今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プロギア iD FORGEDアイアン の7番 です。
シャフトは SPEC STEEL IIIです。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75インチ、シャフト重量は94.5g、キックポイントは中調子、バランスはD0.5、クラブ総重量は416gです。
PRGR iDシリーズのニューアイアンです。
先日、同じシリーズのドライバーを試打したばかりですが、今日はアイアンを試打する機会に恵まれました。
そろそろアイアンを購入しようかと考えていて、最近は特にどのアイアンに絞ろうか・・・。と思案中なので、こうして新たに出会うアイアン全てに『購入候補』に入れるかどうか?という目線で見ているような気がします。
特に一昨年から昨年、そして今年にかけてとても素晴らしいアイアンにたくさん出会えてきているので、候補を絞り出すだけでも大変です。
そして今日はPRGRという、これまた私にとって昔から馴染みが深く、いい印象があるメーカーのアイアンなので、寒さを吹き飛ばすほどの気合いが入っていました。
しかし、やはり今日はとても寒い一日でした。
こういった日は、早く帰宅し『バット素振り』をして、身体を芯から温めたい・・・。と思いました。
今のシーズンはつくづく『球を打つ季節』というよりは、『素振りを繰り返す季節』なのだということを痛感します。
結構彫りの深いアイアンではありますが、バックフェース部分に膨らみがそれほど大きくないので、殆ど違和感を感じませんでした。
この角度から見ていて、
中にごみが入ってしまったら、掃除機で吸い出すしかないかな・・・?
などと考えていました。
練習場からでもコースからでも、使い終わったらグリップも含めて、クラブの全ての部分を綺麗にしておきたい私にとって、なかなか簡単に全ての部分を掃除させてはくれない形状ではありますが、『打ちやすさ』を重要視しながらも、『構えやすさ』が犠牲にならないようにするには、現時点ではこの形状がベストに近いのかもしれません。
今の主流ともいえる『掃除しづらい形状』のアイアンではありますが、ただ、こうしてクラブの性能が目で見てとれるところはとてもいいことだと思います。
ドライバーなどは見ただけでは分からないことも多いですが、アイアンではこうして見ているだけで、メーカー問わず、だいたいイメージが出来上がってきます。
見たところ、このアイアンも最近の他のメーカーのアイアン同様、驚くほど個性的な感じはしませんが、『PRGRのクラブだから』何かあるはずだ・・・。という期待感を持たせてくれます。
現にこれまでPRGRは、クラブ史に残るような名器をたくさん生み出してくれました。
今回のこの『iDシリーズ』も、インスピレーションとデータを重要視していることは、ドライバーで確認済みではありますが、このアイアンにもすごく期待感が膨らんできました。
何より、PRGRのフォージドアイアンらしい、この独特の光沢感が美しいなあ・・・。と思いました。
『ソール幅』は、少し広めな感じがしました。
『打ちづらさ』を感じてしまうような広さではないので、特に苦手意識は芽生えてきませんでした。
こうして見ていても、かなり『抜け』が良さそうだな・・・。と思いました。
昔はアイアンの『リーディングエッジ』は尖っているのが、いわば『当たり前』のようになっていて、これを練習や実戦で長く使っていくうちに、削っていきながら自分のものにしていく・・・。といった考えがありましたが、今は最初からこのような形になっている物も少なくありません。
それほど今のアイアンは、昔のように何年も使い続ける・・・。という感覚ではなくなったのでしょうか?
アイアン(特に軟鉄鍛造アイアン)は、使い込めば込むほど、体に馴染んでいく感覚があると思うのですが、今は結構『ドライ』になっているのかもしれません。
クラブを長く使っていくうちに、ゴルファーも成長していきながら、そのクラブを自分に合わせていく・・・。といった考えは、今はもうあまり流行らないのかもしれないな・・・。と思いました。
『皮膚感覚』で道具と接する時代ではなくなったのかもしれません。
『ホーゼル』の長さがしっかりとキープされているので、好感が持てました。
インスピレーションとデータを重要視しながら、決して『易しさ』だけに逃げていない感じがしたところに『PRGRらしさ』のようなものを感じました。
すごく使いやすそうなアイアンだな・・・。と思いました。
素振りをしてみた感じは、やや軽量ではあるものの、特に変わった感じはしませんでした。
私にとって、必ずしもベストとはいえない感じではあるのですが、これまでもたくさん経験しているので、不安に感じることはありませんでした。
店員さんの話によると、このアイアンはダイナミックゴールドもラインアップされているそうなので、今度出会う機会があれば、また試してみたいと思いました。
ボールを前にして構えた感じは、それほどシャープな感じはせずに、むしろ『易しさ』が全面に感じられる形状だと思いました。
これまでもたくさん出会ってきましたが、少々『グース』も目立ちますし、『トップライン』も少し厚い感じがするので、かなり敷居を下げてきているように感じました。
『シャープ』というよりは、この曲線の感じが『スムース』といった感じかな?などと思いました。
私はもっと『尖った感じ』といいますか『直線』を感じさせる『フォルム』に魅力を感じますが、これはそれぞれの好みの部分が大きいので、どちらがいいというものでもないのかもしれません。
アイアンの形状があまりにも、丸みを帯びていたり、大きさが大きすぎたりすると、『弾道のイメージ』がブレてしまうこともありますが、これくらいまでなら大きな影響はないと思いました。
私は左に引っ掛ける球をすごく嫌うので、引っかかりづらい『ストレートネック形状』のアイアンを好みますが、球のつかまりをもっと感じたい方は、このアイアンのように多少『グース』が効いていたほうが構えやすく感じられるのだと思いますし、今の大半のアイアンは『セミグース設計』といっていいのではないでしょうか?
それだけニーズがあるのだと思います。
構えたときに、いろいろなイメージラインが浮かび上がってくる感じではなく、どちらかというと『真ん中に一本の太いライン』をイメージさせる『顔』だと思いました。
構え感だけでいえば、『セミオートマチック』といったところでしょうか?
試打を開始しました。
『球のあがりやすさ』という点では、まずまずな感じだな・・・。と思いました。
ある程度予想していた感じだったので、特に変わった感じはしませんでした。
『iD』のうちの『インスピレーション』通りの弾道の高さだと思いました。
見た目とてもしっかりとしていて、本格的な作りになっていますが、『タフ』な感じは一切持ちませんでした。
すごく親しみやすいアイアンだと思います。
『ストロングロフトの上がりづらさ・ドロップ感』なども感じませんでした。
ただ、このアイアンはどちらかというとヒッタータイプの方に合いやすいと思うので、スインガータイプの方には、ややタフに感じられるかもしれません。
決して敷居が高すぎるアイアンだとは思いませんが、ある程度のヘッドスピードは要求してくるような気もしました。
『安定性』という点では、見た目通り、とても易しいアイアンだと思いました。
ある程度のミスに対しては、かなり寛容なアイアンだと思います。
『球のあがりやすさ』のところでも感じていたのですが、この『iDアイアン』は『インスピレーション』と『データ』が最重要視されていながら、それと同等かそれ以上に『易しさ』という点においても充分気を配って開発されたのではないでしょうか?
今はあまりシビアなアイアンはそれほど多くの支持を集めにくい感じがしますし、『易しさ』が全面に感じられないと人気は出づらいのかもしれません。
そういった意味でも、このアイアンはすごくよくゴルファーの購入心理をついている感じがしましたし、『市場調査』も充分に行われているのだと思います。
昔はロフトが立てば立つほど、球も上がりにくくなりながら、ミスに対してもかなりシビアなアイアンがとても多かったですが、今はこのようにストロングロフトのアイアンでも、かなり寛容さが感じられるようになりました。
このアイアンは、私の感覚では『6番アイアン』ですが、昔の6番アイアンはもっとシビアだったなあ・・・。とつくづく感じます。
しかし基本性能は、むしろ昔の物よりも格段に向上しているので、技術の進歩に感謝しなければならない・・・。と思いました。
『打感』は、とてもソフトな感じで好感が持てました。
フォージドアイアンの大きな特長だと思います。
かなりイージーなアイアンでありながら、フィーリング性能も決して劣っていない優れたアイアンだと思いました。
少々打点をズラしても、大きな軌道のズレは生じにくいアイアンですが、打感で感じやすいところに好感が持てました。
いくらミスに対して易しくても、自分がフェース面の何処でヒットしたかが分かりづらいクラブというのは、ドライバーにせよ、アイアンにせよ、使っていてとても怖いものです。
そういった意味でも、このアイアンは使い続けても、そんな怖さを感じにくいアイアンだと思いました。
『飛距離性能』という点では、先ほども書きましたが、私の感覚では明らかに『6番アイアン』なので、よく飛ぶといった印象を持ちますが、今はこれも既に一般的には『常識の範囲内』といったところがあるので、それほど驚くようなことでもないのかもしれません。
私の中での7番アイアンの飛距離の『許容範囲』を明らかに超えてしまっているので、実戦で試すには勇気が必要な部分もありますが、今はこれくらいロフトが立って飛距離が稼げないと、支持されにくいのかもしれません。
これまで出会ってきた、たくさんの『飛距離系アイアン』の中では、このアイアンはすごく『落ち着いた飛距離性能』だと思いますが、コントロール性を求めていくには、これくらいまでが限度なのかもしれません。
以前も書きましたが、私にとっての7番アイアンのロフトに対する『デッドライン』は『34度』までなので、このアイアンを購入したいとは、正直あまり思わなかったのですが、私のようにロフトにこだわっておられる方はそれほど多くないと思うので、一般的にすごく受け入れられやすいアイアンだと思います。
アイアンで飛距離を出していくには、『ストロングロフト』と『軽量スチール』は、とても有利に働いてくれるので、このアイアンのスペックはとても理にかなっているような気がします。
『操作性』という点では、まずまずの扱いやすさを感じることが出来ました。
構えたときに、それほどシャープな印象は持ちませんでしたが、変なクセも感じられなかったですし、左右に曲げていく練習も楽しく行うことが出来ました。
どちらかというと『直進性』のほうが長けているように感じましたが、『操作性』という点でも、決して劣っているとは思いませんでした。
『PRGR』のアイアンでいえば、私は昨年出会った『TR500』がすごく気に入っていて、今でも忘れることができないのですが、今回試打した、この『iD フォージドアイアン』は、少し違った印象を持ちました。
フォージドアイアンなので、あの鋭い感じを期待していたのですが、思いのほか『イージーさ』がすごく目立っているような感じがしました。
少なくとも、構えたときの『インスピレーション』という点では、私にとっては『TR500』のほうが、いい印象を持ちましたし、イメージラインを豊富に描いていくことが出来ました。
ただ、こういった感じ方は人によって大きく異なりますし、私はシャープさを求める傾向にありますが、人によっては、構えた時に『易しさによる安心感』を求めておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
そういった意味でのインスピレーションなのではないかな・・・?と、このアイアンを試打し終えて感じました。
全体的に見ても、かなり考えられて作られているような気がしますし、見た目落ち着いた作りになっていますが、かなりの『ハイテクアイアン』だと思いました。
クラブの嗜好というのは、時代によって大きく様変わりしてきますが、少なくとも今はこういったタイプのアイアンが大きな支持を集めやすいのではないでしょうか?
プロギアの自信が伺えます。
いくらクラブの性能が上がっても、プレーヤーの感性の邪魔をしたり、球を打っていて楽しくなければ、そのクラブはいいとは言えないと思うのですが、そういった意味で考えてみても、このアイアンはうまい具合に『線引き』が出来ている感じがしましたし、『さじ加減』が上手に出来ていると思いました。
様々な角度から見て、私が一番感じたのは『易しさ』です。
軽量スチールをやや苦手としている私でも、今日はすごく易しく感じました。
私にとって必ずしも『ベストスペック』だとは思いませんでしたが、親しみやすいアイアンです。
私はある程度『シビア』なクラブを使い続けていないと、スイングが緩んでしまう悪いクセがあるので、こういったイージーなアイアンはあまり向かないような気がしますが、PRGRの持つ高い技術の粋が集められたアイアンなのだと思いました。
プロギア iD FORGEDアイアン
- 2011年1月26日
- プロギア
- 次の記事へ
ピン K15 ドライバー