ゴルフクラブ試打日記。          

ミズノ MP CRAFT S-1 と T-1 ドライバー

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<左>T-1   <右>S-1
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは ミズノ MP CRAFT S-1 と T-1 ドライバー です。
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<上>S-1  <下>T-1


S-1のスペック
シャフトは フジクラ モトーレ F1 65J カーボンシャフト です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は68.5g、トルクは3.5、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は318gです。


T-1のスペック
シャフトはQUAD 6 バットスタンダード です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは3.6、バランスはD1、キックポイントはクラブ総重量は316gです。


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<左>T-1  <右>S-1
こうしてみると、右の『S-1』に光沢があり、左の『T-1』は『艶消し』な感じがします。
これは性能には関係ないと思いますし、好みによるところが大きいのだと思います。
私はどちらかというと『艶消し』の方がいい感じかな?と思いました。
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<左>T-1  <右>S-1
右の『S-1』の方が、コンパクトで美しい『顔』だと思いますが、『T-1』もミズノらしい美しさを持っています。
どちらかというと『S-1』の方が好きな『顔』ですが、『T-1』の方もすごくいい顔だと思います。
素振りをしてみても、どちらもいい感じですが、やや『T-1』の方が、振りやすいかな?と思いました。
まだ、この赤いシャフトには慣れていないようです。
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S-1
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T-1
ボールを前にして構えてみても、やはりどちらもミズノらしい、とても『整った顔』をしています。
ボールとの相性の良い、構えやすさだと思います。
どちらもいいイメージを頭の中に描いていけます。
この2つのクラブを見ていて、改めて構えやすいクラブというのは、精神の安定をもたらしてくれる感じがしました。
呼吸も浅くならずに深くなるので、肩の力が抜け、自然とナイスショットの確率が上がる感じがします。
以前、『メンタルトレーニング』の本で読んで知ったのですが、どうしても緊張して肩の力が抜けない・・・。という方は、
『鼻から大きくいっぱいに空気を吸って、口から少しずつ7~8秒くらいで吐ききる』
ようにされるといいのではないでしょうか?
それを数回繰り返されますと、驚くほど肩の力は抜け、緊張感が和らぎます。
それがショットの安定にもつながってきます。
私の後輩にも、練習場ではすごくいいショットを打つのに、『月例』などの大会にでると、とたんに緊張してしまい、普段の力が発揮できない人がいます。
そういった人には、とても有効な方法だと思いますし、実際に彼に教えたのですが、彼はそれ以降すごく安定した成績をだせるようになってきました。
試打を開始しました。
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<左>T-1  <右>S-1
『球の上がりやすさ』という点では、若干『T-1』です。
この2本は、ほとんど同じスペックになっていますが、やはり『S-1』の方が、より『シビア』な感じがします。
どちらも上がりすぎない、『中弾道ドライバー』ではありますが、ほんの少し性格が違うようです。
しかし、これはシャフトによるところも大きいので、今度出来れば同じシャフトで試してみたい・・・・。と思いました。
赤いシャフト(フジクラ モトーレ F1 65J カーボンシャフト )も、決して上がりづらいタイプのシャフトではないと思うのですが、やはりまだその感じを掴み切れていないのが大きな要因だと思いました。
『高さ』を揃えていきやすいのは、『T-1』です。
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<左>T-1  <右>S-1
『安定性』という点では、若干『T-1』の方が易しい感じがしました。
どちらも決して、大きなミスを見逃してくれるドライバーではありませんが、やはり『S-1』の方が、より『シビアさ』が伝わってきます。
『直進性』が強く、曲がりにくいので、曲がりを恐れずに思い切って打っていける最近の主流のドライバーとは、はっきり違っていますし、『正確性』が求められているのだと思います。
かといって、躊躇(ちゅうちょ)してしまうと、余計ボールは曲がってしまうような気もしました。
やはり、当てに行かず、振り切ることが大切なのだと気づかされます。
今日試打した感じだと、『S-1』の方が、『ミスに対する許容度』は少ないような気がします。
上下は勿論、ちょっと打点が左右にズレても、それを敏感に反映し『サイドスピン』が発生しやすいのは『S-1』だと思いました。
双方の『スイートエリア』の大きさは解りませんが、『S-1』の方が小さいようにも感じられます。
やはり、この『S-1』は、最近では、かなり『タフ』で『シビア』で『骨太』なドライバーなのだと思います。
好きな人は好きだけど、苦手な人はとことん苦手・・・・・。といった好みがはっきりしているドライバーだと思います。
誰にでも扱いやすく、幅広い層に受け入れられるドライバーではないと、思いました。
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<左>T-1  <右>S-1
『打感』という点では、どちらもミズノらしい、とても満足度の高いドライバーだと思います。
ただ、どちらかに敢えて優劣をつけるとするならば、ほんの少し『S-1』の方が、いい感じかな?と思いました。
『芯』が小さい分、その芯で確実にヒットすると、最高の打感を味わえる、『軟鉄鍛造のマッスルバック』といったところでしょうか?
ただ、ちょっとでもミスをすると、それが敏感に伝わりやすいのも『S-1』だと思いました。
『T-1』単体で試打したときは、それほど感じなかったのですが、こうして打ち比べてみると『T-1』の方が、少し『キャパシティの大きさ』を感じます。
自動車のタイヤに例えますと、『S-1』は『グリップ力』が強く、反発が大きい『レーシングタイヤ』で、『T-1』は、より『乗り心地』を追求した『ラジアルタイヤ』・・・・。といったところでしょうか?
私が長年、マイカーで愛用している、『ブリヂストンのタイヤ』でいうと、『S-1』が『POTENZA』で、『T-1』は『REGNO』といったところでしょうか?
ふと、そんなことを考えていました。
やはりどちらも、とても高いレベルでの『一長一短』があるのだと思います。
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<左>T-1  <右>S-1
『飛距離性能』という点では、正直いいまして、それほど遜色ない感じがしました。
『S-1』の方が『最新型』ではありますが、決して『新しいからより飛ぶ』というのでもないと思います。
どちらも余分な『バックスピン』が抑えられていて、吹き上がりにくいので叩いていきたい方には大いに活躍してくれるドライバーだと思います。
どちらも決して『最新の飛び』というのではなく、数年前のいいドライバーの性能を復活させたような気がします。
ある程度のヘッドスピードがないと、このドライバーの飛びを体感しづらいと思いますし、『ドロップ』しやすく感じられるかもしれません。
必要な『バックスピン』が得られず、ボールが浮ききらずに『サイドスピン』が増えて、右にも左にも曲がってしまい、飛距離も稼げなくなるかもしれません。
やはりこの2つのドライバー(特にS-1)は、最近上がりすぎたり、大型過ぎるヘッドにやや物足りなさを感じておられる上級者、ハードヒッターの方を対象にして作られたドライバーなのだと思います。
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S-1
『操作性』という点では、『左右に打ち分ける』というところでは『S-1』に分があるような気がします。
『T-1』は、やはり以前試打した時にも感じていたのですが、どちらかというと『フェード系』が打ちやすい感じがします。
それに対して『S-1』は、『ドロー』『フェード』共に、『中立』に打って行きやすいドライバーなのだと思います。
『球のつかまりやすさ』という点でも、やはり『S-1』だと思います。
これまで出会ってきた、『フックフェース』がきついドライバーは、無意識のうちに左へ行かせまいとして、色々と小細工をしてしまい、それが大きなミスにつながってしまうことも多々ありましたが、この2つは全くそんな感じがしません。
小手先でなく、体全部を使って大きなスイングで打っていけます。
『S-1』の方が、『球のつかまり』がいいような気がしましたが、やはり決して『スライサー』の方への『お助けドライバー』ではないと思います。
スイングの精度がそのまま反映されるドライバーだと思います。
高い完成度を持つスイングをお持ちの方でしたら、このドライバーはすごく扱いやすい感じがすると思うのですが、そこまで到達しておられない方でしたら、やはり『タフ』に感じられると思います。
先日も書きましたが、日頃の練習が『物を言う』ドライバーなのだと思います。
私は『フッカー』ですので、どちらかというと『S-1』に好印象を感じつつも、『T-1』の方が安心感が大きいような気がします。
以前試打した時の好印象が、全く色褪せていません。
打てば打つほど、いい感じがします。
『打ちやすさ』という点でも、『T-1』の方が楽な感じがします。
『S-1』は『ドローヒッター』『フェードヒッター』のどちらにも対応していますが、『パワー』と『正確性』がより追求されるのだと思います。
以前も書きましたが、最近は『易しさ』ばかりが追求されているようなドライバーばかりを目にしてきて、いささか『食傷気味』だったのですが、こういった『骨太』で『硬派』なクラブを見ると何故かホッとします。
やはりいいスコアを出そうと思えば、練習は必要不可欠ですし、その上達過程が楽しいのだと思います。
スコアが良くなっていっても、決して悩みが尽きることはありませんが、こうしたレベルの高いドライバーは、ずっと永く付き合ってくれるクラブだと思いますし、スイング精度が保たれ、『スランプ』が短いような気がします。
『MP』は不滅だ・・・・。と、このドライバーを見ていたら思います。
これからも、こうした『ブランドイメージ』を大切に守ってクラブ開発をして欲しいです。