今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP-63 アイアン の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、キックポイントは手元調子です。
ミズノの新しいアイアンです。
毎年、この時期になるとミズノのニュークラブに出会えるので、すごく楽しみです。
どのメーカーのクラブもとてもいいのですが、やはり私にとってミズノは付き合いも長いせいか、特別な感じがします。
昨年試打した『MP-68』と『MP-58』の印象も強く残っています。
ミズノ(MP)は、プロ・アスリートモデルと呼ばれるアイアンでも、アベレージモデルと呼ばれるアイアンでも、どちらもとてもカッコいいのが大きな特徴だと思っています。
昨年は、マッスルバックが発売されましたが、今年はキャビティのようです。
キャビティアイアンなので、こちらがアベレージモデルなのかと、店員さんに尋ねてみたのですが、この『MP-63』が、アスリートモデルなのだそうです。
キャビティのデザインがとてもカッコいいです。
センスのいいデザインだなあ・・・。と思いながら眺めていたのですが、店員さんによると、このデザインは『ダイヤモンドマッスル』というのだそうです。
ネーミングのセンスの良さもさすがです。
『ソール幅』は、最近のアイアンの中では、薄めな感じです。
MPらしい感じがします。
車でいえば、完全にハードトップタイプだと思います。
挑戦意欲が掻き立てられます。
これまでのミズノのアイアンにいえることですが、どの角度から見てもすごくカッコいいです。
やはり、こういったクラブとずっと付き合っていきたい・・・。と思います。
『ホーゼルの長さ』は、しっかりとありますし、最近のアイアンの中では、長めなほうだと思います。
『操作性』を高める為に、ある程度『高重心』にしてあるのでしょうか?
『MPアイアン』も、昔に比べてずいぶんと打ちやすくなってはいますが、それでもある程度の『敷居の高さ』がキープされているようにも思えます。
しかし、こういった形状だからこそ、『MPアイアン』といえるような気もします。
少しくらいは手強いほうが、打っていても楽しいんじゃないかな?と私はつい思ってしまいます。
『彫り』は、はっきりと浅めな感じがします。
『ダイヤモンドマッスル』という名前ですが、私の感覚では、打ちやすさが進化した『ハーフキャビティ』といったところです。
『キャビティの易しさ』と『マッスルバックの肉厚感』が上手く同居している・・・・。といったところでしょうか?
一般的にいえば、ややハードなアイアンに見えるかもしれませんが、昨年の『MP-68』を経験しておられる方にとっては、それほど敷居が高いとは感じられないのではないでしょうか?
最近は彫りが浅めでも、打感の優れたアイアンがたくさん登場してきていますが、やはりこの厚みはとても魅力的に見えます。
インパクト時、ボールに『当たり負け』しない為には、どうしても『インパクトゾーン』に適度な厚みを求めたくなります。
そういった意味では、このアイアンはすごくいい感じがします。
素振りをしてみても、普段通り、何の不安も感じません。
今は『軽量スチール全盛時代』だと思いますし、素晴らしいアイアン用カーボンシャフトも続々誕生してきています。
それでいながら、この『ダイナミックゴールド』を採用してくれているところに私は大いに魅力を感じるといいますか、『感謝』すらしたい気持ちです。
店員さんの説明によると、昨年11月以降発売されたミズノの新しいアイアンは、約半インチ長くなっているのだそうですが、全く支障ありません。
そもそも私はアイアンに限らず、クラブをグリップエンドいっぱいに握るほうではないので、少し短めに持って充分に振っていけます。
違和感は感じません。
何年も連れ添ったアイアンのような振り心地です。
ボールを前にして構えてみても、さすがの構え感です。
美しいのは当然ですが、その中に『ミズノアイアン独特の美しさ』があると思います。
何と言いますか、引き込まれるものがあります。
この『顔』を見ているだけで、充分『目の保養』になりますし、今日練習場に来た甲斐があったと思いました。
しかし、それだけでは勿体ないですし、ボールを打たずに帰ってしまったら後悔するに決まっているので、遠慮無く試打させてもらうことにしました。
試打を開始しました。
1球目を打ってから、私はすぐに『ため息』をついてしまいました。
それは、決して『がっかり』だったり、『退屈』な時に出るため息ではなく、何と言いますか『感嘆』といいますか、この『至高の打感』にすっかり参ってしまいました。
1球打っただけで、体中の力が抜けていってしまうような錯覚さえ覚えました。
最近なかなか体の疲れが取れないので、先日『足つぼマッサージ60分コース』を初めて体験したのですが、あまりの心地良さに5分と経たないうちに眠ってしまいました。
身体全体がフワフワと浮いているような、心地良さを感じたのを覚えています。
今日は、このアイアンの打感の良さに、その感覚を思い出しました。
こういったアイアンで球を打っていると、身体に入っている余計な力は全て抜けていってしまうじゃないかな?と思いました。
『軟鉄鍛造』といえば、これまでの経験からも、その『打感の良さ』は『保証済み』のようなところがありますが、この『MP-63』は、その軟鉄鍛造の中でも、まさに『トップクラス』だと思います。
さすがはミズノのアイアンです。
ひと味違います。
この心地良さはどこからくるのでしょうか?
これだからミズノのアイアンは止められません。
おそらく色々な工夫や新たな技術が組み込まれているのだろうと思いますし、それを店員さんに尋ねてみようかと思ったのですが、今日はそれを聞かずに敢えてこの感触だけを楽しむことにしました。
私はスイング中いつも、殆ど『両足の裏』に意識が集中しているのですが、今日はどことなく『浮いちゃっている』ような感じさえしてきました。
実際はどっしりと構えているのですが、そう思えてしまうほど、私の気分は高揚していきました。
この珠玉ともいえる軟鉄鍛造アイアンとスイングを安定させてくれ、いいインパクトを迎えさせてくれる『ダイナミックゴールド』が、さらにいいハーモニーを醸し出してくれているような気がしました。
これまで何度も感じてきたことですが、『軟鉄鍛造』と『ダイナミックゴールド』は、まさに『黄金コンビ』だと思います。
私はゴルフを始めたときから、この黄金コンビに出会えたことは、とてもラッキーなことだと思いました。
これからも迷うことは無いように思います。
『球のあがりやすさ』という点では、こういったタイプのアイアンですし、決して誰にでも打ちやすくしてある感じはしません。
ある程度の『敷居の高さ』はあるのかもしれません。
最近のアイアンは、その殆どが『敷居の低さ』を感じ、それがいいことだと思う反面、やや物足りなく感じる部分もあり、もっと『骨のある』クラブに出会いたい・・・。と思っておられる方もたくさんいらっしゃるのではないか?と思いますが、このアイアンはそういった方々には、とても満足感が得られやすいような気がします。
以前、アイアンはドライバーよりも、その見た目である程度の性能を把握しやすい・・・。と書きましたが、このアイアンはまさにそんな感じがしてきます。
見た目のシャープな印象そのもののアイアンだと思います。
最近は、すごく整っていてシャープな感じのアイアンでも、それほど『タフ』でないアイアンも登場してきていますが、このアイアンは、かなり『タフ』に感じられる方も多いかもしれません。
『操作性』という点では、見たままの高性能です。
最近のアイアンでは、かなり『小顔』な部類に入ると思うのですが、それがかなり操作性を高めているような気もします。
ボールが大きく見えるので、私は安心感を感じますし、今日は色々なラインに沿ってボールを出していくことが出来ました。
構えづらいアイアンでは、あまりたくさんのイメージラインを頭に描くことは出来ませんが、今日は次から次へと浮かんできました。
左右どちらにも、すごく打ちやすいアイアンです。
『マッスルバック』と、全く遜色ない『敏感さ』を持っているアイアンだと思いました。
『飛距離性能』という点では、こういったタイプのアイアンらしい感じがします。
『距離を刻む』に相応しいアイアンだと思います。
アイアンは、正確なキャリーを稼いでくれ、その後はきっちりとボールを止めてくれないといけませんが、このようなアイアンはそういった性能はすごく高いような気がします。
私のホームコースは砲台グリーンや二段グリーンなどが多いので、どうしてもこのようなアイアンで挑みたくなります。
飛び過ぎて、グリーン奥へ打ってしまったり、グリーンの変なところへ乗せてしまうくらいならば、端から『花道』に止めておきたくなります。
そういった微妙な『プレーヤー心理』も、このようなアイアンは上手く汲み取ってくれるような気がします。
アイアンでも距離を求めていきたい方には、このアイアンはあまり合ってはいないのかもしれませんが、メーカーも敢えて飛びすぎないように作っているのだと思います。
今はどのメーカーにもいえることですが、幅広い層に受け入れられるように、様々なタイプのクラブを作っていますし、そういった意味ではこのようなタイプのアイアンは、ごく一部のゴルファーをターゲットにして作られているのかもしれません。
『安定性』という点でも、かなり『シビア』な部分が感じられるかもしれません。
決して『易しさ重視』のアイアンではないと思います。
ミスに対する『寛容さ』も、それほど大きくはないのかもしれません。
しかし、『難しさ』というのは、『時代と共に変化する』部分があると私は思っているので、この『MP-63』というアイアンが、これまでのアイアンのなかでも、特別難しすぎてタフだとは思いませんでした。
20年以上前の『マッスルバック』『高重心』アイアン全盛時に、もし、この『MP-63』が登場していれば、まず間違いなく『易しいアイアン』として認知されたと思いますし、それほど敷居が高くは感じなかったかもしれません。
今は『易しさ重視』の時代だと思いますし、そういった意味では間違いなく『シビア』なアイアンだと思いますが、決して手に負えない感じはしませんでした。
『クラブの難しさ』というのは、案外『時代背景』や、その頃の『流行』なども関係してくるかもしれないな・・・。と思いました。
ある程度『タフ』なアイアンだとは思いましたが、この優れたシャフトが私にはとてもマッチしていて、すごく打ちやすく感じました。
やはりクラブはシャフトだ・・・。と、改めて感じます。
初対面でありながらも、いつも行っている『上げて下ろすだけ』という、ごくシンプルな考えだけで、充分球を打っていくことが出来ました。
トップが決まれば、あとは『重力任せ』といいますか、却って余計なことをしないほうが、『スイングの再現性』を高めていくには重要なことだと、私がまだビギナーの頃、私の師匠から教わったことがあります。
今日は、このミズノの素晴らしいアイアンで出会うことが出来て、本当に充実した一日でした。
あらゆる面で、アイアンに求められている性能が、高いレベルで実現されていると思いますし、前のほうでも書きましたが、この高いフィーリング性能に私はすっかり魅了されてしまいました。
いつも高フィーリングなクラブに出会ってきていますが、今日はまさに『脳が揺さぶられた』一日でした。
この感覚は、しばらく後を引きそうです。
ゴルファーの中には、『マッスルバック』は敬遠されがちな方も、キャビティならば是非打ってみたい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思います。
決して易しすぎるアイアンではないですし、飛距離もそれほど多くは求めてはいけないのかもしれません。
『飛びアイアン』全盛の今とあっては、やや時代と逆行しているのかもしれません。
しかし、最近は少しずつこういったアイアンが『復活』しているので、私は嬉しく思いますし、こうして試打していても、すごく楽しいです。
いつも色々なクラブを試打することはすごく楽しいことですが、今日のようなクラブに出会うと、最後までテンションが上がりっぱなしでした。
私は今もメインのアイアンはミズノのアイアンですし、やはり特別な感じがします。
『作り手の情熱』といいますか、『こだわり』のようなものが感じられます。
メーカーの『プライド』も感じられます。
『MPアイアン』が素晴らしいことは、既に『常識』となっているところがありますし、『名器』を作って当然だという雰囲気があります。
そういったプレッシャーの中、今年もこのような素晴らしいアイアンを生み出すのだから、さすがだと思いました。
このアイアンに出会って、ボールを1球打った時から、こうして記事を書いている今もずっとハイテンションなままだったので、なかなか記事をまとめることが出来なかったような気がします。(冷静さを欠いてしまった部分もあったように思います。)
このアイアンをすごく気に入ったので、明日早速仲間たちにも奨めてみようと思いました。
そして、まだ試打していない、もうひとつのミズノのニューアイアン『MP-53』にも大いに期待したいです。
ミズノ MP-63 アイアン
- 2010年11月16日
- ミズノ
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ピン S56 アイアン