今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレスX クラシック アイアン の7番 です。
シャフトは TBX-410i です。
ロフトは27度、クラブ長さは37.75インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は51g、トルクは4.3、キックポイントは先&元調子、バランスはC8、クラブ総重量は349gです。
ヤマハの新しいアイアンです。
ヤマハらしいセンス溢れるデザインになっています。
『クラシック』という名前から、昔ながらの伝統的な美しさをもったアイアンなのか?と思っていたのですが、実際は最新アイアンらしく、色々な機能がつぎ込まれているようです。
『彫りの深さ』も、しっかりとキープしています。
今までの経験から、このアイアンもこれまで同様『易しさ』『あがりやすさ』重視のアイアンといった感じがします。
真ん中の『FORGED』の文字がすごくいいです。
やはりアイアンには『FORGED』の文字は欠かせないなあ・・・・。などと考えていました。
『ソールの幅』も、しっかりとあり、かなりの『ワイドソールアイアン』だと思いました。
見るからに『低重心』ということが伝わってきます。
こういった形状のアイアンには、これまでたくさん出会ってきました。
なので、こういった外見だけでおおよその性能がつかみやすい感じがします。
かなりの『低重心設計』だろうとは思うのですが、あまりショートホーゼル過ぎないところに好感を持てました。
『易しさ』ばかりを追求してしまうと、アイアンの『生命線』ともいえる『操作性』が失われてしまうような気がします。
やはり何事もバランスが大切だと思います。
最近は、数年前のような『低重心過ぎるアイアン』をあまり見かけなくなったような気がします。
低重心過ぎると、却って難しくなる、実戦的でなくなる・・・・。ということに気付いてきたのでしょうか?
このアイアンも、これまでの他のアイアン同様、『タングステン』が組み込まれていて、かなり『低重心化』しているようですが、ちょうどいい頃合いまでで保たれているような気がしました。
素振りをしてみると、私の苦手な『軽量感』を感じてしまいました。
私はこれまで、アイアンの軽さからくる、ミスショットをたくさん打ってきました。
未だに慣れることが出来ません。
6月に腰を痛めましたが、それでも『カーボンスチール』という選択肢は、私の中にはありませんでした。
スチールシャフト装着モデルがないか、探してみたのですが、店員さんの説明によると、どうやらこのモデルはカーボンシャフトのみのようです。
苦手意識を感じながらも、せっかくのヤマハのニューアイアンですし、こんなにカッコいいアイアンを目にして、試打せずに帰るわけにはいかないと思いました。
ボールを前にして構えてみると、まずまずの構えやすさだと思いました。
多少の『フェース長』や『グースネック』が目に付きますが、全く構えづらくはありませんでした。
こういったところがヤマハのクラブらしい感じがします。
物理的な機能も大切ですが、『構えやすさ』という大切な部分をおろそかにしてしまったら、せっかくの機能も半減してしまいます。
そういった点では、このアイアンはとても優れていると思いました。
構えた時に、そのクラブに対して興味を失ってしまえば、ショットもバラついてしまいやすくなりますが、ある程度の『顔』が保たれていると、精神的にも安定して振っていくことができます。
私は、アイアンに限らずゴルフクラブには『2つの第一印象』があると思っています。
ひとつはショップなどで出会う『バックフェースなどのデザインによる印象』です。
そして、もうひとつは、こうして構えたときの『構え感』です。
この2つがいいと、そのクラブのグレードが一気に上がってきます。
そういえば、私がこれまで購入してきたアイアンは、全てこの『2つの第一印象』がとても良い物ばかりでした。
この『ヤマハ インプレスX クラシック アイアン』は、私がアイアンに求める『シャープ感』は、あまり感じられないのですが、適度な『大らか感』とでもいったらいいのでしょうか?
『易しさ』と『構えやすさ』が上手くバランスが取れているように感じました。
私はクラブには『小顔』を求めているのですが、適度な大きさを求めておられる方もたくさんいらっしゃると思いますし、比較してみても今は、そういった方々のほうが多いと思います。
このアイアンは、そういった方々にも、かなり構えやすさを与えてくれるのではないでしょうか?
適度な大きさは欲しいけれど、あまり変な形は嫌だ・・・・。オーソドックスな形がいい・・・・。と思っておられる方には、とても魅力的に映ると思います。
こうして構えたときに、それほどたくさんのイメージは湧かなかったですし、まずはこの『軽量感』だから、まずは無理をせずに、ただゆっくりと振り切っていこう・・・・。と思いました。
いつものマイアイアンに求めるような、色々な注文をまずは無くして、とにかくこのクラブのフィーリングをつかむことが先決だと思いました。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その優れた『球のあがりやすさ』です。
打つ前からある程度は予想していたのですが、その高性能ぶりには少し驚きました。
この軽量感からか、私は一球目から、いきなりかなり『薄め』にとらえてしまったのですが、それでもこんなに浮かしてくれるのか・・・・。と思えるほど、球の上がり方がとても自然でした。
自分から言わなければ、周りには『トップ』したと気付かれないだろうな・・・・。と思いました。
やはりかなり球が浮きやすい設計になっていると感じました。
それと、あまり『グース』がキツ過ぎないのがいいような感じがしました。
これがもっとキツイ感じだと、もっとミスが顕著に表れるような気がしました。
このアイアンは、7番アイアンにしては、かなりロフトが立っていますが、それを殆ど感じさせない『浮きやすさ』だと思いました。
『球が高く上がりやすい』というよりは『球が浮きやすい』といった印象のほうが今日は強く残りました。
『打感』は、まずまずだと思いました。
いつも慣れ親しんでいる感触とは、やや異なる感じではありますが、このアイアンの感触も決して嫌な感じではありません。
打点のブレをそれほど敏感に教えてくれる感じはしなかったのですが、何球打ってもストレスには感じませんでした。
今の『ハイテクアイアン』らしい感じがしました。
微妙なフィーリングをつかむには、やはり『スチールシャフト』のほうが有利なのでしょうか?
アイアンに限らず、ドライバーなどでもそうですが、打感がしっくりくるクラブで芯を喰うと、打球を目で追わなくても方向性もつかめますし、弾道もおおよそ把握できます。
なので、私の昔からの悪い癖である『ヘッドアップ』が、かなり抑制されてきました。
そういった意味では、今日は打球の方向が少し気になったので、少しヘッドアップが早かったような気もします。
まだまだこういった感覚には慣れていないのだと思いました。
『安定性』という点では、やはりかなりの高性能です。
なかなかフィーリングがつかめないので、私は自分の感覚よりも、このアイアンの性能に全てを委ねる感じでショットしていったのですが、それが良かったのかもしれません。
フェース面を見ると、打点が結構バラついていたりもしたのですが、弾道はずっと安定していました。
見た目はかなり締まったデザインですが、とても敷居が低いアイアンだと思いました。
ちょっと前まで
『高慣性モーメントアイアン』=『構えづらい』
という公式が成り立っていたように思うのですが、最近はそんなことはなくなったような気がします。
構えやすさは残しつつも、かなり安定性の高いアイアンだといってもいいのではないでしょうか?
『Classic』とありますが、実際は最新で最先端のハイテクアイアンだと思いました。
『飛距離性能』という点では、かなりよく飛びます。
こういった『飛び系アイアン』は初めてではないので、それほど驚かなかったのですが、やはりこの飛距離性能は、特筆すべきだと思いました。
アイアンでも飛距離を・・・。といわれて久しい感じがしますが、このアイアンは勿論『飛び』にも力を入れているのだとは思いますが、どちらかというと、スインガータイプの方の為の『飛距離の優位性』といったらいいでしょうか?
これまで飛距離をハンデに感じておられた方が、感じられなくなるような気がします。
それくらいよく飛びます。
私はどちらかというと、ちょっと『パンチ』を入れていきたいタイプなので、どうしても『距離や左右のバラつき』が出やすい感じがしましたが、そういった打ち方よりも、最後まで綺麗に振り抜く感じのほうが、『縦の距離感』を合わせやすいのだと思います。
ただ、かなり飛ぶので、微妙な距離感はかなり出しづらい感じがしました。
それはこのアイアンに限らず、これまでの『飛び系アイアン』にずっと感じてきたことです。
こんなに飛んじゃうと、これ以下の短い番手の距離を打つのが難しくなるな・・・・。と思いました。
私はこれくらい飛ぶと、かなり怖く感じるので、実戦で使うことはおそらくありませんが、この『大きな飛び』を武器にラウンドしてみたい・・・。と思っておられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私はアイアンには『飛び感』よりも『止め感』を求めているので、なかなか合いづらい感じがしました。
今日は練習場だったので、よくわかりませんが、実際にラウンドしても、グリーンをしっかりと『キャッチ』してくれるかどうか、少し不安になってきました。
『キャリー』が伸びることは勿論ですが、『ラン』がイメージよりも多くなりそうな気がしました。
やはり私の感覚ではこのアイアンは『5番以上』といった感じがしました。
『操作性』という点では、私には少し難しく感じられました。
なかなか思うように球を曲げたりすることが出来ませんでした。
結構『トゥ目』や『ヒール目』に打ってみたりもしたのですが、思いの外球が曲がる感じがしませんでした。
『マイアイアン』では、確実に『バナナスライス』だな・・・・・。と思って打った球も、実際はそれほど大きく曲がることなく、何だか拍子抜けしてしまいました。
それをあまり何度もやると、今度は大きなミスにつながりました。
このカーボンシャフトによる『軽量感などからくる難しさ』があると思うのですが、あまり自分で色々と操作するよりも、今日はこのアイアンに全てを委ねて振っていこう・・・・。と思いました。
私はある程度球を曲げていきたいのですが、おそらく多くの方が『真っ直ぐ飛ばしたい』と考えておられると思いますし、実際に練習場でも私のように極端に左右に曲がる球や『高低』を練習している人を見ることは殆どありません。
たまに見かけたりすると、それは私の友人だったりします。
このアイアンは、私がアイアンに求めているところとは、少し相違点があるような気もしますが、今の『ニーズ』に合っているアイアンだと思います。
まさに『飛んで曲がらない』ということを地でいっていると思います。
私と同じく、日頃『スチールシャフト』を愛用しておられる方は、最初のうちはやや苦戦されるかもしれませんが、決して手に負えないアイアンではないと思います。
ビギナーの方から、中級者・上級者の方まで、幅広く受け入れてくれるアイアンといっていいのではないでしょうか?
私は試打を終えて、こうして記事を書いている今でも、このアイアンが何故『クラシック』というネーミングが付いているのかが理解できませんでした。
クラシックとは程遠い、まさに『現代の最新アイアン』といった感じがします。
私にとって『クラシックアイアン』といえば、やはり『スポルディングの赤トップ』とか、『マグレガー ターニー』『ホンマPPシリーズ』『ホンマFEシリーズ』『ブリヂストンMTN』・・・・。などが頭に浮かびます。
ヤマハは、まだゴルフクラブに関しては『新しいメーカー』だという認識をもっていますし、これまで出会ったきたクラブの多くが『美しい』ので、これからもヤマハのイメージを壊さない素晴らしいクラブを発表して欲しいです。
これから秋に向けて、各メーカー共新製品が発売されると思うので、今からワクワクしています。
ヤマハ インプレスX クラシック アイアン
- 2010年8月19日
- ヤマハ