今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro MODEL-S ドライバー です。
シャフトは 三菱ケミカル Diamana DF60 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.8、クラブ総重量は311gです。
待望のミズノニュードライバーです。
前のモデルのことは今でも強く印象に残っているのですが、もう2年近くなるのかと思うと、とても早く感じられます。
MizunoProのロゴがカッコいいです。
昔からのミズノファンにはたまりません。
これからはもうMPではなく、MizunoProでいくのでしょうか?
小振りで厚みのあるヘッドです。
今時珍しいですが、こういうタイプが必要な方もたくさんいらっしゃると思いますし、色々なタイプのクラブがあったほうが、選択肢の幅が増えて嬉しいです。
ミズノらしく丁寧で、高級感のある造りになっています。
ソールを見ただけで、機能性のあるデザインだということが分かりますが、ミズノのクラブは『カッコ良さ』『美しさ』を失くしてはいけません。
他の多くのメーカーに比べ、最初からハードルが高いところがミズノにはありますが、それは仕方ありません。
昔からカッコ良くていいクラブを造り続けてきたメーカーの宿命といえるのではないでしょうか?
カッコ悪くなったり、性能が落ちてしまえば、それはメーカーの力が衰えたことになるのかもしれないですし、私たちファンの期待を裏切ることにもつながります。
こういったハードルの高さをもったメーカーはミズノだけでなく、数社あるのですが、ミズノは常に『正統派』でいて、真っ向から勝負して欲しいです。
そういった意味でも、このドライバーはとても好感が持てます。
このドライバーで目立つのは、何と言っても、この溝です。
これまでのモデルにも採用されていますが、今回は新たにブルーにして、目立たせるデザインになっています。
これは視覚的効果を狙っているのだと思いますが、黒と青の相性はとてもいいです。
ヘッドに色々な工夫や装飾をすると、逆にチープに見えてしまったり、カッコ悪くなってしまったりすることがありますが、このドライバーにはそれが当てはまりません。
機能性がカッコ良さを邪魔していません。
クラブは、まず『目で楽しみたい』と私は思っているのですが、そういった意味でも、このドライバーは好感が持てます。
充分、目で楽しませてくれていて、私の口角は『あがりっぱなし』です。
この『打つ前のひととき』がとても大切な時間です。
『クラブに語りかける時間』といっていいのかもしれません。
溝の深さは結構ありますが、だいたい平均的な深さだと思います。
深さよりも『幅』が特徴的です。
溝には『WAVE TECHNOLOGY』の文字がありました。
これも前のモデルで見られました。
基本的なコンセプトは変わらないのかもしれません。
私には溝に見えるのですが、『波』という解釈のほうが正しいのでしょうか?
ヒール側
トゥ側
ヒール側とトゥ側には、それぞれひとつずつビスのようなものがあります。
これは一体、どういった効果が期待できるのでしょうか?
ひょっとしたらウェイトなのかな?と思いましたが、ヘッドの大きさに対して小さすぎるので、おそらくウェイトではないと思います。
何か他の意味があるのだと思いますが、私は分かりません。
ネックの長さは標準的です。
こうして見ても何とも言えない魅力があり、しばらく見つめていました。
ネックには調整システムが搭載されています。
初めてミズノに採用されたときは驚きましたが、今ではすっかり見慣れました。
調整システムに対するニーズが高まり、メーカーがそれに応える形になっているのではないでしょうか?
ヒール側には『QUICK SWITCH』の文字がありました。
これは調整システムのことだということがすぐに分かりました。
専用の工具を使えば、素早く交換できるのだと思います。
9.5
試打するのは、この『9.5』のポジションです。
他にも
8.5 7.5
8.5U
9.5U 10.5U
11.5
10.5
というようになっていました。
かなり細かく設定できるようです。
この調整システムも、前のモデルに搭載されていました。
ディープバックタイプのヘッドです。
ここまでディープなのは、今では珍しいように思います。
セミディープまでは見たことがありますが、このようなディープ形状は懐かしいです。
一昔前までは普通に見られましたが、今は圧倒的にシャロータイプが多いので、ある意味『希少』といっていいのかもしれません。
しかしディープタイプが好きな私はついつい見とれてしまいましたし、挑戦意欲も掻き立てられます。
シャローバックでバックフェースにウェイトが装着されていると、お尻(ヘッド後方)がどうしても重くなり、インパクトのときにフェースが上を向いてしまいそうな感覚をもつことも多いですが、このようにディープバックだと、インパクトのときにもお尻が垂れずに、そのまま真っ直ぐ振り抜いていけそうなイメージが出せます。
今のドライバーは『ロフト以上』にあげてくれるドライバーが多いですが、このドライバーは『ロフトなり』にあげてくれそうだな・・・。と思いました。
今はシャローバックタイプが全盛ですし、ディープバックタイプを敬遠される方は多くいらっしゃるかもしれません。
そういった意味では、幅広い層をターゲットにしている感じはしませんが、『コアな層』に受け入れられやすいのではないでしょうか?
ディープバックというだけでなく、かなりのディープフェースであることが分かりました。
今はディープフェースのドライバーが増えてきましたが、ここまでフェース高が高いのは珍しいです。
フェース面が『四角』ではなく、『丸』に近づけて、反発力を高めているドライバーは昔からありました。
ミズノのドライバーでいえば、昔試打したことのある『S-1』というドライバーを思い出しました。
黒を基調としたフェース面に白のスコアラインがよく映えています。
艶消しなところがたまりません。
いかにも弾きが良さそうです。
ヒール側には『MODEL-S』という文字がありました。
Sなので『シャロー』を連想してしまいますが、このドライバーはどう見ても『D(ディープ)』です。
このSには、どんな意味があるのでしょうか?
とてもいい顔をしています。
かなり好みです。
バルジがよく効いていて、今時珍しい『逃がし顔』です。
今はトゥ側が主張しすぎている『つかまえ顔』が多いですが、このドライバーは真逆なタイプです。
スライサーの方には、あまり好感をもたれないかもしれませんが、フッカーの私にはとても魅力的な顔です。
この顔も前はよく見られましたし、懐かしい思い出が蘇ってきます。
このドライバーは最新モデルでありながら、どこかクラシカルなところもあります。
こういった昔のいいところを表現しているのも、ミズノの狙いなのではないでしょうか?
装着されているグリップは、とてもシンプルなものです。
ヘッドにたくさんの工夫がされていますし、調整機能も搭載されているので、このようなシンプルグリップでバランスがとれているのかもしれません。
素振りをしてみると、とてもいい感じでした。
装着されているシャフトは初めてだと思うのですが、走りすぎることもなく、安定しています。
久しぶりにディアマナに出会い、テンションがあがりました。
昔、スリクソンのZR-30に『青マナ』を挿していたことがあるので、懐かしく感じられます。
ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
クセのない、整った顔。
バルジが利いていて、『和の顔』ともいえます。
最新ドライバーであっても、この構え感は昔からたくさん経験しています。
『いい時代』のクラブによく見られました。
少し小ぶりですが、それほど小顔感はありませんでした。
460ccでないのは明らかでしたが、投影面積は結構ありました。
このクセのない、いい顔はさすがミズノといった感じです。
ミズノのクラブは美しくてカッコよくなければならない・・・。と私はずっと思っていて、それを実現しつづけてくれているミズノに感謝したいです。
ミズノはファンを大切にしているメーカーといえるのではないでしょうか?
最新のトレンドには注目していくけど、決して自分たちの『屋台骨』を失わない、芯の強さのようなものを感じます。
今はフェースが被って見えるものが多いので、このようにトゥ側が主張していないドライバーは珍しいですが、ラインはすごくイメージしやすいです。
左へ引っかけたり巻いてしまったりするマイナスイメージは浮かんできません。
先ほども書きましたが、スライサーの方には右方向への不安がよぎるかもしれません。
人によって好みが大きく分かれると思いますが、私はとても気に入りました。
この美しい顔に、しばらく見入っていました。
試打を開始しました。
『打感』は、ややしっかりめでしたが、ブレない感じです。
しっかりと押していけるフィーリングといったらいいでしょうか?
力が逃げる感じではありませんでした。
ソールにある溝もそうですし、シンプルで美しいフェース面にも、色々な工夫がされているのではないでしょうか?
ヘッド内部の、外からは見えない部分にも色々な工夫がされているのだと思います。
『バネの利いたフィーリング』といったらいいでしょうか?
押して弾け飛ぶようなフィーリングでした。
昨年試打してとても気に入った『あのドライバー』のことを思い出しました。
『音』は、はっきりしているのですが、大きすぎず高すぎないので、好感が持てます。
品のいい音です。
上質なエグゼクティブ感のある音といったらいいでしょうか?
気持ちよく振り抜いていくことができました。
『球のあがりやすさ』という点では、見た目通りタフなドライバーであることに変わりないのですが、予想していたよりも『最初の打ち出し』が高く、不思議な感覚がありました。
打つ前は、もっと低めのライナー系をイメージしていました。
しかし、実際は違っていました。
この高さはどうしてなんだろう?と思ったのですが、おそらくソールにある溝が大きく関係しているだろう・・・。と思いました。
やはり、あのドライバーに似ているな・・・。
見た目の印象よりも、ずっとあがりやすく、いい意味でのギャップがあります。
その、『あのドライバー』というのは、BB4ドライバーのことです。
予想よりも高くあがっていったのですが、『スピン過多』ではなく、『適正なスピン』という印象をもちました。
吹き上がり感はなく、強く前に進んでくれます。
今日試打したのは『9.5』なのですが、調整機能を使って、もっとロフトを立ててみたいと思いました。
どのような弾道になるのか興味がありますが、まずはこの『9.5』で試してみられるのがいいのではないでしょうか?
ヒッター向けのドライバーなのは間違いないですが、そのハードルは決して高すぎません。
ソールにある溝がすごく仕事をしてくれているように感じました。
『安定性』という点では、このようなディープなタイプなので、それほど高いものは望めないのかもしれません。
しかし、かなり弾きがいいので、曲がる前に飛ばしていく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
インパクトでしばらくフェースとボールがくっついてサイドスピンが掛かるイメージではなく、そのくっつく前に既に弾き飛ばしていく・・・。という印象をもちました。
ミスに対しての寛容さや高い直進性を求めるタイプではないですが、昔の同じようなディープタイプのドライバーと比べれば、はるかにハードルが下がって、親しみやすくなっているように感じます。
フェース高があって丸っぽい形状なので、ボールをうまく包み込んでくれて弾き飛ばしてくれる感覚です。
弾きの良さなども凄いですが、『易しさ』『親しみやすさ』が印象深く残りました。
装着されているシャフトもすごく仕事をしてくれていると思います。
普通に打っている限り、暴れることはなく、大きなミスにはつながりにくいように感じました。
構えやすさと、ヘッドの易しさ。そして高性能なシャフトの力が合わさって、この親しみやすさにつながったような気がします。
『飛距離性能』は高いです。
期待していた通りでした。
前のモデルである、MP TYPE-1を試打しているので、それと比べてみるとどうかな?と思っていたのですが、とてもよく似ていました。
ほぼ同じ飛距離性能といっていいと思います。
大きな溝が共通した特徴で、基本的な造りなどは殆ど一緒なのかもしれません。
正直、すごく距離が伸びたとは思いませんが、高いポテンシャルを発揮してくれていますし、弾きの良さはこちらのほうが上のような気がします。
実際に打ち比べていないので詳しいことは分かりませんが、もし打ち比べてどちらかを選ぶとすると、私はこのニューモデルを選ぶと思います。
これまでも書いてきましたが、必ずしも最新=最高ではないですが、このドライバーは前のモデルよりも、少し進化しているといいますか、性能がプラスされているように感じました。
『操作性』という点では、好感が持てました。
左右に曲げることは難しくないですが、いわゆる『球持ち』がそれほどいいドライバーではなく、『球離れ感』があるので、昔のような『乗せて運ぶ』というイメージではありませんでした。
フェースのバルジが利いていて、やや逃がし顔なのですが、球もつかまえやすいです。
今の多くのドライバーは『フェースターン』が難しくなっていて、あえてそうしないようになっていますが、このドライバーは昔ながらの打ち方をさせてくれるドライバーです。
しっかりとフェースコントロールをして、ボールに接していくことができます。
私はフッカーですが、最初からほぼストレートに近い感じの、いい球を打たせてくれました。
これは明らかに、ドライバーの性能によるところが大きいです。
右に曲げるのも難しくありませんでしたが、私はドロー系のほうが自然に感じられました。
つかまえやすいですが、つかまり過ぎないところも魅力です。
小振りなドライバーらしく、反応の良さがありますが、左右に大きくブレて安定しない・・・。ということにはなりませんでした。
最初から最後まで、ずっと安定して飛ばしてくれました。
ディープなタイプで、とてもカッコいいドライバーですが、そのハードルはそれほど高くないドライバーです。
様々なハイテクが搭載されていますが、それが嫌味になっていないところがミズノらしいです。
ミズノはパーシモンもありましたが、元々はやはりアイアンが得意なメーカーだと思います。
しかし、昔はミズノプロ300Sなど、一世を風靡したドライバーも発表していますし、たくさんヒット商品を世に送り出しています。
このドライバーもそんな雰囲気が感じられます。
カッコいいですが、ハードルが高すぎないのがいいです。
一番印象に残ったのは、先ほども書きましたが、『弾道の高さ』です。
予想していたよりもずっと打ち出しが高かったので、それが強く印象に残りました。
ティの高さをちょっと低くしてみたりもしたのですが、それでもいい感じでボールを拾ってくれました。
フェースを縦に使えるドライバーです。
こういったところは、ディープフェースの長所です。
シャローフェースでは、なかなかこういったことができません。
今日は9.5で試打しましたが、調整機能を使えば、また違う性能になると思いますし、ロフトを変えれば、また難しさも出てくるように思います。
調整機能も凄いですし、ソールにある、青くて大きな溝がすごく仕事をしているように感じました。
これまで溝のあるドライバーをたくさん試打してきて、それほど効果を実感できないことがたくさんあったのですが、今日はその溝の存在感が強かったです。
前のモデルにも同じような溝がありましたが、そこからさらに改良が加えられているのでしょうか?
このようなディープな形状を敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、難しすぎないドライバーなので、多くの方に試していただきたいです。
ラージサイズでシャロー過ぎるドライバーはどうしても馴染めない・・・。
バルジが真っ直ぐに近くて、フェースが被っているのは苦手だ・・・。
昔のようなコンパクト感と『塊感』があって、カッコいいドライバーを使いたいけど、難しすぎるのは嫌だ・・・。という方には特にお勧めしたいドライバーです。
『難しすぎない』というのも『性能の一部』だと思いますし、このドライバーはその性能をもっています。
本格的なゴルフシーズンはもうちょっと先ですが、このドライバーで新たなシーズンを迎えることができたら楽しいだろうな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
また何度でも試打したい、魅力的でミラクルなドライバーです。
ミズノ MizunoPro MODEL-S ドライバー
- 2019年2月24日
- ミズノ
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