先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TR20-V アイアン の7番 です。
シャフトは VIZARD TR20-65 です。
ロフトは32度、クラブ長さは37.125インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は61g、トルクは3.7、キックポイントは中調子 です。
ホンマの新しいアイアンです。
ホンマは老舗メーカーであり、日本のゴルフ界を背負ってきたところがあります。
私もビギナー時代から、ずいぶんとお世話になってきました。
いつもホンマには注目していますが、ニューモデルに出会えると、とても嬉しくなります。
このアイアンを見て、懐かしさがこみあげてきました。
それは、この『モグラマーク』です。
トゥ側にある、ホンマのマークが昔の記憶を蘇らせます。
私が初めて購入したアイアンはPP-727というホンマのアイアンだったのですが、そのデザインを思い出しました。
今では見られない『ヒロホンマ』のファンでした。
易しい・難しいは別にして、所有欲を満たしてくれるアイアンで、いつも私を支え続けてくれました。
今もたくさんホンマのアイアンを試打していますが、このアイアンほど懐かしく感じたことはありません。
気持ちが揺さぶられてきました。
カッコいいキャビティアイアンです。
比較的シンプルなデザインで、すっきりしているのも魅力的です。
オーソドックスな形状ですが、小顔感はありませんでした。
彫りの深さは標準的で、ノーマルキャビティといっていいように思います。
そういえば、最近はポケキャビよりも、このような昔ながらのキャビティアイアンが増えてきたような気がします。
キャビティ構造にも流行というものがあるのでしょうか?
ポケキャビも『やり尽くした感』があるのかもしれません。
ただ、これからもポケキャビは無くならないと思いますし、たくさん登場すると思います。
トップラインの厚みも、ちょうどいいです。
今は少し厚めのものが多いので、少し狭く見える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれくらいが好きです。
ソール幅は標準的です。
ワイドというほどではないですが、適度な幅がキープされています。
この幅の広さは昔から見られます。
ソール全体が緩やかな丸みを帯びていて、易しさを感じさせます。
平らなタイプではないですし、かといって丸すぎることもありません。
ソールが上手く滑ってくれそうですし、リーディングエッジやトレーリングエッジも微妙に削られています。
ネックは適度な長さがあっていい感じです。
何ともいえない雰囲気がたまりません。
色っぽい感じがして、魅力的です。
いい『目の保養』ができます。
ホーゼルには『FORGED』の文字がありました。
一口にフォージドといっても色々とあるようですが、ホンマのフォージドなので特別なのかな?と思ってしまいます。
それくらい、ホンマは昔からクラブ作りにこだわりがあるメーカーです。
『冷たい』といいますか、人の温かみを感じられないようなメーカー(主に海外メーカー)もあるのですが、ホンマは昔から『血が通った』といいますか、『人の温もり』が感じられるメーカーだと思っています。
もちろん実際にホンマのクラブに触れてみて熱があるということではなく、あくまでも感じ方に過ぎないのですが、そういったいいイメージをホンマには抱き続けています。
ホンマのクラブには『MADE IN JAPAN SAKATA』の文字があることが多いですが、このクラブには見られませんでした。
もちろん日本製で、坂田工場で作られたのだと思うのですが、できれば表示されているといいな・・・。と思いました。
フェース面にミーリングはありませんでした。
シンプルなフェース面で、ホンマらしい質感のフェース面です。
チープさは全くありません。
装着されているグリップはホンマのロゴがあってカッコいいです。
ベルベットタイプと違うタイプの混合型といった感じのグリップです。
右手と左手でフィーリングが異なります。
右手側がソフトで、左手側が『しっかり』としたフィーリングです。
右手は素手で、左手はグローブをはめるので、このようなデザインになっているのでしょうか?
一時期はよく見られましたが、最近は少なくなりました。
素振りをしてみると、軽さが際立っていて注意が必要でしたが、何度か素振りを繰り返しタイミングをとることができました。
軽いので手先だけで振ってしまいがちになりますが、軽いからこそ、しっかりと体全体を使って振っていくことを心掛けました。
ホンマはヘッドだけでなくシャフトにもこだわっているので、このシャフトにもすごい技術が注ぎ込まれているのだと思います。
スチールシャフト装着モデルもラインアップされているそうなのですが、試打クラブはこの一本しかなかったので、このまま試打することにしました。
ボールを前にして構えてみても、すごくいい感じです。
嫌みのない『ホンマ顔』です。
こうして構えてみて、改めてクラブというのは『芸術作品』だな・・・。と思いました。
この顔だけでも、『ひとつの作品』といえます。
リーディングエッジからトゥへいって、トップラインまでの流れが見事です。
『水流を止めない流れのあるデザイン』といっていいでしょうか?
クラブによって、流れが乱れているように感じる物もありますが、このアイアンは見事に均一に流れているように感じられました。
ただ、これはあくまでも私の感じ方によるものなので、説明はしづらいのですが・・・。
グースタイプではないので、ラインもイメージしやすく、安心感があります。
グースタイプを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
やや面長に見えましたが、大顔タイプではないですし、何の問題もありません。
小顔タイプが苦手な方でも、これくらいがちょうどいい・・・。という方も多いのではないでしょうか?
フッカーである私は『逃がせるイメージ』が出しやすいクラブには安心感をもてるのですが、このアイアンはまさにそんな感じです。
軽量感には注意をしなければなりませんが、この顔のイメージは私の緊張を解き、リラックスさせてくれました。
球筋をイメージさせてくれるアイアンというのは『キャビティ』『マッスルバック』関係なく、易しいものです。
試打を開始しました
『打感』はいい感じです。
ソフトというよりは、やや軽めな感じがしましたが、ボヤけた打感ではなく、しっかりと芯を感じ取ることができました。
マッスルバックのような厚みのある打感とは違うのですが、この打感は昔からありますし、好感が持てます。
同じキャビティでも、『ポケキャビ』のように『分散感』がそれほど強くないのもいいです。
重心が深すぎず、後ろに行っていないのがいいのかもしれません。
色々なクラブを試打していると、ボールの大きさ以上に大きく感じられるクラブもあり、それらの多くが打感がぼやけていて伝わってくるものが少ないです。
なので打っていてもあまり満足感は得られないのですが、このアイアンはボールの大きさと同等だったので、フィーリングも合いやすくいい感じでした。
球はあがりやすくてタフさはありませんが、今のアイアンの中でいえば、平均的といっていいように思います。
どちらかといえばアスリート向けのような気がしますが、そのハードルは高くないので、スインガータイプの方にも親しみやすい性能をもっているといえるのではないでしょうか?
『安定性』は、キャビティらしい易しさがあって親しみやすいですが、『易しさ一辺倒』のクラブではないので、寛容さを最大限求めていきたい方には違うタイプのほうがいいかもしれません。
しかし『易しすぎない』のも性能の一部だと私は思っているので、これくらいまでがちょうどいいような気がします。
このアイアンはハーフキャビティというよりは『ノーマルキャビティ』といっていいように思いますが、『フルキャビティ』のような大らかさを感じました。
『飛距離性能』も優れていて、一番手以上は軽く飛ばせるクラブですが、今のアイアンの中では普通といっていいように思います。
易しく・軽く飛ばしていけるアイアンであることは間違いありません。
球があがりやすくてキャリーもしっかり出せますが、球がやや軽い感じがしたので、少し抑えていこうとしたのですが、全体的な軽さやシャフトの性質もあって、なかなか思うようにはいきませんでした。
飛ばそうとしなくても、飛ばせちゃうアイアンといったらいいでしょうか?
『操作性』は、なかなかいい感じでした。
構えやすいのでイメージしやすかったというのもあるのだと思います。
左右へも上手く対応してくれました。
少しだけ面長に見えたのですが、球が逃げることなく、しっかりとつかまえてくれました。
私は小顔タイプのアイアンが好きですが、このアイアンの大きさでも全く問題ありません。
球がつかまる過ぎることなく打っていけるので、フェードヒッターの方にはすごく易しいアイアンといえるのではないでしょうか?
試打後の感想
このアイアンを見て、すごくテンションがあがりました。
先ほども書きましたが、私が昔愛用していたアイアンに似ていたからです。
モグラマークは今でも見られますが、やはり『黒』でなければならないですし、トゥ側にあるというのも『ミソ』です。
ひとつのクラブに惚れて、10年以上使い続けて、同じ時を過ごした思い出が蘇ります。
私を育ててくれて、多くのことを教えてくれたPP-727のことを懐かしく思いながら試打をしていました。
マッスルバックとキャビティという違いはありますが、共通点は多いように思います。
あれからずいぶんと長い月日が流れましたが、今でもやはり『軟鉄が最強』だな・・・。と思いました。
もちろん、ステンレスなど他の素材も長所はたくさんあると思うのですが、私は軟鉄しか購入したことが無いですし、これからも軟鉄アイアンだけを相棒として迎え入れようと思っています。
このアイアンは最新モデルでありながら、特別変わった工夫は感じませんでした。
しかし、それがまたいいような気がします。
濁った感じはせずに、すごくクリアな印象をもちました。
昔のホンマと今のホンマではずいぶんと変わったところもあると思いますが、これからもクラブ業界をリードしていく存在であり続けて欲しいです。
難しいかもしれませんが、『ヒロホンマ』が復活すると嬉しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。