今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは WINBIRD Vertex PC アイアン の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは32度、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は432g です。
初めて手にした、WINBIRDのアイアンです。
これまでドライバーを手にしたことはあったのですが、アイアンは初めてなので、とても嬉しく思いました。
ドライバー同様、アイアンもとてもカッコいいです。
どうしてもテンションが上がってしまいます。
昨年出会った、Vertex Prototype 430というアイアンがとても好印象だったので、このアイアンにもすごく期待感が膨らみました。
このシャープでヘッドが薄い形状に、すごく好感をもちました。
今はどちらかというと、厚めのアイアンが多いように思うのですが、このアイアンはすごく自然な薄さだと思いますし、違和感を全く感じません。
こうして見ていても、すごくいいイメージが出てきました。
『彫り』も、かなり浅く、見た目的には『ハーフキャビティ』に近い感じだと思います。
それでいながら、アンダーカットキャビティの易しさが感じられるのではないかな?と思いました。
見た目シャープで難しそうだけど、実は易しい・・・。
そんなアイアンじゃないかな?と思いました。
『ソール幅』は、今のアイアンの中では、割と狭いほうだと思います。
昔からよく見られた幅だと思いますし、いわゆる『スタンダード』的にも見えるのですが、今のアイアンは『プロモデル』と呼ばれるクラブでも、結構ワイドな物もあるので、そういった点からも、このアイアンは少し狭い感じがしました。
ソールが狭いと難しそう・・・。と感じられる方もいらっしゃると思いますが、実際はそんなことはないので、敬遠すべきではないと思っています。
あまり広すぎないほうが、きちんとソールを入れられる感じがします。
『ネックの長さ』という点では、はっきりと短めだと思いました。
最近はネックもやや短めになっている傾向があるように思うのですが、そういったことを考えてみても、このアイアンは短めな印象を持ちました。
程よい低重心設計になって敷居を高くし過ぎていないのだろう・・・。と思いました。
ボールを前にして構えてみると、とても構えやすくて、いい感じでした。
トップラインも厚過ぎず、またグースも弱めな感じなので、私にとってはとても構えやすいアイアンです。
切れ味が鋭くてシャープそう・・・。というよりは、どことなく丸みを感じましたが、球を包み込んでいくイメージがもてました。
グースが強く効いていたほうが、球を包むイメージが持ちやすい・・・。という方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、私はグースがきついと上手くさばけずミスを連発してしまうこともあるので、弱いほうが自然とターンしていきやすく感じます。
『引っ掛け』の心配もしなくて済みます。
ヘッドの大きさも大きすぎず、どちらかといえば小顔に属すると思いました。
ボールとの『大きさのバランス』もとれているように感じました。
いいイメージがすごく強く湧いてきました。
構えづらいアイアンだと、なかなかテークバックのタイミングが取れませんが、このアイアンはすぐにテークバックを始めることができました。
試打を開始しました。
『打感』は、なかなかいい感じでした。
これまで出会ってきた同様のアイアンと同じような好印象をもちました。
打感に『厚み感』は、それほど感じませんでしたが、適度に柔らかいので、一球一球とても楽しくショットすることができました。
『球のあがりやすさ』という点でも、いい感じです。
見た目はとてもタフそうに見えなくもないですが、実際はとてもイージーなアイアンだと思いました。
こういった『ポケット系』のアイアンの長所が、とてもよく出ていると思います。
球をあげやすくする為にヘッドの大きさや厚みが強くなり過ぎると、今度は構えづらくなり、逆に難易度が上がってしまいます。
打つ前にいいイメージが出せないクラブはとても難しいものです。
『行き当たりばったり』で打つしかないので、真っ暗な道を灯りもつけないで歩くようなものです。
いつ石に転ぶかもしれません。
しかし、こういったタイプのアイアンは、『物理的な易しさ』と『構えやすさ』が上手く両立できているように思います。
安心してターゲットに落としていくことができました。
『視界良好』といった感じです。
軽く拾っていく感じで、ボールはすごく自然に上がっていってくれました。
見た目の『シャープさ』とは、いい意味で正反対の『イージーさ』をすごく感じました。
『安定性』という点でも、このような形状らしい、イージーさを感じました。
シビアな感じは全くしません。
ある意味『大らかさ』を感じました。
アイアンに『寛容さ』を求めておられる方には、とても魅力的な存在といえるのではないでしょうか?
これまで同様のアイアンにたくさん出会ってきたので、このアイアンの寛容さは、ある程度予想がついてはいたのですが、やはりとても易しいアイアンだと思いました。
ラインも出していきやすく、ブレる感じがしませんでした。
『飛距離性能』という点でも、私の感覚では、よく飛ぶ感じがしますが、今ではこれくらいが『ノーマル』といえるのかもしれません。
アイアンでも飛距離が求められている時代なのだと思います。
今は他のメーカーの、いわゆる『プロモデル』と呼ばれるようなアイアンでも、7番が『32度』というものも少なくないので、やはり飛距離というものは大きな魅力なのかもしれません。
このアイアンも『飛び過ぎるアイアン』ではありませんが、決して飛距離で劣っている感じはしないので、周りのみんなに飛距離で置いていかれたくない・・・。ショートホールでも同伴者よりも長い番手を使いたくない・・・。という方には、マッチしているのかもしれません。
ロフトはやや立ってはいますが、高めのキャリーでしっかりと距離を稼いでいけるアイアンだと思いました。
今のゴルファーのニーズに、よくマッチしていると思います。
『操作性』という点でも、良いと思いました。
とても扱いやすくて、左右に曲げたりすることも難しく感じることはありませんでした。
マッスルバックやハーフキャビティのような『機敏さ』は、あまり感じませんでしたが、『マニュアルさ』と『オートマチックさ』の、ちょうど中間くらいの位置にあるような気がしました。
球筋がドロー系の方も、フェード系の方も、すごく安心できるアイアンといえるのではないでしょうか?
『ポケット系アイアン』の寛容さを充分に感じながらも、ある程度曲線のイメージを描いていける感じがしました。
初めてのWINBIRDのアイアンでしたが、とてもいい印象のまま試打を終えることができました。
構えやすさや打感など、いいフィーリングを感じつつも、このアイアンの易しさにどっぷりと浸かっていました。
私は、こういったいわゆる『ポケット系』のアイアンを購入したことがないですし、おそらくこれからもそうなのではないかな?と思っています。
私の周りは勿論、今はプロのトーナメントなどでも、このようなタイプのアイアンをとてもよく目にするようになりました。
それだけ、こういったタイプのアイアンが優れているのだと思います。
しかし、それでも何故か昔ながらの形状のアイアンに惹かれてしまっています。
易しいアイアンだとは思いつつも、自分の相棒になってくれるアイアンには、易し過ぎないで『マニュアルチック』部分を求めてします。
そのほうが、こちらの意思も通しやすいように感じるからなのかもしれません。
いくら易しくても、こちらがちょっと曲げたいときや、少し抑え気味に打っていきたいときにも、常にオートマチック的に飛んでいってしまうと、難しく感じてしまうところがあります。
いつも同じ距離を同じ感覚で打っていければいいのですが、実戦ではなかなかそのようなシチュエーションになりません。
なので、どうしても少し『味付け』のできるクラブを求めてしまうのかもしれません。
ゴルフクラブは、10年前・20年前とは比べものにならないほど進化していて、その進化に恩恵を受けることも多いですが、逆に少しとまどってしまうところもあるような気がします。
ただ、今は数年前に比べ、『フィーリング』という点でも、各メーカーが力を入れてきてくれているので、とても好感度の高いクラブが多いです。
『物理的性能』<『フィーリング性能』
だと私は思っています。
そういった点で考えてみても、このWINBIRDのアイアンは、上手くバランスが取れているように思います。
試打する前と、実際に試打してみた後と、それほど印象が変わらなかった・・・。という感じがします。
いい意味で、『既視感』を感じました。
それは、これまでたくさんの同じような素晴らしいアイアンに出会えたからだと思います。
アイアンはドライバーに比べ、打つ前の印象が裏切られないことが多いですが、このアイアンもまさにそんな感じでした。
易しいアイアンが欲しいけれど、ヘッドが大きすぎたり厚過ぎたりして、構えづらいアイアンは嫌だ・・・。と思ってらっしゃる方には、とてもマッチしやすいのではないでしょうか?
すごく親しみやすいアイアンだと思います。
ただ、弱点としては、大手有名メーカーのように、目にする機会がそれほど多くないので、試すチャンスが少ないということです。
こういったところは、とても残念に思います。
ゴルフクラブの選び方も、二通りあるような気がしています。
ひとつは『大手有名メーカー』や『プロが使っているクラブ』を好む選び方と、もうひとつは有名ではないけれど、性能や品質がしっかりとしていて、『周りの人があまり使っていないクラブ』『プロの使用とは全く関係のないクラブ』を選ぶ方法です。
私は何年か前まで、ずっと前者だったのですが、最近では後者のほうに少しずつシフトしていっているような気がしています。
勿論、大手有名メーカーのクラブの信頼度は高いですが、それでいながら少数生産によるクォリティーの高さが維持されている『地クラブ』の存在が私の中で大きくなっています。
特にドライバーでは、その性能の高さは目を見張るものがあります。
海外で大量生産されないので、必然的に価格は高くなってしまいますが、それでも強く魅力を感じてしまいます。
少数生産のドライバーの性能の高さは、凄いと言わざるを得ません。
そういった素晴らしいドライバーにたくさん出会ってきました。
このWINBIRDのアイアンは、いい意味で、それほど驚くようなことはなかったのですが、とてもいい印象が残りました。
今の『ど真ん中』をいっているアイアンだと思いました。
私はWINBIRDというメーカーをあまりよく知らないのですが、このアイアンのおかげですごく好きになりました。
早速、仲間たちにも勧めてみようと思いました。
WINBIRD Vertex PC アイアン
- 2012年5月26日
- WINBIRD
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