今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロイヤルコレクション SS.FORGED Wedge です。
シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS です。
とてもカッコいいロイヤルコレクションのウェッジです。
まだそれほど多く出会ってきたわけではないのですが、正統派の顔つきでスピン性能が高い印象があります。
特に印象深いのは、5年前に試打した DB FORGED ウェッジ です。
一目見て、ゾディアのウェッジを思い出しました。
似ているという言葉では言い表せないほど、同じような質感・削り感があります。
ゾディアが作っているのでしょうか?
ソール幅はまずまずだと思いました。
今のSWはワイドソールが多いので、それらと比べるとそれほど広くはないかもしれませんが、適度な範囲のソール幅だと思いました。
こうして見ていても、よく削られているのが解ります。
ヒール側も大きく削られていました。
こういったところも、ゾディアのウェッジとイメージが被るところです。
ロングネックタイプです。
ウェッジには適した長さです。
この何とも言えないスタンダード感がたまりません。
ホーゼルには『MADE IN JAPAN』の文字が刻印されていました。
好感度があがりました。
トップラインの厚さは標準的です。
ここにも『削り』がよく目立っていました。
機械で削られたのではなく、あくまでも『ハンドメイド感』があります。
削りが不均一で整っていないのですが、それがまたいい味を出しています。
この削りも『個性』といっていいと思います。
フェース面には、かなりはっきりしたミーリングがありました。
ウェッジにミーリング加工されるようになって、結構年月が経ちましたし、今では普通に見かけるようになりました。
中には近くでよく見ないと分かりづらい物もありますし、はっきりと分かる物もあります。
このウェッジはとてもはっきりしていました。
はっきりし過ぎている・・・。といったほうがいいかもしれません。
指で触れてみても、かなりエッジが効いていますし、ザラザラ感がハンパではありません。
さすがにこれは適合モデルではないだろう・・・。と思い、訊いてみたのですが、やはり新溝ルールには適合していないのだそうです。
『SS.FORGED』とはどういう意味なのでしょうか?
『スペシャル』『スタンダード』『ストロング』『スーパー』・・・。
色々な言葉が浮かんできたのですが、どういう意味なのか分かりません。
おそらく、かなり凝った鍛造方法なのだろう・・・。と思いました。
バンスの利きはまずまずでした。
今のウェッジの中でも、平均的なほうだと思います。
リーディングエッジは薄く面取りしてありました。
ここにもハンドメイド感がありました。
このオリジナルグリップは、まずまずでした。
私が好むタイプとはちょっと違うのですが、これまでもたくさん経験していますし、独特なソフト感があります。
ボールを前にして構えてみると、いい感じでした。
構えやすいです。
ヘッドの据わりもいいです。
アドレスがすぐに決まりました。
フェース面のミーリングも目に入りましたが、気になるほどではありませんでした。
こうして見ても、やはりゾディアっぽいな・・・。と思いました。
フェースを開いて構えてみたのですが、いい感じでした。
開きやすいです。
ヒールが邪魔をせずに、いいところで収まっている感じがします。
ほぼ真上に打ち出すイメージも出せました。
ロブ系のショットも易しそうだな・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は良いです。
ソフトで、かなり食いつき感があります。
摩擦力がすごいな・・・。と思いました。
何といいますか上手く表現できないのですが、目の粗い金属製のヤスリで、ボールの横っ面を擦り上げている感じ・・・。といったらいいでしょうか?
もしボールに感情があったとしたら、思わず『痛い』と叫んでしまうんじゃないかな?と思いました。
そう思ってしまうくらい、食いつき感が強烈でした。
予想通り、スピン性は凄いものがありました。
この食いつきの良さは、強烈でした。
食い付いたり、食い付かなかったり・・・。ということは無く、確実に食い付いていました。
これだけ食いつきがいいと『押して止める』感じが出しやすいな・・・。と思いました。
食いつきはそれほどでもなく、『抜けの良さ』で止めるウェッジはどちらかというと『引いて止める』という感じがします。
今はそういうウェッジが多くなりました。
フェース面よりも、ソール(形状)で勝負するウェッジが増えてきました。
しかし、このウェッジは抜けもいいのですが、それよりもこの食いつきの良さのほうが、大きく勝っているように感じました。
かなり急ブレーキが掛かるので、思い切って突っ込んでいけそうだな・・・。と思いました。
ストレートネックなので、球は拾いやすいです。
グースタイプを好まれる方は、少し拾いづらく感じられるかもしれません。
人によって好みが分かれるところだと思います。
『安定性』は、今のウェッジの中では、それほど易しさというものに秀でているとはいえないかもしれません。
易しくなるような工夫は見られませんでしたが、ウェッジは大体このようなものなので、特に難しいと感じることはありませんでした。
かなり食いつきがいいので、逆にそこに難しさを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
フェースの上をボールが滑るような感覚は出しづらいかもしれません。
『距離感』は合いやすいです。
これまで出会ってきた、ノーマルウェッジと変わらない感じがします。
落としどころは安定しますが、ボールが急激に止まるので、落としどころを少し先にしてもいいかもしれません。
しばらく使い続けてみて『慣れて』いくしかないような気もします。
『操作性』はとても良いです。
フェースの開閉を使いやすくて、バリエーションのある寄せを楽しむことができるウェッジだと思いました。
寄せはドライバーなどロングショットのときよりも、イマジネーションが働きやすいと思うのですが、今日もそのような感じになりました。
一球一球、密度の濃い練習ができました。
これだけのスピン性能のあるウェッジは、今では見られません。
『非適合モデル』なので、それも当然かもしれません。
今のウェッジの中でも、間違いなく『キング・オブ・スピン』といっていいと思います。
高反発ドライバーのときにも書きましたが、私は全てのクラブが公式ルールに則ったものでなくてもいいと思っています。
もちろん、競技に出場される方は使うことができないですし、私も使うことはありません。
しかし、ゴルフの楽しみ方は人それぞれです。
競技に楽しみを見いだす方もいらっしゃれば、仲間達とのプライベートラウンドを楽しまれる方もいらっしゃいます。
メンバーシップのゴルフ場を主にプレーしておられる方もいらっしゃれば、パブリックコースを主にプレーしておられる方もいらっしゃいます。
今は競技に出られる方よりも、プライベートで楽しまれる方のほうが多いように思います。
特に、ここ数年、競技人口が減ってきているように実感しています。
競技人口を増やすことも大切ですが、それよりももっと大切なのは、ゴルファー全体の人口を増やすことではないでしょうか?
競技にはプライベートラウンドでは味わえない緊張感や達成感などが味わえますし、逆にプライベートは気楽に余裕のある楽しみ方ができるように思います。
高反発ドライバーには、英語で『ルール非適合』だと書かれている物も少なくないですが、このウェッジにはそのような記載はされていませんでした。
ルール非適合だということを、誰が見ても分かるように記しておいても良かったのではないかな?と思いました。
高反発モデルは『飛び』。
角溝モデルは『スピン』。
この分かりやすい目的をもったクラブがこれからも登場してきていいと思っています。
大切なのはそういったクラブでも安全性が確保されていることと、競技では使わないということです。
今のウェッジの中で、間違いなくトップのスピン性能をもっているので、アプローチが楽しくなる方も多くなるのではないでしょうか?
競技には出ないので、スピン性能を楽しみたい。
強烈な『止め』を味わってみたい・・・。という方には、是非試していただきたいと思いました。
かなり強烈に食い付いて止まるので、安心感を得られやすいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私は競技に出場しているので購入することはありませんが、とても面白いウェッジだと思いました。
例え公式ルールに適合していなくても、このような私たちゴルファーを楽しませてくれるようなクラブにはどんどん出会っていきたいと思いました。
そして、いつかは『角溝禁止』が解除されたらいいな・・・。と思いました。
ロイヤルコレクション SS.FORGED Wedge
- 2016年7月29日
- ロイヤルコレクション
- 前の記事へ
三浦技研 MG Hayate ドライバー