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2021年08月16日
grindworks MB-1 FORGED MUSCLE BACK アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks MB-1 FORGED MUSCLE BACK アイアン です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは36度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS200 です。

久しぶりに出会った、grindworksのアイアンです。
このメーカーのクラブを試打した経験がまだ少ないのですが、とてもいい印象をもっています。
やはり最初に出会ったクラブが素晴らしいと、そのメーカーのことを好きになりやすいです。

このシンプルな形状に目尻が下がりっぱなしです。
元々アイアン好きの私ですが、マッスルバックを目にしてしまうと、手に取らずにはいられません。
質感も良く、テンションがどんどんあがってきます。

ソール部分には割と大きな凹みがありました。
こうすることで、重心を高くしているのではないでしょうか?
今は『超』がつくほどの低重心系アイアンが多いですが、私は高重心のアイアンで育ってきたので、このようなアイアンのほうが、親近感が湧いてきます。
ふるさとに帰ってきた感じ・・・。といったらちょっと大げさかもしれませんが、そう感じられるほど懐かしくて昔の記憶が蘇ってきました。
重心の高いアイアンだと、ボールを上から潰すように『面』でとらえるイメージが出せるのですが、対極とも言える『ラージサイズの超低重心アイアン』は『アゴ(リーディングエッジ&スコアラインの下から1番目と2番目)』に引っかけるといいますか、乗せる感じで打っています。
同じアイアンでも、全く違うイメージです。
今もそうですが、アイアンの重心というのは意外と高いものです。
クラブの性質上、そのほうが理にかなっているように思います。
ティアップして打つクラブではなく、基本『地面の上』にあるボールを打ってスピンを掛けて高さを出していくには、ある程度の重心の高さが必要ではないでしょうか?
そして、その高い位置でボールをとらえたときに得られる快感は、使っている人だけのボーナスのようなものかもしれません。
低重心=易しい
高重心=難しい
と思っておられる方が多いかもしれませんが、それは必ずしもそうとはいえず、どういったアイアンで育ってきたか?ということが大きいと思いますし、その人の打ち方によって、高重心が合いやすいか、低重心が合いやすいかが決まってくると思います。
この凹みでどれだけ重心が高くなっているのか分からないですし、それほど大きな違いではないようにも思うのですが、低重心系ばかり試打することが多いので、ちょっと新鮮です。

シンプルなマッスルバックアイアンです。
最近はマッスルバックアイアンもいろいろな工夫が見られるようになってきましたが、このアイアンはシンプルで『異材』なども組み込まれていないように見えます。

トップラインの厚みも、ちょうどいい感じです。

ソール幅は標準的ですが、今のアイアンの中では、やや狭いほうだと思います。
こうしてソールを見ていても、クラシカルなタイプだということが伝わってきました。
最新のアイアンもいいですが、昔ながらのクラシカルなタイプに出会うと、またテンションがあがってきます。
私はゴルフを始めたときから、たくさんの素晴らしいクラブに出会えた幸運なゴルファーです。
だから、ゴルフに夢中になったのかもしれません。
ゴルフが下手でも、新しいクラブに出会えることで、大きな刺激を受けてきました。

ソール形状もシンプルです。
リーディングエッジもトレーリングエッジも微妙な丸みがあります。

このようなタイプのアイアンにしては、ネックは少し短く見えますが、こういったところが今のアイアンだと思います。
昔のようなロングネックには出会えなくなりました。

ホーゼルにある『grindworks』の刻印がカッコいいです。
ファンにはたまらないのではないでしょうか?

フェース面にミーリングは無く、シンプルです。
特に変わった工夫は見られません。
スコアラインの数が13本であることも、好印象です。
私は7番アイアンでは13本が一番好きなので、親近感を覚えました。
これよりもスコアラインの間隔が狭くて本数の多いアイアンもいいですが、溝ではなく、フェース面のフラットなところにボールを乗せて運ぶイメージをもちたい私は13本くらいがちょうどいいです。
ウェッジには『ギザギザ感』があってもいいですが、アイアンには『のっぺり感』といいますか、なるべく接触面積を大きくし、乗せて運んでいきたいと思っています。
角溝が禁止になって、ミーリングのあるアイアンも増えてきましたが、私にとって『過度なスピン』よりも『フライヤーを無くす』ことが重要課題であり、その私の要求を100%満たしてくれるアイアンに私はまだ出会っていません。
『フライヤー』『チーピン』『シャンク』が、私の中で、無くしたいミストップ3です。

素振りをしても、タイミングがとりやすくて好感が持てます。
初めてではあっても、慣れたスペックなので、『よそ行き感』はありません。
『軽さによる難しさ』を感じることなく、重力に任せてヘッドを落とす感覚で振っていけるのがいいです。

ボールを前にして構えてみても、素晴らしい美顔で見とれてしまいました。
最近はこのようなアスリート系アイアンでも、ちょっとクセのあるタイプもあるので、こうして構えるまではどうかな?と思っていたのですが、このアイアンはシンプルで好感が持てます。
小顔タイプで、ボールとの大きさのバランスがとれています。
こうして構えて、実際に打つときはフェース面がもっと下を向いているイメージが欲しいのですが、このアイアンはそれができます。
最近の『スタンディングロフト』や『ラージサイズ』のアイアンはそれが難しく感じることもあり、構えたときのフェース面の角度を変えたくないと思えるアイアンが少なくありません。
いい意味でも、その逆の意味でもなるべく『無難』に打っていきたくなります。
それはあまりにも自動的過ぎて、自分の感覚が伝わりづらいからなのかもしれません。
このアイアンを構えていると、なんと言いますか、『糸を引いている感じ』です。
納豆をかき混ぜたときに発生する、ネバネバした、あの糸に近いものがイメージとして浮かんできました。
それくらい、ボールとアイアンが引き合っているといいますか、相性が良いということです。
『和の美しさ』といったらいいでしょうか?
ゴチャゴチャしたところがなく、この『静寂さ』がたまりません。
アイアン界の『和式庭園』といったところでしょうか?
試打を開始しました

打感はとても良いです。
やはり重心は高めに感じました。
そこでヒットして押したときの打感がたまりません。
ただ単に柔らかいだけでなく、ボールがくっついてめくれあがってくるような感覚・・・。といったらいいでしょうか?
弾き系アイアンでは得られない感覚です。
『ドライ』な感覚で試打することもありますが、今日は思いっきり『ウェット』といいますか、感情の高ぶりが抑えられず、この脳を揺さぶる打感に酔いしれていました。

球のあがりやすさは昔ながらの基本的な感じですが、いわゆる『お助け機能』のようなものは無いので、ハードに感じられる方が少なくないかもしれません。
幅広い層に対応しているアイアンではないですし、ある程度『打ち方』を指定してきますが、このようなタイプを好まれる方にはとても扱いやすいと感じられるのではないでしょうか?
『昔からの自分』を変えなくていいアイアンといえるのかもしれません。
フェースがボールに当たりさえすれば自動的にボールをあげてくれるタイプのアイアンではないですが、ベーシックなタイプで『打ち出しの高さ』のイメージが合いやすいのがいいです。

『安定性』という点では、マッスルバックアイアンらしく、芯が小さく、それほど高いとはいえません。
ミスにはミスとはっきり知らせてくれるアイアンです。
スイートスポットも高めなので、そこでヒットしないと、良い打感や安定した高さは出しづらいかもしれません。
『横』にも『縦』にもシビアなアイアンです。

『飛距離性能』という点では、ベーシックタイプで普通ですが、今のアイアンの中では明らかに飛ばないタイプです。
アイアンに飛距離を求めておられる方には、物足りなさを感じられるかもしれません。
スインガータイプではなく、明らかにヒッタータイプの方のためのアイアンといえます。

『操作性』は最高レベルで、左右にも敏感に反応してくれました。
最近は『大らか系』のアイアンを試打することが多く、『曲げたつもりでも、思っていたよりも曲がっていない』ことが多かったのですが、このアイアンは確実に曲げてくれます。
クセが無いので、左右どちらにも同じように反応してくれるので、ドローヒッターの方にもフェードヒッターの方にも合いやすいのではないでしょうか?
ラージサイズ系アイアンの、あの『戻るのが遅い感覚』が苦手な方には、このようなタイプのアイアンを是非試していただきたいと思います。
直球ではなく、曲球(持ち球)で勝負したい方のためのアイアンです。
試打後の感想

なかなか出会うことのないメーカーのアイアンということで、テンションもあがりやすかったのですが、かなり好みのタイプのアイアンだったので、いつも以上に楽しんでしまいました。

精悍さがあり、カッコいいアイアンですが、それほど尖った感じがしないのも魅力です。

球を打つのが楽しくて、試打しているのを忘れ、ついつい『ラウンドモード』で、ホームコースの1番ホールからイメージして打っていて、時の経つのを忘れてしまいました。

コロナの影響で、最近はなかなか練習場に行くことができず、練習場も閉まっていることがあるのですが、今日は楽しく試打することができました。
毎日雨がたくさん降ってウンザリしますが、気温があがらないのが唯一の救いです。
この豪雨で被害に遭われた方に、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧を願っています。

このアイアンを試打して、改めてゴルフクラブは『見た目』がすごく大事だな・・・。と再認識しました。
見た目でほとんど勝負が決まるといっても過言ではありません。
特にアイアンやウェッジなどはドライバーほど、大きな細工ができないので、『見た目8割』といったところでしょうか?
このアイアンを最初に見てテンションがあがり、試打を終えるまで、その期待を裏切られることはありませんでした。

またgrindworksのクラブに出会いたいな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆
飛距離性能・・・☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020年06月13日
grindworks Pro Preference GW400 Driver

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks Pro Preference GW400 Driver です。

シャフトは Fire Express RB です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは6S、シャフト重量は65g、トルクは3.4 です。

久しぶりに出会った、grindworksのドライバーです。
久しぶりとはいっても、正確には2回目で、まだまだ接する機会が多くないのが残念です。
前に試打したドライバーにはいい印象をもっているので、今日再び出会うことができて、とても嬉しくてテンションが一気にあがりました。

他のメーカーでは『溝』がある、この位置に『Pro Preference』とあったので、プロ支給モデルなのかと思いました。

ソールには3つのウェイトがあります。
この位置にあるのは珍しいように思いますが、これも重心など細かく計算されてのことでしょうか?
3つのウェイトを全て外せば、この蓋のようなものがパカッと外れそうな気もするのですが、実際はどうなのか分かりません。
この蓋のようなものを外して、中にウェイトなどが入っていれば面白いな・・・。と思ったのですが、実際は見ることができません。

ヘッド全体が黒で、シブくてカッコいいです。
シャロー系が多い中、このドライバーは適度に厚みもあります。
すごくディープという印象はありませんが、シャロー系が多い今ではディープなほうです。
ディープ系を好む私は好感が持てましたし、ヘッド全体が黒なので、さらに興味が湧きました。

ヒール側には、ネック調整の為の穴を塞いだようなものが見られます。
これを外せば、シャフト交換などが簡単に行えるのかな?
それとも、最初は調整システムを搭載する設計だったけど、途中でできなくなり、このように塞いだような形になっているかな?
どうしてだろう?と思っていたのですが、ちょうど私の打席の近くに店員さんが来たので尋ねてみたら、『スルーボア設計』になっているということでした。
スルーボアといえば、真っ先にキャロウェイを思い浮かべますが、最近ではテーラーメイドのウェッジでも見られるようになりました。
私はスルーボアの合理性を、まだ理解できていないのですが、それだけの利点があるということなのだと思います。
スルーボアのイメージといえば、あくまでも私の中では『重心を低くする』ということと、『先を硬くしてしなりを抑える』というのがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
これからは、スルーボアを採用するメーカーが出てくるかもしれません。
これは『新たな技術』というよりは、『昔からある技術の使い回し』といった印象を受けます。
昔からある技術と、最新の技術を組み合わせることで、また新たなものが生み出されていくのかもしれません。
まさに『温故知新』といったところでしょうか?

ネックの長さは適度にあります。
昔から見慣れた長さです。
今はショートネックでシャロー感が強く、『円盤』のようなドライバーが多いですが、このように適度なネック長さがあって、厚みもあるので、叩けそうで頼もしく見えてきます。

セミディープ形状といっていいでしょうか?
シャローバックタイプが圧倒的に多いですが、このような厚みのあるタイプは昔からありますし、今は少しずつ増えてきたように思います。
シャロー系に物足りなさを感じておられる方には、好感が持てる形状といえるのではないでしょうか?
あくまでも『私の中で』ですが、ディープバックタイプだと、フェースの中心とバックフェースの中心が平行に近く、ヘッドを真っ直ぐか、やや『アッパーめ』に振り抜いていくイメージが出せます。
もちろん『ダウン気味』に打とうと思えば、そのイメージも『厚み』があるので出せます。
対してシャローバックがきつく、薄い円盤のようなドライバーだと、どうしてもお尻(バックフェース側)が垂れ下がってしまい、フェースが上を向いてしまうようなイメージをもってしまいます。
それでロフトが寝ていて、フェースが被っていたら、もうどうすることもできません。
完全に『お手上げ状態』となってしまいます。
もちろん、今は様々な研究が進んでいて、シャローだからといって、必ずしもそうならないように『重心調整』や『重量配分』などがされていますが、外見的なイメージとしては、シャローすぎると『フェースコントロール』が難しくなる印象があります。
それは高いオートマチック性につながっていくともいえるのですが、逆にいえば『融通が利かない』ということにもつながります。
シャロータイプ(シャローバック)だとディープフェースであっても、『フェースの高低』を使いづらいことが多いですが、ディープタイプだと、それが易しくできるという利点もあるので、長所は短所の裏返しであり、その『逆もまた真なり』なのだと思います。

フェース面のデザインはシンプルで美しいです。
ヒッティングポイントにスコアラインが無いタイプなので、ギリギリまでフェースを薄くしながらも、強度を保つために、このようにしているのではないかな?と思いました。
フェース面がチープでなく、丁寧に仕上げられていて高級感があるのも魅力です。
飛距離や安定性などの『物理的性能』とは直接関係ないかもしれませんが、やはり『見た目の美しさ』というのはとても大切です。
打つ前に『やる気』がプラスになるか、マイナスになるかでは、大きな違いが出てきます。
今日はやる気がどんどんプラスされていきました。
実際に球を打つまでの、楽しくてワクワクする時間でもあります。

昔からある、シンプルでオーソドックスな顔をしています。
今は投影面積が大きくて平べったい印象が強いドライバーが多いですが、このドライバーの顔はキュッとしていて、立体感もあります。
こういった顔は昔から好きですし、私以外にも好まれる方は多いのではないでしょうか?
ただ、フェースが左を向いているように見えました。
これくらいであれば、今は普通といえるほどのフェースアングルなのですが、『フックフェース』には苦手意識があるせいか、ちょっと目立って見えました。
しかし、これくらいであれば全く気にならない・・・。という方のほうが多いような気がします。
超シャローで円盤のような形状で慣性モーメントが高く、このようなフックフェースのドライバーだと、もうどうにもできないこともありますが、幸い、このドライバーは適度な厚みもありますし、それほど『大顔感』は強くないので、フックフェースが苦手な私でも何とかなるかな・・・。というところがありました。
そして何より、これまでたくさん同じような形状のドライバーを試打してきているので、その経験を活かしていこうと思いました。

素振りをしてみると、いい感じです。
私の好きなファイヤーエクスプレスが挿してあるというだけでも好感度があがるのに、この美しいドライバーとのコラボということで、気持ちも乗ってきました。
全体的に『しなやか』でありながら、しっかりとした『骨』のあるシャフトという印象です。
タフさは感じないですが、頼りないこともなく、しっかりと振っていくことができました。
走りの良い印象をもちました。

オーソドックスな顔なのですが、やはりフェースが被っているように見えて、ちょっとだけ構えづらい感じがしました。
つかまえ系の顔を好まれる方は、かなり好印象なのではないでしょうか?
フックフェースに見えましたが、これくらいはたくさん経験しているので、特に大きな苦手意識はありませんでした。
フェースの被りがきついと、右を向いてそこから回して打ちたくなることもあるのですが、今日はそこまでではなく、いつも通りのスタンスの向きで打っていけそうです。
黒という収縮色なので、このフェースの被りが目立たなくていいのかな・・・。と思いました。
これがもし、『黄色』であったら、かなり構えづらくなってしまうかもしれないな・・・。などと思いました。
適度に小ぶりで、ロフト角が10.5度でありながら、『ライナー系』をイメージしやすいのが、すごくいいです。
試打を開始しました

『打感』はマイルドな感じで好感が持てました。
しっかりとした手応えがあるものの、堅い打感ではなく、手に嫌な衝撃も残りません。
ヘッドの質感に合う打感で、『フィーリングの一致』があります。

『音』は控えめで、かなりいいです。
インパクトが緩むこともなく、気持ちよく振っていけました。
10年以上前、異型ドライバーが登場したときに、その独特な形と共に、音も『異音』を発するようになってきました。
今ではそのような異音を発するドライバーは少なくなりましたが、完全に無くなったわけではありません。
見た目はいいのに、音が馴染めないな・・・。というドライバーは今でもありますが、このドライバーは好感が持てました。

『球のあがりやすさ』という点ではライナー系で、明らかにヒッター向けのドライバーです。
今はスインガータイプ・ヒッタータイプ『共用の』ドライバーが多くなりましたが、このドライバーは明らかにヒッタータイプのゴルファーを対象に作られています。
ロフトが10.5度ということもあり、打ち出しはやや高いですが、そこから『高~く』あがっていくのではなく、力強いライナー系で飛んでいきました。
イメージでいえば、横から見たときに、卓球あるいはテニスの『ドライブ』をかけている感じ・・・。といったらいいでしょうか?
高~い『ロビング系』の弾道ではなく、『ドライブ』の掛かったような弾道です。
しっかりと『押していける弾道』といっていいかもしれません。
10度以上だと『高弾道』の印象が強くなりますが、このドライバーは『中弾道』といった感じで、必要以上に上がりすぎないところがいいです。
低スピン性能が高く、叩いても吹き上がりにくいのがいいです。
私はこのような『叩ける』ドライバーが好きですが、人によっては球がドロップする・浮きづらいと感じられるかもしれません。

『安定性』は普通だな・・・。と思いましたが、今の高安定性ドライバーと比べると、正直なところはあるかもしれません。
『曲がりにくさ』で勝負しているドライバーではないですが、球のつかまりは比較的いいほうなので、好感を持たれる方も多いのではないでしょうか?
コンパクトなヘッドの割には、スイートエリアもそれなりにあって、シビアさは感じませんでした。

『飛距離性能』という点では低スピン性能もあり、高いポテンシャルを感じましたが、人によってはっきりと好みが分かれると思います。
幅広い層にターゲットを広げている『オートマチックタイプの飛距離性能』ではなく、ヒッターに絞り込んでいる『マニュアルタイプの飛距離性能』といったほうがいいかもしれません。
使い手を選ぶところもあると思いますが、これこそが『地クラブメーカーの醍醐味のひとつ』といえるのではないでしょうか?
ターゲットを絞り込んでいるからこそ、そのターゲットに当てはまる方にとっては、頼もしい相棒へと進化してくれます。
叩きに行ってもスピンを抑え込めるタイプなので、強い弾道で勝負できます。
今は低スピン性能をもったドライバーがたくさんありますが、その中でも、このドライバーの低スピン性能はトップクラスにあるように思います。

『操作性』という点では、マニュアルタイプとオートマタイプの、ちょうど中間にあるように感じられました。
球のつかまりは悪くないですが、構えたときの印象よりも左につかまりすぎないのがいいです。
右にも曲げることはできましたが、操作するタイプではないような気がします。
球を曲げようと細工をしすぎて、変なところでヒットすると、球が『ドロップ気味』になることがあったので、『低スピン系ドライバー』の特徴を見たような気がします。
球のつかまりは悪くないですが、スライスを抑制・撲滅してくれるタイプのドライバーではないので、日頃からスライスに悩んでおられる方が、クラブ(ドライバー)によってスライスを抑えていきたい・・・。という目的では使いづらいかもしれません。
試打後の感想

見た目ハードそうに見えても、実はそれほどでもない・・・。というドライバーが今は増えてきました。
いい意味での『見た目とのギャップ』のあるものが多くなりました。
そういった意味では、このドライバーは『見た目通りの性能』をもったドライバーです。
最近では少なくなった、硬派で骨太なタイプのドライバーといっていいかもしれません。

ヘッド全体の質感が良いのも印象に残りました。
チープさが全くなく、高級感があります。

10.5度で、これだけしっかりしているのだから、9.5度を試すとどうなるのかな・・・。と興味が湧きました。
一時期『低スピン性能』ドライバーが流行り、それは欧米メーカーから来たものですが、私たち日本人には合いづらいところもあり、時間が経つにつれ、その低スピン性能が『マイルド化』していきました。
低スピン性能にも『幅』が出てきたのだと思います。
ウェイトを前後左右に移動させて、重心深度や重心距離を調整できるドライバーも登場してきました。
しかし、このドライバーにはそういった工夫が見られません。
『はっきりとした』といいますか、『しっかりとした』低スピン性能があり、ヒッターにターゲットを絞り込んでいるということが試打していて、ひしひしと伝わってきました。

黒という色のイメージに合致した重量感。
今時珍しい硬派なドライバー。
ヘッドがよく利いていました。
ヘッドの質感が良く、フィーリングもいいドライバー。
叩くには打感や音の良し悪しが、より求められますが、それが高い次元で実現できているドライバー。
そんな印象をもちました。

機会があれば、またこのドライバーを試打したいですし、できれば違うロフトでも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020年05月08日
grindworks SM-A ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks SM-A ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

シンプルでカッコいい、grindworksのウェッジです。
以前、Forged Tungsten Wedgeというウェッジを試打したのですが、今回はまた違うモデルです。
grindworksのクラブはまだ経験が浅いですが、これまで試打してきて、好感を持っています。
クラブの優劣というのは、メーカーの大小ではないと、改めて感じます。

ノーマルサイズでオーソドックスな形状です。
どのクラブにも大切ですが、特にウェッジは距離感を他の番手のクラブよりもシビアに出していかなくてはなりません。
なので、フィーリング性能がとても大切ですが、このようなワンピースタイプだと魅力的です。

トゥ側には3本の線のような模様があります。
これがブランドマークなのでしょうか?

ソール幅は少し広く見えたのですが、SWということを考えると普通かなと思いますし、今はウェッジだけでなくアイアンもワイドソール化してきているので、今風の幅といえるのかもしれません。
ソール幅がテーパーになっているモデルが多いですが、このウェッジはストレートに近いタイプです。
私はフェースローテーションを使うほうなので、テーパータイプのほうがイメージが湧いてくるのですが、このようなストレートなタイプでもいい物にたくさん出会ってきているので、好感が持てます。

ソール全体は微妙な丸みがありますが、どちらかといえば平らに近い形状です。

リーディングエッジやトレーリングエッジにも削りが見られます。
削りの大きさはメーカーによって差が見られますが、このウェッジはちょうど良い感じです。

適度なネックの長さがキープされています。
ウェッジは低重心よりも高重心のほうが有利だと私は思っているので、これくらいの長さがあると好感が持てます。

ホーゼルには『218軟鉄CUSTOM』という文字が刻印されていました。
とても珍しいといいますか、初めて見ますが、CUSTOMというくらいなので、特別な素材や製法が使われているのかもしれません。

フェース面にミーリングは見られませんでしたが、指で触れてみるとザラザラしていました。
私は昔からウェッジのフェース面をよく触れていますが、このようなフィーリングは間違いなく高スピン性能をもっていると確信できます。
これは説明がしづらく、あくまでも私の経験や感覚的なものなのですが、好感が持てるフィーリングです。

そして何よりも、この『grindworks』の文字が目立ちます。
これは以前試打したウェッジには見られませんでした。
他のメーカーでもなかなか見られない工夫です。
ウェッジのフェース面はソールと同様、消耗が激しい部分なので、多くのメーカーがしないと思うのですが、あえてこうしているということは、それだけの大きな理由があるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみても好感が持てました。
ティアドロップ型でストレートな『洋顔』というよりは、全体的に丸みを帯びて、少しグースも利いている『和顔』といっていいように思います。
好感が持てる顔ですが、『ど真ん中のストライク』ではありませんでした。
しかし、このようなタイプはたくさん試打していますし、いい印象をもっています。
この大きすぎない絶妙な『グース加減』に、据わりの良さを感じられる方は多いのではないでしょうか?
こうして見ていても柔らかそうな雰囲気が伝わってきます。

フェースを開いてみても、いい感じでした。
バンスが邪魔することなくフェース面が浮いてこないので、ボールの下を鋭く切って『だるま落とし』のようなロブ系のイメージも出せました。
このままフェース面を斜めに使ってカットしていきやすそうです。
アプローチが苦手だという方や、練習する時間が少ない方は、このように開くと右に飛んで行ってしまうのではないか?と思われるかもしれませんが、SWのようにロフトが寝ているクラブだと、フェースの向きではなく、『振った方向』に球が飛び出すので、それを知っているとアプローチが易しくなりますし、『技のバリエーション』が増えて、実戦でも役に立ちます。
ウェッジは『開いてこそ』意味のあるクラブといえるのかもしれません。
もちろん、スクエアに構えたり閉じて打つこともありますが、その頻度は開くことに比べれば少ないです。
このままでも右に飛び出すことはありませんが、ただシャンクだけは注意しなければなりません。
私はこれまでシャンクで痛い目に何度も合ってきました。
シャンクは『チーピン』と一緒で、一球だけで終わらずに続くことが多いです。
私はシャンクやチーピンを連発して、多叩きを経験しています。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、なかなかいい感じでした。
球の乗りも良く、乗せて運べるフィーリングです。

球も拾いやすくてイージーです。
ソールもいい感じで滑ってくれました。
これならばおそらくコースでも刺さらずに上手く抜いていけそうです。

スピン性能は高いです。
ボールがキュッキュッとスピンが掛かってよく止まってくれました。
フェース面を触ったときにイメージしたスピン性能そのものでした。
フェース面でボール(カバーの部分=ウレタン)をブラッシングする感覚といったらいいでしょうか?
『摩擦力』の高いウェッジです。
ガツンという感じの食いつき感のあるスピンというよりは、どちらかというと『きめ細やかな』スピンといった印象を受けました。
『賑やかなスピン性能』というよりは、『静かで穏やかなスピン性能』といった感じがします。

『安定性』という点では普通です。
寛容な部分はそれほど大きくはないのかもしれませんが、ラインも出しやすいですし、特別難しいタイプではありません。
『易しすぎない』のも性能の一部だと私は思っているのですが、このようなクラブを試打すると、そのことがはっきりとしてきます。

『距離感』も出しやすくてまとめやすいのがいいです。
構えたときに『出球の高さ』のイメージが出しやすいので、スピード感だけに集中できます。
なので、落としどころを一手にすることができました。
奇をてらっていないオーソドックスなのがいいのだと思います。

『操作性』は高く、色々な球を打たせてくれました。
上げるも良し、転がすも良しといった感じです。
試打後の感想

すごくシンプルでカッコいいウェッジです。
打つ前から、いい印象をもっていたのですが、実際に打ってみてもその通りでした。

構えやすくて打感も良く、スピン性能が高い、優等生的なウェッジです。

これといった弱点が見つからず、長く使っていけそうです。
唯一挙げるとするならば、やはりグースタイプやラージサイズ・軽量タイプのウェッジを好まれる方には合いづらいところがあるような気もします。

フェース面にある『grindworks』の文字も、構えたときに目に入りましたが、邪魔に感じることは無かったので、このような遊び心があってもいいのかな・・・。と思いました。

なかなか出会えないメーカーのクラブですが、これまでいいクラブばかりだったので、これからもたくさん試打していきたいと思います。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020年02月19日
grindworks Forged Tungsten Wedge

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks Forged Tungsten Wedge です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは50度、長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

初めて試打する、grindworksのウェッジです。
これまで、ドライバーとアイアンを試打したことがあるのですが、ウェッジは初めてです。
このメーカーのクラブに接した経験がまだ少ないですが、クラブ全体の雰囲気など、いい印象をもっています。
メーカーによっては、どのクラブもチープな感じがするものもあり、ゴルフクラブというよりは、クラブに似たオモチャだな・・・。と思ったことがありますが、このgrindworksは違います。
とても質感が良くて、美しいですし、丁寧に作られている感じがします。

標準的な大きさでオーソドックスなタイプです。
軟鉄の質感がとてもいいです。
最近はステンレス系のウェッジも多くなりましたが、やはり軟鉄が最強だと思います。
試打する前から、既に私の目尻は下がりっぱなしです。

ヒール側にある、このgrindworksの文字がカッコいいです。
派手さがなく、控えめな大きさですが、見た目のインパクトもあります。
こうして見ているだけでも、いい目の保養ができますし、テンションもあがってきます。
今から、このウェッジを試打することができると思うだけで、嬉しくなります。

シンプルなタイプのウェッジですが、完全なフラットフェースタイプではなく、少し凹んでいて、キャビティタイプになっています。
アイアンにはマッスルバックやハーフキャビティ・フルキャビティ・ポケットキャビティ・中空アイアンなどがありますが、そういった意味で、このアイアンは『ハーフキャビティウェッジ』といえるでしょうか?
私はウェッジではそれほどキャビティタイプを求めてはいませんが、これくらい控えめなキャビティだと、打感が犠牲になっていなさそうで好感が持てます。

角度を変えてみても、この彫りが浅いことが分かります。
これにはどういった意味があるのでしょうか?
おそらく、何らかの意味があると思うのですが、おそらく重心の配分なのだと思います。
このウェッジには『タングステン』という名前が付いていて、どこかに組み込まれているのだと思いますが、こうして見回してみてもよく分かりませんでした。
アイアンだったら、ほぼ間違いなく、ソールに組み込まれていますが、このウェッジの場合はどうなのでしょうか?
外見からは区別がつきませんでした。

ソールは少し広めですが、極端ではないですし、これくらいであれば、標準の範囲内といっていいように思います。
ウェッジはトゥからヒールにかけてテーパーになっているものが多いですが、このウェッジはストレートに近いタイプです。
このウェッジが58度ではなく、50度だからでしょうか?
ソール全体が少しカーブしているようになっていて、この形状は他でもよく見られます。

ネックの長さは適度にありますが、ロングというほどではありません。
ウェッジとしては、平均的な長さです。

綺麗なフェース面です。
フェース面にミーリングはありませんでした。
メーカーによっては、仕上げが雑であったり、チープな感じのフェース面が見られますが、このウェッジは違いました。
とても綺麗で丁寧に仕上げられていて、ウェッジ好きの私としては、このフェース面を見ていて、またやる気が出てきます。
色々な部分を見ているうちに、どんどん気持ちが萎えてしまうクラブにも出会うこともありますが、このウェッジは真逆で、どんどん気持ちが盛り上がってきます。
見ているだけで、伝わってくるものがありました。

こうして見ても、シンプルな形状で、ほぼフラットバックと変わりません。

トップラインの厚さも標準的で、構えたときに、いいイメージを描いていけそうです。

ボールを前にして構えてみると、グースの利きがちょっと目立ちました。
丸顔に近い顔なので、『和顔のグース』、あるいは『日本顔のグース』だな・・・。と思いました。
グースタイプのウェッジといえば、ピンやキャロウェイを思い出しますが、それらは『洋顔のグース』です。
私が強いグースは苦手にしていて、特に洋顔のグースには苦手意識を強くもっていて、今でも払拭できていません。
グースネック構造が理にかなった素晴らしい構造だと理解していますが、これからも試打することはあっても、購入することは決してないと思います。
グースネックは難しい・・・。という思いが染みついているのかもしれません。
このウェッジは洋顔と違うタイプであり、和顔のグースで懐かしい感じがします。
『BS(ブリヂストン)の雰囲気』をもった、和顔のグースです。
昔大人気だった、J'sウェッジを思い出しました。
グースで『据わり』のいい構え感といったらいいでしょうか?
私はストレートタイプが好きですが、この顔を見て、懐かしいな・・・。と思いました。
ストレートタイプだと、『刃先』で拾っていくイメージが出しやすいですが、このようにグースが利いているタイプだと、刃先というよりはもうちょっと上で押さえ込むように運んでいきたくなります。
どちらにせよ、グースタイプは私にとって『ホーム』ではなく、『アウェイ』なので、ダフらないように・・・。
そこだけを気をつけることにしました。
私が好む構え感ではないのですが、この構え感を好まれる方はとても多いと思います。

フェースの開きやすさは、まずまずです。
50度のウェッジなので、56度や58度ほど大きく開いて使うことはないですが、それでもフェースの開閉は日常的に使います。
フェースを開いて『上げる』とか『スピンを掛ける』というイメージよりも、私の場合、フェースを開いて『球当たりをソフトにして、球を軽くする』イメージをもちます。
重さで止めるイメージもありますが、逆に軽さで止めるイメージも欲しくなります。
『クリネックスショット』のイメージに近い感じです。
そういった意味でも、このウェッジは軽さをイメージすることができました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、とても良いです。
見た目通りの柔らかさといったらいいでしょうか?
打つ前に見ていて、すごく打感が良さそうだな・・・。と思っていたのですが、その通りでした。
軟鉄のもつ、独特な柔らかさがあり、心地よい感触が残りました。
『球の乗り』も良く、一瞬くっつく感じを楽しむことができました。

『スピン性能』も高いです。
『激スピン』という感じではないですが、ボールがしっかり乗っかってくれて、程よくスピンが掛かりました
ボールがピタピタとよく止まり、アグレッシブに攻めていけそうです。
56度や58度ではなく、50度ですが、スピンがほどけることなく、しっかりと食いついて止まってくれました。
『激スピンタイプ』ではなく、『適スピンタイプ』のウェッジといっていいように思います。
受けグリーンで奥にこぼしてしまって、SWでは寄せづらいシチュエーションで、どうしてもAWでいかなくてはいけない・・・。という場面でも、このようにしっかりとスピンを掛けてくれると心強いだろうな・・・。と思いました。

球のあがりやすさ・拾いやすさといった点では普通です。
ストレートタイプではなく、グースがちょっと利いているので、打ち出しを少し低くできる利点があります。
やや低めに打ち出して、キュキュッと高速スピンで止めるといった感じでしょうか?
ウェッジでは普段、アプローチばかりで試打をすることが多いのですが、今日はフルショットでも試してみて、いい感じで打っていくことができました。
『面全体』で、少し押さえ込んでいくイメージがちょうどいいように感じました。
『拾う』というよりも『押さえ込む』というイメージのほうが、私には合っていました。

『安定性』という点では普通で、特別寛容なタイプではないと思います。
このウェッジはキャビティタイプといえますが、これまで出会ってきたキャビティタイプのウェッジのような寛容さとか大らかさはあまり無いように感じます。
普通のフラットバックタイプのウェッジとして扱うのが自然な感じがします。

『距離感』は最初のうちは、ちょっと前後がブレてしまったのですが、それはグースタイプが苦手な私に原因があるように感じました。
何球か打って合わせることができましたが、グースタイプが好きな方には、とても距離感が出しやすいのではないでしょうか?
タッチが出やすくて、球持ちのいいウェッジなので、その『くっつく時間』の長さから、シビアに落としどころを絞り込むことができます。
距離感には『出球の高さのイメージ』と『打ち出しのスピード感』がマッチしていることが重要ですが、このウェッジはかなり優秀です。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
低く出して転がすこともできましたし、開いて勢いを殺すこともできました。
今日は50度のウェッジでしたが、56度や58度だと、ロブ系のショットもかなり易しそうです。
フェースの開閉を活かしていけるウェッジです。
試打後の感想

grindworksのことをよく知らず、今回は初めてのウェッジだったのですが、これまで同様、とてもいい印象をもつことができました。

打つ前から、その質感の良さに目を細め、好感を抱いていましたが、その通りのフィーリングでした。

『和顔のグース』というのも印象に残りました。
グースタイプのウェッジは今もよく目にしますが、このウェッジは『懐かしいグース』だな・・・。と思いました。
先ほども書きましたが、『BSのグース』を思い出しました。
一世を風靡したグースといってもいいと思います。
私はその頃もグースタイプが苦手で上手く打てなかったのですが、当時はストレートタイプよりもグースタイプのほうが人気が高く、使っている人が多くいました。
今はそれほどでもありませんが、昔はある1人のスター選手が使っていれば、自然とクラブの人気も高まり、よく売れるという時代でした。
それがいいのか悪いのか分かりませんが、そんな昔のことを思い出しました。

このウェッジで一番印象に残ったのは、ソフトな打感です。
タッチが出しやすく、球の乗りがいいです。
今はキャビティタイプのウェッジも多く見られるようになりましたが、このフィーリングはそういったウェッジでは味わえません。

スピン性能も高くて、実戦向きだと思いました。
フェース面にミーリングは無く、指で触ってみても、それほどザラザラした感じはなかったのですが、ボールを見事に止めてくれました。
グリーン回りでも『止めるチップショット』が打ちやすいのではないかな?と思いました。
スコアラインがとても綺麗で、『スタンプ感』が無く、丁寧に仕上げられているのも印象的でした。
『大量生産感』といいますか、目の届かない品質管理ではなく、一本一本目の届く丁寧な品質管理がされているように感じました。

なかなか出会うことがないメーカーですが、これからもgrindworksには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2017年02月26日
grindworks Forged Dual Pocket Iron

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks Variant ONE Driver です。

シャフトは GRAPHITE DESIGN Tour AD AD-65TypeⅡ です。
ロフトは30度、クラブ長さは37.5インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は384g です。

初めて出会った、grindworksのアイアンです。
先日、ドライバーを試打することができたのですが、今日は、この美しいアイアンを手にすることができました。
初めてなので、いつも以上にドキドキします。

オーソドックスなポケットタイプのアイアンです。
サイズも大きめでした。
一口にアイアンといっても、今は色々なタイプがありますが、このアイアンはイージー系で親しみやすそうな雰囲気があります。
これまでも同じようなタイプのアイアンをたくさん試打したことがあり、時には雑に感じたこともあったのですが、このアイアンにはそういうものは感じませんでした。
ラージサイズですが、『丁寧さ』『カッコ良さ』がありました。

彫りの深さもたっぷりあります。
こうして見ていても、重心深度がかなり深そうなのが分かります。
球がブレにくい、大船のような雰囲気があります。
アイアンはドライバーなどの『ウッド系クラブ』と比べると『浅重心』ですが、このアイアンは浅重心というよりは深重心という印象をもってしまいます。
『お尻の重たさ』を感じさせます。

トップラインは、やや厚めでしたが、極端な感じはしませんでした。
適度な厚みを維持しているな・・・。と思いました。
構えたときに、このトップラインの見え方で、感じ方が大きく変わってくることもあるので、私は重視しています。
厚すぎたり丸っこさがありすぎたりすると、イメージがぼやけてしまうこともあるのですが、このアイアンはいい感じだろうな・・・。と思いました。
易しさを追求していながらも、決してフィーリングを軽視していない・・・。といいますか、『かゆいところに手が届く』感じがしました。
私はgrindworksというメーカーのことを全く知らないのですが、好感度が上がってきました。

ワイドソールタイプです。
こういったイージー系ではノーマル幅といえるかもしれません。
これだけ広いと、『上から』というよりは『横から拾っていく』イメージが出しやすいかもしれません。
私はもう少し狭いほうが易しく感じるのですが、これくらいのワイドなほうがいいという方もたくさんいらっしゃるように思います。
今はゴルファーの細かい好みにしっかりと応えてくれるクラブがたくさんあるので、私たちゴルファーは幸せです。
どれを選べばいいんだろう?と迷ってしまうこともあるかもしれませんが、この迷ってしまうのも、ゴルフの楽しみのひとつだと思います。

ソールは丸みがはっきりしているというよりは、平らに近い感じもしますが微妙に丸みを帯びていて、『滑り』も良さそうです。
リーディングエッジが削られているのがすぐに分かりました。
芝の抵抗に負けない『抜け』の良さがありそうです。
最近は『大手メーカー』『地クラブメーカー』問わず、このようなタイプが圧倒的に多くなりました。
削りの入っていないアイアンのほうが少ないように思います。

ネックは短めでした。
こうして見ていても、かなり重心が低そうです。
いわゆる『頭でっかち』タイプでした。
グースが効いているのも分かりました。
かなりはっきりとしたグースネックでした。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ごくノーマルな美しいフェース面です。

素振りをしてみると、イメージよりも軽くて、少し戸惑うところがありました。
ヘッドだけを見ると、ラージサイズですし、しっかりとした造りになっているので、結構重量があるように見えたのですが、実際はそうでもありませんでした。
もちろん、装着されているシャフトの影響も大きいと思います。
私には軽すぎる感じがしたのですが、今はこういう軽めのスペックの人気も高いのだと思います。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずでした。
この大きさに安心感をもたれる方は多いのではないでしょうか?
グースの利きも目立っていました。
私が好むタイプとは異なるところもあるのですが、強いクセのようなものは感じませんでした。
このようなラージサイズのアイアンだと、グースを効かせるのが自然なことのように思います。
これがもしストレートだったら、球がつかまりきらずに、右に抜けやすくなるかもしれません。
私はフェースターンを強くして、球をしっかりとつかまえて運んでいきたいタイプなので、小顔タイプが易しく感じるのですが、フェースターンを小さく、できるだけ変えないようにして打ちたい方には好ましい構えやすさといえるのではないでしょうか?
大顔タイプのアイアンではありますが、丁寧さが感じられ、大味な感じはしませんでした。
軽量であることと、グースタイプということで、私が苦手に感じるところがあったのですが、そこに気をつけて振っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』はまずまずでした。
こういうポケットタイプのアイアンなので、大体の予想はしていましたが、その予想通りでした。
軟鉄ハーフキャビティやマッスルバックのような柔らかさと厚みのある打感ではないですが、こういう打感もアリだと思いました。
イージー系のアイアンの中には、雑に感じたり何だか擦ったような打感であったりするものがあるのですが、このアイアンにはそういったものを感じませんでした。
イージー系アイアンの中でも、『丁寧な打感』といいますか『おとなしい打感』だと思いました。
伝わってくるものはマッスルバックやハーフキャビティなどと比べると少ないように感じましたが、これまでも経験していますし、大きな不満はありませんでした。
『乗っかり感』よりは『弾く感じ』のほうが強く感じられました。

球はとてもよくあがりました。
『あがりすぎ』というくらい高くあがってくれました。
このアイアンのロフトは30度ということで、私の感覚では『5番と6番の間』になるのですが、それを全く感じさせないあがりやすさでした。
『ロフト崩壊』といったら大袈裟かもしれませんが、そう感じさせるほど、このアイアンの弾道の高さが際立っていました。
今の多くのアイアンはロフトが立っていて、そのデメリットを補うたくさんの技術や工夫が取り込まれていますが、このアイアンも同じだと思いました。
グースタイプなので、最初の数球は球を拾いづらい感じがしましたが、だんだんと慣れてきて、難しく感じることはありませんでした。
低く打つのが難しく感じるくらい、『ほぼ自動的に』球をあげてくれるアイアンだと思いました。

『安定性』も高いです。
完全にオートマチックタイプのアイアンです。
大らかさが感じられました。
船でいうと、『大船タイプ』です。
細かな操作が難しい分、直進性が高いので、そのメリットを活かしていけばいいのだと思いました。
ラージサイズですが、球のつかまりも問題ないと思いました。

『飛距離性能』も優れています。
よく飛びます。
今はディスタンス系アイアンがたくさんありますが、このアイアンも間違いなくその仲間に入ります。
こういうイージー系のアイアンを試打していると、『飛ばす為』に、易しくしているのではないか?と思うことがよくあります。
よく飛ぶけど、その分よく曲がる。スイートエリアが小さくて、飛ぶときとそうでないときの差が激しい・・・。というのではあまり人気は出ないかもしれません。
ドライバーと同じようにアイアンも飛距離が求められるようになってしばらく経ちましたが、飛距離とオートマチック性とは切っても切れない関係にあるのかもしれません。
キャリーもしっかり出せましたし、『振れば飛んでいく』という印象をもちました。

『操作性』は、それほど高くはないと思いますが、一応左右に曲げることもできました。
大きく曲げづらかったですし、すごく極端で不自然なことをしているな・・・。と思いました。
グースは効いていますが、球が引っ掛かるという感じはしませんでした。
『ニュートラル』に近い性能をもっているように感じました。
ただ、できればもっと重量のあるスチールシャフトを装着すると、もっと扱いやすくなったのではないかな?と思いました。
今は重量のあるカーボンシャフトも発売されていますが、それならばスチールで充分と思ってしまいます。
コストパフォーマンスはスチールのほうがまだ高いですし、これまでの経験による信頼度の高さがスチールシャフトにはあります。
ただ、スチールシャフトは金属である以上、いつかは必ず『へたり』が出てしまいます。
『耐久性』という点では、今のカーボンシャフトのほうが高いと思います。
昔のカーボンシャフトは品質が不安定でしたが、今のカーボンシャフトはすごくレベルアップしています。
ヘッドよりもシャフトの進化のほうが大きいように思います。

難しく飛ばすといいますか、技術を使って飛ばすのではなく、『易しく飛ばしていく』ということがクラブに求められているのかもしれません。
『飛ばしのオートマチック化』が今の多くのアイアンに求められているように思います。

アイアンは飛ばす為のクラブではなく、正確に狙った距離を『刻む』クラブだと私は思っていますが、そうではなく、とにかく飛ばしていきたい・・・。アイアンにも距離を求めていきたい・・・。というのも、人の心理なのかもしれません。
今はアイアンを少なくセッティングしておられる方がとても多くなりました。
『5番から』あるいが『6番から』という方も多く見かけます。
『7番から』という方もいらっしゃいます。
それはボールの進化によるところも大きいと思いますし、あがりやすくてイージーなクラブが求められているのかもしれません。

『易しさ』とはまた別に『狙いやすさ』『保険の掛けやすさ』ということで考えてみても、私はアイアンに分があるように思うのですが、ユーティリティやFWの高性能化が、アイアンの本数を減らしているのかもしれません。
このアイアンは7番アイアンですが、まるで『ユーティリティアイアン』を打っているような印象をもちました。

イージー系アイアンらしい、『あがりやすさ』『高安定性』『飛距離性能の高さ』という三拍子が揃っていました。
先ほども書きましたが、大味なところが無かったので、好感がもてました。
チープな感じは全くしないですし、雑な感じもしません。

私が使っているアイアンとは全く異なるタイプのアイアンですが、好感がもてました。
おそらく、これから先も私はこういうタイプのアイアンを使うことは無いと思いますが、もし購入する機会が訪れたとしたら、このアイアンも候補に入れるだろう・・・。と思いました。
易しくても、チープな感じのアイアンは使いたくない・・・。
他の人が使っていなくてカッコいい高性能なアイアンを使いたい・・・。という方に、是非試していただきたいと思いました。

私はこのメーカーのことを全くといっていいほど知らないのですが、先日試打したドライバーに加え、このアイアンを試打して、好感度があがりました。
飛距離や安定性なども印象に残りましたが、一番強く印象に残ったのは『丁寧さ』です。
雑なところが無いのが、一番のポイントでした。
訊くところによると、このメーカーは違うタイプのアイアンも作っているということなので、次回は是非そちらも試してみたいと思いました。
先日初めて知ったメーカーですし、このようなメーカーのクラブに出会うことができる日本に住んでいて、とても幸せなことだと思いました。
海外に出張に行っている友人にも、こういうアイアンがあるんだと知らせてあげたくなりました。
あと約半年海外に出張している友人ですが、帰国後の彼の喜ぶ顔を想像するだけで嬉しくなりました。
また何度でも試打してみたいアイアンです。
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2017年02月12日
grindworks Variant ONE Driver

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks Variant ONE Driver です。

シャフトは MULTI.AXIS です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは6SR、クラブ総重量は308g です。

初めて手にした、grindworksという名のドライバーです。
私は知りませんでした。
ゴルフクラブの記事を書いていながら、知らないクラブが多いな・・・。と反省することが多いですが、今日も反省しました。
ゴルフクラブに対してのアンテナを張っていないので、不勉強だな・・・。と思います。
歴史のある有名なメーカーなのでしょうか?
質感といいますか、雰囲気などから、おそらく日本のメーカーではないかな?と思いました。
大味なところはなく、美しいドライバーです。

オーソドックスなタイプのドライバーです。
ヘッドの大きさは感じますが、シャローというよりは、どちらかというと厚みがあるように見えます。
とても丁寧に作られているな・・・。と思いました。
チープな感じは全くありません。
『重厚感のある美しさ』といったらいいでしょうか?
ドライバーのヘッドには『軽量感』を求めておられる方も多くいらっしゃると思いますが、私は昔からこのような重厚感といいますか、『ある程度の重さ』を視覚で感じとりやすいヘッドが好きです。

ネックの長さは普通ですが、今はショートタイプが多いので、そういう意味では、やや長めといえるのかもしれません。
ネックに調整システムは搭載されていませんでした。
便利な調整システムはとても魅力的ではありますが、やはりこのようなシンプルなヘッドはいいな・・・。と思いました。
すっきりして見えます。
ネック部分に重量が集まらないので、ヘッドの設計自由度も高まると思います。

このドライバーの特徴は何といっても、このソールにある溝です。
珍しいタイプの溝です。
ソールのフェース寄りに溝があるドライバーは、これまでもたくさん試打してきましたが、このようにトゥ側とヒール側に分かれているのは初めてです。
この溝には、どのような効果が期待できるのでしょうか?

ヒール側の溝を近くでよく見てみました。
トゥ側と同じ深さでした。

深さは結構ありました。
ソールの溝の深さや幅は、メーカーによって違いがあり、統一されていないのが面白いな・・・。と思いました。
どの溝がベストなのかは、まだ答えが出ていないのかもしれません。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側には、それぞれウェイトがひとつずつありました。
今は大きいウェイトを見慣れてきているせいか、少し小振りに見えました。
ウェイトが目立つように、あえて色を変えているものもありますが、このドライバーのウェイトはあまり目立たないようにしてあります。
何gなのかな?と思い、近くでよく見てみたのですが、数字は表示されていませんでした。
専用の工具を使えば簡単に交換できそうですが、交換するようにはできていないのかもしれません。
ヘッドの内部ではなく、外部にあえて目立つようにウェイトが配置されるようになって何年か経ち、すっかり見慣れた感がありますが、その大きさや位置などがバリエーションに富んでいるので興味深いです。
私が愛用しているドライバーにもウェイトが3つ配置されているのですが、未だに外したことがありません。
鉛も貼っていません。
このドライバーは落ち着いたデザインで調整機能も付いていないので、シンプルなタイプに見えましたが、こうして見ると、色々な工夫がされていて、機能性を感じました。

この艶消しなヘッドがとてもいいです。
落ち着いた感じがします。

ソールだけでなく、クラウンにも溝がありました。
珍しいですが、これまでも何度か見てきました。
クラウンにもソールにも溝があるので、以前試打したアダムスのUTを思い出しました。
あのUTはとてもスグレモノで、今でも強く印象に残っています。


溝は浅めでした。
クラウンはあまり厚さを持たせられない為、このような浅い溝も仕方ないのかもしれないですし、逆にこの深さが計算された深さなのかもしれません。
あえてこのような溝を入れているということなので、おそらく大きな効果が期待できるのだと思います。
今はメーカーによって、色々な個性のあるクラブが溢れています。
対して、あまり個性を感じないクラブがあるのも事実です。
このドライバーは前者で、とても個性的です。
grindworksは初めてですし、まだ分からないことも多いですが、好感がもてそうだな・・・。と打つ前から思うことができました。

セミディープタイプといっていいと思います。
しっかりとした厚みがありました。
最近はシャロータイプが圧倒的に多いですが、このようなディープな物も少しずつ見かけるようになりました。
今はディープでも上がりやすい物もありますし、逆にシャローでもしっかりした物もあります。
ドライバーなど設計自由度の高いクラブは、外見だけでは判断しづらいところがありますが、そこもまたいいのだと思います。
打つ前の予想と、実際に打ってみた感想とのギャップがあると、嬉しく感じることもあります。

フェース面のデザインはとてもシンプルでした、
美しいフェース面です。
フェース面の模様といいますか、スコアラインを見ていると、昔試打したあの名器『EPON AF-101』を思い出しました。
丁寧に仕上げられている感じがしますし、使い込んでいけばいくほど、いい味を出してくれそうだな・・・。という思いもありました。
とても弾きが良さそうでギリギリまで削られているように感じられたので、割れたりしないかな?という思いもありました。
力強い球が打てそうなフェース面です。

バックフェース寄りにある、このアクセサリーも目立っていました。
このマークが、grindworksのトレードマークなのでしょうか?

顔もオーソドックスな感じで、好感がもてました。
奇をてらったところはありませんでした。
艶消しが、いい味を出しています。
結構『顔(フェース面)』が出ているクラブだな・・・。と思いました。
バルジが独特なカーブを描いています。
トゥ側が主張せず逃がし気味になっているのがいいと思いました。
日本メーカーらしいといいますか、昔のパーシモンを思い出しました。
真っ直ぐに近いバルジを好まれる方には、少し見慣れない感じがするかもしれません。

素振りをしてみた感じは、予想していたよりもシャフトが軟らかくて少し意外でした。
全体的な雰囲気などから、もっとしっかりしたスペックになっているのかと思っていましたが、そうではありませんでした。
ただ、装着されているシャフトのフレックスがSRということで、妥当なのかな?と思いました。
これがもしSだったら、かなり軟らかいSということになりますし、違和感があったかもしれません。
結構先に近いところが動く感じがしました。
重量というよりも、この軟らかさに注意が必要だな・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみると、いい感じでした。
引き締まったブラックが、いい雰囲気を醸し出しています。
ギュッと凝縮した感じがして、意識が分散されません。
クラウンの溝が目に入りますが、特に気になることはありませんでした。
ヘッドは大きく見えましたが、オートマチック性というよりはマニュアル性を感じさせる構え感だと思いました。
左に不安を感じさせる顔ではないので、フッカーの私も気持ち良く振っていけそうに感じました。
試打を開始しました。

一球目から『ゴロ』を打ってしまいました。
当たりが悪く、ボールが申し訳なさそうに転がっていきました。
タイミングが合わず、思いっきりミスショットをしてしまいました。
シャフトの軟らかさに全く対応できないまま振ってしまったようです。
打つ前に素振りをしたのですが、それでもまだタイミングを取りきるまでには至っていなかったようです。
もっと充分に素振りを繰り返さなくてはいけなかったのですが、早く打ちたいという気持ちが強すぎて焦ってしまったのかもしれません。
これはクラブのせいではなく、完全に私のせいだと思いました。
打席を外して、素振りを繰り返しました。
この軟らかさに対応できるよう、充分素振りを繰り返しました。
一球目から、『こちらのスイング』をするのではなく、まずは『お伺いを立てながら』といいますか、クラブに問いかけるような感じで打っていこう・・・。と思いました。
シャフトがよく動くので、『気持ち少し待つ感じ』がいいのかな?などと考えていました。
試打を再開しました。

『打感』は、いい感じでした。
しっかりしていて、『球の質感』を感じとりやすいのですが、決して硬くなく好感がもてました。
手に心地いい感触がしばらく残りました。
この美しいヘッドに似合う、優れた打感だと思いました。

『音』も良いです。
こもった感じの音ではなく、はっきりした感じの音です。
はっきりしていますが、甲高くなくいい感じの音でした。
叩きにいって強めのインパクトをしても、全く不満がありませんでした。
私は音の良くないドライバーには全く魅力を感じませんが、このドライバーの音は好感がもてました。

『球のあがりやすさ』という点では、『しっかりしたタイプ』でした。
予想していたよりも弾道はしっかりしているといいますか、少し抑えられている感じがしました。
高~くあがっていくタイプではありません。
ロフトは10.5度ですが、とてもしっかりしていて高さを抑えられている感じがしました。
シャフトもよく動くタイプなので、もっと高弾道を予想していたのですが、実際はそうではありませんでした。
『スピン過多』で失速してしまう・・・。というタイプではなく、明らかに『低スピン』タイプのドライバーです。
普段『一桁ロフト』を使用している方も、まずはこの10.5度を試してみられてはいかがでしょうか?
とはいっても、タフ過ぎることもなく、普通にあがってくれるので、敷居の高さはそれほど感じませんでした。
低スピンタイプであることは明らかですが、球がドロップしてしまう・・・。という印象はありませんでした。

『安定性』は、なかなかいい感じで易しさを感じました。
今のドライバーは高安定性タイプが多いので、そういう意味では平均的といえるでしょうか?
シビアさのようなものは感じませんでした。
スイートエリアの広さも、しっかりと確保されていると思います。
『セミイージー系』といっていいのかもしれません。

『飛距離性能』という点では、好みがはっきりと分かれるかもしれません。
低スピン性能が高いので、ヒッタータイプの方に合いやすいと思います。
ある程度HSが無いと球が浮きづらく、距離が稼ぎづらいと感じられるかもしれません。
しかし今は低スピン系のドライバーも多いですし、そういうタイプのドライバーを好まれる方には、とても高いパフォーマンスが期待できます。
フェースの弾きが良く、強い球が打てるドライバーです。
パワフルな弾道といったらいいでしょうか?
頼もしい感じがします。

『操作性』は、いい感じでした。
左右どちらにも対応してくれる、オールマイティなタイプだと思いました。
クセのようなものは感じませんでした。
最近は、左右に大きく曲げづらいと感じるドライバーが多くなってきましたが、このドライバーは違っていました。
左右にも大きく曲げることができました。
とはいっても、普通に打っている限り、球が散りやすいタイプではないので、神経質になるほどではないと思いました。
私はヘッドよりも、シャフトに難しさを感じました。

今日、偶然に出会い、初めて手にすることができたのですが、いい印象のまま試打を終えることができました。
初めて出会うメーカーのクラブは、これまでの経験なども無いので、全くの白紙から試打することになります。
好感のもてる物もあれば、苦手に感じることもあります。

このドライバーは前者でした。
好感がもてましたし、また試打する機会があれば何度でも試打してみたいと思いました。
ただ、次回は違うシャフトで試してみたいという思いが強くありました。
最初からもっといい結果が得られただろう・・・。と思いました。

先ほども書きましたが、『低スピン性能』が高いドライバーなので、球があがりづらいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
充分な高さが得られないという方もいらっしゃるかもしれません。
最近のドライバーは、あまり『ロフト』は参考になりづらいところもありますが、このドライバーはとても『しっかりとした10.5度』なので、このロフトよりも立つと、かなりタフになるような気がします。
おそらく違うロフトもラインアップされていると思うので、次回は是非そちらでも試してみたいと思いました。
ヘッドはとてもポテンシャルが高いですし、魅力を感じたので、色々なシャフトで試してみたら面白いだろうな・・・。と思いました。

最近のドライバーは球があがりやすい物ばかりでつまらない・・・。
めくれるような球ではなく、しっかりとした強い弾道の打てるドライバーを探している・・・。という方に、是非試していただきたいと思いました。
高く舞い上がってしまう『軽い球質』のドライバーではなく、適度な高さを維持する『重さのある球質』の打てるドライバーだと思います。
私は昔から『スピン過多』で悩んでいた時期が長いので、このような低スピン系が好きですし、今愛用しているドライバーも、そこが気に入っています。
マイドライバーと打ち比べてみたいと思いましたが、その時はできれば同じシャフトで試してみたいな・・・。と思いました。
初めて出会った、grindworksというドライバーですが、歴史のある老舗メーカーなのでしょうか?
それともまだ新しいメーカーなのでしょうか?
私は最新のクラブ事情に疎いところがあるので、知らないのですが、好感がもてましたし、このようないいクラブに出会える日本に住んでいて、とても幸せだな・・・。と思いました。
明日、早速友人達にも、このドライバーのことを伝えよう・・・。と思いました。
少し後ろ髪を引かれる思いで、練習場を後にしました。