ゴルフクラブ試打日記。          

ミズノ MP CRAFT S-1 ドライバー

DSC00236_convert_20090619162025.jpg
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは ミズノ MP CRAFT S-1 ドライバー です。
DSC00208_convert_20090619162209.jpg
シャフトは フジクラ モトーレ F1 65J カーボンシャフト です。
この赤いシャフトがとてもカッコいいです。
この赤いシャフトを見ていると、やはり私は、ジョン・デーリー選手が全米プロで優勝していた時に使っていた、『コブラ ウルトラミッド』を思い出します。
『白いヘッドと赤いシャフトのコントラスト』がとても綺麗でした。
昔の懐かしい思い出が蘇ってくるようです。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は68.5g、トルクは3.5、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は318gです。
DSC00198_convert_20090619162130.jpg
ミズノのニュードライバーです。
『R-1』『T-1』と試打してきましたが、これはその第三弾ということになるのでしょうか?
ミズノらしい、とても美しデザインです。
『MP CRAFT』シリーズの伝統を引き継いだ、正統派のデザインだという感じがしました。
ヘッドの美しさを保ちつつも、様々なハイテクが搭載されているような気がします。
DSC00216_convert_20090619162946.jpg
素振りをしてみても、程良いバランスで『軽すぎず』『重すぎず』といった感じです。
ヘッドがもう少し効いていてもいいかな?と思ったのですが、それほど扱いづらい感じはしませんでした。
このシャフトを私は初めて手にしたのですが、ほんのちょっとしっくりこない感じもしました。
ミズノのドライバーで使い慣れている『QUAD』シャフトを探したのですが、このシャフトしか見あたらなかったので、今日はこのクラブを試打することにしました。
『T-1』か『R-1』と一緒に試打して比較してみようと思ったのですが、あいにく『貸し出し中』ということで、また今度比較してみよう・・・・・・・。と思いました。
DSC00205_convert_20090619162628.jpg
ボールを前にして構えてみると、ミズノらしい、MPらしい美しさです。
格別の美しさです。
こうして構えているだけで、いい『目の保養』になります。
何とも言えない、心地よさを感じます。
日々の仕事に追われ、日頃の睡眠不足を解消するかのように、頭の中もスッキリとしてくる感じがします。
いい弾道のイメージが次から次へと湧いてきました。
『フック』『スライス』どちらでもいけそうな『顔つき』です。
最近は『フック一辺倒』といったクラブばかりが目立つようになり、それが『時代の流れ』だとしたら、このドライバーは、それに『逆行』している・・・・。といいますか、良かった頃に『原点回帰』している感じがしました。
『構えやすさ』という点で、全く非の打ち所がないと思いました。
いいイメージのまま、試打を開始しました。
DSC00200_convert_20090619162251.jpg
まず感じたのが、その『打感の素晴らしさ』です。
いい感じの『球の乗っかり感』を感じられる感触だと思いました。
ほんの一瞬、くっついている感じがします。
こういったドライバーは、その柔らかさもさることながら、とても『コントロール性能』に長けているものが多いような気がします。
この『くっつき感』は、たまりません。
『弾き感』というよりは『乗っかり感』『しなやかさ』のようなものを感じます。
ミズノのクラブであり、又、より信頼性の高い『MP』シリーズのクラブということで、打つ前から予想できたことではありますが、やはりこの打感の良さは打つ人を心地良くさせてくれます。
球数をこなしていけばいくほど、身体全体に心地よさが行き渡るような気がしました。
DSC00204_convert_20090619162538.jpg
『音』という点では、さすがはミズノです。
国内の、そして世界でもトップレベルの『質の高さ』を誇るメーカーらしい、『音の良さ』だと思います。
私はそのクラブの『音』で、そのクラブの『品の良さ』を感じることがあるのですが、そういった意味でも、このドライバーはとても上質で上品な感じがします。
『構えやすさ』『打感』『音』共に、とても気持ちよく練習させてくれます。
嫌な感じが一切せずに、いいフィーリングばかり感じてくるので、脳の中がすごくクリアになっていくようです。
この『フィーリング性能』は、とても高いと思いました。
DSC00201_convert_20090619162345.jpg
『球のあがりやすさ』という点では、決して『誰でもあがりやすい』感じのドライバーではありません。
『シャローヘッド』全盛の昨今ですが、このドライバーは最近では見たことがないほどの『ディープ・ヘッド』です。
『ディープ・フェース』でも『シャロー・バック』になっているものは、よく見かけますが、このドライバーは『最初から最後までディープ』です。
この形状を見ているだけでも、ある程度の性能は把握できると思いますし、メーカーがターゲットにしているゴルファーがわかるというものです。
先ほども書きましたが、『時代に逆行している』のか、又、これからはこれが主流になると予言していて『時代を先行している』のかは解りませんが、昔からこのような『ディープ・ヘッド』をたくさん見てきた私としては、懐かしくもあり挑戦意欲を掻き立てられます。
日頃『9.5度』に慣れておられる方でも、結構『タフ』に感じられる方も、きっと多いのではないでしょうか?
このドライバーのロフトが『リアルロフト』なのかどうかは、わかりませんが、私は試打をしていて、これこそが本来の『9.5度』の弾道だ・・・・・。と思いました。
『ロフト9.5度』でも、かなりの『シャロー・ヘッド』で、高弾道設計なものを多く見かけますが、このドライバーはそういったドライバーとは明らかに『一線を画す』ドライバーなのだと思います。
俗に言う『叩けるドライバー』です。
『ハードヒッター』の方が『吹き上がり』を気にすることなく、安心して叩いていけるドライバーです。
なので、日頃から強く叩いていきたい方には、すごく気持ちよく打っていけるのではないでしょうか?
私自身、強く叩いて行きたいタイプですので、とても安心して叩いていくことができました。
『上がりすぎ』を気にすることなく、楽な気分で振り切っていくことができました。
『高弾道』というよりは、明らかに『中弾道』といいますか『ライナー性』の球になりやすい感じがしました。
かなり『ラン』も稼げそうです。
DSC00202_convert_20090619162427.jpg
『安定性』という点では、決して楽なドライバーではありません。
最近のドライバーの中でも、かなり『シビア』な方だと思います。
『スイートエリア』も、結構しぼられている感じがします。
決して『ワイドスイートエリア』という感じはしませんでした。
わざと打点をズラして打ってみたのですが、そうすると目も当てられないほどの、大きなミスにつながってしまいました。
『タイミングの幅』も狭く、少しでも合っていないと『チョロ』などのミスも出やすい感じがします。
私にはおそらく『QUAD』のシャフトの方が、『慣れている』というのもありますし、今は『合っている』と思うのですが、もっと球数をこなしていって、このシャフトにも慣れていこう・・・・・。と思いました。
決してミスを容認してくれるドライバーではありませんし、そういった意味でも以前試打した『R-1』や『T-1』と比べても、『シビアさ』では『ピカイチ』だと思いました。
『R-1』=レギュラーのR
『T-1』=タフのT
『S-1』=シビアのS
なのかな・・・・?と打ちながら考えていました。
DSC00207_convert_20090619162808.jpg
『飛距離性能』という点では、やはり誰でも飛ばせるタイプのドライバーではないと思いますし、ある程度の『ヘッドスピード』『ミート率』『スイング精度』が要求される・・・・。と思いました。
決して『高弾道』の『ビッグキャリー』でコースを攻めていけるドライバーではありませんし、それよりもむしろ『中弾道』で、高さを抑えた弾道で飛ばしていきたい方にはピッタリくると思います。
このようなタイプのドライバーですので、ある程度使うゴルファーが限られてくると思いますし、『正確性』もないと、球も曲がりやすいと思います。
ちょっとのミスで『スライス』にも『フック』にも、つながっていくような気がしました。
今の私には、このシャフトをまだ掴み切れていないのか、少しバラついてしまう感じがしました。
この弾道の強さに大きな魅力を感じながらも、やはり最近のニュードライバーではあまり見かけない『シビアさ』を強く感じました。
しかし、それほど敬遠するほどでもないと思います。
日頃から熱心に『バット素振り』をしておられる方でしたら、このドライバーの『面白さ』が伝わりやすいのではないでしょうか?
『ゴルファーそれぞれが持って生まれた才能』よりも、『日頃行っている練習の質・量』が問われるドライバーなのだと思います。
『天才』よりも、『秀才』に適したドライバーといえるのではないでしょうか?
DSC00206_convert_20090619162721.jpg
『操作性』という点では、私はとても満足できるレベルにあるドライバーだと思いました。
『フック』も『スライス』も、かなり簡単に打ち分けていけます。
最近の『直進性』の強いドライバーは、それが長所にも短所にもなって、『安定感』を感じつつも『曲げづらさ』『扱いづらさ』を感じてしまうことも多いのですが、このドライバーは、それらとは全く『異質』といえるような気がします。
直進性が強く、曲がりづらいドライバーは、よほど極端にしないと、ボールを曲げづらいものですが、このドライバーはちょっと変えてやるだけで、それを弾道に反映させやすく感じます。
最近のドライバーでは『SRIXON ZR-30』同様、『ハンドルの遊びの少ない』部類に属すると思います。
決してちょっとしたミスは見逃してはくれず、そうした『シビアさ』は感じつつも、自分の『イメージ』や『意志』を敏感に感じ取ってくれるドライバーだと思います。
ゴルファー全体から見れば、やや『敷居が高い』ドライバーといえなくもないのですが、こういったドライバーを日頃から使い込んでいくと、そのゴルファーの技術もかなり高めてくれるのではないでしょうか?
車でいうと、明らかに『セダンタイプ』ではなく、『ハードトップ』しかも、『F-1』クラス並の『タイトさ』『シビアさ』を持つドライバーだと思います。
『使い手を選ぶクラブ』といえなくもないのですが、このクラブにピッタリとフィットした方は、より『高いレベル』へ向上していけるのではないでしょうか?
DSC00203_convert_20090619162504.jpg
今日は久し振りに、このような『本格的』なといいますか、『標準的』なセッティングのドライバーに出会うことができました。
昔からこのようなドライバーはたくさんありましたし、昔のドライバーに比べるとやはり易しくなっていると思います。
しかし、このドライバーは決してゴルファーに歩み寄りすぎているクラブではありません。
最近は、あまりにも『易しくなりすぎ』といいますか、『初心者のうちから真っ直ぐ飛ばせるように』と考えられているのでは?と思えるようなクラブばかりが目に付きます。
それはそれでいい・・・・。とも思うのですが、その反面『ゴルファーの技術の向上』というものを阻害しているのではないかな・・・・・?と思うことがあります。
私がゴルフを始めた頃は、
『クラブに自分を合わせる』
という風潮でした。
しかし、今は
『ゴルファーにクラブを合わせる』
というようになっていますし、私はそれが正解なのだと思います。
DSC00211_convert_20090619162849.jpg
ただ、それはあくまでもゴルファーの『体格』や『スイングタイプ』などによって、クラブを選択し、調整する・・・・。というものであり、『広すぎるスイートエリア』や『大きすぎる慣性モーメント』はいらない・・・・・。と思っております。
ゴルファーの技術がまだ低いからといって、それをカバーし過ぎるのは、決して良くない・・・・。と私は思います。
『ゴルフの最大の喜び』は、やはり『技術の向上』だと思いますし、それを感じられなくなるようなクラブは決して永くは付き合っていけない・・・・・・。と思います。
そういった意味でも、このドライバーは、ある程度限られたゴルファーの為に作られた・・・・。といっても過言ではないと思うのですが、その範囲にあるゴルファーの方が使うと、かなり『ツボにはまった』といいますか、感性や技術を高めてくれる『崇高』なドライバーといえるのだと思います。
いいタイミングとスイングが出来た時は、なんとも言えない『高フィーリング』と『弾道の力強さ』をもたらしてくれますし、そうでないときは、はっきりとそれを教えてくれる『コーチ的な役目』も兼ね備えたドライバーだと思いました。
今日は、最近では珍しく『ゴルファーに迎合しすぎていない』ドライバーに出会えて、満足度の高い一日でした。
『ミズノ本来』のクラブだと思いました。