今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは 三浦技研 CB-1007 アイアン の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、バランスはD2、クラブ総重量は436gです。
久しぶりに出会った、三浦技研のニューアイアンです。
他のメーカーのアイアンに比べ、それほどたくさん出会うことはないのですが、こうして出会ってみると、ピリッと身が引きしまる思いがします。
三浦技研のクラブに出会って、まだそれほど年月が経っていませんが、憧れのメーカーのひとつです。
『所有感』を満たしてくれる、数少ないメーカーだと思っています。
派手さはなく、とても落ち着いたデザインになっています。
それだけ、メーカーも自信があるのだと思います。
全体的な形状も、とてもオーソドックスで、いかにも『正統派』といった感じがします。
『彫り』は浅めで、完全に『ハーフキャビティ』といっていいように思います。
今は『ポケットキャビティ』や『アンダーカットキャビティ』が大手有名メーカーからたくさん発売されていますが、この三浦技研CB-1007は昔からのノーマルなハーフキャビティです。
私は普段からマッスルバックを愛用しているので、キャビティ形状のアイアンを見ると、「易しそうだな・・・。」と思ってしまうのですが、ポケキャビなど易しさが際立つアイアンを使っておられる方には、多少キビしそうに感じられるのかもしれません。
しかし、これは『慣れ』や『好み』などの問題もあると思いますし、どちらがいいとはいえないような気もします。
ミスに寛容なアイアンは確かに易しく感じられるかもしれませんが、デメリットとして『フィーリングを出しづらい』『微妙なニュアンスを伝えづらい』という点が挙げられるように思います。
上手く意思が伝わらないので、私は難しく感じます。
『オートマチック化』は長所でもあり、短所でもあるように思います。
練習場では、それぞれ『50Y』『80Y』『100Y』『150Y』『200Y』など『定数』の看板を狙っていけますが、コースではそんなきっちりとした距離はまず残りません。
中途半端な距離を狙っていかなくてはならないことのほうが、圧倒的に多いです。
そういったときに飛び過ぎるアイアンや、フィーリングの出しづらいアイアンだと、どのように対処していいのかが、全く解りません。
先日、私がいつもお世話になっているクラフトマンの工房のプライベートコンペで、いわゆる『飛び系アイアン』のテストを兼ねてラウンドしてみたのですが、結果はかなり厳しいものになってしまいました。
『飛び過ぎ』と『アバウトさ』が、いかに難しいかが、よく解りました。
必ずしも『寛容さ』や『飛び』が、スコアに直結しないのだということを強く実感しました。
ただ、それは私がそういったタイプのアイアンを使いこなせていないのが、一番の原因なのですが・・・。
ソール幅は、こうして写真で見ると、少し狭そうな感じに見えますが、実際はそれほどでもありませんでした。
『ワイド』ということはなかったのですが、それほど狭いとは思いませんでした。
最近のアイアンにしては、結構『テーパー』が効いているな・・・。と思いました。
今はストレートに近い形状が多いように思います。
『フェースターン』をイメージするには、ある程度テーパーになっていたほうが、有利な気もしますし、昔からそのようなアイアンに慣れ親しんできました。
ネックは、やや長めで、操作性が良さそうです。
『操りやすさ』と同時に、とても『色気』のあるアイアンだな・・・。と思いました。
こうして見ても『フェース厚』が、かなり薄くてシャープです。
『アイアンは刀・ナイフ』というイメージを持ちたい私には、とても好感がもてます。
厚く腫れぼったい形状のアイアンではショットに対しても、かなり『アバウト』で、『行き当たりばったり』的なところがあるのですが、このような薄さであれば、気持ちよくインパクトを迎えられそうな予感がします。
確かにビギナーの方には、『敷居の高さ』を感じさせる薄さかもしれませんが、やはりこれも『慣れ』が大きいのかもしれません。
分厚いヘッドには違和感を感じる・・・。という方は多いと思いますが、このアイアンはそういった方々にもすごく受け入れられやすいのではないでしょうか?
『W.D.D. Accurate Forged』と記されています。
三浦技研のアイアンに共通する言葉だと思います。
かなり高い鍛造技術で作られているのではないでしょうか?
こういった技術や、独特の風合いは『日本製アイアン』の大きな長所だと私は思っています。
ゴルファーにも大きく分けて、『ウッド系が好きなタイプ』と『アイアンやウェッジが好きなタイプ』の二種類に分けられるように思います。
私は完全に後者です。
ドライバーやフェアウェイウッドなども好きですし、よく練習してきましたが、アイアンやウェッジはその何十倍も練習してきました。
フェアウェイウッドやユーティリティも、実戦では使う機会もそれほど多くなくて、できればアイアンで対処できないか?といつも考えています。
そんな私は、こういった『アイアンにこだわるメーカー』には、すごく魅力を感じます。
三浦技研のドライバーも試打したことがありますが、やはり『アイアンメーカー』といっていいように思います。
MP(ミズノプロ)やエポンも憧れのメーカーですが、それに加え三浦技研にもすっかり魅了されています。
ボールを前にして構えてみても、さすが『三浦技研』という構えやすさです。
称賛の言葉を贈らずにはいられません。
形がとても整っていて構えやすいです。
何とも言えない、いい雰囲気が伝わってきます。
しばらく見惚れてしまいました。
目尻が下がり、思わず笑みがこぼれてしまいました。
先日試打した エポン パーソナルアイアンの、あの『完璧なまでの美しさ』は私の心に深く突き刺さっているのですが、このアイアンはエポン パーソナルほど尖った感じがせずに、どことなく『まろやか』や『マイルド』といいますか『包み込む』イメージがもてます。
三浦技研特有の美しさだと思うのですが、これほどまでに美しいと『寛容さ』を感じます。
好きなように打っていいよ・・・。と、クラブが私に伝えてきているようでした。
このアイアンに『懐の深さ』を感じました。
ヘッドの大きさに寛容さを感じられる方には、このアイアンにはあまり寛容さを感じられないかもしれませんが、私はこのような整った形状で、いいイメージを強く出せるクラブに易しさや寛容さを感じます。
これから数秒後に打つショットが、ナイスショットしか浮かびません。
ミスなどのマイナスイメージが全く浮かんできませんでした。
左右に曲げたり、色々と楽しめそうだったのですが、まずはラインに真っ直ぐ振り抜いていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。
まず、この『極上の打感』に、すっかり酔いしれてしまいました。
「ハア~。」と大きくため息をついてしまいました。
三浦技研の軟鉄アイアンで、この美しい風合いからも、このフィーリングの良さは想像できていたのですが、やはり実際に球を打ってみると、すっかり魅了されてしまいました。
ハーフキャビティですが、ほぼマッスルバックと同じといってもいいほどの『厚み』のある打感です。
芯でヒットしたときの、あのインパクトが『無』になった感じはたまりません。
一球目から芯でヒットできたのは、信頼性抜群の高性能なスチールシャフトが挿してあったのも大きな要因だと思うのですが、やはりこの『美しい顔』がそうさせたように思います。
この美しい顔が『芯以外にヒットさせない』という雰囲気が感じられました。
ラージサイズで、いわゆるワイドスイートエリアのアイアンは、確かに『当てていい場所』が大きいと思うのですが、私はそういったアイアンに限って『ダフリ』などのミスショットをしたり、色々なところでヒットしてしまい、打点がブレてしまうことが多いです。
やはり、構えたときの心理状態がそのままショットになって表れているのだと思います。
それに対し、このような極上の構えやすさをもったアイアンだと、こちらの心理状態を透明な状態にしてくれます。
今の季節でいえば、ちょうど『秋晴れの空』といった感じでしょうか?
どんよりしたところがなく、晴れ晴れとしています。
構えたときの印象と、素晴らしい打感の調和が上手く取れていると思いました。
このアイアンの構え感と打感に共通している言葉は『極上』です。
『球のあがりやすさ』という点では、『自然』といいますか、7番アイアン本来のあがりやすさだと思います。
最近の高機能でロフトが立っていて、異材などが組み込まれていたり、重心などが調整されているようなアイアンとは全く異なりますが、このナチュラルな感じに私は魅力を感じます。
ダイナミックゴールドが挿してあることや、このヘッド自体も、球を自然にあげてくれるタイプではないので、人によっては敷居が高く感じられるかもしれません。
明らかにヒッタータイプの方にマッチしやすいアイアンだと思います。
『グース』も、かなり弱く、殆どストレートといっていいように思うのですが、球も拾いやすくてイメージした高さに飛んでいってくれます。
『安定性』という点では、結構シビアな部類に入るかもしれません。
ミスに対しての寛容さを求めておられる方には、親しみづらい部分があるかもしれません。
『ハーフキャビティのシビアさ』といったらいいでしょうか?
それほど大きな寛容さは持ち合わせていないのかもしれません。
ただ、普段からマッスルバックを使っておられる方には、結構楽に感じられるのではないでしょうか?
私は楽に感じました。
キャビティの易しさに逃げている・・・。ということではなかったのですが、今日はこの易しさに身を委ねてみよう・・・。と思いました。
一球目から、この極上の打感に魅了され、同時に『イージーさ』を感じました。
日頃からハーフキャビティを使っておられる方にも、決して敷居は高くなく、むしろ『普段着のまま』でショットできるのではないでしょうか?
今度アイアンを買い替えるとしたら、久しぶりにキャビティにしてみようかな?と思っているのですが、そうすると、このアイアンが必ず候補の中のひとつに入ってくるだろう・・・。と思いました。
『飛距離性能』という点では、これまでの『ベーシックタイプ』といいますか、それほど距離が出るアイアンではありません。
むしろ、『飛び系アイアン』全盛の今とあっては、明らかに『飛ばない』アイアンだと思います。
アイアンに飛びを求めておられる方には、あまりいい結果は得られないかもしれません。
しかし、私はアイアンにそれほど飛びを求めていないので、このようなノーマルなタイプのアイアンは大好きです。
『飛び』以上に大切な『距離感』を出しやすい高性能なアイアンだと思います。
実戦的なタイプのアイアンです。
『飛び過ぎ』を気にしないでいいので、気持ちよく振りきっていくことができました。
『操作性』という点でも、かなりハイレベルで、こちらのイメージを伝えやすいアイアンだと思いました。
キャビティにしては、結構『ハンドルの遊び』が小さいアイアンだと思います。
敏感に反応してくれますし、大きく曲げることもできました。
私の気のせいだとは思っているのですが、このようないいアイアンでショットされたボールも、すごく嬉しそうに力強く飛んでいってくれているように感じます。
ボールが喜んで曲線を描いていってくれているようでした。
なかなか止めることができずに、ずっと曲げる練習を楽しんでいました。
コースでは、これほど大きく曲げることは殆どといっていいほどないな・・・。とは思いながらも、楽しくてついつい遊び心が出てしまいました。
コースでは楽しむことのできない、練習場だからこそ楽しめることだと思いました。
かなり購買意欲が刺激されましたし、なかなか試打を終えることができませんでした。
時間の許す限り、ずっと球を打っていたくなるアイアンです。
『物理的な易しさ』は、それほど期待できないのかもしれませんが、ハマってしまう方も多いのではないでしょうか?
『アバウトさの残る易しさ』と、『多少シビアだけど、クリアでイメージの伝えやすい易しさ』を比較すると、どちらが総合的に易しく感じるのかな?と思いました。
勿論、それは人によって好みも分かれるところだと思いますし、今は『物理的な易しさ』が最重要視されているように思います。
そういった意味でも、このアイアンはニューモデルではありますが、『クラシカル』といいますか、『昔ながらの』雰囲気をもったアイアンだと思います。
今は、殆どのメーカーが『ストロングロフト』を取り入れいるのに対し、三浦技研はそれほど目立った感じはしません。
勿論、多少ロフトの立ったアイアンもありますが、他のメーカーのように強い印象はありません。
そこに、メーカーとしてのポリシーがあるように思われます。
このアイアンに出会ってしまったせいで、今日はなかなか寝付けない夜になってしまうな・・・。と思いました。
頭からずっと離れません。
色々なクラブを試打していて、それほど印象に残らなかったり、魅力を感じないクラブもたくさんあるのですが、今日はとても印象深い一日になったように思います。
私のハートを、このアイアンに打ち抜かれたような気がします。
山形県(本間)や岐阜県(ミズノ)、新潟県(遠藤製作所)など代表的な県もありますが、兵庫県は『アイアンの聖地』とも呼べる県で、素晴らしいメーカーがたくさんあるのだそうです。
この三浦技研もそうですし、いい工場がたくさんあるのだと聞きました。
是非一度、こういった美しいクラブが作られていく過程を見てみたいものです。
『モノづくりニッポン』の底力が感じられると思いますし、素晴らしい技術と厳しい品質管理の下で作られたクラブを使っていくのは、ゴルファーの大きな喜びのひとつだと思います。
私はそういった素晴らしいクラブにたくさん出会ってこれたので、とても幸せ者だと思います。
永年使い続けていける相棒と呼べるのは、このようなタイプのクラブだな・・・。と思いましたし、また何度でも試打を楽しみたいと思いました。
とても楽しい時間を過ごすことができました。
三浦技研 CB-1007 アイアン
- 2012年10月13日
- 三浦技研
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