今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロイヤルコレクション DB GRIND ウェッジ です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは34.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、トルクは1.6、キックポイントは手元調子 です。
ロイコレのイメージに合う、シンプルでとても美しいウェッジです。
この軟鉄の風合いがたまりません。
打感が良くて、操作性も良さそうな感じがします。
こうして見ても、とてもシンプルでカッコいいです。
必要最低限のものしか、搭載されていないような形状です。
今はウェッジも、色々なタイプが見られるようになりましたが、私はこういったシンプルなタイプが好きです。
不自然な感じの高機能よりも、プレイヤーのイメージや思いを伝えやすいウェッジのほうが、易しく感じます。
トゥ側に『DB Grind』と手書き風に記されていました。
これまでのロイヤルコレクションのクラブには、あまり見られなかった特徴だと思います。
手書き風の文字といえば、今年では muziik On The Screw ドライバー を思い出します。
ソール幅は、ごく標準的な部類だと思いました。
サンドウェッジらしい、幅広設計だと思います。
このウェッジも最近の傾向なのか、トゥからヒールにかけてストレートに近い幅になっています。
バンスも、結構効いているな・・・。と思いました。
ネックは長めで操作性も良さそうです。
こういったところも、ロイコレらしい感じがします。
しかし、この『激し過ぎるミーリング』に驚かされました。
今はミーリング加工されたウェッジが増えていますが、このウェッジのミーリングは、これまでのものと一線を画しているように感じます。
これで本当に『ルール適合』なのだろうか?と思ってしまうほど強烈なミーリングです。
以前、目にしたことがあるのですが、ルール不適合品のメーカーも解らないウェッジを思い出しました。
これほど激しいミーリングには、強い個性が感じられます。
製造工程などによるのだと思いますが、このミーリングはスコアラインだけでなく、フェース面全体に刻まれています。
角溝が使えなくなって、何とかスピン性能を高めていくにはどうしたらいいのだろうか?というメーカーの試行錯誤が伺えます。
私たちユーザーにとっては、こういった企業努力はとてもありがたいことです。
ボールを前にして構えてみると、形自体はごくノーマルな感じで良かったのですが、やはり、このフェース面の独特なミーリングに目が行ってしまい、少し『クラクラ』してしまいました。
子供の頃、TVのアニメで観た、催眠術を掛けられたときに、目の中に丸い輪っかができてしまった感じを思い出しました。
このまま見続けると、目が回ってしまうんじゃないか?と思えるくらい、ミーリングが目立っていました。
ウェッジの全体的な形状については、なかなかいい印象をもったのですが、このフェース面のデザインには違和感を感じてしまいました。
もし、自分がトンボだったら、このまま捕まってしまうな・・・。などと考えていました。
目の前で、指をクルクル回されているような感覚を憶えました。
私は構えたときのフェース面の傾きで、高さをイメージしていくのですが、今日はその方法がなかなか上手くいきそうになかったので、フェース面を極力見ないようにしました。
試打を開始しました。
『打感』はとてもソフトな感じで、意外でした。
もっと『喰いつき感』のある打感をイメージしてたのですが、実際は違っていました。
『食いつき感』という点でいえば、先日試打したミズノのウェッジのほうが強く感じられました。
『球のあがりやすさ』という点では、標準的な感じがしました。
グースも多少効いてはいるのですが、きつ過ぎないので、球も拾いやすく、特に不満はありません。
サンドウェッジらしい、球の高さだと思います。
『スピン性能』は、かなりのハイレベルでした。
インパクトの時の喰いつき感も感じましたが、それほど強くは感じませんでした。
ミズノ MP-G4の印象がまだ強く残っていたからなのかもしれません。
しかし、スピンを確実に掛けてくれるウェッジだと思いました。
何と言いますが、ミズノのウェッジが『強烈で太い線のバックスピン』であれば、このロイコレのウェッジは『繊細な感じの細い線のスピン』といえるのではないかな?と思いました。
強烈にボールが戻される・・・。というよりも、グリーンに接地して、確実に止めてくれるタイプのスピンだと思いました。
いわゆる『計算しやすいスピン』といったらいいでしょうか?
戻り過ぎて距離感が合いづらい・・・。という感じではなく、確実に『ボールの静止地点』をイメージしやすいウェッジなのではないかな?と思いました。
『安定性』という点でも、構えたときのラインにそのまま乗せていける感じで、易しく感じました。
今はウェッジでも、キャビティ形状の物もあるようですが、私はキャビティ形状に必要性をあまり感じていませんし、このような『フラットバック』が好きです。
フェース面さえ見過ぎなければ、とても易しいウェッジだと思いました。
距離感も合いやすく、落としどころを狙って打っていくことができました。
『半自動的』に距離を刻んでいける感じがしました。
『操作性』という点では、私は少し不満が残りました。
開いて構えると、どうしてもリーディングエッジが浮きすぎてしまいました。
バンスがすごくよく効いている感じです。
最近はハイバンスでも、その形状や削り方などで、バンスがあまり邪魔にならないウェッジも見かけるようになりましたが、このロイコレウェッジのバンスは、あくまでも私の感覚では少し邪魔に感じられました。
私はウェッジを開いて使いたいタイプなので、どうしてもこのようなタイプのウェッジは苦手に感じます。
もし実戦で使うのであれば、間違いなく『削り』を入れると思います。
しかも、かなり大胆に削ると思います。
しかし、これはあくまでも私の好みなので、人によっては、この『バンスの効き』に好感をもたれる方は多いかもしれません。
バンスがあったほうがアプローチが易しい・・・。という方もいらっしゃると思います。
それと、このバンスの効きは、バンカーで威力を発揮してくれるのかもしれません。
今日はバンカー練習場で試打することができなかったので、今度機会があれば、『砂の上』で試してみたいと思います。
ロイヤルコレクションらしい、精悍でカッコいい高性能なウェッジだと思いましたが、正直、私はあまり魅力を感じませんでした。
勿論、このウェッジがもつ『高いスピン性能』には魅力を感じたのですが、構えたときの違和感と、バンスの効き過ぎが、どうしても馴染めませんでした。
今はミーリング加工されたウェッジが多いですが、このウェッジほど構えづらくはありませんでした。
ヘッド全体の形状というよりも、フェース面のミーリングがすごく強く主張しているように思いました。
こういったすごいミーリングもいいのですが、できればもっと構えやすい範囲でのミーリングであって欲しいと思いました。
ただ、この工夫はとても個性的で素晴らしいと思います。
昨日『没個性』と書きましたが、このウェッジには、明らかに『個性』が感じられます。
こういった個性が、クラブの進化につながるのだと思います。
色々なクラブを試打していて、あまり個性を感じられないクラブはとても多いですが、やはりいつも、いい意味で驚いていたいと思います。
ロイヤルコレクションといえば、昔から『本格派』というイメージがありましたが、今回はちょっと斬新に感じられました。
購買意欲が刺激されることはなかったのですが、これからもロイコレのウェッジには、期待していきたいと思います。
ロイヤルコレクション DB GRIND ウェッジ
- 2012年10月22日
- ロイヤルコレクション
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NEXGEN ND201 ドライバー