ゴルフクラブ試打日記。          

ヨネックス EZONE W501 ウェッジ

ヨネックス EZONE W501 ウェッジ
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブヨネックス EZONE W501 ウェッジ です。
N.S.PRO MODUS3
シャフトは N.S.PRO MODUS3 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはWEDGE キックポイントは中調子 です。
正面
令和初の試打は、このヨネックスのウェッジです。
私は昭和からゴルフクラブの試打をしているので、考えてみると3つめの元号となったので、ずいぶん長いこと試打を楽しんでいるんだな・・・。と思いました。
これからも、どんどん試打を楽しんでいきたいと思います。
側面
さて、このウェッジですが、ヨネックスの新しいウェッジです。
軟鉄の風合いがとても良くて柔らかそうな感じが伝わってきます。
大きさも適正で、シャープなウェッジです。
彫りの深さ
最近はキャビティタイプが増えてきましたし、ヨネックスのクラブは機能性が高いイメージがあるので、このウェッジはどうなのかと思いましたが、ノーマルなタイプです。
G-BRID
ソールには黒いパーツが組み込まれているのが分かります。
これは、以前試打したアイアンにも見られました。
近くでよく見てみると、『G-BRID』の文字がありました。
どういった工夫なのか分かりませんが、ヨネックス独自の技術が組み込まれているようです。
いろいろなクラブを試打しているとよく感じることですし、これはゴルフクラブに限ったことではないですが、物作りには『引き算の美学』と『足し算の美学』があるように思います。
引き算の美学は、必要最低限のものしか取り入れていなくて、余計なものをそぎ落としていくという考え方で、ゴルフクラブでいえば、『削り出し』ということになるでしょうか?
今ではかなりの少数派といえます。
対して今は、『足し算の美学』が主流のような気がします。
ひとつのものにいろいろなものを組み込ませていって、その相乗効果を狙って新たな性能を引き出すという考え方です。
機能的なクラブが多い今は、この『足し算の美学』ですし、ヨネックスはその足し算の美学を貫いているように思います。
私は昔から『引き算の美学』のクラブに憧れをもちますが、今は足し算の美学のほうが求められている時代なのかもしれません。
試験用のビーカーに入れた水をイメージすると、余計なものが組み込まれていないクラブは、いくら攪拌しても透明な水のままですが、いろいろなものが組み合わさったクラブは、その組み込まれたものによって、いろいろな色に変化します。
元の色が残っていないこともありますし、かき混ぜる回数によっても色が変化してしまいます。
溶けきらずに沈殿物が下にたまることもあります。
その色が魅力的に見えることもあると思いますし、逆に不純物をたくさん見ているような感じで好感が持てないこともあります。
このウェッジの場合はそんなマイナス的なことは感じませんでしたが、こういった『組み込まれたパーツ』を見て、『足し算』『引き算』ということが頭に浮かびました。
引き算には限界があるかもしれませんが、足し算はまだまだ伸ばせる余地が残されているような気がします。
昔、TVで日本刀を作る鍛冶屋さんの特集を観ていて、真っ赤に熱した鉄をハンマーで強く叩いて、中にある空気孔や不純物を取り除いて強くするのが昔からある鍛造技術だと知りました。
夏は大変だろうけど、冬はあったかいだろうな・・・。と思ったことを覚えていますし、私は子供の頃から、職人さんに憧れていて、大人になったらなりたいと思っていましたが、その願いは叶いませんでした。
CONVEX FORGED
よく見ると、ヒール側には『CONVEX FORGED』の文字があります。
どういった鍛造なのでしょうか?
ヨネックス独自の、といいますか、『製造元』のこだわった製法のようです。
普通の鍛造ではないのかもしれません。
トップライン
トップラインの厚さは適正で、いいイメージが出せそうです。
このウェッジは全体的にシャープな印象ですが、それほど尖った感じはしません。
ソール幅
ソール幅は標準的です。
最近はワイドなだけでなく、ストレートなものも多いですし、トゥからヒールにかけてテーパーになっているものもよく見かけます。
このウェッジはソール中央部分が一番ワイドになっていて、トゥ側とヒール側が絞り込まれています。
こういったタイプも、よく見かけます。
今はソール形状のバリエーションが増えてきました。
ソール形状
ソール全体は緩やかな丸みを帯びています。
バンスは結構利いている感じです。
リーディングエッジ
リーディングエッジとトレーリングエッジも削られていました。
様々なところに工夫が見られます。
ネック長さ
ネックの長さは充分あります。
フェース面やソールなど、ウェッジでチェックすべきところはたくさんありますが、このネックの長さも、私にはとても重要なポイントです。
今は短めのものも見られるようになりましたが、私はこれくらいの長さが欲しいです。
MADE IN JAPAN
ホーゼルにはMADE IN JAPANの刻印があります。
この文字を見ると、親近感が湧きますし、購買意欲も高まります。
今は海外製が多いですが、国産のクラブも頑張って欲しいです。
海外製の最大の魅力は、その価格にありますが、今は海外製でも国産のクラブとあまり値段が変わらなくなってきているので、もっと国産が増えていって欲しいです。
日本で、熟練の職人さんの作ったクラブを使うのは最高の贅沢といえます。
細かなミーリングあり
フェース面には細かなミーリングがありました。
ミーリングをあえて入れないメーカーもありますが、ヨネックスのウェッジなので、ミーリングはあるだろうと予想していました。
指で触れてみたのですが、結構ザラザラ感があります。
ミーリングもそうですが、スコアラインの間隔が狭く、数が多いです。
キャロウェイのアイアンを思い出しました。
このウェッジのスコアラインの数を数えてみると、18本ありました。
普通はだいたい『16本前後』だと思うので、ちょっと多い部類になりますが、不自然さはありません。
ここの部分はルールで厳しく決められているので、あまり冒険はできないのかもしれません。
ただ、最近はあえてルールに適合しないクラブを作るメーカーも増えてきていますし、全てのゴルファーが競技に出場しているわけではないので、必ずルールに則ったものを作らなければいけない・・・。ということでもないと思います。
ドライバーで高反発を使うのだから、角溝のウェッジやアイアン。
そして初速オーバーのボールを使うのもアリだと思います。
大切なのは安全性がしっかり確保されているということと、ゴルフをエンジョイすることです。
このウェッジはもちろん、ルール適合モデルなのだそうです。
オリジナルグリップ
装着されているグリップは、ベルベットタイプで、最高のフィーリングです。
アイアンやウェッジには最適なグリップです。
ヨネックスはヘッドだけでなく、グリップにも工夫をするイメージがありますが、このシンプルでしっとり感のある最高のグリップを採用したことで、さらに好感度が増しました。
バックラインが無いのもいいです。
これまで調整機能付きドライバーやFWなどではバックライン無しをよく見かけましたが、ウェッジではバックライン有りを採用しているメーカーがたくさんありました。
私はフェースを回して(開閉して)使うことが多いので、バックラインは無いほうが好きですし、そのほうが自然だと思っていたのですが、バックライン有りを採用するメーカーが多いということは、それだけウェッジにもバックライン有りを好まれる方が多いんだな・・・。と思いました。
しかし、私は断然無しのほうが好きです。
なので、このウェッジがさらに親しみやすくなりました。
いろいろな機能が付け加えられていそうですが、不自然さを感じさせないのがいいです。
構え感
ボールを前にして構えてみると、かなりいいです。
好みの顔で、思わず目尻が下がってしまいました。
ほぼ『完全なストレート』で、いいイメージがどんどん浮かんできます。
今はストレートタイプでも、ちょっとグースが利いていたり、『出っ歯』になっているものが多くなりましたが、このウェッジにそのようなところは見られませんでした。
昔からある、『完全なるストレート』といったところでしょうか?
野球で例えると、今はツーシームやスライダーが多くなりましたが、このウェッジはナチュラルで昔からある『フォーシーム』といったところでしょうか?
そういった印象をもちました。
こういうウェッジを構えているだけで、とても贅沢なことに思えてきました。
MADE IN JAPANだからというわけではないと思うのですが、『日本顔』といいますか『国産顔』といっていいのかもしれません。
私たち日本人にはとても親しみやすい顔をしています。
とはいっても、ストレートタイプを好まれる方にとってはということですが・・・。
グースネックを好まれる方には、あまりいい顔とはいえないのかもしれません。
少し小ぶりなタイプなので、ラージサイズを好まれる方にも、小さく見えて不安感が出てしまうかもしれません。
そういった意味で、好みが分かれるところだと思いますが、私は大好きな顔です。
ウェッジは『逃がすイメージ』が出しやすいタイプもあれば、少し被せて『潰すイメージ』が出しやすいタイプもあります。
このウェッジはその『中間型』といった感じで、ニュートラルな印象をもちました。
もうしばらくこの美顔を見つめていたいという思いと、早く打ちたいという思いが、私の中で激しく交錯していました。
開きやすさ
フェースを開いて構えてみたのですが、『開きやすさ』は、なかなかいい感じでした。
期待していたほどの開きやすさではなかったので、ちょっと意外なところもありましたが、これくらいであれば許容範囲内です。
最近は開きやすいウェッジが多くなりましたが、このウェッジは『一昔前の開きやすさ』といった印象をもちました。
しかし、大きな不満はありません。
試打を開始しました。
フェース面
『打感』はソフトなフィーリングで好感が持てました。
軟鉄らしい、柔らかくて球持ちのいい打感が楽しめます。
この球持ちがいいか悪いかで、『操りやすさ』も大きく変わってきます。
トゥ側
『球のあがりやすさ』も自然な感じで好感が持てます。
ストレートタイプなので、球を拾いやすいですし、出球の高さがイメージのままです。
球はあがりやすいですが、今のイージー系アイアンのような、球があがりやすくなる工夫がたくさんされているようには感じられませんでした。
スピン性能
スピン性能は高いです。
安定してボールがよく止まってくれました。
『激スピンタイプ』のような強いスピンではなく、計算しやすい『高性能な適スピンタイプ』という印象をもちました。
スピンが掛かったり、逆に掛からなくてダラダラ転がってしまったり・・・。といったことにはなりにくいような気がします。
バックフェース
『安定性』は普通です。
打つ前は、もっと大らかさがあるのかと思っていたのですが、違っていました。
オートマタイプのウェッジではなく、完全にマニュアルタイプです。
打つ前は、ソールにある黒いパーツを見て、易しくなるように設計されているのだろう・・・。と、小ぶりではあるものの『セミオートマタイプ』という予測を立てていました。
しかし、実際に打ってみて違うことがすぐに分かりました。
ミスには正直なところがありますし、あまり遊びすぎてしまうと、しっぺ返しが待っています。
小ぶりで見た目通りの正直なウェッジです。
ソールにある黒いパーツは何のためにあるのか、最後まで分かりませんでした。
距離感
『距離感』は合いやすいです。
自然な感じで、球をターゲットまで運んでいくことができました。
とてもいい顔をしているので、その顔の良さを活かして、攻めていけるウェッジです。
顔の良さもそうですし、大きすぎないので、イメージを限定できるのがとても良くて、この感覚が実戦でも役に立ちます。
コースではなるべく、あやふやなイメージは出したくないですが、このウェッジはそのあやふやさが出にくいのでいいです。
操作性
『操作性』は高いです。
今のウェッジはもっと開閉がしやすいものが多いので、それらと比べると、このウェッジは『大きな幅』で遊べないのかな?と思うところもありましたが、普通に遊ぶ程度であれば全く問題ないです。
フェースを開閉して球を運ぶことができました。
もし、私がこのウェッジを購入したら、少し削るところがあるように思いますが、このままでも良いという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
YONEX EZONE W501 WEDGE
打つ前は、このウェッジはソールにある黒いパーツなど、いろいろな工夫がされているので、『足し算のクラブ』だと思っていたのですが、試打してみると、意外にも『引き算のクラブ』だという印象をもちました。
ピュアなタイプではないと思うのですが、『不純物が多すぎず沈殿物が発生しない』タイプといっていいのかもしれません。
YONEX EZONE W501 WEDGE
ヨネックスはドライバーのイメージが強いのですが、これまでもいくつか試打してきて、特にEZONE ツアーウェッジTRIPRINCIPLE ウェッジの印象が強いです。
このウェッジの印象も強く残りそうな感じがします。
ヒール側
カッコ良くてフィーリングのいいウェッジを作りたいけど、ただそれだけではつまらない・・・。
ヨネックス独自のアイデアを組み込んだウェッジを世に送り出したい・・・。
というメーカーの思いがあるのではないでしょうか?
YONEX EZONE W501 WEDGE
ヨネックスは昔から機能性を追求したクラブを作り続けてきましたが、このウェッジは、その機能性にカッコ良さが加わった感じがします。
見た目はイージーそうでしたが、実際は正直なところがあって、それほどミスに寛容なところはないように思います。
これまでもよく目にしてきた、標準的なマニュアルタイプのウェッジです。