ゴルフクラブ試打日記。          

ミズノ JPX 900 ドライバー

ミズノ JPX 900 ドライバー
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブはミズノ JPX 900 ドライバー です。
Orochi D-55
シャフトは Orochi D-55 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は55g、トルクは4.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は305gです。
正面
ミズノJPXシリーズの新しいドライバーです。
MPは秋ですが、JPXは冬にニューモデルに出会うことができるので、季節が変わっても楽しむことができます。
JPXのニューモデルに出会うのを、ずっと楽しみにしていました。
MPとはまた違った魅力がJPXにはあります。
側面
ディープタイプというよりは、シャロー感のあるヘッドです。
そして、それよりも、かなり個性的なソールが印象的で、一度見たら忘れられません。
ネック長さ
ネックの長さはノーマルな感じです。
ネックの調整システム
ネックには調整システムが搭載されていました。
一時期は多くのメーカーに採用されていましたが、今は少しずつ減ってきているように思います。
中途半端な調整システムは要らない。それよりも、ヘッドの性能を高めて欲しい・・・。というユーザーの要望もあるのかもしれません。
しかし、ミズノがあえてこのようにしてきたということは、それだけの理由があるのではないでしょうか?
9.5
試打するのは、この『9.5』のポジションで、他にも色々な数字がありました。
プレイヤー自身が、ドライバーのロフトを簡単に変えられるようになるとは、数年前まで全く思わなかったことです。
しかし、それが今は現実となりました。
パーシモンの頃は、ヤスリで削りながら調整することもあったのですが、メタルになって出来なくなりました。
それがチタンに変わり、研究が進んでパーシモンの頃よりも、さらに複雑な調整ができるようになりました。
比重が軽くて丈夫なチタンだからこそ、できるのかもしれません。
ソールの調整システム
このドライバーのウリは何といっても、このソールにあります。
かなり複雑な調整ができるようです。
最近のドライバーはシンプル化しているように思うので、珍しく感じられます。
ミズノがMPでやれないことを、JPXでやろうとしているのではないでしょうか?
MPとJPXで上手く住み分けができているので、とてもいいと思います。
ブランドイメージが被っていないですし、違いがあるのは、私たちユーザーにはありがたいことです。
プレイヤーの好みによって、はっきりと迷わず選んでいけるのがいいです。
ソールの調整システム トゥ側
トゥ側には大きな溝があり、『FADE』の文字がありました。
ここの部分には何も無いのですが、重心距離を長くしてフェード系を打ちやすくする為には、ウェイトを付け加えるということなのでしょうか?
ソールの調整システム 中央
ソールの中央付近にはウェイトが移動できるようになっています。
『HIGH』と『LOW』の文字があり、1~4まで変えられるようになっていました。
私が試打するのは、この『3』のポジションです。
これは『重心の深さ』を調整するものだろうと思いました。
以前試打したことのある、JPX 850 ドライバー というドライバーを思い出しました。
低スピン性能に長けていて、とても優れたドライバーです。
この900というドライバーは、その850の調整機能をさらに複雑化して作られているように見えます。
ソールの調整システム 中央&ヒール側
その近くにも、よく目立つ白いパーツがありました。
『OPEN』『NEUTRAL』『CLOSED』の文字があったので、フェースアングルを調整するものなのかな?と思いました。
専用の調整工具があれば、色々と変えて試してみたいですが、今日は無いので、このまま試打することにしました。
ソールの調整システム ヒール側
ヒール側には、大きな溝のようなものがありました。
トゥ側と同じです。
やはり、後からウェイトを付け加えるのでしょうか?
こちらには『DRAW』の文字がありました。
重さにもよりますが、あまり付け加えすぎてしまうと、フィーリングなども変わってくると思いますし、シャフトの動きにも影響してくるのではないかな?と思いました。
トゥ側の溶接跡
トゥ側
この溝をよく見てみると、奥の方が虹色に変色していました。
溶接の熱によるものだと思うのですが、こういう見えにくいところまではフォローされていないんだな・・・。と思いました。
とはいっても、普段は全く目にしないところですし、性能には全く関係しないと思うので、気になることはありませんでした。
ヒール側の溶接跡
ヒール側
ヒール側はどうなっているんだろう?と思い、よく見てみましたが、やはり同じようになっていました。
かなり複雑な形状ですし、作る側の苦労は大変なものがあったのではないかな?と思いました。
こういった、たくさんの努力がされているクラブを、簡単に試打できてしまう私はとても幸せ者です。
恵まれているなぁ・・・。と幸せをかみしめました。
フェース面の模様
フェース面の模様も独特で、あまり見ないデザインです。
ヒッティングエリアのドットのような模様が特徴的です。
指で触れてみたのですが、段差のようなものは無く、平らでした。
デザインだけの物なのかな?と思いましたが、こうして見ていても、弾きが良さそうな感じが伝わってきました。
セミシャロー
セミシャローバック形状です。
最近はシャロータイプが多いですが、このドライバーはそれほど薄さが強調されているようには見えません。
適度な厚みもあります。
技術の向上により、設計自由度も上がったのだと思います。
色々な形状のドライバーが見られるようになりました。
オリジナルグリップ
オリジナルグリップはシンプルなタイプでした。
ヘッドがかなり複雑なタイプなので、グリップはどうかな?と思いましたが、シンプルでした。
ソフトで好感がもてました。
適度に滑りにくくなっていて、それがフィーリングを邪魔していないのがいいと思いました。
顔
クセの無い、いい顔をしていました。
ミズノらしいです。
日本メーカーらしい『和の美しさ』を感じました。
この美しいブルーも見慣れてきましたし、すっかり『市民権』を得ているように思います。
JPXといえば、この美しいブルーを連想される方も多いのではないでしょうか?
易しそうな雰囲気が醸し出されていました。
ブルーは集中力を高める色だと聞いたことがあるのですが、この顔を見て、その通りだな・・・。と思いました。
以前も書きましたが、ピッチャーがキャッチャーミットをめがけてボールを投げる時、茶色のキャッチャーミットよりも、青色のキャッチャーミットのほうが、コントロールが良かったのだと、TVで観たことがあります。
色によって、そんなに違うのだと驚いたのですが、やはり色による効果は大きいのだと思います。
クラウンマーク
この控えめなクラウンマークも好感がもてますし、ランバードマークは、ミズノファンの方にはたまらないのではないでしょうか?
ヘッド後方の模様
ヘッド後方にある、この白い線も存在感がありました。
色が違いますが、テーラーメイドのグローレを思い出しました。
他のメーカーのドライバーにも見られますし、こうすることの効果もあるのだと思います。
振り感
素振りをしてみると、JPXらしく、軽量感がありますし、シャフトもよく動く感じがします。
全体的に動く感じがしました。
フレックスはSですが、硬い感じはしませんでした。
構え感
ボールを前にして構えてみても、好感をもつことができました。
構えやすいです。
『OPEN』の位置にあるからでしょうか?
逃がすイメージを出すことができたので、左へのミスが怖い私はリラックスして構えることができました。
JPXはフックフェースのイメージがありますが、このドライバーは違います。
しかし、ポジションを変えて『NEUTRAL』の位置にすると、おそらく少し被って見えるのではないでしょうか?
私にとって、このOPENの位置が『ニュートラル』といいますか、『中立』『標準』という感じがしました。
つかまえ顔を好まれる方には、右に行きそうな感じがして、構えづらいかもしれません。
そういったときには調整をすればいいので、メーカーもよく考えていると思います。
フェースの『左右の向き』はなかなか良かったのですが、『上下の向き』はちょっと違和感がありました。
9.5ということですが、明らかに違うな・・・。と思いました。
かなり上を向いているように見えます。
おそらく2度くらいは寝ているだろう・・・。と思いましたが、こういったことは別に珍しくもないので、あまり気にしないようにしました。
数字よりも、『見た目通り』で打っていこう・・・。と思いました。
情報は少ないほうがいいということは、これまでもたくさん経験しています。
『知りすぎること』によるミスも、世の中たくさんあるのかもしれません。
試打を開始しました。
フェース面
『打感』は、やや硬めでした。
しっかりしている感じです。
ソフトという印象はありませんでした。
手に少し衝撃が残りました。
ボールが(フェースに)よく乗るというよりは、一気にバーンと弾く感じがしました。
打球音
『音』は大きすぎず、そして高くなく、小気味いい感じでした。
インパクトを邪魔することもありません。
ブレーキが掛からず、気持ち良く振り抜いていくことができました。
打点をずらしてみると、結構音が変わるのが面白いです。
トゥ側
球はあがりやすく、よく浮いてくれました。
タフなタイプのドライバーではありません。
JPXらしい、イージーさがありました。
スピンは抑えられている感じがしましたが、敷居の高いタイプではありません。
『あがりやすい低スピン』といったらいいでしょうか?
あるメーカーから始まって、低スピン系のドライバーで『ロフトアップ』の動きも少し見られましたが、このドライバーにはそういったことは不要に感じられました。
まずは、自分の打っているドライバーのロフト通りで試されるのが良いのではないでしょうか?
バックフェース
『安定性』は、なかなかいい感じです。
最近は安定性の高いドライバーがたくさんあるので、それほど目立つ感じはしませんが、しっかりと高い安定性が確保されています。
シビアな感じはしませんでした。
顔が良かったこともあると思いますし、スイートエリアも広めに感じられました。
ソールのウェイトを移動させれば、もっと安定性が高くなるかもしれません。
飛距離性能
『飛距離性能』は、いい感じです。
球はよく上がってくれるのですが、スピンが多すぎて失速してしまう・・・。ということはなく、力強く前に進んでくれました。
軽量タイプではありますが、『頼もしさ』があるドライバーです。
操作性
『操作性』は、まずまずでした。
あまり大きく曲げられなかったのですが、左右へも曲げることができました。
特に右に曲げるのが簡単だったので、私は好感がもてました。
スライサーの方には、もっとつかまりをよくしたほうがいいかもしれないので、ウェイトやフェースアングルを調整すると、もっと親しみやすさが増すと思います。
ヒール側
ミズノらしい、高性能なドライバーです。
私はMPのほうが慣れ親しんでいて、JPXは試打するだけのことが多いのですが、最近のJPXはいいな・・・。と感じました。
シャフトを替えれば、もっと使えるようになるのが明らかです。
MIZUNO JPX900 DRIVER
特にJPX850は、いい印象が残っています。
JPX EIII ドライバー よりも、850のほうが、私は好きです。
MIZUNO JPX900 DRIVER
このJPX900というドライバーは、850のいいところを残しつつ、さらに調整機能を高めたモデルといえるのではないでしょうか?
ヘッドの基本性能といいますか、『飛び』に関して、おそらく850とあまり変わらないような気がします。
もちろん、実際に打ち比べてみたわけではないので、詳しいことは分からないのですが・・・。
MIZUNO JPX900 DRIVER
今は調整機能が落ち着いた感じがします。
以前は採用していたけど、今は採用しなくなったというメーカーもありますし、最初から採用しないメーカーもあります。
国内メーカーのドライバーで、ここまで複雑な調整ができるドライバーは無いと思います。
やるだけのことはやりきった感じがします。
ドライバーに調整機能を求めておられる方はたくさんいらっしゃると思いますし、このドライバーはそういった方々には、とても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
私は調整機能をそれほど求めてはいませんが、ここまで複雑な物を作ってきたメーカーの努力は凄いと思いました。
MIZUNO JPX900 DRIVER
MPとは明らかに違うコンセプトで開発されているJPXは、いいブランドだな・・・。と思いました。
ただ目先を変えているだけでなく、しっかりとしたビジョンといいますか、狙いのようなものが感じられます。
ミズノらしい、しっかりとした『モノヅクリ』が出来ていると思いました。
試打したのは純正シャフトだと思いますし、軽量感がありましたが、ヘッド自体はしっかりしているので、シャフトを替えればヒッタータイプの方にも合いやすいと思いました。
ロフトも変えられますし、幅広い層に対応していけるドライバーといっていいと思います。