フォーティーン TB-7 FORGED アイアンを試打レビュー
今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは フォーティーン TB-7 FORGED アイアン の7番 です。
シャフトは FS-90i です。
ロフトは30度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS です。
フォーティーンのカッコいいアイアンです。
以前、
というアイアンを試打しましたが、このアイアンはその姉妹モデルであることは明白です。
デザインが全く一緒です。
TB-5よりも少し小ぶりな印象もありますが、これは実際に見比べてみないと分かりません。
キャビティタイプでありながら、普通のキャビティとはちょっと変わったデザインです。
フォーティーンのアイアンには、タングステンを組み込むような『複合素材』ではなく、ワンピース構造のイメージが強いのですが、このアイアンもそんな感じがします。
彫りの深さはしっかりあります。
通常のキャビティはどちらかというと『左右』に凹みを持たせていますが、このクラブは『上下』です。
私のこれまでの経験上、横の数ミリよりも縦の数ミリのほうが弾道に与える影響は大きいです。
この角度からだと、重心がかなりソール側に集まっているように見えます。
トップラインの厚さは標準的です。
ネックの長さも標準的で、この角度から見ても、ストレートネックなのが分かります。
ソール幅は、やや狭いです。
もちろん昔のアイアンも含めるとノーマルになるのですが、今はワイドタイプが多いので、それらと比べると明らかに狭くなっています。
最近は少しずつ、このようなソール幅が見られるようになってきましたが、これも流行なのでしょうか?
私はワイド過ぎると難しく感じることがあるのですが、このアイアンだとそれがありません。
こうして見るまではもっとワイドなソールを予想していましたが、違いました。
ソール全体は微妙に丸みを帯びています。
リーディングエッジは少し、トレーリングエッジの削りは大きいです。
フェース面にミーリングは無く、シンプルです。
シンプルなフェース面のアイアンはたくさんありますが、中には未使用モデルであっても仕上げが雑でチープに見えてしまうアイアンもあります。
しかしフォーティーンのアイアンにはそれがありません。
むしろ、とても綺麗で好感がもてます。
このフォーティーンオリジナルグリップはお馴染みです。
フォーティーンのロゴが無くても、フォーティーンだと分かるくらい浸透しています。
ソフトなフィーリングでアイアンに適したグリップです。
やや軽量感がありますが、全体的にしっかりしていて、頼りなさは感じません。
アイアンは重力に引かれて『トップから下ろす(落ちる)』イメージが欲しいので、できればもうちょっと重量があったほうが易しい感じがしますが、こればかりは好みなので仕方ありません。
ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
この顔の良さも、いい意味で意外でした。
先日試打したTB-5よりも、明らかにこちらのほうが好きです。
TB-5は大顔な印象がありましたが、このアイアンはキュッとしまっていて、かなりの男前です。
人間の顔でいえば、『目鼻立ちがくっきりしている』といったらいいでしょうか?
あるべき場所にバランス良く配置されているような、顔の良さと精悍さがあり、一気にテンションが上がっていきました。
ヘッドの質感も良く、柔らかそうな雰囲気があります。
リーディングエッジやトップラインの見え方も良く、私の目尻は下がりっぱなしです。
スコアラインの数も13本で、7番アイアンではバランス良く、最適な数だと思います。
アイアンを試打するとき、構えてみて、「まぁ、こんな感じだな・・・。ぼちぼちだな・・・。」と思うことはよくありますが、今日はそれがなく、すごく気分もいいです。
フォーティーンのアイアンは昔から優れたものが多いですが、この顔の良さはフォーティーンのトップ3に入るのではないでしょうか?(とはいっても、あとの2つが思い浮かばないのですが・・・)
試打を開始しました
『打感』はいい感じです。
ソフトで、『球持ち感』もあります。
極上というわけではありませんが、平均点以上はある打感です。
『球のあがりやすさ』という点では、普通のキャビティらしい性能で、特別あがりやすくなっているという感じはしません。
ただワンピースタイプらしい自然な感じがして、好感が持てました。
中空タイプやウェイトが内部に組み込まれているものは、『見た感覚』と『実際に打った感覚』が異なることがあり、それが長所でもあり短所でもあります。
ウェイトはあくまでも『最終手段』といいますか、どうしても使わなければならないときに使うもの・・・。という認識をもっていました。
それは昔から『削り出し』に憧れていたというのもありますし、そのアイアンの素材を味わうには『単一素材』がベストだからです。
組み込む場所にもよりますが、ウェイトが組み込まれると重心が狂ったり、スイートスポットがズレてしまうことも普通にありますし、最近はトゥ側にズレていると感じることも多くなりましたが、このアイアンはセンター付近で安定していました。
『安定性』は高く、普通のノーマルキャビティと変わりません。
男前でカッコいいアイアンですが、気難しさのようなものは一切感じず、親しみやすさがあります。
『飛距離性能』は、なかなか優れていますが、今のアイアンでは『普通からやや飛び』といったところでしょうか?
飛距離に特化したアイアンではないですが、ある程度の飛びも欲しいし、飛びすぎも気になる・・・。という方には合いやすいのかもしれません。
キャリーもしっかり出せるアイアンです。
『操作性』は高く、左右どちらにも反応してくれました。
マッスルバックのような敏感さ・ハンドルの小ささは無いですが、バックフェース形状の寛容さと、小ぶりで男前な顔がもつ反応の良さが上手くミックスされているアイアンです。
グースで球を捕まえるのではなく、やや『逃がし顔』でありながら、小ぶりという長所を活かして自然につかまえていきたい方には合いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想
アイアンに限らず、フォーティーンのクラブには『バランスの良さ』があります。
それはある一部分に偏っているというのではなく、全体的に調和がとれているということです。
飛びやあがりやすさ・安定性・操作性などもそうですし、振った感じやヘッドのバランスもそうです。
その中で一番強く印象に残ったのが『顔の良さ』です。
あまりにも美顔過ぎて、『フォーティーン顔』ではないような気もしたのですが、この精悍な顔つきと、『逃がすイメージ』が出しやすいところに魅力を感じました。
構えやすくて打感も良く、反応もいいので、打っていて楽しいです。
構えたときはマッスルバックを連想させる男前でありながら、実際に打ってみるとキャビティの易しさがあるという、『前と後ろ(フェース面とバックフェース)』の違いによる、いい意味でのギャップがありました。
ラージサイズを好まれる方。
グースネックを好まれる方。
ワイドソールでとにかく重心が低いアイアンを使いたいという方。
そういった方には合いづらいかもしれないですし、最近のアイアンでありながら、それほどハイテク感はなく、どちらかというとベーシックなタイプです。
ハイテクでなくベーシックだからこそ、感性を高めてくれ長く使っても飽きが来ないように感じます。
私の周りのフォーティーンを愛用している人が比較的長く使い続けることが多いように思いますが、それにはこういったことが関係しているのかもしれません。
フォーティーンのアイアンは昔から好きですが、今日その好感度がさらにアップしました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
フォーティーン TB-7 FORGED アイアン完全レビュー:軟鉄鍛造の打感と優しさを両立した新世代アイアン
はじめに:TB-7 FORGEDの特徴とポジション
フォーティーン TB-7 FORGED アイアンは、2022年4月21日に発売された新世代の軟鉄鍛造アイアンです。同社のTBシリーズの一員として、「やさしすぎない、難しすぎない」をコンセプトに、アスリートから上達を目指すアベレージゴルファーまでをターゲットにしたモデルです。
基本スペック
製品仕様
- ヘッド素材: S20C(軟鉄鍛造)
- 仕上げ: ニッケルクロムメッキ・サテン仕上げ
- 製法: 鍛造
- 製造国: 日本
番手展開とロフト角
- 5番: 23°
- 6番: 26°
- 7番: 30°
- 8番: 34°
- 9番: 38°
- PW: 42°
基本スペック(7番アイアン)
- ロフト角: 30°
- ライ角: 62°
- クラブ長: 37.25インチ(FT-70i、FS-90iシャフト使用時は+0.25インチ)
価格
- 5本セット(6~P): 132,000円(税込)
- 単品(5番): 26,400円(税込)
技術的特徴
シアターブレード構造
TB-7 FORGEDの最大の特徴は、シリーズ第一弾のTB-5 FORGEDで採用されたシアターブレード構造を搭載している点です。キャビティ部の段差を無くし、シアター(劇場)のような形状にフェース厚をフローさせることで、手に伝わる振動と重心を制御し、軟鉄鍛造に求められる「打感」と「やさしさ」を両立しています。
プレシジョン・フォージング加工
バックフェース面を精密に鍛造し、下地を綺麗に整えてから細かいショットで仕上げることで、傷に強く美しさを持続できる仕上げを実現しています。
軟鉄鍛造の無垢な打感
TB-7は同シリーズのTB-5よりもヘッドサイズが小さく、その余剰重量分でシアターブレードを厚肉にすることで、より芯のある軟鉄鍛造の打感を実現しています。
試打レビューと評価
打感について
軟鉄鍛造の一枚モノならではのしっとりとした打感が特徴的です。吸い付き感があり、芯の分厚さも感じられる、単一素材の軟鉄鍛造アイアンならではの心地良さを実現しています。
飛距離性能
アスリート向けノーマルロフトアイアンと比較して、ちょうど1番手分のストロング仕様となっており、ストロングロフトの分だけしっかりと飛距離が出ます。ロフト通りにしっかりとキャリーが出て、1番手分のアドバンテージがあります。
弾道の高さ
出球が高く持ち上がり、ロフトの割には高く上がる特性があります。特にフェース下部のミスに寛容で、トップ気味でもよく持ち上げてくれます。
操作性
曲がりすぎない範囲で安全に操作できる設計となっており、ラインも出しやすく距離感も出しやすいのが特徴です。
口コミ・評価
肯定的な口コミ
- 打感評価: 軟鉄鍛造の一枚モノならではのしっとりとした打感が高く評価されています
- 外観評価: 「アスリート向けのハーフキャビティよりもやさしく感じます。キャビティと比べれば圧倒的にカッコいいので満足感はありますね」
- やさしさ: 「外観はマッスルですが、キャビティのような寛容性があります」
注意点として挙げられる口コミ
- 難易度: 「私にはそれほどやさしさは感じません。上手く当たりませんでした」
- 方向性: 「時々プッシュになります」
- PWのロフト: PWが42°のため、46°のAWをラインナップして欲しいとの意見
長所・短所
長所
- 優れた打感: 軟鉄鍛造の一枚モノならではのしっとりとした打感
- 高い弾道: ロフトの割には高く上がり、フェース下部のミスにも寛容
- 適度な操作性: 曲がりすぎない範囲で安全に操作可能
- 美しい外観: ニッケルクロムメッキ・サテン仕上げによる美しい外観
- 寛容性: キャビティのような寛容性を持ちながらマッスルバック風の外観
短所
- PWのロフト: 42°のため、ギャップが生じる可能性
- 標準シャフト: 標準仕様がModus3 Tour 105(S)の1種類のみ
- 価格: 132,000円(5本セット)と比較的高価
- 適応範囲: 一定レベル以上のゴルファーが対象
このクラブが合うゴルファー
おすすめするゴルファー
- 技術レベル: ある程度フォームが安定している中級者以上
- 求める性能: 軟鉄鍛造のカッコいいアイアンが欲しい
- スイングスピード: 遅い方ではない(39m/s以上推奨)
- プレースタイル: 打感を重視し、適度なやさしさを求める
向いていないゴルファー
- 初心者: 基本的なスイングが安定していない
- 高い寛容性を求める: より大きなミスをカバーしたい
- スイングスピードが遅い: 39m/s未満のゴルファー
- 価格を重視: より安価なアイアンを求める
ヘッドスピード毎の飛距離目安
一般的な飛距離目安(7番アイアン)
- ヘッドスピード 39-42m/s: 140-150ヤード
- ヘッドスピード 43-46m/s: 150-165ヤード
- ヘッドスピード 47-50m/s: 165-180ヤード
※飛距離は個人差や条件により大きく変動します。
シャフトラインナップ
標準仕様
- N.S.PRO MODUS³ TOUR 105: スチールシャフト(S/106.5g)
受注生産オプション
- FS-90i: スチールシャフト(S/93g、R/89g)
- FT-70i: カーボンシャフト(ワンフレックス/70g)
同シリーズとの比較
TB-5 FORGEDとの違い
- ヘッドサイズ: TB-7の方が小さめ
- シアターブレード: TB-7の方が厚肉設計
- 標準シャフト: TB-7はModus3 Tour 105、TB-5はFS-90i
- ターゲット: TB-7はよりアスリート向け
購入前のチェックポイント
試打で確認すべき点
- 打感: 軟鉄鍛造の打感が好みに合うか
- 弾道: 適切な高さが出るか
- 方向性: 特に右方向への傾向をチェック
- 距離感: 1番手分のストロング設定への適応
セッティングの考慮点
- PWのロフト: 42°のため、ウェッジとのギャップを要確認
- シャフト選択: 標準以外を希望する場合は受注生産
- グリップ: 標準はFOCHラバー(Type3) BL有
まとめ
フォーティーン TB-7 FORGED アイアンは、軟鉄鍛造の優れた打感と適度なやさしさを両立した優秀なアイアンです。アスリート向けマッスルバックの外観を持ちながら、キャビティのような寛容性を備えており、「やさしすぎない、難しすぎない」というコンセプトを見事に体現しています。
中級者以上のゴルファーで、軟鉄鍛造の打感を求めながらも適度なやさしさを希望する方には特におすすめのモデルです。ただし、PWのロフト設定や価格面での検討は必要でしょう。
購入を検討される際は、必ず試打を行い、自分のスイングとの相性を確認することをお勧めします。
出典元
- フォーティーン公式オンラインストア – TB-7 FORGED 製品ページ https://www.fourteen.jp/products/club/iron/detail.php?id=205
- 【試打&評価】フォーティーン TB-7 FORGED アイアン https://golfgear.top/review-tb7irons/
- 2022年フォーティーン新製品TB-7とTB-5を比較検証! | GDOゴルフショップ https://shop.golfdigest.co.jp/newshop/feature/column/tb7vstb5/
- フォーティーン/TB/TB-7 フォージド アイアンの口コミ評価|my caddie https://mycaddie.jp/product/11715
- TB-7 FORGED 発売のお知らせ | フォーティーンマガジン https://fourteenmagazine.jp/article/detail/?id=160