今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ Be ZEAL 535 アイアン の7番 です。
シャフトは VIZARD for Be ZEAL 535 です。
ロフトは28.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、バランスはC9、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は369g です。
ホンマ Be ZEAL シリーズのニューアイアンです。
ホンマは軟鉄アイアンのイメージがとても強いのですが、このシリーズはそれらとは違うイージーモデルという位置づけでいいのでしょうか?
前のモデル同様、かなり機能的でハイテクな感じのアイアンです。
ラージサイズのポケキャビです。
これまで、たくさん見てきました。
今のアイアンは二極化しているように思いますし、こういうタイプは『もうひとつのスタンダード』といえるのかもしれません。
昔からホンマを知っている方には、こういうタイプはホンマらしくない感じがするかもしれませんが、昔から『易しめ』のクラブが無かったわけではないので、これもホンマの一部といえるような気もします。
ただ、形状やパーツなどがかなり複雑化していて、これも時代の流れなのかもしれません。
彫りの深さはたっぷりありました。
近くでよく見てみると、アンダーカットが入っているように見えました。
トップラインは厚めでした。
こういうタイプのアイアンには、これくらいが適正といえるのかもしれません。
ソール幅はワイドで、重心も低そうです。
ワイドではありますが、極端に広くないので、打ちやすそうな感じがしました。
ヒールとトゥにある、この切れ目(スリット)が目に入りました。
とても珍しくて、見た目のインパクト充分です。
どういう効果が期待できるのでしょうか?
これくらいの浅くて短いスリットであれば、重心配分には大きく影響しないような気もするのですが、これにもメーカーの深い研究と計算があるのだと思います。
こういったところは前のモデルには見られなかったですし、他のメーカーのアイアンにも見られません。
こういう新たな工夫や進化が見られたときは、とても嬉しくなります。
ネックは、やや短めですが、今のイージー系アイアンの中では普通といっていいように思います。
ロングネックタイプを敬遠される方には、親しみやすさを感じやすい長さといえるのではないでしょうか?
フェース面は『貼り付けタイプ』でした。
あ~あ。ホンマもついにこのようなアイアンを発表したのか・・・。と少し残念に思いました。
フェースは貼り付けタイプではなく、ワンピースタイプであって欲しいと思うのですが、これもメーカーの新たな挑戦なのかもしれません。
ただ、『らしくない』と思いました。
一時期、チタンフェースタイプのアイアンが流行ったことがあるので、おそらくこのアイアンも同様のチタンフェースタイプだと思います。
私はこういうタイプは正直あまり好きではないのですが、こだわらない、むしろ好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ミーリングはありませんでした。
オリジナルグリップも、少し個性的でした。
最近はソフトなタイプが多いですが、このグリップはソフトというよりは『しっかり』といいますか、少し硬い感じがしました。
あくまでも私の感覚では、『少し冷たい』感じのするグリップです。
ベルベットタイプは独特のしっとり感があって、体温に近いような温かみがあるように感じることもあるのですが、このグリップは全く違うタイプです。
グリップは、その表面の形状や硬さだけでなく、感じる温度でもフィーリングは変わってきます。
とはいっても、昔からこのようなグリップはあったので、特に苦手意識は芽生えませんでした。
グリップパターンも複雑で、場所によって変化していました。
素振りをしてみても、かなり軽さを感じました。
装着されているシャフトがカーボンシャフトなので、できればスチールを・・・。と思ったのですが、この1本しか無かったので、そのまま試打することにしました。
とはいっても、ホンマはヘッドだけでなく、シャフトにも強いこだわりのあるメーカーなので、このシャフトもヘッドとの相性を考えて開発されているのだろう・・・。と思いました。
こういうタイプのアイアンで球を打つときの私なりのコツといいますか、方法としては雨の日と同じような感じで、少しコンパクトでいつも以上にゆっくり振っていくようにしています。
決して打ち急がないように・・・。と心がけています。
ボールを前にして構えてみると、思っていた以上にクセが強くないのがいいな・・・。と思いました。
ラージサイズでグースの利きも目立っていますが、強すぎず適度なところで抑えられているのがいいです。
トップラインの厚さも目立っていますし、私の中のストライクゾーンからは外れているのですが、違和感などはありませんでした。
こういうラージサイズにはグースが当たり前なんだろうな・・・。と思いました。
7番にしてはかなりロフトが立っているので、出球のイメージがもうひとつ湧いてきませんでした。
先日、私はドライバーなど重心深度の深いクラブはライナー系のイメージが欲しいので『絶壁感』を求めたくなると書きましたが、アイアンやウェッジなど重心の浅いクラブは逆にフェースは寝ていて『打ち出しの高さ』を求めたくなります。
こういった感覚は私だけなのかもしれませんが・・・。
最近試打するアイアンの多くが『スタンディングロフト』なので、なかなかそういうわけにはいきませんが、これも時代なのかもしれません。
こうして見ていると、7番のフェースには見えず、少し大きめの5番くらいに見えました。
イメージがなかなか出てこなかったので、まずは『出たとこ勝負』的な感じで打ってみるしかない・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は、かなりしっかりめといいますか、硬い感じがしました。
正直、あまり好きにはなれませんでした。
アイアン独特の『くっつく感じ』もなかったですし、逆に球離れが速いように感じました。
しっかりと乗せて運ぶのではなく、バーンと弾いて飛ばしていく感じでした。
形こそアイアンのようではあるけれど、感覚的には全く違うタイプのクラブなのかな?と思いました。
私が好むタイプではないのですが、人の好みは様々ですし、こういった機能的なフィーリングを好まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
球はとてもあがりやすくて、イージーです。
どのように打ってもあがっちゃう感じです。
少々薄めにヒットとしても、しっかり浮いてくれました。
『安定性』も、かなり高いです。
今は高安定性のアイアンが多いですが、このアイアンはそれらの中でもトップクラスといっていいのではないでしょうか?
それくらい、このアイアンの高安定性能を感じました。
『飛距離性能』も優れていて、今の多くのニーズにしっかりと応えているな・・・。と思いました。
ただ単に飛ばせるアイアンではなく、『易しく飛ばせる』というのが、今のディスタンス系アイアンの特徴だと思いますが、このアイアンもまさにそんなタイプだと思いました。
私はアイアンに飛びをそれほど求めていませんが、ここまで性格がはっきりしていると逆に面白いな・・・。と思いました。
キャリーをしっかり稼げますし、ボールを弾く感じが強いです。
少々ミスヒットしても、距離がそれほど変わらないのも、このアイアンの魅力です。
私はこういうラージタイプのアイアンでは、少しトゥ寄りに打点がズレてしまうことがあります。
今日もそのようになったのですが、距離が落ちている感じはありませんでした。
『横のスイートエリア』も広そうです。
『操作性』という点では、『曲げにくさ』が勝ってしまうので、それほど反応がいいタイプではないと思いますが、左右に曲げることもできました。
グースが効いているタイプではありますが、強く引っ掛かるという感じはあまりなくて、少し逃がしていける感じがしました。
『弾き系』の特徴なのかな?と思いました。
少しクセのある顔をしていますが、性格的にはほとんど『中立』といえるのではないかな?と思いました。
構え感もそうですし、特に打感は私の好みから大きく外れてしまっていました。
しかし、こういうタイプもアリなのだと思います。
メーカーも、多様化するゴルファーの好みに応えるべく、色々なクラブを発表しているのは間違いありません。
フェースに球が乗っかる感じはなく、バーンと弾く感じです。
こういう打感で、しかもロフトが立っているアイアンで縦の距離を微妙に調節できる方がいれば、その方はかなり感性が鋭くて対応能力の高い方なのだと思います。
私はどうしても距離感を出せず、イメージよりも飛んで行ってしまう弾道を目で追いながら、全く違うタイプのアイアンなんだな・・・。と思いました。
アイアンは『狙ったところに落としてきっちり止める』というのではなく、『少しでも飛ばしたい。しかも楽に』という方に合いやすいのではないでしょうか?
かなりのハイテクアイアンだと思いました。
ハイテクな代わりに、フィーリングが少し濁っているといえば表現が良くないかもしれませんが、クリアな感じはしませんでした。
もちろん、慣れていけば気にならないのかもしれませんが、私は慣れたくないな・・・。と思いました。
アイアンといえばホンマ。といわれるくらい、昔から定評のあるメーカーですが、そのアイアンを知り尽くしたメーカーが、その高い技術力を活かして完成させたオートマチック系アイアンといっていいのではないでしょうか?
このアイアンも面白いと思いましたが、おそらくこれから発売されるであろう、ホンマの軟鉄アイアンを心待ちにしたいと思いました。
ホンマのニューモデルを、これからも期待しています。
ホンマ Be ZEAL 535 アイアン
- 2017年11月21日
- ホンマ