今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MizunoPro MODEL-E ドライバー です。
シャフトは グラファイトデザイン VR-7 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は73g、キックポイントは中調子、トルクは3.0、クラブ総重量は321gです。
ミズノプロの新しいドライバーです。
先日MODEL-Sを試打しましたが、今日は姉妹モデルです。
三兄弟なのかな?と思いましたが、今回のモデルは二兄弟のようです。
昔はミズノも三兄弟を発表していましたが、最近は二兄弟が多いように思います。
調整機能も付いていますし、この2つのモデルで殆どの層をカバーできるということなのではないでしょうか?
ラージサイズでシャロータイプのドライバーです。
先日試打したMODEL-Sとは違います。
MODEL-Sは、かなりのディープでしたが、このドライバーは真逆です。
ネックの長さは標準的です。
実際に見比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらくMODEL-Sと同じ長さだと思います。
MODEL-S同様、ネックには調整システムが搭載されています。
試打するのは、この9.5のポジションです。
他にも色々と調整できるようです。
ソールにある、この溝も大きな存在感を示しています。
溝には『WAVE TECHNOLOGY』の文字があります。
私は溝に見えるのですが、『波』ということなので、この段差に秘密があるのかもしれません。
物理的な詳しい理論は分かりませんが、先日MODEL-Sを試打して、その効果を肌で感じました。
これは大きなことです。
今はたくさんの高機能なドライバーがあり、色々な工夫がされていますが、それらを実際に試打してみて、その効果を実感できないこともあります(ただ、それは私の感性が鈍いということもあるのですが・・・)。
この溝は違いました。
かなり効果があり、見た目とのギャップを感じさせるほどでした。
飛距離などもそうですが、『易しさ』を向上させてくれる溝だという認識をもっています。
この溝の凹凸を見て、宮崎県にある『鬼の洗濯板』を思い出すのは私だけでしょうか?
深さも結構ありますが、これもMODEL-Sと変わらないように思います。
基本的なところは全て同じで、ヘッド形状だけを変えているのでしょうか?
ヒール側
トゥ側
ヒール側とトゥ側にある、このビスのような物も、MODEL-Sと同じです。
ヘッドの大きさと比べるとかなり小さいので、おそらくウェイトではないと思うのですが、どのような意味があるのでしょうか?
実際はウェイトで、緻密な重量配分がされているのかもしれません。
ヒール側には『MODEL-E』の文字があります。
このドライバーこそ、シャローの『S』ではないかと思ったのですが、違う意味があるのは間違いありません。
EASYのEでしょうか?
シャロータイプのヘッドです。
MODEL-Sが、かなりのディープタイプだったので、まさに正反対です。
今はディープタイプを敬遠される方も多いと思いますし、シャロータイプしか使わないと決めておられる方もいらっしゃると思います。
そういった方々にとって、安心感を与える形状といえるのではないでしょうか?
昔と違い、今は頼もしいシャローがたくさんあります。
シンプルなフェース面です。
美しく丁寧に仕上げられています。
こういったところはさすがミズノです。
今はドライバーのフェース面にも、色々な工夫がされているものが少なくないですが、最新のモデルで採用されていないということは、あまり意味がないということなのかな?と思いました。
意味がないというよりは、必要ないということなのかもしれません。
シャローバックタイプのドライバーですが、フェース高は充分あり、ディープフェースになっています。
今はこのコンビネーションがとても多いです。
昔はディープフェースだと球があがりづらいものが多かったのですが、シャローバックにしたり、他にも色々な技術が進んだおかげで、ディープフェースで易しいモデルがたくさん登場するようになりました。
個性的な顔です。
ヘッド後方の膨らみが目立っています。
かなり大きく見えたので、何の疑いも無く460ccだろうと思っていたのですが、450ccとのことでした。
わずか10ccの違いとはいえ、ここまで大きく見せるのもすごい技術だな・・・。と思いました。
以前も書きましたが、460ccが必ずしもベストな大きさ(ヘッド体積)ではないと思っています。
もっと小さくてもいいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
普段、460ccを使い慣れておられる方も、このドライバーを見て、ヘッドが小さく見えて不安に感じる方はおそらくいらっしゃらないと思います。
そういいきれるほど、このドライバーは大きく見えます。
こういったヘッド体積は色々なことがあり、足並みが揃っていないということもあります。
メーカーによっては、かなり大雑把に感じられるところもありますが、ミズノはかなり『精密で誠実』な造りになっているように感じられます。
素振りをしてみても、タイミングがとりやすくて、とてもいいです。
装着されているシャフトVR-7は初めてですが、とてもいいシャフトだな・・・。と思いました。
VR-6は以前試打したことがあるのですが、このVR-7もすごくいいです。
最初見たときは、正直デザインがもうひとつだな・・・。と思ったのですが、実力はとても高いです。
適度にしっかりしていますが、決して硬いとか『跳ねる』というタイプではなく、まったりと振っていけます。
ボールを前にして構えてみると、やはりヘッドが大きく見えましたし、ヘッド後方の膨らみもよく目立っています。
『つかまえ系』の顔に見えたのですが、このようなタイプでは、これがスタンダードなのかもしれません。
つかまりそうな顔ですが、バルジが丁寧に仕上げられていて、雑な感じがしませんでした。
こういったところは、さすが日本のメーカーといったところです。
かなり細かなところまで配慮されているようです。
ラージサイズでつかまえ系の顔を好まれる方には、頼もしい構えやすさをもっているといえるのではないでしょうか?
試打を開始しました。
『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめですが、好感がもてます。
姉妹モデルのMODEL-Sを試打していたので、この打感は予想していました。
弾き感も強いです。
『音』は、はっきりしていますが、大きくなく控えめです。
インパクトも緩まず、しっかりと振り抜いていけます。
この音にも、綿密な計算がされているのではないでしょうか?
ミズノは決してフィーリングを疎かにしないメーカーです。
球はあがりやすいです。
ロフトは9.5度なのですが、充分過ぎるほどあがってくれました。
見た目通りの高弾道系ドライバーです。
今はシャロータイプのドライバーでも、結構タフな物がありますが、このドライバーは『見た目通りの易しさ』という性能をもっています。
タフさは全く感じられません。
『安定性』は高く、イージーなドライバーです。
スイートエリアも、かなり広いのではないでしょうか?
完全に『点』ではなく、『面』でとらえていけるドライバーです。
安定性は高いですが、決して『真っ直ぐ』だけ飛ばすドライバーではありません。
『安定性してつかまえていける』ドライバーです。
このようなタイプなので、高い弾道とつかまりの良さがあるのは打つ前から想像できていましたが、他の多くのドライバーと違うところは、そのつかまりの良さが『自然』だということです。
自然にスイングの中でしっかりとつかまえて飛ばしていけるといったほうがいいかもしれません。
今の多くのドライバーは半ば『強制的』といいますか、つかまえようとしなくてもつかまってしまう・・・。それが怖いからあえてつかまり過ぎないように無意識に細工をしてしまって、ミスにつながってしまう・・・。ようになっています。
心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ラージサイズのドライバーでプッシュのミスが増えたという方は、今お使いのドライバーがマッチしていないのかもしれません。
このドライバーはつかまりがいいですが、それが極端すぎないところがいいです。
今の多くのラージサイズ&つかまえ系のドライバーは『HI HOOK(ハイフック)』タイプが多いですが、このドライバーはそれよりもちょっと緩和されている感じなので、本来の意味の『HI DRAW(ハイドロー)』タイプのドライバーだと思いました。
私はフッカーなので、つかまりやすいドライバーを苦手に感じることもあるのですが、このドライバーにはそれほど強い苦手意識は芽生えませんでした。
ただ、先日MODEL-Sを試打しているので、どちらが好きか?と聞かれれば、迷わずMODEL-Sを選びます。
これは即答です。
しかし、これはあくまでも私の好みによるものなので、このシャローでつかまえ顔のMODEL-Eのほうが好きだという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
『飛距離性能』も優れています。
弾道の高さとつかまりの良さ。
そして弾きの良さが、このドライバーの大きな魅力です。
ディープタイプのMODEL-Sを試打したときも感じましたが、見た目よりも難しくない、易しい性能をもっているところも、今回のニューモデルに共通した長所だと思います。
易しく飛ばしていける、ハードルが高すぎないドライバーです。
キャリーもしっかり出せますし、滞空時間も長いです。
『操作性』という点では、右に行きにくいドライバーなので、フック系のほうが易しく感じました。
このドライバーよりもつかまりが良く、右に行きにくいドライバーはたくさんありますが、この『自然なつかまりの良さ』に魅力を感じる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
このヘッドもつかまりがいいですし、装着されているシャフトも自然とつかまえてくれるタイプなので、相性は抜群です。
ヘッドとシャフトが反目しあっていません。
このVRシリーズが純正シャフトなのかと思っていたのですが、違うシャフトなのだという説明を受けました。
VR-7はカスタムなのだそうです。
前のモデルも良く出来ていましたが、さらに『自然な易しさ』が加わったような気がします。
易しいけど、それが度を越していない・・・。といいますか、『自然な易しさ」という言葉が合うドライバーだな・・・。と思いました。
たくさんのパーツが組み合わさった機能性の高いドライバーはたくさんありますが、その工夫が却って邪魔に感じることもあります。
しかし、このドライバーにはそういったことは感じませんでした。
ゴチャゴチャしていたり、仕上げが雑で、ニューモデルでありながら塗装が剥げてしまっているものにも出会ったことがありますが、このドライバーはそんなことはありませんでした。
設計・製造だけでなく、最終的な検品も厳しく行われているのだと思います。
まさに『目の届くモノづくり』といったらいいでしょうか?
確かなモノづくりで、私たちユーザーに優しいメーカーといえます。
かなり綿密に細かいところまで配慮されているのではないでしょうか?
イージー系のドライバーですが、大味なところはありません。
むしろ繊細で、ミズノらしい美しさが見られます。
機能美をもったドライバーです。
つかまりのいいドライバーですが、私にはここまでのつかまりの良さは必要ありません。
しかし、こういった工夫は今のニーズに合っていると思います。
球のつかまりがいいドライバーなので、スライサーの方にも是非試していただきたいです。
このままでもいいと思いますが、調整機能を使えば、もっとマッチしやすくなるのではないでしょうか?
幅広い層に対応していけるドライバーです。
易しいけど、その易しさがマイナスになっていない、ミズノプロの名に相応しい名器といえるのではないでしょうか?
ミズノらしい贅沢なドライバーを充分堪能させてもらい、楽しい気分で練習場を後にしました。
ミズノ MizunoPro MODEL-E ドライバー
- 2019年3月2日
- ミズノ