ゴルフクラブ使用率

今日は、いつもと違って、ゴルフクラブの『使用率』について書かせていただきたいと思います。
ゴルフクラブ
今はたくさんのメーカーから、たくさんのクラブが発売されています。
しかも、その多くがハイレベル。
もちろん、あまり良くないなと思えるクラブもたまにありますが、そんなクラブを造るメーカーは自然と淘汰されていきます。
昔のクラブは『出来不出来』がはっきりしていて、『品質の差』『性能の差』が歴然でした。
見るからにオモチャのような、全く使えないクラブもありましたが、今は少なくなりました。
数球打って、ヘッドが割れるとか、シャフトが折れるなんていうこともザラでした。
しかし今はそんなことが少なくなり、高品質で高性能なクラブが多くなりました。
分からない
でもたくさんのクラブがありすぎて、どれを選べばいいか分からないという方はたくさんいらっしゃると思います。
そこで気になるのが『使用率』ではないでしょうか?
多くの人が使っているから、いいクラブに違いない・・・。
きっと、自分にもマッチした素晴らしいクラブだ・・・と。
『群集心理』というものが人間にはあって、私達日本人には特にその傾向が強いそうです。
自分だけ他人と違うことをするのは嫌、みんなと同じがいい・・・。
それは至極当たり前のことだと思いますし、集団で生きていくには必要なことかもしれません。
私の記憶が正しければ、人間の一時的欲求というのは、
『休息』『水分』『性』『活動』『食欲』『集団』『排泄』だったと思います。
ゴルファーには自分が使うクラブの選び方に3つの傾向があり、それは
1.誰もが知っているような、有名なメーカーのクラブを使いたい。
2.むしろ逆で、周りで使っている人がいない、レアなクラブを使いたい。
3.有名・無名に限らず、自分が「これだ。」と惚れ込んだクラブを使いたい。
です。
その中で私は3番めですし、統計をとったわけではないのではっきりと断言はできませんが、おそらく3番が一番多いのではないでしょうか?
私は昔、大手有名メーカーのクラブを使うことが多かったのですが、今は地クラブメーカーがすごく充実しているので、地クラブメーカーを優先して選択肢に入れています。
昔は、地クラブメーカーは本当に『地のクラブ』で、なかなか全国に流通していなかったのですが、今は全国で気軽に購入できるようになったのが大きいです。
困った
自分の好みではないけど、みんなが使っているから買ってみたけど、良くなかった。
ゴルフショップの店員さんが、
「このクラブは今、大人気ですよ。○○プロも使っています。今なら少しお安くできますよ。」
などと言われて買ってみたけど、自分に合わず買って損した。店員さんの言うことを聞かなければ良かった・・・。
ということが、ビギナーの方は特に多いかもしれません。
結論から申し上げます。
『使用率』なんて、何の意味も無いので参考になりません。
クラブの使用率と性能や品質は、必ずしも比例しないということです。
逆に知名度が低くても、素晴らしいクラブはたくさんあります。
ゴルフ
今はそれほどでもないですが、昔は多くのクラブメーカーが、プロの使用率を競っていたことがありました。
○○プロと契約とか、契約数No.1・・・など。
こういったことが宣伝文句にもなっていました。
しかし、その○○プロは、そのメーカーのクラブに惚れ込んだから契約したのでしょうか?
もちろんそのクラブが気に入って契約するプロもいると思いますが、全体的に見れば少数派でしょう。
多くのプロが『お金』でクラブを選んでいるのです。
それは昔から変わりませんが、今はクラブ契約できないプロが多くなってきているので、余計にその傾向が強くなっているように思います。
試合に出場するには多額の費用が掛かるので、お金を重視するのは当たり前のことです。
しかし逆にクラブ契約をフリーにして、自分が好きなクラブを使うというプロもいます。
そういうことを一般のゴルファーが昔は知りませんでしたが、今は多くの人が知るようになりました。
だから、いくらプロの使用率が高いメーカーのクラブでも、それが決め手にならず、昔ほど売れなくなっているのです。
プロモデルが一番もてはやされたのは、やはりブリヂストンの『J’s』ではないでしょうか?
1980年代後半から、90年代まで、ブリヂストンの一人勝ちといった時代が続きました。
BS契約プロがクラブを新しくするだけで、そのニューモデルが飛ぶように売れた時代です。
私もJ’sメタルなどを使っていました。
ゴルフクラブ
その後、J’sが無くなりツアーステージという新しいブランドが誕生しましたが、相変わらずの大人気で、多くのプロと契約していました。
しかし、次第にその勢いは衰えて、今ではBSとの契約を離れたプロのほうが多いです。
BSのイメージが強かったプロが、違うメーカーのクラブを使っていて、少し違和感を覚えることもあります。
本当はそのプロも、元々のメーカーのクラブを使いたいと思っていても、メーカーから契約を切られてしまえば、他のメーカーのクラブを使うしかありません。
契約が変わる前は年間複数勝利したのに、契約が変わった途端、成績が低迷し勝てなくなってシード権を失った選手も少なくありません。
競技を引退した選手もいます。
ゴルフクラブ
以前、あるプロとラウンドしていたときに、そのプロはドライバーの調子がかなり悪かったようで、距離は出ていなくて、方向性も定まっていませんでした。
対して、私は絶好調で気持ちよく打てていました。
ラウンド後に、そのプロから、
「どこのメーカーのドライバーを使っているんですか?」
と質問され、マイドライバーを見せました。
そのプロは知らなかったメーカーのようです。
プロゴルファーは全てのメーカーのことを知っているものだと思っていましたが、実際はそうでもなく、特に地クラブメーカーのことを知らない選手が多いのだということを知りました。
とはいっても、私もまだまだ知らないことが多いのですが・・・。
そのプロは私のドライバーに興味津々で、
「打ってみてもいいですか?」と聞かれ、私が了承すると、何球か打ってみて、すごく気に入って購入したいというので、私が普段お世話になっている工房まで一緒に行くことにしました。
そのプロはある大手メーカーと契約があるので、試合では使うことができませんが、プライベートではこっそり使っているようです。
どちらが気に入っているか訪ねてみると、その『契約外』のクラブでした。
違うプロとラウンドしたとき、最初はレディスモデルのようなフルキャビティアイアンを使っていたのに、その数週間後には数年前に発売されたマッスルバックがバッグに入っていたということもありました。
まるで正反対ともいえるような構成ですが、そのプロはしょっちゅうクラブを替えているようです。
ゴルフクラブ
またある女子プロは、クラブ契約が切られてしまったので、自腹を切って、それまで使っていたメーカーのニューモデルを使い続けているそうです。
クラブ使用契約を結べるプロはほんの一握りで、シードを落とせば即契約が切られることが多いと聞きました。
その選手は球が曲がらずに、綺麗なストレートボールを打つのですが、とにかくドライバーでも200ヤードくらいしか飛ばないので、女子のツアーでも戦うのは厳しいような気がします。
ゴルフクラブ
プロだけでなく、アマチュアにおいても、同様のことがいえます。
私の知人であるK氏は日本アマに出場経験のあるトップアマのひとりで、『A』というメーカーからクラブやバッグなど用具一式を提供されています。
もちろん彼は試合では、そのクラブを使います。
しかし、プライベートでは全く違うメーカーのクラブを使っています。
彼の家に遊びに行くと、ガレージにキャディバッグが3つ置かれていて、ひとつはメーカーから提供されたもの。
そしてもうひとつはお気に入りで本当に使いたい最新クラブ。
そしてもうひとつは、昔から愛用していて愛着があって手放せないクラブ。
彼はあるゴルフ雑誌に載ったときも、写真では契約メーカーのクラブやバッグなどが写っていましたが、実際は違うメーカーを使っていますし、クラブをよく替えています。
アマチュアなのでお金は発生しませんが、提供を受けているメーカーのクラブには不満をもっているようでした。
でも使用しているクラブということになると、公式では、その『A』というメーカーになります。
ゴルフ パター
また、私がある試合会場に行ったとき、ゴルファーなら誰もが知っているメーカーのパターがたくさん置かれてあって、『ご自由にお使いください』ということがありました。
私は試合で試してみて、気に入れば後で購入することになるのかな?と思い、質問してみたのですが、そのまま持ち帰ってもいいということでした。
その試合に出場していた選手や関係者の方はご存知だと思いますし、そういったことは別に珍しいことではありません。
メーカー側としては、ひとりでも多くの選手に、自社のクラブを使ってほしいということなのだと思います。
一本何万円もするようなクラブが山積み状態で、自由に持ち帰ってもいいというので、普通にお店に行って購入するのが馬鹿らしくなってきます。
私はそのたくさんあるパターをいくつか手にとって見たのですが、どれもフェースの見え具合が気に入らなかったですし、エースパターが絶好調なので、試すことはありませんでした。
他にもいろいろなことがありますが、『使用率』というのは、とても曖昧なものです。
なので、気にされることはありません。
ゴルフ練習
契約をしないで『フリー』の状態で統計をとってこそ、『使用率』という言葉が活きてくるのではないでしょうか?
契約関係なく、自分が使いたいクラブを使う・・・。ということが本来あるべき姿だと思いますが、なかなかそうはいきません。
使っていれば多少慣れることはあっても、ファーストインプレッションで気に入らなければ、それから先、いくら使い続けたとしても好きになることはありません。
今回は、私のブログを読んでくださっているビギナーの方に絞って記事を書かせていただきました。
使用率など気にされず、ご自身が好きなクラブを使われるのが一番だと私は思います。
キャリアがまだ浅いので、どのクラブがいいかという判断がつきにくいというところはあると思います。
それは経験を積むことでしかカバーできないのかもしれません。
『鉄は熱いうちに打て』ではないですが、まだクリアな感性のときに、たくさんの素晴らしいクラブに出会われるのが一番良いことだと、私自身の経験から思います。
個人が経営している工房でもいいですし、大手量販店でもいいので、ご自身がピンとくるクラブがあれば、恥ずかしがらずぜひ試打していただきたいです。
店員さんがそばで見ていれば恥ずかしいということもあるかもしれませんが、ご自身の大切な相棒に出会うために乗り越えなければならない壁なのかもしれません。
万人に合うクラブなど、この世には存在しません。
いくら科学が発達して最先端のクラブが登場しても、人の数だけ『ベストクラブ』は違ってきて当然です。
これまでも書いてきましたが、必ずしも『最新=最高』ではありません。
過去のモデルでも、最新モデルに負けないクラブはたくさんあります。
最新クラブで、すごく話題になったクラブが数週間後には中古ショップにたくさん並んでいたということもたくさんあると、友人から聞きました。
一度は使ってみて、あまり気に入らなかったのかもしれません。
ゴルフをプレーするときは、自身の感性を最大限に発揮することが求められますが、大切な相棒を決めるときも同じようにご自身の感性を最大限に高めて選んでいただきたいです。
ゴルフクラブはとても高価です。
ぜひ頼もしい相棒を見つけられ、素晴らしいゴルフライフを歩んでいただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。