今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアン の7番です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は118g、バランスはD2、キックポイントは元調子、クラブ総重量は444gです。
ヤマハインプレスシリーズの軟鉄アイアンです。
このアイアンを一目見るなり、美しいなあ・・・。と見惚れてしまいました。
ヤマハのアイアンで、しかもVシリーズのアイアンなので、美しいのは当然と言えば当然なのですが、このあまりにも美しい造形美に思わず見入ってしまいました。
『アイアンの美しさ』という点では、キャビティよりもマッスルバックのほうがシンプルな分だけ感じやすいことも多いのですが、今日はこの洗練されたキャビティアイアンの美しさにすっかり魅了されていまいました。
山や海などの『自然の美しさ』に感動することも多いですが、改めて『人間が作る物の美しさ』を今日は強く感じました。
人間では決して作ることのできない『自然の美しさ』というのもありますが、逆に人間だからこそ作れる美しさがあるのだと、このアイアンを見ながら感じていました。
ハァー・・・。と、何度もため息が出てしまいました。
どの角度から見ても、とても美しいです。
『珠玉のアイアン』とはこういうことをいうのだな・・・。と思いながら見つめていました。
これまでインプレスX Vシリーズのツアーモデルのアイアンにはすごく好感を持っていて、特に2008年の私の中でのアイアン・オブ・ザ・イヤーは、その年のモデルの『インプレスX Vフォージド ツアーモデル アイアン』でした。
今年も、この素晴らしいアイアンに出会うことができて、とても嬉しく思いました。
一部が違うのですが、このヘッドは『サテン仕上げ』がメインになっているところもすごく気に入りました。
見た目だけで、すっかり魅了されてしまいました。
すごく風格があります。
結構『彫り』の深いアイアンではありますが、打点の後ろはしっかりと肉厚になっているようです。
こういったところは、これまでの『Vフォージド ツアーモデル』に共通しているところだと思います。
キャビティの易しさを追求しながらも、やはり打感を損なわないようにしているのではないでしょうか?
あまりにも細かすぎて写真ではよく見えないのですが(どうにか写るように何度か撮ってみたのですが、これが精いっぱいでした)、フェース面をよく見てみると、細かい『ミーリング加工』が施されていました。
ミーリング加工されているアイアンは初めてではないですし、他のメーカーのアイアンでも何度か目にしたことはあります。
しかし、今回試打したこのアイアンは『インプレスX』の『X』を連想させるように『X模様』に刻まれていました。
とてもオシャレだな・・・。と思いましたし、センスの良さを感じます。
聞くところによると、このミーリングは、いわゆる『フライヤー』を軽減する効果があるのだそうで、それを聞いてすごく興味をもちました。
私はこれまでフライヤー現象のおかげで、何度も痛い目にあっていますし、ラフ(特に夏場のラフ)には苦労してきました。
かなり悔しいボギーやダブルボギーをたくさん打ってきました。
勿論、これはティショットをフェアウェイに止めておけない私自身の技術の未熟さもあるのですが・・・。
そもそも『新溝ルール』は2010年から施行されているルールで、プロは既に2010年から、アマチュアでも『日本』と名が付くなどJGAが主催する試合に出る選手は2014年から、それ以外の一般のアマチュアは2024年からの適用だったと思います。
そのルールの狙いはフェアウェイからはともかく、これまではラフに入ったボールでもスピンがよく効いてグリーンに止まっていたので、フェアウェイとラフの違いがあまり無く、それを改善する為のルールだと聞いたことがあります。
このアイアンはもちろん新溝ルールに適合していますし、その厳しいルールの範囲内で、いかにスピンを効かせるか・・・。というメーカーの工夫はとても素晴らしいと思います。
こういった企業努力のおかげで、わたしたちゴルファーは大きな恩恵を受けています。
ひとくちに『ラフ』といっても、いろいろとありますが、実際にこのミーリングがどれだけ威力を発揮するのか、是非コースで試してみたいと思いました。
『ソール幅』は、結構ワイドな感じがします。
『ツアーモデル』という名が付いているアイアンにしては、かなり広い感じがします。
同じアスリート仕様のアイアンでも、先日試打したタイトリストのMBアイアンとは大きく異なる感じがしました。
あまり高重心にはしていないのかな?と思いました。
『ネックの長さ』は、標準的に感じられました。
操作性の高さを感じさせるくらい、しっかりとネックがありますが、それほど長いとは思いませんでした。
アスリート仕様アイアンの中では、ごくノーマルなほうだと思います。
ボールを前にして構えたときに、このあまりにも美しい顔に「ホーッ」と声が出てしまうほど見惚れてしまいました。
このバランスの取れた美しい形状、トップラインの薄さ、グースの弱さ、フェースターンがしやすそうでボールを包み込んでいけそうな雰囲気・・・。
何もかもが私の中の『ど真ん中』でした。
今年もたくさんのいい顔をしたアイアンに出会ってきていますが、ここまで引き込まれる美しさをもったアイアンはちょっと記憶にありません。
まだしばらく見つめていたいと思いました。
ただ、美しい形状ではありますが、それほど『小顔感』はありません。
大きいというほどでもなかったのですが、『小顔』なアイアンだとは思いませんでした。
もう少し小振りでもいいかな?と思ったのですが、これくらいの大きさがちょうどいい・・・。と感じられる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ヘッドの大きさから、ある程度の『安定性』を感じることができましたが、この無駄のない美しい形状のおかげで、すごくいいイメージを頭に描いていくことができました。
余分な物がそぎ落とされていて、機能美をすごく感じました。
左右どちらにもまんべんなく対応してくれそうでしたし、とても安心できる顔です。
それと、こうして構えていても『ミーリング』が、結構目立っていました。
スピンが効きそうな感じがしますし、こんな感じ方をしたアイアンはちょっと記憶にありません。
次々と出てくるイメージがすごくクリアに感じられました。
試打を開始しました。
『打感』は、やはりこの美しさに相応しい素晴らしい感触でした。
キャビティの頼りなさを感じませんでした。
ヘッド後方の『肉厚感』をじゅうぶんに感じることができました。
ミーリングの効果でしょうか?
『球の喰いつき』も、いいと思いました。
キャビティアイアンですが、それでも、こういったタイプのアイアンは、マッスルバックのように、結構『薄め』にヒットできるのがまたいいと思いました。
それがこのスピン効きの良さにつながっているように思います。
『球のあがりやすさ』という点では、それほど高重心に感じなかったですし、特にあがりづらいとは思わなかったのですが、さすがは『ツアーモデル』といいますか、最近のキャビティアイアンの中では、結構タフな部類に入るような気がします。
ある程度のヘッドスピードがないと、球が浮きづらく感じられるかもしれません。
ヤマハのドライバーには対象となるゴルファーのヘッドスピードが、シャフトにシールで表示されていることが多いのですが、アイアンにはこれまでもなく、当然このアイアンにもありませんでした。
しかし、少なくとも『40後半くらい』は必要になってくるのではないでしょうか?
このアイアンには、軽量スチールがラインアップされているのか尋ねてみたところ、このダイナミックゴールドだけということだったので、やはり予めメーカーも対象となるゴルファーを絞り込んでいるように思いました。
ただ、グースが弱かったせいか、ストレートネックを好む私としては、とても球が拾いやすくて好印象を持ちました。
『安定性』という点では、『ツアーモデル』という名の割には、それほどシビアな感じはしませんでした。
キャビティアイアンの易しさが充分に感じられます。
神経質にならないといけないタイプでもなく、気持ちよくラインを出していくことができました。
勿論、名前の通り、イージー過ぎるアイアンではありませんが、その敷居は決して高すぎないと思いました。
構えたときのいいイメージのまま振り切っていけば、ボールは自然とそのラインに乗っていくような感じがしました。
こういった美しいアイアンを試打しているときによく感じることですが、打つ前にどれだけいいイメージを描いていけるか・・・。ということがすごく大切なことだと実感します。
『顔』という点でも、『安定性』という点でも、先日試打した『タイトリストMB』よりも、こちらのほうが私は気に入りました。
いい意味での『大らかさ』が、このアイアンには感じられました。
『飛距離性能』という点では、ごくノーマルな7番アイアン・・・。といったところだと思います。
飛距離系のアイアンではありませんが、やはり『距離感』を大切にするならば、これくらいまでがいいような気がします。
『飛ばす』というよりも『刻む』ことのできるアイアンだと思います。
ただ、今日は『アドレナリン』がたくさん出ていたのでしょうか?
いつもよりも、少し飛んでいたような気がします。
それは、やはりこのアイアンの美しさや雰囲気に圧倒されて、普段なかなか出ない力が出てしまったのかもしれません。
特に飛ばそうとは思っていなかったのですが、今日はいつもよりも少しキャリーが出ていました。
マッスルバックに似た『厚みで押していける』アイアンだと思いました。
『球の勢い』が強く感じられました。
『操作性』という点では、抜群の扱いやすさを感じることができました。
フェースターンがしやすくて、球を自然とつかまえていける、扱いやすいアイアンです。
球はつかまりやすいですが、引っかかる感じがしなかったので、私はすごく安心して打っていくことができました。
それ以外にも色々と細工をして打ってみたのですが、このアイアンはすごく応えてくれました。
いい意味で、練習場で遊ぶことのできるアイアンです。
球を打っていてすごく楽しいです。
変なクセがなく、あくまでも『中立的』なアイアンなので、ドローヒッターの方にもフェードヒッターの方にも、すごく扱いやすく感じられるのではないでしょうか?
今日は、このアイアンの持つ不思議な世界に引き込まれてしまいました。
なかなか試打を終えることができませんでしたが、試打を終えたあとも、しばらくボーっとしていました。
とても不思議な気分でした。
今年も素晴らしいアイアンにたくさん出会い、その都度テンションが上がっていきましたが、今日はその中でも『MAX』といっていいくらい上がりっぱなしでした。
初対面のときから、既に『KO』されてしまったように思います。
それくらい、このアイアンの美しさに魅了されていたのだと思います。
聞くところによると、このアイアンはいわゆる『限定モデル』ということだそうで、それが残念でなりませんでした。
つまり販売期間はとても短く、売り切れになってしまったら、追加の生産はしないということだと思います。
それは、これまでのヤマハのツアーモデルのアイアンに共通していることだと思います。
私はそれが残念で、そして不思議に思えてなりませんでした。
こういった素晴らしいアイアンこそ、できるだけ多くの方が手にとって試してみるべきだ・・・。と強く思います。
勿論、他にも素晴らしいアイアンはたくさんありますが、このアイアンはまさに『最高レベル』といっていいアイアンだと思いました。
ヤマハの契約プロである、藤田選手がこのアイアンを使っているのだそうですが、とても羨ましく思いました。
我々アマチュアと違ってプロだから、『ゴルフをエンジョイ』というわけにもいかないのかもしれませんが、少なくともこの極上アイアンでラウンドできたら、すごく楽しいだろうと思いました。
ワンショットワンショットの喜びがとても大きいように思います。
この『圧倒的な美しさ』を見ているだけで楽しかったですし、そして実際に球を打っても至高の喜びを与えてくれるアイアンでした。
このアイアンの大きな特長でもある『ミーリング』が、実際にどれだけの効果を発揮するのかは、練習場ではつかみきれないですし、是非コースで実感してみたいと思いました。
そしてその効果が優れているからといって、『R&A』や『USGA』がこのミーリングなどを規制しないで欲しいと思いました。
ある程度のルールは仕方ないと思いますが、あまり縛り付けずに、こういったメーカーの企業努力を大切にして欲しいと思いました。
先ほども書きましたがミーリング加工のあるアイアンは、このアイアンが初めてではありませんが、ひょっとしたら、このアイアンは『ミーリングブーム』の火付け役になるのかもしれない・・・。と思いました。
特にゴルフクラブ業界は、ひとつのヒット作が出ると、他のメーカーもそれに追随するところがあるので、十分に可能性があるように思いました。
ラフからでも、ある程度止まってくれると嬉しい・・・。と、『砲台グリーン』がたくさんあるコースをホームコースにしている私はつい思ってしまいました。
気候的に、これからラフはきつくなくなりますが、代わりにグリーンが硬くなるので、これからもスピンの効いたショットを打っていかなくてはなりません。
そんなときに、このアイアンはとても心強い存在になってくれるような気がしました。
毎年たくさんのゴルフクラブに出会ってきて、「これだな・・・。」と思えるのは、年にたった『2~3本』くらいしかありません。
多い年でも『4~5本』くらいです。
いくら美しくてフィーリングの良いクラブでも、あまり印象に残らないクラブも少なくありません。
今年出会ったアイアンの中でも、今回試打した、この『YAMAHA inpresX V FORGED TOURMODEL』は、その「これだな・・・。」に間違いなく該当します。
私が毎年決めている『アイアン・オブ・ザ・イヤー』に間違いなく候補として挙がるアイアンです。
この時期に出会ったので、印象が強くて有利だとは思いますが、もし1月に出会っていても間違いなく候補に挙がっていると思います。
高いレベルでの『機能』と『美』を追求したアイアンです。
チャンスがある限り、また何度でも試打を楽しみたいと思いましたし、購買意欲がすごく強く刺激されてしまいました。
今日はあまりない、最初から最後まで、ずっとハイテンションな日でした。
ヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアン
- 2011年11月8日
- ヤマハ