RAZZLE DAZZLE
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2022年05月29日
RAZZLE DAZZLE CS-05W WEDGE

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RAZZLE DAZZLE CS-05W WEDGE です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ です。

久しぶりに出会った、RAZZLE DAZZLEのウェッジです。
これまで試打した回数は少ないですが、とても強く印象に残っていて、好感を持っています。
初めて試打したときも、すごく存在感がありましたが、それが今も変わっていません。
大手有名メーカーのウェッジも高性能で素晴らしいものが多いですが、日本の地クラブメーカーも決して負けていないということを私は強く感じています。

オーソドックスな形状で大きさも標準的です。
質感が相当良く、しばらく見つめていました。
目の保養ができる、私にとって『お楽しみタイム』です。
こうして見ているだけで気持ちが盛り上がってくるのが分かります。
私の心は既にルンルン状態で、周りに人が居なければスキップでもしたいほどです。
質感の良し悪しは好みが分かれるので一概には言えませんが、もっと多くのメーカーがこのような質感だったらいいな・・・。と思いました。

ヒール側には『FORGED』の文字があります。
フォージドであれば、何でもいいというものではないですし、いろいろなタイプがあるようですが、このウェッジはとても良さそうです。
このクラブの『線』をとっても、そして精密な削りを見てもムラが無く、『一定感』があり、均一的なところがいいな・・・。と思いました。
『ハンドメイド感』は無いですが、こういった『機械加工』的なウェッジもまた魅力的です。
ウェッジはクラブの中では一番摩耗が激しく、消耗品のような一面もありますが、できるだけ綺麗なものを使いたいと思っています。
そういう意味でも、このウェッジは充分すぎるほどの美しさ・質感の良さがあります。
見ていてテンションがあがらないクラブもありますが、このウェッジはすごくあがってきて、まだ球を打っていないのに、明日仲間たちにこのウェッジを勧めてみよう・・・。きっと喜んでくれるだろう・・・。とワクワクしてきました。

トップラインは標準的です。
最近は『テーパー』になっているものが多くなりましたが、このウェッジは違います。
あえてそうしているのかもしれません。
今は主流ですし、おそらくこのウェッジもCADで設計されていると思うのですが、『機械的な』のも、またいいものだな・・・。と思いながら見ていました。
いずれ、全てのクラブをAIが設計するようになるかもしれません。


バックフェースには大きな溝があるので、一応キャビティタイプのウェッジといえるでしょうか?
こうすることで、適切な重心設計ができているのだと思います。
ドライバーからパターまで全て『低重心』がいいと思っておられる方はたくさんいらっしゃるかもしれませんが、ウェッジは低重心よりも高重心のほうが有利な場面は多いです。
それはスピンの掛かりやすさ・ほどけにくさにあります。
昔から高重心のウェッジはたくさんありました(というよりはそればかり)が、昔は糸巻きボールが主流でスピンが掛かりすぎてコントロールしづらいということがよくありました。
しかし今はいい意味でのボールの低スピン化が進み、ドライバーの飛距離や方向性がアップしただけでなく、ウェッジショットでのコントロールしやすさが向上したのが、とてもありがたいです。
ボール内部にもいろいろな工夫がされているのは間違いないですが、ウレタンカバーは偉大だな・・・。とPRO V1が登場したときから実感しています。
ボールの芯ではなく、カバーでフィーリングを出せるような時代になりました。
使い古したバラタカバーのボールは、カバーが摩耗してフェース面を滑ってしまうように感じることがありましたが、ウレタンになってそれがほとんどなくなりました。
まだまだウレタンの時代が続くのではないでしょうか?

トップラインの厚みは標準的です。
広くはなく狭くもない、ちょうどいい幅で、丸っこさがないのも好感が持てます。
とても構えやすそうですし、こうして見ているだけでも、いろいろないいイメージが浮かんできました。
早くボールを打ちたい気持ちと、もう少し眺めていたい気持ちが交錯していました。

ソール幅は標準的です。
ロフトが56度なのでSWという認識でいいと思うのですが、今のSWのなかでは少し狭い方かもしれません。
この角度から見ても、このウェッジの美しさに魅了されてしまいました。
ソールを見て、ここまで心が動かされたのは久しぶりな気がします。
最近はもっとワイドで、そしてバンスというよりはソール全体の丸みが強調されたものが多くなっていますが、このウェッジはそれほどではありません。
私はバンカーでは砂を爆発させるイメージも欲しいですが、それ以上に『切っていく』ことが多く、切るイメージが欲しいです.。
このウェッジのソールを見て、そのイメージが湧いてきました。

トゥ側に凹みがあるのも、このウェッジの特徴です。
過去にも見たことがありますが、それほど多くはありません。

バンスは結構利いていて強めです。
リーディングエッジの削りは少なめで、トレーリングエッジ側が大きく削られています。
やはりウェッジはリーディングエッジよりも、ソール全体(特にトレーリングエッジ側を)使っていくことが多いからでしょうか?
つまり『開いて使え』と、クラブが言っているのかもしれません。

ネックの長さは標準的ですが、今のウェッジのなかでは長めです。
私はショートよりもロングのほうが好きなので、このウェッジの長さは好感が持てます。
スピンが掛かりやすいというのと、『上から包み込む』イメージが出しやすいからです。
こうして見ても、ストレートネックなのが分かります。

ホーゼルには『Made in Japan』の文字がありました。
この文字を見るだけで好感度がアップするのは私だけでしょうか?

フェース面にミーリングは無く、普通です。
いわゆる『スタンプタイプ』で、特に変わった工夫は見られません。
ここの部分は他のメーカーとの差別化ができていないので、ちょっと残念でした。
このウェッジもそうですし、スコアラインの両端は丸くなっているものが多いですが、これが四角だと、もっとスピンが掛かりそうな印象をもてるのですが・・・。
クラブはいい意味で、プレイヤーを『騙す』といいますか、『その気にさせる』ことも、必要になってくるのではないでしょうか?
コストと手間が掛かるので、あまり細かなことはしたくないのかもしれません。
角溝は禁止されても、ギリギリルールに違反しない溝が刻まれていて、フライヤーを抑制してくれるものが無いか、ずっと待ち続けています。

ボールを前にして構えてみると、さすがの構え感でした。
RAZZLE DAZZLEのウェッジを試打した経験がまだ少ないですが、とてもいい印象をもっていて、すごく構えやすいだろう・・・。と予想していました。
その期待通りの構え感で大満足です。
『和の顔』といったらいいでしょうか?
穏やかで柔和な顔をしています。
正統派で奇をてらったところはありません。
最新モデルであっても、昔からの『名器』と呼ばれるクラブのいいイメージを彷彿とさせてくれるのが、またいいです。
ゴルフだけでなく、他のスポーツでも『イメージ力』『想像力』がとても大切だと思いますが、それにはこのようなプラスイメージを与えてくれるクラブを使うと有利に運べるように思います。

開きやすさも、なかなかいい感じです。
バンスは利いていますが、昔のような開きづらいウェッジではありません。
ハイバンスであっても、膨らみが強調されていないからかもしれません。
フェースの開閉を大きく使って、自在に操っていく・・・。というタイプではなく、どちらかといえば『無難に』といいますか、穏やかに扱うくらいがちょうどいいのかな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はすごくソフトでイメージ通りでした。
質感通りのグッドフィーリングといったらいいでしょうか?
『名は体を表す』ではなく、どう表現すればいいか分からなかったのですが、期待を裏切らない打感の良さにテンションも爆上がりです。
『コツン』とボールにコンタクトして、その打感がフェース全体に行き渡り、それが手のひらや指に伝わる感覚・・・。といったらいいでしょうか?
柔らかいのが普通で、硬く感じることは、このウェッジではあり得ないように感じました。
球持ちも良く、感触を楽しみながらボールを運べるウェッジです。

球も拾いやすく、アプローチでもフルショット・ハーフショットでも、ロフト通りのいい感じであがってくれました。
最近のアイアンは、構えたときのイメージと、実際の出球のイメージが違うことが多いのですが、ウェッジではそういうことが起こりにくいです。
アイアンはロフトがすごく立っているけど、ウェッジはそれがやりづらいので、ウェッジの本数が増えているのも必然ではないでしょうか?
バンスは利いていますが、その膨らみがソール全体ではなく、平らに近い部分があって、スッと抜いていけるのがいいです。
これだけ鋭利なデザインだと、ボール周辺のラフも上手く刈り取ってくれるのではないかな?と思いました。

『スピン性能』もいい感じではありますが、今はハイスピンタイプが多くなったので、そういう意味では普通といえるでしょうか?
ただ決してスピンが弱くて物足りないと感じるタイプではありません。
球持ちが良く、しっかりとフェースに乗せていけるので、スピンも掛かりやすいです。

『安定性』という点では、見た目通りで、それほど寛容なタイプではないかもしれません。
バックフェースに大きな溝があるので、キャビティタイプにも見えますが、実際はオーソドックスなフラットバックタイプと同じです。
ロフトが立っているアイアンだと、例えばトゥ側に当たると、いわゆる『当たり負け』をして、コスり気味の球になり、ボールが弱々しく右に逃げていくこともありますが、ウェッジのようにロフトが寝ていると、そういったことになりにくいのが長所といえます。
そしてわざとトゥ側に外して打っておられる方もいらっしゃいます。
どのクラブも基本は『芯』で打つべきだと思いますが、それはあくまでも基本であって、『応用』があって然るべきです。
それが技術の引き出しの数にもつながってくるのではないでしょうか?
特に下り斜面でスピンを利かせづらいときは、ある程度タッチを出しながらボールの勢いを殺して寄せていきたいときなどは芯を外す打ち方も有効になってきます。
フラットバックタイプのほうが多いと思いますが、最近はウェッジでもキャビティタイプを見かけるようになりました。
もちろん、そのほうがさらに寛容さが増すと思いますが、どうしても打感が犠牲になることが多く、『球持ち感』ではなく、『球離れ感』が強くなるので、私は苦手です。
なので、このようなオーソドックスなタイプを使いたくなります。

出球の高さが合いやすく、タッチも出せるので距離感も出しやすいです。
距離感とは『出球の高さ』と『スピード感』で決まるといってもいいのではないでしょうか?
いわゆる薄くて弾くような打感だと、アバウトさが勝ってしまって、距離感を出すのが難しくなりますが、このウェッジのようにソフトでまったりしていると、それがとてもイージーです。
初めて試打しても、それがもう何年も共に歩んでくれている相棒のように感じられます。
『スピード感』とはいっても、できるだけ『スロー』に。
そして速く打つときはそれができるメリハリが、このようなウェッジの特長です。

『操作性』は高く、見た目通りのマニュアルタイプです。
オートマチックタイプは確かに易しいのが魅力ですが、打ち方が限定されるといいますか、あまり多くの引き出しを開けられないような気がします。
しかし、このようなタイプはいろいろと遊べるので、飽きが来ません。
ずっと遊んでいられるウェッジです。
ギアが4速までだとしたら、1速・2速・3速・4速でいろいろな微調整をしながらアプローチを楽しめるウェッジといっていいように感じました。
バンカーでは砂をよく弾きそうですが、もし私がこのウェッジを購入するのであれば、この綺麗なソールを削るのは気が引けるものの、少しグラインダーで削りを入れるだろうと思います。
今のままでもすごくいいですが、もっと扱いやすく自分に合わせるのであれば、どうしても削りが必要です。
試打後の感想

質感の良さ・輪郭の美しさを目で楽しめるウェッジです。

改めて、このRAZZLE DAZZLEというメーカーに好感を持ちましたし、ウェッジに対する姿勢もうかがえたような気がします。

ウェッジはドライバーと違って、あまり冒険ができないクラブです。
それは『メーカーにとって』ということです。

ドライバーほど大きくできないですし、形をいびつにすれば、それがすぐにスコアに直結します。
繊細さを要求されるアプローチでは、構えづらさ・タッチの出しづらさが数字となって現れるのでおろそかに出来ません。
それ以外にもスコアラインの間隔など、ルールによって厳しく制限されています。
パターも含めて、一番設計自由度が低いのがウェッジではないでしょうか?

なので各メーカー、いろいろな縛りがあり、個性を出しづらいところもあると思います。
そういったなかで、このウェッジの一番の個性といえば、『美しさ』『質感の良さ』です。
もちろん、顔の良さや打感の良さもありますが、一番はやはり美観的な要素になります。
その美しさが一番心に残りました。

残念なのは、こういった素晴らしいクラブでありながら、なかなか出会う機会がないということです。
大手量販店は有名メーカーだけを扱うことも多く、なかなか地クラブを扱っていません。
なかには地クラブを扱っている有名ショップもあるようですが、まだまだ一般的ではなく、手にしたことが無いという方がほとんどではないでしょうか?
せっかくいいクラブでも、多くの人の目に止まって、その良さが伝わるものです。
運良く私はこの素晴らしいウェッジを手にすることができましたが、もっと多くの方に試していただきたいと思いました。
もし、試打会などが開催されていたら、是非参加したいです。

RAZZLE DAZZLEはウェッジだけでなく、アイアンやパターも発表しているということで、そちらも気になります。
特にパターは興味津々です。
今日はこのウェッジのおかげで、楽しい時間を過ごすことができました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2018年02月10日
RAZZLE DAZZLE CS-315W

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RAZZLE DAZZLE CS-315W です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは50度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS200 です。

久し振りに出会った、RAZZLE DAZZLEのウェッジです。
手にした回数はまだ少ないのですが、かなりいい印象が残っています。
ウェッジに特化したメーカーといっていいのではないでしょうか?
ウェッジの練習が大好きな私は、このウェッジを見ただけでテンションがあがってきます。
この何ともいえない、いい雰囲気に思わず目尻が下がってしまいました。

正統派ともいえる形状ですが、所々工夫が見られます。
メッキタイプですが、サテン仕上げでピカピカ光らないのもいいです。
かなり高級感があり、見ているだけで目の保養になります。
これに加え、ノーメッキや黒塗りなどがあると、シブさが増してまたいいんだろうな・・・。と思いました。
見ているだけでワクワクしてきます。


キャビティバック構造といえるでしょうか?
かなり浅い彫りになっています。
『易しさの為』というよりは、デザイン性が強いのかな?と思いました。
個性的ではありますが、『愚』を感じさせないデザインで魅力的です。

ソール幅は少しワイドです。
ロフトが50度ということで、『ちょっとロフトの立ったAW』ということになるでしょうか?
アイアンのロフトが立ってきて、今は各メーカーウェッジのロフトの多様化が進んでいます。

ソール形状を見ていても、かなり複雑な感じがします。
ここまで複雑なのもなかなか見られません。
RAZZLE DAZZLEのウェッジを初めて手にしたときから、抜けがいいな・・・。と思ったのですが、このウェッジはそれがさらに磨かれているようです。
ウェッジは『ソールが勝負』といえるところがありますが、このウェッジは、かなり考えて削られているのではないでしょうか?
細かなところまで配慮されているように見えます。

ネックの長さは普通でした。
ロングというタイプではありませんでした。
私はウェッジでは、ロングタイプが好きなのですが、このウェッジはミドルといった感じです。
これくらいの長さが、今は主流といえるでしょうか?

トレーリングエッジが、かなり大きく削りこまれていました。
ここまで大きな削りは、なかなか見られません。
開きやすそうですし、開いたときの『あたり』が柔らかそうな感じがします。
ウェッジはボールとの打感はもちろん、芝(ラフなども含めて地面)とのタッチがとても大切ですが、このウェッジはそれがとても良さそうだな・・・。と見ていて感じました。
ウェッジの『お尻』を上手く使ってボールを優しく運んでいけそうなイメージが浮かんできました。
打つ前に、ここまで心が躍らされ、色々なイメージが浮かんでくるウェッジも、そうあるものではありません。
クラブによっては『遠目』な感じで、やや距離を置いて眺めてしまう物もあるのですが、このウェッジは近くでマジマジと見てしまいました。
何ともいえない惹きつけられる魅力がありました。

リーディングエッジの削りも、はっきりしていました。
芝に突っかかることなく、かなり抜けが良さそうです。
まるで何年も使い込んで馴染んできた形そのものといった感じです。

トップラインの厚さは標準的です。
薄くもなく、厚くもありませんでした。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ミーリングは無いのですが、フェース面を指で触ってみると、エッジがよく利いているのが分かりました。
球の食いつきも良さそうに感じました。
このフェース面を見て、チープに感じることもあれば、丁寧で高級感を感じることもあります。
このウェッジは後者です。
アイアンとウェッジは似たような形状ですが、役目も大きく変わってくるので、フェース面の仕上げは、より気を遣うところといえるのではないでしょうか?
ウェッジにはウェッジに適したフェースがあるのだと思います。
ルールに違反しない範囲で、様々な工夫がされていると嬉しいです。
このような丁寧なウェッジを見ていると、早く球を打ちたくてたまりません。
丁寧さも、魅力といいますか『性能の一部』なのだと、改めて感じました。



こうして見ても、ソールの形状が独特でした。
中央部分が尖っていて、三角形のようです。
ソールの接地面積が少なくなって『抜けのスピード』が高まりそうな形状です。
あまり目にしない珍しい形状です。
昨年試打した BUCHI のウェッジを思い出しました。

ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
構えやすいです。
完全なストレートネックというよりは、ほぼストレートに近いセミグースに見えました。
今の主流ともいえるタイプですし、この形状に好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
セミグースタイプをいつも使っているという方はもちろん、ストレートタイプを好まれる方にも、このウェッジの構え感は親近感をもちやすいのではないでしょうか?
グースによる『遅れる感覚』が、このウェッジにはあまり無く、普通に打っていけばいいように感じました。
それほど小顔という感じはしなかったのですが、ボールとの大きさのバランスもいいですし、フェースに優しくボールを乗せてフワッと運んでいけるイメージが出せました。
出球の高さのイメージも出しやすいです。
ヘッドの据わりがいいので、アドレスが一瞬で決まりました。
ゴルフボールは、実際はとても硬いものですが、アプローチなど柔らかく打ちたいときは、縁日で見られる『綿あめ』のようなイメージを持ちたくなることがあります。
今日はそれが普通にできました。
クラブのもつ、いい雰囲気が、たくさんのインスピレーションを与えてくれているのかもしれません。

かなり開きやすいです。
トレーリングエッジの削りの大きさが関係しているのは間違いありません。
私はフェースを開閉して使うことが多いですし、微妙な開き加減で調整することも多いので、このウェッジは好感がもてますし、勇気がもらえるような気がします。
開きやすいウェッジにも、『三段階』とか『五段階』といった感じで、いくつかの段階があるように感じられることもあるのですが、このウェッジは段階が無い『無段階』に近い開きやすさがありました。
微妙なスパイスを利かせていけそうです。
50度のウェッジで、ここまで開きやすいのは珍しいような気がします。
アプローチウェッジはピッチショットを多用するので、そのイメージで試打することにしました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもソフトです。
初めて見たときから、打感が柔らかそうな印象をもっていたのですが、その通りのグッドフィーリングでした。
この何ともいえない雰囲気と、フィーリングがマッチしていました。
『カツン』とヘッドを入れても、ボールに対して優しくコンタクトしてくれるフェース面だな・・・。と思いました。
ボールの乗りもいいです。
この『乗りの良さ』『接触時間の長さ』が、微妙な距離感やニュアンスを出しやすくしてくれます。

『スピン性能』は高いです。
ボールがよく止まりました。
高いスピンを掛けていけますが、ボールに優しくコンタクトしていけるのがとてもいいです。
『剛』ではなく、『柔』のウェッジだと思いました。
高確率で穏やかに寄せていけるウェッジといったらいいでしょうか?

球はあがりやすく、出球の高さも揃っていました。
イメージした通りの高さで運んでいってくれるウェッジだな・・・。と思いました。
今はアイアンに限らず、ウェッジのも色々な工夫がされ、複雑化している物もあります。
たくさんのパーツが付けられている機能性の高いウェッジもあります。
そういったウェッジもいいですが、このウェッジの『ワンピース感』といいますか、『ピュア』な感じが絶妙なあがりやすさを実現してくれました。
一口に『易しい』といっても色々とあると思います。
ミスヒットに対する寛容さやボールのあがりやすさが一般的な易しさといえるでしょうか?
対して『イメージの出しやすさ』やイメージを忠実に再現してくれる『再現力の高さ』も易しさにつながると思います。
このウェッジはイメージと直結しやすい易しさをもっています。
永く使っていける頼もしい相棒になってくれるウェッジだな・・・。と思いました。

『安定性』という点では普通だと思いました。
構えやすいのでラインも出しやすいですし、親近感も湧きますが、今の『イージー系ウェッジ』と比べると、それほど『オートマ性』は無いのかな?と思いました。
シビアな感じはしませんが、ラージサイズでオートマチックタイプのウェッジを好まれる方には、やや親しみづらいところがあるかもしれません。

『距離感』は、かなり合いやすいです。
初対面でしたが、もう何年も使い込んでいるような感覚でした。
出球の高さ・スピードのイメージが出やすいので、距離感が合いやすく、かなり『落としどころの円』を絞り込んでいくことができました。
ティショットのように、カップとの距離が大きく離れているときは方向性が大切になってきますが、アプローチやパッティングなど、カップが近いときは、方向性よりも距離感が大切になってくると思います。
微妙な距離感やニュアンスの違いによって、『OK』の距離まで寄ることもあれば、なかなか寄らずにシビアなパッティングが残ってしまうこともあります。
そういった点でも、このウェッジはかなり好感がもてました。
距離感が合いやすくスピンの利きも確かなので、アグレッシブに攻めていけそうです。

『操作性』は、かなり高いです。
今はウェッジもオートマチックタイプが出てきましたし、そういったクラブの人気も高いそうです。
しかし私はウェッジには『オートマ性』よりも『マニュアル性』を求めたいです。
大らかで大体な感じで無難に寄せていく・・・。というよりも、よりアグレッシブにこちらのイメージをクラブに伝えて寄せていきたいと思っています。
それにはフィーリングはもちろん、『開きやすさ』や『球の乗りの良さ』『確かなスピン性能』などが重要になってくるのですが、このウェッジはそれが高いレベルで実現できていました。
一球一球球を打つのが楽しくてたまりませんでした。

どのショットもそうですが、微妙な距離感やニュアンスが求められるアプローチでは、より『丁寧さ』や『繊細さ』を求めたくなります。
アバウトさがあると、不安に感じることもあります。
その不安がミスを誘うこともあります。
自信を持って臨んだショットで思ったような結果でないこともありますが、それは仕方ないと割り切れますし、次のストロークに全力を傾けられます。
しかし不安があったままショットをして、予想通りミスをしてしまうと、何で心の整理ができないまま打ってしまったんだろう・・・。と後悔してしまいます。
打つ前になるべくマイナスなことは排除しておきたいですが、このウェッジだとそれがとても上手くいくような感じがしました。
チープな感じで雑な仕上げのウェッジだと、気持ちが入りきらないこともありますが、このウェッジはすごく綺麗でいい雰囲気がありました。
感覚的なことなので、何といっていいか分かりませんが、クラブから伝わってくるものがありました。

ナイスショット(ビッグドライブや寄せワンなども含めて)は、ゴルファーとクラブとの共同作業だと思います。
どちらかが良くてもナイスショットは生まれません。
ゴルファーとクラブとの『阿吽の呼吸』といったらいいでしょうか?

すごく贅沢なウェッジだな・・・。と思いました。
初見から既に魅力を感じていましたし、実際に球を打ってみて、さらに魅力が増しました。
私はアプローチが大好きで、練習時間の殆どを割いているといっても過言ではありません。
なので、ウェッジには色々な細かいところにこだわるので、魅力的かそうでないかがはっきりしています。
このウェッジはとても魅力的でしたし、使っていて楽しいです。
バッグに入れていても嬉しくなる所有欲も満たしてくれます。
美しさだけでなく、実用性も高いウェッジです。
ただ、強いグースタイプを好まれる方には合いづらいように思います。
そういった方には違うタイプのウェッジのほうが易しく感じられると思います。
このウェッジにグースタイプがラインアップされているのか分かりませんが、グースタイプを好まれる方の為にラインアップされているといいな・・・。と思いました。
ストレートタイプ・セミグーズタイプ・グースタイプ。
どれが一番優れているということはなく、使う人の好みによって選べばいいのだと思います。
私は強いグースが苦手で、昔からストレートタイプを使ってきているので、グースが弱いタイプが好きですし易しく感じます。

今日もとても寒い日でしたが、このウェッジを試打しているのが楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。
予定の球数も大きくオーバーしてしまいました。
使い慣れているマイクラブは勿論、初めて試打するクラブでも、時々問いかけたくなるクラブに出会うことがあります。
それは年に何本も無いのですが、今日はその数少ない1本に出会いました。
耐久性の高いステンレス製のウェッジも素晴らしいと思いますが、改めて軟鉄の良さを実感し、楽しみました。
私はアイアンもウェッジも軟鉄しか買ったことが無いので、このウェッジに対しても購買意欲が強く刺激されてしまいました。
形状と素材の勝利といったらいいでしょうか?
魅力満点のウェッジでした。
このウェッジの試打を終えて、RAZZLE DAZZLEというメーカーに対する好感度がさらにあがりました。
あったか~い気持ちのまま練習場を後にしました。
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2016年06月21日
RAZZLE DAZZLE CS-01W PRO MODEL

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RAZZLE DAZZLE CS-01W PRO MODEL です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは57度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は469g です。

2度目の RAZZLE DAZZLE です。
先日試打して、とてもいい印象をもったので、このウェッジにも期待感がこみあげてきました。
日本には本当に、いいメーカーがたくさんあります。
この質の高さ・層の厚さは、間違いなく世界一ではないでしょうか?
そうはっきりと断言できるくらい、私はいいクラブたちに出会う幸運に恵まれてきました。

先日試打したモデルはメッキタイプでしたが、このウェッジはノーメッキタイプです。
ニューモデルではありますが、ノーメッキらしい、いい意味での枯れた感じがたまりません。
使い込んでいけばいくほど、いい味が出そうです。
一時期に比べ、今はノーメッキタイプが少なくなってきているので、珍しいなと思いましたし、このノーメッキを思い切り楽しもう・・・。と思いました。

ソール幅は、ややワイドですが、今はこれくらいの幅をよく見かけるので、標準的といえるかもしれません。
こうして見ていても、ソール全体がよく削り込まれているのが分かります。
何ともいえない、いい味を出していました。
バンス部分がはっきりと削り込まれていました。
最近はハイバンスモデルも多いですし、ハイバンスにはハイバンスのいいところもたくさんあると思います。
ここまではっきりとバンスが削り込まれているのは珍しいように思います。
私は元々ローバンスモデルをずっと使ってきましたし、大好きなので、この『削り』には期待できそうな予感がしました。

ネックの長さは、しっかりとあります。
ウェッジらしい長さといっていいと思います。
ノーメッキといい、この長さといい、すごくいい雰囲気が伝わってきました。
何といいますか、『温かみ』のようなものを感じました。
もちろん鉄なので実際に温かいということはないのですが、温かみのようなものを目で感じていました。
人の手の温もりといいますか、メーカーのこだわりのようなものが、そう感じさせたのかもしれません。
マシンでの大量生産されるクラブでは、なかなか感じられない独特な雰囲気がありました。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
このフェース面を見ても、いい味を出しているな・・・。と思いました。
ミーリングは無くても、『ボールとの摩擦力』をイメージさせるフェース面です。
ノーメッキということも関係しているのかもしれません。

トップラインの厚さは適正です。
以前試打したモデルと同じような感じです。
いいイメージが出せそうです。

とても構えやすいです。
ストレートタイプで、逃がすイメージも出せました。
ほんの一瞬構えただけで、いいイメージが溢れ出てきました。
すごく楽に感じましたし、色々と遊べそうなウェッジだな・・・。と思いました。
全く無駄のない形状だからなのかもしれませんが、芯に当たるイメージしか浮かんできませんでした。

開いて構えてみたのですが、とてもいい感じです。
ソールを『丸く使える』タイプのウェッジだと思いました。
『無段階』で調整できそうな感じがしました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、ソールの『抜けの良さ』と『当たりの柔らかさ』です。
最初から、ボールの手前をダフらせて打ってみたのですが、何ともいえない抜けの良さといいますか、ソールのソフトさを感じました。
『ソールの打感』といったらいいでしょうか?
これが抜群でした。
今は抜けのいいウェッジがたくさんありますが、ここまで印象に強く残ったのは無いように思います。
まるで、『ソール面積』が小さくて『接地面積』が殆どないような感覚でした。
もちろんマットの上からなので、滑りやすくはなっているのですが、これが実際の芝の上でも、かなりいいパフォーマンスを発揮してくれるのではないかな?と思いました。
普通のウェッジのソールの『当たり面積』を『10』だとすると、このウェッジは『4~5』くらいに感じました。
あくまでも私の感覚的に・・・。ではあるのですが、そう感じさせるほどの抜けの良さがありました。
ソールの削りに、かなりこだわっているように思います。

『打感』も、かなりソフトです。
『球乗せ感』を楽しむことができました。
カツンという感じで打っていくのもいいのですが、ソールがかなり仕事をしてくれるので、手前から滑らせるのがとても楽しいですし、楽に感じました。
『フワッフワッ』した球を打つことができました。

『スピン性能』も、いい感じでした。
以前試打したモデルもいい感じでしたが、このウェッジもボールをよく止めてくれました。
フェースもいい働きをしてくれていると思いますが、それ以上に『ソールの性能』が、この高いスピン性能に関係しているように思いました。
強い球というよりは、優しくそしていい意味で『弱い球』で寄せていけそうな感じがしました。
ボールがピタピタと、よく止まってくれました。
使い手のイメージによって、色々なパフォーマンスを発揮してくれそうなウェッジだな・・・。と思いました。

球もとても拾いやすくて、いい感じです。
出球の高さのイメージも合いやすいです。
今のSWのロフトは『56度』と『58度』が大半を占めていると思いますが、この『57度』も、とてもいい感じです。
58度だと、どうしても『点』になってしまいがちだけど、かといって56度だとちょっと立っている感じがするので、ちょっと寝かせたロフトがいい・・・。と感じておられる方には合いやすいのではないでしょうか?
軟鉄タイプなので、購入後もロフト調整は容易ですが、最初からピッタリ合えば敢えて変える必要もなくなってきます。
以前試打したモデルは58度でしたが、今回のモデルは57度です。
何か特別な意味があるのでしょうか?
名前に『PRO MODEL』という文字があるので、契約プロの注文なのかもしれません。
たった1度くらい、大して変わらないよ・・・。何度でもいいよ・・・。と仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、ウェッジのロフトはシビアです。
自分に合ったロフトというのが、必ずあると思います。
58度が誰にでも合うとは限らないですし、むしろ難しいと感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

安定性という点では、ラインも出しやすいですし、特に難しいと感じることはなかったのですが、今はキャビティタイプのウェッジもたくさんあるので、それらと比べると多少正直なところがあるのかもしれません。
しかし私はバックフェースのキャビティ構造よりも、自分に合った『ライ角』のほうが易しさを感じられるので、キャビティ構造をそれほど必要とはしていません。

『距離感』も合いやすいです。
いい顔をしたウェッジと、安定性のある高性能なシャフトのおかげで、イメージしたところへボールを運ぶことができました。
今日はいつもよりも、『イメージの円』を小さく設定して打っていったのですが、それをこのウェッジは見事にこなしてくれました。
マットの上からだと、よく滑るので、狙った場所に落としやすいですが、実際のコースでは色々なライがあるので、なかなか思うようにいかないことも多いです。
そういったときに頼れるのが、ソールです。
優れたソールは、ショットの成功率を高めてくれます。
今日はマットの上からでしたが、このウェッジはとてもいい印象をもちました。

操作性は、かなり高いです。
ソールを丸く無段階に使っていけるので、微妙なフェースの開閉ができ、ロブ系から低く転がしていくことまで、これ1本で色々と楽しむことができました。
繋ぎ目のない『シームレスタイプのウェッジ』だな・・・。と感じながら球を運んでいました。
ちょっとした微妙なニュアンスも出しやすいです。

かなり優秀なウェッジだと思いました。
今年も色々なウェッジを試打してきましたが、私の中で強い存在感をもつようになりました。
ウェッジで色々と遊ぶことが好きな私は、夢中になって楽しんでいました。

先日試打したメッキタイプのウェッジもすごく気に入りましたが、私はこちらのノーメッキタイプのほうが気に入りました。
全体的にも良かったのですが、とにかく『ソールの性能』がいいです。
この抜けの良さ・当たりの柔らかさは秀逸です。

最初から、このようないい味の『枯れた感じ』があるので、使い込んでいけばいくほど、もっといい味を出していけるだろうな・・・。と思いました。
『使い減り』するようなタイプではなく、永くつきあっていけそうな感じがします。
そして、ウェッジの練習が面白いので、どんどん上手くなるような気がしました。

日本のメーカーということ以外、このRAZZLE DAZZLEというメーカーのことを知らないのですが、とてもいいクラブを作るメーカーだな・・・。と思いました。
これだけいいウェッジを作るのだから、きっとアイアンもいいだろう・・・。と思ったのですが、残念ながらウェッジだけとのことでした。
このウェッジをすごく欲しくなりましたし、もしアイアンが登場してきたら、是非試打してみたいと思いました。

操作性の高いウェッジを好まれる方。
ソフトな打感でないと距離感が出せない。
そして何より、ソールの抜けのいいウェッジが好きだ。という方には、是非試していただきたいと思いました。
ゴルファーなら誰もが知っているような大手有名メーカーのクラブしか使いたくない・・・。という方には合いづらいかもしれませんが、とてもレベルが高く、高いポテンシャルをもったウェッジなので、多くの方に試していただきたいと思いました。
『名より実』といった感じがしました。
今回はマットの上からでしたが、また試打する機会があれば、是非アプローチグリーンでも試してみたいですし、いきなり実戦投入ということも面白いだろうな・・・。と思いました。
ウェッジ好きの私には、たまらない魅力をもったウェッジでした。
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2016年04月06日
RAZZLE DAZZLE CS-01W

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RAZZLE DAZZLE CS-01W です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は469g です。

初めて手にした、RAZZLE DAZZLEのウェッジです。
私はこのメーカーのことを全く知りませんでした。
昔からある老舗メーカーで、私が知らなかっただけなのでしょうか?
それとも新興メーカーなのでしょうか?
初めて手にするメーカーのクラブは、いつも以上にワクワクします。
初めてなので、そのクラブがそのメーカーを印象づけることが多いです。

RAZZLE DAZZLEとは、どういう意味なのでしょうか?
ラズルダズルと読むのでしょうか?
私の持っている辞書には載っていませんでした。

とても美しいウェッジですが、形状が個性的です。
フラットなタイプが多いですが、このウェッジは色々な工夫がされているようです。
『凹凸感』がありました。
ドライバーと違ってウェッジは、『空気抵抗』を考えなくてもいいように思うのですが、それを考えているのではないかな?と思わせるような形状です。
これにも、おそらく大きな理由があるのだと思います。
シャープさがありながらも、適度に厚みもあるので、重量感を感じさせるヘッドだな・・・。と思いながら見ていました。
ショットをするとき、重力を上手く使って押していけそうな感じがしました。

光を反射するミラー仕上げでなく、艶消しタイプなので好感がもてました。
私はピカピカ光るタイプよりも、このように落ち着いた感じの仕上げのほうが好きです。
ウェッジだけでなく、アイアンを選ぶときも、基準のひとつになっています。
ただ、これはクラブの性能というよりは好みの問題なので、どちらがいいとは一概にいえないところもあると思います。
このままでも充分いいですが、もし『黒染め』や『ノーメッキ』があれば、シブいだろうな・・・。と思いました。
光が邪魔せず落ち着いて構えられるクラブは、余計な気を遣うこともないので、実戦でも易しく感じられます。

最近はキャビティタイプのウェッジも多く見かけるようになりましたが、このウェッジは標準的なフラットバック構造です。
こうして見ても、特徴がありました。
ソール中央部分が膨らんでいるといいますか、やや尖った感じがします。
こういうタイプのウェッジはとても珍しいです。
かなり個性的ですし、ここにメーカーのこだわりがあるように感じられます。

トゥ側が少し凹んでいました。
あまり見ません。
以前試打したことのある、ロマロのアイアンを思い出しました。
この凹みも、適正な重量配分によるものなのでしょうか?

凹みはあっても、違う角度から見ると結構膨らみもあり、削りも見られます。
このようなウェッジはなかなか見られません。
ウェッジは同じようなタイプの物も昔から多くありましたが、最近では個性が感じられるものも増えてきました。
その中でも、このウェッジはかなり個性的で珍しいです。
ここの部分を見ているだけで、記憶に定着しやすいです。
ずっと記憶に残っているんだろうな・・・。と思いました。
かなりこだわり抜いて作られているようです。

ソール幅は、ややワイドですが、今はよく見られる広さです。
丸みを帯びていました。


しかし、ソール形状が独特でした。
ここまで個性的なものは珍しいように思います。
バンスは利いているように見えましたが、いたるところに削りが見られます。
かなり『抜け』にこだわったウェッジではないかな?と思いました。
ヒール側も結構削られていました。
私はウェッジを開いて使うことが多いので、易しそうだな・・・。と思いました。
最初にパッと見たときはやや大柄に見えたので、どちらかといえば『オートマチック系』かな?と思いましたが、見れば見るほど印象が変わってきました。
ほぼ間違いなく『マニュアルタイプ』だろう・・・。細工しやすいタイプだろう・・・。と思いました。

ネックの長さは適正でした。
ウェッジには、必要不可欠な長さをしっかりとキープしているように思います。
こうして見ても美しいですし、スピンが掛かりやすそうな印象を受けます。

ホーゼルには『Made in Japan』の文字がありました。
海外メーカーなのかな?それとも日本のメーカーなのかな?と思っていたのですが、日本のメーカーだと知って好感がもてましたし、このこだわりも納得できました。
海外のメーカーのウェッジの中には、やや『大味』に感じられることもあるのですが、このウェッジは計算された繊細さのようなものが感じられます。
日本メーカーのいいところといえるのかもしれません。
好感度が上がりましたし、安心感ももてました。

フェース面にミーリングは見られませんでしたが、綺麗に仕上げられています。
『球の乗り』が良さそうです。
使い込んでいけばいくほど、味の出そうなフェース面だな・・・。と思いました。

トップラインの厚みは、いい感じです。
細くてシャープなトップラインです。
いいイメージが出せそうです。
ここの部分が厚すぎたり、丸みがありすぎたりすると、イメージがボヤけてしまうこともあるのですが、このトップラインならば、鮮明に描いていけそうだな・・・。と思いました。
見れば見るほど、好感度が上がってきます。

ボールを前にして構えてみても、好印象でした。
とても据わりがいいです。
アドレスが一瞬で決まります。
『迷い』や『バタバタ』といったことがないので、集中していくことができます。
初めて試打するメーカーなので、分からないことも多いですが、オーソドックスな構え感で好感がもてましたし、安心しました。
ストレートタイプで『出っ歯』過ぎないのもいいと思いました。
ボールとフェースが今にもくっつきそうなイメージが浮かんできました。
ラインも出しやすく、乗せて運んでいけそうな顔だな・・・。と思いました。
私はストレートネックタイプが好きなので、このウェッジはとても魅力的に見えましたが、グースタイプを好まれる方は苦手に感じられるかもしれません。
今はストレートタイプとグースタイプを同時に発売しているメーカーもありますが、このRAZZLE DAZZLEはどうなのでしょうか?

開いて構えてみても、好感がもてました。
バンスは利いていますが、開きやすさを邪魔することはありませんでした。
この据わりの良さと、ストレート顔のバランスが良く、ロブ系のイメージも出しやすいです。
ソールを滑らせてスパッと切っていく感じで、運んでいけそうだな・・・。と思いました。
大きく振って飛ばさない・・・。というロブショットのカッコいいところを表現しやすいウェッジのように見えました。
ラウンド中、ロブショットを使う場面はそれほど多くないですが、ロブショットの練習はよくやっているので、このウェッジでもやってみよう・・・。と思いました。
ロブショットの前に、まずは80ヤード付近のノーマルショットから試してみることにしました。
それからだんだんと距離を刻んでいくことにしました。
試打を開始しました。

『打感』はソフトでとても良いです。
かなり柔らかい打感です。
球との『くっつき感』もあります。

スピン性能は高いです。
ボールがよく止まってくれました。
フェース面の強い摩擦というよりは、抜けの良さで止めていけるタイプだと思います。
ソールをどんどん使っていって、ボールにアクセスしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
独特なソール形状だな・・・。と思っていたのですが、その形状が充分活かされているように感じます。

球も拾いやすくて、イージーです。
出球の高さも揃いやすいです。
フルショットでもアプローチショットでも、イメージが合いました。
ソースがスーッと滑ってくれるので、高さも安定しやすいです。
今日は練習場のマットの上からでしたが、次はアプローチグリーンでも試してみたいと思いました。
特に逆目のライで、どのようになるか興味がありました。
おそらく、とてもいいパフォーマンスを発揮してくれるのではないかな?と思いました。

『安定性』という点では、平均的といったところでしょうか?
とても構えやすいのでラインも出しやすいですし、ソールが上手く滑ってくれるので、左右の幅は勿論、落としどころも安定しやすいです。
キャビティタイプのような寛容さは無いのかもしれませんが、これくらいがウェッジのスタンダードといえるように思いますし、私はとても好感がもてました。

『距離感』はとても合いやすいです。
フルショットでもアプローチショットでも、かなり絞り込んで狙っていくことができました。
顔の良さが、そのまま『狙いやすさ』につながったように思います。
このウェッジとは今日が初対面でしたが、まるで何年も同じ時を過ごしている相棒のように感じられました。
完全に『手の延長』として機能してくれました。

『操作性』はとても良いです。
開いて使いやすいので、ショットのバリエーションも増やしていけます。
バンスも邪魔にならず、スーッと滑ってくれました。
昔のハイバンスのウェッジは滑るというよりは『跳ねる』感じの物も多く、苦手に感じていたこともあったのですが、最近のウェッジは上手く滑ってくれる物が多いように思います。
ヒールから入れてフェース面を斜めに使っていきやすいので、ロブショットはもちろん、『ちょいロブ』なども打ちやすかったです。
最初見たときは、オートマチックタイプかと思っていましたが、マニュアルタイプとオートマチックタイプの両方の性能を持ち合わせているように感じました。
細工もしやすいですが、あまり細工をせずにシンプルに寄せていきたい・・・。という方にも魅力的なウェッジといえるのではないでしょうか?
ソールの工夫が一番の特長といっていいウェッジだと思います。

初めて手にしたRAZZLE DAZZLEというウェッジですが、いい印象のまま試打を終えることができました。
打つ前から打ち終わるまで、これといった欠点や不満は感じませんでした。
顔や打感などもすごくいいですが、ソールが一番印象に残りました。
このソールならば、シビアな場面でも勇気を持って攻めていけそうだな・・・。と思いました。

派手なデザインではないので、プロトタイプっぽくてカッコいいところがまたいいです。
14本のクラブの中で、私はウェッジを手にしていることが多いので、どうしてもウェッジは注目度が高くなりますし、試打する時間も長くなってしまいます。
今日も予定ギリギリまで楽しんでしまいました。

このRAZZLE DAZZLEというメーカーが、いわゆる『地クラブメーカー』といえるのか、私は分からないのですが、日本にはこのような素晴らしいメーカーがたくさんあるのが他の国にはない強みといえるのではないでしょうか?
ミズノやダンロップ・ブリヂストン・ホンマなど、大手有名メーカーも素晴らしいですが、地クラブメーカーも有名メーカーに負けない性能をもっていて全く見劣りしません。
むしろ、優れている物のほうが多いような気もします。
会社の規模が、必ずしも製品の品質や性能に反映されないと思います。
特に『精度』ということでいえば、少ないロット数で勝負している地クラブメーカーに分があるように思います。
その分、値段も上がってしまいますが・・・。
今まで高い精度をもってクラブ作りをしていたメーカーが人気に火が付き、注文に生産が追いつかないようになって精度が落ちた・・・。ということを時々耳にします。
私が興味をもっていたいくつかのメーカーも、そういうことになりました。
以前、そのメーカーのクラブをいくつか打ち比べていたのですが、同じスペックのはずなのにどうしても見え具合が違っていて、違和感がありました。
正確に計測してもらったら、やはり違っていた・・・。ということが、これまでもありました。
とても残念だったので、そのクラブを試打していながら、記事に書くことを断念しました。
大量生産すれば、価格も低くなってきますが、『精度』が落ちてしまいやすい・・・。というデメリットも生じやすくなります。
『精度の高さ』を期待して、私たちユーザーは購入しているので、メーカーにはそういったところにも力を入れて欲しいと思っています。
このRAZZLE DAZZLEというメーカーのウェッジは初めてだったので、まだ分からない部分も多いですが、今日試打する限り、好感がもてそうです。
ヘッドだけでも、かなり高価なので、それだけ精度に対するこだわりもあるのだと思います。

軟鉄のウェッジですが、一口に軟鉄といっても色々あります。
特に有名なのは『S25C』と『S20C』ではないでしょうか?
この2つが大半を占めています。
とてもいいフィーリングが得られます。
このウェッジは『SS400』なのだそうです。
まだまだ少数派だとは思いますが、この素材もクラブにはとても適しているな・・・。と思いました。
とてもソフトで繊細なフィーリングが得られるので、微妙な距離感も出しやすいです。
ボールに対して『当たりが強い』というのではなく、あくまでも『優しく接してくれている』という印象をもちました。

日本の大手有名メーカーは世界トップクラスの性能と品質を誇っていますが、地クラブメーカーの優秀さは他に類を見ないような気がします。
この『性能の高さ』『精度の高さ』は、間違いなく世界のトップといえるのではないでしょうか?
とはいっても、私は海外の地クラブメーカーのことを知らないのですが・・・。
このRAZZLE DAZZLEというメーカーも、日本の優れたメーカーのひとつだと思いました。
初対面でも良かったのですが、使い込んでいけばいくほど魅力的に感じられるのではないかな?と思いました。
また何度でも試打してみたいですし、コースでも是非使ってみたい・・・。と思いました。
私の友人の中に、クラブは全て大手有名メーカーだけど、ウェッジだけは地クラブメーカーを使っている人がいます。
彼はウェッジにとても強いこだわりをもっています。
なので私は明日、このウェッジを勧めてみようと思いました。
とても喜ぶだろうな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。