドライバーです。
試打した数はまだ多くないですが、とても好感を持っています。
高級感のある、美しい質感。
そして何より、あの強烈な飛距離性能が今も忘れられません。
GTD GT455 Plus ドライバーが一番印象深いのですが、このドライバーのもつポテンシャルはとても高く、そのようなドライバーを発表するメーカーに興味をもたないわけがありません。
私は球を打つ前に、まずは『目で楽しみたい』というタイプなのですが、このドライバーはとても楽しませてくれていますし、いい目の保養ができています。

ラージサイズ&シャロータイプで、この大きさや形状が今は最もポピュラーです。
全体的な質感も良く、チープさは全くありません。
こういう高級感あふれるクラブを手にすると、こちらのテンションも爆上がりです。
こうして見ても、いろいろな工夫が見られますが、ゴチャゴチャ感はなく、逆に機能美を感じさせます。
センスのいいデザインだな・・・。と思いながら見ていました。

ソールにある、この溝がとてもインパクト大です。
1本ではなく、2本というところに大きな意味があるのかもしれません。
通常は1本の大きくて深い溝だと思うのですが、このような細くて複数本ある溝は、以前試打したONOFFのドライバーを思い出します。

溝は浅めです。
強度の問題もありますし、深ければいいというものではないのだと思います。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側にはそれぞれウェイトが配置されていて、どちらも『4』という数字があったので、4gということなのだと思います。
トゥ側を軽くして、ヒール側を重くすることで球のつかまりを良くするのも、これまで見てきましたが、このドライバーは同じ重さです。
いろいろな重さが用意されているのでしょうか?
易しくする為に、ウェイトの重さを変えたり、移動させたりすることができるようになりましたが、そうすることによって、重心もずれてくるので、必ずしもいいとはいえないですし、却って振りにくくなることもあります。
手に持ってみて、そして振ってみて、違和感があったら、自分の感覚に合っていないのかもしれません。
人の感覚はとても鋭いものです。

『Black Ice The Max』という文字が格好いいです。
最大の黒い氷ということなのでしょうか?
意味がよく分かりませんが、カッコいいですし、クラブの名前にIceが使われているのが珍しいな・・・。と思いながら見ていました。
氷のように冷たく冷静に・・・。ということなのでしょうか?
しかし私には、このドライバーがとてもHOT(熱い)に見えてしまいます。

By George Takeiの文字もカッコいいです。

GTDのマークもいい存在感を放っています。

ネックは短めですが、今のドライバーでは見慣れた長さです。

ネックには調整システムが搭載されています。
調整システムが搭載され始めた頃は、どれも長めになっていましたが、製造技術があがったのでしょうか?
このような短めがポピュラーになってきました。

試打するポジションは、この『N』です。

シンプルで美しいフェース面です。
ヘッド全体もそうですが、このように綺麗なフェース面はテンションがあがります。
フェース面を見て、おそらくこのような弾道だろう・・・。という予測が立つのですが、このフェース面はいかにも弾きが良さそうですし、速くて重い球が打てそうです。
ミーリングのようなものは見られませんが、フェース面の質感が良くて好感が持てます。
これまでの経験から、このようなフェース面は『飛ばし』に特化したものが多いです。

見慣れたシャロー形状です。
シャローではありますが、薄すぎないですし、厚みを持たせたいところにはしっかりとあります。

いい顔をしています。
こうして見るまでは、ちょっとクセのある顔をしているだろうと予想していましたが違っていて、思わず顔がほころびました。
艶消しなのもいいです。
『マットブラック』といったところでしょうか?
今日は天気が良かったので、反射させてみたのですが、このように眩しくありません。
これが艶消しクラウンの最も良いところです。
精悍さが増し、カッコ良さもアップするというところもありますが・・・。
艶消しはとても魅力的ですが、だからといって艶消しでないノーマルなものが良くないということではありません。

最近はカーボンコンポジットが多いので、このドライバーもそうなのか、近くで見てみたのですが、こうして見る限り、カーボンの模様は見られません。
おそらく通常のチタンなのだと思います。
ヘッド後方にある、この白い模様もインパクト大です。
どのような効果が期待できるのでしょうか?

素振りをしてみた感じはまずまずです。
ちょっと軽く感じましたが、特に難しく感じるところはありません。
シャフトのフレックスがSRということで、少し遅れてくるのかな?と思いましたが、そんなことはなく、しっかりついてきてくれました。
何度か素振りを繰り返し、タイミングを整えました。
黒いヘッドに青いシャフトが挿してあるのはカッコいいな・・・。と思いながら振っていました。
私は、ヘッドの色は黒やブルー、そしてパーシモンカラーや白など、比較的おとなしめでオーソドックスな色を好みますが、シャフトはいくらカラフルでも構いません。
同じ性能で色違いだと、無難な黒などを選ぶこともありますが、カラフルなシャフトも大好きです。
そのきっかけとなったのは、三菱の『青マナ』やグラファイトデザインのDI-7を使ってからだと思います。

とても構えやすいです。
フェース面だけを見ると、少しだけ左を向いていてつかまりそうな感じがしますが、バルジがいい味を出しています。
左に引っかけるイメージを消してくれているので、微妙に逃がすイメージも出せたのがいいです。
フックフェースが流行り始めた頃はフェース面だけでなく、バルジも左を向いていて、苦手意識が強く、テークバックを開始できないことも少なからずありました。
今はこのような『ねじれタイプ』が他のメーカーでも多く見られるようになり、フックフェースが苦手な私は嬉しいです。
球はつかまりやすいけど、フックフェースが苦手な人への、メーカー側の配慮なのかもしれません。
フェース面にフォーカスするのではなく、ヘッド全体を俯瞰して見るような感じで、全体的には、ほぼストレートのイメージが浮かんできました。
試打を開始しました

一球打って、「ひょえ~。エグいなぁ~。」という言葉が口から出ました。
かなりパワフルな弾道で、飛距離性能は凄いです。
初速も出ていて、昔高反発をよく打っていたことを思い出させる速さです。
こうして弾きのいいドライバーを試打すると、今でもメーカーによっても大きく差があることに気づかされます。
弾きが良く、かなり弾道が高いので、高弾道・超音速というイメージです。
ロフトが10.5度ということで、ある程度の高さは予想していましたが、高くて勢いがあり、なかなか落ちてきません。
いきなりパワー全開で、そのままフルスロットル・・・。といったところでしょうか?
これまでは高弾道は吹き上がりも多く、最初が良くても、すぐに勢いが落ちてしまい、落下角度も急なことが多いですが、このドライバーは違います。
なかなか落ちてこないですし、落下し始めてもその角度がとても緩やかで、明らかに『棒の球』です。
『棒の中の棒球』といったらいいでしょうか?
棒球の中でも、最高・最強クラスといって間違いありません。
普通、弾道が高いとスピンも多いというのが当たり前ですが、このドライバーはスピンが抑えられているのか、強い弾道で前へ前へと推進力が強いです。
明らかに低スピン性能に優れたドライバーです。
何球打っても、その勢いは衰えません。
昔、スピン過多で悩み、いろいろとスイングを変えていた頃があるのですが、その時の自分にこのドライバーを手渡してあげたい・・・。と思いました。
昔はスピンを抑えるのは高等技術が必要でしたが、今はこのようにクラブが簡単にやってくれます。
プレイヤーはいつも通り、気持ちよく『ぶっ叩く』だけです。
あとは全てクラブにお任せ・・・。という楽さがあります。
ドライバーは14本のクラブの中で、最も飛距離が出るクラブなので、その弾道を別の表現に例えることがあるのですが、このドライバーは間違いなく『大砲クラス』です。
過去には『拳銃タイプ』や『機関銃タイプ』もありましたが、このドライバーは違います。
明らかにパワフルです。
この圧倒的な飛距離性能は、『現役最強』といっていいのではないでしょうか?

『打感』は、なかなかいい感じです。
程よい手応えがありながら、硬くはありません。
余韻をしばらく楽しめるタイプではなく、むしろあっさりした感じですが、この潔さもいい感じです。

『音』は普通です。
高すぎず大きすぎずいい感じですが、私の好みからするとちょっと高めなので、もう少し抑えてくれると、もっといいです。
元々、私は叩いていくタイプなので、どうしても音が大きくなってしまいます。
このドライバーの音はインパクトが緩んでしまうほどではないので、気持ちよく振り切ることができ、周りも気になりませんでした。
私はもう少し抑えた音のほうが好きですが、むしろこれくらいはっきりとした高めの音がちょうどいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

球はあがりやすくて、タフさは感じません。
低スピン性能に長けているのは間違いないですが、ハードルの高いドライバーだとは思いません。
むしろ多くのゴルファーから支持されるのではないでしょうか?
ロフト通り、球は浮きやすく弾道が高いですが、装着されているシャフトもすごく関係しているように感じました。
ただ、ある程度HSがあるほうが、このドライバーのもつ高いポテンシャルを発揮しやすいと思います。
できれば43以上~。
50以上の方でも充分対応できる、高いポテンシャルが、このドライバーにはあります。
セミヒッターからヒッター・ハードヒッター向けドライバーです。
インパクト音ではなく、弾道を音で表すと『ギュイーン』という感じだな・・・。と弾道を目で追いながら思いました。

『安定性』は高く、シビアさは全く感じません。
いい意味でアバウトなところがあり、ミスをミスと感じさせない寛容さと懐の深さがあります。
このようなカッコいいドライバーは難しいんじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
充分寛容で親しみやすいドライバーです。
スイートエリアも広く、特に球のつかまりがとてもいいです。
私自身、打っていて、少しフェースが開いたかな?少し肩の開きが早かったかな?と思ったときでも、球筋はほぼストレートから若干右にフェードしていく感じで、コースでも充分使える球筋でした。
このつかまりの良いドライバーで憧れのフェードヒッターを目指すのもアリなのかな?と思いました。
私はフッカーなので、さらに球がつかまりやすく、左への警戒が少し必要ですが、引っかかる感じはせずに普通に打っていくことができました。
高い安定性と『復元力』といったらいいでしょうか?
球はほぼストレートに飛んでいきました。
球のつかまりがいいので、スライサーの方やフェードボールヒッターの方にも、是非試していただきたいです。
スライスが出ない・抑制する・・・。というドライバーではありませんが、かなり球が右に流れるのを抑えてくれるので、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
ただ私には装着されているシャフトのスペックが少しアンダー気味だったのか、もう少し重量があって、挙動が少ないともっと安定した球が打てたように思います。
これは人の好みも大きく関係しているので、一概には言えません。

明らかにオートマチックタイプのドライバーなので、操るタイプではないのですが、一応左右に曲げてみました。
先ほども書きました通り、私は左へ曲げるほうが簡単で、右には大きく曲げにくいです。
自分なりに、かなりカットに打ってみて、ようやく右に少し曲げることができました。
自分としては『大きなスライス』のイメージだったのですが、実際の球筋は『フェード』に収まっていました。
昔はミスショットしたら、その通りの曲球が出たものですが、今のドライバーはそれが出にくくなっています。
私は昔からチーピンを大事なところで連発してしまい、痛い目に何度も遭い、自分の技量不足を何度嘆いたことか分かりませんが、このような懐の深いイージーなドライバーがあれば、そういった辛い目に遭うことが少なくなるように思います。
クラブに頼るところは頼る・・・。それが今のゴルフにおける、クラブとの付き合い方なのかもしれません。
球のつかまりが良く、反発エリアも広いのが、このドライバーの特長の1つでもありますが、いくら球がつかまりやすくても、極端なフックフェースは嫌だ・・・。という方は、このドライバーの顔を好まれやすいのではないでしょうか?
逃がすイメージも出せながら、つかまりが良く、強い球が打てるドライバーは、なかなかありません。
顔の良さも、このドライバーの魅力のひとつです。
試打後の感想

今日は初球から凄い球が出て、ずっと圧倒された日でした。
圧倒されながらも、夢中になり楽しんでいました。
楽しくて我を忘れて打ち続け、ゾーンに入っていたのかもしれません。
実戦でゾーンに入ってくれよ・・・。と思ってしまうのですが、これはなかなかコントロールできるものでもなく、私はコースよりも練習場のほうがゾーンに入った回数は多いような気がします。
そしてふと後ろを見たら、数人の人が立っていて、このドライバーの放つ弾道を見入っておられました。
「凄い球ですねぇ。あの最上段まで行くのを初めて見ましたよ・・・。」などと言われたので、私は
「このドライバーがとにかく凄いんです。私もびっくりしました。弾道が高く、なかなか落ちてきません。普通に打っているつもりなのですが・・・。」と、このドライバーを紹介しました。
みんな初めて見るメーカーだということで、興味津々のようでした。
「どこで買えるんですか?」と聞かれたので、「今はネットで買えますし、専門のショップがあります。」と答えました。
インターネットが普及していない時代は欲しいクラブがショップに無くて、はるばる県外にまで車を飛ばして買いに行ったこともありますが、今はそんなことをしなくていいのですごく楽ですし、欲しいクラブを確実にゲットできるようになり、恵まれているな・・・。と感じます。
大手有名メーカーのクラブが素晴らしいのはもちろんですが、私は地クラブメーカーがもっとたくさんの方に認知されるように・・・。と願っているので、今日このドライバーを紹介できたことが嬉しくてたまりません。
メーカーの規模と、クラブの性能や品質は必ずしも一致せず、このような素晴らしいメーカーがたくさんある日本はレベルの高さで世界一ではないでしょうか?

これまであまり思ったことが無いのですが、「飛距離ってお金で買えるんだな・・・。」と、今日は思いました。
そう思えるほど、このドライバーのもつ飛距離性能に圧倒されました。
このように感じるドライバーは年に一本どころか、数年に一本かもしれません。
それくらい、このドライバーは飛距離に特化しています。
飛距離を求めたい方には、とても頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

逆に、このドライバーが合わないと思われる方は以下の通りです。
1.白いヘッドでないと嫌だという方。
2.円盤のような薄いヘッドじゃないと嫌だという方。
3.絶対に曲げたくないので、曲がりにくさを最優先するという方。
4.クラブの性能や品質よりも、まずは『低価格ありき』という方。
5.大手有名ブランドのクラブしか使いたくないという方。
6.海外メーカーしか使いたくないという方。
7.飛ばしたくないという方。
8.過去の自分の飛距離を超えたくない方。
9.K点越えを目指さない方。
10.もっと複雑な調整機能が欲しいという方。
11.ウェイトが移動できるタイプでないと嫌だという方。
12.オートマチックタイプのドライバーが苦手で、球筋を自由に操れるマニュアルタイプのドライバーでないと嫌だという方。
13.球のつかまりを最優先したいので、強いフックフェースじゃないと嫌だという方。
14.280g以下の軽量ドライバーしか使いたくない方。
15.クラブにすぐ飽きてしまうので、新しいクラブが出る度に買い替える・・・。という方。
16.HSが43以下の方。
ちょっときつい書き方をしたかもしれませんが、大切なことなので、正直に書かせていただきました。

シャローが出始めの頃は、球は確かにあがりやすいけど、高くあがり過ぎたり、スピンも多すぎて飛距離が出ず、頼りないな・・・。と思うものばかりでしたが、時の経過と共に技術が進んで、このような高性能な『パワフルシャロー』が登場するようになりました。
シャローは確かに球があがりやすいのですが、その大きな欠点として、『お尻が重たい』。
つまりどうしてもインパクトでフェースが上を向きすぎるところがあり、そういったことも不満でしたが、このドライバーにはそのようなことは感じませんでした。
イメージした通りの動きをしてくれました。
結構重心が浅いのかもしれません。
ロフトが二桁(10.5度)は飛ばない・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
人によって、またクラブの特性によって、飛ばすには『ハイロフト』が有効です。
『高弾道・低スピン』は以前から言われてきたことで、それをこのドライバーは高いレベルで実現できています。
このようにするために、かなりの試行錯誤があったのではないでしょうか?

試打するのが楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきました。
ドライバーでこんなに驚き、心を揺さぶられ楽しんだのは久しぶりです。
打って楽しいということもありますが、凄い飛距離性能と高い安定性があり、コースでも使えるのが分かっているので、購買意欲が強く刺激されました。
このドライバーでラウンドしたら楽しいだろうな・・・。と思いましたし、明日ラウンドの予定が入っているので、早速このドライバーを実戦で試してみようと思います。
その結果は別のサイトで発表させていただければ・・・。と思っておりますし、明日は晴天の予報が出ているので今から楽しみです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2021年06月13日
GTD Double Forged Wedge

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは GTD Double Forged Wedge です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは50度、長さは35.5インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

初めて手にしたGTDのウェッジです。
GTDはドライバーの印象が強烈なので、ウェッジのイメージはないのですが、メーカーに対する印象はとても良いので、こうして出会うことができて、とても嬉しく思いました。

フラットバックタイプのシンプルなウェッジです。
最近はウェッジにもいろいろな工夫がされていて多様化していますが、このようにメーカーのロゴだけというのは珍しい感じがします。
プロトタイプっぽくてカッコいいです。

このシンプルなバックフェースがたまりません。
余分なお助け機能が無い代わりに、こちらの『色』に、どんどん染まってくれそうです。

トップラインも薄くてシャープです。

ソール幅は標準的です。
ロフトが50度ということで、アプローチウェッジということでいいのだと思います。
私は52度がアプローチウェッジの標準的なロフトだという認識があるのですが、アイアンのロフトが立つようになってきて、ウェッジのロフトバリエーションが豊富になりました。

ソール形状は平らではなく、かなり丸みがあります。
接地面積の少なさと、抜けのスピード感を連想させる形状です。
リーディングエッジ側もトレーリングエッジ側も、丸く削られています。
今のウェッジは、このように『削り』で勝負しているものが多くなりました。
いろいろな物を付け足すよりも、このようにシンプルで実用的な工夫はとてもありがたいです。

ネックの長さはしっかりとキープされていますが、ウェッジとしては標準的といったところでしょうか?
こうして見ても、かなり『後ろ姿』が綺麗なウェッジだということが分かります。
この角度から見ても、綺麗でないウェッジやアイアンが今もたくさんありますが、このウェッジは違います。
すごく綺麗で全体的な質感もいいです。
クラブはまず目で楽しみたいと思っている私は目尻が下がってしまいました。
オーソドックスで奇をてらっていないウェッジという印象です。

フェース面にミーリングは無いですが、とてもシンプルで綺麗です。
このフェース面の質感もすごくいいです。
フェース面のデザインひとつで、打感や出球の高さや勢い、インパクト後の転がりなどがイメージできることがありますが、今日はそれがとても良くて好感が持てました。
すごく柔らかそうな感じがします。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
オーソドックスな顔で、『丸顔』というよりは『ティアドロップ顔』といっていいように思います。
最近はヒール側の幅が広く、ボテッとしたウェッジがありますが、このウェッジは適度な幅でシュッとしていて、さらに好感が持てました。
少しグースが利いていますが、かなり抑えられています。
できればあとちょっとグースが弱ければさらにいいのにな・・・。と思いましたが、構えづらくはないですし、特に気になることはありません。
いいイメージもしっかり出てきて集中力が増します。
ややロフトの立ったアプローチウェッジなので、まずは転がしで試してみることにしました。
試打を開始しました

『打感』はソフトでとても良いです。
このウェッジのもつ質感の美しさに見合う、ソフトなフィーリングです。
『球当たり』は優しく、角が立っていない打感といったらいいでしょうか?
優しいタッチで乗せて運ぶことができるウェッジです。
いろいろなアイアンやウェッジを試打していると、時には『石ころ』を打っているような(ちょっとオーバーかもしれませんが)硬くてゴツンとくるものに出会うことがあります。
対して、『マシュマロ』といったら、これもオーバーかもしれませんが、まるで『繭(まゆ)』を打っているかのような優しくて柔らかい打感のウェッジもあります。
このウェッジにはその柔らかさがあります。
硬くてゴツンとくる打感だと伝わってくる情報量が『2~3』くらいだとすると、このウェッジの場合は『8~9』といったところでしょうか?
そう感じさせるくらい、このウェッジの打感はソフトです。

球のあがりやすさという点では普通です。
球も拾いやすく出球のイメージも合いやすいですが、特別あがりやすいウェッジではありません。
ソールの形状が上手く活きているのか、手前から滑らせていくと、いい感じで拾っていけます。
もちろんダイレクトに潰し気味に打ってもしっかりと乗せて運ぶことができるのですが、このウェッジのソール形状を上手く活かしていくのが理にかなっているように感じました。
構えたときに転がすイメージが出しやすかったというのもあるのですが、転がしやピッチエンドランも簡単でした。

スピン性能はなかなかいい感じです。
『激スピンタイプ』ではないですが、しっかりとスピンが掛かってくれました。
乗せて運ぶという『くっつき感』で勝負していけるウェッジです。
インパクトからグイッと押していける感じで、スピンが途中でほどけることがありません。
計算しやすいスピン性能です。

『安定性』は普通で、特別イージーではありません。
しかし『顔の良さ』が安定性を生み出しているように感じます。
ラインも出しやすく、かなり『狙っていける』ウェッジです。

出球のイメージが合いやすく、ソフトなフィーリングで伝わってくる情報量も多いので、距離感も合いやすいです。
適度に重量もあるので、重力を上手く活かしていけるのでシンプルに寄せていけます。

『操作性』はかなり高く、完全にマニュアルタイプのウェッジです。
『押し引き』ができるウェッジといったらいいでしょうか?
微妙な力加減やフェースやソールの使い方で、いろいろな球を打つことができます。
このような操作性が高く、微妙な打ち分けができるウェッジに出会うと、広島カープの名投手、北別府学さんを思い出します。
抜群の制球力で『ボール一個分』どころか『半個分』の球の出し入れでストライクとボールを投げ分けた球史に残る名投手です。
TVを観ながら、背番号20がとても大きく見えました。
あの抜群のコントロールと球のキレに大きな憧れを抱いていました。
そんな絶妙なコントロールは、このようなウェッジが得意とするところだと思います。
オートマチックタイプではないので、人によって好みが分かれるところがあるかもしれませんが、グリーン周りではオートマチックタイプよりもマニュアルタイプのほうが使い勝手がいいように感じます。
ひとつのクラブでいろいろな状況に対応してくれるからです。
試打後の感想

最初見たときから、カッコいいな・・・。美しいな・・・。と思っていたのですが、構えやすさとソフトな打感によって、さらに魅力が増しました。

これまでGTDのドライバーを試打してきて、構えやすくて美顔という印象があったのですが、ウェッジもその流れをくんでいるようです。
GTDというメーカーのことをあまり知りませんが、顔の良さや打感などのフィーリングにこだわっているんだな・・・。と思いました。

ドライバーではあれだけ強烈な飛びがあるのに、ウェッジは必要以上に飛ばしません。
クラブの番手による目的の違いがはっきりしていて好感が持てます。
飛ばすためのクラブと、そうでないクラブ・・・。
個性がはっきりしているのでコースでも安心して使うことができます。

アイアンほどではないですが、ウェッジも打感に厚みがなく、弾く感じのクラブに時々出会うことができます。
もちろんそれで距離感や出球の高さをしっかりコントロールできればいいのですが、どうしてもアバウトさが勝ってしまい、なかなか思うようにいきません。

イメージよりも飛びすぎてしまうこともありますが、実戦ではそれが大きなロスになります。
『飛ばさない性能』もあるということを、このウェッジで球を転がしながら再認識しました。

いろいろなパーツが組み合わさっているような、いわゆる『ハイテク』タイプのウェッジではなく、シンプルでベーシックなタイプですが、こだわりがないどころか、むしろかなりこだわって作られているのではないでしょうか?
後から付け足す『足し算タイプ』のウェッジではなく、必要最低限のものだけを搭載して余計なものは排除した『引き算タイプ』のウェッジだと思います。

試打していて、とても楽しく気がつけばかなり時間、このウェッジで遊んでいました。
購買意欲が刺激されました。
また試打したいですし、違うロフト(サンドウェッジやピッチングウェッジ』も試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020年02月16日
GTD GT455 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは GTD GT455 ドライバー です。

シャフトは 三菱ケミカル Diamana DF60 です。
ロフトは10度、長さは45.5インチ、シャフトフレックスはX、シャフト重量は66.5g、トルクは3.8、キックポイントは中元調子 です。

とてもカッコいいGTDのドライバーです。
GTDのドライバーを試打した経験はまだ浅いのですが、すごくいい印象をもっています。
以前試打した、GTD GT455 Plus ドライバーのことが今でも忘れられず、思い出すだけで胸がときめくのですが、初めて試打してもう1年以上が経つのかと思うと、とても早く感じられます。

ソールにある、このロゴがカッコいいです。
見た目のインパクトもありますし、ハイセンスなデザインです。
全体の質感も良く、チープさは全くありません。

これまで試打したモデル同様、丸っこい形状です。
今はシャロー系が圧倒的に多いですが、このドライバーには適度な厚みもあります。
こうして見ているだけでも、すごくいい匂いがプンプンしてきて、私の嗅覚を刺激してきます。
実際に匂いがあるわけではなく、あくまでも感覚的なことなのですが、私の嗅覚が、このクラブはいいクラブだぞ・・・。と嗅ぎ分けているようでした。

ネックは、やや短めですが、今ではこれくらいが主流といえますし、見慣れた感じがします。

ネックには調整システムが搭載されていました。
これは以前試打したGTD GT455 PlusやGTD Code Kと同じです。
同じコンセプトで作られていて、あくまでもマイナーチェンジということでしょうか?
テーラーメイドやキャロウェイのように複雑な調整はできないようですが、シンプルなほうがいいという方もたくさんいらっしゃると思いますし、最低限の調整で充分というメーカーの思いがあるのではないでしょうか?

試打するのは、この『N』のポジションです。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側には、それぞれ大きなウェイトがひとつずつ配置されています。
刻印が無いので、重さは判りません。

このフェース面もお馴染みです。
いかにも弾きが良さそうなデザインです。
弾きが良いという言葉を通り越して、『高速の弾き感』といったほうがいいかもしれません。

セミディープ形状です。
シャロー系が今は多いので、厚みがあるように見えますが、ディープバックというよりは、セミディープといったほうが合っているように思います。
今でもシャロー系が多いですが、このような厚みのあるものも、少しずつ見られるようになってきました。

オーソドックスな、いい顔をしています。
この『塊(かたまり)感』といいますか、『拳(こぶし)感』がたまりません。
今はシャロータイプで投影面積の大きいドライバーを試打することが多いので、このようなタイプは新鮮に感じられます。
この顔もGTDらしいといえるのかもしれません。
私が使っているドライバーと雰囲気が似ているところもあって、親近感が持てます。

素振りをしてみると、結構しっかりしていて、反応が良さそうです。
いわゆる『ハンドルの遊び』が小さくて、『大きくゆったり』というよりは、『小気味よく』振っていけるタイプです。
すぐにタイミングを整えることができました。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
クセが無く、自然に構えられます。
立体的な顔ですが、それほど『小顔感』はありません。
私が愛用しているドライバーは逃がすイメージも出しやすいですが、このドライバーはどちらかというとつかまるイメージのほうが出しやすいです。
高い弾道というよりは、やや抑え気味のライナー系の弾道がイメージできました。
私が大好きな弾道です。
このホットでいいイメージが浮かんでいる間に打ってやろう・・・。と思いました。
試打を開始しました

まず感じたのが、この強烈な飛距離性能です。
初速が速く、パワフルな弾道に魅了されてしまいました。
以前もGTDのドライバーを試打しているので、高い飛距離性能を期待していたのですが、その期待通りでした。
ライナー系で、かなり力強いです。
こういう弾道は風にも強く、しっかりとランを稼いでくれるだろうと思いました。
安定した丸い飛びではなく、やや尖った感じの飛びといった表現が合っているでしょうか?

『打感』はしっかりしていますが、硬くなく、手に嫌な衝撃も残りませんでした。
むしろ、程よい抵抗感があって、心地いいです。
かなり飛距離の出るドライバーなので、飛距離といえば『Waoww』を思い出したのですが、Waowwはもっと軽めだったように思いますし、違いがあるような気がします。
今度機会があったら、打ち比べてみたいです。
かなり贅沢な打ち比べになります。

『音』も好感が持てました。
はっきりしていますが、大きすぎず高くもなく、インパクトが緩むこともありませんでした。
GTDのドライバーなので、音はどうかな・・・?と思うところが正直ありました。
以前試打したCode Kというドライバーの音が全く馴染めずに、テンションが下がったのを覚えています。
せっかく他の性能がいいのに、音が良くないだけで、その性能を出し切れません。
音というのは、強烈な印象を残します。
音で、全てが台無しになってしまうこともあります。
そういった意味では、このドライバーは好感が持てました。

『球のあがりやすさ』という点では、今のドライバーの中でも、ハードなほうなので好みがはっきりと分かれるように思います。
明らかな『ヒッター向けドライバー』です。
叩いていきたい人の為のドライバーといっていいと思います。
ロフトや装着するシャフトによるところもあると思いますが、最低でもヘッドスピードが、40後半以上が必要となってくるのではないでしょうか?
このドライバーのロフトバリエーションがどれだけあるのか知りませんが、性格がはっきりとしていて、ターゲットとなるゴルファー層も絞り込まれているように思います。

『安定性』という点では、普通といいますか、特に難しいと感じることはありませんでした。
普通に打っている限り、暴れるとか曲がるといったことにはなりにくいように思います。
シビアさは感じませんが、今のイージー系ドライバーと比べると、『易しすぎない』といいますか、『正直』なところはあるように思います。
高い直進性とか、寛容さを第一に求めておられる方には合いづらいところがあるかもしれません。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
球離れが、かなり速いのでフェースに乗せて運ぶという感覚はもてなかったのですが、クセのない顔をしていて、左右へも反応してくれました。
ほぼ中立的な感じがしましたが、どちらかというとドロー系のほうが自然な感じがしました。
しかし、スライスを撲滅してくれるドライバーではないので、スライスに悩んでおられる方にとって、『お助け』的なことは無いかもしれません。
ただ、このドライバーには調整機能が搭載されているので、球筋を調整することができるのであれば、意外とその受け皿は大きいのかもしれません。
試打後の感想

ポテンシャルが高く、かなりいいクラブなので、
いいなぁ・・・。欲しいな・・・。
と思っていたのですが、このクラブを貸してくれた友人によると、このドライバーは数年前のモデルで、もう発売されていないのだそうです。
私はニューモデルだろうと思っていたのですが、違いました。
しかし性能は最新モデルに引けをとりません。
むしろ、かなり優れています。

このドライバーもすごくいいですし、以前試打したGT455 Plusもすごく気に入っていて、購買意欲を強く刺激してきます。
叩けるドライバーというのは、とても魅力的です。

叩きに行って吹き上がってしまったり、当たり負けしてしまったりするクラブはこれまでもたくさん出会ってきて、残念に思ったことがたくさんあるのですが、このドライバーのように全くの真逆でむしろ『押して』いけるドライバーは魅力的で、いくらでも飛ばしていけそうです。

GTDというメーカーのことをよく知らないのですが、これまで3つのドライバーを試打してきて、かなり高性能で飛距離にこだわっている感じがします。
今は『オールマイティタイプ』といいますか、ひとつのドライバーで、なるべく多くのゴルファーをカバーできるようになっていると思うのですが、このようにターゲットを絞り込んでいるのは魅力的です。
多くのゴルファーに支持されることは無いかもしれませんが、ぴったりとマッチする方にとっては、『絶賛級』の賞賛を得られやすいのではないでしょうか?

このドライバーがもう発売されていないというのがとても残念ですし、発売されていたときに出会えなかったというのも残念でなりません。
私はゴルフクラブを試打するときは『行き当たりばったり』的で、計画性が無いのですが、これからはもっと積極的に試打してみようかな・・・。と思いました。
私が知らないクラブは、まだまだたくさんあります。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2018年09月08日
GTD GT455 Plus ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは GTD GT455 Plus ドライバー です。

シャフトは Speeder 661 EVOLUTION V です。
ロフトは10.5度、長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は66g、トルクは3.7、キックポイントは先中調子 です。

二度目のGTDドライバーです。
以前、『Code K』というドライバーを試打しましたが、また違うモデルの登場です。
こうして見る限り、全く同じに見えるのですが、新たな工夫がされているのは間違いありません。
今度、機会があれば、Code Kと見比べてみたいです。

丸っこくて、結構厚みのあるヘッドです。
黒い色ということもあると思うのですが、重量感を感じさせます。
ただ、実際に持ってみても、特別重い感じはなく、普通の範囲内に収まっています。
このシブくて個性あふれるデザインがたまりません。
白いヘッドや、カラフルなデザインのドライバーが好きだという方はたくさんいらっしゃると思いますが、私はこういうシンプルでシブいタイプが好きです。
クラブには『軽さ』をイメージしたい方も多いと思いますが、私は『重さ』をイメージしたいです。
適度な重さは武器になるとういことを、これまでたくさん経験しているからなのかもしれません。
軽すぎるクラブを難しく感じることも、数多く経験してきました。
見た目軽そうに見えて実際に持ってみると重く感じるクラブは難しく感じますが、このドライバーのように重そうに見えても、実際はそうでもなかった・・・。というクラブは案外簡単なことも多いです。

ソールには浅い溝があります。
これは以前試打したCode Kと同じです。
ソールに溝があるドライバーが多くなりましたが、その殆どが縦です。
このように横にあるのは珍しいですし、大きな理由があるのだと思います。
先日試打したときに、この溝の効果を実感することはできませんでしたが、かなりポテンシャルの高いヘッドだということは分かりました。

『GT455 Plus』となっています。
何がプラスされたのだろう?と思いましたが、また新たな機能が加わっているのは間違いありません。
外見だけでは分からない工夫が加わっているのだと思います。

ネックは、やや短めですが、今では見慣れた長さです。
最近のドライバーやFWの『ウッド系クラブ』は、ネックの長さもバリエーションが豊富になりました。
この角度から見ても美しいです。
いいクラブというのは、どの角度から見ても美しいですし、その美しさに隙がありません。

ネックには調整システムが搭載されていました。
これもCode Kと同じです。
かなり共通点が多いので、マイナーチェンジしてきたんだな・・・。と思いました。

試打するのは、このNUのポジションです。

L

N

R
他にはL・N・Rがありました。

ヒール側

トゥ側のウェイト
ヒール側とトゥ側には、ウェイトがそれぞれひとつずつありました。
六角レンチがあれば、簡単に取り外せそうです。
両方とも、『4』という数字が刻印されていたので、おそらく4gということで間違いないと思います。
他にも、色々な重さが用意されているのでしょうか?

とても綺麗なフェース面です。
見るからに飛びそうな・・・。といったらいいでしょうか?
パワフルな弾道がイメージできます。
今はドライバーのフェース面も色々なデザインがありますが、このドライバーはとてもシンプルです。
複雑であればいい・・・。というものでもなく、フェース面も奥が深いのだと思います。

セミディープ形状です。
フェース面のデザインもそうですし、この形状もCode Kと同じです。
昔のドライバーであれば、間違いなく『シャロー』の部類に入ると思うのですが、今ではもっとシャローな物が主流となっていて、このドライバーは厚みがあるほうなので、セミディープといっていいと思います。
ディープバックタイプは、もう見なくなりました。

クセのない、オーソドックスな顔をしています。
いかにも叩けそうな美顔です。

クラウンがカーボンコンポジットされています。
ここの部分が、Code Kとの大きな違いです。
最近は大手有名メーカーも含め、カーボンコンポジットされたクラウンが増えてきました。
昔、プロギアのDUOシリーズでブームに火がつきましたが、再燃しているのではないでしょうか?
カーボンコンポジットされたドライバーは増えてきましたが、ここまではっきりとカーボンの模様が見られるのは珍しいです。

素振りをしてみても、いい感じです。
タイミングもとりやすく、不安なところはありません。
すぐにでも打っていけそうです。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
叩けそうな、いい雰囲気が漂っています。
ただ、クラウンのカーボン模様が気になる・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
方向性に対する不安を与えないので、私は全くといっていいほど気にならないですが、このはっきりしすぎる模様に苦手意識をもつ方もいらっしゃるかもしれません。
できれば、もう少しカーボンの模様が目立たないほうがいいな・・・。と思ったのですが、メーカーもあえて、このようにしているのではないでしょうか?
試打するのは、『NU』というポジションで、ややつかまりのいいポジションなのだそうですが、『つかまえ系』の感じはしませんでした。
バルジがいい感じでカーブを描いていて、フェード系も打ちやすそうです。
右に逃がすイメージが出しやすいので、フッカーの私は気持ちよく振っていけそうで安心感が増しました。
色々なハイテクが詰まっていそうですが、こうして構えてみると、すごくシンプルな感じで構えやすいです。
『和のテイスト』があるドライバーです。
このドライバーは最新モデルなのだそうですが、クラシカルな雰囲気があり、気持ちを和ませてくれました。
試打を開始しました。

最初から、このドライバーの放つ強烈な弾道に少し驚いてしまいました。
予想していたよりも打ち出しが高く、そのままドーンという感じで勢いが衰えることなく、遠くのネットまで突き刺さりました。
思わず、「ひえーっ。これは凄いな・・・。」と呟いてしまいました。
先日、Code Kを試打しているので、強い弾道はイメージできていたのですが、ここまで打ち出し高いとは予想していませんでした。
明らかにハイポテンシャルなドライバーです。
ヒッタータイプの方には、かなり有利に展開できるのではないでしょうか?
『爆発』という言葉が似合うドライバーだな・・・。と、思いながら打っていました。
それくらい、強烈な弾道です。

『打感』は、なかなか良いです。
カーンというよりはコツンという感じで、手にしっかりと伝わってきました。
しっかりしていますが、決して硬すぎることはなく、むしろソフトなところもありました。
手に嫌な衝撃も残りません。
球が『フェースに乗る』というよりは、明らかに強く弾くタイプです。

『音』は高めですが、全く問題ない音です。
しっかりと振っていくことができました。
音が良くないと、インパクトが緩んだり、無理に合わせにいってしまったりすることもあるのですが、それがありませんでした。
周りも気にならず、しっかりと振ることができました。
以前試打したCode Kは、高いポテンシャルを感じながらも、その音が全く馴染めず、好きになれませんでした。
しかし、このPlusは違いました。
明らかに音が改善されています。
名前のPlusは『カーボンコンポジット』をプラスしたことと、音の良さをプラスしたことなのかな?と思いました。
ドライバーを試打していて時々出会う、『聞き惚れる』とか、『いつまでも聞いていたい』という音ではないのですが、問題ない無難な音という印象をもちました。
ドライバーのように飛距離を追及していく為のクラブは気持ちよく振っていきたいですし、叩いていきたくなります。
そういうときに音が邪魔をしてしまえば、せっかくの性能が十分発揮できませんが、このドライバーの音ならば、全く問題ありません。
私は音が良くないドライバーは、いくら飛距離性能が高くでも全く魅力を感じませんが、このドライバーはとても魅力的です。

『球のあがりやすさ』という点では、予想していたよりも打ち出しは高かったのですが、幅広い層というよりはある程度ターゲットを絞って開発されているのは間違いありません。
一般的にはタフな部類に入りますし、ヒッタータイプの方に合いやすいと思います。
これだけの高いポテンシャルをもっているのだから、ロフトやシャフトを選べば、より多くの方が、このドライバーの持つ魅力に触れられるのではないでしょうか?
そう思えるほど、このドライバーは高性能ですし、少しでも多くの方に試していただきたいと思いました。

『安定性』という点では、いわゆるイージー系で、寛容さを求めるというタイプではありませんが、ラインも出しやすいですし、普通に打っている限り、暴れる感じがしません。
ヘッドが難しすぎないということもあると思いますし、シャフトも高性能で相性がいいのだと思います。
音が良くなったということで気持ちも楽になり、安定性が増した・・・。ということもあるのかもしれません。

『操作性』は良いです。
左右にも曲げやすいので、親近感が湧きました。
寛容過ぎないので、スイングがそのまま球筋に表れやすいです。
最近は曲げようと思っても、なかなか思うようにいかないドライバーも多いので、そういう意味では珍しいタイプといえるかもしれません。
私はフッカーなので、普通に打つならばフック系の球が出やすいですが、構えたときにイメージできた、フェード系の球もとても打ちやすいです。
調整機能を使えば、もっと幅広い球筋を調整できそうですし、元々は、このドライバーは『中立』の立場をとっているように感じました。
ドローヒッターの方にも、フェードヒッターの方にも、是非試していただきたいです。

打つ前は、やや低めのライナー系をイメージしていたのですが、予想よりも高く打ち出し、そのまま勢いが衰えることなく、突き進む弾道が頼もしいです。
久しぶりに『ターボエンジン』を搭載したような弾道に出会うことができました。
しかもそれは一つではなく、二つ・・・。
『ツインターボ』を連想させる強い弾道でした。

先日試打したCode Kのマイナーチェンジであることは間違いないですが、好感度がグッと高まりました。
Code Kも、かなり高性能なドライバーだな・・・。と思っていましたが、このドライバーのほうが断然いいです。
どちらを選ぶか?と聞かれれば、私は迷わずこのPlusを選びます。
しかも即答です。

Code Kに感じていたマイナス点が、しっかりと改善されているのが特にいいです。
気持ちよく振ることができたのが、大きなプラス点です。
ネックに調整機能をもたせれば、設計自由度が狭まり、ヘッドの性能を高められないこともあるように思うのですが、このドライバーにはそのマイナスを感じませんでした。
シンプルな調整機能が功を奏しているのかもしれません。
私はいつも、最新が必ずしも最高ではないと思っているのですが、GTD GT455に関しては、Code Kよりも、このPlusのほうが明らかに優れていると思います。

一球めから楽しませてもらいましたが、何球打っても楽しさが色あせませんでした。
ある程度のヘッドスピードやパワーが必要になってくるとは思いますが、このドライバーが合う方にはとても頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
今でも、同じドライバーで『飛んだり飛ばなかったり』ということは少なからずあります。
色々なドライバーを試打していて、そのように感じることがたまにあります。
性能に『ムラ』があると感じるドライバーは昔から存在し続けています。
最近は『性能の底上げ』がかなり出来ているので、昔ほどではないですが、今でもそう感じるドライバーはあります。
しかし、このドライバーは違います。
確実に高いポテンシャルを発揮して、ボールを力強く飛ばしてくれるドライバーです。
『一発の飛び』が非常に優れていますが、確実に飛ばしてくれるという安心感から、実戦的なドライバーだと感じました。

また私の悪い病気が顔を出してしまいました。
『欲しい欲しい病』です。
色々なクラブを試打していて、魅力的なクラブに出会うと出てしまう病気です。
とはいっても、年間そう多く出会うわけではありません。
『これだな』と思えるクラブは、多くて年間数本です。
その中に、このドライバーは入ります。
このドライバーでラウンドしたら、すごく楽しいだろうな・・・。とホームコースをイメージしながら考えていました。
購買意欲が強く刺激されてしまいました。
私の少ない小遣いでは、いつのことになるか分からないのですが、コツコツお金を貯めて購入したいです。
次のモデルが発売されて、廃番になる前に何とかしたいと思っています。
私が購入するときは、もう少し重くして硬くするのは間違いありませんが、スピーダーとの相性はとても合っていると思いました。
試打を終えても、なかなか胸のときめきがおさまらず、しばらくこのドライバーを見つめていました。
気持ちが盛り上がったまま、練習場を後にしました。
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2018年03月18日
GTD Code K ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは GTD Code K ドライバー です。

シャフトは N.S.Pro Regio Formula B です。
クラブ長さは46インチ、シャフトフレックスは65S、シャフト重量は64.5g、トルクは2.9、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は313g です。

初めて試打する、GTDというドライバーです。
初めてではありますが、これはGeorge Spiritsの新しいブランドだということを以前から知っていたので、全く初めてのメーカーとはいえないのかもしれません。
いつか試打することができればいいな・・・。と思っていたので、今日こうして手にすることができて、とても嬉しく思いました。
ワクワク感が止まりませんでした。

シブいデザインのドライバーです。
派手さはないですが、質感もいいですし、重量級の雰囲気があります。
ドライバーには白いヘッドなど、『軽量感』を求めたい方も多くいらっしゃると思いますが、私は基本的に黒が好きですし、軽量感よりもずっしりとした重量感を求めたくなるので、このドライバーの外観は好感がもてました。
軽くて高~くあがる球よりも、やや重めで風に強いライナー系の弾道が好きです。
このドライバーの質感はとても良く、高級感があって、手にしているだけで嬉しくなります。
チープなところは全くありませんでした。
このドライバーを目にするだけで、今日は何て贅沢な日なんだろう・・・。と思いました。
シャロー全盛の今では珍しい、厚みがあるドライバーです。
ソールには色々な工夫が見られますが、比較的シンプルな感じがします。

ソールには、幅の広い浅めの溝がありました。
テーラーメイドのように縦の溝は見慣れた感じがしますが、このドライバーは横です。
これにもメーカーの狙いがあるのは間違いありません。
この溝には、どのような効果が期待できるのでしょうか?

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側には、ウェイトがそれぞれひとつずつありました。
両方とも『4』という数字があったので、4gということでいいのだと思います。
ヒール側には、Code K-D 1Wという文字がありました。
1Wはおそらくドライバーのことだと思うのですが、Code K-Dとはどういう意味があるのでしょうか?
何かのコードネームなのかもしれません。

ネックは、やや短めですが、今では標準といえる長さだと思います。
今はシルエットの似たようなものが増えてきました。
昔のほうが、個性的なクラブが多かったように思います。
もちろん流行というのもあると思いますし、それだけ技術が総合的に高まって、ひとつの形が『常識化』しているのかもしれません。

ネックには調整システムが搭載されていました。
これは意外でした。
最近は大手有名メーカーでも少しずつ見なくなってきていますし、地クラブメーカーでは殆ど見られません。
それだけ、ニーズが今でも高いということなのではないでしょうか?
ネックに調整機能をもたせてあるということは、それだけヘッドの重量配分に余裕があったのかな?と思いました。

試打するのは、この『N』のポジションです。
これまで出会ってきた調整システムの中では、シンプルなタイプです。

トゥ側には『G』の文字がありました。
見た目のインパクトがあり、カッコいいです。

フェース面がとても綺麗です。
こういったところに、メーカーの個性がよく出ます。
メーカーによっては、すごく雑な感じがすることもありますが、このドライバーはとても綺麗で美しいです。
丁寧な仕上げが好感度を高めます。
これぞ、ゴルフクラブといえるような気がします。
ゴルフクラブはゴルフボールを打つ道具ではありますが、それ以外にも『美しさ』『丁寧さ』が欲しいと思っています。
使っていて楽しい、持っていて嬉しいという所有欲を満たしてくれるクラブに魅力を感じます。
そういった点でも、このドライバーはとても好感がもてました。
最近はフェース面のデザインも色々なパターンが見られますが、このフェース面はオーソドックスでシンプルです。
弾きが強く、強弾道をイメージさせるフェース面です。

セミディープ形状のヘッドです。
最近は超シャロータイプのドライバーが多いので、厚みがあるように見えますが、ディープというよりは、セミディープというのが適正だと思います。
昔のディープヘッドばかりの時代であれば、このドライバーは確実にシャロータイプと呼ばれていたように思います。
昔はタフなドライバーが本当に多くありました。
今は親しみやすくて高性能なドライバーが増え、全体的なレベルアップが凄いです。

顔は、なかなかいい感じでした。
どちらかというと『つかまえ顔』に見えたのですが、極端ではないですし、特に感じるものはありませんでした。
バルジが少し変わった形だな・・・。と思いましたが、不満はありませんでした。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
46インチということもあり、少し長く感じたのですが、それ以外は特に不安はありませんでした。
装着されているNS PROのシャフトもいい感じで、さすが今人気のシャフトだな・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみても、いい感じでした。
少しだけ『つかまえ顔』に見えましたが、大きなクセはなく、比較的オーソドックスなタイプです。
トゥ側が少し『逃げた感じ』になっているのがいいです。
構えたときにディープ感があるのもいいな・・・。と思いました。
最近はシャロータイプが圧倒的に多く、それに慣れてしまったのか、今日は新鮮でもあり、懐かしく感じました。
骨太な感じで、ライナー系の弾道がイメージできました。
試打を開始しました。

最初、ちょっとミスヒットをしてしまい、かなり甲高い音が出てしまいました。
正直、全く馴染めない音です。
このような音がするとは思っていなかったので、驚きました。
もっと重低音でシブい感じの音を予想していました。
私はミスをしたら、それをはっきりと感じさせてくれるクラブが好きですが、それでもこのドライバーのように音では感じたくないです。
音はあまり変わらず、打感でミスを感じとるのが理想です。
しかし、自分がミスをしてしまったのが悪いので、もう一度仕切り直して、いい音が出るようにしてみよう・・・。と思い、一旦打席を外し、素振りを繰り返しました。
シャフトの長さに慣れていなかったのかな?と思いました。
そして、再び試打を開始しました。

まずは、この強烈な飛距離に少し驚きました。
かなり弾きが強く、弾道が力強いです。
低スピン性能も高く、まさに『棒のような球』で飛んでいきました。
『棒』というよりは『鉄パイプ』といったほうがいいかもしれません。
棒球のスピンレスな球に、鉄の重量感を足したような強くて重さのある弾道といったらいいでしょうか?
周りの空気を巻き込みながら飛ぶような強烈な弾道です。
まるで『波動砲』のようだな・・・。と宇宙戦艦ヤマトの最強武器、波動砲を思い出しました。
ヤマトには主砲やパルスレーザー砲・艦首魚雷など、様々な武器がありますが、その最たるものは何といっても波動砲です。
ウルトラマンでいえば、スペシウム光線といったところでしょうか?
仮面ライダーでいえば、ライダーキックといったところでしょうか?
『決めの武器』です。
これが放たれると敵はあっという間に倒されてしまう、強烈な威力をもっています。
TVを観ながら、いつも最初から出せばもっと簡単に倒せるのに・・・。と子供ながら思っていました。
その頃は『TVの尺』というものを理解していませんでした。
その波動砲をイメージするほど、この弾道が強烈でした。
これは凄いな・・・。と思いました。
かなりよく飛びますし、ヘッドには『SLE RULE CONFORM』の文字が無かったので、ひょっとしたら高反発モデルなのかな?と思いましたが、適合モデルということでした。
今は多くの適合モデルに『SLE RULE CONFORM』の文字が記されていますが、適合モデルであっても、表示されていない物も少なくないので、見た目だけでは分かりません。
しかし、高反発モデルには、ほぼ確実といっていいほど、『SLE RULE NON CONFORM』などの表示がされています。
このドライバーは適合モデルということですが、このシンプルなヘッドのどこに、この強烈な弾道を生み出す秘密があるのでしょうか?
見えないところに、色々な工夫がされているのは間違いありません。
かなりポテンシャルが高いドライバーです。

『打感』は良いです。
ソフトという感じではなく、しっかりしているのですが、硬すぎず、程良い『球の質感』を感じとることができ、好感がもてました。

『球のあがりやすさ』という点では、今のドライバーの中でも、かなりタフなほうだと思います。
人によって、好みがはっきりと分かれると思います。
幅広い層に対応しているドライバーではありません。
私は、このような弾道は好きですが、人によっては、もっと易しくあがるほうがいいということにもなりやすいような気がします。
明らかにヒッター向けのドライバーです。
しかも、ある程度HSが無いと、球が浮ききらないかもしれません。
もちろん、ロフトや装着されているシャフトによるところも大きいと思うのですが・・・。
そして、音と同じように、ヒットする場所でかなり高さにバラつきが出ました。

『安定性』という点でも、ある程度の『正直さ』や『シビアさ』があるように感じました。
高い直進性やミスヒットに対する寛容さはあまり期待できないかもしれません。
明らかにスイングが安定し、ヒットエリアが一定の方が使われるクラブだと思います。
ポテンシャルが高いのは間違いありませんが、その分、かなりショットの成否がはっきりと結果となって表れやすいドライバーだと思います。
性格が丸いドライバーではなく、尖ったドライバーです。

『操作性』という点では、ディープ感もあり、扱いやすそうなところもあったのですが、今日は細工をする気になれませんでした。
反応は良さそうなのですが、心のどこかでストップをかけている自分がいました。
車でいえば、アクセルを全開にしたまま、ハンドルを大きく左右に切っていく・・・。という感じでしょうか?
かなり危険です。
ヘッドはコンパクトには見えませんでしたが、ある程度の厚みのあるドライバーらしく、球がつかまりやすいので、私はドロー系のほうが易しく感じられました。
昔の、このような強烈な弾きのあるドライバーは球のつかまりが弱いところもあって、右にフケてしまうということも珍しくなかったのですが、このドライバーはしっかりつかまってくれる感じがしました。
なので、フェードヒッターの方にも、易しく感じられるところはあるような気がしました。
球のつかまりはいいですが、つかまりが強すぎて左に引っ掛かるということはありませんでした。
左へのプレッシャーは感じませんでした。

初めて試打したGTDのドライバーですが、かなりポテンシャルは高いものの、正直あまり魅力は感じませんでした。
その一番の原因は『音』です。
この甲高い音は馴染めませんでした。
無難な音を発するエリアはそれほど広くないように感じました。
弾道や球筋はなかなかいい感じでも、『異音』をたくさん発してしまいました。
この音は耳にしたくないですし、練習場でも周りが気になってしまいます。
昔、コースでプレーしているとき、かなり甲高い音を発してしまい、周りにいたたくさんの鳥たちが一斉に飛び出して行って、友人達と大笑いしてしまったことがあるのですが、それを思い出しました。
また、山のコースでは『イノシシ対策』として、銃の『空砲』を放って追い払う音をよく耳にしたのですが、そんなことも思い出してしまいました。
この音が出るとは意外でしたが、とにかくこの音には、大きな不満が残りました。
私は以前、ジョージスピリッツのドライバーCRZ-450(George Spirits GT450 ドライバー)を試打したことがあり、その音にしびれて、とても魅力を感じました。
『音だけで印象に残る』希有なドライバーです。
その音に魅力を感じ、ずっと耳にしたいと思っていたので、かなり購買意欲が刺激されました。
飛距離ではCRZ-435のほうが優れていたので、そちらを購入したのですが、『飛距離度外視』で音という魅力で、手元に置いておきたいと、ずっと思っていました。
なので、今回もいい音だろうと期待していたのですが、それが全く逆の結果となってしまい、残念でなりませんでした。

私はこれまでも書いてきましたが、いくら遠くに飛ぶドライバーでも、また絶対に曲がらないドライバーでも、構えづらかったり、インパクトの音が馴染めなかったりすると魅力を感じません。
一気に心が冷めてしまいます。
今日も、そうなってしまいました。
最初にこのドライバーを手にしていたワクワク感がどんどんしぼんでいきました。
このドライバーに対する興味もなくなりました。
ポテンシャルはとても高いですが、この音と『正直過ぎるところ』があまり好きになれず、クラブとの距離を感じてしまいました。

音にどうしても馴染めず、球を打っているうちに、だんだんとスイングが小さくなり、縮こまっているように感じました。
苦手な音なので振り切らず、合わせにいってしまいました。
インパクトが完全に緩んでしまいました。
これでは、このドライバーのもつポテンシャルを最大限引き出すのは難しいな・・・。と思いました。
いいドライバーというのは、もちろんそのクラブがもつ性能の高さも必要ですが、それと同等かそれ以上にプレイヤーに気持ち良く振っていかせる魅力が必要です。
クラブのもつポテンシャルとプレイヤーの技量が最大限発揮されて、最高のショットが打てるように思いますが、今日はそれができませんでした。
この音が好きだという方もいらっしゃるかもしれませんが、私は全く馴染めませんでした。
ヘッドの内部に消音材を入れたら、もっとおとなしい音になるのかな?と思いながらショットしていました。

イージー系ドライバーが多いなかで、とても珍しい、性格がはっきりしたクラブです。
このドライバーのもつ性能は高いですが、使い手にもある程度のものを求めているのは間違いありません。
今はディープなタイプでも結構イージーで、見た目以上に親しみやすくなっている物も増えてきましたが、このドライバーは見た目通りのディープ系の長所と短所が混在しているように感じました。
性格がはっきりしていて、いいショットができたときの弾道の力強さはとても魅力的なのですが、なかなかそれを続けるのが難しいように感じました。
音がもっと無難な感じだったら、間違いなくショットの成功率を高めていけたと思います。
なので、とても残念でした。
今のドライバーの中では、ゴチャゴチャした感じもなく、比較的シンプルな構造ですが、かなり深い研究がされているように思います。
メーカーはこの音で良いと判断したのでしょうか?
それとも私が試打したこのモデルだけ、たまたまこの甲高い音が出てしまったのでしょうか?
詳しいことは分かりませんが、このドライバーに対する興味がどんどん薄れてしまいました。
残念でした。
しかし、次は音の良い『波動砲ドライバー』に期待したいです。